図面 (/)
※この項目の情報は公開日時点(2017年9月14日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります
図面 (0)
図面はありません
課題
解決手段
概要
背景
液晶化合物を含む液晶組成物を用いて位相差膜や反射膜などの様々な光学特性を有する成型品の作製が可能である。液晶組成物を硬化した層(本明細書において、「液晶層」ということがある。)を含む成型品の作製方法としては、樹脂フィルムの接着や成型のために一般的に行われている、熱可塑性の接着層である熱可塑性溶着層を用いたヒートシールを用いた方法が挙げられる。しかし、特許文献1においては、ヒートシールを用いて液晶層を転写する方法において設計されたとおりの光学特性を示さないという問題についての指摘がある。特許文献1では、さらにこの問題が液晶層中の未硬化物質が加熱および加圧により熱可塑性の接着層に溶出することに由来することを見出し、この溶出を防止する手段を提案している。
概要
液晶組成物を硬化した層の転写シートであって、設計通りの光学特性を有するとともに、各層の密着性が高く、基材への接着性のよい転写シート、ならびに液晶組成物を硬化した層と熱可塑性溶着層とを含む光学積層体として各層の密着性の高い光学積層体を提供する。液晶組成物を硬化した層、(メタ)アクリルポリマーを含むブロック層、および熱可塑性溶着層をこの順で含み、上記熱可塑性溶着層および上記ブロック層が直接接しており、上記熱可塑性溶着層が熱可塑性樹脂および紫外線硬化性樹脂を含む、転写シート、上記転写シートおよび基板を含む光学積層体、ならびに、上記ブロック層の表面で熱可塑性樹脂および紫外線硬化性モノマーを含む熱可塑性溶着層に紫外線照射することを含む上記転写シートまたは上記光学積層体の製造方法。なし
目的
本発明の課題は、液晶層をヒートシールを用いて転写するための転写シートであって、設計通りの液晶層の光学特性を有するとともに、各層の密着性が高く、基材への接着性のよい転写シートを提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
液晶組成物を硬化した層、ブロック層、および熱可塑性溶着層をこの順で含み、前記液晶組成物が液晶化合物を含み、前記ブロック層が(メタ)アクリルポリマーを含み、前記熱可塑性溶着層および前記ブロック層が直接接しており、前記熱可塑性溶着層が熱可塑性樹脂および紫外線硬化性樹脂を含む、転写シート。
請求項2
前記熱可塑性溶着層において、前記紫外線硬化性樹脂が前記熱可塑性樹脂に対して100質量%以下である請求項1に記載の転写シート。
請求項3
請求項4
前記熱可塑性溶着層の膜厚が0.5μm〜30μmである請求項1〜3のいずれか一項に記載の転写シート。
請求項5
前記熱可塑性溶着層が紫外線硬化性モノマーを含み、前記紫外線硬化性モノマーが前記紫外線硬化性樹脂と前記紫外線硬化性モノマーとの合計質量に対して50質量%以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の転写シート。
請求項6
前記紫外線硬化性モノマーが前記紫外線硬化性樹脂と前記紫外線硬化性モノマーとの合計質量に対して20質量%以下である請求項5に記載の転写シート。
請求項7
請求項8
前記基板がポリカーボネートを含む請求項7に記載の光学積層体。
請求項9
請求項1〜6のいずれか一項に記載の転写シートの前記熱可塑性溶着層の表面に加熱条件下で基板を形成することを含む、前記液晶組成物を硬化した層、前記ブロック層、前記熱可塑性溶着層、および前記基板をこの順で含む光学積層体の製造方法。
請求項10
前記液晶組成物を硬化した層および前記ブロック層を含む材料の前記ブロック層の表面に、熱可塑性樹脂および紫外線硬化性モノマーを含む組成物を塗布すること、および前記塗布後に得られる塗布層に紫外線照射することを含む、請求項9に記載の製造方法。
請求項11
請求項1〜6のいずれか一項に記載の転写シートの製造方法であって、前記液晶組成物を硬化した層および前記ブロック層を含む材料の前記ブロック層の表面に、熱可塑性樹脂および紫外線硬化性モノマーを含む熱可塑性溶着層を形成すること、および前記熱可塑性溶着層に紫外線照射することを含む、前記製造方法。
技術分野
0001
本発明は、液晶組成物を硬化した層を転写するための転写シートに関する。本発明はまた、液晶組成物を硬化した層を含む光学積層体に関する。本発明はさらに、上記転写シートの製造方法および上記光学積層体の製造方法に関する。
背景技術
0002
液晶化合物を含む液晶組成物を用いて位相差膜や反射膜などの様々な光学特性を有する成型品の作製が可能である。液晶組成物を硬化した層(本明細書において、「液晶層」ということがある。)を含む成型品の作製方法としては、樹脂フィルムの接着や成型のために一般的に行われている、熱可塑性の接着層である熱可塑性溶着層を用いたヒートシールを用いた方法が挙げられる。しかし、特許文献1においては、ヒートシールを用いて液晶層を転写する方法において設計されたとおりの光学特性を示さないという問題についての指摘がある。特許文献1では、さらにこの問題が液晶層中の未硬化物質が加熱および加圧により熱可塑性の接着層に溶出することに由来することを見出し、この溶出を防止する手段を提案している。
先行技術
0003
WO2015/050256
発明が解決しようとする課題
0004
本発明者らは、上記特許文献1において示されている問題と原因とを鑑み、ヒートシールを用いて種々の液晶層を転写する際、熱可塑性溶着層と液晶層との間に両者間の物質の行き来を防止するためのブロック層を設けることを着想した。そして、上記ブロック層としてアクリレートポリマーを用いて成型品を製造していたところ、層間の密着性が不十分である例が見られるという新たな問題に直面した。
0005
上記を鑑み、本発明の課題は、液晶層をヒートシールを用いて転写するための転写シートであって、設計通りの液晶層の光学特性を有するとともに、各層の密着性が高く、基材への接着性のよい転写シートを提供することである。本発明はまた、液晶層と熱可塑性溶着層とを含む光学積層体として各層の密着性の高い光学積層体を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段
0006
本発明者らは、熱可塑性溶着層と液晶層との間にブロック層を有する転写シートにおける各層との密着性を上げるために鋭意検討し、熱可塑性溶着層に紫外線硬化性モノマーを添加することにより、熱可塑性溶着層とブロック層との密着性を向上させることができることを見いだし、この知見に基づいて、本発明を完成させた。
0007
すなわち、本発明は下記の[1]〜[11]を提供するものである。
[1]液晶組成物を硬化した層、ブロック層、および熱可塑性溶着層をこの順で含み、
上記液晶組成物が液晶化合物を含み、
上記ブロック層が(メタ)アクリルポリマーを含み、
上記熱可塑性溶着層および上記ブロック層が直接接しており、
上記熱可塑性溶着層が熱可塑性樹脂および紫外線硬化性樹脂を含む、
転写シート。
[2]上記熱可塑性溶着層において、上記紫外線硬化性樹脂が上記熱可塑性樹脂に対して100質量%以下である[1]に記載の転写シート。
[3]上記紫外線硬化性樹脂と上記ブロック層に含まれる(メタ)アクリルポリマーとが同一の(メタ)アクリレートの重合体である[1]または[2]に記載の転写シート。
0008
[4]上記熱可塑性溶着層の膜厚が0.5μm〜30μmである[1]〜[3]のいずれか一項に記載の転写シート。
[5]上記熱可塑性溶着層が紫外線硬化性モノマーを含み、
上記紫外線硬化性モノマーが上記紫外線硬化性樹脂と上記紫外線硬化性モノマーとの合計質量に対して50質量%以下である[1]〜[4]のいずれか一項に記載の転写シート。
[6]上記紫外線硬化性モノマーが上記紫外線硬化性樹脂と上記紫外線硬化性モノマーとの合計質量に対して20質量%以下である[5]に記載の転写シート。
[7][1]〜[6]のいずれか一項に記載の転写シートおよび基板を含み、
上記基板および上記熱可塑性溶着層が直接接している光学積層体。
[8]上記基板がポリカーボネートを含む[7]に記載の光学積層体。
0009
[9][1]〜[6]のいずれか一項に記載の転写シートの上記熱可塑性溶着層の表面に加熱条件下で基板を形成することを含む、
上記液晶組成物を硬化した層、上記ブロック層、上記熱可塑性溶着層、および上記基板をこの順で含む光学積層体の製造方法。
[10]上記液晶組成物を硬化した層および上記ブロック層を含む材料の上記ブロック層の表面に、熱可塑性樹脂および紫外線硬化性モノマーを含む組成物を塗布すること、および
上記塗布後に得られる塗布層に紫外線照射することを含む、[9]に記載の製造方法。
[11][1]〜[6]のいずれか一項に記載の転写シートの製造方法であって、
上記液晶組成物を硬化した層および上記ブロック層を含む材料の上記ブロック層の表面に、熱可塑性樹脂および紫外線硬化性モノマーを含む熱可塑性溶着層を形成すること、および
上記熱可塑性溶着層に紫外線照射することを含む、上記製造方法。
発明の効果
0010
本発明により、液晶層をヒートシールを用いて転写するための転写シートであって、設計通りの液晶層の光学特性を有するとともに、各層の密着性が高く、基板などへの接着性のよい転写シートが提供される。本発明の転写シートを用いて、液晶層と熱可塑性溶着層とを含む光学積層体として各層の密着性の高い光学積層体を提供することができる。本発明はさらに、上記転写シートの製造方法および上記光学積層体の製造方法を提供する。
0011
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」との記載は、「アクリレートおよびメタクリレートのいずれか一方または双方」の意味を表す。「(メタ)アクリルポリマー」等も同様である。
0012
<転写シート>
本明細書において、転写シートは、液晶層を、ヒートシールを用いて基材に転写するためのシートを意味する。ヒートシールは、加熱によって溶かされた熱可塑性の物質を利用して、接着を達成することを意味し、熱溶着とも呼ばれる。ヒートシールは、後述するように、加熱および加圧を含む工程により接着を達成していてもよい。基材については後述する。
0013
本発明の転写シートは、液晶層、ブロック層および熱可塑性溶着層を含む。本発明の転写シートは、支持体、配向層、保護層などの他の層を含んでいてもよい。本発明の転写シートにおいて、熱可塑性溶着層およびブロック層は直接接している。液晶層およびブロック層は、直接接していても、両者間に他の層があってもよいが、直接接していることが好ましい。
0014
[熱可塑性溶着層]
熱可塑性溶着層は、加熱により溶解し、その後冷却することで基材と接着する層を意味する。熱可塑性溶着層の基材への接着により、本発明の転写シートの少なくとも液晶層、ブロック層、および熱可塑性溶着層が基材と一体になる。
熱可塑性溶着層が溶解する温度は、80℃〜150℃であればよく、100℃〜130℃が好ましい。冷却は室温以下にすることが好ましく、具体的には10℃〜30℃にすればよい。冷却の前には加圧を行うことが好ましい。さらに冷却時は加圧状態が維持されていることが好ましい。加圧は、0.01MPa〜1.0MPaであればよく、0.05MPa〜0.5MPaが好ましく、0.1MPa〜0.3MPaがより好ましい。
0015
本発明の転写シートにおける熱可塑性溶着層の膜厚は0.5μm〜30μmであればよく、1.0μm〜15.0μmであることが好ましい。熱可塑性溶着層の膜厚を0.5μm以上とすることにより、基材との十分な密着性が確実となる。
0016
本発明の転写シートにおいて熱可塑性溶着層は、熱可塑性樹脂および紫外線硬化性樹脂を含む。本発明者らは、ブロック層の表面に設けられる熱可塑性溶着層に紫外線硬化性モノマーを添加し、紫外線照射を行うことによりブロック層と熱可塑性溶着層との密着性が向上することを見出した。紫外線硬化性樹脂は紫外線照射により紫外線硬化性モノマーが重合、または重合および架橋したものであり、熱可塑性溶着層中のブロック層側の界面での上記重合が密着性の向上に寄与したと考えられる。
0017
本発明の転写シートにおいて熱可塑性溶着層は紫外線硬化性樹脂に加えてその原料となる紫外線硬化性モノマーを含んでいてもよい。紫外線硬化性モノマーが含まれる場合、熱可塑性溶着層における紫外線硬化性樹脂と紫外線硬化性モノマーとの合計質量に対し、紫外線硬化性モノマーは50質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。紫外線硬化性モノマーを一定量以下とすることにより、転写シート中の熱可塑性溶着層の紫外線硬化性モノマーが基材との密着に影響を与えることを防止することができる。
0018
熱可塑性溶着層は、熱可塑性溶着層形成用組成物をブロック層または離型シート等の表面に塗布して形成することができる。この熱可塑性溶着層形成用組成物において、紫外線硬化性モノマーは熱可塑性樹脂の総質量に対して100質量%以下であればよく、30質量%〜90質量%であることが好ましく、40質量%〜80質量%であることがより好ましい。同様にブロック層の表面に設けられる、紫外線照射前の熱可塑性溶着層においては、紫外線硬化性モノマーは熱可塑性樹脂の総質量に対して100質量%以下であればよく、30質量%〜90質量%であることが好ましく、40質量%〜90質量%であることがより好ましい。
熱可塑性溶着層形成用組成物は熱可塑性樹脂および紫外線硬化性モノマーの他に重合開始剤等の他の成分を含んでいてもよい。また、溶媒を含んでいてもよい。
0019
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性溶着層は熱可塑性樹脂を含む。熱可塑性樹脂の例としては、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、イソブテン・無水マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、アクリル共重合樹脂、スチレン・ブタジエン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、ロジン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ニトリル樹脂などが挙げられる。
0020
(紫外線硬化性モノマー)
紫外線硬化性モノマーとしては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の重合性不飽和基を有するモノマーが挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。
(メタ)アクリレートとして特に好ましい例としては、ウレタン(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートモノマーとしては、式(II)で表されるウレタン結合および2つ以上の(メタ)アクリロイル基を含むものが好ましい。
0021
0022
式(II)中、Rは水素原子または炭化水素基を示す。
本明細書において、「炭化水素基」は炭素原子および水素原子のみから構成される1価の基を意味し、アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基などの芳香環基が挙げられる。アルキル基としては、メチル基、エチル基などが挙げられる。シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキキル基などが挙げられる。
Rは水素原子であることが好ましい。
0023
ウレタン(メタ)アクリレートモノマーは、ポリイソシアネート化合物と水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を用いた付加反応または、ポリアルコール化合物とイソシアネート基含有(メタ)アクリレート化合物を用いた付加反応から得られる化合物である。
ウレタン(メタ)アクリレートモノマーは、通常イソシアネート基を有していない。
0024
ポリイソシアネート化合物はジイソシアネートまたはトリイソシアネートであることが好ましい。ポリイソシアネート化合物の具体例としては、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
0025
水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の例としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。
ポリアルコール化合物の例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
イソシアネート基含有(メタ)アクリレート化合物の例としては、2−イソシアナトエチルアクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレートなどが挙げられる。
0026
ウレタン(メタ)アクリレートモノマーは(メタ)アクリロイル基を3つ以上含み、4つ以上であることが好ましく、5つ以上であることがより好ましい。上限は特にないが30個以下であればよく、20個以下がより好ましく、18個以下がさらに好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートモノマーの分子量は400〜8000であることが好ましく、500〜5000であることがより好ましい。
0027
ウレタン(メタ)アクリレートモノマーとしては市販品を用いてもよい。市販品としては、新中村工業株式会社製のU−2PPA、U−4HA、U−6LPA,U−10PA、UA−1100H,U−10HA、U−15HA、UA−53H,UA−33H,U−200PA,UA−160TM,UA−290TM,UA−4200,UA−4400,UA−122P,UA−7100,UA−W2Aおよび共栄社化学(株)社製のUA−510H,AH−600,AT−600,U−306T,UA−306I,UA−306H,UF−8001G,DAUA−167,ダイセル・サイテック社製のEBERCRYL204、EBERCRYL205、EBERCRYL210、EBERCRYL215、EBERCRYL220、EBERCRYL230、EBERCRYL244、EBERCRYL245、EBERCRYL264、EBERCRYL265、EBERCRYL270、EBERCRYL280/15IB、EBERCRYL284、EBERCRYL285、EBERCRYL294/25HD、EBERCRYL1259、EBERCRYL1290、EBERCRYL8200、EBERCRYL8200AE、EBERCRYL4820、EBERCRYL4858、EBERCRYL5129、EBERCRYL8210、EBERCRYL8254、EBERCRYL8301R、EBERCRYL8307、EBERCRYL8402、EBERCRYL8405、EBERCRYL8411、EBERCRYL8465、EBERCRYL8800、EBERCRYL8804、EBERCRYL8807、EBERCRYL9260、EBERCRYL9270、KRM7735、KRM8296、KRM8452、KRM8904、EBERCRYL8311、EBERCRYL8701、EBERCRYL9227EA、KRM8667、KRM8528などが挙げられる。
0028
その他の(メタ)アクリレートとして市販品の例としては、日本化成株式会社製の、4HBA、2HEA、大阪有機化学工業株式会社のビスコート♯802(TriPEA)、ビスコート♯295(TMPTA)、 ビスコート♯300(PETA)、ビスコート♯360(TMPTEOA)を挙げることができる。
その他の紫外線硬化性モノマーとして市販品の例としては、丸善石油株式会社製の、HEVE、HBVE、DEGV、EHVEを挙げることができる。これらはビニル基を有するモノマーである。
0029
(重合開始剤)
重合開始剤としては光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書および同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール2量体とp−アミノケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることができる。特に、トリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾールおよびトリアリールイミダゾール2量体が好ましい。また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」も好適なものとして挙げることができる。
また重合開始剤の量は、熱可塑性溶着層形成用組成物の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.2〜10質量%であることがさらに好ましい。
0030
(溶媒)
溶媒としては、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)、アルキルアルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール)が挙げられる。また、二種類以上の溶媒を混合して使用してもよい。上記の中で、アルキルハライド、エステル、ケトンおよびそれらの混合溶媒が好ましい。
0031
[ブロック層]
本明細書において、ブロック層は、熱可塑性溶着層と液晶層との間の含有成分の行き来を低減するための層である。各層の含有成分の行き来を低減し、好ましくは、無くすことにより、熱可塑性溶着層と液晶層とのそれぞれの機能を維持することができる。特に、液晶層の設計通りの光学特性を維持することができる。
発明の転写シートにおいてブロック層は、(メタ)アクリレートポリマーを含む。
0032
(メタ)アクリレートポリマーとしては、熱可塑性溶着層に含まれる紫外線硬化性樹脂として例示したものと同様のものを用いることができる。すなわち、ブロック層に含まれる(メタ)アクリレートポリマーとしては、紫外線硬化性モノマーとして上記で例示した(メタ)アクリレートが、重合、または重合および架橋したものを挙げることができる。ブロック層に含まれる(メタ)アクリレートポリマーが熱可塑性溶着層に含まれる紫外線硬化性樹脂と同一の(メタ)アクリレートモノマーを原料とするポリマーであることも好ましい。すなわち、ブロック層に含まれる(メタ)アクリレートポリマーと熱可塑性溶着層に含まれる紫外線硬化性樹脂とが同一の(メタ)アクリレートの重合体であることも好ましい。
0033
本発明の転写シートにおけるブロック層の膜厚は1.0μm〜30μmであればよく、2.0μm〜10.0μmであることが好ましく3.0μm〜7.0μmであることがより好ましい。
0034
ブロック層に含まれる(メタ)アクリレートポリマーは(メタ)アクリレートを熱重合したものであっても光重合したものであってもよいが、光重合したものが特に好ましい。光重合反応は、(メタ)アクリレートを含むブロック層形成用組成物が層状とされた後に行われていればよい。例えば、液晶層などの層に、(メタ)アクリレートを含むブロック層形成用組成物が直接塗布され、その塗布層に紫外線照射を行えばよい。ブロック層形成用組成物の塗布や、紫外線照射については、後述の転写シートの製造方法における熱可塑性溶着層の作製に関する記載を参照することができる。
0035
ブロック層形成用組成物は(メタ)アクリレートの他に重合開始剤、配向剤等の他の成分を含んでいてもよい。また、溶媒を含んでいてもよい。重合開始剤および溶媒としては、熱可塑性溶着層形成用組成物について上述したものとそれぞれ同様のものを用いることができる。
0036
(配向剤)
配向剤はブロック層を塗布によって形成する際に、ブロック層塗布膜の表面張力を下げる役割を持つ。この効果によりブロック層を形成している工程で空気中の異物が混入した際には、異物がブロック層表面に現れることを防止し転写体の面状を平坦に保つことができ、その結果として良好な面状を有する転写体を得ることができる。
配向剤としては、上記効果を有する限り特に限定されないが、フッ素系配向剤が好ましく、特に、末端にパーフルオロアルキル基を有するフッ素系配向剤が好ましい。配向剤の例としては、特開2012−211306号または特開2005−99248号公報に記載の配向剤が挙げられる。
0037
[液晶層(液晶組成物を硬化した層)]
液晶組成物は液晶化合物を含む組成物である。液晶化合物を液晶状態において配向させ、その後、硬化により、上記配向を固定化して得られる液晶層は液晶化合物の特性に由来し、位相差層や選択反射層などとして機能できる光学特性を有し得る。本明細書において、液晶層は、液晶化合物が重合等によって固定されて形成された層であり、層となった後はもはや液晶性を示す必要はない。液晶層は支持体等の上に塗布された重合性の液晶化合物を含む液晶組成物の硬化反応を進行させることにより形成することができる。液晶組成物は、重合開始剤、キラル剤、配向制御剤、架橋剤などを含んでいてもよい。
0038
液晶組成物中の各成分または液晶層の作製方法については、従来技術を参照することができ、例えば、WO2014/148408の段落0036〜0072、特開2012−181359号公報段落0024〜0062、WO2015/050256の段落0018〜0048、WO2015/115390、WO2015/147243などを参照できる。
液晶層としては、上記の特開2012−181359号公報、WO2015/050256、WO2015/115390、またはWO2015/147243等に記載のコレステリック液晶相を固定した層であることも好ましい。
0039
[支持体または配向層]
液晶層の形成のための支持体または配向層についても、従来技術を参照することができ、例えば上記文献の関連する記載を参照できる。なお、支持体は、液晶層の形成後に剥離され、転写シートに含まれていなくてもよい。または、支持体は、転写シートに含まれており、転写時または転写後に剥離されてもよい。支持体が剥離される場合、配向層は支持体とともに剥離されてもよく、剥離されなくてもよい。
0040
[保護層]
本発明の転写シートは保護層を含んでいてもよい。保護層は、シート表面を保護するために設けることができる。例えば、転写シートは熱可塑性溶着層の表面であって最外層に保護層を含み、転写シートとしての使用時に保護層を剥離して用いてもよい。
0041
<転写シートの製造方法>
転写シートは、液晶層およびブロック層を含む材料のブロック層の表面に、熱可塑性樹脂および紫外線硬化性モノマーを含む熱可塑性溶着層を形成すること、およびこの熱可塑性溶着層に紫外線照射することを含む製造方法により製造することができる。なお、ここでの紫外線照射前の熱可塑性溶着層は紫外線硬化性樹脂を含んでいなくてもよく、重合により紫外線硬化性樹脂となる紫外線硬化性モノマーを含んでいればよい。本明細書においては、紫外線照射前の層および紫外線照射後の層(紫外線硬化性樹脂を含む)の双方につき、熱可塑性溶着層という。
0042
液晶層およびブロック層を含む材料は、液晶層上にブロック層を形成すること、または、ブロック層を支持体として、この支持体上に液晶層を形成することにより得ることができる。これらのうち、液晶層上にブロック層を形成することが好ましい。
0043
熱可塑性溶着層の形成は、ブロック層の表面に行う。それにより、ブロック層と熱可塑性溶着層とが直接接している転写シートを得ることができる。熱可塑性溶着層の形成は、熱可塑性溶着層形成用組成物をブロック層の表面に塗布すること、または、熱可塑性溶着層からなるシートを用いて行うことができる。熱可塑性溶着性からなるシートは、離型シート上に上記と同様に熱可塑性溶着層を形成することにより作製することができる。その後、離型シートを熱可塑性溶着層がブロック層に接触するように積層する。離型シートは、積層後紫外線照射前に剥離してもよく、紫外線照射後に剥離してもよい。紫外線照射後に剥離することが好ましい。熱可塑性溶着層とブロック層との密着性が確保されてから剥離することができるからである。
0044
熱可塑性溶着層形成用組成物の塗布のほか、本明細書中で塗布というときの塗布方法は、例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、スリットコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書)により、行うことができる。二以上の層を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書および原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。
0045
上記のように形成された熱可塑性樹脂および紫外線硬化性モノマーを含む熱可塑性溶着層にはその後紫外線照射を行う。紫外線照射の照射エネルギーは、10mJ/cm2〜10J/cm2であることが好ましく、25〜1000mJ/cm2であることがさらに好ましい。照度は10〜2000mW/cm2であることが好ましく、20〜1500mW/cm2であることがより好ましく、100〜1000mW/cm2であることがさらに好ましい。照射波長としては280〜1000nmにピークを有することが好ましく、340〜800nmにピークを有することがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは加熱条件下で光照射を実施してもよい。
0046
紫外線照射を行うことにより、紫外線硬化性モノマーが重合して紫外線硬化性樹脂となるとともに、ブロック層との密着性が向上する。紫外線照射は、上記のように熱可塑性溶着層における紫外線硬化性樹脂の総質量に対する、紫外線硬化性モノマー量が上述の範囲となるように行うことが好ましい。
0047
<転写シートの用途>
本発明の転写シートは、液晶層をヒートシールを用いて基材に転写するためのシートとして用いることができる。
基材としては、特に制限されないが金属またはプラスチックが挙げられる。基材はプラスチックであることが好ましい。好ましいプラスチックの例としては、ポリカーボネートまたはアクリル樹脂が挙げられ、ポリカーボネートが好ましい。基材は、シート状の基板であってもよく、曲面や凹凸部分を有する成型品であってもよい。基材は、ヒートシールのための加熱時に既に基板や成型品の形状を有していてもよく、ヒートシールのための加熱時に同時に基板や成型品の形状となるものであってもよい。また、基材は、熱可塑性溶着層と対面させるときに既に基板や成型品の形状を有していてもよく、また射出成型などにより熱可塑性溶着層と対面させるときに同時に基板や成型品の形状となるものであってもよい。
0048
本発明の転写シートは、例えば、熱可塑性溶着層を基材に対面させて接することができる状態で加熱されることにより、基材に接着することができる。上記接着のための加熱の際は、一般的にヒートシールとして知られている何れの方法を用いてもよい。
0049
本発明の転写シートは、加熱および加圧を含む工程を経て液晶層を有する成型品を製造する際の原料フィルムとして使用することもできる。
加熱および加圧を含む工程を経る製造の原料フィルムとして使用される場合、本発明の転写シートは、伸長伸びが5〜40%であることが好ましく、10〜30%であることがより好ましく、12〜25%であることがさらに好ましい。引張伸びは、薄いプラスチックシートの引張試験(ASTMD882)に準じて測定することができる。
0051
真空成型、圧空成型、マッチドダイ成型は、例えば樹脂や金属などの平板を加熱しながら金型や圧縮空気で加圧して、所望の形状を形成する成型であるが、上記平板に予め本発明の転写シートの熱可塑性溶着層を対面させておいてから、加熱しながら加圧を行うことにより、上記平板から形成される加工品に熱可塑性樹脂およびブロック層を介して液晶層を設けることができる。
0052
インサート成型はプラスチックフィルムを射出成型機の型内に挟み込んだ後に、上記射出成型機の型内に樹脂を注入して、加熱圧縮することにより表面にプラスチックフィルムがラミネートまたは転写された樹脂成型品を得ることができる成型である。本発明の転写シートを用いる際は、本発明の転写シートを、熱可塑性溶着層が注入される樹脂側になるようにして射出成型機の型内に挟み込むことにより、液晶層を含む成型品を得ることができる。注入される樹脂としてはアクリル樹脂またはポリカーボネートが好ましい。例えば、ポリカーボネート樹脂として、ノバレックス7022-l(三菱エンジニアリングプラスチック株式会社)を使用することができる。
0053
<光学積層体>
本発明の転写シートを使用して製造することができる成型品としては、光学積層体が挙げられる。転写シートの熱可塑性溶着層の表面に加熱条件下で基板を形成することにより光学積層体を得ることができる。光学積層体は、基板、熱可塑性溶着層、ブロック層、および液晶層をこの順で含む。液晶層の光学特性に応じて、様々な用途の光学積層体を製造することができる。光学積層体の例としては、位相差フィルム、反射フィルム、反射防止フィルム、センサー用フィルター、ハーフミラー、遮熱シート、遮熱フィルム(UVカットシートなど)、加飾シート、円偏光フィルター、光散乱シート、反射型スクリーンなどが挙げられる。
0054
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
0055
実施例1
<液晶層の作製>
以下に示す組成の液晶層形成用塗布液を作製した。
(液晶層形成用塗布液の組成)
・重合性コレステリック液晶化合物A 95質量部
・キラル剤B 4.5質量部
・単官能モノマーC 5質量部
・メチルエチルケトン172質量部
・シクロヘキサノン19質量部
・重合開始剤E 4質量部
・配向制御剤F 0.1質量部
0057
(キラル剤B)
0058
(単官能モノマーC)
0059
(重合開始剤E)
商品名:IRGACURE819
入手先:BASF社
0060
(配向制御剤F)
特開2005−99248号公報に記載の化合物
0061
上記液晶層形成用塗布液をワイヤーバーを用いて、乾燥後の乾膜の厚みが4〜5μm程度になるように、厚み50μmの富士フイルム株式会社製PETフィルム上に、室温にて塗布した。塗布膜を30℃にて30秒間乾燥させた後、100℃の雰囲気で2分間加熱し、コレステリック液晶相とした。その後30℃でアイグラフィック製メタルハライドランプにて出力を調整して、窒素置換下において、照度28.3mW/cm2で3秒間UV照射し、コレステリック液晶相を固定して液晶層を作製した。
0062
<ブロック層の作製>
以下組成のブロック層形成用塗布液を調製した。
(ブロック層形成用塗布液の組成)
ウレタンアクリレートモノマーU−10HA(新中村化学工業株式会社製)
2.9質量部
配向剤1 0.02質量部
重合開始剤(OXE01)(BASF社製) 0.08質量部
メチルエチルケトン7質量部
0063
0064
配向剤1は、特開2012−211306号公報の合成例1に記載の方法を用いて合成した。
上記の液晶層の表面に上記ブロック層形成用塗布液を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にてワイヤーバーを用いて塗布した。塗布層を室温にて10秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で1分間加熱し、その後70℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力80%で5秒間UV照射した。
以上の手順で、PETフィルム上に液晶層とブロック層とを有する材料を得た。
0065
<熱可塑性溶着層の作製>
以下組成の熱可塑性溶着層形成用塗布液を調製した。
(熱可塑性溶着層形成用塗布液の組成)
塩化ビニル樹脂/メチルエチルケトン/トルエン溶液・200CG(DIC社製)
塩化ビニル樹脂濃度 20質量% 50質量部
メチルエチルケトン 50質量部
ウレタンアクリレートモノマーU−4HA(新中村化学工業株式会社製)
10質量部
重合開始剤(OXE01)(BASF社製) 0.08質量部
0066
上記材料のブロック層の上に上記熱可塑性溶着層形成用塗布液を乾燥後の乾膜の厚みが1μmになるように室温にてワイヤーバーを用いて塗布した。塗布層を室温にて10秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で1分間加熱し、その後70℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力80%で5秒間UV照射した。以上の手順で、PETフィルム上に液晶層、ブロック層、および熱可塑性溶着層を有する転写シートを得た。
なお、上記転写シートの熱可塑性溶着層のウレタンアクリレートモノマーU−4HAの重合度は48%であった。上記重合度はフーリエ変換赤外分光光度計(IRAffinity−1S(株式会社島津製作所製))で観測される1647〜1640cm-1の吸収の吸光度を紫外線照射前後の熱可塑性溶着層について測定し、以下の数式により求めた。
(紫外線照射後の熱可塑性溶着層の吸光度)/(紫外線照射前の熱可塑性溶着層の吸光度)×100%
0067
<光学積層体の作製>
平面板作製用の第1金型(凹型)および第2金型(凸型)の射出成型用組み合わせの第1金型(凹型)の凹部底面に上記転写シートのPET基板が底面側になるように配置した。この第1金型と第2金型とを型閉めして組み合わせ、形成されたキャビティ内に融解させたポリカーボネートペレット(ノバレックス7022-l(三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製))を注入して成型(金型温度120℃、樹脂温度:120℃、圧力88.2MPa(900kg/cm2)、時間15秒)した。冷却後、金開きを行い、得られた成型体からPETフィルムを剥離して、ポリカーボネート基板上に熱可塑性溶着層とブロック層と液晶層とを有する実施例1の光学積層体を得た。
0068
実施例2
熱可塑性溶着層形成用塗布液においてウレタンアクリレートモノマーU−4HAを5質量部とした以外は実施例1と同様の手順で実施例2の光学積層体を作製した。
0069
実施例3
熱可塑性溶着層形成用塗布液において、ウレタンアクリレートモノマーU−4HAを、ウレタンアクリレートモノマーU−10HA(新中村化学工業株式会社製)に変更した以外は実施例1と同様の手順で実施例3の光学積層体を作製した。
実施例4
熱可塑性溶着層の膜厚を2μmとした以外は実施例1と同様の手順で実施例4の光学積層体を作製した。
0070
実施例5
熱可塑性溶着層作製時の、UV照射時の温度を85℃とした以外は実施例1と同様の手順で実施例5の光学積層体を得た。上記転写シートの熱可塑性溶着層のウレタンアクリレートモノマーU−4HAの重合度を実施例1と同様の手順で確認したところ、19%であった。
実施例6
熱可塑性溶着層形成用塗布液において、塩化ビニル樹脂/メチルエチルケトン/トルエン溶液・200CG(DIC社製)の代わりに、塩化ビニル樹脂/メチルエチルケトン/トルエン溶液・5G(DIC社製)を使用した以外は実施例1と同様の手順で実施例6の光学積層体を作製した。
0071
比較例1
熱可塑性溶着層形成用塗布液において、ウレタンアクリレートU−4HAを加えなかった以外は実施例1と同様の手順で比較例1の光学積層体を作製した。
比較例2
熱可塑性溶着層形成用塗布液において、塩化ビニル樹脂/メチルエチルケトン/トルエン溶液・200CG(DIC社製)の代わりに、塩化ビニル樹脂/メチルエチルケトン/トルエン溶液・5G(DIC社製)を使用し、またウレタンアクリレートU−4HAを使用しなかった以外は実施例1と同様の手順で比較例2の光学積層体を作製した。
0072
<光学積層体の評価>
(密着性の評価)
得られた光学積層体の液晶層側の表面で、JISK5600-56で定められたクロスカット試験を実施し、JISK5600-56で定められた0〜5の6段階の点数で分類し評価を行った。結果を表1に示す。
0074
0075
実施例1〜6においては、クロスカットのどの格子の目もはがれない点数0であったが、比較例1および2ではクロスカットの線に沿って部分的、全体的にはがれが発生し、点数3であった。比較例1および2では剥離が発生していた。剥離部分のポリカーボネート基板表面につきESCA(株式会社島津製作所製 ESCA−1000)で成分分析を実施したところ、熱可塑性溶着層と同じ成分が検出された。また、剥離部分の液晶層側のフィルムはブロック層と液晶層とを合わせた膜厚を有していた。そのため、上記剥離は、熱可塑性溶着層とブロック層との間での剥離であることが分かった。
実施例
0076
得られた結果から、ウレタンアクリレートモノマーを含む塗布液から形成された熱可塑性溶着層を有する転写シートを用いて作製された光学積層体では層間の密着性が向上することがわかる。
また、ウレタンアクリレートモノマーを含む塗布液から形成された熱可塑性溶着層を有する転写シートを用いて作製された光学積層体においては、ヘイズ値も3%以下であり、射出成型によって光学特性が損なわれていないことがわかる。
技術視点だけで見ていませんか?
この技術の活用可能性がある分野
分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成