図面 (/)

技術 転炉炉体の交換方法

出願人 JFEプラントエンジ株式会社
発明者 佐藤了
出願日 2016年3月9日 (5年7ヶ月経過) 出願番号 2016-045256
公開日 2017年9月14日 (4年1ヶ月経過) 公開番号 2017-160480
状態 特許登録済
技術分野 炭素鋼又は鋳鋼の製造
主要キーワード 付帯品 仮固定構造 操業位置 大型重量物 移動設備 軸心付近 ジャッキ架台 補修位置
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年9月14日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題

交換作業の簡略化できる転炉炉体交換方法の提供。

解決手段

炉体直上配設した仮設梁上に複数台ジャッキを配設し、該ジャッキで倒立状態の炉体を吊り上げ、仮設ステージ上に吊り下ろして、炉体の下部と炉体の上部に二分割し、吊下げは、炉体とトラニオンリングとを固定しているコッターを仮コッターに取替えておき、二分割後、炉体の下部を吊り上げた状態で、炉体の上部を仮設ステージと共に搬出し、炉体の下部を同様に搬出し、新炉体の下部を倒立状態でトラニオンリングの直下に搬入し、新炉体の上部を、倒立状態で搬入し、新炉体の下部を上部と突き合わせ、溶接により一体化して倒立状態の新炉体とし、複数台のジャッキで吊り上げ、トラニオンリングに仮コッターで取り外し容易に仮固定し、新炉体を傾動手段により正立状態として、仮コッターを外し、新コッターで、新炉体をトラニオンリングに固定する転炉炉体の交換方法。

概要

背景

鋼の精錬に使用する転炉炉体は、その内側の耐火物損耗や、その外側の鉄皮の変形、材質劣化等により、補修あるいは交換を行っている。従来、炉体の補修は、操業を停止し、その位置で行うようにしていた。しかし、それでは、生産停止が長期間に及ぶため、生産性が著しく低下するという問題があった。

このような問題に対し、例えば、特許文献1には、「転炉の炉体交換方法」が記載されている。特許文献1に記載された技術は、交換されるべき転炉炉体を、操業位置から解体組立位置へと移し、少なくとも炉底部を分離したのち、残存部分を残して要補修部分補修位置へと移動して補修する一方、要補修部分にとってかわる補修済部分を解体・組立位置へと移し、該解体・組立位置にて、前記残存部分とともに転炉炉体に組立てたのち、該転炉炉体を操業位置へと戻す転炉の炉体交換方法である。しかし、特許文献1に記載された転炉の炉体交換方法では、解体・組立位置を確保する必要があることや、重量物である炉体を該解体・組立位置へ移動させるための大型重量物移動設備が必要になるという問題があった。

このような問題に対し、例えば、特許文献2には、転炉の補修方法が記載されている。特許文献2に記載された技術は、トラニオン支持部に補修前の転炉を支持した状態で、トラニオン機構を残し、炉体中央部、炉体上部、炉底部炉体を除去する第1工程と、補修されたあるいは新たに作製された炉体上部および炉体中央部を組み立て、トラニオン機構の筒体部を垂直にした状態で、組み立てた炉体上部および炉体中央部をトラニオン機構の直下に配置する第2工程と、組み立てた炉体上部および炉体中央部を引き上げて、トラニオン機構の所定位置に炉体中央部を配置し、該炉体中央部をトラニオン機構に固定する第3工程と、炉体中央部をトラニオン機構に固定した状態で、該トラニオン機構を実質180度旋回させ、補修されたあるいは新たに作製された炉底部を炉体中央部の下端に固定する第4工程と、からなる転炉の補修方法である。なお、特許文献2に記載された技術では、第3工程における、組み立てた炉体上部および炉体中央部の引き上げには、センターホール型のジャッキを使用することが好ましいとしている。また、特許文献2に記載された技術では、組み立てた炉体上部および炉体中央部の引き上げ用のジャッキは、組み立てた炉体上部および炉体中央部の軸心付近に設けられたジャッキ架台に配置することが好ましいとしている。

また、特許文献3には、転炉炉体の交換方法が記載されている。特許文献3に記載された技術は、転炉の炉体を、移動手段に取り付けられた昇降手段を有する支持具で支持し、該支持具で支持された状態で、炉体の炉底側下部をトラニオンの下側で切断する工程と、切断された炉底側下部を昇降手段で下降させ、移動手段で搬出する工程と、炉底側下部以外の残りの炉体を、移動手段に取り付けられた昇降手段および旋回手段を有する支持具で支持する工程と、該支持具で支持された状態で、トラニオン軸等を取り外し、前記残りの炉体を旋回手段で所定の角度だけ旋回させる工程と、ついで昇降手段で所定の位置まで下降させる工程と、下降した残りの炉体を搬出する工程と、を順次行い、ついで、新しい炉体を、移動手段に取り付けられた昇降手段および旋回手段を有する支持具で支持した状態で、搬入し、上記したとは逆の工程を順次行って、所定の位置に取り付ける、転炉炉体の交換方法である。

概要

交換作業の簡略化できる転炉炉体交換方法の提供。炉体直上配設した仮設梁上に複数台のジャッキを配設し、該ジャッキで倒立状態の炉体を吊り上げ、仮設ステージ上に吊り下ろして、炉体の下部と炉体の上部に二分割し、吊下げは、炉体とトラニオンリングとを固定しているコッターを仮コッターに取替えておき、二分割後、炉体の下部を吊り上げた状態で、炉体の上部を仮設ステージと共に搬出し、炉体の下部を同様に搬出し、新炉体の下部を倒立状態でトラニオンリングの直下に搬入し、新炉体の上部を、倒立状態で搬入し、新炉体の下部を上部と突き合わせ、溶接により一体化して倒立状態の新炉体とし、複数台のジャッキで吊り上げ、トラニオンリングに仮コッターで取り外し容易に仮固定し、新炉体を傾動手段により正立状態として、仮コッターを外し、新コッターで、新炉体をトラニオンリングに固定する転炉炉体の交換方法。

目的

本発明は、かかる従来技術の問題を解決し、転炉炉体の交換作業の簡略化でき、工程が短縮し、安全性が向上した、転炉炉体の交換方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

取替えが必要と判断された炉体を、新しく作製された新炉体に交換する、転炉炉体交換方法であって、前記炉体の直上方で、前記炉体を吊り上げ可能な位置に仮設梁を配設し、該仮設梁上に、複数台ジャッキを配設する第一の工程と、前記炉体をトラニオン機構トラニオンリングで支持したまま、前記トラニオンリングと前記炉体とを固設しているコッター撤去し、該コッターに代えて取り外し容易な仮コッターを取り付ける第二の工程と、前記トラニオン機構の傾動手段により、前記炉体を傾動し倒立状態とし、該倒立状態の前記炉体を、該炉体に固設した複数の吊りピースと、前記複数台のジャッキのストランドとで吊り上げ可能な状態とする第三の工程と、前記炉体を倒立状態のままで、前記仮コッターを撤去して、前記炉体を前記複数台のジャッキで、前記炉体の直下に設置した、該炉体を仮置きしたまま搬送することが可能な構造の仮設ステージ上に吊り下ろす第四の工程と、前記仮設ステージ上に吊り下ろされた前記炉体を、下部と上部に二分割する第五の工程と、二分割された前記下部の炉体を前記複数台のジャッキで吊り上げた状態としておき、二分割された前記上部の炉体を、搬送手段を用いて前記仮設ステージとともに搬出し、ついで、同様に、前記下部の炉体を吊りおろし、搬出する第六の工程と、前記新炉体の下部を、仮設ステージ上に倒立状態で置き、該仮設ステージとともに搬送手段で、前記トラニオンリングの直下に搬入し、前記新炉体の下部を、該新炉体の下部に固設された吊りピースと前記複数台のジャッキのストランドとで吊り上げた状態にしておき、ついで、前記新炉体の上部を、仮設ステージ上に倒立状態で置き、該仮設ステージとともに搬送手段で、前記新炉体の下部の直下に搬入したのち、前記新炉体の下部を吊り下げて、前記新炉体の上部と突き合わせたのち、溶接により一体化する第七の工程と、前記一体化した新炉体を、前記複数台のジャッキで前記トラニオンリングに支持可能な位置まで吊り上げ、仮コッターを取り付け、前記新炉体を前記トラニオン機構の傾動手段によりトラニオン軸周りに傾動して正立状態とする第八の工程と、前記新炉体が正立状態で、前記仮コッターを撤去し、新コッターを取り付けて、前記新炉体を前記トラニオンリングに固定する第九の工程と、を順次施すことを特徴とする転炉炉体の交換方法。

技術分野

0001

本発明は、転炉炉体交換方法係り、とくに、転炉炉体の交換作業における、作業の簡略化、工程の短縮、安全性の向上に関する。

背景技術

0002

鋼の精錬に使用する転炉炉体は、その内側の耐火物損耗や、その外側の鉄皮の変形、材質劣化等により、補修あるいは交換を行っている。従来、炉体の補修は、操業を停止し、その位置で行うようにしていた。しかし、それでは、生産停止が長期間に及ぶため、生産性が著しく低下するという問題があった。

0003

このような問題に対し、例えば、特許文献1には、「転炉の炉体交換方法」が記載されている。特許文献1に記載された技術は、交換されるべき転炉炉体を、操業位置から解体組立位置へと移し、少なくとも炉底部を分離したのち、残存部分を残して要補修部分補修位置へと移動して補修する一方、要補修部分にとってかわる補修済部分を解体・組立位置へと移し、該解体・組立位置にて、前記残存部分とともに転炉炉体に組立てたのち、該転炉炉体を操業位置へと戻す転炉の炉体交換方法である。しかし、特許文献1に記載された転炉の炉体交換方法では、解体・組立位置を確保する必要があることや、重量物である炉体を該解体・組立位置へ移動させるための大型重量物移動設備が必要になるという問題があった。

0004

このような問題に対し、例えば、特許文献2には、転炉の補修方法が記載されている。特許文献2に記載された技術は、トラニオン支持部に補修前の転炉を支持した状態で、トラニオン機構を残し、炉体中央部、炉体上部、炉底部炉体を除去する第1工程と、補修されたあるいは新たに作製された炉体上部および炉体中央部を組み立て、トラニオン機構の筒体部を垂直にした状態で、組み立てた炉体上部および炉体中央部をトラニオン機構の直下に配置する第2工程と、組み立てた炉体上部および炉体中央部を引き上げて、トラニオン機構の所定位置に炉体中央部を配置し、該炉体中央部をトラニオン機構に固定する第3工程と、炉体中央部をトラニオン機構に固定した状態で、該トラニオン機構を実質180度旋回させ、補修されたあるいは新たに作製された炉底部を炉体中央部の下端に固定する第4工程と、からなる転炉の補修方法である。なお、特許文献2に記載された技術では、第3工程における、組み立てた炉体上部および炉体中央部の引き上げには、センターホール型のジャッキを使用することが好ましいとしている。また、特許文献2に記載された技術では、組み立てた炉体上部および炉体中央部の引き上げ用のジャッキは、組み立てた炉体上部および炉体中央部の軸心付近に設けられたジャッキ架台に配置することが好ましいとしている。

0005

また、特許文献3には、転炉炉体の交換方法が記載されている。特許文献3に記載された技術は、転炉の炉体を、移動手段に取り付けられた昇降手段を有する支持具で支持し、該支持具で支持された状態で、炉体の炉底側下部をトラニオンの下側で切断する工程と、切断された炉底側下部を昇降手段で下降させ、移動手段で搬出する工程と、炉底側下部以外の残りの炉体を、移動手段に取り付けられた昇降手段および旋回手段を有する支持具で支持する工程と、該支持具で支持された状態で、トラニオン軸等を取り外し、前記残りの炉体を旋回手段で所定の角度だけ旋回させる工程と、ついで昇降手段で所定の位置まで下降させる工程と、下降した残りの炉体を搬出する工程と、を順次行い、ついで、新しい炉体を、移動手段に取り付けられた昇降手段および旋回手段を有する支持具で支持した状態で、搬入し、上記したとは逆の工程を順次行って、所定の位置に取り付ける、転炉炉体の交換方法である。

先行技術

0006

特許第2590675号公報
特開2005−281752号公報
特開2007−262499号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、特許文献2に記載された技術では、解体するときに炉体を3分割しており、そのため、新しい炉体を組み立てる際には、炉体の組み立て時に3箇所で溶接接合する必要があり、工程が長くなり、生産性の低下を招くという問題や、炉体の軸心近傍に吊り上げ用のジャッキを配置するための安定した架台を設置する必要があり、架台の出し入れ等、工程が複雑になるという問題や、さらにトラニオンと炉体との固定にブラケットを使用する必要があるなどの問題があった。
また、特許文献3に記載された技術では、トラニオンリングの再利用ができにくいという問題があった。

0008

本発明は、かかる従来技術の問題を解決し、転炉炉体の交換作業の簡略化でき、工程が短縮し、安全性が向上した、転炉炉体の交換方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者は、上記した目的を達成するために、まず、炉体吊上げ用ジャッキの設置箇所について、鋭意検討した。その結果、転炉建屋内で転炉炉体の直上に仮設梁を設け、ジャッキ用架台とすることに思い至った。転炉の直上に、ジャッキを設けることができれば、従来必要であった、炉体吊上げ用架台の出し入れを行う必要がなくなるうえ、トラニオンリングを移動することもなく、また、トラニオンリングをそのまま再利用することも可能になることを見出した。

0010

なお、仮設梁は、転炉の炉体(鉄皮のみ)を引上げるときの荷重に十分に耐えられる構造となっている柱、梁等に設ける必要があることは云うまでもない。具体的には、仮設梁を、例えば転炉のフード台車レール上に設けることができることを見出した。通常、転炉には、排ガス回収用として上部にフードが設けられている。このフードは、レール上を移動可能な台車に設けられている。このフード台車用のレールは、転炉の炉体(鉄皮のみ)を引上げるときの荷重に十分に耐えられる構造となっていることを確認した。

0011

また、転炉の直上に、ジャッキを設け、炉体を吊り下げることができれば、古い炉体の解体後の搬出や、新しい炉体の搬入に際し、作業空間として炉体の直下側を有効に活用でき、ドーリー台車に直接、炉体を降ろすことができ、作業効率が向上することを見出した。
そして、ジャッキとして、角断面の素線を撚ったストランドとそれを挟み込む2基のクリップを利用したジャッキ(センターホール型ジャッキ)とすることにより、安定した作業が可能となることを知見した。

0012

本発明はかかる知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は、つぎのとおりである。
(1)取替えが必要と判断された炉体を、新しく作製された新炉体に交換する、転炉炉体の交換方法であって、
前記炉体の直上方で、前記炉体を吊り上げ可能な位置に仮設梁を配設し、該仮設梁上に、複数台のジャッキを配設する第一の工程と、
前記炉体をトラニオン機構のトラニオンリングで支持したまま、前記トラニオンリングと前記炉体とを固設しているコッター撤去し、該コッターに代えて取り外し容易な仮コッターを取り付ける第二の工程と、
前記トラニオン機構の傾動手段により、前記炉体を傾動し倒立状態とし、該倒立状態の前記炉体を、該炉体に固設した複数の吊りピースと、前記複数台のジャッキのストランドとで吊り上げ可能な状態とする第三の工程と、
前記炉体を倒立状態のままで、前記仮コッターを撤去して、前記炉体を前記複数台のジャッキで、前記炉体の直下に設置した該転炉炉体を仮置きしたまま搬送することが可能な構造の仮設ステージ上に吊り下ろす第四の工程と、
前記仮設ステージ上に吊り下ろされた前記炉体を、下部と上部に二分割する第五の工程と、
二分割された前記下部の炉体を前記複数台のジャッキで吊り上げた状態としておき、二分割された前記上部の炉体を、搬送手段を用いて前記仮設ステージとともに搬出し、ついで、同様に、前記下部の炉体を吊りおろし、搬出する第六の工程と、
前記新炉体の下部を、仮設ステージ上に倒立状態で置き、該仮設ステージとともに搬送手段で、前記トラニオンリングの直下に搬入し、前記新炉体の下部を、該新炉体の下部に固設された吊りピースと前記複数台のジャッキのストランドとで吊り上げた状態にしておき、ついで、前記新炉体の上部を、仮設ステージ上に倒立状態で置き、該仮設ステージとともに搬送手段で、前記新炉体の下部の直下に搬入したのち、前記新炉体の下部を吊り下げて、前記新炉体の上部と突き合わせたのち、溶接により一体化する第七の工程と、
前記一体化した新炉体を、前記複数台のジャッキで前記トラニオンリングに支持可能な位置まで吊り上げ、仮コッターを取り付け、前記新炉体を前記トラニオン機構の傾動手段によりトラニオン軸周りに傾動して正立状態とする第八の工程と、
前記新炉体が正立状態で、前記仮コッターを撤去し、新コッターを取り付けて、前記新炉体を前記トラニオンリングに固定する第九の工程と、
を順次施すことを特徴とする転炉炉体の交換方法。

発明の効果

0013

本発明によれば、転炉炉体の交換に際し、吊上げ用架台の出し入れを必要とせず、作業の簡略化、工程の短縮が可能となり、炉体交換作業の効率が向上し、しかも安全性が向上して、産業上格段の効果を奏する。また、本発明によれば、ブラケットを使用することもなく、またトラニオンリングの再利用ができるという効果もある。

図面の簡単な説明

0014

本発明転炉炉体の交換方法を模式的に説明する説明図である。
本発明転炉炉体の交換方法を模式的に説明する説明図である。
本発明転炉炉体の交換方法で使用する仮コッターの構造を模式的に示す説明図である。
吊上げ、吊下げ時の、ジャッキの作動状況を模式的に示す説明図である。

実施例

0015

転炉の炉体は、トラニオン機構のトラニオンリング(筒体部)に傾動可能に支持されている。取替えが必要と判断された転炉炉体(旧炉体)は、新しく作製された新炉体に交換され、解体される。本発明の転炉炉体の交換方法は、第一の工程から第九の工程を有する。なお、炉体の交換にあたっては、内張りされている耐火物、残留内容物を除去し、カバー配管等の付属物は取り除き、鉄皮のみの炉体として行うことは云うまでもない。

0016

図1(a)に、第一の工程の状況を模式的に示す。第一の工程では、転炉の炉体1の直上方で、該炉体1から所定の距離だけ離間して、仮設梁3を配設する。仮設梁3は、炉体1をストランドで吊り上げることが可能なように、炉体1の直上に配設する。なお、図1(a)では、仮設梁3は、フード台車用レール3a、3aに支持されるように設けてあり、フード台車用レールの配置の関係から垂直断面でL字型を呈している。なお、本発明ではこれに限定されないことは云うまでもない。

0017

そして、仮設梁3上には、複数台のジャッキ311、311を配設する。なお、ジャッキ311には、ジャッキにオイルを供給する油圧ポンプユニット(図示せず)が各ジャッキごとに付設される。また、複数台のジャッキは互いに同調するように自動制御されることは云うまでもない。第一の工程では、転炉の炉体1は、炉口1Aを上方にした位置(0°の位置)で、トラニオンリング2に支持されたままの状態とする。図1(a)では、トラニオン軸2aを介しトラニオンリング2を傾動可能に支持されている。トラニオン機構の支持手段及び傾動手段については、図示を省略している。以下、同様とする。

0018

図1(b)に、第二の工程の状況を模式的に示す。第二の工程では、炉体1を、トラニオンリング2で支持し、0°の位置のまま、トラニオンリング2と炉体1とを固設している複数のコッター4を撤去する。そして、コッター4に代えて、取り外し容易な仮コッター4aを取り付ける。仮コッター4aは、炉体1が倒立状態とした場合にも、取り外し容易な構造とする。

0019

通常、コッター4は、トラニオンリング支持首に取り込まれ、トラニオンリング2と炉体1(炉体上部支持装置)とを固設している(図3(b)参照)。なお、コッター4の取り込み、取り外しは、コッター4の端面に付設されたネジに、アイボルトを差し込み、必要に応じてジャッキを使用して行う。コッター4には他の端面にストッパーを設けて、コッターの抜け防止としている。ストッパーは、炉体(炉体上部支持装置)に溶接で固定されている。
仮コッター4aを利用したトラニオンリング2と炉体1との仮固設は、仮コッターと各種ライナーと、さらにストッパーを併用した固定構造とする。

0020

ここでは、コッター4より低い高さに加工されたものを仮コッター4aとする。仮コッター4aを、トラニオンリング支持首に取り込むに際しては、各種ライナー(平ライナー、テーパーライナー等)4a1を併用して、取り込む。仮コッター4aとトラニオンリング支持首との隙間を各種ライナー4a1を挿入して、トラニオンリング2と炉体1(炉体上部支持装置)とを確実に仮固定する。なお、仮コッター4aの抜け防止には、ストッパー4a2を溶接で固定する。仮コッター4aを用いた上記したような仮固定構造であれば、ライナー4a1、ストッパー4a2を外すだけでよく、ジャッキを使用する必要はなく、したがって仮コッター4aの取り外しは容易となる。なお、ジャッキ設置箇所の設定、取外しの作業も必要なくなる。

0021

なお、第二の工程では、炉体1の直下に、該炉体1を仮置きしたまま搬送することが可能な仮設ステージ5を設置することが好ましい。仮設ステージ5は、該仮設ステージ5に炉体を仮置したまま、ドーリー台車による搬送が可能なように、下部に、ドーリー台車(しかも、横2連結)が進入可能な空間を有する構造とすることが好ましい。なお、仮設ステージ5は、上側は落下防止のための等を有し、炉体を載置しても壊れない程度の構造で十分である。

0022

第三の工程の状況を図1(c)に模式的に示す。第三の工程では、仮コッター4aで2箇所で仮固設された状態で、トラニオン機構の傾動手段(図示せず)により、トラニオン軸2a周りに前記炉体1を180°傾動し、炉口1Aが下方に向く倒立状態(180°の位置)とする。そして、倒立状態の炉体1を、該炉体1に固設した複数の吊りピース311a、311aと、仮設梁3に配設された複数台のジャッキ311、311のストランド311b、311bとにより、吊り上げ可能な状態とする。

0023

第四の工程の状況を図1(d)に模式的に示す。第四の工程では、倒立状態のまま、炉体1に取り付けられた仮コッター4aを撤去して、炉体とトラニオンリングとの仮固設状態を解き、炉体1とトラニオンリング2と切り離す。なお、ここで、炉体1は倒立状態のまま、ジャッキ311、311で、吊りピース311a、311aとストランド311b、311bとにより、吊上げ状態となっている。ついで、倒立状態のままの炉体1を、ジャッキ311、311で仮設ステージ5上に吊り下ろす。なお、トラニオンリング2は、炉体を支持していた状態のそのままの位置に、トラニオン機構の支持手段で支持され、新しく作製された新炉体を支持可能な状態に保持され、炉体が新しくなった状態でも使用に供することができる。

0024

第五の工程の状況を図1(e)に模式的に示す。第五の工程では、仮設ステージ5上に吊り下ろされた炉体1を、炉体の下部1bと炉体の上部1aに二分割する。二分割は、ガスアセチレン)切断、ジェットランス切断、水素切断等の常用の方法から選択して、行う。なかでも、ガス切断とすることが工程の簡略化の点からも好ましい。なお、二分割時には、最終切断時に炉体の上部が落下することが懸念されることから、炉体1は、即座に吊下げ状態に保持することができる状態としておくことが好ましい。

0025

第六の工程の状況を図1(f)に模式的に示す。第六の工程では、二分割された炉体の下部1bを複数台のジャッキ311、311で吊り上げた状態としておき、二分割された炉体上部1aを、搬送手段を用いて仮設ステージ5とともに搬出する。搬送手段としては、ドーリー台車(好ましくは2連結の台車)とすることが好ましい。自走式ドーリー台車を利用すれば、二分割された炉体を仮設ステージ5とともに、迅速に搬出が可能となる。炉体の上部1aを搬出し、所定の場所に仮置きする。図示はしていないが、ついで、空になった仮設ステージ5を、吊り上げた炉体下部1bの真下に設置し、仮設ステージ5上に炉体下部1bを吊り下ろす。そして、炉体の下部1bは、炉体の上部1aと同様に、搬送手段5Aを用いて仮設ステージ5とともに搬出する。

0026

第七の工程の状況を図2(a)、(b)に模式的に示す。第七の工程では、別に作製された新炉体の下部1bNを、仮設ステージ5上に倒立状態で置き、仮設ステージ5とともに搬送手段で、トラニオンリング2の直下に搬入する。そして、新炉体の下部1bNを複数台のジャッキ311のストランド311bと吊りピース311aとで吊上げた状態にしておく(図2(a))。ついで、別に製造された新炉体の上部1aNを、仮設ステージ5上に倒立状態で置き、該仮設ステージ5とともに搬送手段で、吊り上げた状態の新炉体の下部1bNの直下に搬入する。新炉体の下部1bNを吊り下げて、新炉体の上部1aNと突き合わせたのち、溶接により一体化して倒立状態の新炉体1Nとする(図2(b))。なお、溶接に先立ち、炉体の下部1bNと炉体の上部1aNとの突合せ面は、適正に溶接接合が行えるように、手入れを施しておくことは云うまでもない。

0027

第八の工程の状況を図2(c)に模式的に示す。第八の工程では、倒立状態の新炉体1Nを、トラニオンリング2に支持可能な位置まで複数台のジャッキ311、311で吊り上げ、仮コッター4aNを取り付ける。なお、仮コッター4aNの取り付けは、上記した仮コッターの取り付け方法と同様とする。これにより、新炉体1Nはトラニオンリング2に仮固定状態とされ、傾動可能となる。なお、仮コッターの取り付けに際しては、予めトラニオンリング2の新炉体との接合面(接合箇所)を研磨切削等の機械加工を施しておくことは云うまでもない。

0028

仮コッター4aNの取り付けを完了したのち、吊りピース311a、ストランド311bを外して、傾動可能な状態にしておく。そして、新炉体1Nをトラニオン機構の傾動手段によりトラニオン軸2aの周りに180°傾動して正立状態とする。なお、仮設ステージ5は、適当なタイミングで搬出しておくことは云うまでもない。

0029

第九の工程の状況を図2(d)に模式的に示す。第九の工程では、新炉体1Nが正立状態で、仮コッター4aNを撤去し、新コッター4nを取り付けて、新炉体1Nをトラニオンリング2に固定状態とする。これにより、旧炉体1を、新炉体1Nに交換することができ、転炉炉体の交換は完了する。

0030

そして、仮設梁3上に配設した複数台のジャック311や油圧ポンプユニットを取り外し、仮設梁3を撤去し、さらに炉体交換の前に、炉体から外された配管等の付帯品を元通りに装着すれば、新炉体1Nが使用可能状態となる。

0031

本発明で、転炉炉体を吊り上げるために使用するジャッキは、とくに限定する必要はないが、専用のストランド(角型断面のワイヤを撚った)と、トップボトムの2種のジョウを有し、ストランドを把持するグリップシステムとからなるジャッキとすることが、吊上げ作業の効率化、安定性の観点から好ましい。このようなジャッキを用いて、重量物である吊荷(炉体)の吊上げ、吊下ろしは、基本的に、次のようなジャッキ動作の繰返しにより、行うことができる。炉体を吊り上げる場合には、図4(a)に示すように、まず、トップ、ボトムのジョウはいずれも「閉」としておく。この場合、ボトムのジョウでストランドをグリップ(掴む)する(a−1)。つぎに、トップのジョウを「閉」、ボトムのジョウを「開」とし、シリンダーを伸ばし、吊荷(炉体)を上昇させる(a−2)。つぎに、ボトムのジョウを「閉」とし、トップのジョウを「開」としてシリンダーを縮める(a−3)。そして、トップのジョウを「閉」とする(a−1)。上記した(a−1〜a−3)を繰返すことにより、所望の高さだけ、吊荷(炉体)を上昇させることができる。

0032

また、吊下ろしを行う場合には、図4(b)に示すように、まず、トップ、ボトムのジョウはいずれも「閉」としておく(b−1)。つぎに、トップのジョウを「開」とし、シリンダーを伸ばす(b−2)。トップのジョウを「閉」とし、シリンダーをわずかに上昇させボトムのジョウの荷重を抜き、ボトムのジョウを「開」として、シリンダーを締め、吊荷(炉体)は下降させる(b−3)。そして、トップのジョウを「閉」とする(b−1)。上記した(b−1〜b−4)を繰返すことにより、所望の高さだけ、吊荷(炉体)を下降させることができる。

0033

上記した本発明の方法により、取替えが必要な旧転炉炉体(約325t)を新転炉炉体に交換した。本発明の方法は、従来の方法におけるように、炉体の軸心近傍に吊り上げ用のジャッキを配置するための安定した架台を設置し、しかも架台の出し入れを行う必要がなく、作業が簡略化し工事期間が短縮し、工事費用が約5%削減できた。

0034

1炉体
1A炉口
1a 炉体の上部
1b 炉体の下部
1aN 新炉体の上部
1bN 新炉体の下部
2トラニオンリング
2aトラニオン軸
3仮設梁
311ジャッキ
311a 吊りピース
311bストランド
4コッター
4a 仮コッター
4an 新仮コッター
4n 新コッター
5 仮設ステージ

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ