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技術 ポジショナ

出願人 アズビル株式会社
発明者 野見山隆
出願日 2016年3月23日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2016-058384
公開日 2017年9月28日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2017-174073
状態 特許登録済
技術分野 流量の制御 サーボモータ(I)
主要キーワード 変化率データ 変位量検出器 PID制御パラメータ 空気圧供給源 動作点近傍 バルブ制御システム 供給空気圧 出力空気圧
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図面 (15)

課題

調節弁のPSTを安全且つ効率的に行うことが可能なポジショナを提供する。

解決手段

本発明に係るポジショナ100は、入力された電気信号MVを空気信号Poに変換し、その空気信号によって操作器2を駆動することにより調節弁3の弁開度を制御する電空変換部11と、オープンループ制御によって電気信号を変化させることにより、空気信号の出力空気圧が変化し始めるときの調節弁の弁開度の目標値を示す動作点を探索する動作点探索部20と、動作点探索部によって探索された動作点を用いて調節弁のPSTを実行するPST処理部30と有し、動作点探索部は、出力空気圧が第1基準値と一致したときの電気信号の値に基づいて動作点を決定することを特徴とする。

概要

背景

プラント等において流量のプロセス制御に用いられる調節弁としては、制御対象流体の圧力が指示された目標値となるようにPID制御によって弁開度が制御される調節弁(所謂コントロール弁)の他に、異常発生時に、保安上緊急に全開または全閉する緊急弁が知られている(JIS B 0100:2013 参照)。

一般に、緊急弁は、通常の流量制御時には全開または全閉した状態に固定され、異常が発生した場合に、急速に全閉または全開する。すなわち、緊急時以外は作動しない。そのため、緊急弁が緊急時に正常に作動するか否かを確認するためのテストを定期的に実施する必要がある。

緊急弁のテストとしては、PST(Partial Stroke Test)が知られている(特許文献1参照)。PSTは、緊急弁を完全に作動(全閉または全開)させるのではなく、弁を少しだけ開けるまたは閉めるという部分的な動作により、緊急弁の固着による故障等の有無を診断する手法である。これによれば、プラント等をシャットダウンすることなく、緊急弁の診断を行うことが可能となる。

ところで、コントロール弁や緊急弁等の調節弁は、一般にポジショナによって弁開度が制御される。ポジショナは、上位装置から指示された弁開度の目標値と当該調節弁の弁開度の実測値(実開度)との偏差を算出し、その偏差に基づいて生成した制御信号をコントロール弁の開閉を操作するための操作器に供給することにより、調節弁の弁開度を制御する機器である。

コントロール弁用のポジショナは、フィードバック制御(PID制御)によってコントロール弁の弁開度が一定となるように制御する。これに対し、緊急弁用のポジショナは、緊急時の弁の開閉をオープンループ制御により行っている。例えば、緊急遮断弁用のポジショナの場合、オープンループ制御により、通常時に弁開度の目標値を100%に設定して全開とし、緊急時に弁開度の目標値を100%から0%に設定変更して急速に全閉させる。なお、PSTを行う場合には、緊急遮断弁用のポジショナであってもフィードバック制御(PID制御)によって弁開度が制御される。

ポジショナは、上位装置から指示された弁開度の設定値に基づく電気信号MVを空気信号(圧力Pn)に変換するノズルフラッパと、ノズルフラッパから出力された空気信号の圧力を増幅させた出力空気信号(出力空気圧Po)を生成するパイロットリレーとを含む電空変換部(I/P変換部)を備えている。その電空変換部のうち、パイロットリレーは、経年劣化温度変化による入出力特性(Pn−Po特性)の設計値からのずれは小さいが、ノズルフラッパは、経年劣化や周辺温度ノズル排気口等のゴミ詰り等による入出力特性(MV−Pn特性)の設計値からのずれは大きい。そのため、経年劣化等によって、電空変換部全体としての入出力特性(MV−Po特性)が大きく変化し、電空変換部から出力される空気信号の圧力(出力空気圧Po)が最大値(または最小値)から変化し始めるときの電空変換部への入力値(電気信号MV)が大きく変化してしまう。

以下、電空変換部の出力空気圧Poが最大または最小の状態から変化し始めるときの電空変換部の入力値(電気信号MV)を「動作点」と称する。

コントロール弁の場合、上述したように、ポジショナがPID制御によって弁開度の実測値が目標値と一致するように制御するので、上述した動作点の変動は問題とならない。 一方、緊急弁の場合、ポジショナがオープンループ制御によって弁開度を制御するため、動作点が変動すると、通常時に緊急弁が誤作動してしまうおそれがある。そのため、緊急弁は、動作点が変動した場合でも誤作動しないように十分なマージンを考慮して設計されている。例えば、緊急遮断弁の場合、図13に示すように、電空変換部への入力(電気信号MV)が100%でなくても、電空変換部への入力が60%以上であれば、出力空気圧が最大(実開度100%)となるように設計されている。

概要

調節弁のPSTを安全且つ効率的に行うことが可能なポジショナを提供する。本発明に係るポジショナ100は、入力された電気信号MVを空気信号Poに変換し、その空気信号によって操作器2を駆動することにより調節弁3の弁開度を制御する電空変換部11と、オープンループ制御によって電気信号を変化させることにより、空気信号の出力空気圧が変化し始めるときの調節弁の弁開度の目標値を示す動作点を探索する動作点探索部20と、動作点探索部によって探索された動作点を用いて調節弁のPSTを実行するPST処理部30と有し、動作点探索部は、出力空気圧が第1基準値と一致したときの電気信号の値に基づいて動作点を決定することを特徴とする。

目的

本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、調節弁のPSTを安全且つ効率的に行うことが可能なポジショナを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

入力された電気信号を空気信号に変換し、その空気信号によって操作器を駆動することにより調節弁弁開度を制御する電空変換部と、オープンループ制御によって前記電気信号を変化させることにより、前記空気信号の出力空気圧が最大または最小の状態から変化し始めるときの前記電空変換部の入力値を示す動作点を探索する動作点探索部と、前記動作点探索部によって探索された前記動作点を用いて前記調節弁のPSTを実行するPST処理部と、を有し、前記動作点探索部は、前記出力空気圧が第1基準値と一致したときの前記電気信号の値に基づいて前記動作点を決定するポジショナ

請求項2

請求項1に記載のポジショナにおいて、前記動作点探索部は、前記電気信号を一定の変化率で変化させることを特徴とするポジショナ。

請求項3

請求項1に記載のポジショナにおいて、前記動作点探索部は、前記電気信号の変化率を徐々に減少させることを特徴とするポジショナ。

請求項4

請求項1に記載のポジショナにおいて、前記電空変換部はノズルフラッパを含み、前記動作点探索部は、第1変化率で前記電気信号を変化させ、前記ノズルフラッパのノズル背圧が第2基準値と一致したら、前記第1変化率よりも小さい第2変化率で前記電気信号を変化させることを特徴とするポジショナ。

請求項5

請求項2または3に記載のポジショナにおいて、前記出力空気圧を検知する第1圧力センサを更に有し、前記動作点探索部は、前記電気信号を生成する電気信号生成部と、前記出力空気圧が前記第1基準値に一致するか否かを判定する第1判定部と、前記第1判定部によって前記出力空気圧が前記第1基準値に一致したと判定されたとき、そのときの前記電気信号の値に基づいて前記動作点を決定する動作点決定部と、含むことを特徴とするポジショナ。

請求項6

請求項4に記載のポジショナにおいて、前記出力空気圧を検知する第1圧力センサと、前記ノズル背圧を検知する第2圧力センサと、を更に有し、前記動作点探索部は、前記電気信号を生成する電気信号生成部と、前記第1圧力センサによって検知された前記出力空気圧が前記第1基準値に一致するか否かを判定する第1判定部と、前記第2圧力センサによって検知された前記ノズル背圧が前記第2基準値に一致するか否かを判定する第2判定部と、前記第1判定部によって前記出力空気圧が前記第1基準値に一致したと判定されたとき、そのときの前記電気信号の値に基づいて前記動作点を決定する動作点決定部と、含み、前記電気信号生成部は、前記第1変化率で前記電気信号を変化させているときに前記第2判定部によって前記ノズル背圧が前記第2基準値に一致したと判定されたら、前記第2変化率で前記電気信号を変化させることを特徴とするポジショナ。

請求項7

請求項5または6に記載のポジショナにおいて、前記電空変換部は、複動用の前記操作器を駆動するための一対の空気信号を生成し、前記第1圧力センサは、前記一対の空気信号の空気圧を夫々検知し、前記動作点探索部は、前記第1圧力センサによって検知された一対の前記空気圧の差圧を算出する差圧算出部と、を更に含み、前記第1判定部は、前記差圧算出部によって算出された前記差圧を前記出力空気圧として入力することを特徴とするポジショナ。

技術分野

0001

本発明は、調節弁弁開度を制御するポジショナに関し、例えば、異常発生時に、保安上緊急に全開または全閉する緊急弁用のポジショナに関する。

背景技術

0002

プラント等において流量のプロセス制御に用いられる調節弁としては、制御対象流体の圧力が指示された目標値となるようにPID制御によって弁開度が制御される調節弁(所謂コントロール弁)の他に、異常発生時に、保安上緊急に全開または全閉する緊急弁が知られている(JIS B 0100:2013 参照)。

0003

一般に、緊急弁は、通常の流量制御時には全開または全閉した状態に固定され、異常が発生した場合に、急速に全閉または全開する。すなわち、緊急時以外は作動しない。そのため、緊急弁が緊急時に正常に作動するか否かを確認するためのテストを定期的に実施する必要がある。

0004

緊急弁のテストとしては、PST(Partial Stroke Test)が知られている(特許文献1参照)。PSTは、緊急弁を完全に作動(全閉または全開)させるのではなく、弁を少しだけ開けるまたは閉めるという部分的な動作により、緊急弁の固着による故障等の有無を診断する手法である。これによれば、プラント等をシャットダウンすることなく、緊急弁の診断を行うことが可能となる。

0005

ところで、コントロール弁や緊急弁等の調節弁は、一般にポジショナによって弁開度が制御される。ポジショナは、上位装置から指示された弁開度の目標値と当該調節弁の弁開度の実測値(実開度)との偏差を算出し、その偏差に基づいて生成した制御信号をコントロール弁の開閉を操作するための操作器に供給することにより、調節弁の弁開度を制御する機器である。

0006

コントロール弁用のポジショナは、フィードバック制御(PID制御)によってコントロール弁の弁開度が一定となるように制御する。これに対し、緊急弁用のポジショナは、緊急時の弁の開閉をオープンループ制御により行っている。例えば、緊急遮断弁用のポジショナの場合、オープンループ制御により、通常時に弁開度の目標値を100%に設定して全開とし、緊急時に弁開度の目標値を100%から0%に設定変更して急速に全閉させる。なお、PSTを行う場合には、緊急遮断弁用のポジショナであってもフィードバック制御(PID制御)によって弁開度が制御される。

0007

ポジショナは、上位装置から指示された弁開度の設定値に基づく電気信号MVを空気信号(圧力Pn)に変換するノズルフラッパと、ノズルフラッパから出力された空気信号の圧力を増幅させた出力空気信号(出力空気圧Po)を生成するパイロットリレーとを含む電空変換部(I/P変換部)を備えている。その電空変換部のうち、パイロットリレーは、経年劣化温度変化による入出力特性(Pn−Po特性)の設計値からのずれは小さいが、ノズルフラッパは、経年劣化や周辺温度ノズル排気口等のゴミ詰り等による入出力特性(MV−Pn特性)の設計値からのずれは大きい。そのため、経年劣化等によって、電空変換部全体としての入出力特性(MV−Po特性)が大きく変化し、電空変換部から出力される空気信号の圧力(出力空気圧Po)が最大値(または最小値)から変化し始めるときの電空変換部への入力値(電気信号MV)が大きく変化してしまう。

0008

以下、電空変換部の出力空気圧Poが最大または最小の状態から変化し始めるときの電空変換部の入力値(電気信号MV)を「動作点」と称する。

0009

コントロール弁の場合、上述したように、ポジショナがPID制御によって弁開度の実測値が目標値と一致するように制御するので、上述した動作点の変動は問題とならない。 一方、緊急弁の場合、ポジショナがオープンループ制御によって弁開度を制御するため、動作点が変動すると、通常時に緊急弁が誤作動してしまうおそれがある。そのため、緊急弁は、動作点が変動した場合でも誤作動しないように十分なマージンを考慮して設計されている。例えば、緊急遮断弁の場合、図13に示すように、電空変換部への入力(電気信号MV)が100%でなくても、電空変換部への入力が60%以上であれば、出力空気圧が最大(実開度100%)となるように設計されている。

先行技術

0010

国際公開第2015/171843 A2号

発明が解決しようとする課題

0011

しかしながら、緊急弁における動作点の変動は、上記のようなマージンを考慮した設計を行った場合であっても、PSTを行う際に問題となることが本願発明者による検討によって明らかとなった。以下、詳細に説明する。

0012

例えば、図13に示すような入出力特性を有するポジショナを用いて緊急遮断弁のPSTを行い、緊急遮断弁の実開度90%まで低下させる場合を考える。

0013

例えば、PST実行時の電空変換部への入力(電気信号MV)の初期値を動作点の設計値(電空変換部への入力が60%)に設定した場合、動作点が設計値から変化していなければ、図13に示すように、緊急遮断弁の出力空気圧Poが最大値よりも若干低下し、緊急遮断弁の実開度が100%よりも若干低下する。これに対し、PST実行時の動作点が設計値よりも高くなっていたとすると、図14に示すように、緊急遮断弁の出力空気圧Poが最大値(実開度100%)から最低値(実開度0%)まで急激に変化してしまうため、非常に危険である。

0014

一方、動作点が変化していることを考慮して、電空変換部への入力(電気信号MV)の初期値を100%、つまり確実に出力空気圧Poが最大値(もしくは最小値)から始まるようにしてPSTを開始すると、フィードバック制御(PID制御)の積分値が動作点に到達するまでに非常に時間がかかる可能性があり、実用的ではない。これは、PSTのランプ動作に最適なPID制御パラメータは、常に積分値が動作点近傍の値になっている状態を前提とするものであり、オープンループ制御から未知の動作点まで到達することには適さないからである。また、この両方を同時に満足するPIDチューニングは、一般的に極めて困難である。

0015

以上のように、緊急弁では、動作点の設計値からのずれ量が不明であるために、PSTを安全且つ効率的に行うことができないという課題があることを本願発明者は見出した。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、調節弁のPSTを安全且つ効率的に行うことが可能なポジショナを提供することにある。

課題を解決するための手段

0016

本発明に係るポジショナ(100,100A,100B)は、入力された電気信号(MV)を空気信号(Po,Po1,Po2)に変換し、その空気信号によって操作器(2,2B)を駆動することにより調節弁(3)の弁開度を制御する電空変換部(11)と、オープンループ制御によって電気信号を変化させることにより、空気信号の出力空気圧が変化し始めるときの電空変換部の入力値(電気信号MV)を示す動作点を探索する動作点探索部(20)と、動作点探索部によって探索された動作点を用いて調節弁のPSTを実行するPST処理部(30)と有し、動作点探索部は、出力空気圧が第1基準値(Po_th,d_th)と一致したときの電気信号の値に基づいて動作点を決定することを特徴とする。

0017

上記ポジショナにおいて、動作点探索部は、電気信号を一定の変化率で変化させてもよい。

0018

上記ポジショナにおいて、動作点探索部は、電気信号の変化率を徐々に減少させてもよい。

0019

上記ポジショナにおいて、電空変換部はノズルフラッパ(12)を含み、動作点探索部は、第1変化率で電気信号を変化させ、ノズルフラッパのノズル背圧(Pn)が第2基準値と一致したら、第1変化率よりも小さい第2変化率で電気信号を変化させてもよい。

0020

上記ポジショナにおいて、出力空気圧を検知する第1圧力センサ(15,15_1,15_2)を更に有し、動作点探索部は、電気信号を生成する電気信号生成部(21)と、出力空気圧が第1基準値(Po_th,d_th)に一致するか否かを判定する第1判定部(23)と、第1判定部によって出力空気圧が第1基準値に一致したと判定されたとき、そのときの電気信号の値に基づいて動作点を決定する動作点決定部(22)と含んでもよい。

0021

上記ポジショナにおいて、出力空気圧を検知する第1圧力センサ(15,15_1,15_2)と、ノズル背圧を検知する第2圧力センサ(14)とを更に有し、動作点探索部は、電気信号を生成する電気信号生成部(21)と、第1圧力センサによって検知された出力空気圧が第1基準値(Po_th,d_th)に一致するか否かを判定する第1判定部(23)と、第2圧力センサによって検知されたノズル背圧が第2基準値(Pn_th,r_th)に一致するか否かを判定する第2判定部(24)と、第1判定部によって出力空気圧が第1基準値に一致したと判定されたとき、そのときの電気信号の値に基づいて動作点を決定する動作点決定部(22)と含み、電気信号生成部は、第1変化率で電気信号を変化させているときに第2判定部によってノズル背圧が第2基準値に一致したと判定されたら、第2変化率で電気信号を変化させてもよい。

0022

上記ポジショナにおいて、電空変換部は、複動用の操作器(2B)を駆動するための一対の空気信号(So1,So2)を生成し、第1圧力センサは、一対の空気信号の空気圧(Po1,Po2)を夫々検知し、動作点探索部は、第1圧力センサによって検知された一対の空気圧の差圧を算出する差圧算出部(25)を更に含み、第1判定部は、差圧算出部によって算出された差圧を出力空気圧(Po)として入力してもよい。

0023

なお、上記説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号括弧を付して記載している。

発明の効果

0024

以上説明したことにより、本発明によれば、調節弁のPSTを安全且つ効率的に行うことが可能なポジショナを提供することができる。

図面の簡単な説明

0025

図1は、実施の形態1に係るポジショナを含むバルブ制御システムの構成を示す図である。
図2は、実施の形態1に係るポジショナのデータ処理制御部の構成を示す図である。
図3は、実施の形態1に係るポジショナによる動作点探索処理の一例を示す図である。
図4は、実施の形態1に係るポジショナによるPST処理の流れを示すフロー図である。
図5は、実施の形態1に係るポジショナによる動作点探索処理(ステップS1)の流れを示すフロー図である。
図6は、実施の形態1に係るポジショナによる動作点探索処理の別の一例を示す図である。
図7は、実施の形態1に係るポジショナによる動作点探索処理(ステップS1)の別の一例の流れを示すフロー図である。
図8は、実施の形態2に係るポジショナのデータ処理制御部の構成を示す図である。
図9は、実施の形態2に係るポジショナによる動作点探索処理の一例を示す図である。
図10は、実施の形態2に係るポジショナによる動作点探索処理(ステップS1)の流れを示すフロー図である。
図11は、実施の形態3に係るポジショナを含むバルブ制御システムの構成を示す図である。
図12は、実施の形態3に係るポジショナのデータ処理制御部の構成を示す図である。
図13は、従来のポジショナにおける電空変換部の入出力特性(MV−Po特性)の一例を示す図である。
図14は、従来のポジショナにおける電空変換部の入出力特性(MV−Po特性)が設計値からずれている場合の一例を示す図である。

実施例

0026

以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。

0027

≪実施の形態1≫
図1は、本発明の一実施の形態に係るポジショナを含むバルブ制御システムの構成を示す図である。
図1に示されるバルブ制御システム100は、調節弁3、操作器2、上位システム4、およびポジショナ1を備えており、例えば、プラント等の流量制御プロセスに用いられる。

0028

調節弁(バルブ)3は、一方の流路から他方の流路への流体の流れを制御する装置であり、例えば空気圧式調節弁である。本実施の形態では、調節弁3が緊急遮断弁である場合を一例として説明する。

0029

操作器2は、例えば空気式バルブアクチュエータであり、後述するポジショナ1から供給される出力空気信号Soに応じて調節弁3の弁軸を操作することにより、調節弁3の開閉動作を制御する。本実施の形態では、操作器2が、入力された出力空気信号Soの圧力に応じて調節弁3の弁軸の操作量が決定される構造を備えた単動式の操作器であるものとして説明する。

0030

上位システム4は、ポジショナ1を含むバルブ制御システムの統括的な管理を行う上位側のシステムであり、例えば分散制御システム(distributed control system:DCS)である。例えば、上位システム4は、定期的またはユーザの操作に応じて、PSTを含む各種のテストの実行をポジショナ1に対して指示する。

0031

コントローラ6は、上位システム4からの指示等に応じて、ポジショナ1に対して調節弁3の開閉を指示する機器である。具体的に、コントローラ6は、例えばバルブ制御システムの通常動作時において、調節弁3が全開となるように調節弁3の弁開度の設定値SP(例えばSP=100%)をポジショナ1に対して与え、何等かの異常が発生した場合に、調節弁3が全閉となるように、調節弁3の弁開度の設定値SP(例えばSP=0%)をポジショナ1に対して与える。

0032

ポジショナ1は、コントローラ6から与えられた調節弁3の弁開度の設定値SP、および上位システム4からのテスト(PST)の実行の指示に基づいて、調節弁3の開閉を制御する。

0033

以下、ポジショナ1の具体的な構成について説明する。なお、本実施の形態では、ポジショナ1におけるPSTの実行を実現するための機能部について説明し、それ以外の機能を実現するための機能部については説明を省略する。

0034

図1に示すように、ポジショナ1は、弁開度検出部17、データ処理制御部10、電空変換部11、複数の圧力センサ14〜16、および表示部18等の機能部を備えている。これらの機能部は、例えば調節弁3の制御対象の流体に対する耐食性を有する金属材料から成る筐体内部に収容されている。

0035

弁開度検出部17は、調節弁3の弁開度を弁軸の変位量として検出し、その変位量に応じた検出信号SENを生成する変位量検出器である。弁開度検出部17としては、角度センサ磁気センサ等を例示することができる。

0036

データ処理制御部10は、ポジショナ1の統括的な制御を行うとともに、調節弁3の操作量を指示する電気信号MVを生成する電子回路である。具体的に、データ処理制御部10は、バルブ流量制御システムの通常動作時および緊急遮断時に、コントローラ6から与えられた弁開度の目標値SPに基づいて、調節弁3を操作するための電気信号MVを生成するとともに、上位システム4からのPSTの実行の指示に応じて、PSTに関する各種データ処理を行い、そのデータ処理の結果に基づいて電気信号MVを生成する。データ処理制御部10の具体的な構成については後述する。

0037

電空変換部11は、データ処理制御部10によって生成された電気信号MVを、空気信号に変換する空気回路である。例えば、電空変換部11は、ノズルフラッパ12と空気圧増幅部13とから構成されている。

0038

ノズルフラッパ12は、ポジショナ1の外部に設けられた減圧弁等の空気圧供給源(図示せず)からポジショナ1に供給された空気(エアー)5の圧力(以下、「供給空気圧」と称する。)Psを電気信号MVに応じて変化させることにより、電気信号MVに応じた圧力の空気信号Scを生成する。

0039

例えば、ノズルフラッパ12は、一端に固定絞りを介して供給空気圧Psの空気5が供給され、他端から空気圧力信号Scを出力するノズルと、電気信号MVに応じて磁界を変化させるコイルと、当該コイルによる磁界の変化に応じて揺動することにより、上記ノズルから出力される空気信号Scの圧力を変化させるフラッパ鉄片)とから構成されている。以下、空気信号Scの圧力Pnを「ノズル背圧Pn」と称する。

0040

空気圧増幅部13は、電空変換部12によって生成された空気信号Scを増幅することにより、操作器2Bを駆動するための出力空気信号Soを生成する機能部である。例えば、空気圧増幅部13は、よく知られた単動型のパイロットリレー、または単動と複動の切替機能を有するパイロットリレーであり、供給空気圧Psの空気5を、ノズルフラッパ12から出力された空気信号Scの圧力Pnに応じて調圧することにより、出力空気信号Soを夫々生成する。

0041

圧力センサ14〜16は、ポジショナ1における各種の空気圧力を計測するための部品である。具体的に、圧力センサ14は空気信号Scのノズル背圧Pnを検出し、圧力センサ15は出力空気信号Soの出力空気圧Poを検出し、圧力センサ14はエアー5の供給空気圧Psを検出する。

0042

表示部18は、例えばデータ処理制御部10によって制御され、各種の情報を表示するための機能部である。表示部18としては、例えば液晶ディスプレイ等を例示することができる。表示部18が、例えばPSTの実行結果等を表示することにより、ユーザに対して必要な情報を提示することができる。

0043

次に、データ処理制御部10の具体的な構成について説明する。
図2は、実施の形態1に係るポジショナのデータ処理制御部10の構成を示す図である。

0044

データ処理制御部10は、CPUとRAMおよびROM等の各種メモリとを搭載したマイクロコントローラ(MCU)等のプログラム処理装置と、外部に対する信号の入力および出力を実現するための各種インターフェース回路と、外部から入力される各種のアナログ信号ディジタル信号に変換して上記プログラム処理装置に入力するためのA/D変換回路と、上記プログラム処理装置によるデータ処理結果に基づくディジタル信号を4〜20mAのアナログ信号に変換するためのD/A変換回路等を含む電子回路(ハードウェア資源)によって実現されている。

0045

具体的に、データ処理制御部10は、図2に示すように、PST実行部30と、動作点探索部20と、記憶部40とを備えている。ここで、上述のPST実行部30、動作点探索部20、および記憶部40は、上述したハードウェア資源と、当該ハードウェア資源と協働して各種機能を実現させるプログラムソフトウェア)とによって実現されている。

0046

なお、図2には、データ処理制御部10を構成する各種機能部のうち、上述したPSTを実現するための機能部のみが図示され、その他の機能を実現するための機能部については図示を省略している。また、図2では、データ処理制御部10から出力される電気信号MVとして、PST処理部30から出力される電気信号を“MV_PSTと表記し、動作点探索部20から出力される電気信号を“MV_OPと表記している。

0047

PST処理部30は、PSTを実行するための機能部である。PST処理部30は、後述する動作点探索部20によって探索された動作点を用いて、後述する記憶部40に記憶されたPST条件400に従って調節弁3を操作することにより、PSTを実行する。なお、以下の説明では、PST処理部30は、コントローラ6から与えられる弁開度の目標値SPではなく、記憶部40に記憶されたPST条件400に基づいて、自ら弁開度の目標値SPを変化させてPSTを実行するものとして説明する。

0048

PSTは、例えば、調節弁3が全開の状態、すなわち調節弁3の実開度が100%の状態から、調節弁3の実開度が90%になるまで徐々に弁を閉じ、その後、弁を徐々に開けることにより、実開度を再び100%の状態まで遷移させることによって行われる。このとき、PST処理部30は、PID制御(フィードバック制御)によって調節弁3を操作する。具体的には、PST処理部30は、後述する動作点探索部20によって動作点が決定された後、その動作点を初期値として弁開度の目標値SPを変化させるとともに、弁開度検出部17による検出結果SENに基づいて調節弁3の弁開度の実測値PVを算出し、その実測値PVが弁開度の目標値SPと一致するように電気信号MVを生成して、PSTを実行する。

0049

記憶部40は、PSTを実行するためのプログラムや各種パラメータ等を記憶するための機能部である。例えば、記憶部40には、上述したPST処理部30がPSTを実行するときに利用する、PSTの処理手順やPST実行時の弁開度の変化率等の情報を含むPST条件データ400の他に、後述する動作点探索部20による動作点探索処理で利用されるMV変化率データ401およびPo基準値データ402や、動作点探索部20によって決定された動作点の情報を含む動作点データ403等が記憶される。

0050

ここで、MV変化率データ401は、後述の動作点探索部20が動作点を探索するために電気信号MVを変化させるときの、電気信号MVの変化率の情報(例えば、後述する単位ステップρ1,関数ρ(t)等)を含む。また、Po基準値データ402は、動作点探索部20が動作点を決定する際に基準となる出力空気圧Poの値(後述する基準値Po_th,閾値d_th等)の情報を含む。

0051

動作点探索部20は、上位システム4からのPSTの実行の指示に応じて、調節弁3の動作点を決定するための動作点探索処理を行う機能部である。動作点探索部20は、上位システム4からPSTの実行の指示を受けると、電気信号MV_OPを生成し、電空変換部11に入力することにより、動作点を探索する。具体的に、動作点探索部20は、オープンループ制御によって電気信号MVを変化させることにより、電空変換部11から出力される空気圧信号Soの出力空気圧Poを変化させ、出力空気圧Poが所定の基準値と一致したときの電気信号MVの値を動作点とする。すなわち、動作点探索部20は、PST処理部30のように、弁開度検出部17の検出結果SENに基づいて算出した調節弁3の弁開度の実測値(実開度)PVが、コントローラ6から与えられた弁開度の目標値SPと一致するように電気信号MVを生成するフィードバック制御は行わない。

0052

図3は、実施の形態1に係るポジショナによる動作点探索処理の一例を示す図である。
例えば、図3に示されるように、動作点探索処理部20は、上位システム4からPSTの実行の指示を受けると、出力空気信号Soの出力空気圧Poが所定の基準値と一致するまで、電空変換部11に入力する電気信号MV_OPを一定の変化率(傾き)で低下させる。そして、出力空気信号Soの出力空気圧Poが所定の基準値と一致したときの電気信号MV_OPを動作点とし、動作点データ403を記憶部40に記憶する。

0053

図2に示されるように、動作点探索部20は、上述の動作点探索処理を実現するための機能部として、電気信号生成部21、動作点決定部22、および出力空気圧判定部23を含む。

0054

電気信号生成部21は、例えば上位システム4からPSTの実行指示が入力された場合に、電気信号MV_OPを生成する。具体的に、電気信号生成部21は、PSTの実行指示が入力されると、電気信号MVを生成するとともに、記憶部40に記憶されたMV変化率データ401に従って所定の変化率で電気信号MVの大きさを変化させる。

0055

出力空気圧判定部23は、圧力センサ15によって検知された出力空気圧Poが所定の基準値に一致するか否かを判定する機能部である。出力空気圧判定部23による判定手法は特に限定さないが、下記に示す手法を例示することができる。

0056

例えば、出力空気圧判定部23は、上位システム4からPSTの実行指示が入力されると、圧力センサ15よって検知された出力空気圧Poを監視し、出力空気圧PoがPo基準値データ402に基づく基準値Po_thと一致した場合に、一致したことを示す信号を出力してもよい。あるいは、出力空気圧判定部23は、上位システム4からPSTの実行指示が入力されると、その時の出力空気圧Poを初期値Po(0)として記憶するとともに、初期値Po(0)に対する出力空気圧Poの変化量dがPo基準値データ402に基づく閾値d_thを超えたことを検出したら、そのことを示す信号を出力してもよい。

0057

なお、本実施の形態では、一例として、出力空気圧判定部23が、後者の判定方法によって、出力空気圧Poが所定の基準値に一致したか否かを判定するものして説明する。

0058

動作点決定部22は、出力空気圧判定部23によって出力空気圧Poが所定の基準値に一致したと判定されたとき、そのときの電気信号MV_OPの値を動作点とし、その動作点の情報を動作点データ403として記憶部40に記憶する。なお、動作点データ403として記憶部40に記憶される情報は、電気信号MV_OPの値であってもよいし、その電信号MV_OPに対応する弁開度の目標値SPであってもよい。

0059

次に、実施の形態1に係るポジショナ1によるPST処理の流れについて説明する。
図4は、実施の形態1に係るポジショナ1によるPST処理の流れを示すフロー図である。

0060

先ず、ポジショナ1は、例えば上位システム4からPSTの実行指示が入力されると、動作点探索処理を実行し、動作点を決定する(S1)。

0061

次に、ステップS1において動作点が決定したら、ポジショナ1は、その動作点を用いてPSTを実行する(S2)。具体的には、上述したように、ポジショナ1のPST処理部30が、ステップS1において決定した動作点を初期値として弁開度の目標値SPを変化させるとともに、弁開度検出部17による検出結果SENに基づいて調節弁3の弁開度の実測値PVを算出し、その実測値PVが弁開度の目標値SPと一致するように電気信号MVを生成して、PSTを実行する。
以上の処理手順により、調節弁3のテストとしてのPSTが実行される。

0062

次に、動作点探索処理(ステップS1)の流れについて説明する。ここでは、図3に示したように電気信号MV_OPを一定の変化率で低下させて動作点を探索する場合を例にとり説明する。

0063

図5は、実施の形態1に係るポジショナによる動作点探索処理(ステップS1)の流れを示すフロー図である。
ポジショナ1が上位システム4からPSTの実行指示を受け取ると、先ず、ポジショナ1における出力空気圧判定部23が、そのときの出力空気圧Poの値を出力空気圧の初期値Po(0)として、記憶部40に記憶する(S11)。

0064

次に、電気信号生成部21が、電気信号MV_OPを生成する(S12)。具体的には、電気信号生成部21は、直前の電気信号MV_OPの値(MV_OP(t−1))から単位ステップρだけ減算した値を電気信号MV_OP(t)として電空変換部11に与える。

0065

次に、出力空気圧判定部23が出力空気圧Poの変化量d(t)を算出する(S13)。具体的には、ステップS11において記憶部40に記憶した初期値Po(0)の値から、そのときの出力空気圧Poの値Po(t)を減算することによって、出力空気圧Poの変化量d(t)を算出する。

0066

次に、出力空気圧判定部23が、ステップS13で算出した出力空気圧Poの変化量d(t)が閾値d_thを超えているか否かを判定する(S14)。ステップS14において、出力空気圧Poの変化量d(t)が閾値d_thを超えていない場合には、ステップS12に戻り、出力空気圧Poの変化量d(t)が閾値d_thを超えるまで、ステップS12〜S14の処理が繰り返し実行される。

0067

ステップS14において、出力空気圧Poの変化量d(t)が閾値d_thを超えている場合には、出力空気圧判定部23がそのことを示す信号を出力し、当該信号を受けた動作点決定部22が、そのときの電気信号MV_OP(t)を動作点として決定する(S15)。このとき、動作点決定部22は、上述したように、決定した動作点の情報を動作点データ403として記憶部40に記憶する。以上の処理により、ポジショナ1の動作点を探索することができる。

0068

以上、実施の形態1に係るポジショナ1によれば、緊急弁等の調節弁のPSTを実行する前に、ポジショナ1の動作点を知ることができるので、PSTを実行する際に、探索した動作点を弁開度の初期値として設定すれば、経年劣化等によって動作点が設計値からずれている場合であっても、初期値を設定したことによって緊急遮断弁の出力空気圧Poが最大値(実開度100%)から最低値(実開度0%)まで急激に変化することを防ぐことができる。

0069

また、ポジショナ1によれば、オープンループ制御によって電気信号MV(弁開度の目標値)を所定の変化率で変化させ、出力空気圧Poが所定の基準値に達したときの電気信号MVの値に基づいて動作点を決定するので、従来のようにフィードバック制御によって弁開度の目標値を100%から徐々に低下させてPSTを実行する場合に比べて、PSTに要する時間をより短くすることができる。

0070

したがって、実施の形態1に係るポジショナ1によれば、PSTを安全且つ効率的に行うことが可能となる。

0071

なお、実施の形態1では、電気信号MV_OPを一定の変化率(傾き)で変化させて動作点を探索する場合を例示したが(図3参照)、これに限られず、図6に示すように、電気信号MV_OPの変化率が徐々に減少するように、電気信号MV_OPを変化させて動作点を探索してもよい。この場合の処理フローは、図7に示すように、上述した電気信号MV_OPを一定の変化率で変化させる場合の処理フロー(図5)と全体的な流れは同様であり、電気信号MV_OPの生成ステップ(S12)のみが相違する。具体的には、図7のステップS12aに示すように、電気信号生成部21は、直前の電気信号MV_OPの値(MV_OP(t−1))から関数ρ(t)を減算した値を電気信号MV_OP(t)として電空変換部11に与える。ここで、関数ρ(t)のパラメータは、MV変化率データ401として記憶部40に記憶された情報であり、電気信号MV_OPについて所望の変化率が得られるように任意に設定すればよい。

0072

≪実施の形態2≫
図8は、実施の形態2に係るポジショナのデータ処理制御部の構成を示す図である。
実施の形態2に係るポジショナのデータ処理制御部10Aは、動作点を探索する際、電空変換部11に入力する電気信号MV_OPの変化率を複数段階に分ける点において、実施の形態1に係るポジショナのデータ処理制御部10と相違し、その他の点は実施の形態1に係るポジショナと同様である。
なお、図8には、実施の形態2に係るポジショナ1Aのうち、実施の形態1に係るポジショナ1と相違するデータ処理制御部10Aの構成のみが図示され、その他の実施の形態1に係るポジショナ1と共通する機能部については図示を省略している。

0073

図9は、実施の形態2に係るポジショナによる動作点探索処理の一例を示す図である。
例えば、図9に示されるように、実施の形態2に係るポジショナのデータ処理制御部10Aは、先ず、電空変換部11に入力する電気信号MV_OPを第1変化率A1で変化させ、ノズル背圧Pnが所定の基準値と一致したら、出力空気圧Poが所定の基準値と一致するまで、電気信号MV_OPを第1変化率A1よりも小さい第2変化率A2で変化させる。そして、出力空気圧Poが所定の基準値と一致したときの電気信号MV_OPを動作点と決定し、動作点データ403として記憶部40に記憶する。

0074

具体的に、データ処理制御部10Aは、図8に示すように、動作点探索部20Aとして、電気信号生成部21A、動作点決定部22、出力空気圧判定部23、およびノズル背圧判定部24を備える。なお、データ処理制御部10Aにおいて、実施の形態1に係るポジショナのデータ処理制御部10と同様の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。

0075

ノズル背圧判定部24は、圧力センサ14によって検知されたノズル背圧Pnが所定の基準値に一致するか否かを判定する機能部である。ノズル背圧判定部24による判定手法は特に限定さないが、下記に示す手法を例示することができる。

0076

例えば、ノズル背圧判定部24は、上位システム4からPSTの実行指示が入力されると、圧力センサ14によって検知されたノズル背圧Pnを監視し、ノズル背圧PnがPn基準値データ404に基づく基準値Pn_thと一致した場合に、一致したことを示す信号を出力してもよい。

0077

あるいは、ノズル背圧判定部24は、例えば、上位システム4からPSTの実行指示が入力されると、圧力センサ14によって検知されたノズル背圧Pnと圧力センサ16によって検知された供給空気圧Psとを監視し、供給空気圧Psに対するノズル背圧Pnの変化量r(=Pn/Ps)を算出する。そして、ノズル背圧Pnの変化量rが記憶部40に記憶されたPn基準値データ404に基づく閾値r_thを超えたことを検出したら、そのことを示す信号を出力してもよい。

0078

ここで、Pn基準値データ404は、動作点探索部20Aが動作点を決定する際に基準となるノズル背圧Pnの値(後述する基準値Pn_th,閾値r_th等)の情報を含み、Po基準値データ402と同様に、記憶部40に記憶されている。

0079

なお、本実施の形態では、一例として、ノズル背圧判定部24が、上述した後者の判定方法によって、ノズル背圧Pnが所定の基準値に一致するか否かを判定するものして説明する。

0080

電気信号生成部21Aは、例えば上位システム4からPSTの実行指示が入力された場合に、電気信号MV_OPを生成する。具体的に、電気信号生成部21Aは、PSTの実行指示が入力されると、電気信号MVを生成するとともに、記憶部40に記憶された第1MV変化率データ401_1に従って第1変化率で電気信号MVの大きさを変化させる。その後、ノズル背圧判定部24によってノズル背圧Pnが所定の基準値に一致したことが検出されたら、記憶部40に記憶された第2MV変化率データ401_2に従って第2変化率で電気信号MVの大きさを変化させる。

0081

ここで、第1MV変化率データ401_1および第2MV変化率データ401_2は、前述のMV変化率データ401と同様に、動作点探索処理において電気信号MV_OPを変化させるときの、電気信号MV_OPの変化率を示す情報(例えば、後述する単位ステップρ1,ρ2)を夫々含む。ここで、第2MV変化率データ401_2に基づく電気信号MV_OPの第2変化率A2は、第1MV変化率データ401_1に基づく電気信号MV_OPの第1変化率A1よりも小さい(A2<A1)。

0082

次に、ステップS1の動作点探索処理の流れについて説明する。ここでは、図9に示したように電気信号MV_OPを2段階に分けて変化させて動作点を探索する場合を例にとり説明する。

0083

図10は、実施の形態2に係るポジショナによる動作点探索処理の流れを示すフロー図である。
ポジショナがPSTの実行指示を受け取ると、先ず、出力空気圧判定部23が、そのときの出力空気圧Poの値を出力空気圧の初期値Po(0)として、記憶部40に記憶する(S21)。

0084

次に、電気信号生成部21Aが電気信号MV_OPを生成する(S22)。このとき、電気信号生成部21Aは、オープンループ制御によって電気信号MV_OPを生成する。具体的には、図9に示すように、電気信号生成部21Aは、記憶部40から第1MV変化率データ401_1を読み出し、第1MV変化率データ401_1に従ってオープンループ制御によって電気信号MV_OPを生成する。例えば、電気信号生成部21Aは、直前の電気信号MV_OPの値(MV_OP(t−1))から、第1MV変化率データ401_1に基づく単位ステップρ1だけ減算した値を電気信号MV_OP(t)として電空変換部11に与える。

0085

次に、出力空気圧判定部23が出力空気圧Poの変化量d(t)を算出する(S23)。具体的には、ステップS21において記憶部40に記憶した初期値Po(0)の値から、そのときの出力空気圧Poの値Po(t)を減算することによって、出力空気圧Poの変化量d(t)を算出する。

0086

次に、出力空気圧判定部23が、ステップS23で算出した出力空気圧Poの変化量d(t)が、記憶部40に記憶されたPo基準値データ402に基づく閾値d_thを超えているか否かを判定する(S24)。ステップS24において、出力空気圧Poの変化量d(t)が閾値d_thを超えている場合には、出力空気圧判定部23がそのことを示す信号を出力し、当該信号を受けた動作点決定部22が、そのときの電気信号MV_OP(t)を動作点として決定する(S30)。このとき、動作点決定部22は、上述したように、決定した動作点の情報を動作点データ403として記憶部40に記憶する。

0087

一方、ステップS24において、出力空気圧Poの変化量d(t)が閾値d_thを超えていない場合には、ノズル背圧判定部24が、供給空気圧Psに対するノズル背圧Pnの変化量r(t)=Pn(t)/Ps(t)を算出する(S25)。

0088

次に、ノズル背圧判定部24が、ステップS25で算出したノズル背圧Pnの変化量r(t)が記憶部40に記憶されたPn基準値データ404に基づく閾値r_thを超えているか否かを判定する(S26)。ステップS26において、ノズル背圧Pnの変化量r(t)が閾値r_thを超えていない場合には、ステップS22に戻り、ノズル背圧Pnの変化量r(t)が閾値r_thを超えるまで、S22〜S26の処理が繰り返し実行される。

0089

ステップS26において、ノズル背圧Pnの変化量r(t)が閾値r_thを超えている場合には、ノズル背圧判定部24がそのことを示す信号を出力し、当該信号を受けた電気信号生成部21が、電気信号MV_OPの変化率を変更する(S27)。例えば、電気信号生成部21Aは、直前の電気信号MV_OPの値(MV_OP(t−1))から、第2MV変化率データ401_2に基づく単位ステップρ2(<ρ1)だけ減算した値を電気信号MV_OP(t)として電空変換部11に与える。

0090

次に、出力空気圧判定部23が出力空気圧Poの変化量d(t)を算出する(S28)。算出方法は、ステップS23と同様である。

0091

次に、出力空気圧判定部23が、ステップS28で算出した出力空気圧Poの変化量d(t)が記憶部40に記憶されたPo基準値データ402に基づく閾値d_thを超えているか否かを判定する(S29)。ステップS29において、出力空気圧Poの変化量d(t)が閾値d_thを超えていない場合には、ステップS27に戻り、出力空気圧Poの変化量d(t)が閾値d_thを超えるまで、ステップS27〜S29の処理が繰り返し実行される。

0092

ステップS29において、出力空気圧Poの変化量d(t)が閾値d_thを超えている場合には、出力空気圧判定部23がそのことを示す信号を出力し、当該信号を受けた動作点決定部22が、そのときの電気信号MV_OP(t)を動作点として決定する(S30)。このとき、動作点決定部22は、上述したように、決定した動作点の情報を動作点データ403として記憶部40に記憶する。
以上の処理により、ポジショナの動作点を探索することができる。

0093

以上、実施の形態2に係るポジショナによれば、実施の形態1に係るポジショナと同様に、緊急弁等の調節弁のPSTを実行する前にポジショナ1の動作点を知ることができるので、PSTを安全且つ効率的に行うことが可能となる。

0094

また、実施の形態2に係るポジショナによれば、動作点を探索する際に、ノズル背圧Pnが所定の基準値を超えるまでは第1変化率A1で電気信号MV_OPを変化させ、ノズル背圧Pnが所定の基準値を超えた後は、第1変化率A1よりも小さい第2変化率A2で電気信号MV_OPを変化させるので、動作点を見つけるまでの時間を短縮することができる。例えば、ノズル背圧Pnの基準値(Pn_th,r_th)を、出力空気圧Poが変化し始める直前のノズル背圧Pnの値に設定することにより、出力空気圧Poが変化し始める直前までは、電気信号MVを高速に変化させることが可能となる。

0095

また、上述したように電空変換部11の空気圧増幅部13(パイロットリレー)の入出力特性(Pn−Po特性)は、ノズルフラッパ12の入出力特性(MV−Pn特性)に比べて、経年劣化等による設計値からのずれが小さいので、ノズル背圧Pnの基準値(Pn_th,r_th)を、Pn−Po特性の設計値に基づいて決定しても、電気信号MVを高速に変化させたときに出力空気圧Poが急激に変化する可能性は低い。

0096

したがって、実施の形態2に係るポジショナによれば、より短時間且つ安全に、動作点を探索することが可能となる。

0097

≪実施の形態3≫
図11は、実施の形態3に係るポジショナを含むバルブ制御システムの構成を示す図である。
実施の形態3に係るポジショナ1Bは、入力された2つの空気信号の圧力差に応じて調節弁3の弁軸の操作量が決まる構造を有する複動式の操作器2Bを駆動する複動用のポジショナである点において、実施の形態2に係るポジショナ1Aと相違する。なお、実施の形態3に係るポジショナ1Bにおいて、実施の形態2に係るポジショナ1Aと同様の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。

0098

具体的に、実施の形態3に係るポジショナ1Bは、空気圧増幅部13Bから出力される操作器2Bを駆動するための一対の出力空気信号So1,So2の夫々の出力空気圧Po1,Po2を検知する圧力センサ15_1,15_2を更に備える。

0099

図12は、実施の形態3に係るポジショナのデータ処理制御部の内部構成を示す図である。
実施の形態3に係るポジショナ1Bのデータ処理制御部10Bにおいて、動作点探索部20Bは、差圧算出部25を更に有する。差圧算出部25は、出力空気圧Po1と出力空気圧Po2との差圧を算出する。差圧算出部25によって算出された差圧は、出力空気圧Poとして出力空気圧判定部23に入力され、実施の形態2に係るポジショナ1Aと同様に、動作点探索処理に用いられる。

0100

以上、実施の形態3に係る複動型のポジショナによれば、実施の形態1,2に係る単動型のポジショナと同様に、PSTを安全且つ効率的に行うことが可能となる。

0101

以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。

0102

例えば、上記実施の形態において、電空変換部11は、空気信号Scおよび出力空気信号Soを生成することができる構成であればよく、上述した構成(図1参照)に限定されるものではない。

0103

また、実施の形態2において、電気信号MVの直線的(リニア)な変化率を2段階に変化させる場合を例示したが、これに限られない。例えば、動作点探索時に、ノズル背圧Pn(t)が基準値Pn_th(r_th)と一致するまでは、図6のように変化率が徐々に減少するように2次関数的に電気信号MV_OPを変化させ、ノズル背圧Pn(t)が基準値Pn_th(r_th)と一致したら、電気信号MV_OPを直線的に変化させてもよい。

0104

また、実施の形態3では、実施の形態2に係るポジショナ1Aに複動式の操作器を駆動するための機能部(空気圧増幅部13B、圧力センサ15_1,15_2、差圧算出部25)を盛り込む場合を例示したが、実施の形態1に係るポジショナ1に、複動式の操作器を駆動するための機能部を盛り込んでもよい。

0105

100,100B…バルブ制御システム、1,1A,1B…ポジショナ、2,2B…操作器、3…調節弁、4…上位システム、5…空気(エアー)、6…コントローラ、10,10A,10B…データ処理制御部、11…電空変換部、12…ノズルフラッパ、13,13B…空気圧増幅部(パイロットリレー)、14,15,16,15_1,15_2…圧力センサ、17…弁開度検出部、18…表示部、SP…弁開度の目標値、MV,MV_PST,MV_OP…電気信号、Pn…ノズル背圧、Ps…供給空気圧、Po,Po1,Po2…出力空気圧、So,So1,So2…出力空気信号、Sc…空気信号、SEN…検出信号、20,20A,20B…動作点探索部、21,21A…電気信号生成部、22…動作点決定部、23…出力空気圧判定部、24…ノズル背圧判定部、25…差圧算出部、30…PST処理部、40…記憶部、400…PST条件データ、401…MV変化率データ、401_1…第1MV変化率データ、401_2…第2MV変化率データ、402…Po基準値データ、403…動作点データ、404…Pn基準点データ

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