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技術 樹脂組成物およびそれを用いた光学補償フィルム

出願人 東ソー株式会社
発明者 北川貴裕伊藤正泰小峯拓也豊増信之
出願日 2016年3月14日 (4年1ヶ月経過) 出願番号 2016-049260
公開日 2017年9月21日 (2年7ヶ月経過) 公開番号 2017-165794
状態 未査定
技術分野 偏光要素 液晶4(光学部材との組合せ) 高分子成形体の製造 高分子組成物 付加系(共)重合体、後処理、化学変成
主要キーワード 核磁気共鳴測定装置 フィルム面外 メトキシケイ皮酸エチル フマル酸ジエステル残基単位 フマル酸ジイソプロピル 他ポリマー 試料傾斜 位相差性能
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この項目の情報は公開日時点(2017年9月21日)のものです。
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課題

位相差特性に優れた樹脂組成物およびそれを用いた光学補償フィルムの提供。

解決手段

セルロース系樹脂30〜85重量%、フマル酸エステルケイ皮酸エステル共重合樹脂5〜65重量%、並びに式(1)及び/又は式(2)で表されるリン系化合物1〜20重量%を含有する樹脂組成物。

概要

背景

液晶ディスプレイは、マルチメディア社会における最も重要な表示デバイスとして、携帯電話コンピューターモニターノートパソコンテレビまで幅広く使用されている。液晶ディスプレイには表示特性向上のため多くの光学フィルムが用いられている。特に光学補償フィルムは、正面や斜めから見た場合のコントラスト向上、色調の補償など大きな役割を果たしている。

液晶ディスプレイには、垂直配向型(VA−LCD)、面内配向型液晶(IPS−LCD)、スーパーツイストネマチック型液晶(STN−LCD)、反射型液晶ディスプレイ半透過型液晶ディスプレイなどの多くの方式が有り、ディスプレイにあわせた光学補償フィルムが必要となっている。

従来の光学補償フィルムとしては、セルロース系樹脂ポリカーボネート環状ポリオレフィンなどの延伸フィルムが用いられている。特にトリアセチルセルロースフィルムなどのセルロース系樹脂からなるフィルムは、偏光子であるポリビニルアルコールとの接着性も良好なことから幅広く使用されている。

しかしながら、セルロース系樹脂からなる光学補償フィルムはいくつかの課題がある。例えば、セルロース系樹脂フィルム延伸条件を調整することで各種ディスプレイにあわせた位相差値を持つ光学補償フィルムに加工されるが、セルロース系樹脂フィルムの一軸または二軸延伸により得られるフィルムの3次元屈折率は、nx≧ny>nzであり、それ以外の3次元屈折率、例えば、nx>nz>nyや、nx=nz>nyなどの3次元屈折率を有する光学補償フィルムを製造するためには、フィルムの片面または両面に熱収縮性フィルム接着し、その積層体加熱延伸処理して、高分子フィルムの厚み方向に収縮力をかけるなど特殊な延伸方法が必要であり、屈折率(位相差値)の制御も困難である(例えば、特許文献1〜3参照)。

ここで、nxはフィルム面内延伸軸方向の屈折率を示し、nyはフィルム面内の延伸軸に直交する方向の屈折率を示し、nzはフィルム面外(厚み方向)の屈折率を示す。

また、セルロース系樹脂フィルムは一般に溶剤キャスト法により製造されるが、キャスト法により成膜したセルロース系樹脂フィルムはフィルム厚み方向に40nm程度の面外位相差(Rth)を有するため、IPSモードの液晶ディスプレイなどではカラーシフトが起こるなどの問題がある。ここで、面外位相差(Rth)は以下の式で示される位相差値である。

Rth=[(nx+ny)/2−nz]×d
(式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nyはフィルム面内の延伸軸に直交する方向の屈折率、nzはフィルム面外(厚み方向)の屈折率を示し、dはフィルム厚みを示す。)
また、フマル酸エステル系樹脂からなる位相差フィルムが提案されている(例えば、特許文献4参照)。

しかしながら、フマル酸エステル系樹脂からなる延伸フィルムの3次元屈折率は、nz>ny>nxであり、nx>nz>nyや、nx=nz>nyなどの3次元屈折率を示す光学補償フィルムを得るためには他の光学補償フィルム等との積層などが必要である。

そこで、上記3次元屈折率を示す光学補償フィルムとして、樹脂組成物およびそれを用いた光学補償フィルムが提案されている(例えば、特許文献5〜特許文献7参照)。

特許文献5〜特許文献7は上記3次元屈折率を示すものの、上記3次元屈折率を示し、かつ、位相差発現が大きくより薄膜な光学補償フィルムが求められている。

概要

位相差特性に優れた樹脂組成物およびそれを用いた光学補償フィルムの提供。セルロース系樹脂30〜85重量%、フマル酸エステルケイ皮酸エステル共重合樹脂5〜65重量%、並びに式(1)及び/又は式(2)で表されるリン系化合物1〜20重量%を含有する樹脂組成物。なし

目的

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、位相差特性に優れた樹脂組成物およびそれを用いた光学補償フィルムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

セルロース系樹脂30〜85重量%、フマル酸エステル残基単位およびケイ皮酸エステル残基単位を含むフマル酸エステル−ケイ皮酸エステル共重合樹脂5〜65重量%、ならびに下記一般式(1)で示されるリン系化合物および/または下記一般式(2)で示されるリン系化合物1〜20重量%を含有する樹脂組成物。(式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素アルキル基フェニル基、またはクミル基を示す。)(式中、R4、R5、R6はそれぞれ独立して水素、またはアルキル基を示す。)

請求項2

セルロース系樹脂が、下記一般式(3)で示され、置換度が1.5〜3.0であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。(式中、R7、R8、R9はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜10の置換基を示す。)

請求項3

セルロース系樹脂が、メチルセルロースエチルセルローストリアセチルセルロースセルロースアセテートセルロースアセテートブチレートセルロースアセテートプロピオネートからなる群より選択されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物。

請求項4

フマル酸エステル−ケイ皮酸エステル共重合樹脂が、下記一般式(4)で示されるフマル酸ジエステル残基単位1〜65モル%、下記一般式(5)で示されるフマル酸モノエステル残基単位1〜30モル%および下記一般式(6)で示されるケイ皮酸エステル残基単位98〜5モル%を含むフマル酸エステル−ケイ皮酸エステル共重合体であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載の樹脂組成物。(式中、R10、R11はそれぞれ独立して炭素数1〜12のアルキル基を示す。)(式中、R12は炭素数1〜12のアルキル基を示す。)(式中、R13、R14はそれぞれ独立して炭素数1〜12のアルキル基を示す。)

請求項5

フマル酸ジエステル残基単位が、フマル酸ジエチル残基単位、フマル酸ジイソプロピル残基単位フマル酸ジ−t−ブチル残基単位からなる群より選ばれることを特徴とする請求項4に記載の樹脂組成物。

請求項6

フマル酸モノエステル残基単位が、フマル酸モノエチル残基単位、フマル酸モノイソプロピル残基単位、フマル酸モノ−n−プロピル残基単位、フマル酸モノ−n−ブチル残基単位、フマル酸モノ−2−エチルヘキシル残基単位からなる群より選ばれることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の樹脂組成物。

請求項7

ケイ皮酸エステル残基単位が、4−メトキシケイ皮酸メチル残基単位、4−メトキシケイ皮酸エチル残基単位、4−メトキシケイ皮酸n−プロピル残基単位、4−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル残基単位からなる群より選ばれることを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれかの項に記載の樹脂組成物。

請求項8

請求項1〜請求項7のいずれかの項に記載の樹脂組成物を用いたことを特徴とする光学補償フィルム

請求項9

下記式(a)で示される面内位相差(Re)が50〜300nmで、下記式(b)で示されるNz係数が0.35<Nz<0.65であることを特徴とする請求項8に記載の光学補償フィルム。Re=(nx−ny)×d(a)Nz=(nx−nz)/(nx−ny)(b)

請求項10

589nmにおけるレタ−デ−ションフィルム膜厚の比Re(589)(nm)/フィルム膜厚(μm)が4.0nm/μm以上であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の光学補償フィルム。

請求項11

樹脂組成物を溶剤に溶解し、得られた樹脂溶液基材キャストし、乾燥後、基材より剥離して得られることを特徴とする請求項8〜請求項10のいずれかの項に記載の光学補償フィルムの製造方法。

請求項12

キャストして得られた厚み10〜200μmのフィルムを少なくとも一軸以上で延伸させることを特徴とする請求項11に記載の光学補償フィルムの製造方法。

請求項13

キャストして得られた厚み10〜200μmのフィルムを1.05倍〜3.5倍で一軸延伸させることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の光学補償フィルムの製造方法。

請求項14

キャストして得られた厚み10〜200μmのフィルムを長さ方向に1.05〜3.5倍、幅方向に1.0〜1.2倍でアンバランス二軸延伸させることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の光学補償フィルムの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、樹脂組成物およびそれを用いた光学補償フィルムに関するものであり、より詳しくは、位相差特性に優れた液晶ディスプレイ用に好適な樹脂組成物、およびそれを用いた光学補償フィルムに関する。

背景技術

0002

液晶ディスプレイは、マルチメディア社会における最も重要な表示デバイスとして、携帯電話コンピューターモニターノートパソコンテレビまで幅広く使用されている。液晶ディスプレイには表示特性向上のため多くの光学フィルムが用いられている。特に光学補償フィルムは、正面や斜めから見た場合のコントラスト向上、色調の補償など大きな役割を果たしている。

0003

液晶ディスプレイには、垂直配向型(VA−LCD)、面内配向型液晶(IPS−LCD)、スーパーツイストネマチック型液晶(STN−LCD)、反射型液晶ディスプレイ半透過型液晶ディスプレイなどの多くの方式が有り、ディスプレイにあわせた光学補償フィルムが必要となっている。

0004

従来の光学補償フィルムとしては、セルロース系樹脂ポリカーボネート環状ポリオレフィンなどの延伸フィルムが用いられている。特にトリアセチルセルロースフィルムなどのセルロース系樹脂からなるフィルムは、偏光子であるポリビニルアルコールとの接着性も良好なことから幅広く使用されている。

0005

しかしながら、セルロース系樹脂からなる光学補償フィルムはいくつかの課題がある。例えば、セルロース系樹脂フィルム延伸条件を調整することで各種ディスプレイにあわせた位相差値を持つ光学補償フィルムに加工されるが、セルロース系樹脂フィルムの一軸または二軸延伸により得られるフィルムの3次元屈折率は、nx≧ny>nzであり、それ以外の3次元屈折率、例えば、nx>nz>nyや、nx=nz>nyなどの3次元屈折率を有する光学補償フィルムを製造するためには、フィルムの片面または両面に熱収縮性フィルム接着し、その積層体加熱延伸処理して、高分子フィルムの厚み方向に収縮力をかけるなど特殊な延伸方法が必要であり、屈折率(位相差値)の制御も困難である(例えば、特許文献1〜3参照)。

0006

ここで、nxはフィルム面内延伸軸方向の屈折率を示し、nyはフィルム面内の延伸軸に直交する方向の屈折率を示し、nzはフィルム面外(厚み方向)の屈折率を示す。

0007

また、セルロース系樹脂フィルムは一般に溶剤キャスト法により製造されるが、キャスト法により成膜したセルロース系樹脂フィルムはフィルム厚み方向に40nm程度の面外位相差(Rth)を有するため、IPSモードの液晶ディスプレイなどではカラーシフトが起こるなどの問題がある。ここで、面外位相差(Rth)は以下の式で示される位相差値である。

0008

Rth=[(nx+ny)/2−nz]×d
(式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nyはフィルム面内の延伸軸に直交する方向の屈折率、nzはフィルム面外(厚み方向)の屈折率を示し、dはフィルム厚みを示す。)
また、フマル酸エステル系樹脂からなる位相差フィルムが提案されている(例えば、特許文献4参照)。

0009

しかしながら、フマル酸エステル系樹脂からなる延伸フィルムの3次元屈折率は、nz>ny>nxであり、nx>nz>nyや、nx=nz>nyなどの3次元屈折率を示す光学補償フィルムを得るためには他の光学補償フィルム等との積層などが必要である。

0010

そこで、上記3次元屈折率を示す光学補償フィルムとして、樹脂組成物およびそれを用いた光学補償フィルムが提案されている(例えば、特許文献5〜特許文献7参照)。

0011

特許文献5〜特許文献7は上記3次元屈折率を示すものの、上記3次元屈折率を示し、かつ、位相差発現が大きくより薄膜な光学補償フィルムが求められている。

先行技術

0012

特許2818983号公報
特開平5−297223号公報
特開平5−323120号公報
特開2008−64817号公報
特開2013−28741号公報
特開2014−125609号公報
特開2014−125610号公報

発明が解決しようとする課題

0013

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、位相差特性に優れた樹脂組成物およびそれを用いた光学補償フィルムを提供することにある。

課題を解決するための手段

0014

本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の樹脂組成物を用いた光学補償フィルムが、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。

0015

すなわち、本発明は、セルロース系樹脂30〜85重量%、フマル酸エステル残基単位およびケイ皮酸エステル残基単位を含むフマル酸エステル−ケイ皮酸エステル共重合樹脂5〜65重量%、ならびに下記一般式(1)で示されるリン系化合物および/または下記一般式(2)で示されるリン系化合物1〜20重量%を含有する樹脂組成物、ならびにそれを用いた光学補償フィルムである。

0016

0017

(式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素アルキル基フェニル基、またはクミル基を示す。)

0018

0019

(式中、R4、R5、R6はそれぞれ独立して水素、またはアルキル基を示す。)
以下、本発明について詳細に説明する。

0020

本発明の樹脂組成物は、セルロース系樹脂30〜85重量%、フマル酸エステル残基単位およびケイ皮酸エステル残基単位を含むフマル酸エステル−ケイ皮酸エステル共重合樹脂5〜65重量%、ならびに下記一般式(1)で示されるリン系化合物および/または下記一般式(2)で示されるリン系化合物1〜20重量%を含有する。

0021

0022

(式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素、アルキル基、フェニル基、またはクミル基を示す。)

0023

0024

(式中、R4、R5、R6はそれぞれ独立して水素、またはアルキル基を示す。)
本発明の樹脂組成物はセルロース系樹脂とフマル酸エステル残基単位およびケイ皮酸エステル残基単位を含むフマル酸エステル−ケイ皮酸エステル共重合樹脂とを含有することにより、光学補償フィルムとして用いる際に該光学補償フィルムがnx>nz>nyや、nx=nz>nyなどの3次元屈折率を示すものである。

0025

本発明において、セルロース系樹脂としては特に制限はないが、光学補償フィルムとした際にフマル酸エステル−ケイ皮酸エステル共重合樹脂との相溶性により優れ、かつ面内位相差Reが大きく、更に延伸加工性に優れるものとなることから、下記一般式(3)で示されるセルロース系樹脂であることが好ましい。

0026

0027

(式中、R7、R8、R9はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜10の置換基を示す。)
ここで、一般式(3)で示されるセルロース系樹脂は、β−グルコース単位が直鎖状重合した高分子であり、グルコース単位の2位、3位および6位の水酸基の一部または全部を置換したポリマーである。

0028

一般式(3)で示されるセルロース系樹脂は、溶解性、相溶性の点から、水素または炭素数1〜10の置換基を有するものである。炭素数1〜10の置換基としては、例えば、アセチル基プロピオニル基ブチリル基ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、イソブチリル基、t−ブチリル基、シクロヘキサノイル基、ベンゾイル基ナフトイル基、メトキシ基エトキシ基プロポキシ基、ブトキシ基ヘキシロキシ基、オクチロキシ基、デカノキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、シクロキロキシ基、フェノキシ基ベンジロキシ基、ナフトキシ基ヒドロキシメチル基ヒドロキシエチル基ヒドロキシプロピル基ヒドロキシブチル基シアノエチル基カルボキシメチル基カルボキシエチル基アミノエチル基等を挙げることができる。また、これらの中でも、溶解性、相溶性がより優れたものになることから、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。

0029

本発明のセルロース系樹脂における置換基は1種類だけでもよいし、2種類以上の置換基を有していてもよい。

0030

本発明のセルロース系樹脂におけるセルロースの水酸基の酸素原子を介して置換している置換度は、2位、3位および6位のそれぞれについて、セルロースの水酸基が置換されている割合(100%の置換は置換度3)を意味し、溶解性、相溶性、延伸加工性の点から、置換度は、好ましくは1.5〜3.0であり、さらに好ましくは1.8〜2.8である。

0031

具体的な本発明のセルロース系樹脂としては、例えば、メチルセルロースエチルセルローストリアセチルセルロースセルロースアセテートセルロースアセテートブチレートセルロースアセテートプロピオネート等が挙げられ、位相差特性および透明性により優れた光学補償フィルムが得られることから、エチルセルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートが好ましい。

0032

本発明のセルロース系樹脂は、機械特性に優れ、製膜時の成形加工性に優れたものとなることから、ゲル・パーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定した溶出曲線より得られる標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が1×103〜1×106であることが好ましく、5×103〜2×105であることがさらに好ましい。

0033

本発明のフマル酸エステル−ケイ皮酸エステル共重合樹脂は、フマル酸エステル残基単位およびケイ皮酸エステル残基単位を含むものである。本発明において、フマル酸エステル−ケイ皮酸エステル共重合樹脂がフマル酸エステル残基単位を含まないとき、セルロース系樹脂との相溶性に劣るものとなり、ケイ皮酸エステル残基単位を含まないとき、位相差特性に劣るものとなる。

0034

本発明のフマル酸エステル−ケイ皮酸エステル共重合樹脂はフマル酸エステル残基単位およびケイ皮酸エステル残基単位を含むものであれば特に制限がないが、位相差特性および透明性により優れた光学補償フィルムが得られるため、下記一般式(4)で示されるフマル酸ジエステル残基単位1〜65モル%、下記一般式(5)で示されるフマル酸モノエステル残基単位1〜30モル%および下記一般式(6)で示されるケイ皮酸エステル残基単位98〜5モル%を含むものであることが好ましい。

0035

0036

(式中、R10、R11はそれぞれ独立して炭素数1〜12のアルキル基を示す。)

0037

0038

(式中、R12は炭素数1〜12のアルキル基を示す。)

0039

0040

(式中、R13、R14はそれぞれ独立して炭素数1〜12のアルキル基を示す。)
一般式(4)におけるフマル酸ジエステル残基単位のR10、R11はそれぞれ独立して炭素数1〜12のアルキル基であり、例えば、メチル基エチル基プロピル基イソプロピル基n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、s−ペンチル基、t−ペンチル基、s−ヘキシル基、t−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。

0041

具体的な一般式(4)で示されるフマル酸ジエステル残基単位としては、例えば、フマル酸ジメチル残基、フマル酸ジエチル残基、フマル酸ジ−n−プロピル残基、フマル酸ジイソプロピル残基、フマル酸ジ−n−ブチル残基、フマル酸ジ−s−ブチル残基、フマル酸ジ−t−ブチル残基、フマル酸ジ−n−ペンチル残基、フマル酸ジ−s−ペンチル残基、フマル酸ジ−t−ペンチル残基、フマル酸ジ−n−ヘキシル残基、フマル酸ジ−s−ヘキシル残基、フマル酸ジ−t−ヘキシル残基、フマル酸ジ−2−エチルヘキシル、フマル酸ジシクロプロピル残基、フマル酸ジシクロペンチル残基、フマル酸ジシクロヘキシル残基等が挙げられる。これらの中で相溶性、位相差特性により優れることから、フマル酸ジエチル残基、フマル酸ジイソプロピル残基、フマル酸ジ−t−ブチル残基が好ましい。

0042

一般式(5)におけるフマル酸モノエステル残基単位のR12は炭素数1〜12のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、s−ペンチル基、t−ペンチル基、s−ヘキシル基、t−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。

0043

具体的な一般式(5)で示されるフマル酸モノエステル残基単位としては、例えば、フマル酸モノメチル残基、フマル酸モノエチル残基、フマル酸モノ−n−プロピル残基、フマル酸モノイソプロピル残基、フマル酸モノ−n−ブチル残基、フマル酸モノ−s−ブチル残基、フマル酸モノ−t−ブチル残基、フマル酸モノ−n−ペンチル残基、フマル酸モノ−s−ペンチル残基、フマル酸モノ−t−ペンチル残基、フマル酸モノ−n−ヘキシル残基、フマル酸モノ−s−ヘキシル残基、フマル酸モノ−t−ヘキシル残基、フマル酸モノ−2−エチルヘキシル、フマル酸モノシクロプロピル残基、フマル酸モノシクロペンチル残基、フマル酸モノシクロヘキシル残基等が挙げられる。これらの中で相溶性、位相差特性により優れることから、フマル酸モノエチル残基、フマル酸モノイソプロピル残基、フマル酸モノ−n−プロピル残基、フマル酸モノ−n−ブチル残基、フマル酸モノ−2−エチルヘキシル残基が好ましい。

0044

一般式(6)におけるケイ皮酸エステル残基単位のR13、R14は炭素数1〜12のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、s−ペンチル基、t−ペンチル基、s−ヘキシル基、t−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。

0045

具体的な一般式(6)で示されるケイ皮酸エステル残基としては、例えば、4-メトキシケイ皮酸メチル残基、4-メトキシケイ皮酸エチル残基、4-メトキシケイ皮酸イソプロピル残基、4-メトキシケイ皮酸n−プロピル残基、4-メトキシケイ皮酸n−ブチル残基、4-メトキシケイ皮酸sec−ブチル残基、4-メトキシケイ皮酸tert−ブチル残基、4-メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル残基、4-エトキシケイ皮酸メチル残基、4-エトキシケイ皮酸エチル残基、4-エトキシケイ皮酸イソプロピル残基、4-エトキシケイ皮酸n−プロピル残基、4-エトキシケイ皮酸n−ブチル残基、4-エトキシケイ皮酸sec−ブチル残基、4-エトキシケイ皮酸tert−ブチル残基、4-エトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル残基、4-イソプロポキシケイ皮酸メチル残基、4-イソプロポキシケイ皮酸エチル残基、4-イソプロポキシケイ皮酸イソプロピル残基、4-イソプロポキシケイ皮酸n−プロピル残基、4-イソプロポキシケイ皮酸n−ブチル残基、4-イソプロポキシケイ皮酸sec−ブチル残基、4-イソプロポキシケイ皮酸tert−ブチル残基、4-イソプロポキシケイ皮酸2−エチルヘキシル残基、4-n‐プロポキシケイ皮酸メチル残基、4-n‐プロポキシケイ皮酸エチル残基、4-n‐プロポキシケイ皮酸イソプロピル残基、4-n‐プロポキシケイ皮酸n−プロピル残基、4-n‐プロポキシケイ皮酸n−ブチル残基、4-n‐プロポキシケイ皮酸sec−ブチル残基、4-n‐プロポキシケイ皮酸tert−ブチル残基、4-n‐プロポキシケイ皮酸2−エチルヘキシル残基、4-n‐ブトキシケイ皮酸メチル残基、4-n‐ブトキシケイ皮酸エチル残基、4-n‐ブトキシケイ皮酸イソプロピル残基、4-n‐ブトキシケイ皮酸n−プロピル残基、4-n‐ブトキシケイ皮酸n−ブチル残基、4-n‐ブトキシケイ皮酸sec−ブチル残基、4-n‐ブトキシケイ皮酸tert−ブチル残基、4-n‐ブトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル残基、4-sec‐ブトキシケイ皮酸メチル残基、4-sec‐ブトキシケイ皮酸エチル残基、4-sec‐ブトキシケイ皮酸イソプロピル残基、4-sec‐ブトキシケイ皮酸n−プロピル残基、4-sec‐ブトキシケイ皮酸n−ブチル残基、4-sec‐ブトキシケイ皮酸sec−ブチル残基、4-sec‐ブトキシケイ皮酸tert−ブチル残基、4-sec‐ブトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル残基、4-tert‐ブトキシケイ皮酸メチル残基、4-tert‐ブトキシケイ皮酸エチル残基、4-tert‐ブトキシケイ皮酸イソプロピル残基、4-tert‐ブトキシケイ皮酸n−プロピル残基、4-tert‐ブトキシケイ皮酸n−ブチル残基、4-tert‐ブトキシケイ皮酸sec−ブチル残基、4-tert‐ブトキシケイ皮酸tert−ブチル残基、4-tert‐ブトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル残基、3-メトキシケイ皮酸メチル残基、3-メトキシケイ皮酸エチル残基、3-メトキシケイ皮酸イソプロピル残基、3-メトキシケイ皮酸n−プロピル残基、3-メトキシケイ皮酸n−ブチル残基、3-メトキシケイ皮酸sec−ブチル残基、3-メトキシケイ皮酸tert−ブチル残基、3-メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル残基、3-エトキシケイ皮酸メチル残基、3-エトキシケイ皮酸エチル残基、3-エトキシケイ皮酸イソプロピル残基、3-エトキシケイ皮酸n−プロピル残基、3-エトキシケイ皮酸n−ブチル残基、3-エトキシケイ皮酸sec−ブチル残基、3-エトキシケイ皮酸tert−ブチル残基、3-エトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル残基、3-イソプロポキシケイ皮酸メチル残基、3-イソプロポキシケイ皮酸エチル残基、3-イソプロポキシケイ皮酸イソプロピル残基、3-イソプロポキシケイ皮酸n−プロピル残基、3-イソプロポキシケイ皮酸n−ブチル残基、3-イソプロポキシケイ皮酸sec−ブチル残基、3-イソプロポキシケイ皮酸tert−ブチル残基、3-イソプロポキシケイ皮酸2−エチルヘキシル残基、3-n‐プロポキシケイ皮酸メチル残基、3-n‐プロポキシケイ皮酸エチル残基、3-n‐プロポキシケイ皮酸イソプロピル残基、3-n‐プロポキシケイ皮酸n−プロピル残基、3-n‐プロポキシケイ皮酸n−ブチル残基、3-n‐プロポキシケイ皮酸sec−ブチル残基、3-n‐プロポキシケイ皮酸tert−ブチル残基、3-n‐プロポキシケイ皮酸2−エチルヘキシル残基、3-n‐ブトキシケイ皮酸メチル残基、3-n‐ブトキシケイ皮酸エチル残基、3-n‐ブトキシケイ皮酸イソプロピル残基、3-n‐ブトキシケイ皮酸n−プロピル残基、3-n‐ブトキシケイ皮酸n−ブチル残基、3-n‐ブトキシケイ皮酸sec−ブチル残基、3-n‐ブトキシケイ皮酸tert−ブチル残基、3-n‐ブトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル残基、3-sec‐ブトキシケイ皮酸メチル残基、3-sec‐ブトキシケイ皮酸エチル残基、3-sec‐ブトキシケイ皮酸イソプロピル残基、3-sec‐ブトキシケイ皮酸n−プロピル残基、3-sec‐ブトキシケイ皮酸n−ブチル残基、3-sec‐ブトキシケイ皮酸sec−ブチル残基、3-sec‐ブトキシケイ皮酸tert−ブチル残基、3-sec‐ブトキシケイ皮酸3−エチルヘキシル残基、3-tert‐ブトキシケイ皮酸メチル残基、3-tert‐ブトキシケイ皮酸エチル残基、3-tert‐ブトキシケイ皮酸イソプロピル残基、3-tert‐ブトキシケイ皮酸n−プロピル残基、3-tert‐ブトキシケイ皮酸n−ブチル残基、3-tert‐ブトキシケイ皮酸sec−ブチル残基、3-tert‐ブトキシケイ皮酸tert−ブチル残基、3-tert‐ブトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル残基、2-メトキシケイ皮酸メチル残基、2-メトキシケイ皮酸エチル残基、2-メトキシケイ皮酸イソプロピル残基、2-メトキシケイ皮酸n−プロピル残基、2-メトキシケイ皮酸n−ブチル残基、2-メトキシケイ皮酸sec−ブチル残基、2-メトキシケイ皮酸tert−ブチル残基、2-メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル残基、2-エトキシケイ皮酸メチル残基、2-エトキシケイ皮酸エチル残基、2-エトキシケイ皮酸イソプロピル残基、2-エトキシケイ皮酸n−プロピル残基、2-エトキシケイ皮酸n−ブチル残基、2-エトキシケイ皮酸sec−ブチル残基、2-エトキシケイ皮酸tert−ブチル残基、2-エトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル残基、2-イソプロポキシケイ皮酸メチル残基、2-イソプロポキシケイ皮酸エチル残基、2-イソプロポキシケイ皮酸イソプロピル残基、2-イソプロポキシケイ皮酸n−プロピル残基、2-イソプロポキシケイ皮酸n−ブチル残基、2-イソプロポキシケイ皮酸sec−ブチル残基、2-イソプロポキシケイ皮酸tert−ブチル残基、2-イソプロポキシケイ皮酸2−エチルヘキシル残基、2-n‐プロポキシケイ皮酸メチル残基、2-n‐プロポキシケイ皮酸エチル残基、2-n‐プロポキシケイ皮酸イソプロピル残基、2-n‐プロポキシケイ皮酸n−プロピル残基、2-n‐プロポキシケイ皮酸n−ブチル残基、2-n‐プロポキシケイ皮酸sec−ブチル残基、2-n‐プロポキシケイ皮酸tert−ブチル残基、2-n‐プロポキシケイ皮酸2−エチルヘキシル残基、2-n‐ブトキシケイ皮酸メチル残基、2-n‐ブトキシケイ皮酸エチル残基、2-n‐ブトキシケイ皮酸イソプロピル残基、2-n‐ブトキシケイ皮酸n−プロピル残基、2-n‐ブトキシケイ皮酸n−ブチル残基、2-n‐ブトキシケイ皮酸sec−ブチル残基、2-n‐ブトキシケイ皮酸tert−ブチル残基、2-n‐ブトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル残基、2-sec‐ブトキシケイ皮酸メチル残基、2-sec‐ブトキシケイ皮酸エチル残基、2-sec‐ブトキシケイ皮酸イソプロピル残基、2-sec‐ブトキシケイ皮酸n−プロピル残基、2-sec‐ブトキシケイ皮酸n−ブチル残基、2-sec‐ブトキシケイ皮酸sec−ブチル残基、2-sec‐ブトキシケイ皮酸tert−ブチル残基、2-sec‐ブトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル残基、2-tert‐ブトキシケイ皮酸メチル残基、2-tert‐ブトキシケイ皮酸エチル残基、2-tert‐ブトキシケイ皮酸イソプロピル残基、2-tert‐ブトキシケイ皮酸n−プロピル残基、2-tert‐ブトキシケイ皮酸n−ブチル残基、2-tert‐ブトキシケイ皮酸sec−ブチル残基、2-tert‐ブトキシケイ皮酸tert−ブチル残基、2-tert‐ブトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル残基等が挙げられる。これらの中で相溶性、位相差特性により優れることから、4−メトキシケイ皮酸メチル残基、4−メトキシケイ皮酸エチル残基、4−メトキシケイ皮酸n−プロピル残基、4−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル残基が好ましい。

0046

本発明のフマル酸エステル−ケイ皮酸エステル共重合樹脂は、特に機械特性に優れ、製膜時の成形加工性に優れたものとなることから、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)により測定した溶出曲線より得られる標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が1×103〜5×106であることが好ましく、5×103〜2×105であることがさらに好ましい。

0047

本発明の樹脂組成物は下記一般式(1)で示されるリン系化合物および/または下記一般式(2)で示されるリン系化合物を含有することで、位相差特性に優れることを特徴とする。

0048

0049

(式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素、アルキル基、フェニル基、またはクミル基を示す。)

0050

0051

(式中、R4、R5、R6はそれぞれ独立して水素、またはアルキル基を示す。)
本発明の一般式(1)で表わされるリン系化合物のR1、R2、R3はそれぞれ独立して水素、アルキル基、フェニル基、またはクミル基を示し、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、s−ペンチル基、t−ペンチル基、s−ヘキシル基、t−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。

0052

具体的な一般式(1)で示されるリン系化合物としては、例えば、ジ(ノニルフェニルペンタエリスリトールジホスファイトビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラトリデシルイソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4'−n−ブチリデンビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト等が挙げられる。これらの中でも位相差特性に優れることから、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましい。

0053

本発明の一般式(2)で表わされるリン系化合物のR4、R5、R6はそれぞれ独立して水素、またはアルキル基を示し、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、s−ペンチル基、t−ペンチル基、s−ヘキシル基、t−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。

0054

具体的な一般式(2)で示されるリン系化合物としては、例えば、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト等が挙げられ、これらの中でも位相差特性に優れることから、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイトが好ましい。

0055

本発明において、セルロース系樹脂とフマル酸エステル−ケイ皮酸エステル共重合樹脂とリン系化合物との組成の割合は、位相差性能の制御が可能でより優れた位相差を発現させることが可能となることから、セルロース系樹脂30〜85重量%、フマル酸エステル−ケイ皮酸エステル共重合樹脂5〜65重量%、およびリン系化合物1〜20重量%であり、好ましくは、セルロース系樹脂30〜80重量%、フマル酸エステル−ケイ皮酸エステル共重合樹脂10〜60重量%、およびリン系化合物1〜15重量%であり、さらに好ましくは、セルロース系樹脂40〜80重量%、フマル酸エステル−ケイ皮酸エステル共重合樹脂20〜60重量%、およびリン系化合物1〜10重量%である。

0056

本発明のフマル酸エステル−ケイ皮酸エステル共重合樹脂の製造方法としては、該樹脂が得られる限りにおいて如何なる方法により製造してもよい。例えば、一般式(4)および一般式(5)で示される残基単位を有する単量体、場合によっては一般式(4)および一般式(5)で示される残基単位を有する単量体、ならびにこれと共重合可能な単量体を併用し、ラジカル重合を行うことにより製造することができる。この際の共重合可能な単量体としては、例えば、スチレンα−メチルスチレンなどのスチレン類アクリル酸アクリル酸メチルアクリル酸エチルアクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステル類メタクリル酸メタクリル酸メチルメタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのメタクリル酸エステル類酢酸ビニルプロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類アクリロニトリルメタクリロニトリル;N—メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのN−置換マレイミド類エチレンプロピレンなどのオレフィン類ビニルピロリドンビニルピリジン等の1種または2種以上を挙げることができる。

0057

ラジカル重合の方法としては、例えば、塊状重合法溶液重合法懸濁重合法、沈殿重合法、乳化重合法等のいずれもが採用可能である。

0058

ラジカル重合を行う際の重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイドラウリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイドアセチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物;2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−ブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)などのアゾ系開始剤等が挙げられる。

0059

そして、溶液重合法または沈殿重合法において使用可能な溶媒として特に制限はなく、例えば、ベンゼントルエンキシレンなどの芳香族溶媒メタノールエタノールプロピルアルコールブチルアルコールなどのアルコール系溶媒;シクロヘキサン、ジオキサンテトラヒドロフランアセトンメチルエチルケトンジメチルホルムアミド酢酸イソプロピル等が挙げられ、これらの混合溶媒をも挙げられる。

0060

また、ラジカル重合を行う際の重合温度は、重合開始剤の分解温度に応じて適宜設定することができ、一般的には30〜150℃の範囲で行うことが好ましい。

0061

本発明の光学補償フィルムは、発明の主旨を超えない範囲で、その他ポリマー界面活性剤高分子電解質導電性錯体顔料染料帯電防止剤アンチブロッキング剤滑剤等を含有していてもよい。

0062

本発明の光学補償フィルムは、フィルムの取扱い性及び光学部材の薄膜化への適合性の観点から、厚みが5〜200μmであることが好ましく、5〜150μmがさらに好ましく、5〜120μmが特に好ましい。

0063

本発明の光学補償フィルムの位相差特性は、ディスプレイの表示特性としてより優れたものとなることから、下記式(a)で示される面内位相差(Re)が50〜300nmで、下記式(b)で示されるNz係数が0.35<Nz<0.65であることが好ましい。このときの位相差特性は全自動複屈折計(王子計測機器株式会社製、商品名KOBRA−21ADH)を用い、測定波長589nmの条件で測定されるものである。

0064

Re=(nx−ny)×d (a)
Nz=(nx−nz)/(nx−ny) (b)
(式中、nxはフィルム面内の延伸軸方向の屈折率を示し、nyはフィルム面内の延伸軸に直交する方向の屈折率を示し、nzはフィルム面外(厚み方向)の屈折率を示し、dはフィルム厚みを示す。)
本発明において、面内位相差(Re)が好ましくは60〜300nm、さらに好ましくは70〜280nmであって、Nz係数が好ましくは0.35〜0.65、さらに好ましくは0.45〜0.55である。

0065

これらは、一般的な光学補償フィルムでは発現が困難な位相差特性を有している。

0066

本発明の光学補償フィルムの波長分散特性としては、色ずれ抑制のため、450nmにおけるレターデーションと550nmにおけるレターデーションの比Re(450)/Re(550)が好ましくは0.60<Re(450)/Re(550)<1.10であり、さらに好ましくは0.60<Re(450)/Re(550)<1.05であり、特に好ましくは0.61<Re(450)/Re(550)<1.02である。

0067

本発明の光学補償フィルムは、輝度向上のため、光線透過率が好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。

0068

本発明の光学補償フィルムは、コントラスト向上のため、ヘーズが好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。

0069

本発明の光学補償フィルムは、必要膜厚を薄くするため、589nmにおけるレタ−デ−ションとフィルム膜厚の比Re(589)(nm)/フィルム膜厚(μm)が4.0nm/μm以上であることが好ましい。

0070

本発明の光学補償フィルムの製造方法としては、本発明の光学補償フィルムの製造が可能であれば如何なる方法を用いてもよいが、光学特性耐熱性表面特性などに優れる光学補償フィルムが得られることから、溶液キャスト法により製造することが好ましい。ここで、溶液キャスト法とは、樹脂溶液(一般にはドープと称する。)を支持基板上に流延した後、加熱することにより溶媒を蒸発させて光学補償フィルムを得る方法である。流延する方法としては、例えば、Tダイ法、ドクターブレード法バーコーター法、ロールコーター法リップコーター法等が用いられ、工業的には、ダイからドープをベルト状またはドラム状の支持基板に連続的に押し出す方法が一般的に用いられている。また、用いられる支持基板としては、例えば、ガラス基板ステンレスフェロタイプ等の金属基板ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック基板などがある。高度に表面性光学均質性の優れた基板を工業的に連続製膜するには、表面を鏡面仕上げした金属基板が好ましく用いられる。溶液に用いる溶剤としては、例えば、塩化メチレンクロロホルムなどの塩素系溶剤;トルエン、キシレンなどの芳香族溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンシクロペンタノンシクロヘキサノン等のケトン溶剤酢酸エチル酢酸ブチル等のエステル溶剤;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール溶剤;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル溶剤;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等を用いることができる。各樹脂および添加剤を溶剤に溶解したのちブレンドすることも可能であり、各樹脂の粉体ペレット等を混練後、溶剤に溶解させることも可能である。

0071

溶液キャスト法において、厚み精度表面平滑性に優れた光学補償フィルムを製造する際には、樹脂溶液の粘度は極めて重要な因子であり、樹脂溶液の粘度は樹脂の濃度、分子量、溶媒の種類に依存するものである。本発明の光学補償フィルムを製造する際の樹脂溶液の粘度は、重合体の分子量、重合体の濃度、溶媒の種類で調整可能である。樹脂溶液の粘度としては、特に制限はないが、フィルム塗工性をより容易にするため、好ましくは100〜10000cps、さらに好ましくは300〜5000cps、特に好ましくは500〜3000cpsである。

0072

本発明の光学補償フィルムの製造方法としては、例えば、セルロース系樹脂、フマル酸エステル残基単位およびケイ皮酸エステル残基単位を含むフマル酸エステル−ケイ皮酸エステル共重合樹脂、ならびに一般式(1)で示されるリン系化合物または一般式(2)で示されるリン系化合物を含有する樹脂組成物を溶剤に溶解し、得られた樹脂溶液を基材キャストし、乾燥後、基材より剥離することが挙げられる。

0073

本発明の光学補償フィルムは、面内位相差(Re)を発現するために一軸延伸またはアンバランス二軸延伸することが好ましい。光学補償フィルムを延伸する方法としては、ロール延伸による縦一軸延伸法やテンター延伸による横一軸延伸法、これらの組み合わせによるアンバランス逐次二軸延伸法やアンバランス同時二軸延伸法等を用いることができる。また本発明では、熱収縮性フィルムの収縮力の作用下に延伸を行う特殊延伸法を用いずに位相差特性を発現させることができる。

0074

延伸する際の光学補償フィルムの厚みは、延伸処理のし易さおよび光学部材の薄膜化への適合性の観点から、10〜200μmが好ましく、30〜180μmがさらに好ましく、30〜150μmが特に好ましい。

0075

延伸の温度は特に制限はないが、良好な位相差特性が得られることから、好ましくは50〜200℃、さらに好ましくは100〜180℃である。一軸延伸の延伸倍率は良好な位相差特性が得られることから、1.05〜3.5倍が好ましく、1.1〜3.0倍がさらに好ましい。アンバランス二軸延伸の延伸倍率は良好な位相差特性が得られることから、長さ方向には1.05〜3.5倍が好ましく、1.1〜3.0倍がさらに好ましく、幅方向には1.0〜1.2倍が好ましく、1.0〜1.1倍がさらに好ましい。延伸温度、延伸倍率により面内位相差(Re)を制御することができる。

0076

本発明の光学補償フィルムは、必要に応じて他樹脂を含むフィルムと積層することができる。他樹脂としては、例えば、ポリエーテルサルフォンポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、マレイミド系樹脂フッ素系樹脂ポリイミド等が挙げられる。また、ハードコート層ガスバリア層を積層することも可能である。

発明の効果

0077

本発明の光学補償フィルムは、特定の位相差特性を示すことから、液晶ディスプレイ用光学補償フィルムや反射防止用フィルムとして有用である。

0078

以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0079

なお、実施例により示す諸物性は、以下の方法により測定した。

0080

<重合体の解析
重合体の構造解析核磁気共鳴測定装置日本電子製、商品名:JNM−GX270)を用い、プロトン核磁気共鳴分光(1H−NMRスペクトル分析より求めた。

0081

<数平均分子量の測定>
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)装置(東ソー製、商品名:C0−8011(カラムGMHHR—Hを装着))を用い、テトラヒドロフラン、またはジメチルホルムアミドを溶媒として、40℃で測定し、標準ポリスチレン換算値として求めた。

0082

<光学補償フィルムの光線透過率およびヘーズの測定>
作製したフィルムの光線透過率およびヘーズの測定は、ヘーズメーター(日本電色工業製、商品名:NDH2000)を使用し、光線透過率の測定はJIS K 7361−1(1997版)に、ヘーズの測定はJIS−K 7136(2000年版)に、それぞれ準拠して測定した。

0083

<位相差特性の測定>
試料傾斜自動複屈折計(王子計測機器製、商品名:KOBRA−WR)を用いて波長589nmの光を用いて光学補償フィルムの位相差特性を測定した。

0084

<波長分散特性の測定>
試料傾斜型自動複屈折計(王子計測機器製、商品名:KOBRA−WR)を用い、波長450nmの光による位相差Re(450)と波長550nmの光による位相差Re(550)の比として光学補償フィルムの波長分散特性を測定した。

0085

合成例1(フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル11g、フマル酸モノエチル3g、4−メトキシケイ皮酸n−プロピル42gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.56gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを50℃の恒温槽に入れ、72時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂23gを得た。得られた共重合樹脂の数平均分子量は33,000、フマル酸ジイソプロピル残基単位21モル%、フマル酸モノエチル残基単位8モル%、4−メトキシケイ皮酸n−プロピル残基単位71モル%であった。

0086

合成例2(フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸エチル共重合樹脂の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル26g、フマル酸モノエチル6g、4−メトキシケイ皮酸エチル24gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.56gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを50℃の恒温槽に入れ、72時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸エチル共重合樹脂31gを得た。得られた共重合樹脂の数平均分子量は41,000、フマル酸ジイソプロピル残基単位38モル%、フマル酸モノエチル残基単位15モル%、4−メトキシケイ皮酸エチル残基単位47モル%であった。

0087

合成例3(フマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジエチル15g、フマル酸モノエチル10g、4−メトキシケイ皮酸n−プロピル31gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.56gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを50℃の恒温槽に入れ、72時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂22gを得た。得られた共重合樹脂の数平均分子量は31,000、フマル酸ジエチル残基単位62モル%、フマル酸モノエチル残基単位9モル%、4−メトキシケイ皮酸n−プロピル残基単位29モル%であった。

0088

合成例4(フマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸エチル共重合樹脂の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジエチル13g、フマル酸モノエチル20g、4−メトキシケイ皮酸エチル17gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.56gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを50℃の恒温槽に入れ、72時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸エチル共重合樹脂19gを得た。得られた共重合樹脂の数平均分子量は35,000、フマル酸ジエチル残基単位40モル%、フマル酸モノエチル残基単位21モル%、4−メトキシケイ皮酸エチル残基単位39モル%であった。

0089

合成例5(フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノn−ブチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル13g、フマル酸モノn−ブチル20g、4−メトキシケイ皮酸n−プロピル17gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.56gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを50℃の恒温槽に入れ、72時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノn−ブチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂25gを得た。得られた共重合樹脂の数平均分子量は42,000、フマル酸ジイソプロピル残基単位57モル%、フマル酸モノn−ブチル残基単位28モル%、4−メトキシケイ皮酸n−プロピル残基単位15モル%であった。

0090

実施例1
エチルセルロース(数平均分子量86,000、全置換度2.5)13.4g、合成例1により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂10gおよびビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.97gを酢酸ブチルに溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:55重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂:41重量%、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト:4重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角切り出し、140℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に示す。

0091

0092

得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有するものであった。

0093

実施例2
セルロースアセテートブチレート(数平均分子量33,000、アセチル基=15モル%、ブチリル基=70モル%、全置換度DS=2.55)14.5g、合成例1により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂9gおよびビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト1.5gを酢酸ブチルに溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(セルロースアセテートブチレート:58重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂:36重量%、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト:6重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、140℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。

0094

得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有するものであった。

0095

実施例3
エチルセルロース(数平均分子量86,000、全置換度2.5)17g、合成例2により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸エチル共重合樹脂7.3gおよびテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト0.75gを酢酸ブチルに溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:68重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸エチル共重合樹脂:29重量%、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト:3重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、140℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。

0096

得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有するものであった。

0097

実施例4
セルロースアセテートプロピオネート(数平均分子量25,000、アセチル基=7モル%、プロピオニル基=80モル%、全置換度DS=2.6)16.5g、合成例3により得られたフマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂7.3gおよびテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト1.25gを酢酸ブチルに溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(セルロースアセテートプロピオネート:66重量%、フマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂:29重量%、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト:5重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、140℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。

0098

得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有するものであった。

0099

実施例5
エチルセルロース(数平均分子量86,000、全置換度2.5)9.8g、合成例4により得られたフマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸エチル共重合樹脂11.5gおよびビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト3.75gを酢酸ブチルに溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:39重量%、フマル酸ジエチル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸エチル共重合樹脂:46重量%、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト:15重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、140℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。

0100

得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有するものであった。

0101

実施例6
エチルセルロース(数平均分子量86,000、全置換度2.5)11.3g、合成例5により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノn−ブチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂10.8gおよびビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト3gを酢酸ブチルに溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:45重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノn−ブチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂:43重量%、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト:12重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、140℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。

0102

得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有するものであった。

0103

実施例7
セルロースアセテートブチレート(数平均分子量33,000、アセチル基=15モル%、ブチリル基=70モル%、全置換度DS=2.55)15g、合成例5により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノn−ブチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂8gおよびビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト2gを酢酸ブチルに溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(セルロースアセテートブチレート:60重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノn−ブチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂:32重量%、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト:8重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、140℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。

0104

得られた光学補償フィルムは、光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さい、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有するものであった。

0105

比較例1
エチルセルロース(数平均分子量86,000、全置換度2.5)17g、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファィト3gを酢酸ブチルに溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(エチルセルロース:85重量%、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト:15重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、140℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。

0106

得られた光学補償フィルムは全光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さいものの、Nz係数が目的とする光学特性を有していなかった。

0107

比較例2
合成例1により得られたフマル酸ジイソプロピル・フマル酸モノエチル・4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂17g、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト3gを酢酸ブチルに溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(フマル酸ジイソプロピル・フマル酸モノエチル・4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂:85重量%、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト:15重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、150℃で1.2倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。

0108

得られた光学補償フィルムは全光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さいものの、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有していなかった。

0109

比較例3
セルロースアセテートプロピオネート(数平均分子量25,000、アセチル基=7モル%、プロピオニル基=80モル%、全置換度DS=2.6)6g、合成例1により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂12gおよびビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト6gを酢酸ブチルに溶解して18重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度60℃にて乾燥した後、幅150mmの光学補償フィルム(樹脂組成物)を得た(セルロースアセテートプロピオネート:15重量%、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合樹脂:75重量%、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト:10重量%)。得られた光学補償フィルムを50mm角に切り出し、140℃で2.0倍に一軸延伸した(延伸後の厚み40μm)。得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。

0110

得られた光学補償フィルムは全光線透過率が高く透明性に優れる、ヘーズが小さいものの、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有していなかった。

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