図面 (/)

技術 複合化吸水性ポリマー及びそれを含む生理用品

出願人 花王株式会社
発明者 松原繁宏
出願日 2016年3月24日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2016-060911
公開日 2017年9月28日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-170375
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物 固体収着剤及びろ過助剤 吸収性物品とその支持具 高分子物質の処理方法
主要キーワード スクリュー蓋 熱可塑性粉体 マット状体 非液体成分 体積膨潤 ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂 メッシュ袋 セルロース粉体
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年9月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

経血を吸収した場合であっても、吸収速度が速く、且つ吸収量が多い吸水性ポリマーを提供すること。

解決手段

複合化吸水性ポリマーは、熱可塑性粉体を含む吸水性ポリマーである。熱可塑性粉体は、吸水性ポリマーの粒子の少なくとも表面に配置されており、且つ前記吸水性ポリマーの質量に対して50質量%未満の割合で含まれている。熱可塑性粉体がフッ素含有高分子化合物粉体であるか、又はポリエチレンテレフタレートの粉体であることが好適である。

概要

背景

吸水性ポリマー樹脂複合化させて該吸水性ポリマーの各種の性能を向上させる技術が知られている。例えば特許文献1には、吸水性ポリマー及び水不溶性親水性繊維状物質を含む吸液性複合体が記載されている。この吸液性複合体は、従来は吸収・保持が困難であった血液、及び軟便等の高粘性液体に対して優れた吸収・保持性能を有するものであると、同文献には記載されている。

特許文献2には、熱溶融性繊維の一部が吸収性ポリマーの内部から延出する吸収性複合素子が記載されている。この吸収性複合素子は、マット状体集積されている。そして、前記熱溶融性繊維の延出部分が互いに融着され、この融着によって集積の状態が維持されている。この吸収性複合素子によれば、前記の融着によって集積の状態が維持されていることによって、該複合素子の移動や脱落が防止されると、同文献には記載されている。

特許文献3には、熱可塑性物質被覆された高吸収性ポリマー組成物が記載されている。この熱可塑性物質は、部分的に中和された酸基を含むモノエチレン性不飽和モノマーを主成分とするものである。高吸収性ポリマー組成物は、高い液体浸透性及び液体保持性を有するものであると、同文献には記載されている。

特許文献4には、吸収性樹脂と繊維とを含む吸収性複合体が記載されている。この吸収性複合体は、乳や血液等のタンパク質、及び固形分を含む液体に対して十分な吸収性を示すものであると、同文献には記載されている。

概要

経血を吸収した場合であっても、吸収速度が速く、且つ吸収量が多い吸水性ポリマーを提供すること。複合化吸水性ポリマーは、熱可塑性粉体を含む吸水性ポリマーである。熱可塑性粉体は、吸水性ポリマーの粒子の少なくとも表面に配置されており、且つ前記吸水性ポリマーの質量に対して50質量%未満の割合で含まれている。熱可塑性粉体がフッ素含有高分子化合物粉体であるか、又はポリエチレンテレフタレートの粉体であることが好適である。

目的

本発明の課題は吸水性ポリマーの改良にあり、更に詳細には血液に対する各種吸収性能が向上した吸水性ポリマーを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

熱可塑性粉体を含む吸水性ポリマーであって、前記熱可塑性粉体は、前記吸水性ポリマーの粒子の少なくとも表面に配置されており、且つ前記吸水性ポリマーの質量に対して50質量%未満の割合で含まれている、複合化吸水性ポリマー。

請求項2

前記熱可塑性粉体の平均粒径が25μm以下であり、前記吸水性ポリマーの平均粒径が200μm以上600μm以下である請求項1に記載の複合化吸水性ポリマー。

請求項3

前記熱可塑性粉体がフッ素含有高分子化合物粉体である請求項1又は2に記載の複合化吸水性ポリマー。

請求項4

前記フッ素含有高分子化合物がポリテトラフルオロエチレンである請求項3に記載の複合化吸水性ポリマー。

請求項5

前記熱可塑性粉体がポリエチレンテレフタレートの粉体である請求項1又は2に記載の複合化吸水性ポリマー。

請求項6

更にセルロース粉体を含む吸水性ポリマーであって、前記セルロース粉体は、前記吸水性ポリマーの粒子の少なくとも表面に配置されており、且つ前記吸水性ポリマーの質量に対して50質量%以下の割合で含まれている請求項1ないし5のいずれか一項に記載の複合化吸水性ポリマー。

請求項7

前記熱可塑性粉体が、前記吸水性ポリマーの粒子の表面の全面積に対して90%以下の割合で該表面を被覆するように、配置されている請求項1ないし6のいずれか一項に記載の複合化吸水性ポリマー。

請求項8

請求項1ないし7のいずれか一項に記載の複合化吸水性ポリマーを含む生理用品

技術分野

0001

本発明は、熱可塑性粉体吸水性ポリマーとが複合化した複合化吸水性ポリマーに関する。また本発明は、かかる複合化吸水性ポリマーを含む生理用品に関する。

背景技術

0002

吸水性ポリマーに樹脂を複合化させて該吸水性ポリマーの各種の性能を向上させる技術が知られている。例えば特許文献1には、吸水性ポリマー及び水不溶性親水性繊維状物質を含む吸液性複合体が記載されている。この吸液性複合体は、従来は吸収・保持が困難であった血液、及び軟便等の高粘性液体に対して優れた吸収・保持性能を有するものであると、同文献には記載されている。

0003

特許文献2には、熱溶融性繊維の一部が吸収性ポリマーの内部から延出する吸収性複合素子が記載されている。この吸収性複合素子は、マット状体集積されている。そして、前記熱溶融性繊維の延出部分が互いに融着され、この融着によって集積の状態が維持されている。この吸収性複合素子によれば、前記の融着によって集積の状態が維持されていることによって、該複合素子の移動や脱落が防止されると、同文献には記載されている。

0004

特許文献3には、熱可塑性物質被覆された高吸収性ポリマー組成物が記載されている。この熱可塑性物質は、部分的に中和された酸基を含むモノエチレン性不飽和モノマーを主成分とするものである。高吸収性ポリマー組成物は、高い液体浸透性及び液体保持性を有するものであると、同文献には記載されている。

0005

特許文献4には、吸収性樹脂と繊維とを含む吸収性複合体が記載されている。この吸収性複合体は、乳や血液等のタンパク質、及び固形分を含む液体に対して十分な吸収性を示すものであると、同文献には記載されている。

先行技術

0006

特開昭63−246159号公報
特開平1−135350号公報
特表2009−519356号公報
特開2015−142909号公報

発明が解決しようとする課題

0007

ところで、経血の吸収に用いられる生理用ナプキン等の生理用品には一般に、水分の吸収及び保持が可能なヒドロゲル材料である吸水性ポリマーが含まれている。吸水性ポリマーによる水分の吸収速度や吸収量は、水分の種類によって異なることが知られており、例えば生理食塩水と血液とを比較すると、生理食塩水よりも血液の方が吸収速度が遅く、また吸収量も少ない。そこで、生理用品の性能を高めるためには、血液に対する高吸収性ポリマーの各種吸収性能を高めることが重要である。しかし、このような効果を発現させるための有効な手段は、上述した従来技術には示されていない。

0008

したがって本発明の課題は吸水性ポリマーの改良にあり、更に詳細には血液に対する各種吸収性能が向上した吸水性ポリマーを提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明は、熱可塑性粉体を含む吸水性ポリマーであって、
前記熱可塑性粉体は、前記吸水性ポリマーの粒子の少なくとも表面に配置されており、且つ前記吸水性ポリマーの質量に対して50質量%未満の割合で含まれている、複合化吸水性ポリマーを提供するものである。

発明の効果

0010

本発明の複合化吸水性ポリマーは、熱可塑性粉体によって複合化されていることに起因して、同じ吸水性ポリマーを含み且つ熱可塑性粉体によって複合化されていない吸水性ポリマーに比べ、吸水性ポリマーの経血の吸収速度が速く、且つ吸収量が多いものである。

図面の簡単な説明

0011

図1(a)及び図1(b)は、従来の吸水性ポリマーにおける経血の吸収機構を示す模式図である。
図2は、実施例1で得られた複合化吸水性ポリマーの走査型電子顕微鏡像である。

0012

以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。一般に、高吸収性ポリマーによる水分の吸収速度や吸収量は、水分の種類によって異なり、生理食塩水と血液とを比較すると、生理食塩水よりも血液の方が吸収速度が遅く、また吸収量も少ない。この理由を本発明者が種々検討したところ、以下に述べる事実が判明した。血液は血漿等の液体成分と赤血球等の非液体成分に大別されるところ、高吸収性ポリマーに吸収される成分は血漿等の液体成分である。図1(a)に示すとおり、経血1が吸水性ポリマー4に接触すると、経血1中の液体成分2のみが吸水性ポリマー4に吸収され、非液体成分3である赤血球は吸水性ポリマー4に吸収されない。吸水性ポリマー4への液体成分2の吸収が進行すると、図1(b)に示すとおり、吸水性ポリマー4に吸収されない非液体成分3が、吸水性ポリマー4の表面に蓄積して被膜5を形成する。この被膜5の形成に起因して、吸水性ポリマー4の液吸収阻害が生じ、吸収速度が低下する。また被膜5の形成に起因して、吸水性ポリマー4の膨潤阻害も生じ、吸収量が低下する。

0013

図1(b)に示すとおりの現象が生じることを防止して、吸収性能の低下を阻止するための手段について本発明者が種々検討した結果、吸収性ポリマーの少なくとも表面に他の材料を配置して、吸水性ポリマーに該他の材料を複合化することが有効であることが判明した。他の材料として、本発明においては熱可塑性粉体を用いている。すなわち本発明の複合化吸水性ポリマーは、熱可塑性粉体及び吸水性ポリマーを含むものである。吸水性ポリマーとしては、一般に粒子状のものが用いられる。粒子状の吸水性ポリマーを用いる場合、その形状は球状、塊状、状又は不定形のいずれでもよい。吸水性ポリマーとしては、一般に、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩重合物又は共重合物を用いることができる。その例としては、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリメタクリル酸及びその塩が挙げられる。ポリアクリル酸塩やポリメタクリル酸塩としては、ナトリウム塩を好ましく用いることができる。また、アクリル酸又はメタクリル酸マレイン酸イタコン酸アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタアクリロイルエタンスルホン酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又はスチレンスルホン酸等のコモノマーを吸水性ポリマーの性能を低下させない範囲で共重合させた共重合物も用いることができる。これらの吸水性ポリマーは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。吸収性ポリマーは、従来から用いられている製造方法を特に制限なく用いて製造することができる。例えば、WO2010/114058に記載されているとおり、重合工程では、アクリル酸モノマー部分中和)と架橋剤と添加剤を加えた状態で、熱をかけ、その後、乾燥、粉砕分級工程を含み、最後に表面処理を行うことにより、吸収性ポリマーを製造することができる。

0014

吸水性ポリマーには、熱可塑性粉体が複合化されている。熱可塑性粉体としては、熱可塑性を示す樹脂、すなわち熱可塑性樹脂粉体を用いることができる。粉体とは、粒子の集合体のことである。熱可塑性樹脂の粒子とは、そのアスペクト比が好ましくは4.0以下、更に好ましくは3.0以下、一層好ましくは2.5以下の形状を有する物体のことである。アスペクト比の下限値は1である。このようなアスペクト比を有する粒子の集合体としての熱可塑性粉体を用いることで、該熱可塑性粉体を吸水性ポリマーの粒子の表面に首尾よく配置することができる。この観点から、熱可塑性粉体として繊維状のものを用いることは有利とは言えない。アスペクト比は、粒子の投影像から得られる図形において横断長が最も短い該横断長A1に対する、横断長が最も長い該横断長A2の比であるA2/A1の値のことである。

0015

前記の熱可塑性樹脂としては、疎水性を有する樹脂を用いることが好ましい。疎水性とは、25℃の環境下において材料上に純水の液滴を滴下したときに、90度以上の接触角を示す性質のことである。疎水性の熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリα−オレフィン等のポリオレフィン系ポリマーポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系ポリマースチレンホモポリマー及びコポリマー等のポリスチレン系ポリマー、アクリル酸又はアクリル酸エステルのホモポリマー及びコポリマー等のポリアクリル酸系ポリマー、メタクリル酸又はメタクリル酸エステルのホモポリマー及びコポリマー等のポリメタクリル酸系ポリマーポリ塩化ビニルPVC)等のポリビニル系ポリマー、ポリ塩化ビニリデン等のポリビニリデン系ポリマーなどが挙げられる。また、疎水性を高める観点から、これらのポリマーに含まれる1個又は2個以上の水素原子フッ素置換されたフッ素含有高分子化合物を用いることもできる。フッ素含有高分子化合物としては、例えばポリテトラフルオロエチレンPTFE)、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニルポリクロロトリフルオロエチレンペルフルオロアルコキシフッ素樹脂及びこれらの共重合体などが用いられる。以上の各種の熱可塑性樹脂は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。

0016

上述したとおり、吸水性ポリマーには、熱可塑性粉体が複合化されている。複合化とは、吸水性ポリマーと熱可塑性粉体とが、例えば機械的に結合しているか、物理的に結合しているか、あるいは化学的に結合している状態の少なくとも一つを意味する。機械的な結合は、例えば吸水性ポリマーと熱可塑性粉体との混合物外力を加えて両者を一体化する方法や、吸水性ポリマーと熱可塑性粉体とを対向衝突させて両者を一体化する方法などによって生じさせることができる。物理的な結合は、例えば吸水性ポリマーに水を含ませて粘着性を発現させ、その粘着性によって熱可塑性粉体を付着させる方法などによって生じさせることができる。化学的な結合は、例えば接着剤を用いて吸水性ポリマーと熱可塑性粉体とを接着する方法や、吸水性ポリマーと熱可塑性粉体との間に直接の化学結合を形成する方法などによって生じさせることができる。

0017

本発明における複合化の態様は上述のいずれでもよいが、複合化を容易に行い得る観点から、複合化吸水性ポリマーは、物理的な結合によって複合化したものであることが好ましい。例えば、吸水性ポリマーの重量に対して50質量%以上の水を加えた後、プレンダ、ハイスピードミキサヘンシェルミキサナウターミキサ及びリボンミキサなどを用いて混練下、熱可塑性粉体を加えることで複合化させることが好ましい。添加する水の量の下限値は、吸水性ポリマーの質量に対して50質量%以上が好ましく、100質量%以上が更に好ましく、200質量%以上が一層好ましい。添加する水の量の上限値は、吸水性ポリマーの質量に対して1000質量%以下が好ましく、700質量%以下が更に好ましく、500質量%以下が一層好ましい。

0018

本発明の複合化吸水性ポリマーにおいては、熱可塑性粉体は、吸水性ポリマーの粒子の少なくとも表面に配置されている。熱可塑性粉体が、吸水性ポリマーの粒子の少なくとも表面に配置されていることで、複合化吸水性ポリマーに赤血球が吸着することに起因する吸水性ポリマーの吸水性の低下を抑制することができる。具体的には、吸水性ポリマーの経血の吸収速度を高くすることができ、且つ吸収量を多くすることができる。熱可塑性粉体は、吸水性ポリマーの粒子の表面にのみ配置されていてもよく、あるいは吸水性ポリマーの粒子の表面及び粒子の内部に配置されていてもよい。いずれの場合であっても、熱可塑性粉体は、吸水性ポリマーの質量に対して50質量%未満の割合で含まれていることが、複合化吸水性ポリマーに赤血球が吸着することに起因する吸水性の低下を抑制しつつ、過度の疎水性に起因する吸水性の低下を抑制するという効果を発現させる観点から有利である。この効果を一層顕著なものとする観点から、熱可塑性粉体は、吸水性ポリマーの質量に対して33質量%以下の割合で含まれていることが好ましく、10質量%以下の割合で含まれていることが更に好ましい。一方、熱可塑性粉体は、吸水性ポリマーの質量に対して1質量%以上の割合で含まれていることが好ましく、3質量%以上の割合で含まれていることが更に好ましく、5質量%以上の割合で含まれていることが一層好ましい。例えば熱可塑性粉体は、吸水性ポリマーの質量に対して1質量%以上50質量%未満の割合で含まれていることが好ましく、3質量%以上33質量%以下の割合で含まれていることが更に好ましく、5質量%以上10質量%以下の割合で含まれていることが一層好ましい。

0019

複合化の割合は次の方法で測定される。すなわち、複合化吸水性ポリマーが、例えば熱可塑性粉体及びセルロース粉体など、複数の複合化素材から構成されている場合、複合化吸水性ポリマーを十分な量のイオン交換水に浸漬させて吸水性ポリマーと複数の複合化素材とをそれぞれ分離し、分離された複合化素材を乾燥させる。この時、複合化素材の成分は、赤外分光法(FT−IR)、X線電子分光法ESCA)、元素分析などにより特定する。複数の複合化素材が複合化されている場合も、同様の手順により、複数の複合化素材をそれぞれ特定する。吸水性ポリマーと複合化素材の複合化の割合は、吸水性ポリマーと複合化素材の重量比により算出する。なお、吸水性ポリマーの表面に配されている複合化素材は前述の手段で取り出せるが、吸収性ポリマーの内部に複合化素材が含まれている場合には、下記の手段で取り出すことができる。
すなわち、上述の手段で表面の複合化素材と分離した吸収性ポリマーを乾燥させ、メッシュ袋に入れて封をし、質量を測定する(質量X)。メッシュ袋自体も、吸収性ポリマーを測定する前に、質量を測定しておく(質量Y)。次いで、該メッシュ袋をアスコルビン酸水溶液浸すアスコルビン酸によって吸収性ポリマーが溶解した後、メッシュ袋を洗い、乾燥させ、質量を測定する(質量Z)。「質量Z−質量X」から吸収性ポリマーのみの質量が算出できる。また、「質量Z−質量Y」から、吸収性ポリマーの内部に含まれていた複合素材の質量が算出できる。

0020

吸水性ポリマーは、その平均粒径D1が200μm以上であることが好ましく、250μm以上であることが更に好ましく、300μm以上であることが一層好ましい。また600μm以下であることが好ましく、550μm以下であることが更に好ましく、500μm以下であることが一層好ましい。吸水性ポリマーの平均粒径は、200μm以上600μm以下であることが好ましく、250μm以上550μm以下であることが更に好ましく、300μm以上500μm以下であることが一層好ましい。この範囲の平均粒径を有する吸水性ポリマーを用いることで、熱可塑性粉体との複合化を容易に行うことができ、また複合化吸水性ポリマーの取り扱い性を良好にすることができる。吸水性ポリマーの平均粒径は、複合化吸水性ポリマーを十分な量のイオン交換水に浸漬させて吸水性ポリマーと熱可塑性粉体とを分離し、それによって得られた吸水性ポリマーを乾燥させた後に、目開きがそれぞれ850μm、600μm、500μm、425μm、355μm、250μm、150μm、106μmの金属メッシュを上から順番に重ねた上で、電磁ふるい(Verder Scientific Co., Ltd. AS200)をamplitude:45、振動時間:10分の条件で運転して吸水性ポリマーをふるった後、ふるい分けられた吸水性ポリマーの質量割合から測定することができる。

0021

一方、熱可塑性粉体の平均粒径D2は、25μm以下であることが好ましく、10μm以下であることが更に好ましく、5μm以下であることが一層好ましい。また、0.1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることが更に好ましく、1μm以上であることが一層好ましい。熱可塑性粉体の平均粒径は、0.1μm以上25μm以下であることが好ましく、0.5μm以上10μm以下であることが更に好ましく、1μm以上5μm以下であることが一層好ましい。この範囲の平均粒径を有する熱可塑性粉体を用いることで、該熱可塑性粉体を吸水性ポリマーに首尾よく複合化することができる。また、複合化吸水性ポリマーに赤血球が吸着することに起因する吸水性ポリマーの吸水性の低下を抑制することができる。熱可塑性粉体の平均粒径は、複合化吸水性ポリマーを十分な量のイオン交換水に浸漬させて吸水性ポリマーと熱可塑性粉体とを分離し、それによって得られた熱可塑性粉体を乾燥させた後に、レーザー回析散乱粒子径分布測定装置(株式会社堀場製作所 LA−950)によって測定することができる。

0022

熱可塑性粉体を吸水性ポリマーに一層首尾よく複合化する観点から、吸水性ポリマーの平均粒径D1に対する熱可塑性粉体の平均粒径D2の比であるD2/D1の値は、0.0002以上であることが好ましく、0.0008以上であることが更に好ましく、0.0017以上であることが一層好ましい。また0.125以下であることが好ましく、0.050以下であることが更に好ましく、0.025以下であることが一層好ましい。D2/D1の値は、0.0002以上0.125以下であることが好ましく、0.0008以上0.050以下であることが更に好ましく、0.0017以上0.025以下であることが一層好ましい。

0023

吸水性ポリマーの平均粒径及び熱可塑性粉体の平均粒径に関連して、複合化吸水性ポリマーの平均粒径は、200μm以上であることが好ましく、250μm以上であることが更に好ましく、300μm以上であることが一層好ましい。また600μm以下であることが好ましく、550μm以下であることが更に好ましく、500μm以下であることが一層好ましい。複合化吸水性ポリマーの平均粒径は、200μm以上600μm以下であることが好ましく、250μm以上550μm以下であることが更に好ましく、300μm以上500μm以下であることが一層好ましい。平均粒径を200μm以上に設定することで、過度に小さい粒径範囲の複合化吸水性ポリマーが表面シートなどの空孔を通って意図せず製品外に出てしまうことを効果的に防止できる。また、平均粒径を600μm以下に設定することで、過度に大きい粒径範囲の複合化吸水性ポリマーに起因するジャリジャリ感を生じにくくすることができる。複合化吸水性ポリマーの平均粒径は、目開きがそれぞれ850μm、600μm、500μm、425μm、355μm、250μm、150μm、106μmの金属メッシュを上から順番に重ねた上で、電磁ふるい(Verder Scientific Co., Ltd. AS200)をamplitude:45、振動時間:10分の条件で運転して複合化吸水性ポリマーをふるった後、ふるい分けられた複合化吸水性ポリマーの質量割合から測定される。

0024

熱可塑性粉体は、吸水性ポリマーの粒子の表面の全面積を被覆していても良いが、吸水性ポリマーの粒子の表面の全面積に対して90%以下の割合で該表面を被覆するように、少なくとも該表面に配置されていることが好ましい(以下、この値のことを「被覆率」とも言う。)。熱可塑性粉体による被覆率をこの範囲に設定することで、吸水性ポリマーの表面に、熱可塑性粉体の疎水性の影響を受けにくい流路が残り、液の吸収速度が大幅に低下しにくいという効果が奏されるので有利である。この効果を一層顕著なものとする観点から、被覆率は85%以下であることが好ましく、80%以下であることが更に好ましい。また被覆率は、20%以上であることが好ましく、30%以上であることが更に好ましく、40%以上であることが一層好ましい。被覆率は、20%以上99%以下であることが好ましく、30%以上95%以下であることが更に好ましく、40%以上90%以下であることが一層好ましい。

0025

被覆率は次に述べる方法で測定される。すなわち、複合化吸水性ポリマーを被覆材と吸水性ポリマーとに分ける。被覆材とは、熱可塑性粉体のことである。吸水性ポリマーが熱可塑性粉体及びセルロース粉体によって被覆されている場合には、被覆材とは、熱可塑性粉体及びセルロース粉体のことである。被覆材と吸水性ポリマーとを分けるには、複合化吸水性ポリマーを十分な量のイオン交換水に浸漬させて両者を分離すればよい。次いで、それによって得られた吸水性ポリマーを乾燥させた後、吸水性ポリマーの平均粒径を上述の方法で測定する。測定された平均粒径に基づき、吸水性ポリマー球近似をして吸水性ポリマーの全表面積S1を計算する。これとは別に、複合化吸水性ポリマーにおける被覆材の量、及び被覆材の平均粒径を測定する。そして、測定された平均粒径に基づき、被覆材を球近似して被覆材の断面積S2を計算する。そしてS1とS2とを用い、以下の式から被覆率を算出する。
被覆率(%)=S2/S1×100

0026

本発明の複合化吸水性ポリマーにおいては、吸水性ポリマーに熱可塑性粉体が複合化されていることに加えて、セルロース粉体が複合化されていることも好ましい。セルロース粉体を複合化することで、複合化吸水性ポリマーに赤血球が吸着することに起因する吸水性ポリマーの吸水性の低下を抑制できることに加えて、経血の吸収速度を一層高めることができる。特に、初期段階(例えば吸収開始から10分経過後まで)の吸収速度を高くすることができる。この理由は、親水性の材料であるセルロース粉体が水の引き込みを促進するからであると本発明者は考えている。

0027

以上の観点から、セルロース粉体は、吸水性ポリマーの粒子の少なくとも表面に配置されていることが好ましい。セルロース粉体は、吸水性ポリマーの粒子の表面にのみ配置されていてもよく、あるいは吸水性ポリマーの粒子の表面及び粒子の内部に配置されていてもよい。いずれの場合であっても、セルロース粉体は、吸水性ポリマーの質量に対して50質量%以下の割合で含まれていることが、複合化吸水性ポリマーに赤血球が吸着することに起因する吸水性の低下を抑制しつつ、経血の吸収速度を一層高めるという効果を発現させる観点から有利である。この効果を一層顕著なものとする観点から、セルロース粉体は、吸水性ポリマーの質量に対して30質量%以下の割合で含まれていることが好ましく、20質量%以下の割合で含まれていることが更に好ましい。一方、セルロース粉体は、吸水性ポリマーの質量に対して1質量%以上の割合で含まれていることが好ましく、2質量%以上の割合で含まれていることが更に好ましく、3質量%以上の割合で含まれていることが一層好ましい。例えばセルロース粉体は、吸水性ポリマーの質量に対して1質量%以上50質量%以下の割合で含まれていることが好ましく、2質量%以上30質量%以下の割合で含まれていることが更に好ましく、3質量%以上20質量%以下の割合で含まれていることが一層好ましい。

0028

セルロース粉体はその平均粒径D3が、100μm以下であることが好ましく、75μm以下であることが更に好ましく、50μm以下であることが一層好ましい。また、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることが更に好ましく、10μm以上であることが一層好ましい。セルロース粉体の平均粒径は、1μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上75μm以下であることが更に好ましく、10μm以上50μm以下であることが一層好ましい。この範囲の平均粒径を有するセルロース粉体を用いることで、該セルロース粉体を吸水性ポリマーに首尾よく複合化することができる。また、経血の吸収速度を一層高めることができる。セルロース粉体の平均粒径は、熱可塑性粉体の平均粒径の測定方法と同様の方法で測定することができる。

0029

セルロース粉体を吸水性ポリマーに一層首尾よく複合化する観点から、吸水性ポリマーの平均粒径D1に対するセルロース粉体の平均粒径D3の比であるD3/D1の値は、0.0017以上であることが好ましく、0.0083以上であることが更に好ましく、0.0167以上であることが一層好ましい。また0.500以下であることが好ましく、0.375以下であることが更に好ましく、0.250以下であることが一層好ましい。D3/D1の値は、0.0017以上0.500以下であることが好ましく、0.0083以上0.250以下であることが更に好ましく、0.0167以上0.250以下であることが一層好ましい。

0030

また、セルロース粉体の平均粒径D3と、上述した熱可塑性粉体の平均粒径D2とn大小関係に特に制限はなく、D3>D2でもよく、D3<D2でもよく、あるいはD3=D2でもよい。

0031

セルロース粉体は、セルロース粒子の集合体からなる。セルロース粒子とは、そのアスペクト比が好ましくは7.0以下、更に好ましくは6.0以下、一層好ましくは5.0以下の形状を有する物体のことである。アスペクト比の下限値は1である。このようなアスペクト比を有する粒子の集合体としてのセルロース粉体を用いることで、該セルロース粉体を吸水性ポリマーの粒子の表面に首尾よく配置することができる。この観点から、セルロース粉体として繊維状のものを用いることは有利とは言えない。アスペクト比の定義は先に述べたとおりである。

0032

セルロース粉体を吸水性ポリマーに複合化する手段としては、熱可塑性粉体を吸水性ポリマーに複合化する手段と同様の手段を用いることができる。例えば、吸水性ポリマーの質量に対して50質量%以上の水を加えた後、プレンダ、ハイスピードミキサ、ヘンシェルミキサ、ナウターミキサ及びリボンミキサなどを用いて混練下、熱可塑性粉体及びセルロース粉体を加えることで複合化させることが好ましい。

0033

本発明の複合化吸水性ポリマーは、好適には生理用品に含有されて使用される。そのような生理用品は一般に、液保持性吸収体を備えている。吸収体は、水分の吸収及び保持が可能なヒドロゲル材料である吸水性ポリマーを含んでいる。吸水性ポリマーに加え、吸収体は、吸収性の繊維材料を含んでいてもよい。吸収体における着用者肌対向面には、液透過性の表面シートを配置することができる。また、吸収体における非肌対向面には、液不透過性ないし液難透過性裏面シートを配置することができる。表面シートと吸収体との間には、セカンドシートと呼ばれる液透過性のシートを配置することもできる。生理用品が例えば生理用ナプキンである場合、該生理用ナプキンは一般に長手方向及びそれに直交する幅方向を有する縦長形状を有している。生理用ナプキンにおける肌対向面には、長手方向に延びる一対の防漏カフを、幅方向の両側部に配置することができる。防漏カフは起立性向を有するものであり、それによって肌対向面に排泄された経血の漏れを阻止するものである。

0034

生理用品の吸収体は、例えば上述した吸水性ポリマーを含む吸収性コアと、該吸収性コアを被覆する被覆シートとを有する。被覆シートは、例えばティッシュペーパーや不織布などの液透過性を有する繊維シートから構成することができる。生理用品の表面シート及び裏面シートとしては、この種の用品に従来用いられている材料と同種の材料を特に制限なく用いることができる。例えば表面シートとしては、液透過性を有するシート、例えば不織布や穿孔フィルムなどを用いることができる。裏面シートとしては、例えば液不透過性のフィルムや、液難透過性のシートであるスパンボンドメルトブローン・スパンボンド積層不織布などを用いることができる。液不透過性のフィルムに、複数の微細孔を設け、該フィルムに水蒸気透過性を付与してもよい。

0035

生理用品の構造は、その具体的な用途に応じて選択すればよい。生理用品が、例えば生理用ナプキンである場合には、上述した吸収体、表面シート、裏面シート及びセカンドシートなどが構成部材として用いられる。生理用品がタンポンである場合には、筒形をした吸収体を構成部材として用いることができる。生理用品がいずれの構造のものであっても、該生理用品は吸水性ポリマーを含み、該吸水性ポリマーとして、本発明の複合化吸水性ポリマーが用いられる。

0036

以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては、吸水性ポリマーの少なくとも表面に熱可塑性粉体が配置され、更に必要に応じてセルロース粉体も配置されたが、それらの粉体に加えて、それら以外の粉体が吸水性ポリマーの少なくとも表面に複合化されていてもよい。

0037

また、前記実施形態においては、吸水性ポリマーの少なくとも表面に熱可塑性粉体が配置されていたが、これに加えて、熱可塑性繊維が配置されていてもよい。

0038

上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の複合化吸水性ポリマー及び生理用品を開示する。
<1>
熱可塑性粉体を含む吸水性ポリマーであって、
前記熱可塑性粉体は、前記吸水性ポリマーの粒子の少なくとも表面に配置されており、且つ前記吸水性ポリマーの質量に対して50質量%未満の割合で含まれている、複合化吸水性ポリマー。

0039

<2>
前記熱可塑性粉体の平均粒径が25μm以下であり、
前記吸水性ポリマーの平均粒径が200μm以上600μm以下である前記<1>に記載の複合化吸水性ポリマー。
<3>
前記熱可塑性粉体が熱可塑性樹脂の粒子の集合体からなり、
前記熱可塑性樹脂の粒子とは、そのアスペクト比が好ましくは4.0以下、更に好ましくは3.0以下、一層好ましくは2.5以下の形状を有する物体のことであり、アスペクト比の下限値は1である前記<1>又は<2>に記載の複合化吸水性ポリマー。
<4>
前記の熱可塑性樹脂が疎水性を有する樹脂からなり、疎水性とは、25℃の環境下において材料上に純水の液滴を滴下したときに、90度以上の接触角を示す性質のことである前記<3>に記載の複合化吸水性ポリマー。
<5>
前記熱可塑性粉体が、前記吸水性ポリマーの質量に対して33質量%以下の割合で含まれていることが好ましく、10質量%以下の割合で含まれていることが更に好ましく、また1質量%以上の割合で含まれていることが好ましく、3質量%以上の割合で含まれていることが更に好ましく、5質量%以上の割合で含まれていることが一層好ましい前記<1>ないし<4>のいずれか1に記載の複合化吸水性ポリマー。
<6>
前記吸水性ポリマーは、その平均粒径D1が200μm以上であることが好ましく、250μm以上であることが更に好ましく、300μm以上であることが一層好ましく、また600μm以下であることが好ましく、550μm以下であることが更に好ましく、500μm以下であることが一層好ましい前記<1>ないし<5>のいずれか1に記載の複合化吸水性ポリマー。

0040

<7>
前記熱可塑性粉体は、その平均粒径D2が25μm以下であることが好ましく、10μm以下であることが更に好ましく、5μm以下であることが一層好ましく、また、0.1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることが更に好ましく、1μm以上であることが一層好ましい前記<1>ないし<6>のいずれか1に記載の複合化吸水性ポリマー。
<8>
前記吸水性ポリマーの平均粒径D1に対する前記熱可塑性粉体の平均粒径D2の比であるD2/D1の値は、0.0002以上であることが好ましく、0.0008以上であることが更に好ましく、0.0017以上であることが一層好ましい。また0.125以下であることが好ましく、0.050以下であることが更に好ましく、0.025以下であることが一層好ましい前記<1>ないし<7>のいずれか1に記載の複合化吸水性ポリマー。
<9>
前記熱可塑性粉体がフッ素含有高分子化合物の粉体である前記<1>ないし<8>のいずれか1に記載の複合化吸水性ポリマー。
<10>
前記フッ素含有高分子化合物が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリクロロトリフルオロエチレン、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂又はこれらの共重合体である前記<9>に記載の複合化吸水性ポリマー。
<11>
前記フッ素含有高分子化合物がポリテトラフルオロエチレンである前記<3>に記載の複合化吸水性ポリマー。

0041

<12>
前記熱可塑性粉体が熱可塑性樹脂の粒子の集合体を含み、
前記熱可塑性樹脂が、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリα−オレフィン等のポリオレフィン系ポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系ポリマー、スチレンのホモポリマー及びコポリマー等のポリスチレン系ポリマー、アクリル酸若しくはアクリル酸エステルのホモポリマー及びコポリマー等のポリアクリル酸系ポリマー、メタクリル酸若しくはメタクリル酸エステルのホモポリマー及びコポリマー等のポリメタクリル酸系ポリマー、ポリ塩化ビニル(PVC)等のポリビニル系ポリマー、又はポリ塩化ビニリデン等のポリビニリデン系ポリマーである前記<1>ないし<11>のいずれか1に記載の複合化吸水性ポリマー。
<13>
前記熱可塑性粉体がポリエチレンテレフタレートの粉体である前記<1>ないし<12>のいずれか1に記載の複合化吸水性ポリマー。
<14>
更にセルロース粉体を含む吸水性ポリマーであって、
前記セルロース粉体は、前記吸水性ポリマーの粒子の少なくとも表面に配置されており、且つ前記吸水性ポリマーの質量に対して50質量%以下の割合で含まれている前記<1>ないし<13>のいずれか1に記載の複合化吸水性ポリマー。
<15>
前記セルロース粉体は、前記吸水性ポリマーの質量に対して30質量%以下の割合で含まれていることが好ましく、20質量%以下の割合で含まれていることが更に好ましく、また、1質量%以上の割合で含まれていることが好ましく、2質量%以上の割合で含まれていることが更に好ましく、3質量%以上の割合で含まれていることが一層好ましい前記<14>に記載の複合化吸水性ポリマー。
<16>
セルロース粉体は、その平均粒径D3が100μm以下であることが好ましく、75μm以下であることが更に好ましく、50μm以下であることが一層好ましく、また、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることが更に好ましく、10μm以上であることが一層好ましい前記<14>又は<15>に記載の複合化吸水性ポリマー。

0042

<17>
前記吸水性ポリマーの平均粒径D1に対する前記セルロース粉体の平均粒径D3の比であるD3/D1の値は、0.0017以上であることが好ましく、0.0083以上であることが更に好ましく、0.0167以上であることが一層好ましく、また、0.500以下であることが好ましく、0.375以下であることが更に好ましく、0.250以下であることが一層好ましい前記<14>ないし<16>のいずれか1に記載の複合化吸水性ポリマー。
<18>
前記セルロース粉体は、セルロース粒子の集合体を含み、
前記セルロース粒子は、そのアスペクト比が好ましくは7.0以下、更に好ましくは6.0以下、一層好ましくは5.0以下の形状を有する物体ある前記<14>ないし<17>のいずれか1に記載の複合化吸水性ポリマー。
<19>
前記熱可塑性粉体が、前記吸水性ポリマーの粒子の表面の全面積に対して90%以下の割合で該表面を被覆するように、配置されている請求項1ないし6のいずれか一項に記載の複合化吸水性ポリマー。前記<1>ないし<18>のいずれか1に記載の複合化吸水性ポリマー。
<20>
前記熱可塑性粉体による前記吸水性ポリマーの粒子の表面の被覆率が、85%以下であることが好ましく、80%以下であることが更に好ましく、また20%以上であることが好ましく、30%以上であることが更に好ましく、40%以上であることが一層好ましい前記<1>ないし<19>のいずれか1に記載の複合化吸水性ポリマー。
<21>
前記複合化吸水性ポリマーの平均粒径は、200μm以上であることが好ましく、250μm以上であることが更に好ましく、300μm以上であることが一層好ましく、また600μm以下であることが好ましく、550μm以下であることが更に好ましく、500μm以下であることが一層好ましい前記<1>ないし<20>のいずれか1に記載の複合化吸水性ポリマー。

0043

<22>
前記<1>ないし<21>のいずれか1に記載の複合化吸水性ポリマーを含む生理用品。
<23>
吸水性ポリマーに水を加えた後、混練下に熱可塑性粉体を加える工程を有する複合化吸水性ポリマーの製造方法。
<24>
前記熱可塑性粉体を加えるときにセルロース粉体も加える前記<23>に記載の製造方法。
<25>
前記吸水性ポリマーの質量に対して50質量%以上の水を加えた後、ブレンダ、ハイスピードミキサ、ヘンシェルミキサ、ナウターミキサ及びリボンミキサなどを用いて混練下、前記熱可塑性粉体を加える前記<23>又は<24>に記載の製造方法。
<26>
添加する水の下限値は、前記吸水性ポリマーの質量に対して50質量%以上が好ましく、100質量%以上が更に好ましく、200質量%以上が一層好ましく、添加する水の上限値は、前記吸水性ポリマーの質量に対して1000質量%以下が好ましく、700質量%以下が更に好ましく、500質量%以下が一層好ましい前記<25>に記載の製造方法。

0044

以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。

0045

〔実施例1〕
吸水性ポリマーとして、ポリアクリル酸ナトリウム塩を用いた。この吸水性ポリマーは、その平均粒径が400μmのものであった。熱可塑性粉体として、以下の表1に示すものを用いた。表1に記載の熱可塑性粉体の詳細は、末尾の表4に示すとおりである。この吸水性ポリマーと熱可塑性粉体とを、同表に示す仕込み質量で用い、吸水性ポリマーの質量に対して1000%の水を添加した後に、熱可塑性粉体を添加し、二軸ニーダーを用いて複合化した。このようにして、熱可塑性粉体を吸水性ポリマーの少なくとも表面に配置してなる複合化吸水性ポリマーを得た。この複合化吸水性ポリマーの走査型電子顕微鏡像を図2に示す。複合化吸水性ポリマーにおける、吸水性ポリマーに対する熱可塑性粉体の複合化の割合、及び吸水性ポリマーの全表面積に対する熱可塑性粉体の被覆率は表1に示すとおりであった。更に、得られた複合化吸水性ポリマーについて、経過時間ごと膨潤倍率を以下の方法で測定した。その結果を以下の表1に示す。

0046

〔経過時間ごとの複合化吸水性ポリマーの膨潤倍率〕
直径約400μmの複合化吸水性ポリマー1粒をスライドガラス上に載置し、この複合化吸水性ポリマーに、血液(株式会社日本バイオテスト研究所製脱繊維馬血)を、パスツールピペットによって3滴滴下して、該複合化吸水性ポリマーに血液を吸収させて膨潤させた。血液を滴下した後、水分の蒸散を防ぐために、小さなスクリュー蓋を用いて複合化吸水性ポリマーを密閉した。所定時間経過後に蓋を取り去り、更に吸収紙を用いて過剰量存在する血液を吸収除去した。引き続き、複合化吸水性ポリマーの直径を光学顕微鏡観察で測定した。膨潤前の複合化吸水性ポリマーの直径をR1(μm)、膨潤後の直径をR2(μm)としたとき、体積膨潤倍率は(R2−複合化素材の平均粒径×2/R1−複合化素材の平均粒径×2)3で定義される。
なお、体積膨潤倍率は複合化吸水性ポリマーの吸収量を表す指標である。また、この測定において、体積膨潤倍率の経時における傾きが、複合化吸水性ポリマーの吸収速度となる。本実施例及び比較例においては、この体積膨潤倍率が大きいほど、吸収速度が速いことを意味する。

0047

〔実施例2ないし8〕
熱可塑性粉体として表1に示すものを、同表に示す量で用いた。それ以外は実施例1と同様にして複合化吸水性ポリマーを得た。得られた複合化吸水性ポリマーについて実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。

0048

〔実施例9ないし11〕
熱可塑性粉体として表2に示すものを、同表に示す量で用いた。それ以外は実施例1と同様にして複合化吸水性ポリマーを得た。得られた複合化吸水性ポリマーについて実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。

0049

〔実施例12〕
熱可塑性粉体として表2に示すものを、同表に示す量で用いた。これに加えて、セルロース粉体として表2に示すものを、同表に示す量で用いた。それ以外は実施例1と同様にして複合化吸水性ポリマーを得た。得られた複合化吸水性ポリマーについて実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。

0050

〔比較例1〕
本比較例は、実施例1において熱可塑性粉体を複合化させなかった例である。

0051

〔比較例2〕
本比較例は、実施例1で用いた熱可塑性粉体に代えて無機粉体であるシリカを複合化させた例である。それ以外は実施例1と同様にして複合化吸水性ポリマーを得た。得られた複合化吸水性ポリマーについて実施例1と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。

0052

〔比較例3及び4〕
本比較例は、実施例1で用いた熱可塑性粉体に代えてセルロース粉体を複合化させた例である。それ以外は実施例1と同様にして複合化吸水性ポリマーを得た。得られた複合化吸水性ポリマーについて実施例1と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。

0053

〔比較例5〕
本比較例は、実施例1で用いた熱可塑性粉体に代えてポリプロピレン(PP)粉体を複合化させた例である。それ以外は実施例1と同様にして複合化吸水性ポリマーを得た。得られた複合化吸水性ポリマーについて実施例1と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。

0054

〔比較例6〕
本比較例は、実施例1において熱可塑性粉体を複合化させず、それに代えて吸水性ポリマーの表面をフッ素コーティングした例である。フッ素コーティングには、アサガードAG−E802(旭硝子株式会社製)の20%水溶液を用いた。それ以外は実施例1と同様にして複合化吸水性ポリマーを得た。得られた複合化吸水性ポリマーについて実施例1と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。

0055

〔比較例7〕
本比較例は、実施例1において熱可塑性粉体の複合化の割合を高くした例である。それ以外は実施例1と同様にして複合化吸水性ポリマーを得た。得られた複合化吸水性ポリマーについて実施例1と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。

0056

〔比較例8〕
本比較例は、実施例5において熱可塑性粉体の複合化の割合を高くした例である。それ以外は実施例5と同様にして複合化吸水性ポリマーを得た。得られた複合化吸水性ポリマーについて実施例1と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。

0057

0058

0059

0060

実施例

0061

表1ないし表3に示す結果から明らかなとおり、各実施例で得られた複合化吸水性ポリマーは、複合化していない吸水性ポリマー(比較例1)に比べ、吸収量が高いものであることが判る。特に実施例12に示す結果から明らかなとおり、熱可塑性粉体及びセルロース粉体の双方を複合化することで、初期段階での吸収速度が高くなることが判る。

0062

1経血
2液体成分
3非液体成分
4吸水性ポリマー
5 被膜

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 大王製紙株式会社の「 連結式使い捨て着用物品」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】ターゲットシートを有する領域における蒸れを低減する。【解決手段】上記課題は、腹側部分Fにおけるターゲットシート20を有する部分は、ターゲットシート20から液不透過性シート11の裏面までの厚み方... 詳細

  • 三井化学株式会社の「 ゴム組成物およびその架橋体」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】EPDMなどのエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体が有するほかの特性を維持しながら、優れた耐油性をも有するゴム組成物およびゴム架橋体を提供する。【解決手段】エチレン・炭素原子数3〜... 詳細

  • 旭化成株式会社の「 難燃性メタクリル系樹脂組成物及び成形体」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】本発明は、難燃性、透明性、流動性、及び耐熱性に優れた難燃性メタクリル系樹脂組成物を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の難燃性メタクリル系樹脂組成物は、メタクリル系樹脂(A)、リン系難... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ