図面 (/)

技術 車両

出願人 株式会社ブリヂストン
発明者 宇田真
出願日 2016年3月18日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2016-055995
公開日 2017年9月28日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2017-170946
状態 特許登録済
技術分野 自動自転車、自転車一般
主要キーワード 三角プレート ガイドギア 取付け体 フロントギア 伝達プレート 支柱体 短リンク 長リンク
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年9月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

課題

低速での旋回走行から直進走行への移行を円滑とするとともに、幅を容易に狭小化する。

解決手段

旋回走行から直進走行に移行させるには、運転者自重旋回外側に移動させて連結部材69に回転モーメントを生じさせる。この結果、連結部材69から一対の長リンク61、62に揺動力が付与され、長リンク61、62は前部車体12に対する連結点を中心に揺動するが、この揺動により短リンク78、79同士の連結部が旋回内側に向かうとともに直線Lに沿って移動する。このとき、連結部は後部車体28に支持されているので、後部車体28は直立状態に向かって傾動する。低速の旋回走行から直進走行に移行させるときのように遠心力が小さい場合であっても、運転者の自重の移動だけで容易に後部車体28を直立状態に復帰させることができる。

概要

背景

従来、前述のような車両としては、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが知られている。

概要

低速での旋回走行から直進走行への移行を円滑とするとともに、幅を容易に狭小化する。旋回走行から直進走行に移行させるには、運転者自重旋回外側に移動させて連結部材69に回転モーメントを生じさせる。この結果、連結部材69から一対の長リンク61、62に揺動力が付与され、長リンク61、62は前部車体12に対する連結点を中心に揺動するが、この揺動により短リンク78、79同士の連結部が旋回内側に向かうとともに直線Lに沿って移動する。このとき、連結部は後部車体28に支持されているので、後部車体28は直立状態に向かって傾動する。低速の旋回走行から直進走行に移行させるときのように遠心力が小さい場合であっても、運転者の自重の移動だけで容易に後部車体28を直立状態に復帰させることができる。

目的

この発明は、低速での旋回走行から直進走行に円滑に移行することができ、また、その幅を容易に狭小化することができる車両を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

幅方向に離れた複数の前輪を回転可能に支持する狭幅の前部車体と、前記前部車体に前後方向に延びる回転軸Z回りに回転できるよう連結された後部車体と、該後部車体の後端部に回転可能に支持され、前記後部車体が回転軸Z回りに回転したとき、地面Sに対して接地した状態で後部車体と共に傾動する少なくとも1個の後輪と、上端部にハンドルが取り付けられた回転可能なステアリング軸と、ステアリング軸の回転を前記前輪に伝達して該前輪を操舵する操舵手段と、前記後部車体および後輪をステアリング軸の回転に連動して共に傾動させる連動手段と、回転軸Zの幅方向両外側において前部車体に回転可能に連結され、前記回転軸Zに垂直な平面内において揺動可能であるとともに、揺動中心より上方において互いに交差する少なくとも一対の長リンクと、長リンクの上端部に幅方向両端部が回転可能に連結された連結部材と、連結部材の中央部に下端部が固定され、上端部に座席シートが設けられた取付け体と、前記交差位置より下方の長リンクに幅方向外端部が回転可能に連結されるとともに、幅方向内端部が互いに回転可能に連結された少なくとも一対の短リンクとを備え、前記短リンク同士の連結部を後輪の幅方向中央と回転軸Zとを含む平面Lに沿って移動できるよう後部車体に支持させたことを特徴とする車両。

請求項2

前記長リンクの揺動中心から長リンクと連結部材との連結点までの距離Bは、前記長リンクの揺動中心から長リンクと短リンクとの連結点までの距離Cより大である請求項1記載の車両。

請求項3

前記長リンクの揺動中心は回転軸Zと同一高さ、または、これより下方に位置している請求項1または2記載の車両。

請求項4

前記短リンク同士の連結部を、長リンクと短リンクとの連結点同士を結ぶ直線Dより上方に位置させた請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両。

請求項5

前記ステアリング軸を前部車体に回転可能に支持させた請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両。

技術分野

0001

この発明は、複数の前輪を支持する前部車体と、前後方向に延びる回転軸回りに回転できるよう前部車体に連結され、少なくとも1個の後輪を支持する後部車体とを備えた車両に関する。

背景技術

0002

従来、前述のような車両としては、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが知られている。

0003

特開2001−010577号公報

先行技術

0004

このものは、幅方向に離れた2個の前輪を回転可能に支持する前部車体と、前記前部車体に前後方向に延びる回転軸回りに回転できるよう連結された後部車体と、該後部車体の後端部に回転可能に支持され、前記後部車体が回転軸回りに回転したとき、地面に対して接地した状態で後部車体と共に傾動する1個の後輪と、前記後部車体に回転可能に支持されるとともに、上端部にハンドルが取り付けられたステアリング軸と、ステアリング軸の回転を前記前輪に伝達して該前輪を操舵する操舵手段と、前記後部車体および後輪をステアリング軸の回転に連動して共に傾動させる連動手段と、前記前部車体と後部車体との間を橋渡ししながらハの字形に設置され、後部車体の傾動に基づく弾性復元力を後部車体に補助的に付与することにより、該後部車体を地面に対し直立するよう揺動復帰させる2個のリターンスプリングとを備えたものである。

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、このような従来の車両にあっては、高速あるいは中速旋回走行している状態から直進走行移行させるときには、比較的大きな遠心力が運転者、車両に作用するため、あまり問題なく旋回走行から直進走行に移行することができるが、低速で旋回走行している状態から直進走行に移行させるときには、運転者、車両に作用する遠心力が小さな値であり、しかも、前述のリターンスプリングの弾性復元力も充分な値ではないため、直進走行への円滑な移行が困難となっていたという課題があった。なお、旋回走行時に運転者が自重の位置を後部車体の回転軸より旋回外側となるまで大きく移動させて直進走行に復帰させることも考えられるが、このようにすると急激に後部車体が揺動して該後部車体がふらついてしまい安定性が低下してしまうのである。また、前述のように2個のリターンスプリングをハの字形に配置した場合、これらリターンスプリングと前輪や周辺の部材との干渉を避ける必要があり、この結果、自転車等に適用する場合には車両の幅が広くなり過ぎて実用的ではなくなるという課題もあった。

0006

この発明は、低速での旋回走行から直進走行に円滑に移行することができ、また、その幅を容易に狭小化することができる車両を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

このような目的は、幅方向に離れた複数の前輪を回転可能に支持する狭幅の前部車体と、前記前部車体に前後方向に延びる回転軸Z回りに回転できるよう連結された後部車体と、該後部車体の後端部に回転可能に支持され、前記後部車体が回転軸Z回りに回転したとき、地面Sに対して接地した状態で後部車体と共に傾動する少なくとも1個の後輪と、上端部にハンドルが取り付けられた回転可能なステアリング軸と、ステアリング軸の回転を前記前輪に伝達して該前輪を操舵する操舵手段と、前記後部車体および後輪をステアリング軸の回転に連動して共に傾動させる連動手段と、回転軸Zの幅方向両外側において前部車体に回転可能に連結され、前記回転軸Zに垂直な平面内において揺動可能であるとともに、揺動中心より上方において互いに交差する少なくとも一対の長リンクと、長リンクの上端部に幅方向両端部が回転可能に連結された連結部材と、連結部材の中央部に下端部が固定され、上端部に座席シートが設けられた取付け体と、前記交差位置より下方の長リンクに幅方向外端部が回転可能に連結されるとともに、幅方向内端部が互いに回転可能に連結された少なくとも一対の短リンクとを備え、前記短リンク同士の連結部を後輪の幅方向中央と回転軸Zとを含む平面Lに沿って移動できるよう後部車体に支持させた車両により、達成することができる。

発明の効果

0008

車両を低速での旋回走行から直進走行に移行させるには、座席シートに着座している運転者の重心を旋回外側に移動させ、連結部材に旋回外側端部が下降する方向の回転モーメントを生じさせる。この結果、連結部材から一対の長リンクに揺動力が付与され、該長リンクは前部車体に対する連結点を中心に上端部が旋回外側に向かうよう揺動するが、このような揺動は短リンクに伝達され、短リンク同士の連結部が旋回内側に向かうとともに平面Lに沿って移動する。このとき、前記連結部は後部車体に支持されているので、該後部車体は直立状態に復帰するよう傾動する。このように遠心力が小さな低速旋回走行から直進走行への移行時であっても、運転者の重心移動だけで容易に後部車体を直立状態に復帰させることができ、しかも、ハの字形に配置した2個のリターンスプリングは不要であるため、自転車等のような幅の狭い車両に問題なく適用することができる。

0009

また、請求項2に記載のように構成すれば、連結部材から付与される揺動力を増大させて短リンクに伝達することができ、後部車体の直立状態への復帰が容易となる。さらに、請求項3に記載のように構成すれば、長リンクの揺動時における後部車体との干渉を容易に回避することができる。また、請求項4に記載のように構成すれば、短リンクと地面との干渉を容易に回避することができるとともに、長リンクから短リンクに大きな復帰力を与えることができる。さらに、請求項5に記載のように構成すれば、旋回時にもステアリング軸は傾動することがないので、運転者がハンドルを掴んだ状態で腕に力を入れるだけで、自身の重心を車両の幅方向に容易かつ適切に移動させることができる。

図面の簡単な説明

0010

この発明の実施形態1を示す直立状態での平面図である。
その一部破断側面図である。
長、短リンク近傍の背面図である。
揺動時における長、短リンク近傍の背面図である。
復帰時における回転モーメント、力の状態を説明する説明図である。

実施例

0011

以下、この発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。
図1、2において、11は車両、ここでは前二輪後一輪三輪自転車であり、この車両11はその前部に剛体からなる前部車体12を有している。ここで、この実施形態の説明においては、前後、左右、上下の方向とは、車体前方を向いている運転者から見た前後、左右、上下の方向を意味している。13は前部車体12の前端部でその左右端部に、略上下方向に延びるキングピン14を介して旋回可能に支持された一対のナックル体であり、これらのナックル体13には水平軸回りに回転可能な複数、ここでは一対(2個)の前輪15が車両11の幅方向に離れて支持され、これら前輪15は周上1箇所が地面Sに接地している。この結果、これら一対の前輪15は地面Sに対し直立した状態を維持しながら(車両11の旋回時にも回転軸が水平に対し傾動することなく前部車体12に)支持されるが、キングピン14を中心として直立状態を維持しながら左右に首振りすることができる。そして、これら一対の前輪15間の距離は、三輪バギーにおける一対の後輪間の距離のように広くはなく、比較的狭幅であり、この結果、車両11に大きな遠心力等の横力が作用すると、三輪バギーに比較し、安定した運転が難しくなる。

0012

なお、この発明においては、前述した前輪は3個あってもよく、また、後述する後輪と同期して同一方向傾動可能としてもよい。18は等長である水平な一対の揺動リンクであり、これらの揺動リンク18の前端部は前部車体12に幅方向に離れて回転可能に連結され、これら揺動リンク18の長手方向中央部には幅方向に延びる同期リンク19の両端部が回転可能に連結されている。20は各揺動リンク18の後端部にボールジョイントによって内端部が連結された等長である一対のタイロッドであり、これらタイロッド20の外端部はボールジョイントにより前記ナックル体13にそれぞれ連結されている。この結果、揺動リンク18が水平面内で同一方向に揺動すると、これら揺動リンク18の揺動はタイロッド20を介してナックル体13に伝達され、該ナックル体13はキングピン14を中心として同一方向に旋回し、一対の前輪15が同一方向に同一角度だけ同期して首振りする。

0013

前記前部車体12は後側に前後方向に延びる水平な延在部12aを有し、この延在部12aの上方には該延在部12aに平行に延びる支柱体23が設置されている。この支柱体23の前端部には延在部12aに設けられた前後方向に延びる連結ピン25が挿入され、一方、前記支柱体23の後端部には延在部12aに設けられ前記連結ピン25と同軸である連結ピン26が挿入されている。この結果、前記支柱体23は連結ピン25、26の中心軸を中心として回転できるよう前部車体12に連結されていることになる。前記支柱体23の後端には前後方向に延びる一対の支持体27が固定され、これら支持体27は互いに平行で幅方向に離れて配置されている。前述した支柱体23、支持体27は全体として、前後方向に延びる回転軸Z回りに、即ち連結ピン25、26の中心軸回りに回転できるよう前部車体12に連結された後部車体28を構成する。31は前記後部車体28の後端部、詳しくは支持体27の後端部に回転可能に支持された少なくとも1個、ここでは1個の後輪であり、この後輪31は支持体27間に位置するとともに、前記前輪15と同様に周上1箇所が地面Sに接地している。

0014

なお、この発明においては、後輪は前述した前輪15と同様に2個あってもよく、この場合の後輪間の間隔は前輪15間の間隔と同一とすることが好ましい。前述のように直立している前部車体12に支柱体23が回転可能に支持されているため、後部車体28は前述した回転軸Z回りに回転することになるが、このように後部車体28が回転軸Z回りに回転したとき、後輪31は地面Sに対して接地した状態で後部車体28と共に傾動する。前記支柱体23の長手方向(前後方向)中央部には一対のクランク34の基端が連結されたクランクシャフトが回転可能に支持され、これらクランク34の先端にはペダル35が回転可能に支持されている。前記クランクシャフトにはフロントギア36(クランクスプロケット)が固定され、また、後輪31にはリヤギア37(リヤスプロケット)が固定されているが、これらフロントギア36、リヤギア37間にはチェーン38が掛け渡されている。

0015

ここで、前記チェーン38の途中は、支柱体23の後端部に固定されたブラケット39に回転可能に支持されている複数のガイドギア40に次々と掛け渡されることで、延在部12a、支柱体23の下方を走行するようガイドされており、これにより、後部車体28の傾動時においてもチェーン38が他の部材、例えば前部車体12(延在部12a)に干渉する事態を回避している。そして、運転者が前記ペダル35を踏み込んでクランクシャフトを回転させると、該クランクシャフトの回転はフロントギア36、チェーン38を介してリヤギア37に伝達され、後輪31を回転させて車両11を前進させる。前述したクランクシャフト、クランク34、ペダル35、フロントギア36、リヤギア37、チェーン38は全体として、三輪自転車である車両11に推進力を付与して該車両11を走行させる推進手段41を構成する。なお、この発明においては、推進手段をエンジンあるいは電動モータ等の動力源と、ミッション装置等を含むパワーユニットとから構成してもよく、この場合には、車両はオートバイあるいはスクーターとなる。

0016

43は前部車体12に下側部が回転可能に支持されたステアリング軸であり、このステアリング軸43は下端から上端に向かうに従い後方に向かうよう傾斜するとともに、その上端部には操舵用のハンドル44が取り付けられている。そして、このステアリング軸43およびハンドル44は、前記車両11の直進走行時には中立位置に位置している。前記ステアリング軸43の下端部には後方に向かって延びる伝達部材45が固定され(図2参照)、この伝達部材45には外端部が右側の揺動リンク18の後端部にボールジョイントを介して連結された伝達ロッド46の内端部がボールジョイントを介して連結されている。この結果、前記ステアリング軸43が回転し、伝達ロッド46が引っ張られたり押されたりして長手方向に移動すると、揺動リンク18が左右方向に同期揺動して前輪15が首振りする。前述した揺動リンク18、同期リンク19、タイロッド20、伝達部材45、伝達ロッド46は全体として、ステアリング軸43の回転を前記前輪15に伝達して該前輪15を操舵する操舵手段47を構成する。なお、この発明においては、操舵手段として、周知のウォームローラ式あるいはラックピニオン式のものを用いるようにしてもよい。

0017

前記前部車体12より上方のステアリング軸43には左右方向に延びる伝達プレート50の長手方向中央部が固定され、この伝達プレート50の両端部にはボールジョイントを介して略前後方向に延びる一対の伝達ロッド51の前端部がそれぞれ連結されている。52は車両11の幅方向に離れて設置された一対の三角プレートであり、これらの三角プレート52の第1の頂点部は前部車体12の上端部に左右方向に延びるピン53を介して回転可能に連結され、また、第2の頂点部には前記伝達ロッド51の後端部がそれぞれボールジョイントを介して連結されている。54は支柱体23の前端部から左右方向に突出した一対の連結ブロックであり、これら連結ブロック54の先端部にボールジョイントを介して下端部がそれぞれ連結された一対の連結ロッド55の上端部は、ボールジョイントを介して前記三角プレート52の第3の頂点部にそれぞれ連結されている。

0018

この結果、前記ステアリング軸43が中立位置から時計回りあるいは反時計回りに回転すると、該ステアリング軸43の回転は伝達プレート50、伝達ロッド51を介して三角プレート52に伝達され、いずれか一方の三角プレート52がピン53を中心として上方に、残り他方の三角プレート52がピン53を中心として下方に、同一角度だけ互いに逆方向に揺動する。このとき、前述した三角プレート52の揺動は連結ロッド55を介して連結ブロック54に伝達されるため、後部車体28は回転軸Z回りに所定角度だけ回転し、これにより、後部車体28、後輪31は共にステアリング軸43の回転に連動して旋回内側(旋回中心が存在する側)に傾動し、車両11は直進走行から旋回走行に移行する。前述した伝達プレート50、伝達ロッド51、三角プレート52、連結ブロック54、連結ロッド55は全体として、後部車体28および後輪31をステアリング軸43の回転に連動して共に傾動させる連動手段58を構成する。

0019

ここで、前述したステアリング軸43の回転角度と後部車体28の傾動角度との比をどの程度とするかは、どのような運転者が運転を行うか、どのような道を走行するか、どのような速度で走行するか等を案して決定する。なお、この発明においては、連動手段をステアリング軸と車体との間に設置された傘歯車ベルト等から構成してもよい。ここで、ステアリング軸43を前述のように前部車体12に回転可能に支持させたが、このように構成すれば、後部車体28の傾動時にもステアリング軸43は前部車体12と共に直立状態を維持し傾動することがないので、運転者がハンドル44を掴んだ状態で腕に力を入れるだけで、自身の自重(重心)を車両11の幅方向に容易かつ正確に移動させることができ、これにより、後部車体28の直立状態への復帰が容易となる。なお、この発明においては、前記ステアリング軸を傾動可能な後部車体に回転可能に支持させてよく、この場合には、旋回時における運転者の身体のねじり量が少なくなるため、操作感が良好となる。

0020

図1〜4において、61、62は後部車体28の長手方向(前後方向)中央部においてほぼ上下方向に延びる少なくとも一対、ここでは一対の等長である長リンクであり、これらの長リンク61、62は前部車体12(延在部12a)の後端に設けられるとともに、回転軸Zの幅方向両外側にそれぞれ配置された支持ピン63、64がその下端部に挿入されることで、該前部車体12に回転軸Zの幅方向両外側において回転可能に連結されている。そして、前記支持ピン63、64は回転軸Zに平行に延在しているため、前記長リンク61、62は支持ピン63、64を中心として回転軸Zに垂直な平面内において揺動可能となる。また、これら長リンク61、62はその揺動中心(支持ピン63、64の中心軸)より上方においてX字状に交差しているが、その交差位置K近傍に凹み65、66を形成するとともに、これら凹み65、66の底壁同士を摺接させることで、回転軸Zに対する同一垂直平面上をこれら長リンク61、62が揺動できるよう構成している。そして、これら長リンク61、62は後部車体28が直立状態であるときには、鉛直線に対して同一角度で逆方向に傾斜している。なお、この発明においては、二対以上の長リンクを前後方向に離して設けてもよい。

0021

69は前記回転軸Zに平行に延びる連結ピン70、71を介して幅方向両端部が長リンク61、62の上端部にそれぞれ回転可能に連結されたほぼ水平な連結部材であり、この連結部材69は前記長リンク61、62の上端部同士を連結している。そして、この連結部材69は前述した連結ピン70、71が回転軸Zに平行に延在しているため、長リンク61、62が揺動したとき、回転軸Zに垂直な平面内において揺動することができる。72、73は長リンク61、62の長手方向(上下方向)中央部に下端部が固定され、上端部が連結部材69の幅方向両端部に回転可能に連結された補強部材であり、これら補助部材72、73は前記連結部材69の変形を防止している。前記連結部材69の中央部には取付け体74の下端部が固定され、この取付け体74の上端部には運転者が着座する座席シート75が設けられている。そして、前記後部車体28が直立状態のときには、通常、運転者の重心(自重)は座席シート75の幅方向中央直上に位置している。

0022

78、79は長リンク61、62同士の交差位置Kより下方の長リンク61、62、ここでは支持ピン63、64より下方に位置する長リンク61、62の下端に、前記回転軸Zに平行に延びる連結ピン80、81を介して幅方向外端部が回転可能に連結された少なくとも一対(長リンク61、62と同数対であり、ここでは一対)の短リンクであり、これら短リンク78、79の幅方向内端部には前記回転軸Zに平行に延び、これら短リンク78、79同士を互いに回転可能に連結する連結ピン82が設けられている。83は支柱体23の後端に形成され、後輪31の幅方向中央と前記回転軸Zとを結ぶ平面Lに沿って延びる長孔であり、この長孔83には前記連結ピン82が摺動可能に挿入されている。この結果、短リンク78、79が連結ピン80、81を中心に揺動したとき、後部車体28に支持された短リンク78、79同士の連結部、ここでは連結ピン82は前記長孔83に沿って移動することができる。

0023

なお、この発明においては、長リンク61、62同士の交差位置Kと支持ピン63、64との間の長リンク61、62に短リンクの幅方向外端部を回転可能に連結するようにしてもよい。また、この発明においては、前記長孔83の代わりに長孔83と同一方向に延びるガイド溝を後部車体28に形成したり、あるいは、連結ピン82に長孔83または前記ガイド溝内を摺動する直方体状のスライドブロックを固定するようにしてもよい。そして、前述した車両11を直進走行から旋回走行に移行させるために運転者がステアリング軸43を回転させると、該ステアリング軸43の回転は、連動手段58を通じて後部車体28に伝達され、該後部車体28を旋回内側に傾動させる。一方、車両11を旋回走行から直進走行に移行させるときには、運転者はステアリング軸43を前述と逆方向に回転させるが、該ステアリング軸43の回転は連動手段58を通じて後部車体28に弱い復帰力として伝達され、該後部車体28を直立状態に向かって傾動させる。

0024

このとき、座席シート75に着座している運転者は身体全体を旋回外側に移動させたり、体幹を旋回外側に向かって傾斜させ、運転者の自重(重心)の座席シート75に対する作用位置を座席シート75の幅方向中央から旋回外側に向かって移動させる。これにより、後部車体28に直立状態に向かう大きな復帰力が付与される。前述した復帰力の合成により後部車体28は直立状態に円滑に復帰する。この結果、遠心力が小さな低速旋回走行から直進走行への移行時であっても、運転者の自重(重心)移動だけで容易に後部車体28を直立状態に復帰させることができ、しかも、ハの字形に配置した2個のリターンスプリングは不要であるため、自転車等のような幅の狭い車両に問題なく適用することができる。また、前述のように後部車体28を直立状態に復帰させるための手段は座席シート75の直下に配置されているので、車両11全体をコンパクトにまとめることができるとともに、座席シート75とステアリング軸43との間に広い空間を確保することができ、操作性が向上する。

0025

ここで、前述した運転者の自重(重心)Wの移動による復帰力の発生メカニズムを、図5を用いて説明する。車両11の左旋回により後部車体28が後方から見て左側に傾動しているときに、運転者が自重Wを旋回外側(右側)に移動させることで、座席シート75の幅方向右端に該自重Wが作用するようになると、該自重Wにより取付け体74と連結部材69との連結位置に時計回り、即ち、連結部材69の旋回外側端部が下降する方向の回転モーメントM(偶力)が発生する。このような回転モーメントMに基づく回転力は長リンク61、62が受け、該長リンク61、62の上端部(連結ピン70、71)に連結部材69の延在方向に直交する方向の力Fが作用する。このように長リンク61、62の上端部(連結ピン70、71)に力Fが作用すると、これら一対の長リンク61、62に揺動力が付与され、これにより、該長リンク61、62は前部車体12(延在部12a)に対する連結点(支持ピン63、64)を中心に上端部が旋回外側に向かうよう揺動する。このとき、長リンク61、62間の交差角が増大する一方、長リンク61、62から連結ピン80、81を介して短リンク78、79に前記揺動が伝達される。

0026

これにより、短リンク78、79には長リンク61、62と直交する方向の力Gが作用するが、このとき、短リンク78に作用した力Gは、短リンク78を幅方向外側に引っ張る一方、短リンク79に作用した力Gは、短リンク79を幅方向内側に押し込む。この結果、短リンク78、79同士の連結部(連結ピン82)が旋回内側に向かうとともに、平面Lに沿って下方に向かうよう移動する。このとき、前記連結部(連結ピン82)は後部車体28に連結されているので、該後部車体28および後輪31は一体となって直立状態に復帰するよう傾動するのである。この際、前記運転者の自重(重心)Wの移動量を、ステアリング軸43の回転、後部車体28の傾動の程度を感覚で確認しながら調整することで、円滑に後部車体28、後輪31を復帰させることができる。

0027

ここで、前記長リンク61、62の揺動中心(支持ピン63、64)から長リンク61、62と連結部材69との連結点(連結ピン70、71)までの距離Bは、前記長リンク61、62の揺動中心から長リンク61、62と短リンク78、79との連結点(連結ピン80、81)までの距離Cより大としている。その理由は、前述のようにすれば、連結部材69から長リンク61または長リンク62に付与される力を増大して短リンク78または短リンク79に伝達することができ、これにより、傾動した後部車体28を容易に直立状態に復帰させることができるからである。また、この実施形態においては、長リンク61、62の揺動中心(支持ピン63、64)を回転軸Zと同一高さ(地面Sからの高さが同一の位置)に位置させているが、その位置は前記回転軸Zの高さ位置より下方としてもよい。ここで、前記長リンク61、62の揺動中心が回転軸Zの高さ位置より上方にある場合には、長リンク61、62が揺動して後部車体28が傾動すると、該長リンク61、62が後部車体28、例えば支柱体23に接触するおそれがあるが、前述のように長リンク61、62の揺動中心を回転軸Zと同一高さ、または、これより下方に位置させれば、長リンク61、62の揺動時における後部車体28との干渉を容易に回避することができる。

0028

さらに、この実施形態においては、短リンク78、79同士の連結部(連結ピン82)を、長リンク61と短リンク78との連結点(連結ピン80)および長リンク62と短リンク79との連結点(連結ピン81)の2つの連結点同士を結ぶ直線Dより上方に位置(図3参照)させ、短リンク78、79全体を上方に向かって山状に屈曲させているが、この発明においては、短リンク78、79同士の連結点を前記2つの連結点(連結ピン80、81)同士を結ぶ直線Dより下方に位置させ、短リンク78、79全体を下方に向かって谷状に屈曲させるようにしてもよい。そして、前者のように構成すれば、後者のものに比較して、短リンク78、79と地面Sとの干渉を容易に回避することができ、しかも、後部車体28の傾動時における長リンク61と短リンク78との交差角を大きくすることができることで、長リンク61から短リンク78に大きな復帰力を与えることができるので、前者のように構成することが好ましい。なお、長リンク61、62が大きく揺動して連結ピン70、71が共に支持ピン63、64の中心軸を含む鉛直面の片側に位置するようになると、前記自重Wによって長リンク61、62に大きな揺動力が付与されて後部車体28の傾動が加速されるおそれがあるため、前部車体12(延在部12a)に長リンク61、62の過揺動を規制するストッパーを設け、連結ピン70、71が支持ピン63、64の中心軸を含む鉛直面の両側にそれぞれ位置するように規制することが好ましい。

0029

次に、前記実施形態1の作用について説明する。
今、車両11は直進走行をしているとする。このとき、後部車体28は地面Sに対して直立した直立状態を維持しており、また、ハンドル44、ステアリング軸43は中立位置に位置し、前輪15、後輪31は前方を向いている。この状態で車両11を旋回走行、例えば左側に向かって旋回走行させる場合には、運転者がハンドル44、ステアリング軸43を上方から見て反時計回りに回転させるが、このステアリング軸43の回転は伝達部材45、同期リンク19を介して揺動リンク18に伝達され、これら揺動リンク18を反時計回りに揺動させる。この揺動はタイロッド20を介してナックル体13に伝達されるが、このとき、ナックル体13はキングピン14を中心として左方向に旋回し、前輪15が操舵される。

0030

このとき、前記ステアリング軸43の回転は伝達プレート50、伝達ロッド51を通じて一対の三角プレート52に伝達され、これら三角プレート52のうち、旋回内側(左側)の三角プレート52がピン53を中心に下方に揺動する一方、旋回外側(右側)の三角プレート52がピン53を中心に上方に揺動する。このような三角プレート52の揺動は、連結ロッド55を通じて連結ブロック54、後部車体28に伝達され、後部車体28を回転軸Z回りに所定角度だけ反時計回りに回転させるが、このとき、後部車体28、後輪31は共にステアリング軸43の回転に連動しながら旋回内側旋回中心側)に傾動し、車両11は直進走行から旋回走行に移行する。また、このとき、後部車体28の傾動は短リンク78、79同士の連結部(連結ピン82)を介して短リンク78、79に伝達され、これら短リンク78、79を旋回外側に移動させる。この結果、長リンク61、62は支持ピン63、64を中心として反時計回りに揺動する。このとき、長リンク61、62の交差角が小さくなる一方、座席シート75が旋回内側に横スライドするとともに、反時計回りに回転する。

0031

次に、車両11を前述の左側に向かう旋回走行から直進走行に復帰させる場合には、運転者は掴んでいたハンドル44を時計回りに回転させてステアリング軸43を中立位置に復帰させるが、このようなステアリング軸43の回転は操舵手段47を介して前述と同様にナックル体13に伝達され、前輪15は前方を向くよう操舵される。このとき、前述したステアリング軸43の回転は連動手段58を通じて後部車体28に復帰力として伝達される。また、このとき、運転者は身体全体を旋回外側に移動させたり、体幹を旋回外側に向かって傾斜させることで、自重Wの座席シート75に対する作用位置を座席シート75の幅方向中央から旋回外側に向かって移動させる。これにより、座席シート75、取付け体74から連結部材69に時計回りの回転モーメントMが付与されるが、このような回転モーメントMに基づき連結部材69から一対の長リンク61、62に力Fが付与される。これらの力Fは長リンク61、62に対し揺動力として作用し、これにより、長リンク61、62は前部車体12に対する連結点(支持ピン63、64)を中心に時計回りに揺動し、長リンク61、62同士の交差角が大きくなる。

0032

このように長リンク61、62が揺動すると、該長リンク61、62から短リンク78、79に力Gが付与され、これら短リンク78、79同士の連結部(連結ピン82)が旋回内側に向かって移動するとともに、長孔83(平面L)に沿って下方に移動する。このとき、前記連結部(連結ピン82)は後部車体28に支持されているので、前記連結部から後部車体28に直立状態に向かう復帰力が付与される。このような2つの復帰力の合成により後部車体28は直立状態に復帰するのである。この結果、車両11を低速での旋回走行から直進走行に移行させるときのように運転者に作用する遠心力が小さい場合であっても、運転者の自重(重心)移動だけで容易に後部車体28を直立状態に復帰させることができる。

0033

この発明は、後輪および後部車体が傾動可能である車両の産業分野に適用できる。

0034

11…車両 12…前部車体
15…前輪28…後部車体
31…後輪43…ステアリング軸
44…ハンドル47…操舵手段
58…連動手段 61、62…長リンク
69…連結部材74…取付け体
75…座席シート78、79…短リンク

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 本田技研工業株式会社の「 鞍乗型車両の電装品取付構造」が 公開されました。( 2020/09/17)

    【課題】複数の電装品を車体中央寄りの位置に集中配置しながら電装品の保護効果を高めることができる鞍乗型車両の電装品取付構造を提供する。【解決手段】鞍乗型車両(1)のパワーユニット(P)を支持する車体フレ... 詳細

  • ヤマハ発動機株式会社の「 鞍乗型車両」が 公開されました。( 2020/09/17)

    【課題】本発明の課題は、エンジンの大型化を抑えながら、テンショナーのエンジンからの突出量を小さく抑えることにある。【解決手段】第1シャフトは、第1ネジ部を含み、少なくとも一部が第1収納部内に配置される... 詳細

  • 本田技研工業株式会社の「 車体フレーム構造」が 公開されました。( 2020/09/17)

    【課題・解決手段】車両の車体フレーム構造は、車両の骨格をなすフレーム部(7)の車幅方向内側を形成し、繊維強化樹脂材料からなる樹脂材料構成部(62)と、前記フレーム部(7)の車幅方向外側を形成し、前記樹... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ