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技術 通信制御システム及び通信制御方法

出願人 株式会社神戸製鋼所
発明者 木田直希稲田修一和田尭
出願日 2016年3月24日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2016-060157
公開日 2017年9月28日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2017-175420
状態 特許登録済
技術分野 小規模ネットワーク(3)ループ,バス以外 数値制御
主要キーワード 相互補正 主モーター デジタル出力装置 動作補正 移動速度指令 補正比率 追従駆動 サブマスター
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

複数の装置を同期して動作させつつ、複数軸を有する装置に関し、装置内での複数軸をも同期して動作させることを可能にすることができる。

解決手段

制御装置と1つまたは複数の制御対象装置とがネットワークを介して接続される通信制御システムであって、複数の制御対象装置の少なくとも一つは、互いに同期制御されるべきサブマスターおよびサブスレーブを有し、制御装置は、制御対象装置との同期を取るための期間である同期周期、同期周期の1周期中に複数設けられた期間である通信周期、およびサブマスターおよびサブスレーブが同期周期より小さい相互通信周期で相互に通信するための相互通信制御情報、それぞれの情報を記憶する記憶手段と、制御対象装置に対して同期して動作するように指令するための制御指令を当該制御対象装置ごとに演算する演算手段と、少なくとも一つの制御対象装置のサブマスターおよびサブスレーブに、相互通信制御情報指令を含む制御指令を送信する通信制御手段と、を備える。

概要

背景

例えば溶接に用いられる産業用ロボットは、溶接電源ポジショナスライダといった周辺の装置と時刻同期して動作するのが一般的である。同期させる方法としては、例えば、RS−232C、RS−485、RS−422、Ethernet(登録商標)、CAN(Controller Area Network)(登録商標)などを用いたネットワークを介して通信制御する方法が用いられる。

装置間で同期を取るための従来技術として、例えば、特許文献1には、ネットワークを介して、ひとつまたは複数の制御装置通信する通信制御装置において、任意の時刻送信要求を発生する非定周期送信部と、定周期で送信要求を発生する定周期送信部と、非定周期送信部と定周期送信部の送信データをネットワークと通信する通信部と、定周期送信部の送信内容を通信部に伝送し、送信要求のある非定周期送信部通信処理に要する通信処理時間を演算し、定周期送信部の定周期の残り時間を求め、通信処理時間と定周期の残り時間とを比較して、非定周期送信部の送信内容を通信部に伝送するスケジュール部とを有することが記載されている。

概要

複数の装置を同期して動作させつつ、複数軸を有する装置に関し、装置内での複数軸をも同期して動作させることを可能にすることができる。制御装置と1つまたは複数の制御対象装置とがネットワークを介して接続される通信制御システムであって、複数の制御対象装置の少なくとも一つは、互いに同期制御されるべきサブマスターおよびサブスレーブを有し、制御装置は、制御対象装置との同期を取るための期間である同期周期、同期周期の1周期中に複数設けられた期間である通信周期、およびサブマスターおよびサブスレーブが同期周期より小さい相互通信周期で相互に通信するための相互通信制御情報、それぞれの情報を記憶する記憶手段と、制御対象装置に対して同期して動作するように指令するための制御指令を当該制御対象装置ごとに演算する演算手段と、少なくとも一つの制御対象装置のサブマスターおよびサブスレーブに、相互通信制御情報指令を含む制御指令を送信する通信制御手段と、を備える。

目的

本発明の目的は、複数の装置を同期して動作させつつ、装置内での駆動軸の同期の精度も確保することを可能にすることにある

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

制御装置と1つまたは複数の制御対象装置とがネットワークを介して接続される通信制御システムであって、前記複数の制御対象装置の少なくとも一つは、互いに同期制御されるべきサブマスターおよびサブスレーブを有し、前記制御装置は、前記制御対象装置との同期を取るための期間である同期周期、当該同期周期の1周期中に複数設けられた期間である通信周期、および前記サブマスターおよび前記サブスレーブが前記同期周期より小さい相互通信周期で相互に通信するための相互通信制御情報、それぞれの情報を記憶する記憶手段と、前記制御対象装置に対して同期して動作するように指令するための制御指令を当該制御対象装置ごとに演算する演算手段と、前記少なくとも一つの制御対象装置の前記サブマスターおよび前記サブスレーブに、前記相通信制御情報を含む前記制御指令を送信する通信制御手段と、を備える通信制御システム。

請求項2

請求項1に記載の通信制御システムであって、前記サブマスターと前記サブスレーブ間の相互通信で、前記サブマスターと前記サブスレーブ間の動作補正を行う場合、前記サブマスターを基準として、前記サブスレーブが自身の動作の調整をする、通信制御システム。

請求項3

請求項1または2に記載の通信制御システムであって、前記同期周期が前記相互通信周期の倍数であり、前記同期周期は10msec以下であり、前記相互通信周期は500μsec以下であり、前記同期周期と前記相互通信周期の比率が20以上である、通信制御システム。

請求項4

請求項1から3のいずれか1項に記載の通信制御システムであって、前記サブマスターの制御方式位置制御であり、前記サブスレーブは位置制御またはトルク制御のどちらかの選択が可能である、通信制御システム。

請求項5

制御装置と1つまたは複数の制御対象装置との間で通信を行い同期させる通信制御方法であって、前記複数の制御対象装置の少なくとも一つは、互いに同期制御されるべきサブマスターおよびサブスレーブを有し、前記制御対象装置との同期を取るための期間である同期周期、当該同期周期の1周期中に複数設けられた期間である通信周期、および前記サブマスターおよび前記サブスレーブが前記同期周期より小さい相互通信周期で相互に通信するための相互通信制御情報、それぞれの情報を記憶するステップと、前記制御対象装置に対して同期して動作するように指令するための制御指令を当該制御対象装置ごとに演算するステップと、前記少なくとも一つの制御対象装置の前記サブマスターおよび前記サブスレーブに、前記相互通信制御情報を含む前記制御指令を送信するステップと、を含む通信制御方法。

技術分野

0001

本発明は、通信制御システム及び通信制御方法に関する。

背景技術

0002

例えば溶接に用いられる産業用ロボットは、溶接電源ポジショナスライダといった周辺の装置と時刻同期して動作するのが一般的である。同期させる方法としては、例えば、RS−232C、RS−485、RS−422、Ethernet(登録商標)、CAN(Controller Area Network)(登録商標)などを用いたネットワークを介して通信制御する方法が用いられる。

0003

装置間で同期を取るための従来技術として、例えば、特許文献1には、ネットワークを介して、ひとつまたは複数の制御装置通信する通信制御装置において、任意の時刻送信要求を発生する非定周期送信部と、定周期で送信要求を発生する定周期送信部と、非定周期送信部と定周期送信部の送信データをネットワークと通信する通信部と、定周期送信部の送信内容を通信部に伝送し、送信要求のある非定周期送信部通信処理に要する通信処理時間を演算し、定周期送信部の定周期の残り時間を求め、通信処理時間と定周期の残り時間とを比較して、非定周期送信部の送信内容を通信部に伝送するスケジュール部とを有することが記載されている。

先行技術

0004

特開2012−170036号公報

発明が解決しようとする課題

0005

複数の装置を同期して動作させるためには、通常、装置間でデータの送受信が行われるが、例えば、関節が多い多軸の産業用ロボットを使用したり、同期させる装置の数が増えたりすることにより、同期のために送受信するデータの容量が増加してしまう場合がある。ただし、1回の通信で送受信可能なデータ容量には制限があるのが一般的である。そのため、同期のために送受信するデータ容量が増加したために、1回の同期通信ではデータの送受信が行えず、各装置間で正常に同期が行われない場合があった。なお、特許文献1の技術は、同期のために送受信するデータが大容量になった場合のものではない。

0006

そして、複数の装置の中には、ポジショナやスライダのように、装置の中で複数の駆動軸(例えば2軸)を有するものがあり、当該装置の駆動軸の間での同期を確保することも重要である。しかしながら、上述した様に装置間での同期のためのデータ容量が増加する状況では、装置内の複数の駆動軸の間での同期制御の精度を向上させることは難しい。

0007

本発明の目的は、複数の装置を同期して動作させつつ、装置内での駆動軸の同期の精度も確保することを可能にすることにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、制御装置と1つまたは複数の制御対象装置とがネットワークを介して接続される通信制御システムであって、前記複数の制御対象装置の少なくとも一つは、互いに同期制御されるべきサブマスターおよびサブスレーブを有し、前記制御装置は、前記制御対象装置との同期を取るための期間である同期周期、当該同期周期の1周期中に複数設けられた期間である通信周期、および前記サブマスターおよび前記サブスレーブが前記同期周期より小さい相互通信周期で相互に通信するための相互通信制御情報、それぞれの情報を記憶する記憶手段と、前記制御対象装置に対して同期して動作するように指令するための制御指令を当該制御対象装置ごとに演算する演算手段と、前記少なくとも一つの制御対象装置の前記サブマスターおよび前記サブスレーブに、前記相通信制御情報を含む前記制御指令を送信する通信制御手段と、を備える。

0009

本発明の一実施態様として、例えば前記サブマスターと前記サブスレーブ間の相互通信で、前記サブマスターと前記サブスレーブ間の動作補正を行う場合、前記サブマスターを基準として、前記サブスレーブが自身の動作の調整をする。

0010

本発明の一実施態様として、例えば前記同期周期が前記相互通信周期の倍数であり、前記同期周期は10msec以下であり、前記相互通信周期は500μsec以下であり、前記同期周期と前記相互通信周期の比率が20以上である。

0011

本発明の一実施態様として、例えば前記サブマスターの制御方式位置制御であり、前記サブスレーブは位置制御またはトルク制御のどちらかの選択が可能である。

0012

本発明は、制御装置と1つまたは複数の制御対象装置との間で通信を行い同期させる通信制御方法であって、前記複数の制御対象装置の少なくとも一つは、互いに同期制御されるべきサブマスターおよびサブスレーブを有し、前記制御対象装置との同期を取るための期間である同期周期、当該同期周期の1周期中に複数設けられた期間である通信周期、および前記サブマスターおよび前記サブスレーブが前記同期周期より小さい相互通信周期で相互に通信するための相互通信制御情報、それぞれの情報を記憶するステップと、前記制御対象装置に対して同期して動作するように指令するための制御指令を当該制御対象装置ごとに演算するステップと、前記少なくとも一つの制御対象装置の前記サブマスターおよび前記サブスレーブに、前記相互通信制御情報を含む前記制御指令を送信するステップと、を含む。

発明の効果

0013

本発明によれば、複数の装置を同期して動作させつつ、複数の駆動軸を有する装置に関し、装置内での駆動軸をも同期して動作させることを可能にすることができる。

図面の簡単な説明

0014

本実施の形態に係る溶接システム概略構成の一例を示す図である。
本実施の形態に係る制御装置の機能構成例を示したブロック図である。
制御装置のハードウェア構成例を示す図である。
溶接システムにおいて行われる通信の処理手順の一例を示すフローチャートである。
定期通信にて制御装置が各スレーブ装置に送信する制御指令フレームの一例を説明するための図である。
定期通信にて制御装置が各スレーブ装置に送信する制御指令フレームの一例を説明するための図である。
ポジショナ、スライダの具体例の斜視図を示し、(a)はポジショナの一例を示し、(b)はスライダの一例を示す図である。
サブマスターとサブスレーブの間の相互通信の例を示すシーケンス図である。
定期通信にて制御装置が各スレーブ装置に送信する制御指令フレームおよび相互通信フレームの一例を説明するための図である。

実施例

0015

以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
システム構成
まず、本実施の形態に係る溶接システム1について説明する。図1は、本実施の形態に係る溶接システム1の概略構成の一例を示す図である。

0016

図1に示すように、本実施の形態に係る溶接システム1は、制御装置10と、溶接ロボット21と、溶接電源22と、ポジショナ23と、スライダ24と、デジタル入力装置25と、デジタル出力装置26とを備えている。ここで、制御装置10はマスター、その他の溶接ロボット21、溶接電源22、ポジショナ23、スライダ24、デジタル入力装置25、デジタル出力装置26はスレーブとして機能する。そして、溶接システム1は、マスターから送信されたフレームが順番に全てのスレーブを通過していき、折り返して再びマスターへ戻ることにより、マスター及びスレーブを同期して動作させるように構成される。

0017

以下では、溶接ロボット21、溶接電源22、ポジショナ23、スライダ24、デジタル入力装置25、デジタル出力装置26を区別する必要がない場合には、スレーブ装置20と称する場合がある。また、本実施の形態では、制御対象装置の一例として、スレーブ装置20が用いられる。そして、制御装置10とスレーブ装置20がネットワークにより接続されて、通信制御方法を実施する通信制御システムが構築される。

0018

また、本実施の形態では、ネットワークにおいて有線による通信が行われ、通信方式にはEtherCAT(登録商標)を用いるものとして説明するが、このような構成に限られるものではない。本実施の形態において、通信方式の種類はEtherCATに限られず、また有線による通信でも無線による通信でも良いものとする。

0019

制御装置10は、溶接システム1における処理を制御する装置であり、各スレーブ装置20に対して同期して動作するように指令するための制御指令を生成する。ここで、制御装置10は、スレーブ装置20ごとに制御指令を生成し、生成した制御指令をフレームに格納して、各スレーブ装置20に送信する。即ち、制御装置10がスレーブ装置20の制御指令として送信するフレーム(以下、制御指令フレームと称する)の中には、例えば、溶接ロボット21用の制御指令のデータや、溶接電源22用の制御指令のデータなどが格納される。

0020

また、制御装置10が制御指令フレームを送信するにあたり、制御装置10とスレーブ装置20との間で同期を取るための期間(以下、同期周期と称する)が予め定められている。また、同期周期をさらに分割した期間である通信周期も予め定められている。即ち、同期周期の1周期中に、同期周期よりも短い通信周期が複数設けられており、同期周期は、2つの通信周期以上の長さを有している。

0021

ここで、溶接システム1にて同期して動作させるために送受信されるフレームのフォーマットは、例えばEtherCATのような通信方式にて定められており、1回で送受信可能なフレームの最大容量(例えば、1500byte)も決まっている。そのため、最大容量を超えたバイト数の制御指令フレームが送信されても、例えば受信側の装置にて破棄されて、データの送受信が正常に行われない。本実施の形態においても、制御装置10は、全てのスレーブ装置20用の制御指令を1つの制御指令フレームに格納しようとすると、定められたフレームの最大容量を超えてしまう。

0022

そこで、制御装置10は、全てのスレーブ装置20用の制御指令を1つの通信周期に集中させて1回で送信するのではなく、フレームの最大容量に収まるように、同期周期の中で複数設けられた通信周期のそれぞれに各スレーブ装置20用の制御指令を分散させる。
そして、制御装置10は、通信周期ごとに制御指令フレームを生成して送信する。

0023

例えば、同期周期内での1つ目の通信周期において、制御装置10は、溶接ロボット21用の制御指令のデータ、溶接電源22用の制御指令のデータ、デジタル出力装置26用の制御指令のデータを制御指令フレームに格納して送信する。次に、例えば、同期周期内での2つ目の通信周期において、制御装置10は、溶接ロボット21用の制御指令のデータ、溶接電源22用の制御指令のデータ、ポジショナ23用の制御指令のデータ、スライダ24用の制御指令のデータを制御指令フレームに格納して送信する。ただし、制御装置10は全てのスレーブ装置20との間で同期を取るため、それぞれのスレーブ装置20用の制御指令は、同期周期中に複数設けられた通信周期のうち少なくとも1つの通信周期に割り当てて送信される。

0024

また、制御装置10は、同期周期ごとに、各スレーブ装置20に対して同期のタイミングを知らせるためのクロック信号を送信する。制御装置10は、このようなクロック信号及び制御指令フレームを送信する処理を同期周期ごとに繰り返し実行して、各スレーブ装置20との間で同期を取る制御を行う。

0025

次に、各スレーブ装置20について説明する。
溶接ロボット21は、複数の関節を有する腕(アーム)を備え、溶接に関する各種作業を行う。また、溶接ロボット21の腕の先端には、ワークに対する溶接作業を行うための溶接トーチが設けられる。

0026

溶接電源22は、溶接ロボット21の溶接トーチに保持された電極(例えば、溶接ワイヤ)に電力を供給する。溶接電源22が電力を供給することにより、溶接ロボット21に設けられた溶接トーチの電極にてアークが発生する。

0027

ポジショナ23は、ワークの位置を調節する。
スライダ24は、溶接ロボット21の下に配置され、溶接ロボット21を移動させる。
デジタル入力装置25は、例えば、キーボードタッチパネルディスプレイであり、外部からデジタルデータの入力を受け付ける。
デジタル出力装置26は、例えば、ディスプレイを有する表示装置であり、デジタルデータを外部に出力する。

0028

そして、各スレーブ装置20は、自身宛ての制御指令のデータ(以下、制御装置10が生成した制御指令のデータをコマンドデータと称する)が格納された制御指令フレームを受信すると、制御指令フレームの中から自身宛てのコマンドデータを取得する。また、各スレーブ装置20は、クロック信号の受信間隔を同期周期として、クロック信号を受信したタイミングごとに、1つの同期周期内で取得済みのコマンドデータの制御指令を反映させて動作を実行する。

0029

また、各スレーブ装置20は、自身宛てのコマンドデータが格納された制御指令フレームを受信すると、受信した時点における動作状況(即ち、受信した時点における制御指令の実行結果)をフィードバックする内容のデータを生成する(以下、制御指令の実行結果として生成されるデータをモニタデータと称する)。そして、各スレーブ装置20は、自身宛てのコマンドデータに代えて、生成したモニタデータを制御指令フレームに格納し、制御装置10へ送信する。

0030

このようにして、制御指令フレームは、制御装置10から各スレーブ装置20に送信され、全てのスレーブ装置20で受信された後、折り返してまた全てのスレーブ装置20を通過して最終的に制御装置10に戻る。そして、制御装置10は、戻ってきた制御指令フレームに格納されている各スレーブ装置20のモニタデータを取得する。制御装置10と各スレーブ装置20との間でコマンドデータ及びモニタデータがやり取りされて、制御装置10による同期制御が行われる。

0031

<制御装置の機能構成
次に、本実施の形態に係る制御装置10の機能構成について説明する。図2は、本実施の形態に係る制御装置10の機能構成例を示したブロック図である。制御装置10は、各スレーブ装置20に対する制御指令を生成して制御指令フレームを出力する制御指令部11と、同期周期及び通信周期に関する情報を記憶する記憶部12と、各スレーブ装置20との間でデータの送受信を行う通信部13とを備える。

0032

制御指令部11は、各スレーブ装置20の動作を指定する指定値を演算してコマンドデータを生成する。そして、制御指令部11は、生成したコマンドデータを格納した制御指令フレームを、通信部13を介して各スレーブ装置20に送信する。また、制御指令部11は、各スレーブ装置20を通過して戻ってきた制御指令フレームを通信部13から受け取り、受け取った制御指令フレームに格納されているモニタデータを取得して、各スレーブ装置20の処理結果を認識する。さらに、制御指令部11は、同期周期ごとに、各スレーブ装置20に対してクロック信号を送信する。

0033

また、制御指令部11は、各スレーブ装置20にクロック信号や制御指令フレームを送信する前に、スレーブ装置20の動作に用いられるパラメータの設定およびパラメータの補正等を行うための指令を各スレーブ装置20に送信する。ここで送信される指令は、同期周期または通信周期のような一定周期で送信される定期的な指令に対して、不定期に送信される指令であり、同期周期や通信周期の余剰時間を利用して送信される。以下では、このようなスレーブ装置20のパラメータ設定等のために行われる通信を非定期通信と称し、非定期通信が行われた後の同期周期または通信周期にて行われる通信を定期通信と称することとする。本実施の形態では、演算手段、通信制御手段の一例として、制御指令部11が用いられる。

0034

記憶部12は、同期周期及び通信周期に関する情報を定めたデータベース(以下、同期DBと称する)を記憶する。この同期DBには、同期周期及び通信周期の時間の長さ、同期周期の中で各スレーブ装置20宛てのコマンドデータを送信する通信周期のタイミング、各スレーブ装置20宛てのコマンドデータが格納される制御指令フレーム内の位置などの情報が記憶される。この同期DBの情報は、制御指令部11が定期通信でクロック信号及び制御指令フレームを送信する際に用いられる。本実施の形態では、記憶手段の一例として、記憶部12が用いられる。

0035

通信部13は、定期通信及び非定期通信においてデータの送受信を行う。例えば、定期通信において、通信部13は、制御指令部11が生成した制御指令フレームを、制御装置10から各スレーブ装置20に送信する。また、通信部13は、各スレーブ装置20を通過して戻ってきた制御指令フレームを受信し、受信した制御指令フレームを制御指令部11に出力する。

0036

<制御装置のハードウェア構成>
次に、制御装置10のハードウェア構成について説明する。図3は、制御装置10のハードウェア構成例を示す図である。

0037

図3に示すように、制御装置10は、例えば汎用のPC(Personal Computer)等により実現され、CPU101と、記憶領域であるメインメモリ102及び磁気ディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)103とを備える。ここで、CPU101は、OS(Operating System)やアプリケーションソフトウェア等の各種プログラムを実行し、制御装置10の各機能を実現する。また、メインメモリ102は、各種プログラムやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、HDD103は、各種プログラムに対する入力データや各種プログラムからの出力データ等を記憶する記憶領域である。

0038

また、制御装置10は、外部との通信を行うための通信I/F104と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構105と、キーボードやマウス等の入力デバイス106と、記憶媒体に対してデータの読み書きを行うためのドライバ107とを備える。

0039

そして、例えば、CPU101がOSやアプリケーションソフトウェア等の各種プログラムを実行することにより、制御装置10における制御指令部11の機能が実現される。
また、記憶部12は、例えば、HDD103により実現される。さらに、通信部13は、例えば、通信I/F104により実現される。ただし、図3ハードウェアの構成例に過ぎず、制御装置10は図示の構成に限定されない。なお、本発明の実施の形態を実現するプログラムは、磁気ディスク光ディスク半導体メモリ、その他の記録媒体に格納して配布したり、ネットワークを介して配信したりすることにより、提供することができる。

0040

<通信の処理手順>
次に、溶接システム1において行われる通信の処理手順について説明する。図4は、溶接システム1において行われる通信の処理手順の一例を示すフローチャートである。

0041

まず、作業者が制御装置10の電源を入れると、制御装置10の制御指令部11は、記憶部12に記憶された同期DBの情報を取得する(ステップ101)。次に、制御指令部11は、溶接システム1内のネットワーク上に存在する各スレーブ装置20を検出する(ステップ102)。ここで、各スレーブ装置20の検出に際し、予め各スレーブ装置20のIPアドレス等の情報が同期DB等に記憶されている。そして、制御指令部11は、ネットワークにデータを送信し、予め定められたIPアドレスを有するスレーブ装置20がネットワーク上にどのような順番で配置されているかを検出する。

0042

次に、制御指令部11は、検出した各スレーブ装置20におけるパラメータ設定及びパラメータの補正を行うために、通信部13を介して各スレーブ装置20に非定期通信の指令を送信する(ステップ103)。非定期通信の指令により各スレーブ装置20のパラメータ設定及び補正が行われた後、制御指令部11は、定期通信を開始する(ステップ104)。

0043

定期通信において、制御指令部11は、ステップ101で取得した同期DBの情報をもとに、同期周期ごとにクロック信号を生成し、各スレーブ装置20に送信する。また、制御指令部11は、スレーブ装置20ごとにコマンドデータを生成する。そして、制御指令部11は、同期DBの情報をもとに、各スレーブ装置20に対応するコマンドデータのそれぞれを、同期周期中の通信周期の少なくとも1つの通信周期に割り当てて、割り当てたコマンドデータを含む制御指令フレームを通信周期ごとに送信する。

0044

また、制御指令部11は、全てのスレーブ装置20を通過して戻ってきた制御指令フレームを受け取り、制御指令フレームに格納されているモニタデータをもとに各スレーブ装置20の処理結果を認識する。このような制御指令フレームの送受信が通信周期ごとに行われて、1つの同期周期の処理となる。さらに、1つの同期周期の処理が繰り返し実行されて、各スレーブ装置20が同期して動作するように制御される。

0045

<定期通信にて送信される制御指令フレームの説明>
次に、定期通信にて制御装置10が各スレーブ装置20に送信する制御指令フレームについて説明する。図5及び図6は、定期通信にて制御装置10が各スレーブ装置20に送信する制御指令フレームの一例を説明するための図である。図5及び図6に示す例では、同期周期が5分割され、同期周期中に通信周期が5つ含まれている。また、同期周期が5msec、通信周期が1msecとして予め定められているものとする。

0046

図5に示すように、データ1〜データ6は、スレーブ装置20宛てのコマンドデータとしてスレーブ装置20ごとに生成されるデータである。ここで、データ1は溶接ロボット21用のデータ、データ2は溶接電源22用のデータ、データ3はポジショナ23用のデータである。また、データ4はスライダ24用のデータ、データ5はデジタル入力装置25用のデータ、データ6はデジタル出力装置26用のデータである。

0047

そして、制御装置10は、記憶部12に記憶された同期DBをもとに、各スレーブ装置20宛てのデータであるデータ1〜データ6を、各通信周期に割り当てて送信する。図5に示す例では、1つ目の通信周期で、データ1、データ2、データ6が送信される。2つ目の通信周期では、データ1、データ2、データ3、データ4が送信される。3つ目の通信周期では、2つ目の通信周期と同様に、データ1、データ2、データ3、データ4が送信される。4つ目の通信周期では、データ1、データ2、データ5が送信される。最後の5つ目の通信周期では、データ1、データ2が送信される。

0048

付言すると、溶接ロボット21用のデータ1、溶接電源22用のデータ2は、5つの通信周期の全てで送受信が行われる。また、ポジショナ23用のデータ3、スライダ24用のデータ4は、5つの通信周期のうち2つ目及び3つ目の通信周期で送受信が行われる。
さらに、デジタル入力装置25用のデータ5は、4つ目の通信周期で送受信が行われ、デジタル出力装置26用のデータ6は、1つ目の通信周期で送受信が行われる。

0049

具体的には、図6に示すように、定期通信の開始時間を「0msec」とすると、送信開始から1msec後に、データ1、データ2、データ6を格納した制御指令フレームが送信される。同様に、同じ同期周期内の処理として、送信開始から2msec後、送信開始から3msec後、送信開始から4msec後、送信開始から5msec後において、制御指令フレームが送信される。また、送信開始から5msec後、5つ目の通信周期にて制御指令フレームの送受信が行われると、1つの同期周期が終了する。そして、次の同期周期が開始する。即ち、送信開始から6msec後、次の同期周期の1つ目の通信周期において、データ1、データ2、データ6を格納した制御指令フレームが送信される。

0050

このように、同期して動作するためのデータを各通信周期に割り当てることにより、1回に送受信可能なフレームの最大容量を超えないようにデータの送受信が行われる。また、制御装置10及び各スレーブ装置20で同期して動作するためには、各スレーブ装置20用のデータは、1回の同期周期における複数の通信周期のうちの少なくともいずれか1つの通信周期で送受信されれば良い。即ち、図6に示す例では、データ1〜データ6の各データは、5つに分割された通信周期のうちの少なくともいずれか1つの通信周期で送受信されれば良い。

0051

また、各スレーブ装置20は、クロック信号を受信したタイミングごとに、1つの同期周期内で取得済みのコマンドデータを反映させて動作するが、取得済みのコマンドデータが複数ある場合には、最後に取得したコマンドデータを反映させる。即ち、スレーブ装置20は、1つの同期周期内で複数のコマンドデータを受信した場合には、その同期周期の最後に受信したコマンドデータを反映させる。

0052

図6に示す例では、溶接ロボット21及び溶接電源22に対して、同期周期内で5つの通信周期の全てでコマンドデータが送信されるため、最後の5つ目の通信周期で送信されたコマンドデータの内容が反映される。即ち、溶接ロボット21及び溶接電源22は、1つ目〜4つ目の通信周期でコマンドデータを受信した際には、その時点における動作状況を示すモニタデータを格納して制御装置10に送信するが、結果的に1つ目〜4つ目の通信周期のコマンドデータは動作の実行には使用されないこととなる。
同様に、ポジショナ23及びスライダ24では、同期周期内で2つ目及び3つ目の通信周期にてコマンドデータが送信されるため、3つ目の通信周期で送信されたコマンドデータの内容が反映される。

0053

また、ノイズ等の発生が原因でコマンドデータの送受信が正常に行われなかった場合には、同じ同期周期内で1つ前のコマンドデータが採用される。例えば、溶接ロボット21において、5つ目の通信周期にてコマンドデータの送受信が正常に行われなかった場合には、1つ前にあたる4つ目の通信周期にて送受信されたコマンドデータの内容が反映される。そのため、1回の同期周期中に2つ以上の通信周期にてコマンドデータの送受信が行われることで、例えば、1回の同期周期中に1つの通信周期のみでコマンドデータの送受信が行われる構成と比較して、コマンドデータを確保し易くなり同期制御の信頼性が向上する。

0054

また、例えば、アーク倣いの安定性向上やタッチセンシングの精度向上などの観点から、同期周期及び通信周期は短いことが好ましい。ここで、アーク倣いとは、溶接作業において、教示された溶接線軌跡とのずれが生じても、溶接トーチの先端と溶接線との相対位置を一定に保ち、溶接トーチの狙い位置開先からずれないようにする機能である。また、タッチセンシングとは、ワークと溶接ワイヤとの間に電圧印加しておき、溶接ワイヤがワークに接触したときに生じる電圧降下現象を利用することによりワークの位置を検出し、検出したワークの位置をもとに溶接ロボット21の位置を補正する機能である。

0055

上述したように、図5図6において、溶接ロボット21用のデータ1、溶接電源22用のデータ2は、5つの通信周期の全てで送受信が行われる。一方、ポジショナ23用のデータ3、スライダ24用のデータ4は、5つの通信周期のうち2つ目及び3つ目の通信周期のみで送受信が行われる。溶接システム1において、溶接ロボット21、溶接電源22の重要性は高いと考えられるため、溶接ロボット21、溶接電源22用のデータの送受信回数は、ポジショナ23、スライダ24用のデータの送受信回数と比較して高く設定されている。

0056

しかしながら、ポジショナ23、スライダ24は、それら自身(装置自身)の中で複数の駆動軸(例えば2軸)を有するものであり、これら複数の駆動軸の間での同期を確保することが、正確な動作を確保するために重要である。

0057

図7はポジショナ23、スライダ24の具体例の斜視図を示す。図7(a)はポジショナ23の一例を示す。ポジショナ23は、ワークWの位置決めをするため、それぞれ矢印A方向に動く2つの駆動部23a、23bを有する。そして、主となる駆動軸としての主モーターM1が駆動部(主駆動部)23aを駆動させる。さらに主モーターM1に追従する追従モーターM2が追従する駆動軸として設けられ、追従モーターM2は、駆動部(追従駆動部)23bを駆動させる。

0058

追従する追従モーターM2は、主モーターM1に対して追従する関係にあるため、主モーターM1がマスター、追従モーターM2がスレーブとして定義される。ただし、溶接システム1において、制御装置10がマスター、各スレーブ装置20がスレーブとして定義されているため、以下、主モーターM1をサブマスター、追従モーターM2をサブスレーブとして定義する。

0059

このようなポジショナ23は、柱のように長い構造物であるワークWを回転する必要があり、ワークWに捩れが生じないよう、サブマスターである主モーターM1と、サブスレーブである追従モーターM2ができるだけ正確に同期する必要がある。

0060

図7(b)はスライダ24の一例を示す。スライダ24はロボットRを移動させるため、矢印B方向に動く2つの駆動部24a、24bを有する。そして、主となる駆動軸としての主モーターM1が駆動部(主駆動部)24aを駆動させる。さらに主モーターM1に追従する追従モーターM2が追従する駆動軸として設けられ、追従モーターM2は、駆動部(追従駆動部)24bを駆動させる。ここでもポジショナ23と同様に、主モーターM1をサブマスター、追従モーターM2をサブスレーブとして定義する。

0061

このようなスライダ24は門型の構造を呈し、駆動部24a、24bがそれぞれ二つの柱部分に相当しており、スライダ24自身に捩れが生じないよう、サブマスターである主モーターM1と、サブスレーブである追従モーターM2ができるだけ正確に同期する必要がある。

0062

従来は、サブマスターの移動位置(回転位置)をエンコーダによりモニタし、モニタに基づくパルス信号の指令をサブスレーブに送り、サブスレーブをサブマスターに同期させる方式が採られていた。しかしながら、このような方式では、サブマスターの動作結果をもとにサブスレーブを動作させるため、動作開始遅れが生じ、加速減速時など、運転状況が大きく変わる際に、サブマスターとサブスレーブ間の位置偏差偏差が大きくなり、同期制御が困難なものとなっていた。また、パルスエンコーダ、当該パルスエンコーダのための特殊なサーボアンプ等、特殊な部品が必要であり、コストなどを増加させる要因となっていた。

0063

そこで、本実施形態では、ポジショナ23、スライダ24の、複数の駆動軸の間での相互の通信により同期を確保することにより、容易に高い同期精度を確保することを可能にしている。

0064

前提として、制御指令部11は、図4のステップ103で、検出した各スレーブ装置20におけるパラメータ設定及びパラメータの補正を行うために、通信部13を介して各スレーブ装置20に非定期通信の指令を送信する。ここで、演算手段、通信制御手段としての制御指令部11は、さらにスレーブ装置20の中のポジショナ23、スライダ24については、他のスレーブ装置に対する非定期通信の指令に加えて、複数の駆動軸、すなわちサブマスターおよびサブスレーブの動作や相互通信に用いられるパラメータの設定、パラメータの補正等を行うための指令をも送信する。

0065

記憶部12は、同期周期及び通信周期に関する情報に加え、サブマスターおよびサブスレーブが相互に通信する相互通信に関する情報をも記憶する。すなわち、記憶部12の同期DBには、サブマスターおよびサブスレーブのネットワーク上での位置、サブマスターとサブスレーブの間で相互通信を行うデータ種別(位置データ、トルクデータなど)、相互補正制御の機能のオンオフ命令や、補正比率パラメータなどの如き、サブマスターとサブスレーブの間で相互通信を行うにあたって、相互通信の各種設定に関する相互通信設定情報が記憶される。この同期DBの情報は、制御指令部11が定期通信でクロック信号及び制御指令フレームを送信する際に用いられる。本実施の形態では、記憶手段の一例として、記憶部12が用いられる。

0066

そして、本実施形態では、マスターとしての制御装置10(演算手段、通信制御手段としての制御指令部11)は、記憶部12にて記憶された情報をもとに、ポジショナ23(またはスライダ24)への制御指令において、2軸に対応するサブマスター、サブスレーブ各々に対する制御指令の演算をも行う。ポジショナ23(またはスライダ24)への指令にサブマスター、サブスレーブ各々に対する指令、すなわち、サブマスター、サブスレーブが目標とすべき目標値、相互通信の各種設定が含まれていると理解してもよい。さらに制御装置10(演算手段、通信制御手段としての制御指令部11)は、ポジショナ23(またはスライダ24)に対し、相互通信周期で相互通信すべき指令を含む制御指令を送信する。すなわち、この制御指令は、ポジショナ23(またはスライダ24)のサブマスター、サブスレーブが相互通信するにあたって必要な相互通信設定情報、目標値などを包括的に含む相互通信制御情報を含む。ポジショナ23(またはスライダ24)は、この制御指令を受信し、そのサブマスター、サブスレーブが、相互通信制御情報を参照しながら目標値に向かって、相互通信を行いながら動作する。

0067

相互通信制御情報(相互通信設定情報、目標値などを含む)を含む制御指令(以下、単に「制御指令」と述べる)を受信したポジショナ23(またはスライダ24)は、サブマスターおよびサブスレーブ間の相互通信を開始する。ここで、相互通信の周期は、先述した同期周期より小さい。以下、相互通信について、図8を用いて具体的に説明する。相互通信の方式は、例えばCAN(Controller Area Network)のような従来型の通信方式を採用することができる。

0068

図8は、ポジショナ23(またはスライダ24)におけるサブマスターとサブスレーブの間の相互通信の例を示すシーケンス図である。まず、サブマスターおよびサブスレーブは、制御装置(マスター)10からの制御指令を受信する(ステップ11およびステップ21)。

0069

そして、サブマスターが制御指令に基づき動作するとともに(ステップ12)、サブスレーブも制御指令に基づき動作する(ステップ22)。そして、サブマスターが動作中の状態をサブスレーブへ送信するとともに(ステップ13)、サブスレーブが動作中の状態をサブマスターへ送信する(ステップ23)。

0070

サブマスターは、ステップ23に対応してサブスレーブの動作中の状態を受信するとともに(ステップ14)、サブスレーブは、ステップ13に対応してサブマスターの動作中の状態を受信する(ステップ24)。そして、サブスレーブは、サブマスターの動作状態にあわせて、自身の動作を補正する(ステップ25)。サブスレーブはサブマスターの動作状態を基準として自らの動作を制御しており、サブスレーブはサブマスターに追従しているということができる。基本的に、サブマスターは、サブスレーブの動作状態にあわせて、自身の動作を補正することはしない。

0071

サブマスターは、サブスレーブの異常が検出された場合は動作を停止し(ステップ15)、サブスレーブは、サブマスターの異常が検出された場合は動作を停止する(ステップ26)。そして、サブマスターおよびサブスレーブは、動作結果を制御装置(マスター)10へ送信する(ステップ16およびステップ27)。以下、ステップ11およびステップ21以降の動作が繰り返される。

0072

上述の例では、1つのサブマスターに対1つのサブスレーブが存在する場合について説明したが、1つのサブマスターに対し複数のサブスレーブが存在してもよい。このような場合であっても、サブスレーブがサブマスターの動作に追従することにより、効率的な動作補正が可能となる。すなわち、サブマスターとサブスレーブ間の相互通信で、サブマスターとサブスレーブ間の動作補正を行う場合、サブマスターを基準として、サブスレーブが自身の動作の調整をすることができる。

0073

また、同期周期は、ここでの相互通信の周期(相互通信周期)よりも大きいが、相互通信周期の倍数であってよい。また、同期周期は10msec以下、相互通信周期は500μsec以下であり、同期周期と相互通信周期の比率(同期周期/相互通信周期)は20以上になるように設定することができる。たとえば、上述の例の様に同期周期が5msecの場合、相互通信周期を125μsecに設定することができる(同期周期/相互通信周期=40)。この条件を満たすことで、サブマスターとサブスレーブ間で相互通信を用いることによるメリットが大きくなる。尚、相互通信周期の値は制御装置10の記憶部12に記憶して、通信制御手段(制御指令部11)が制御指令に含めて送信してもよいが、サブマスター、サブスレーブが独立してメモリなどの記憶装置に記憶しておくのが好ましい。

0074

スレーブ装置の内部では、同期周期(5msec)よりも速い周期(125μsec)である相互通信周期で動作制御を行うため、動作制御中に刻々動作状態が変わっても、高い追従性を確保することができる。追従性の観点からは相互通信周期は小さいほど好ましい。

0075

本実施形態では、同期周期が5msec、通信周期が1msec、相互通信周期が125μsecに定められている。5msecの長い同期周期をもって、複数のスレーブ装置が同期制御され、125μsecの極めて小さい相互通信周期をもって、スレーブ装置内のサブマスターとサブスレーブが高速に動作補正され、1msecのやや短い通信周期をもって、各スレーブ装置の動作結果がモニタされる。

0076

溶接システム1において、サブマスターの制御方式は位置制御に固定し、サブスレーブは位置制御またはトルク制御のどちらかを選択するように設定することができる。位置制御は、サブマスター、サブスレーブの位置(モーターの場合は回転角度)を制御する制御方式であり、トルク制御は、電流の制御によりモーターの発生トルクを制御する方式である。サブマスターの制御方式が位置制御であり、サブスレーブの制御方式も位置制御である場合、両者の位置の偏差の偏差を減少させるような制御がなされる。サブマスターの制御方式が位置制御であり、サブスレーブの制御方式がトルク制御である場合、サブマスターのトルクの指令が、サブスレーブのトルクの指令として伝達される。

0077

また、サブマスターの制御方式は位置制御に固定し、状況(ポジショナ、スライダーにおけるワークの偏荷重、熱による歪等)に従って、サブスレーブの制御方式を位置制御またはトルク制御に切り替えることもできる。

0078

また、サブマスターの制御方式は位置制御または速度制御を用いるようにすることができる。速度制御は、移動速度指令(モーターの場合は回転速度指令)に応じて、無段階にサブマスターの速度を切り替える方式である。サブマスターの制御方式に速度制御を用いる場合、一般的にサブスレーブの制御方式としては、トルク制御が用いられる。

0079

図9は、図6に対応して、本実施形態の定期通信における制御装置が各スレーブ装置に送信する制御指令フレームに対し、サブマスターとサブスレーブ間の相互通信に対応した相互通信フレームがどのような関係にあるかを示す図である。同期周期が5分割され、同期周期中に通信周期が5つ含まれているが、通信周期に相互通信周期が含まれる。また、同期周期が5msec、通信周期が1msec、相互通信周期が125μsecとして予め定められている。

0080

エンコーダのパルス信号を制御入力として用いる等の従来の方式では、サブマスターが動作後にサブスレーブが追従する制御である。このような制御方式では、サブスレーブの動きに遅れが生ずることとなり、円滑な動作が妨げられ得る。一方本発明では、サブマスターおよびサブスレーブが相互通信により同時にスタートし、動作中に相互に補正する方式であるため、サブスレーブの動きに遅れが生ずることを防止し、より円滑な制御が容易となる。

0081

また、サブマスターとサブスレーブ間の相互通信周期が、スレーブ装置間の同期周期より小さいため、スレーブ装置の高い追従性が確保される。

0082

また、従来の方式では、位置検出用センサからの位置フィードバックパルス信号を制御入力信号として使用するため、パルス出力を行うパルスエンコーダという特殊品をもっぱら必要としていたため、コストの増加を招いていた。しかしながら、本発明の採用によりその様な特殊品を採用する必要はなくなり、コストの増加を抑えることができる。

0083

また、本実施の形態では、溶接を行うシステムにて同期制御する場合について説明したが、このような構成に限られるものではない。本実施の形態については、産業用ロボットを含む他のシステムに適用される。

0084

以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態には限定されない。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々に変更したり代替態様を採用したりすることが可能なことは、当業者に明らかである。

0085

1…溶接システム、10…制御装置、11…制御指令部、12…記憶部、13…通信部、20…スレーブ装置、21…溶接ロボット、22…溶接電源、23…ポジショナ、24…スライダ、25…デジタル入力装置、26…デジタル出力装置

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