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技術 カカオ固形分を含有する低アレルゲンケーキ類の製造方法

出願人 不二製油株式会社
発明者 白井慎二郎
出願日 2016年3月31日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2016-072028
公開日 2017年10月5日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2017-176120
状態 特許登録済
技術分野 菓子 ベイカリー製品及びその製造方法
主要キーワード バッケン ハンドホ ケーキ様 ショコラ 官能評価法 卓上ミキサー 取引委員会 チョコレートケーキ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年10月5日)のものです。
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図面 (5)

課題

本発明の目的は、従来の菓子に使用されてきた小麦、乳、及びこれらの加工品を使用しないでも、無脂カカオ固形分を用いることで、従来のケーキ類、具体的にはガトーショコラタイプのケーキ類を提供することにある。

解決手段

本発明は、チョコレート米粉、及び乳化剤、そして望ましくは豆乳を特定の組み合わせることで、3大アレルゲンを含有せずとも、従来よりあるケーキ類に遜色ないケーキ類を製造することができる。

概要

背景

食品原料において、小麦・乳・の3つの原料は三大アレルゲンであり、そのなかの一つ以上を摂取することで、アレルギー症状を引き起こし、場合によっては、極めて重篤な状態になる者もいる。
しかし、ケーキ類、特に洋菓子においては小麦・卵・乳は欠かすことのできないものであり、その一部、あるいは一種を削減するだけでも、ケーキ類の出来上がり風味食感・物性に多大な影響が生じる。
そのため、3大アレルギー症状を有する消費者は、これら3つの原料の入った洋菓子を喫食できないであるとか、アレルギー症状が起きない程度までアレルゲン原料を低減した結果、本来の美味しさを損なった洋菓子で我慢しなくてはならなかった。

ガトーショコラクラシックショコラに代表されるチョコレートを使用した菓子においても、3大アレルゲン全てを使用しないアイテム起泡性、ボディ乳化、風味、食感の面からない。すなわち食感・美味しさを十分に引き出した3大アレルゲン不使用のガトーショコラは知られていなかった。
アレルゲンを低減させる方法としては様々なものが提案されている。
特許文献1は主成分として米粉を含んでなり、小麦粉および小麦由来の成分を含まない菓子用米粉組成物が開示されている。

しかし、本来含まれる小麦粉をグルテンなどが含まれない米粉に置き換えるのみで、しかも乳成分及び卵成分も不使用では、生地に小麦粉独特の弾力のある食感のものは得られていなかった。
特許文献2は卵、乳、小麦粉およびこれら由来の成分を含まず、米粉および米粉100質量部に対し30〜180質量部の糖類、60〜390質量部の豆乳、2〜90質量部の起泡性油脂を含む生地を焼成して得られるケーキ類が開示されているが、ここで得られるのは固形分が少ないためか、膨化度の低く湿潤で重い生地の、いわゆる和菓子の「カルカン」のようなもので、通常一般のケーキとは異なる食感のケーキ類である。
特許文献3は小麦、乳、卵を含まない菓子生地であって、大豆蛋白、小麦を除く澱粉含有物及び油脂を含むことを特徴とする大豆蛋白含有菓子生地が開示されているが、大豆蛋白を多く配合することで生地に保形性を出しており、アレルゲン低減方法の一つとしては利用できるものの、生地配合や風味に多少制限が生じる。
アレルゲンを低減しつつ、風味や食感等消費者の要求を満たし、且つさまざまなバラエティーを満たすため、新しい低アレルゲンケーキ類は広く市場から求められている。

概要

本発明の目的は、従来の菓子に使用されてきた小麦、乳、卵及びこれらの加工品を使用しないでも、無脂カカオ固形分を用いることで、従来のケーキ類、具体的にはガトーショコラタイプのケーキ類を提供することにある。 本発明は、チョコレート、米粉、及び乳化剤、そして望ましくは豆乳を特定の組み合わせることで、3大アレルゲンを含有せずとも、従来よりあるケーキ類に遜色ないケーキ類を製造することができる。

目的

本発明の目的は、従来の菓子に使用されてきた小麦、乳、卵及びこれらの加工品を使用しないでも、無脂カカオ固形分を用いることで、従来のケーキ類、具体的にはガトーショコラタイプのケーキ類を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

小麦、乳、を含まないケーキ類の製造方法であって、水性成分に無脂カカオ固形分を含有する原料を混合して混合物Aを調製する工程と、前記混合物Aに少なくとも小麦を除く澱粉含有物を加えて混合物Bを調整する工程と、前記混合物Bに起泡性乳化剤を加え、比重0.6〜0.9に起泡させてケーキ生地を調整する工程と、前記生地焼成する工程とを含む、ケーキ類の製造方法。

請求項2

無脂カカオ固形分を含有する原料がチョコレー卜類である事を特徴とする、請求項1記載のケーキ類の製造方法。

請求項3

水性成分に大豆蛋白質を含有する原料を含む事を特徴とする、請求項1ないし請求項2のいずれか1項に記載のケーキ類の製造方法。

請求項4

大豆蛋白質を含有する原料が豆乳である事を特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のケーキ類の製造方法。

請求項5

澱粉含有物が米粉である事を特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のケーキ類の製造方法。

請求項6

起泡性乳化剤を乳化油脂として加える、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のケーキ類の製造方法。

請求項7

ケーキ生地の全配合に占める無脂カカオ固形分が5〜24重量%であり、且つ大豆蛋白質が0〜6重量%であることを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のケーキ類の製造方法。

請求項8

ケーキ類がガトーショコラタイプである、請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のケーキ類の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、カカオ固形分を含有することで、小麦、乳、及びこれらの加工品を含まないケーキ類生地の製造方法、及びそれを加熱してなるケーキ類の製造方法に関する。

背景技術

0002

食品原料において、小麦・乳・卵の3つの原料は三大アレルゲンであり、そのなかの一つ以上を摂取することで、アレルギー症状を引き起こし、場合によっては、極めて重篤な状態になる者もいる。
しかし、ケーキ類、特に洋菓子においては小麦・卵・乳は欠かすことのできないものであり、その一部、あるいは一種を削減するだけでも、ケーキ類の出来上がり風味食感・物性に多大な影響が生じる。
そのため、3大アレルギー症状を有する消費者は、これら3つの原料の入った洋菓子を喫食できないであるとか、アレルギー症状が起きない程度までアレルゲン原料を低減した結果、本来の美味しさを損なった洋菓子で我慢しなくてはならなかった。

0003

ガトーショコラクラシックショコラに代表されるチョコレートを使用した菓子においても、3大アレルゲン全てを使用しないアイテム起泡性、ボディ乳化、風味、食感の面からない。すなわち食感・美味しさを十分に引き出した3大アレルゲン不使用のガトーショコラは知られていなかった。
アレルゲンを低減させる方法としては様々なものが提案されている。
特許文献1は主成分として米粉を含んでなり、小麦粉および小麦由来の成分を含まない菓子用米粉組成物が開示されている。

0004

しかし、本来含まれる小麦粉をグルテンなどが含まれない米粉に置き換えるのみで、しかも乳成分及び卵成分も不使用では、生地に小麦粉独特の弾力のある食感のものは得られていなかった。
特許文献2は卵、乳、小麦粉およびこれら由来の成分を含まず、米粉および米粉100質量部に対し30〜180質量部の糖類、60〜390質量部の豆乳、2〜90質量部の起泡性油脂を含む生地を焼成して得られるケーキ類が開示されているが、ここで得られるのは固形分が少ないためか、膨化度の低く湿潤で重い生地の、いわゆる和菓子の「カルカン」のようなもので、通常一般のケーキとは異なる食感のケーキ類である。
特許文献3は小麦、乳、卵を含まない菓子生地であって、大豆蛋白、小麦を除く澱粉含有物及び油脂を含むことを特徴とする大豆蛋白含有菓子生地が開示されているが、大豆蛋白を多く配合することで生地に保形性を出しており、アレルゲン低減方法の一つとしては利用できるものの、生地配合や風味に多少制限が生じる。
アレルゲンを低減しつつ、風味や食感等消費者の要求を満たし、且つさまざまなバラエティーを満たすため、新しい低アレルゲンケーキ類は広く市場から求められている。

先行技術

0005

特開2003−199497号公報
特開2006−230348号公報
特開2006−61029号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の目的は、従来の菓子に使用されてきた小麦、乳、卵及びこれらの加工品を使用しないでも、無脂カカオ固形分を用いることで、従来のケーキ類、具体的にはガトーショコラタイプのケーキ類を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、上記の課題に対して従来の菓子生地配合を追試検討し、数多くの試行錯誤を繰り返した結果、無脂カカオ固形分、小麦を除く澱粉含有物、及び起泡性乳化剤を組み合わせることにより、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)としては、小麦、乳、卵を含まないケーキ類の製造方法であって、水性成分に無脂カカオ固形分を含有する原料を混合して混合物Aを調製する工程と、前記混合物Aに少なくとも小麦を除く澱粉含有物を加えて混合物Bを調整する工程と、前記混合物Bに起泡性乳化剤を加え、比重0.6〜0.9に起泡させてケーキ生地を調整する工程と、前記生地を焼成する工程とを含む、ケーキ類の製造方法であり、(2)としては、無脂カカオ固形分を含有する原料がチョコレー卜類である事を特徴とする、(1)記載のケーキ類の製造方法であり、(3)としては、水性成分に大豆蛋白質を含有する原料を含む事を特徴とする、(1)ないし(2)のいずれか1項に記載のケーキ類の製造方法であり、(4)としては、大豆蛋白質を含有する原料が豆乳である事を特徴とする、(1)ないし(3)のいずれか1項に記載のケーキ類の製造方法であり、(5)としては、澱粉含有物が米粉である事を特徴とする、(1)ないし(4)のいずれか1項に記載のケーキ類の製造方法であり、(6)としては、起泡性乳化剤を乳化油脂として加える、(1)ないし(5)のいずれか1項に記載のケーキ類の製造方法であり、(7)としては、ケーキ生地の全配合に占める無脂カカオ固形分が5〜24重量%であり、且つ大豆蛋白質が0〜6重量%であることを特徴とする、(1)ないし(6)のいずれか1項に記載のケーキ類の製造方法であり、(8)としては、ケーキ類がガトーショコラタイプである、(1)ないし(7)のいずれか1項に記載のケーキ類の製造方法である。

発明の効果

0008

従来の菓子に使用されてきた小麦、乳、卵及びこれらの加工品を使用しないで、無脂カカオ固形分を主要原料にして、小麦、乳、卵を使用した従来のものと遜色ない外観、風味、食感のケーキ類を提供することが可能になった。
また、アレルギー食品表示に関して、本発明のケーキ類が小麦、卵、乳の3大アレルゲンを使用しないのでアレルギー物質表示がいらないという優れた効果を有する。

図面の簡単な説明

0009

実施例1の焼成後の状態を示す図面代用写真
実施例1の焼成後の断面状態を示す図面代用写真。
比較例1の焼成後の状態を示す図面代用写真。
比較例1の焼成後の断面状態を示す図面代用写真。

0010

以下、本発明を具体的に説明する。
(ケーキ類の製法・配合上の特徴)
本発明のケーキ類は、小麦、乳、卵及びこれらの加工品を使用しないことを特徴とする。小麦、乳、卵及びこれらの加工品を含んでいても、ケーキ類を製造することは可能ではあるが、アレルゲンフリーのケーキ類としてアレルギーの方に供することはできない。なお、本願においてはアレルゲンフリーとは、三大アレルゲンを除去、あるいはアレルギーの症状が起こらないレベルにまで低減した状態を指す。また小麦、乳、卵及びこれらの加工品を事実上含まないというのも、完全に除去、あるいはアレルギー症状が起きらないレベルに低減した状態とする。法令的にはアレルギーフリーである為には、事実上使用せず、その製造ラインでのそれら原料の使用すら認められない。
また、カカオ固形分を必須とするため、従来型のケーキでココアやチョコレートなどを原料として用いるいわゆるチョコレートケーキブラウニー、ガトーショコラ、チョコレートトルテなどに好適に用いることができる。

0011

(ケーキ類の製造方法・混合物Aの調製)
次に本発明のケーキ類を製造する方法について詳細を説明する。
まず、混合物Aを調整する。混合物Aは水性成分に無脂カカオ固形分を含有する原料を混合してなる。ここで水性成分は水を連続相とし、必要に応じて求める機能をもつ物質を溶解または分散させたものであるが、水そのものでも構わない。ただし、前提としてケーキ類が小麦、乳、卵を含まないので、この水性成分もそれら小麦、乳、卵を含まないことが必須である。

0012

(無脂カカオ固形分を含有する原料)
本発明の無脂カカオ固形分とは、カカオ豆由来の固形分のうちカカオバターを除いた部分を指す。無脂カカオ固形分は、カカオマス、カカオマスからカカオバターを搾り取った残余であるココアパウダー等を使用することにより、それぞれに含まれるカカオバター含量を減じた固形分相当量として供給される。例えば、カカオマスには45重量%前後の無脂カカオ固形分が、ココアパウダーには76〜90%前後の無脂カカオ固形分が含まれる。
無脂カカオ固形分を含有する原料としては、上記のカカオリカー、カカオマス、ココアケーキ、ココアパウダーのほか、これらを原料とするチョコレート類が挙げられる。

0013

(チョコレー卜類)
本発明にいうチョコレート類とは、いわゆる規約乃至法規上に規定されたチョコレート(「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」(昭和46年3月29日、公正取引委員会告示第16号)による「チョコレート生地」及び「準チョコレート生地」)のみを指すのではなく、通常、カカオバターの代わりに使用されるカカオバター代用脂としてのハードバターを使用した各種のチョコレート類をも含むものである。
ただし、当然のことながらアレルゲンフリーケーキ類の原料として使用するため、本願のチョコレート類に関しては小麦、乳、卵由来の原料は配合されていないことが必要である。したがって、ミルクチョコレートホワイトチョコレートは用いない。
無脂カカオ固形分は小麦、乳、卵の配合が特に忌避されない従来タイプのケーキにおいて、主に小麦粉が果たすケーキ生地の立体構造をなすものであり、焼成後の弾力性のある食感をもたらしている。

0014

(大豆蛋白質を含有する原料を含む水性成分)
本発明の水性成分には大豆蛋白質を含有する原料が含まれることが望ましい。大豆蛋白質を含有する原料として、濃縮大豆蛋白分離大豆蛋白などの粉末状大豆蛋白質や、豆乳類大豆粉などを使用することができる。
豆乳類を使用する場合、丸大豆脱脂大豆から水で抽出し、不溶性繊維であるオカラを除去して得られる、一般的な豆乳を使用することができ、その際に風味がより良好な豆乳を得るために適宜改良された製法を適用することができる。また豆乳類としては豆乳からオカラを除去せずにオカラを微粉砕したスラリー状のものも使用することができる。
一つの好適な態様として、なるべく脱脂粉乳のように低脂肪大豆蛋白質原料を使用したい場合、丸大豆から得た豆乳類をさらに遠心分離することにより生成する低比重の油分に富むクリーム層を除去して得られる低脂肪ないし無脂肪の豆乳を使用することが、雑味の少ないすきりとした風味に調整できる点で、脱脂大豆から得た脱脂豆乳を使用するよりも好ましい。
また、別の好適な態様として、乳由来生クリームのように風味にコクのある大豆蛋白質原料を使用したい場合、脂質と蛋白質に富む大豆乳化組成物である「豆乳クリーム」を使用することも、コクのある風味を調整できる点で好ましい。豆乳クリームとしては、例えば、丸大豆から得た豆乳をさらに遠心分離することにより生成する低比重の油分に富むクリーム層を回収して得たものを使用することができる。
豆乳クリームのさらに好適な態様としては、よりコクを有し大豆由来の良好な風味を有する点から、大豆蛋白質のうち「脂質親和性蛋白質」が濃縮されていることが好ましい。かかる大豆蛋白質原料としては、例えば特開2012−16348号公報に記載の大豆乳化組成物を使用することができる。脂質親和性蛋白質が濃縮されているかどうかについての指標は該公報に記載のLCI値(Lipophilic Proteins Content Index)を求めることにより推定することができる。本発明では脂質親和性蛋白質が濃縮されている、LCI値が55%以上の豆乳クリームを使用することが好ましい。

0015

(無脂カカオ固形分と大豆蛋白質の配合量)
本来小麦粉が担っている、ケーキ独特のボディ感ホグレの良いほど良い弾力と口どけの良さは、米粉のみでは十分に発揮できず、無脂カカオ固形分が必須である。ケーキ生地の全配合に占める無脂カカオ固形分5〜24重量%、望ましくは10〜20重量%であることが好ましい。無脂カカオ固形分が配合されることによって、米粉だけでは得られない従来タイプのケーキに似通った弾力や歯切れの良さが得られる。
無脂カカオ固形分が5重量%未満の場合は、米粉由来の膨化度の低く湿潤で重い生地になりがちであり、上限の24重量%を上回る場合でも生地としてはケーキ様のものとはなるが、他の配合の自由度が少なくなり、パサついた感じがつよくなる。
また、大豆蛋白質は0〜6重量%であることが望ましい。大豆蛋白質自体の配合はされなくても、ケーキの物性的には問題はないが、配合によりしっとり感とコクのある風味が付与される。上限の6%を超えると他の原料の配合量が制限されるため商品としての自由度が乏しくなる。
無脂カカオ固形分の供給源としては上記のとおり無脂カカオ固形分を含有するカカオマスや、ココアパウダー、チョコレートなどを適宜使用できる。
ここで無脂カカオ固形分を含有する原料としてチョコレートを用いた場合はチョコレート由来の油脂(カカオバター)が水性成分に入ってくるため、混合しても完全に均一相にはならないが、この後の工程の米粉の添加時に全体になじむため、特に均一相になっていなくても構わない。

0016

(ケーキ類の製造方法・混合物Bの調製)
つぎに、上記方法で得られた、混合物Aを用いて、少なくとも米粉を加えることで混合物Bを調整する。
米粉以外の配合は小麦、乳、卵及びこれらの加工品を事実上含まないこと以外は特に限定はされない。

0017

(米粉)
本発明の小麦を除く澱粉含有物としては、大麦、米、トウモロコシ等の穀類、該穀類を原料とする大麦粉、米粉、コーンフラワー等の穀粉、或いは、馬鈴薯甘藷タピオカレンコン等を原料とするスターチ片栗粉等の澱粉加工澱粉デキストリン等が挙げられ、目的の風味、食感等に応じて適宜選択し、これらを単独又は2種以上を適宜選択使用することができる。なお、これらの澱粉含有物は小麦および小麦由来のものは含まれず、また、これらの原料の中では、米粉が好ましく、生地が扱い易く、風味・食感において好ましい。また、米粉としても特に限定はされず、その由来はうるち米もち米、あるいはそれらの混合したものであっても構わない。またその由来の米からの粉砕方法としては、湿式製粉と乾式製粉のどちらでも使用することが出来る。
混合物Aに米粉を添加することで、混合物Aの配合中に油脂を含む場合においても米粉とよくなじませることで均一な生地とできる。

0018

(起泡性乳化剤の添加)
従来型のケーキにおいて細かい気泡を多く抱き込むためには、卵(特に卵白)の果たす役割が大きいが、本願において卵はアレルゲンの一つであるため、起泡性乳化剤の添加が必要である。
起泡性乳化剤は、前出の小麦、乳、卵由来のもの以外であれば、起泡性を有する乳化剤を適宜使用できる。例えば、モノグリセリド有機酸モノグリセリドソルビタン脂肪酸エステルプロピレングリコール脂肪酸エステルポリグリセリン脂肪酸エステルポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルショ糖脂肪酸エステルジグリセリン脂肪酸エステル等の合成乳化剤が例示でき、これらの乳化剤の中から1種又は2種以上を選択して適宜使用することが出来、好ましくはモノグリセリド、ソルビタン飽和脂肪酸エステルポリオキシエチレンソルビタン飽和脂肪酸エステル、ショ糖飽和脂肪酸エステルの中から1種又は2種以上を選択して適宜使用することが出来る。

0019

(乳化油脂)
上記起泡性乳化剤は原料配合混合物に直接添加してもよいが、油脂中に加えて乳化油脂とした状態で生地配合混合物に添加するのが好ましい。
乳化油脂組成の一例を示すと、油脂3〜40%(重量基準、以下同じ)、乳化剤1.5〜22.5%、ソルビトール等の糖液糖濃度55〜75%)95.5〜37.5%である。
乳化油脂の油脂としては、菜種油大豆油綿実油コーン油サフラワー油オリーブ油米ぬか油ゴマ油月見草油など常温で液状の油脂が望ましい。
このような乳化油脂の使用量は、ジグリセリン脂肪酸エステルの添加量が、小麦粉100 に対し0.2〜2の割合になるように使用するのが適当であり、下限未満では効果を得難く、また上限を越えて使用してもそれ程有効でない。

0020

(比重)
以上のようなケーキ生地原料の配合物を適宜ミキサーを使用して混合するのであるが、混合は生地の見掛け比重が0.9以下になるまで起泡させるのが好ましく、下限は概ね見掛け比重0.6程度までとするのが適当である。なお、本発明における見掛け比重とは、〔生地重量÷生地容積〕で算出した値である。

0021

(前記生地を焼成する工程)
起泡したケーキ生地原料の配合物は焼成工程に供する。焼成工程は、典型的にはオーブン中の焼成であるが、マイクロウェーブ照射赤外線加熱などであってもよい。焼成の程度は特に限定はされないが、焼成の温度は通常100℃を超える温度が好ましく、通常110〜250℃で数秒〜数十分間の範囲にあり、より好ましくは130〜180℃の範囲が適している。
なお、本発明の要件である、小麦、乳、卵を含まないケーキ類の製造方法であっても、そして無脂カカオ固形分を含有する必要があるため、出来上がった焼成菓子はいわゆるガトーショコラタイプとなる。既存のガトーショコラと外見・食感は遜色ないものではあるが、3大アレルゲンフリーにてガトーショコラタイプのケーキが作成できる。

0022

以下に本発明の実施例を示し、より詳細に説明する。本発明における技術思想は以下の実施例に限定されるものではない。なお、本文中の%及び部は、断りのない限り重量部を意味する。

0023

(実施例1)
・混合物Aの作成
チョコレート(不二製油株式会社製、商品名:クーベルチュールスイート)215部とサラダ油(不二製油株式会社製、商品名:製菓用サラダ油)50部をボールに入れ湯煎にて50〜55℃に温度調整する。その後低脂肪豆乳(不二製油株式会社、商品名:美味投入蛋白含有量5〜6%、油分0.8%未満)265部をボールに入れ湯煎にて50℃に温め、温度調整したチョコレートとサラダ油に加え、ハンドホイッパーにて撹拌し混合物Aを得た。
・混合物Bの作成
混合物Aに米粉95部、ココアパウダー55部、ベーキングパウダー3部を加えてハンドホイッパーにて撹拌し、混合物Bを得た。

0024

・混合物Cの作成
混合物Bに乳化油脂(不二製油株式会社製、商品名:パーミングH)30部を添加して卓上ミキサーにて中速で2分起泡させた。比重は0.73だった。

0025

・焼成
上記で得られた最終生地を6号デコに550g充填し、平(七洋株式会社:バッケン)で上火170℃、下火150℃にて42分焼成し、焼成物図1図2参照)を得た。

0026

(実施例2)
実施例1の混合物Aのチョコレートの配合量を240部に、サラダ油の配合量を80部に変え、混合物Bのココアパウダーを添加しない以外は同様の方法と工程にて、比重0.63の焼成物を得た。なお、カカオ固形分と油分は実施例1と同等である。

0027

(実施例3)
実施例1の混合物Aのチョコレートの配合量を300部に、混合物Bのココアパウダーの配合量を25部に変える以外は同様の方法と工程にて、比重0.7の焼成物を得た。

0028

(実施例4)
実施例1の混合物Aのチョコレートの配合量を215部に、豆乳の配合量を300部に変える以外は同様の方法と工程にて、比重0.7の焼成物を得た。

0029

(比較例1)
チョコレート、特に無脂カカオ固形分が添加されないことによる食感・ボリューム・風味の影響を検証するため、低脂肪豆乳(不二製油株式会社、商品名:美味豆乳)265部をボールに入れ湯煎にて20℃に温め、グラニュー糖90部、乳化油脂(不二製油株式会社製商品名:パーミングH)30部、米粉95部、ベーキングパウダー3部、サラダ油(不二製油株式会社商品名:製菓用サラダ油)50部、50℃の湯煎にて溶解したカカオバター(不二製油株式会社製商品名:GO201)80部を加えて卓上ミキサーにて中速で2分起泡させ、比重0.6の最終生地を得た。得られた最終生地を6号デコ缶に550g充填し、平窯(七洋株式会社:南蛮バッケン)で上火170℃、下火150℃にて35分焼成したところ、高さが出ず、目が詰まり、ねっとりとした口どけの悪い食感となった。(図3図4参照)
実施例1〜4と比較例1の焼成物を官能試験に供し、得られた評価を配合と共に表1に示す。

0030

(表1)

0031

官能評価法
下記基準にて評価を行う。
・ボリューム
◎ 目の詰まりがなく、高さが出ている
○ 目の詰まりが少なく、やや高さが出ている
△ 目が詰まり気味でやや高さが出ていない
× 完全に目が詰まり高さが出ていない
・食感
◎ ソフトで口どけ良い
○ ややソフトで口どけ良い
△ やや硬く口どけ悪い、ねちゃつく
× 固く団子状になり口どけ悪い、ねちゃつく
・風味
◎チョコレート感が強く出ている
○ チョコレート感がやや出ている
△ チョコレート感がやや出ていない
× チョコレート感が出ていない

0032

(実施例5)
実施例1の混合物Aの豆乳を美味豆乳から無調整豆乳(不二製油株式会社製品、商品名:無調整豆乳、蛋白含有量4.9%、油分3.4%)に変える以外は同様の方法と工程にて、比重0.69の焼成物を得た。

0033

(実施例6)
実施例1の混合物Aの豆乳を美味豆乳から豆乳クリーム(不二製油株式会社製品、商品名濃久里、蛋白含有量5〜6%、油分10〜13%)に変える以外は同様の方法と工程にて、比重0.72の焼成物を得た。

0034

(実施例7)
混合物Aの豆乳を水に変える以外は同様の方法と工程にて、比重0.67の焼成物を得た。

0035

(実施例8)
混合物Aのチョコレートの代わりにカカオバター(不二製油株式会社製、商品名:GO201)を80部に変え、混合物Bのココアパウダーの添加量を100部に変え、グラニュー糖を90部添加した以外は同様の方法と工程にて、比重0.65の焼成物を得た。

0036

(比較例2)
混合物Cの乳化油脂を添加しない以外は同様の方法と工程にて、比重1.0の最終生地を焼成したところ、生地のめがつまり、高さが出ず、固い食感となった。

0037

実施例5〜8と比較例2・3の得られた評価を配合と共に表1に示す。

実施例

0038

(表2)

0039

本発明は、小麦、乳、卵及びこれらの加工品を含まないケーキ類を製造方法に関し、カカオ固形分を含有させることで、従来タイプの3大アレルゲンを含むケーキ類に匹敵する食感や形状のケーキ類を提供できるという効果を有する。

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