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図面 (7)

課題

蛍光強度の大きい蛍光体YPO4:Biを合成する。

解決手段

Bi(ビスマス)を固相反応によってYPO4(リン酸イットリウム)にドープさせた蛍光体YPO4:Biを合成する。混合プロセス(工程)において、混合後のBi濃度が0.5mol%以上2.0mol%以下となるように原材料紛体を混合する。そして焼成プロセスでは、1400℃以上1700℃以下である大気雰囲気下で所定時間焼成する。

概要

背景

波長200nm〜280nmの範囲の紫外光紫外線)を放射発光)するUV−C蛍光体の1つとして、リン酸イットリウム(YPO4)にビスマス(Bi)をドープさせた蛍光体YPO4:Biが知られている。蛍光体YPO4:Biに波長160nm〜190nmの励起光照射すると、240nm付近ピーク波長をもつ紫外光が放射される。波長250〜260nm付近の紫外光が殺菌作用に最も効果的であるため、例えば、エキシマランプなどの放電管内面に蛍光体YPO4:Biをコーティングすることによって、殺菌効果の優れた放電ランプを提供することができる。

殺菌効果を高めることを目的としたYPO4:Biの製造方法(以下、合成方法ともいう)として、フラックスを利用した液相法が知られている(特許文献1参照)。そこでは、水ベースの懸濁液に対し、YPO4:Biの原材料となる塩基性リン酸(H3PO4)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化スカンジウム(Sc2O3)が加えられ、フラックスとしてフッ化リチウム(LiF)を用いて合成する。

この合成方法による蛍光体YPO4:Biでは、陽イオンSc+3をYPO4に加えることによってスペクトル帯域長波長側において拡がることになり、殺菌効果のスペクトル分布曲線(GAC)に沿ったスペクトル特性をもつことができる。

概要

蛍光強度の大きい蛍光体YPO4:Biを合成する。Bi(ビスマス)を固相反応によってYPO4(リン酸イットリウム)にドープさせた蛍光体YPO4:Biを合成する。混合プロセス(工程)において、混合後のBi濃度が0.5mol%以上2.0mol%以下となるように原材料紛体を混合する。そして焼成プロセスでは、1400℃以上1700℃以下である大気雰囲気下で所定時間焼成する。A

目的

波長250〜260nm付近の紫外光が殺菌作用に最も効果的であるため、例えば、エキシマランプなどの放電管内面に蛍光体YPO4:Biをコーティングすることによって、殺菌効果の優れた放電ランプを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

YPO4:Biの原材料紛体を混合し、混合紛体を焼成してYPO4:Biを合成する蛍光体の製造方法であって、混合プロセスにおいて、混合後のBi濃度が0.5mol%以上2.0mol%以下となるように混合し、焼成プロセスにおいて、1400℃以上1700℃以下である大気雰囲気下で所定時間焼成することを特徴とする蛍光体の製造方法。

請求項2

焼成プロセスにおいて、1500℃以上1600℃以下である大気雰囲気下で焼成することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。

請求項3

混合プロセスにおいて、混合後のBi濃度が0.5mol%以上1.0mol%以下となるように混合することを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の製造方法。

請求項4

前記YPO4:Biの原材料紛体が、アンモニアリン酸塩から成る紛体を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の蛍光体の製造方法。

請求項5

前記YPO4:Biの原材料紛体が、Y2O3あるいはY2(CO3)3・nH2Oを含む紛体と、NH4H2PO4あるいは(NH4)2HPO4を含む紛体と、Bi2O3あるいはBi(OH)3を含む紛体とから成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の蛍光体の製造方法。

請求項6

波長172nmを含む狭帯域紫外光放射するように、放電管内希ガス封入する工程と、請求項1乃至5のいずれかに記載された蛍光体の製造方法によって製造された蛍光体を、放電管表面にコーティングする工程とを含むことを特徴とするエキシマランプの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、紫外線放射する蛍光体の製造方法に関する。

背景技術

0002

波長200nm〜280nmの範囲の紫外光(紫外線)を放射(発光)するUV−C蛍光体の1つとして、リン酸イットリウム(YPO4)にビスマス(Bi)をドープさせた蛍光体YPO4:Biが知られている。蛍光体YPO4:Biに波長160nm〜190nmの励起光照射すると、240nm付近ピーク波長をもつ紫外光が放射される。波長250〜260nm付近の紫外光が殺菌作用に最も効果的であるため、例えば、エキシマランプなどの放電管内面に蛍光体YPO4:Biをコーティングすることによって、殺菌効果の優れた放電ランプを提供することができる。

0003

殺菌効果を高めることを目的としたYPO4:Biの製造方法(以下、合成方法ともいう)として、フラックスを利用した液相法が知られている(特許文献1参照)。そこでは、水ベースの懸濁液に対し、YPO4:Biの原材料となる塩基性リン酸(H3PO4)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化スカンジウム(Sc2O3)が加えられ、フラックスとしてフッ化リチウム(LiF)を用いて合成する。

0004

この合成方法による蛍光体YPO4:Biでは、陽イオンSc+3をYPO4に加えることによってスペクトル帯域長波長側において拡がることになり、殺菌効果のスペクトル分布曲線(GAC)に沿ったスペクトル特性をもつことができる。

先行技術

0005

特表2008−536282号公報

発明が解決しようとする課題

0006

特許文献1の液相法による蛍光体YPO4:Biの合成手法では、十分な蛍光強度発光強度)を得ることができない。

課題を解決するための手段

0007

本発明の蛍光体の製造方法(合成方法)は、従来よりも優れた蛍光強度をもつ蛍光体を得ることができる製造方法であって、出願人が新たに見出した。

0008

それは、Bi(ビスマス)を固相反応によってYPO4(リン酸イットリウム)にドープさせた蛍光体YPO4:Biの合成方法であり、そこでは、YPO4:Biの原材料紛体を混合し、混合紛体を焼成してYPO4:Biを合成する。

0009

本発明では、混合プロセス(工程)において、混合後のBi濃度(mol%)が0.5mol%以上2.0mol%以下となるように原材料紛体を混合する。さらに焼成プロセスでは、1400℃以上1700℃以下である大気雰囲気下で所定時間焼成する。

0010

原材料紛体には、蛍光体YPO4:Biの合成に用いることが可能な様々な紛体材料によって構成することが可能であり、リン化合物から成る(あるいはリン化合物を含む)紛体と、イットリウム化合物から成る(あるいはリン化合物を含む)紛体と、ビスマス化合物から成る(あるいはビスマス化合物を含む)紛体とからなる原材料紛体を混合すればよい。

0011

従来の蛍光体の合成方法では、焼成温度をおよそ800℃〜1000℃の範囲に設定することを前提としていた。これは、焼成温度を1000℃より遥かに高くすると、蛍光体の形態変化によって形態維持が困難になると考えられていたからである。しなしながら本発明では、固相法において、混合紛体のBi濃度が0.5mol%以上2.0mol%以下という条件において焼成温度を1400℃以上1700℃以下の範囲にすることで、従来よりも優れた蛍光強度をもつ蛍光体を得ることを明らかにした。

0012

このようなBi濃度、焼成温度範囲になるのは、以下のように推測される。すなわち、Bi濃度が2.0mol%よりも大きいと、非輻射遷移および波長300nm〜400nmにおける広帯域の光の強度割合が増加する一方、0.5mol%より小さいとBi混合の効果が得にくいためと考えられる。また、上記Bi濃度を条件として焼成温度が1400℃よりも低いと混合紛体における固相反応が不十分である一方、1700℃よりも高いと結晶性が悪くなって発光が弱くなるためと考えられる。

0013

特に、焼成プロセスでは、1500℃以上1600℃以下の大気雰囲気下で焼成することが望ましい。より好ましくは、1600℃付近がよい。一方、混合プロセスでは、混合紛体におけるBi濃度が0.5mol%以上1.0mol%以下の範囲になるように混合するのが望ましい。より好ましくは、1.0mol%付近の濃度にするのがよい。なお、焼成時間は、紛体の総量、焼成に用いる機器器具の性能などによって定めればよい。

0014

YPO4:Biの原材料紛体としては、リン化合物から成る紛体の場合、アンモニアリン酸塩リン酸水素塩)から成る紛体を用いることが可能である。例えば、NH4H2PO4(リン酸二水素アンモニウム)、あるいは(NH4)2HPO4(リン酸水素二アンモニウム)から成る(あるいは含む)紛体を適用することが可能である。また、イットリウム化合物から成る(あるいは含む)紛体の場合、Y2O3(酸化イットリウム)、あるいはY2(CO3)3・nH2O(炭酸イットリウム水和物)から成る(あるいは含む)紛体を適用可能であり、ビスマス化合物から成る(あるいは含む)紛体の場合、Bi2O3(酸化ビスマス)、あるいはBi(OH)3(水酸化ビスマス)から成る(あるいは含む)紛体を適用すればよい。

0015

このような合成方法によって製造される蛍光体YPO4:Biは、リン酸イットリウム鉱型の結晶構造を形成している。そして、波長172nmの励起光によって241nm付近のピーク波長をもつ狭帯域の紫外光を発光する一方、230nm〜260nm以外の波長域においてほとんど発光しない。これは、230nm以下の波長域の光がオゾンを生成することを考慮すると、オゾン分解用の光源として適していることが明らかであり、放電ランプ、特に、殺菌処理などに使用されるエキシマランプに適用することができる。

0016

本発明の一態様であるエキシマランプの製造方法は、波長172nmを含む狭帯域の紫外光を放射するように、放電管内に希ガス(例えば、Xeを含む)を封入する工程と、上記蛍光体の製造方法によって製造された蛍光体を、放電管表面にコーティングする工程とを含む。放電管、封止管の製造工程などは、従来周知の工程に従って行えばよい。

発明の効果

0017

本発明によれば、従来よりも蛍光強度の大きい蛍光体YPO4:Biを得ることができる。

図面の簡単な説明

0018

異なるBi濃度で合成した蛍光体YPO4:Biの発光強度のグラフ横軸波長)を示した図である。
異なるBi濃度で合成した蛍光体YPO4:Biの発光強度のグラフ(横軸Bi濃度)を示した図である。
焼成温度を変化させて合成した蛍光体YPO4:Biの発光強度のグラフ(横軸波長)を示した図である。
焼成温度を変化させて合成した蛍光体YPO4:Biの発光強度のグラフ(横軸温度)を示した図である。
固相法と液相法でそれぞれ合成した蛍光体YPO4:Biそれぞれの発光強度のグラフ(横軸波長)を示した図である。
固相法と液相法でそれぞれ合成した蛍光体YPO4:Biそれぞれの発光強度のグラフ(横軸温度)を示した図である。

0019

以下、本発明の実施例について説明する。

0020

本実施例の蛍光体YPO4:Biは、リン酸イットリウム鉱型の結晶構造を形成し、以下の手法によって製造される。

0021

Y2O3(純度99.9%、高純度化学研究所製)、 NH4H2PO4(純度純度 99.9%、関東化学製)、 Bi2O3(純度純度 99.9%、高純度化学研究所製)を、 Bi濃度が0.5mol%〜2.0mol%の範囲の割合となるように混合する。メノウ乳鉢を用いて混合粉砕し、アルミナるつぼ充填してアルミナ蓋を被せる。そして、箱型電気炉セッティングし、大気雰囲気下において1400℃〜1700℃の範囲で数時間(ここでは3時間)焼成し、蛍光体YPO4:Biを合成する。

0022

合成した蛍光体YPO4:Biに波長172nmの励起光を照射すると、241nm付近をピーク波長とする狭帯域の紫外光が従来よりも高い発光強度で得られる。本実施例の蛍光体YPO4:Biが従来の蛍光体YPO4:Biよりも優れた発光強度をもつことを調べるため、実験を行った。

0023

最初に、Bi濃度を本実施例の範囲(0.5mol%〜2.0mol%)を広げて0.5〜10.0mol%の範囲で変化させた蛍光体の発光強度を計測した。次に、焼成温度を本実施例の範囲(1400℃〜1700℃)を広げて1000℃〜1700℃の範囲で変えた蛍光体の発光強度を計測した。そして、上記特許文献1に記載された合成方法によって得られる蛍光体YPO4:Biの発光強度と本実施例の蛍光体YPO4:Biの発光強度とを比較した。以下、図を用いて説明する。

0024

<実験1>
実験1では、Bi濃度を0.5〜10mol%の範囲となるように原材料紛体を混合し、各Bi濃度での発光強度を計測した。焼成温度は1600℃に設定した。また、励起光の光源には、ピーク波長(172nm)のXeエキシマランプを用いた。

0025

図1A、1Bは、異なるBi濃度で合成した蛍光体YPO4:Biの発光強度のグラフを示した図である。図1Aでは、横軸が波長(nm)、縦軸が発光強度(任意単位(arbitrary unit) 以下、(a.u.)と称す)を表し、各Bi濃度におけるスペクトル特性を示している。一方、図1Bでは、横軸がBi濃度(mol%)を表す。

0026

図1A、1Bに示すように、Bi濃度が0.5〜2.0mol%の範囲において発光強度が0.015(a.u.)以上となる(ラインS1〜S3参照)。なお、相対的な発光強度において、0.015は測定器に依存した値である。発光強度の値自体は測定器、測定手法などによって変わるが、Bi濃度の違いによる発光強度の相対的な差(比)は同じように生じる。

0027

<実験2>
実験2では、Bi濃度を1.0mol%と定め、燃焼温度を1000℃〜1700℃の範囲で変えて焼成し、そのときの発光強度を計測した。それ以外の実験条件については、実験1と同じである。

0028

図2A、2Bは、焼成温度を変化させて合成した蛍光体YPO4:Biの発光強度のグラフを示した図である。図2Aでは、横軸が波長(nm)、縦軸が発光強度(a.u.)を表し、各焼成温度におけるスペクトル特性を示している。一方、図2Bでは、横軸が焼成温度(℃)を表す。

0029

図2A、2Bに示すように、焼成温度が1400℃〜1700℃の範囲において発光強度が0.015(a.u.)以上となる(ラインL4〜L7参照)。なお、焼成温度1000℃では発光しないことが明らかになった。これは、従来当業者が想定していた焼成温度では本発明の蛍光体YPO4:Biを合成できないことを示している。

0030

<実験3>
実験3では、特許文献1に記載された液相法(段落[0062]等参照)によって蛍光体YPO4:Biを合成するとともに、本実施例の合成手法に基づいて焼成温度1000℃、1600℃で合成し、発光強度を互いに比較した。ただし、本実施例(固相法)のBi濃度は1.0mol%としている。

0031

比較例である蛍光体YPO4:Biは、先行技術文献1に記載されている液相法によって合成した。具体的には、Bi重量濃度(wt%)が1.0、3.0、5.0となるように、Y2O3、Sc2O3、Bi2O3を水ベースの懸濁液に加えた後にH3PO4を加え、室温で24時間撹拌した。その後、溶媒回転式蒸発器によって除去して乾燥させた後、粉末乳鉢中で挽きながらフラックスとしてLiFを加えた。そして、800℃、1000℃で加熱した。なお、Bi重量濃度1.0(wt%)は、概ね、Bi濃度(mol%)の0.5〜1.0の範囲に相当すると考えられる。

0032

図3A、3Bは、固相法と液相法でそれぞれ合成した蛍光体YPO4:Biそれぞれの発光強度のグラフを示した図である。図3Aでは、横軸が波長(nm)、縦軸が発光強度(a.u.)を表す。図3Bでは、各合成手法における発光強度(a.u.)を示している。

0033

図3A、3Bで示すように、焼成温度1600℃で合成した場合のみ、0.015(a.u.)以上の発光強度が得られた。これは、図1A、1B、図2A、2Bに示す実験結果を踏まえると、従来の合成方法で得られた蛍光体YPO4:Biよりも優れた発光強度をもつ蛍光体YPO4:Biが、固相法において、Bi濃度0.5mol%以上2.0mol%以下、焼成温度1400℃以上1700℃以下の範囲で合成することにより得られることを示している。

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