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技術 建築用断熱材、断熱ドアパネル及び建築用断熱材の製造方法

出願人 YKKAP株式会社
発明者 甲村和之若林雅樹
出願日 2016年3月24日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2016-059860
公開日 2017年9月28日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-172706
状態 特許登録済
技術分野 建築環境 多孔性物品の製造および廃物の回収・処理 熱絶縁 ガラス板等の固定及び戸板 高分子組成物 特殊ウィング
主要キーワード 赤外線反射材 金属枠材 各表面材 粒状材 最小部分 上下表面 ドア表面 アクリロニトリルスチレン樹脂
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

断熱性能を向上させることができる建築用断熱材断熱ドアパネル及び建築用断熱材の製造方法を提供する。

解決手段

建築用断熱材10は、樹脂骨格18によって複数の気泡部20を形成した樹脂発泡体22を有する構成において、気泡部20に接触する樹脂骨格18の表面に、樹脂骨格18を構成する樹脂材よりも放射率が低い赤外線反射材30を設けている。また、この建築用断熱材10を用いた断熱ドアパネル12は、板状に形成した建築用断熱材10の両面に表面材14を接着固定した構成となっている。

概要

背景

例えば建造物内外仕切玄関ドアは、日射外気による高温の熱の室内への侵入を抑制し、室内での空調効率を確保すると共にドア表面での結露の発生を防止するために断熱構造が設けられることがある。この断熱構造を構築する建築用断熱材としては、例えばポリスチレン系樹脂等を発泡させた樹脂発泡体が広く用いられている。樹脂発泡体は、ペレットと呼ばれる小径樹脂材膨張させることで多数の気泡部を樹脂骨格によって形成した構造であり、高い断熱性能が得られる。

ところで、樹脂発泡体での断熱性能を決める熱の伝達は、一般に樹脂骨格を熱が伝わる熱伝導と、気泡部内の気体を介して熱が伝わる熱伝導と、樹脂骨格から放射された熱が気泡部を通して伝わる熱輻射熱放射)と、気泡部内で気体が移動することで熱が伝わる熱対流とを含む。そこで、特許文献1には、樹脂発泡体に輻射低減剤を含有させることで熱輻射を低減すると共に、樹脂発泡体の厚み方向の上下表面層には輻射低減剤を含有させない構成からなる建築用断熱材が開示されている。

概要

断熱性能を向上させることができる建築用断熱材、断熱ドアパネル及び建築用断熱材の製造方法を提供する。建築用断熱材10は、樹脂骨格18によって複数の気泡部20を形成した樹脂発泡体22を有する構成において、気泡部20に接触する樹脂骨格18の表面に、樹脂骨格18を構成する樹脂材よりも放射率が低い赤外線反射材30を設けている。また、この建築用断熱材10を用いた断熱ドアパネル12は、板状に形成した建築用断熱材10の両面に表面材14を接着固定した構成となっている。

目的

本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、断熱性能を向上させることができる建築用断熱材、断熱ドアパネル及び建築用断熱材の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

樹脂骨格によって複数の気泡部を形成した樹脂発泡体を有する建築用断熱材であって、前記気泡部に接触する前記樹脂骨格の表面に、該樹脂骨格を構成する樹脂材よりも放射率が低い赤外線反射材を設けたことを特徴とする建築用断熱材。

請求項2

請求項1記載の建築用断熱材において、各気泡部間を仕切る前記樹脂骨格の壁厚よりも前記赤外線反射材の粒径が大きいことを特徴とする建築用断熱材。

請求項3

請求項1又は2記載の建築用断熱材において、前記樹脂材は、ポリスチレン系樹脂を含み、前記赤外線反射材は、グラファイトを含むことを特徴とする建築用断熱材。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1項に記載の建築用断熱材を板状に形成し、該板状の建築用断熱材の両面に表面材接着固定したことを特徴とする断熱ドアパネル

請求項5

請求項4記載の断熱ドアパネルにおいて、前記表面材と前記建築用断熱材とが接着剤によって接着固定されており、前記表面材と前記建築用断熱材の表面との間に、前記接着剤が設けられず、前記表面材と前記建築用断熱材とが対面する空隙が複数形成されていることを特徴とする断熱ドアパネル。

請求項6

樹脂材を発泡させて樹脂発泡体を形成する建築用断熱材の製造方法であって、前記樹脂材に該樹脂材よりも放射率が低い赤外線反射材を混合させた混合材を発泡させて前記樹脂発泡体を形成することにより、前記樹脂材によって形成された樹脂骨格で複数の気泡部を形成した前記樹脂発泡体を形成すると共に、前記気泡部に接触する前記樹脂骨格の表面に前記赤外線反射材を設けることを特徴とする建築用断熱材の製造方法。

請求項7

請求項6記載の建築用断熱材の製造方法において、予め取得した前記樹脂材の発泡倍率と各気泡部間を仕切る前記樹脂骨格の壁厚との相関関係のデータに基づいて前記樹脂材の発泡倍率を調整することで、前記樹脂骨格の壁厚を所定範囲に制御するものであり、前記樹脂材に混合する前記赤外線反射材の平均粒径を、前記発泡倍率の調整によって制御される樹脂骨格の壁厚よりも大きく設定しておくことを特徴とする建築用断熱材の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、例えば玄関ドア等に用いられる建築用断熱材断熱ドアパネル及び建築用断熱材の製造方法に関する。

背景技術

0002

例えば建造物内外仕切る玄関ドアは、日射外気による高温の熱の室内への侵入を抑制し、室内での空調効率を確保すると共にドア表面での結露の発生を防止するために断熱構造が設けられることがある。この断熱構造を構築する建築用断熱材としては、例えばポリスチレン系樹脂等を発泡させた樹脂発泡体が広く用いられている。樹脂発泡体は、ペレットと呼ばれる小径樹脂材膨張させることで多数の気泡部を樹脂骨格によって形成した構造であり、高い断熱性能が得られる。

0003

ところで、樹脂発泡体での断熱性能を決める熱の伝達は、一般に樹脂骨格を熱が伝わる熱伝導と、気泡部内の気体を介して熱が伝わる熱伝導と、樹脂骨格から放射された熱が気泡部を通して伝わる熱輻射熱放射)と、気泡部内で気体が移動することで熱が伝わる熱対流とを含む。そこで、特許文献1には、樹脂発泡体に輻射低減剤を含有させることで熱輻射を低減すると共に、樹脂発泡体の厚み方向の上下表面層には輻射低減剤を含有させない構成からなる建築用断熱材が開示されている。

先行技術

0004

特許第3916460号公報

発明が解決しようとする課題

0005

上記したように、樹脂発泡体での熱輻射は樹脂骨格から放射された熱が気泡部を通して伝わることによって発生する。ところが、上記特許文献1の構成は、単に輻射低減剤を発泡体に含有させただけの構成であり、例えば輻射低減剤が樹脂骨格の内部に埋没している場合には十分に熱輻射を低減することができない可能性がある。

0006

本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、断熱性能を向上させることができる建築用断熱材、断熱ドアパネル及び建築用断熱材の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明に係る建築用断熱材は、樹脂骨格によって複数の気泡部を形成した樹脂発泡体を有する建築用断熱材であって、前記気泡部に接触する前記樹脂骨格の表面に、該樹脂骨格を構成する樹脂材よりも放射率が低い赤外線反射材を設けたことを特徴とする。

0008

また、本発明に係る建築用断熱材の製造方法は、樹脂材を発泡させて樹脂発泡体を形成する建築用断熱材の製造方法であって、前記樹脂材に該樹脂材よりも放射率が低い赤外線反射材を混合させた混合材を発泡させて前記樹脂発泡体を形成することにより、前記樹脂材によって形成された樹脂骨格で複数の気泡部を形成した前記樹脂発泡体を形成すると共に、前記気泡部に接触する前記樹脂骨格の表面に前記赤外線反射材を設けることを特徴とする。

0009

このような構成及び方法によれば、気泡部を通した樹脂骨格からの熱輻射が赤外線反射材で適宜反射される。その結果、当該建築用断熱材の一面側から入力された熱はその一部が一面側やその周囲に反射され、建築用断熱材全体での他面側への熱伝導が低減されるため、断熱性能が向上する。

0010

本発明に係る建築用断熱材において、各気泡部間を仕切る前記樹脂骨格の壁厚よりも前記赤外線反射材の粒径が大きい構成であるとよい。そうすると、赤外線反射材が樹脂骨格の内部に埋没することを防止し、その表面に確実に露出させることができる。

0011

本発明に係る建築用断熱材において、前記樹脂材は、ポリスチレン系樹脂を含み、前記赤外線反射材は、グラファイトを含む構成であってもよい。そうすると、低コスト且つ高い製造効率で当該建築用断熱材を形成することができる。

0012

本発明に係る断熱ドアパネルは、上記構成の建築用断熱材を板状に形成し、該板状の建築用断熱材の両面に表面材接着固定したことを特徴とする。このような構成によれば、高い断熱性能を持った断熱ドアパネルが得られるため、例えば玄関ドア等に好適に利用できる。

0013

本発明に係る断熱ドアパネルにおいて、前記表面材と前記建築用断熱材とが接着剤によって接着固定されており、前記表面材と前記建築用断熱材の表面との間に、前記接着剤が設けられず、前記表面材と前記建築用断熱材とが対面する空隙が複数形成された構成であってもよい。そうすると、表面材と建築用断熱材との間で接着剤を設けていない部分の空隙での熱輻射を赤外線反射材によって適宜反射することができ、断熱性能が一層向上する。

0014

本発明に係る建築用断熱材の製造方法において、予め取得した前記樹脂材の発泡倍率と各気泡部間を仕切る前記樹脂骨格の壁厚との相関関係のデータに基づいて前記樹脂材の発泡倍率を調整することで、前記樹脂骨格の壁厚を所定範囲に制御するものであり、前記樹脂材に混合する前記赤外線反射材の平均粒径を、前記発泡倍率の調整によって制御される樹脂骨格の壁厚よりも大きく設定しておくようにしてもよい。そうすると、所望の発泡倍率で形成した樹脂発泡体を構成する樹脂骨格の壁厚よりも赤外線反射材の粒径が大きくなり、赤外線反射材をより確実に樹脂骨格の表面に配置でき、高い断熱性能が確保される。

発明の効果

0015

本発明によれば、断熱材内部での熱輻射を低減することができ、断熱性能が向上する。

図面の簡単な説明

0016

図1は、本発明の一実施形態に係る建築用断熱材を用いた断熱ドアパネルの一部を拡大して模式的に示した断面図である。
図2は、図1中の丸印IIで囲んだ部分の拡大図である。
図3は、図2に示す建築用断熱材の一部を拡大した図である。
図4は、ポリスチレン系樹脂の発泡倍率と樹脂骨格の壁厚との相関関係のデータを示すグラフである。
図5は、変形例に係る断熱ドアパネルの一部を拡大して模式的に示した断面図である。
図6は、変形例に係る建築用断熱材を用いた断熱ドアパネルの一部を拡大して模式的に示した断面図である。
図7は、図1に示す断熱ドアパネルを有する断熱ドアの正面図である。

実施例

0017

以下、本発明に係る建築用断熱材について、この断熱材を用いた断熱ドアパネルを例示して好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。

0018

図1は、本発明の一実施形態に係る建築用断熱材10(以下、単に「断熱材10」と呼ぶ)を用いた断熱ドアパネル12の一部を拡大して模式的に示した断面図である。本実施形態に係る断熱材10は、例えば図7に示すように建物躯体の開口部に設置されるドア枠13の内側に開閉可能に取り付けられる断熱ドア15(例えば玄関ドア)のパネル材である断熱ドアパネル12に利用される。本実施形態は、断熱ドア以外、例えばシャッター装置スラット雨戸等、各種建具用の断熱材として利用できる。

0019

図1に示すように、断熱ドアパネル12は、断熱材10の室内外側となる両表面にそれぞれ表面材14を配設することで、表面材14,14間に断熱材10を挟み込んだ構造である。各表面材14は薄い鋼板で構成され、断熱材10の表面に接着剤16を用いて接着固定されている。接着剤16に代えて両面接着テープ等を用いてもよい。断熱ドアパネル12は、例えばその四周縁部が図示しない金属枠材によって囲まれることで断熱ドアを構成する。

0020

断熱材10は、このような断熱ドアパネル12での室内外方向図1中で上下方向)での熱伝導を抑制するために用いられている。

0021

図2は、図1中の丸印IIで囲んだ部分の拡大図であり、図3は、図2に示す断熱材10の一部を拡大した図である。

0022

図1及び図2に示すように、断熱材10は、網目状に形成された樹脂骨格18によって複数の気泡部20を形成した樹脂発泡体22を有する。樹脂発泡体22は、樹脂骨格18で仕切られた多数の気泡部20を有する球状や多面体状セル24の集合体となっている。各セル24は、それぞれの外壁となる樹脂骨格18同士が接合されることで壁厚の大きなセル間樹脂骨格26を介して密着配置されている。樹脂発泡体22は、複数のセル24が互いの周囲にそれぞれ密着しつつ連なり、例えば板状に成形されている。

0023

各セル24では、気泡部20に接触する樹脂骨格18の表面に赤外線反射材30が設けられている。赤外線反射材30は、樹脂骨格18を構成する樹脂材よりも放射率が低い材質粒状材によって構成され、多くの樹脂骨格18の表面に配置されるように複数設けられている。

0024

本実施形態では、樹脂発泡体22を形成する樹脂骨格18をポリスチレン系樹脂で構成している。ポリスチレン系樹脂は、赤外線領域(例えば、波長5.5μm〜50μm)での放射率が0.95である。

0025

そこで本実施形態では、赤外線反射材30として赤外線領域での放射率が0.95よりも低い材料、例えばグラファイト(放射率0.85)、酸化チタン(放射率0.70)、酸化亜鉛(放射率0.55)、アルミニウム(放射率0.1)等のいずれか又は複数を混合して用いるものとした。なお、本実施形態では、その製造効率やコスト等を考慮してグラファイトを用いている。勿論、樹脂発泡体22を構成する樹脂材もポリスチレン系樹脂以外、例えばポリウレタン系樹脂アクリロニトリルスチレン樹脂等を用いてもよく、この場合も赤外線反射材30はこれら樹脂材よりも放射率の低いものを用いればよい。

0026

但し、赤外線反射材30は、樹脂骨格18の表面に露出して気泡部20に接触するように配置されていないと、気泡部20の一内面から他内面へと伝達される熱輻射を十分に反射、低減することができない。そこで、本実施形態では、赤外線反射材30を樹脂骨格18の表面に配置している。これにより、気泡部20を通した輻射熱が赤外線反射材30で確実に反射されるため、断熱材10の一面側から他面側への熱伝導が全体として低減され、断熱材10の断熱性能が向上する。

0027

本実施形態では、赤外線反射材30をより確実に樹脂骨格18の表面に配置するため、各気泡部20間を仕切る樹脂骨格18の壁厚t1よりも粒径(平均粒径)Dが大きい粒状材である赤外線反射材30を使用している(図3参照)。これにより、樹脂骨格18を形成する樹脂材に赤外線反射材30となる粒状材を所定量混合した混合材を発泡させた際、赤外線反射材30が樹脂骨格18の内部に完全に埋没することが回避される。つまり、樹脂骨格18の表面に赤外線反射材30が確実に露出する。勿論、樹脂発泡体22を構成している全ての樹脂骨格18の壁厚t1よりも粒径Dが大きく構成されていなくてもよく、大部分の樹脂骨格18の壁厚t1が粒径Dよりも小さく構成されていればよい。赤外線反射材30は、粒状材である1粒1粒がそれぞれ赤外線を反射する赤外線反射材として機能するが、赤外線反射材30の粒同士が複数接合された状態で1つの赤外線反射材30として機能することもある。

0028

さらに、各セル24間を仕切るセル間樹脂骨格26の壁厚t2よりも赤外線反射材30の粒径Dを大きくすることが好ましい。そうすると、各セル24の外壁となるセル間樹脂骨格26の表面にも赤外線反射材30を確実に配置できるため、断熱材10の断熱性能が一層向上する。但し、各セル24間を接合するセル間樹脂骨格26の壁厚t2の調整は、樹脂骨格18の壁厚t1の調整よりも難しい。このため、セル間樹脂骨格26の壁厚t2は粒径Dよりも大きくなっていてもよい。

0029

ここで、樹脂骨格18の壁厚t1を赤外線反射材30の粒径Dよりも小さくする方法の一例を説明する。

0030

一般的に、ポリスチレン系樹脂やポリウレタン系樹脂のような樹脂発泡体に用いられる樹脂材は、その発泡倍率と発泡後の樹脂骨格18の壁厚t1との間に相関関係がある。

0031

例えば図4は、ポリスチレン系樹脂の発泡倍率(倍)と樹脂骨格18の壁厚t1(μm)との相関関係のデータを示すグラフである。図4中にプロットされた三角マークは、その発泡倍率で形成された樹脂骨格18のうちで最小部分の壁厚t1を示したデータを示し、四角のマークは、その発泡倍率で形成された樹脂骨格18のうちで最大部分の壁厚t1を示したデータを示している。なお、壁厚t1の最小部分や最大部分とは、例えばサンプルとなる樹脂発泡体22の所定範囲、例えば数ミリ四方測定範囲で最小及び最大の壁厚t1を持つものである。

0032

図4に示すように、ポリスチレン系樹脂による樹脂発泡体22の場合、最小部分の壁厚t1は、発泡倍率33.46(倍)で0.87(μm)、37.56(倍)で0.37(μm)、41.64(倍)で0.25(μm)であった。また、最大部分の壁厚t1は、発泡倍率33.46(倍)で3.5(μm)、37.56(倍)で3.1(μm)、41.64(倍)で2.8(μm)であった。

0033

従って、樹脂骨格18の壁厚t1を赤外線反射材30の粒径Dよりも小さくするためには、先ず、図4に示すような樹脂発泡体22の発泡倍率と樹脂骨格18の壁厚t1との相関関係のデータを予め実験によって取得しておく。次に、このデータに基づき、実際の製品となる樹脂発泡体22を所定の発泡倍率で形成した際の樹脂骨格18の壁厚t1の予測値を求める。そして、この予測値の壁厚t1よりも大きい粒径(平均粒径)Dの赤外線反射材30を樹脂骨格18を構成する樹脂材に添加した混合材を形成し、この混合材を発泡させて樹脂発泡体22を成形すればよい。

0034

なお、図4に示すように樹脂骨格18の壁厚t1は、厚い部分(最大部分)と薄い部分(最小部分)とである程度の差異があり、全ての樹脂骨格18の壁厚t1を均一化することは不可能である。そこで、赤外線反射材30の粒径Dを決定する樹脂骨格18の壁厚t1のデータとしては、最大部分(図4中の四角のマーク)を用いることが好ましい。すなわち、この最大部分の壁厚t1よりも赤外線反射材30の粒径Dを大きく設定しておけば、成形時の状態にもよるが全部或いはほとんどの壁厚t1が粒径Dよりも小さく形成されることになる。勿論、赤外線反射材30の粒径Dを決定する樹脂骨格18の壁厚t1のデータとして、最大部分と最小部分との間の中間値や複数のデータでの平均値を用いてもよく、最低限の条件としては最小部分を用いてもよい。

0035

次に、このような断熱材10の製造方法の一例を説明する。

0036

断熱材10を製造する際は、所定の樹脂材(例えばポリスチレン系樹脂)に赤外線反射材30を構成する粒状材(例えばグラファイト)を混合させた混合材のペレットを発泡させる。その際、樹脂材を例えば41.64(倍)の発泡倍率で発泡させるとすると、この発泡倍率では図4に示すデータから樹脂骨格18の壁厚t1の最大部分が2.8(μm)程度になると予測される。そこで、この樹脂材に添加する赤外線反射材30には、粒径(平均粒径)Dが2.8(μm)よりも大きいものを用いる。

0037

その結果、図1図3に示すように複数の気泡部20を樹脂骨格18で画成した複数のセル24が連なった樹脂発泡体22が成形されると共に、適宜の樹脂骨格18の表面に赤外線反射材30が配設された断熱材10が形成される。この断熱材10は、樹脂骨格18の気泡部20に接触する表面に赤外線反射材30が配置されているため、気泡部20を通した熱輻射が赤外線反射材30で適宜反射される。これにより、例えば断熱材10の一面側から入力された熱はその一部が一面側やその周囲に反射されるため、断熱材10全体での他面側への熱伝導が低減される。

0038

このように製造した断熱材10で断熱ドアパネル12を形成する際は、断熱材10を所定形状に成形し、その両面に接着剤16を用いて表面材14を接着固定すればよい。これにより、室内側と室外側との間で高い断熱性能を持った断熱ドアパネル12が製造される。

0039

ここで、樹脂骨格18となるポリスチレン系樹脂の樹脂材に赤外線反射材30となるグラファイトを添加して発泡させた断熱材10の断熱性能の実験結果を説明する。実験は、樹脂骨格18となるポリスチレン系樹脂の樹脂材に赤外線反射材30となるグラファイトを5重量%添加した混合材を発泡倍率40(倍)で発泡させて断熱材10を形成した。なお、断熱材10の断熱性能は、赤外線反射材30を添加しない以外は同条件で形成した断熱材(比較例断熱材)と比較して測定した。

0040

実験の結果、赤外線反射材30を添加した実施例の断熱材10の熱伝導率が0.030(W/m・K)であったのに対し、比較例断熱材の熱伝導率は0.033(W/m・K)となった。このことから、赤外線反射材30を樹脂骨格18の表面に配置したことで断熱材10が高い断熱性能を有することがわかった。

0041

ところで、図1に示す断熱ドアパネル12は、表面材14と断熱材10との間が接着剤16によって密着している。このため、表面材14に入力された熱はそのほとんどが接着剤16から断熱材10へと伝導される。そこで、表面材14から断熱材10への熱伝導を低減すれば、断熱ドアパネル12の断熱性能を一層向上させることができる。

0042

図5は、変形例に係る断熱ドアパネル12Aの一部を拡大して模式的に示した断面図である。

0043

図5に示す断熱ドアパネル12Aは、図1に示す断熱ドアパネル12の接着剤16の塗布位置を変更したものである。すなわち、図1に示す断熱ドアパネル12では、断熱材10の表面全体と表面材14の内面全体とを接着剤16で接着している。これに対し、図5に示す断熱ドアパネル12Aは、表面材14の内面と断熱材10の表面との間に接着剤16が設けられず、表面材14と断熱材10とが直接的に対面する空隙Gを複数形成している。このため、この空隙Gには断熱材10の赤外線反射材30が露出している。

0044

従って、この断熱ドアパネル12Aでは、表面材14に入力された熱は一部が接着剤16から断熱材10へと伝導され、残部が表面材14の内面から空隙Gを通る熱輻射や空隙Gの気体による熱伝導や熱対流によって断熱材10へと伝達される。ところが、断熱ドアパネル12Aでは、空隙Gでの熱輻射をこの空隙Gに露出した赤外線反射材30によって反射することができる。すなわち、断熱ドアパネル12Aでは、最も熱伝導が大きい接着剤16による直接的な熱伝導を低減しつつ、空隙Gでの熱輻射が低減されるため、高い断熱性能が得られる。

0045

図6は、変形例に係る建築用断熱材10Aを用いた断熱ドアパネル12Bの一部を拡大して模式的に示した断面図である。

0046

図6に示す断熱ドアパネル12Bは、図5に示す断熱ドアパネル12Aの断熱材10を3層構造の断熱材10Aで構成したものである。すなわち、例えば図1に示す断熱材10において、赤外線反射材30は必ずしも断熱材10の全域に添加されている必要はない。そこで、図6に示す断熱ドアパネル12Bでは、赤外線反射材30を添加せずに成形した樹脂発泡体22a,22a間に赤外線反射材30を添加した樹脂発泡体22bを配置した断熱材10Aを用いている。これにより赤外線反射材30の使用量を低減し、コストを低減できる。断熱材10Aにおける樹脂発泡体22a,22bの積層数は2層或いは4層以上であってもよい。また、赤外線反射材30を添加した樹脂発泡体22bは中間層ではなく、表面材14側の表層に設けてもよい。なお、図6では、接着剤16の間に空隙Gを設けた構成を例示しているが、この断熱材10Aは、図1に示すように接着剤16を全面に塗布して空隙Gを持たない構成に適用してもよい。

0047

以上のように、本実施形態に係る建築用断熱材10は、樹脂骨格18によって複数の気泡部20を形成した樹脂発泡体22を有する構成において、気泡部20に接触する樹脂骨格18の表面に、樹脂骨格18を構成する樹脂材よりも放射率が低い赤外線反射材30を設けている。

0048

従って、気泡部20を通した樹脂骨格18からの熱輻射が赤外線反射材30で適宜反射される。その結果、当該断熱材10の一面側から入力された熱はその一部が一面側やその周囲に反射され、断熱材10全体での他面側への熱伝導が低減されるため、断熱性能が向上する。また、上記した特許文献1の構成では、気泡径が異なる発泡層を積層することで断熱性能を向上させようとしているため、製造コストがかかる。この点、当該断熱材10は、気泡部20の径の制御や径の異なる発泡層の積層等が不要となるため、低コストで高い断熱性能が得られる。

0049

赤外線反射材30の粒径(平均粒径)Dは、少なくとも樹脂骨格18の壁厚t1のうちで最も小さい壁厚t1よりも大きく設定されるとよい。そうすると、全ての赤外線反射材30が樹脂骨格18の内部に埋没することが回避され、熱輻射の低減効果を確保できる。但し、赤外線反射材30による熱輻射の低減効果を最大限に発揮させるためには、赤外線反射材30の粒径Dを樹脂骨格18のうちで最も大きい壁厚t1よりも大きくすることが望ましい。

0050

また、本実施形態に係る建築用断熱材10の製造方法では、予め取得した樹脂材の発泡倍率と各気泡部20間を仕切る樹脂骨格18の壁厚t1との相関関係のデータに基づいて樹脂材の発泡倍率を調整することで、樹脂骨格18の壁厚t1を所定範囲に制御するものであり、樹脂材に混合する赤外線反射材30の粒径Dを、発泡倍率の調整によって制御される樹脂骨格18の壁厚t1よりも大きく設定しておく。これにより、所望の発泡倍率で形成した樹脂発泡体22を構成する樹脂骨格18の壁厚t1よりも赤外線反射材30の粒径Dが大きくなる。その結果、赤外線反射材30をより確実に樹脂骨格18の表面に配置でき、高い断熱性能が確保される。

0051

なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。

0052

10,10A建築用断熱材、12,12A,12B断熱ドアパネル、14表面材、16接着剤、18樹脂骨格、20気泡部、22,22a,22b樹脂発泡体、24セル、26 セル間樹脂骨格、30赤外線反射材、G 空隙

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