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技術 車両用照明装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 川真田進也永田真一藤田和幸佐藤みなみ
出願日 2016年3月7日 (3年4ヶ月経過) 出願番号 2016-043543
公開日 2017年9月14日 (1年10ヶ月経過) 公開番号 2017-159699
状態 特許登録済
技術分野 乗員・歩行者の保護 交通制御システム
主要キーワード 照射形態 追加照射 車両照明装置 照射態様 周辺環境情報 相対速 ヨーセンサ 照射停止
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

対象物に対して照射光による情報提示が適切に行われるようにする。

解決手段

車両用照明装置(10)は、自車両(20)周辺の移動体(30)を検出する第1検出手段(110,120,130,210)と、移動体が注意喚起を行うべき対象物であるか否かを判定する第1判定手段(220)と、対象物周辺の所定範囲に、自車両に関する第1情報を示す第1パターン(50a)を照射可能な照射手段(300)と、他車両が対象物に向けて、他車両に関する第2情報を示す第2パターン(50b)を照射しているか否かを判定する第2判定手段(230)と、他車両が第2パターンを照射している場合には、対象物が視認可能且つ第2パターンと重ならない位置に第1パターンを照射するように、又は第1パターンを照射しないように照射手段を制御する制御手段(240)とを備える。

概要

背景

この種の装置として、自車両周辺に存在する対象物に向けて光を照射することで、対象物に何らかの情報(例えば、自車両の接近に関する情報)を提示するという技術が知られている。特許文献1では、車両周辺に存在する対象物を検出し、対象物に向けて所定パターン照射光を照射することで注意喚起を行うという技術が提案されている。特許文献2では、歩行者衝突する可能性があると判定された場合に、通常走行時よりも前照灯照射範囲を前方に広げるという技術が提案されている。

概要

対象物に対して照射光による情報提示が適切に行われるようにする。車両用照明装置(10)は、自車両(20)周辺の移動体(30)を検出する第1検出手段(110,120,130,210)と、移動体が注意喚起を行うべき対象物であるか否かを判定する第1判定手段(220)と、対象物周辺の所定範囲に、自車両に関する第1情報を示す第1パターン(50a)を照射可能な照射手段(300)と、他車両が対象物に向けて、他車両に関する第2情報を示す第2パターン(50b)を照射しているか否かを判定する第2判定手段(230)と、他車両が第2パターンを照射している場合には、対象物が視認可能且つ第2パターンと重ならない位置に第1パターンを照射するように、又は第1パターンを照射しないように照射手段を制御する制御手段(240)とを備える。

目的

本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、照射光によって情報を提示可能な車両が複数存在している場合においても、対象物に対して適切に情報の提示が行われるようにすることが可能な車両用照明装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

自車両周辺の移動体を検出する第1検出手段と、前記移動体が注意喚起を行うべき対象物であるか否かを判定する第1判定手段と、前記第2判定手段により前記移動体が前記対象物であると判定された場合に、前記対象物周辺所定範囲に、前記自車両に関する第1情報を示す第1パターン照射可能な照射手段と、他車両が前記対象物周辺の所定範囲に、前記他車両に関する第2情報を示す第2パターンを照射しているか否かを判定する第2判定手段と、前記第2判定手段により前記他車両が前記第2パターンを照射していると判定された場合には、前記対象物が視認可能且つ前記第2パターンと重ならない位置に前記第1パターンを照射するように、又は前記第1パターンを照射しないように前記照射手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする車両用照明装置

請求項2

前記制御手段は、前記第2判定手段により前記他車両が前記第2パターンを照射していないと判定された場合には、前記第1パターンを前記対象物が視認可能な位置に照射するように前記照射手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用照明装置。

請求項3

前記第1情報に含まれる一方で前記第2情報に含まれていない差分情報を算出する差分算出手段を更に備え、前記照射手段は、前記第1パターンに加えて、前記差分情報を示す第3パターンを照射可能であり、前記制御手段は、前記第2判定手段により前記他車両が前記第2パターンを照射していると判定された場合に、前記第1パターンに代えて、前第3パターンを、前記対象物が視認可能且つ前記第2パターンに重ならない位置に照射するように前記照射手段を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用照明装置。

請求項4

前記第1情報及び前記第2情報の各々には優先度を示す情報が付与されており、前記第1情報及び前記第2情報の優先度を判定する第3判定手段を更に備え、前記制御手段は、前記第2判定手段により前記他車両が前記第2パターンを照射していると判定され、且つ前記第3判定手段により前記第2情報よりも前記第1情報の優先度が高いと判定された場合、前記他車両に前記第2パターンの照射を中止するように要請した後に、前記第1パターンを照射するように前記照射手段を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用照明装置。

請求項5

前記照射手段は、前記第1パターンに加えて、前記第2パターン、並びに前記第1情報及び前記第2情報の両方を示す第4パターンを照射可能であり、前記制御手段は、前記第2判定手段により前記他車両が前記第2パターンを照射していないと判定された場合に、前記第1パターンに代えて、前記第2パターン又は前記第4パターンを照射するように前記照射手段を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用照明装置。

請求項6

前記第1判定手段は、前記自車両と前記移動体との接触可能性、又は前記移動体の周囲視認性に基づいて、前記移動体が前記対象物であるか否かを判定することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用照明装置。

技術分野

0001

本発明は、自車両周辺に光を照射することで対象物に情報を提示する車両用照明装置の技術分野に関する。

背景技術

0002

この種の装置として、自車両周辺に存在する対象物に向けて光を照射することで、対象物に何らかの情報(例えば、自車両の接近に関する情報)を提示するという技術が知られている。特許文献1では、車両周辺に存在する対象物を検出し、対象物に向けて所定パターン照射光を照射することで注意喚起を行うという技術が提案されている。特許文献2では、歩行者衝突する可能性があると判定された場合に、通常走行時よりも前照灯照射範囲を前方に広げるという技術が提案されている。

先行技術

0003

特開2008−143510号公報
特開2009−282564号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上記特許文献1に記載の技術では、同様の装置を搭載した複数の車両が存在する場合に、同一の対象物に向けて複数の照射光が照射される可能性がある。具体的には、自車両が注意喚起のためのパターンを照射している対象物に対して、他車両も注意喚起のためのパターンを照射するという状況が起こり得る。

0005

このような場合、照射光の照射位置が重なってしまうことにより、パターンの形状が崩れ、対象物が照射光の示すパターンを認識できなくなる、或いは誤った情報を示すパターンとして認識してしまうおそれがある。従って、特許文献1に記載されているような技術は、他車両の照射光の存在により、適切な注意喚起が行えなくなってしまうという技術的問題点を有している。

0006

本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、照射光によって情報を提示可能な車両が複数存在している場合においても、対象物に対して適切に情報の提示が行われるようにすることが可能な車両用照明装置を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0007

<1>
本発明の車両用照明装置は上記課題を解決するために、自車両周辺の移動体を検出する第1検出手段と、前記移動体が注意喚起を行うべき対象物であるか否かを判定する第1判定手段と、前記第2判定手段により前記移動体が前記対象物であると判定された場合に、前記対象物周辺所定範囲に、前記自車両に関する第1情報を示す第1パターンを照射可能な照射手段と、他車両が前記対象物周辺の所定範囲に、前記他車両に関する第2情報を示す第2パターンを照射しているか否かを判定する第2判定手段と、前記第2判定手段により前記他車両が前記第2パターンを照射していると判定された場合には、前記対象物が視認可能且つ前記第2パターンと重ならない位置に前記第1パターンを照射するように、又は前記第1パターンを照射しないように前記照射手段を制御する制御手段とを備える。

0008

本発明の車両用照明装置によれば、対象物に他車両が第2パターンを照射している場合には、自車両から照射される第1パターンの照射位置が、対象物が視認可能且つ第2パターンと重ならない位置とされる、又は第1パターンが照射されない。このため、自車両が照射する第1パターンと他車両が照射する第2パターンとの照射位置が重なってしまうことで、対象物に適切な情報の提示が行われなくなってしまうことを防止できる。

0009

<2>
本発明の車両用照明装置の一態様では、前記制御手段は、前記第2判定手段により前記他車両が前記第2パターンを照射していないと判定された場合には、前記第1パターンを前記対象物が視認可能な位置に照射するように前記照射手段を制御する。

0010

この態様によれば、対象物に対して自車両に関する第1情報を提示することが可能である。

0011

<3>
本発明の車両用照明装置の他の態様では、前記第1情報に含まれる一方で前記第2情報に含まれていない差分情報を算出する差分算出手段を更に備え、前記照射手段は、前記第1パターンに加えて、前記差分情報を示す第3パターンを照射可能であり、前記制御手段は、前記第2判定手段により前記他車両が前記第2パターンを照射していると判定された場合に、前記第1パターンに代えて、前第3パターンを、前記対象物が視認可能且つ前記第2パターンに重ならない位置に照射するように前記照射手段を制御する。

0012

この態様によれば、第2パターンの照射を妨げることなく、対象物に差分情報を提示することが可能となる。

0013

<4>
本発明の車両用照明装置の他の態様では、前記第1情報及び前記第2情報の各々には優先度を示す情報が付与されており、前記第1情報及び前記第2情報の優先度を判定する第3判定手段を更に備え、前記制御手段は、前記第2判定手段により前記他車両が前記第2パターンを照射していると判定され、且つ前記第3判定手段により前記第2情報よりも前記第1情報の優先度が高いと判定された場合、前記他車両に前記第2パターンの照射を中止するように要請した後に、前記第1パターンを照射するように前記照射手段を制御する。

0014

この態様によれば、対象物に対して、より優先度の高い情報を提示することが可能となる。

0015

<5>
本発明の車両用照明装置の他の態様では、前記照射手段は、前記第1パターンに加えて、前記第2パターン、並びに前記第1情報及び前記第2情報の両方を示す第4パターンを照射可能であり、前記制御手段は、前記第2判定手段により前記他車両が前記第2パターンを照射していないと判定された場合に、前記第1パターンに代えて、前記第2パターン又は前記第4パターンを照射するように前記照射手段を制御する。

0016

この態様によれば、第2パターン又は第4パターンを照射することによって、他車両に関する第2情報を自車両から提示することが可能となる。

0017

<6>
本発明の車両用照明装置の他の態様では、前記第1判定手段は、前記自車両と前記移動体との接触可能性、又は前記移動体の周囲視認性に基づいて、前記移動体が前記対象物であるか否かを判定する。

0018

この態様によれば、移動体が注意喚起を行うべき対象物であるか否かを好適に判定することが可能である。

0019

本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。

図面の簡単な説明

0020

第1実施形態に係る車両用照明装置の構成を示すブロック図である。
自車両から歩行者に向けて照射パターンを照射する場合の一例を示す上面図である。
自車両及び他車両が同一の歩行者に向けて照射パターンを照射する場合の一例を示す上面図である。
第1実施形態に係る車両用照明装置の動作の流れを示すフローチャートである。
接触可能性を利用した対象物の判定方法を示すフローチャートである。
周囲視認性を利用した対象物の判定方法を示すフローチャートである。
第2実施形態に係る車両用照明装置の動作の流れを示すフローチャートである。
第1照射制御処理フローを示すフローチャートである。
自車両及び他車両に関する情報を照射する場合の照射例を示す上面図である。
第2照射制御の処理フローを示すフローチャートである。
他車両の照射パターンと重ならない位置に照射する場合の照射例を示す上面図である。
他車両の照射パターンとの差分情報を照射する場合の照射例を示す上面図である。

実施例

0021

本発明の車両用照明装置に係る実施形態を図面に基づいて説明する。以下では、第1実施形態及び第2実施形態の2つの実施形態について夫々説明する。

0022

<第1実施形態>
第1実施形態に係る車両用照明装置について、図1から図6を参照して説明する。以下では、車両用照明装置の構成、照射パターンの利用時に発生し得る問題点、車両用照明装置の動作、車両用照明装置によって得られる技術的な効果について、順に説明していく。

0023

<車両用照明装置の構成>
先ず、第1実施形態に係る車両用照明装置の構成について、図1を参照して説明する。ここに図1は、第1実施形態に係る車両用照明装置の構成を示すブロック図である。

0024

図1において、第1実施形態に係る車両用照明装置10は、自動車等の車両に搭載されるものであり、光を照射することで路面等に所定の照射パターンを照射することが可能に構成されている。車両用照明装置10は、車載カメラ110と、レーダ120と、通信装置130と、センサ群140と、ECU200と、照射部300とを備えて構成されている。

0025

車載カメラ110は、車両の前方領域言い換えれば、運転者視界に相当する領域)を撮像可能なカメラである。車載カメラ110は、可視光を利用して撮像するカメラであってもよいし、可視光以外(例えば、赤外線等)を利用して撮像するカメラであってもよい。車載カメラ110で撮像された画像は、画像データとして情報取得部210に出力される構成となっている。

0026

レーダ120は、車両の前方領域に存在する物体を認識可能なレーダである。レーダ120は、ミリ波レーザー等を利用して車両周辺に存在している物体の位置や移動速度等を検出可能に構成されている。レーダ120で検出された物体に関する情報は、情報取得部210に出力される構成となっている。

0027

通信装置130は、無線通信によって車両の周辺環境に関する情報を受信可能に構成されている。具体的には、通信装置130は、車車間通信路車間通信、又は歩車間通信を行って、他車両や歩行者に関する情報を受信する。なお、通信装置130は、自車両に関する情報を送信可能に構成されていてもよい。通信装置130によって受信された情報は、情報取得部210に出力される構成となっている。

0028

センサ群140は、自車両の状態を検出可能な複数のセンサを含んで構成されている。例えば、センサ群140は、車速センサ加速度センサヨーセンサ等を含んで構成される。センサ群140によって検出された自車両の状態を示す情報は、情報取得部210に出力される構成となっている。

0029

ECU200は、CPU(Central Processing Unit)等の演算回路を有するコントローラユニットであり、車両における各種動作を制御可能に構成されている。本実施形態に係るECU200は特に、後述する照射パターンを描画するための制御を実施可能に構成されている。ECU200は、その内部に実現される論理的な又は物理的な処理ブロックとして、情報取得部210、照射対象判定部220、他車両照射判定部230、及び照射判断部240を備えている。

0030

情報取得部210は、車載カメラ110、レーダ120及び通信装置130の各々から出力される情報を、周辺環境情報(即ち、車両の周辺環境を示す情報、特に車両周辺に存在する物体に関する情報)として取得可能に構成されている。情報取得部210で取得された周辺環境情報は、照射対象判定部220に出力される構成となっている。なお、情報取得部210は、車載カメラ110、レーダ120、及び通信装置130と共に「検出手段」の一具体例として機能するものである。

0031

情報取得部210は更に、センサ群140から出力される情報を、自車両情報(即ち、自車両の状態を示す情報)として取得可能に構成されている。情報取得部210で取得された自車両情報は、周辺環境情報と共に照射対象判定部220に出力される構成となっている。

0032

照射対象判定部220は、情報取得部210から入力される周辺環境情報を利用して、車両の周辺に存在する移動体を検出可能に構成されている。なお、ここでの「移動体」とは、実際に移動している物体だけでなく、移動する可能性がある物体を意味している。例えば、立ち止まっている歩行者や、停車している他車両についても、移動体として検出して構わない。

0033

照射対象判定部220は更に、検出した移動体が対象物であるか否かを判定可能に構成されている。ここでの「対象物」とは、照射パターンを利用して注意喚起を行うべき対象であり、例えば自車両が走行している道路の前方を横断している歩行者等が一例として挙げられる。照射対象判定部220で判定された対象物に関する情報(例えば、対象物の属性や位置、移動方向、移動速度等を示す情報)は、他車両照射判定部230に出力される構成となっている。なお、照射対象判定部220は、「第1判定手段」の一具体例である。

0034

他車両照射判定部230は、照射対象判定部220で判定された対象物に対して、他車両が照射パターンを照射中であるか否かを判定可能に構成されている。具体的には、他車両照射判定部230は、車載カメラ110で撮像された画像データの解析結果や、通信装置130による車車間通信によって、他車両が照射パターンを照射中であるか否かを判定する。また、他車両照射判定部230は、他車両が照射パターンを照射中であるか否かだけでなく、提示されている照射パターンがどのような情報を提示しているかを判定可能に構成されていてもよい。他車両照射判定部230の判定結果は、照射判断部240に出力される構成となっている。なお、他車両照射判定部230は、「第2判定手段」の一具体例である。

0035

照射判断部240は、他車両照射判定部230に判定結果に基づいて、自車両から照射パターンを照射するか否かを判断可能に構成されている。また、照射判断部240は、自車両から照射パターンを照射するか否かだけでなく、照射パターンの具体的な照射態様についても判断可能に構成されていてもよい。照射判断部240による具体的な判断処理については、後の動作説明において詳述する。照射判断部240の判断結果は、照射部300に出力される構成となっている。なお、照射判断部240は、「制御手段」の一具体例である。

0036

照射部300は、照射する光の方向及びパターンを変更可能なライト(例えば、車両のヘッドライト等)を含んでおり、照射判断部240の判断結果に基づいて、対象物周辺の所定範囲に所定の照射パターンを照射可能に構成されている。なお、ここでの「所定範囲」は、照射部300が発する光によって路面に描画される照射パターンが、対象物により認識できる程度に鮮明となる範囲である。照射部300は、自車両や対象物の移動に応じて、照射位置を適切な位置に変更する機能を有していてもよい。なお、照射部300は、「照射手段」の一具体例である。

0037

<照射パターンの利用時に発生し得る問題点>
次に、照射パターンの利用時に発生し得る問題点について、図2及び図3を参照して具体的に説明する。ここに図2は、自車両から歩行者に向けて照射パターンを照射する場合の一例を示す上面図である。また図3は、自車両及び他車両が同一の歩行者に向けて照射パターンを照射する場合の一例を示す上面図である。

0038

図2に示す例では、自車両20の前方に車道を横断しようとする歩行者30が存在している。この歩行者30がそのまま車道の横断を続けたとすると、自車両20と歩行者30とが接近し衝突してしまう可能性がある。本実施形態に係る車両用照明装置10は、このような場合に、歩行者30の前方付近の領域に向けて光を照射し、注意喚起を促す照射パターン50を描画する。

0039

照射パターン50は、例えば図に示すように、「びっくりマークエクスクラメーションマーク)」と「矢印」を含む図形として照射される。エクスクラメーションマークは一般的に「注意」又は「危険」を意味するマークとして認知されている。このため、照射パターン50を視覚した歩行者30は、矢印が示す方向について注意を払うことが期待される。このように、照射パターン50を用いれば、歩行者30(即ち、対象物)に自車両20の接近に対する注意喚起を適切に行うことができる。

0040

図3に示す例では、車道を横断しようとする歩行者30に加えて、対向車線を走行してくる他車両40が存在している。この時、他車両40が自車両20と同様の車両用照明装置10を備えている場合、他車両40も照射パターン50bを照射して歩行者30に注意喚起を行うことが想定される。

0041

しかしながら、自車両20が照射する照射パターン50aと、他車両40が照射する照射パターン50bとが重なってしまうと、照射パターン50a及び50bは、認識され難い、又は認識できない形状になってしまうおそれがある。すると、歩行者30に適切な注意喚起を行うことが難しくなってしまう。また、照射パターン50a及び50bが重なってしまうことで、歩行者30に誤った情報を提示するパターンとして認識されてしまうおそれもある。例えば、歩行者に照射パターン50への接近を促すようなものとして認識されてしまう可能性がある。この場合、歩行者30に注意喚起を行うどころか、かえって危険を助長してしまう結果に繋がってしまう。

0042

以上のように、照射パターン50を照射可能な車両が複数存在している場合には、同一の対象物に向けて複数の照射パターン50が照射されてしまうことにより、適切な注意喚起が行えなくなってしまうという技術的問題点が生じ得る。本実施形態に係る車両用照明装置10は、このような技術的問題点を解決するために、以下で詳細に説明する動作を行う。

0043

<車両用照明装置の動作>
第1実施形態に係る車両用照明装置10の動作について、図4を参照して詳細に説明する。ここに図4は、第1実施形態に係る車両用照明装置の動作の流れを示すフローチャートである。

0044

図4において、本実施形態に係る車両用照明装置10の動作時には、まずセンサ群140によって検出された自車両情報が、情報取得部210によって取得される(ステップS101)。続いて、車載カメラ110、レーダ120及び通信装置130で検出された周辺環境情報が、情報取得部210によって取得される(ステップS102)。なお、ステップS101及びS102の各処理は相前後して、或いは同時並行的に実行されてもよい。情報取得部210で取得された自車両情報及び周辺環境情報は、照射対象判定部220に出力される。

0045

次に、照射対象判定部220において、自車両20の周辺に注意喚起を行うべき対象物が存在しているか否かが判定される(ステップS103)。照射対象判定部220は、周辺環境情報から対象物となり得る移動体を検出し、自車両情報及び周辺環境情報に基づいて、検出した移動体が対象物であるか否かを判定する。なお、ここで判定される対象物は、自車両20との関係で注意喚起を行うべき移動体だけでなく、他車両40との関係で注意喚起を行うべき移動体含む。即ち、自車両20から見れば注意喚起を行うほどではないけれども、他車両40から見れば注意喚起を行うべき移動体であれば、対象物として判定される。

0046

移動体が対象物であるか否かは、例えば周辺環境情報から算出される接触可能性又は周囲視認性を用いて判定される。なお、「接触可能性」とは、自車両20と移動体とが接触してしまう可能性、又は他車両40と移動体が接触してしまう可能性を示す値であり、例えば自車両20又は他車両40と移動体との距離や相対速度等に基づいて算出される。また「周囲視認性」とは、自車両20又は他車両40の運転者から見た移動体周辺の視認性、或いは移動体から見た自車両20方向又は他車両40方向の視認性を示す値であり、例えば周囲の明るさや視認性を低下させるような障害物の有無等に基づいて算出される。

0047

以下では、接触可能性及び周囲視認性を用いた対象物の判定フローについて、図5及び図6を参照して詳細に説明する。ここに図5は、接触可能性を利用した対象物の判定方法を示すフローチャートである。また図6は、周囲視認性を利用した対象物の判定方法を示すフローチャートである。なお、図5及び図6で示す各処理は、図4で示したステップS103として実行される処理である。

0048

図5に示すように、接触可能性を利用して対象物を判定する場合には、まず移動体と自車両20とが接触する可能性があるか否かが判定される(ステップS103a)。具体的には、移動体と自車両20との距離や相対速度等に基づいて、移動体と自車両20との接触可能性が算出される。そして、算出された接触可能性が所定の第1閾値と比較されることで、移動体と自車両20とが接触する可能性があるか否かが判定される。移動体と自車両20とが接触する可能性ありと判定された場合(ステップS103a:YES)、移動体は対象物であると判断され、ステップS104の処理へと進む。

0049

他方、移動体と自車両20とが接触する可能性なしと判定された場合(ステップS103a:NO)、移動体と他車両40とが接触する可能性があるか否かが判定される(ステップS103b)。具体的には、移動体と他車両40との距離や相対速度等に基づいて、移動体と自車両20との接触可能性が算出される。そして、算出された接触可能性が所定の第2閾値と比較されることで、移動体と他車両40とが接触する可能性があるか否かが判定される。移動体と他車両40とが接触する可能性ありと判定された場合(ステップS103b:YES)、移動体は対象物であると判断され、ステップS104の処理へと進む。一方、移動体と他車両40とが接触する可能性なしと判定された場合(ステップS103b:NO)、移動体は対象物でないと判断され、ステップS105の処理へと進む。

0050

図6に示すように、周囲視認性を利用して対象物を判定する場合には、まず自車両20から見て移動体の視認性が悪いか否かが判定される(ステップS103c)。具体的には、移動体の周囲の明るさや障害物の有無等に基づいて、自車両20から見た場合の移動体付近の周囲視認性が算出される。そして、算出された周囲視認性が所定の第3閾値と比較されることで、自車両20から見て移動体の視認性が悪いか否かが判定される。自車両20から見て移動体の視認性が悪いと判定された場合(ステップS103c:YES)、移動体は対象物であると判断され、ステップS104の処理へと進む。

0051

他方、自車両20から見て移動体の視認性が悪くないと判定された場合(ステップS103c:NO)、移動体から見て自車両20の視認性が悪いか否かが判定される(ステップS103d)。具体的には、自車両20の周囲の明るさや障害物の有無等に基づいて、移動体から見た場合の自車両20付近の周囲視認性が算出される。そして、算出された周囲視認性が所定の第4閾値と比較されることで、移動体から見て自車両20の視認性が悪いか否かが判定される。移動体から見て自車両20の視認性が悪いと判定された場合(ステップS103d:YES)、移動体は対象物であると判断され、ステップS104の処理へと進む。一方、移動体から見て自車両20の視認性が悪くないと判定された場合(ステップS103c:NO)、移動体は対象物でないと判断され、ステップS105の処理へと進む。

0052

なお、自車両20から見た場合の移動体の周囲視認性及び移動体から見た場合の自車両20の周囲視認性に加えて又は代えて、他車両40から見た場合の移動体の周囲視認性及び移動体から見た場合の他車両40の周囲視認性が判定されてもよい。また、周囲視認性に加えて、自車両20の運転者の運転操作等を検出して、自車両の20の運転者が移動体の存在を認識しているか否かを判定してもよい。同様に、周囲視認性に加えて、移動体の動き等を検出して、移動体が自車両の20の存在を認識しているか否かを判定してもよい。

0053

図4戻り、照射対象判定部220において移動体が対象物でない(即ち、注意喚起すべきではない)と判定された場合には(ステップS103:NO)、自車両20から照射光は照射されずに(ステップS105)一連の処理が終了する。即ち、自車両20による照射パターン50を用いた注意喚起は行われない。

0054

一方で、照射対象判定部220において移動体が対象物である(即ち、注意喚起すべきである)と判定された場合には(ステップS103:YES)、他車両照射判定部230において、対象物に向けて既に他車両40が照射パターン50を照射中であるか否かが判定される(ステップS104)。なお、他車両40が照射する照射パターン50は、「第2パターン」の一具体例である。

0055

ここで、対象物に向けて既に他車両40が照射パターン50を照射中であると判定されると(ステップS104:YES)、照射判断部240において、自車両20からは対象物に向けて照射パターン50を照射すべきでないと判定される。このため、他車両40が既に照射パターン50を照射している場合には、自車両20からは照射パターン50は照射されない(ステップS105)。

0056

他方、対象物に向けて他車両40が照射パターン50を照射中でないと判定されると(ステップS104:NO)、照射判断部240において、自車両20から対象物に向けて照射パターン50を照射すべきであると判定される。このため、他車両が照射パターン50を照射していない場合には、自車両20から対象物に向けて照射パターン50が照射される(ステップS106)。なお、ここで自車両20が照射する照射パターン50は、「第1パターン」の一具体例である。

0057

<実施形態の効果>
次に、第1実施形態に係る車両用照明装置10によって得られる有益な技術的効果について説明する。

0058

図1から図6を用いて説明したように、第1実施形態に係る車両照明装置10によれば、自車両20の周辺に注意喚起すべき対象物(即ち、歩行者30等)が存在する場合には、他車両40から照射パターン50が照射されているか否かに応じて、自車両20から照射パターン50を照射するか否かが判断される。

0059

これにより、他車両40が既に照射パターン50を照射している場合には、自車両20からは照射パターン50が照射されない。即ち、他車両40が既に照射パターン50を照射している場合には、他車両40が照射している照射パターン50bのみによって注意喚起が行われることになる。このため、自車両20から照射された照射パターン50aと、他車両40から照射された照射パターン50bとが重なってしまい、対象物に対して適切な注意喚起が行えなくなってしまうことを回避できる。

0060

一方で、他車両40が対象物に照射パターン50を照射していない場合には、自車両20から照射パターン50が照射される。即ち、他車両40が照射パターン50を照射している場合には、自車両20から照射される照射パターン50aのみによって注意喚起が行われることになる。この場合も、自車両20から照射された照射パターン50aと、他車両40から照射された照射パターン50bとが重なってしまい、対象物に適切な注意喚起が行えなくなってしまうことを回避できる。

0061

<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る車両用照明装置について、図7から図12を参照して説明する。なお、第2実施形態は、既に説明した第1実施形態と概ね同様の構成を有しており、一部の動作のみが異なるものである。このため、以下では第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。

0062

以下では、車両用照明装置の構成についての説明は省略し、車両用照明装置の動作、車両用照明装置によって得られる技術的な効果について、順に説明していく。

0063

<車両用照明装置の動作>
第2実施形態に係る車両用照明装置10の動作について、図7を参照して詳細に説明する。ここに図7は、第2実施形態に係る車両用照明装置の動作の流れを示すフローチャートである。なお、図7では、既に説明した第1実施形態と同様の処理(図4参照)については、同一の参照符号を付し適宜説明を省略している。

0064

図7において、第2実施形態に係る車両用照明装置10の動作時には、まず第1実施形態におけるステップS101〜S103と同様の処理が実行される。即ち、自車両情報が情報取得部210によって取得される(ステップS101)。続いて、周辺環境情報が、情報取得部210によって取得される(ステップS102)。そして、照射対象判定部220において、自車両20の周辺に注意喚起を行うべき対象物が存在しているか否かが判定される(ステップS103)。なお、自車両20の周辺に注意喚起を行うべき対象物が存在していないと判定された場合(ステップS103:NO)、自車両20からは照射光が照射されずに(ステップS209)一連の処理が終了する。即ち、自車両20による照射パターン50を用いた注意喚起は行われない。

0065

他方、対象物が存在していると判定された場合(ステップS103:YES)、他車両照射判定部230において、対象物に向けて既に他車両40が照射パターンを照射中であるか否かが判定される(ステップS204)。他車両40が照射パターンを照射中でないと判定された場合(ステップS204:NO)、照射判断部240による第1照射制御が実行される(ステップS210)。第1照射制御は、他車両40が照射パターン50を照射していない場合に実行される制御(言い換えれば、自車両20のみで照射パターン50を照射する場合の制御)である。

0066

以下では、第1照射制御について、図8を参照して具体的に説明する。ここに図8は、第1照射制御の処理フローを示すフローチャートである。

0067

図8において、第1照射制御が開始されると、まず照射パターンを用いて対象物に提示すべき情報(提示情報)が他車両40に関するものであるか否かが判定される(ステップS301)。

0068

提示情報が他車両40に関するものでない(言い換えれば、提示情報が自車両20に関するものである)と判定された場合には(ステップS301:NO)、自車両20から対象物に向けて、自車両20に関する情報を示す照射パターン50が照射される(ステップS302)。なお、ここで自車両20から照射される照射パターン50は、「第1パターン」の一具体例である。

0069

一方、提示情報が他車両40に関するものであると判定された場合には(ステップS301:YES)、提示情報が他車両40に加えて、自車両20に関するものであるか否かが判定される(ステップS303)。具体的には、提示情報が自車両20及び他車両40の両方に関するものであるのか、それとも他車両40のみに関するものであるのかが判定される。

0070

提示情報が自車両20に関するものでもあると判定された場合には(ステップS303:YES)、自車両20から対象物に向けて、自車両20及び他車両40に関する情報を示す照射パターン50が照射される(ステップS304)。即ち、自車両20は、自車両20に関する情報のみならず、他車両40に関する情報も対象物に提示する。なお、ここで自車両20から照射される照射パターン50は、「第4パターン」の一具体例である。

0071

ここで、自車両20及び他車両40に関する情報を示す照射パターン50について、図9を参照して具体的に説明する。ここに図9は、自車両及び他車両に関する情報を照射する場合の照射例を示す上面図である。

0072

図9に示すように、自車両20及び他車両40に関する情報を示す照射パターン50には、「びっくりマーク」に加えて、「矢印」が2つ含まれている。この2つの矢印は、それぞれ自車両20の接近方向と、他車両40の接近方向とを示している。よって、このような照射パターン50を視覚した歩行者30は、2つの矢印が示す方向(即ち、歩行者30から見て左と右の両方向)について注意を払うことが期待される。

0073

図8に戻り、提示情報が自車両20に関するものではない(言い換えれば、提示情報が他車両40のみに関するものである)と判定された場合には(ステップS303:NO)、自車両20から対象物に向けて、他車両40に関する情報を示す照射パターン50が照射される(ステップS305)。即ち、自車両20は、自車両に関する情報に代えて、他車両40に関する情報を対象物に提示する。なお、ここで自車両20から照射される照射パターン50は、「第2パターン」の一具体例である。

0074

上述したステップS304及びステップS305における照射によれば、他車両40が自身に関する情報を提示していない場合でも、自車両20から他車両40に関する情報が提示される。よって、例えば他車両40が車両用照明装置10と同様の装置を搭載していない場合であっても、対象物に対して適切な注意喚起が行える。

0075

なお、第1照射制御において照射される照射パターン50は、他車両40が照射パターン50を照射していない状態で照射されるものである。このため、第1照射制御において自車両20から照射される照射パターン50は、対象物の視認可能な位置に照射されればよく、後述する第2照射制御のように他の照射パターンとの位置関係を考慮する必要はない。

0076

図7に戻り、他車両40が照射パターンを照射中であると判定された場合(ステップS204:YES)、自車両20が提示しようとしている情報と、他車両40が提示しようとしている情報とで優先度が比較される(ステップS205)。なお、ここでの「優先度」は、自車両20が提示しようとしている情報と、他車両40が提示しようとしている情報とのいずれを優先して提示すべきかを判定するためのパラメータであり、例えば情報の種類に応じた重要度(具体的には、より危険に直結するような情報であるか等)に応じて予め設定されている。

0077

また、優先度は情報の種類だけでなく、状況に応じて変動するようなパラメータであってもよい。具体的には、自車両20よりも他車両40に近い歩行者30に対して提示される情報については、自車両20から提示される情報よりも他車両40から提示される情報の優先度が高く設定されればよい。逆に、他車両40よりも自車両20に近い歩行者30に対して提示される情報については、他車両40から提示される情報よりも自車両20から提示される情報の優先度が高く設定されればよい。

0078

優先度を比較した結果、自車両20が提示しようとしている情報の優先度が、他車両40が提示しようとしている情報の優先度よりも高いと判定された場合(ステップS206:YES)、自車両20から他車両40に照射停止要求が出力される。具体的には、通信装置130による車車間通信等を用いて、他車両40に対して照射パターン50の照射を中止させるための要求が出力される。

0079

照射停止要求の出力後には、実際に他車両40による照射パターン50の照射が停止されたか否かが判定される。この判定は、通信装置130による車車間通信や、車載カメラ110の撮像データの画像解析等によって行われる。他車両40からの照射が停止された場合には(ステップS208:YES)、既に説明した第1照射制御が実行されることになる(ステップS210)。即ち、他車両40からの照射が行われていない前提での照射制御が実行される。

0080

なお、照射停止要求を出力したにもかかわらず、他車両40からの照射が停止されない場合には(ステップS208:NO)、繰り返し他車両40に照射停止要求が出力される(ステップS207)。ただし、他車両40が照射停止要求を受信する手段を備えていない可能性もあるため、所定回数以上の照射停止要求を出力した後は、その後の出力を停止してもよい。この場合には、例外的な動作として、後述する第2照射制御(ステップS211)を実行するようにすればよい。

0081

他方で、優先度を比較した結果、自車両20が提示しようとしている情報の優先度が、他車両40が提示しようとしている情報の優先度以下であると判定された場合(ステップS206:NO)、照射判断部240において、第2照射制御が実行される(ステップS211)。第2照射制御は、他車両40が既に照射パターン50を照射している場合に実行される制御(言い換えれば、自車両20及び他車両40の両方から照射パターン50を照射する場合の制御)である。

0082

以下では、第2照射制御について、図10を参照して具体的に説明する。ここに図10は、第2照射制御の処理フローを示すフローチャートである。

0083

図10において、第2照射制御が開始されると、他車両40が自車両20に関する情報を提示している否か(即ち、他車両40が照射する照射パターン50が示す情報に自車両20に関する情報が含まれているか否か)が判定される(ステップS401)。

0084

他車両40が自車両20に関する情報を提示していると判定された場合には(ステップS401:YES)、自車両20から対象物に向けて照射パターン50は照射されない(ステップS402)。自車両20に関する情報は既に他車両40から照射されている照射パターン50に含まれているため、新たに提示する必要はないからである。ただし、自車両20に関する情報が不足している場合には、不足分を補うような照射パターン50を照射するようにしてもよい。

0085

一方、他車両40が自車両20に関する情報を提示していないと判定された場合には(ステップS401:NO)、他車両40が照射パターン50を照射している領域とは別の領域に、新たな照射パターン50を照射できるか否かが判定される(ステップS403)。具体的には、情報取得部210で取得されている周辺環境情報等に基づいて、対象物の視認可能な範囲に十分な領域が存在しているか否かが判定される。

0086

別領域に照射パターン50を照射可能であると判定された場合には(ステップS403:YES)、既に他車両40が照射している照射パターン50と重ならない位置に、自車両20から照射パターンが照射される(ステップS404)。なお、ここでの「重ならない位置」とは、他車両40が照射している照射パターン50と、自車両20から照射される照射パターン50とが全く重ならない位置を意味する他、重なる部分が極めてわずかであるため、照射パターン50が意味するものが殆ど或いは全く損なわれないような位置も含む。なお、「重ならない位置」は、対象物周辺の所定範囲であり、且つ対象物から視認可能な領域であることが前提である。

0087

以下では、他車両40の照射パターン50と重ならない位置への照射について、図11を参照して具体的に説明する。ここに図11は、他車両の照射パターンと重ならない位置に照射する場合の照射例を示す上面図である。

0088

図11に示すように、他車両40が、歩行者30に対して他車両40の接近を知らせるための照射パターン50b(具体的には、「びっくりマーク」と「(歩行者から見て)右向きの矢印」を含むパターン)を照射しているとする。このような場合、自車両20からは、他車両が照射する照射パターン50bの隣に、歩行者30に対して自車両20の接近を知らせるための照射パターン50a(具体的には、「びっくりマーク」と「(歩行者から見て)左向きの矢印」を含むパターン)が照射される。これらの照射パターン50a及び照射パターン50bを視覚した歩行者30は、右方向及び左方向の両方向に注意を払うことが期待される。

0089

なお、上述した照射態様は一例であり、自車両20が照射する照射パターン50aの位置は、必ずしも他車両40が照射する照射パターン50bの隣でなくともよく、歩行者30から視認可能であり、且つ他車両40が照射する照射パターン50bと重ならない位置であればよい。ただし、歩行者30に対して適切な注意喚起を行うためには、自車両20が照射する照射パターン50の位置は、他車両40が照射する照射パターン50bから近い位置であることが好ましい。

0090

図10に戻り、別領域に照射パターン50を照射可能でないと判定された場合には(ステップS403:NO)、他車両40が照射している照射パターン50の周辺領域に、差分情報の追加照射が可能か否かが判定される(ステップS405)。そして、差分情報の追加照射が可能であると判定された場合には(ステップS405:YES)、自車両20から、差分情報を示す照射パターン50が照射される(ステップS406)。

0091

なお、ここでの「差分情報」とは、自車両20が対象物に提示すべき情報と、他車両40が照射している照射パターン50が示す情報との差分であり、照射判断部240において算出される。具体的には、差分情報は、自車両20から提示すべき情報から、他車両40が照射している照射パターン50が示す情報と重複する情報を取り除くことによって算出できる。この場合、他車両40が照射している照射パターン50が示す情報については、通信装置130による車車間通信や、車載カメラ110の撮像データの解析等を利用して取得されればよい。

0092

差分情報は、自車両20が対象物に提示すべき情報と比べると情報量が少ない。このため、差分情報を示す照射パターン50は、独立した照射パターン50(例えば図11を参照)と比べて、その形状を簡単化及び縮小化できる。よって、照射領域の不足等により、別途独立した照射パターン50を照射することができない場合であっても、差分情報を示す照射パターン50であれば照射できる可能性がある。上述したステップS405では、照射パターンを照射可能な領域が、独立した照射パターン50を照射できる程度には残されていないけれども、差分情報を示す照射パターン50を照射できる程度には残されているか否かが判定される。

0093

以下では、差分情報の照射について、図12を参照して具体的に説明する。ここに図12は、他車両の照射パターンとの差分情報を照射する場合の照射例を示す上面図である。

0094

図12に示すように、他車両40が、歩行者30に対して他車両40の接近を知らせるための照射パターン50b(具体的には、「びっくりマーク」と「(歩行者から見て)右向きの矢印」を含むパターン)を照射しているとする。このような場合、自車両20からは、他車両が照射する照射パターン50bのすぐ上の領域に、歩行者30に対して自車両20の接近方向を知らせるための照射パターン50a(具体的には、「(歩行者から見て)左向きの矢印」を含むパターン)が照射される。これらの照射パターン50a及び照射パターン50bを視覚した歩行者30は、右方向及び左方向の両方向に注意を払うことが期待される。なお、ここでの照射パターン50aは、「第3パターン」の一具体例である。

0095

上述したような状況において、本来自車両20から歩行者30に提示すべき情報は、歩行者30への注意喚起を示す情報(びっくりマークに相当)、及び自車両20の接近方向を示す情報(矢印に相当)である(例えば、図11を参照)。しかしながら、歩行者30への注意喚起を示す情報(びっくりマークに相当)については、他車両40から照射されている照射パターン50bに含まれており、重複して照射する必要はない。よって、自車両20の接近方向を示す情報を示す矢印を含む照射パターン50aだけを照射した場合でも、別途独立した照射パターン50を照射する場合と同様の情報を提示することができる。

0096

再び図10に戻り、差分情報の追加照射が可能でないと判定された場合には(ステップS214:NO)、自車両20から照射パターン50は照射されない。このようにすれば、自車両20が照射する照射パターン50aによって、他車両40が照射する照射パターン50bによる情報の提示が妨げられてしまうことを防止できる。
<実施形態の効果>
最後に、第2実施形態に係る車両用照明装置10によって得られる有益な技術的効果について説明する。

0097

図7から図12を用いて説明したように、第2実施形態に係る車両照明装置10によれば、自車両20の周辺に注意喚起すべき対象物(即ち、歩行者30等)が存在する場合には、各種条件に応じて、自車両20から照射パターン50を照射するか否か、或いは自車両20からの照射形態が判断される。

0098

具体的には、自車両20及び他車両50の照射パターン50が示す情報の優先度や、他車両50の照射パターンが示す情報の内容に応じて、自車両20が照射する照射パターン50によって提示する情報の内容、照射パターン50の照射位置等が、夫々適切なものへと変更される。これにより、他車両40が既に照射パターン50を照射している場合に自車両20からは照射パターン50を照射しない第1実施形態と比べると、より好適に注意喚起が行える。

0099

なお、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、注意喚起を行うべき対象物が歩行者30である例について説明したが、対象物は歩行者30に限定されない。例えば、自車両20及び他車両40から注意喚起を行うべき第3の車両が存在している場合には、第3の車両が対象物になり得る。

0100

本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両用照明装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。

0101

10車両用照明装置
20 自車両
30歩行者
40他車両
50照射パターン
110車載カメラ
120レーダ
130通信装置
140センサ群
200 ECU
210情報取得部
220照射対象判定部
230 他車両照射判定部
240照射判断部
300 照射部

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