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技術 プラズマ処理方法

出願人 東京エレクトロン株式会社
発明者 永海幸一
出願日 2016年3月22日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2016-056942
公開日 2017年9月28日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2017-174537
状態 特許登録済
技術分野 プラズマの発生及び取扱い 半導体のドライエッチング
主要キーワード パワーセンサ 整合ポイント 内壁部材 パワー測定値 調整範囲内 バルブ群 位相差Φ ガスバッファ室
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

処理容器内で互いに異なる処理ガスプラズマを生成する複数の段階であり順に実行される当該複数の段階を各々が含む複数のサイクルを順に実行するプラズマ処理方法において、先行する段階から後続の段階に遷移した後の適切な時点に高周波の設定及び/又は直流電圧のレベルの設定を変更する。

解決手段

一実施形態に係るプラズマ処理方法では、プラズマ処理装置の第1の電極及び第2の電極のうち一方の電極に高周波が供給される。先行する段階から後続の段階に遷移するときにガス供給系が出力する処理ガスが切り替えられる。処理ガスが切り替えられた後に、プラズマのインピーダンスを反映するパラメータ閾値を超えた時点に、高周波の設定及び/又は負極性の直流電圧のレベルの設定が変更される。

概要

背景

半導体デバイスといった電子デバイスの製造においては、プラズマ処理装置を用いて被加工物に対するプラズマ処理が行われる。プラズマ処理装置は、一般的に、処理容器ガス供給系、第1電極、第2電極、及び、高周波電源を備えている。ガス供給系は、処理容器内処理ガスを供給するように構成されている。第1電極と第2電極は、それらの間に処理容器内の空間が介在するように設けられている。高周波電源は、第1電極及び第2電極のうち一方の電極に高周波を供給するようになっている。このようなプラズマ処理装置において実行されるプラズマ処理では、一般的に、ガス供給系から処理容器内に処理ガスが供給され、高周波電源からの高周波が一方の電極に供給される。

プラズマ処理には、互いに異なる処理ガスのプラズマを生成する二つの段階を交互に実行するものがある。この種のプラズマ処理では、先行する段階から後続の段階に遷移するときに、ガス供給系が出力する処理ガスが切り替えられ、また、高周波の設定が変更される。

ガスは質量を有しているので、ガス供給系が、ガス供給系が出力する処理ガスが切り替えられた時点から、処理容器内の処理ガスが切り替わる時点までの間には、時間を要する。一方、設定が変更された高周波は、略遅延なく一方の電極に供給される。よって、処理容器内の処理ガスが切り替わる前に、設定が変更された高周波が一方の電極に供給される事態が生じる。

そこで、処理容器内における発光スペクトルの検出結果から、後続の段階用の処理ガスが処理容器内に到達していることが確認された後に、電極への高周波の供給を開始する技術が提案されている。かかる技術については、下記の特許文献1に記載されている。

概要

処理容器内で互いに異なる処理ガスのプラズマを生成する複数の段階であり順に実行される当該複数の段階を各々が含む複数のサイクルを順に実行するプラズマ処理方法において、先行する段階から後続の段階に遷移した後の適切な時点に高周波の設定及び/又は直流電圧のレベルの設定を変更する。一実施形態に係るプラズマ処理方法では、プラズマ処理装置の第1の電極及び第2の電極のうち一方の電極に高周波が供給される。先行する段階から後続の段階に遷移するときにガス供給系が出力する処理ガスが切り替えられる。処理ガスが切り替えられた後に、プラズマのインピーダンスを反映するパラメータ閾値を超えた時点に、高周波の設定及び/又は負極性の直流電圧のレベルの設定が変更される。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

プラズマ処理装置において実行されるプラズマ処理方法であって、前記プラズマ処理装置は、処理容器と、前記処理容器内ガスを供給するガス供給系と、前記処理容器内の空間がそれらの間に介在するように設けられた第1電極及び第2電極と、高周波を出力する高周波電源と、前記第1電極及び前記第2電極のうち一方の電極に前記高周波電源を接続する給電ラインと、前記高周波電源の負荷インピーダンスを調整するための整合器と、前記高周波電源の負荷インピーダンス、負荷抵抗、及び、負荷リアクタンス、並びに、前記高周波の反射波係数のうち何れかを含むパラメータを求める演算部と、を備え、該プラズマ処理方法において、前記処理容器内で互いに異なる処理ガスプラズマを生成する複数の段階であり順に実行される該複数の段階を各々が含む複数のサイクルが順に実行され、前記複数の段階にわたって前記高周波電源から前記高周波が前記一方の電極に供給され、該プラズマ処理方法は、前記複数の段階中の先行する段階から該先行する段階に連続する後続の段階に遷移するときに、前記ガス供給系が出力する処理ガスを切り替える工程と、前記ガス供給系が出力する処理ガスが切り替えられた後に前記パラメータが閾値を超えた時点で、前記高周波電源から前記一方の電極に供給される前記高周波の設定を変更する工程であり、該高周波の設定を変更することは、前記高周波のパワーを変更すること、及び/又は、前記高周波電源から前記一方の電極に供給される前記高周波を、連続波パルス変調された高周波のうち一方から他方に変更することを含む、該工程と、を含むプラズマ処理方法。

請求項2

プラズマ処理装置において実行されるプラズマ処理方法であって、前記プラズマ処理装置は、処理容器と、前記処理容器内にガスを供給するガス供給系と、前記処理容器内の空間がそれらの間に介在するように設けられた第1電極及び第2電極と、高周波を出力する高周波電源と、前記第1電極及び前記第2電極のうち一方の電極に前記高周波電源を接続する給電ラインと、前記高周波電源の負荷インピーダンスを調整するための整合器と、前記第1電極に接続されており、負極性直流電圧を発生する直流電源と、前記高周波電源の負荷インピーダンス、負荷抵抗、及び、負荷リアクタンス、並びに、前記高周波の反射波係数のうち何れかを含むパラメータを求める演算部と、を備え、該プラズマ処理方法において、前記処理容器内において互いに異なる処理ガスのプラズマを生成する複数の段階であり順に実行される該複数の段階を各々が含む複数のサイクルが順に実行され、該複数の段階は、前記複数の段階にわたって前記高周波電源から前記高周波が前記一方の電極に供給され、該プラズマ処理方法は、前記複数の段階中の先行する段階から該先行する段階に連続する後続の段階に遷移するときに、前記ガス供給系が出力する処理ガスを切り替える工程と、前記ガス供給系が出力する処理ガスが切り替えられた後に前記パラメータが閾値を超えた時点で、前記高周波電源から前記一方の電極に供給される前記高周波の設定、及び、前記直流電源によって出力される前記直流電圧のレベルのうち少なくとも一方を変更する工程であり、該高周波の設定を変更することは、前記高周波のパワーを変更すること、及び/又は、前記高周波電源から前記一方の電極に供給される前記高周波を、連続波とパルス変調された高周波のうち一方から他方に変更することを含む、該工程と、を含むプラズマ処理方法。

請求項3

前記プラズマ処理装置の時間調整部において、前記後続の段階に遷移したときから前記パラメータが前記閾値を超えた前記時点までの時間差を求める工程と、前記複数のサイクルのうち先行するサイクルにおいて求められた前記時間差の分だけ増加するよう、前記複数のサイクルのうち前記先行するサイクルの後に実行されるサイクルにおける前記後続の段階と同じ段階の所定の実行時間長を調整する工程と、を更に含む、請求項1又は2に記載のプラズマ処理方法。

請求項4

前記演算部において、パラメータの系列から求められる移動平均値を用いて、前記閾値を調整する工程を更に含み、前記パラメータの系列は、前記複数のサイクルのうち既に実行済みのサイクルに含まれる前記後続の段階と同一の段階、又は、前記後続の段階と前記実行済みのサイクルに含まれる該後続の段階と同一の段階のそれぞれで前記整合器によるインピーダンス整合が完了した状態における、前記高周波電源の負荷インピーダンス、負荷抵抗、及び、負荷リアクタンス、並びに、前記高周波の反射波係数のうち何れかを含むパラメータから構成される、請求項1〜3の何れか一項に記載のプラズマ処理方法。

請求項5

前記複数の段階は、希ガス及びフルオロカーボンガスを含む第1の処理ガスのプラズマを生成する第1段階と、前記第1段階に続き、希ガスを含む第2の処理ガスのプラズマを生成する第2段階と、を含む、請求項1〜4の何れか一項に記載のプラズマ処理方法。

請求項6

前記複数の段階は、前記第2段階に続き、希ガス及び酸素ガスを含む第3の処理ガスのプラズマを生成する第3段階を更に含む、請求項5に記載のプラズマ処理方法。

技術分野

0001

本発明の実施形態は、被加工物の加工に用いられるプラズマ処理装置において実行されるプラズマ処理方法に関するものである。

背景技術

0002

半導体デバイスといった電子デバイスの製造においては、プラズマ処理装置を用いて被加工物に対するプラズマ処理が行われる。プラズマ処理装置は、一般的に、処理容器ガス供給系、第1電極、第2電極、及び、高周波電源を備えている。ガス供給系は、処理容器内処理ガスを供給するように構成されている。第1電極と第2電極は、それらの間に処理容器内の空間が介在するように設けられている。高周波電源は、第1電極及び第2電極のうち一方の電極に高周波を供給するようになっている。このようなプラズマ処理装置において実行されるプラズマ処理では、一般的に、ガス供給系から処理容器内に処理ガスが供給され、高周波電源からの高周波が一方の電極に供給される。

0003

プラズマ処理には、互いに異なる処理ガスのプラズマを生成する二つの段階を交互に実行するものがある。この種のプラズマ処理では、先行する段階から後続の段階に遷移するときに、ガス供給系が出力する処理ガスが切り替えられ、また、高周波の設定が変更される。

0004

ガスは質量を有しているので、ガス供給系が、ガス供給系が出力する処理ガスが切り替えられた時点から、処理容器内の処理ガスが切り替わる時点までの間には、時間を要する。一方、設定が変更された高周波は、略遅延なく一方の電極に供給される。よって、処理容器内の処理ガスが切り替わる前に、設定が変更された高周波が一方の電極に供給される事態が生じる。

0005

そこで、処理容器内における発光スペクトルの検出結果から、後続の段階用の処理ガスが処理容器内に到達していることが確認された後に、電極への高周波の供給を開始する技術が提案されている。かかる技術については、下記の特許文献1に記載されている。

先行技術

0006

特開2013−58749号公報

発明が解決しようとする課題

0007

先行する段階において用いられる処理ガスのプラズマの発光スペクトルと後続の段階において用いられる処理ガスのプラズマの発光スペクトルとの間には、検出可能な程度の差がないことがある。したがって、処理容器内において処理ガスが切り替わった時点を高精度に検出することができなく、結果的に、高周波の設定を適切なタイミングで変更することができない。

0008

また、プラズマ処理装置には、第1電極に接続された直流電源を更に備えるものがある。直流電源は、負極性直流電圧を第1電極に印加することが可能である。このプラズマ処理装置を用いたプラズマ処理では、先行する段階から後続の段階に遷移するときに、直流電源が出力する直流電圧のレベルが変更されることがある。このプラズマ処理においても、直流電圧のレベルの変更を適切なタイミングで変更することができないという問題がある。

0009

したがって、処理容器内で互いに異なる処理ガスのプラズマを生成する複数の段階であり順に実行される当該複数の段階を各々が含む複数のサイクルを順に実行するプラズマ処理方法において、先行する段階から後続の段階に遷移した後の適切な時点に高周波の設定及び/又は直流電圧のレベルの設定を変更することが必要である。

課題を解決するための手段

0010

一態様においては、プラズマ処理装置において実行されるプラズマ処理方法が提供される。プラズマ処理装置は、処理容器、ガス供給系、第1電極及び第2電極、高周波電源、給電ライン整合器、並びに、演算部を備える。ガス供給系は、処理容器内にガスを供給するよう構成されている。第1電極及び第2電極は、処理容器内の空間がそれらの間に介在するように設けられている。高周波電源は、高周波を出力するよう構成されている。給電ラインは、第1電極及び第2電極のうち一方の電極に高周波電源を接続する。整合器は、高周波電源の負荷インピーダンスを調整するよう構成されている。演算部は、高周波電源の負荷インピーダンス、負荷抵抗、及び、負荷リアクタンス、並びに、高周波の反射波係数のうち何れかを含むパラメータを求めるよう構成されている。一態様に係るプラズマ処理方法では、処理容器内で互いに異なる処理ガスのプラズマを生成する複数の段階であり順に実行される該複数の段階を各々が含む複数のサイクルが順に実行される。高周波電源からの高周波は、複数の段階にわたって一方の電極に供給される。このプラズマ処理方法は、(i)複数の段階中の先行する段階から該先行する段階に連続する後続の段階に遷移するときに、ガス供給系が出力する処理ガスを切り替える工程と、(ii)ガス供給系が出力する処理ガスが切り替えられた後にパラメータが閾値を超えた時点で、高周波電源から一方の電極に供給される高周波の設定を変更する工程と、を含む。高周波の設定を変更することは、高周波のパワーを変更すること、及び/又は、高周波電源から一方の電極に供給される高周波を、連続波パルス変調された高周波のうち一方から他方に変更することを含む。

0011

高周波の供給が継続された状態で、処理容器内の処理ガスが切り替わると、処理容器内において生成されるプラズマのインピーダンスが変化する。上述したパラメータは、プラズマのインピーダンスに応じて変化するパラメータであるので、処理容器内に存在している処理ガスの変化を良好に反映する。一態様に係るプラズマ処理方法では、かかるパラメータが閾値を超えた時点を検出することにより、処理容器内の処理ガスが切り替わった時点を高精度に検出することができる。また、この時点において高周波の設定が変更されるので、処理容器内の処理ガスが切り替わった適切な時点で、高周波の設定を変更することができる。

0012

また、別の態様においては、プラズマ処理装置において実行されるプラズマ処理方法が提供される。プラズマ処理装置は、であって、プラズマ処理装置は、処理容器、ガス供給系、第1電極及び第2電極、高周波電源、給電ライン、整合器、直流電源、並びに、演算部を備える。ガス供給系は、処理容器内にガスを供給するよう構成されている。第1電極及び第2電極は、処理容器内の空間がそれらの間に介在するように設けられている。高周波電源は、高周波を出力するよう構成されている。給電ラインは、第1電極及び第2電極のうち一方の電極に高周波電源を接続する。整合器は、高周波電源の負荷インピーダンスを調整するよう構成されている。直流電源は、第1電極に接続されており、負極性の直流電圧を発生するよう構成されている。演算部は、高周波電源の負荷インピーダンス、負荷抵抗、及び、負荷リアクタンス、並びに、高周波の反射波係数のうち何れかを含むパラメータを求めるよう構成されている。一態様に係るプラズマ処理方法では、処理容器内で互いに異なる処理ガスのプラズマを生成する複数の段階であり順に実行される該複数の段階を各々が含む複数のサイクルが順に実行される。高周波電源からの高周波は、複数の段階にわたって一方の電極に供給される。この態様のプラズマ処理方法は、(i)複数の段階中の先行する段階から該先行する段階に連続する後続の段階に遷移するときに、ガス供給系が出力する処理ガスを切り替える工程と、(ii)ガス供給系が出力する処理ガスが切り替えられた後にパラメータが閾値を超えた時点で、高周波電源から一方の電極に供給される前記高周波の設定、及び、直流電源によって出力される直流電圧のレベルのうち少なくとも一方を変更する工程と、を含む。高周波の設定を変更することは、高周波のパワーを変更すること、及び/又は、高周波電源から一方の電極に供給される高周波を、連続波とパルス変調された高周波のうち一方から他方に変更することを含む。

0013

この態様に係るプラズマ処理方法では、パラメータが閾値を超えた時点を検出することにより、処理容器内の処理ガスが切り替わった時点を高精度に検出することができる。また、この時点において高周波の設定及び/又は直流電圧のレベルが変更されるので、処理容器内の処理ガスが切り替わった適切な時点で、高周波の設定及び/又は直流電圧のレベルを変更することができる。

0014

一実施形態において、プラズマ処理装置は、時間調整部を更に備える。この実施形態のプラズマ処理方法は、(iii)時間調整部において、後続の段階に遷移したときからパラメータが閾値を超えた前記時点までの時間差を求める工程と、(iv)複数のサイクルのうち先行するサイクルにおいて求められた時間差の分だけ増加するよう、複数のサイクルのうち先行するサイクルの後に実行されるサイクルにおける前記後続の段階と同じ段階の所定の実行時間長を調整する工程と、を更に含む。複数の段階の各々には、その実行時間長が初期的に設定されている。したがって、複数の段階のうち一つの段階において、パラメータが閾値を超えた時点が遅れると、当該一つの段階における当該時点からのプラズマ処理の時間長が短くなる。この実施形態によれば、上記の時間差の分、後に実行されるサイクルにおける上記後続の段階と同一の段階の時間長が増加されるので、複数のサイクル中の同一の段階のプラズマ処理の総実行時間長が、実質的に維持される。

0015

一実施形態において、プラズマ処理方法は、演算部において、パラメータの系列から求められる移動平均値を用いて、閾値を調整する工程を更に含む。パラメータの系列は、複数のサイクルのうち既に実行済みのサイクルに含まれる前記後続の段階と同一の段階、又は、前記後続の段階と実行済みのサイクルに含まれる該後続の段階と同一の段階のそれぞれで整合器によるインピーダンス整合が完了した状態における、高周波電源の負荷インピーダンス、負荷抵抗、及び、負荷リアクタンス、並びに、高周波の反射波係数のうち何れかを含むパラメータから構成される。各段階において整合器によるインピーダンス整合が完了した状態では、処理容器内にはその段階において用いられる処理ガスが十分に到達している。したがって、この状態でのパラメータの系列の移動平均値を用いて閾値を調整することにより、処理容器内の処理ガスが切り替わったタイミングをより高精度に検出することが可能となる。

0016

一実施形態では、複数の段階は、希ガス及びフルオロカーボンガスを含む第1の処理ガスのプラズマを生成する第1段階と、第1段階に続き、希ガスを含む第2の処理ガスのプラズマを生成する第2段階と、を含んでいてもよい。一実施形態では、複数の段階は、第2段階に続き、希ガス及び酸素ガスを含む第3の処理ガスのプラズマを生成する第3段階を更に含んでいてもよい。

発明の効果

0017

以上説明したように、処理容器内で互いに異なる処理ガスのプラズマを生成する複数の段階であり順に実行される当該複数の段階を各々が含む複数のサイクルを順に実行するプラズマ処理方法において、先行する段階から後続の段階に遷移した後の適切な時点に高周波の設定及び/又は直流電圧のレベルの設定を変更することが可能となる。

図面の簡単な説明

0018

一実施形態に係るプラズマ処理装置の構成を概略的に示す図である。
一実施形態に係るプラズマ処理方法に関する一例のタイミングチャートである。
一実施形態に係るプラズマ処理方法に関する別の例のタイミングチャートである。
高周波電源及び整合器の構成を例示する図である。
整合器のセンサ及びコントローラの構成を例示する図である。
一実施形態に係るプラズマ処理方法を示す流れ図である。
高周波電源及び整合器の構成の別の例を示す図である。
高周波電源のインピーダンスセンサの構成を示す図である。
別の実施形態にかかるプラズマ処理方法において実行されるインピーダンス整合の方法を示す流れ図である。

実施例

0019

以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。

0020

まず、プラズマ処理方法の実施形態が適用され得るプラズマ処理装置について説明する。図1は、一実施形態に係るプラズマ処理装置の構成を概略的に示す図である。図1に示すプラズマ処理装置1は、容量結合型のプラズマ処理装置である。プラズマ処理装置1は、処理容器10を備えている。処理容器10は、略円筒形状を有しており、アルミニウムといった材料から形成されている。この処理容器10の内壁面には、陽極酸化処理が施されている。また、処理容器10は、接地されている。

0021

処理容器10の底部上には、絶縁板12が設けられている。絶縁板12は、例えば、セラミックから形成されている。この絶縁板12上には、支持台14が設けられている。支持台14は、略円柱形状を有している。この支持台14上にはサセプタ16が設けられている。サセプタ16は、アルミニウムといった導電性の材料から形成されており、下部電極(第2電極)を構成している。

0022

サセプタ16上には、静電チャック18が設けられている。静電チャック18は、絶縁層又は絶縁シートの間に、導電膜から構成された電極20が挟まれた構造を有している。静電チャック18の電極20には、スイッチ22を介して直流電源24が電気的に接続されている。この静電チャック18は、直流電源24からの直流電圧により静電吸着力を発生し、当該静電チャック18上に載置された被加工物Wを静電吸着力により保持するようになっている。なお、被加工物Wは、例えば、ウエハのような円盤状の物体である。この静電チャック18の周囲、且つ、サセプタ16上には、フォーカスリング26が配置されている。また、サセプタ16及び支持台14の外周面には、円筒状の内壁部材28が取り付けられている。この内壁部材28は、例えば、石英から形成されている。

0023

支持台14の内部には、冷媒流路30が形成されている。冷媒流路30は、例えば、鉛直方向に延びる中心軸線に対して螺旋状に延在している。この冷媒流路30には、処理容器10の外部に設けられたチラーユニットから配管32aを介して冷媒cw(例えば、冷却水)が供給される。冷媒流路30に供給された冷媒は、配管32bを介してチラーユニットに回収される。この冷媒の温度がチラーユニットによって調整されることにより、被加工物Wの温度が調整されるようになっている。さらに、プラズマ処理装置1では、ガス供給ライン34を介して供給される伝熱ガス(例えば、Heガス)が、静電チャック18の上面と被加工物Wの裏面との間に供給されるようになっている。

0024

サセプタ16には、導体44(例えば、給電棒)が接続されている。この導体44には、高周波電源36が、整合器40を介して接続されている。高周波電源36は、プラズマの生成用の高周波RFを発生する。整合器40及び導体44は、高周波電源36からの高周波RFをサセプタ16に伝送する給電ライン43の一部を構成している。高周波電源36が出力する高周波RFの基本周波数fBは、例えば、2MHz〜100MHzの範囲内の周波数である。

0025

処理容器10の天部には、上部電極46が設けられている。この上部電極46とサセプタ16の間には、プラズマが生成される処理容器10内の処理空間PSが介在している。一実施形態において、上部電極46には直流電源74が接続されている。直流電源74は、負極性の直流電圧DCを上部電極46に印加するように構成されている。上部電極46は、天板48及び支持体50を有している。天板48には、多数のガス噴出孔48aが形成されている。天板48は、例えば、Si、SiCといったシリコン系の材料から形成されている。支持体50は、天板48を着脱可能に支持する部材であり、アルミニウムから形成されており、その表面には陽極酸化処理が施されている。

0026

支持体50の内部には、ガスバッファ室52が形成されている。また、支持体50には、多数のガス通気孔50aが形成されている。ガス通気孔50aは、ガスバッファ室52から延びて、ガス噴出孔48aに連通している。ガスバッファ室52には、ガス供給管54を介してガス供給系55が接続されている。ガス供給系55は、ガスソース群56、流量制御器群58、及び、バルブ群60を含んでいる。ガスソース群56は、複数のガスソースを含んでいる。流量制御器群58は、複数の流量制御器を含んでいる。複数の流量制御器は、例えば、マスフローコントローラであり得る。また、バルブ群60は複数のバルブを含んでいる。ガスソース群56の複数のガスソースは、流量制御器群58の対応の流量制御器及びバルブ群60の対応のバルブを介して、ガス供給管54に接続されている。ガス供給系55は、複数のガスソースのうち選択されたガスソースからのガスを、調整された流量でガスバッファ室52に供給するように構成されている。ガスバッファ室52に導入されたガスは、ガス噴出孔48aから処理空間PSに噴出される。

0027

サセプタ16と処理容器10の側壁との間、及び、支持台14と処理容器10の側壁との間には、平面視において環状の空間が形成されており、当該空間の底部は処理容器10の排気口62に繋がっている。処理容器10の底部には、排気口62に連通する排気管64が接続されている。この排気管64は、排気装置66に接続されている。排気装置66は、ターボ分子ポンプといった真空ポンプを有している。排気装置66は、処理容器10の内部空間を所望の圧力に減圧する。また、処理容器10の側壁には被加工物Wの搬入及び搬出のための開口68が形成されている。処理容器10の側壁には、開口68を開閉するためのゲートバルブ70が取り付けられている。

0028

また、プラズマ処理装置1は、主制御部72を備えている。主制御部72は、一以上のマイクロコンピュータを含み、外部メモリ又は内部メモリに格納されているソフトウェアプログラム)及びレシピに従って、プラズマ処理装置1の各部、例えば、高周波電源36、整合器40、直流電源74、ガス供給系55、即ち、流量制御器群58の複数の流量制御器及びバルブ群60の複数のバルブ、排気装置66等の個々の動作及び当該プラズマ処理装置1の装置全体の動作を制御する。また、主制御部72は、キーボード等の入力装置液晶ディスプレイ等の表示装置を含むマンマシンインタフェース用の操作パネル、並びに、各種プログラム、レシピ、及び設定値等の各種データを格納する外部記憶装置等とも接続されている。

0029

プラズマ処理装置1の基本動作は次のようにして行われる。まず、ゲートバルブ70が開かれて、被加工物Wが開口68を経由して処理容器10内に搬入される。処理容器10内に搬入された被加工物Wは、静電チャック18上に載置される。次いで、ガス供給系55からガスが処理容器10内に導入され、排気装置66が作動されて、処理容器10内の空間の圧力が所定の圧力に設定される。また、高周波電源36からの高周波RFがサセプタ16に供給される。さらに、必要に応じて直流電源74からの直流電圧DCが上部電極46に印加される。また、直流電源24からの直流電圧が静電チャック18の電極20に印加され、被加工物Wが静電チャック18上に保持される。そして、処理容器10内に供給されたガスが、サセプタ16と上部電極46との間に形成された高周波電界により励起される。これにより、プラズマが生成される。このように生成されたプラズマからのラジカル及び/又はイオンによって被加工物Wが処理される。なお、直流電源74から直流電圧DCが上部電極46に印加されている場合には、正イオンが上部電極46に引き込まれて当該上部電極46に衝突し、上部電極46から二次電子が放出され、及び/又は、上部電極46を構成する材料、例えば、シリコンが上部電極46から放出される。

0030

以下、プラズマ処理方法の実施形態(以下、「方法MT」という)について説明する。方法MTは、プラズマ処理装置1を用いて実施することが可能である。図2及び図3は、一実施形態に係るプラズマ処理方法に関するタイミングチャートを示している。図2及び図3には、方法MTにおけるガスA、ガスB、ガスC、高周波RF、及び、直流電圧DCのそれぞれのタイミングチャートが示されている。図2及び図3において、横軸は、時間を示している。また、ガスAのタイミングチャートのレベルは、処理容器10内に供給されているガスAの量を示しており、ガスBのタイミングチャートのレベルは、処理容器10内に供給されているガスBの量を示しており、ガスCのタイミングチャートのレベルは、処理容器10内に供給されているガスCの量を示している。また、高周波RFのタイミングチャートにおいて、高周波RFのレベルは、サセプタ16に供給されている高周波RFのパワーを示している。また、直流電圧DCのタイミングチャートにおいて、直流電圧DCが高レベルであることは、直流電圧DCが上部電極46に印加されていることを示しており、直流電圧DCが低レベルであることは、直流電圧DCが上部電極46に印加されていないこと、或いは、直流電圧DCのレベルが低いことを示している。

0031

図2及び図3に示すように、方法MTでは、複数のサイクルCYが順に実行される。複数のサイクルCYの各々は、順に実行される複数の段階Sを含んでいる。以下、複数のサイクル又は複数のサイクルの各々を示す参照符号として「CY」を用いる。また、複数のサイクルの各々を、その実行順序と共に示す場合には、「CY(i)」との参照符号を用いる。また、複数の段階又は複数の段階の各々を示す参照符号として「S」を用いる。また、複数の段階Sの各々をその実行順序及びサイクルの実行順序と共に示す場合には、「S(i,j)」との参照符号を用いる。また、複数の段階の各々をその実行順序と共に示す場合には、「S(j)」との参照符号を用いる。また、各段階の開始時点を示す参照符号として、「Ts(i,j)」との参照符号を用いる。ここで、「i」は、サイクルの実行順序を示す変数であり、1以上IMAX以下の整数をとることができ、IMAXは複数のサイクルの個数を示す2以上の整数である。「j」は、1以上JMAX以下の整数をとることができ、JMAXは各サイクルCYにおける複数の段階の個数を示す2以上の整数である。なお、図2及び図3に示す例では、JMAXは3であるが、これに限定されるものではない。

0032

方法MTの複数のサイクルCYの各々に含まれる複数の段階Sでは、互いに異なる処理ガスのプラズマが生成される。複数の段階Sのそれぞれにおいて利用される処理ガスは、レシピにおいて指定されている。また、複数の段階Sそれぞれにおける高周波RFの設定及び直流電圧DCのレベルは、レシピにおいて指定されている。なお、高周波RFの設定は、高周波RFのパワー、及び、高周波RFのモードを含む。高周波RFのモードは、連続波及びパルス変調された高周波から選択される。さらに、複数の段階Sそれぞれの実行時間長は、レシピにおいて指定されている。主制御部72は、かかるレシピに従って、方法MTのための制御を実行する。

0033

方法MTでは、初回のサイクルの第1段階である段階S(1,1)の開始時点Ts(1,1)に先立って、ガス供給系55から、段階S(1,1)用の処理ガスの出力が開始される。また、段階S(1,1)の開始時点Ts(1,1)にサセプタ16への高周波RFの供給が開始される。以後、高周波RFは、複数のサイクルCYの複数の段階Sにわたってサセプタ16に供給される。

0034

方法MTでは、先行する段階から後続の段階に遷移するとき(段階S(i,j−1)から段階S(i,j)に遷移するとき、及び、段階S(i−1,JMAX)から段階S(i,1)に遷移するとき)、即ち、各段階Sの開始時点Ts(i,j)に、主制御部72からの制御により、ガス供給系55が出力する処理ガスが切り替えられる。図2及び図3に示す例では、第1段階、即ち段階S(i,1)においてガスA及びガスBを含む第1の処理ガスのプラズマを生成するために、開始時点Ts(i,1)において、ガス供給系55が出力する処理ガスが第1の処理ガスに切り替えられる。また、第2段階、即ち段階S(i,2)においてガスAを含む第2の処理ガスのプラズマを生成するために、開始時点Ts(i,2)において、ガス供給系55が出力する処理ガスが第2の処理ガスに切り替えられる。また、第3段階、即ち段階S(i,3)においてガスA及びガスCを含む第3の処理ガスのプラズマを生成するために、開始時点Ts(i,3)において、ガス供給系55が出力する処理ガスが第3の処理ガスに切り替えられる。限定されるものではないが、例えば、ガスAはArガスといった希ガスであり、ガスBはフルオロカーボンガスであり、ガスCは酸素ガスである。

0035

方法MTでは、段階S(i,j)の開始時点Ts(i,j)の後、即ち、ガス供給系55が出力する処理ガスが切り替えられた後に、後述するパラメータが閾値Th(j)を超えた時点で、段階S(i,j)のために、高周波RFの設定及び直流電圧DCのレベルのうち少なくとも一方が変更される。図2に示す例では、段階S(i,2)において高周波RFのパワーが段階S(i,1)における高周波RFのパワーよりも低いパワーに変更される。また、図2に示す例では、段階S(i,2)おける高周波RFのパワーと段階S(i,3)おける高周波RFのパワーとは同一である。また、図2に示す例では、段階S(i,2)において直流電圧DCのレベル(絶対値)が段階S(i,1)における直流電圧DCのレベル(絶対値)よりも高いレベル(絶対値)に変更される。図2に示す例では、段階S(i,1)における直流電圧DCのレベルと段階S(i,3)における直流電圧DCのレベルは同一である。なお、段階S(i,1)及び段階S(i,3)では、上部電極46に直流電圧DCが印加されなくてもよい。

0036

また、図3に示す例では、段階S(i,2)において高周波RFのパワーが段階S(i,1)における高周波RFのパワーよりも低いパワーに変更される。また、図3に示す例では、段階S(i,3)において高周波RFのパワーが段階S(i,2)における高周波RFのパワーよりも低いパワーに変更される。また、図3に示す例では、段階S(i,2)において直流電圧DCのレベル(絶対値)が段階S(i,1)における直流電圧DCのレベル(絶対値)よりも高いレベル(絶対値)に変更される。図3に示す例では、段階S(i,1)における直流電圧DCのレベルと段階S(i,3)における直流電圧DCのレベルは同一である。なお、段階S(i,1)及び段階S(i,3)では、上部電極46に直流電圧DCが印加されなくてもよい。また、図2及び図3の例では、高周波RFのパワーが変更されているが、高周波のパワー及び高周波のモードの少なくとも一方が変更されればよい。

0037

上述したパラメータは、一実施形態では、整合器40の演算部において求められる。以下、図4及び図5を参照して、高周波電源36及び整合器40について詳細に説明する。図4は、高周波電源36及び整合器40の構成を例示する図であり、図5は、整合器40のセンサ及びコントローラの構成を例示する図である。

0038

図4に示すように、一実施形態において、高周波電源36は、発振器36a、パワーアンプ36b、パワーセンサ36c、及び、電源制御部36eを有している。電源制御部36eは、CPUといったプロセッサから構成されており、主制御部72から与えられる信号、及び、パワーセンサ36cから与えられる信号を利用して、発振器36a及びパワーアンプ36bのそれぞれに制御信号を与えて、発振器36a及びパワーアンプ36bを制御する。

0039

主制御部72から電源制御部36eに与えられる信号は、レシピに従って作成される高周波設定信号である。高周波設定信号は、高周波RFの設定を指定する信号である。高周波設定信号は、段階S(1,1)の開始時点において当該高周波設定信号によって指定される設定の高周波RFの出力が高周波電源36によって開始されるように、主制御部72から電源制御部36eに与えられる。また、高周波設定信号は、段階S(1,1)よりも後に実行される段階S(i,j)において高周波RFの設定を変更する場合に、主制御部72から電源制御部36eに与えられる。電源制御部36eは、後述する演算部からの信号を受信すると、高周波設定信号によって指定される設定の高周波RFを高周波電源36に出力させるよう、動作する。

0040

また、電源制御部36eは、高周波設定信号によって指定される周波数を有する高周波を出力するよう、発振器36aを制御する。この発振器36aの出力はパワーアンプ36bの入力に接続されている。発振器36aから出力された高周波はパワーアンプ36bに入力される。パワーアンプ36bは、高周波設定信号によって指定されるパワーを有する高周波RFをその出力から出力するために、入力された高周波を増幅する。これにより、高周波電源36から高周波RFが出力される。

0041

パワーアンプ36bの後段には、パワーセンサ36cが設けられている。パワーセンサ36cは、方向性結合器進行波パワー検出部、及び、反射波パワー検出部を有している。方向性結合器は、高周波RFの進行波の一部を進行波パワー検出部に与え、反射波を反射波パワー検出部に与える。このパワーセンサ36cには、高周波RFの周波数を特定する信号が電源制御部36eから与えられる。進行波パワー検出部は、進行波の全周波数成分のうち高周波RFの周波数と同一の周波数を有する成分のパワーの測定値、即ち、進行波パワー測定値PF1を生成する。この進行波パワー測定値は、パワーフィードバック用に電源制御部36eに与えられる。

0042

反射波パワー検出部は、反射波の全周波数成分のうち高周波RFの周波数と同一の周波数を有する成分のパワーの測定値、即ち、反射波パワー測定値PR11、及び、反射波の全周波数成分のトータルパワーの測定値、即ち反射波パワー測定値PR12を生成する。反射波パワー測定値PR11は、モニタ表示用に主制御部72に与えられる。また、反射波パワー測定値PR12は、パワーアンプ36bの保護用に、電源制御部36eに与えられる。

0043

また、主制御部72からは、直流電圧設定信号が、直流電源74に与えられる。直流電圧設定信号は、直流電圧DCのレベルを指定する信号である。直流電圧設定信号は、段階S(i,j)において直流電圧DCのレベルを変更する場合に、主制御部72から直流電源74に与えられる。直流電源74は、後述する演算部からの信号を受信すると、直流電圧設定信号によって指定されるレベルの直流電圧DCを出力するよう動作する。或いは、直流電圧設定信号によって指定される直流電圧DCのレベルがゼロである場合には、直流電源74は、後述する演算部からの信号を受信すると、直流電圧DCの出力を停止するよう動作する。

0044

図4に示すように、整合器40は、整合回路40a、センサ40b、コントローラ40c、並びに、アクチュエータ40d及び40eを有している。整合回路40aは、可変リアクタンス素子40g及び40hを含んでいる。可変リアクタンス素子40g及び40hは、例えば、可変コンデンサである。なお、整合回路40aは、インダクタ等を更に含んでいてもよい。

0045

コントローラ40cは、例えば、プロセッサから構成され、主制御部72の制御の下で動作する。コントローラ40cは、センサ40bから与えられる測定値を利用して高周波電源36の負荷インピーダンスを求めるようになっている。また、コントローラ40cは、求めた負荷インピーダンスを高周波電源36の出力インピーダンス又は整合ポイントに近づけるように、アクチュエータ40d及び40eを制御して、可変リアクタンス素子40g及び40hそれぞれのリアクタンスを調整するようになっている。アクチュエータ40d及び40eは、例えば、モータである。

0046

また、コントローラ40cは、センサ40bから与えられる測定値を利用して、後述するパラメータを算出し、各段階Sにおいて高周波RFの設定及び/又は直流電圧DCのレベルの変更を行う時点を決定するようになっている。

0047

図5に示すように、センサ40bは、電流検出器102A、電圧検出器104A、フィルタ106A、及び、フィルタ108Aを有している。電圧検出器104Aは、給電ライン43上で伝送される高周波RFの電圧波形を検出し、当該電圧波形を表す電圧波形アナログ信号を出力する。この電圧波形アナログ信号は、フィルタ106Aに入力される。フィルタ106Aは、入力された電圧波形アナログ信号をデジタル化することにより、電圧波形デジタル信号を生成する。そして、フィルタ106Aは、主制御部72からの信号によって特定される高周波RFの設定周波数の成分のみを電圧波形デジタル信号から抽出することにより、濾過電圧波形信号を生成する。フィルタ106Aによって生成された濾過電圧波形信号は、コントローラ40cの演算部150Aに与えられる。なお、フィルタ106Aは、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)から構成される。

0048

電流検出器102Aは、給電ライン43上で伝送される高周波RFの電流波形を検出し、当該電流波形を表す電流波形アナログ信号を出力する。この電流波形アナログ信号は、フィルタ108Aに入力される。フィルタ108Aは、入力された電流波形アナログ信号をデジタル化することにより、電流波形デジタル信号を生成する。そして、フィルタ108Aは、主制御部72からの信号によって特定される高周波RFの設定周波数の成分のみを電流波形デジタル信号から抽出することにより、濾過電流波形信号を生成する。フィルタ108Aによって生成された濾過電流波形信号は、コントローラ40cの演算部150Aに与えられる。なお、フィルタ108Aは、例えば、FPGA(フィールドプログラマブル・ゲートアレイ)から構成される。

0049

コントローラ40cの演算部150Aは、フィルタ106Aから与えられる濾過電圧波形信号、及び、フィルタ108Aから与えられる濾過電流波形信号を用いて、整合器40におけるインピーダンス整合のために、高周波電源36の負荷インピーダンスZL1を求める。具体的に、演算部150Aは、濾過電圧波形信号によって特定される交流電圧V1、濾過電流波形信号によって特定される交流電流I1、及び、交流電圧V1と交流電流I1との位相差Φ1から、高周波電源36の負荷インピーダンスZL1を求める。また、演算部150Aは、交流電圧V1、交流電流I1、及び、位相差Φ1から、後述するパラメータを求めるようになっている。パラメータは、上記の負荷インピーダンスZL1であってもよい。この場合には、整合器40のインピーダンス整合のために求められた負荷インピーダンスをパラメータとして利用できるので、別途にパラメータを求める必要はない。或いは、パラメータは、負荷抵抗Zr1、負荷リアクタンスZi1、及び、反射波係数Γ1のうち何れかであってもよい。

0050

負荷インピーダンスZL1は、V1/I1により求められ、負荷抵抗Zr1は、負荷インピーダンスZL1の実部を求めることにより得られ、負荷リアクタンスZi1は、負荷インピーダンスZL1の虚部を求めることにより得られる。また、反射波係数Γ1は、以下に式(1)により、求められる。




なお、反射波係数Γ1は、パワーセンサ36cによって求められる進行波パワー測定値PF1及び反射波パワー測定値PR11から、PR11/PF1により、求められてもよい。

0051

演算部150Aは、求めた負荷インピーダンスZL1をマッチング制御部152Aに出力する。マッチング制御部152Aは、負荷インピーダンスZL1を高周波電源36の出力インピーダンス(又は整合ポイント)に近づけるよう、アクチュエータ40d及び40eを制御して、可変リアクタンス素子40g及び40hのリアクタンスを調整する。これにより、整合器40によるインピーダンス整合が実行される。なお、マッチング制御部152Aは、演算部150Aによって出力される負荷インピーダンスZL1の系列の移動平均値を、高周波電源36の出力インピーダンス(又は整合ポイント)に近づけるよう、アクチュエータ40d及び40eを制御してもよい。

0052

また、演算部150Aは、段階S(1,1)以外の段階S(i,j)において、ガス供給系55が出力する処理ガスが切り替えられたときから、求めたパラメータが対応の閾値Th(j)を超えているか否かを判定する。閾値Th(j)は、初期的には、同一の「j」で特定される段階S(j)に専用の、又は、複数の段階Sに共通の値として、予め設定されている。演算部150Aは、段階S(i,j)においてパラメータが閾値Th(j)を超えると、信号を高周波電源36に与える。高周波電源36は、段階S(i,j)において高周波設定信号が主制御部72から与えられている場合には、演算部150Aからの信号に応答して、高周波設定信号によって指定されている設定に高周波RFの設定を変更する。即ち、高周波電源36は、段階S(i,j)において高周波設定信号が主制御部72から与えられている場合には、パラメータが閾値Th(j)を超えた時点で、高周波設定信号によって指定されている設定に高周波RFの設定を変更する。なお、高周波RFの設定の変更は、高周波RFのパワーの変更、及び/又は、連続波とパルス変調された高周波のうち一方から他方に高周波RFを変更することを含む。

0053

また、演算部150Aは、段階S(i,j)においてパラメータが閾値Th(j)を超えると、信号を直流電源74に与える。直流電源74は、段階S(i,j)において直流電圧設定信号が主制御部72から与えられている場合には、演算部150Aからの信号に応答して、直流電圧設定信号によって指定されているレベルに直流電圧DCのレベルを変更する。即ち、直流電源74は、段階S(i,j)において直流電圧設定信号が主制御部72から与えられている場合には、パラメータが閾値Th(j)を超えた時点で、直流電圧設定信号によって指定されているレベルに直流電圧DCのレベルを変更する。

0054

また、演算部150Aは、段階S(i,j)においてパラメータが閾値Th(j)を超えた時点を特定する第1の情報を、時間調整部80に与える。この時間調整部80は、例えば、CPUといったプロセッサであり得る。時間調整部80は、また、段階S(i,j)に遷移した時点、即ち、開始時点Ts(i,j)を特定する第2の情報を、主制御部72から受ける。時間調整部80は、第1の情報によって特定される時点と第2の情報によって特定される時点との間の時間差を求める。時間調整部80は、この時間差を特定する時間差特定情報を主制御部72に与える。主制御部72は、時間差特定情報によって特定される時間差の分だけ、レシピにおいて指定されている段階S(j)の所定の実行時間長に対して増加するよう、後に実行されるサイクルCYの段階S(j)、例えば、段階S(i+1,j)の実行時間長を調整する。

0055

また、演算部150Aは、パラメータの系列から移動平均値を求めて、当該移動平均値を用いて上述の閾値Th(j)を調整する。閾値Th(j)を調整するために用いられるパラメータの系列は、実行済のサイクルCYにおいて同一の「j」で特定される段階S(j)、又は、実行中の段階S(i,j)と実行済のサイクルCYにおいて同一の「j」で特定される段階S(j)のそれぞれで整合器40によるインピーダンス整合が完了した状態におけるパラメータを含む。なお、系列に含まれるパラメータは、閾値Th(j)と比較されるパラメータと同種のパラメータである。

0056

以下、図6を参照して、方法MTについて詳細に説明する。図6は、一実施形態に係るプラズマ処理方法を示す流れ図である。方法MTでは、まず、工程ST1が実行される。工程ST1では、主制御部72によってiが1に設定される。「i」は、上述したように、サイクルの順序を特定する変数である。続く工程ST2において、主制御部72によってjが1に設定される。「j」は、上述したように、各サイクルCYにおける複数の段階Sそれぞれの順序を示す変数である。

0057

続く工程J1では、初回のサイクルの第1段階を実行するか否かが判定される。即ち、主制御部72によって、段階S(1,1)を実行するか否かが判定される。段階S(1,1)を実行する場合には、続く工程ST3において、レシピにおいて指定された段階S(1,1)用の処理ガスの出力を開始するよう、主制御部72によってガス供給系55が制御される。続く工程ST4では、高周波電源36が、主制御部72からの高周波設定信号によって指定される設定の高周波RFの供給を開始する。しかる後に、処理は、工程ST10に進む。

0058

一方、工程J1の判定の結果、段階S(1,1)以外の段階S(i,j)が実行されると判定された場合には、工程ST5において、ガス供給系55が出力する処理ガスをレシピにおいて指定された段階S(i,j)用の処理ガスに切り替えるよう、主制御部72によってガス供給系55が制御される。なお、工程ST5におけるガス供給系55の処理ガスの切り替えは、段階S(i,j)への遷移時、即ち、段階S(i,j)の開始時点Ts(i,j)に行われる。

0059

続く工程ST6では、演算部150Aによって上述したパラメータが算出される。演算部150Aによるパラメータの算出は、工程ST5においてガス供給系55から出力される処理ガスが切り替えられた時点から開始される。続く工程J2では、演算部150Aによって、求めたパラメータが閾値Th(j)を超えたか否かが判定される。工程J2において、パラメータが閾値Th(j)を超えたと判定される場合には、処理は工程ST7に進む。一方、パラメータが閾値を超えていないと判定される場合には、工程J3において、段階S(i,j)の開始時点から所定時間が経過しているか否かが、演算部150Aによって判定される。工程J3において、段階S(i,j)の開始時点から所定時間が経過していないと判定された場合には、再び工程ST6が実行される。一方、工程J3において、段階S(i,j)の開始時点から所定時間が経過していると判定された場合には、処理は工程ST7に進む。この工程J3により、工程ST7に処理が進行しなくなる事態を回避することができる。

0060

工程ST7では、演算部150Aによって、パラメータが閾値Th(j)を超えたことを通知するために、上述した信号が、高周波電源36及び直流電源74に与えられる。そして、段階S(i,j)のために、高周波設定信号が主制御部72から高周波電源36に与えられている場合には、高周波電源36が、高周波設定信号によって指定された設定に高周波RFの設定を変更する。また、段階S(i,j)のために、直流電圧設定信号が主制御部72から直流電源74に与えられている場合には、直流電源74が直流電圧設定信号によって指定されたレベルに直流電圧DCのレベルを変更する。

0061

次いで、方法MTでは、工程ST8が実行される。工程ST8は、工程ST8a及び工程ST8bを含む。工程ST8aでは、上述した時間差が求められる。具体的に、時間調整部80には、段階S(i,j)においてパラメータが閾値Th(j)を超えた時点を特定する第1の情報が演算部150Aから与えられており、段階S(i,j)に遷移した時点、即ち、開始時点Ts(i,j)を特定する第2の情報が主制御部72から与えられている。工程ST8aにおいて、時間調整部80は、第1の情報によって特定される時点と第2の情報によって特定される時点との間の時間差を求め、当該時間差を特定する時間差特定情報を主制御部72に与える。続く工程ST8bでは、主制御部72が、時間差特定情報によって特定される時間差の分だけ、レシピにおいて指定されている段階S(j)の実行時間長に対して増加するよう、後に実行されるサイクルCYの段階S(j)、例えば、段階S(i+1,j)の実行時間長を調整する。

0062

方法MTでは、次いで、工程ST9が実行される。工程ST9では、閾値Th(j)が調整される。具体的には、演算部150Aにおいて、パラメータの系列から移動平均値が求められ、当該移動平均値を用いて閾値Th(j)が調整される。閾値Th(j)を調整するために用いられるパラメータの系列は、実行済のサイクルCYにおいて同一の「j」で特定される段階S(j)、又は、実行中の段階S(i,j)と実行済のサイクルCYにおいて同一の「j」で特例される段階S(j)とのそれぞれで整合器40によるインピーダンス整合が完了した状態におけるパラメータを含む。なお、整合器40は、方法MTの実施の間、整合動作を随時行い得る。

0063

方法MTでは、次いで、工程ST10が実行される。工程ST10では、主制御部72により、jが1だけ増分される。続く工程J4では、jがJMAXより大きいか否かが判定される。jがJMAX以下である場合には、処理は工程ST5に進む。一方、jがJMAXより大きい場合には、続く工程ST11において、主制御部72により、iが1だけ増分される。続く工程J5では、iがIMAXより大きいか否かが判定される。iがIMAX以下である場合には、処理は工程ST2に進む。一方、iがIMAXよりも大きい場合には、方法MTが終了する。

0064

高周波RFの供給が継続された状態で、処理容器10内の処理ガスが切り替わると、処理容器10内において生成されるプラズマのインピーダンスが変化する。演算部150Aによって求められる上述のパラメータは、プラズマのインピーダンスに応じて変化するパラメータであるので、処理容器10内に存在している処理ガスの変化を良好に反映する。方法MTでは、かかるパラメータが閾値Th(j)を超えた時点を検出することにより、処理容器10内の処理ガスが切り替わった時点を高精度に検出することができる。また、この時点に高周波RFの設定及び直流電圧DCのレベルのうち少なくとも一方が変更されるので、処理容器10内の処理ガスが切り替わった適切な時点で、高周波RFの設定及び/又は直流電圧DCのレベルを変更することができる。

0065

また、複数の段階Sの各々には、その実行時間長がレシピにおいて初期的に設定されている。したがって、段階S(i,j)において、パラメータが閾値Th(j)を超えた時点が遅れると、段階S(i,j)における当該時点からのプラズマ処理の時間長が短くなる。この実施形態によれば、工程ST8aにおいて求められる時間差の分、後に実行されるサイクルCYにおける段階S(j)の時間長が増加されるので、複数のサイクルCY中の同一の段階のプラズマ処理の総実行時間長が、実質的に維持される。

0066

また、段階S(i,j)において整合器40によるインピーダンス整合が完了した状態では、処理容器10内には段階S(i,j)において用いられる処理ガスが十分に到達している。したがって、この状態でのパラメータの系列の移動平均値を用いて閾値Th(j)を調整することにより、処理容器10内の処理ガスが切り替わったタイミングをより高精度に検出することが可能となる。

0067

以下、別の実施形態について説明する。別の実施形態の方法MTでは、複数の段階Sのそれぞれにおいて、高周波RFの周波数が調整される。また、更なる実施形態では、複数の段階Sのそれぞれにおいて、高周波RFの周波数に加えて、高周波RFのパワーが調整される。以下では、図7及び図8を参照して、この実施形態の方法MTの実行のために、高周波電源36、整合器40に代えてプラズマ処理装置1に採用される高周波電源36A、整合器40Aについて説明する。図7は、高周波電源36A及び整合器40Aの構成を示す図である。図8は、高周波電源36Aのインピーダンスセンサの構成を示す図である。

0068

図7に示すように、高周波電源36Aは、高周波電源36と同様に、発振器36a、パワーアンプ36b、パワーセンサ36c、及び、電源制御部36eを有している。高周波電源36Aは、インピーダンスセンサ36dを更に有している。以下、高周波電源36Aの各要素に関して、高周波電源36の対応の要素と異なる点を説明する。また、インピーダンスセンサ36dについても説明する。

0069

高周波電源36Aの電源制御部36eは、段階S(i,j)の実行期間内の第1の副期間Ts1(j)及び第2の副期間Ps2(j)それぞれにおける高周波RFの周波数を設定する周波数制御信号を発振器36aに与えるようになっている。具体的に、電源制御部36eは、インピーダンスセンサ36dから、段階S(i,j)と同一の「j」で特定される過去の段階S(j)の実行期間内の第1の副期間Ps1(j)の高周波電源36Aの負荷インピーダンスの移動平均値Imp11、及び、当該過去の段階S(j)の実行期間内の第2の副期間Ps2(j)の高周波電源36Aの負荷インピーダンスの移動平均値Imp12を受ける。

0070

そして、電源制御部36eは、移動平均値Imp11及び移動平均値Imp12が所定の調整範囲内に含まれる場合には、移動平均値Imp11から推定される第1の副期間Ps1(j)の高周波電源36Aの負荷インピーダンス、及び、移動平均値Imp12から推定される第2の副期間Ps2(j)の高周波電源36Aの負荷インピーダンスを整合ポイントに近づけるために、段階S(i,j)の実行期間内の第1の副期間Ps1(j)及び第2の副期間Ps2(j)それぞれの高周波RFの周波数を設定する周波数制御信号を発振器36aに与える。発振器36aは、周波数制御信号に応じて、段階S(i,j)の実行期間内の第1の副期間Ps1(j)の高周波RFの周波数及び第2の副期間Ps2(j)の高周波RFの周波数を設定する。

0071

一方、移動平均値Imp11又は移動平均値Imp12が所定の調整範囲内に含まれない場合には、電源制御部36eは、高周波電源36Aに関するインピーダンス整合を、整合器40Aに行わせるために、整合器40Aに制御信号を送出する。なお、負荷インピーダンスを整合ポイントに近づけるとは、負荷インピーダンスを理想的には整合ポイントに一致させることを意味する。また、「所定の調整範囲」は、高周波RFの周波数の調整により、高周波電源36Aの負荷インピーダンスを高周波電源36Aの出力インピーダンス又は整合ポイントに整合させることが可能な範囲である。

0072

パワーアンプ36bは、発振器36aから出力された高周波を増幅することにより高周波RFを生成し、当該高周波RFを出力する。このパワーアンプ36bは、電源制御部36eによって制御される。具体的には、電源制御部36eは、主制御部72によって指定されるパワーの高周波RFを出力するよう、パワーアンプ36bを制御する。

0073

一実施形態において、電源制御部36eは、第1の副期間Ps1(j)の高周波RFのパワーが第2の副期間Ps2(j)の高周波RFのパワーよりも大きくなるように、パワーアンプ36bを制御してもよい。例えば、段階S(i,j)の第1の副期間Ps1(j)の高周波RFのパワーは、段階S(i,j)の第1の副期間Ps1(j)の反射波パワー測定値PR11、又は、段階S(i,j)と同一の「j」で特定される過去の段階S(j)の実行期間内の第1の副期間Ps1(j)の反射波パワー測定値PR11の移動平均値に応じて、プラズマに結合される高周波RFのパワーが所定のパワーとなるように、設定され得る。また、段階S(i,j)の第2の副期間Ps2(j)の高周波RFのパワーは、段階S(i,j)の第2の副期間Ps2(j)の反射波パワー測定値PR11、又は、段階S(i,j)と同一の「j」で特定される過去の段階S(j)の実行期間内の第2の副期間Ps2(j)の反射波パワー測定値PR11の移動平均値に応じて、プラズマに結合される高周波RFのパワーが所定のパワーとなるように、設定され得る。

0074

インピーダンスセンサ36dは、実行済みのサイクルCYに含まれる複数の段階のうち段階S(i,j)と同一の「j」で特定される段階S(j)のそれぞれの実行期間内の第1の副期間Ps1(j)における高周波電源36Aの負荷インピーダンスの移動平均値Imp11を求める。また、インピーダンスセンサ36dは、実行済みのサイクルCYに含まれる複数の段階のうち段階S(i,j)と同一の「j」で特定される段階S(j)のそれぞれの実行期間内の第2の副期間Ps2(j)における高周波電源36Aの負荷インピーダンスの移動平均値Imp12を求める。図2に示すように、第1の副期間Ps1(j)は、段階S(j)のそれぞれの実行期間内において、高周波RFの設定又は直流電圧DCのレベルが変更された時点から当該実行期間の途中までの間の期間である。第2の副期間Ps2(j)は、段階S(j)のそれぞれの実行期間内において、当該途中から当該実行期間の終了時点までの間の期間である。

0075

第1の副期間Ps1(j)の時間長及び第2の副期間Ps2(j)の時間長は、電源制御部36eによって指定される。例えば、第1の副期間Ps1(j)の時間長は電源制御部36eが記憶してる所定の時間長であってもよく、第2の副期間Ps2(j)の時間長は電源制御部36eが記憶してる別の所定の時間長であってもよい。或いは、電源制御部36eは、上述の反射波パワー測定値PR11の時系列から、段階S(i,j)の実行期間内において反射波パワー測定値PR11が所定値以下に安定する期間を第2の副期間Ps2(j)に設定し、段階S(i,j)の実行期間内において当該第2の副期間Ps2(j)よりも前の期間を第1の副期間Ps1(j)に設定してもよい。

0076

図9に示すように、インピーダンスセンサ36dは、電流検出器102C、電圧検出器104C、フィルタ106C、フィルタ108C、平均値演算器110C、平均値演算器112C、移動平均値演算器114C、移動平均値演算器116C、及び、インピーダンス演算器118Cを有している。

0077

電圧検出器104Cは、給電ライン43上で伝送される高周波RFの電圧波形を検出し、当該電圧波形を表す電圧波形アナログ信号を出力する。この電圧波形アナログ信号は、フィルタ106Cに入力される。フィルタ106Cは、入力された電圧波形アナログ信号をデジタル化することにより、電圧波形デジタル信号を生成する。そして、フィルタ106Cは、電源制御部36eから第1の副期間Ps1(j)及び第2の副期間Ps2(j)それぞれの高周波RFの周波数を特定する信号を受け、当該信号によって特定される周波数に対応した成分のみを電圧波形デジタル信号から抽出することにより、濾過電圧波形信号を生成する。なお、フィルタ106Cは、例えば、FPGA(フィールドプログラマブル・ゲートアレイ)から構成され得る。

0078

フィルタ106Cによって生成された濾過電圧波形信号は、平均値演算器110Cに出力される。平均値演算器110Cには、電源制御部36eから第1の副期間Ps1(j)及び第2の副期間Ps2(j)を特定する副期間特定信号が与えられる。平均値演算器110Cは、濾過電圧波形信号から、副期間特定信号を用いて特定した段階S(i,j)の実行期間内の第1の副期間Ps1(j)における電圧平均値VA11を求める。また、平均値演算器110Cは、濾過電圧波形信号から、副期間特定信号を用いて特定した段階S(i,j)の実行期間内の第2の副期間Ps2(j)における電圧の平均値VA12を求める。なお、平均値演算器110Cは、例えば、FPGA(フィールドプログラマブル・ゲートアレイ)から構成され得る。

0079

平均値演算器110Cによって求められた平均値VA11及び平均値VA12は、移動平均値演算器114Cに出力される。移動平均値演算器114Cは、実行済みのサイクルCYに含まれる複数の段階のうち段階S(i,j)と同一の「j」で特定される段階S(j)に関して既に得られている複数の平均値VA11のうち、直近に実行された所定数の段階S(j)における第1の副期間Ps1(j)について求められた所定個の平均値VA11の移動平均値(移動平均値VMA11)を求める。また、移動平均値演算器114Cは、実行済みのサイクルCYに含まれる複数の段階のうち段階S(i,j)と同一の「j」で特定される段階S(j)に関して既に得られている複数の平均値VA12のうち、直近に実行された所定数の段階S(j)における第2の副期間Ps2(j)について求められた所定個の平均値VA12の移動平均値(移動平均値VMA12)を求める。移動平均値演算器114Cによって求められた移動平均値VMA11及びVMA12は、インピーダンス演算器118Cに出力される。なお、移動平均値演算器114Cは、例えば、CPU、又は、FPGA(フィールドプログラマブル・ゲートアレイ)から構成され得る。

0080

電流検出器102Cは、給電ライン43上で伝送される高周波RFの電流波形を検出し、当該電流波形を表す電流波形アナログ信号を出力する。この電流波形アナログ信号は、フィルタ108Cに入力される。フィルタ108Cは、入力された電流波形アナログ信号をデジタル化することにより、電流波形デジタル信号を生成する。そして、フィルタ108Cは、電源制御部36eから第1の副期間Ps1(j)及び第2の副期間Ps2(j)それぞれの高周波RFの周波数を特定する信号を受け、当該信号によって特定される周波数に対応した成分のみを電流波形デジタル信号から抽出することにより、濾過電流波形信号を生成する。なお、フィルタ108Cは、例えば、FPGA(フィールドプログラマブル・ゲートアレイ)から構成され得る。

0081

フィルタ108Cによって生成された濾過電流波形信号は、平均値演算器112Cに出力される。また、平均値演算器112Cには、電源制御部36eから上述の副期間特定信号が与えられる。平均値演算器112Cは、濾過電流波形信号から、副期間特定信号を用いて特定した段階S(i,j)の実行期間内の第1の副期間Ps1(j)における電流の平均値IA11を求める。また、平均値演算器112Cは、濾過電流波形信号から、副期間特定信号を用いて特定した段階S(i,j)の実行期間内の第2の副期間Ps2(j)における電流の平均値IA12を求める。なお、平均値演算器112Cは、例えば、FPGA(フィールドプログラマブル・ゲートアレイ)から構成され得る。

0082

平均値演算器112Cによって求められた平均値IA11及び平均値IA12は、移動平均値演算器116Cに出力される。移動平均値演算器116Cは、実行済みのサイクルCYに含まれる複数の段階のうち段階S(i,j)と同一の「j」で特定される段階S(j)に関して既に得られている複数の平均値IA11のうち、直近に実行された所定数の段階S(j)における第1の副期間Ps1(j)について求められた所定個の平均値IA11の移動平均値(移動平均値IMA11)を求める。また、移動平均値演算器116Cは、実行済みのサイクルCYに含まれる複数の段階のうち段階S(i,j)と同一の「j」で特定される段階S(j)に関して既に得られている複数の平均値IA12のうち、直近に実行された所定数の段階S(j)における第2の副期間Ps2について求められた所定個の平均値IA12の移動平均値(移動平均値IMA12)を求める。移動平均値演算器116Cによって求められた移動平均値IMA11及びIMA12は、インピーダンス演算器118Cに出力される。なお、移動平均値演算器116Cは、例えば、CPU、又は、FPGA(フィールドプログラマブル・ゲートアレイ)から構成され得る。

0083

インピーダンス演算器118Cは、移動平均値IMA11及び移動平均値VMA11から、高周波電源36Aの負荷インピーダンスの移動平均値Imp11を求める。この移動平均値Imp11は、絶対値と位相成分を含む。また、インピーダンス演算器118Cは、移動平均値IMA12及び移動平均値VMA12から、高周波電源36Aの負荷インピーダンスの移動平均値Imp12を求める。この移動平均値Imp12は、絶対値と位相成分を含む。インピーダンス演算器118Cによって求められた移動平均値Imp11及びImp12は、電源制御部36eに出力される。移動平均値Imp11及びImp12は、上述したように電源制御部36eにおいて、高周波RFの周波数の設定のために用いられる。

0084

図7戻り、整合器40Aは、整合器40と同様に、整合回路40a、センサ40b、コントローラ40c、並びに、アクチュエータ40d及び40eを有している。以下、整合器40Aの各要素に関して、整合器40の対応の要素と異なる点を説明する。

0085

整合器40Aのセンサ40bは、インピーダンスセンサ36dと同様に、電源制御部36eから第1の副期間Ps1(j)及び第2の副期間Ps2(j)それぞれの高周波RFの周波数を特定する信号を受け、当該信号によって特定される周波数に対応した成分のみを電圧波形デジタル信号から抽出することにより、濾過電圧波形信号を生成する。そして、センサ40bは、濾過電圧波形信号をコントローラ40cに出力する。また、整合器40Aのセンサ40bは、インピーダンスセンサ36dと同様に、電源制御部36eから第1の副期間Ps1(j)及び第2の副期間Ps2(j)それぞれの高周波RFの周波数を特定する信号を受け、当該信号によって特定される周波数に対応した成分のみを電流波形デジタル信号から抽出することにより、濾過電流波形信号を生成する。センサ40bは、濾過電流波形信号をコントローラ40cに出力する。

0086

整合器40Aのコントローラ40cは、移動平均値Imp11又は移動平均値Imp12が所定の調整範囲内に含まれない場合に電源制御部36eから送出される上記の制御信号を受けると、移動平均値Imp11と移動平均値Imp12の平均値によって特定される高周波電源36Aの負荷インピーダンスを整合ポイントに近づけるよう、アクチュエータ40d及び40eを制御する。或いは、整合器40Aのコントローラ40cは、移動平均値Imp11又は移動平均値Imp12が所定の調整範囲内に含まれない場合に電源制御部36eから送出される上記の制御信号を受けると、移動平均値Imp12によって特定される高周波電源36Aの負荷インピーダンスを整合ポイントに近づけるよう、アクチュエータ40d及び40eを制御する。

0087

以下、図7図8を参照して説明した高周波電源36A及び整合器40Aを有するプラズマ処理装置1において行われるインピーダンス整合の方法について説明する。図9は、別の実施形態にかかるプラズマ処理方法において実行されるインピーダンス整合の方法を示す流れ図である。図9に示す方法MTIは、複数の段階Sのそれぞれにおいて実行される。以下、段階S(j)に関連して、方法MTIを説明する。

0088

方法MTの実施の初期においては、上述した移動平均値Imp11及び移動平均値Imp12を求めるに足る回数、複数の段階Sの各々が実行されていない。したがって、方法MTの実施の初期においては、上述した平均値VA11、平均値IA11、平均値VA12、及び、平均値IA12の算出、並びに、これらの蓄積のみが行われる。

0089

複数の段階Sの各々が、移動平均値Imp11及び移動平均値Imp12を求めるに足る回数だけ実行された後には、インピーダンスセンサ36dにおいて移動平均値Imp11及び移動平均値Imp12が求められる。

0090

移動平均値Imp11及び移動平均値Imp12が求められた後には、段階S(i,j)において、図9に示すように、工程J20が行われる。工程J20では、移動平均値Imp11及び移動平均値Imp12が上述した調整可能範囲内にあるか否かが電源制御部36eによって判定される。

0091

移動平均値Imp11及び移動平均値Imp12が上述した調整可能範囲内にあると判定された場合には、工程ST21において、電源制御部36eは、上述したように、段階S(i,j)の実行期間内の第1の副期間Ps1(j)における高周波RFの周波数を設定し、段階S(i,j)の実行期間内の第2の副期間Ps2(j)における高周波RFの周波数を設定する。続く工程ST22において、電源制御部36eは、上述したように、段階S(i,j)の実行期間内の第1の副期間Ps1(j)における高周波RFのパワーを設定し、段階S(i,j)の実行期間内の第2の副期間Ps2(j)における高周波RFのパワーを設定する。

0092

一方、移動平均値Imp11又は移動平均値Imp12が上述した調整可能範囲内にないと判定された場合には、工程ST23において、高周波電源36Aに関するインピーダンス整合を整合器40Aに行わせるために、電源制御部36eから整合器40Aに制御信号が送出される。この制御信号を受けた整合器40Aのコントローラ40cは、上述したように、高周波電源36Aの負荷インピーダンスを整合ポイントに近づけるよう、アクチュエータ40d及び40eを制御する。

0093

段階S(i,j)における第1の副期間Ps1(j)は、高周波RFの設定及び/又は直流電圧DCの設定が変更される時点を含む期間であるので、給電ライン43における反射波が、第2の副期間Ps2(j)における反射波よりも大きくなり得る。したがって、高周波RFの反射波を減少させるためには、第1の副期間Ps1(j)と第2の副期間Ps2(j)それぞれの高周波電源36Aの負荷インピーダンスを個別に高周波電源36Aの出力インピーダンスに整合させる必要がある。図9に示したインピーダンス整合の方法MTIによれば、移動平均値Imp11によって推定される高周波電源36Aの負荷インピーダンスを高周波電源36Aの出力インピーダンスに近づけるよう、第1の副期間Ps1(j)における高周波RFの周波数が調整される。また、第2の副期間Ps2(j)における高周波RFの周波数は、移動平均値Imp12に基づき、同様に調整される。高周波電源36Aは、高速に高周波RFの周波数を変更することができるので、方法MTIによれば、負荷インピーダンスの変化に高速に追従してインピーダンス整合を行うことが可能となる。また、工程ST22によれば、第1の副期間Ps1(j)においてプラズマに結合される高周波RFのパワーが不足する場合には、高周波RFのパワーを補うことができる。

0094

以上、種々の実施形態について説明してきたが、上述した実施形態に限定されることなく種々の変形態様を構成可能である。例えば、高周波電源36及び高周波電源36Aは、上部電極46に高周波RFを供給するように構成されていてもよい。また、方法MTの実施に用いられるプラズマ処理装置は、容量結合型のプラズマ処理装置に限定されるものではない。方法MTの実施に用いられるプラズマ処理装置は、第1電極及び第2電極を有する任意のプラズマ処理装置、例えば、誘導結合型のプラズマ処理装置であってもよい。

0095

1…プラズマ処理装置、10…処理容器、16…サセプタ、18…静電チャック、36…高周波電源、40…整合器、43…給電ライン、46…上部電極、55…ガス供給系、66…排気装置、72…主制御部、74…直流電源、80…時間調整部、150A…演算部。

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