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技術 窒化タンタル(Ta3N5)の製造方法

出願人 太平洋セメント株式会社
発明者 常世田和彦岸森智佳
出願日 2016年3月15日 (5年5ヶ月経過) 出願番号 2016-050360
公開日 2017年9月21日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2017-165605
状態 特許登録済
技術分野 硫黄、窒素等及びそれらの化合物;過化合物
主要キーワード シリコンキャップ アンモニウムガス アンモニア気 アンモニアガス流量 遊星ボールミル装置 金属タンタル 排出削減 忌避成分
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この項目の情報は公開日時点(2017年9月21日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (12)

課題

酸素含有量の少ないTa3N5の工業的な製造方法の提供。

解決手段

金属タンタルを800〜950℃で、アンモニアガス下窒化することを特徴とする窒化タンタル(Ta3N5)の製造方法。

概要

背景

Ta3N5は、誘電体超電導体などとして使用される金属窒化物である。さらに、近年では炭酸ガス排出削減再生可能エネルギーの観点から、太陽光エネルギーを利用して、光触媒により水を分解して、水素酸素を製造する技術に注目が集まっており、Ta3N5は光触媒として利用可能である。
一方で、光触媒に含まれる酸素は忌避成分となり、水素の発生を阻害する。そこで、酸素を含まない高純度のTa3N5が求められている。

非特許文献1では、塩化タンタル(TaCl5)を液体アンモニアで処理し、得られたTa(NH2)2Cl3を、アンモニア気流中で650〜750℃で分解することでTa3N5が得られている。特許文献1では、酸化タンタル(Ta2O5)をアンモニア気流中、850℃で25時間窒化することでTa3N5が得られている。
また特許文献2では、Ta基板を用い、真空紫外光照射して親水化した後、フラックス水溶液(NaClとNa2CO3がモル比で4:1)を塗布し、100℃で乾燥させ、乾燥後、Ta基板をアンモニア気流中850℃、1時間加熱した。その後、アンモニア気流中で300℃まで、300℃から室温まで窒素気流中で冷却した。冷却後、残存するフラックス温水中で除去することでTa3N5を得ている。さらに、特許文献3では、タンタル金属窒素ガスによって窒化タンタルを製造する方法が開示されている。一次窒化として、窒化炉にタンタル金属を仕込み炉内温度を600〜800℃になるように窒素流量を制御しながら窒化を行っている。得られた窒化物窒素含有量は6.1%であった。得られた窒化物は1500℃で二次窒化し、窒素含有量は7.1%となっている。

概要

酸素含有量の少ないTa3N5の工業的な製造方法の提供。金属タンタルを800〜950℃で、アンモニアガス下窒化することを特徴とする窒化タンタル(Ta3N5)の製造方法。なし

目的

本発明の課題は、酸素含有量の少ないTa3N5の工業的な製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

金属タンタルを800〜950℃で、アンモニアガス下窒化することを特徴とする窒化タンタル(Ta3N5)の製造方法。

請求項2

アンモニアガス流量が金属タンタル1gに対して0.03L/min以上0.5L/min以下で窒化する請求項1記載の製造方法。

請求項3

用いる金属タンタルが、最大粒子径が50μm以下になるように粉砕されたものである請求項1又は2記載の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、Ta3N5の製造方法に関する。

背景技術

0002

Ta3N5は、誘電体超電導体などとして使用される金属窒化物である。さらに、近年では炭酸ガス排出削減再生可能エネルギーの観点から、太陽光エネルギーを利用して、光触媒により水を分解して、水素酸素を製造する技術に注目が集まっており、Ta3N5は光触媒として利用可能である。
一方で、光触媒に含まれる酸素は忌避成分となり、水素の発生を阻害する。そこで、酸素を含まない高純度のTa3N5が求められている。

0003

非特許文献1では、塩化タンタル(TaCl5)を液体アンモニアで処理し、得られたTa(NH2)2Cl3を、アンモニア気流中で650〜750℃で分解することでTa3N5が得られている。特許文献1では、酸化タンタル(Ta2O5)をアンモニア気流中、850℃で25時間窒化することでTa3N5が得られている。
また特許文献2では、Ta基板を用い、真空紫外光照射して親水化した後、フラックス水溶液(NaClとNa2CO3がモル比で4:1)を塗布し、100℃で乾燥させ、乾燥後、Ta基板をアンモニア気流中850℃、1時間加熱した。その後、アンモニア気流中で300℃まで、300℃から室温まで窒素気流中で冷却した。冷却後、残存するフラックス温水中で除去することでTa3N5を得ている。さらに、特許文献3では、タンタル金属窒素ガスによって窒化タンタルを製造する方法が開示されている。一次窒化として、窒化炉にタンタル金属を仕込み炉内温度を600〜800℃になるように窒素流量を制御しながら窒化を行っている。得られた窒化物窒素含有量は6.1%であった。得られた窒化物は1500℃で二次窒化し、窒素含有量は7.1%となっている。

0004

特開2002−233769号公報
特開2015−71525号公報
特許第3776250号公報

先行技術

0005

J.Amer.Chem.Soc.59,33〜40(1937)

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、非特許文献1記載の方法では、750℃で6日間もの長時間を要する。特許文献1記載の方法では、酸化物原料とするため、Ta3N5中に酸素が残ってしまう。特許文献2記載の方法では、工程数が長く工業的ではなく、親水化しフラックス水溶液を塗布させることで、Ta基板を酸化させTa2O5としている。また、特許文献3で得られる窒化物はTaNであり、Ta3N5ではない。

0007

従って、本発明の課題は、酸素含有量の少ないTa3N5の工業的な製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

そこで本発明者は、前記課題を解決すべく検討した結果、酸素量の少ない金属タンタルを原料とし、特定の温度範囲で、アンモニアガスで窒化すれば、酸素量の少ない高純度のTa3N5が得られることを見出し、本発明を完成した。

0009

すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔3〕を提供するものである。

0010

〔1〕金属タンタルを800〜950℃で、アンモニアガス下窒化することを特徴とする窒化タンタル(Ta3N5)の製造方法。
〔2〕アンモニアガス流量が金属タンタル1gに対して0.03L/min以上0.5L/min以下で窒化する〔1〕記載の製造方法。
〔3〕用いる金属タンタルが、最大粒子径が50μm以下になるように粉砕されたものである〔1〕又は〔2〕記載の製造方法。

発明の効果

0011

本発明方法によれば、高純度で酸素量の少ないTa3N5が工業的に有利に製造できる。

図面の簡単な説明

0012

実施例1で得られたTa3N5の粉末XRD解析結果を示す。
実施例2で得られたTa3N5の粉末XRD解析結果を示す。
実施例3で得られたTa3N5の粉末XRD解析結果を示す。
実施例4で得られたTa3N5の粉末XRD解析結果を示す。
実施例5で得られたTa3N5の粉末XRD解析結果を示す。
実施例6で得られたTa3N5の粉末XRD解析結果を示す。
実施例7で得られたTa3N5の粉末XRD解析結果を示す。
実施例8で得られたTa3N5の粉末XRD解析結果を示す。
実施例9で得られたTa3N5の粉末XRD解析結果を示す。
比較例1で得られた生成物の粉末XRD解析結果を示す。
比較例2で得られた生成物の粉末XRD解析結果を示す。
比較例3で得られた生成物の粉末XRD解析結果を示す。

0013

本発明のTa3N5の製造方法は、金属タンタルを800〜950℃で、アンモニアガス下窒化することを特徴とする。

0014

本発明に用いる原料は、金属タンタルである。金属タンタルは、細かい粒子を用いるのが窒化温度を低くできる点から好ましく、金属タンタルの最大粒子径は50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましく、10μm以下がさらに好ましい。また、平均粒子径(D50)が20μm以下のものを用いるのが好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましく、5μm以下がさらに好ましい。

0015

このような微細化金属タンタルは、市販の金属タンタルを粉砕することにより得られる。粉砕装置としては遊星ボールミル振動ミルアトライタミル等を用いることが可能である。粉砕方法は、乾式または湿式のどちらでも良い。湿式の場合の粉砕助剤としては、エタノールトリエチルアミンヘキサン等が利用できる。
粉砕時間は、10分以上2時間以下が好ましく、さらに好ましくは20分以上1時間以下である。

0016

窒化する温度(窒化温度)は、800℃以上950℃以下が好ましい。800℃以下の場合、窒化が進行しない。950℃以上の場合、Ta3N5から窒素が放出され金属Taとなるため高純度のTa3N5が得られない。

0017

窒化する際のアンモニア流量は、単相のTa3N5を得る点、アンモニウムガスの過剰使用を防止する点から、原料の金属タンタル1gに対し0.03L/min以上0.5L/min以下が好ましい。さらに好ましくは、原料の金属Ta 1gに対し0.05L/min以上0.3L/min以下である。

0018

反応装置は、1000℃程度の熱に耐えられる装置であればよく、例えば、管状炉電気炉バッチ式キルンロータリーキルンを用いれば良い。反応時間は、10時間以上48時間以下が好ましく15時間以上30時間以下がさらに好ましい。

0019

上記の反応により、反応容器中には高純度Ta3N5のみが残存するので回収が容易である。得られるTa3N5の純度は90%以上であり、95%以上であるのがより好ましい。また、得られるTa3N5中の酸素量は1.0mass%以下であるのが好ましく、0.7mass%以下であるのがより好ましい。

0020

次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。

0021

実施例1
グローブボックス内にて炉心管内径50mm、長さ600mm)に金属Ta3gを入れ、シリコンキャップ密閉した。グローブボックスから取り出した炉心管を管状炉にセットした。その後、アンモニアガスを1L/min雰囲気下で、反応温度900℃、20時間で窒化した。原料の金属Taの最大粒子径は47.8μm、D50は14.9μmであった。
得られた合成物の粉末XRD解析を行ったところ単相のTa3N5であった(図1)。得られたTa3N5を窒素酸素同時分析計で定量したところ、N量は11.2mass%であり理論量(11.43mass%)から算出した純度は98.0%であった。また、O量は0.5mass%と低かった。得られた合成物の最大粒子径は29.9μm、D50は9.8μmであった。

0022

実施例2
反応温度を850℃とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
得られた合成物の粉末XRD解析を行ったところ単相のTa3N5であった(図2)。得られたTa3N5を窒素酸素同時分析計で定量したところ、N量は11.0mass%であり理論量(11.43mass%)から算出した純度は96.2%であった。また、O量は0.6mass%と低かった。

0023

実施例3
窒化時間を30時間とした以外は、実施例2と同様の操作を行った。
得られた合成物の粉末XRD解析を行ったところ単相のTa3N5であった(図3)。
得られたTa3N5を窒素酸素同時分析計で定量したところ、N量は11.2mass%であり理論量(11.43mass%)から算出した純度は98.0%であった。また、O量は0.4mass%と低かった。

0024

実施例4
窒化時間を10時間とした以外は、実施例2と同様の操作を行った。
得られた合成物の粉末XRD解析を行ったところ単相のTa3N5であった(図4)。得られたTa3N5を窒素酸素同時分析計で定量したところ、N量は10.9mass%であり理論量(11.43mass%)から算出した純度は95.4%であった。また、O量は0.7mass%と低かった。

0025

実施例5
窒化時間を48時間とした以外は、実施例2と同様の操作を行った。
得られた合成物の粉末XRD解析を行ったところ単相のTa3N5であった(図5)。
得られたTa3N5を窒素酸素同時分析計で定量したところ、N量は11.1mass%であり理論量(11.43mass%)から算出した純度は97.1%であった。またO量は0.6mass%と低かった。

0026

実施例6
金属Ta10gにアンモニアガスを0.3L/minとした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
得られた合成物の粉末XRD解析を行ったところ単相のTa3N5であった(図6)。得られたTa3N5を窒素酸素同時分析計で定量したところ、N量は11.0mass%であり理論量(11.43mass%)から算出した純度は96.2%であった。また、O量は0.6mass%と低かった。

0027

実施例7
金属Ta10gにアンモニアガスを3L/minとした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
得られた合成物の粉末XRD解析を行ったところ単相のTa3N5であった(図7)。得られたTa3N5を窒素酸素同時分析計で定量したところ、N量は11.1mass%であり理論量(11.43mass%)から算出した純度は97.1%であった。また、O量は0.5mass%と低かった。

0028

実施例8
金属Ta10gにアンモニアガス流量を、5L/minとした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
得られた合成物の粉末XRD解析を行ったところ単相のTa3N5であった(図8)。得られたTa3N5を窒素酸素同時分析計で定量したところ、N量は11.2mass%であり理論量(11.43mass%)から算出した純度は98.0%であった。また、O量は0.7mass%と低かった。

0029

実施例9
グローブボックス内にて金属Ta10gをジルコニア製粉容器(500mL)に仕込み、粉砕助剤としてトリエチルアミンを数滴入れ、遊星ボールミル装置にて350rpm、30分粉砕した。粉砕した金属Taはグローブボックス内で取り出した。粉砕した金属Taの粒度粒子径分布測定装置で測定したところ、最大粒子径は8.0μm、D50は2.3μmであった。
粉砕した金属Taを出発原料として、反応温度800℃以外は、実施例1と同様の操作を行った。
得られた合成物の粉末XRD解析を行ったところ単相のTa3N5であった(図9)。得られたTa3N5を窒素酸素同時分析計で定量したところ、N量は11.3mass%であり理論量(11.43mass%)から算出した純度は98.9%であった。また、O量は0.5mass%と低かった。得られた合成物の最大粒子径は16.0μm、D50は4.5μmであった。

0030

比較例1
反応温度を700℃とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
得られた合成物の粉末XRD解析を行ったところ金属のTaであった(図10)。

0031

比較例2
反応温度を1000℃とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
得られた合成物の粉末XRD解析を行ったところTa3N5と金属Taの混合相であった(図11)。

実施例

0032

比較例3
出発原料を酸化タンタル(Ta2O5)とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
得られた合成物の粉末XRD解析を行ったところ単相のTa3N5であった(図12)。得られたTa3N5を窒素酸素同時分析計で定量したところ、N量は11.3mass%であり理論量(11.43mass%)から算出した純度は98.9%であった。しかし、O量は1.1mass%と高かった。

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