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技術 シアル酸産生を増加させて、シアル酸に関連した病状を治療する方法および組成物

出願人 エイチアイビーエムリサーチグループ,インコーポレイテッド
発明者 ダービッシュ,ダニエルヴァルレス—アヨウブ,ヤディラ
出願日 2017年5月8日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2017-092571
公開日 2017年9月14日 (1年11ヶ月経過) 公開番号 2017-158577
状態 拒絶査定
技術分野 突然変異または遺伝子工学 微生物による化合物の製造 酵素・酵素の調製
主要キーワード 注入流速 減少条件 方向制 アニオン性粒子 大構造 最終割合 観血法 閉塞領域
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (14)

課題

遺伝性封入体ミオパチー(HIBM)によるシアル酸産生の減少に対し、対象の細胞中UDP−G1cNAc2エピメラーゼ/ManNAcキナーゼ酵素(GNE)ペプチド発現させる方法の提供。

解決手段

GNEペプチド又はその治療的に活性な断片をコードする核酸配列に機能的に結合したプロモーターを含む単離した核酸発現コンストラクトを対象の細胞送達するステップを含み、前記GNEペプチドは特定のアミノ酸配列を有し、対象の細胞に送達するステップの後、核酸発現コンストラクトがGNEペプチド又はその治療的に活性な断片の発現を開始する、また、細胞中でGNEペプチドを生成する方法。GNEペプチド又はその治療的に活性な断片をコードする核酸配列に機能的に結合したプロモーターを含み、単離した核酸コンストラクトを該細胞に感染させるステップを含む、方法。

概要

背景

遺伝性封入体ミオパチー(HIBM)は、若年成人発症進行性骨格筋消耗疾患であり、重度身体障害を引き起こすが、現在のところ、HIBMに対する有効な治療方法が存在しない。HIBMは、GNE遺伝子の変異に起因する常染色体劣性遺伝疾患である。GNE遺伝子は、二機能性酵素UDP−GlcNAc2エピメラーゼ/ManNAcキナーゼ(GNE/MNK)をコードする。これは、細胞シアル酸産生の最初の2つの反応を触媒する鍵となる律速酵素である。したがって、シアル酸産生の減少は、α−ジストログリカン(α−DG)、神経細胞接着分子NCAM)などの重要な筋肉タンパク質を含む種々の糖タンパク質またはネプリライシンシアリル化の低下を引き起こす、またはガングリオシドGM3)合成酵素などの他の遺伝子の発現変化を引き起こす。これにより、次に筋変性が引き起こされる。HIBMは、縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー、埜中ミオパチー、四頭筋を残す空胞型ミオパチー、またはGNE関連ミオパチーとしても知られている。

概要

遺伝性封入体ミオパチー(HIBM)によるシアル酸産生の減少に対し、対象の細胞中でUDP−G1cNAc2−エピメラーゼ/ManNAcキナーゼ酵素(GNE)ペプチドを発現させる方法の提供。GNEペプチド又はその治療的に活性な断片をコードする核酸配列に機能的に結合したプロモーターを含む単離した核酸発現コンストラクトを対象の細胞に送達するステップを含み、前記GNEペプチドは特定のアミノ酸配列を有し、対象の細胞に送達するステップの後、核酸発現コンストラクトがGNEペプチド又はその治療的に活性な断片の発現を開始する、また、細胞中でGNEペプチドを生成する方法。GNEペプチド又はその治療的に活性な断片をコードする核酸配列に機能的に結合したプロモーターを含み、単離した核酸コンストラクトを該細胞に感染させるステップを含む、方法。なし

目的

これを達成する潜在的に有効な方法は、GNE発現を増加させて、ヒトまたは動物いずれかの食物(例えば、ミルク、肉、乳製品および他の動物をベースにした生成物)として使用される生物系または生物においてCMAHの発現を減少させるまたは除去することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

UDP−GlcNAc2エピメラーゼ/ManNAcキナーゼ酵素(GNE)ペプチドまたはその治療的に活性な断片をコードする核酸配列に機能的に結合したプロモーターを含む単離された核酸発現コンストラクトであって、前記単離された核酸発現コンストラクトは、配列番号2に記載される配列を有し、対象の細胞においてGNEペプチドを発現又は産生する方法において用いられ、前記方法は、前記単離された核酸発現コンストラクトを前記対象の細胞に送達することを含み、前記対象の細胞への送達において、前記核酸発現コンストラクトは前記GNEペプチドまたはその治療的に活性な断片の発現を開始させる、単離された核酸発現コンストラクト。

請求項2

前記対象の細胞が前記対象の肢に存在する、請求項1に記載の単離された核酸発現コンストラクト。

請求項3

前記送達することが一時的な血管閉塞と組み合わせた血管送達方法を含む、請求項2に記載の単離された核酸発現コンストラクト。

請求項4

前記送達方法は、a)血管内アクセスを通じて前記対象の肢に液体注入することであって、注入される液体は核酸発現コンストラクトを含み、注入される液体は前記肢の骨格筋または標的組織の全体にわたって浸み込む、液体を注入することと、b)前記注入される液体の量を増加させることによって、血管内および組織内の圧を増加させることと、を含む、請求項3に記載の単離された核酸発現コンストラクト。

請求項5

前記核酸発現コンストラクトは、単回用量で送達される、請求項4に記載の単離された核酸発現コンストラクト。

請求項6

前記単回用量は、注入される総量にかかわりなく産物の特定濃度または注入される総量にかかわりなく特定モル量を含む、請求項5に記載の単離された核酸発現コンストラクト。

請求項7

前記単離された核酸発現コンストラクトは、トランスフェクションを促進するプロモーター/エンハンサーをさらに含む、請求項1に記載の単離された核酸発現コンストラクト。

請求項8

前記トランスフェクションを促進するポリペプチドは、シアル酸を産生することが可能な酵素的に活性のポリペプチドを含む、請求項7に記載の単離された核酸発現コンストラクト。

請求項9

前記単離された核酸発現コンストラクトによって発現されるトランスフェクションを促進するポリペプチドまたは組換えポリペプチドは、GNEの高次形態を含み、増加および/または向上したGNE機能を産生する、請求項8に記載の単離された核酸発現コンストラクト。

請求項10

前記対象の細胞は二倍体細胞を含む、請求項1に記載の単離された核酸発現コンストラクト。

請求項11

前記対象の細胞は筋細胞を含む、請求項1に記載の単離された核酸発現コンストラクト。

請求項12

前記対象は、ヒト、反芻動物食用動物または使役動物を含む、請求項1に記載の単離された核酸発現コンストラクト。

請求項13

前記送達が、a)対象の肢の膝下または下のあるポイント静脈内アクセスを作製すること;b)前記静脈内アクセスポイントよりも前記対象の体の他の部分に対して近位のポイントに止血帯を施すこと;c)単離された核酸発現コンストラクトの単回用量を、前記静脈内アクセスを通して肢に導入することであって、前記単回用量は、ポリヌクレオチド血管外漏出のために血管内圧を上昇させるのに十分な量である、導入することとを含む、請求項1に記載の単離された核酸発現コンストラクト。

請求項14

invitroにおいて細胞中でGNEペプチドを生成する方法であって、GNEペプチドまたはその治療的に活性な断片をコードする核酸配列に機能的に結合したプロモーターを含む、配列番号2の単離された核酸コンストラクトを前記細胞に感染させることを含む、方法。

技術分野

0001

(関連出願の相互参照
本出願は、2012年2月1日にDarvishらによって出願された米国仮特許出願第61/438,585号に優先権を主張し、図面を含むその全ての開示が参照によって本明細書に組み入れられる。

0002

本発明は、シアル酸生合成UDPN−アセチルグルコサミン2−エピメラーゼ/N−アセチルマンノサミンキナーゼ、GNE)の鍵酵素のDNAコード領域を送達することによって生物系においてシアル酸産生を増加させる遺伝子治療法および組成物の分野に関する。

背景技術

0003

遺伝性封入体ミオパチー(HIBM)は、若年成人発症進行性骨格筋消耗疾患であり、重度身体障害を引き起こすが、現在のところ、HIBMに対する有効な治療方法が存在しない。HIBMは、GNE遺伝子の変異に起因する常染色体劣性遺伝疾患である。GNE遺伝子は、二機能性酵素、UDP−GlcNAc2−エピメラーゼ/ManNAcキナーゼ(GNE/MNK)をコードする。これは、細胞シアル酸産生の最初の2つの反応を触媒する鍵となる律速酵素である。したがって、シアル酸産生の減少は、α−ジストログリカン(α−DG)、神経細胞接着分子NCAM)などの重要な筋肉タンパク質を含む種々の糖タンパク質またはネプリライシンシアリル化の低下を引き起こす、またはガングリオシドGM3)合成酵素などの他の遺伝子の発現変化を引き起こす。これにより、次に筋変性が引き起こされる。HIBMは、縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー、埜中ミオパチー、四頭筋を残す空胞型ミオパチー、またはGNE関連ミオパチーとしても知られている。

0004

対象の細胞中でUDP−GlcNAc2−エピメラーゼ/ManNAcキナーゼ酵素(GNE)を発現させる方法が本明細書に開示され、該対象の細胞に、GNEペプチドをコードする核酸配列に機能的に結合されたプロモーターまたはその治療的に活性な断片を含む単離した核酸発現コンストラクトを送達することを含み、GNEペプチドは配列番号3のアミノ酸配列を有し、該対象の細胞に送達されると、該核酸発現コンストラクトはGNEペプチドまたはその治療的に活性な断片の発現を開始する。

0005

また、コードされたGNE酵素を送達する方法が開示され、該方法は、
a)対象の肢の膝下または下のあるポイント静脈アクセスを作製すること;
b)該静脈内アクセスポイントよりも対象の体の他の部分に対して近位のポイントで止血帯を施すこと;
c)単離した核酸発現コンストラクトの単回用量を該静脈内アクセスを通して肢に導入すること
を含み、該単回用量はポリヌクレオチド血管外漏出のために血管内圧を上昇させるのに十分な量であり;単離した核酸コンストラクトは、GNEペプチドまたはその治療的に活性な断片をコードする核酸配列に機能的に結合したプロモーターを含み、該GNEペプチドは配列番号3のアミノ酸配列を有する。

0006

さらに、細胞中でGNEペプチドを生成する方法が開示され、該方法は、GNEペプチドまたはその治療的に活性な断片をコードする核酸配列に機能的に結合したプロモーターを含む単離した核酸コンストラクトを該細胞に感染させることを含み、該GNEペプチドは配列番号3のアミノ酸配列を有する。

図面の簡単な説明

0007

明細書に記載するNTC8685−GNE発現ベクターの図である。
NTC8685−GNEベクターヌクレオチド配列である(配列番号1)。
UMVC3−GNEベクターの図である。
UMVC3−GNEベクターのヌクレオチド配列である(配列番号2)。
GNEタンパク質酵素のアミノ酸配列である(配列番号3)。
GNEアイソフォームおよびアロステリックドメインのアミノ酸配列である。より高いシアル酸産生を可能にする一般のアロステリックドメインの変異を示す(R263Q/W/LおよびR266Q/W)。
GNE−nullCHO細胞でのシアル酸産生の棒グラフである。未処置の細胞(「溶媒」、「空ベクター」)と比較して、シアル酸産生は、GNEプラスミドトランスフェクトした細胞で著しく高かった。
UMVC3ベクターとNTC8685ベクターを比較し、シアル酸GNE−null CHO細胞を示す棒グラフである。
UMVC3ベクターとNTC8685ベクターを比較し、GNE−null CHO細胞のシアル酸含有の細胞分画の棒グラフである。
GNEベクター対ManNAcの相対的in vitro用量の比較を示す棒グラフである。

実施例

0008

シアル酸生合成(UDP−N−アセチルグルコサミン2−エピメラーゼ/N−アセチルマンノサミンキナーゼ、GNE)の鍵酵素のDNAコード領域を送達することによって生物系においてシアル酸の産生を増加させる遺伝子治療法および組成物を本明細書に開示する。細胞性シアル酸産生の増加、またはGNE機能の向上から恩恵を受けることになる病状には、遺伝性封入体ミオパチー(HIBM)または縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(DMRV)が挙げられるがこれらに限定されない。本方法および組成物は、ヒト細胞または組織から非ヒトシアル酸(例えば、N−グリコリルノイラミン酸、Neu5Gc)を減少させるまたは除去することにも関する。非ヒトシアル酸は、種々のヒト疾患の一因となり得、かつ非ヒトシアル酸の細胞レベルが長期にわたり減少すると、それらの疾患の進行を抑え、かつ治療する際に有効であると立証し得る(国際公開第WO/2010/030666号)(Varki 2009)。アセチルノイラミン酸(Neu5Ac)の細胞産生を増加させると、非ヒトシアル酸の細胞内含量を減少させることができる。

0009

個人的にHIBMに罹患している本発明者は、過去7年にわたるin vitro研究を通して、遺伝子治療ベクター(プラスミド、ネイキッドポリ核酸)を開発し、検証してきた。長年、医学文献を調べ、in vivo送達方法とベクターに関するデータを評価することで、簡潔かつ容易な送達方法を、「Bierブロック」として知られている方法のバリエーションを用いて選択した。Bierブロックは、100年以上にわたり、医療において支障なく用いられてきた(dos Reis 2008)。

0010

後述するように、特定の疾患の進行、該プラスミドおよび送達方法の組み合わせには、今まで記述されている他のいずれにも勝る多くの利点がある。これらの利点は、ヒトおよび動物モデルで実用的に用いる容易な翻訳を可能にする。

0011

医薬品の成分および該医薬品を動物またはヒト患者(例えば、HIBMに罹患した患者)の骨格筋または他の臓器(例えば肝臓)に送達する方法を本明細書に開示する。医薬品は、GNEタンパク質の無修飾型または修飾型をコードするポリクレチド、ポリペプチドもしくはアミノ酸配列および/または組換えタンパク質、GNEヌクレオチドの無修飾型または修飾型によってコードされたポリペプチドもしくはアミノ酸配列であり得る。一部の実施形態において、送達方法は、(1)標的器官系、器官/組織の群、または体部の血管分離を達成するための主要血管(動脈、静脈および/またはリンパ系)の外部または内部閉鎖、および(2)血管(例えば静脈内)アクセスを用いる治療薬投与が挙げられる。一部の実施形態において、分離される体器官/組織/体部(標的器官)は、送達される成分にさらされるが、他の実施形態では、体器官/組織/体部は、そのような曝露から保護される。

治療遺伝子(GNE)の説明および改善

0012

一部の実施形態において、本明細書に開示される治療薬品はポリヌクレオチド(DNA)分子であるが、他の実施形態では、治療薬はポリペプチド(タンパク質タンパク質断片、アミノ酸配列)分子である。一部の実施形態において、直鎖または環状のいずれかであるポリヌクレオチド分子は、GNEタンパク質、またはGNEタンパク質の修飾型をコードする、すなわちまたは生物系内で生物学的に活性になるコード配列に加えて、種々のエレメントを含むこともある。GNEタンパク質は、配列を有する(図3)。

0013

一部の実施形態において、本明細書に開示される治療方法は、「遺伝子治療」として一般に知られており、かつ、上記のポリヌクレオチド分子の投与を含む。他の実施形態において、本明細書に開示される治療方法は、「酵素補充療法ERT)」として一般に知られており、かつGNEタンパク質、またはGNEタンパク質の修飾型の投与を含む、すなわちまたは生物系内で生物学的に活性になる。

0014

GNEは、シアル酸産生(UDP−N−アセチルグルコサミン2−エピメラーゼ/N−アセチルマンノサミンキナーゼ)の鍵酵素をコードする。いくつかの病状は、GNE発現の増加から恩恵を受けることができる。GNE関連ミオパチーとして知られている衰弱が激しい進行性骨格筋消耗疾患で最も注目すべきものは、遺伝性封入体ミオパチー(HIBM)およびIBM2として知られているHIBMの異型の1種、または空胞を伴う遠位型ミオパチー(DMRV)である。

0015

GNE酵素成分またはドメイン(例えば、10以上の連続的なアミノ酸一連)を組み換えて、GNE遺伝子の所望の機能を向上させ、望ましくない機能を減少させるか、または除去してもよい。例えば、多量のシアル酸(NeuAc)産生が生物有機体、例えば、原核生物または真核生物で望まれる場合、GNE遺伝子のエピメラーゼドメインを最適化して、アロステリック阻害性のドメイン機能を除去するまたは減少させてもよい。重複したManNAcキナーゼ活性、例えば、ManNAcのリン酸化を効率的に行うことができる他の酵素類を有する生物および動物において、GNEキナーゼドメインを減少させるか、または除去して、投与量サイズ、最低有効投与量を減少させ、および/またはある生物系での最大耐投与量を最大にしてもよい。

0016

GNE酵素またはその種々の成分もしくはドメインが、シアル酸産生の他に細胞機能を有することも知られている(Hinderlich, Salamaら2004;Broccolini, Gliubizziら2005;Krause, Hinderlichら2005;Salama, Hinderlichら2005;Penner, Manteyら2006;Wang, Sunら2006;Amsili, Shlomaiら2007;Amsili, Zerら2008;Kontou, Weidemannら2008;Kontou, Weidemannら2009;Paccalet, Coulombeら2010)が、重要な細胞分子の低シアリル化はヒト疾患の進行において重要な役割を果たしている(Huizing, Rakocevicら2004;Noguchi, Keiraら2004;Saito, Tomimitsuら2004;Tajima, Uyamaら2005;Ricci, Broccoliniら2006;Galeano, Klootwijkら2007;Sparks, Rakocevicら2007;Nemunaitis, Maplesら2010)。

0017

生物系においてシアル酸とNeuAc/NeuGcの割合を上昇させることは、ヒト対象においていくつかの既知の理由のために望ましい。哺乳類は、2つ異なるシアル分子を産生する:(1)N−アセチルノイラミン酸(NANAまたはNeu5Ac)および(2)N−グリコリルノイラミン酸(Neu5Gc)。CMP−NANAは、CMP−NANAヒドロキシラーゼ(CMAH)によって、CMP−Neu5Gcに変わる。他の霊長類および哺乳類(ウシを含む)とは異なり、ヒトはCMAHのAlu媒介の不活性化変異に起因して、Neu5Gcが遺伝的に欠損している(Chou, Hayakawaら2002)。したがって、Neu5Acはヒトによって産生される唯一のシアル酸であり、および多くのヒトはNeu5Gcに対して抗体を産生する(Tangvoranuntakul, Gagneuxら2003)。ヒト組織および細胞で見られるNeuGcは、食物または細胞培地由来すると考えられている。ヒトは、慢性炎症および慢性炎症が重要因子と考えられる種々の一般的な障害(例えば、癌、アテローム動脈硬化症自己免疫障害)の一因となる可能性のあるNeuGcに対して抗体を産生する(Hedlund, Padler-Karavaniら2008;Varki 2009)。NeuGcは、例えば、溶血性尿毒症症候群(HUS)などのヒト疾患を促進することもできる。HUSの主な原因は、滋賀毒素産生大腸菌(STEC)感染症である。毒性の強い志賀毒素サブチラーゼ細胞毒(SubAB)は、NeuGcで終わるグリカンに結合するのを好む(Lofling, Patonら2009)。この情報から、NeuGcが一部の感染病原体に対するヒト感受性も増加させ得るのではとの我々の懸念が高まった。

0018

したがって、食物中のNeuAc(ヒトシアル酸)の含有量を増加させて、肉および乳製品で見いだされるNeuGcの比率を低下させることが望ましい。これを達成する潜在的に有効な方法は、GNE発現を増加させて、ヒトまたは動物いずれかの食物(例えば、ミルク、肉、乳製品および他の動物をベースにした生成物)として使用される生物系または生物においてCMAHの発現を減少させるまたは除去することである。CMAHは、遺伝子技術または代謝技術のいずれかで減少させてもよく、該技術は、CMAHノックアウトまたはノックダウン動物を生成するための動物の遺伝子修飾、ポリヌクレオチド技術(抑制性RNAまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドとして発現する)によるCMAH酵素発現の低減、または代謝基質類似体によるCMAH酵素の抑制が挙げられるがこれらに限定されない。また、NeuGcは生物系において、NeuGcをNeuAcに変換する酵素の過剰発現によって減少し得る。

0019

ほとんど例外なく、植物は一般的にシアル酸を生成しない。GNE酵素および他のシアル酸経路酵素を植物、野菜および果実作物で用いて、食物中のシアル酸を増加させることができる。

0020

ポリヌクレオチドのエレメント(例えば、プロモーター、エンハンサー、反復要素)の修飾、添加および/または除去を用いて、種々の組織/器官で、または発生段階で発現を向上させることができる。これは、薬理分野、食品産業および化粧品産業を含むがこれらに限定されないバイオテクノロジーの種々の分野で望まれ得る。

0021

骨格筋は容易に到達可能であり、かつ非常に血管新生化される重要な組織なので、治療的価値を有するタンパク質を生産する工場として使われ得る(Lu, Bou-Ghariosら2003;RatanamartおよびShaw 2006)に概説される)。実際に、例えば、血友病ポンペ病ファブリー病貧血症肺気腫および家族性高コレステロール血症などの障害を伴う症状を軽減するために、機能的な治療用タンパク質が骨格筋によって合成されて、十分な量で血液循環分泌され得ることが示されている。骨格筋中で組換えタンパク質を発現させる能力は、デュシェンヌ型および肢帯型の筋ジストロフィーなどの神経筋障害の治療のための重要な問題でもある。これらの障害は、必須の筋肉タンパク質を生成する遺伝子の変異によって起こる。そのような障害に対する有望な治療の一つは、遺伝子導入であり、その目的は、変異している遺伝子の正常なコピーおよび機能コピーを筋肉に導入することである。

0022

したがって、一態様において、シアル酸を過剰産生して、分泌するタンパク質工場として筋肉を利用する方法が、本明細書に開示される。一部の実施形態において、本明細書に開示される複数の方法は、血漿中でNeu5ACの生合成の増加、および細胞由来のNeu5Gc濃度の低下をもたらす。

治療薬の説明と改善

0023

一部の実施形態において、治療薬はポリヌクレオチドであるが、他の実施形態では、治療薬はポリペプチドである。一部の実施形態において、ポリヌクレオチドはDNA分子であり、タンパク質の全長翻訳領域、タンパク質のドメインの翻訳領域、またはタンパク質の識別されかつ同定されたドメインよりも短いタンパク質断片の翻訳領域を含むことができる。したがって、本明細書に開示されるポリヌクレオチドは、長さが少なくとも15塩基対オリゴマーから、タンパク質の全長翻訳領域を含むDNA分子までに及ぶ。

0024

一部の実施形態において、ポリペプチドは全長タンパク質、例えば、酵素または受容体であるが、他の実施形態では、ポリペプチドはタンパク質断片である。

0025

一部の実施形態において、タンパク質断片は、全長タンパク質の識別されかつ同定されたドメインに相当するが、他の実施形態では、ポリペプチドはタンパク質の識別されかつ同定されたドメインよりも短い。したがって、本明細書に開示されるポリペプチドは、長さが少なくとも5個のアミノ酸のオリゴマーから、全長タンパク質に及ぶことができる。一部の実施形態において、タンパク質断片は、治療的に活性なタンパク質断片である。「治療的に活性なタンパク質断片」とは、生理的条件下でそのタンパク質断片が、野生型GNEタンパク質と同一の生化学的活性(例えば、同じ反応を触媒する)を有するが、その機能を異なる速度で行い得ることを意味する。

0026

一部の実施形態において、ポリヌクレオチドは直鎖DNA分子であるが、他の実施形態において、ポリヌクレオチドは環状DNA分子である。

0027

一部の実施形態において、ポリヌクレオチドは所望の生物系でGNE遺伝子を発現させることができる環状DNA(プラスミド、ミニプラスミドまたはミニサークル)である。本出願に記載するNTC8685ベクターには、ほとんど利点がないが、サイズの減少、細菌配列の含有量の減少および抗生物質の自由選択を含む。当技術分野の当業者にとって既知の他のベクターも、本明細書に記載の方法とともに用いられることができる。

0028

一部の実施形態において、直鎖または環状のいずれかであるポリヌクロチド治療薬は、ネイキッドDNAとして、種々のカチオン性粒子もしくはアニオン性粒子を生成するために他の分子と組み合わせて投与される、または治療効果最大化して、患者の不快感を最小化するために他の薬理作用のある物質(例えば賦形剤血管拡張剤鎮痛剤等)と同時投与される。ポリヌクレオチドの代わりに、他の薬理学的製品は、記載の送達方法を用いて投与されてもよい。

0029

in vitro試験とは異なり、正味正電荷ゼータ電位がポリヌクレオチドのより効率的な細胞侵入である場合、骨格筋のin vivo形質導入は、正味の負電荷を有するポリヌクレオチドを用いるとより効率的なようである(国際出願国際公開第WO/2004/062368号)。

0030

一実施形態では、筋特異的プロモーターを用いて、導入遺伝子に対して宿主免疫応答の可能性を減らし、導入遺伝子の筋肉内発現の継続時間を上げ得る。プラスミド骨格のエレメントを変えて、筋特異的発現を可能にすることができる。骨格筋での遺伝子導入の後、高レベルかつ長期の組換えタンパク質発現を達成する能力は、多くの病状で望まれている。これは、筋特異的なプロモーターおよびエンハンサーを用いて達成することができる。

0031

現在まで、いくつかの異なる筋特異的プロモーターが記述されている。使用されている最も一般的な筋特異的プロモーターは、筋クレアチンキナーゼ(MCK)プロモーターおよび切断型プロモーターである(Hauser, Robinsonら2000;Yuasa, Sakamotoら2002;Sun, Zhangら2005;Sebestyen, Heggeら2007;Wang, Liら2008)。合成C5−12プロモーターおよび同様のプロモーターは、導入遺伝子を高度に発現させるが、筋特異的である兆候を示す(Li, Eastmanら1999)。このC5−12プロモーターは、AAVベクター中で、発現レベルを遍在するCMVプロモーターと同様のレベルで発現を進める(Gonin, Arandelら2005)。C5−12は、MCKエンハンサー(E−Synプロモーター)(Wang, Liら2008)を付加することによって、さらに改善されることができる。ハイブリッドα−ミオシン重鎖エンハンサープロモーター/MCKエンハンサー−プロモーター(MHCK7)も、筋肉での高度な発現のために用いられた(Salva, Himedaら2007)。最近では、デスミンプロモーターも、筋細胞で高レベルの発現を進めることができる筋特異的プロモーターとして記載されている(Pacak, Sakaiら2008;Talbot, Waddingtonら2010)。トロポニンなどの遺伝子の上流エンハンサーエレメント(USE、USEx3/ΔUSEx3)も、筋特異的プロモーターを開発するための有望な候補である(国際公開第WO2008/124934、2008/1023;Zengら2010)。

0032

本明細書に開示されるように、GNEコード配列および/またはそれとともに用いられる関連した送達ビヒクルは、特定の細胞型、例えば筋細胞、筋組織等を標的にし得る。例えば、GNEコード配列と関連したプロモーターを作製して、特定の組織内または発生段階だけにGNEを発現させることもできる。あるいは、発現カセットに、他の分子、化合物または生体部分(例えば、分子、抗体分子の一部または全体、サイトカイン分子の一部または全体、ウイルスキャプシド)を入れて、特定の細胞型に結合および侵入するように設計された生体合物または特定の生体粒子を作製することができる。この結合または親和性は、細胞へのDNA取り込みを容易にすることができる。筋肉への送達ために、特に、アニオン、非リポソーム、DNAを含む粒子が適切である。しかし、カチオン性(リポソーム)並びに他のDNAを含む生体混合物または粒子も、細胞壁が損なわれているミオパチー性筋肉への取り込みに適している。一部の実施形態において、これらのタンパク質、炭水化物および/または脂質を含む分子標的部分は、微生物、植物、微生物、または合成化合物(例えば、抗体、サイトカイン、レクチン、他の大分子もしくは小分子であるが、これらに限定されない。

0033

一部の実施形態において、本明細書に記述するポリヌクレオチド産物は、以下のエレメントを含む:1)細菌調節エレメント、これは選択および増殖プロセスの目的で細菌中で活性である、2)真核生物調節エレメント、これは治療用遺伝子または組換えタンパク質の発現の目的で真核細胞または哺乳類細胞中で活性である、および3)GNE翻訳領域、これは治療遺伝子産物または組換え遺伝子である。一部の実施形態において、原核生物/細菌選択マーカーは、抗生物質抵抗性(例えば、UMVC3ベクター中に存在するカナマイシン抵抗性図3)またはRNAベース(NTC8685上に存在する、RNA−OUT図1)に基づいている。他の実施形態において、他のエレメントが、効率的なプラスミド産生で用いられている(例えば、UMVC3(図3)およびNTC8684(図1)の両方に示したpUCオリジン)。NTC8685−GNEベクターのヌクレオチド配列は、図2、配列番号1に記載しているが、UMVC3−GNEベクターのヌクレオチド配列は図4に記載している。
さらなる実施形態では、真核生物プロモーター、エンハンサー、イントロンまたは他のエレメントは、GNE遺伝子によってコードされる治療用タンパク質の効率的な転写および翻訳で用いている。

0034

抗生物質抵抗性の潜在的な拡散を最小化するために、抗生物質抵抗性に基づかない原核生物選択マーカーは、世界保健機関(WHO)、米国食品医薬品局FDA)または欧州医薬品審査EMEA)等の規制機関によって好まれている(Williams, Carnesら2009)。

0035

プラスミドDNAを使用するための理論的根拠:治療遺伝子を発現させるためのネイキッドDNAまたはプラスミドDNA(pDNA)の臨床用途は、IBM2に起因する筋肉疾患を治療する有望な方法である。遺伝子治療ビヒクルとしてのネイキッドDNAは、優れた安全記録を有し、かつ同一対象での反復投与によって、より高い発現レベルを達成することができる(Hagstrom, Heggeら2004;Wolff, Lewisら2005;Wolff, Budker ら200;HerweijerおよびWolff 200;Braun 2008;Duan 2008; Zhang, Wooddellら2009)。送達方法にもよるが、齧歯動物または霊長類の骨格筋に送達されるpDNAは、筋線維で保持されて、何ヵ月もの間、コードされた遺伝子産物を発現させる(Danko, Fritzら1993;Danko, Williamsら1997;Sebestyen, Heggeら2007)。細胞性免疫または液性免疫を誘発することができるアデノ随伴ウイルス(AAV)および他のウイルスベクターと異なり(Yuasa, Yoshimura ら2007;Mingozzi, Meulenbergら2009)、pDNAは、典型的には該ベクターに対して免疫応答を誘発し(Hagstrom, Heggeら 2004;Romero, Braunら2004;Glover, Lippsら2005;Wolff, Budkerら2005)、これによって同一の対象において投与を繰り返すことが可能になる。さらに、ウイルスベクターまたはウイルスをベースにしたベクターと比較して、pDNAは大量生産費が比較的安価であり、かつ何ヵ月もの間、安定した状態を保つ(Walther, Steinら2003;Urthaler, Ascherら2007;Voss 2007)。
送達方法。該送達方法の説明および改善

0036

ハイドロダイナミクス注入の一実施形態において、外部止血帯をヒトまたは動物の肢に配置し、次いで末梢静脈アクセスを用いて、特定量の時間または体積流量(典型的には1〜3mL/秒)で、比体積(典型的には、止血帯下の肢体積の30〜50%)を用いて治療薬を投与する。これは、薬理化合物の曝露および用量を減少させるために、1世紀以上にわたって、安全かつ効果的に用いられてきた「Bierブロック」として知られている一般的に用いられる医療方法と非常に類似している。Bierブロックは、腕または手の手術において静脈内局所麻酔全身麻酔の必要性を除去する)を誘導するのに用いられてきた(dos Reis 2008;VlassakovおよびBhavani 2010)。同様の方法は、腫瘍学分野で、特定の肢への化学療法化合物の投与ために「四肢分離注入」という名前で用いられており、内部器官への用量および曝露の減少を可能にしている(Kroon およびThompson 2009)。また、止血帯を四肢に配置することは、数世紀もの間、効果的に用いられており、重篤外傷後出血を低減し、または曝露(例えば、有毒蛇および他の動物の咬傷)後、内部器官の毒素への曝露を減少させた。

0037

同一の送達方法または非常に類似した送達方法を用いて、遺伝子治療または生体を投与する場合、送達方法は、医学文献では複数の名前で記載されており、「ハイドロダイナミクス」、「経細静脈」、「経静脈」、「経血管」、「血管」、「逆行性」、「四肢静脈」、「末梢静脈」、「静脈内」、「血管内」、「逆行性」、「血管外漏出」、「高圧」、「加圧」、「四肢分離」、「血管分離」、「血管閉塞」、「血流閉塞」、またはその任意の組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない(Su, Gopalら2005;Zhang, Wooddellら2009;Haurigot, Mingozziら2010;Hegge, Wooddellら2010;Powers, Fanら 2010)。具体的に懸念されていたにもかかわらず、静脈炎後症候群または術後血管障害は、イヌ)の試験に続いて血管閉塞処置を行った後に認められなかった(Haurigot, Mingozziら2010)。

0038

一部の実施形態において、本明細書に開示した送達方法を改善した。同じ体積のヒトおよび動物の四肢は、筋肉と非筋肉(例えば脂肪質または瘢痕)組織の様々な割合で構成され得る。筋肉はより血管性であることが多く、脂質または瘢痕組織よりもより高い血流を必要とする。したがって、比体積を用いた治療薬を投与することは、個人の四肢に治療薬を最適な分配で付与しない恐れがある。より高い筋肉/非筋肉組織を有する四肢は、同じ治療効果を達成するためにより高い注入量を必要とすることもある。血管内(または輸液回路)圧および注入継続時間に基づいて注入を制御することで、目標肢に治療薬を改善された分配でもたらし得る。したがって、記載した方法に関する以下の変更は、この送達方法を改善する:
1)特定圧、おおよそ2〜4×収縮期圧(例えば、ヒト患者に対しては320mmHg)の止血帯を施すこと、
2)典型的には、止血帯圧より低い特定の血管内(または輸液回路)圧を達成する(例えば、止血帯圧を320mmHgで維持する場合、輸液回路圧を280〜300mmHgに維持する)ためには、血流を迅速に高める、
3)注入流速を制御することによって輸液回路圧を維持すること、
4)特定の継続時間(15分)の間、輸液回路内圧を維持すること、
5)上記1および2に記載のパラメータを安全に達成するために、具体的に設計された装置を用いること。そのような装置は、取り付けた止血帯圧に基づき輸液回路の流速および内圧を自動的に制御し得る。安全性のために、そのような装置は、輸液回路内圧の急落、該輸液回路内の気泡、または注入される液体を保持している容器内の液体レベルなどのパラメータが検出されると、注入を自動的に停止するであろう(0mL/秒の流速)。

0039

血管閉塞の部位の遠位または近位の血管投与部位を選択することによって、標的器官、組織または体部を曝露するまたは保護することができる。

0040

HLV送達方法を使用するための理論的根拠:DNAワクチン接種試験で一般的に用いられているが、筋肉内(IM)方法によって送達されるpDNAは、肢全体または全身に治療薬を送達することを求められる筋疾患に対しては非効率的である(Jiao, Williamsら1992)。静脈内(IV)プラスミドは、肝臓によって、急速に排除される(Liu, Shollenbergerら2007)。だが、ハイドロダイナミクス肢静脈(HLV)送達方法と組み合わせて、IV投与されたpDNAは、非ヒト霊長類を含む小動物および大型動物の肢全体の骨格筋に効果的かつ均一にトランスフェクトし(Hagstrom, Heggeら2004)、微小血管系の可逆損傷をもたらしている(Toumi, Heggeら2006;Vigen, Heggeら2007)。単回投与は長期の遺伝子発現をもたらすことができ、反復投与が容易なために、IBM2患者の四肢にGNE導入遺伝子を送達するのにHLVを好適にする。止血帯を使用すると、腕または脚の血流は一時的に閉塞されて、プラスミドDNA溶液は静脈内に急速に注入される。これにより、閉塞領域内の圧が上昇し、遺伝子ビヒクルが隣接する筋線維に著しく効果的に移動することになる。血流は、10〜20分以内に正常に再開し、不可逆的または持続的な悪影響がない。同様の静脈高圧方法が採用され、DNA。おそらく他の可能性のある治療分子の種々の器官への送達に適応されている(Al-Dosari, Knappら2005;Arruda, Stedmanら2005;Wolff, Lewisら2005;HerweijerおよびWolff 2007;Toromanoff, Cherel ら2008)。

0041

以下の理由から、IBM2/DMRVは、HLVを用いるpDNA遺伝子送達によって治療されるべく理想的な希少障害である:

0042

低GNE発現は治癒を促し得る:GNE遺伝子は、比較的小さく(cDNAのサイズは2,169bp、722アミノ酸をコードする)、骨格筋内で、低レベルで発現するタンパク質酵素として機能する。野生型発現が低いため、またはGNEのシアル酸尿症型の発現が極めて低いため、著しく効果的である、または治療的でさえあることを証明し得る。さらに、GNE遺伝子の高次形態(シアル酸尿症)を用いることが可能であり、GNE遺伝子の発現が極めて低いために著しい治療効果につながることが可能なる。これは、治療効果を理解するためには比較的大量のジストロフィン(または切断型ミニジストロフィン)が必要とされるDuchenne型またはBecker型筋ジストロフィーなどの他の筋疾患とはかなり異なっている。

0043

ただ肢だけを治療することで、充分な治療になり得る:IBM2は、腕および脚の筋肉に著しく影響を及ぼす。体幹筋肉は、疾患経過後期臨床的に影響を受ける。心臓およびを含む重要臓器は、大部分の患者において臨床的に影響を受けない。腕および脚の機能を救うことによって、我々は生活の質を著しく改善することができ、かつ自立性喪失を遅らせることができる。

0044

導入遺伝子に対する宿主免疫応答は、起こりそうもない:既知の患者の99%以上は、1つのアミノ酸(ミスセンス変異)によって野生型と異なるGNEタンパク質を発現させる。さらに、GNEは、アミノ酸レベルマウス男性の間に98%の相同性進化的に保存されている。したがって、GNE導入遺伝子に対する宿主免疫応答の変化または生じている中和抗体の産生は、ごく少ない。クレアチンキナーゼ(CK)などの筋肉特異的プロモーターとGNEを結合させると、宿主抗体応答の機会がさらに減少する(Fabre, Bigeyら2006)。

0045

有益な傍観者効果または遠隔効果の可能性:ジストロフィンとは異なり、筋線維内のジストロフィン(大構造タンパク質)の発現によって、注射部位だけが恩恵を受けると思われる場合、IBM2においてNeu5Ac(小分子、9炭素糖)が、筋線維の限定された領域内に残らないであろうという可能性がある。1つの筋線維が産生するNeu5Acは、隣接する筋線維に恩恵をもたらすこともあり、血清中のManNAcまたはNeu5Acは、その血清に晒される筋線維に恩恵をもたらすこともある。以下のデータは、さらに本仮説裏付けている:(a)Sia欠損マウスモデルは、血清中に存在するNeu5Acを使用することができる(Malicdan, Noguchiら 2009)、(b)低シアル酸化細胞は、それらの増殖培地にManNAcを補充すると、再シアル酸化した(Schwarzkopf, Knobeloch ら2002)および(c)該培地にGlcNAcは添加せず、5mMのManNAcまたはNeu5Acを添加すると、初代DMRVの線維芽細胞または筋管細胞シアル酸含有量が、対照の60〜75%から正常レベルまで回復した(Noguchi, Keiraら2004)。傍観者効果、および遠隔効果の可能性は、最近の一回の患者試験で観察された。(Nemunaitis, Maplesら2010)。患者は、前腕長橈側手根伸筋ECRL))にGNE−リポプレックス筋肉内注射を受けた。一過性の強度の増加、組換えGNE(rGNE)の発現、および細胞表面シアル酸の増大は、注射部位および隣接する区画筋肉で観察された。また、遠隔効果の可能性は、遠位筋肉群僧帽筋および四頭筋)が左ECRL rGNE導入遺伝子発現およびシアル酸化の増加の相互関係において一時的に改善したという意外な観察の後に示唆された(Nemunaitis, Maplesら2010)。
安全性/毒性

0046

利用できる情報に基づき、GNEプラスミドは、IBM2患者で用いられる極めて安全なベクターであると思われる。通常、遺伝子治療ビヒクルとしてネイキッドDNAは、優れた安全記録を有し、同一の対象において反復投与すると、より高い発現レベルを達成することができる(Hagstrom, Heggeら2004;Wolff, Lewisら2005;Wolff, Budker ら2005;HerweijerおよびWolff 2007;Braun 2008; Duan 2008; Zhang, Wooddellら2009)。

0047

GNEプラスミドの安全性:現在、GNE-プラスミドを用いての齧歯目毒性試験が、進行中である。予備データは、ネイキッドプラスミドがヒト患者にすでに投与されているGNE−リポプレックスよりもかなり安全なことを証明するであろうと示唆している(Phadke, Jayら2009;Nemunaitis, Maplesら2010)。我々は、12匹のマウス(B6:FBV混合型近交系、4〜10月齢の6匹の雄と6匹の雌)で、14日間の最新前臨床GLP毒性試験を実行した。雄および雌のマウスは、実験群対照群に均等かつランダムに分けた。実験群には、IV尾部から投与された高用量のGNEプラスミド(0.1mLの標準食塩水中で0.6mgを懸濁)が与えられ、対照群には、標準食塩水0.1mLのみが与えられた。各群をさらに、以下の通り、2匹のマウス(雌1匹、雄1匹)からなる3つの投与回数群に分けた:1)14日間、毎日投与、2)一日置きに投与、および3)週1回投与。すべての動物は、実験乗り切った。測定したすべてのパラメータに関して、実験群と対照群との間に有意な変化は観察されなかった。該パラメータには、体重、体温飼料と水の摂取量、CBC血液検査(1日目の投与前および15日目の剖検で行った)が含まれた。脳、肺、心臓、肝臓、腎臓脾臓、腸、膀胱生殖器リンパ節および筋肉を含む12の臓器に関して、実験群と対照群との間に有意な変化は観察されなかった。
一日のヒト等価用量HED)は120mgであった。14日の最大総HEDは1440mgであった。

0048

GNE−リポプレックスの安全性:ネイキッドプラスミドGNEと比較して、GNE−リポプレックス型はより毒性がある。リポプレックスを生成するために、プラスミドベクターを、1,2−ジオイル−3−トリメチルアンモニウムプロパンDOAP)とコレステロール(GNE−リポプレックス)で構成されるカチオン性リポソームカプセル化した。プラスミドベクターをBalb/cマウスに注射した。GNE−リポプレックスの単回静脈内(IV)注入は、100μg(0.1mg)用量で、動物の33%が死に至り、40μgコホートでごく一部の動物は一時的毒性を示した(Phadke, Jayら2009)。2010年のASGC会議提示されたポスター(Phadke, Jayら2010)に基づいて、Balb/cマウスにおけるGNE−リポプレックスの複数回の注射投与最大耐量は、(1)1注射あたり20μg(ヒト等価用量(HED)=5.2mg)、または(2)80μgの蓄積量(HED=20.8mg)であった。進行中の用量漸増試験では、患者は1〜3ヵ月間隔で数回の注入を投与され(0.4、0.4、1.0mg)、各注入から12時間以内に、グレード1、2の一時的な頻拍および発熱が観察された。患者の肝機能試験でも、一時的な上昇が報告されたが、抄録には正確な数値が報告されてなかった(Nemunaitis, Jayら 2010)。

0049

ハイドロダイナミクス肢静脈(HLV)送達方法の安全性:ハイドロダイナミクス送達方法の潜在的副作用は、非ヒト霊長類において、本試験のために提案された2倍の止血帯圧で試験した。この方法は、いかなる非可逆性または持続性の副作用もなく、安全であると決定された(Vigen, Heggeら2007; Hegge, Wooddellら2010)。その方法は、局所麻酔および外科ホメオスターシスで用いられるBierブロックに類似しており、1世紀以上にわたり安全かつ効果的に用いられてきた。主な違いは、瀉血が不必要であり、かつ処置の継続時間は通常は、HLVで15分である(Hegge, Wooddellら2010)。非ヒト霊長類での組織学的検査は、HLV方法は一時的な筋浮腫を引き起こすが、著しい筋損傷を起こさなかったことを示した(Hagstrom, Heggeら2004;Toumi, Heggeら2006)。非ヒト霊長類でのT2強調MRI画像も、この方法は一時的な筋浮腫を引き起こしたが、筋区画症候群などの持続性の筋肉の混乱がないことを示した。非ヒト霊長類での核磁気共鳴血管撮影は、毛細管透過性への一時的な影響と一致する血管作用を明らかにしたが、懸念の長期の異常は見られなかった(Vigenら 2007)。これらの初期の試験は、我々が提案している(310mmHg)より非常に高い止血帯圧(700mmHg)を使用して行われた。また、これらの試験では、肢体積の45〜50%の注射量が使用されているが、我々は35%の注射/肢体積を提案している。筋細胞壁の完全性が低下したためにプラスミドが正常な筋肉より効果的にミオパチー性線維に入ると、我々は考え、このように減圧と注射量を説明する。これらの類似する圧を使用して、筋ジストロフィーを患っている成人患者での量漸増試験が、ノースカロライナ大学、チャペルヒル校で進行中である(Powers, Fanら2010)。

0050

要約すると、pDNAを用いるHLV送達方法は、非ヒト霊長類で効果的かつ安全であると証明された成熟した技術と考えられ、臨床治験で試験される準備ができている(Wells 2004;Al-Dosari, Knappら2005;HerweijerおよびWolff 2007)。この方法の主な欠点は、主要な内部血管を一時的にクランプする観血法(例えば、手術、腹腔鏡検査、または経皮バルーン閉塞)なしに、容易に横隔膜、心臓、および体幹筋/頚筋をトランスフェクトすることができないことである。この欠点は多くの筋ジストロフィーにとって意味があるのだが、それはIBM2に罹患している患者におけるほどには重要でない。多くのIBM2患者は、最終学年まで生き、彼らの心臓と肺は臨床的に影響を受けるようになると報告されておらず、疾患経過の後期まで体幹/頚筋は強さを維持しているようである。傍観者効果または遠位効果に関しては大きな潜在的可能性が存在する。したがって、GNE導入遺伝子を肢骨格筋に送達するためのpDNAのHLV送達は、IBM2にとって魅力的な治療選択肢であり、身体的な独立性の喪失を遅延させる可能性があり、多くのIBM2患者にかなりの望みを与え得る。

0051

GNBEコード配列および関連する組成物は、従来の無毒性薬剤的許容される任意の担体アジュバントまたはビヒクルを含み得る。場合によっては、製剤のpHは、製剤化された組成物またはその送達形態の安定性を高めるために、薬剤的に許容される酸、塩基またはバッファで調整されてもよい。例えば、無菌水性注射液または油性懸濁液は、好適な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて既知の技術によって製剤化されてもよい。無菌の注射用製剤は、無菌注射溶液非経口的に許容される無毒希釈剤もしくは溶媒中の懸濁液または乳濁液であてもよい。使用してもよい許容されるビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンガー溶液、米国薬局方(USP)、生理食塩水がある。加えて、無菌の不揮発性油は、溶媒または懸濁媒として使用される。このためには、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む、刺激の少ない不揮発性油を使用してもよい。加えて、オレイン酸などの脂肪酸を注射用製剤で用いてもよい。

0052

特定の実施形態によれば、Plasma−Lyte(登録商標)担体を利用して、GNEコード配列を送達するため、具体的には非経口注射用に用いてもよい(Baxter Laboratories, Inc., Morton Grove, Illinois)。Plasma−Lyte(登録商標)は、静脈内投与で用いてもよい無菌の非発熱性等張液である。各100mLの量には、塩化ナトリウム526mg、USP(NaCl);グルコン酸ナトリウム502mg(C6H11NaO7);酢酸ナトリウム三水和物368mg、USP(C2H3NaO2H20);塩化カリウム37mg、USP(KCl);および塩化マグネシウム30mg、USP(MgCl2−6H2O)が含まれる。抗菌剤は含まれない。pHは、水酸化ナトリウムで約7.4(6.5〜8.0)に調整するのが好ましい。

0053

GNEコード配列を送達するために用いる注射製剤は、例えば、細菌保持フィルターによる濾過によって、または使用する前に、無菌水、Plasma−Lyte(登録)もしくは他の無菌の注射用溶媒中で溶解または分散される殺菌固形組成物の形態で殺菌剤を組み込むことによって、無菌化してもよい。

0054

系内でGNEコード配列の発現を延ばすために(またはその効果を延ばすために)、皮下注射または筋肉内注射からの組成物の吸収を遅くすることが望ましいこともある。これは、水溶性が低い結晶物質または非結晶物質の液体懸濁剤を用いて達成され得る。次いで、組成物の吸収速度は、その溶解速度に依存することもあり、次に、水晶のサイズおよび結晶形態に依存することもある。

0055

あるいは、非経口的に投与されたGNEコード配列の遅延吸収は、油性ビヒクル中で組成物を溶解または懸濁することで達成され得る。注射用デポ形態は、ポリ乳酸ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中にGNEコード配列のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって調製されてもよい。GNEコード配列物質対ポリマーの割合および使用する特定のポリマーの性質によって、GNEコード配列放出の速度を制御できる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。上述のように、デポ注射製剤は、筋組織などの標的体組織適合するリポソーム(またはマイクロエマルジョンでも)中にGNEコード配列を封入することで調製され得る。

0056

系中でシアル酸の産生を調節する方法に加えて、本発明は、系中で野生型GNE生成する方法を包括する。そのような実施形態によれば、該系(例えば、ヒト患者の筋細胞)は、変異した内在性のGNEコード配列(例えばGNE−M712T配列)を含むこともある。言い換えれば、本発明は、例えば、機能性野生型GNEコード配列とともに変異した(欠損した)GNEコード配列を持つ細胞または筋組織を提供することを含む。野生型GNEコード配列は、例えば、本明細書に記載するリポソームまたは脂質ナノ粒子を用いて、非経口注射を介して、そのような系に送達され得る。

0057

本発明のさらなる関連した実施形態によれば、遺伝性封入体ミオパチー(HIBM2)の影響を治療、予防および/または改善する方法が提供される。そのような方法は、一般に患者に野生型GNEコード核酸配列の治療有効量を供給することを含む。特定の実施形態において、野生型GNEコード核酸配列は、望ましくは、脂質ナノ粒子およびPlasma−Lyte(登録商標)のそれに類似する担体と関連して、非経口注射を介し患者に投与されてもよい。

0058

野生型GNE-コード核酸配列の語句「治療有効量」とは、適切な対危険便益比で、野生型GNEを十分なレベルで発現させる、標的細胞中でシアル酸産生を増加させる、および/またはさもないと、患者においてHIBM2の影響を処置、予防する、および/または回復させるための十分な量の配列を指す。しかし、当然のことながら、本発明の野生型GNEコード核酸配列および関連する組成物の一日の総使用量は、健全な医学的判断の範囲内で、主治医によって決定されることになる。

0059

本明細書に記載する方法の利点の一つは、全身投与とは対照的に、ポリヌクレオチドは罹患している肢に直接的に投与されるので、投与される治療有効量は前述の方法におけるそれよりも少ないことである。したがって、本方法は、前述の方法と関連する副作用の多くを前述の方法と関係している副作用の多数を排除する。

0060

いかなる特定の患者に対する特定の治療有効用量のレベルでも、種々の要因に依存することもあり、それらの要因としては、患者のHIBM2障害の重症度;使用される特定のGNEコード配列の活性;使用される送達ビヒクル;患者の年齢、体重、全体的な健康、性別および食事;投与時間、投与経路および使用される特定のGNEコード配列の排出速度;治療の継続期間:使用される特定のGNEコード配列と併用してまたは同時に用いられる薬物;および医療分野で周知の同様の要因が挙げられる。

0061

患者の状態が改善すると、必要に応じて、GNEコード配列の維持量を投与してもよい。その後、症状が所望のレベルまで軽減された場合、投与量もしくは投与頻度または両方とも、症状に応じて、改善された状態が維持されるレベルまで減少させてもよい。

0062

本発明のさらなる実施形態によれば、新規の組成物は、系において野生型GNEを発現させるために提供される。該組成物は、野生型GNEコード核酸配列を含むことが望ましい。本明細書に記載したように、GNEコード核酸配列は、例えば、プロモーター、終止配列等、種々の転写調節因子を含み得る。本発明が包含する組成物の非限定例は、図3に示す、本明細書に記載のpUMVC3−GNE発現ベクターを含む。そのように本発明の他の実施形態と関連して記載したように、GNEコード核酸配列は、リポソームまたは脂質ナノ粒子などの、系への送達のための適切なビヒクル内に、またはビヒクルに結合して配置されてもよい。さらに、かかる実施形態によれば、送達ビヒクルは、筋細胞もしくは筋組織などの標的細胞もしくは標的組織を認識してそれに結合することができる薬剤で任意に修飾されてもよい。
実施例
実施例1−CHO−Lec3細胞における外来性GNEの発現

0063

以下の実施例では、ヒトcDNA由来のいくつかのGNE発現ベクターを作製した。3つの異なるGNE型、すなわち野生型、M712TおよびR266Qは、GNE欠損細胞中でしっかりと発現した(Lec細胞)。明瞭な酵素活性ではあるが、すべての酵素は同程度のタンパク質発現レベルを示した。以下が示すように、細胞系を発現表しているトランスフェクトしたGNEは、非トランスフェクト細胞よりもかなり多くのシアル酸を産生した。
方法論
第1の方法:

0064

GNEクローニング:GNEcDNAを含む親ベクターは、Daniel Darvish(HIBM Research Group, Encino, CA) から提供され、pGNE−NB8(野生型)、pGNE−MB18(M712T変異体)およびpGNE−R266Q(R266Q変異体)を含んでいた。デスティネーションベクター(pUMVC3)は、Aldevron(Fargo, ND)から購入した。サブクローニングベクター、pDrive (Qiagen, Valencia, CA)1を用いて、R266Q変異体を親ベクターからデスティネーションベクターに往復させた。

0065

GNEcDNA挿入物(野生型およびM712T)を患者の全血から単離したRNA逆転写によって生成した。EcoR1とBamHl認識5’尾部を有する特異的に設計されたプライマーを用いてcDNAを増幅し、続いてT4ライゲーション(Invitrogen)によってpUMVC3発現ベクター(Aldevron)中にサブクローニングした。次いで、有能大腸菌細胞(E. coli)(Invitrogen)をpUMVC3発現ベクターで形質転換した。

0066

製造者プロトコールに従って、陽性pUMVC3−GNEクローンをLBブロス175mL+Kan50μg/mL中一晩増殖させ、次いでQiagen (Valencia, CA) HiSpeed Plasmid Maxiキット培養物150mLを使用した。

0067

DNA、脂質複合体:本実施例で用いたDNA:脂質複合体は、1,2−ジオロイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DOTAP)と試験DNA(uMVC3−GNE)を室温で混合して生成した。DOTAPは、Avanti Polar Lipids,Inc. (Alabaster, Alabama)によって提供される市販の脂質粒子である。DOTAPは、所望の総量を達成する方法で、pUMVC3−GNE DNAと混合した。該総量は、最終量1μL中、DNA0.5μg:DOTAP1 4mMの最終割合を示した。

0068

細胞培養。GNE欠損CHO−Lec3細胞は、アルベルトアインシュタイン医学校によって提供された。この細胞は、L−グルタミン4mMおよび熱失活した10%ウシ胎仔血清を補充したα−MEM培地で、37℃、5%CO2下増殖させた。一過性トランスフェクションのため細胞を、6ウェルプレート内に1ウェルあたり1×106細胞で播種して、一晩増殖させた。Lec3細胞は、1継代あたりFBSを2.5%減らすことによって、血清減少条件下にしていった。

0069

一過性のトランスフェクション:各ウェルのOptiMEM(Invitrogen, Carlsbad CA)中で、DNA:脂質複合体とともにLec3細胞6時間トランスフェクトし、次いで培地を標準のα−MEM増殖培地に変えて、Lec3細胞を一晩培養した。製造者のプロトコールに従って、DNA4μg+リポフェクタミン2000(Invitrogen)10μLを混合することでDNA:脂質複合体を形成した。トランスフェクションから24時間後、トリプシン消化によって細胞を収集し、続いて行うウェスタンブロットまたは酵素/糖アッセイの前に、PBSで1回洗浄した。

0070

シアル酸定量化チオバルビツール酸方法による膜結合シアル酸の定量化のためにおおよそ4×106細胞を使用した。細胞を水に再懸濁させて、25ゲージ針を通して20回溶解せて、遠心分離した。ブラッドフォード・タンパク質評価のために上清を使用し、残留ペレットを2M酢酸100μLで再懸濁させ、80℃で1時間インキュベートして、複合糖質に結合したシアル酸を放出させた。過ヨウ酸溶液137μL(H2SO4 57mM中2.5mg/mL)を添加して、37℃で15分間インキュベートした。次に、亜ヒ酸ナトリウム溶液50μL(HCl 0.5M中25mg/mL)を添加して、その試験管を勢いよく振盪させてその黄褐色の色を確実に完全に消した。このステップに続いて、100μLの2−チオバルビツール酸溶液(71mg/mL、NaOHでpH9.0に調整した)を添加し、この試料を7.5分間に100℃まで加熱した。この溶液を1mLのブタノール/5%HCl 12Mで抽出させて、その相を遠心によって分離した。有機相吸光度を549nmで測定した。シアル酸の量をシアル酸nmol/タンパク質mgとして測定した。
第2の方法:

0071

以下の方法は、上述の方法に代わるものである。

0072

細胞培養およびバイオアッセイ試験:Dr.Pamela Stanley(アルベルト・アインシュタイン医学校)から取得したLec3 CHO]細胞(Hong 2003)を初めに10%ウシ胎仔血清(FBS)(Invitrogen)を含むα−MEM培地中で増殖させ、α−MEM FBS培地の培地の継代を2.5%ずつ減らして取り出し、トランスフェクションの前にトリプシン処理した。4組のトランスフェククション産物を、2.0×106CHO細胞、Freestyle Media2.5mL(Invitrogen)、Opti−MEM500μL(invitrogen)、リポフェクタミン10μL、およびDNA4μg(ベクターセットを除く)を用いて3連で調製して、37℃、5%CO2下でインキュベートした。調製した組に、GNE野生型pUMVC3ベクター、GNE M721T pUMVC3ベクター、GNE R266Q pUMVC3ベクター、空ベクター、およびベクターを含まない培地を含めた。トランスフェクションから48時間後に細胞を収集して、PBSで洗浄し、溶解バッファ中で再懸濁させた。シアル酸含有量をLeonard Warren法(Warren 1959)の改変バージョンを用いて検出し、次いでUBV−Visモジュールを使用して、NanoDrop−1000 Spectrophotometer (Thermo Fisher Scientific)によって549nmで測定した。標準曲線を既知のシアル酸濃度で作製し、吸光度とシアル酸濃度間の線形関係を明確に示した。
結果

0073

GNEクローン:試験したGNEcDNAクローンには、ヒト野生型cDNAおよび2つのヒト変異体cDNAが含まれていた。この変異体は、M712T GNE欠損クローンとR266Qシアル酸尿症クローンを含んだ。シアル酸尿症は、GNEのCMP−シアル酸結合部位での点変異によって引き起こされるヒト疾患であり、フィードバック阻害の喪失およびシアル酸の大量産生をもたらす。GNE cDNAをその最初のベクターから発現ベクター(pUMVC3)へ制限消化クローニングによってサブクローニングした。クローンを方向制酵素消化によってスクリーニングし、GNE挿入断片が正しい方向にあることを確認した。陽性クローンを両方向で配列決定し、クローニングプロセスの間に変異が起こらなかったことを確認した。結果として生じたクロマトグラムGenBank受入番号NM_005467)からのGNE配列と比較したところ、野生型はいかなる変異も示さなかったが、M712TおよびR266Qのクローンは予想された点変異だけを含んでいた。マキシプレッププラスミド精製方法を用いて陽性pUMVC3−GENをスケールアップし、再度配列決定して変異が起こらなかったことを確認した。これらのDNAμを以降のすべての実験で用いた。

0074

Wt−GNEmRNA定量化:CHO−Lec3細胞を10−%血清中で増殖させて、pUMVC3ーGNE−野生型DNAを24時間、一時的にトランスフェクトし、発現した組換え型GNE RNAの量を定量化した。全RNAを抽出して、RT−qPCRを行い、GNE転写物から230bpの断片を増幅した。pUMVC3−GNE野生型の連続希釈物を用いて、トランスフェクトしたLec3で発現したGNE野生型の濃度が4.1pg/μLに等しかったことを決定した。qPCRのダイナミックレンジは、5ng〜5fgであった。対照(非トランスフェクトした)CHO−Lec3細胞でGNE mRNA産物は検出されなかった(非トランスフェクト型細胞のcT値は42サイクルよりも多く、5fg未満である)。したがって、組換え型GNEmRNA発現は、トランスフェクトしたLec3細胞で検出されたが、非トランスフェクトした細胞のGNE mRNAの量は検出できなかった。

0075

シアル酸アッセイ:トランスフェクトしたLec3細胞も、細胞表面シアル酸発現に対する試験をした。すべてのLec3試料は、ほぼ6.0nmol/mgの膜結合シアル酸を有していたが、R266Q GNE1をトランスフェクトしたLec3細胞は例外で、1.5倍高い量を有していた(図7)。R266Q GNEはフィードバック阻害がなく、かつ細胞内シアル酸の過剰産生を引き起こすことが知られている。Lec3細胞は、低シアル酸化されるようであり、これは、シアル酸尿症変異体の発現によってのみ克服され得るが、野生型CHO細胞と比較して、約100倍の野生型GNEの発現によっては克服されない。野生型(wt)GNEとM712T GNEの間には著しい差は観察されなかった。

0076

UMVC3およびNTC8685のGNEプラスミドの比較:両ベクターのシアル酸産生を比較するトランスフェクション試験は、互いに十分に相関した(図8および9)。NTC8685ベクターを用いた場合のシアル酸産生の方がわずかに高いことが見出された。他の細胞型を用いるさらなるin vitro試験およびin vivo試験が行われることになる。

0077

ManNAcの供給によるシアル酸産生:細胞培地にN−アセチルマンノサミン(ManNAc)を補充することでシアル酸産生のレベルを測定した。ManNAcの供給以外は、他の全ての細胞培養変数は、トランスフェクション試験と同一だった(図10)。

0078

予備高用量プラスミド毒性:我々は、12匹のマウス(B6:FBV混合型近交系、4〜10月齢の6匹の雄と6匹の雌)で、14日間の最新前臨床GLP毒性試験を実行した。雄および雌のマウスは、実験群と対照群に均等かつランダムに分けた(表1)。マウスモデルの投与可能な最大用量MFD)は、1注射あたり600μgであった。限定は、プラスミドの溶解度(6μg/μL)および1注射あたりの総量(100μL)に基づいた。マウス体重を30gおよびヒト体重を70kgと考えると、600μgのマウス用量に対するヒト等価用量(HED)は11382mgである。

0079

0080

実験群には、尾部静脈近くでIVから投与された高用量のGNEプラスミド(0.1mLの標準食塩水中に0.6mgを懸濁させた)が与えられ、対照群には標準食塩水0.1mLのみが与えられた。各群をさらに、以下の通り、2匹のマウス(雌1匹、雄1匹)からなる3つの投与回数群に分けた:1)14日間、毎日投与、2)一日置きに投与、および3)週1回投与。すべての動物は、実験を乗り切った。測定したすべてのパラメータに関して、実験群と対照群との間に有意な変化は観察されなかった。該パラメータには、体重、体温、飼料と水の摂取量、CBC血液検査(1日目および15日目に実施)が含まれた。15日目の剖検の後、脳、肺、心臓、肝臓、腎臓、脾臓、胃、腸、膀胱、生殖器、リンパ節および筋肉を含む12の臓器に関しての肉眼的所見において、実験群と対照群との間に有意な変化は観察されなかった。

0081

本明細書に本発明の例示的な実施形態を記載したが、本発明が、記載されたものに限定されず、および本発明の範囲または精神から逸脱することなく、当業者によって他の種々の変更または改変がなされ得ると理解すべきである。

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