図面 (/)

技術 炭素系電池電極材料の制御可能な合成のための方法

出願人 本田技研工業株式会社
発明者 アヴェティク・ハルテュンヤン
出願日 2017年3月24日 (3年11ヶ月経過) 出願番号 2017-058831
公開日 2017年9月28日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2017-174817
状態 未査定
技術分野 炭素・炭素化合物 電池の電極及び活物質
主要キーワード 硬質炭素材料 球形シェル カット石 不活性ガス流れ 高強度レーザー 層間間隔 モノモーダル 微細形態
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年9月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

本開示の態様は、例えば、リチウムイオン電池における使用のための複合材料を一般的に対象にする。

解決手段

フラーレン半球体によって架橋された黒鉛粒子を含む炭素系電極材料、及び、前記炭素系電極材料を合成する方法が開示される。これらの炭素系電極材料は、リチウムイオン電池システムにおけるサイクルの間の、減少した不可逆容量損失を可能にし得る。

概要

背景

リチウム二次電池又はバッテリーは、ポータブル電子デバイスにおける電源として一般的に使用される。このような充電式電池は一般的に、リチウム遷移金属酸化物(例えば、コバルト酸リチウム)正極、及び、高多孔性炭素質材料、典型的には黒鉛から成る負極を用いる。しかしながら、炭素質材料は、他の炭素、金属、及び/又は熱分解された有機材料も含み得る。リチウムイオン溶解性電解質が、2つの電極の間に提供され、電池充電される。充電の電気化学プロセスの間、正極におけるいくらかのリチウムイオンは、(アノードとして機能している)正極から移動し、(カソードとして機能している)負極内にインターカレートする。インターカレーションに関してイオン受け入れるための電極の能力は、例えば、電極によって含まれる材料の結晶化度微細構造多孔率及び/又は微細形態に大きく依存する。放電の間、(今はアノードとして機能している)負極によって保持される負の電荷は、その負端子を通って電池から導出され、リチウムイオンは、電解質を通って移動し、(今はカソードとして機能している)正極へ戻る。“アノード”及び“カソード”との用語が、電池が充電されている又は放電しているかどうかに応じて負極及び正極の各々へ適用されることが理解される一方で、本明細書では、“アノード”との用語は、負極を参照するために用いられ、“カソード”との用語は、正極を参照するために用いられる。

炭素質アノード材料内へのリチウムイオンの第1の電気化学的インターカレーションの間、いくつかのリチウム不可逆的に消費され、かなりの量の容量が、次の放電において回復されないことがある。用いられる炭素質アノード材料及び電解液のタイプに主に依存するこの不可逆容量損失は、電解液の還元(reduction)及びLixC界面での不動態フィルムの形成に基づいて説明される。炭素の活性表面官能基へのリチウムの化学的結合もまた、この不可逆容量損失において重要な役割を果たし得る。不可逆容量の他の一つのソースは、アノード材料とのイオンの強い結合とそれに続くLiの樹枝状形態の成長に起因するLiイオン濃度の減少である。不可逆容量損失は、セルバランスに影響を与え、リチウムイオン電池エネルギー密度下げる。

現在では、特別なタイプの“硬質炭素”又は黒鉛が、商用リチウムイオン電池におけるアノード材料として用いられる。炭素/黒鉛材料は、金属リチウムに関する3830mAh/gと比較して、LiC6の化学式に対応する、〜370mAh/gのみの可逆比容量を届ける。これらの特別な炭素材料の主な優位点は、それらの高い貯蔵容量(>400mAh/g)と組み合わされたそれらの比較的低い不可逆容量損失(≦10%)である。しかしながら、これらの特別な炭素材料を合成する方法は、さらに容量を改善し不可逆容量損失を低減し得る、材料の細孔径分布、結晶化度及び表面積の独立した微調整又は制御を可能にしない。

上記に基づいて、リチウムイオン電池システムにおける使用のための、増加した可逆容量及び減少した不可逆容量損失を有する安価な炭素系電極材料を合成するための必要性が当該技術分野において存在する。電極材料の細孔径分布、表面積及び結晶化度を制御し得る方法を用いて材料が合成され得る場合、さらに有利であろう。

概要

本開示の態様は、例えば、リチウムイオン電池における使用のための複合材料を一般的に対象にする。フラーレン半球体によって架橋された黒鉛粒子を含む炭素系電極材料、及び、前記炭素系電極材料を合成する方法が開示される。これらの炭素系電極材料は、リチウムイオン電池システムにおけるサイクルの間の、減少した不可逆容量損失を可能にし得る。

目的

本方法は、少なくとも第1の黒鉛粒子及び第2の黒鉛粒子の混合物に少なくとも一つの五角形環前駆体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

少なくとも第2の黒鉛粒子に結合される少なくとも第1の黒鉛粒子を含む炭素系電極材料であって、前記第1の及び第2の黒鉛粒子が五角形炭素環を含む材料によって結合される、炭素系電極材料。

請求項2

前記第1の又は第2の黒鉛粒子の内の少なくとも一つが、約1μmから約45μmの平均粒径を有する、請求項1に記載の炭素系電極材料。

請求項3

前記第1の又は第2の黒鉛粒子の内の少なくとも一つが、約0.1m2/gから約30m2/gの比表面積を有する、請求項1に記載の炭素系電極材料。

請求項4

五角形炭素環を含む前記材料が、フラーレン及びフラーレンの一部から成る群から選択される、請求項1に記載の炭素系電極材料。

請求項5

前記材料が、リチウムイオンと隙間で反応することが可能な複数の細孔を含む、請求項1に記載の炭素系電極材料。

請求項6

前記細孔が、フラーレン半球体によって架橋された複数の黒鉛粒子によって画定され、前記炭素系電極材料が、硬質炭素材料のものと同じ細孔径分布を有する、請求項5に記載の炭素系電極材料。

請求項7

前記複数の細孔が、約0.1から40nmの平均直径を有する、請求項5に記載の炭素系電極材料。

請求項8

前記複数の細孔が、約1から10nmの平均直径を有する、請求項7に記載の炭素系電極材料。

請求項9

少なくとも第2の黒鉛粒子に結合される少なくとも第1の黒鉛粒子を含む炭素系電極材料であって、前記第1の及び第2の黒鉛粒子が、フラーレンの半球体によって結合される、炭素系電極材料。

請求項10

前記第1の又は第2の黒鉛粒子の内の少なくとも一つが、約1μmから約45μmの平均粒径を有する、請求項9に記載の炭素系電極材料。

請求項11

前記第1の又は第2の黒鉛粒子の内の少なくとも一つが、約0.1m2/gから約30m2/gの比表面積を有する、請求項9に記載の炭素系電極材料。

請求項12

前記フラーレンが、C60フラーレン、C70フラーレン、C74フラーレン、C78フラーレン、C80フラーレン、C82フラーレン、C84フラーレン、C86フラーレン、C88フラーレン、C90フラーレン、C92フラーレン、C94フラーレン、C98フラーレン、C100−250フラーレン、C250+フラーレン、それらの二量体及びそれらの三量体の内の少なくとも一つを含む、請求項9に記載の炭素系電極材料。

請求項13

フラーレンが、C60フラーレン及びC70フラーレンの混合物を含む、請求項9に記載の炭素系電極材料。

請求項14

前記材料が、リチウムイオンと隙間で反応することが可能な複数の細孔を含む、請求項9に記載の炭素系電極材料。

請求項15

複数の細孔が、約0.1から40nmの平均直径を有する、請求項14に記載の炭素系電極材料。

請求項16

複数の細孔が、約1から10nmの平均直径を有する、請求項15に記載の炭素系電極材料。

請求項17

黒鉛粒子及びフラーレン半球体の混合物を処理して、フラーレンの前記半球体によって架橋された黒鉛粒子によって画定される複数の細孔を含む複合材料を形成する段階を含む、炭素系材料を合成する方法。

請求項18

黒鉛粒子、及びフラーレンの半球体が、不活性ガス流れ下で混合される、請求項17に記載の方法。

請求項19

不活性ガスアルゴンである、請求項18に記載の方法。

請求項20

前記処理する段階が、約1500℃から約2000℃の温度へ前記混合物を加熱する段階を含む、請求項17に記載の方法。

請求項21

前記処理する段階が、メタン及びプロパンから成る群から選択される炭化水素ガスの存在下で前記混合物を加熱する段階をさらに含む、請求項20に記載の方法。

請求項22

少なくとも第1の黒鉛粒子及び第2の黒鉛粒子の混合物に少なくとも一つの五角形環前駆体を提供する段階と;前記混合物を処理して、少なくとも一つの五角形環によって前記第1の黒鉛粒子及び前記第2の黒鉛粒子を架橋する段階と、を含む、複合材料を作製する方法。

請求項23

前記五角形環前駆体が、炭素系五角形環前駆体である、請求項22に記載の方法。

請求項24

前記混合物を処理する段階が、少なくとも一つの炭化水素ガスの存在下で前記混合物を加熱する段階を含む、請求項23に記載の方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、2016年3月25日に出願された“Method For Controllable Synthesis Of Carbon Based Battery Electrode Material”という題名の米国仮特許出願第62/313,554号明細書の優先権を主張し、その全体が本明細書で参照によって明示的に組み込まれる。

背景技術

0002

リチウム二次電池又はバッテリーは、ポータブル電子デバイスにおける電源として一般的に使用される。このような充電式電池は一般的に、リチウム遷移金属酸化物(例えば、コバルト酸リチウム)正極、及び、高多孔性炭素質材料、典型的には黒鉛から成る負極を用いる。しかしながら、炭素質材料は、他の炭素、金属、及び/又は熱分解された有機材料も含み得る。リチウムイオン溶解性電解質が、2つの電極の間に提供され、電池充電される。充電の電気化学プロセスの間、正極におけるいくらかのリチウムイオンは、(アノードとして機能している)正極から移動し、(カソードとして機能している)負極内にインターカレートする。インターカレーションに関してイオン受け入れるための電極の能力は、例えば、電極によって含まれる材料の結晶化度微細構造多孔率及び/又は微細形態に大きく依存する。放電の間、(今はアノードとして機能している)負極によって保持される負の電荷は、その負端子を通って電池から導出され、リチウムイオンは、電解質を通って移動し、(今はカソードとして機能している)正極へ戻る。“アノード”及び“カソード”との用語が、電池が充電されている又は放電しているかどうかに応じて負極及び正極の各々へ適用されることが理解される一方で、本明細書では、“アノード”との用語は、負極を参照するために用いられ、“カソード”との用語は、正極を参照するために用いられる。

0003

炭素質アノード材料内へのリチウムイオンの第1の電気化学的インターカレーションの間、いくつかのリチウム不可逆的に消費され、かなりの量の容量が、次の放電において回復されないことがある。用いられる炭素質アノード材料及び電解液のタイプに主に依存するこの不可逆容量損失は、電解液の還元(reduction)及びLixC界面での不動態フィルムの形成に基づいて説明される。炭素の活性表面官能基へのリチウムの化学的結合もまた、この不可逆容量損失において重要な役割を果たし得る。不可逆容量の他の一つのソースは、アノード材料とのイオンの強い結合とそれに続くLiの樹枝状形態の成長に起因するLiイオン濃度の減少である。不可逆容量損失は、セルバランスに影響を与え、リチウムイオン電池エネルギー密度下げる。

0004

現在では、特別なタイプの“硬質炭素”又は黒鉛が、商用リチウムイオン電池におけるアノード材料として用いられる。炭素/黒鉛材料は、金属リチウムに関する3830mAh/gと比較して、LiC6の化学式に対応する、〜370mAh/gのみの可逆比容量を届ける。これらの特別な炭素材料の主な優位点は、それらの高い貯蔵容量(>400mAh/g)と組み合わされたそれらの比較的低い不可逆容量損失(≦10%)である。しかしながら、これらの特別な炭素材料を合成する方法は、さらに容量を改善し不可逆容量損失を低減し得る、材料の細孔径分布、結晶化度及び表面積の独立した微調整又は制御を可能にしない。

0005

上記に基づいて、リチウムイオン電池システムにおける使用のための、増加した可逆容量及び減少した不可逆容量損失を有する安価な炭素系電極材料を合成するための必要性が当該技術分野において存在する。電極材料の細孔径分布、表面積及び結晶化度を制御し得る方法を用いて材料が合成され得る場合、さらに有利であろう。

発明が解決しようとする課題

0006

本開示の態様は、例えば、リチウムイオン電池における使用のための複合材料を一般的に対象にする。複合材料は、少なくとも一つの五角形環によって架橋された黒鉛粒子を含む。これらの複合材料は、高価な“硬質炭素”材料と同様にサイクルの間に、減少した不可逆容量損失を可能にするために電極において用いられ得、炭素複合材料の細孔径分布、表面積及び結晶化度を制御するために合成され得る。

課題を解決するための手段

0007

一態様では、本開示は、少なくとも第2の黒鉛粒子へ結合された少なくとも第1の黒鉛粒子を含む複合炭素材料を対象にし、第1の黒鉛粒子及び第2の黒鉛粒子は、五角形炭素環前駆体によって結合される。

0008

他の一態様では、本開示は、少なくとも第2の黒鉛粒子へ結合される少なくとも第1の黒鉛粒子を含む炭素系電極材料を対象にし、第1の黒鉛粒子及び第2の黒鉛粒子はフラーレン半球体によって結合される。

0009

他の一態様では、本開示は、炭素系電極材料を合成する方法を対象にする。本方法は、少なくとも第1の黒鉛粒子及び第2の黒鉛粒子をフラーレンの少なくとも一つの半球体と混合する段階と;炭化水素ガスの存在下で2000℃までの温度へ混合物を加熱する段階と、を含む。

0010

他の一態様では、本開示は、複合材料を作製する方法を対象にする。本方法は、少なくとも第1の黒鉛粒子及び第2の黒鉛粒子の混合物に少なくとも一つの五角形環前駆体を提供する段階と;第1の黒鉛粒子及び第2の黒鉛粒子を少なくとも一つの五角形環と架橋するために混合物を処理する段階と、を含む。

図面の簡単な説明

0011

本開示の一態様の炭素系電極材料を制御可能に合成するための方法を示す概略図である。
本開示による例の硬質炭素材料に対応するブルナウアー−エメットテラー(BET)表面積測定の例の結果を示す。
本開示による例の硬質炭素材料に対応するブルナウアー−エメット−テラー(BET)表面積測定の例の結果を示す。
本開示による例の硬質炭素材料に対応するブルナウアー−エメット−テラー(BET)表面積測定の例の結果を示す。
本開示による例の硬質炭素材料に対応する水銀多孔率測定を示す。
本開示による例の硬質炭素材料に対応する水銀多孔率測定を示す。

実施例

0012

[表1]本開示により、図2A〜2Cに示されるような例の硬質炭素材料に対応するBET表面積測定の例の結果を示す。

0013

一般的に、本開示は、例えば、リチウムイオン電池における使用のための複合材料、及び、複合材料を合成するための方法を対象にする。材料は、一以上の五角形炭素環によって(例えばフラーレンの半球体によって)架橋された黒鉛粒子を含むように合成される。これらの材料から作製される電極は、サイクルの間での減少した不可逆容量損失を可能にし得る。本明細書で用いられるように、“電極”との用語は一般的に、導電体を指す。例えば、一例示的例では、“電極”は、アノードを指し得る。さらに、これらの材料を合成する方法は、材料の制御された細孔径分布、表面積及び結晶化度を可能にし得る。

0014

本開示の複合材料は、五角形炭素環(例えば、フラーレンの半球体)によって架橋された黒鉛粒子を含む。本明細書で用いられるように、“架橋する”、“架橋された”又は“架橋している”とは、五角形環(又は五角形環を含む材料)によって少なくとも一つの黒鉛粒子を少なくとも第2の黒鉛粒子に結合することを指す。非限定的例では、五角形環は、フラーレンの半球体の一部等の、炭素系であり得る。典型的には、2つより多い黒鉛粒子が、一以上の五角形環を用いて結合され、それによって、図1に示されるようなメッシュネットワークタイプの炭素系電極材料を生成する。

0015

一般的に、黒鉛は、電池に関する初期の高い可逆容量を提供するためのその能力のために、リチウムイオン電池において電極(例えば、アノード)を形成することにおける使用のための適切な炭素質材料である。本明細書で用いられるように、“黒鉛”は、典型的にはグラフェンの層を含む、層状構造を備える炭素質材料を指す。本開示の炭素系電極材料における使用のための黒鉛材料の例は、黒鉛粉末、例えば人口黒鉛及び天然黒鉛並びにその精製産物導電性カーボンブラック黒鉛化製品、例えばアセチレンブラック及びケチェンブラック、並びに、炭素繊維、例えば気相成長炭素繊維を含むがそれらに限定されない。

0016

典型的には、黒鉛は、約1μm以上、必要に応じて、約5μm以上、必要に応じて、約1μmから約45μm、必要に応じて、約2.5μmから約35μm、必要に応じて、約5μmから約25μmの平均粒径を有する、粒子又は粉末形態である。如何なる特定の理論に縛られるわけではないが、平均粒径が小さすぎる場合、黒鉛の比表面積は増加して、それによって不可逆容量が増加して電池容量を下げるように見える。平均粒径が大きすぎる場合では、逆に、電極材料の厚さが制限され、それによって、均一の電極材料を形成することが困難であるように見える。

0017

黒鉛の比表面積は一般的に、約0.1m2/g以上、適切には、必要に応じて約0.3m2/g以上、必要に応じて、約0.5m2/g以上である。特定の態様では、黒鉛の表面積は、約0.1m2/gから約30m2/gまでの範囲をとり、約0.3m2/gから約20m2/gまでを含み、約0.5m2/gから約10m2/gまでを含む。比表面積が小さすぎる場合では、電池のレート特性劣化するように見える。比表面積が大きすぎる場合では、電池の初期効率が低すぎるように見える。比表面積の測定は、BET法によって達成され得る。

0018

炭素系電極材料は典型的には黒鉛を含む。黒鉛に加えて、本開示の炭素系電極材料は、一以上の五角形炭素環前駆体から作製された一以上の五角形炭素環を含み得る。本明細書で用いられるように、“五角形炭素環前駆体”は互換的に、一以上のC5五角形環を含む又は形成することが可能である分子を指す。これらの前駆体の五角形構造は、黒鉛粒子の結合及び剛性を改善し得る。

0019

一態様では、五角形炭素環前駆体は、フラーレン又はその破砕物である。本明細書で用いられるように、“フラーレン”は、フラーレン生成プロセスを利用して形成される任意の生成物を指し、一般的には球形シェル形の炭素材料である。例のフラーレン生成プロセスは、高強度レーザー脱着、アーク放電(例えば、クレッチマー−ハフマンプロセス)、及び燃焼火炎生成を含むが、それらに限定されるものではない。

0020

本明細書で説明される炭素系電極材料における使用のための例のフラーレンは、例えば、C60、C70、C74、C78、C80、C82、C84、C86、C88、C90、C92、C94、C98、C100−250及びC250+(例えば、C270)、並びに、これらの化合物二量体及び三量体、並びに、それらの一部(例えば、C60、C70の一部)を含む。これらのフラーレン化合物の組み合わせはまた、本開示から一脱することなく用いられ得る。例えば、C60、C70並びにこれらの化合物の二量体及び三量体が適切である。なぜならそれらは、工業的に容易に得られることができ、黒鉛の表面に対して高い親和性を有するからである。

0021

図1に示されるように、フラーレン化合物(1)にとって、半分に分割されてフラーレンの半球体(2)を形成することは適切である。

0022

リチウムイオン電池に用いられるとき、炭素系電極材料は、バインダー(例えば、ポリフッ化ビニリデンヘキサフルオロプロピレンポリエチレンポリエチレンオキシドポリプロピレンポリテトラフルオロエチレンポリアクリレート等のポリマーバインダー)、並びに、他の添加物、例えば導電剤、並びに、リチウムイオン電池分野において知られるような他の物をさらに含み得る。材料の種類及び含量は、要求される電池性能に応じて適切に調節され得る。

0023

本開示は、炭素系電極材料を合成する方法をさらに対象にする。一般的に、本方法は、不活性ガス流れ下で反応器において黒鉛粒子(3)と五角形環前駆体との混合物を提供する段階と;炭化水素ガスの存在下で、例えば2000℃までの温度まで混合物を加熱する段階と、を含む。いくつかの態様によると、五角形環前駆体は、フラーレンの一以上の半球体(2)を含み得る。

0024

いくつかの態様によると、フラーレンの半球体は、熱酸化を用いて前駆体(例えば、フラーレン球)を開くことによって準備され得る。いくつかの態様によると、(元々のC60に由来する)フラーレンジエンが、前駆体として用いられ得る。例えば、媒体(例えば、トルエンアセトンエタノールメタノール及び/又はそれらの混合物)における前駆体は、基板上へ堆積され(例えば、ポリジメチルシロキサン)(PDMS)スタンプによってSTカット石英基板上へプリントされ、又は、ピペットを介して基板上へ配され)得て、その後、媒体は、空気中での蒸発とその後の(例えば、150℃で)焼成によって除去され得る。いくつかの態様によると、前駆体はその後、(例えば、空気中で)熱酸化を受け得る。例えば、いくつかの態様によると、前駆体は、1.8cmチューブ炉において30分間約300〜500℃の温度で加熱され得、その後、約900℃の温度へ加熱され得る。サンプルはその後、アモルファス炭素を除去するために水によって処理され得て、その後、半球体の開口端カルボキシル基を除去するために(例えば、3分間約900℃で)アニールされ得、それによって半球体を活性化する。

0025

いくつかの態様によると、フラーレンの半球体は、前駆体を開くことによって準備され得、前駆体はC60フラーレンを含む。例えば、フラーレンの半球体は、媒体(例えば、トルエン、アセトン、エタノール、メタノール及び/又はそれらの混合物)においてC60フラーレンを分散させること、基板(例えば、ST−カット石英基板)上にC60フラーレンを堆積させること、その後、フラーレンを開く及び/又は機能化する(つまり、活性化する)ために前処理段階を用いること、によって準備され得る。いくつかの態様によると、前処理段階は、酸化処理(例えば、約75分間約500℃の温度で空気中において、堆積したフラーレン加熱すること)、その後、結果として得られる半球体の開口端でダングリングボンドを機能化するために、H2Oへの短い(例えば、2分)曝露及びH2への短い(例えば、3分)曝露、を適用することを含み得る。各方法の段階は、例えば、環境及び/又は時間を最適化することによって最適化され得ることが理解されるであろう。

0026

いくつかの態様によると、フラーレンの半球体は、前駆体(例えば、C60フラーレン)を部分的に分解することによって準備され得る。例えば、フラーレンは、フラーレンが半球体へと部分的に分解し得るように、フラーレンが昇華するより低い温度(例えば、大気圧で約500℃と700℃との間)へ、炭素含有ガスの存在下において加熱され得る。いくつかの態様によると、フラーレンは、媒体(例えば、トルエン、アセトン、エタノール、メタノール及び/又はそれらの混合物)において分解し得、加熱の前又は後で基板又は触媒(例えば、金属触媒)上に堆積され得る。

0027

黒鉛粒子(3)及びフラーレン半球体(2)を完全に混合するために、黒鉛及びフラーレンは、一以上の不活性ガスを備える反応器内へ配され、黒鉛粒子及びフラーレン半球体を混合するのに十分な期間の間混合される。

0028

処理チャンバにおける使用のための例の不活性ガスは、アルゴンヘリウム窒素、それらの混合物、及び、当該技術分野において知られる任意の他の不活性ガス又はガス混合物を含む。

0029

一つの特に適切な態様では、混合物は、1500℃超から約2000℃までの温度へ加熱される。

0030

例の炭化水素ガスは、メタンエチレンアセチレン、エタノール、ベンゼン、メタノール、カーボン系ポリマーナノ炭素材料、それらの混合物、及び/又は、当該技術分野において知られる任意の他のガス又はガス混合物を含む。

0031

上記で説明される方法を用いて、黒鉛粒子及びフラーレン半球体は、黒鉛粒子がフラーレン半球体によって架橋されて複数の細孔(4)を含む複合材料を形成するように一緒に結合される。黒鉛及びフラーレン半球体の比率を変更すること、黒鉛粒子間の炭素環の数を変更すること、黒鉛のアスペクト比(つまり、黒鉛の厚さに対する黒鉛の横方向の寸法の比率)を変更すること、及び/又は本明細書で説明される方法において用いられる加熱温度を変更することによって、多孔率、表面積及び/又は結晶化度は、結果として得られる炭素系電極材料で変更され得る。本開示のいくつかの態様によると、結果として得られる複合材料は、イオン、例えば、リチウムイオンと隙間で反応することが可能である複数の細孔(4)を含み得、それによって電気化学電池において電極(例えば、アノード)としての役割を果たすことが可能な材料を提供する。例えば、リチウムイオン電池の場合では、材料は、インターカレーション又は同様のプロセスを介してリチウムイオンを取り上げ解放すること(つまり、リチウムイオンの挿入及び抽出)が可能な細孔を含み得る。本明細書で用いられるように、“細孔”との用語は、表面における開口部若しくは凹部、又は、例えば、黒鉛粒子及び/又は炭素環間の材料におけるトンネルを指す。いくつかの態様によると、複数の細孔の細孔径は、本明細書で説明される任意の方法によって変更され得る。例えば、黒鉛に対する炭素環の比率を増加させることによって、細孔径は増加され得る。

0032

いくつかの態様によると、細孔は、約数ナノメートルから数百マイクロメートルまでの細孔径を有し得る。例えば、細孔は、約0.001から300nmの範囲における、好ましくは約0.01から200nmの範囲における、より好ましくは約0.1から150nmの範囲における細孔径を有し得る。いくつかの態様によると、細孔は、約0.1から20nm、好ましくは約0.1から15nm、さらにより好ましくは約0.1から10nmの平均細孔径を有し得る。いくつかの態様によると、細孔は、約0.1から50nm、好ましくは約10から40nm、さらにより好ましくは約20から30nmの平均細孔径を有し得る。

0033

いくつかの態様によると、細孔は、約0.0001から50μmの範囲における、好ましくは約0.0001から10μmの範囲における、より好ましくは約0.0001μmから5μmの範囲における細孔径を有し得る。いくつかの態様によると、細孔は、約0.1から20μm、好ましくは約0.1から10μm、より好ましくは約0.1μmから7μm、さらにより好ましくは約0.5μmから4μmの平均細孔径を有し得る。いくつかの態様によると、細孔は、約0.1から50nm、好ましくは約0.1から40nm、より好ましくは約0.1から30nm、さらにより好ましくは約0.1から20nm、最も好ましくは約1から10nmの平均細孔径を有し得る。非限定的な例では、平均細孔径は、ブルナウアー−エメット−テラー(BET)測定に基づく。

0034

いくつかの態様では、細孔は、約10−24から10−6リットル細孔容積を有し得る。

0035

いくつかの態様では、材料における細孔の容積は、約0.00001から0.00040cm3/gの範囲、好ましくは約0.00001から0.00030cm3/gの範囲、より好ましくは約0.00002から0.00020cm3/gの範囲であり得る。いくつかの態様によると、材料における細孔の平均容積は、約0.0001から約1.0cm3/g、好ましくは約0.0001から0.1cm3/g、より好ましくは約0.0001から約0.01cm3/g、さらにより好ましくは約0.001から約0.01cm3/gであり得る。

0036

いくつかの態様によると、材料は、約1m2/g未満から100m2/g超の比表面積を有し得る。例えば、いくつかの態様によると、材料は、約0.01から20m2/g、好ましくは約0.1から15m2/g、より好ましくは約1.0から10m2/g、さらにより好ましくは約1.0から6.0m2/gの比表面積を有し得る。

0037

いくつかの態様では、材料は、約1から103kg/m3の密度を有し得る。いくつかの態様によると、細孔径分布は、ミクロからメソまでマクロまでの範囲であり得、モノモーダルバイモーダル又はマルチモーダルのいずれかであり得る(つまり、一以上の異なる細孔径の分布を含み得る)。いくつかの態様によると、材料は、ナノメートルからミリメートルまでの細孔分布を有し得る。いくつかの態様によると、細孔は、数ナノメートルから数センチメートルまでの細孔長さを有し得る。

0038

いくつかの態様によると、材料は、硬質炭素材料と同様の、細孔径、細孔容積、表面積、密度、細孔径分布及び/又は細孔長さを含み得る。

0039

表1及び図2〜2Cは、本開示の態様に対応する例の多孔性硬質炭素材料に対応するブルナウアー−エメット−テラー(BET)表面積測定の例示的な結果を示す。具体的には、表1及び図2A〜2Dは、米国特許出願公開第2007/0287068号明細書に開示される硬質炭素材料、つまり、好ましくは5と15μmとの間の平均粒子サイズ、0.5と15m2/gとの間の表面積、0.355と0.400nmとの間の層間間隔d002、及び1.50と1.60g/cm3との間の密度を有するピッチ系硬質炭素から形成される(アノード等の)電極、と同様の硬質炭素材料に相当する。硬質炭素材料の電極は、硬質炭素をポリビニリデンと混合してN−メチル−2ピロリドン(pyrrolidore)と共にペーストを形成することによって形成され得、その後、銅箔へ塗布され、乾燥され、その後、圧力をかけられて電極を提供し得る。

0040

本開示の材料は、表1及び図2A〜2Cの硬質炭素材料のものと同様の細孔径、細孔容積、表面積、密度、細孔径分布及び/又は細孔長さを含み得るので、表1及び図2A〜2Cは、本開示の材料に対応する測定と同様の又は同じである測定を示すことが理解されるべきである。

0041

分かるように、例えば、表1では、吸着平均細孔径が約6.76nmであることが見出され、バレットジョイナー−ハレンダ(BJH)吸着平均細孔径が約27.95nm又は約25.56nmであることが見出された。図3A及び3Bは、本開示による例の硬質炭素材料に対応する水銀多孔率測定を示す。これらの図から分かるように、硬質炭素材料は、約0.5から4μmの細孔径の範囲であるピークを備え、約0.1から20nmの範囲である複数のピークを備える細孔径分布を示した。

0042

記載された説明は、ベストモードを含む発明を開示するための、並びに、任意のシステムを作成し使用すること及び任意の組み込まれた方法を実施することを含む発明を当業者が実行することを可能にするための、例を用いる。本開示の特許可能な範疇は、特許請求の範囲によって定義され、当業者にとって明らかである他の例を含み得る。それらが特許請求の範囲の文言と異ならない構造的要素を有する場合、又は、それらが特許請求の範囲の文面との些細な差異を有する同等の構造的要素を含む場合、このような他の例は、特許請求の範囲の範疇内であることが意図される。

0043

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ