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技術 転がり軸受及びエアタービン用軸受ユニット

出願人 日本精工株式会社
発明者 中原亨
出願日 2016年3月7日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2016-043309
公開日 2017年9月14日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 2017-160929
状態 特許登録済
技術分野 弾性リップ型 ころがり軸受 軸受の密封 歯科用機器・補助機器
主要キーワード ヘッドハウジング内 ゴム製リング 円周方向間隔 供給エアー ヘッドハウジング 供給方向下流 断面略円形状 円環形
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重要な関連分野

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図面 (20)

課題

少ないエアー圧での超高速回転、及び回転を迅速に停止することが可能な転がり軸受及びエアタービン軸受ユニットを提供する。

解決手段

シール部材(30)は、弾性材料のみからなり、外輪(10)の内周面に形成された溝部(12)に止め輪(40)によって固定され、圧縮空気が作用しないとき、シール部材(30)は内輪(20)の外周面(21)に接触する。圧縮空気が作用するとき、圧縮空気が作用しないときと比べてシール部材(30)と内輪(20)の外周面(21)との接触面積が小さくなる。

概要

背景

図18に示すように、歯科エアタービンハンドピース120は、グリップ部121と、グリップ部121の先端部に設けられたヘッド部122と、を備える。術者は、このグリップ部121を持って、例えば歯牙切削加工を行う。

従来、ヘッド部122を構成する歯科エアタービン軸受ユニット100としては、図19に示すように、一端に不図示の歯科処置工具が取り付けられる回転軸101と、圧縮空気によって回転軸101を回転駆動するためのタービンブレード102と、回転軸101を回転可能に支承する一対の玉軸受103,104と、を備えるものが知られている。これら回転軸101、タービンブレード102、及び一対の玉軸受103,104は、ヘッドハウジング105内に配設されている。一対の玉軸受103,104の外輪106,107は、ヘッドハウジング105の環状凹部109,110に装着されたゴム製リング108を介して支持されている。下方の玉軸受104の外輪107は、スプリングワッシャ111により上方に付勢されて一対の玉軸受103,104に予圧が付与されている。即ち、この回転軸101を支承する一対の玉軸受103,104は、正面組合せされると共に、スプリングワッシャ111の弾性力による定圧予圧が付与されている。

このような歯科エアタービンハンドピース120では、圧縮空気をタービンブレード102に当てることにより、その空気圧により回転軸101を回転させ、超高速回転を実現している。

ところで、特許文献1には、給気口を有するヘッドハウジングと、ヘッドハウジング内部に回転自在に収納され、給気口から給気エアーを受けるブレードを有する回転軸と、回転軸をヘッドハウジング内部で給気口を挟んで上下で回転自在に支持する玉軸受と、から構成される歯科用又は医療用エアータービンハンドピースが開示されている。ここで、玉軸受の給気口に近い側には耐熱性メカニカルシールが設けられている。また、玉軸受において、給気口に近い側と給気口に遠い側に、シール体シール支持リングとで構成される接触シールド、又はシールドとシールド止め輪とで構成される非接触シールドが設けられることが記載されている。

したがって、耐熱性メカニカルシールは、給気口において給気エアーの圧力が作用しているとき、つまりブレードが回転しているときには、玉軸受に接触するように弾性変形して、これを遮蔽する。一方、給気エアーの圧力が停止しているとき、つまりブレードの回転が停止しているときには、玉軸受に非接触となるように元の状態に戻る。これにより、使用時に玉軸受内部にかかる供給エアーの圧力により、玉軸受内部に充填された潤滑油が抜け出てしまうことを防止することを図っている。さらに、ブレードの回転が停止しているときには、耐熱性メカニカルシールと玉軸受とを非接触状態とすることにより、回転軸のブレードの起動時に耐熱性メカニカルシールとブレードとの摩擦抵抗を無くし、ブレードをスムーズに起動することを図っている。

概要

少ないエアー圧での超高速回転、及び回転を迅速に停止することが可能な転がり軸受及びエアタービン軸受ユニットを提供する。シール部材(30)は、弾性材料のみからなり、外輪(10)の内周面に形成された溝部(12)に止め輪(40)によって固定され、圧縮空気が作用しないとき、シール部材(30)は内輪(20)の外周面(21)に接触する。圧縮空気が作用するとき、圧縮空気が作用しないときと比べてシール部材(30)と内輪(20)の外周面(21)との接触面積が小さくなる。

目的

本発明は、上述した課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、少ないエアー圧での超高速回転、及び回転を迅速に停止することが可能な転がり軸受及びエアタービン軸受ユニットを提供する

効果

実績

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請求項1

外輪と、内輪と、前記外輪及び前記内輪の間に転動自在に配置された複数の転動体と、前記外輪及び前記内輪の間の空間をシールするシール部材と、を有し、圧縮空気が作用する転がり軸受であって、前記シール部材は、弾性材料のみからなり、前記外輪の内周面に形成された溝部に止め輪によって固定され、前記圧縮空気が作用しないとき、前記シール部材は前記内輪の外周面に接触し、前記圧縮空気が作用するとき、前記圧縮空気が作用しないときと比べて前記シール部材と前記内輪の外周面との接触面積が小さくなることを特徴とする転がり軸受。

請求項2

前記シール部材は、前記内輪の外周面に接触可能であり弾性変形可能なリップ部を有し、前記リップ部は、径方向内側に向かうにしたがって、前記圧縮空気の供給方向に傾斜する形状であることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。

請求項3

前記内輪の外周面のうち、少なくとも前記シール部材が接触する部分は平面であることを特徴とする請求項1または2に記載の転がり軸受。

請求項4

前記内輪は、前記外輪よりも軸方向外側まで延在しており、前記シール部材の内周面は、前記外輪よりも軸方向外側において、前記内輪の外周面に当接することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の転がり軸受。

請求項5

前記圧縮空気が作用するとき、前記シール部材は、前記内輪の外周面と非接触の状態となることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の転がり軸受。

請求項6

前記圧縮空気が作用しないとき、前記シール部材の内周面が前記内輪の外周面に接触する接触領域は、前記シール部材の内周面の全体の10%以上であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の転がり軸受。

請求項7

前記圧縮空気が作用しないとき、前記シール部材の前記内輪の外周面と接触する部分のしめしろが50μm以上かつ200μm以下であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の転がり軸受。

請求項8

圧縮空気を受けて回転するタービンブレードと、前記タービンブレードが一体に固定され、工具を取り付け可能な回転軸と、ハウジングに対して前記回転軸を回転自在に支持する、請求項1〜7の何れか1項に記載の転がり軸受と、を備えるエアタービン軸受ユニット

技術分野

0001

本発明は、転がり軸受及びエアタービン軸受ユニットに関する。

背景技術

0002

図18に示すように、歯科エアタービンハンドピース120は、グリップ部121と、グリップ部121の先端部に設けられたヘッド部122と、を備える。術者は、このグリップ部121を持って、例えば歯牙切削加工を行う。

0003

従来、ヘッド部122を構成する歯科エアタービン用軸受ユニット100としては、図19に示すように、一端に不図示の歯科処置工具が取り付けられる回転軸101と、圧縮空気によって回転軸101を回転駆動するためのタービンブレード102と、回転軸101を回転可能に支承する一対の玉軸受103,104と、を備えるものが知られている。これら回転軸101、タービンブレード102、及び一対の玉軸受103,104は、ヘッドハウジング105内に配設されている。一対の玉軸受103,104の外輪106,107は、ヘッドハウジング105の環状凹部109,110に装着されたゴム製リング108を介して支持されている。下方の玉軸受104の外輪107は、スプリングワッシャ111により上方に付勢されて一対の玉軸受103,104に予圧が付与されている。即ち、この回転軸101を支承する一対の玉軸受103,104は、正面組合せされると共に、スプリングワッシャ111の弾性力による定圧予圧が付与されている。

0004

このような歯科エアタービンハンドピース120では、圧縮空気をタービンブレード102に当てることにより、その空気圧により回転軸101を回転させ、超高速回転を実現している。

0005

ところで、特許文献1には、給気口を有するヘッドハウジングと、ヘッドハウジング内部に回転自在に収納され、給気口から給気エアーを受けるブレードを有する回転軸と、回転軸をヘッドハウジング内部で給気口を挟んで上下で回転自在に支持する玉軸受と、から構成される歯科用又は医療用エアータービンハンドピースが開示されている。ここで、玉軸受の給気口に近い側には耐熱性メカニカルシールが設けられている。また、玉軸受において、給気口に近い側と給気口に遠い側に、シール体シール支持リングとで構成される接触シールド、又はシールドとシールド止め輪とで構成される非接触シールドが設けられることが記載されている。

0006

したがって、耐熱性メカニカルシールは、給気口において給気エアーの圧力が作用しているとき、つまりブレードが回転しているときには、玉軸受に接触するように弾性変形して、これを遮蔽する。一方、給気エアーの圧力が停止しているとき、つまりブレードの回転が停止しているときには、玉軸受に非接触となるように元の状態に戻る。これにより、使用時に玉軸受内部にかかる供給エアーの圧力により、玉軸受内部に充填された潤滑油が抜け出てしまうことを防止することを図っている。さらに、ブレードの回転が停止しているときには、耐熱性メカニカルシールと玉軸受とを非接触状態とすることにより、回転軸のブレードの起動時に耐熱性メカニカルシールとブレードとの摩擦抵抗を無くし、ブレードをスムーズに起動することを図っている。

先行技術

0007

特開2003−135486号公報

発明が解決しようとする課題

0008

以上説明したようなエアタービンハンドピースは、使用時に超高速回転するものであるが、一方で、ユーザーハンドピースストップさせた際には、治療等の時間短縮のため、早急な停止が求められる。また、特許文献1に記載のシール体とシール支持リングとで構成される接触シールドでは、接触シールドの剛性が大きく、約40万min−1の超高速回転で使用される際には、大きなエアー圧が必要となるという課題がある。

0009

本発明は、上述した課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、少ないエアー圧での超高速回転、及び回転を迅速に停止することが可能な転がり軸受及びエアタービン軸受ユニットを提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)外輪と、
内輪と、
前記外輪及び前記内輪の間に転動自在に配置された複数の転動体と、
前記外輪及び前記内輪の間の空間をシールするシール部材と、を有し、圧縮空気が作用する転がり軸受であって、
前記シール部材は、弾性材料のみからなり、前記外輪の内周面に形成された溝部に止め輪によって固定され、
前記圧縮空気が作用しないとき、前記シール部材は前記内輪の外周面に接触し、
前記圧縮空気が作用するとき、前記圧縮空気が作用しないときと比べて前記シール部材と前記内輪の外周面との接触面積が小さくなる
ことを特徴とする転がり軸受。
(2) 前記シール部材は、前記内輪の外周面に接触可能であり弾性変形可能なリップ部を有し、
前記リップ部は、径方向内側に向かうにしたがって、前記圧縮空気の供給方向に傾斜する形状である
ことを特徴とする(1)に記載の転がり軸受。
(3) 前記内輪の外周面のうち、少なくとも前記シール部材が接触する部分は平面であることを特徴とする(1)または(2)に記載の転がり軸受。
(4) 前記内輪は、前記外輪よりも軸方向外側まで延在しており、
前記シール部材の内周面は、前記外輪よりも軸方向外側において、前記内輪の外周面に当接する
ことを特徴とする(1)〜(3)の何れかに記載の転がり軸受。
(5) 前記圧縮空気が作用するとき、前記シール部材は、前記内輪の外周面と非接触の状態となる
ことを特徴とする(1)〜(4)の何れかに記載の転がり軸受。
(6) 前記圧縮空気が作用しないとき、前記シール部材の内周面が前記内輪の外周面に接触する接触領域は、前記シール部材の内周面の全体の10%以上である
ことを特徴とする(1)〜(5)の何れかに記載の転がり軸受。
(7) 前記圧縮空気が作用しないとき、前記シール部材の前記内輪の外周面と接触する部分のしめしろが50μm以上かつ200μm以下である
ことを特徴とする(1)〜(6)の何れかに記載の転がり軸受。
(8) 圧縮空気を受けて回転するタービンブレードと、前記タービンブレードが一体に固定され、工具を取り付け可能な回転軸と、ハウジングに対して前記回転軸を回転自在に支持する、(1)〜(7)の何れかに記載の転がり軸受と、を備えるエアタービン用軸受ユニット。

発明の効果

0011

本発明の転がり軸受及びエアタービン用軸受ユニットによれば、運転を停止するために圧縮空気の供給を停止した場合、シール部材には圧縮空気が作用しないので、圧縮空気が作用する場合(運転時)と比べて、シール部材と内輪の外周面との接触面積が大きくなる。したがって、シール部材が回転軸のブレーキとしてはたらき、回転軸を迅速に停止することが可能となる。
また、シール部材は、弾性部材のみからなるので、シール剛性下げることができ、少ないエアー圧で、転がり軸受の回転数アップすることができる。

図面の簡単な説明

0012

第1実施形態に係る歯科エアタービンの要部断面図である。
停止状態における第1実施形態に係る転がり軸受の部分断面図である。
図1に示すシール部材の接触角を説明するための断面図である。
動作状態における第1実施形態に係る転がり軸受の部分断面図である。
リップ部の断面図である。
動作状態における第1実施形態の変形例に係る転がり軸受の部分断面図である。
変形例に係るシール部材の正面図である。
変形例に係るシール部材の正面図である。
変形例に係るシール部材の正面図である。
変形例に係るシール部材の正面図である。
変形例に係るシール部材の正面図である。
変形例に係るシール部材の正面図である。
変形例に係るシール部材の正面図である。
変形例に係るシール部材の正面図である。
変形例に係るシール部材の正面図である。
(a)は、図13図15のそれぞれのA−A線に沿った断面図であり、(b)は、図13図15のそれぞれのB—B線に沿った断面図である。
他の変形例に係る転がり軸受の部分断面図である。
歯科エアタービンハンドピースの概略側面図である。
歯科エアタービンの要部断面図である。

実施例

0013

以下、本発明に係る転がり軸受及びエアタービン用軸受ユニットの各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明においては、本発明のエアタービン用軸受ユニットを歯科エアタービンハンドピースに適用した場合を例にして説明するが、他の用途、例えば家電モータ等にも適用可能である。

0014

(第1実施形態)
図1には、本実施形態のエアタービン用軸受ユニット、図2には、本実施形態のエアタービン用軸受ユニットを構成する転がり軸受1が示されている。図1に示すように、エアタービン用軸受ユニット100Aは、圧縮空気を受けて回転するタービンブレード102と、タービンブレード102が一体に固定され、一端に工具(例えば、歯科処置工具)を取り付け可能な回転軸101と、ハウジング105に対して回転軸101を回転自在に支持する転がり軸受1と、を備える。したがって、図2に示す転がり軸受1においては、ハンドピース駆動時に右方から左方に向かって圧縮空気が供給される。なお、本実施形態のエアタービン用軸受ユニットは、転がり軸受1の構成において、図19に示す従来の構成と異なる。このため、タービンブレード102、回転軸101、ヘッドハウジング105等を含め、従来と同一又は同等の構成については、同一符号を付している。なお、エアタービン用軸受ユニットは、図1の構成に限定されるものではない。

0015

転がり軸受1は、ハウジング105に固定された外輪10と、回転軸101に固定された内輪20と、外輪10及び内輪20の間に転動自在に配置された複数の玉(転動体)3と、複数の玉3をそれぞれ保持する保持器5と、を備える。保持器5はいわゆる冠型保持器であり、略円環状のリム部6が、玉3よりも圧縮空気の供給方向上流側(図中右方)に位置する。

0016

外輪10の内周面11には、玉3よりも圧縮空気の供給方向下流側(図中左方)において、シール部材30を固定するための溝部12が形成される。なお、シール部材30は、後述するブレーキ機能が発揮される限り、本実施形態のように玉3よりも圧縮空気の供給方向下流側に配置される構成に限定されず、玉3よりも圧縮空気の供給方向上流側(図中右方)に配置してもよく、玉3よりも圧縮空気の供給方向下流側及び上流側の両方に1対配置しても構わない。

0017

図3にも示すように、シール部材30は、弾性材料のみから構成され、径方向に延びる円環形状の基部31と、基部31の径方向内側に一体に形成されたリップ部33と、を有する。また、基部31は、止め輪40と当接しながら溝部12に挿入されて固定される。溝部12は、軸方向内側に向かうにしたがって径方向外側に傾斜し、止め輪40が当接するテーパ面15と、テーパ面15よりも軸方向内側で、基部31の軸方向側面が当接する軸方向内側面16と、を有する。本実施形態では、取り付けのし易さを考慮し、止め輪40はCリング止め輪を使用しているが、円環状止め輪等を使っても良い。そして、止め輪40がシール部材30の基部31に当接して軸方向に押圧し、止め輪40と基部31の間の摩擦力により、シール部材30が外輪10に強固に固定される。

0018

リップ部33は、径方向内側に向かうにしたがって圧縮空気の供給方向(図2中、右方から左方に向かう方向)に傾斜する略円環形状であり、内輪20の外周面21に当接可能とされている。即ち、リップ部33は、径方向内側に向かうにしたがって軸方向外側に傾斜している。図5の断面図も参照し、リップ部33は、その内周面34が略円環形状(断面略円形状)とされており、つまり、シール内径が略円環形状とされている。そして、内輪20の外周面21のうち、少なくともリップ部33が接触する部分は平面形状(略円環形状)であるので、シール内径であるリップ部33の内周面34は、その全体の面積のうちほぼ100%の面積において、内輪20の外周面21に接触可能となり、即ちほぼ完全接触の状態となっている。このように、シール部材30は、外輪10の内周面11と内輪20の外周面21との間の軸受内部空間Sをシールする。
なお、図2及び図3では、リップ部33の形状が異なって示されている。ただし、リップ部33は、図2に示すように、径方向内側に向かって一様な肉厚であってもよいし、図3に示すように、径方向内側に向かって徐々に薄肉になってもよい。

0019

ここで、歯科エアタービンハンドピースを駆動するため、タービンブレードに圧縮空気を供給した場合、図4に矢印Aで示すように、軸受内部空間Sには右方から左方に向かって圧縮空気が流動する。この圧縮空気はシール部材30に作用し、リップ部33を左方に向かって弾性変形させる。したがって、圧縮空気が作用するとき、圧縮空気が作用しないときと比べてリップ部33の内周面34と内輪20の外周面21との接触面積が小さくなる。図4の例では、リップ部33の内周面34と内輪20の外周面21とが非接触の状態となっており、これらの接触面積はゼロである。すなわち、リップ部33は開状態とされる。また、図6の例のように、圧縮空気が作用するとき、リップ部33の内周面34と内輪20の外周面21とが接触状態を維持しつつ、圧縮空気が作用しないときと比べてリップ部33の内周面34と内輪20の外周面21との接触面積が小さくなる構成であってもよい。

0020

特に、本実施形態では、シール部材30は、芯金を有さずに弾性材料のみからなるので、シール剛性を下げることができ、少ないエアー圧であってもリップ部33の内周面34と内輪20の外周面21との接触面積が小さい、さらには、非接触の状態を維持することができ、少ないエアー圧で約40万min−1の超高速回転を実現することができる。

0021

一方、歯科エアタービンハンドピースを停止するため、圧縮空気の供給を停止した場合、リップ部33には圧縮空気が作用しないので、リップ部33は図2で示す状態に戻り、リップ部33の内周面34と内輪20の外周面21とが接触状態となり、内輪20の外周面21との接触面積が増大する。すなわち、リップ部33は閉状態とされる。したがって、リップ部33が内輪20及び当該内輪20が固定された回転軸101のブレーキとしてはたらき、回転軸101を迅速に停止することが可能となる。

0022

また、リップ部33の形状は、径方向内側に向かうにしたがって圧縮空気の供給方向に傾斜することで、圧縮空気の作用によって弾性変形しやすい傾斜形状とされているので、圧縮空気によるリップ部33の開閉動作感度良く行うことが可能である。
なお、図3に示すように、シール部材30のリップ部33の傾斜角度αは、35〜55°に設定されていることが好ましい。これにより、圧縮空気が作用するときに、エアーがリップ部33に効率良く作用して、シール部材30をスムーズに開くことができ、この結果、少ないエアー圧で超高速回転することができる。

0023

また、内輪20の外周面21のうち、少なくともリップ部33の内周面34が接触する部分は平面(略円環形状)であるので、内輪20の外周面21とリップ部33の内周面34の接触面積を増大することができ、リップ部33によるブレーキ機能を向上することができる。特に、本実施形態では、リップ部33の内周面34の形状が、内輪20の外周面21の形状と相似形状である略円環形状とされている。したがって、リップ部33の内周面34は、その全体の面積のうちほぼ100%の面積において、内輪20の外周面21に接触するので、リップ部33によるブレーキ機能をより向上することが可能である。

0024

また、外輪10の内周面11には、シール部材30を固定するための溝部12が形成され、シール部材30の径方向外側端部の弾性材料からなる基部31は、溝部12に止め輪40によって固定される。したがって、シール部材30が外輪10に強固に固定されるので、圧縮空気を受けた場合にシール部材30が脱落してしまうことを防止することができる。

0025

尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。

0026

例えば、シール部材30の外径形状を変更せず、シール部材30の内径であるリップ部33の内周面34の形状は、例えば略楕円形状(図7のシール正面図参照)や、略三角形状図8のシール正面図参照)にする変形例も本発明権利範囲内のものである。また、リップ部33の内周面34には、図9に示すように少なくとも一つの通気孔41を設けてもよく、図10〜12に示すように少なくとも一つの切り込み42を設けてもよい。なお、図9においては、1つの円形の通気孔41が設けられた例が示されているが、通気孔41は2つ以上であってもよく、通気孔41の形状も円形に限定されない。また、図10〜12においては、それぞれ2つ、4つ及び8つの切込み42が円周方向等間隔に設けられた例が示されているが、切込み42の数や円周方向間隔はこれに限定されない。

0027

また、図13〜15に示すように、リップ部33の先端部が円周方向に連続して切り欠かれ、リップ部33の内周面34が、内輪20の外周面21に部分的に接触するようにしてもよい。図13〜15では、それぞれリップ部33の内周面34が、内輪20の外周面21に接触する接触領域(円弧長さ)を内周面34の全体の50%、25%、10%を占めるようにしている。
なお、図16(a)は、図13図15のそれぞれのA—A線に沿った断面図であり、図16(b)は、図13図15のそれぞれのB—B線に沿った断面図を示している。

0028

圧縮空気が作用する時、リップ部33の内周面34は、内輪20の外周面21に完全に接触しないことが望ましいが、シール部材30が接触状態から非接触状態へ変わる際に、内輪20の外周面21との摩擦力が生じるので、うまく状態変化できないケースがある。したがって、リップ部33の内周面34に通気孔41又は切込み42を設けたり、リップ部33の内周面34を局部的に内輪20の外周面21に接触させたりすることで、圧縮空気がシール部材30を通過しやすくなり、接触状態から非接触状態への変化を促進することができる。このように、リップ部33の内周面34の形状を変更することで、当該内周面34と内輪20の外周面21との接触面積を適宜変更し、リップ部33の所望のブレーキ性能密封性能満足することが可能となる。

0029

なお、ブレーキ機能を果たす為に、図7図15のシール正面図に示すリップ部33の内周面34の接触領域(図13〜15では、円弧長さ)は、圧縮空気が作用しないとき、その内周面の全体のうち少なくとも10%以上において、内輪20の外周面21に接触することが望ましい。これは、圧縮空気がシール部材30に当たる時にシール部材30を接触状態から非接触状態へ変化しやすくさせる為である。接触領域が内周面全体の10%未満となると、圧縮空気が作用しない際に、リップ部33の内周面34と内輪20の外周面21との接触が少ない為、ブレーキ機能を十分に果たさない可能性がある。
なお、内輪20と接触するリップ部33の内周面34の軸方向幅が円周方向に亙って均一な場合には、圧縮空気が作用しないとき、リップ部33の内周面34の接触面積は、その内周面の全体面積のうちの少なくとも10%以上であればよい。

0030

また、シール性能が得られるのであれば、図17に示すように、内輪20を外輪10よりも軸方向外側まで延在させ、シール部材30を外輪10よりも軸方向外側に延在させても構わない。この場合、シール部材30のリップ部33の内周面34は、外輪10よりも軸方向外側において、内輪20の外周面21に当接する。この構成によれば、リップ部33の傾斜を大きくすることができるので、圧縮空気によるリップ部33の開閉動作をより容易に行うことが可能である。

0031

また、圧縮空気が作用しないときは、シール部材30のリップ部33を内輪20の外周面21に接触させるが、シール部材30の接触部分と内輪20の外周面21のしめしろが50μm未満になると、ブレーキ作用が弱くなってしまい、タービンの停止時間が長くなってしまう。一方、しめしろが200μmを超えてしまうと、圧縮空気が作用するときに、弾性変形が生じにくくなり、接触面積を小さくすることが困難になる。したがって、しめしろを50μm以上かつ200μm以下にすることが好ましい。

0032

1転がり軸受
3 玉(転動体)
5保持器
6リム部
10外輪
11内周面
12 溝部
15テーパ面
16軸方向内側面
20内輪
21外周面
30シール部材
31 基部
33リップ部
34 内周面
40止め輪
41通気孔
42切り込み
100Aエアタービン用軸受ユニット
S 軸受内部空間

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