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技術 受光素子

出願人 日本電信電話株式会社
発明者 山田友輝名田允洋松崎秀昭
出願日 2016年3月16日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2016-051990
公開日 2017年9月21日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 2017-168610
状態 特許登録済
技術分野 受光素子3(フォトダイオード・Tr)
主要キーワード 電界構造 エッジブレークダウン 走行キャリア 半導体吸収層 n型半導体 アバランシェ増幅 電圧印加端子 受光素子構造
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

高速高感度動作が実現できるアバランシェフォトダイオードが、より容易に製造できるようにする。

解決手段

基板101の上に形成された半導体からなる吸収層104と、基板101の上に形成された半導体からなる増倍層106と、吸収層104と増倍層106との間に形成された半導体または金属からなる電圧制御層105とを備える。また、第1コンタクト層102に電気的に接続する第1電極121と、第2コンタクト層107に電気的に接続する第2電極122を備える。加えて、電圧制御層105に電気的に接続する第3電極123を備える。

概要

背景

フォトダイオードの一つであるアバランシェフォトダイオードAPD)は、半導体吸収層で発生したキャリアを高電界加速することにより、格子位置原子衝突させて二次電子ならびに正孔を発生し、更に発生した電子と正孔が電界で加速され衝突を繰り返していくアバランシェ増倍を利用したフォトダイオードである。一般的なフォトダイオードでは光を電気に変換する際の効率は100%が限界となるのに対し、APDでは素子自身増倍機能を有するため、100%を大きく超える高効率化が可能となる。

光通信へ応用する高速高感度APDでは、通信用波長帯である1.55μm帯や1.3μm帯の光信号電気信号に効率よく変換するために、吸収層としてInGaAsが用いられる。しかしながら、アバランシェ増倍を起こす高電界状態では、InGaAsから構成される吸収層でのリーク電流が増大してしまうため、よりバンドギャップの大きなInPやInAlAsを増倍層としつつ、動作状態においては、吸収層を構成するInGaAsの電界強度は低く、増倍層の電界強度は高くする「Low−high」の電界構造が一般的に用いられる。このため、光通信用の高速・高感度APDにおいては、電界強度を制御するための層(電界制御層)を増倍層の周辺に設け、吸収層と増倍層を分離するSAM(Separated Absorption and Multiplication)構造が用いられている(非特許文献1参照)。

概要

高速・高感度動作が実現できるアバランシェフォトダイオードが、より容易に製造できるようにする。基板101の上に形成された半導体からなる吸収層104と、基板101の上に形成された半導体からなる増倍層106と、吸収層104と増倍層106との間に形成された半導体または金属からなる電圧制御層105とを備える。また、第1コンタクト層102に電気的に接続する第1電極121と、第2コンタクト層107に電気的に接続する第2電極122を備える。加えて、電圧制御層105に電気的に接続する第3電極123を備える。

目的

本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、高速・高感度動作が実現できるアバランシェフォトダイオードが、より容易に製造できるようにすることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

基板の上に形成された半導体からなる吸収層と、基板の上に形成された半導体からなる増倍層と、前記吸収層と前記増倍層との間に形成された半導体または金属からなる電圧制御層と、前記吸収層の前記増倍層の形成側とは反対側に形成された第1導電型の半導体からなる第1コンタクト層と、前記増倍層の前記吸収層の形成側とは反対側に形成された第2導電型の半導体からなる第2コンタクト層と、前記第1コンタクト層に電気的に接続する第1電極と、前記第2コンタクト層に電気的に接続する第2電極と、前記電圧制御層に電気的に接続する第3電極とを備えることを特徴とする受光素子

請求項2

請求項1記載の受光素子において、前記電圧制御層は、導電型を有する半導体から構成されていることを特徴とする受光素子。

請求項3

請求項1または2記載の受光素子において、前記電圧制御層は、前記基板の側に配置される前記吸収層または前記増倍層より小さい面積に形成されていることを特徴とする受光素子。

技術分野

0001

本発明は、アバランシェ現象を利用したアバランシェフォトダイオードによる受光素子に関する。

背景技術

0002

フォトダイオードの一つであるアバランシェフォトダイオード(APD)は、半導体吸収層で発生したキャリアを高電界加速することにより、格子位置原子衝突させて二次電子ならびに正孔を発生し、更に発生した電子と正孔が電界で加速され衝突を繰り返していくアバランシェ増倍を利用したフォトダイオードである。一般的なフォトダイオードでは光を電気に変換する際の効率は100%が限界となるのに対し、APDでは素子自身増倍機能を有するため、100%を大きく超える高効率化が可能となる。

0003

光通信へ応用する高速高感度APDでは、通信用波長帯である1.55μm帯や1.3μm帯の光信号電気信号に効率よく変換するために、吸収層としてInGaAsが用いられる。しかしながら、アバランシェ増倍を起こす高電界状態では、InGaAsから構成される吸収層でのリーク電流が増大してしまうため、よりバンドギャップの大きなInPやInAlAsを増倍層としつつ、動作状態においては、吸収層を構成するInGaAsの電界強度は低く、増倍層の電界強度は高くする「Low−high」の電界構造が一般的に用いられる。このため、光通信用の高速・高感度APDにおいては、電界強度を制御するための層(電界制御層)を増倍層の周辺に設け、吸収層と増倍層を分離するSAM(Separated Absorption and Multiplication)構造が用いられている(非特許文献1参照)。

先行技術

0004

N. Susa et al., "Characteristics in InGaAsAnP Avalanche Photodiodes with Separated Absorption and Multiplication Regions",IEEE Journal of Quantum Electronics, vol.QE-17, no.2, pp.243-250, 1981.
T. Shimatsu and M. Uomoto, "Atomic diffusion bonding of wafers with thin nanocrystalline metal films", Journal of Vacuum Science & Technology B, vol.28, no.4, pp.706-714, 2010.
C. R. Crowell and S. M. Sze, "BALLISTICMEAN FREE PATH MEASUREMENTS OF HOT ELECTRONS IN Au FILMS", Physical Review Letters, vol.15, no.16, pp.659-661, 1965.

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、APDの動作電圧電流−電圧特性)に高い再現性を要求する場合,電界制御層の不純物濃度に高い制御性が要求される。これは、APDが、電圧印加に伴い、まず電界制御層が空乏化され、この後に吸収層の電界強度が上昇していくように設計されているためである。電界制御層の不純物濃度の設計値からのずれは、光電流が生じ始めるオン電圧、およびブレークダウン電圧に直接的に影響する。例えば、電界制御層の膜厚、濃度として一般的に用いられる範囲内においては、20%の不純物濃度のずれは2V以上のオン電圧、ブレークダウン電圧の変動に相当する。

0006

上述のように、APDでより高速・高感度動作が得られるSAM構造では、動作電圧の再現性を2V以内の精度で確保するために、電界制御層の不純物濃度にプラスマイナス10%以内の高い制御性が要求されている。このため、高速・高感度動作を実現するSAM構造は、製造が容易ではないという問題があった。

0007

本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、高速・高感度動作が実現できるアバランシェフォトダイオードが、より容易に製造できるようにすることを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明に係る受光素子は、基板の上に形成された半導体からなる吸収層と、基板の上に形成された半導体からなる増倍層と、吸収層と増倍層との間に形成された半導体または金属からなる電圧制御層と、吸収層の増倍層の形成側とは反対側に形成された第1導電型の半導体からなる第1コンタクト層と、増倍層の吸収層の形成側とは反対側に形成された第2導電型の半導体からなる第2コンタクト層と、第1コンタクト層に電気的に接続する第1電極と、第2コンタクト層に電気的に接続する第2電極と、電圧制御層に電気的に接続する第3電極とを備える。

0009

上記受光素子において、電圧制御層は、導電型を有する半導体から構成されていてもよい。

0010

上記受光素子において、電圧制御層は、基板の側に配置される吸収層または増倍層より小さい面積に形成されていてもよい。

発明の効果

0011

以上説明したように、本発明によれば、吸収層と増倍層との間に電圧制御層を設けるようにしたので、高速・高感度動作が実現できるアバランシェフォトダイオードが、より容易に製造できるという優れた効果が得られる。

図面の簡単な説明

0012

図1は、本発明の実施の形態1における受光素子の構成を示す断面図である。
図2は、本発明の実施の形態1における受光素子の各層の積層方向におけるバンドギャップエネルギーの変化を示すバンド図である。
図3は、本発明の実施の形態2における受光素子の構成を示す断面図である。
図4は、本発明の実施の形態3における受光素子の構成を示す断面図である。
図5は、本発明の実施の形態4における受光素子の構成を示す断面図である。
図6は、本発明の実施の形態5における受光素子の構成を示す断面図である。

実施例

0013

以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。

0014

[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1における受光素子の構成を示す断面図である。この受光素子は、基板101の上に形成された半導体からなる吸収層104と、基板101の上に形成された半導体からなる増倍層106と、吸収層104と増倍層106との間に形成された半導体または金属からなる電圧制御層105とを備える。

0015

また、この受光素子は、吸収層104の増倍層106の形成側とは反対側に形成された第1導電型の半導体からなる第1コンタクト層102と、増倍層106の吸収層104の形成側とは反対側に形成された第2導電型の半導体からなる第2コンタクト層107とを備える。また、第1コンタクト層102に電気的に接続する第1電極121と、第2コンタクト層107に電気的に接続する第2電極122を備える。加えて、電圧制御層105に電気的に接続する第3電極123を備える。

0016

実施の形態1では、基板101の上に、第1コンタクト層102,エッチストップ層103,吸収層104,電圧制御層105,増倍層106,第2コンタクト層107が、これらの順に積層されている。ここで、エッチストップ層103,吸収層104,および電圧制御層105により第1メサが形成され、増倍層106および第2コンタクト層107により第2メサが形成されている。

0017

第2メサは、第1メサより平面視で小さい面積とされて第1メサの内側に配置されている。従って、側面の形状は、階段状となっている。この形状において、第1メサ周囲の第1コンタクト層102の上面に、第1電極121が接して形成されている。また、第2メサ周囲の第1メサ(電圧制御層105)の上面に、第3電極123が接して形成されている。第2電極122は、第2コンタクト層107の上面に接して形成されている。なお、実施の形態1において、電圧制御層105は、基板101の側に配置される吸収層104と同じ面積に形成されている。

0018

実施の形態1では、第1コンタクト層102は、p型の半導体から構成し、第2コンタクト層107は、n型の半導体から構成している。従って、実施の形態1では、第1導電型はp型であり、第2導電型はn型である。

0019

例えば、InPからなる基板101の上に、より高濃度にp型不純物を導入したp+−InGaAsPの層、InPの層、i−InGaAsの層、比較的低濃度にp型不純物を導入したp-−InPの層、i−InAlAsの層、より高濃度にn型不純物を導入したn+−InGaAsPの層を、よく知られた有機金属気相成長法によりエピタキシャル成長する。p+−InGaAsPの層は、第1コンタクト層102となる。次に、n+−InGaAsPの層上に、蒸着法およびリフトオフ法により、Ti/Auなどの金属による第2電極122を形成する。

0020

次に、i−InAlAsおよびn+−InGaAsPの層を、公知のリソグラフィー技術およびウエットエッチング技術によりパターニングすることで、増倍層106,第2コンタクト層107からなる第2メサを形成する。増倍層106とするi−InAlAsの層の下は、p-−InPの層であり、これらの間には、硫酸系エッチャントに関する選択性がある。従って、第2メサ形成における増倍層106形成のためのウエットエッチングにおいては、硫酸系エッチャントを用いることで、p-−InPの層でウエットエッチングは停止する。

0021

次に、InP、i−InGaAs、p-−InPの層を、公知のリソグラフィー技術およびウエットエッチング技術によりパターニングすることで、エッチストップ層103、吸収層104、電圧制御層105からなる第1メサを形成する。第1メサ形成において、リソグラフィー技術により形成するエッチングマスクパターン形状は、第2メサ形成におけるエッチングマスクのパターン形状より広い面積とすればよい。ここで、InPとInGaAsとの間には塩酸系エッチャントに関する選択性がある。従って、まず、塩酸系エッチャントでp-−InPの層をエッチングして電圧制御層105を形成し、次に、硫酸系エッチャントでi−InGaAsの層をエッチングして吸収層104を形成し、次に、塩酸系エッチャントでInPの層をエッチングしてエッチストップ層103を形成すればよい。各エッチングにおいては、下層エッチング停止層となる。

0022

以上のようにして各層を形成した後、蒸着法およびリフトオフ法により、Pt/Ti/Auなどの金属による第1電極121および第3電極123を形成する。なお、各メサの形成は、ウエットエッチングではなくドライエッチングを用いてもよい。この場合、エッチストップ層は必要が無い。

0023

次に、本発明の実施の形態1における受光素子の動作原理について説明する。

0024

上述した吸収層と増倍層とを分離するSAM構造のAPDは、吸収層と増倍層に異なる強度の電界を印加することが可能である。しかしながら、吸収層の電界は、吸収層を構成する半導体のアバランシェブレークダウン電界強度以下、またはツェナーブレークダウン電界強度以下であることが必要であり、同時に増倍層の電界は増倍層を構成する半導体のアバランシェブレークダウン電界強度以上であることが必要である。

0025

実施の形態におけるAPDにおいて、図1に示すように、電圧制御層105を接地し、第1コンタクト層102と電圧制御層105の間に電圧V1を印加し、電圧制御層105と第2コンタクト層107の間に電圧V2を印加することで、吸収層104にV1、増倍層106にV2+VBIの異なる電圧を印加することが可能である。VBIは、電圧制御層105と第2コンタクト層107間のビルトインポテンシャルを表す。

0026

上述した構成の本発明によれば、第3電極123を設けたことにより、増倍層106および吸収層104への電圧印加端子が独立する構成となるため、増倍層106、吸収層104の各々に、任意の電界強度を生じさせることが可能である。このように、従来のSAM構造で課題であった高い不純物濃度の制御性を要求する電界制御層は、本発明においては必要としない。

0027

なお、本発明の効果をより顕著に得るためには、増倍層106、第2コンタクト層107で決まる素子横幅を5μm以下とすることが望ましい。また従来のSAM構造のような電界制御層を含む受光素子構造に、電圧制御層105を設ける構成としても、同等の効果を得ることができる。この場合、電界制御層の不純物濃度変動に対する許容範囲を大きく取ることができる。

0028

ところで、上記の受光素子の動作原理は、図2に示すように、信号光によって吸収層104で光励起された電子(図2黒丸)が増倍層106でアバランシェ増幅され、微弱な光信号に対して大きな電気信号を得ることができるというものである。これは従来のAPDと同一であり、電圧制御層105に印加される電圧は、信号のON/OFFによらず一定であり、また電圧制御層105の空乏化領域の伸長によりキャリアの走行経路狭窄するものでもない。

0029

また、従来のAPDでは、光強度を増加させた際に、空間電荷効果で実効的に増倍層106中の電界強度が低下し、結果的に増倍率が低下する。このため、動作電圧の光強度に対する線形性が良くなかった。一方、本発明によれば、外部から電圧V2を印加することで増倍層106中の電界強度を制御することが可能であるため、APDの動作電圧の光強度に対する線形性を改善することができる。

0030

以上に説明したように、本発明の実施の形態1によれば、APDに高速性と高感度性を維持しながら、動作電圧に高い再現性が得られるようになる。

0031

[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態2における受光素子の構成を示す断面図である。この受光素子は、基板201の上に形成された半導体からなる吸収層205と、基板201の上に形成された半導体からなる増倍層203と、吸収層205と増倍層203との間に形成された半導体または金属からなる電圧制御層204とを備える。

0032

また、この受光素子は、吸収層205の増倍層203の形成側とは反対側に形成された第1導電型の半導体からなる第1コンタクト層206と、増倍層203の吸収層205の形成側とは反対側に形成された第2導電型の半導体からなる第2コンタクト層202とを備える。また、第1コンタクト層206に電気的に接続する第1電極221と、第2コンタクト層202に電気的に接続する第2電極222を備える。加えて、電圧制御層204に電気的に接続する第3電極223を備える。

0033

実施の形態2では、基板201の上に、第2コンタクト層202,増倍層203,電圧制御層204,吸収層205,第1コンタクト層206が、これらの順に積層されている。ここで、増倍層203および電圧制御層204により第1メサが形成され、吸収層205および第1コンタクト層206により第2メサが形成されている。

0034

第2メサは、第1メサより平面視で小さい面積とされて第1メサの内側に配置されている。従って、側面の形状は、階段状となっている。この形状において、第1メサ周囲の第2コンタクト層202の上面に、第2電極222が接して形成されている。また、第2メサ周囲の第1メサ(電圧制御層204)の上面に、第3電極223が接して形成されている。第1電極221は、第1コンタクト層206の上面に接して形成されている。なお、実施の形態2において、電圧制御層204は、基板201の側に配置される増倍層203と同じ面積に形成されている。

0035

実施の形態2では、第1コンタクト層206は、n型の半導体から構成し、第2コンタクト層202は、p型の半導体から構成している。従って、実施の形態2では、第1導電型はn型であり、第2導電型はp型である。

0036

例えば、InPからなる基板201の上に、より高濃度にp型不純物を導入したp+−InGaAsPの層、InPの層、比較的低濃度にn型不純物を導入したn-−InPの層、i−InGaAsの層、より高濃度にn型不純物を導入したn+−InGaAsPの層を、よく知られた有機金属気相成長法によりエピタキシャル成長する。p+−InGaAsPの層は、第2コンタクト層202となる。次に、n+−InGaAsPの層上に、蒸着法およびリフトオフ法により、Ti/Auなどの金属による第1電極221を形成する。

0037

次に、i−InGaAsの層およびn+−InGaAsPの層を、公知のリソグラフィー技術およびウエットエッチング技術によりパターニングすることで、吸収層205,第1コンタクト層206からなる第2メサを形成する。次に、InPの層、n-−InPの層を、公知のリソグラフィー技術およびウエットエッチング技術によりパターニングすることで、増倍層203および電圧制御層204からなる第1メサを形成する。

0038

以上のようにして各層を形成した後、蒸着法およびリフトオフ法により、Pt/Ti/Auなどの金属による第2電極222および第3電極223を形成する。なお、各メサの形成は、ウエットエッチングではなくドライエッチングを用いてもよい。

0039

実施の形態2の受光素子の動作原理は、信号光によって吸収層205で光励起されたホールが増倍層203でアバランシェ増幅され、微弱な光信号に対して大きな電気信号を得ることができるというものである。

0040

実施の形態2では、実施の形態1と同様に、電圧制御層204を接地し、第1コンタクト層206と電圧制御層204の間に電圧V1を印加し、電圧制御層204と第2コンタクト層202の間に電圧V2を印加することで、吸収層205にV1、増倍層203にV2+VBIの異なる電圧を印加することが可能である。これにより、増倍層203のみに選択的にアバランシェブレークダウンを生じさせることができる。このため、従来のSAM構造で課題であった高い不純物濃度の制御性を要求する電界制御層を、実施の形態2の構成においても必要としない。また従来のSAM構造のような電界制御層を含む受光素子構造に、電圧制御層を備える場合であっても、同等の効果を得ることができる。この場合、当該電界制御層の不純物濃度変動に対する許容範囲を大きく取ることができる。

0041

実施の形態1と同様に、実施の形態2の受光素子の動作原理は、信号光によって吸収層205で光励起されたホールが増倍層203でアバランシェ増幅され、微弱な光信号に対して大きな電気信号を得ることができる。電圧制御層204に印加される電圧は、信号のON/OFFによらず一定であり、また電圧制御層204の空乏化領域の伸長によりキャリアの走行経路を狭窄するものでもない。加えて、実施の形態2でも、外部から電圧V2を印加することで増倍層203中の電界強度を制御することが可能であるため、APDの動作電圧の光強度に対する線形性を改善することができる。

0042

以上に説明したように、本発明の実施の形態2においても、APDに高速性と高感度性を維持しながら、動作電圧に高い再現性が得られるようになる。

0043

[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3について図4を用いて説明する。図4は、本発明の実施の形態3における受光素子の構成を示す断面図である。この受光素子は、基板301の上に形成された半導体からなる吸収層304と、基板301の上に形成された半導体からなる増倍層306と、吸収層304と増倍層306との間に形成された半導体または金属からなる電圧制御層305とを備える。

0044

また、この受光素子は、吸収層304の増倍層306の形成側とは反対側に形成された第1導電型の半導体からなる第1コンタクト層302と、増倍層306の吸収層304の形成側とは反対側に形成された第2導電型の半導体からなる第2コンタクト層307とを備える。また、第1コンタクト層302に電気的に接続する第1電極321と、第2コンタクト層307に電気的に接続する第2電極322を備える。加えて、電圧制御層305に電気的に接続する第3電極323を備える。

0045

実施の形態3では、基板301の上に、第1コンタクト層302,エッチストップ層303,吸収層304,電圧制御層305,増倍層306,第2コンタクト層307が、これらの順に積層されている。ここで、エッチストップ層303,吸収層304,および電圧制御層305により第1メサが形成され、増倍層306および第2コンタクト層307により第2メサが形成されている。

0046

第2メサは、第1メサより平面視で小さい面積とされて第1メサの内側に配置されている。従って、側面の形状は、階段状となっている。この形状において、第1メサ周囲の第1コンタクト層302の上面に、第1電極321が接して形成されている。また、第2メサ周囲の第1メサ(電圧制御層305)の上面に、第3電極323が接して形成されている。第2電極322は、第2コンタクト層307の上面に接して形成されている。なお、実施の形態3において、電圧制御層305は、基板301の側に配置される吸収層304と同じ面積に形成されている。

0047

実施の形態3では、第1コンタクト層302は、p型の半導体から構成し、第2コンタクト層307は、n型の半導体から構成している。従って、実施の形態3では、第1導電型はp型であり、第2導電型はn型である。

0048

例えば、InPからなる基板301の上に、より高濃度にp型不純物を導入したp+−InGaAsPの層、InPの層、i−InGaAsの層を、よく知られた有機金属気相成長法によりエピタキシャル成長する。加えて、i−InGaAsの層上に、電子ビーム蒸着法またはスパッタ法などにより、Auからなる第1金属層を形成する。第1金属層は、厚さ数nm程度とすればよい。

0049

一方、図示しない単結晶シリコンから構成した他基板に、n型不純物を導入したn−Siの層、i−Siの層を、よく知られた分子線エピタキシー法により成長する。加えて、i−Siの層の上に、電子ビーム蒸着法またはスパッタ法などにより、Auからなる第2金属層を形成する。第2金属層も、厚さ数nm程度とすればよい。

0050

次に、基板301と他基板とを、第1金属層と第2金属層との原子拡散接合(金属−金属接合)により貼り合わせる(非特許文献2参照)。貼り合わせた後、他基板を除去する。例えば、よく知られた研磨、エッチング等により他基板を除去すればよい。この結果、基板301の上に、p+−InGaAsPの層、InPの層、i−InGaAsの層,Auからなる層,i−Siの層,n−Siの層が、これらの順に積層した状態が得られる。p+−InGaAsPの層は、第1コンタクト層302となる。

0051

次に、n−Siの層上に、蒸着法およびリフトオフ法により、Ti/Auなどの金属による第2電極322を形成する。

0052

次に、i−Siの層,n−Siの層の層を、公知のリソグラフィー技術およびエッチング技術によりパターニングすることで、増倍層306,第2コンタクト層307からなる第2メサを形成する。

0053

次に、InP、i−InGaAs、Auからなる層を、公知のリソグラフィー技術および所定のエッチング技術によりパターニングすることで、エッチストップ層303、吸収層304、電圧制御層305からなる第1メサを形成する。実施の形態3では、電圧制御層305は、Auから構成されたものとなる。各々が厚さ数nmとした第1金属層および第2金属層を貼り合わせたAuからなる層は、厚さ4〜6nm程度と10nm未満となる。従って、Auからなる層より構成される電圧制御層305は、厚さ4〜6nm程度と10nm未満となる。

0054

以上のようにして各層を形成した後、蒸着法およびリフトオフ法により、Pt/Ti/Auなどの金属による第1電極321および第3電極323を形成する。

0055

ここで、電圧印加時において、吸収層304では空乏化が進行しているため数十から数百kV/cmの電界強度を有している。このため、光吸収により生じたフォトキャリア(電子)は、吸収層304を走行しているうちに高い運動エネルギーを有し、いわゆるホットキャリアの状態になっている。更に、電圧制御層305に用いたAuにおける電子の平均自由行程は、数10nm程度といわれている(非特許文献3参照)。よって、上述したフォトキャリアは、厚さ10nm未満とされている電圧制御層305におけるAuの影響をほとんど受けることなく、増倍層306に注入される。

0056

実施の形態3でも、実施の形態1,2と同様に、吸収層304と増倍層306に異なる電圧を印加することができるため、増倍層306のみに選択的にアバランシェブレークダウンを生じさせることができる。このため、従来のSAM構造で課題であった高い不純物濃度の制御性を要求する電界制御層を、本実施の形態の構成においては必要としない。

0057

また、従来のSAM構造のような電界制御層を含む受光素子構造に、電圧制御層を具備している場合であっても、同等の効果を得ることができる。この場合、当該電界制御層の不純物濃度変動に対する許容範囲を大きく取ることができる。

0058

実施の形態1と同様に、実施の形態3の受光素子の動作原理は、信号光によって吸収層304で光励起された電子が増倍層306でアバランシェ増幅され、微弱な光信号に対して大きな電気信号を得ることができる。電圧制御層305に印加される電圧は、信号のON/OFFによらず一定であり、また電圧制御層305の空乏化領域の伸長によりキャリアの走行経路を狭窄するものでもない。加えて、実施の形態3では、外部から電圧V1を印加することで増倍層306中の電界強度を制御することが可能であるため、APDの動作電圧の光強度に対する線形性を改善することができる。

0059

以上に説明したように、本発明の実施の形態3においても、APDに高速性と高感度性を維持しながら、動作電圧に高い再現性が得られるようになる。

0060

[実施の形態4]
次に、本発明の実施の形態4について図5を用いて説明する。図5は、本発明の実施の形態4における受光素子の構成を示す断面図である。この受光素子は、基板401の上に形成された半導体からなる吸収層404と、基板401の上に形成された半導体からなる増倍層407と、吸収層404と増倍層407との間に形成された半導体または金属からなる電圧制御層406とを備える。

0061

また、この受光素子は、吸収層404の増倍層407の形成側とは反対側に形成された第1導電型の半導体からなる第1コンタクト層402と、増倍層407の吸収層404の形成側とは反対側に形成された第2導電型の半導体からなる第2コンタクト層408とを備える。また、第1コンタクト層402に電気的に接続する第1電極421と、第2コンタクト層408に電気的に接続する第2電極422を備える。加えて、電圧制御層406に電気的に接続する第3電極423を備える。

0062

実施の形態4では、基板401の上に、第1コンタクト層402,第1エッチストップ層403,吸収層404,第2エッチストップ層405,電圧制御層406,増倍層407,第2コンタクト層408が、これらの順に積層されている。ここで、第1エッチストップ層403および吸収層404により第1メサが形成され、第2エッチストップ層405および電圧制御層406により第2メサが形成され、増倍層407により第3メサが形成され、第2コンタクト層408により第4メサが形成されている。

0063

第4メサは、第3メサより平面視で小さい面積とされて第3メサの内側に配置されている。第3メサは、第2メサより平面視で小さい面積とされて第2メサの内側に配置されている。第2メサは、第1メサより平面視で小さい面積とされて第1メサの内側に配置されている。従って、側面の形状は、階段状となっている。この形状において、第1メサ周囲の第1コンタクト層402の上面に、第1電極421が接して形成されている。また、第3メサ周囲の第2メサ(電圧制御層406)の上面に、第3電極423が接して形成されている。第2電極422は、第4メサを構成する第2コンタクト層408の上面に接して形成されている。

0064

上述したように、実施の形態4では、電圧制御層406が、基板401の側に配置される吸収層404より小さい面積に形成されているところに特徴がある。なお、実施の形態4では、第1コンタクト層402は、p型の半導体から構成し、第2コンタクト層408は、n型の半導体から構成している。従って、実施の形態4では、第1導電型はp型であり、第2導電型はn型である。

0065

例えば、InPからなる基板401の上に、より高濃度にp型不純物を導入したp+−InGaAsPの層、InPの層、i−InGaAsの層、InPの層、比較的低濃度にp型不純物を導入したp-−InGaAsPの層、i−InPの層、より高濃度にn型不純物を導入したn+−InGaAsPの層を、よく知られた有機金属気相成長法によりエピタキシャル成長する。p+−InGaAsPの層は、第1コンタクト層402となる。次に、n+−InGaAsPの層上に、蒸着法およびリフトオフ法により、Ti/Auなどの金属による第2電極422を形成する。

0066

次に、n+−InGaAsPの層を公知のリソグラフィー技術およびウエットエッチング技術によりパターニングすることで、第2コンタクト層408からなる第4メサを形成する。次に、i−InPの層を公知のリソグラフィー技術およびウエットエッチング技術によりパターニングすることで、増倍層407からなる第3メサを形成する。

0067

次に、InP、p-−InGaAsPの層を、公知のリソグラフィー技術およびウエットエッチング技術によりパターニングすることで、第2エッチストップ層405、電圧制御層406からなる第2メサを形成する。次に、InPの層、i−InGaAsの層を、公知のリソグラフィー技術およびウエットエッチング技術によりパターニングすることで、第1エッチストップ層403、吸収層404からなる第1メサを形成する。

0068

第1エッチストップ層403、第2エッチストップ層405を用い、前述した実施の形態1と同様に、塩酸系エッチャントと硫酸系エッチャントとを使い分け、各層間のエッチャントに対する選択性を利用することで、ウエットエッチングによる各メサ形成においては、各メサの下層において自動的にエッチングを停止させることができる。なお、各メサ形成において、リソグラフィー技術により形成するエッチングマスクのパターン形状は、上に配置されるメサ形成におけるエッチングマスクのパターン形状より広い面積とすればよい。

0069

以上のようにして各層を形成した後、蒸着法およびリフトオフ法により、Pt/Ti/Auなどの金属による第1電極421および第3電極423を形成する。なお、各メサの形成は、ウエットエッチングではなくドライエッチングを用いてもよい。この場合、エッチストップ層は必要が無い。

0070

吸収層404および増倍層407は、メサの側面に電界が印加されることで、表面暗電流の増加をまねく。これに対し、実施の形態4では、電圧制御層406のメサ径を吸収層404よりも小さく、また第2コンタクト層408のメサ径を増倍層407よりも小さくすることで、各々のメサ側面に印加される電圧を低減し、表面暗電流を抑制している。

0071

実施の形態4の受光素子の動作原理も、信号光によって吸収層404で光励起された電子が増倍層407でアバランシェ増幅され、微弱な光信号に対して大きな電気信号を得ることができるというものである。

0072

実施の形態4では、実施の形態1と同様に、吸収層404と増倍層407に異なる電圧を印加することができるため、増倍層407のみに選択的にアバランシェブレークダウンを生じさせることができる。このため、従来のSAM構造で課題であった高い不純物濃度の制御性を要求する電界制御層を、本実施の形態の構成においては必要としない。

0073

また従来のSAM構造のような電界制御層を含む受光素子構造に、電圧制御層406を備えるようにしても同等の効果を得ることができる。この場合、電界制御層の不純物濃度変動に対する許容範囲を大きく取ることができる。

0074

実施の形態1と同様に、アバランシェ増幅されるなかで、電圧制御層406に印加される電圧は信号のON/OFFによらず一定であり、また電圧制御層406の空乏化領域の伸長によりキャリアの走行経路を狭窄するものでもない。加えて、実施の形態4でも、外部から電圧V1を印加することで増倍層407中の電界強度を制御することが可能であるため、APDの動作電圧の光強度に対する線形性を改善することができる。

0075

以上に説明したように、本発明の実施の形態4によれば、APDに高速性と高感度性を維持しながら、動作電圧に高い再現性が得られるようになる。

0076

[実施の形態5]
次に、本発明の実施の形態5について図6を用いて説明する。図6は、本発明の実施の形態5における受光素子の構成を示す断面図である。この受光素子は、基板501の上に形成された半導体からなる吸収層504と、基板501の上に形成された半導体からなる増倍層507と、吸収層504と増倍層507との間に形成された半導体からなる第1電圧制御層505とを備える。

0077

また、この受光素子は、吸収層504の増倍層507の形成側とは反対側に形成された第1導電型の半導体からなる第1コンタクト層502と、増倍層507の吸収層504の形成側とは反対側に形成された第2導電型の半導体からなる第2コンタクト層512とを備える。また、第1コンタクト層502に電気的に接続する第1電極521と、第2コンタクト層512に電気的に接続する第2電極522を備える。また、第1電圧制御層505に電気的に接続する第3電極523aを備える。

0078

上述した構成に加え、実施の形態5では、基板501の側から見て、増倍層507の上に、第2電圧制御層509,走行層511を備えるようにしている。第2電圧制御層509,走行層511は、増倍層507と第2コンタクト層512との間に設けられる。また、第2電圧制御層509に電気的に接続する第4電極523bを備える。

0079

実施の形態5では、基板501の上に、第1コンタクト層502,第1エッチストップ層503,吸収層504,第1電圧制御層505,第2エッチストップ層506,増倍層507,第3エッチストップ層508,第2電圧制御層509,第4エッチストップ層510,走行層511,第2コンタクト層512が、これらの順に積層されている。

0080

第1エッチストップ層503および吸収層504により第1メサが形成され、第1電圧制御層505により第2メサが形成され、第2エッチストップ層506および増倍層507により第3メサが形成され、第3エッチストップ層508および第2電圧制御層509により第4メサが形成され、第4エッチストップ層510および走行層511により第5メサが形成され、第2コンタクト層512により第6メサが形成されている。

0081

第6メサは、第5メサより平面視で小さい面積とされて第5メサの内側に配置されている。第5メサは、第4メサより平面視で小さい面積とされて第4メサの内側に配置されている。第4メサは、第3メサより平面視で小さい面積とされて第3メサの内側に配置されている。第3メサは、第2メサより平面視で小さい面積とされて第2メサの内側に配置されている。第2メサは、第1メサより平面視で小さい面積とされて第1メサの内側に配置されている。従って、側面の形状は、階段状となっている。

0082

この形状において、第1メサ周囲の第1コンタクト層502の上面に、第1電極521が接して形成されている。また、第3メサ周囲の第2メサ(第1電圧制御層505)の上面に、第3電極523aが接して形成されている。また、第5メサ周囲の第4メサ(第2電圧制御層509)の上面に、第4電極523bが接して形成されている。第2電極522は、第6メサを構成する第2コンタクト層512の上面に接して形成されている。

0083

上述したように、実施の形態5では、走行層511を備え、また、第1電圧制御層505,第2電圧制御層509を備えるところに特徴がある。なお、実施の形態5でも、第1電圧制御層505が、基板501の側に配置される吸収層504より小さい面積に形成されている。一方、第2電圧制御層509は、基板501の側に配置される増倍層507よりも小さい面積に形成されている。また、実施の形態5では、第1コンタクト層502は、p型の半導体から構成し、第2コンタクト層512は、n型の半導体から構成している。従って、実施の形態5では、第1導電型はp型であり、第2導電型はn型である。

0084

例えば、InPからなる基板501の上に、高濃度にp型不純物を導入したp+−InGaAsPの層、高濃度にp型不純物を導入したp+−InPの層、i−InGaAsの層、比較的低濃度にp型不純物を導入したp-−InGaAsの層、p型不純物を導入したp−InGaAsPの層、i−InPの層、比較的低濃度にn型不純物を導入したn-−InGaAsPの層、n−InPの層、i−InGaAsPの層、i−InPの層、高濃度にn型不純物を導入したn+−InGaAsPの層を、よく知られた有機金属気相成長法によりエピタキシャル成長する。p+−InGaAsPの層は、第1コンタクト層502となる。

0085

次に、n+−InGaAsPの層を公知のリソグラフィー技術およびウエットエッチング技術によりパターニングすることで、第2コンタクト層512からなる第6メサを形成する。次に、i−InGaAsPの層およびi−InPの層を公知のリソグラフィー技術およびウエットエッチング技術によりパターニングすることで、第4エッチストップ層510および走行層511からなる第5メサを形成する。

0086

次に、第2コンタクト層512の上面、および第5メサの周囲のn−InPの層の上に、蒸着法およびリフトオフ法により、Ti/Auなどの金属による第2電極522、および第4電極523bを形成する。

0087

次に、n-−InGaAsPの層およびn−InPの層を公知のリソグラフィー技術およびウエットエッチング技術によりパターニングすることで、第3エッチストップ層508、第2電圧制御層509からなる第4メサを形成する。次に、p−InGaAsPの層およびi−InPの層を公知のリソグラフィー技術およびウエットエッチング技術によりパターニングすることで、第2エッチストップ層506および増倍層507からなる第3メサを形成する。

0088

次に、p-−InGaAsの層を公知のリソグラフィー技術およびウエットエッチング技術によりパターニングすることで、第1電圧制御層505からなる第2メサを形成する。次に、p+−InPの層およびi−InGaAsの層を公知のリソグラフィー技術およびウエットエッチング技術によりパターニングすることで、第1エッチストップ層503および吸収層504からなる第1メサを形成する。

0089

第1エッチストップ層503、第2エッチストップ層506,第3エッチストップ層508,第4エッチストップ層510を用い、前述した実施の形態1と同様に、塩酸系エッチャントと硫酸系エッチャントとを使い分け、各層間のエッチャントに対する選択性を利用することで、ウエットエッチングによる各メサ形成においては、各メサの下層において自動的にエッチングを停止させることができる。

0090

例えば、第2コンタクト層512のInGaAsPと走行層511のInPの間には硫酸系エッチャントに関する選択性があるため、走行層511でウエットエッチングは停止する。また、第4エッチストップ層510のInGaAsPと第2電圧制御層509のInPの間には硫酸系エッチャントに関する選択性があるため、第2電圧制御層509でウエットエッチングは停止する。

0091

また、第3エッチストップ層508のInGaAsPと増倍層507のInPとの間には塩酸系エッチャントに関する選択性があるため、増倍層507でウエットエッチングは停止する。また、第2エッチストップ層506のInGaAsPと第1電圧制御層505のInPの間には硫酸系エッチャントに関する選択性があるため、第1電圧制御層505でウエットエッチングは停止する。

0092

また、第1電圧制御層505のInPと吸収層504のInGaAs間には塩酸系エッチャントに関する選択性があるため、吸収層504でウエットエッチングは停止する。また、第1エッチストップ層503のInPと第1コンタクト層502のInGaAsPの間には塩酸系エッチャントに関する選択性があるため、第1コンタクト層502でウエットエッチングは停止する。

0093

なお、各メサ形成において、リソグラフィー技術により形成するエッチングマスクのパターン形状は、上に配置されるメサ形成におけるエッチングマスクのパターン形状より広い面積とすればよい。

0094

以上のようにして各層を形成した後、蒸着法およびリフトオフ法により、Pt/Ti/Auなどの金属による第1電極521および第3電極523aを形成する。なお、各メサの形成は、ウエットエッチングではなくドライエッチングを用いてもよい。この場合、エッチストップ層は必要が無い。

0095

受光素子の素子容量は、空乏層幅や素子径に依存するが、実施の形態5のように、ノンドープの半導体で構成される走行層511を空乏化させることで、素子容量を低減することができる。また、走行層511は、増倍層507と第2コンタクト層512との間に配置することで、走行キャリアを電子に限定することができるため高速化につながる。ただし、走行層511でのブレークダウンを避けるためには、増倍層507よりも低い電界強度が印加されていることが重要となる。このため、走行層511と増倍層507との間に第2電圧制御層509を設ける。これにより、高いドーピング制御性が必要な電界制御層を用いることなく、電界強度を制御することが可能である。

0096

また、実施の形態5では、第1電圧制御層505のメサ径を吸収層504よりも小さく、また第2コンタクト層512のメサ径を増倍層507よりも小さくしている。これにより、各々のメサ側面に印加される電圧を低減し、表面暗電流を抑制している。

0097

実施の形態5の受光素子の動作原理も、信号光によって吸収層504で光励起された電子が増倍層507でアバランシェ増幅され、微弱な光信号に対して大きな電気信号を得ることができるというものである。

0098

実施の形態5でも、実施の形態1と同様に、吸収層504と増倍層507に異なる電圧を印加することができるため、増倍層507のみに選択的にアバランシェブレークダウンを生じさせることができる。このため、従来のSAM構造で課題であった高い不純物濃度の制御性を要求する電界制御層を、本実施の形態の構成においては必要としない。

0099

また従来のSAM構造のような電界制御層を含む受光素子構造に、第1電圧制御層505を備えるようにしても同等の効果を得ることができる。この場合、電界制御層の不純物濃度変動に対する許容範囲を大きく取ることができる。

0100

以上に説明したように、本発明の実施の形態5によれば、APDに高速性と高感度性を維持しながら、動作電圧に高い再現性が得られるようになる。

0101

以上に説明したように、本発明によれば、吸収層と増倍層との間に電圧制御層を設けるようにしたので、高速・高感度動作が実現できるアバランシェフォトダイオードが、より容易に製造できるようになる。

0102

なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。

0103

例えば、上述では増倍層をInPから構成する場合を例に説明したが、これに限るものではなく、増倍層は、InAlAs、InAs、HgCdTe、Si、GaN、SiC等他の半導体材料から構成してもよい。また、増倍層は、InGaAs/InP等の超格子構造から構成してもよい。

0104

また、電圧制御層を金属から構成の例として原子拡散接合により貼り合わせた構造について説明を行ったが、金属薄膜を形成した後に表面活性化プロセスなどを行っても良い。また、接合技術を用いずに、a−Siやa−Geなどのアモルファス層をそれぞれ増倍層、吸収層として利用することとして、金属からなる電圧制御層上にこれらを堆積した構造としても良い。吸収層としてp型半導体を用いて説明したが、n型半導体でもよい。また、吸収層から接合面に向けてドーピング濃度を低下させる傾斜ドーピングを用いてもよい。また、作製方法としては分子線エピタキシー法などの他の結晶成長方法を用いてもよい。エッジブレークダウンを防ぐためにガードリング等を利用しても良い。

0105

また、更に素子の高感度化を実現するため、入射面の鏡面化、また誘電体多層膜による反射防止膜の形成などによる光の入射端での結合損の低下、ならびにミラー導波路構造およびDBR等による光路長の拡大等の工夫を施しても、通常のAPDないしはフォトダイオードに対して行われる一般的な設計事項であり本発明の一般性を失わない。

0106

101…基板、102…第1コンタクト層、103…エッチストップ層、104…吸収層、105…電圧制御層、106…増倍層、107…第2コンタクト層、121…第1電極、122…第2電極、123…第3電極。

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