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図面 (20)

課題

分析結果の信頼性を向上し得る成分分析装置を提案する。

解決手段

成分分析装置6は、スペクトル取得部71と、成分識別部73とを備えている。スペクトル取得部71は、ラマン散乱光における波長ごとの強度分布を示すラマンスペクトルを取得する。成分識別部73は、スペクトル取得部71で取得されるラマンスペクトルに基づいて、血液又は間質液に含まれる複数種類糖成分を探索して識別する。複数種類の糖成分として、例えば単糖類二糖類及び三糖類がある。また、血液又は間質液に含まれる複数種類の糖成分を探索するとともに尿素成分薬剤成分あるいはアスコルビン酸成分を探索して識別するようにしても良い。

概要

背景

液中成分分析に関して、例えば、眼球角膜に対して可視光から近赤外領域の単色化された又は単一波長励起光ビーム照射し、当該角膜から得られるラマン散乱スペクトルに基づいて眼内血糖分析する分析装置が提案されている(下記特許文献1参照)。

下記特許文献1によれば、励起波長からのシフト波数にして420〜1500cm-1又は2850〜3000cm-1、好ましくは420〜450cm-1,460〜550cm-1,750〜800cm-1,850〜940cm-1,1000〜1090cm-1,1090〜1170cm-1,1200〜1300cm-1,1300〜1390cm-1,1400〜1500cm-1又は2850〜3000cm-1にあるラマン散乱ピークを用いてグルコースが定量可能と記載されている。

また、励起波長からのシフト波数にして550〜1500cm-1又は2900〜3050cm-1、好ましくは550〜620cm-1,650〜700cm-1,780〜870cm-1,900〜980cm-1,1000〜1150cm-1,1200〜1300cm-1,1400〜1480cm-1又は2900〜3050cm-1にあるラマン散乱ピークを用いて、グルコース以外の糖類であるフルクトースが定量可能であると記載されている。

概要

分析結果の信頼性を向上し得る成分分析装置を提案する。 成分分析装置6は、スペクトル取得部71と、成分識別部73とを備えている。スペクトル取得部71は、ラマン散乱光における波長ごとの強度分布を示すラマンスペクトルを取得する。成分識別部73は、スペクトル取得部71で取得されるラマンスペクトルに基づいて、血液又は間質液に含まれる複数種類糖成分を探索して識別する。複数種類の糖成分として、例えば単糖類二糖類及び三糖類がある。また、血液又は間質液に含まれる複数種類の糖成分を探索するとともに尿素成分薬剤成分あるいはアスコルビン酸成分を探索して識別するようにしても良い。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ラマン散乱光における波長ごとの強度分布を示すラマンスペクトルを取得するスペクトル取得部と、前記スペクトル取得部で取得されるラマンスペクトルに基づいて、血液又は間質液に含まれる複数種類糖成分を探索して識別する成分識別部とを備えることを特徴とする成分分析装置

請求項2

前記成分識別部は、単糖類二糖類及び三糖類の糖成分を探索して識別することを特徴とする請求項1に記載の成分分析装置。

請求項3

前記成分識別部は、前記血液又は前記間質液に含まれる複数種類の糖成分を探索するとともに前記血液又は前記間質液に含まれる尿素成分を探索して識別することを特徴とする請求項1に記載の成分分析装置。

請求項4

前記成分識別部は、前記血液又は前記間質液に含まれる複数種類の糖成分を探索するとともに前記血液又は前記間質液に含まれる薬剤成分を探索して識別することを特徴とする請求項1に記載の成分分析装置。

請求項5

前記成分識別部は、前記血液又は前記間質液に含まれる複数種類の糖成分を探索するとともに前記血液又は前記間質液に含まれるアスコルビン酸成分を探索して識別することを特徴とする請求項1に記載の成分分析装置。

請求項6

前記スペクトル取得部で取得されるラマンスペクトルから前記血液又は前記間質液に含まれる成分に対応するピークが検出された場合に、前記ピークの強度に基づいて濃度を求める定量部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜請求項5いずれか1項に記載の成分分析装置。

請求項7

前記血液又は前記間質液に含まれる薬剤成分の濃度が規定値以上である場合には血液中又は間質液中に薬剤成分があることを通知する通知部をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の成分分析装置。

請求項8

ラマン散乱光における波長ごとの強度分布を示すラマンスペクトルを取得するスペクトル取得部と、血液又は間質液に含まれる成分に応じて前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として設定される波数と、前記スペクトル取得部で取得されるラマンスペクトルとに基づいて、前記血液又は前記間質液に含まれる成分を探索して識別する成分識別部とを備え、前記血液又は前記間質液にグルコース成分が含まれている場合に前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として、904cm−1が設定されることを特徴とする成分分析装置。

請求項9

ラマン散乱光における波長ごとの強度分布を示すラマンスペクトルを取得するスペクトル取得部と、血液又は間質液に含まれる成分に応じて前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として設定される波数と、前記スペクトル取得部で取得されるラマンスペクトルとに基づいて、前記血液又は前記間質液に含まれる成分を探索して識別する成分識別部とを備え、前記血液又は前記間質液にフルクトース成分が含まれている場合に前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として、620cm−1及び2940cm−1が設定されることを特徴とする成分分析装置。

請求項10

ラマン散乱光における波長ごとの強度分布を示すラマンスペクトルを取得するスペクトル取得部と、血液又は間質液に含まれる成分に応じて前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として設定される波数と、前記スペクトル取得部で取得されるラマンスペクトルとに基づいて、前記血液又は前記間質液に含まれる成分を探索して識別する成分識別部とを備え、前記血液又は前記間質液にマルトース成分が含まれている場合に前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として、546cm−1及び2898cm−1が設定されることを特徴とする成分分析装置。

請求項11

ラマン散乱光における波長ごとの強度分布を示すラマンスペクトルを取得するスペクトル取得部と、血液又は間質液に含まれる成分に応じて前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として設定される波数と、前記スペクトル取得部で取得されるラマンスペクトルとに基づいて、前記血液又は前記間質液に含まれる成分を探索して識別する成分識別部とを備え、前記血液又は前記間質液にマルトトリオース成分が含まれている場合に前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として、470cm−1及び922cm−1が設定されることを特徴とする成分分析装置。

請求項12

ラマン散乱光における波長ごとの強度分布を示すラマンスペクトルを取得するスペクトル取得部と、血液又は間質液に含まれる成分に応じて前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として設定される波数と、前記スペクトル取得部で取得されるラマンスペクトルとに基づいて、前記血液又は前記間質液に含まれる成分を探索して識別する成分識別部とを備え、前記血液又は前記間質液に尿素成分が含まれている場合に前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として、1002cm−1が設定されることを特徴とする成分分析装置。

請求項13

ラマン散乱光における波長ごとの強度分布を示すラマンスペクトルを取得するスペクトル取得部と、血液又は間質液に含まれる成分に応じて前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として設定される波数と、前記スペクトル取得部で取得されるラマンスペクトルとに基づいて、前記血液又は前記間質液に含まれる成分を探索して識別する成分識別部とを備え、前記血液又は前記間質液にアセチルサリチル酸成分が含まれている場合に前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として、804cm−1、1032cm−1、1152cm−1及び1198cm−1が設定されることを特徴とする成分分析装置。

請求項14

ラマン散乱光における波長ごとの強度分布を示すラマンスペクトルを取得するスペクトル取得部と、血液又は間質液に含まれる成分に応じて前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として設定される波数と、前記スペクトル取得部で取得されるラマンスペクトルとに基づいて、前記血液又は前記間質液に含まれる成分を探索して識別する成分識別部とを備え、前記血液又は前記間質液にアセトアミノフェン成分が含まれている場合に前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として、854cm−1及び1324cm−1が設定されることを特徴とする成分分析装置。

請求項15

ラマン散乱光における波長ごとの強度分布を示すラマンスペクトルを取得するスペクトル取得部と、血液又は間質液に含まれる成分に応じて前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として設定される波数と、前記スペクトル取得部で取得されるラマンスペクトルとに基づいて、前記血液又は前記間質液に含まれる成分を探索して識別する成分識別部とを備え、前記血液又は前記間質液にアスコルビン酸が含まれている場合に前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として、820cm−1及び1682cm−1が設定されることを特徴とする成分分析装置。

技術分野

0001

本発明は成分分析装置に関し、血液中の成分を分析する場合に好適なものである。

背景技術

0002

血液中の成分分析に関して、例えば、眼球角膜に対して可視光から近赤外領域の単色化された又は単一波長励起光ビーム照射し、当該角膜から得られるラマン散乱スペクトルに基づいて眼内血糖を分析する分析装置が提案されている(下記特許文献1参照)。

0003

下記特許文献1によれば、励起波長からのシフト波数にして420〜1500cm-1又は2850〜3000cm-1、好ましくは420〜450cm-1,460〜550cm-1,750〜800cm-1,850〜940cm-1,1000〜1090cm-1,1090〜1170cm-1,1200〜1300cm-1,1300〜1390cm-1,1400〜1500cm-1又は2850〜3000cm-1にあるラマン散乱ピークを用いてグルコースが定量可能と記載されている。

0004

また、励起波長からのシフト波数にして550〜1500cm-1又は2900〜3050cm-1、好ましくは550〜620cm-1,650〜700cm-1,780〜870cm-1,900〜980cm-1,1000〜1150cm-1,1200〜1300cm-1,1400〜1480cm-1又は2900〜3050cm-1にあるラマン散乱ピークを用いて、グルコース以外の糖類であるフルクトースが定量可能であると記載されている。

先行技術

0005

特開平9−122075号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上記特許文献1の分析装置では、グルコースの定量に用いられるラマン散乱ピークと、フルクトースの定量に用いられるラマン散乱ピークとで数値が重なっている部分がある。このため、上記特許文献1の分析装置では、定量された血液成分が真に定量すべき成分を示しているかが疑問であり、当該分析結果の信頼性が欠けると考えられる。

0007

そこで、本発明は、分析結果の信頼性を向上し得る成分分析装置を提案する。

課題を解決するための手段

0008

本発明の成分分析装置は、ラマン散乱光における波長ごとの強度分布を示すラマンスペクトルを取得するスペクトル取得部と、前記スペクトル取得部で取得されるラマンスペクトルに基づいて、血液又は間質液に含まれる複数種類糖成分を探索して識別する成分識別部とを備えることを特徴とする。

0009

このような成分分析装置によれば、糖尿病などの疾患の発見治療における重要な指標の1つである血液又は間質液に含まれる糖成分を細分して定量することが可能となり、複数種類の糖成分を大局的に捉える場合に比べてより詳細な情報を与えることができる。

0010

なお、前記成分識別部は、単糖類二糖類及び三糖類の糖成分を探索して識別することが好ましい。

0011

このようにした場合、糖類の構造上近似する種類を細分してより局所的に定量することが可能となり、その分だけ詳細な情報を与えることができる。

0012

また、前記成分識別部は、前記血液又は前記間質液に含まれる複数種類の糖成分を探索するとともに前記血液又は前記間質液に含まれる尿素成分を探索して識別することが好ましい。

0013

このようにした場合、糖尿病の予防、早期発見、治療と同時に、その糖尿病と合併し易い腎疾患の予防、早期発見、治療に重要な指標を与えることができる。

0014

また、前記成分識別部は、前記血液又は前記間質液に含まれる複数種類の糖成分を探索するとともに前記血液又は前記間質液に含まれる薬剤成分を探索して識別することが好ましい。

0015

このようにした場合、血液又は間質液中の糖成分に影響を与える可能性を有する薬剤成分を糖成分とともに定量することが可能となる。したがって、血液又は間質液に含まれる糖成分が正常範囲内にない場合にその要因が薬剤成分であるか否かを判断する指標を与えることができる。

0016

また、前記成分識別部は、前記血液又は前記間質液に含まれる複数種類の糖成分を探索するとともに前記血液又は前記間質液に含まれるアスコルビン酸成分を探索して識別することが好ましい。

0017

このようにした場合、糖尿病に起因するアスコルビン酸不足の有無を情報として与えることができる。したがって、糖尿病の予防、早期発見、治療に重要な指標をより詳しく与えることができる。

0018

また、前記スペクトル取得部で取得されるラマンスペクトルから前記血液又は前記間質液に含まれる成分に対応するピークが検出された場合に、前記ピークの強度に基づいて濃度を求める定量部をさらに備えることとしても良い。

0019

また、前記血液又は前記間質液に含まれる薬剤成分の濃度が規定値以上である場合には血液又は前記間質液中に薬剤成分があることを通知する通知部をさらに備えることが好ましい。

0020

このようにした場合、血液又は間質液に含まれる糖成分の濃度が正常範囲内にない場合にその要因が薬剤成分であるか否かを判断する契機を与えることができる。

0021

また本発明の成分分析装置は、ラマン散乱光における波長ごとの強度分布を示すラマンスペクトルを取得するスペクトル取得部と、血液又は間質液に含まれる成分に応じて前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として設定される波数と、前記スペクトル取得部で取得されるラマンスペクトルとに基づいて、前記血液又は前記間質液に含まれる成分を探索して識別する成分識別部とを備え、前記血液又は前記間質液にグルコース成分が含まれている場合に前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として、904cm−1が設定されることを特徴とする。

0022

グルコース成分が血液又は間質液中に含まれている場合、ラマンスペクトルの904cm−1で正確にピークが出現しその再現性もあることが実験により確認されている。したがって、血液又は間質液中のグルコース成分をピンポイントで捉えて正確に定量することが可能となる。

0023

また本発明の成分分析装置は、ラマン散乱光における波長ごとの強度分布を示すラマンスペクトルを取得するスペクトル取得部と、血液又は間質液に含まれる成分に応じて前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として設定される波数と、前記スペクトル取得部で取得されるラマンスペクトルとに基づいて、前記血液又は前記間質液に含まれる成分を探索して識別する成分識別部とを備え、前記血液又は前記間質液にフルクトース成分が含まれている場合に前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として、620cm−1及び2940cm−1が設定されることを特徴とする。

0024

フルクトース成分が血液又は間質液中に含まれている場合、ラマンスペクトルの620cm−1及び2940cm−1で正確にピークが出現しその再現性もあることが実験により確認されている。したがって、血液又は間質液中のフルクトース成分をピンポイントで捉えて正確に定量することが可能となる。

0025

また本発明の成分分析装置は、ラマン散乱光における波長ごとの強度分布を示すラマンスペクトルを取得するスペクトル取得部と、血液又は間質液に含まれる成分に応じて前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として設定される波数と、前記スペクトル取得部で取得されるラマンスペクトルとに基づいて、前記血液又は前記間質液に含まれる成分を探索して識別する成分識別部とを備え、前記血液又は前記間質液にマルトース成分が含まれている場合に前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として、546cm−1及び2898cm−1が設定されることを特徴とする。

0026

マルトース成分が血液又は間質液中に含まれている場合、ラマンスペクトルの546cm−1及び2898cm−1で正確にピークが出現しその再現性もあることが実験により確認されている。したがって、血液又は間質液中のマルトース成分をピンポイントで捉えて正確に定量することが可能となる。

0027

また本発明の成分分析装置は、ラマン散乱光における波長ごとの強度分布を示すラマンスペクトルを取得するスペクトル取得部と、血液又は間質液に含まれる成分に応じて前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として設定される波数と、前記スペクトル取得部で取得されるラマンスペクトルとに基づいて、前記血液又は前記間質液に含まれる成分を探索して識別する成分識別部とを備え、前記血液又は前記間質液にマルトトリオース成分が含まれている場合に前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として、470cm−1及び922cm−1が設定されることを特徴とする。

0028

マルトトリオース成分が血液又は間質液中に含まれている場合、ラマンスペクトルの470cm−1及び922cm−1で正確にピークが出現しその再現性もあることが実験により確認されている。したがって、血液又は間質液中のマルトトリオース成分をピンポイントで捉えて正確に定量することが可能となる。

0029

また本発明の成分分析装置は、ラマン散乱光における波長ごとの強度分布を示すラマンスペクトルを取得するスペクトル取得部と、血液又は間質液に含まれる成分に応じて前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として設定される波数と、前記スペクトル取得部で取得されるラマンスペクトルとに基づいて、前記血液又は前記間質液に含まれる成分を探索して識別する成分識別部とを備え、前記血液又は前記間質液に尿素成分が含まれている場合に前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として、1002cm−1が設定されることを特徴とする。

0030

尿素成分が血液又は間質液中に含まれている場合、ラマンスペクトルの1002cm−1で正確に出現しその再現性もあることが実験により確認されている。したがって、血液又は間質液中の尿素成分をピンポイントで捉えて正確に定量することが可能となる。

0031

また本発明の成分分析装置は、ラマン散乱光における波長ごとの強度分布を示すラマンスペクトルを取得するスペクトル取得部と、血液又は間質液に含まれる成分に応じて前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として設定される波数と、前記スペクトル取得部で取得されるラマンスペクトルとに基づいて、前記血液又は前記間質液に含まれる成分を探索して識別する成分識別部とを備え、前記血液又は前記間質液にアセチルサリチル酸成分が含まれている場合に前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として、804cm−1、1032cm−1、1152cm−1及び1198cm−1が設定されることを特徴とする。

0032

アセチルサリチル酸成分が血液又は間質液中に含まれている場合、ラマンスペクトルの804cm−1、1032cm−1、1152cm−1及び1198cm−1で正確に出現しその再現性もあることが実験により確認されている。したがって、血液又は間質液中のアセチルサリチル酸成分をピンポイントで捉えて正確に定量することが可能となる。

0033

また本発明の成分分析装置は、ラマン散乱光における波長ごとの強度分布を示すラマンスペクトルを取得するスペクトル取得部と、血液又は間質液に含まれる成分に応じて前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として設定される波数と、前記スペクトル取得部で取得されるラマンスペクトルとに基づいて、前記血液又は前記間質液に含まれる成分を探索して識別する成分識別部とを備え、前記血液又は前記間質液にアセトアミノフェン成分が含まれている場合に前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として、854cm−1及び1324cm−1が設定されることを特徴とする。

0034

アセトアミノフェン成分が血液又は間質液中に含まれている場合、ラマンスペクトルの854cm−1及び1324cm−1で正確に出現しその再現性もあることが実験により確認されている。したがって、血液又は間質液中のアセトアミノフェン成分をピンポイントで捉えて正確に定量することが可能となる。

0035

また本発明の成分分析装置は、ラマン散乱光における波長ごとの強度分布を示すラマンスペクトルを取得するスペクトル取得部と、血液又は間質液に含まれる成分に応じて前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として設定される波数と、前記スペクトル取得部で取得されるラマンスペクトルとに基づいて、前記血液又は前記間質液に含まれる成分を探索して識別する成分識別部とを備え、前記血液又は前記間質液にアスコルビン酸が含まれている場合に前記ラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として、820cm−1及び1682cm−1が設定されることを特徴とする。

0036

アスコルビン酸成分が血液又は間質液中に含まれている場合、ラマンスペクトルの820cm−1及び1682cm−1で正確に出現しその再現性もあることが実験により確認されている。したがって、血液又は間質液中のアスコルビン酸成分をピンポイントで捉えて正確に定量することが可能となる。

発明の効果

0037

以上のように本発明によれば、分析結果の信頼性を向上し得る成分分析装置が提供される。

図面の簡単な説明

0038

成分分析システムの構成を示す図である。
第1実施形態における成分分析装置の構成を示す図である。
グルコースの検量線を例示するグラフである。
フルクトースの検量線を例示するグラフである。
マルトースの検量線を例示するグラフである。
マルトトリオースの検量線を例示するグラフである。
第1の成分分析方法を示すフローチャートである。
第2実施形態における成分分析装置の構成を示す図である。
第2の成分分析方法を示すフローチャートである。
他の成分分析システムの構成を示す図である。
既知の濃度のグルコース成分を含む水溶液サンプルのラマンスペクトルを示す図である。
既知の濃度のフルクトース成分を含む水溶液サンプルのラマンスペクトル(200cm−1〜1000cm−1)を示す図である。
既知の濃度のフルクトース成分を含む水溶液サンプルのラマンスペクトル(2700cm−1〜3100cm−1)を示す図である。
既知の濃度のマルトース成分を含む水溶液サンプルのラマンスペクトル(200cm−1〜1000cm−1)を示す図である。
既知の濃度のマルトース成分を含む水溶液サンプルのラマンスペクトル(2700cm−1〜3100cm−1)を示す図である。
既知の濃度のマルトトリオース成分を含む水溶液サンプルのラマンスペクトル(200cm−1〜1000cm−1)を示す図である。
既知の濃度のマルトトリオース成分を含む水溶液サンプルのラマンスペクトル(800cm−1〜1000cm−1)を示す図である。
既知の濃度の尿素成分を含む水溶液サンプルのラマンスペクトルを示す図である。
既知の濃度のアセチルサリチル酸成分を含む水溶液サンプルのラマンスペクトル(200cm−1〜1000cm−1)を示す図である。
既知の濃度のアセチルサリチル酸成分を含む水溶液サンプルのラマンスペクトル(1000cm−1〜1500cm−1)を示す図である。
既知の濃度のアセトアミノフェン成分を含む水溶液サンプルのラマンスペクトル(200cm−1〜1000cm−1)を示す図である。
既知の濃度のアセトアミノフェン成分を含む水溶液サンプルのラマンスペクトル(1000cm−1〜3000cm−1)を示す図である。
既知の濃度のアスコルビン酸成分を含む水溶液サンプルのラマンスペクトル(800cm−1〜1000cm−1)を示す図である。
既知の濃度のアスコルビン酸成分を含む水溶液サンプルのラマンスペクトル(1000cm−1〜3000cm−1)を示す図である。

0039

以下、本発明に係る成分分析装置を実施するための実施形態及びその変形例が添付図面とともに例示される。以下に例示する実施形態及びその変形例は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができる。

0040

(1)実施形態
<成分分析システムの構成>
図1は、成分分析システムの構成を示す図である。図1に示すように、第1実施形態の成分分析システム1は、励起光の照射によって試料PLで生じるラマン散乱光をスペクトルに分光して分析するシステムであり、光源2、リフレクタ3、光学系4、分光器5及び成分分析装置6を主な構成要素として備える。なお、本実施形態では、人から採取された血液が試料SPLとされる。

0041

光源2は、試料SPLに照射すべき励起光を発するものである。この励起光の励起波長が短いほどラマン散乱の効率が高くなり空間分解能も高くなることから、光源2として固体レーザが好ましい。なお、ラマン散乱光のスペクトルでは、励起光の波数に対するラマン散乱光の波数の差(ラマンシフト量)が示されることから、当該励起波長は単一の波長であることが好ましい。この励起波長の具体例としては、例えば、514nm、532nm、633nm、670nm、785nmのなかから選択される単一の波長とされる。

0042

リフレクタ3は、光源2から発せられる光を反射させ、試料SPLに導く。なお、光源2から発せられる光を試料SPLに導く限り、リフレクタ3に代えて又はリフレクタ3に加えて、他の部材が採用されても良い。

0043

光学系4は、試料SPLで生じるラマン散乱光を分光器5に導くものである。試料SPLに励起光が照射された場合、励起光と試料SPLとの相互作用によって、試料SPLでは励起光の波長と異なる波長のラマン散乱光が生じるとともに、当該励起光の波長と同じ波長のレイリー散乱光が生じる。本実施形態の光学系4は、このレイリー散乱光を除去するフィルタ41を導波路上に有しており、当該フィルタ41を介して得られるラマン散乱光を分光器5に導くようになっている。

0044

分光器5は、回析格子51及び光検出器52を有する。回析格子51は、試料SPLから光学系4を介して供給される光を波長ごとに分け、光検出器52の受光面に導く。光検出器52は、1次元又は2次元に配置される複数の受光素子を受光面内に有する。この光検出器52は、受光面内の受光素子に露光される各波長のラマン散乱光の強さに比例した電荷を蓄え、当該ラマン散乱光における波長ごとの強度分布を示すラマンスペクトルのデータを成分分析装置6に出力する。光検出器52の具体例としては、フォトダイオード、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などが挙げられる。

0045

成分分析装置6は、分光器5の光検出器52から与えられるデータに基づいて試料SPLである血液に含まれる成分(血液成分)を探索し、当該探索結果として検出した血液成分の濃度を求めるようになっている。また成分分析装置6は、試料SPLが有していた血液成分の種類や濃度などを必要に応じて通知するようになっている。

0046

この成分分析装置6として第1実施形態及び第2実施形態を例示する。

0047

(1−1)第1実施形態における成分分析装置
<成分分析装置の構成>
図2は、第1実施形態における成分分析装置の構成の概略を示す図である。図2に示すように、成分分析装置6は、入力部61、記憶部62、表示部63及び制御部64を含む構成とされる。

0048

入力部61は、ユーザの操作に応じた命令設定値などの各種の情報を入力可能な部分である。入力部61の具体例としては、マウスキーボード可搬型半導体メモリコネクタなどが挙げられる。なお、半導体メモリとしては、USB(Universal Serial Bus)メモリやCF(Compact Flash)メモリなどが挙げられる。

0049

記憶部62は、入力部61又は制御部64から与えられるデータを記憶し、当該記憶したデータを読み出す部分である。記憶部62の具体例としては、HD(Hard Disk)に代表される磁気ディスクもしくは半導体メモリ又は光ディスクなどが挙げられる。

0050

この記憶部62には、各種のプログラムを格納する第1格納領域と、入力部61から入力される設定データなどの各種のデータを格納する第2格納領域と、当該プログラムやデータを展開する展開領域とが含まれる。本実施形態の第1格納領域には、血液成分を分析する処理を実行するための成分分析プログラムが記憶される。

0051

表示部63は、制御部64から与えられるデータに示される情報を表示する部分である。表示部63の具体例としては、液晶ディスプレイ、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ又はプラズマディスプレイなどが挙げられる。

0052

制御部64は、記憶部62の第1格納領域に記憶されるプログラムや、当該記憶部62の第2格納領域に記憶されるデータに基づいて成分分析装置6の制御を司るようになっている。

0053

この制御部64は、記憶部62の第1格納領域に記憶される成分分析プログラムを読み出した場合、その読み出した成分分析プログラムを記憶部62の展開領域に展開する。この場合、制御部64は、スペクトル取得部71、換算部72、成分識別部73、定量部74及び通知部75として機能し、血液に含まれる成分を分析する成分分析処理を実行する。

0054

スペクトル取得部71は、光源2から発すべき光の強度などを適宜調整して光源2を駆動し、当該光源2、リフレクタ3、試料SPL及び光学系4を順次介して分光器5の光検出器52から出力されるラマンスペクトルのデータを取得する。

0055

換算部72は、スペクトル取得部71で取得されたラマンスペクトルの波長をラマンシフト量に換算する。具体的には、ラマンスペクトルにおける各波長は、単位の長さに含まれる波の数である波数に変換され、当該変換された各波数は、光源2から発せられる励起光の波数との差であるラマンシフト量として変換される。この結果、例えば縦軸を強度とするとともに横軸を波長とするラマンスペクトルが、当該縦軸を強度とし横軸をラマンシフト量とするラマンスペクトルとなる。なお、物質はその構造に応じた特有振動エネルギーを持つことが知られており、ラマン散乱光の波数(振動数)と入射光の波数(振動数)の差であるラマンシフト量は物質の構造を反映した特有の値となる。

0056

成分識別部73は、換算部72で換算されたラマンスペクトルと、血液成分に応じてラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として設定される波数とに基づいて、血液成分を探索して識別する。

0057

本実施形態の場合、血液にグルコース成分が含まれている場合にラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として、904cm−1が設定される。また、血液にフルクトース成分が含まれている場合にラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として、620cm−1及び2940cm−1が設定される。また、血液にマルトース成分が含まれている場合にラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として、546cm−1及び2898cm−1が設定される。なお、これら設定値は入力部61から入力され、設定データとして記憶部62の第2格納領域に格納される。また、血液にマルトトリオース成分が含まれている場合にラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として、470cm−1及び922cm−1が設定される。

0058

成分識別部73は、第2格納領域から読み出した設定データに示される上記の各中心波数を認識し、当該中心波数を基準として±5cm−1の範囲内にピークがあるか否かを探索する。

0059

ここで、上記の各中心波数を基準とする±5cm−1の範囲内にピークが1つでも検出された場合、当該ピークに対応する血液成分が血液中に含まれていることを意味する。例えば、904cm−1±5cm−1の範囲内だけにピークが検出された場合、血液中には単糖類であるグルコースだけが含まれており、当該グルコースの異性体であるフルクトース、二糖類であるマルトース、三糖類であるマルトトリオースが含まれていない。また例えば、904cm−1±5cm−1の範囲と、546cm−1±5cm−1の範囲及び2898cm−1±5cm−1の範囲とにピークが検出された場合、血液中には単糖類であるグルコースと、二糖類であるマルトースとが含まれている。またこの例の場合、グルコースの異性体であるフルクトースと、三糖類であるマルトトリオースとは含まれていない。

0060

このように成分識別部73は、血液に含まれる単糖類、二糖類及び三糖類の糖成分を探索して識別できるようになっている。また、成分識別部73は、糖尿病などの疾患の発見や治療における重要な指標の1つであるグルコースと、そのグルコースの異性体であるフルクトースとを探索して識別できるようになっている。

0061

定量部74は、成分識別部73によって検出されたピークの強度に基づいて、当該ピークに対応する血液成分の濃度を求める。

0062

本実施形態の場合、ラマンスペクトルの強度と、当該強度に対応する濃度との関係を示す検量線のデータが記憶部62の第2格納領域に格納される。具体的には、図3に例示するようなグルコースの検量線と、図4に例示するようなフルクトースの検量線と、図5に例示するようなマルトースの検量線と、図6に例示するようなマルトトリオースの検量線のデータが格納される。なお、図3図6における縦軸はスペクトルの強度[intensity]を示し、横軸は濃度[mg/dl]を示している。

0063

定量部74は、成分識別部73によって検出されたピークに対応する成分の検量線のデータを第2格納領域から読み出し、例えば図3図6に示した検量線を用いて、成分識別部73によって検出されたピークの強度からそのピークに対応する血液成分の濃度(mg/dl)を求める。なお、検量線のデータは、入力部61から入力され、記憶部62の第2格納領域に格納される。

0064

ところで、ラマンスペクトルの強度と、当該強度に対応する濃度との関係は、図3図6に示すようにおおむね線型性を有している。この線型性の関係を示す所定の関係式を用いて、成分識別部73によって検出されたピークの強度からそのピークに対応する血液成分の濃度が求められても良い。

0065

通知部75は、成分識別部73によって検出可能な血液成分の種類と、当該種類のうち成分識別部73によって検出され定量部74によって求められた血液成分の濃度とを通知する。具体的には、血液成分の種類と定量部74によって求められた血液成分の濃度とが所定の表示形式で表示部63の表示画面に表示される。なお、表示部63に表示させることに代えて、又は、当該表示部63に表示させることに加えて、血液成分の種類と定量部74によって求められた血液成分の濃度とがスピーカから音声出力されても良い。

0066

このようなスペクトル取得部71、換算部72、成分識別部73、定量部74及び通知部75として制御部64が機能し、血液に含まれる成分を分析する成分分析処理が実行される。

0067

<第1の成分分析方法>
次に、上記の第1実施形態における成分分析装置6による第1の成分分析方法について説明する。図7は、第1の成分分析方法を示すフローチャートである。図7に示すように、制御部64は、例えば入力部61から成分分析の実行命令が与えられた時点を契機として成分分析を開始し、スペクトル取得ステップSP1に進む。

0068

制御部64は、スペクトル取得ステップSP1では、光源2から発すべき光の強度などを適宜調整して光源2を駆動し、試料SPL(血液)で生じるラマン散乱光における波長ごとの強度分布を示すラマンスペクトルを取得した後、波数換算ステップSP2に進む。

0069

制御部64は、波数換算ステップSP2では、スペクトル取得ステップSP1で取得したラマンスペクトルの波長をラマンシフト量に換算し、第1探索ステップSP3に進む。

0070

制御部64は、第1探索ステップSP3では、620cm−1±5cm−1の範囲及び2940cm−1±5cm−1の範囲内にピークがあるか否かを探索する。

0071

この第1探索ステップSP3でピークが検出されなかった場合、制御部64は、試料SPL(血液)にフルクトースが含まれていないと識別し、第1定量ステップSP4を経ずに、第2探索ステップSP5に進む。これに対し、第1探索ステップSP3でピークが検出された場合、制御部64は、試料SPL(血液)にフルクトースが含まれていると識別し、第1定量ステップSP4に進む。

0072

制御部64は、第1定量ステップSP4では、第1探索ステップSP3で検出したピークの強度と、記憶部62に格納されるフルクトースの検量線とに基づいて血液中におけるフルクトースの濃度を求めた後、第2探索ステップSP5に進む。

0073

制御部64は、第2探索ステップSP5では、470cm−1±5cm−1の範囲及び922cm−1±5cm−1の範囲内にピークがあるか否かを探索する。

0074

この第2探索ステップSP5でピークが検出されなかった場合、制御部64は、試料SPL(血液)にマルトトリオースが含まれていないと識別し、第2定量ステップSP6を経ずに、第3探索ステップSP7に進む。これに対し、第2探索ステップSP5でピークが検出された場合、制御部64は、試料SPL(血液)にマルトトリオースが含まれていると識別し、第2定量ステップSP6に進む。

0075

制御部64は、第2定量ステップSP6では、第2探索ステップSP5で検出したピークの強度と、記憶部62に格納されるマルトトリオースの検量線とに基づいて血液中におけるマルトトリオースの濃度を求めた後、第3探索ステップSP7に進む。

0076

制御部64は、第3探索ステップSP7では、546cm−1±5cm−1の範囲及び2898cm−1±5cm−1の範囲内にピークがあるか否かを探索する。

0077

この第3探索ステップSP7でピークが検出されなかった場合、制御部64は、試料SPL(血液)にマルトースが含まれていないと識別し、第3定量ステップSP8を経ずに、第4探索ステップSP9に進む。これに対し、第3探索ステップSP7でピークが検出された場合、制御部64は、試料SPL(血液)にマルトースが含まれていると識別し、第3定量ステップSP8に進む。

0078

制御部64は、第3定量ステップSP8では、第3探索ステップSP7で検出したピークの強度と、記憶部62に格納されるマルトースの検量線とに基づいて血液中におけるマルトースの濃度を求めた後、第4探索ステップSP9に進む。

0079

制御部64は、第4探索ステップSP9では、904cm−1±5cm−1の範囲内にピークがあるか否かを探索する。

0080

この第4探索ステップSP9でピークが検出されなかった場合、制御部64は、試料SPL(血液)にグルコースが含まれていないと識別し、第4定量ステップSP10を経ずに、通知ステップSP11に進む。これに対し、第4探索ステップSP9でピークが検出された場合、制御部64は、試料SPL(血液)にグルコースが含まれていると識別し、第4定量ステップSP10に進む。

0081

制御部64は、第4定量ステップSP10では、第4探索ステップSP9で検出したピークの強度と、記憶部62に格納されるグルコースの検量線とに基づいて血液中におけるグルコースの濃度を求めた後、通知ステップSP11に進む。

0082

制御部64は、通知ステップSP11では、グルコース、フルクトース、マルトース及びマルトトリオースそれぞれの濃度を求めなかった場合にはこれらの糖が血液中に含まれていないことを通知する。一方、制御部64は、グルコース、フルクトース、マルトース及びマルトトリオースのいずれか1つでも濃度を求めている場合には、当該濃度を求めた糖とその濃度を通知する。このように制御部64は、通知ステップSP11では、第1探索ステップSP3から第4定量ステップSP10までの成分分析結果を通知した後、成分分析を終了する。

0083

なお、上記第1の分析方法では、フルクトース、マルトトリオース、マルトース、グルコースの順序で血液成分が探索されたが、当該順序以外の順序が採用されていても良い。また、上記第1の分析方法では、血液成分が検出された場合には次の血液成分を探索する前にその検出された血液成分が定量されたが、各種の血液成分すべてを探索した後にその探索により検出された血液成分が定量されても良い。

0084

<小括>
以上のとおり、本実施形態の成分分析装置6は、血液に含まれる複数種類の糖成分を探索して識別するようになっている。このため、糖尿病などの疾患の発見や治療における重要な指標の1つである血糖を細分して定量することが可能となり、複数種類の糖成分を大局的に捉える場合に比べてより詳細な情報を与えることができる。こうして、分析結果の信頼性を向上し得る成分分析装置6が提供される。

0085

また本実施形態の場合、血液に含まれる単糖類、二糖類及び三糖類の糖成分それぞれが探索され識別される。このため、糖類の構造上近似する種類を細分してより局所的に定量することが可能となり、その分だけ詳細な情報を与えることができる。

0086

さらに本実施形態の場合、血液にグルコース成分が含まれている場合にラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として904cm−1が設定されている。

0087

グルコース成分が血液中に含まれている場合、ラマンスペクトルの904cm−1で正確にピークが出現しその再現性もあることが実験により確認されている。したがって、血液中のグルコース成分をピンポイントで捉えて正確に定量することが可能となる。

0088

さらに本実施形態の場合、血液にフルクトース成分が含まれている場合にラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として620cm−1及び2940cm−1が設定されている。

0089

フルクトース成分が血液中に含まれている場合、ラマンスペクトルの620cm−1及び2940cm−1で正確にピークが出現しその再現性もあることが実験により確認されている。したがって、血液中のフルクトース成分をピンポイントで捉えて正確に定量することが可能となる。

0090

さらに本実施形態の場合、血液にマルトース成分が含まれている場合にラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として546cm−1及び2898cm−1が設定されている。

0091

マルトース成分が血液中に含まれている場合、ラマンスペクトルの546cm−1及び2898cm−1で正確にピークが出現しその再現性もあることが実験により確認されている。したがって、血液中のマルトース成分をピンポイントで捉えて正確に定量することが可能となる。

0092

さらに本実施形態の場合、血液にマルトトリオース成分が含まれている場合にラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として470cm−1及び922cm−1が設定されている。

0093

マルトトリオース成分が血液中に含まれている場合、ラマンスペクトルの470cm−1及び922cm−1で正確にピークが出現しその再現性もあることが実験により確認されている。したがって、血液中のマルトトリオース成分をピンポイントで捉えて正確に定量することが可能となる。

0094

(1−2)第2実施形態における成分分析装置
次に、第2実施形態における成分分析装置6について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の参照符号を付し、重複する説明は適宜省略する。

0095

<成分分析装置の構成>
図8は、第2実施形態における成分分析装置の構成の概略を示す図である。図8に示すように、本実施形態の成分分析装置6では、記憶部62の第1格納領域に記憶される成分分析プログラムを読み出した場合に機能する制御部64の機能部が相違している。

0096

具体的に制御部64は、第1実施形態では血液中の糖成分を探索する成分識別部73を有していたのに対し、本実施形態では血液中の糖成分以外の成分を探索する成分識別部83を有している。

0097

本実施形態の場合、血液に尿素成分が含まれている場合にラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として、1002cm−1が設定される。また、血液にアスコルビン酸が含まれている場合にラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として、820cm−1及び1682cm−1が設定される。また、風邪薬の主成分の1つであるアセトアミノフェンが含まれている場合にラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として、854cm−1及び1324cm−1が設定される。また、頭痛薬の主成分の1つであるアセチルサリチル酸が含まれている場合にラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として、804cm−1、1032cm−1、1152cm−1及び1198cm−1が設定される。

0098

成分識別部83は、記憶部62の第2格納領域から読み出した設定データに示される上記の各中心波数を認識し、当該中心波数を基準として±5cm−1の範囲内にピークがあるか否かを探索する。

0099

ここで、上記の各中心波数を基準とする±5cm−1の範囲内にピークが1つでも検出された場合、当該ピークに対応する糖以外の血液成分が血液中に含まれていることを意味する。例えば、1002cm−1±5cm−1の範囲内だけにピークが検出された場合、血液中には尿素が含まれており、その濃度によっては腎疾患などが懸念されるので、当該尿素の濃度を検出可能であることは有用となる。

0100

また例えば、1002cm−1±5cm−1の範囲内と、820cm−1±5cm−1及び1682cm−1±5cm−1の範囲内とにピークが検出された場合、血液中には尿素及びアスコルビン酸が含まれている。血液中のアスコルビン酸の濃度は治療における指標の1つとなる場合があるので、当該アスコルビン酸を検出可能であることは有用となる。また、食事経口摂取したアスコルビン酸の血中濃度には限度があり、過剰摂取により少なからず腎臓に負担がかかる。このため、血液中に尿素濃度が上昇している場合にその要因が腎疾患によるものかアスコルビン酸の過剰摂取によるものかを知る指標の1つとなり得るので、当該アスコルビン酸を検出可能であることは有用となる。

0101

また例えば、1002cm−1±5cm−1の範囲内と、854cm−1±5cm−1及び1324cm−1±5cm−1の範囲内とにピークが検出された場合、血液中には尿素及びアセトアミノフェンが含まれている。上記のようにアセトアミノフェン及びアセチルサリチル酸は薬剤の主成分の1つであり、当該薬剤の摂取により少なからず腎臓に負担がかかる。このため、血液中に尿素濃度が上昇している場合にその要因が腎疾患によるものか薬剤の摂取によるものかを知る指標の1つとなり得るので、アセトアミノフェン及びアセチルサリチル酸を検出可能であることは有用となる。

0102

このように成分識別部83は、血液に含まれる糖成分以外の成分を探索できるようになっている。

0103

また制御部64は、第1実施形態では血液中の糖成分を定量する定量部74を有していたのに対し、本実施形態では血液中の糖成分以外の成分を定量する定量部84を有している。

0104

この定量部84は、成分識別部83によって検出されたピークの強度に基づいて、当該ピークに対応する血液成分の濃度を求める。

0105

本実施形態の場合、上記第1実施形態と同様に、尿素の検量線、アスコルビン酸の検量線、アセトアミノフェンの検量線及びアセチルサリチル酸の検量線のデータが記憶部62の第2格納領域に格納される。このデータは、入力部61から入力される。

0106

定量部84は、成分識別部73によって検出されたピークに対応する成分の検量線のデータを第2格納領域から読み出し、当該検量線を用いて、成分識別部83によって検出されたピークの強度からそのピークに対応する血液成分の濃度を求める。

0107

なお、尿素、アスコルビン酸、アセトアミノフェン及びアセチルサリチル酸の検量線は、上記第1実施形態のグルコース等と同様におおむね線型性を有している。したがって、所定の線型関係式を用いて、成分識別部83によって検出されたピークの強度からそのピークに対応する血液成分の濃度が求められても良い。

0108

また制御部64は、第1実施形態では血液中の糖成分に関する分析結果を通知する通知部75を有していたのに対し、本実施形態では血液中の成分以外の成分に関する分析結果を通知する通知部85を有している。

0109

この通知部85は、成分識別部83によって検出可能な血液成分の種類と、当該種類のうち成分識別部83によって検出され定量部84によって求められた血液成分の濃度とを通知する。具体的には、血液成分の種類と定量部84によって求められた血液成分の濃度とが所定の表示形式で表示部63の表示画面に表示される。なお、表示部63に表示させることに代えて、又は、当該表示部63に表示させることに加えて、血液成分の種類と定量部84によって求められた血液成分の濃度とがスピーカから音声出力されても良い。

0110

これに加えて、通知部85は、定量部84によって薬剤成分であるアセトアミノフェン及びアセチルサリチル酸のいずれか1つでも濃度が求められている場合には、当該濃度と、予め規定される規定値とを比較する。ここで、定量部84によって求められた濃度が規定値以上である場合、通知部85は血液中に薬剤成分があることを通知するようになっている。

0111

なお、規定値は、例えば、血液中の尿素やグルコースなど薬剤成分以外の他の成分に対する測定に影響を与えている可能性を考慮し、血液中に薬剤成分があっても再測定しなくても良いとする薬剤濃度の上限に基づいて定められる。この規定値は、入力部61から入力され、設定データとして記憶部62の第2格納領域に格納される。また、アセトアミノフェン及びアセチルサリチル酸の双方の濃度が定量部84によって求められている場合、それらの合計濃度が規定値と比較されても良く、濃度の多い方が規定値と比較されても良い。

0112

このような成分識別部83、定量部84及び通知部85と、上記のスペクトル取得部71及び換算部72として制御部64が機能し、血液に含まれる成分を分析する成分分析処理が実行される。

0113

<第2の成分分析方法>
次に、上記の第2実施形態における成分分析装置6による第2の成分分析方法について説明する。図9は、第2の成分分析方法を示すフローチャートである。図9に示すように、制御部64は、例えば入力部61から成分分析の実行命令が与えられた時点を契機として成分分析を開始し、上記のスペクトル取得ステップSP1及び波数換算ステップSP2を順次経て、第1探索ステップSP30に進む。

0114

制御部64は、第1探索ステップSP30では、1002cm−1±5cm−1の範囲内にピークがあるか否かを探索する。

0115

この第1探索ステップSP30でピークが検出されなかった場合、制御部64は、試料SPL(血液)に尿素が含まれていないと識別し、第1定量ステップSP40を経ずに、第2探索ステップSP50に進む。これに対し、第1探索ステップSP30でピークが検出された場合、制御部64は、試料SPL(血液)に尿素が含まれていると識別し、第1定量ステップSP40に進む。

0116

制御部64は、第1定量ステップSP40では、第1探索ステップSP30で検出したピークの強度と、記憶部62に格納される尿素の検量線とに基づいて血液中における尿素の濃度を求めた後、第2探索ステップSP50に進む。

0117

制御部64は、第2探索ステップSP50では、820cm−1±5cm−1及び1682cm−1±5cm−1の範囲内にピークがあるか否かを探索する。

0118

この第2探索ステップSP50でピークが検出されなかった場合、制御部64は、試料SPL(血液)にアスコルビン酸が含まれていないと識別し、第2定量ステップSP60を経ずに、第3探索ステップSP70に進む。これに対し、第2探索ステップSP50でピークが検出された場合、制御部64は、試料SPL(血液)にアスコルビン酸が含まれていると識別し、第2定量ステップSP60に進む。

0119

制御部64は、第2定量ステップSP60では、第2探索ステップSP50で検出したピークの強度と、記憶部62に格納されるアスコルビン酸の検量線とに基づいて血液中におけるアスコルビン酸の濃度を求めた後、第3探索ステップSP70に進む。

0120

制御部64は、第3探索ステップSP70では、854cm−1±5cm−1の範囲及び1324cm−1±5cm−1の範囲内にピークがあるか否かを探索する。

0121

この第3探索ステップSP70でピークが検出されなかった場合、制御部64は、試料SPL(血液)にアセトアミノフェンが含まれていないと識別し、第3定量ステップSP80を経ずに、第4探索ステップSP90に進む。これに対し、第3探索ステップSP70でピークが検出された場合、制御部64は、試料SPL(血液)にアセトアミノフェンが含まれていると識別し、第3定量ステップSP80に進む。

0122

制御部64は、第3定量ステップSP80では、第3探索ステップSP70で検出したピークの強度と、記憶部62に格納されるアセトアミノフェンの検量線とに基づいて血液中におけるアセトアミノフェンの濃度を求めた後、第4探索ステップSP90に進む。

0123

制御部64は、第4探索ステップSP90では、804cm−1±5cm−1の範囲、1032cm−1±5cm−1の範囲、1152cm−1±5cm−1の範囲及び1198cm−1±5cm−1の範囲内にピークがあるか否かを探索する。

0124

この第4探索ステップSP90でピークが検出されなかった場合、制御部64は、試料SPL(血液)にアセチルサリチル酸が含まれていないと識別し、第4定量ステップSP100を経ずに、通知ステップSP110に進む。これに対し、第4探索ステップSP90でピークが検出された場合、制御部64は、試料SPL(血液)にアセチルサリチル酸が含まれていると識別し、第4定量ステップSP100に進む。

0125

制御部64は、第4定量ステップSP100では、第4探索ステップSP90で検出したピークの強度と、記憶部62に格納されるアセチルサリチル酸の検量線とに基づいて血液中におけるアセチルサリチル酸の濃度を求めた後、通知ステップSP110に進む。

0126

制御部64は、通知ステップSP110では、薬剤成分であるアセトアミノフェン及びアセチルサリチル酸のいずれか1つでも濃度を求めており、当該濃度が予め規定される規定値以上である場合には、血液中に薬剤成分があることを通知する。

0127

また制御部64は、尿素、アスコルビン酸、アセトアミノフェン及びアセチルサリチル酸それぞれの濃度を求めなかった場合にはこれらの成分が血液中に含まれていないことを通知する。一方、制御部64は、尿素、アスコルビン酸、アセトアミノフェン及びアセチルサリチル酸のいずれか1つでも濃度を求めている場合には、当該濃度を求めた成分の種類とその濃度を通知する。すなわち制御部64は、通知ステップSP110では、第1探索ステップSP30から第4定量ステップSP100までの成分分析結果を通知した後、成分分析を終了する。

0128

なお、上記第2の分析方法では、尿素、アスコルビン酸、アセトアミノフェン、アセチルサリチル酸の順序で血液成分が探索されたが、当該順序以外の順序が採用されていても良い。また、上記第2の分析方法では、血液成分が検出された場合には次の血液成分を探索する前にその検出された血液成分が定量されたが、各種の血液成分すべてを探索した後にその探索により検出された血液成分が定量されても良い。

0129

<小括>
以上のとおり本実施形態の成分分析装置6は、血液に含まれる複数種類の糖成分以外の成分を探索して識別するようになっている。具体的には尿素成分が探索して識別される。この尿素成分が血液中に含まれている場合にラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として1002cm−1が設定されている。

0130

尿素成分が血液中に含まれている場合、ラマンスペクトルの1002cm−1で正確に出現しその再現性もあることが実験により確認されている。したがって、血液中の尿素成分をピンポイントで捉えて正確に定量することが可能となる。

0131

また本実施形態の場合、血液に含まれるアセチルサリチル酸成分も探索される。このアセチルサリチル酸成分が血液中に含まれている場合にラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として804cm−1、1032cm−1、1152cm−1及び1198cm−1が設定されている。

0132

アセチルサリチル酸成分が血液中に含まれている場合、ラマンスペクトルの804cm−1、1032cm−1、1152cm−1及び1198cm−1で正確に出現しその再現性もあることが実験により確認されている。したがって、血液中のアセチルサリチル酸成分をピンポイントで捉えて正確に定量することが可能となる。

0133

また本実施形態の場合、血液に含まれるアセトアミノフェン成分も探索される。このアセトアミノフェン成分が血液中に含まれている場合にラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として854cm−1±5cm−1及び1324cm−1±5cm−1が設定されている。

0134

アセトアミノフェン成分が血液中に含まれている場合、ラマンスペクトルの854cm−1±5cm−1及び1324cm−1±5cm−1で正確に出現しその再現性もあることが実験により確認されている。したがって、血液中のアセトアミノフェン成分をピンポイントで捉えて正確に定量することが可能となる。

0135

また本実施形態の場合、血液に含まれるアスコルビン酸成分も探索される。このアスコルビン酸成分が血液中に含まれている場合にラマンスペクトルに出現するピークの中心波数として820cm−1及び1682cm−1が設定されている。

0136

アスコルビン酸成分が血液中に含まれている場合、ラマンスペクトルの820cm−1及び1682cm−1で正確に出現しその再現性もあることが実験により確認されている。したがって、血液中のアスコルビン酸成分をピンポイントで捉えて正確に定量することが可能となる。

0137

(2)変形例
上記実施形態では、糖類として単糖類、二糖類及び三糖類が探索された。しかしながら、単糖類、二糖類及び三糖類に加えて、あるいは、単糖類、二糖類及び三糖類に代えて、例えば、グリコーゲンアミロースなど、四糖類以上の糖類を探索することが可能である。

0138

また上記実施形態では、単糖類としてグルコース及びフルクトースが探索された。しかしながら、グルコース及びフルクトースに加えて、あるいは、グルコース及びフルクトースに代えて、当該グルコース及びフルクトース以外の他の単糖類を探索することが可能である。

0139

また上記実施形態では、二糖類としてマルトースが探索された。しかしながら、マルトースに加えて、あるいは、マルトースに代えて、例えば、スクロースラクトースなど、当該マルトース以外の他の単糖類を探索することが可能である。

0140

また上記実施形態では、三糖類としてマルトトリオースが探索された。しかしながら、マルトトリオースに加えて、あるいは、マルトトリオースに代えて、当該マルトトリオース以外の他の単糖類を探索することが可能である。

0141

また上記実施形態では、薬剤成分としてアセチルサリチル酸及びアセトアミノフェンが探索された。しかしながら、アセチルサリチル酸及びアセトアミノフェンに加えて、あるいは、アセチルサリチル酸及びアセトアミノフェンに代えて、例えば、リン酸ジヒドロコデインブロムワレリル尿素塩酸エフェドリンなど、当該アセチルサリチル酸及びアセトアミノフェン以外の他の薬剤成分を探索することが可能である。なお、リン酸ジヒドロコデインなどは過剰摂取により幻覚を生じる可能性があり、疾患の治療などに重要な指標を与えることができる。

0142

また上記実施形態では、血液に含まれる単糖類、二糖類及び三糖類の糖成分を探索することと、糖成分以外の成分を探索することが別々に実行された。しかしながら、血液に含まれる単糖類、二糖類及び三糖類の糖成分を探索することと、糖成分以外の成分を探索することが一連の処理として実行されても良い。すなわち、上記第1の成分分析方法と第2の成分分析方法とを実行する成分識別部、定量部及び通知部の各機能部が採用されても良い。

0143

成分識別部が血液に含まれる複数種類の糖成分を探索するとともに、当該血液に含まれる尿素成分を探索して識別するようにした場合、糖尿病の予防、早期発見、治療と同時に、その糖尿病と合併し易い腎疾患の予防、早期発見、治療に重要な指標を与えることができる。また、人工透析時の透析効率などをより綿密に管理することができる。

0144

また、成分識別部が血液に含まれる複数種類の糖成分を探索するとともに、当該血液に含まれる薬剤成分を探索して識別するようにした場合、血液中の糖成分に影響を与える可能性を有する薬剤成分を血糖とともに定量することが可能となる。したがって、血糖が正常範囲内にない場合にその要因が薬剤成分であるか否かを判断する指標を与えることができる。また、経口した食物飲み物から吸収された可能性などを指標として与えることが可能となる。さらに、意識障害が生じている場合など、経口したことが要因になっているのか、薬剤を投与したことが要因となっているのかの指標となり得るので、緊急性をともなる場合などで有用性が高まる。

0145

また、成分識別部が血液に含まれる複数種類の糖成分を探索するとともに、当該血液に含まれるアスコルビン酸成分を探索して識別するようにした場合、糖尿病に起因するアスコルビン酸不足の有無を情報として与えることができる。したがって、糖尿病の予防、早期発見、治療に重要な指標をより詳しく与えることができる。

0146

また、上記実施形態では、励起光が照射される試料SPLとして人から採取された血液が採用された。しかしながら、励起光が照射される試料SPLは、人から採取された間質液とされても良い。また、人体に流れる血液とされても良い。人体に流れる血液を試料SPLとする場合、例えば、制御部64が、光学系を制御して人体に対するレーザ深度を変えながら、当該深度で得られる血液成分の有無などに応じて、人体内の血管に焦点を合わせるようにすれば良い。また、人の血液が試料SPLとされたが、例えば、動物など人以外の生体にも適用可能である。

0147

また、上記実施形態では、試料SPLに対して単一の波長の励起光が試料SPLに照射された。しかしながら、図10に例示するように、互いに異なる波長の第1のレーザ光と第2のレーザ光とが試料SPLに照射されても良い。図10の成分分析システム100では、例えば1064nmのパルスレーザ光であるポンプ光出射する第1の光源21と、例えば1100nmのパルスレーザ光であるストークス光を出射する第2の光源22とが設けられる。第1の光源21から出射されるポンプ光は、光遅延器31を通してダイクロイックミラーDMに至る。光遅延器31は、例えば光路長を変更して、ポンプ光の照射タイミングをストークス光に合わせるものである。第2の光源22から出射されるストークス光は、ミラーMを介してダイクロイックミラーDMに至る。ダイクロイックミラーDMではポンプ光とストークス光とが重畳され、その重畳されたポンプ光とストークス光とは集光され試料SPLに照射される。この照射によって試料SPLでは、ポンプ光の波長と異なりストークス光の波長とも異なる波長のCARS(Coherent Anti-Stokes Raman Scattering)光が生じる。試料SPLで生じたCARS光は、光学系4の光学フィルタ42を透過して分光器5に至る。光学フィルタ42は、CARS光以外の迷光カットするフィルタとされる。分光器5に至ったCARS光は、回析格子51で波長ごとに分けられ、当該CARS光の波長ごとの強度分布を示すラマンスペクトルのデータが分光器5から出力される。このラマンスペクトルにおける各波長は、単位長さに含まれる波の数である波数に換算部72で変換される。但し、ラマンシフト量に換算されなくても良い。

0148

次に、取得したラマンスペクトルのピークに関して説明する。ただし、本発明は、この実施例に限定されるものではない。なお、実施例では、血液に代えて所定の成分を含む水溶液サンプルを用いた。

0149

<グルコース成分のピーク>
グルコース濃度が異なる水溶液サンプルに対して785nmの単一波長でなるレーザ光を照射し、当該水溶液サンプルそれぞれのラマンスペクトルを取得した。この取得結果図11に示す。なお、グルコース濃度が異なる水溶液サンプルそれぞれのラマンスペクトルを取得する際のシステムの条件は同一としている。また、水溶液サンプルのグルコース濃度は、Thermo Fisher Scientific社製の液体クロマトグラフィーを用いて糖成分を単離し、その糖成分を荷電化粒子検出器を用いて取得したスペクトルから得ている。
図11に示す縦軸はスペクトルの強度[intensity]を示し、横軸は波数[cm−1]を示している。また、図11の右欄に示す“glco”はグルコースを意味し、その“glco”の右側の数値[mg]は水溶液サンプル中のグルコースの濃度(mg/dl)を意味している。
図11に示すように、グルコース成分が水溶液サンプル中に含まれている場合、ラマンスペクトルの904cm−1で正確にピークが出現しその再現性もあることが分かった。なお、図11では、904cm−1以外でもピークが出現しているが、当該ピークはグルコース成分とは無関係の成分である。

0150

<フルクトース成分のピーク>
フルクトース濃度が異なる水溶液サンプルに対して785nmの単一波長でなるレーザ光を照射し、当該水溶液サンプルそれぞれのラマンスペクトルを取得した。この取得結果を図12及び図13に示す。なお、フルクトース濃度が異なる水溶液サンプルそれぞれのラマンスペクトルを取得する際のシステムの条件は同一としている。また、水溶液サンプルのフルクトース濃度は、上記グルコース濃度と同様に得ている。
図12及び図13に示す縦軸はスペクトルの強度[intensity]を示し、横軸は波数[cm−1]を示している。また、図12及び図13の右欄に示す“fulcto”はフルクトースを意味し、その“fulcto”の右側の数値[mg]は水溶液サンプル中のフルクトースの濃度(mg/dl)を意味している。
図12及び図13に示すように、フルクトース成分が水溶液サンプル中に含まれている場合、ラマンスペクトルの620cm−1及び2940cm−1で正確にピークが出現しその再現性もあることが分かった。なお、図12では620cm−1以外でもピークが出現するとともに図13では2940cm−1以外でもピークが出現しているが、当該ピークはフルクトース成分とは無関係の成分である。

0151

<マルトース成分のピーク>
マルトース濃度が異なる水溶液サンプルに対して785nmの単一波長でなるレーザ光を照射し、当該水溶液サンプルそれぞれのラマンスペクトルを取得した。この取得結果を図14及び図15に示す。なお、マルトース濃度が異なる水溶液サンプルそれぞれのラマンスペクトルを取得する際のシステムの条件は同一としている。また、水溶液サンプルのマルトース濃度は、上記グルコース濃度と同様に得ている。
図14及び図15に示す縦軸はスペクトルの強度[intensity]を示し、横軸は波数[cm−1]を示している。また、図14及び図15の右欄に示す“malto”はマルクトースを意味し、その“malto”の右側の数値[mg]は水溶液サンプル中のマルクトースの濃度(mg/dl)を意味している。
図14及び図15に示すように、マルトース成分が水溶液サンプル中に含まれている場合、ラマンスペクトルの546cm−1及び2898cm−1で正確にピークが出現しその再現性もあることが分かった。なお、図14では546cm−1以外でもピークが出現するとともに図15では2898cm−1以外でもピークが出現しているが、当該ピークはマルトース成分とは無関係の成分である。

0152

<マルトトリオース成分のピーク>
マルトトリオース濃度が異なる水溶液サンプルに対して785nmの単一波長でなるレーザ光を照射し、当該水溶液サンプルそれぞれのラマンスペクトルを取得した。この取得結果を図16及び図17に示す。なお、マルトトリオース濃度が異なる水溶液サンプルのラマンスペクトルを取得する際のシステムの条件は同一としている。また、水溶液サンプルのマルトトリオース濃度は、上記グルコース濃度と同様に得ている。
図16及び図17の縦軸はスペクトルの強度[intensity]を示し、横軸は波数[cm−1]を示している。また、図16及び図17の右欄に示す“maltotri”はマルトトリオースを意味し、その“maltotri”の右側の数値[mg]は水溶液サンプル中のマルトトリオースの濃度(mg/dl)を意味している。
図16及び図17に示すように、マルトトリオース成分が水溶液サンプル中に含まれている場合、ラマンスペクトルの470cm−1及び922cm−1で正確にピークが出現しその再現性もあることが分かった。なお、図16では470cm−1以外でもピークが出現するとともに図17では922cm−1以外でもピークが出現しているが、当該ピークはマルトトリオース成分とは無関係の成分である。

0153

<尿素成分のピーク>
尿素濃度が異なる水溶液サンプルに対して785nmの単一波長でなるレーザ光を照射し、当該水溶液サンプルそれぞれのラマンスペクトルを取得した。この取得結果を図18に示す。なお、尿素濃度が異なる水溶液サンプルそれぞれのラマンスペクトルを取得する際のシステムの条件は同一としている。また、水溶液サンプルの尿素濃度は、上記グルコース濃度と同様に得ている。
図18に示す縦軸はスペクトルの強度[intensity]を示し、横軸は波数[cm−1]を示している。また、図18の右欄に示す“urea”は尿素を意味し、その“urea”の右側の数値[mg]は水溶液サンプル中の尿素の濃度(mg/dl)を意味している。
図18に示すように、尿素成分が水溶液サンプル中に含まれている場合、ラマンスペクトルの1002cm−1で正確にピークが出現しその再現性もあることが分かった。なお、図18では1002cm−1以外でもピークが出現しているが、当該ピークは尿素成分とは無関係の成分である。

0154

<アセチルサリチル酸成分のピーク>
アセチルサリチル酸濃度が異なる水溶液サンプルに対して785nmの単一波長でなるレーザ光を照射し、当該水溶液サンプルそれぞれのラマンスペクトルを取得した。この取得結果の一部を図19及び図20に示す。なお、アセチルサリチル酸濃度が異なる水溶液サンプルのラマンスペクトルを取得する際のシステムの条件は同一としている。また、水溶液サンプルのアセチルサリチル酸濃度は、上記グルコース濃度と同様に得ている。
図19及び図20に示す縦軸はスペクトルの強度[intensity]を示し、横軸は波数[cm−1]を示している。また、図19及び図20の右欄に示す“acetylsalicylicacid”はアセチルサリチル酸を意味し、その“acetylsalicylicacid”の右側の数値[mg]は水溶液サンプル中のアセチルサリチル酸の濃度(mg/dl)を意味している。
図19及び図20に示すように、アセチルサリチル酸成分が水溶液サンプル中に含まれている場合、ラマンスペクトルの804cm−1、1032cm−1、1152cm−1及び1198cm−1で正確にピークが出現していることが分かった。また、ここでは図示しないが再現性もあることが分かっている。なお、図19では804cm−1以外でもピークが出現するとともに図20では1032cm−1、1152cm−1及び1198cm−1以外でもピークが出現しているが、当該ピークはアセチルサリチル酸成分とは無関係の成分である。

0155

<アセトアミノフェン成分のピーク>
アセトアミノフェン濃度が異なる水溶液サンプルに対して785nmの単一波長でなるレーザ光を照射し、当該水溶液サンプルそれぞれのラマンスペクトルを取得した。この取得結果の一部を図21及び図22に示す。なお、アセトアミノフェン濃度が異なる水溶液サンプルそれぞれのラマンスペクトルを取得する際のシステムの条件は同一としている。また、水溶液サンプルのアセトアミノフェン濃度は、上記グルコース濃度と同様に得ている。
図21及び図22に示す縦軸はスペクトルの強度[intensity]を示し、横軸は波数[cm−1]を示している。また、図21及び図22の右欄に示す“ruru”はアセトアミノフェンを意味し、その“ruru”の右側の数値[mg]は水溶液サンプル中のアセトアミノフェンの濃度(mg/dl)を意味している。
図21及び図22に示すように、アセトアミノフェン成分が水溶液サンプル中に含まれている場合、ラマンスペクトルの854cm−1及び1324cm−1で正確にピークが出現していることが分かった。また、ここでは図示しないが再現性もあることが分かっている。なお、図21では854cm−1以外でもピークが出現するとともに図22では1324cm−1以外でもピークが出現しているが、当該ピークはアセトアミノフェン成分とは無関係の成分である。

実施例

0156

<アスコルビン酸成分のピーク>
アスコルビン酸濃度が異なる水溶液サンプルに対して785nmの単一波長でなるレーザ光を照射し、当該水溶液サンプルそれぞれのラマンスペクトルを取得した。この取得結果の一部を図23及び図24に示す。なお、アスコルビン酸濃度が異なる水溶液サンプルそれぞれのラマンスペクトルを取得する際のシステムの条件は同一としている。また、水溶液サンプルのアスコルビン酸濃度は、上記グルコース濃度と同様に得ている。
図23及び図24に示す縦軸はスペクトルの強度[intensity]を示し、横軸は波数[cm−1]を示している。また、図23及び図24の右欄に示す“asco”はアスコルビン酸を意味し、その“asco”の右側の数値[mg]は水溶液サンプル中のアスコルビン酸の濃度(mg/dl)を意味している。
図23及び図24に示すように、アスコルビン酸成分が水溶液サンプル中に含まれている場合、ラマンスペクトルの820cm−1及び1682cm−1で正確にピークが出現していることが分かった。また、ここでは図示しないが再現性もあることが分かっている。なお、図23では820cm−1以外でもピークが出現するとともに図24では1682cm−1以外でもピークが出現しているが、当該ピークはアスコルビン酸成分とは無関係の成分である。

0157

本発明は、医療産業などで利用可能性がある。

0158

1・・・成分分析システム、2・・・光源、3・・・リフレクタ、4・・・光学系、5・・・分光器、6・・・成分分析装置、61・・・入力部、62・・・記憶部、63・・・表示部、64・・・制御部、71・・・スペクトル取得部、72・・・換算部、73,83・・・成分識別部、74,84・・・定量部、75,85・・・通知部。

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