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技術 水対蒸気熱交換システムおよびその運転方法

出願人 高砂熱学工業株式会社
発明者 森田健
出願日 2016年3月4日 (5年5ヶ月経過) 出願番号 2016-042625
公開日 2017年9月7日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2017-156071
状態 特許登録済
技術分野 瞬間湯沸器・持ち運び用給湯器とその制御 ラジエータ、流路群をもつ熱交換装置
主要キーワード 負荷仕様 給湯器具 設計能力 ホットウェルタンク 蒸気熱交換器 前年同時期 搬送流量 低負荷用
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

負荷側の負荷が、低負荷から最大負荷まで、常に適切な搬送動力の下で水対蒸気熱交換システム稼働させる。

解決手段

水対蒸気熱交換器10は、ハウジング11内に、相対的に伝熱面積の総量が大きい伝熱管群20と、相対的に伝熱面積の総量が小さい伝熱管群30とを有しており、バルブV3、V4に操作によって、伝熱管群20、伝熱管群30、伝熱管群20+伝熱管群30の切り替え稼働が可能である。各伝熱管群20,30のポンプP1、P2の能力もそれに応じたものが採用され、負荷の高低に応じて、稼働させる伝熱管群を選択してポンプの能力もそれに応じた適切な運転が可能である。

概要

背景

一般的にホテル病院施設関連においては、大規模給湯負荷があり、このような大規模の給湯負荷に対しては、従来からたとえばボイラからの蒸気給湯する水とを熱交換して負荷側や、負荷側の熱交換器に送るような給湯システムが採用されている。

ところで、たとえばホテルを例にとっていうと、給湯負荷は浴槽用の貯タンクへの利用、客室シャワー利用パントリーなどの給湯利用などが挙げられるが、利用者使い勝手による負荷のバラつきが目立つ。そのため給湯製造に関しては管理が難しく、負荷率予測して運用するのが困難である。すなわち、最大負荷での運用時期もあれば、極小負荷(給湯負荷の10%以下)で運用する頻度も多い。また同一日時においても100%〜10%の範囲で負荷が変動することもある。さらに季節によっても負荷が変動する。たとえば、期においてはピーク時間帯で給湯負荷は100%負荷となり得るところ、ピーク時間以外、ならびに夏期では設計負荷容量の50%も満たない状況が発生する。

しかしながら、施設性質上、一般的には給湯負荷を賄う機器、たとえば前記した蒸気と水とを熱交換する熱交換器については、負荷側で給湯器具同時使用率最大を見越して設計され、熱交換器や熱交換される水の搬送用ポンプ選定されているのが実状である。そのため、たとえば負荷が小さいときには効率が悪く、また無駄もあった。

この点に関し、給湯関連ではないが、最大負荷での運転時間は僅かであり、殆どの運転時間は部分負荷に対応する通水量で運転されることになる熱交換器において、最大流量に見合う流路を部分負荷に対応した小流量の水が流れる時間が多いことで、伝熱係数の低い状態での熱交換器の長時間運転が強いられ、ランニングコストの高騰化を招いている問題に鑑みて、最大負荷時の通水量に対応できると共に、部分負荷時の運転において通水量が小さくなっても伝熱係数を維持して運転できる熱交換器が提案されている(特許文献1)。これは、熱交換されるべき流体の通過する被熱交換流体通過域横断して設けられると共に内部に冷熱媒流体が流される細管を有する熱交換器において、上記細管により形成される冷熱媒流体の流路全体が複数の部分流路に分割され、該分割された複数の部分流路を、直列に接続する第1の状態と、並列に接続する第2の状態とに切り替え切替弁手段を備えた管路で接続したものである。

概要

負荷側の負荷が、低負荷から最大負荷まで、常に適切な搬送動力の下で水対蒸気熱交換システム稼働させる。水対蒸気熱交換器10は、ハウジング11内に、相対的に伝熱面積の総量が大きい伝熱管群20と、相対的に伝熱面積の総量が小さい伝熱管群30とを有しており、バルブV3、V4に操作によって、伝熱管群20、伝熱管群30、伝熱管群20+伝熱管群30の切り替え稼働が可能である。各伝熱管群20,30のポンプP1、P2の能力もそれに応じたものが採用され、負荷の高低に応じて、稼働させる伝熱管群を選択してポンプの能力もそれに応じた適切な運転が可能である。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

水と蒸気とを熱交換する熱交換器を有する水対蒸気熱交換システムであって、前記熱交換器は、蒸気が導入され、熱交換後に排出するハウジングと、前記ハウジング内に設けられた熱交換用の複数の伝熱管群と、を有し、前記複数の伝熱管群で前記蒸気と熱交換される水の流路は、各伝熱管群負荷側との間で並列に接続され、前記複数の伝熱管群は、相対的に伝熱面積の総量が大きい伝熱管群と、相対的に伝熱面積の総量が小さい伝熱管群とを有し、相対的に伝熱面積の総量が大きい伝熱管群から負荷側に熱交換後の水を送るポンプは、相対的に伝熱面積の総量が小さい伝熱管群から負荷側に熱交換後の水を送るポンプよりも能力の大きいポンプが用いられ、前記ハウジングに導入する蒸気の流量を調節する手段と、前記ハウジング内で前記蒸気と熱交換される各伝熱管群を流れる水の流量を調節する手段と、前記前記複数の伝熱管群のうち、稼働させる伝熱管群の全部または任意のものに選択する手段と、をさらに有することを特徴とする、水対蒸気熱交換システム。

請求項2

請求項1に記載の水対蒸気熱交換システムの運転方法であって、前記負荷側の負荷の必要量に応じて、前記ハウジングに導入する蒸気の流量を調節し、それと共に、前記複数の伝熱管群のうち稼働させる伝熱管群を選択し、当該選択した伝熱管群から負荷側に熱交換後の水を送るポンプの搬送能力を調節する、ことを特徴とする、水対蒸気熱交換システムの運転方法。

請求項3

前記負荷側の熱負荷が、設計最大負荷と同等の熱量を必要とするときには、前記複数の伝熱管群のすべてを稼働させ、前記負荷側の熱負荷が、伝熱面積の総量が小さい伝熱管群側の負荷対応能力以下のときには、伝熱面積の総量が小さい伝熱管群側のみ稼働させ、前記負荷側の熱負荷が、伝熱面積の総量が小さい伝熱管群側の負荷対応能力より大きく、かつ伝熱面積の総量が大きい伝熱管群側の負荷対応能力より小さいときには、伝熱面積の総量が大きい伝熱管群側のみ稼働させる、ことを特徴とする、請求項2に記載の水対蒸気熱交換システムの運転方法。

技術分野

0001

本発明は、水対蒸気熱交換システムおよびその運転方法に関するものである。

背景技術

0002

一般的にホテル病院施設関連においては、大規模給湯負荷があり、このような大規模の給湯負荷に対しては、従来からたとえばボイラからの蒸気と給湯する水とを熱交換して負荷側や、負荷側の熱交換器に送るような給湯システムが採用されている。

0003

ところで、たとえばホテルを例にとっていうと、給湯負荷は浴槽用の貯タンクへの利用、客室シャワー利用パントリーなどの給湯利用などが挙げられるが、利用者使い勝手による負荷のバラつきが目立つ。そのため給湯製造に関しては管理が難しく、負荷率予測して運用するのが困難である。すなわち、最大負荷での運用時期もあれば、極小負荷(給湯負荷の10%以下)で運用する頻度も多い。また同一日時においても100%〜10%の範囲で負荷が変動することもある。さらに季節によっても負荷が変動する。たとえば、期においてはピーク時間帯で給湯負荷は100%負荷となり得るところ、ピーク時間以外、ならびに夏期では設計負荷容量の50%も満たない状況が発生する。

0004

しかしながら、施設性質上、一般的には給湯負荷を賄う機器、たとえば前記した蒸気と水とを熱交換する熱交換器については、負荷側で給湯器具同時使用率最大を見越して設計され、熱交換器や熱交換される水の搬送用ポンプ選定されているのが実状である。そのため、たとえば負荷が小さいときには効率が悪く、また無駄もあった。

0005

この点に関し、給湯関連ではないが、最大負荷での運転時間は僅かであり、殆どの運転時間は部分負荷に対応する通水量で運転されることになる熱交換器において、最大流量に見合う流路を部分負荷に対応した小流量の水が流れる時間が多いことで、伝熱係数の低い状態での熱交換器の長時間運転が強いられ、ランニングコストの高騰化を招いている問題に鑑みて、最大負荷時の通水量に対応できると共に、部分負荷時の運転において通水量が小さくなっても伝熱係数を維持して運転できる熱交換器が提案されている(特許文献1)。これは、熱交換されるべき流体の通過する被熱交換流体通過域横断して設けられると共に内部に冷熱媒流体が流される細管を有する熱交換器において、上記細管により形成される冷熱媒流体の流路全体が複数の部分流路に分割され、該分割された複数の部分流路を、直列に接続する第1の状態と、並列に接続する第2の状態とに切り替え切替弁手段を備えた管路で接続したものである。

先行技術

0006

特開平8−261691号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら特許文献1に記載の技術では、冷熱媒流体の流路全体が複数の部分流路に分割され、当該分割された複数の部分流路が、直列接続並列接続とに切り替えするようになっているが、搬送を担うポンプ等については何ら開示するところはない。そのため、この点に関し依然として改善の余地があった。

0008

本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、既述の給湯システムやその他の水と蒸気とを熱交換する水対蒸気熱交換システムなどに採用した場合に、負荷の変動に際しても過剰な搬送動力を抑えるようにして問題の解決を図ることを目的としている。

課題を解決するための手段

0009

前記目的を達成するため。本発明は、水と蒸気とを熱交換する熱交換器を有する水対蒸気熱交換システムであって、前記熱交換器は、蒸気が導入され、熱交換後に排出するハウジングと、前記ハウジング内に設けられた熱交換用の複数の伝熱管群と、を有し、前記複数の伝熱管群で前記蒸気と熱交換される水の流路は、各伝熱管群と負荷側との間で並列に接続され、前記複数の伝熱管群は、相対的に伝熱面積の総量が大きい伝熱管群と、相対的に伝熱面積の総量が小さい伝熱管群とを有し、相対的に伝熱面積の総量が大きい伝熱管群から負荷側に熱交換後の水を送るポンプは、相対的に伝熱面積の総量が小さい伝熱管群から負荷側に熱交換後の水を送るポンプよりも能力の大きいポンプが用いられ、前記ハウジングに導入する蒸気の流量を調節する手段と、前記ハウジング内で前記蒸気と熱交換される各伝熱管群を流れる水の流量を調節する手段と、前記前記複数の伝熱管群のうち、稼働させる伝熱管群の全部または任意のものに選択する手段と、をさらに有することを特徴としている。

0010

本発明によれば、水と蒸気とを熱交換する熱交換器が、相対的に伝熱面積の総量が大きい伝熱管群と、相対的に伝熱面積の総量が小さい伝熱管群とを有しており、稼働させる伝熱管群の全部または任意のものに選択する手段を有しているので、1の熱交換器自体を高負荷仕様、低負荷仕様、さらに最大負荷仕様に切り替えて運転することができる。しかも相対的に伝熱面積の総量が大きい伝熱管群から負荷側に熱交換後の水を送るポンプは、相対的に伝熱面積の総量が小さい伝熱管群から負荷側に熱交換後の水を送るポンプよりも能力の大きいポンプが用いられているから、稼働させる伝熱管群に応じたポンプを選択することができると共に、稼働させるポンプの運転自体も、無駄のない適切な範囲で稼働させることができる。したがって、ハウジングに導入する蒸気の流量を調節する手段と相俟って、負荷側の負荷が、低負荷から最大負荷まで、常に適切な搬送動力の下でシステムを稼働させることができる。しかも後述の実施の形態で説明するように、負荷の変動に対する追従性も良好である。

0011

なお前記ハウジング内で前記蒸気と熱交換される各伝熱管群を流れる水の流量を調節する手段と、稼働させる伝熱管群の全部または任意のものに選択する手段とは、たとえば流量調節バルブなどを用いることで兼用してもよい。

0012

このような水対蒸気熱交換システムを運転する場合、例えば次のように運転することが提案できる。すなわち、前記負荷側の負荷の必要量に応じて、下記(1)〜(3)の操作をするようにしてもよい。
(1)前記ハウジングに導入する蒸気の流量を調節する。
(2)それと共に、前記複数の伝熱管群のうち稼働させる伝熱管群を選択する。
(3)当該選択した伝熱管群から負荷側に熱交換後の水を送るポンプの搬送能力を調節する。

0013

かかる場合、さらに具体的に下記の制御を行なってもよい。
(1)前記負荷側の熱負荷が、設計最大負荷と同等の熱量を必要とするときには、前記複数の伝熱管群のすべてを稼働させる。
(2)前記負荷側の熱負荷が、伝熱面積の総量が小さい伝熱管群側の負荷対応能力以下のときには、伝熱面積の総量が小さい伝熱管群側のみ稼働させる。
(3)前記負荷側の熱負荷が、伝熱面積の総量が小さい伝熱管群側の負荷対応能力より大きく、かつ伝熱面積の総量が大きい伝熱管群側の負荷対応能力より小さいときには、伝熱面積の総量が大きい伝熱管群側のみ稼働させる。

発明の効果

0014

本発明によれば、負荷側の負荷が、低負荷から最大負荷まで、常に適切な搬送動力の下でシステムを稼働させることができるから、過剰な搬送動力を抑えることができる。

図面の簡単な説明

0015

実施の形態にかかる水対蒸気熱交換システムの系統の概略を示した説明図である。
従来の一般的な水対蒸気熱交換システムの系統の概略を示した説明図である。

実施例

0016

図1は、実施の形態にかかる水対蒸気熱交換システム1の系統の概略を示しており、この水対蒸気熱交換システム1は、蒸気を製造するボイラ2、水対蒸気交換器10、ホットウェルタンク(HWT)として構成されている還水槽50、給湯熱交換器60、制御装置70を有している。

0017

この実施の形態では、水対蒸気交換器10はシェルアンドチューブ形の熱交換器を採用しており、2つの伝熱管群20、30を、蒸気が満たされるハウジング11内に有している。

0018

水対蒸気熱交換器10の一側にはヘッダ部12が設けられている。このヘッダ部12内には、内部に仕切り(図示せず)が設けられている。当該仕切りによって区画された領域(水室)に対応して、ヘッダ部12には、水の導入口21と導出口22が設けられている。したがって導入口21から導入された水は、伝熱管群20の伝熱管を巡り、ハウジング11内で蒸気と熱交換された後、ポンプP1によって導出口22に接続された往管23を通って、給湯熱交換器60に通ずる合同往管3へと送られる。

0019

水対蒸気熱交換器10の他側にはヘッダ部13が設けられている。このヘッダ部13内には、内部に仕切り(図示せず)が設けられている。そして当該仕切りによって区画された領域(水室)に対応して、ヘッダ部13には、水の導入口31と導出口32が設けられている。これによって、導入口31から導入された水は、伝熱管群30の伝熱管を巡り、ハウジング11内で蒸気と熱交換された後、ポンプP2によって導出口32に接続された往管33を通って、給湯熱交換器60に通ずる合同往管3へと送られる。

0020

給湯熱交換器60は、本実施の形態ではプレート型熱交換器を採用しており、水対蒸気熱交換器10の伝熱管群20、30において蒸気と熱交換されて昇温した水が、合同往管3を通じて給湯熱交換器60に導入され、負荷となる水と熱交換される。そして熱交換されて降温した水は、合同還管4から、各伝熱管群20、30の導入口21、31へと向かう各還管24、34の少なくとも一方へと流れる。一方、給湯熱交換器60で水対蒸気熱交換器10からの高温の水と熱交換されて昇温した水は、給湯用として負荷側(所定温度温水の利用者側)へと送られる。

0021

ボイラ2で製造された蒸気は、蒸気往管5、6を通じて、水対蒸気熱交換器10に設けられた蒸気導入口14からハウジング11内へ導入される。そしてハウジング11内で各伝熱管群20、30内の水と熱交換された後、導出口15、蒸気トラップ16を経て、ドレン管(蒸気還水管)17から還水槽50へと戻される。還水槽50の水は、ポンプP3、P4の少なくとも一方によって、供給管18を通じてボイラ2へと供給される。蒸気往管6には、バイパス管7が設けられ、このバイパス管7には蒸気トラップ8が設けられている。したがって蒸気往管6を流れる蒸気の一部は、バイパス管7、蒸気トラップ8を経て水となって、還管9を通じて還水槽50へと戻される。なお図1に示した例で図示したように、蒸気往管5の系統については、適宜管末トラップを設けたり、水対蒸気熱交換器10以外の他の蒸気の需要系統を設けてもよい。

0022

蒸気往管6における、バイパス管7の接続部よりも下流側、すなわち水対蒸気熱交換器10側には、バルブV1が設けられている。このバルブV1は、自動制御される比例弁であり、温度制御弁としての機能を有している。すなわち、ハウジング11の出口温度、例えば導出口15の温度を所定値にするため、蒸気をハウジング11内に供給するための弁開度が調整されるようになっている。

0023

また給湯熱交換器60から水対蒸気熱交換器10へと戻る合同還管4には、バルブV2が設けられている。このバルブV2は、自動制御される比例弁であり、温度制御弁としての機能を有している。すなわち、たとえば合同還管4を流れる水の温度を所定値に維持するように、合同還管4を流れる水の量、すなわち合同往管3を流れる高温の水の量を制御する。

0024

水対蒸気熱交換器10のヘッダ部12の導出口22から出た高温の水が流れる往管23にはポンプP1、流量調節用のバルブV3が設けられ、ヘッダ部13の導出口32から出た温水が流れる往管33にはポンプP2、流量調節用のバルブV4が設けられている。

0025

そして本実施の形態における水対蒸気熱交換器10における伝熱管群20、30は、以下のように伝熱面積の総量の比率が設定されている。すなわち、伝熱管群20は高負荷用に設定され、伝熱管群30は低負荷用に設定されており、たとえば伝熱管群20は、全体の熱容量の60〜80%、伝熱管群30は、全体の熱容量の40〜20%となるように、伝熱面積の総量が設定されている。したがって高負荷用の伝熱管群20のみを稼働させる場合には、全体の熱容量の60〜80%で熱交換が行われ、伝熱管群30のみを稼働させる場合には、低負荷用の全体の熱容量の60〜80%で熱交換が行われ、伝熱管群20、30の双方を稼働させる場合には、100%の熱容量で熱交換が可能になっている。このような高負荷、低負荷、最大負荷運転の切り替えは、V3、V4の操作によって行われ、またそれに伴ってポンプP1、P2の発停も行われる。

0026

またポンプP1、P2についても、伝熱管群20からの水の搬送を担うポンプP1は、伝熱管群30からの温水の搬送を担うポンプP2よりも能力が大きいものが採用されている。

0027

以上のバルブV1、V2、V3、V4の弁の切り替え、開度の調整、ポンプP1、P2の発停、制御は制御装置70によって制御されるようになっている。したがって以下の操作例、運転例も制御装置70による制御が可能である。

0028

本実施の形態にかかる水対蒸気熱交換システム1は、以上のような構成を有しており、例えば以下のような運転が可能である。

0029

(1)需要側の熱負荷、すなわち給湯熱交換器60の二次側での必要給湯量が設計負荷と同等の熱量を必要とするとき
この場合には、伝熱管群20、30とも稼働させ、双方の伝熱管群にて蒸気との熱交換を実施し、またポンプP1、P2とも定格通りに作動させる。
(2)需要側の熱負荷の必要熱量が伝熱面積の総量が小さい伝熱管群30側の設計能力以下のとき
この場合には、伝熱面積の総量が小さい伝熱管群30側のみを稼働させる。そのため、伝熱管群30側のポンプP2を作動させ、伝熱管群20側のポンプP1は停止させ、またバルブV3は閉鎖、バルブV4は開放される。
(3)需要側の熱負荷の必要熱量が、伝熱面積の総量が小さい伝熱管群30側の設計能力より大きく、伝熱面積の総量が大きい伝熱管群20側の設計能力より小さいとき
この場合には、伝熱面積の総量が大きい伝熱管群20側のみを稼働させる。すなわち、伝熱管群20側のポンプP1を作動させ、伝熱管群30側のポンプP2は停止させる。またバルブV3は開放、バルブV4は閉鎖される。

0030

また前記した(2)、(3)の場合においても、必要蒸気量に応じて、バルブV1を制御して、ハウジング11内に導入する蒸気の量を調整する。

0031

そして(2)、(3)の場合においては、さらにポンプP1、P2の運転能力を、たとえばインバータ制御することで、適宜減じるようにしてもよい。これによって必要な水の流量に応じて、ポンプP1、P2を効率よく稼働させることができ、無駄を抑えることが可能である。

0032

このような実施の形態にかかる水対蒸気熱交換システム1は、従来の一般的な水対蒸気熱交換器の給湯システムと比べるとその効果が明瞭である。

0033

すなわち、従来の水対蒸気熱交換器の給湯システム101は、図2に示したような構成を有している。なお図1に示された実施の形態にかかる水対蒸気熱交換システム1と同一の記号で示される部材、装置は、同一の機能を有し、その説明は省略する。

0034

従来の水対蒸気熱交換器の給湯システム101の水対蒸気交換器102のハウジング103内には、1つの伝熱管群104が設けられている。そしてヘッダ部105は、水対蒸気交換器102の一側のみに設けられており、導入口106から導入された水は、伝熱管群104の伝熱管を巡り、ハウジング103内で蒸気と熱交換された後、ポンプP10によって導出口107に接続された往管108を通って、給湯熱交換器60へと送られる。そして給湯熱交換器60において負荷側の水と熱交換され降温した水は、還管109を経て導入口106へと戻されるようになっている。

0035

そしてポンプP10は、伝熱管群104を流れる水の流量が、最大負荷に対応する量に応じた能力を有している。また往管108に設けられたバルブV10は、流量調節機能を有するバルブである。

0036

かかる構成の給湯システム101では、例えば給湯負荷が低負荷、例えば最大負荷の20%のときには、ポンプP10による搬送流量も20%となるが、インバータ制御可能なポンプであっても、50%以下の変流量運転はできないため、バルブV10で流量を絞って運転することになるが、そうすると、ポンプP10では搬送する流量よりも過大な能力で運転せざるを得なくなり、エネルギーロスが大きい。またそのような低負荷での運転では、バルブV1を微小な弁開度で調整する必要があるため、チャタリングの懸念がある。さらにトラップ16の種類にもよるが、バルブV1の制御の下限で運転した場合、飽和蒸気が熱交換されず、トラップ16から抜けて蒸気が漏れるおそれがある。そして低負荷〜最大負荷の利用では、バルブV1がハンチングを起こし、安定した温度の温水を製造できないという問題もある。

0037

これに対して実施の形態にかかる水対蒸気熱交換システム1では、ハウジング12内の伝熱管群を、高負荷用の伝熱管群20と低負荷用の伝熱管群30とに分割して、かつこれらが並列して設置され、しかも伝熱管群20、30の双方の稼働も可能になっているため、高負荷時、低負荷時、最大負荷時に応じて、これらを切り替えることで、必要流量の調節が行える。また伝熱管群20と低負荷用の伝熱管群30に応じた能力を有するポンプP1、P2を採用しているため、必要流量に対して適切な能力でポンプP1、P2を運転することができる。したがって必要流量に応じた搬送動力の選択することができ、従来よりもエネルギーロスが小さい。

0038

より詳述すれば、図2に示した、従来一般の加熱側容量=非加熱側容量(すなわち伝熱管群104のみの構成)におけるシステムのポンプP10に対してインバータ制御を行ったとしてもポンプメーカー保障する運転下限値は50%(ポンプメーカーによるが、50%の回転数制御を行うとトルクがなくなり、インペラケーシング干渉してしまう)であるため、それ以下の負荷での運転では流量調節用のバルブV10での絞りによって条件を満たす必要があった(通常、ポンプの能力の100%〜50%までがインバータ制御でポンプを運転できる領域である)。かかる場合、バルブV10の弁の絞り抵抗による搬送動力が増加してしまう。さらには、予測不能な給湯負荷の変動に対してポンプP10のインバータ制御による回転数追従させた場合、非常に大きな負荷変動となり、非加熱側から取り出す温度にも乱れが発生する。あるいは目標とする温度へのアプローチが遅く、運用側としては追従性が悪い。

0039

これに対して本発明においては、加熱側容量=非加熱側容量大+非加熱側容量小(すなわち伝熱管群20、30)の構成であるため、下記の運用が可能である。
(1)各ポンプP1、P2のインバータ制御による回転数の運転可能域が広がり(例えば伝熱管群20、30の伝熱面積が総容量に対して80%:20%の構成では、100%〜10%の運転可能領域となる)、ポンプメーカーが保障する下限値50%以下での運用が可能となる。これにより、前記したように従来では50%以下の運転では流量調節弁における絞り抵抗が発生し、余剰な搬送動力が発生したが、本発明では従来の搬送動力を低減することが実現できる。
(2)負荷追従域を大小、すなわち伝熱管群20、30といった構成で分けることで、極小負荷から最大負荷までの段階的な運転ができるため、追従性が良くなり、熱負荷への応答性を高めることができる。

0040

また低負荷運転においては、バルブV1を従来よりも微小な弁開度で調整する必要がなく、チャタリングの懸念もない。これは既述したように、伝熱管群20、30の切り替え稼働が可能であり、また伝熱管群20と低負荷用の伝熱管群30に応じた能力を有するポンプP1、P2を採用しているため、必要流量に対して適切な能力でポンプP1、P2を運転することができるからである。例えば伝熱管群20、30の伝熱面積が総容量に対して80%:20%の構成に対応した弁開度で運転し、あとはポンプ流量を調整すればよい。したがって、微小な弁開度で調整する必要がなく、チャタリングの懸念もないことから、蒸気のトラップ漏れも防止できる。そして低負荷〜最大負荷の利用であっても、その前提としてそもそもハウジング12内の伝熱管群20、30を切り替えたり、組み合わせたりすることができるから、必要蒸気量の取り入れる制御を担うバルブV1については、細かい制御は不要であり、したがってハンチングの発生も抑えられる。

0041

また水対蒸気熱交換器を2台用意する必要もないので、床専有面積も節約でき、さらに水対蒸気熱交換器を2台用意する場合と比べて、イニシャルコストも抑えることができ、メンテナンスも1台分で済む。

0042

なお前記したような高負荷用の伝熱管群20の単独稼働、低負荷用の伝熱管群30の単独稼働、最大負荷対応のため伝熱管群20と伝熱管群30の双方稼働の切り替えについては、もちろん人による手動によっても可能であるが、その他に例えば下記のようにして、制御装置70による自動で切り替えることも可能である。

0043

たとえば給湯熱交換器60に出入りする一時側の合同往管3と合同還管4との間に、図1に示したように、差圧検知用のバイパス管Aを設け、このバイパス管Aに、流量計あるいは弁を設け、検出する流量または当該弁の開度の計測値から、給湯熱交換器60に対する熱供給量が過剰かどうかを判断する。すなわち合同往管3に流れる熱交換済の高温の水が、バイパス管Aを経て合同還管4から水対蒸気熱交換器10に戻る場合には、熱供給量が過剰であるので、水対蒸気熱交換器10を低負荷仕様、すなわち伝熱管群30のみを稼働させるように切り替える。

0044

給湯熱交換器60の二次側への送水温度還水温度の温度差が小さくなったときには、負荷が少ないことを意味するので、かかる場合に水対蒸気熱交換器10を低負荷仕様、すなわち伝熱管群30のみを稼働させるように切り替える。

0045

また、前日や前年同時期運転データをもとに、コンピュータシミュレーションにより自動で、または保守員の手動により低負荷仕様に切り替えるようにしてもよい。

0046

なお熱負荷増のときに低負荷仕様から高負荷仕様へ切り替える場合、高負荷仕様すなわち伝熱管群20と、低負荷仕様すなわち伝熱管群30も起動させ、その状態で伝熱管群30を主体に制御して、それで対応できない場合に、高負荷仕様、すなわち伝熱管群20へと切り替えることが、追従性が良好でかつエネルギーの無駄のない運用が可能である。

0047

なお高負荷仕様、低負荷仕様の各系で、一方の系のポンプ等が故障した場合、他方の系を稼働させることで、バックアップ機能も発揮させることができる。ただし、高負荷仕様の系で故障があった際、低負荷仕様の系のみによる稼働では、負荷に全て対応できないが、全く停止することが防止できるので、実際上は有用である。

0048

なお前記したように、高負荷仕様−低負荷仕様と切り替えることは、そのときどきに各仕様の伝熱管群20、30、ポンプP1、P2、バルブV3、V4が適正に稼働しているかどうかもチェックできることになるから、状態監視の機会が増え、各仕様の系での故障の検知を知ることにも資する。

0049

そして既述したように、バルブV1、V2、V3、V4の弁の切り替え、開度の調整、ポンプP1、P2の発停、制御は制御装置70によって制御されるようになっているので、たとえば設計負荷を100としたとき、負荷に必要な熱量が、50、30、60と変動したときには、しきい値に応じて対応するバルブV3、V4を切り替え操作し、またそれと共に対応するポンプP1、P2の能力を制御することができる。かかる場合、P1、P2を先に稼働させることが推奨される。また同じモードであっても、例えば負荷が30〜50の範囲における負荷変動に対しては、ポンプP1、P2の能力を制御する。これらによって給湯熱交換器60の需要熱量を満たすことが可能である。またこれらの場合において、バルブV1、V2も併せて制御することで、当該需要熱量を満足させる範囲で、水対蒸気熱交換器10に供給する蒸気の量を調整したり、給湯熱交換器60に供給する高温の水を調整することが可能である。したがって、必要な負荷に応じて、搬送動力を抑えつつ、最適なエネルギーで負荷に対応することが可能である。

0050

本発明は、水対蒸気熱交換器を用いて負荷側に熱源水を供給する場合に有用である。

0051

1 水対蒸気熱交換システム
2ボイラ
3合同往管
4 合同還管
5、6 蒸気往管
7バイパス管
8、16蒸気トラップ
9、24、34 還管
10 水対蒸気熱交換器
11ハウジング
12、13ヘッダ部
14蒸気導入口
15、22、32導出口
17ドレン管
18供給管
20、30伝熱管群
21、31 導入口
23、33 往管
50還水槽
60給湯熱交換器
70制御装置
P1、P2、P3、P4ポンプ
V1、V2、V3、V4 バルブ

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