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技術 FM−CWレーダ装置およびFM−CWレーダ方法

出願人 日本電気株式会社
発明者 安道徳昭野本誠二
出願日 2016年3月24日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2016-060741
公開日 2017年9月28日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2017-173178
状態 特許登録済
技術分野 レーダ方式及びその細部
主要キーワード 固定目標 FFT処理回路 下降区間 データ解析回路 FFT処理器 変調周波数幅 減算対象 三角波変調
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重要な関連分野

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図面 (11)

課題

移動目標の近傍に建設物等の固定物が存在している場合でも、移動目標からの反射信号と固定物からの反射信号とを高精度に分離して、移動目標からの反射信号のみを検出できるFMCWレーダ装置を提供する。

解決手段

FM−CWレーダ装置1は、空中線10、信号生成手段20、信号処理手段30、入力された受信信号対識別可能に順次記憶する記憶手段40、受信信号対をFFT処理してスペクトラム対を平均化処理手段60へ出力するFFT処理手段50、所定数のスペクトラム対から平均スペクトラム対を出力する平均化処理手段60、第1閾値より大きい振幅を有するアップおよびダウンビート信号が含まれているか否か判定する判定手段70、含まれている信号を逆FFTして対応する受信信号対から減算し、再度FFT処理させる減算処理手段90、およびFFT処理されたスペクトラム対から目標からの反射信号を抽出する目標検知手段80を備える。

概要

背景

レーダ装置は、一般に、空間に電波照射し、照射した電波が目標から反射された反射電波を受信することによって目標の存在を探知し、その位置・運動状況などを計測する。レーダ装置はさまざまな用途に使用されるが、近距離の目標を探知するレーダ装置として、例えば、連続波(CW:continuous wave)を送信するレーダ装置がある。特に、近距離目標までの距離を測定するレーダ装置として、CW信号周波数変調FM:frequency modulation)が施されたFM−CW信号を送信するFM−CWレーダ装置が実用化されている。目標までの距離を測定するFM−CWレーダ装置は、例えば、特許文献1−3に開示されている。

FM−CWレーダ装置は、三角波変調を繰り返したCW信号を送信し、目標からの反射信号目標信号)と送信信号とを混合することで、目標信号の距離と速度に応じたビート周波数が得られることを利用し、得られたビート周波数から目標の距離と速度を計算する。

得られたビート周波数から目標の距離と速度を求める原理について説明する。送信信号および受信信号信号波形を図9(a)に、送信信号と受信信号とが混合された混合信号のビート周波数を図9(b)に示す。

図9(a)に示すように、送信信号は、中心周波数f0のCW信号を、変調周波数幅Δf、変調繰返し周波数fmの三角波で変調した信号である。この時、ビート周波数fBは式(1)で表される。

fB=fR±fV・・・・・・・・・・式(1)
ここで、fRは距離周波数、fVは速度周波数である。式(1)の+符号は、送信信号の周波数が降下する区間に得られるダウンビート信号の周波数(ダウンビート周波数fBD)であり、−符号は、上昇する区間に得られるアップビート信号の周波数(アップビート周波数fBU)である。アップビート信号のスペクトラムを図10(a)に、ダウンビート信号のスペクトラムを図10(b)に示す。fBD、fBUは、式(2)、式(3)で、fR、fVは式(4)、式(5)で表される。

fBD=fR+fV・・・・・・・・・式(2)
fBU=fR−fV・・・・・・・・・式(3)
fR=4・Δf・R・fm/C・・・式(4)
fV=2・f0・V/C・・・・・・式(5)
ここで、Cは電波伝播速度、Rは目標の距離、Vは目標の相対速度である。式(1)〜式(5)により、距離Rおよび相対速度Vは、式(6)、式(7)となる。

R=(fBD+fBU)・C/(8・Δf・fm)・・式(6)
V=(fBD−fBU)・C/(4・f0)・・・・・式(7)
すなわち、周波数上昇/下降区間毎のビート周波数fBUとfBDをそれぞれ計測し、その和と差を計算することで、目標距離と相対速度を求めることができる。

概要

移動目標の近傍に建設物等の固定物が存在している場合でも、移動目標からの反射信号と固定物からの反射信号とを高精度に分離して、移動目標からの反射信号のみを検出できるFM−CWレーダ装置を提供する。FM−CWレーダ装置1は、空中線10、信号生成手段20、信号処理手段30、入力された受信信号対識別可能に順次記憶する記憶手段40、受信信号対をFFT処理してスペクトラム対を平均化処理手段60へ出力するFFT処理手段50、所定数のスペクトラム対から平均スペクトラム対を出力する平均化処理手段60、第1閾値より大きい振幅を有するアップおよびダウンビート信号が含まれているか否か判定する判定手段70、含まれている信号を逆FFTして対応する受信信号対から減算し、再度FFT処理させる減算処理手段90、およびFFT処理されたスペクトラム対から目標からの反射信号を抽出する目標検知手段80を備える。

目的

本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、移動目標の近傍に建設物や構造物等の固定物が存在している場合であっても、移動目標からの反射信号と固定物からの反射信号とを高精度に分離して、移動目標からの反射信号のみを検出できるFM−CWレーダ装置およびFM−CWレーダ方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

三角波により周波数変調された送信信号に係る送信波照射すると共に、前記送信波が目標において反射された反射波受信信号として受信する空中線と、前記送信信号を順次生成して前記空中線へ出力すると共に、前記受信信号が入力する毎に前記生成した送信信号と前記受信された受信信号とを混合して混合信号を順次出力する信号生成手段と、前記出力された混合信号からアップ変調に対応するタイミングのアップビート受信信号とダウン変調に対応するタイミングのダウンビート受信信号とを抽出し、受信信号対として順次出力する信号処理手段と、前記出力された受信信号対を、識別可能に順次記憶する記憶手段と、前記受信信号対を前記記憶手段から順次読み出し高速フーリエ変換FFT:Fast Fourier Transform)処理してスペクトラム対を平均化処理手段へ出力するFFT処理手段と、所定数のスペクトラム対が入力された時、それらを平均化処理して平均スペクトラム対を算出すると共に、着目する一つのスペクトラム対を選択し、算出した平均スペクトラム対および選択されたスペクトラム対を出力する平均化処理手段と、前記出力された平均スペクトラム対に、第1閾値より大きい振幅を有するアップビート信号およびダウンビート信号が含まれているか否か判定し、含まれていない場合は前記選択されたスペクトラム対を目標検知手段へ出力し、含まれている場合は前記含まれているアップビート信号およびダウンビート信号をアップ固定物ビート信号およびダウン固定物ビート信号として減算処理手段へ出力する判定手段と、前記アップ固定物ビート信号およびダウン固定物ビート信号が入力された場合、前記選択されたスペクトラム対に対応する受信信号対を前記記憶手段から読み出し、前記入力されたアップ固定物ビート信号およびダウン固定物ビート信号を逆FFT処理して読み出した受信信号対からそれぞれ減算し、受信信号対として前記FFT処理手段へ出力する減算処理手段と、入力されたスペクトラム対から、目標からの反射信号を抽出する目標検知手段と、を備え、前記FFT処理手段は、前記減算処理手段から受信信号対が入力した場合、入力された受信信号対をFFT処理してスペクトラム対を前記目標検知手段へ出力する、ことを特徴とするFMCWレーダ装置

請求項2

前記目標検知手段は、前記第1閾値より小さな第2閾値より大きい振幅を有するアップビート信号およびダウンビート信号を、前記目標からの反射信号として抽出する、請求項1に記載のFM−CWレーダ装置。

請求項3

前記判定手段は、前記出力された平均スペクトラム対に第1閾値より大きい振幅を有するアップビート信号およびダウンビート信号が含まれている場合さらに、前記含まれているアップビート信号およびダウンビート信号の差分を取得し、取得した差分の絶対値が第3閾値より大きいか否か判定し、第3閾値以下の場合は前記アップ固定物ビート信号およびダウン固定物ビート信号を演算して前記減算処理手段へ出力し、第3閾値より大きい場合は前記選択されたスペクトラム対を前記目標検知手段へ出力する、ことを特徴とする請求項1または2に記載のFM−CWレーダ装置。

請求項4

前記減算処理手段は、前記選択されたスペクトラム対に対応する位相を取得し、取得した位相を用いて前記入力されたアップ固定物ビート信号およびダウン固定物ビート信号を逆FFT処理する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のFM−CWレーダ装置。

請求項5

前記判定手段は、第1閾値より大きい振幅を有するアップビート信号およびダウンビート信号が複数含まれている場合、最大振幅を有するアップビート信号およびダウンビート信号を未処理フラグと共に減算処理手段へ出力し、前記FFT処理手段は、前記減算処理手段から受信信号対と共に未処理フラグが入力した場合、FFT処理したスペクトラム対を前記平均化処理手段へ出力する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のFM−CWレーダ装置。

請求項6

前記FFT処理手段は、未処理フラグの入力回数カウントするカウンタを備え、入力回数が所定数に達した場合、FFT処理したスペクトラム対を前記目標検知手段へ出力する、請求項5に記載のFM−CWレーダ装置。

請求項7

前記信号生成手段は、三角波の変調信号を生成する三角波発生器と、生成された三角波を用いて所定の周波数CW信号を変調し、送信信号を方向性結合器およびミキサへ出力する電圧制御発振器と、入力された送信信号を前記空中線へ出力すると共に、前記空中線から入力された受信信号をミキサへ出力する方向性結合器と、入力された受信信号および送信信号を混合し、混合信号を順次出力するミキサと、を備える、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のFM−CWレーダ装置。

請求項8

前記信号処理手段は、入力された前記混合信号から高周波成分を除去し、送信信号と受信信号のビート信号を抽出するローパスフィルタと、抽出された前記送信信号と受信信号のビート信号をアナログ信号からディジタル信号に変換するアナログ−ディジタル変換器と、ディジタル変換された前記送信信号と受信信号のビート信号から受信信号対を抽出して順次出力するデータ抽出器と、を備える、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のFM−CWレーダ装置。

請求項9

三角波により周波数変調された送信信号に係る送信波を照射すると共に、前記送信波が目標において反射された反射波を受信信号として受信する空中線を用いたFM−CWレーダ方法であって、前記送信信号を順次生成して前記空中線へ出力すると共に、前記受信信号が入力する毎に前記生成した送信信号と前記受信された受信信号とを混合して混合信号を順次出力し、前記出力された混合信号からアップ変調に対応するタイミングのアップビート受信信号とダウン変調に対応するタイミングのダウンビート受信信号とを抽出し、受信信号対として順次出力し、前記出力された受信信号対を、順次FFT処理してスペクトラム対を出力し、出力された所定数のスペクトラム対を平均化処理して平均スペクトラム対を算出すると共に、着目する一つのスペクトラム対を選択し、前記算出された平均スペクトラム対に、第1閾値より大きい振幅を有するアップビート信号およびダウンビート信号が含まれているか否か判定し、含まれていない場合は、前記選択されたスペクトラム対から目標検知し、含まれている場合は、前記含まれているアップビート信号およびダウンビート信号をアップ固定物ビート信号およびダウン固定物ビート信号を逆FFT処理すると共に前記選択されたスペクトラム対に対応する受信信号対から減算してFFT処理し、該FFT処理したスペクトラム対から目標検知する、空中線を用いたFM−CWレーダ方法。

技術分野

0001

本発明は、FMCWレーダ装置およびFM−CWレーダ方法に関し、特に、固定物からの反射信号を除去して移動目標を検出するFM−CWレーダ装置およびFM−CWレーダ方法に関する。

背景技術

0002

レーダ装置は、一般に、空間に電波照射し、照射した電波が目標から反射された反射電波を受信することによって目標の存在を探知し、その位置・運動状況などを計測する。レーダ装置はさまざまな用途に使用されるが、近距離の目標を探知するレーダ装置として、例えば、連続波(CW:continuous wave)を送信するレーダ装置がある。特に、近距離目標までの距離を測定するレーダ装置として、CW信号周波数変調(FM:frequency modulation)が施されたFM−CW信号を送信するFM−CWレーダ装置が実用化されている。目標までの距離を測定するFM−CWレーダ装置は、例えば、特許文献1−3に開示されている。

0003

FM−CWレーダ装置は、三角波変調を繰り返したCW信号を送信し、目標からの反射信号(目標信号)と送信信号とを混合することで、目標信号の距離と速度に応じたビート周波数が得られることを利用し、得られたビート周波数から目標の距離と速度を計算する。

0004

得られたビート周波数から目標の距離と速度を求める原理について説明する。送信信号および受信信号信号波形図9(a)に、送信信号と受信信号とが混合された混合信号のビート周波数を図9(b)に示す。

0005

図9(a)に示すように、送信信号は、中心周波数f0のCW信号を、変調周波数幅Δf、変調繰返し周波数fmの三角波で変調した信号である。この時、ビート周波数fBは式(1)で表される。

0006

fB=fR±fV・・・・・・・・・・式(1)
ここで、fRは距離周波数、fVは速度周波数である。式(1)の+符号は、送信信号の周波数が降下する区間に得られるダウンビート信号の周波数(ダウンビート周波数fBD)であり、−符号は、上昇する区間に得られるアップビート信号の周波数(アップビート周波数fBU)である。アップビート信号のスペクトラム図10(a)に、ダウンビート信号のスペクトラムを図10(b)に示す。fBD、fBUは、式(2)、式(3)で、fR、fVは式(4)、式(5)で表される。

0007

fBD=fR+fV・・・・・・・・・式(2)
fBU=fR−fV・・・・・・・・・式(3)
fR=4・Δf・R・fm/C・・・式(4)
fV=2・f0・V/C・・・・・・式(5)
ここで、Cは電波伝播速度、Rは目標の距離、Vは目標の相対速度である。式(1)〜式(5)により、距離Rおよび相対速度Vは、式(6)、式(7)となる。

0008

R=(fBD+fBU)・C/(8・Δf・fm)・・式(6)
V=(fBD−fBU)・C/(4・f0)・・・・・式(7)
すなわち、周波数上昇/下降区間毎のビート周波数fBUとfBDをそれぞれ計測し、その和と差を計算することで、目標距離と相対速度を求めることができる。

先行技術

0009

特開2001−215272号公報
特開2014−115100号公報
特開2012−042214号公報

発明が解決しようとする課題

0010

しかしながら、上述のFM−CWレーダ装置は、目標からの反射信号のみが存在する理想的な環境での基本動作を示したものである。実際の環境におけるFM−CWレーダ装置においては、近傍の建設物構造物等の固定物からの強大な反射信号が不要信号として同時に入力される。目標からの反射信号にそれらの不要信号が重畳した場合、目標の反射信号の取得が困難になる。

0011

本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、移動目標の近傍に建設物や構造物等の固定物が存在している場合であっても、移動目標からの反射信号と固定物からの反射信号とを高精度に分離して、移動目標からの反射信号のみを検出できるFM−CWレーダ装置およびFM−CWレーダ方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

上記目的を達成するために本発明に係るFM−CWレーダ装置は、三角波により周波数変調された送信信号に係る送信波を照射すると共に、前記送信波が目標において反射された反射波を受信信号として受信する空中線と、前記送信信号を順次生成して前記空中線へ出力すると共に、前記受信信号が入力する毎に前記生成した送信信号と前記受信された受信信号とを混合して混合信号を順次出力する信号生成手段と、前記出力された混合信号からアップ変調に対応するタイミングのアップビート受信信号とダウン変調に対応するタイミングのダウンビート受信信号とを抽出し、受信信号対として順次出力する信号処理手段と、前記出力された受信信号対を、識別可能に順次記憶する記憶手段と、前記受信信号対を前記記憶手段から順次読み出し高速フーリエ変換FFT:Fast Fourier Transform)処理してスペクトラム対を平均化処理手段へ出力するFFT処理手段と、所定数のスペクトラム対が入力された時、それらを平均化処理して平均スペクトラム対を算出すると共に、着目する一つのスペクトラム対を選択し、算出した平均スペクトラム対および選択されたスペクトラム対を出力する平均化処理手段と、前記出力された平均スペクトラム対に、第1閾値より大きい振幅を有するアップビート信号およびダウンビート信号が含まれているか否か判定し、含まれていない場合は前記選択されたスペクトラム対を目標検知手段へ出力し、含まれている場合は前記含まれているアップビート信号およびダウンビート信号をアップ固定物ビート信号およびダウン固定物ビート信号として減算処理手段へ出力する判定手段と、前記アップ固定物ビート信号およびダウン固定物ビート信号が入力された場合、前記選択されたスペクトラム対に対応する受信信号対を前記記憶手段から読み出し、前記入力されたアップ固定物ビート信号およびダウン固定物ビート信号を逆FFT処理して読み出した受信信号対からそれぞれ減算し、受信信号対として前記FFT処理手段へ出力する減算処理手段と、入力されたスペクトラム対から、目標からの反射信号を抽出する目標検知手段と、を備え、前記FFT処理手段は、前記減算処理手段から受信信号対が入力した場合、入力された受信信号対をFFT処理してスペクトラム対を前記目標検知手段へ出力する、ことを特徴とする。

0013

上記目的を達成するために本発明に係るFM−CWレーダ方法は、三角波により周波数変調された送信信号に係る送信波を照射すると共に、前記送信波が目標において反射された反射波を受信信号として受信する空中線を用いたFM−CWレーダ方法であって、前記送信信号を順次生成して前記空中線へ出力すると共に、前記受信信号が入力する毎に前記生成した送信信号と前記受信された受信信号とを混合して混合信号を順次出力し、前記出力された混合信号からアップ変調に対応するタイミングのアップビート受信信号とダウン変調に対応するタイミングのダウンビート受信信号とを抽出し、受信信号対として順次出力し、前記出力された受信信号対を、順次FFT処理してスペクトラム対を出力し、出力された所定数のスペクトラム対を平均化処理して平均スペクトラム対を算出すると共に、着目する一つのスペクトラム対を選択し、前記算出された平均スペクトラム対に、第1閾値より大きい振幅を有するアップビート信号およびダウンビート信号が含まれているか否か判定し、含まれていない場合は、前記選択されたスペクトラム対から目標検知し、含まれている場合は、前記含まれているアップビート信号およびダウンビート信号をアップ固定物ビート信号およびダウン固定物ビート信号を逆FFT処理すると共に前記選択されたスペクトラム対に対応する受信信号対から減算してFFT処理し、該FFT処理したスペクトラム対から目標検知する。

発明の効果

0014

上述した本発明の態様によれば、移動目標の近傍に建設物や構造物等の固定物が存在している場合であっても、移動目標からの反射信号と固定物からの反射信号とを高精度に分離して、移動目標からの反射信号のみを検出できる。

図面の簡単な説明

0015

第1の実施形態に係るFM−CWレーダ装置1のブロック構成図である。
第2の実施形態に係るFM−CWレーダ装置100のブロック構成図である。
(a)n番目のスペクトラム対を含む所定数の一連のスペクトラム対の一例、(b)n番目のスペクトラム対を含む所定数の一連のスペクトラム対から算出した平均スペクトラム対の一例、(c)周波数検出器810に入力されたスペクトラム対の一例である。
第2の実施形態に係る別のFM−CWレーダ装置100BのFFT処理回路500B、固定物判定回路600、固定物除去回路700および目標検知回路800のブロック構成図である。
第3の実施形態に係るFM−CWレーダ装置100Cのブロック構成図である。
第3の実施形態に係る第5メモリ560に記憶されているスペクトラム対の一例である。
第3の実施形態に係る別のFM−CWレーダ装置100DのFFT処理回路500D、固定物判定回路600、固定物除去回路700および目標検知回路800のブロック構成図である。
第4の実施形態に係るFM−CWレーダ装置100Eのブロック構成図である。
(a)送信信号および受信信号の信号波形の一例、(b)混合信号から得たビート周波数の一例である。
(a)アップビート信号のスペクトラムの一例、(b)ダウンビート信号のスペクトラムの一例である。

実施例

0016

<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について説明する。本実施形態に係るFM−CWレーダ装置のブロック構成図を図1に示す。図1において、FM−CWレーダ装置1は、空中線10、信号生成手段20、信号処理手段30、記憶手段40、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理手段50、平均化処理手段60、判定手段70、目標検知手段80および減算処理手段90を備える。

0017

空中線10は、信号生成手段20から入力された送信信号に係る送信波を外部空間へ照射すると共に、照射した送信波が目標において反射された反射波を外部空間から受信し、受信信号として信号生成手段20へ出力する。本実施形態に係る空中線10は、送信波の照射と反射波の受信とを交互に繰り返し、受信した受信信号を信号生成手段20へ順次出力する。

0018

信号生成手段20は、三角波を用いて周波数変調した送信信号を空中線10へ出力すると共に、空中線10から受信信号が入力する。そして、信号生成手段20は、空中線10から受信信号が入力される毎に、入力された受信信号と該受信信号の元となった送信信号とを混合し、混合信号を信号処理手段30へ順次出力する。

0019

信号処理手段30は、信号生成手段20から混合信号が入力される毎に、混合信号から三角波のアップ変調に対応するタイミングのアップビート受信信号とダウン変調に対応するタイミングのダウンビート受信信号とを抽出し、抽出したアップビート受信信号およびダウンビート受信信号(以下、受信信号対と記載する。)を記憶手段40へ順次出力する。

0020

記憶手段40は、信号処理手段30から受信信号対が入力される毎に、入力された受信信号対を識別可能に順次記憶する。

0021

FFT処理手段50は、受信信号対を記憶手段40から順次読み出してそれぞれFFT処理し、アップビートのスペクトラムおよびダウンビートのスペクトラム(以下、スペクトラム対と記載する。)を平均化処理手段60へ順次出力する。さらに、本実施形態に係るFFT処理手段50は、後述する減算処理手段90から受信信号対が入力された場合、該入力された受信信号対をFFT処理し、FFT処理したスペクトラム対を後述する目標検知手段80へ出力する。

0022

平均化処理手段60には、FFT処理手段50からスペクトラム対が順次入力される。そして、平均化処理手段60は、着目しているスペクトラム対が入力された場合、該着目しているスペクトラム対を含む所定数の一連のスペクトラム対についての平均化処理を実行し、アップビートの平均スペクトラムおよびダウンビートの平均スペクトラム(以下、平均スペクトラム対と記載する。)を取得する。平均化処理手段60は、取得した平均スペクトラム対を着目しているスペクトラム対と共に判定手段70へ出力する。

0023

判定手段70は、平均スペクトラム対および着目しているスペクトラム対が入力された場合、入力された平均スペクトラム対に、第1閾値より大きい振幅を有するアップビート信号およびダウンビート信号が含まれているか否か判定する。ここで、移動目標は時間と共に距離が変化し、それに対応してビート周波数が変化するのに対し、固定物は距離が変化しないことからビート周波数も変化しない。従って、時間が僅かに異なる複数のスペクトラム対を周波数ごとに平均化した場合、固定物に対応するビート信号の振幅は一定値であるのに対し、移動目標に対応するビート信号の振幅は平均化されて小さくなる。すなわち、平均スペクトラム対に第1閾値より大きい振幅を有するアップビート信号およびダウンビート信号が含まれている場合、これらを固定物に対応するビート信号であると判定することができる。

0024

本実施形態に係る判定手段70は、平均スペクトラム対に第1閾値より大きい振幅を有するアップビート信号およびダウンビート信号が含まれていない場合、平均化処理手段60が平均化に用いた所定数の一連のスペクトラム対には固定物に対応するビート信号が含まれていないと判定する。この場合、判定手段70は、平均化処理手段60から入力された着目しているスペクトラム対を目標検知手段80へ出力する。一方、判定手段70は、平均スペクトラム対に第1閾値より大きい振幅を有するアップビート信号およびダウンビート信号が含まれている場合、該ビート信号対をアップ固定物ビート信号およびダウン固定物ビート信号として減算処理手段90へ出力する。

0025

目標検知手段80は、FFT処理手段50または判定手段70からスペクトラム対が入力された場合、入力されたスペクトラム対に第2閾値(<第1閾値)より大きい振幅を有するアップビート信号およびダウンビート信号が含まれているか否か判定する。目標検知手段80は、第2閾値より大きい振幅を有するアップビート信号およびダウンビート信号が含まれている場合、これらを移動目標からの反射信号として抽出する。

0026

減算処理手段90は、判定手段70からアップ固定物ビート信号およびダウン固定物ビート信号が入力された場合、平均化処理手段60が平均化に用いた所定数の一連のスペクトラム対のいずれかに対応する受信信号対を記憶手段40から読み出す。本実施形態に係る減算処理手段90は、着目しているスペクトラム対に対応する受信信号対を記憶手段40から読み出す。そして、減算処理手段90は、入力されたアップ固定物ビート信号およびダウン固定物ビート信号を逆FFT処理した後で、読み出した受信信号対からそれぞれ減算し、減算された受信信号対をFFT処理手段50へ出力する。ここで、減算処理手段90は、入力されたアップ固定物ビート信号およびダウン固定物ビート信号を、減算対象の受信信号対、すなわち、着目しているスペクトラム対に対応する位相を用いて逆FFT処理する。

0027

減算処理手段90からFFT処理手段50へ出力された受信信号対は、前述したように、FFT処理手段50においてFFT処理された後、平均化処理手段60において再度平均化処理されることなく、そのまま目標検知手段80へ出力される。

0028

上記のように構成されたFM−CWレーダ装置1は、平均化処理手段60において、着目しているスペクトラム対を含む所定数の一連のスペクトラム対についての平均スペクトラム対を算出する。平均スペクトラム対においては移動目標に対応するビート信号の振幅は平均化されて小さくなることから、移動目標に対応するビート信号と固定物に対応するビート信号とが重畳している場合であっても、これらを容易に分離することができる。そして、FM−CWレーダ装置1は、減算処理手段90において、受信信号対から抽出した固定物に対応するビート信号を除去することにより、除去処理後の受信信号対から移動目標に対応するビート信号を高精度に検出することができる。

0029

<第2の実施形態>
第2の実施形態について説明する。本実施形態に係るFM−CWレーダ装置のブロック図を図2に示す。図2に示すように、FM−CWレーダ装置100は、空中線200、信号生成回路300、信号処理回路400、FFT処理回路500、固定物判定回路600、固定物除去回路700および目標検知回路800を備える。

0030

空中線200は、信号生成回路300から入力された送信信号の電波を所定の方向へ照射すると共に、空間からの反射電波を受信して受信信号を信号生成回路300へ出力する。本実施形態に係る空中線200は、送信波の照射と反射波の受信とを交互に繰り返し、受信した受信信号を信号生成回路300へ順次出力する。

0031

信号生成回路300は、三角波発生器310、電圧制御発振器320、方向性結合器330およびミキサ340を備え、送信信号を生成して空中線200へ出力すると共に、生成した送信信号と空中線200において受信された受信信号とを混合して混合信号を信号処理回路400へ出力する。

0032

三角波発生器310は、三角波の変調信号を生成して電圧制御発振器320へ出力する。

0033

電圧制御発振器320は、入力された三角波を用いて所定の周波数のCW信号を変調し、送信信号を方向性結合器330およびミキサ340へ出力する。

0034

方向性結合器330は、入力された送信信号を空中線200へ出力すると共に、空中線200から入力された受信信号をミキサ340へ出力する。

0035

ミキサ340は、空中線200において電波の照射およびその反射電波の受信が行われる毎に、空中線200および方向性結合器330を介して外部空間から受信された受信信号と、電圧制御発振器320から入力された送信信号とを混合し、混合信号を順次、信号処理回路400へ出力する。

0036

信号処理回路400は、ローパスフィルタLPF:Low-pass filter)410、アナログ−ディジタル変換器ADC:Analog-to-digital converter)420およびデータ抽出器430を備え、信号生成回路300から順次入力される混合信号から、アップビートおよびダウンビートの2種類の受信信号を抽出し、データ解析回路500へ順次出力する。

0037

LPF410は、入力された混合信号から高周波成分を除去し、送信信号と受信信号のビート信号を抽出してADC420へ出力する。

0038

ADC420は、アナログのビート信号を、ディジタルのビート信号に変換してデータ抽出器430へ出力する。

0039

データ抽出器430は、入力されたディジタルのビート信号から、三角波変調信号のアップ変調に対応するタイミングの受信信号とダウン変調に対応するタイミングの受信信号とを抽出し、アップビートの受信信号およびダウンビートの受信信号(以下、受信信号対と記載する。)をFFT処理回路500へ順次出力する。

0040

FFT処理回路500は、第1メモリ510およびFFT処理器520を備え、入力された受信信号対をFFT処理し、アップビートのスペクトラムおよびダウンビートのスペクトラム(以下、スペクトラム対と記載する。)を固定物判定回路600または目標検知回路800へ出力する。

0041

第1メモリ510は、信号処理回路400から順次入力された受信信号対を識別可能に記憶する。

0042

FFT処理器520は、受信信号対を第1メモリ510から順次読み出してそれぞれFFT処理し、アップビートのスペクトラムおよびダウンビートのスペクトラム(以下、スペクトラム対と記載する。)を固定物判定回路600へ順次出力する。さらに、本実施形態に係るFFT処理器520は、固定物除去回路700から受信信号対が入力された場合、該入力された受信信号対をFFT処理し、取得したスペクトラム対を目標検知回路800へ出力する。

0043

固定物判定回路600は、平均処理器610およびしきい値判定器620を備え、入力されたスペクトラム対に固定物のビート信号が含まれているか否か判定する。

0044

平均処理器610は、入力されたスペクトラム対をいったん記憶し、着目しているn番目のスペクトラム対を含む所定数の一連のスペクトラム対についての平均スペクトラムを算出する。平均処理器610は、算出したアップビートの平均スペクトラムおよびダウンビートの平均スペクトラム(以下、平均スペクトラム対と記載する。)と、着目しているn番目のスペクトラム対とをしきい値判定器620へ出力する。

0045

着目するn番目のスペクトラム対を含む所定数の一連のスペクトラム対の一例を図3(a)に、図3(a)に示した(m1+1+m2)組のスペクトラム対から算出した平均スペクトラム対の一例を図3(b)に示す。

0046

しきい値判定器620は、平均処理器610から入力された平均スペクトラム対に、振幅値がしきい値TH1より大きいビート周波数が存在するか否か判定する。前出の図3(a)から分かるように、固定物のビート信号は常に同一のビート周波数で計測されるのに対し、本来の目標である移動目標は、計測ごとにビート周波数が変化する。このため、着目するn番目のスペクトラムを含む時間的に前後に位置する(m1+1+m2)組のスペクトラムから求めた平均スペクトラムにおいて、固定物のビート信号は変化しないのに対して、移動目標のビート信号は平均値母数に応じて振幅値が低下する。

0047

従って、しきい値判定器620は、平均スペクトラムにしきい値TH1を超えるビート信号が含まれていない場合、着目しているn番目のスペクトラムに固定物のビート信号が含まれていないと判定する。しきい値判定器620は、着目しているn番目のスペクトラム対に固定物のビート信号が含まれていないと判定した場合、入力された着目しているn番目のスペクトラム対を目標検知回路800へ出力する。

0048

一方、しきい値判定器620は、振幅値がしきい値TH1より大きいビート周波数が存在する場合、さらに、振幅値がしきい値TH1より大きいビート周波数に対応するアップビート信号およびダウンビート信号(以下、ペア信号と記載する。)を2つの平均スペクトラムからそれぞれ抽出する。ここで、本実施形態に係るしきい値判定器620は、アップビート信号のスペクトラムとダウンビート信号のスペクトラムのうち同じ周波数成分をペアとし、いずれか一方で振幅値がしきい値TH1より大きいビート周波数が検出された場合、もう一方の同じ周波数のビート信号も検出してペア信号とする。そして、しきい値判定器620は、抽出したペア信号の振幅値の差分を算出し、算出した差分があらかじめ設定した固定目標判定領域内であるか否か判定する。しきい値判定器620は、例えば、算出した差分が第3の閾値以下の場合、固定目標判定領域内であると判定する。

0049

ここで、固定物のビート信号はアップビートとダウンビートとで変化しないのに対し、移動目標のビート信号はアップビートとダウンビートとで変化する。従って、しきい値判定器620は、振幅値がしきい値TH1より大きいビート周波数であっても、ペア信号の振幅の差分が大きい場合、固定物に対応するペア信号ではないと判定する。

0050

本実施形態に係るしきい値判定器620は、算出した差分が固定目標判定領域内にない場合、固定物に対応するペア信号ではない(例えば、振幅の大きい移動目標からの反射信号)と判定し、着目しているn番目のスペクトラム対を目標検知回路800へ出力する。一方、しきい値判定器620は、算出した差分が固定目標判定領域内にある場合、当該ピークのデータは固定目標に対応するペア信号であると判定し、抽出したペア信号を、固定物除去回路700へ出力する。

0051

固定物除去回路700は、逆FFT処理器710および減算処理器720を備え、固定物判定回路600から入力されたペア信号を着目しているn番目のスペクトラム対に対応する受信信号対から除去する。

0052

逆FFT処理器710は、ペア信号が入力した場合、着目するn番目のスペクトラム対における位相を第1メモリ510から取得し、取得した位相を用いて入力されたペア信号をそれぞれ逆FFT処理する。すなわち、逆FFT処理して時間軸上のビート信号に変換することにより、固定物のビート受信信号対推定する。逆FFT処理器710は、逆FFT処理することによって得られたアップビートのビート受信信号およびダウンビートのビート受信信号を、固定物に対応するビート受信信号対として減算処理器720へ出力する。

0053

減算処理器720は、固定物に対応するビート受信信号対が入力された場合、着目しているn番目のスペクトラム対に対応する受信信号対を第1メモリ510から抽出し、該抽出した受信信号対から固定物に対応するビート受信信号対をそれぞれ減算する。減算処理器720は、固定物に対応するビート受信信号対が除去された受信信号対を、FFT処理回路500のFFT処理器520へ出力する。前述のように、減算処理器720からFFT処理器520へ出力された受信信号対は、FFT処理器520においてFFT処理された後、そのまま目標検知回路800へ出力される。

0054

目標検知回路800は、周波数検出器810および距離・速度検出器820を備え、FFT処理回路500または固定物判定回路600から入力されたスペクトラム対を用いて、移動目標までの距離および移動目標の移動速度を取得する。

0055

周波数検出器810には、固定物判定回路600のしきい値判定器620またはFFT処理回路500のFFT処理器520から、固定物のビート信号を含まないスペクトラム対が入力される。周波数検出器810に入力されたスペクトラム対の一例を図3(c)に示す。図3(c)に示すように、周波数検出器810に入力されたスペクトラム対には固定物に対応するビート信号が含まれていないことから、周波数検出器810は、入力されたスペクトラムをしきい値TH1より小さいしきい値TH2を用いて目標に対応するアップビートおよびダウンビートのビート信号を高精度に抽出することができる。本実施形態に係る周波数検出器810は、しきい値TH2を超えたビート信号対を、移動目標に対応するアップビートおよびダウンビートのビート信号として距離・速度検出器820へ出力する。

0056

距離・速度検出器820は、入力された移動目標に対応するアップビートおよびダウンビートのビート信号の周波数から、目標の距離および速度を計算して出力する。

0057

上記のように構成されたFM−CWレーダ装置100は、平均処理器610においてアップビートおよびダウンビートのスペクトラムの時間平均を算出することにより、目標と固定物とを高精度に切り分けることができる。そして、FM−CWレーダ装置100は、固定物除去回路700において、切り分けした固定物に対応するアップビートおよびダウンビートのビート信号を着目しているn番目のアップビートおよびダウンビートの受信信号から減算することにより、固定物に対応するアップビートおよびダウンビートのビート信号が含まれていない受信信号対を取得することができる。

0058

従って、本実施形態に係るFM−CWレーダ装置100は、目標からの反射信号の振幅が小さく、目標からの反射信号が近傍の固定物からの反射信号に隠れてしまっている場合であっても、目標に対応するビート信号を高精度に検出することができる。

0059

ここで、本実施形態において、平均処理器610は、着目しているn番目のスペクトラム対と、その前後の(m1+m2)組のスペクトラム対とから平均スペクトラム対を算出したが、着目しているn番目のスペクトラム対を除いた(m1+m2)組のスペクトラム対から平均スペクトラム対を算出することもできる。また、移動目標の距離および速度を速やかに取得する必要がある場合、着目しているn番目のスペクトラム対と、その前のm1組のスペクトラム対とから平均スペクトラム対を算出することでも良い。さらに、着目しているn番目のスペクトラム対と、その後のm2組のスペクトラム対とから平均スペクトラム対を求めることもできる。

0060

また、本実施形態においては、平均処理器610において、FFT処理回路500から入力されたスペクトラム対をいったん記憶したが、FFT処理回路500に第2メモリを配置し、平均処理器610が第2メモリから着目するn番目のスペクトラム対を含む所定数の一連のスペクトラム対を読み出して平均化処理することもできる。また、本実施形態においては、固定物に対応するアップビートおよびダウンビートのビート信号が含まれていない受信信号対を固定物除去回路700からFFT処理器520へ押し込み式に出力し、さらに、FFT処理器520から目標検知回路800へ押し込み式に出力したが、第3メモリおよび第4メモリを配置して、FFT処理器520および目標検知回路800が第3メモリおよび第4メモリから受信信号対およびスペクトラム対を読み出して処理する構成することもできる。

0061

上記のように構成されたFM−CWレーダ装置100Bの、FFT処理回路500B、固定物判定回路600、固定物除去回路700および目標検知回路800のブロック構成図を図4に示す。図4のFFT処理回路500Bは、上述した第2メモリ530、第3メモリ540および第4メモリ550を備える。なお、図4のFM−CWレーダ装置100Bの空中線200、信号生成回路300および信号処理回路400は、図2のFM−CWレーダ装置100のそれらと同様に機能する。

0062

<第3の実施形態>
第3の実施形態について説明する。本実施形態に係るFM−CWレーダ装置のブロック構成図を図5に示す。図5に示すように、FM−CWレーダ装置100Cは、空中線200、信号生成回路300、信号処理回路400、FFT処理回路500C、固定物判定回路600、固定物除去回路700および目標検知回路800を備える。ここで、空中線200、信号生成回路300および信号処理回路400は、第2の実施形態で説明した図2のそれらと同様であるため、詳細な説明を省略する。以下、第2の実施形態に係る図2のFM−CWレーダ装置100と異なる点を中心に説明する。

0063

FFT処理回路500Cは、第1メモリ510、FFT処理器520、第3メモリ540および第5メモリ560を備え、入力された受信信号対をFFT処理し、スペクトラム対を固定物判定回路600または目標検知回路800へ出力する。

0064

第1メモリ510は、信号処理回路400から順次入力された受信信号対を識別可能に記憶する。本実施形態に係る第1メモリ510は、受信信号対と計測番号とを紐付けて記憶する。

0065

FFT処理器520は、受信信号対を第1メモリ510および第3メモリ540から順次読み出してそれぞれFFT処理し、スペクトラム対を計測番号と共に第5メモリ560へ出力する。

0066

第3メモリ540は、固定物除去回路700から入力された、固定物に対応するビート受信信号対が除去された受信信号対および計測番号を記憶する。

0067

第5メモリ560は、新たな計測番号nを有するスペクトラム対が入力された場合、入力されたスペクトラム対を計測番号nと共に記憶する。また、第5メモリ560は、既に記憶されている計測番号n’を有するスペクトラム対が入力された場合、既に記憶されている計測番号n’にづけられて記憶されているスペクトラム対を、入力されたスペクトラム対に置き換える。

0068

固定物判定回路600において、平均処理器610は、着目しているn番目のスペクトラム対およびその後のm2回分のスペクトラム対を第5メモリ560から読み出し、読み出した(1+m2)組のスペクトラム対についての平均スペクトラム対を算出し、着目しているn番目のスペクトラム対と共にしきい値判定器620へ出力する。

0069

しきい値判定器620は、入力された平均スペクトラム対に振幅値がしきい値TH1より大きいビート周波数が存在するか否か判定する。しきい値判定器620は、振幅値がしきい値TH1より大きいビート周波数が存在しない場合、入力された着目しているn番目のスペクトラム対を目標検知回路800へ出力する。一方、しきい値判定器620は、振幅値がしきい値TH1より大きいビート周波数が存在する場合、さらに、振幅値がしきい値TH1より大きいビート周波数に対応するペア信号の振幅値の差分を算出し、算出した差分があらかじめ設定した固定目標判定領域内であるか否か判定する。

0070

しきい値判定器620は、算出した差分が固定目標判定領域内にない場合、固定物に対応するペア信号ではないと判定し、着目しているn番目のスペクトラム対を目標検知回路800へ出力する。一方、しきい値判定器620は、算出した差分が固定目標判定領域内にある場合、ペア信号を固定物除去回路700へ出力する。

0071

固定物除去回路700において、逆FFT処理器710は、固定物判定回路600から入力されたペア信号を着目しているn番目のスペクトラム対の位相を第1メモリ510から取得し、取得した位相を用いて逆FFT処理する。そして、減算処理器720は、着目しているn番目のスペクトラム対に対応する受信信号対を第1メモリ510から読み出し、逆FFT処理されたペア信号を減算する。固定物除去回路700は、固定物に対応するビート受信信号対が除去された受信信号対を計測番号nと共に第3メモリ540へ出力する。

0072

固定物除去回路700から第3メモリ540へ出力された計測番号nの受信信号対は、FFT処理器520においてFFT処理が施された後、第5メモリ560へ出力され、第5メモリ560において計測番号nに紐づけられて記憶されているスペクトラム対に上書き保存される。

0073

目標検知回路800において、周波数検出器810は、第5メモリ560において上書き保存されたスペクトラム対を抽出し、抽出したスペクトラム対から目標に対応するアップビートおよびダウンビートのビート信号を抽出する。そして、距離・速度検出器820は、抽出された目標に対応するアップビートおよびダウンビートのビート信号から、移動目標までの距離および移動目標の移動速度を取得する。

0074

上記のように構成されたFM−CWレーダ装置100Cの動作手順について説明する。FM−CWレーダ装置100Cにおいて、FFT処理器520においてFFT処理された受信信号対は、スペクトラム対として計測番号と共に第5メモリ560に記憶される。この時の第5メモリ560の状態を図6(a)に示す。図6(a)において、第5メモリ560には、着目している計測番号nのスペクトラム対およびその後のm2回分のスペクトラム対が、計測番号n、…、n+m2と共に記憶されている。

0075

平均処理器610は、第5メモリ560から着目している計測番号nのスペクトラム対およびその後のm2回分のスペクトラム対を読み出して平均スペクトラム対を算出し、着目している計測番号nのスペクトラム対と共にしきい値判定器620へ出力する。しきい値判定器620は、入力された平均スペクトラム対に固定物のビート信号が含まれているか否か判定し、含まれていないと判定した場合、着目している計測番号nのスペクトラム対を目標検知回路800へ出力する。一方、しきい値判定器620は、含まれていると判定した場合、平均スペクトラムからペア信号を抽出して固定物除去回路700へ出力する。

0076

固定物除去回路700は、ペア信号が入力された場合、ペア信号を逆FFT処理し、着目している計測番号nのスペクトラム対に対応する受信信号対から減算し、減算結果を計測番号nと共に第3メモリ540へ出力する。

0077

第3メモリ540へ出力された計測番号nの減算済みの受信信号対は、FFT処理器520においてFFT処理された後、第5メモリ560へ出力され、第5メモリ560において計測番号nに紐づけられて記憶されているスペクトラム対に上書き保存される。この時の第5メモリ560の状態を図6(b)に示す。図6(b)に示すように、計測番号nのスペクトラム対は、固定物に対応するビート受信信号対が除去されたスペクトラム対に上書きされる。

0078

その後、平均処理器610は、着目しているスペクトラム対を、計測番号nのスペクトラム対から計測番号(n+1)のスペクトラム対にずらし、同様の処理を行う。この時の第5メモリ560の状態を図6(c)に示す。平均処理器610は、第5メモリ560から着目している計測番号(n+1)のスペクトラム対およびその後のm2回分のスペクトラム対を読み出して平均スペクトラム対を算出する。そして、第5メモリ560にFFT処理器520から計測番号(n+1)に紐づけられたスペクトラム対が入力することにより、着目している計測番号(n+1)のスペクトラム対が、固定物に対応するビート受信信号対が除去されたスペクトラム対に上書きされる。

0079

ここで、第1メモリ510および第3メモリ540を、第6メモリに置き換えることもできる。この場合のFM−CWレーダ装置100DのFFT処理回路500D、固定物判定回路600、固定物除去回路700および目標検知回路800のブロック構成図を図7に示す。

0080

図7の固定物除去回路700は、固定物に対応するビート信号が除去された受信信号対を第6メモリ570へ出力する。第6メモリ570は、図示しない信号処理回路400から入力された受信信号対を計測番号と共に新規保存すると共に、固定物除去回路700から入力された受信信号対を計測番号に応じて上書き保存する。そして、FFT処理器520は、第6メモリ570に受信信号対が新規保存または上書き保存されるごとに、第6メモリ570から新規保存または上書き保存された受信信号対を読み出してFFT処理し、計測番号と共に第5メモリ560へ出力する。

0081

第6メモリ570において、着目している計測番号n以降については信号処理回路400から入力された受信信号対が保存されていることから、図7の固定物除去回路700も、図5の固定物除去回路700と同様に、固定物のビート信号除去前の受信信号対を減算に用いることができる。

0082

<第4の実施形態>
第4の実施形態について説明する。上述した図2図4図5および図7のしきい値判定器620はいずれも、固定物のビート信号が含まれていると判定した場合、しきい値TH1より大きいビート周波数におけるアップビート信号およびダウンビート信号をスペクトラム対から抽出して固定物除去回路700へ出力した。しかしながら、固定物からの反射信号が多い環境では、多数の固定物のビート信号が同時に検出される。この場合、固定物のビート信号同士が干渉し、ビート周波数の推定精度が低下することがある。

0083

そこで、本実施形態においては、しきい値TH1より大きい全てのビート周波数におけるアップビート信号およびダウンビート信号を同時に検出する代わりに、振幅が最も大きいビート周波数におけるアップビート信号およびダウンビート信号を1組だけ抽出する。本実施形態に係るFM−CWレーダ装置100Eのブロック構成図を図8に示す。

0084

固定物判定回路600Bにおいて、平均処理器610Bは、第5メモリ560に後述するルーチンフラグが付与されているスペクトラム対が記憶されていない場合、着目している計測番号nのスペクトラム対およびその後のm2回分のスペクトラム対を読み出して平均スペクトラム対を算出し、着目している計測番号nのスペクトラム対と共にしきい値判定器620Bへ出力する。

0085

しきい値判定器620Bは、入力された平均スペクトラム対に固定物のビート信号が含まれているか否か判定し、含まれていないと判定した場合、着目している計測番号nのスペクトラム対を目標検知回路800へ出力する。一方、しきい値判定器620Bは、固定物のビート信号が含まれていると判定した場合、振幅が最も大きいビート周波数におけるアップビート信号およびダウンビート信号を1組だけ抽出する。しきい値判定器620Bは、他にも固定物のビート信号が残っている場合、抽出したアップビート信号およびダウンビート信号にルーチンフラグを付加して固定物除去回路700へ出力する。なお、しきい値判定器620Bは、他に固定物のビート信号が残っていない場合、ルーチンフラグを付加しない。

0086

固定物除去回路700は、入力された最も振幅が大きい固定物のビート信号についての減算処理を、第1メモリ510から読み込んだ、着目しているスペクトラム対に対応する受信信号対に対して実行し、除去処理後の受信信号対をルーチンフラグと共に第3メモリ540へ出力する。

0087

FFT処理器520は、受信信号対を第1メモリ510または第3メモリ540から順次読み出してそれぞれFFT処理し、スペクトラム対を回数判定器580へ出力する。FFT処理器520は、受信信号対にルーチンフラグが付与されている場合はスペクトラム対と共にルーチンフラグを回数判定器580へ出力する。

0088

回数判定器580は、FFT処理器520からスペクトラム対のみが入力された場合、カウンタ値をゼロに設定すると共に、入力されたスペクトラム対をそのまま第5メモリ560へ出力する。一方、回数判定器580は、FFT処理器520からスペクトラム対と共にルーチンフラグが入力した場合、保持しているカウンタ値をアップする。そして、回数判定器580は、カウンタ値が予め定めた繰り返し回数に達していない場合、入力されたスペクトラム対をルーチンフラグと共に第5メモリ560へ出力し、カウンタ値が予め定めた繰り返し回数に達した場合、入力されたスペクトラム対を目標検知回路800へ出力してカウンタ値をリセットする。

0089

第5メモリ560は、新たな計測番号nを有するスペクトラム対が入力された場合、入力されたスペクトラム対を計測番号nと共に記憶する。また、第5メモリ560は、既に記憶されている計測番号n’を有するスペクトラム対が入力された場合、計測番号n’に紐づけられて記憶されているスペクトラム対を、入力されたスペクトラム対に置き換える。第5メモリ560は、既に記憶されている計測番号n’を有するスペクトラム対にルーチンフラグが付加されている場合、ルーチンフラグも一緒に記憶する。

0090

目標検知回路800は、固定物判定回路600Bまたは回数判定器580から入力されたスペクトラム対を用いて、移動目標までの距離および移動目標の移動速度を取得する。本実施形態に係る目標検知回路800はさらに、第5メモリ560においてルーチンフラグが付与されていない上書き保存されたスペクトラム対を読み出し、読み出したスペクトラム対を用いて移動目標までの距離および移動目標の移動速度を取得する。

0091

平均処理器610Bは、第5メモリ560にルーチンフラグが付与されているスペクトラム対が記憶されている場合、このスペクトラム対に着目し、該スペクトラム対およびその後のm2回分のスペクトラム対を読み出して平均スペクトラム対を算出し、ルーチンフラグが付与されているスペクトラム対と共にしきい値判定器620Bへ出力する。

0092

そして、しきい値判定器620Bにおいて固定物のビート信号が検知されなくなるか、回数判定器580においてカウンタ値が予め定めた繰り返し回数に達するまで、固定物についての減算処理が継続される。

0093

本実施形態に係るFM−CWレーダ装置100Eは、最大振幅のビート周波数の抽出、ビート信号の推定、減算を繰り返すことにより、固定物のビート信号を振幅の大きいものから順番に一つずつ除去することができ、全ての固定物のビート信号を確実に除去することができる。そして、回数判定器580を配置することにより、固定物からのビート信号がいくつか残存してしまうものの、繰り返し回数が増大して、FFT処理器520や平均処理器610Bの処理能力不足し、動作異常等が発生することを抑制することができる。なお、FFT処理器520や平均処理器610Bの処理能力が十分高い場合には、回数判定器580を削除することもできる。

0094

本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。

0095

1FM−CWレーダ装置
10空中線
20信号生成手段
30信号処理手段
40 記憶手段
50FFT処理手段
60平均化処理手段
70 判定手段
80目標検知手段
90減算処理手段
100 FM−CWレーダ装置
200 空中線
300信号生成回路
310三角波発生器
320電圧制御発振器
330方向性結合器
340ミキサ
400信号処理回路
410LPF
420ADC
430データ抽出器
500FFT処理回路
510 第1メモリ
520FFT処理器
530 第2メモリ
540 第3メモリ
550 第4メモリ
560 第5メモリ
570 第6メモリ
580回数判定器
600固定物判定回路
610平均処理器
620 しきい値判定器
700 固定物除去回路
710 逆FFT処理器
720 減算処理器
800 目標検知回路
810周波数検出器
820 距離・速度検出器

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