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技術 昇華性熱転写記録媒体

出願人 凸版印刷株式会社
発明者 山内由佳小野靖方嶋政人
出願日 2016年3月18日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2016-055330
公開日 2017年9月21日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2017-165073
状態 特許登録済
技術分野 熱転写、熱記録一般
主要キーワード 捌き性 導電性保護層 粘着層塗布液 ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル ポリメチルメタクリレート樹脂粒子 アルファーオレフィン アマイド系ワックス 天然ゴム誘導体
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年9月21日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

本発明は、熱転写性保護層の本来の機能を損なうことなく、良好な捌き性を確保できる昇華性熱転写記録媒体を提供することを目的とする。

解決手段

昇華性熱転写記録媒体1は、基材3の一方の面に昇華性染料層2と離型層8とが面順次で形成され、離型層8の上には、熱転写性保護層5が形成され、離型層8及び熱転写性保護層5の少なくともいずれかは、複数種類帯電防止剤を含有している。そして、複数種類の帯電防止剤の含有量は、離型層8及び熱転写性保護層1のうち帯電防止剤を含有している層の全質量に対して、9質量%以上14質量%以下である。

概要

背景

一般に、昇華性熱転写記録媒体は、昇華性熱転写方式プリンタに使用されるインクリボンのことであり、基材の一方の面に耐熱性樹脂層バックコート層)、他方の面に昇華性染料層を設けたものである。ここで、昇華性染料層は、インクの層であり、プリンタのサーマルヘッド印加した熱によって、その昇華性染料層の染料昇華(昇華性転写方式)させ、受像シート受像層転写するものである。
現在、昇華性熱転写方式は、プリンタの高機能化と併せて各種画像を簡便に形成できるため、身分証明書等のカード類を始め、アミューズメント出力物等広く利用されている。このように、用途の多様化と共に、得られる印画物への印画物の保護性能を求める声も大きくなり、最近では上記のような昇華性熱転写記録媒体により形成された画像等の上に熱転写性保護層を転写し、印画物の保護性能をより向上させる方法が普及してきている。

一方、プリンタの高速化が進み、短時間で連続して印画、排出されてくる印画物が、上下に隣接する印画物同士で張り付いたりはみ出したりせず、整然と重ねて置くことができる、いわゆる捌き性を向上させたいという要求もある。このような要求に対して熱転写性保護層の帯電量の低減や微粒子の添加等の対策が検討されている。
例えば、特許文献1では、四級アンモニウム塩からなる界面活性アンチモン酸亜鉛等の導電性金属酸化物を含有させてなる、帯電防止機能を付与した熱転写性保護層を有する昇華性熱転写記録媒体が提案されている。

また、特許文献2では、針状結晶導電性無機物質を含む導電性保護層を設けてなる帯電防止機能を付与した昇華性熱転写記録媒体が提案されている。
さらに、特許文献3では、導電性高分子であるポリエチレンジオキシチオフェンを含有させてなる、帯電防止機能を付与した熱転写性保護層を有する昇華性熱転写記録媒体が提案されている。
特許文献4では、色材層イオン液体を含有させてなる、帯電防止機能を付与した昇華性熱転写記録媒体が提案されている。

しかしながら、特許文献1から3に記載されている方法では、帯電防止機能を十分に発現させるためには、熱転写性保護層に帯電防止剤を多量に添加する必要があり、製造コストの上昇と印画物の保存性能、透明性の低下という問題がある。
特許文献4に記載の技術では、色材層の転写時の剥離帯電については効果が期待できるが、熱転写性保護層を転写した際に印画物が帯電してしまい、捌き性は悪化してしまう。また、熱転写性保護層への適用した場合、イオン液体は常温液体であることから、印画物の保存性能を損なってしまう。

概要

本発明は、熱転写性保護層の本来の機能を損なうことなく、良好な捌き性を確保できる昇華性熱転写記録媒体を提供することを目的とする。昇華性熱転写記録媒体1は、基材3の一方の面に昇華性染料層2と離型層8とが面順次で形成され、離型層8の上には、熱転写性保護層5が形成され、離型層8及び熱転写性保護層5の少なくともいずれかは、複数種類の帯電防止剤を含有している。そして、複数種類の帯電防止剤の含有量は、離型層8及び熱転写性保護層1のうち帯電防止剤を含有している層の全質量に対して、9質量%以上14質量%以下である。

目的

本発明は、このような事情を鑑みて成されたものであり、熱転写性保護層の本来の機能を損なうことなく、良好な捌き性を確保可能な昇華性熱転写記録媒体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

基材の一方の面に昇華性染料層離型層とが面順次で形成され、前記離型層の上には、熱転写性保護層が形成され、前記離型層及び前記熱転写性保護層の少なくともいずれかは、複数種類帯電防止剤を含有しており、前記複数種類の帯電防止剤の含有量は、前記離型層及び前記熱転写性保護層のうち前記帯電防止剤を含有している層の全質量に対して、9質量%以上14質量%以下であることを特徴とする昇華性熱転写記録媒体

請求項2

前記帯電防止剤は、ポリエチレングリコールを含み、前記ポリエチレングリコールの含有量が、前記離型層及び前記熱転写性保護層のうち前記帯電防止剤を含有している層の全質量に対して、5質量%以上10質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の昇華性熱転写記録媒体。

技術分野

0001

本発明は、受像シート上に形成された文字または画像等を保護するための熱転写性保護層を有する昇華性熱転写記録媒体に関する。

背景技術

0002

一般に、昇華性熱転写記録媒体は、昇華性熱転写方式プリンタに使用されるインクリボンのことであり、基材の一方の面に耐熱性樹脂層バックコート層)、他方の面に昇華性染料層を設けたものである。ここで、昇華性染料層は、インクの層であり、プリンタのサーマルヘッド印加した熱によって、その昇華性染料層の染料昇華(昇華性転写方式)させ、受像シートの受像層転写するものである。
現在、昇華性熱転写方式は、プリンタの高機能化と併せて各種画像を簡便に形成できるため、身分証明書等のカード類を始め、アミューズメント出力物等広く利用されている。このように、用途の多様化と共に、得られる印画物への印画物の保護性能を求める声も大きくなり、最近では上記のような昇華性熱転写記録媒体により形成された画像等の上に熱転写性保護層を転写し、印画物の保護性能をより向上させる方法が普及してきている。

0003

一方、プリンタの高速化が進み、短時間で連続して印画、排出されてくる印画物が、上下に隣接する印画物同士で張り付いたりはみ出したりせず、整然と重ねて置くことができる、いわゆる捌き性を向上させたいという要求もある。このような要求に対して熱転写性保護層の帯電量の低減や微粒子の添加等の対策が検討されている。
例えば、特許文献1では、四級アンモニウム塩からなる界面活性アンチモン酸亜鉛等の導電性金属酸化物を含有させてなる、帯電防止機能を付与した熱転写性保護層を有する昇華性熱転写記録媒体が提案されている。

0004

また、特許文献2では、針状結晶導電性無機物質を含む導電性保護層を設けてなる帯電防止機能を付与した昇華性熱転写記録媒体が提案されている。
さらに、特許文献3では、導電性高分子であるポリエチレンジオキシチオフェンを含有させてなる、帯電防止機能を付与した熱転写性保護層を有する昇華性熱転写記録媒体が提案されている。
特許文献4では、色材層イオン液体を含有させてなる、帯電防止機能を付与した昇華性熱転写記録媒体が提案されている。

0005

しかしながら、特許文献1から3に記載されている方法では、帯電防止機能を十分に発現させるためには、熱転写性保護層に帯電防止剤を多量に添加する必要があり、製造コストの上昇と印画物の保存性能、透明性の低下という問題がある。
特許文献4に記載の技術では、色材層の転写時の剥離帯電については効果が期待できるが、熱転写性保護層を転写した際に印画物が帯電してしまい、捌き性は悪化してしまう。また、熱転写性保護層への適用した場合、イオン液体は常温液体であることから、印画物の保存性能を損なってしまう。

先行技術

0006

特開平11−105437号公報
特開2003−145946号公報
特開2011−194707号公報
特開2014−69508号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、このような事情を鑑みて成されたものであり、熱転写性保護層の本来の機能を損なうことなく、良好な捌き性を確保可能な昇華性熱転写記録媒体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するために、本発明の一態様は、基材の一方の面に昇華性染料層と離型層とが面順次で形成され、離型層の上には、熱転写性保護層が形成され、離型層及び熱転写性保護層の少なくともいずれかは、複数種類の帯電防止剤を含有しており、前記複数種類の帯電防止剤の含有量は、前記離型層及び前記熱転写性保護層のうち前記帯電防止剤を含有している層の全質量に対して、9質量%以上14質量%以下であることを特徴とする。

発明の効果

0009

本発明の一態様によれば、熱転写後の受像シートに転写された印画物表面の表面抵抗値下げることができる。これにより、連続印画により排出されトレイに積層した印画物間の帯電を抑制でき、印画物同士の張り付きやはみ出しを防ぐことができ、整然と重ねて置くことができる。その結果、熱転写性保護層の本来の機能、つまり、印画物の保護性能を損なうことなく、良好な捌き性を確保可能な昇華性熱転写記録媒体を提供できる。

図面の簡単な説明

0010

昇華性熱転写記録媒体の概略構成を示す断面図である。

0011

以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の昇華性熱転写記録媒体1は、基材3の一方の面に昇華性染料層2と離型層8とが面順次で形成され、他方の面に耐熱性樹脂層4が形成されている。また、離型層8の上には、熱転写性保護層5が形成されている。
基材3としては、熱転写における熱圧軟化変形しない耐熱性と強度とが要求されるので、例えば、ポリエチレンテレフタレートポリエチレンナフタレートポリプロピレンセロファンアセテートポリカーボネートポリサルフォンポリイミドポリビニルアルコール芳香族ポリアミドアラミドポリスチレン等の合成樹脂フィルム、及びコンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類等を単独でまたは組み合わされた複合体として使用することができる。中でも、物性面、加工性コスト面等を考慮すると、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。

0012

基材3の厚さは、操作性、加工性の観点から、2〜50μm程度が使用可能であるが、転写適性や加工性等のハンドリング性を考慮すると、2〜12μm程度が好ましい。
昇華性染料層2は、シアンマゼンタイエローの染料の層が順番に形成された層であり、サーマルヘッドで熱が印加されると、染料を消化させ、受像シートに転写する。
昇華性染料層2に用いられる昇華性染料としては、昇華性分散染料が好ましく、公知の昇華性染料を使用でき、例えば、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メチン系、アゾメタン系、キサンテン系、アキサジン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、アゾ系、スピロピラン系、イソドリスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンダクタム系、アントラキノン系等が挙げられる。具体的には、イエロー成分では、C.I.ソルベントイエロー14、16、29、30、33、56、93等、C.I.ディスパースイエロー7、33、60、141、201、231等、マゼンタ成分としては、C.I.ソルベントレッド18、19、27、143、182、C.I.ディスパースレッド60、73、135、167、C.I.ディスパースバイオレット13、26、31、56等、シアン成分としては、C.I.ソルベントブルー11、36、63、105、C.I.ディスパースブルー24、72、154、354等が挙げられる。これらの昇華性染料は、単体または複数組み合わせて使用することができる。

0014

昇華性染料層2には、必要に応じて、熱転写記録時における受像シートとの剥離性を適宜に制御するための離型剤を添加することができる。離型剤としては、例えば、公知のシリコーン系化合物フッ素系化合物、またはワックス類等を挙げることができる。
離型層8は、熱転写記録時に剥離強度を適度な範囲内に調整し、熱転写性保護層5(後述する剥離層7)の安定的な離型性を確保するための層である。
離型層8に用いられるバインダ樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースアルギン酸ナトリウム等の水溶性高分子塩化ゴム環化ゴム等の天然ゴム誘導体天然ワックス合成ワックス等のワックス類、ニトロセルロースセルロースセルロースアセテートプロピオネート等の繊維素誘導体アクリル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリアセタール系塩素化ポリオレフィン系、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系等の熱可塑性樹脂メラミン系、エポキシ系、ポリウレタン系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂等を挙げることができる。

0015

熱転写性保護層5は、剥離層7と、接着層6とがこの順に積層されて形成されている。
剥離層7は、熱転写記録時に離型層8から接着層6を容易に剥離できるようにするための層である。剥離層7は、バインダ樹脂と、機能性添加剤とを含んで形成されている。
バインダ樹脂としては、例えば、熱溶融性のポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂ポリメタクリル酸メチルポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹脂ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂エポキシ樹脂ポリウレタン樹脂石油樹脂アイオノマーエチレンアクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体ロジンロジン変性マレイン酸樹脂エステルガムポリイソブチレンゴムブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴムブタジエンアクリロニトリルゴムポリ塩素オレフィン等の天然樹脂合成ゴム誘導体カルナバワックスパラフィンワックス等のワックス類を挙げることができる。中でも、アクリル系樹脂、セルロース誘導体が好ましい。
機能性添加剤としては、例えば、シリコーンオイルリン酸エステル系に代表される離型剤、ワックスに代表される滑り剤紫外線吸収剤光安定剤酸化防止剤蛍光増白剤フィラー等を挙げることができる。
剥離層7の膜厚は、0.3〜3μm程度が好ましい。

0016

接着層6は、受像シートとの接着性を調整するための層である。
接着層6に用いられる樹脂としては、熱溶融性以外特に限定されるものではないが、例えば、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体、カルナバワックス、パラフィンワックス等のワックス類が挙げられる。

0017

接着層6には、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、触媒促進剤着色剤調整剤、蛍光増白剤等の機能性添加剤を添加することができる。
接着層6の膜厚は、樹脂の種類にもよるが、0.5〜3.0μm程度が好ましい。
また、本実施形態の昇華性熱転写記録媒体1では、離型層8及び熱転写性保護層5(剥離層7、接着層6)の少なくともいずれかは、複数種類の帯電防止剤を含有している。これにより、熱転写後の受像シートに転写された印画物表面の表面抵抗値を低減できる。これにより、連続印画により排出されトレイに積層した印画物間(印画物表面—印画物背面)の帯電を抑制でき、印画物同士の張り付きやはみ出しを防止でき、整然と重ねて置くことができる。その結果、印画物の保護性能を損なわず、良好な捌き性を確保できる。

0018

ここで、帯電防止剤としては、例えば、カチオン性界面活性剤アニオン性の界面活性剤、金属系導電性ポリマー金属酸化物、及び水酸基を有する化合物等が挙げられる。
カチオン性の界面活性剤としては、例えば、脂肪族四級アンモニウム塩等を挙げることができる。脂肪族四級アンモニウム塩等は、水酸基を一つまたは複数含有していてもよい。以下同様に、アニオン性の界面活性剤としては、例えば、リン酸エステル等を挙げることができる。また、金属系導電性ポリマーとしては、例えば、ポリアルキレングリコールポリマーリチウム塩からなる化合物等を挙げることができる。さらに、金属酸化物としては、例えば、酸化スズ五酸化アンチモンの分散等を挙げることができる。また、水酸基を有する化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール等を使用できる。

0019

帯電防止剤の含有量は、離型層8及び熱転写性保護層5のうち帯電防止剤を含有している層の全質量に対して、9質量%以上14質量%以下であることが好ましく、9質量%以上12質量%以下であることがより好ましい。9質量%未満の場合、帯電防止剤の効果が十分得られず、印画物表面の表面抵抗値を十分下げられず、捌き性が悪化する。一方、14質量%を越える場合、帯電防止剤のブリードにより印画物の保護性能が悪化する。
また、帯電防止剤は、環境・人体に有害である場合が多く、含有量が多いほど危険性が高まる。特にカチオン性・アニオン性の界面活性剤、金属系導電性ポリマー、金属酸化物の多くは安全性が低い。これに対し、各種の帯電防止剤のなかでも、ポリエチレングリコールに代表される水酸基をもつ化合物は、環境・人体に対する安全性が高く、コストや入手しやすさの観点から、帯電防止剤としてより好ましく使用することができる。熱転写性保護層5に含まれるポリエチレングリコールの水酸基は、印画後に受像シートの最表面に配置されることで、印画物最表面が親水性となる。その結果、印画物最表面に集まった水分を通じ、印画物から空気中に電子逃げやすくなることで、帯電防止特性が発現する。

0020

また、ポリエチレングリコールと、上述したカチオン性の界面活性剤、アニオン性の界面活性剤、金属系導電性ポリマー、金属酸化物等の他の帯電防止剤とを組み合わせて使用することで、安全性と帯電防止剤としての効果との両方を担保することができる。
この場合、ポリエチレングリコールの含有量を、離型層8及び熱転写性保護層5のうち帯電防止剤を含有している層の全質量に対して、5質量%以上10質量%以下とする構成を採用する。また、カチオン性の界面活性剤、アニオン性の界面活性剤、金属系導電性ポリマー、金属酸化物の帯電防止剤の含有量は、離型層8及び熱転写性保護層5のうち帯電防止剤を含有している層の全質量に対して、5質量%未満が好ましい。5%質量以上の場合、安全性の点で許容できない。

0021

耐熱性樹脂層4は、サーマルヘッドの熱による基材3の熱収縮や、サーマルヘッドとの摩擦による基材3の破断を防止するための層である。
耐熱性樹脂層4に用いられるバインダー樹脂としては、熱転写における熱圧で軟化変形しない耐熱性が要求されるので、例えば、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂ポリエーテル系樹脂ポリカーボネート系樹脂アセタール系樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)は、サーマルヘッドからの耐熱性を考慮すると40℃以上が好ましい
耐熱性樹脂層4には、種々の機能を付与する目的で、滑剤硬化剤粒子等の添加剤を添加することができる。

0022

滑剤としては、耐熱性樹脂層4とサーマルヘッドとの間の動摩擦係数を小さくして摩擦による基材3の変形を防止するものを使用でき、例えば、動物系ワックス植物系ワックス等の天然ワックス、合成炭化水素系ワックス、脂肪族アルコールと酸系ワックス、脂肪酸エステルグリセライト系ワックス、合成ケトン系ワックス、アミン及びアマイド系ワックス塩素化炭化水素系ワックス、アルファーオレフィン系ワックス等の合成ワックス、ステアリン酸ブチルオレイン酸エチル等の高級脂肪酸エステルステアリン酸ナトリウムステアリン酸亜鉛ステアリン酸カルシウムステアリン酸カリウムステアリン酸マグネシウム等の高級脂肪酸金属塩長鎖アルキルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルリン酸エステルまたは、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル等のリン酸エステル等の界面活性剤等が挙げられる。

0023

また、硬化剤としては、耐熱性を向上させるものを使用でき、例えば、ポリイソシアネートが挙げられ、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系のポリオール樹脂やセルロース系樹脂、アセタール樹脂等のバインダー樹脂との組合せで用いられる。
また、粒子としては、耐熱性樹脂層4の表面に凹凸を形成するためのものであり、この凹凸形状によりサーマルヘッドとの接触面積が小さくなるので、印画時のサーマルヘッドに対する滑性が向上する。粒子は、有機系粒子または無機系粒子どちらでもよいが、サーマルヘッドからの熱により変形しないものが好ましい。具体的には、シリカ粒子酸化マグネシウム酸化亜鉛炭酸カルシウム炭酸マグネシウムタルクカオリンクレーシリコーン粒子ポリエチレン粒子ポリプロピレン粒子ポリスチレン粒子ポリメチルメタクリレート樹脂粒子ポリウレタン樹脂粒子等を挙げることができる。これらの粒子は、1種類または2種以上を混ぜ合わせて使用することができる。
耐熱性樹脂層4の厚さは、0.1〜2.5μm程度が好ましく、0.5〜1.5μm程度がより好ましい。

0024

(本実施形態の効果)
本実施形態に係る発明は、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態に係る昇華性熱転写記録媒体1は、基材3の一方の面に昇華性染料層2と離型層8とが面順次で形成され、離型層8の上には、熱転写性保護層5が形成され、離型層8及び熱転写性保護層5の少なくともいずれかは、複数種類の帯電防止剤を含有している。そして、複数種類の帯電防止剤の含有量は、離型層8及び熱転写性保護層1のうち帯電防止剤を含有している層の全質量に対して、9質量%以上14質量%以下である。
このような構成によれば、熱転写後の受像シートに転写された印画物表面の表面抵抗値を下げることができる。これにより、連続印画により排出されトレイに積層した印画物間の帯電を抑制でき、印画物同士の張り付きやはみ出しを防ぐことができ、整然と重ねて置くことができる。その結果、熱転写性保護層の本来の機能、つまり、印画物の保護性能を損なうことなく、良好な捌き性を確保可能な昇華性熱転写記録媒体を提供できる。

0025

(2)本実施形態に係る昇華性熱転写記録媒体1では、帯電防止剤は、ポリエチレングリコールを含み、ポリエチレングリコールの含有量が、離型層8及び熱転写性保護層1のうち帯電防止剤を含有している層の全質量に対して、5質量%以上10質量%以下である。
このような構成によれば、環境・人体に対する安全性を向上できる。

0026

以下、実施例について詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
[受像シートの作製]
基材として100μmの白色発泡ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを使用し、その一方の面に下記組成の受像層塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が5.0g/m2になるよう形成し、更に、他方の面に下記組成の粘着層塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が10.0g/m2になるように形成し、その後、離型シートとして、100μmのPETフイルムを、粘着層を介してドライラミネート法を用いて貼り合せることにより、受像シートを得た。なお、文中で「部」とあるのは、特に断りの無い限り質量基準である。

0027

(受像層塗布液)
・塩化ビニル−酢酸ビニルビニルアルコール共重合体19.5部
アミノ変性シリコーンオイル0.5部
トルエン40.0部
・MEK 40.0部
(粘着層塗布液)
アクリル共重合体49.0部
・エポキシ樹脂0.5部
酢酸エチル50.5部

0028

[昇華性熱転写記録媒体1の作製]
基材3として厚さ4.5μmのポリエステルフィルムを用いて、グラビアコート法により、一方の面に、所定位置に各種用意された昇華性熱転写形成用イエローインク、昇華性熱転写形成用マゼンタインク、昇華性熱転写形成用シアンインクを用いて、昇華性染料層2を各乾燥厚0.8μmで面順次に形成した。さらに、離型層形成用インクを用いて、離型層8を乾燥膜厚0.5μmで形成した後、その離型層8上に、剥離層形成用インクを用いて剥離層7を乾燥膜厚0.6μmで形成し、さらに剥離層7上に接着層形成用インクを用いて接着層6を乾燥膜厚0.8μmで形成することで、昇華性熱転写記録媒体1を得た。また、基材3の他方の面に、耐熱性樹脂層形成用インクを乾燥厚1.3μmで形成して耐熱性樹脂層4を得た。

0029

(耐熱性樹脂層形成用インク)
アクリルポリオール樹脂15.0部
ステアリン酸亜鉛1.5部
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル1.5部
タルク1.0部
2,6−トリレンジイソシアネート5.0部
トルエン50.0部
メチルエチルケトン20.0部
酢酸エチル6.0部
(昇華性熱転写形成用イエローインク)
C.I.ソルベントイエロー93 0.6部
C.I.ソルベントイエロー16 3.6部
ポリビニルブチラール樹脂5.4部
シリコーンオイル0.4部
メチルエチルケトン 60.0部
トルエン 30.0部

0030

(昇華性熱転写形成用マゼンタインク)
C.I.ディスパースレッド60 6.0部
C.I.ディスパースバイオレット26 1.0部
ポリビニルブチラール樹脂5.0部
シリコーンオイル0.5部
メチルエチルケトン58.5部
トルエン29.0部
(昇華性熱転写形成用シアンインク)
C.I.ソルベントブルー36 6.9部
C.I.ソルベントブルー63 2.5部
ポリビニルブチラール樹脂 5.0部
シリコーンオイル 0.6部
メチルエチルケトン 57.0部
トルエン 28.0部

0031

(離型層形成用インク)
酢酸セルロース樹脂20.0部
メチルエチルケトン80.0部
(剥離層形成用インク)
アクリル樹脂72.0部
ポリエステル樹脂11.6部
帯電防止剤1(カチオン系界面活性剤ES−L−9 第一工業製薬) 4.0部
帯電防止剤2(ポリエチレングリコールPEG300 第一工業製薬) 5.0部
ポリエチレンワックス7.4部
(接着層形成用インク)
アクリル樹脂 30.0部
メチルエチルケトン 70.0部

0032

<実施例2>
実施例2では、剥離層形成用インクの組成を下記に記載した組成とした。それ以外は、実施例1と同様とした。
(剥離層形成用インク)
アクリル樹脂73.0部
ポリエステル樹脂7.6部
帯電防止剤1(カチオン系界面活性剤ES−L−9 第一工業製薬) 4.0部
帯電防止剤2(ポリエチレングリコールPEG300 第一工業製薬) 8部
ポリエチレンワックス7.4部

0033

<実施例3>
実施例3では、剥離層形成用インクの組成を下記に記載した組成とした。それ以外は、実施例1と同様とした。
(剥離層形成用インク)
アクリル樹脂78.6部
帯電防止剤1(カチオン系界面活性剤ES−L−9 第一工業製薬) 4.0部
帯電防止剤2(ポリエチレングリコールPEG300 第一工業製薬) 10.0部
ポリエチレンワックス7.4部

0034

<比較例1>
比較例1では、剥離層形成用インクの組成を下記に記載した組成とした。それ以外は、実施例1と同様とした。
(剥離層形成用インク)
アクリル樹脂73.6部
帯電防止剤1(カチオン系界面活性剤ES−L−9 第一工業製薬) 4.0部
帯電防止剤2(ポリエチレングリコールPEG300 第一工業製薬) 15.0部
ポリエチレンワックス7.4部

0035

<比較例2>
比較例2では、剥離層形成用インクの組成を下記に記載した組成とした。それ以外は、実施例1と同様とした。
(剥離層形成用インク)
アクリル樹脂81.0部
ポリエステル樹脂7.6部
帯電防止剤1(カチオン系界面活性剤ES−L−9 第一工業製薬) 4.0部
ポリエチレンワックス7.4部

0036

<比較例3>
比較例3では、剥離層形成用インクの組成を下記に記載した組成とした。それ以外は、実施例1と同様とした。
(剥離層形成用インク)
アクリル樹脂76.0部
ポリエステル樹脂7.6部
帯電防止剤1(カチオン系界面活性剤ES−L−9 第一工業製薬) 4.0部
帯電防止剤2(水酸基を有するカチオン系界面活性剤レジスタットPU-101 第一工業製薬) 5.0部
ポリエチレンワックス7.4部

0037

<比較例4>
剥離層形成用インクの組成を下記に記載した組成とした以外は、実施例1と同様に作製した。
(剥離層形成用インク)
アクリル樹脂72.0部
ポリエステル樹脂11.6部
帯電防止剤1(カチオン系界面活性剤ES−L−9 第一工業製薬) 4.0部
帯電防止剤2(ポリアルキレングリコールポリマー+Li塩PEL-100 日本カーリット) 5.0部
ポリエチレンワックス7.4部

0038

<比較例5>
比較例5では、剥離層形成用インクの組成を下記に記載した組成とした。それ以外は、実施例1と同様とした。
(剥離層形成用インク)
アクリル樹脂76.0部
ポリエステル樹脂7.6部
帯電防止剤1(カチオン系界面活性剤ES−L−9 第一工業製薬) 4.0部
帯電防止剤2(リン酸エステルプライサーフA208B 第一工業製薬) 5.0部
ポリエチレンワックス7.4部

0039

<評価>
実施例1〜3及び比較例1〜5で得られた昇華性熱転写記録媒体1及び受像シートを用いて、印画物、捌き性、安全性、耐溶剤性について、以下の方法にて評価した。
<印画物作製>
昇華性熱転写記録媒体1、受像シートを評価用サーマルプリンタ用いて、最高濃度の全画面黒画像黒ベタ)を連続して18枚印画した。
<捌き性評価>
評価用サーマルプリンタより排出されトレイに積層した印画物18枚を手に取り、扇状に広げたときの印画物の貼り付きを評価した。
○:印画物同士が貼り付かない
×:印画物同士に貼り付きがあり、印画物を手で軽くふっても分離不可能である
<安全性>
帯電防止剤の安全性について、MSDSを基に印画物表面の有害物転写率を質量基準で算出した。有害物転写率が1%未満の場合を○、1%以上の場合を×とした。
<耐溶剤性>
印画物表面を、イソプロパノールを含む綿棒で軽く5往復こすった。印画物表面に異変が見られない場合を○、若干異変がある場合を△、明らかに異変がある場合を×とした。
評価結果を下記の表1に記す。

0040

実施例

0041

実施例1〜3では、印画物の捌き性が良好な結果となり、安全性、耐溶剤性、つまり、印刷物の保護性能も担保する結果となった。なお、実施例3では、若干耐溶剤性で異変が見られたが、実用上は問題がない範囲である。
一方、比較例1では、帯電防止剤の含有量が多いことで、耐溶剤性が悪化した。また、比較例2では、帯電防止剤の含有量が少ないことで、十分な帯電防止効果が得られなかった。また、比較例3〜5は、捌き性と耐溶剤性は問題がなかったが、安全性が悪化した。

0042

本発明の昇華性熱転写記録媒体1は、昇華転写方式のプリンタに使用すでき、プリンタの高速・高機能化と併せて、各種画像を簡便に形成できるため、デジタルカメラセルフプリント、身分証明書等のカード類、アミューズメント用出力物等に広く利用できる。

0043

1昇華性熱転写記録媒体
2昇華性染料層
3基材
4耐熱性樹脂層
5熱転写性保護層
6接着層
7剥離層7
8 離型層

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