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技術 加飾シート、加飾成形品、及び加飾モジュール

出願人 セーレン株式会社
発明者 鈴木昭英塩見秀数竹島翔一荒井肇
出願日 2016年3月24日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2016-060679
公開日 2017年9月28日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2017-170801
状態 特許登録済
技術分野 積層体(2)
主要キーワード ウラ面側 カマボコ型 付与パターン 任意層 賦形形状 オモテ 射出成形型内 コア温度
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

加飾シートオモテ面を部分的に発光させて意匠性を向上する。

解決手段

加飾シート1は、第1の屈折率を持つ第1屈折率層高屈折率層)11と、加飾層14と、第1の屈折率よりも低い第2の屈折率を持ち第1屈折率層と加飾層の間に設けられた第2屈折率層(低屈折率樹脂層)12と、第1屈折率層の一方面に部分的に接し設けられて第1屈折率層から進入する光を放散させて加飾シートのオモテ面から部分的に光を放出させる光放散層15と、を備える。加飾シート1のウラ面側樹脂成形体21を積層一体化して加飾成形品2を形成してもよい。また、加飾成形品2にその加飾シート1の側面から光を入射させる光源31を設けて加飾モジュール3を構成してもよい。

概要

背景

自動車等の車両の内装部品や、電気製品筺体には、それらの表面に意匠性を付与するために、加飾シートを組み込んだ樹脂成形品が用いられることがある。かかる加飾成形品として、例えば、特許文献1には、樹脂シートオモテ面に、着色された凸部により加飾層を設けるとともに、樹脂シートのウラ面に、合成樹脂射出成形により樹脂成形体積層一体化したものが開示されている。これにより、表面に凹凸感のある外観が付与された加飾成形品が得られるが、加飾層による意匠性の向上効果のみであり、例えば暗がりでの意匠効果は得られない。

一方、特許文献2には、透明基板と、その一方面に設けられた第1の加飾層と、第1の加飾層を挟んで透明基板と対向して設けられた基材と、透明基板と低屈折率層を介して対向して設けられた第2の加飾層とを備え、第2の加飾層を導光板として形成した加飾積層体が開示されている。この文献には、上記導光板の上面を光らせることにより、奥行き感を付与した照光を可能にすることが開示されているが、導光板の上面を全体的に光らせるものである。屈折率の高い樹脂層を部分的に光らせることは開示されていない。

概要

加飾シートのオモテ面を部分的に発光させて意匠性を向上する。加飾シート1は、第1の屈折率を持つ第1屈折率層高屈折率層)11と、加飾層14と、第1の屈折率よりも低い第2の屈折率を持ち第1屈折率層と加飾層の間に設けられた第2屈折率層(低屈折率樹脂層)12と、第1屈折率層の一方面に部分的に接し設けられて第1屈折率層から進入する光を放散させて加飾シートのオモテ面から部分的に光を放出させる光放散層15と、を備える。加飾シート1のウラ面側に樹脂成形体21を積層一体化して加飾成形品2を形成してもよい。また、加飾成形品2にその加飾シート1の側面から光を入射させる光源31を設けて加飾モジュール3を構成してもよい。

目的

本発明の実施形態は、加飾層による意匠を持った加飾シートにおいて、加飾シートのオモテ面を部分的に発光させることにより、意匠性を向上することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

第1の屈折率を持つ第1屈折率層と、加飾層と、前記第1の屈折率よりも低い第2の屈折率を持つ樹脂層であって、前記第1屈折率層と前記加飾層の間に設けられた第2屈折率層と、前記第1屈折率層の一方面に部分的に接し設けられて、前記第1屈折率層から進入する光を放散させて加飾シートオモテ面から部分的に光を放出させる光放散層と、を備える加飾シート。

請求項2

前記光放散層が、微粒子を含む光散乱層、又は、蛍光体を含む蛍光層である、請求項1に記載の加飾シート。

請求項3

前記第1屈折率層が樹脂からなる、請求項1又は2に記載の加飾シート。

請求項4

前記第1の屈折率よりも低い第3の屈折率を持つ樹脂層であって、前記第1屈折率層の表裏のうち前記第2屈折率層が設けられた面とは反対側の面に設けられた第3屈折率層を、更に備え、前記第1屈折率層が、前記第2屈折率層と前記第3屈折率層との間に挟まれた、請求項1〜3のいずれか1項に記載の加飾シート。

請求項5

前記第1屈折率層のオモテ面側に前記第2屈折率層を介して前記加飾層が設けられ、前記光放散層が前記第1屈折率層のウラ面に部分的に接し設けられた、請求項1〜4のいずれか1項に記載の加飾シート。

請求項6

前記第1屈折率層のオモテ面側に前記第2屈折率層を介して前記加飾層が設けられ、前記光放散層が前記第1屈折率層と前記第2屈折率層の界面に設けられた、請求項1〜4のいずれか1項に記載の加飾シート。

請求項7

前記第1屈折率層のウラ面側に前記第2屈折率層を介して前記加飾層が設けられ、前記光放散層が前記第1屈折率層のオモテ面に部分的に接し設けられた、請求項1〜4のいずれか1項に記載の加飾シート。

請求項8

前記第1屈折率層のウラ面側に前記第2屈折率層を介して前記加飾層が設けられ、前記光散乱層が前記第1屈折率層と前記第2屈折率層の界面に設けられた、請求項1〜4のいずれか1項に記載の加飾シート。

請求項9

請求項1〜8のいずれか1項に記載の加飾シートからなる三次元形状を持つ加飾成形品

請求項10

請求項1〜8のいずれか1項に記載の加飾シートと、前記加飾シートのウラ面側に積層一体化された樹脂成形体と、を含む加飾成形品。

請求項11

請求項9又は10に記載の加飾成形品と、前記第1屈折率層の側面に光を入射可能な光源と、を備える加飾モジュール

技術分野

0001

本発明の実施形態は、加飾シート、並びに、該加飾シートを用いた加飾成形品及び加飾モジュールに関するものである。

背景技術

0002

自動車等の車両の内装部品や、電気製品筺体には、それらの表面に意匠性を付与するために、加飾シートを組み込んだ樹脂成形品が用いられることがある。かかる加飾成形品として、例えば、特許文献1には、樹脂シートオモテ面に、着色された凸部により加飾層を設けるとともに、樹脂シートのウラ面に、合成樹脂射出成形により樹脂成形体積層一体化したものが開示されている。これにより、表面に凹凸感のある外観が付与された加飾成形品が得られるが、加飾層による意匠性の向上効果のみであり、例えば暗がりでの意匠効果は得られない。

0003

一方、特許文献2には、透明基板と、その一方面に設けられた第1の加飾層と、第1の加飾層を挟んで透明基板と対向して設けられた基材と、透明基板と低屈折率層を介して対向して設けられた第2の加飾層とを備え、第2の加飾層を導光板として形成した加飾積層体が開示されている。この文献には、上記導光板の上面を光らせることにより、奥行き感を付与した照光を可能にすることが開示されているが、導光板の上面を全体的に光らせるものである。屈折率の高い樹脂層を部分的に光らせることは開示されていない。

先行技術

0004

特開2012−153107号公報
特開2014−077821号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明の実施形態は、加飾層による意匠を持った加飾シートにおいて、加飾シートのオモテ面を部分的に発光させることにより、意匠性を向上することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

一実施形態に係る加飾シートは、第1の屈折率を持つ第1屈折率層と、加飾層と、前記第1の屈折率よりも低い第2の屈折率を持つ樹脂層であって、前記第1屈折率層と前記加飾層の間に設けられた第2屈折率層と、前記第1屈折率層の一方面に部分的に接し設けられて、前記第1屈折率層から進入する光を放散させて加飾シートのオモテ面から部分的に光を放出させる光放散層と、を備えるものである。

0007

一実施形態に係る加飾成形品は、前記加飾シートからなる三次元形状を持つものである。他の実施形態に係る加飾成形品は、前記加飾シートと、前記加飾シートのウラ面側に積層一体化された樹脂成形体と、を含むものである。一実施形態に係る加飾モジュールは、前記加飾成形品と、前記第1屈折率層の側面に光を入射可能な光源と、を備えるものである。

発明の効果

0008

本実施形態によれば、上記加飾シートの側面から光が入射すると、光は相対的に屈折率が高い第1屈折率層内で全反射しながら第1屈折率層内に広がっていく。その際、光放散層において光が放散されることにより、光放散層の設置位置に応じて加飾シートのオモテ面から光が放出される。かかる部分的な発光により、光放散層の設置位置に応じた文字記号、図形、模様などの意匠を浮かび上がらせることができるので、加飾層による意匠効果だけでなく、暗がりでの意匠効果を付与することができ、意匠性を向上することができる。

図面の簡単な説明

0009

第1実施形態に係る加飾シートの断面模式図
同加飾シートを用いた加飾成形品の断面模式図。
同加飾成形品を用いた加飾モジュールの断面模式図。
第2実施形態に係る加飾モジュールの断面模式図。
第3実施形態に係る加飾シートの断面模式図。
第3実施形態に係る加飾成形品の断面模式図。
第4実施形態に係る加飾シートの断面模式図。
第4実施形態に係る加飾成形品の断面模式図。
第5実施形態に係る加飾シートの断面模式図。
第5実施形態に係る加飾成形品の断面模式図。
実施例における光放散層の付与パターンの一例を示す図。

0010

以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書において、加飾シートのオモテ面とは、加飾シートの表裏両面のうち、使用時(即ち、加飾成形品として使用する際)に目に見える方の面(意匠を付与する側の面)をいい、ウラ面とは、オモテ面とは反対側の面をいう。また、第1屈折率層などの各層のオモテ面とは、当該層の表裏両面のうち、加飾シートのオモテ面と同じ方向に向いた面をいい、各層のウラ面とは、当該層のオモテ面とは反対側の面をいう。

0011

(第1実施形態)
図1に示すように、第1実施形態に係る加飾シート(1)は、第1屈折率層としての高屈折率層(11)と、第2屈折率層としての低屈折率樹脂層(12)と、第3屈折率層としての低屈折率樹脂層(13)と、加飾層(14)と、光放散層(15)と、保護層(16)と、ベース層(17)とを備える。

0012

本明細書において、高屈折率層及び低屈折率樹脂層における「高」及び「低」という語は、両者の屈折率の相対的な大小関係を表したものであり、すなわち、高屈折率層は低屈折率樹脂層よりも屈折率が高いものであり、低屈折率樹脂層は高屈折率層よりも屈折率が低いものである。

0013

高屈折率層(11)は、低屈折率樹脂層(12)及び(13)の屈折率よりも高い第1の屈折率n1を持つ光透過層である。第1の屈折率(絶対屈折率)n1としては、例えば、1.40〜1.70でもよく、1.50〜1.60でもよい。

0014

本明細書において、屈折率(絶対屈折率)は、波長589nmの光(D線)の屈折率であり、後記の実施例では、 アッベ屈折計(株式会社アタゴ製「DR−M4」)を用いて環境温度25℃で測定した。

0015

一実施形態において、高屈折率層(11)は樹脂又はガラスからなる樹脂層又はガラス層である。高屈折率層(11)としては、樹脂シートを用いてもよく、例えば、ポリカーボネート樹脂(PC);ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル樹脂ポリメチルメタクリレートPMMA)などのアクリル樹脂ポリスチレン樹脂アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)などのスチレン系樹脂ポリエチレンポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂; 又はこれらの2種以上のブレンドからなる各種の熱可塑性樹脂製シートが挙げられる。高屈折率層(11)としては、また、鉛ガラスソーダ石灰ガラスからなるガラス板を用いてもよい。高屈折率層(11)は、熱可塑性樹脂からなることが好ましく、より好ましくは樹脂シートであり、更に好ましくはポリカーボネート樹脂製のシートである。

0016

高屈折率層(11)は、低屈折率樹脂層(12)と低屈折率樹脂層(13)の間に挟まれている。すなわち、高屈折率層(11)のオモテ面及びウラ面には低屈折率樹脂層(12)及び(13)が設けられ、これら低屈折率樹脂層(12)及び(13)の間で高屈折率層(11)を挟み込んだ構成となっている。これにより、加飾シート(1)の側面(1C)から入射された光は、高屈折率層(11)の表裏の界面で全反射して高屈折率層(11)内に閉じ込められ、側方に伝わっていく。すなわち、高屈折率層(11)内の全域にわたって広がっていく。このように、高屈折率層(11)は、その側面から入射された光を側方に導く(伝達する)層であるため、透明又は半透明であることが好ましく、より好ましくは無色透明である。高屈折率層(11)の厚みは、特に限定されず、例えば、0.1〜2.0mmでもよく、0.2〜1.0mmでもよい。

0017

第2屈折率層としての低屈折率樹脂層(12)は、高屈折率層(11)よりも屈折率が低い光透過層であり、上記第1の屈折率n1よりも低い第2の屈折率n2を持つ(n1>n2)。第2の屈折率(絶対屈折率)n2としては、例えば、1.35〜1.65でもよく、1.35〜1.50でもよい。また、第1の屈折率n1と第2の屈折率n2の差(n1−n2)は、0.05以上であることが好ましく、より好ましくは0.10以上である。この差の上限は、特に限定されず、例えば0.30以下でもよい。

0018

低屈折率樹脂層(12)を形成する樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ウレタンアクリレート樹脂などのアクリル系樹脂;ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体樹脂ABS樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂; 又はこれらの2種以上のブレンドが挙げられる。低屈折率樹脂層(12)は、透明又は半透明であることが好ましく、より好ましくは無色透明である。

0019

低屈折率樹脂層(12)は、高屈折率層(11)と加飾層(14)との間に設けられる。高屈折率層(11)と加飾層(14)との間に低屈折率樹脂層(12)を介在させることにより、加飾層(14)に起因して高屈折率層(11)から光が放出されることを防ぐことができる。

0020

この例では、低屈折率樹脂層(12)は、高屈折率層(11)のオモテ面の全体を覆うように設けられた皮膜であり、高屈折率層(11)のオモテ面に直接積層されている。低屈折率樹脂層(12)の形成方法は、特に限定されず、例えば、スプレーディッピングスピンコート、バーコートなどの公知の塗装方法や、インクジェット印刷スクリーン印刷などの印刷方法が挙げられる。低屈折率樹脂層(12)の厚みとしては、例えば3〜30μmでもよく、5〜20μmでもよい。

0021

第3屈折率層としての低屈折率樹脂層(13)は、高屈折率層(11)よりも屈折率が低い光透過層であり、第1の屈折率n1よりも低い第3の屈折率n3を持つ(n1>n3)。第3の屈折率(絶対屈折率)n3は、第2の屈折率n2と同一でも異なってもよく、例えば1.35〜1.65でもよく、1.35〜1.50でもよい。また、第1の屈折率n1と第3の屈折率n3の差(n1−n3)は、0.05以上であることが好ましく、より好ましくは0.10以上である。この差の上限は、特に限定されず、例えば0.30以下でもよい。低屈折率樹脂層(13)を形成する樹脂としては、低屈折率樹脂層(12)と同様の樹脂を用いることができる。低屈折率樹脂層(13)は、透明又は半透明であることが好ましく、より好ましくは無色透明である。

0022

低屈折率樹脂層(13)は、高屈折率層(11)のウラ面に設けられている。この例では、高屈折率層(11)のウラ面に光放散層(15)が部分的に設けられているため、該光放散層(15)を覆うように、光放散層(15)を含む高屈折率層(11)のウラ面全体に低屈折率樹脂層(13)の皮膜が形成されている。低屈折率樹脂層(13)は、低屈折率樹脂層(12)と同様の公知の塗装方法や印刷方法により形成することができる。低屈折率樹脂層(13)の厚みとしては、例えば3〜30μmでもよく、5〜20μmでもよい。

0023

加飾層(14)は、加飾シート(1)のオモテ面(1A)に所望の意匠を表現するための層である。意匠としては、特に限定されず、例えば、木目調金属調布目調、幾何学模様などの模様(柄)、絵や写真などの画像、文字、記号、図形などが挙げられ、これらの2種以上の組み合わせでもよい。加飾層(14)は、加飾シート(1)の全面に連続した層として形成してもよいが、この例では、図1に示すように、不連続層として部分的に形成している。

0024

加飾層(14)は、この例では、高屈折率層(11)のオモテ面側に低屈折率樹脂層(12)を介して設けられており、低屈折率樹脂層(12)のオモテ面に直接積層されている。加飾層(14)は、この例では、光透過性を有しており、光放散層(15)で放散された光が加飾層(14)を透過してオモテ面に放射されるように構成されている。加飾層(14)の厚みとしては、特に限定されず、例えば、その最大厚み部分で20〜200μmでもよく、40〜150μmでもよい。

0025

加飾層(14)は、着色剤を含む樹脂からなる層であってもよい。その場合、意匠を形成するため、加飾層(14)は、インクジェット印刷やスクリーン印刷などのパターニング可能な印刷方法により形成することができる。

0026

加飾層(14)を形成する樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ウレタンアクリレート樹脂などのアクリル系樹脂;ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体樹脂(ABS樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂; 又はこれらの2種以上のブレンドが挙げられる。着色剤としては、有機顔料無機顔料などの顔料でもよく、油溶性染料分散染料酸性染料反応性染料カチオン染料直接染料などの染料でもよい。なお、加飾層(14)を形成する樹脂の屈折率は、特に限定されず、隣接する低屈折率樹脂層(12)と同じ屈折率でもよく、高い屈折率でもよく、低い屈折率でもよい。

0027

加飾層(14)は、着色剤を含む樹脂からなる層に限定されるものでない。例えば、突板(木材を薄くスライスしたもの)や和紙のように、模様などの意匠を持つシート材により形成してもよい。これらのシート材は、例として200μmのように薄いものであれば、光透過性を有するため、本実施形態における加飾層(14)として機能する。これらのシート材を用いる場合、例えば、低屈折率樹脂層(12)に接着層としての機能も持たせてシート材を貼り付けることで加飾層(14)を設けてもよく、あるいはまた、低屈折率樹脂層(12)と保護層(16)との間でシート材を挟み込むことで加飾層(14)を設けてもよい。

0028

光放散層(15)は、高屈折率層(11)の一方面に部分的に接し設けられて、高屈折率層(11)から進入する光を放散させて加飾シート(1)のオモテ面(1A)から部分的に光を放出させる層である。上記のように、加飾シート(1)の側面(1C)から入射した光は、全反射により高屈折率層(11)内に閉じ込められて伝わっていくが、その際、光放散層(15)に入射すると、光が放散され、即ち、様々な角度に放出される。そのため、低屈折率樹脂層(12)に対して垂直に近い角度で入射する光が生じる。即ち、臨界角未満で低屈折率樹脂層(12)に入射する光が生じ、そのような光は全反射せずに低屈折率樹脂層(12)に進入し、透過するので、加飾シート(1)のオモテ面(1A)から放射される。そのため、光放散層(15)の設置位置において、加飾シート(1)のオモテ面(1A)から光を取り出すことができる。

0029

光放散層(15)は、この例では、高屈折率層(11)のウラ面に部分的に接し設けられており、当該ウラ面に直接積層されている。上記のように、高屈折率層(11)のウラ面には低屈折率樹脂層(13)が設けられているので、光放散層(15)は、高屈折率層(11)と低屈折率樹脂層(13)の界面に設けられている。

0030

光放散層(15)は、上記のように光を取り出して意匠を浮かび上がらせることが可能な層であるため、そのような意匠を形成するべく、高屈折率層(11)の一方面における全体ではなく、当該一方面の所定領域に形成される。すなわち、文字、記号、図形、模様、及びこれらの2種以上の組み合わせからなる意匠に対応した位置に設けられる。そのため、光放散層(15)は、例えば、インクジェット印刷やスクリーン印刷などのパターニング可能な印刷方法により形成される。光放散層(15)の厚みとしては、特に限定されず、例えば、0.5〜20μmでもよく、1〜10μmでもよい。なお、光放散層(15)による意匠は、加飾層(14)による意匠と関連づけて形成してもよいが、無関係に形成してもよい。光放散層(15)と加飾層(14)の意匠を互いに関連づけることにより、意匠効果をより高めることができる。

0031

光放散層(15)は、この例では、微粒子を含む樹脂からなり、入射した光を微粒子により散乱させる光散乱層である。樹脂に分散させる微粒子としては、例えば、酸化チタン炭酸カルシウムガラスビーズアルミ粉などが挙げられ、これらをいずれか1種又は2種以上組み合わせて用いてもよい。微粒子の粒径は、特に限定されず、例えば、50%体積粒径(D50)が100〜4000nmでもよく、200〜800nmでもよい。

0032

光放散層(15)ないし光散乱層を形成する樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ウレタンアクリレート樹脂などのアクリル系樹脂;ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体樹脂(ABS樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂; 又はこれらの2種以上のブレンドが挙げられる。この樹脂の屈折率は、隣接する高屈折率層(11)の屈折率よりも低くてもよく、高くてもよい。高屈折率層(11)よりも低い屈折率の樹脂を用いた場合、高屈折率層(11)と光放散層(15)との界面で全反射するため、界面に存在する微粒子のみが放散(光散乱)に寄与し、よって、境界がくきりとした意匠が得やすくなる。一方、高屈折率層(11)と同じまたはより高い屈折率の樹脂を用いた場合、光放散層(15)の内部まで光が進入するので、放散(光散乱)効果を高めることができる。

0033

保護層(16)は、加飾シート(1)のオモテ面(1A)を保護するために、加飾シート(1)の最表面に形成される任意の透明樹脂層である。この例では、保護層(16)は、加飾層(14)を覆うように、加飾層(14)を含む低屈折率樹脂層(12)のオモテ面全体に形成されている。保護層(16)は、低屈折率樹脂層(12)と同様の公知の塗装方法や印刷方法により形成することができる。保護層(16)の厚みは、特に限定されず、例えば、50〜1000μmでもよく、100〜500μmでもよい。

0034

保護層(16)は、透明な樹脂からなる光透過層であり、無色透明であることが好ましいが、着色透明でもよい。保護層(16)を形成する樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂エポキシ樹脂アルキド樹脂アミノアルキド樹脂などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いても2種以上ブレンドして用いてもよい。保護層(16)の屈折率は、隣接する低屈折率樹脂層(12)の屈折率よりも低くてもよく、高くてもよく、特に限定されない。

0035

ベース層(17)は、加飾シート(1)のウラ面(1B)側に設けられる任意の樹脂層であり、加飾層(14)による意匠を補う着色を付与したり、あるいはまた後述する樹脂成形体(21)との接着性を高めたりするために設けられる。この例では、ベース層(17)は、低屈折率樹脂層(13)のウラ面全体に形成されている。ベース層(17)は、低屈折率樹脂層(12)と同様の公知の塗装方法や印刷方法により形成することができる。ベース層(17)の厚みは、例えば、0.1〜300μmでもよく、5〜80μmでもよい。

0036

ベース層(17)を形成する樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いても2種以上ブレンドして用いてもよい。また、着色するために、有機顔料や無機顔料などの顔料、染料などの着色剤を配合してもよい。

0037

加飾シート(1)の製造方法としては、特に限定されず、例えば、高屈折率層(11)としての樹脂シート又はガラス板の一方面(オモテ面)に、低屈折率樹脂層(12)と加飾層(14)と保護層(16)を順次積層するとともに、該樹脂シートの他方面(ウラ面)に、光放散層(15)と低屈折率樹脂層(13)とベース層(17)を順次積層すればよい。オモテ面とウラ面の積層順序は特に限定されず、また、オモテ面とウラ面の各層を交互に形成してもよい。なお、図2に示す加飾成形品(2)を製造する場合、保護層(16)は樹脂成形体(21)の成形前に設けておいてもよく、あるいはまた、樹脂成形体(21)を成形した後に、加飾シート(1)のオモテ面に保護層(16)を形成してもよい。

0038

図2に示すように、第1実施形態に係る加飾成形品(2)は、上記加飾シート(1)と、該加飾シート(1)のウラ面(1B)側に積層一体化された樹脂成形体(21)とを備えてなる。樹脂成形体(21)は、高屈折率層(11)のウラ面側に少なくとも低屈折率樹脂層(13)を介して設けられており、この例では、高屈折率層(11)のウラ面側に、光放散層(15)と低屈折率樹脂層(13)とベース層(17)を介して、該ベース層(17)のウラ面に積層一体化されている。

0039

樹脂成形体(21)を形成する樹脂としては、例えば、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)などのスチレン系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのオレフィン系樹脂ポリカーボネート系樹脂(PC)、アクリル系樹脂などの各種合成樹脂が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いても2種以上ブレンドして用いてもよい。また、着色するために、有機顔料や無機顔料などの顔料、染料などの着色剤を配合してもよい。

0040

加飾成形品(2)は、公知のインサート成形方法を用いて製造することができる。詳細には、加飾シート(1)を真空成形加工または圧空成形加工にてあらかじめ予備成形し、その後、予備成形した加飾シート(1)を用いて樹脂成形体(21)を射出成形することにより、加飾成形品(2)が得られる。予備成形では、加飾シート(1)を加熱しつつ減圧又は加圧により金型面圧着して、最終品に近い三次元形状に賦形する。次いで、予備成形された加飾シート(1)を射出成形型内に配置し、溶融した合成樹脂をキャビティ内に射出することで、加飾シート(1)のウラ面に樹脂成形体(21)を積層一体化する。これにより、例として図3に示すような三次元形状を持つ加飾成形品(2)が得られる。

0041

図3に示すように、第1実施形態に係る加飾モジュール(3)は、上記加飾成形品(2)と、該加飾成形品(2)における加飾シート(1)の側面(1C)、より詳細には高屈折率層(11)の側面に、光を入射可能な光源(31)とを備えてなる。光源(31)としては、例えば発光ダイオードLED)を用いることができる。光源(31)は、加飾成形品(2)の全周縁のうちの少なくとも一部の縁部に設けられており、当該縁部において加飾シート(1)の側面(1C)に対して光を照射可能に配されている。例えば、多角形状をなす加飾成形品(2)の一辺において、当該一辺に沿って複数の光源を並べて設けてもよい。この例では、光源(31)は、ホルダ(32)により加飾成形品(2)の一部の縁部に取り付けられている。なお、加飾モジュール(3)は、図示しないが、光源(31)への配線電源及び制御装置などの電機部品の他、フレームなどの他の部品を含んで構成されてもよい。

0042

上よりなる第1実施形態であると、加飾シート(1)の側面(1C)から光が入射すると、光は全反射により高屈折率層(11)内に閉じ込められて高屈折率層(11)内に広がっていく。その際、光放散層(15)に入射すると、そこで光が散乱して、低屈折率樹脂層(12)に対して垂直に近い角度で入射する光が生じ、その光は全反射せずに低屈折率樹脂層(12)に進入し、透過するので、加飾シート(1)のオモテ面(1A)から放射される。光は、光放散層(15)の設置位置において、加飾シート(1)のオモテ面(1A)から放出され、当該放出位置が発光部(35)となる(図3参照)。そのため、該発光部35により、光放散層(15)の設置位置に応じた文字や記号、図形、模様などの意匠を浮かび上がらせることができる。よって、加飾層(14)による意匠効果だけでなく、発光部(35)により暗がりでの意匠効果を付与することができ、加飾層(14)と相俟って、高い意匠性を表現することができる。

0043

第1実施形態であると、高屈折率層(11)のオモテ面側に加飾層(14)を設けたので、より明瞭な意匠を表現することができる。また、光散乱層(15)を高屈折率層(11)のウラ面側に設けたので、光放散層が目立ちにくく、よって非発光時の意匠に影響を与えない。

0044

(第2実施形態)
図4に示すように、第2実施形態に係る加飾モジュール(30)は、加飾シート(1)からなる三次元形状を持つ加飾成形品(20)と、該加飾シート(1)の側面(1C)、より詳細には高屈折率層(11)の側面に、光を入射可能な光源(31)とを備えてなる。すなわち、この実施形態において、加飾成形品(20)は、第1実施形態のような樹脂成形体(21)を有しておらず、加飾シート(1)単体で構成されている。このように、樹脂成形体(21)は必須ではなく、加飾シート(1)のみを所定形状に成形したもので、加飾モジュール(30)を形成してもよい。第2実施形態について、その他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様であり、説明は省略する。

0045

(第3実施形態)
図5に示すように、第3実施形態に係る加飾シート(10A)は、光放散層(15)が高屈折率層(11)と低屈折率樹脂層(12)の界面に設けられた点で、第1実施形態に係る加飾シート(1)と異なる。すなわち、第3実施形態では、高屈折率層(11)のオモテ面側に低屈折率樹脂層(12)を介して加飾層(14)が設けられるとともに、光放散層(15)が高屈折率層(11)と低屈折率樹脂層(12)との界面に設けられている。

0046

詳細には、高屈折率層(11)のオモテ面に光放散層(15)が部分的に接し設けられ、その上に低屈折率樹脂層(12)が光放散層(15)を含む高屈折率層(11)の全体を覆うように積層されている。そして、該低屈折率樹脂層(12)のオモテ面に加飾層(14)が設けられ、更にその上に保護層(16)が加飾層(14)を含む低屈折率樹脂層(12)の全体を覆うように積層されている。一方、高屈折率層(11)のウラ面側には低屈折率樹脂層(13)が全体にわたって積層されている。なお、ベース層は任意層であり、この例では設けていない。

0047

図6に示すように、第3実施形態に係る加飾成形品(20A)は、加飾シート(10A)と、該加飾シート(10A)のウラ面(1B)側に積層一体化された樹脂成形体(21)とを備えてなる。この例では、樹脂成形体(21)は、高屈折率層(11)のウラ面側に、低屈折率樹脂層(13)を介して、当該低屈折率樹脂層(13)のウラ面に積層一体化されている。

0048

第3実施形態であると、光源(31)により加飾シート(10A)の側面(1C)から光が入射すると、光は全反射により高屈折率層(11)内を広がっていく。その際、光放散層(15)に入射すると、そこで光が散乱するので、全反射せずに低屈折率樹脂層(12)を透過して、加飾シート(10A)のオモテ面(1A)から放射される。そのため、第1実施形態と同様に、光放散層(15)の設置位置が発光部(35)となって(図6参照)、光放散層(15)の設置位置に応じた文字や記号、図形、模様などの意匠を浮かび上がらせることができる。

0049

第3実施形態であると、高屈折率層(11)のオモテ面側に加飾層(14)を設けたので、より明瞭な意匠を表現することができる。また、光放散層(15)を高屈折率層(11)のオモテ側に設けたので、第1実施形態よりも明るくくっきりとした発光にすることができる。なお、第3実施形態について、その他の構成は第1実施形態と同様であり、説明は省略する。

0050

(第4実施形態)
図7に示すように、第4実施形態に係る加飾シート(10B)は、加飾層(14)が高屈折率層(11)のウラ面側に設けられた点で、第1実施形態に係る加飾シート(1)と異なる。第4実施形態では、高屈折率層(11)のウラ面側に、上記第2屈折率層としての低屈折率樹脂層(12)を介して、加飾層(14)が設けられるとともに、光放散層(15)が高屈折率層(11)のオモテ面に部分的に接し設けられている。

0051

詳細には、高屈折率層(11)のオモテ面に光放散層(15)が部分的に接し設けられ、その上に保護層(16)が光放散層(15)を含む高屈折率層(11)の全体を覆うように積層されている。一方、高屈折率層(11)のウラ面には、上記第2の屈折率n2を持つ低屈折率樹脂層(12)が全体にわたって積層されており、低屈折率樹脂層(12)のウラ面に加飾層(14)が設けられている。なお、ベース層は任意層であり、この例では設けていない。

0052

図8に示すように、第4実施形態に係る加飾成形品(20B)は、加飾シート(10B)と、該加飾シート(10B)のウラ面(1B)側に積層一体化された樹脂成形体(21)とを備えてなる。この例では、樹脂成形体(21)は、高屈折率層(11)のウラ面側に、低屈折率樹脂層(12)と加飾層(14)を介して、それらのウラ面に積層一体化されている。

0053

第4実施形態であると、光源(31)により加飾シート(10B)の側面(1C)から光が入射すると、光は全反射により高屈折率層(11)内を広がっていく。ここで、高屈折率層(11)のオモテ面には低屈折率樹脂層は設けられていないが、保護層(16)が高屈折率層(11)よりも屈折率が小さい場合、保護層(16)が低屈折率樹脂層として機能する。また、仮に保護層(16)が高屈折率層(11)よりも屈折率が高いとしても、保護層(16)は低屈折率空気層に面しているため、高屈折率層(11)と保護層(16)との間に光は閉じ込められて広がっていく。その際、光が光放散層(15)に入射すると、そこで散乱するので、加飾シート(10B)のオモテ面(1A)から放射される。そのため、第1実施形態と同様に、光放散層(15)の設置位置が発光部(35)となって(図8参照)、光放散層(15)の設置位置に応じた文字や記号、図形、模様などの意匠を浮かび上がらせることができる。

0054

第4実施形態であると、高屈折率層(11)のウラ面側に加飾層(14)を設けたので、奥行き感のある意匠を表現することができる。また、光放散層(15)を高屈折率層(11)のオモテ側に設けたので、光が浮き上がるような効果をもたせることができる。なお、第4実施形態について、その他の構成は第1実施形態と同様であり、説明は省略する。

0055

(第5実施形態)
図9に示すように、第5実施形態に係る加飾シート(10C)は、光放散層(15)が高屈折率層(11)と低屈折率樹脂層(12)の界面に設けられた点で、第4実施形態に係る加飾シート(10B)と異なる。すなわち、第5実施形態では、高屈折率層(11)のウラ面側に、上記第2屈折率層としての低屈折率樹脂層(12)を介して、加飾層(14)が設けられるとともに、光放散層(15)が高屈折率層(11)と低屈折率樹脂層(12)の界面に設けられている。また、第5実施形態では、上記第3屈折率層としての低屈折率樹脂層(13)が、高屈折率層(11)のオモテ面に設けられている。

0056

詳細には、高屈折率層(11)のウラ面に光放散層(15)が部分的に接し設けられ、該光放散層(15)を覆うように、光放散層(15)を含む高屈折率層(11)のウラ面全体に、上記第2の屈折率n2を持つ低屈折率樹脂層(12)の皮膜が形成されている。そして、該低屈折率樹脂層(12)のウラ面に加飾層(14)が設けられ、該加飾層(14)を覆うように、加飾層(14)を含む低屈折率樹脂層(12)のウラ面全体にベース層(17)が積層されている。一方、高屈折率層(11)のオモテ面には、上記第3の屈折率n3を持つ低屈折率樹脂層(13)が全体にわたって積層されており、保護層は設けられていない。

0057

図10に示すように、第5実施形態に係る加飾成形品(20C)は、加飾シート(10C)と、該加飾シート(10C)のウラ面(1B)側に積層一体化された樹脂成形体(21)とを備えてなる。この例では、樹脂成形体(21)は、高屈折率層(11)のウラ面側に、光放散層(15)と低屈折率樹脂層(12)と加飾層(14)とベース層(17)を介して、ベース層(17)のウラ面に積層一体化されている。

0058

第5実施形態であると、光源(31)により加飾シート(10C)の側面(1C)から光が入射すると、光は全反射により高屈折率層(11)内を広がっていく。その際、光が光放散層(15)に入射すると、そこで散乱するので、その一部は高屈折率層(11)と低屈折率樹脂層(13)を透過して、加飾シート(10C)のオモテ面(1A)から放射される。そのため、第4実施形態と同様に、光放散層(15)の設置位置が発光部(35)となって(図10参照)、光放散層(15)の設置位置に応じた文字や記号、図形、模様などの意匠を浮かび上がらせることができる。

0059

第5実施形態であると、高屈折率層(11)のウラ面側に加飾層(14)を設けたので、奥行き感のある意匠を表現することができる。また、光放散層(15)を高屈折率層(11)のウラ側に設けたので、最表面が平坦な面となり光沢感を出すことができる。なお、第5実施形態について、その他の構成は第4実施形態と同様であり、説明は省略する。

0060

(その他の実施形態)
以上の実施形態において、光放散層(15)としては微粒子を分散させた樹脂からなる光散乱層としたが、光放散層(15)は蛍光体を含む蛍光層としてもよい。ここでいう蛍光には、発光寿命の短い狭義の蛍光だけでなく、発光寿命の長い燐光ないし蓄光などの広義の蛍光も含まれる。蛍光層は、蛍光染料などの蛍光体を含む樹脂からなる層であり、光を受けて様々な角度に向けて発光するため、光放散層(15)として機能する。

0061

樹脂成形体(21)は、第1屈折率層(高屈折率層(11))のウラ面側に、少なくとも第2屈折率層(低屈折率樹脂層(12))又は第3屈折率層(低屈折率樹脂層(13))を介して設けることができる。なお、上記の第3、第4及び第5実施形態においては、加飾シートのウラ面側に樹脂成形体(21)を積層一体化したが、第2実施形態と同様、三次元形状に成形した加飾シート(10A)(10B)及び(10C)のみで、加飾成形品を構成してもよい。

0062

図4に示す第2実施形態において、第3屈折率層としての低屈折率樹脂層(13)は必須ではなく、ベース層(17)とともに省略してもよい。低屈折率樹脂層(13)を設けなくても、高屈折率層(11)のウラ面には屈折率の低い空気層が面しているため、高屈折率層(11)内に光を閉じ込めることができるからである。同様に、図5に示す第3実施形態において、加飾シート(10A)単体で加飾成形品を構成する場合、第3屈折率層としての低屈折率樹脂層(13)は省略することができる。

0063

図7に示す第4実施形態において、光放散層(15)を覆うように、光放散層(15)を含む高屈折率層(11)のオモテ面全体に、第3屈折率層としての低屈折率樹脂層(13)を設けてもよい。なお、保護層(16)は任意層であるため省略してもよい。保護層(16)及び低屈折率樹脂層(13)を設けない場合、高屈折率層(11)のオモテ面には光放散層(15)のみが部分的に形成されることになるが、その場合、高屈折率層(11)のオモテ面は屈折率の低い空気層に面することになるため、高屈折率層(11)内に光を閉じ込めることができる。

0064

図9に示す第5実施形態において、第3屈折率層としての低屈折率樹脂層(13)は省略してもよく、高屈折率層(11)が加飾シート(10C)のオモテ面(1A)を構成するようにしてもよい。また、ベース層(17)は任意層であるため省略してもよい。また、低屈折率樹脂層(13)のオモテ面に保護層(16)を設けてもよい。

0065

[実施例1]
・光放散層用インクの作製:
下記表1の(A)に示す配合に従い、各成分をミキサーにて混合することにより顔料母液を作製した。次いで、得られた顔料母液を用いて、表1の(B)に示す配合に従い、各成分をミキサーにて混合することにより、光放散層用インクを作製した。

0066

0067

・光放散層の形成:
高屈折率層としてポリカーボネート樹脂シート(住化アクリル販売株式会社製、テクノロイC000、屈折率1.585、全光線透過率90%、シートの厚さ0.4mm、短辺の長さ270mm、長辺の長さ530mm)を用い、該樹脂シートの一方の面に、シリアル型インクジェットプリンターを用いて、上記作製したインクを付与した後、直ちに紫外線ランプを用いて紫外線を照射し、インクを硬化させて光放散層を形成した。光放散層の厚みは6μmであった。光放散層を形成する樹脂の屈折率は1.459であった。

0068

印刷条件は、ヘッド加熱温度:40℃、ノズル径:20μm、印加電圧:20V、パルス幅:15μs、駆動周波数:1.2kHz、解像度:300dpi、インク付与量:0.5g/m2とし、付与パターンは図11に示す貫入柄とした。また、紫外線照射条件は、ランプ種類メタルハライドランプランプの出力:100W/cm、照射時間:0.5秒、照射回数:4回、照射距離:20mmとした。このとき365nmにおけるUV照射ピーク照度は、460mW/cm2、積算光量は800mJ/cm2であった。

0069

・低屈折率樹脂層用インクの作製:
下記表2に示す配合に従い、各成分をミキサーにて混合することにより低屈折率樹脂層用インクを作製した。

0070

0071

・低屈折率樹脂層の形成:
光放散層を形成したポリカーボネート樹脂シートの表裏両面に、シリアル型インクジェットプリンターを用いて、上記作製した低屈折率樹脂層用インクを付与した後、直ちに紫外線ランプを用いて紫外線を照射し、インクを硬化させて低屈折率樹脂層を形成した。条件は、印刷条件において、インク付与量を3g/m2とし、付与パターンをベタパターン(全面付与)とした以外は、光放散層の形成時の印刷条件及び紫外線照射条件と同じである。形成された低屈折率樹脂層の屈折率は1.483であった。また、厚みは、オモテ面側とウラ面側の低屈折率樹脂層ともに15μmであった。

0072

・加飾層用インクの作製:
下記表3の(A)に示す配合に従い、各成分をミキサーにて混合することにより顔料母液を作製した。次いで、得られた顔料母液を用いて、表3の(B)に示す配合に従い、各成分をミキサーにて混合することにより、加飾層用インクを作製した。

0073

0074

・加飾層の形成:
光放散層と低屈折率樹脂層を形成したシートの、光放散層と逆側の面に対して上記にて作製した加飾層インクをシリアル型インクジェットプリンターで印刷木目柄を付与した後、紫外線ランプを用いて紫外線を照射し、インクを硬化させて加飾層を形成した。加飾層の厚みは、最大厚み部分の厚み(凸部の高さ)で50μmであった。

0075

印刷条件は、ヘッド加熱温度:57℃、ノズル径:70μm、印加電圧:50V、パルス幅:15μs、駆動周波数:4.5kHz、解像度:720dpiとし、図柄は木目柄とした。また、紫外線照射条件は、ランプ種類:メタルハライドランプ、ランプの出力:120W/cm、照射時間:1秒、照射回数:20回、照射距離:5mmとした。このときの積算光量は、225mJ/cm2であった。

0076

・ベース層用インクの作製:
下記表4に示す配合に従い、各成分をミキサーにて混合することによりベース層用インクを作製した。

0077

0078

・ベース層の形成:
光放散層、低屈折率樹脂層、及び加飾層を形成したシートの、光放散層を付与した側の面の全面に低屈折率樹脂層の上からスクリーン印刷によって上記作製したベース層用インクを付与した。その後、熱乾燥を行い、インクを硬化させてベース層を形成した。印刷条件は、メッシュ数:200、線形:48μm、紗厚:64μm、バイアス:22.5°、スキージ角度:45°、スキージ速度:50mm/s、印刷面積:500mm×250mmとし、乾燥条件は、オーブンによる熱乾燥により、乾燥温度:80℃、乾燥時間:15分とした。最終的に乾燥膜厚が60μmとなるように、上記の印刷と乾燥を3回繰り返し、ベース層を形成した。

0079

保護層用塗料の作製:
下記表5に示す配合に従い、各成分をミキサーにて混合することにより保護層用塗料を作製した。

0080

・保護層の形成:
ベース層形成後のシートの加飾層側の面に対して、上記作製した保護装用塗料を、バーコーター(RK Print Coat Instruments Ltd製、商品名「K Control Coater」)にて、膜厚が100μmとなるように全面に塗工し、さらに、紫外線ランプを用いて紫外線を照射し、塗料を硬化させて保護層を形成した。塗工条件は、バーのワイヤー径1.27mmでワイヤー間の隙間無し、塗工速度3.5m/minとした。紫外線照射条件は光放散層の形成時の条件と同じである。形成された保護層の屈折率は1.484であった。

0081

型抜き:
保護層を形成したシートを、射出成形型にセットするために必要な部分と不必要な部分とを分ける型抜きを行った。すなわち、トムソン刃でできた型枠をシートの保護層側にあてがい、プレス機(株式会社イイノ製、商品名「IOC−20」)を用いて、型抜きを行った。形状は150mm×400mmの概ね長楕円形とした。

0082

・予備成形:
型抜きしたシートをプレス機(高木機工株式会社製、商品名「DEF−H500」)を用いて賦形を行った。すなわち、あらかじめ110℃で予備加熱したシートをプレス機にセットし、100℃で加熱しながら型を押し当てることで加圧した。賦形形状カマボコ型とした。

0083

インサート成形
予備成形したシートを、射出成形機(宇部興産機械株式会社製、商品名「MD450S−IV」)を用いて、インサート成形により、樹脂成形体と一体化した。すなわち、シートを、保護層側がキャビティ面に向く状態で射出成形型にセットし、以下に記す条件にて合成樹脂をキャビティ内に射出した後、冷却し、硬化した。成形条件は、合成樹脂としてPC/ABS樹脂(日本エイアンドエル株式会社製、商品名「PAX−1439」)を用い、スクリュー内温度:260℃、コア温度:40℃、キャビティ温度:40℃、射出時の圧力:200MPaとした。

0084

・加飾成形品:
以上により、図2に示される第1実施形態に係る加飾成形品を得た。得られた加飾成形品の端面から光を入射するために、シート端面成形樹脂で覆われている状態の加飾成形品の長辺部一辺をNC加工機にてよって切削することで、加飾シートの端面を剥き出しにし、その端面にLEDをテープで貼り付けた。LEDを点灯した結果、光放散層を付与した箇所が加飾柄の奥から部分的に光って浮かび上がることで、非点灯時とは異なる印象を与える優れた意匠となった。

0085

[実施例2]
光放散層を高屈折率層(ポリカーボネート樹脂シート)のオモテ面側(即ち、加飾層と同じ側)に付与すること以外は全て実施例1と同様にして、実施例2に係る加飾成形品を作製した。この加飾成形品は、図6に示される第3実施形態の構成を持つものである。

0086

得られた加飾成形品に光を入射した結果、光放散層を付与した箇所が加飾柄の奥から部分的に光って浮かび上がることで、非点灯時とは異なる印象を与える優れた意匠となった。また、光放散層が表側にあることで、実施例1より明るくくっきりとした光り方にすることができた。

0087

[実施例3]
高屈折率層(ポリカーボネート樹脂シート)のオモテ面側に光放散層を形成し、低屈折率樹脂層をウラ面側のみに形成し、ウラ面側の低屈折率樹脂層の上から加飾層、更にベース層を形成した後、オモテ面側の光放散層の上から保護層を形成し、その後、インサート成形を行った。その他の点、例えば各層を形成する材料、及び形成条件(印刷条件、乾燥条件等)などは実施例1と同様にして、実施例3に係る加飾成形品を作製した。この加飾成形品は、図8に示される第4実施形態の構成を持つものである(但し、加飾層(14)と樹脂成形体(21)との間にベース層(17)を追加)。

0088

得られた加飾成形品に光を入射した結果、光放散層を付与した箇所が加飾柄の中で部分的に光って見えることで、非点灯時とは異なる印象を与え、また、光放散層をシートのオモテ面側に付与したことで光が浮き上がったような立体的な意匠が得られた。

0089

[実施例4]
高屈折率層(ポリカーボネート樹脂シート)のウラ面側に光放散層を形成し、低屈折樹脂率層をウラ面のみに形成し、ウラ面側の低屈折率樹脂層の上から加飾層、更にベース層を形成した後、インサート成形を行った。高屈折率層のオモテ面には保護層や低屈折率樹脂層は形成しなかった。その他の点、例えば、各層を形成する材料、及び形成条件(印刷条件、乾燥条件等)などは実施例1と同様にして、実施例4に係る加飾成形品を作製した。この加飾成形品は、図10に示される第5実施形態の構成を持つものである(但し、オモテ面側の低屈折率樹脂層(13)は無し)。

0090

得られた加飾成形品に光を入射した結果、光放散層を付与した箇所が加飾柄の中で部分的に光って見えることで、非点灯時とは異なる印象を与え、また、最表面が平坦な面となることで高級感のある意匠を持たせることができた。

0091

[実施例5]
実施例1において、低屈折率樹脂層を形成するインクを以下の通りに変更し(低屈折率樹脂層の屈折率を変更)、その他は全て実施例1と同様にして、実施例5に係る加飾成形品を作製した。

0092

・低屈折率樹脂層用インクの作製:
下記表6に示す配合に従い、各成分をミキサーにて混合することにより実施例5に係る低屈折率樹脂層用インクを作製した。

0093

0094

実施例5において、形成された低屈折率樹脂層の屈折率は1.521であった。また、得られた加飾成形品に光を入射した結果、実施例1と同様な意匠が得られた。

0095

[比較例1]
実施例1において、高屈折率層(ポリカーボネート樹脂シート)のオモテ面側とウラ面側に低屈折率樹脂層を設けず、その他は全て実施例1と同様にして、比較例1に係る加飾成形品を作製した。得られた加飾成形品では、ベース層と加飾層に光が吸収され、光が伝わらず光放散層がほとんど光らなかった。

実施例

0096

以上、いくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

0097

本実施形態に係る加飾シート、加飾成形品及び加飾モジュールの用途は、特に限定されず、例えば、自動車のインストルメントパネルドア内側材などの自動車内装材を始めとした各種の車両内装部品家電製品通信機器などの各種電気製品の筺体などに用いることができる。

0098

1,10A,10B,10C…加飾シート
2,20,20A,20B,20C…加飾成形品
3,30…加飾モジュール
11…高屈折率層(第1屈折率層)
12…低屈折率樹脂層(第2屈折率層)
13…低屈折率樹脂層(第3屈折率層)
14…加飾層
15…光放散層
21…樹脂成形体
31…光源

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