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技術 非水電解質電池用電極材料、非水電解質電池用電極、それを備えた非水電解質電池および電池パック

出願人 株式会社東芝
発明者 深澤孝幸越崎健司久保木貴志松野真輔森田朋和
出願日 2016年3月16日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2016-052958
公開日 2017年9月21日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-168322
状態 特許登録済
技術分野 電池の接続・端子 電池及び電池容器の装着・懸架 電池の電極及び活物質
主要キーワード 突出辺 混合攪拌処理 薄片加工 外周端近傍 ケイ素相 液相混合 通電用端子 真空置換
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

解決手段

実施形態の非水電解質電池用電極材料は、平均一次粒子径がD1の二酸化ケイ素粒子と、平均一次粒子径がD2のケイ素粒子と、炭素材料と、を持つ複合粒子からなる。前記D1が5nm以上80nm以下。前記D1に対する前記D2の比D2/D1が0.3以上8以下。

概要

背景

近年、リチウムイオン電池の普及に伴って、より高い電圧で駆動でき、エネルギー密度の高い電池に対する要求が高まっている。
一般に、リチウムイオン電池の負極には黒鉛系材料が用いられている。黒鉛系材料の理論容量は372mAh/g(LiC6)である。そのため、現状のリチウムイオン電池は、エネルギー密度がほぼ限界に達している。リチウムイオン電池のエネルギー密度をさらに向上するには、新しい材料を選択する必要がある。そこで、ケイ素、スズ等のリチウム合金化する材料が注目されている。これらの材料は、炭素、リチウムに次いで電位が低く、比容量が大きい。

これらの材料の中でも、ケイ素は、モル比で、ケイ素原子1に対して4.4までリチウム原子吸蔵することができる。そのため、ケイ素は、理論的には黒鉛系材料の約10倍の容量を有することができる。しかし、ケイ素粒子はリチウム原子を吸蔵すると、体積がおよそ3倍〜4倍に膨れる。そのため、充放電の繰り返しによって、ケイ素粒子自体が割れ微粉化したり、電極を構成する他の部材に影響を及ぼしたりする等の課題がある。ケイ素粒子の微粉化を抑制するためには、粒子サイズを小さくすることが有効とされている。しかし、粒子サイズを小さくすると、凝集が起こり易くなる。そのため、ケイ素粒子をケイ素酸化物炭素質物被覆する等の対策が講じられている。しかし、このように被覆したケイ素粒子でも、繰り返し使用による容量低下を十分に抑えられていない。

一方、二酸化ケイ素活物質とする電極においても、リチウム原子の充放電挙動を示すことが知られている。
二酸化ケイ素はケイ素単体一酸化ケイ素に比べて体積変化が小さいため、サイクル寿命の向上が期待される。しかしながら、活物質が二酸化ケイ素単独からなる電極は、活物質がケイ素(Si)や一酸化ケイ素(SiO)からなる電極に比べて、理論的な容量、効率が低く、エネルギー密度が小さい。

また、一般式SiOx(但し、xは酸化被膜のため理論値の1よりわずかに大きい)で表される酸化ケイ素と、ケイ素とを含む活物質が知られている。酸化ケイ素を出発原料とする活物質は、熱処理による不均化反応で、酸化ケイ素中に数nmサイズのケイ素粒子が内包された組織となる。この微細なケイ素粒子は、充放電過程で凝集・粒成長を起こしやすく、寿命を大きく向上させるには至っていない。まして、ケイ素を導入することで、サイクル寿命をより短くしている。
また、二酸化ケイ素粒子炭素質材料で被覆して焼成する方法が知られている。この方法では、熱処理中に、およそ60質量%程の二酸化ケイ素相が還元され、SiOx(0<x≦1.5)となり、残留した二酸化ケイ素および炭素質材料の複合粒子となるとしている。この方法によれば、サイクル特性が大きく向上するとしている。しかし、SiOxの組成からなる酸化ケイ素粒子に関しては、前述の酸化ケイ素とケイ素の複合体の場合と同様、結果的にサイクル寿命を延ばすことが難しい。

概要

サイクル特性に優れ、かつエネルギー密度の高い非水電解質電池用電極材料非水電解質電池用電極、それを備えた非水電解質電池および電池パックを提供する。実施形態の非水電解質電池用電極材料は、平均一次粒子径がD1の二酸化ケイ素粒子と、平均一次粒子径がD2のケイ素粒子と、炭素材料と、を持つ複合粒子からなる。前記D1が5nm以上80nm以下。前記D1に対する前記D2の比D2/D1が0.3以上8以下。

目的

本発明が解決しようとする課題は、サイクル特性に優れ、かつエネルギー密度の高い非水電解質電池用電極材料、非水電解質電池用電極、それを備えた非水電解質電池および電池パックを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

平均一次粒子径がD1の二酸化ケイ素粒子と、平均一次粒子径がD2のケイ素粒子と、炭素材料と、を含む複合粒子からなり、前記D1が5nm以上80nm以下、かつ前記D1に対する前記D2の比D2/D1が0.3以上8以下である非水電解質電池用電極材料

請求項2

前記複合粒子における前記ケイ素粒子の含有率が1質量%以上20質量%以下である請求項1に記載の非水電解質電池用電極材料。

請求項3

前記二酸化ケイ素粒子は主に非晶質相を含む粒子であり、前記ケイ素粒子は一部に結晶相を含む粒子である請求項1または2に記載の非水電解質電池用電極材料。

請求項4

前記複合粒子は炭化ケイ素相を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質電池用電極材料。

請求項5

集電体と、前記集電体上に形成され、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解質電池用電極材料、導電剤および結着剤を含有する電極合剤層と、を含む非水電解質電池用電極

請求項6

正極活物質を含む正極と、請求項5に記載の電極よりなる負極と、非水電解質と、を具備する非水電解質電池

請求項7

請求項6に記載の非水電解質電池を備える電池パック

請求項8

請求項6に記載の非水電解質電池と、保護回路と、通電用外部端子を少なくとも有する請求項7に記載の電池パック。

技術分野

0001

本発明の実施形態は、非水電解質電池用電極材料非水電解質電池用電極、それを備えた非水電解質電池および電池パックに関する。

背景技術

0002

近年、リチウムイオン電池の普及に伴って、より高い電圧で駆動でき、エネルギー密度の高い電池に対する要求が高まっている。
一般に、リチウムイオン電池の負極には黒鉛系材料が用いられている。黒鉛系材料の理論容量は372mAh/g(LiC6)である。そのため、現状のリチウムイオン電池は、エネルギー密度がほぼ限界に達している。リチウムイオン電池のエネルギー密度をさらに向上するには、新しい材料を選択する必要がある。そこで、ケイ素、スズ等のリチウム合金化する材料が注目されている。これらの材料は、炭素、リチウムに次いで電位が低く、比容量が大きい。

0003

これらの材料の中でも、ケイ素は、モル比で、ケイ素原子1に対して4.4までリチウム原子吸蔵することができる。そのため、ケイ素は、理論的には黒鉛系材料の約10倍の容量を有することができる。しかし、ケイ素粒子はリチウム原子を吸蔵すると、体積がおよそ3倍〜4倍に膨れる。そのため、充放電の繰り返しによって、ケイ素粒子自体が割れ微粉化したり、電極を構成する他の部材に影響を及ぼしたりする等の課題がある。ケイ素粒子の微粉化を抑制するためには、粒子サイズを小さくすることが有効とされている。しかし、粒子サイズを小さくすると、凝集が起こり易くなる。そのため、ケイ素粒子をケイ素酸化物炭素質物被覆する等の対策が講じられている。しかし、このように被覆したケイ素粒子でも、繰り返し使用による容量低下を十分に抑えられていない。

0004

一方、二酸化ケイ素活物質とする電極においても、リチウム原子の充放電挙動を示すことが知られている。
二酸化ケイ素はケイ素単体一酸化ケイ素に比べて体積変化が小さいため、サイクル寿命の向上が期待される。しかしながら、活物質が二酸化ケイ素単独からなる電極は、活物質がケイ素(Si)や一酸化ケイ素(SiO)からなる電極に比べて、理論的な容量、効率が低く、エネルギー密度が小さい。

0005

また、一般式SiOx(但し、xは酸化被膜のため理論値の1よりわずかに大きい)で表される酸化ケイ素と、ケイ素とを含む活物質が知られている。酸化ケイ素を出発原料とする活物質は、熱処理による不均化反応で、酸化ケイ素中に数nmサイズのケイ素粒子が内包された組織となる。この微細なケイ素粒子は、充放電過程で凝集・粒成長を起こしやすく、寿命を大きく向上させるには至っていない。まして、ケイ素を導入することで、サイクル寿命をより短くしている。
また、二酸化ケイ素粒子炭素質材料で被覆して焼成する方法が知られている。この方法では、熱処理中に、およそ60質量%程の二酸化ケイ素相が還元され、SiOx(0<x≦1.5)となり、残留した二酸化ケイ素および炭素質材料の複合粒子となるとしている。この方法によれば、サイクル特性が大きく向上するとしている。しかし、SiOxの組成からなる酸化ケイ素粒子に関しては、前述の酸化ケイ素とケイ素の複合体の場合と同様、結果的にサイクル寿命を延ばすことが難しい。

先行技術

0006

特開2012−14939号公報
特開2009−224168号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明が解決しようとする課題は、サイクル特性に優れ、かつエネルギー密度の高い非水電解質電池用電極材料、非水電解質電池用電極、それを備えた非水電解質電池および電池パックを提供することである。

課題を解決するための手段

0008

実施形態の非水電解質電池用電極材料は、平均一次粒子径がD1の二酸化ケイ素粒子と、平均一次粒子径がD2のケイ素粒子と、炭素材料と、を含む複合粒子を持つ。
前記D1が5nm以上80nm以下。
前記D1に対する前記D2の比D2/D1が0.3以上8以下。

図面の簡単な説明

0009

第1の実施形態に係る電極材料の一例の断面構造を示す模式図である。
第1の実施形態に係る電極材料の他の例の断面構造を示す模式図である。
第2の実施形態に係る非水電解質電池用電極の概略構成を示す断面図である。
第3の実施形態に係る非水電解質電池を示す模式図である。
第3の実施形態に係る非水電解質電池を示す模式図である。
第3の実施形態に係る非水電解質電池を示す模式図である。
第3の実施形態に係る非水電解質電池を示す模式図である。
第4の実施形態に係る電池パックを示す概略斜視図である。
第4の実施形態に係る電池パックを示す模式図である。

0010

以下、実施形態の非水電解質電池用電極材料、非水電解質電池用電極、それを備えた非水電解質電池および電池パックを、図面を参照して説明する。

0011

(第1の実施形態)
第1の実施形態では、平均一次粒子径がD1の二酸化ケイ素粒子と、平均一次粒子径がD2のケイ素粒子と、炭素材料と、を含む複合粒子からなり、D1が5nm以上80nm以下、かつD1に対するD2の比D2/D1が0.3以上8以下である非水電解質電池用電極材料(以下、「電極材料」と略すこともある。)が提供される。

0012

図1は、本実施形態に係る電極材料の一例の断面構造を示す模式図である。
本実施形態の電極材料をなす複合粒子は、二酸化ケイ素粒子と、リチウムを吸蔵・放出可能なケイ素粒子とが炭素質物で被覆された複合構造からなる。
本実施形態における二酸化ケイ素とは、粒子の組成を分析したときに、SiとOのモル比(O/Si)が1.8以上2.2以下の範囲内にあるものをいう。
本実施形態におけるケイ素とは、粒子の組成を分析したときに、SiとOのモル比(O/Si)が0以上0.2以下の範囲内にあるものをいう。

0013

本実施形態に係る電極材料10は、二酸化ケイ素粒子11と、ケイ素粒子12と、これらと複合化される炭素材料13と、を含む複合粒子である。すなわち、図1に示すように、負極材料10は、複数の二酸化ケイ素粒子11とケイ素粒子12が炭素材料13で被覆された構造をなしている。
二酸化ケイ素粒子11は、規則的な結晶構造を持たない粒子、すなわち、主に非晶質相を含む粒子であることが好ましい。二酸化ケイ素粒子11は、一部に結晶相を含んでいてもよい。しかしながら、結晶相は充放電にほとんど寄与しないため、二酸化ケイ素粒子11は、主に非晶質相を含む粒子であることが好ましい。また、二酸化ケイ素粒子11としては、X線回折(XRD:X-ray Diffraction)にて測定した際に、得られた曲線上において顕著なピークが現れないものが好ましい。

0014

ケイ素粒子12は、一部に結晶相を含む粒子であることが好ましい。また、ケイ素粒子12としては、X線回折曲線上において、2θ=28.4°に回折ピークを有する結晶相を含んでいるものが好ましい。

0015

炭素材料13は、非晶質であることが好ましい。そして、より効果的なエネルギー密度およびサイクル特性を得るためには、電極材料10における二酸化ケイ素粒子11とケイ素粒子12の含有率は、40質量%以上80質量%以下であることが好ましい。
二酸化ケイ素粒子11とケイ素粒子12の含有率が40質量%未満の場合、容量が小さくなる。一方、二酸化ケイ素粒子11とケイ素粒子12の含有率が80質量%を超えると、炭素材料13による二酸化ケイ素粒子11とケイ素粒子12の被覆が十分でなくなる。その結果、充電初期被膜形成により初回充放電効率が低下したり、サイクル性能が低下したりする。

0016

二酸化ケイ素粒子11とケイ素粒子12は、炭素材料に全体が被覆されていても、一部が電極材料10の表面に露出していてもよい。負極活物質10には、導電助剤や空隙が含まれていてもよい。

0017

二酸化ケイ素粒子11の平均一次粒子径をD1、ケイ素粒子12の平均一次粒子径をD2としたとき、D1が5nm以上80nm以下、かつD1に対するD2の比D2/D1が0.3以上8以下である。
ここで、平均一次粒子径とは、次の分析方法で定義されたものである。
電極材料内の微細組織を観察するために、電極材料の一部を薄片加工し、イオンミリング装置等を用いて観察部をさらに薄く加工する。透過型電子顕微鏡TEM:Transmission Electron Microscopy)により、電極材料を構成する複合粒子の内部を倍率200,000倍で観察する。そして、視野対角線上にある少なくとも10個の粒子を選んで、その長径短径を測定し、それらを平均化したものの平均値を平均一次粒子径とする。

0018

二酸化ケイ素粒子11については、その平均一次粒子径D1が大きいほど初回充電時のリチウムの拡散に時間を要し、充電時間が長くなる。このことは、リチウムの析出、すなわち、デンドライト形成の可能性を高めることになり、好ましくない。D1は、より小さいことが好ましい。しかし、微細で均一な粒度分布を有する二酸化ケイ素粒子11を製造することが難しい。また、二酸化ケイ素粒子11が微細になるほど、二酸化ケイ素粒子11を複合粒子中に均一に分散させることが難しくなる。

0019

ケイ素粒子12については、その平均一次粒子径D2が大きいほど体積膨張による周囲の組織に与える影響も大きくなる。その結果、サイクル特性を低下させる。したがって、D2はより小さいことが好ましい。しかし、D2が20nm未満になると、ケイ素粒子12が凝集し易くなる。その結果、ケイ素粒子12を複合粒子中に均一に分散させることが難しくなる。また、安全性の面でも注意が必要になる。

0020

以上のことから、D1が5nm以上80nm以下、かつD1に対するD2の比D2/D1が0.3以上8以下であれば、デンドライト形成の可能性が小さく、かつサイクル寿命に及ぼす影響が少ない。

0021

複合粒子におけるケイ素粒子12の含有率は、1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
ケイ素粒子12の含有率が1質量%未満では、ケイ素粒子12による効果が得られない。一方、ケイ素粒子12の含有率が20質量%を超えると、体積膨張による影響が顕著になり、繰り返しの充放電により複合粒子が破壊する。その結果、サイクル寿命が低下する。

0022

図2は、本実施形態に係る電極材料の他の例の断面構造を示す模式図である。
図2に示すように、本実施形態に係る電極材料10は、炭化ケイ素相14を含んでいてもよい。
炭化ケイ素相14は、粒子として添加してもよいが、複合粒子製造の熱処理時にケイ素粒子12と炭素材料13とを反応させて生成することもできる。微細なケイ素粒子12は、不活性雰囲気中にて1000℃以上で熱処理すると炭素と反応する。これにより、炭化ケイ素相14が生成する。炭化ケイ素相14の存在は、複合粒子の粉末X線回折による測定により確認することができる。

0023

炭化ケイ素相14は、それ自体はリチウムに対して非活性充電特性には全く影響を与えない。しかし、炭化ケイ素相14が存在することにより、周りに存在するケイ素粒子12または充放電により形成されたケイ素相サイクルに伴う合体・粒成長を抑える役割を果たす。これにより、サイクル寿命を向上させることができる。ただし、炭化ケイ素相14を炭素との反応により形成する場合、元々存在するケイ素成分が減少し、容量が低下する。したがって、熱処理温度を上げる等して、必要以上に炭化ケイ素相14を形成することは好ましくない。熱処理温度は、1200℃を超えないようにすることが好ましい。また、実験の結果から、炭化ケイ素相14が存在しても初期効率にはほとんど影響がなく、初期効率が低下しないことが確認されている。

0024

次に、実施形態に係る非水電解質電池用電極材料の製造方法について説明する。

0025

複合化処理
まず、原料粉末として、二酸化ケイ素粒子とケイ素粒子を用意する。
二酸化ケイ素粒子と、ケイ素粒子と、炭素前駆体とを混合し、その混合物を熱処理することにより炭素前駆体を熱分解させることによって、複合粒子を作製する。

0026

熱処理して炭素化する炭素前駆体としては、樹脂系材料または非樹脂系材料を用いることができる。
炭素前駆体は、二酸化ケイ素粒子とケイ素粒子を均一に混合するために、混合段階液体あるいは分散媒に可溶であるものが好ましく、液体であり、かつ容易に重合可能モノマーまたはオリゴマーであることが特に好ましい。
樹脂系材料としては、例えば、フラン樹脂キシレン樹脂ケトン樹脂アミノ樹脂メラミン樹脂尿素樹脂アニリン樹脂ウレタン樹脂ポリイミド樹脂ポリエステル樹脂フェノール樹脂レゾール樹脂ノボラック樹脂ポリビニルアルコール等が挙げられる。
非樹脂系材料としては、例えば、スクロースアスコルビン酸等が挙げられる。

0027

二酸化ケイ素粒子と、ケイ素粒子と、炭素前駆体とを混合する際、導電性を向上させるために、導電助剤となる粒子を加えてもよい。
導電助剤としては、例えば、結晶性の高い黒鉛カーボンナノファイバーカーボンナノチューブ等の炭素材料や、アセチレンブラック等の微粒子が好適に用いられる。グラファイトは電極材料の導電性を高め、容量を向上させる点で好ましい。

0028

二酸化ケイ素粒子と、ケイ素粒子と、炭素前駆体との複合化は、これらの材料をより均一に分散するために、分散媒中における液相混合により行うことが好ましい。
分散媒としては、有機溶媒、水等が用いられるが、二酸化ケイ素粒子と、ケイ素粒子と、炭素前駆体との親和性に優れる液体を用いることが好ましい。このような分散媒としては、例えば、エタノールアセトンイソプロピルアルコールメチルエチルケトン酢酸エチルN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等が挙げられる。二酸化ケイ素粒子は一般には親水性であるが、溶媒によっては分散性をよくするため、表面を疎水性処理して用いると、より効果的である。

0029

二酸化ケイ素粒子と、ケイ素粒子と、炭素前駆体との混合攪拌処理には、例えば、各種攪拌装置ボールミルビーズミル装置等が用いられる。混合攪拌処理は、これらの装置の1種のみで行ってもよく、2種以上を組み合わせて用いて行ってもよい。
混合攪拌処理は上記のような液体での混合に限定されるものではなく、例えば、少量の溶媒を用いて混練または押し出し成形などによっても混合物を作製することができる。

0030

混合後、溶媒を除去するために混合物を乾燥させる。
乾燥方法としては、例えば、エバポレータ等を用いて減圧下で均一化させながら乾燥する方法、あるいは、スプレードライのような方法が用いられる。
重合化させるための硬化処理が必要な材料においては、乾燥後、材料を電気炉に入れ加熱し、硬化処理を行う。硬化処理の条件は、炭素前駆体の種類に応じて適宜調整されるが、120℃以上200℃以下程度で、少なくとも1時間の加熱を行うことが好ましい。

0031

炭化焼成処理)
上記の複合粒子の炭化焼成は、例えば、アルゴン(Ar)等の不活性な雰囲気下にて行なわれる。複合粒子の炭化焼成時の雰囲気は、不活性な雰囲気に限定されず、窒素雰囲気水素を含むアルゴン等の混合雰囲気であってもよい。
上記の複合粒子を炭化焼成する温度は、複合粒子に含まれる炭素前駆体の熱分解温度に応じて適宜調整されるが、900℃以上1200℃以下であることが好ましい。この熱処理過程にて、同時に炭化ケイ素相を形成することができる。ケイ素粒子と炭素前駆体は、1000℃を超える温度にて反応し、炭化ケイ素相を生成する。
炭化焼成する温度が1200℃を超えると、必要以上に、ケイ素粒子と炭素前駆体による炭化ケイ素化反応が進んでしまい、充放電容量が大きく低下してしまうため好ましくない。熱処理温度のより好ましい範囲は、1000℃以上1100℃以下である。
焼成時間は、10分以上12時間以下であることが好ましい。
炭化ケイ素相は、作製した複合粒子のX線回折測定を行うことにより確認することができる。

0032

以上のような合成方法により、本実施形態に係る電極材料が得られる。
炭化焼成後の生成物(電極材料)は、各種ミル粉砕装置グラインダー等を用いて、粒径比表面積等を所定の範囲に調整してもよい。

0033

第1実施形態に係る電極材料は、平均一次粒子径がD1の二酸化ケイ素粒子と、平均一次粒子径がD2のケイ素粒子と、炭素材料と、を含む複合粒子からなる。また、D1が5nm以上80nm以下、D1に対するD2の比D2/D1が0.3以上8以下である。また、第1実施形態に係る電極材料は、粉末X線回折測定において、少なくとも2θ=28.4°に回折ピークを有する。2θ=28.4°のピークは、ケイ素粒子に由来する。このような電極材料を用いることにより、初回充放電効率とサイクル寿命を高めることができるため、エネルギー密度に優れ長寿命な非水電解質電池を実現することができる。

0034

(第2の実施形態)
第2の実施形態では、集電体と、集電体上に形成される、第1の実施形態に係る非水電解質電池用電極材料、導電剤および結着剤を含有する負極合剤層と、を含む非水電解質電池用電極(以下、「電極」と略すこともある。)が提供される。

0035

図3は、本実施形態に係る非水電解質二次電池用電極の概略構成を示す断面図である。
本実施形態に係る負極20は、図3に示すように、シート状の集電体21と、電極合剤層電極活物質層)22とを含む。この電極20は、例えば、後述する非水電解質電池の負極として用いられる。
電極合剤層22は、集電体21の少なくとも一方の面21aに形成され、第1の実施形態に係る電極材料と、導電剤と、結着剤とを含む層である。すなわち、電極合剤層22は、第1の実施形態に係る電極材料が、集電体21の少なくとも一方の面21aに形成されてなる層である。
結着剤は、電極合剤層22を構成する電極材料同士の隙間を埋めて、電極材料同士、または、電極材料と導電剤を結着させ、また、集電体21と電極合剤層22とを接合する。導電剤および結着剤は、任意成分である。なお、電極合剤層22は、集電体21の他方の面21bにも形成されていてもよい。

0036

集電体21は、電極合剤層22と結着する導電性の部材である。集電体21としては、多孔質構造導電性基板か、あるいは無孔の導電性基板が用いられる。これら導電性基板は、例えば、銅、ニッケル、それらの合金、またはステンレス等の導電性材料から形成することができる。導電性基板の中でも、導電性の点から、銅(銅合金を含む)またはステンレスが最も好ましい。
また、集電体21の厚さは、5μm以上20μm以下であることが好ましい。集電体21の厚さが、前記の範囲であると、電極強度と軽量化のバランスがとれる。

0037

電極合剤層22と結着する導電性の部材である。集電体21としては、多孔質構造の導電性基板か、あるいは無孔の導電性基板の厚さは、10μm以上150μm以下であることが好ましく、10μm以上100μm以下であることがより好ましい。したがって、電極合剤層22と結着する導電性の部材である集電体21としては、多孔質構造の導電性基板か、あるいは無孔の導電性基板が、集電体21の一方の面21aおよび他方の面21bに形成されている場合、電極合剤層22と結着する導電性の部材である。集電体21としては、多孔質構造の導電性基板か、あるいは無孔の導電性基板の合計の厚さは、20μm以上300μm以下となる。電極合剤層22と結着する導電性の部材である。集電体21としては、多孔質構造の導電性基板か、あるいは無孔の導電性基板の厚さを、10μm以上150μm以下とすることにより、大電流放電特性とサイクル寿命が大幅に向上する。

0038

結着剤としては、ポリアミック酸ポリアミドイミドポリイミドポリアラミドポリアクリル酸ポリフッ化ビニリデンPVdF)、スチレンブタジエンゴムSBR)およびカルボキシメチルセルロースからなる群から選択される少なくとも1種が用いられる。結着剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電極材料同士の結着に優れる結着剤と、電極材料と集電体21との結着に優れる結着剤とを組み合わせたり、硬度の高い結着剤と、柔軟性に優れる結着剤とを組み合わせたりして用いることにより、電極20は寿命特性に優れた電極となる。
本実施形態では、集電体21と電極合剤層22との界面結着力が重要であり、これらをより高い強度で結着可能であることから、結着剤としては、ポリアミドイミド、ポリイミドがより好ましい。

0039

導電剤としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等が挙げられる。

0040

次に、電極20の製造方法について説明する。

0041

(電極合剤層の形成)
上述のような方法で作製した電極材料を用いて、上述の電極20を作製する。
まず、電極材料および結着剤を、汎用されている溶媒に懸濁してスラリーを調製する。ここで、必要に応じて、導電剤を添加して、スラリーを調製する。
次いで、集電体21の少なくとも一方の面21aに、スラリーを塗布し、乾燥して、活物質を含む塗膜を形成する。
その後、集電体21上に形成された塗膜を圧延することにより、電極合剤層22が形成される。

0042

また、電極材料、導電剤および結着剤を含む混合物をペレット状に成形して、このペレット状の混合物を、集電体21の少なくとも一方の面21aに配置して、電極合剤層22を形成してもよい。

0043

以上により、本実施形態に係る電極20が得られる。

0044

本実施形態に係る非水電解質電池用電極20によれば、電極合剤層22が第1の実施形態に係る電極材料を含むため、初回充放電効率とサイクル寿命を高めることができ、エネルギー密度に優れ長寿命な非水電解質電池を実現することができる。

0045

(第3の実施形態)
第3の実施形態では、第2の実施形態に係る電極からなる負極と、正極と、非水電解質と、セパレータと、外装材と、を含む非水電解質電池が提供される。
より具体的には、本実施形態に係る非水電解質電池は、外装材と、外装材内収納された正極と、外装材内において、正極と空間的に離間して、セパレータを介して収納された負極と、外装材内に充填された非水電解質と、を含む。

0046

以下、本実施形態に係る非水電解質電池として、非水電解質電池の構成部材である負極、正極、非水電解質、セパレータ、外装材について、詳細に説明する。

0047

(1)負極
負極としては、第2の実施形態に係る電極が用いられる。

0048

(2)正極
正極は、正極集電体と、この正極集電体の片面もしくは両面に形成され、正極活物質、導電剤および結着剤を含む正極合剤層とを備える。導電剤および結着剤は、任意成分である。

0049

正極活物質としては、種々の酸化物、例えば、二酸化マンガンリチウムマンガン複合酸化物リチウム含有ニッケルコバルト酸化物(例えば、LiCoO2)、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物(例えば、LiNi0.8Co0.2O2)、リチウムマンガン複合酸化物(例えば、LiMn2O4、LiMnO2)が挙げられる。正極活物質として、これらの化合物を単独で用いてもよく、あるいは、複数の化合物を組合せて用いてもよい。これらの化合物を用いることにより、非水電解質電池は高電圧が得られるために好ましい。

0050

導電剤は、正極活物質の集電性能を高めて、正極活物質と正極集電体との接触抵抗を抑える。
導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、人工黒鉛、天然黒鉛炭素繊維導電性ポリマー等を含むものが挙げられる。
導電剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0051

結着剤は、分散された正極活物質の間隙を埋め、正極活物質と導電剤を結着させ、また、正極活物質と正極集電体とを結着させる。
結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレンPTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリイミド(PI)、ポリアクリルイミド(PAI)等が挙げられる。
結着剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、結着剤を分散させるための有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミドDMF)等が用いられる。

0052

正極合剤層における、正極活物質、導電剤および結着剤の配合割合は、正極活物質が80質量%〜95質量%、導電剤が3質量%〜20質量%、結着剤が2質量%〜7質量%であることが好ましい。

0053

正極集電体は、正極合剤層と結着する導電性の部材である。正極集電体としては、多孔質構造の導電性基板か、あるいは無孔の導電性基板が用いられる。
正極集電体の厚さは、5μm〜20μmであることが好ましい。正極集電体の厚さがこの範囲であれば、電極強度と軽量化のバランスがとれる。

0054

次に、正極の製造方法について説明する。
まず、正極活物質、導電剤および結着剤を汎用されている溶媒に懸濁してスラリーを調製する。
次いで、スラリーを正極集電体上に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成した後、プレスを施すことにより正極が得られる。
また、正極は、正極活物質、結着剤および必要に応じて配合される導電剤をペレット状に形成して正極合剤層とし、これを正極集電体上に配置することにより作製されてもよい。

0055

(3)非水電解質
非水電解質としては、非水電解液電解含浸ポリマー電解質高分子電解質または無機固体電解質が用いられる。
非水電解液は、非水溶媒(有機溶媒)に電解質を溶解することにより調製される液体状電解液で、電極群中の空隙に保持される。

0056

非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ビニレンカーボネート等の環状カーボネート(以下、「第1溶媒」と言う。)と、環状カーボネートより低粘度の非水溶媒(以下、「第2溶媒」と言う。)との混合溶媒主体とする非水溶媒を用いることが好ましい。

0057

第2溶媒としては、例えば、ジメチルカーボネートDMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)等の鎖状カーボネートテトラヒドロフランまたは2−メチルテトラヒドロフランのような環状エーテルジメトキシエタンまたはジエトキシエタン等の鎖状エーテルプロピオン酸エチルプロピオン酸メチルγ−ブチロラクトン(GBL)、アセトニトリル(AN)、酢酸エチル(EA)、トルエンキシレン酢酸メチル(MA)等が挙げられる。第2溶媒は、ドナー数が16.5以下であることが好ましい。第2溶媒の粘度は、25℃にて2.8cP以下であることが好ましい。

0058

混合溶媒中のエチレンカーボネートまたはプロピレンカーボネートの配合量は、体積比率で10%〜80%であることが好ましい。より好ましいエチレンカーボネートまたはプロピレンカーボネートの配合量は、体積比率で20%〜75%である。

0059

非水電解質に含まれる電解質としては、例えば、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)等のリチウム塩が挙げられる。これらの中でも、六フッ化リン酸リチウムまたは四フッ化ホウ酸リチウムを用いることが好ましい。
非水電解質に含まれる非水溶媒に対する電解質の溶解量は、0.5mol/L以上2.0mol/L以下であることが好ましい。

0060

(4)セパレータ
セパレータは、正極と負極が接触することを防止するために、正極と負極の間に配置されるものである。セパレータは、絶縁性材料で構成される。
セパレータとしては、正極と負極の間を電解質が移動可能な形状のものが用いられる。セパレータは、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、セルロース、または、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)を含む多孔質フィルム、または、合成樹脂製不織布から形成される。これらの中でも、ポリエチレンおよびポリプロピレンの少なくともいずれか一方からなる多孔質フィルムは、二次電池の安全性を向上できるため好ましい。

0061

セパレータの厚さは、5μm以上30μm以下であることが好ましい。セパレータの厚さが5μm未満では、セパレータの強度が著しく低下して、内部短絡が生じやすくなる。一方、セパレータの厚さが30μmを超えると、正負極間の距離が大きくなって内部抵抗が大きくなることがある。

0062

セパレータは、120℃にて1時間放置したときの熱収縮率が20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましい。熱収縮率が20%を超えると、加熱により短絡が起こる可能性が高くなる。

0063

セパレータは、多孔度が30体積%〜70体積%であることが好ましく、35体積%〜70体積%であることがより好ましい。

0064

セパレータの表面に、セラミックスの粒子がコーティングされていてもよい。これにより、セパレータの安全性を高めることができる。セラミックス粒子としては、例えば、Al2O3、TiO2、ZrO2等が挙げられる。

0065

(5)外装材
正極、負極および非水電解質が収容される外装材としては、金属製容器や、ラミネートフィルム外装容器が用いられる。
金属製容器としては、アルミニウムアルミニウム合金、鉄、ステンレス等からなる金属缶角形円筒形の形状のものが用いられる。
アルミニウム合金としては、マグネシウム亜鉛、ケイ素等の元素を含む合金が好ましい。アルミニウム合金中に、鉄、銅、ニッケル、クロム等の遷移金属を含む場合、その含有量は100ppm以下であることが好ましい。アルミニウム合金からなる金属製容器は、アルミニウムからなる金属製容器よりも強度が飛躍的に増大するため、金属製容器の厚さを薄くすることができる。その結果、薄型で軽量かつ高出力で放熱性に優れた非水電解質電池を実現することができる。

0066

ラミネートフィルムとしては、例えば、アルミニウム箔樹脂フィルムで被覆した多層フィルム等が挙げられる。樹脂フィルムを構成する樹脂としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロンポリエチレンテレフタレート(PET)等の高分子化合物が用いられる。

0067

なお、本実施形態は、扁平型(薄型)、角型、円筒型コイン型、ボタン型等の種々の形態の非水電解質電池に適用することができる。
また、本実施形態に係る非水電解質電池は、上記の正極および負極からなる電極群に電気的に接続されるリードをさらに具備することができる。本実施形態に係る非水電解質電池は、例えば、2つのリードを具備することもできる。その場合、一方のリードは、正極集電タブに電気的に接続され、他方のリードは、負極集電タブに電気的に接続される。
リードの材料としては、特に限定されないが、例えば、正極集電体および負極集電体と同じ材料が用いられる。

0068

本実施形態に係る非水電解質電池は、上記のリードに電気的に接続され、上記の外装材から引き出された端子をさらに具備することもできる。本実施形態に係る非水電解質電池は、例えば、2つの端子を具備することもできる。その場合、一方の端子は、正極集電タブに電気的に接続されたリードに接続され、他方の端子は、負極集電タブに電気的に接続されたリードに接続される。
端子の材料としては、特に限定されないが、例えば、正極集電体および負極集電体と同じ材料が用いられる。

0069

(6)非水電解質電池
次に、本実施形態に係る非水電解質電池の一例として、図4および図5に示す扁平型非水電解質電池(非水電解質電池)30について説明する。図4は、扁平型非水電解質電池30の断面図模式図である。また、図5は、図4中に示すA部の拡大断面図である。なお、これら各図は本実施形態に係る非水電解質電池を説明するための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらについては、以下の説明と公知技術を参酌して適宜、設計変更することができる。

0070

図4に示す非水電解質電池30は、扁平状の捲回電極群31が、外装材32内に収納されて構成されている。外装材32は、ラミネートフィルムを袋状に形成したものでもよく、金属製の容器であってもよい。また、扁平状の捲回電極群31は、外側、すなわち外装材32側から、負極33、セパレータ34、正極35、セパレータ34の順で積層した積層物渦巻状に捲回し、プレス成型することにより形成される。図5に示すように、最外周に位置する負極33は、負極集電体33aの内面側の片面に負極層33bが形成された構成を有する。最外周以外の部分の負極33は、負極集電体33aの両面に負極層33bが形成された構成を有する。また、正極35は、正極集電体35aの両面に正極層35bが形成された構成を有する。なお、セパレータ34に代えて、上述したゲル状の非水電解質を用いてもよい。

0071

図4に示す捲回電極群31は、その外周端近傍において、負極端子36が最外周の負極33の負極集電体33aに電気的に接続されている。正極端子37は内側の正極35の正極集電体35aに電気的に接続されている。これらの負極端子36および正極端子37は、外装材32の外部に延出されるか、外装材32に備えられた取り出し電極に接続される。

0072

ラミネートフィルムからなる外装材を備えた非水電解質電池30を製造する際は、負極端子36および正極端子37が接続された捲回電極群31を、開口部を有する袋状の外装材32に装入する。次いで、液状非水電解質を外装材32の開口部から注入する。さらに、袋状の外装材32の開口部を、負極端子36および正極端子37を挟んだ状態でヒートシールすることにより、捲回電極群31および液状非水電解質を完全密封させる。

0073

また、金属容器からなる外装材を備えた非水電解質電池30を製造する際は、負極端子36および正極端子37が接続された捲回電極群31を、開口部を有する金属容器に装入する。次いで。液状非水電解質を外装材32の開口部から注入する。さらに、金属容器に蓋体を装着して開口部を封口させる。

0074

負極端子36としては、例えば、リチウムに対する電位が0V以上3V以下の範囲において電気的安定性と導電性とを備える材料を用いることができる。具体的には、アルミニウム、または、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、Si等の元素を含むアルミニウム合金が挙げられる。また、負極端子36は、負極集電体33aとの接触抵抗を低減するために、負極集電体33aと同様の材料であることがより好ましい。

0075

正極端子37としては、リチウムに対する電位が2V以上4.25V以下の範囲において電気的安定性と導電性とを備える材料を用いることができる。具体的には、アルミニウムまたはMg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、Si等の元素を含むアルミニウム合金が挙げられる。正極端子37は、正極集電体35aとの接触抵抗を低減するために、正極集電体35aと同様の材料であることが好ましい。
以下、非水電解質電池30の構成部材である外装材32、負極33、正極35、セパレータ30および非水電解質について詳細に説明する。

0076

(1)外装材
外装材32としては、上記の外装材が用いられる。

0077

(2)負極
負極33としては、第2の実施形態に係る電極が用いられる。

0078

(3)正極
正極35としては、上記の正極が用いられる。

0079

(4)セパレータ
セパレータ34としては、上記のセパレータが用いられる。

0080

(5)非水電解質
非水電解質としては、上記の非水電解質が用いられる。

0081

第3の実施形態に係る非水電解質電池は、前述した図4および図5に示す構成のものに限らず、例えば、図6および図7に示す構成の電池であってもよい。図6は、第3の実施形態に係る別の扁平型非水電解質電池を模式的に示す部分切欠斜視図であり、図7図6のB部の拡大断面図である。

0082

図6および図7に示す非水電解質電池40は、積層型電極群41が外装材42内に収納されて構成されている。積層型電極群41は、図7に示すように正極43と負極44とを、その間にセパレータ45を介在させながら交互に積層した構造を有する。

0083

正極43は複数枚存在し、それぞれが正極集電体43aと、正極集電体43aの両面に担持された正極層43bとを備える。正極層43bには正極活物質が含有される。

0084

負極44は複数枚存在し、それぞれが負極集電体44aと、負極集電体44aの両面に担持された負極層44bとを備える。負極層44bには電極材料が含有される。各負極44の負極集電体44aは、一辺が負極44から突出している。突出した負極集電体44aは、帯状の負極端子46に電気的に接続されている。帯状の負極端子46の先端は、外装材42から外部に引き出されている。また、図示しないが、正極43の正極集電体43aは、負極集電体44aの突出辺と反対側に位置する辺が正極43から突出している。正極43から突出した正極集電体43aは、帯状の正極端子47に電気的に接続されている。帯状の正極端子47の先端は、負極端子46とは反対側に位置し、外装材42の辺から外部に引き出されている。

0085

図6および図7に示す非水電解質電池40を構成する各部材の材質配合比、寸法等は、図4および図5において説明した非水電解質電池30の各構成部材と同様の構成である。

0086

以上説明した本実施形態によれば、非水電解質電池を提供することができる。
本実施形態に係る非水電解質電池は、負極と、正極と、非水電解質と、セパレータと、外装材と、を具備する。負極は、上述の第2の実施形態に係る非水電解質電池用電極からなる。これにより、本実施形態に係る非水電解質電池は、エネルギー密度に優れ長寿命である。

0087

(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る電池パックについて詳細に説明する。
本実施形態に係る電池パックは、第3の実施形態に係る非水電解質電池(即ち、単電池)を二次電池として少なくとも1つ有する。電池パックに複数の単電池が含まれる場合、各単電池は、電気的に直列並列、あるいは、直列と並列に接続して配置される。

0088

図8および図9を参照して、本実施形態に係る電池パック50を具体的に説明する。図9に示す電池パック50においては、単電池51として、図4に示す扁平型非水電解液電池30を使用している。
複数の単電池51は、外部に延出した負極端子36および正極端子37が同じ向きに揃えられるように積層され、粘着テープ52で締結することによって組電池53を構成している。これらの単電池51は、図8および図9に示すように、互いに電気的に直列に接続されている。

0089

プリント配線基板54は、負極端子36および正極端子37が延出する単電池51の側面と対向して配置されている。図8に示すように、プリント配線基板54には、サーミスタ55(図9を参照)、保護回路56および外部機器への通電用端子57が搭載されている。なお、組電池53と対向するプリント配線基板54の面には、組電池53の配線と不要な接続を回避するために絶縁板(図示せず)が取り付けられている。

0090

正極側リード58は、組電池53の最下層に位置する正極端子37に接続され、その先端はプリント配線基板54の正極側コネクタ59に挿入されて電気的に接続されている。負極側リード60は、組電池53の最上層に位置する負極端子36に接続され、その先端は、プリント配線基板54の負極側コネクタ61に挿入されて電気的に接続されている。これらの正極側コネクタ59、負極側コネクタ61は、プリント配線基板54に形成された配線62、63(図9を参照)を通じて保護回路56に接続されている。

0091

サーミスタ55は、単電池51の温度を検出するために用いられ、図8においては図示を省略しているが、単電池51の近傍に設けられるとともに、その検出信号は保護回路56に送信される。保護回路56は、単電池51を保護するために充放電を制御するものである。所定の条件で保護回路56と外部機器への通電用外部端子(通電用端子)57との間のプラス側配線64aおよびマイナス側配線64bを遮断できる。ここで、上記の所定の条件とは、例えば、サーミスタ55の検出温度所定温度以上になったときである。さらに、所定の条件とは、単電池51の過充電過放電過電流等を検出したときである。このような過充電等の検出は、個々の単電池51もしくは単電池51全体について行われる。なお、個々の単電池51における過充電等を検出する場合には、電池電圧を検出してもよいし、正極電位もしくは負極電位を検出してもよい。後者の場合、個々の単電池51中に参照極として用いるリチウム電極が挿入される。図8および図9の場合、単電池51それぞれに電圧検出のための配線65を接続し、これら配線65を通して検出信号が保護回路56に送信される。なお、この保護回路56は、外部機器側に配置されていても良い。

0092

図8に示すように、正極端子37および負極端子36が突出する側面を除く組電池53の三側面には、ゴムもしくは樹脂からなる保護シート66がそれぞれ配置されている。

0093

組電池53は、各保護シート66およびプリント配線基板54とともに、収納容器67内に収納される。すなわち、収納容器67の長辺方向の両方の内側面と短辺方向の内側面それぞれに保護シート66が配置され、短辺方向の保護シート66とは反対側の内側面にプリント配線基板54が配置される。組電池53は、保護シート66およびプリント配線基板54で囲まれた空間内に位置する。蓋68は、収納容器67の上面に取り付けられている。

0094

なお、組電池53の固定には、粘着テープ52に代えて熱収縮テープを用いてもよい。この場合、組電池の両側面に保護シートを配置し、熱収縮テープを周回させた後、熱収縮テープを熱収縮させて組電池を結束させる。

0095

ここで、図8図9においては、単電池51を直列接続した形態を示したが、電池容量を増大させるためには、単電池51を並列に接続しても、または、直列接続と並列接続とを組み合わせた構成としてもよい。また、組み上がった電池パックを、さらに直列、並列に接続することも可能である。

0096

以上説明した本実施形態によれば、電池パックを提供することができる。本実施形態に係る電池パックは、上記の第3の実施形態に係る非水電解質電池を少なくとも1つ具備する。
このような電池パックは、エネルギー密度に優れ長寿命である。

0097

なお、電池パックの態様は用途により適宜変更される。本実施形態に係る電池パックの用途としては、大電流を取り出したときに優れたサイクル特性を示すことが要求されるものが好ましい。具体的には、デジタルカメラ電源用や、二輪もしくは四輪のハイブリッド電気自動車、二輪もしくは四輪の電気自動車アシスト自転車等の車両に用いられる車載用が挙げられる。特に、高温特性の優れた非水電解質電池を用いた電池パックは、車両に用いられる車載用に好適に用いられる。

0098

以下、実施例に基づいて上記の実施形態をさらに詳細に説明する。

0099

<実施例1>
以下の条件で、負極材料を作製した。
市販の二酸化ケイ素粒子(平均一次粒子径30nm、非晶質)0.585gと、ケイ素粒子(平均一次粒子径20nm)0.065gとを、炭素前駆体としてのレゾール系フェノール樹脂1.162gを10gのエタノールに溶解させた溶液に加え、ZrO2ボールを用い、遊星ボールミルにて解砕混合処理を行い、スラリーを調製した。
そのスラリーを、減圧ろ過してZrO2ボールを取り除き、80℃にて乾燥した後、150℃にて1時間、加熱硬化処理して、二酸化ケイ素粒子と、ケイ素粒子と、炭素前駆体との混合物を得た。
得られた混合物をアルミナ製のるつぼに入れ、電気炉を用いて熱処理を行った。熱処理は、真空置換後、アルゴンガスを導入した不活性雰囲気下で、1000℃にて3時間の条件で行った。
次に、得られた焼成物メノウ乳鉢にて粉砕し、目開き20μmのにかけて、二酸化ケイ素粒子およびケイ素粒子が炭素質物で被覆された実施例1の負極材料を得た。
得られた負極材料0.6gと、平均粒子径3μmの黒鉛粉末0.1gとを、ポリイミドを16質量%溶解させたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に加え、ミキサーを用いて混合し、ペースト状のスラリーを調製した。
そのスラリーを、厚さ12μmの銅箔上に塗布し圧延した後、400℃にて2時間、アルゴンガス雰囲気中にて熱処理し、実施例1の負極材料付き銅箔を得た。

0100

<実施例2>
ケイ素粒子として、平均一次粒子径が30nmのものを用いたこと以外は、全て実施例1と同様にして、実施例2の負極材料および負極材料付き銅箔を作製した。

0101

<実施例3>
二酸化ケイ素粒子として、平均一次粒子径が7nmのものを用い、ケイ素粒子として、平均一次粒子径が30nmのものを用いたこと以外は、全て実施例1と同様にして、実施例3の負極材料および負極材料付き銅箔を作製した。

0102

<実施例4>
二酸化ケイ素粒子として、平均一次粒子径が7nmのものを用い、ケイ素粒子として、平均一次粒子径が45nmのものを用いたこと以外は、全て実施例1と同様にして、実施例4の負極材料および負極材料付き銅箔を作製した。

0103

<実施例5>
二酸化ケイ素粒子として、平均一次粒子径が65nmのものを用い、ケイ素粒子として、平均一次粒子径が30nmのものを用いたこと以外は、全て実施例1と同様にして、実施例5の負極材料および負極材料付き銅箔を作製した。

0104

<比較例1>
二酸化ケイ素粒子として、平均一次粒子径が100nmのものを用い、ケイ素粒子として、平均一次粒子径が20nmのものを用いたこと以外は、全て実施例1と同様にして、比較例1の負極材料および負極材料付き銅箔を作製した。

0105

<比較例2>
二酸化ケイ素粒子として、平均一次粒子径が7nmのものを用い、ケイ素粒子として、平均一次粒子径が80nmのものを用いたこと以外は、全て実施例1と同様にして、比較例2の負極材料および負極材料付き銅箔を作製した。

0106

次に、負極材料中に炭化ケイ素相を形成した例を示す。

0107

<実施例6>
負極材料を作製する際の二酸化ケイ素粒子と、ケイ素粒子と、炭素前駆体との混合物の熱処理を、1050℃にて3時間の条件で行ったこと以外は、全て実施例2と同様にして、実施例6の負極材料および負極材料付き銅箔を作製した。

0108

<実施例7>
負極材料を作製する際の二酸化ケイ素粒子と、ケイ素粒子と、炭素前駆体との混合物の熱処理を、1100℃にて3時間の条件で行ったこと以外は、全て実施例2と同様にして、実施例7の負極材料および負極材料付き銅箔を作製した。

0109

<比較例3>
負極材料を作製する際の二酸化ケイ素粒子と、ケイ素粒子と、炭素前駆体との混合物の熱処理を、1200℃にて3時間の条件で行ったこと以外は、全て実施例2と同様にして、比較例3の負極材料および負極材料付き銅箔を作製した。

0110

次に、負極材料における二酸化ケイ素粒子とケイ素粒子の含有率を約55質量%で一定とし、負極材料におけるケイ素粒子の含有率を変えた試料を作製した。

0111

<実施例8>
二酸化ケイ素粒子0.618gと、ケイ素粒子0.033gとを、炭素前駆体としてのレゾール系フェノール樹脂1.162gを10gのエタノールに溶解させた溶液に加え、ZrO2ボールを用い、遊星ボールミルにて解砕・混合処理を行い、スラリーを調製したこと以外は、全て実施例2と同様にして、実施例8の負極材料および負極材料付き銅箔を作製した。
負極材料におけるケイ素粒子の含有率は2.8質量%であった。

0112

<実施例9>
二酸化ケイ素粒子0.455gと、ケイ素粒子0.195gとを、炭素前駆体としてのレゾール系フェノール樹脂1.162gを10gのエタノールに溶解させた溶液に加え、ZrO2ボールを用い、遊星ボールミルにて解砕・混合処理を行い、スラリーを調製したこと以外は、全て実施例2と同様にして、実施例9の負極材料および負極材料付き銅箔を作製した。
負極材料におけるケイ素粒子の含有率は16.6質量%であった。

0113

<比較例4>
二酸化ケイ素粒子0.39gと、ケイ素粒子0.26gとを、炭素前駆体としてのレゾール系フェノール樹脂1.162gを10gのエタノールに溶解させた溶液に加え、ZrO2ボールを用い、遊星ボールミルにて解砕・混合処理を行い、スラリーを調製したこと以外は、全て実施例2と同様にして、比較例4の負極材料および負極材料付き銅箔を作製した。
負極材料におけるケイ素粒子の含有率は22.1質量%であった。

0114

次に、負極材料における二酸化ケイ素粒子とケイ素粒子の含有率を約71質量%で一定とし、負極材料におけるケイ素粒子の含有率を変えた試料を作製した。

0115

<実施例10>
二酸化ケイ素粒子0.95gと、ケイ素粒子0.05gとを、炭素前駆体としてのレゾール系フェノール樹脂1.162gを10gのエタノールに溶解させた溶液に加え、ZrO2ボールを用い、遊星ボールミルにて解砕・混合処理を行い、スラリーを調製したこと以外は、全て実施例2と同様にして、実施例10の負極材料および負極材料付き銅箔を作製した。
負極材料におけるケイ素粒子の含有率は3.6質量%であった。

0116

<実施例11>
二酸化ケイ素粒子0.80gと、ケイ素粒子0.20gとを、炭素前駆体としてのレゾール系フェノール樹脂1.162gを10gのエタノールに溶解させた溶液に加え、ZrO2ボールを用い、遊星ボールミルにて解砕・混合処理を行い、スラリーを調製したこと以外は、全て実施例2と同様にして、実施例11の負極材料および負極材料付き銅箔を作製した。
負極材料におけるケイ素粒子の含有率は14.2質量%であった。

0117

<比較例5>
二酸化ケイ素粒子0.70gと、ケイ素粒子0.30gとを、炭素前駆体としてのレゾール系フェノール樹脂1.162gを10gのエタノールに溶解させた溶液に加え、ZrO2ボールを用い、遊星ボールミルにて解砕・混合処理を行い、スラリーを調製したこと以外は、全て実施例2と同様にして、比較例5の負極材料および負極材料付き銅箔を作製した。
負極材料におけるケイ素粒子の含有率は21.3質量%であった。

0118

<比較例6>
平均一次粒子径約200nmの一酸化ケイ素粒子0.585gと、ケイ素粒子0.065gとを、炭素前駆体としてのレゾール系フェノール樹脂1.162gを10gのエタノールに溶解させた溶液に加え、ZrO2ボールを用い、遊星ボールミルにて解砕・混合処理を行い、スラリーを調製したこと以外は、全て実施例2と同様にして、比較例6の負極材料および負極材料付き銅箔を作製した。

0119

電気化学特性の評価」
(非水電解液の調製)
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを体積比で1:2になるように混合して、混合溶媒を調製した。この混合溶媒に、LiPF6を溶解して、非水電解液を調製した。

0120

(非水電解質電池の作製)
前記の負極材料付き銅箔を20mm×20mmの大きさに裁断した後、100℃にて12時間、真空乾燥し、試験電極とした。
前記の試験電極と、対極および参照極としての金属Liと、前記の非水電解液とを、有底の容器内に収納し、非水電解質電池ハーフセルを作製した。
電池の組み立ては、アルゴン雰囲気で満たされたグローブボックス中にて行った。

0121

充放電試験
充放電試験の条件は、参照極と試験電極間の電位差0.01Vまで0.5mA/cm2の定電流密度で充電し、さらに、0.01Vで定電圧充電を行い、終止条件を0.025mA/cm2または150時間とした。放電は、0.25mA/cm2の定電流密度で1.5Vまで行った。このときの充電容量に対する放電容量の割合を初回の充放電効率とした。
さらにその後、参照極と試験電極間の電位差0.01Vまで1.5mA/cm2の電流密度で充電し(カットオフ0.0075mA/cm2)、1.5mA/cm2の電流密度で1.5Vまで放電するサイクルを100回行った。1.5mA/cm2の電流密度での充放電の1回目に対する50回目の放電容量の比を放電容量維持率とした。

0122

実施例1〜実施例11と比較例1〜比較例6の結果について、表1〜表4にまとめて示す。同表には、二酸化ケイ素粒子の平均一次粒子径D1に対するケイ素粒子の平均一次粒子径D2の比D2/D1も合わせて記した。

0123

0124

0125

0126

0127

表1の結果から、実施例1〜実施例5および比較例1、2は、原料として用いた、二酸化ケイ素粒子の平均一次粒子径D1およびケイ素粒子の平均一次粒子径D2、および、D1に対するD2の比D2/D1による違いを示している。なお、二酸化ケイ素粒子とケイ素粒子は結晶性に差があるため、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより、容易に見分けることができる。結晶構造が見られるのがケイ素粒子である。これにより、上述したような方法を用いて各粒子の平均一次粒子径を測定することができる。

0128

また、ケイ素粒子の含有率は、電極表面のX線光電子分光分析(ESCA)を実施し、Si2pの光電子スペクトルの測定からピークの波形分離解析によりSi0の存在比を定量することで求めることができる。また、電極組成のSi、O、C元素についての定量分析によっても見積もることが可能である。
表1に示すように、ケイ素粒子の平均一次粒子径が大きくなると、体積膨張による影響が大きくなり、サイクル特性が低下することが分かる。特に、比較例2のように、ケイ素粒子の平均一次粒子径が80nmにもなると、サイクル特性低下への影響が大きくなる。

0129

二酸化ケイ素粒子に関しては、平均一次粒子径が大きくなると、初回の充電に要する時間が大きくなる。比較例1に示すように、特に平均一次粒子径が100nmを超える二酸化ケイ素粒子では、実験の充電の終止条件として設定した150時間を上回る充電時間であった。この長い充電時間はリチウムの析出によるデンドライト形成を起こり易くするため、好ましくない。二酸化ケイ素粒子の平均一次粒子径は80nmより小さくする。
また、平均一次粒子径が7nmの二酸化ケイ素粒子を用いた場合、平均一次粒子径が30nmの二酸化ケイ素粒子より初回の充電時間が長くなっている。これは、電極材料作製時に微細な二酸化ケイ素粒子が今回の試験において二次粒子を形成し、電極中で凝集体として存在しているからであると考えられる。凝集の程度にもよるが、この程度のものでは特に問題ない。

0130

表2に示す結果は、負極材料を作製するときの炭素前駆体の熱処理温度による影響を調べた結果である。熱処理温度を高くするにつれ、初回放電容量の低下がみられる。これは、熱処理温度の増加に伴って、炭化ケイ素相が形成され、炭化ケイ素相の形成に添加したケイ素粒子が使われたためと考えられる。実際、X線回折測定の結果から、炭化ケイ素相の存在を示す2θ=35.6°付近のピークが認められ、このピークの値が熱処理温度の増加とともに大きくなっていくのが観察された。熱処理温度を1200℃まで上げると、添加したケイ素粒子のほとんどが炭化ケイ素化してしまい、ケイ素粒子を添加する意味がなくなり好ましくない。したがって、熱処理温度は1200℃未満であることが好ましい。

0131

表3は、ケイ素粒子の添加量の影響を示す。表3の結果から、ケイ素粒子の添加量が20質量%までは負極のサイクル特性にほとんど影響がないことが分かる。ケイ素粒子の添加量が20質量%を超えると、負極のサイクル特性に影響が出てくることが分かる。すなわち、ケイ素粒子の添加量が20質量%までの範囲であれば、サイクル特性がほとんど低下することなく、初回放電容量の向上を図ることができる。

0132

表4は、一酸化ケイ素粒子とケイ素粒子を含む複合粒子を負極材料に用いた場合の結果を示す。一酸化ケイ素粒子は、熱処理により二酸化ケイ素粒子とケイ素粒子に分離する不均化反応を起こし、この不均化反応で形成されるケイ素粒子は数nmと小さいが粒成長も起こしやすい。このため、二酸化ケイ素粒子を用いるよりサイクルによる放電容量の低下が大きくなることが分かる。

実施例

0133

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

0134

10・・・非水電解質電池用電極材料(電極材料)、11・・・二酸化ケイ素粒子、12・・・ケイ素粒子、13・・・炭素材料、14・・・炭化ケイ素相、20・・非水電解質電池用電極、21・・・集電体、22・・・電極合剤層、30・・・非水電解質電池、31・・・捲回電極群、32・・・外装材、33・・・負極、34・・・セパレータ、35・・・正極、36・・・負極端子、37・・・正極端子、40・・・非水電解質電池、41・・・積層型電極群、42・・・外装材、43・・・正極、43a・・・正極集電体、44・・・負極、44a・・・負極集電体、45・・・セパレータ、46・・・負極端子、47・・・正極端子、50・・・電池パック、51・・・単電池、52・・・粘着テープ、53・・・組電池、54・・・プリント配線基板、55・・・サーミスタ、56・・・保護回路、57・・・通電用端子、58・・・正極側リード、59・・・正極側コネクタ、60・・・負極側リード、61・・・負極側コネクタ、62・・・配線、63・・・配線、64a・・・プラス側配線、64b・・・マイナス側配線、65・・・配線、66・・・保護シート、67・・・収納容器、68・・・蓋。

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