図面 (/)

技術 無菌動物飼育装置用のフィルター、滅菌缶及び輸送缶

出願人 株式会社ジック
発明者 今井都泰齋藤宗雄
出願日 2016年11月18日 (3年5ヶ月経過) 出願番号 2016-225407
公開日 2017年10月5日 (2年7ヶ月経過) 公開番号 2017-176167
状態 特許登録済
技術分野 家畜,動物の飼育(1)(畜舎,鳥舎)
主要キーワード 抑えリング 中性フィルター 平面フィルター 隙間面積 mm穴 多角筒 給気風速 平面状フィルタ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年10月5日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (15)

課題

無菌動物飼育装置に用いることのできる改良されたフィルター滅菌及び輸送缶を提供すること。

解決手段

保護剤または保護フレームで保護されたHEPAフィルターを備えた無菌動物飼育装置用のフィルターを提供する。またHEPAフィルターを備えた無菌動物飼育装置用の滅菌缶及び輸送缶並びに無菌動物飼育システムを提供する。また、上下面の少なくとも一方が透明なポリカーボネート製であり、側面にフィルターを備えた、無菌動物飼育装置用の輸送缶を提供する。

概要

背景

従来より、無菌動物等を飼育する目的で無菌動物飼育装置が利用されている。無菌動物飼育装置は、アイソレータビニールアイソレータなどとも呼ばれる。

ビニールアイソレータは、通常、給気口、飼育室、及び排気口を備える。給気口より供給される空気は無菌である必要があり、そのために一般的にはフィルターが用いられる。フィルタ外気中の微生物ウイルス等を除去し無菌性を実現するためのものである。また、無菌動物飼育装置は、その内容物を出し入れするために滅菌とともに使用されている。滅菌缶は、滅菌状態を維持しつつ、その内容物を無菌動物飼育装置に入れたり、当該装置の内容物を滅菌缶に移したりすることができるように、当該装置に取り付けることができるものである。さらに、無菌動物飼育装置は、無菌動物を輸送し、装置に出し入れするために輸送缶とともに使用されている。輸送缶はやはり、無菌状態を維持しつつ、無菌動物を当該装置に移したり、当該装置から取り出すことができるように、当該装置に取り付けることができるものである。

無菌動物飼育装置用のフィルターの濾材としては、当業界では濾材FG−50(アメリカエアーフィルター社製)が伝統的に用いられてきた。これはビニールアイソレータ技術が米国から導入されて以来、昭和30年代から一貫して用いられているものである。滅菌缶や輸送缶についても同様にFG−50が用いられてきた。

このFG−50フィルターが無菌動物飼育に用いられるようになったのは、無菌スチールタンクのフィルターとして、ニクロム線の熱をグラスウールで均等にするため、FG−50をニクロム線と共に巻き付け使用していた時、停電が生じても無菌が維持されたことによるものである。以後、ビニールアイソレータはフィルター濾材としてFG−50を使い続けている。粉塵効率(集塵効率)に基づいて選定されたものでない。

その後、高性能フィルターHEPAフィルターともいう)が開発され、粉塵(クリーンルーム等)を対象とした多くの研究が成されている。これはクリーンルーム用フィルタとして用いられ、高い性能が要求される半導体液晶部品医薬品、食品の製造等に利用されている。また空気清浄機の中には、このフィルタを使ったものがある。家庭用掃除機でも、ハウスダストによるアレルギーを防止する観点からこのフィルタを採用したものがある。しかしながら、これほど多様な用途に転用されているにもかかわらず、無菌動物業界ではそうした高性能フィルターが検討されることはなく、実績のあるFG−50が使い続けられている。HEPAフィルターは傷つきやすく、そのままでの取り扱いが困難であるため、一般的には、保護構造に組込まれた状態、例えばカートリッジの形で提供される。

通常のアイソレータの10倍容積の大型アイソレータが開発された際には高性能フィルターの使用が試みられた。しかしながら高性能フィルターは、室内用の折り畳み加工された製品としてしか入手できず、濾材そのものの圧力損失が高いと予想され、また、傷つきやすく、1箇所破損するとフィルター全体が使えなくなる等、取り扱いの面で問題があり、通常の小型アイソレータに使えなかった。

FG−50の集塵効率はそれほど高くないことからフィルター研究者の中には、その性能を疑問視する者もあった。しかしながらFG−50を4重にして用いると実務上は無菌が実現できウイルスや細菌は検出されないため、これが使用され続けてきた経緯がある。

改良されたビニールアイソレータ用のフィルターが求められている。またFG−50フィルターは比較的高コストであり、より安価なビニールアイソレータ用のフィルターが求められている。同様のことが、無菌動物飼育装置用の滅菌缶及び輸送缶についてもあてはまる

従来の上下面がブリキ製の輸送缶(いわゆる紙缶)は、外から中身見えないという問題があった。特に無菌動物の輸送に関し、検閲の際に中身を確認することが必要である一方で、上下面を開いてしまうと無菌環境が維持できないという問題があった。

概要

無菌動物飼育装置に用いることのできる改良されたフィルター、滅菌缶及び輸送缶を提供すること。保護剤または保護フレームで保護されたHEPAフィルターを備えた無菌動物飼育装置用のフィルターを提供する。またHEPAフィルターを備えた無菌動物飼育装置用の滅菌缶及び輸送缶並びに無菌動物飼育システムを提供する。また、上下面の少なくとも一方が透明なポリカーボネート製であり、側面にフィルターを備えた、無菌動物飼育装置用の輸送缶を提供する。

目的

本発明は、上記の問題を解決する無菌動物飼育装置用のフィルター、滅菌缶及び輸送缶を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

保護剤により両面が保護された平面状のHEPAフィルターを備えた、無菌動物飼育装置用のフィルター

請求項2

円筒状の保護フレームにより保護された円柱状HEPAフィルターを備えた、無菌動物飼育装置用のフィルター。

請求項3

請求項1または2に記載のフィルターを備えた、無菌動物飼育装置。

請求項4

HEPAフィルターを備えた、無菌動物飼育装置用の滅菌

請求項5

上下面の少なくとも一方が、透明なポリカーボネート製であり、側面にフィルターを備えた、無菌動物飼育装置用の輸送缶。

請求項6

フィルターがHEPAフィルターである、請求項5に記載の輸送缶。

請求項7

フィルターがFG−50フィルターである、請求項5に記載の輸送缶。

請求項8

請求項3に記載の装置、並びに、請求項4に記載の滅菌缶及び/又は請求項5、6若しくは7に記載の輸送缶を備えた、無菌動物飼育システム

請求項9

請求項1若しくは2に記載のフィルター、請求項3に記載の装置、請求項4に記載の滅菌缶、請求項5、6若しくは7に記載の輸送缶、又は請求項8に記載のシステムを用いた、無菌動物飼育方法

技術分野

0001

本発明は、無菌動物飼育装置用のフィルター滅菌及び輸送缶に関する。

背景技術

0002

従来より、無菌動物等を飼育する目的で無菌動物飼育装置が利用されている。無菌動物飼育装置は、アイソレータビニールアイソレータなどとも呼ばれる。

0003

ビニールアイソレータは、通常、給気口、飼育室、及び排気口を備える。給気口より供給される空気は無菌である必要があり、そのために一般的にはフィルターが用いられる。フィルタ外気中の微生物ウイルス等を除去し無菌性を実現するためのものである。また、無菌動物飼育装置は、その内容物を出し入れするために滅菌缶とともに使用されている。滅菌缶は、滅菌状態を維持しつつ、その内容物を無菌動物飼育装置に入れたり、当該装置の内容物を滅菌缶に移したりすることができるように、当該装置に取り付けることができるものである。さらに、無菌動物飼育装置は、無菌動物を輸送し、装置に出し入れするために輸送缶とともに使用されている。輸送缶はやはり、無菌状態を維持しつつ、無菌動物を当該装置に移したり、当該装置から取り出すことができるように、当該装置に取り付けることができるものである。

0004

無菌動物飼育装置用のフィルターの濾材としては、当業界では濾材FG−50(アメリカエアーフィルター社製)が伝統的に用いられてきた。これはビニールアイソレータ技術が米国から導入されて以来、昭和30年代から一貫して用いられているものである。滅菌缶や輸送缶についても同様にFG−50が用いられてきた。

0005

このFG−50フィルターが無菌動物飼育に用いられるようになったのは、無菌スチールタンクのフィルターとして、ニクロム線の熱をグラスウールで均等にするため、FG−50をニクロム線と共に巻き付け使用していた時、停電が生じても無菌が維持されたことによるものである。以後、ビニールアイソレータはフィルター濾材としてFG−50を使い続けている。粉塵効率(集塵効率)に基づいて選定されたものでない。

0006

その後、高性能フィルターHEPAフィルターともいう)が開発され、粉塵(クリーンルーム等)を対象とした多くの研究が成されている。これはクリーンルーム用フィルタとして用いられ、高い性能が要求される半導体液晶部品医薬品、食品の製造等に利用されている。また空気清浄機の中には、このフィルタを使ったものがある。家庭用掃除機でも、ハウスダストによるアレルギーを防止する観点からこのフィルタを採用したものがある。しかしながら、これほど多様な用途に転用されているにもかかわらず、無菌動物業界ではそうした高性能フィルターが検討されることはなく、実績のあるFG−50が使い続けられている。HEPAフィルターは傷つきやすく、そのままでの取り扱いが困難であるため、一般的には、保護構造に組込まれた状態、例えばカートリッジの形で提供される。

0007

通常のアイソレータの10倍容積の大型アイソレータが開発された際には高性能フィルターの使用が試みられた。しかしながら高性能フィルターは、室内用の折り畳み加工された製品としてしか入手できず、濾材そのものの圧力損失が高いと予想され、また、傷つきやすく、1箇所破損するとフィルター全体が使えなくなる等、取り扱いの面で問題があり、通常の小型アイソレータに使えなかった。

0008

FG−50の集塵効率はそれほど高くないことからフィルター研究者の中には、その性能を疑問視する者もあった。しかしながらFG−50を4重にして用いると実務上は無菌が実現できウイルスや細菌は検出されないため、これが使用され続けてきた経緯がある。

0009

改良されたビニールアイソレータ用のフィルターが求められている。またFG−50フィルターは比較的高コストであり、より安価なビニールアイソレータ用のフィルターが求められている。同様のことが、無菌動物飼育装置用の滅菌缶及び輸送缶についてもあてはまる

0010

従来の上下面がブリキ製の輸送缶(いわゆる紙缶)は、外から中身見えないという問題があった。特に無菌動物の輸送に関し、検閲の際に中身を確認することが必要である一方で、上下面を開いてしまうと無菌環境が維持できないという問題があった。

発明が解決しようとする課題

0011

本発明は、上記の問題を解決する無菌動物飼育装置用のフィルター、滅菌缶及び輸送缶を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0012

ビニールアイソレータの開発と国産化に当たって本発明者らは各種素材部品を検討したが、唯一同等品が無く、現状では輸入品が使われ続けている。また高性能フィルターは、室内用の折り畳み加工された製品としてしか一般に入手できない。

0013

そこで本発明者らは今回、特別設計された高性能フィルターの濾材を入手することに成功した。これと、FG−50(4重)との性能試験を行ったところ、FG−50に比べ、HEPA濾材は換気量が少し減少するものの、集塵効率が飛躍的に向上することが判った。これにより本発明を完成させた。さらに本発明者らは滅菌缶及び輸送缶についても特別設計された高性能フィルターの濾材を用い、これと、FG−50との性能試験を行ったところ、集塵効率が飛躍的に向上することが判った。これにより本発明を完成させた。さらに本発明者らは輸送缶の上下面のいずれか一方又は両方をポリカーボネート材料とすることにより外部から中身を確認することのできる輸送缶を開発し、また、これをHEPAと組み合わせたものも開発した。すなわち本発明は以下の実施形態を含む。

0014

[1]保護剤により両面が保護された平面状のHEPAフィルターを備えた、無菌動物飼育装置用のフィルター。
[2]円筒状の保護フレームにより保護された円柱状HEPAフィルターを備えた、無菌動物飼育装置用のフィルター。
[3] 1または2に記載のフィルターを備えた、無菌動物飼育装置。
[4] HEPAフィルターを備えた、無菌動物飼育装置用の滅菌缶。
[5] 上下面の少なくとも一方が、透明なポリカーボネート製であり、側面にフィルターを備えた、無菌動物飼育装置用の輸送缶。
[6] フィルターがHEPAフィルターである、5に記載の輸送缶。
[7] フィルターがFG−50フィルターである、5に記載の輸送缶。
[8] 3に記載の装置、並びに、4に記載の滅菌缶及び/又は5、6若しくは7に記載の輸送缶を備えた、無菌動物飼育システム
[9] 1若しくは2に記載のフィルター、3に記載の装置、4に記載の滅菌缶、5、6若しくは7に記載の輸送缶、又は8に記載のシステムを用いた、無菌動物飼育方法

0015

本明細書は本願の優先権基礎となる日本国特許出願番号2016-063934号の開示内容包含する。

発明の効果

0016

本発明のフィルターを用いることにより、高い集塵効率換気をすることができる。本発明のフィルター及び滅菌缶は、無菌動物飼育装置に用いることができる。本発明の輸送缶は、中身の動物を外部から確認することができるとともに、無菌飼育された動物の輸送に用いることができる。

図面の簡単な説明

0017

本発明の平面状フィルターの図である。
本発明の円柱状フィルターの図である。
滅菌缶の部品の図である。1は本体(胴部)である。2はフィルター抑えアミである。3は脚付きバンドである。4は同部締め付けバンドである。5は底部フィルター抑えリングである。6は引き出しアミである。7は付属ビスである。
滅菌缶本体の図である。
滅菌缶の完成図である。
フィルターの巻き付けの図である。
ポリテープでのフィルターの固定の図である。
ポリテープでのA・B部の密着の図である。
保護アミの取り付けの図である。
リングの取り付けの図である。
底部の組み立ての図である。
フィルターの切り取りの図である。
輸送缶の断面図である。
輸送缶の本体(フィルター取り付け前)の斜視図である。2は上又は下の紙缶部、3は金網部である。

0018

ある実施形態において本発明は無菌動物飼育装置用のフィルターを提供する。本発明のフィルターは、保護剤で両面が保護された平面状のHEPAフィルター、又は、円筒状の保護フレームにより保護された円柱状HEPAフィルターであり得る。ここで、平面状のフィルターについて「両面」とは、送風風洞側の面及びアイソレータ給気口側の面の両方のことをいう。

0019

HEPA(High Efficiency Particulate Arrestance)フィルターとは、高効率で粒子捕捉できるフィルターであり、JIS Z 8122規格によって、「定格風量粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能」を有するエアフィルタと規定されている。すなわち、本発明のフィルターはこの規格に適合するものである。本発明のHEPAフィルターとしては、捕集効率が、定格風量で0.3μmの粒子に対し、99.97%以上、99.98%以上、例えば99.99%以上であり、かつ初期圧力損失が245Pa以下、200Pa以下、150Pa以下、100Pa以下、50Pa以下、例えば45Pa以下のものを使用することができる。処理風量は0.140〜0.150 m3/分、例えば0.147 m3/分にて性能評価することができる。FG−50はグラス繊維を有する中性フィルターであり、その粒子捕集率は定格風量で粒子が0.5μmの粒子に対して95%以上である。ある実施形態においてFG−50フィルターというとき、これは定格風量で粒子が0.5μmの粒子に対して95%以上の粒子捕集率を有するグラス繊維を有する中性フィルターと同義とする(またある実施形態において該中性フィルターに初期圧力損失がある場合、それはアメリカンエアーフィルター社製FG-50のそれと同じとする)。

0020

ある実施形態において、本発明のフィルターの濾材部分の形状は平面とすることができる。平面の形状は円形であってもよく多角形であってもよい。好ましくは平面フィルターは円形である。本発明のフィルターが平面状である実施形態において、HEPAフィルター部分は、その両面を保護剤により保護することができる。保護剤はプレフィルターと呼ぶこともある。プレフィルターの濾材はガラスマットガラス繊維、グラスウール、ロックウール等であり得る。またHEPAフィルターの濾材はグラスペーパーであり得る。

0021

ある実施形態において、本発明のフィルターの濾材部分の形状は、円柱状とすることができる。本発明のフィルターが円柱状である実施形態において、フィルターの濾材部分は外部側面を円筒状の保護フレームにより保護することができる。HEPAフィルターの濾材はグラスペーパーであり得る。保護フレームはアルミ製、プラスチック製、ステンレス製樹脂製等とすることができる。保護フレームとHEPAフィルターとは、接着剤により接着されうる。接着剤は各種樹脂、例えばウレタン系樹脂等を用いることができる。円柱状フィルターは接続のためのパッキンを有しうる。パッキンはシリコーンガスケットでありうる。

0022

本発明の円柱状フィルターとしては、保護フレームによりHEPAフィルターが保護された状態で評価したときの捕集効率が、定格風量で0.3μmの粒子に対し、99.97%以上、99.98%以上、例えば99.99%以上であり、かつ初期圧力損失が245Pa以下、200Pa以下、150Pa以下、100Pa以下、50Pa以下、例えば45Pa以下のものを使用することができる。処理風量は0.140〜0.150 m3/分、例えば0.147 m3/分にて性能評価することができる。

0023

フィルターの大きさや寸法は、通常の無菌飼育装置に使用可能なものであれば、特に限定されない。平面状フィルターは、円盤フィルターとして組み立てることができ、または四角型フィルター等として組み立ててもよい。複数のフィルターを直列または並列に用いることもできる。

0024

フィルターの性能評価は、定格風量での0.3μmの粒子の除去率、及び圧力損失を測定することにより行うことができる。送風は通常のアイソレータブロワーにより行うことができる。便宜上、フィルターの送風風洞側をフィルター1次側と呼び、アイソレータ給気口側をフィルター2次側と呼ぶ。集塵効率は、フィルター1次側及び2次側の粉塵数を計測して評価する。

0025

本発明のフィルターは、ビニールアイソレータに給気される空気をフィルタリングするために用いることができる。ビニールアイソレータは通常のものでも小型のものでもよい。

0026

ある実施形態において本発明は無菌動物飼育装置用の滅菌缶を提供する。該滅菌缶はオートクレーブ滅菌が可能な材質、例えばステンレスで製造されている。該滅菌缶の外側の面のうち、少なくとも1つの面は、滅菌缶を無菌飼育装置に取り付けるための開閉可能な機構を備えている。滅菌缶を無菌飼育装置に取り付けると、や水等その内容物を飼育装置内に移したり、飼育装置内の汚物廃棄物を滅菌缶に移すことができる。本発明の滅菌缶は、保護剤で保護されたHEPAフィルターを備えている。本発明の滅菌缶は無菌飼育装置に取り付け可能であればどのような形状でもよく、例えば円柱、四角柱多角柱斜角柱、斜円柱等の形状であり得る。滅菌缶の外側の面のうち、無菌飼育装置に取り付けるための面以外の面の1以上は、HEPAフィルターを有する。

0027

ある実施形態において本発明は無菌動物飼育装置用の輸送缶を提供する。該輸送缶はオートクレーブ滅菌が可能な材質、例えばステンレスで製造されている。該輸送缶の外側の面のうち、少なくとも1つの面は、輸送缶を無菌飼育装置に取り付けるための開閉可能な機構を備えている。開閉可能な機構はフタであり得る。輸送缶を無菌飼育装置に取り付けると、飼育装置内の動物を輸送缶に移したり、輸送缶内の飼育動物を(別の)飼育装置に移すことができる。本発明の輸送缶は、保護剤で保護されたフィルターを備えている。フィルターはHEPAフィルター又はFG−50フィルターでありうる。保護剤は布材でもよく、又は、ガラスマット、ガラス繊維、グラスウール、ロックウール等のプレフィルターでもよい。本発明の輸送缶は、無菌飼育装置に取り付け可能であればどのような形状でもよく、例えば円柱、円筒、四角柱、四角筒、多角柱、多角筒、斜角柱、斜角筒、斜円柱、斜円筒等の形状であり得る。ある実施形態において、輸送缶の形状は円柱型である。輸送缶は1以上の飼育動物を入れることのできる程度の大きさや寸法を有する。輸送缶の外側の面のうち、無菌飼育装置に取り付けるための面以外の面の1以上は、保護剤で保護されたフィルターを備えている。フィルターはHEPAフィルター又はFG−50フィルターでありうる。

0028

ある実施形態において、本発明の輸送缶が円柱型である場合において、上下面の少なくとも一方はポリカーボネート製、好ましくは透明なポリカーボネート製である。ある実施形態においてこのポリカーボネートは、表面に凹凸のない平面型で一枚型のものである。該上下面の少なくとも一方は、動物を無菌動物飼育装置に入れるために、輸送缶本体から取り外し可能である。

0029

ある実施形態において、本発明の輸送缶は円柱状であり、次の構成を有する。すなわち、輸送缶本体の上下面の一方又は両方にはポリカーボネート製のフタ1をしてもよく、該一方又は両方のフタ部は取り外し可能である。側面はフィルター4を有し、該フィルターは保護剤5で保護されている。保護剤は布材またはプレフィルターでもよい。フィルター部分の上下は紙材でありうる(紙缶部2)。フィルター部分の上の紙材と、下の紙材とは、フィルターの内側を保護する部材3により相互に連結されている。フィルターの内側を保護する部材3は、金網やパンチングメタルであり得る。該金網はステンレス製であり得る。ある実施形態において該金網はアルミ製ではない。フィルター4は、HEPAフィルター又はFG−50フィルターでありうる。フィルター4を保護するために保護剤5を取り付けた後、該保護剤は、又は密着テープ等の固定手段6により密着させ固定することができる。例えば図13及び図14を参照のこと。

0030

滅菌缶は例えば次の方法により無菌動物飼育装置に取り付けることができる。(i)ビニールアイソレータの外キャップを外す。(ii)ステリールロック及び連結スリーブ消毒する。(iii)ステリールロックに連結スリーブを取り付け、ビニールテープで固定する(密封)。(iv)連結スリーブの他方と滅菌缶のルミラーフィルム部分を消毒する。(v)連結スリーブと滅菌缶を接続して、ビニールテープで固定する(密封)。消毒は、例えばエクスポアー若しくは過酢酸噴霧することにより行うことができる。

0031

輸送缶は例えば次の方法により無菌動物飼育装置に取り付けることができる。(1)輸送缶及びスリーブを消毒する。(2)消毒済み輸送缶にスリーブを取り付け、ビニールテープで密封する。(3)アイソレータの外キャップを外す。(4)ステリールロックを消毒する。(5)輸送缶に取り付けたスリーブの内外を消毒する。(6)消毒済みスリーブの開放側をステリールロックに取り付けビニールテープで密封する。(7)輸送缶をステリールロック側に静かに押し込み、スリーブ内の空気を抜く。(8)スリーブの噴霧口を経由してスリーブ内を消毒する。消毒はスプレーガンのような手段により行うことができる。消毒はスリーブが円筒状になるまで行う。(9)スプレーガンを取り外し、輸送缶内を静かにステリールロック側に押し込み、スリーブ内の消毒剤を抜く。(10)前記(8)を繰り返し、ゴム栓をして数時間放置する。(11)スリーブのへこみがないことを確認し、ビニールアイソレータ内キャップを取り外す。(12)輸送缶を、ステリールロックを通してアイソレータ内まで押し込む。(13)輸送缶を密閉しているキャップ周りのスリーブを裏返し輸送缶のキャップを露出する。(14)輸送缶のキャップを固定しているテープを巻き取り、その後輸送缶のキャップを外す。(15)輸送缶から装置内に動物を移すか、または装置内の動物を輸送缶に移す。その後、ステリールロックに内キャップ取付けゴムバンドで固定する。(16)スリーブのステリールロック側テープを外し、輸送缶を取り外す。(17)ステリールロックと外キャップを消毒し、ステリールロックに外キャップを取り付け、ビニールテープで密封する。(18)外キャップをステリールロック内に押し込み、ステリールロック内の空気を抜き、消毒剤を噴霧する。(19)再度内キャップをステリールロック内に押し込み、ステリールロック内の空気を抜き消毒剤を外キャップが膨らむ程度に噴霧しゴム栓により密封する。(20)スプレーガンなどの手段で消毒剤を噴霧後、ゴム栓をして内キャップおよび外キャップが膨らんだ状態で数時間放置する。

0032

ある実施形態において本発明は、無菌動物飼育装置用、並びに滅菌缶及び/又は輸送缶を有する無菌動物飼育システムを提供する。またある実施形態において本発明は、本発明のフィルター、無菌動物飼育装置、滅菌缶、輸送缶又はシステムを用いた、無菌動物飼育方法を提供する。

0033

フィルターの濾材部分はニッタ株式会社から入手した。仕様の詳細は図1及び図2に記載されている。

0034

円盤フィルターは以下の手順で組み立てた。
1.円盤フィルター用濾材を用意する。
2.円盤フィルター交換の準備をする。そのために円盤フィルター容器、フィルター濾材及びフィルターケージングを用意する。
3.フィルターケージングの一方に濾材を乗せる。その際、濾材はフィルターケージングの中央に重ねる。濾材として保護されたフィルターを用いる場合は、既に保護剤により保護されたフィルターをこの段階の濾材として用いる。
4.濾材を重ねたフィルターケージングに、他方のフィルターケージングを重ねる。
5.円盤フィルター締め付けリングを取り付ける。
6.締め付けリングのビスは、工具を用いてしっかりと締め付ける

0035

なおフィルター濾材を強く押したり、曲げるとHEPAフィルターは破損するため、取り扱いには注意する。

0036

[実施例1]
無菌動物飼育装置用のフィルター
濾材、FG−50(4重)、HEPA濾材、新HEPA、円筒HEPAを、給気円盤フィルターに組み込み、排気はFG−50(4重)を排気円盤フィルターに組み込んだ。なお、FG−50(4重)は従来から使用されているフィルター濾材である。表中のHEPA濾材は、保護剤を有しないHEPAフィルターである。表中の新HEPAとは、両面を保護剤で保護した平面状のHEPAフィルターである。また円筒HEPAとは、円筒状のフレームで保護された円柱状のHEPAフィルターである。

0037

送風はアイソレ一夕ブロワーを用い25V、40V、60V、100V、130Vの5電圧条件で送風した。送風風洞(フルター1次側)の風速、温度、湿度、圧力並びにアイソレータ給気口(フィルター2次側)の粉塵数を1分毎11回連続測定した。測定は電圧毎に3回行い、その平均値を比較した。結果を以下の表1に示す。

0038

0039

その結果、25V送風は風量が少なく成績から省いた。40V以上の4条件の平均をFG−50と比較すると、給気風速はHEPA濾材84%、新HEPA81%、円筒HEPA116%であった。風洞圧力はHEPA濾材100%、新HEPA101%、円筒HEPA99%であった。0.3μ数はHEPA濾材0.4%、新HEPA0.3%、円筒HEPA0.6%であった。

0040

以上、FG−50に比べ、HEPA濾材は換気量が少し減少するものの、集塵効率が飛躍的に向上することが判った。取扱いに配慮し、保護剤でHEPAフィルターを保護した新HEPAでは、保護されていないHEPA濾材と同様の成績が得られた。また、HEPA濾材を円柱状に織り込み円筒状の保護フレームで保護する加工を施したフィルター(円筒HEPA)では換気量は向上し、集塵効率も向上した。
また本発明のフィルターは予想外に圧力損失が低かった。

0041

[実施例2]
無菌動物飼育装置用の滅菌缶
無菌動物飼育装置用の滅菌缶は以下の手順で組み立てた。寸法等は一例である。
滅菌缶の部品(一例を図3に示す。)
1 本体(胴部) 開口部:Φ315 × 170 mm (ステンレス0.7 mm)
底部:Φ315 × 170 mm (ステンレス 0.7 mm)
胴部:Φ315 × 360 mm (ステンレス 10 mm目メッシュ線径1.5mm)
2フィルター抑えアミステンレス製(10mm目メッシュ・線径1.5mm)450×1000 mm
3脚付きバンドステンレス製(30mm×0.7mm)
4 同部締め付けバンドステンレス製(巾30mm×0.7mm)
5 底部フィルター抑えリングステンレス製(巾30mm×0.7mm)10 mm目メッシュ付ビス穴12箇所
6 引き出しアミ ステンレス製:213mm×583mm×1.3t(Φ6mm穴加工)
7付属ビス付属ビス:バンド用;M6×70mm(蝶ナット付)
底部フィルター抑えリング用:M6蝶ナット

0042

滅菌缶の組み立て
滅菌缶の胴部を用意する。例えば図6のように、アメリカンエアーフィルターFG−50(4,000 mm×420 mm)を滅菌缶の胴部に約4周巻き、4重にする。またはFG−50の4重巻きの代わりに、新HEPAフィルター(HEPA濾材をエミレントで挟んだフィルター)を1重で巻く。フィルターが破損しないよう静かにゆっくり巻く。
滅菌缶の長手方向から垂直な方向から見て、フィルターの中央部をポリテープで巻いて固定する(図7参照)。次いで両端をポリテープで滅菌缶に密着させる(図8参照)。両端の固定の際には、ポリテープで充分に密着を行う(不十分だと感染の可能性がある)。
フィルターの末端部SUS板(Steel Special Use Stainless)を1枚乗せ、そこから網を巻く(図9参照)。アミは滅菌缶の周囲にほぼ1周巻く。滅菌缶に巻いた保護網の両端をSUS板で挟み、リング(バンド)で固定する(図10参照)。滅菌缶底部をフィルターで塞ぐ。その上に保護網を乗せナットで固定する(図11参照)。保護網の端からはみ出た余分なフィルターを切り取る(図12参照)。切り取りは滅菌缶本体より3〜5mm程度、フィルターを残すように行う。各図は組み立ての説明のための例に過ぎず、本発明は示されている構成に限定されない。

0043

フィルター性能は、缶内が陰圧になるよう、開口部に送風機を排出方向に取付て測定を行った。送風は、送風機電圧40V、60V、80V、100V、120Vにて行った。排気風洞内の風速、温度、湿度、輸送缶内圧力、0.1cf中の0.3μm粒子数を1分毎11回の連続測定した。測定は電圧毎に3回行い、その平均値を比較した。結果を以下の表2に示す。

0044

0045

その結果、表2に示す滅菌缶フィルターについて、新HEPAフィルターを有する滅菌缶は、風量から計算される隙間面積がFG−50を有する滅菌缶のそれと比較して79.6%、缶内圧力は113.2%、缶内の0.3μm粒子数は、0.26%と粉塵の侵入予防効率は著しく向上した。すなわち、FG−50に比べ、HEPAフィルターを有する滅菌缶は、集塵効率が飛躍的に向上した。

0046

[実施例3]
無菌動物飼育装置用の輸送缶
無菌動物飼育装置用の輸送缶は以下の手順で組み立てた。
筒状の金属網で固定された上下2つの缶部を有する輸送缶本体を用意する。上下2つの缶部の間の部分に、アメリカンエアーフィルターFG−50を胴部に約2周巻き、2重にする。またはFG−50の2重巻きの代わりに、新HEPAフィルター(HEPA濾材をエミレントで挟んだフィルター)を1重で巻く。フィルターが破損しないよう静かにゆっくり巻く。フィルターの外側は布材で保護する。フィルターの内側は、金属網で保護されている。巻き付けた布材をポリテープ等で充分に密着させながら固定する。

0047

フィルター性能は、缶内が陰圧になるよう、開口部に送風機を排出方向に取付て測定を行った。送風は、送風機電圧40V、60V、80V、100V、120Vにて行った。排気風洞内の風速、温度、湿度、輸送缶内圧力、0.1cf中の0.3μm粒子数を1分毎11回の連続測定した。測定は電圧毎に3回行い、その平均値を比較した。結果を以下の表3に示す。

0048

実施例

0049

その結果、表3に示す輸送缶フィルターについて、新HEPAを有する輸送缶は、風量から計算される隙間面積がFG−50を有する輸送缶のそれと比較して86.3%、缶内圧力は102.4%、缶内の0.3μm粒子数は、0.00%と粉塵の侵入予防効率は著しく向上した。すなわち、FG−50に比べ、HEPAフィルターを有する輸送缶は、集塵効率が飛躍的に向上した。

0050

本発明のフィルター濾材は無菌動物飼育装置に用いることができる。本発明の滅菌缶は、無菌動物飼育に用いることができる。本発明の輸送缶は、無菌飼育された動物の輸送に用いることができる。

0051

1フタ
2紙缶部
3フィルターの内側を保護する部材
4 フィルター
5保護剤
6 固定手段

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社大貴の「 吸水処理材及びその製造方法」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】低コストで製造することが可能でありながら、使用後に悪臭の発生を抑制することのできる吸水処理材、及びその製造方法を提供する。【解決手段】吸水処理材1は、悪臭物質を含む液体を吸収する吸水処理材であ... 詳細

  • 花王株式会社の「 ペット用トイレ」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】ペットが容易に出入りすることができるとともに、排泄物処理材の外部への飛散を防ぐことができるペット用トイレを提供すること。【解決手段】ペットの排泄物を受ける本体部2と、本体部2の上部に着脱可能に... 詳細

  • 進展工業株式会社の「 ペット用トイレ」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】本発明は、従来にない作用効果を発揮するペット用トイレを提供することを目的とする。【解決手段】上部に排泄部2が設けられた箱状体1であり、この箱状体1の下部には該箱状体1の内部と外部とを通気する第... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ