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技術 被検査容器の漏洩検査方法、及び漏洩検査装置

出願人 日揮株式会社
発明者 川野昌弘小嶋威加藤泰史田澤恵徐芸萌
出願日 2016年3月15日 (3年7ヶ月経過) 出願番号 2016-050995
公開日 2017年9月21日 (2年0ヶ月経過) 公開番号 2017-166909
状態 特許登録済
技術分野 気密性の調査・試験
主要キーワード 袋状カバー ヘリウム漏洩 微圧計 小径領域 隙間形成部材 ヘリウムガス濃度 隙間流路 充填期間
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図面 (12)

課題

正確かつ迅速に被検査容器漏洩を検出することが可能な被検査容器の漏洩検査方法などを提供する。

解決手段

変形可能な可撓部を有する被検査容器1の漏洩検査行うにあたり、被検査容器1に、ヘリウムを含む検査用ガス充填した後、外部から区画された検査室3内に、検査用ガスが充填された被検査容器1を配置し、被検査容器1の下部側から上部側へ向けて、キャリアガス上昇流を形成する。そして、検査室3内にキャリアガスを供給する位置よりも上方側の位置にて採取したキャリアガス中ヘリウム濃度を測定した結果に基づいて、被検査容器1に充填された検査用ガスの漏洩を検出する。

概要

背景

医薬品製造プロセスやバイオプロセスなどで利用されるシングルユースバッグ(Single-Use Bag:以下、「SUB」とも記す)は、変形可能な樹脂シートをなどによって構成される容器である。SUBは、空の状態ではコンパクトに折り畳むことができる一方で、内容物の充填に伴って変形し、所定量の内容物を収容することができる。

一方でSUBは、リジッドな(剛性の高い)容器よりも強度が低く、また一体成形品ではない場合もあるため、工作不良や破損に伴う内容物の漏洩が比較的発生しやすい。そこで、SUBのメーカーからの出荷前に漏洩検査が行われる場合もあるが、小さなピンホールは検出が困難な場合もある。また出荷後の輸送使用準備過程における破損には対処することができない。

そこで、SUBの使用前のユーザーによる漏洩検査の実施も模索されている。しかしながら、温度変化内圧の変化に伴って形状が変化してしまうSUBは、加圧したSUB内の圧力低下に基づいて漏洩を検出する圧力降下法の採用は困難である。また、ヘリウムを充填したSUBを真空容器内に配置し、真空容器内のヘリウム濃度の変化に基づいて漏洩を検出する減圧法の適用についても、SUBは大きな差圧を加えることができないため迅速な漏洩検出が困難である。さらに、SUBには1000リットルを超える大型のものもあり、大型のSUBまで検査することが可能な真空容器を導入して減圧法を実施することは、設備負担が過大となってしまう。

ここで特許文献1には、試験ガスであるヘリウムが充填された試験体の周囲の雰囲気吸引管吸引して試験ガス検出器にてヘリウムを検出するスニッファー法に係る技術が記載されている。しかしながら、SUBのように、比較的広い表面積を持つ被検査容器の表面を万遍なく吸引走査して、ピンホールなどのごく小さな漏洩箇所を特定するスニッファー法は、時間がかかるばかりでなく、漏洩を見逃してしまう可能性もある。

また特許文献2には、高分子透過膜を収容したセルの一方側の空間にヘリウムを導入し、前記高分子透過膜を挟んだセルの他方側の空間に空気を通流させ、セルから排出されるヘリウム濃度変化曲線の違いに基づいて、高分子透過膜からのヘリウムの透過と、ピンホールや欠陥などに起因する漏洩とを識別する技術が記載されている。特許文献2に記載の技術においては、燃料電池のセルをそのまま利用し、燃料電池の使用時に酸化ガス導出入口として使用されるセルの側壁面に設けられた導出入口から空気の供給、抜き出しを行ってヘリウム濃度の測定を行っている。

しかしながら、ヘリウムは空気と比較して非常に軽いため、高分子透過膜を通過したヘリウムは、セルの上部側の空間に滞留してしまう。このため、ヘリウムが高濃度で滞留している領域が、空気の抜き出しを行う高さ位置に到達するまでに長い時間を要し、迅速な漏洩検出を行うことができない。

概要

正確かつ迅速に被検査容器の漏洩を検出することが可能な被検査容器の漏洩検査方法などを提供する。変形可能な可撓部を有する被検査容器1の漏洩検査行うにあたり、被検査容器1に、ヘリウムを含む検査用ガスを充填した後、外部から区画された検査室3内に、検査用ガスが充填された被検査容器1を配置し、被検査容器1の下部側から上部側へ向けて、キャリアガス上昇流を形成する。そして、検査室3内にキャリアガスを供給する位置よりも上方側の位置にて採取したキャリアガス中のヘリウム濃度を測定した結果に基づいて、被検査容器1に充填された検査用ガスの漏洩を検出する。

目的

本発明は、このような背景の下になされたものであり、その目的は、正確かつ迅速に被検査容器の漏洩を検出することが可能な被検査容器の漏洩検査方法、及び漏洩検査装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

変形可能な可撓部を有する被検査容器漏洩検査方法において、前記被検査容器に、ヘリウムを含む検査用ガス充填する工程と、外部から区画された検査室内に、前記検査用ガスが充填された被検査容器を配置し、当該被検査容器の下部側から上部側へ向けて、前記検査用ガスとはヘリウムの含有濃度が異なるキャリアガス上昇流を形成する工程と、前記検査室内にキャリアガスを供給する位置よりも上方側の位置にて採取した前記キャリアガス中ヘリウム濃度を測定した結果に基づいて、前記被検査容器に充填された検査用ガスの漏洩を検出する工程と、を含むことを特徴とする被検査容器の漏洩検査方法。

請求項2

前記検査用ガスの漏洩が検出されなかった場合に、前記検査室内にて、前記被検査容器に内容物を充填する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の被検査容器の漏洩検査方法。

請求項3

前記検査用ガスの漏洩を検出する工程の後、前記被検査容器に充填された検査用ガスを回収する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の被検査容器の漏洩検査方法。

請求項4

前記検査室には、当該検査室内に配置された被検査容器の上方位置に、前記キャリアガスの排気部が設けられ、前記キャリアガスの採取は、前記検査室内にキャリアガスを供給する位置と前記排気部との間の高さ位置にて行われることを特徴とする請求項1に記載の被検査容器の漏洩検査方法。

請求項5

前記被検査容器は、変形可能な袋状容器であること特徴とする請求項1に記載の被検査容器の漏洩検査方法。

請求項6

前記検査室は、前記被検査容器の周囲の空間を覆う袋状カバーであることを特徴とする請求項1に記載の被検査容器の漏洩検査方法。

請求項7

前記被検査容器は、当該被検査容器を保持するコンテナ内に配置され、前記検査室は、前記コンテナとコンテナ内の検査容器とを前記袋状カバーにて覆うことにより構成されることを特徴とする請求項6に記載の被検査容器の漏洩検査方法。

請求項8

前記被検査容器に対する検査用ガスの充填圧力が、0PaGよりも高く、当該被検査容器の耐圧上限値未満であることを特徴とする請求項1に記載の被検査容器の漏洩検査方法。

請求項9

前記被検査容器を収容した状態における検査室内の残りの空間の容積に対するキャリアガスの流量の比が0.01〜0.05vvmの範囲内の値であることを特徴とする請求項1に記載の被検査容器の漏洩検査方法。

請求項10

変形可能な可撓部を有する被検査容器の漏洩検査装置において、外部から区画され、ヘリウムを含む検査用ガスが充填された被検査容器を配置するための検査室と、前記検査室の下部側に、前記検査用ガスとはヘリウムの含有濃度が異なるキャリアガスを供給するためのキャリアガス供給部と前記検査室の下部側から上部側へ向けて、前記キャリアガスの上昇流を形成するために、前記被検査容器の上方位置から当該キャリアガスの排気を行う排気部と、前記キャリアガスに含まれるヘリウム濃度を測定した結果に基づいて、前記被検査容器に充填された検査用ガスの漏洩を検出するために、前記キャリアガス供給部よりも上方側の高さ位置にて前記キャリアガスの採取が行われるサンプリング部と、を備えたことを特徴とする漏洩検査装置。

技術分野

0001

本発明は、変形可能な可撓部を有する被検査容器漏洩を検出する技術に関する。

背景技術

0002

医薬品製造プロセスやバイオプロセスなどで利用されるシングルユースバッグ(Single-Use Bag:以下、「SUB」とも記す)は、変形可能な樹脂シートをなどによって構成される容器である。SUBは、空の状態ではコンパクトに折り畳むことができる一方で、内容物の充填に伴って変形し、所定量の内容物を収容することができる。

0003

一方でSUBは、リジッドな(剛性の高い)容器よりも強度が低く、また一体成形品ではない場合もあるため、工作不良や破損に伴う内容物の漏洩が比較的発生しやすい。そこで、SUBのメーカーからの出荷前に漏洩検査が行われる場合もあるが、小さなピンホールは検出が困難な場合もある。また出荷後の輸送使用準備過程における破損には対処することができない。

0004

そこで、SUBの使用前のユーザーによる漏洩検査の実施も模索されている。しかしながら、温度変化内圧の変化に伴って形状が変化してしまうSUBは、加圧したSUB内の圧力低下に基づいて漏洩を検出する圧力降下法の採用は困難である。また、ヘリウムを充填したSUBを真空容器内に配置し、真空容器内のヘリウム濃度の変化に基づいて漏洩を検出する減圧法の適用についても、SUBは大きな差圧を加えることができないため迅速な漏洩検出が困難である。さらに、SUBには1000リットルを超える大型のものもあり、大型のSUBまで検査することが可能な真空容器を導入して減圧法を実施することは、設備負担が過大となってしまう。

0005

ここで特許文献1には、試験ガスであるヘリウムが充填された試験体の周囲の雰囲気吸引管吸引して試験ガス検出器にてヘリウムを検出するスニッファー法に係る技術が記載されている。しかしながら、SUBのように、比較的広い表面積を持つ被検査容器の表面を万遍なく吸引走査して、ピンホールなどのごく小さな漏洩箇所を特定するスニッファー法は、時間がかかるばかりでなく、漏洩を見逃してしまう可能性もある。

0006

また特許文献2には、高分子透過膜を収容したセルの一方側の空間にヘリウムを導入し、前記高分子透過膜を挟んだセルの他方側の空間に空気を通流させ、セルから排出されるヘリウム濃度変化曲線の違いに基づいて、高分子透過膜からのヘリウムの透過と、ピンホールや欠陥などに起因する漏洩とを識別する技術が記載されている。特許文献2に記載の技術においては、燃料電池のセルをそのまま利用し、燃料電池の使用時に酸化ガス導出入口として使用されるセルの側壁面に設けられた導出入口から空気の供給、抜き出しを行ってヘリウム濃度の測定を行っている。

0007

しかしながら、ヘリウムは空気と比較して非常に軽いため、高分子透過膜を通過したヘリウムは、セルの上部側の空間に滞留してしまう。このため、ヘリウムが高濃度で滞留している領域が、空気の抜き出しを行う高さ位置に到達するまでに長い時間を要し、迅速な漏洩検出を行うことができない。

先行技術

0008

特表2012−514743号公報
特開2002− 5777号公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、このような背景の下になされたものであり、その目的は、正確かつ迅速に被検査容器の漏洩を検出することが可能な被検査容器の漏洩検査方法、及び漏洩検査装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明の被検査容器の漏洩検査方法は、変形可能な可撓部を有する被検査容器の漏洩検査方法において、
前記被検査容器に、ヘリウムを含む検査用ガスを充填する工程と、
外部から区画された検査室内に、前記検査用ガスが充填された被検査容器を配置し、当該被検査容器の下部側から上部側へ向けて、前記検査用ガスとはヘリウムの含有濃度が異なるキャリアガス上昇流を形成する工程と、
前記検査室内にキャリアガスを供給する位置よりも上方側の位置にて採取した前記キャリアガス中のヘリウム濃度を測定した結果に基づいて、前記被検査容器に充填された検査用ガスの漏洩を検出する工程と、を含むことを特徴とする。

0011

前記被検査容器の漏洩検査方法は以下の特徴を備えていてもよい。
(a)前記検査用ガスの漏洩が検出されなかった場合に、前記検査室内にて、前記被検査容器に内容物を充填する工程を含むこと。
(b)前記検査用ガスの漏洩を検出する工程の後、前記被検査容器に充填された検査用ガスを回収する工程を含むこと。
(c)前記検査室には、当該検査室内に配置された被検査容器の上方位置に、前記キャリアガスの排気部が設けられ、前記キャリアガスの採取は、前記検査室内にキャリアガスを供給する位置と前記排気部との間の高さ位置にて行われること。
(d)前記被検査容器は、変形可能な袋状容器であること。
(e)前記検査室は、前記被検査容器の周囲の空間を覆う袋状カバーであること。このとき、前記被検査容器は、当該被検査容器を保持するコンテナ内に配置され、前記検査室は、前記コンテナとコンテナ内の検査容器とを前記袋状カバーにて覆うことにより構成されること。
(f)前記被検査容器に対する検査用ガスの充填圧力が、0PaGよりも高く、当該被検査容器の耐圧上限値未満であること。
(g)前記被検査容器を収容した状態における検査室内の残りの空間の容積に対するキャリアガスの流量の比が0.01〜0.05vvmの範囲内の値であること。

0012

また、他の発明に係る漏洩検査装置は、変形可能な可撓部を有する被検査容器の漏洩検査装置において、
外部から区画され、ヘリウムを含む検査用ガスが充填された被検査容器を配置するための検査室と、
前記検査室の下部側に、前記検査用ガスとはヘリウムの含有濃度が異なるキャリアガスを供給するためのキャリアガス供給部と
前記検査室の下部側から上部側へ向けて、前記キャリアガスの上昇流を形成するために、前記被検査容器の上方位置から当該キャリアガスの排気を行う排気部と、
前記キャリアガスに含まれるヘリウム濃度を測定した結果に基づいて、前記被検査容器に充填された検査用ガスの漏洩を検出するために、前記キャリアガス供給部よりも上方側の高さ位置にて前記キャリアガスの採取が行われるサンプリング部と、を備えたことを特徴とする。

発明の効果

0013

本発明は、外部から区画された検査室内に、ヘリウムを含む検査用ガスを充填した被検査容器を配置し、被検査容器の下部側から上部側へ向けてキャリアガスの上昇流を形成した後、キャリアガスの供給位置よりも上方側の位置にてキャリアガスを採取してヘリウム濃度の測定を行う。この結果、検査室内におけるヘリウムの滞留に起因するヘリウムの濃度測定誤差検出遅れの発生を抑制し、より正確、且つ迅速に被検査容器の漏洩を検出することができる。

図面の簡単な説明

0014

ヘリウムの充填が行われているSUBである。
検査容器内で漏洩検査が行われているSUBである。
SUBが配置されたコンテナである。
検査カバーが装着されたコンテナである。
前記検査カバーが装着されたコンテナン内でヘリウムガスの充填が行われているSUBである。
前記検査カバー内で漏洩検査が行われているSUBである。
前記検査カバー内で薬液の充填、ヘリウムの回収動作が行われているSUBである。
薬液の充填が完了したSUBである。
実施例に係る第1の説明図である。
実施例に係る第2の説明図である。
実施例に係る第3の説明図である。

0015

初めに、図1、2を参照しながら、本発明の実施の形態の一態様について説明する。
図1は、被検査容器であるSUB1に検査用ガスであるヘリウムガスを充填する操作を示し、図2は検査室である検査容器3内でSUB1の漏洩を検出する操作を示している。

0016

実施の形態に係る漏洩検査方法を適用可能なシングルユースバッグ(SUB)1は、内容物の充填に伴って形状が変形可能な容器であれば、その構成に特段の限定はない。樹脂製のシートにより構成された封筒型の2DタイプのSUB1や、内容物の充填に伴って直方体形状や円筒形状となる3DタイプのSUB1を例示することができる。SUB1が樹脂製シートなどの変形可能な材料のみにより構成されている場合は、SUB1の全体が可撓性を有する可撓部となる。
また、SUB1は、樹脂製の底板支柱など、形状の一部を成す構造材と組み合わせて構成されていてもよい。この場合には構造材以外の変形可能な部分が可撓性を有する可撓部となる。

0017

SUB1には、医薬品製造プロセスにて取り扱われ得る中間製品製品触媒、バイオプロセスにて取り扱われる処理物質微生物などを含む内容物が収容される。内容物は液体であってもよいし粉粒体であってもよい。また、内容物を充填した後のSUB1内に、当該内容物で満たされていない気相部分が存在してもよい。

0018

SUB1は、内容物の充填や抜き出しを行うための樹脂製のシングルユースチューブを備えている。図1、2に示す例では、SUB1は2本のシングルユースチューブを備え、各シングルユースチューブにはその使用目的に応じて、ガスチューブ111、薬液用チューブ121の名称を付してある(後述の図3〜8のSUB1も同様)。ガスチューブ111の末端部には、後述のサンプリングガス供給機構4と接続されるコネクタ112が設けられ、薬液用チューブ121の末端部には、内容物の充填時に用いられる無菌コネクタ122が設けられている。

0019

但し、シングルユースチューブの使用目的は、上述の便宜的な名称に対応した用途に限定されるものではなく、各プロセスにおけるSUB1の取り扱い操作に応じて自由に選択することができる。また、SUB1に設けられているシングルユースチューブの数についても、1本であってもよいし、3本以上であってもよい。

0020

本実施の形態において、漏洩検査の対象となるSUB1にはヘリウムガスが充填される。図1に示す例では、内容物が充填されていない状態のSUB1に対し、2本のシングルユースチューブのうちのガスチューブ111側のコネクタ112をヘリウムガス充填機構2に接続する。一方、薬液用チューブ121はピンチコック101によって閉じられ、SUB1に充填したヘリウムガスが外部へ流出しないようにする。

0021

ヘリウムガス充填機構2は、ヘリウム供給源25から供給されたヘリウムガスが流れるヘリウム供給ライン22に、レギュレーター24を設けた構造となっている。レギュレーター24の下流側に設けられた微圧計23の指示値をSUB1内の圧力として、レギュレーター24に設けられた不図示の圧力調節ハンドルを用いて二次側の圧力を調節することにより、SUB1に充填されるヘリウムガスの充填圧力を調節することができる。なお、符号V1〜V3は、ボールバルブなどからなる開閉弁を示す。

0022

ヘリウム供給源25から供給されるヘリウムガスには、ヘリウムが含まれている。ヘリウムガスは、後述のキャリアガスとはヘリウムの含有濃度が異なるものであれば、ヘリウム濃度に特段の限定はない。例えば、キャリアガスのヘリウム濃度よりも高濃度に調製する場合、ヘリウム濃度が99体積%(0℃、1気圧基準。以下、同じ)以上のヘリウムガスであってもよいし、窒素酸素によって希釈されたヘリウムガスを用いてもよい。但し、ヘリウムガスと、キャリアガスとのヘリウムの濃度差が大きいほど、SUB1における漏洩の検出感度も向上し、より迅速に漏洩検出を行うことができる。この観点から、キャリアガスとして周囲の大気(空気:ヘリウム含有濃度5体積ppm程度)を用いる場合には、ヘリウムの濃度が1体積%以上、より好適には10体積%以上のヘリウムガスを用いることが好ましい。ヘリウムガス中に混合するヘリウム以外の気体としては、窒素ガス酸素ガス、大気などを例示することができる。

0023

SUB1に充填されるヘリウムガスの充填圧力は、0PaGよりも高く、SUB1の耐圧上限値未満の値に設定される。例えば後述の実施例に示すように、2kPaG程度の充填圧力にて漏洩検出が可能であることを確認している。
予め設定した充填圧力までSUB1にヘリウムガスを充填したら、ピンチコック101にてガスチューブ111を閉じ、コネクタ112からガスチューブ111を切り離した後、SUB1を検査容器3内に配置する。

0024

検査容器3は、上面側が開口した容器本体31と、容器本体31の開口を上面側から覆う蓋体32とを備える。容器本体31は、SUB1を収容可能、且つSUB1との間にキャリアガスが通流する隙間を形成可能な内容積を有する。また、検査容器3は、容器本体31の開口を蓋体32にて覆ったとき、容器本体31の開口縁と、蓋体32の下面との間に隙間流路301が形成される構成となっている。隙間流路301を形成する手法に特段の限定は無く、容器本体31の開口縁と蓋体32の下面との間に不図示の隙間形成部材を配置してもよいし、容器本体31の開口縁の上端を一部切り欠いてもよい。隙間流路301は、検査容器3からキャリアガスを排気するための排気部に相当する。

0025

検査容器3の側壁面の下部側には、検査容器3内にキャリアガスを供給するためのキャリアガス供給部である大気供給管331が接続されている。大気供給管331の接続位置は、後述するように検査容器3内に配置されたSUB1の周囲にキャリアガスの上昇流を形成することができれば、特段の限定はない。例えば大気供給管331は、容器本体31の全体高さの下側半分の範囲内の高さ位置に接続され、より好適には、前記全体高さの下方側3分の1の範囲内の高さ位置に接続される。このほか、容器本体31の底面に大気供給管331を接続してもよい。
また、容器本体31に接続する大気供給管331の数も1本に限定されるものではない。例えば容器本体31の側壁面の周方向に沿って、互いに間隔を開けて複数本の大気供給管331を接続してもよい。

0026

大気供給管331の上流端部にはコネクタ33が設けられ、シングルユースチューブからなる連結ライン411を介してサンプリングガス供給機構4と接続されている。サンプリングガス供給機構4は、検査容器3に対してキャリアガスである大気を供給する。サンプリングガス供給機構4は、空気ポンプ送風機などにより構成される大気供給源44から供給された大気が流れる大気供給ライン42に、流量計43と、流量調節用のニードルバルブなどからなる流量調節弁V4とを配置した構造となっている。大気供給ライン42の下流端部には連結ライン411と連結されるコネクタ412が設けられている。なお、符号V5は、ボールバルブなどからなる開閉弁を示す。

0027

既述のように、大気は5体積ppm程度のヘリウムを含むが、ヘリウム濃度が例えば10体積%以上のヘリウムガスと比較してヘリウムの含有濃度が異なり、且つ、入手も容易である。そこで本実施の形態では、SUB1からのヘリウムガスの漏洩を検出する際に用いるキャリアガスとして大気を採用している。なお、キャリアガスは大気を用いる場合に限定されるものではなく、例えばヘリウム濃度が検出下限界未満の窒素ガスなどを採用してもよい。また、キャリアガス中に大気中のヘリウム濃度以上のヘリウムが含まれていてもよいが、例えば1体積%以上のヘリウムを含んでいると、後述のヘリウム検出器5側にて十分な検出感度が得られない場合もある。

0028

上述のサンプリングガス供給機構4を用い、流量計43に設けられた流量指示部431の指示値を見ながら、流量調節弁V4の開度を調節することにより、検査容器3内に供給されるキャリアガスの流量を所定の値に調節することができる。ここで、サンプリングガス供給機構4から供給されるキャリアガスの流量は、SUB1を収容した状態における検査容器3内の残りの空間の容積V[リットル]に対するキャリアガスの供給流量F[リットル/分]の比(=F/V[vvm])が0.01〜0.05vvmの範囲内の値となるように調節される。この値が0.01vvmよりも小さいと、SUB1にて漏洩が発生している場合に、キャリアガスを採取して測定したヘリウム濃度が安定するまでの時間が長くなる。一方、上記の値が0.05vvmよりも大きいと、キャリアガスを採取して測定されるヘリウム濃度が低くなり、漏洩の検出感度が低下する。

0029

検査容器3の構成の説明に戻ると、容器本体31の側壁面の上部側には、検査容器3内を流れるキャリアガスを採取するためのサンプリング部であるサンプリング管341が接続されている。サンプリング管341の接続位置は、容器本体31の全体高さの上側半分の範囲内の高さ位置に設定される。後述するように、ヘリウムは拡散速度が大きいことから、サンプリング管341の接続位置が、容器本体31内のSUB1の上端の高さ位置よりも下方側であっても、SUB1の上面側で発生した漏洩も検知することができる。例えば、容器本体31内のSUB1の上端の高さ位置よりも数センチメートル程度低い位置においても、SUB1の上面側で発生した漏洩を検出可能なことは、実験的に確認している。

0030

サンプリング管341の末端部にはコネクタ34が設けられ、シングルユースチューブからなる連結ライン342を介してサンプリング口343と接続されている。検査容器3内を流れるキャリアガスの一部は、サンプリング管341、連結ライン342を介してサンプリング口343に流れ込む。このサンプリング口343内にヘリウム検出器5のプローブ51を挿入することにより、当該キャリアガスをヘリウム検出器5の本体部53内に吸引してヘリウム濃度測定を行うことができる。キャリアガス(ヘリウム濃度:約5体積ppm)中に、SUB1から漏洩したヘリウムガスが含まれている場合には、当該漏洩は、ヘリウム濃度の上昇として検出されることになる。

0031

ヘリウム濃度の検出に用いられるヘリウム検出器5は、磁場偏向型質量分析管など備えた公知のマススペクトロメーターを利用することができる。ヘリウム検出器5にて検出されたヘリウム濃度は、例えば本体部53に設けられた表示部にヘリウム濃度の測定値として表示される。

0032

以上、図2を用いて説明した構成において、大気供給管331、サンプリング管341を備え、隙間流路301が形成された検査容器3(容器本体31、蓋体32)は、SUB1からのヘリウムガスの漏洩の検出に用いられる漏洩検査装置に相当する。
以下、この検査容器3を用いた漏洩検査の手法について説明する。

0033

図2に示すように、ヘリウムガスが充填されたSUB1を容器本体31内に配置し、蓋体32を閉じたら、サンプリングガス供給機構4の開閉弁V5を開き、流量調節弁V4の開度を調節して、予め設定された流量(既述のF/Vの値が0.01〜0.05vvmの範囲内の値となる流量)のキャリアガスを検査容器3内に供給する。図示の便宜上、図1〜8では、各チューブ111、121を上方側に伸ばした状態で記載してあるが、これらのチューブ111、121が可撓性材料からなる場合、チューブ111、121は例えばSUB1上に載置しておいてよい。

0034

大気供給管331を介して検査容器3内の下部側に供給されたキャリアガスは、検査容器3の上部側に形成された隙間流路301へ向けて流れる。即ち、検査容器3内にはSUB1の下部側から上部側へ向けてキャリアガスの上昇流が形成される。

0035

このとき検査容器3内に配置されたSUB1にて漏洩が発生していると、SUB1に充填されたヘリウムガスの一部がキャリアガス中に混入する。ヘリウムは拡散速度が大きいので、キャリアガスの上昇流内に迅速に拡散する。この結果、図2に示すように例えば検査容器3の下端部近傍に設けた大気供給管331からキャリアガスを供給するとき、容器本体31の全体高さの上側半分の領域では、SUB1にて漏洩が発生している位置によらず上昇流の流れ方向と交差する面内で見てキャリアガス中のヘリウム濃度はほぼ一定となる。

0036

そこで、当該領域にてキャリアガスを採取し、ヘリウムの濃度を測定することにより、SUB1における漏洩の発生を正確に検出することができる。特に、大気供給管331の接続位置よりも上方側の位置にサンプリング管341を接続することにより、キャリアガスの上昇流内におけるヘリウム濃度の均一度合が向上する。この結果、漏洩の発生位置の相違に起因して、漏洩が発生したと判断されるしきい値にまで、採取されたキャリアガス中のヘリウム濃度が上昇したり、しなかったりする検出ムラの発生を抑制することができる。

0037

一方で、ヘリウムは大気よりも軽い気体であるため、検査容器3内のキャリアガスの流れ方向によらず、検査容器3内の上部側へと上昇する傾向がある。このとき、本例の検査容器3とは異なり、前記上部側に排気部である隙間流路301が形成されていないと、検査容器3の上部空間にヘリウムが滞留してしまう。そして、例えばキャリアガスの排出口を検査容器3の側壁面の大気供給管331の接続位置と同じ高さ位置に設け、この排出口から採取されたキャリアガス中のヘリウムの濃度を測定しても、検査容器3の上部に対流しているヘリウムが測定されないため、正確な漏洩検出を行うことができない。また、ヘリウムが滞留している領域が、キャリアガスの排出口が設けられている高さ位置に到達するまでに長い時間を要し、迅速な漏洩検出を行うことができない。

0038

これに対して本例の検査容器3は、キャリアガスの上昇流の下流端である検査容器3の上端部近傍位置に隙間流路301を形成しているので、キャリアガスの流れから外れた領域にヘリウムが滞留してしまうおそれが小さい。この結果、SUB1からの漏洩によりキャリアガス中に混入したヘリウム濃度を正しく測定し、迅速に漏洩の発生を検出することができる。

0039

ここで図2に示す例のように、検査容器3の側壁面の下部側の1箇所からキャリアガスの供給を行う場合には、当該キャリアガスが導入されている高さ位置では、上昇流の流速が不均一で流れの速い領域と、遅い領域とが形成されているおそれもある。しかし、既述のようにヘリウムは拡散速度が大きく、また検査容器3内を上昇していくので、流れ方向に沿って上昇流が発達し、均一な流れとなる過程で、ヘリウムが合流し、やがて流れ方向と交差する面内で均一なヘリウム濃度となる。従って、検査容器3内には、下部側から上部側へ亘って、前記流れ方向と交差する面内で流速が均一な上昇流が形成されていなくてもよい。言い替えると、キャリアガスの上昇流を利用する場合には、大気供給管331からキャリアガスを供給するだけの簡素な構造であっても、正確な漏洩検出を行うことができるといえる。

0040

以上に説明した検査容器3内におけるキャリアガスやSUB1から漏洩したヘリウムガスの挙動を利用し、検査容器3の上部側に接続されたサンプリング管341を介して流出したキャリアガス中のヘリウムガス濃度の変化の有無、例えば予め設定したしきい値を超える濃度が測定されたか否かにより、検査対象のSUB1からの漏洩の有無を検出することができる。
なお、漏洩の有無を検出するだけの場合には、ヘリウム検出器5にて測定されたヘリウムガス濃度の測定値まで知ることは必須ではないが、後述の実施例に示すように、当該測定値に基づいて、漏洩の原因となっているピンホールなどの大きさを概略で把握することもできる。

0041

サンプリング口343から採取したキャリアガスについて、予め設定した時間、ヘリウム検出器5を用いたヘリウム濃度の測定を行い、検査対象のSUB1における漏洩の有無を検査したら、キャリアガスの供給を停止し検査容器3からSUB1を取り出す。そして、SUB1に充填されているヘリウムガスを排出し、漏洩が検出されなかったSUB1について、内容物を充填することが可能なSUB1と判定する。

0042

本実施の形態に係るSUB1の漏洩検査によれば以下の効果がある。外部から区画された検査容器3内に、ヘリウムガスを充填したSUB1を配置し、SUB1の下部側から上部側へ向けてキャリアガスの上昇流を形成した後、大気供給管331からのキャリアガスの供給位置よりも上方側の位置にてキャリアガスを採取してヘリウム濃度の測定を行う。この結果、検査容器3内におけるヘリウムの滞留に起因するヘリウムの濃度測定誤差や検出遅れの発生を抑え、より正確、且つ迅速にSUB1の漏洩を検出することができる。

0043

次に、図3〜8を参照しながらSUB1の漏洩検査の他の実施形態について説明する。図3〜8において、図1、2を用いて説明したものと共通の構成要素には、これらの図に示したものと共通の符号を付してある。
図3〜8に示す実施の形態においては、SUB1を保持するコンテナ6上に検査対象のSUB1を載置し、当該コンテナ6を袋状容器である検査カバー3aにて覆うことにより検査室を構成している点が、独立した検査容器3にて検査室を構成した図2に係る実施の形態と異なる。また、SUB1へのヘリウムガスの充填や漏洩検査後のヘリウムの抜き出し、さらにはSUB1への内容物の充填についても検査カバー3a内にて実施する。

0044

本例においては、図3に示すように内容物が充填されていない状態のSUB1がコンテナ6内に配置された状態にて漏洩検査の準備を開始する。内容物を充填すると、直方体形状や円筒形状となる3DタイプのSUB1の場合、コンテナ6は、SUB1の底面を支持する底板部601と、SUB1を側方から支え側板部602とを備える。図示の便宜上、図3〜8には、各図の正面側の側板部602を取り外した状態を示してある。さらにコンテナ6は底板部601の下面側にキャスター61を設け、移動自在に構成してもよい。
また、本例のSUB1は、ヘリウムガスの充填が行われるガスチューブ111の末端部に無菌フィルター113が設けられている。

0045

次いで図4に示すように、袋状の検査カバー3aによってコンテナ6の上面及び側面を覆うと共に、ゴムバンドなどの締結具36を用い、検査カバー3aの下端部を締め付けてコンテナ6(側板部602)の下端部に対して密着させ、検査カバー3aの下部側の開口を閉じる。

0046

検査カバー3aは、樹脂製のシートなどによって構成されている。コンテナ6を検査カバー3aにて覆ったとき、側板部602の下部側に相当する位置には、検査カバー3a内にキャリアガスを供給するための大気供給管331が接続されている。また、側板部602の上部側に相当する位置には、検査カバー3a内を流れるキャリアガスを採取するためのサンプリング管341が接続されている。大気供給管331やサンプリング管341を接続する位置は、図2を用いて説明した検査容器3と同様の考え方に基づき設定されている。本例の検査カバー3aも、SUB1からのヘリウムガスの漏洩の検出に用いられる漏洩検査装置に相当する。

0047

さらに検査カバー3aの上面には、検査カバー3a内のキャリアガスを排気するための排気部である、例えば2つの排気口351が設けられている。これらに加え、検査カバー3aの上面には、ガスチューブ111の末端部(無菌フィルター113)を検査カバー3aから取り出すための開閉自在な伸縮孔部352が設けられている。

0048

検査カバー3aにより、コンテナ6を覆い、伸縮孔部352から無菌フィルター113を取り出したら、図5に示すように無菌フィルター113をヘリウムガス充填機構2側のフィルターコネクタ213と連結し、SUB1をコンテナ6内に配置した状態にてヘリウムガスの充填を行う。このとき、薬液用チューブ121はピンチコック101によって閉じられている。

0049

しかる後、SUB1にヘリウムガスを所定の充填圧力まで充填したら、サンプリングガス供給機構4と連結された大気供給管331から、検査カバー3a内に所定の流量でキャリアガスを供給する(図6)。図6に示す例では、ガスチューブ111がヘリウムガス充填機構2と接続された状態で検査カバー3a内へのキャリアガスの供給を行っているが、図2を用いて説明した例と同様に、ガスチューブ111をピンチコック101にて閉じ、ヘリウムガス充填機構2から切り離してもよい。

0050

検査カバー3aにキャリアガスを供給すると、内圧が上昇して検査カバー3aが膨らみ、キャリアガスが通流する空間が形成される。そして、大気供給管331から検査カバー3a内の下部側に供給されたキャリアガスは、検査カバー3aの上面に形成された排気口351へ向けて流れ、SUB1の下部側から上部側へ向けてキャリアガスの上昇流が形成される。

0051

キャリアガスの上昇流が形成されたら、サンプリング管341を介してキャリアガスを採取し、ヘリウムの濃度を測定することにより、SUB1における漏洩の発生を検出する点については図2を用いて説明した例と同様である。

0052

本例においては、漏洩検査の結果、SUB1の漏洩が検出されなかった場合には、図7に示すように検査カバー3a内にてそのまま内容物(本例では薬液)の充填を行う。例えば既述の排気口351を介し、薬液用チューブ121の無菌コネクタ122を薬液供給ライン71に接続し、薬液供給部72からSUB1に薬液を受け入れる。このとき、ガスチューブ111の接続先をヘリウム回収ライン81に切り替え、薬液の充填に伴ってSUB1から排出されるヘリウムガスをヘリウム回収部82に回収してもよい。ヘリウムガスの回収を行うことにより、検査カバー3a内への高濃度のヘリウムガスの流出が避けられるので、検査カバー3a内に残存するヘリウムによる次回の漏洩検査への影響を低減できる。
また、薬液などの内容物をヘリウムと接触させたくない場合には、SUB1内を、窒素ガスや大気などの他の気体と置換してヘリウムガスを回収した後、前記他の気体で満たされたSUB1内に内容物の充填を行ってもよい。

0053

ここで図7に示す例では、SUB1に対する内容物の充填を行っている期間中も検査カバー3a内にキャリアガスを供給し、SUB1の漏洩検査を継続している。このように、内容物の充填を完了する直前まで漏洩検査を実施することにより、漏洩検査の信頼性を向上させることができる。但し、内容物の充填期間中に漏洩検査を継続することは必須ではなく、薬液用チューブ121やガスチューブ111などの各種機器の取り扱いを容易にするため、検査カバー3a内へのキャリアガスの供給のみを継続して、ヘリウム濃度の測定は行わなくてもよい。また、内容物の充填期間中に、キャリアガスの供給を停止してもよいことは勿論である。

0054

この他、図7に示す例では、SUB1に対する内容物の充填を行いながら、並行して排出されるヘリウムガスの回収を行う場合について説明したが、これらの操作の実行順は、必要に応じて変更してよい。例えば、漏洩検査終了後、SUB1内のヘリウムガスを吸引排気して、SUB1を空の状態(図4に示す状態)とし、その後、内容物の充填を行ってもよい。

0055

以上の操作を終え、内容物の充填が完了したら、ガスチューブ111、薬液用チューブ121を薬液供給ライン71やヘリウム回収ライン81から取り外すと共にピンチコック101にてこれらのチューブ111、121を閉じる。そして、検査カバー3aを取り外し、所望のプロセスや貯蔵庫などへコンテナ6を搬送する。

0056

以上に説明した各実施の形態に係る漏洩検査において、検査容器3や検査カバー3aにサンプリング管341を設けることは必須ではない。例えば検査容器3の隙間流路301や検査カバー3aの排気口351にヘリウム検出器5のプローブ51を挿入してヘリウム濃度の測定を行ってもよい。

0057

また、検査カバー3aを用いる例において、SUB1が配置されたキャリア6を検査カバー3aにて覆うことにより検査室を構成することは必須の要件ではない。例えば、キャスターや側板部602を備えない載置台上にSUB1を配置し、これら載置台の上面側を検査カバー3aにて覆うことにより検査室を構成してもよいし、検査カバー3a内に、直接、SUB1を収容して検査室を構成してもよい。これらの場合、例えば載置台と検査カバー3aとの間や、検査カバー3aの下端部の内面同士を閉じるプラスチックチャックを設けて、検査カバー3aの下部側から外部へのキャリアガスの漏れを抑えるとよい。
さらには、漏洩検査にて検査することが可能な被検査容器は、SUB1に限定されるものではない。例えば、ゴム栓(可撓部)で閉じられたバイアルの漏洩検査に適用することもできる。

0058

(実験1)
ヘリウムガスの充填圧力の違いに対するヘリウム漏洩濃度への影響を調べた。
A.実験条件
図3に示す容量約100リットルの検査容器3に、ヘリウムガス(濃度100体積%)の充填圧力を変化させたSUB1(容積約10リットル)を配置し、1.5リットル/分のキャリアガスを供給して、検査容器3から採取したキャリアガス中のヘリウム濃度(大気中のヘリウム濃度5体積ppmからの増加量)の経時変化を測定した。なお、SUB1にピンホールなどの開口はなく、ヘリウム濃度の変化は、樹脂シートからの透過やピンチコック101にて閉じた各チューブ111、121からの漏洩によるものと考えられる。
(実施例1−1)SUB1におけるヘリウムガスの充填圧力を2kPaGとした。
(実施例1−2)SUB1におけるヘリウムガスの充填圧力を5kPaGとした。
(実施例1−3)SUB1におけるヘリウムガスの充填圧力を10kPaGとした。

0059

B.実験結果
実施例1−1〜1−3の実験結果を図9に示す。図9横軸は測定時間[分]を示し、縦軸は大気中のヘリウム濃度に対するヘリウム濃度測定値の増加量(「ヘリウム漏洩濃度」ともいう)[体積ppm]を示している。実施例1−1は、白抜きのひし形、実施例1−2は白抜きの四角、実施例1−3は白抜きの三角にてプロットしてある。

0060

図9に示す結果によれば、実施例1−1〜1−3のいずれにおいても6分程度でヘリウム濃度が一定となっている。既述のようにこれらの実施例はピンホールなどの開口がない場合にキャリアガス中に混入するヘリウムの濃度変化なので、開口が存在する場合にはヘリウム濃度はさらに高くなる。従って、充填圧力が2kPaG程度であってもヘリウム濃度の測定が可能であり、SUB1の漏洩検出を十分に実施することができる。

0061

(実験2)
ピンホールの開口数の違いに対するヘリウム漏洩濃度への影響を調べた。
A.実験条件
SUB1に対して針でピンホールを開け、実験1の実施例1−3と同様の実験条件でヘリウム濃度の経時変化を測定した。
(実施例2−1)SUB1に対して直径50μmのピンホールを1つ開けた。
(実施例2−2)SUB1に対して直径50μmのピンホールを2つ開けた。
(実施例2−3)SUB1に対して直径50μmのピンホールを3つ開けた。

0062

B.実験結果
実施例2−1〜2−3の実験結果を図10に示す。図10の横軸、及び縦軸は図9と同様である。実施例2−1は、白抜きの丸、実施例2−2は白抜きの四角、実施例2−3は白抜きの三角にてプロットしてある。また参考として、実施例1−3におけるヘリウム漏洩濃度の変化をバツ印でプロットした。

0063

図10に示す結果によれば、実施例2−1〜2−3のいずれにおいても、ピンホールのない実施例1−3と比較して、ヘリウム漏洩濃度が高くなっている。従って、当該方法により、SUB1の漏洩検出が可能であることが確認された。また、ピンホールの数が増えるに連れて、実施例2−1→実施例2−2→実施例2−3の順にヘリウム漏洩濃度が高くなっていることも分かる。従って、当該手法によりピンホールなどの開口の大きさを把握することもできる。この結果、SUB1における開口の大きさと、キャリアガス中に漏洩したヘリウムの測定濃度との比例関係を利用し、差圧法などでは検出困難であった小径領域(例えば20μm以下)まで開口の検出範囲を広げることも可能である。

0064

(実験3)
SUB1を収容した状態における検査容器3内の残りの空間の容積V[リットル]に対するキャリアガスの供給流量F[リットル/分]の比(F/V[vvm])を変化させて、ヘリウム測定濃度への影響を調べた。
A.実験条件
開口のないSUB1に2kPaGの充填圧力でヘリウムガスを充填し、キャリアガスの流量を変化させてF/Vの値を変化させ、ヘリウム濃度の経時変化を測定した。
(参考例3−1)キャリアガス流量を1.0リットル/分に設定して、F/V=0.012vvmとした。
(実施例3−2)キャリアガス流量を1.5リットル/分に設定して、F/V=0.018vvmとした。
(実施例3−3)キャリアガス流量を2.0リットル/分に設定して、F/V=0.024vvmとした。

0065

B.実験結果
参考例3−1、実施例3−2〜3−3の実験結果を図11に示す。図11の横軸、及び縦軸は図9と同様である。参考例3−1は、白抜きの丸、実施例3−2は白抜きの四角、実施例3−3は白抜きの三角にてプロットしてある。

実施例

0066

図11に示す結果によれば、実施例3−2、3−3においては、キャリアガスの供給を開始してから5分程度でヘリウム漏洩濃度の変化が一定となっている。一方、参考例3−1においては、キャリアガスの供給を開始してから20分程度までヘリウム漏洩濃度の上昇が続いている。これは、F/Vの値が低いと、検査容器3内にて、キャリアガスによるヘリウムの希釈比が一定となるまでに比較的長い時間が必要となるからではないかと考えられる。但し、参考例3−1においてもさらに長い時間をかけてヘリウム漏洩濃度を測定すれば、ヘリウム漏洩濃度は一定となると考えられる。また、開口の大きさの判別を行わず、内容物が漏洩する可能性のある開口の有無を検出するだけの場合には、ヘリウム漏洩濃度が一定となるタイミングを待つ必要はないので、参考例3−1の条件下でも漏洩検出を行うことが可能なことは勿論である。

0067

1SUB(シングルユースバッグ)
2ヘリウムガス充填機構
3検査容器
301隙間流路
3a検査カバー
331大気供給管
341サンプリング管
351排気口
4サンプリングガス供給機構
5ヘリウム検出器
6 コンテナ

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