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技術 重金属等不溶化材及びその製造方法

出願人 住友大阪セメント株式会社
発明者 板谷裕輝國西健史林慎太郎下川吉信
出願日 2016年3月30日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-068597
公開日 2017年10月5日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-177012
状態 特許登録済
技術分野 他類に属さない組成物 固体収着剤及びろ過助剤 固体廃棄物の処理
主要キーワード 一般財 pH電極 ドロマイト鉱石 ORP電極 アルカリ性環境下 ケイ素量 吸着除去率 ケイ素含量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年10月5日)のものです。
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図面 (1)

課題

本発明は、アルカリ環境下においても、ホウ素等の重金属吸着除去能に優れる重金属等不溶化材及び、ホウ素等の重金属等吸着除去能に優れる重金属等不溶化材を製造するための配合設計を予め決定することができる、簡易な重金属等不溶化材の製造方法を提供する。

解決手段

本発明の重金属等不溶化材は、pHが8以上となる環境下で用いる重金属等不溶化材であって、半焼成ドロマイト高炉スラグ及び普通ポルトランドセメントを必須成分とし、ケイ素含量が23質量%以上で且つマグネシウム含量が5質量%以上であり、その製造方法は、前記重金属等不溶化材中のケイ素含量が23質量%以上で且つマグネシウム含量が5質量%以上となるように、半焼成ドロマイト、高炉スラグ及び普通ポルトランドセメントの配合割合を予め決定して配合することにより製造する方法である。

概要

背景

近年、産業廃棄物投棄等により、該廃棄物に含有される重金属等で土壌汚染される問題や、また工場跡地における土壌汚染も問題となっている。
更に、石炭灰路盤材として用いているが、石炭灰には炭種によりホウ素等の重金属等を含有しているものも存在し、これらの重金属等の溶出が問題となっている。

特に、「全国実態調査報告書(2013)」(一般財団法人石炭エネルギーセンター)によれば、福島第一原発事故後、日本の総発電量に占める石炭火力発電の割合が増加し、それに伴い石炭灰排出量の増加が見られている報告がなされており、今後、石炭灰の利用は増加するものと推測できる。

しかし、例えば、農産物を生育する上で、土壌汚染は深刻な問題であり、重金属等が溶出すると、地下水が汚染され、健康被害が深刻な問題となっている。
またヒトだけでなく、周辺生態系へ及ぼす影響も無視できるものではなく、社会的な問題として、大きく注目されている。

かかる事情に鑑み、石炭灰や土壌から溶出する重金属等及び重金属等含有廃水を処理することができる方法や重金属等不溶化材が期待されている。

排水処理及び土壌中における重金属等不溶化材として使用される薬剤として硫酸ナトリウム塩化第二鉄硫酸第一鉄酸化マグネシウムチタン塩セリウム塩キレート剤ハイドロタルサイトシュベルトマナイトなどが知られているが、これらの薬剤は、不溶化効果が低かったり、複合汚染に対応することが困難であったり、コストが高かったり、安定的な確保が難しい等の問題を有していた。

これらの問題に鑑み、重金属等不溶化材として半焼成ドロマイト仮焼ドロマイト部分分解ドロマイト等と称されているドロマイト系吸着材が提案されており、例えば以下のドロマイト材が開示されている。
特開2012−157834号公報(特許文献1)には、ドロマイトを焼成して得られた、遊離酸化カルシウム含有量が1.2重量%以下であって、遊離酸化マグネシウムの含有量が8重量%以上である半焼成ドロマイトと、水可溶性鉄化合物との配合物からなる排水中のフッ素および/または重金属イオン除去剤が開示されている。

また、特開2011−240325号公報(特許文献2)には、ドロマイトを焼成して得られた、遊離酸化カルシウムの含有量が1.2重量%以下であって、遊離酸化マグネシウムの含有量が8重量%以上である半焼成ドロマイトを有効成分とする排水中の重金属イオンおよび(または)リン酸イオンの除去剤が開示されている。

しかし、アルカリ環境下で、優れたホウ素等の除去率を有する重金属等不溶化材及びその製造を簡易にする設計基準を設けて重金属等不溶化材を製造する技術思想は一切記載も示唆もない。

概要

本発明は、アルカリ環境下においても、ホウ素等の重金属等吸着除去能に優れる重金属等不溶化材及び、ホウ素等の重金属等吸着除去能に優れる重金属等不溶化材を製造するための配合設計を予め決定することができる、簡易な重金属等不溶化材の製造方法を提供する。 本発明の重金属等不溶化材は、pHが8以上となる環境下で用いる重金属等不溶化材であって、半焼成ドロマイト、高炉スラグ及び普通ポルトランドセメントを必須成分とし、ケイ素含量が23質量%以上で且つマグネシウム含量が5質量%以上であり、その製造方法は、前記重金属等不溶化材中のケイ素含量が23質量%以上で且つマグネシウム含量が5質量%以上となるように、半焼成ドロマイト、高炉スラグ及び普通ポルトランドセメントの配合割合を予め決定して配合することにより製造する方法である。なし

目的

本発明の目的は、上記課題を解決し、アルカリ性環境下においても、ホウ素等の重金属等吸着除去能に優れる重金属等不溶化材を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

pHが8以上となる環境下で用いる重金属不溶化材であって、半焼成ドロマイト高炉スラグ及び普通ポルトランドセメントを必須成分とし、ケイ素含量が23質量%以上で且つマグネシウム含量が5質量%以上であることを特徴とする、重金属乙不溶化材。

請求項2

請求項1記載の重金属等不溶化材法において、重金属等は、ホウ素であることを特徴とする、重金属等不溶化材。

請求項3

半焼成ドロマイト、高炉スラグ及び普通ポルトランドセメントを必須成分とする重金属等不溶化材であって、前記重金属等不溶化材中のケイ素含量が23質量%以上で且つマグネシウム含量が5質量%以上となるように、半焼成ドロマイト、高炉スラグ及び普通ポルトランドセメントの配合を予め決定して配合することを特徴とする、重金属等不溶化材の製造方法。

請求項4

請求項3記載の重金属等不溶化材の製造方法において、半焼成ドロマイト、高炉スラグ及び普通ポルトランドセメント中のケイ素含量及びマグネシウム含量をそれぞれ予め測定しておくことを特徴とする、重金属等不溶化材の製造方法。

請求項5

請求項3又は4記載の重金属等不溶化材の製造方法において、重金属等は、ホウ素であることを特徴とする、重金属等不溶化材の製造方法。

請求項6

請求項3乃至5のいずれかの重金属等不溶化材の製造方法は、pHが8以上となる環境下で重金属等不溶化材を用いるための製造であることを特徴とする、重金属等不溶化材の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、重金属不溶化材及びその製造方法に関し、特に石炭灰等から溶出するホウ素等の重金属等を吸着低減するための最適な配合を有する重金属等不溶化材、及び、石炭灰等から溶出する重金属等であるホウ素等を吸着低減するための最適な配合を容易に予め決定して、その決定した配合割合で配合することにより製造ができる、重金属等不溶化材の製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、産業廃棄物投棄等により、該廃棄物に含有される重金属等で土壌汚染される問題や、また工場跡地における土壌汚染も問題となっている。
更に、石炭灰を路盤材として用いているが、石炭灰には炭種によりホウ素等の重金属等を含有しているものも存在し、これらの重金属等の溶出が問題となっている。

0003

特に、「全国実態調査報告書(2013)」(一般財団法人石炭エネルギーセンター)によれば、福島第一原発事故後、日本の総発電量に占める石炭火力発電の割合が増加し、それに伴い石炭灰排出量の増加が見られている報告がなされており、今後、石炭灰の利用は増加するものと推測できる。

0004

しかし、例えば、農産物を生育する上で、土壌汚染は深刻な問題であり、重金属等が溶出すると、地下水が汚染され、健康被害が深刻な問題となっている。
またヒトだけでなく、周辺生態系へ及ぼす影響も無視できるものではなく、社会的な問題として、大きく注目されている。

0005

かかる事情に鑑み、石炭灰や土壌から溶出する重金属等及び重金属等含有廃水を処理することができる方法や重金属等不溶化材が期待されている。

0006

排水処理及び土壌中における重金属等不溶化材として使用される薬剤として硫酸ナトリウム塩化第二鉄硫酸第一鉄酸化マグネシウムチタン塩セリウム塩キレート剤ハイドロタルサイトシュベルトマナイトなどが知られているが、これらの薬剤は、不溶化効果が低かったり、複合汚染に対応することが困難であったり、コストが高かったり、安定的な確保が難しい等の問題を有していた。

0007

これらの問題に鑑み、重金属等不溶化材として半焼成ドロマイト仮焼ドロマイト部分分解ドロマイト等と称されているドロマイト系吸着材が提案されており、例えば以下のドロマイト材が開示されている。
特開2012−157834号公報(特許文献1)には、ドロマイトを焼成して得られた、遊離酸化カルシウム含有量が1.2重量%以下であって、遊離酸化マグネシウムの含有量が8重量%以上である半焼成ドロマイトと、水可溶性鉄化合物との配合物からなる排水中のフッ素および/または重金属イオン除去剤が開示されている。

0008

また、特開2011−240325号公報(特許文献2)には、ドロマイトを焼成して得られた、遊離酸化カルシウムの含有量が1.2重量%以下であって、遊離酸化マグネシウムの含有量が8重量%以上である半焼成ドロマイトを有効成分とする排水中の重金属イオンおよび(または)リン酸イオンの除去剤が開示されている。

0009

しかし、アルカリ環境下で、優れたホウ素等の除去率を有する重金属等不溶化材及びその製造を簡易にする設計基準を設けて重金属等不溶化材を製造する技術思想は一切記載も示唆もない。

先行技術

0010

特開2012−157834号公報
特開2011−240325号公報

発明が解決しようとする課題

0011

本発明の目的は、上記課題を解決し、アルカリ性環境下においても、ホウ素等の重金属等吸着除去能に優れる重金属等不溶化材を提供することである。
また、本発明の他の目的は、半焼成ドロマイト、高炉スラグ及び普通ポルトランドセメントを必須成分として含有し、ホウ素等の重金属等吸着除去能に優れる重金属等不溶化材を製造するための配合設計を予め決定することができる、重金属等不溶化材の製造方法を提供することである。
特に、石炭灰を路盤材に用いたときにはアルカリ性環境が形成されるので、かかるアルカリ環境下において、重金属等であるホウ素の吸着除去能に優れる重金属等不溶化材及び重金属等不溶化材の製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0012

本発明は、重金属等であるホウ素の吸着除去率と、重金属等不溶化材中のケイ素及びマグネシウム含量とが相関性を有することを見出し、重金属等不溶化材中のケイ素とマグネシウムの含量が特定の含量となるように予め設計することにより、本発明に到ったものである。
本発明は以下の技術的特徴を有するものである。

0013

(1)本発明の重金属等不溶化材はpHが8以上となる環境下で用いる重金属等不溶化材であって、半焼成ドロマイト、高炉スラグ及び普通ポルトランドセメントを必須成分とし、ケイ素含量が23質量%以上で且つマグネシウム含量が5質量%以上であることを特徴とする、重金属等不溶化材である。
(2)上記(1)の重金属等不溶化材法において、重金属等は、ホウ素であることを特徴とする。

0014

(3)本発明の重金属等不溶化材の製造方法は、半焼成ドロマイト、高炉スラグ及び普通ポルトランドセメントを必須成分とする重金属等不溶化材であって、前記重金属等不溶化材中のケイ素含量が23質量%以上で且つマグネシウム含量が5質量%以上となるように、半焼成ドロマイト、高炉スラグ及び普通ポルトランドセメントの配合を予め決定して調製することを特徴とする、重金属等不溶化材の製造方法である。

0015

(4)上記(3)の重金属等不溶化材の製造方法において、半焼成ドロマイト、高炉スラグ及び普通ポルトランドセメント中のケイ素含量及びマグネシウム含量をそれぞれ予め測定しておくことを特徴とする。

0016

(5)上記(3)又は(4)の重金属等不溶化材の製造方法において、重金属等は、ホウ素であることを特徴とする、重金属等不溶化材の製造方法である。
(6)上記(3)乃至(5)のいずれかの重金属等不溶化材の製造方法は、pHが8以上となる環境下で重金属等不溶化材を用いるための製造であることを特徴とする。

0017

なお、本発明において、重金属等とは、土壌汚染対策法で定める第二種特定有害物質を意味し、ホウ素等の半金属も、「重金属等」として表す。

発明の効果

0018

本発明の重金属等不溶化材は、石炭灰を路盤材に用いた際等のアルカリ性環境において、ホウ素等の重金属等吸着除去能に優れることができる。
また、本発明の重金属等不溶化材の製造方法は、半焼成ドロマイト、高炉スラグ及び普通ポルトランドセメントを必須成分として含有して、ホウ素等の重金属等吸着除去能に優れる重金属等不溶化材の配合設計を、予め決定することができるため、ホウ素等に対して、優れた重金属等吸着性能を有する不溶化材の製造を容易にすることができる。
特に、石炭灰を路盤材に用いた際のアルカリ性環境において、ホウ素等の重金属等吸着除去能に優れる重金属等不溶化材を製造するための配合設計を予め決定して、製造することが可能となる。
従って、半焼成ドロマイト、高炉スラグ、普通ポルトランドセメント中の各ケイ素含量とマグネシウム含量とを予め測定することで、半焼成ドロマイト、高炉スラグ、普通ポルトランドセメントを配合する最適な配合決定を予め設計することが可能となる。

図面の簡単な説明

0019

一例の重金属等不溶化材のホウ素吸着除去率と、pH環境との関係を示す図である。

実施例

0020

本発明を以下の実施態様により説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明の重金属等不溶化材は、pHが8以上となる環境下で用いる重金属等不溶化材であって、半焼成ドロマイト、高炉スラグ及び普通ポルトランドセメントを必須成分とし、ケイ素含量が23質量%以上で且つマグネシウム含量が5質量%以上である、重金属等不溶化材である。
かかる含量で、ケイ素とマグネシウムとを含むことにより、pHが8以上のアルカリ環境下においても、ホウ素等の重金属等を効率的に吸着除去することが可能となる。

0021

本発明の重金属等不溶化材の製造方法は、半焼成ドロマイト、高炉スラグ及び普通ポルトランドセメントを必須成分とする重金属等不溶化材であって、前記重金属等不溶化材中のケイ素含量が23質量%以上で且つマグネシウム含量が5質量%以上、好ましくは6質量%以上となるように、半焼成ドロマイト、高炉スラグ及び普通ポルトランドセメントの配合を予め決定をして配合する、重金属等不溶化材の製造方法である。

0022

特に、本発明の重金属等不溶化材の製造方法は、重金属等、特にホウ素を有効に吸着除去することができる重金属等不溶化材の最適な配合割合を決定するための製造方法であり、本発明の重金属等不溶化材は、半焼成ドロマイト、高炉スラグ及び普通ポルトランドセメントを必須成分とする重金属等不溶化材である。

0023

かかる半焼成ドロマイト、高炉スラグ及び普通ポルトランドセメントを必須成分とする重金属等不溶化材を構成する半焼成ドロマイトとしては、市場入手し得る任意の半焼成ドロマイトを用いることができ、産地原料ドロマイトの組成は問わない。
ドロマイトは、石灰石CaCO3とマグネサイトMgCO3のモル比が1:1となる複塩構造をとっており、CO32−基を挟んでCa2+イオンとMg2+イオンが交互に層を成しており、一般に、炭酸マグネシウムの割合が10〜45質量%のものをいう。ドロマイトは、国内に多量に存在しており、ドロマイトを使用した重金属等吸着材は、コストや環境負荷の点からも有利である。

0024

半焼成ドロマイトは、重金属等不溶化性能発現することに大きく貢献しており、MgO系軽焼ドロマイトと比較してpHが9〜10と弱アルカリ性であることから、本発明に好適に適用することができるものである。

0025

特に、半焼成ドロマイトとしては、粉末X線回折によるリートベルト法を用いて解析したドロマイト焼成物中の残留CaMg(CO3)2相の含量が、0.4≦x≦35.4(質量%)となる半焼成ドロマイトを好適に用いることができる。
これは、半焼成ドロマイト中に含まれるCaMg(CO3)2相を定量して、上記範囲内の残留量とすることで、原料となるドロマイト鉱石の産地による組成の相違や、焼成温度等の焼成条件の設定などに関係なく、ドロマイトが最大に優れた重金属等吸着性能を有することが可能となるからである。

0026

ドロマイトは焼成することで、CaMg(CO3)2→MgO+CaCO3+CO2であらわされる分解反応を示す。ドロマイトの焼成による上記熱分解により、細孔及びMgOが形成されて重金属等不溶化性能を発揮しているものと考えられる。
特に、ドロマイトを焼成した半焼成ドロマイト中のドロマイト相(CaMg(CO3)2相)の残留量を粉末X線回折によるリートベルト法により解析して、残留CaMg(CO3)2相の含量が、0.4≦x≦35.4(質量%)、好ましくは1.8≦x≦17.4(質量%)となる半焼成ドロマイトであれば、該ドロマイトが、より優れた重金属等不溶化性能を得ることができることとなる。
残留CaMg(CO3)2相の含量が、上記範囲内とすることで、重金属等をより良好に不溶化することを実現することが可能となるものである。

0027

かかる好適な半焼成ドロマイトは、粉末X線回折によるリートベルト法を用いて解析したドロマイト焼成物中の残留CaMg(CO3)2相の含量が、0.4≦x≦35.4(質量%)となるように焼成することで製造することができる。
ドロマイトを焼成する温度は、特に限定されず、通常ドロマイトを焼成して半焼成ドロマイトを製造する温度、例えば650〜1000℃で焼成することができる。残留CaMg(CO3)2相の含量が、0.4≦x≦35.4(質量%)となるように焼成すれば焼成時間も制限されるものではない。

0028

また、重金属等不溶化材を構成する高炉スラグとしては、特に限定されず、市場で入手し得る任意の高炉スラグを用いることができ、由来やその組成は問わない。
例えば、高炉徐冷スラグ高炉水砕スラグ等を例示することができる。

0029

重金属等不溶化材を構成する普通ポルトランドセメントしては、特に限定されず、市場で入手し得る任意の普通ポルトランドセメントを用いることができ、普通ポルトランドセメントは、JIS R 5210に規定されている性質を有するものである。

0030

本発明の重金属等不溶化材を調製するにあたっては、上記半焼成ドロマイト、高炉スラグ、普通ポルトランドセメント中に含まれるケイ素の含量及びマグネシウムの含量を予め測定する。
分析方法としては、これらの各材料を分析して、含有されるケイ素含量及びマグネシウム含量を測定することができれば、任意の分析方法で測定することができ、好ましくは、半焼成ドロマイトの各成分の含量は、JIS M 8851「ドロマイトの分析方法」に準じて分析した値、高炉スラグ及び普通ポルトランドセメントの各成分の含量は、JIS R 5202[セメント化学分析方法]を用いて分析した値等を用いることができ、予め上記各材料中のケイ素含量及びマグネシウム含量を分析測定する。
上記各材料中のケイ素の含量及びマグネシウムの含量を予め測定しておくことにより、ホウ素等の重金属等を吸着除去するための最適な配合割合の設計を決定することが容易となる。

0031

ホウ素等の重金属等を吸着除去するための最適な配合設計は、半焼成ドロマイト、高炉スラグ、普通ポルトランドセメントを必須成分として配合して得られる重金属等不溶化材中のケイ素含量が23質量%以上で且つマグネシウム含量が5質量%以上となるように、好ましくはケイ素含量が23質量%以上で且つマグネシウム含量が6質量%以上、より好ましくはケイ素含量が23〜26質量%でマグネシウム含量が6〜9質量%となるように、ケイ素量マグネシウム量が予め測定されている半焼成ドロマイト、高炉スラグ、普通ポルトランドセメントを配合する。
このように最適な配合割合を設計して決定することで、ホウ素等の重金属等を効率的に吸着除去できる重金属等不溶化材を得ることができる。

0032

本発明は、重金属等不溶化材中に含まれるケイ素及びマグネシウムにだけ注目して、重金属等不溶化材中のケイ素及びマグネシウムの含有割合が本発明の範囲内に入るように、半焼成ドロマイト、高炉スラグ、普通ポルトランドセメントの配合割合を予め決定すればよく、極めて簡易に最適配合設計を決定すること可能となり、かかる予め決定した最適配合割合に応じて、半焼成ドロマイト、高炉スラグ、普通ポルトランドセメントを配合することで、本発明の重金属等不溶化材を容易に製造することが可能となる。

0033

特に、石炭灰を路盤材等に用いた場合には、雨水等により石炭灰からホウ素が溶出され、また環境がアルカリ性環境となる。
本発明の重金属等不溶化材、具体的には本発明の製造方法により設計製造された重金属等不溶化材は、かかるアルカリ性環境下において、重金属等であるホウ素を効率的に吸着除去できる重金属等不溶化材とすることができる。

0034

本発明の重金属等不溶化材及びその製造方法を以下の具体例により詳述する。
半焼成ドロマイト、高炉スラグ及び普通ポルトランドセメントに含まれる各成分を分析して測定する。その結果を例えば下記表1に示す。
なお、表1に示す半焼成ドロマイトの各成分の含量は、JIS M 8851[ドロマイトの分析方法]に準じて分析した値、高炉スラグ及び普通ポルトランドセメントの各成分の含量は、JIS R 5202[セメントの化学分析方法]に準じて分析した値を示す。

0035

次いで、下記表1に示す各成分を有する半焼成ドロマイト、高炉スラグ及び普通ポルトランドセメントを用い、下記表2に示す各配合割合で当該半焼成ドロマイト、高炉スラグ及び普通ポルトランドセメントを配合して均一に混合することにより、各重金属等不溶化材を調製する。

0036

0037

0038

上記表1及び表2より算出した各重金属等不溶化材の成分の含量を、以下の表3に示す。

0039

0040

原子吸光分析用ホウ素標準液(関東化学(株):1000mg/l)を用いて調製したホウ素(B)を1mg/lで含む溶液100mlに、上記表3に示す各重金属等不溶化材を1g添加配合し、24時間振とうして均一に混合する。

0041

次いで、24時間経過後、0.45μmメンブランフィルターを用いて吸引濾過を実施し、固液分離を行い、ろ液中のホウ素濃度を「ICP発光分光分析法」(JIS K 0102:2013)により測定して定量し(Cf)、下記式より吸着除去率を算出する。

0042

吸着除去率(%)=(Ci−Cf)/Ci×100
上記式中、Ci=吸着試験における初期濃度(mg/l)、Cf=吸着試験における最終濃度(mg/l)を示す。
その結果を下記表4に示す。

0043

また、ろ液のpH及び酸化還元電位(ORP)を、(株)堀場製作所製の卓上型pHメーター:F−73(pH電極:9615S−10D、ORP電極:9300−10D)にて測定する。
その結果を上記表4に示す。
なお、ろ液のpHが12以上の高アルカリの状態は、石炭灰を路盤材として利用した場合の環境と同様の環境を示す。

0044

0045

上記表3及び表4より、半焼成ドロマイト、高炉スラグ及び普通ポルトランドセメントからなる重金属等不溶化材中に含有される各成分のうち、ホウ素の吸着除去率とケイ素及びマグネシウム含量とが相関関係にあることがわかる。
従って、ホウ素を有効に吸着除去するためには、重金属等不溶化材中のケイ素含量を23質量%以上で且つマグネシウム含量が5質量%以上となるように、好ましくはケイ素含量が23質量%以上で且つマグネシウム含量が6質量%以上となるように、重金属等不溶化材を設計すればよいことがわかる。

0046

重金属等不溶化材中のケイ素含量が23質量%以上で且つマグネシウム含量が5質量%、好ましくは6質量%以上となるように、重金属等不溶化材を設計することで、ホウ素の吸着除去率を64%以上、好ましくは68%以上とすることができることがわかる。

0047

また下記表5に示す各Good’s Bufferを用いて、ホウ素の吸着除去率とpHとの関係を測定する。
具体的には、まず、下記6に示す各Good’s Bufferを、超純水に1M添加し、その後NaOH(試薬和光純薬工業(株))を用いて、表6に示す各pHに調整し、原子吸光分析用ホウ素標準液(関東化学(株):1000mg/l)を用いて、各ホウ素1mg/l標準液を調製する。

0048

0049

各標準液100mlに、上記表3に示すNo.8の重金属等不溶化材を1g添加配合し、24時間振とうして均一に混合する。
次いで、24時間経過後、0.45μmメンブランフィルターを用いて吸引濾過を実施し、固液分離を行い、各標準液中のホウ素濃度を「ICP発光分光分析法」(JIS K 0102:2013)により測定して定量し(Cf)、下記式より吸着除去率を算出する。
吸着除去率(%)=(Ci−Cf)/Ci×100
上記式中、Ci=吸着試験における初期濃度(mg/l)、Cf=吸着試験における最終濃度(mg/l)を示す。
その結果を、表6に示す。

0050

また、各標準液中の酸化—還元電位(ORP)を、ORP電極:9300−10D)にて測定する。
その結果を表6及び図1に示す。

0051

0052

上記表6及び図1の結果より、pHの上昇とともに、特に、pHが8以上となるアルカリ環境下において、ホウ素の除去吸着率も向上することがわかる。
従って、本発明の重金属等不溶化材、特に本発明の製造方法を適用して設計製造された重金属等不溶化材は、かかるアルカリ性環境下において、有効にホウ素等の重金属等を効率的に吸着除去できる重金属等不溶化材を得ることができることが明らかである。

0053

本発明の重金属等不溶化材及びその製造方法は、例えば、石炭灰から溶出するホウ素等の重金属等を不溶化するために用いる重金属等不溶化材とすることが可能で、ホウ素等の重金属等を効率良く、吸着除去する不溶化材の設計に適用することができ、例えば、トンネルダム等の掘削工事建設工事等によって大量に発生するホウ素等の重金属等を含む汚染土壌の処理や、工場等のホウ素等の重金属等を含む排水の処理に有効に適用して重金属等を不溶化することができる重金属等不溶化材に適用することができる。

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