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技術 鉄筋コンクリート構造物のせん断補強構造

出願人 前田建設工業株式会社ユニタイト株式会社
発明者 三島徹也米田大樹佐藤文則山本和範宮田勝治山崎勝二
出願日 2016年3月2日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2016-039607
公開日 2017年9月7日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2017-155482
状態 特許登録済
技術分野 既存建築物への作業 建築物の補強部材
主要キーワード プレートヘッド テーパーネジ 注入時期 回転治具 材料使用量 硬化性充填材 既設鉄筋 大規模地震
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

補強部材定着性能を向上させて、確実に鉄筋コンクリート構造物せん断耐荷力を増加させるとともに、施工性を向上させる。

解決手段

鉄筋コンクリート構造物10に穿孔した補強部材挿入孔20は、鉄筋コンクリート構造物10の奥側に位置する奥側挿入孔21と、補強部材30の挿入方向の手前側かつ既設主筋41のコンクリート被り厚内に位置するとともに、奥側挿入孔21の内径よりも大きな内径の拡径挿入孔22とを備える。補強部材挿入孔20に挿入する補強部材30は、本体部31と、本体部31の端部に設けた第1の定着体32と、挿入方向の手前側の第1の定着体32と接続部35により接続され、拡径挿入孔22内において既設鉄筋41の近傍に配設する第2の定着体33とを備える。接続部35の太さは、本体部31よりも細く、第2の定着体33の最大径は、本体部31の最大径の2倍以上である。

概要

背景

近い将来発生すると懸念される大規模地震に備えて、鉄筋コンクリート構造物に対する耐震補強重要性が認識されており、耐震補強工事に関する種々の提案がなされている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。既設の鉄筋コンクリート構造物のせん断耐荷力不足している場合には、主鉄筋と交差する方向に補強部材を追加することにより、鉄筋コンクリート構造物のせん断耐荷力を増加させなければならない。このような補強工事では、補強部材が確実に定着することが必要であるだけではなく、既設構造物の損傷を最小限とし、さらに施工容易性が要求される。

特許文献1に記載された技術は、せん断補強構造に関するものであり、既設の鉄筋コンクリート構造物と、この鉄筋コンクリート構造物に形成された補強部材挿入孔の内部に配設される線材主体とした補強部材と、補強部材挿入孔に充填される充填材とからなる。そして、補強部材が、基端側および先端側に鉄筋コンクリート構造物に配筋された既設の主筋と同等の被りコンクリート厚を確保した状態で配置されている。また、補強部材挿入孔が、線材の直径よりも大きい内径の一般部と、補強部材挿入孔の基端部に形成されて、一般部よりも大きい内径を有する基端拡幅部とから構成されている。

特許文献2に記載された技術は、既設鉄筋コンクリート構造物のせん断補強構造に関するものであり、既設の壁状または版状の鉄筋コンクリート構造物に、当該構造体の一面側から反対面側へ向けて穿設された補強鋼材挿入孔と、補強鋼材挿入孔に挿入された棒鋼からなる補強鋼材と、補強鋼材挿入孔と補強鋼材との隙間に充填された硬化性充填材を構成要素とする。そして、補強鋼材の端部には該端部を覆う耐食性のある素材からなる定着体一体化するとともに、補強鋼材の外径よりも径の大きい定着部を鉄筋コンクリート構造物の表面近傍に形成している、

概要

補強部材の定着性能を向上させて、確実に鉄筋コンクリート構造物のせん断耐荷力を増加させるとともに、施工性を向上させる。 鉄筋コンクリート構造物10に穿孔した補強部材挿入孔20は、鉄筋コンクリート構造物10の奥側に位置する奥側挿入孔21と、補強部材30の挿入方向の手前側かつ既設主筋41のコンクリート被り厚内に位置するとともに、奥側挿入孔21の内径よりも大きな内径の拡径挿入孔22とを備える。補強部材挿入孔20に挿入する補強部材30は、本体部31と、本体部31の端部に設けた第1の定着体32と、挿入方向の手前側の第1の定着体32と接続部35により接続され、拡径挿入孔22内において既設鉄筋41の近傍に配設する第2の定着体33とを備える。接続部35の太さは、本体部31よりも細く、第2の定着体33の最大径は、本体部31の最大径の2倍以上である。

目的

本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、補強部材の定着性能を向上させて、確実に鉄筋コンクリート構造物のせん断耐荷力を増加させるとともに、施工性を向上させることが可能な鉄筋コンクリート構造物のせん断補強構造を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

鉄筋コンクリート構造物の一側表面から他側へ向かって穿孔した補強部材挿入孔と、前記補強部材挿入孔内に挿入する補強部材と、前記補強部材挿入孔内に充填する充填材とからなり、前記補強部材挿入孔は、前記補強部材の挿入方向の奥側に位置する奥側挿入孔と、前記補強部材の挿入方向の手前側かつ既設主筋コンクリート被り厚内に位置するとともに、前記奥側挿入孔の内径よりも大きな内径を有する拡径挿入孔とを備え、前記補強部材は、本体部と、当該本体部の両端部に設けた第1の定着体と、挿入方向の手前側の第1の定着体と接続部により接続されるとともに、前記拡径挿入孔内において前記既設鉄筋の近傍に配設する第2の定着体とを備え、前記接続部の太さは、前記本体部よりも細くなっており、前記第2の定着体の最大径は、前記本体部の最大径の2倍以上である、ことを特徴とする鉄筋コンクリート構造物のせん断補強構造。

請求項2

前記補強部材は、前記第1の定着体と前記第2の定着体との間に、前記第1の定着体の直径と同等で、前記第2の定着体の最大径よりも小さな最大径を有するとともに、前記第1の定着体と前記第2の定着体と、それぞれ接続部により接続された第3の定着体を備え、前記各定着体を接続する各接続部の太さは、前記本体部への接続側から前記第2の定着体側へ向かって順次細くなっている、ことを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート構造物のせん断補強構造。

請求項3

少なくとも前記第1の定着体以外の定着体は、その表面に防錆処理を施してある、ことを特徴とする請求項1または2に記載の鉄筋コンクリート構造物のせん断補強構造。

技術分野

0001

本発明は、鉄筋コンクリート構造物せん断補強構造に関するものであり、例えば、既設鉄筋コンクリート構造物補強工事に適したせん断補強構造に関するものである。

背景技術

0002

近い将来発生すると懸念される大規模地震に備えて、鉄筋コンクリート構造物に対する耐震補強重要性が認識されており、耐震補強工事に関する種々の提案がなされている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。既設の鉄筋コンクリート構造物のせん断耐荷力不足している場合には、主鉄筋と交差する方向に補強部材を追加することにより、鉄筋コンクリート構造物のせん断耐荷力を増加させなければならない。このような補強工事では、補強部材が確実に定着することが必要であるだけではなく、既設構造物の損傷を最小限とし、さらに施工容易性が要求される。

0003

特許文献1に記載された技術は、せん断補強構造に関するものであり、既設の鉄筋コンクリート構造物と、この鉄筋コンクリート構造物に形成された補強部材挿入孔の内部に配設される線材主体とした補強部材と、補強部材挿入孔に充填される充填材とからなる。そして、補強部材が、基端側および先端側に鉄筋コンクリート構造物に配筋された既設の主筋と同等の被りコンクリート厚を確保した状態で配置されている。また、補強部材挿入孔が、線材の直径よりも大きい内径の一般部と、補強部材挿入孔の基端部に形成されて、一般部よりも大きい内径を有する基端拡幅部とから構成されている。

0004

特許文献2に記載された技術は、既設鉄筋コンクリート構造物のせん断補強構造に関するものであり、既設の壁状または版状の鉄筋コンクリート構造物に、当該構造体の一面側から反対面側へ向けて穿設された補強鋼材挿入孔と、補強鋼材挿入孔に挿入された棒鋼からなる補強鋼材と、補強鋼材挿入孔と補強鋼材との隙間に充填された硬化性充填材を構成要素とする。そして、補強鋼材の端部には該端部を覆う耐食性のある素材からなる定着体一体化するとともに、補強鋼材の外径よりも径の大きい定着部を鉄筋コンクリート構造物の表面近傍に形成している、

先行技術

0005

特許第4157510号公報
特許第5003448号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、特許文献1に記載された技術では、鉄筋コンクリート構造物に配筋された既設の主筋と同等の被りコンクリート厚を確保した状態で、補強部材を配置しなければならないため、補強部材の配設位置が限られてしまう。

0007

また、補強部材挿入孔は、その基端側に、一般部よりも大きい内径を有する基端拡幅部を備えているが、この基端拡幅部はプレートヘッド等を挿入するための部分であり、上述したように、既設の主筋と同等の被りコンクリート厚を確保した状態で、補強部材を配置しなければならないため、必然的にプレートヘッド等も既設の主筋と同等の被りコンクリート厚を確保した状態で配設されることになる。

0008

このため、鉄筋コンクリート構造物と主鉄筋との間に、十分な被りコンクリート厚を確保することができる場合であっても、当該位置に補強部材を配設することができないため、状況に応じた柔軟な設計を行うことができない。

0009

特許文献2に記載された技術では、補強鋼材の外径より径の大きい定着部を備えているため、補強部材の定着性能を向上させることができるが、この定着部は鉄筋コンクリート構造物の表面近傍に配設されている。特許文献2の明細書及び図面の記載を参酌すると、鉄筋コンクリート構造物の表面近傍とは、表面から浅い位置、表面と同等の位置(面一)、表面から突出した位置を意味している。このため、定着部を金属で形成する場合には防錆処理が必須となり、また、定着部が鉄筋コンクリート構造物の表面から突出して邪魔になったり、見栄えが悪くなったりすることもあり、改善の余地があった。

0010

本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、補強部材の定着性能を向上させて、確実に鉄筋コンクリート構造物のせん断耐荷力を増加させるとともに、施工性を向上させることが可能な鉄筋コンクリート構造物のせん断補強構造を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明に係る鉄筋コンクリート構造物のせん断補強構造は、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明に係る鉄筋コンクリート構造物のせん断補強構造は、鉄筋コンクリート構造物の一側表面から他側へ向かって穿孔した補強部材挿入孔と、補強部材挿入孔内に挿入する補強部材と、補強部材挿入孔内に充填する充填材とからなる。

0012

そして、補強部材挿入孔は、補強部材の挿入方向の奥側に位置する奥側挿入孔と、補強部材の挿入方向の手前側かつ既設主筋のコンクリート被り厚内に位置するとともに、奥側挿入孔の内径よりも大きな内径を有する拡径挿入孔とを備えている。また、補強部材は、本体部と、当該本体部の両端部に設けた第1の定着体と、挿入方向の手前側(鉄筋コンクリート構造物の表面側)の第1の定着体と接続部により接続されるとともに、拡径挿入孔内において既設鉄筋の近傍に配設する第2の定着体とを備えている。さらに、接続部の太さは、本体部よりも細くなっており、第2の定着体の最大径は、本体部の最大径の2倍以上であることを特徴とするものである。

0013

上述した構成からなる鉄筋コンクリート構造物のせん断補強構造において、補強部材は、第1の定着体と第2の定着体との間に、第1の定着体の直径と同等で、第2の定着体の最大径よりも小さな最大径を有するとともに、第1の定着体と第2の定着体と、それぞれ接続部により接続された第3の定着体を備えることが可能である。この場合、各定着体を接続する各接続部の太さは、本体部への接続側から第2の定着体側へ向かって順次細くなっている。

0014

上述した構成からなる鉄筋コンクリート構造物のせん断補強構造において、少なくとも第1の定着体以外の定着体は、その表面に防錆処理を施してあることが好ましい。

発明の効果

0015

本発明に係る鉄筋コンクリート構造物のせん断補強構造によれば、補強部材の挿入方向の手前側かつ既設主筋のコンクリート被り厚内であって、当該既設鉄筋の近傍に位置するとともに、奥側挿入孔の内径よりも大きな内径を有する拡径挿入孔を備えており、この拡径挿入孔内に、補強部材の本体部の最大径の2倍以上の直径を有する第2の定着体を配設してある。

0016

したがって、補強部材の定着性能を向上させることができるだけではなく、鉄筋コンクリート構造物の表面側において、定着体を配設する位置の自由度が増すので、状況に応じた柔軟な設計を行うことが可能となる。

0017

また、第2の定着体は、既設主筋のコンクリート被り厚内であって、既設主筋の近傍に配設されているため、定着体が鉄筋コンクリート構造物の表面から突出して邪魔になったり、見栄えが悪くなったりすることがない。

0018

また、定着体を接続するための接続部の太さを本体部よりも細くし、さらに、各定着体を接続する各接続部の太さを本体部の接続側から順次細くすることにより、定着体の材料使用量を削減するとともに、補強部材を軽量化することが可能となる。なお、定着体において、鉄筋への接続側と、鉄筋コンクリート構造物の表面側とを比較すると、鉄筋コンクリート構造物の表面側の方が定着体に加わる引抜力が小さいため、このような構造としても何ら問題がない。

0019

また、鉄筋コンクリート構造物の表面側に位置する定着体の表面に防錆処理を施すことにより、補強部材の腐食を効果的に防止することができる。特に、定着体の配設位置において、コンクリート被り厚が小さい場合に、防錆処理が有効となる。

図面の簡単な説明

0020

本発明に係る鉄筋コンクリート構造物のせん断補強構造の模式図(実施例1)。
本発明に係る鉄筋コンクリート構造物のせん断補強構造の模式図(実施例2)。
補強部材を構成する各部材を分解した状態の側面図。
補強部材を構成する各部材を分解した状態の平面図。

実施例

0021

以下、図面を参照して、本発明に係る鉄筋コンクリート構造物のせん断補強構造(以下、せん断補強構造と略記する)の実施形態を説明する。図1図4は本発明の実施形態に係るせん断補強構造を説明するもので、図1及び図2はせん断補強構造の模式図、図3は補強部材の側面図、図4は補強部材を構成する各部材を分解した状態の平面図である。なお、図4において、第1の定着体及び第2の定着体は本体部への接続側から見た状態、本体部は第1の定着体への接続側から見た状態を示してある。

0022

<せん断補強構造の概要
本発明の実施形態に係るせん断補強構造は、図1及び図2に示すように、鉄筋コンクリート構造物10の一側表面から他側へ向かって穿孔した補強部材挿入孔20と、補強部材挿入孔20内に挿入する補強部材30と、補強部材挿入孔20内に充填する充填材(図示せず)とからなり、補強部材挿入孔20の形状と、補強部材30の定着体32、33、34の構造に特徴を有している。

0023

<補強部材挿入孔>
補強部材挿入孔20は非貫通孔であり図1及び図2に示すように、補強部材30の挿入方向の奥側に位置する奥側挿入孔21と、補強部材30の挿入方向の手前側かつ既設主筋41のコンクリート被り厚内に位置するとともに、奥側挿入孔21の内径よりも大きな内径を有する拡径挿入孔22とを備えている。

0024

奥側挿入孔21は、補強部材30の挿入方向の先端部側を挿入するための孔であり、補強部材30の本体部31及び第1の定着体32を挿入するようになっている。したがって、奥側挿入孔21の内径は、補強部材30の本体部31及び第1の定着体32の最大外径よりも大きくなっている。奥側挿入孔21は、補強対象となる鉄筋コンクリート構造物10の一側から他側へ向かって穿孔される。そして、奥側挿入孔21の先端部(鉄筋コンクリート構造物10の内部側)は、奥側の既設主筋42の手前側に位置している。

0025

拡径挿入孔22は、補強部材30の挿入方向の手前側かつ既設主筋41のコンクリート被り厚内に位置するとともに、奥側挿入孔21の内径よりも大きな内径を有しており、この拡径挿入孔22内に第2の定着体33を配設する。

0026

<補強部材>
補強部材30は、図1図4に示すように、本体部31と、当該本体部31の両端部に設けた第1の定着体32と、挿入方向の手前側の第1の定着体32と接続部35により接続されるとともに、拡径挿入孔22内に配設する第2の定着体33とを備えている。

0027

<本体部>
本体部31は、例えば、異形鉄筋により構成されており、その端部に塑性加工を施すとともに、先端部に向かって縮径した雄ネジ部(テーパーネジ部)31aを形成してある。

0028

<第1の定着体>
第1の定着体32は、本体部31の両端部に設ける定着体である。このような本体部31及び第1の定着体32を備えた補強部材30は、例えば、特許第4395191号公報に記載されている。すなわち、本体部31である鉄筋は、先端部が先細り状に加工され、さらに外周面に雄ネジ部(テーパーネジ部)31aが形成されている。鉄筋は、少なくとも雄ネジ部(テーパーネジ部)31aの基端部分において塑性硬化処理が施されていることが好ましい。このように、鉄筋の端部に塑性硬化処理を施すことにより、加工前と比較して見かけ上の降伏点が増大して、鉄筋の端部の強度を増加させることができる。

0029

第1の定着体32は、図3及び図4に示すように、本体部31の外径よりも大きな外径を有したナット状となっており、雄ネジ部31aを組み付けるための雌ネジ部32aが形成されている。上述したように雄ネジ部31aは先端部に向かって縮径しているため、雌ネジ部32aも先端部に向かって縮径している。また、第1の定着体32の外周面には、スパナ等の回転治具係合させるためのスパナ係合面が形成されている。さらに、第1の定着体32の先端部側(本体部31と反対側)には、接続部35に設けた接続雄ネジ部35aを組み付けるための接続雌ネジ部32bを設けてある。

0030

<第2の定着体>
第2の定着体33は、図1及び図2に示すように、拡径挿入孔22内に配設するための定着体であり、挿入方向の手前側(鉄筋コンクリート構造物10の表面側)の第1の定着体32と、接続部35を介して接続されている。第2の定着体33の最大径は、本体部31の最大径の2倍以上に設定されている。図1及び図2に示す第2の定着体33は、鉄筋の最大径Dの2倍の最大径2Dを有している。また、第2の定着体33の外周面には、スパナ等の回転治具を係合させるためのスパナ係合面が形成されている。さらに、第2の定着体33の基端部側(本体部31側)には、第1の定着体32に設けた接続雌ネジ部32bに組み付けるための接続雄ネジ部35aを設けてある。図3及び図4に示す例では、第2の定着体33と接続部35とを一体として、全体がボルト状となっている。

0031

また、第2の定着体33は、図1及び図2に示すように、補強部材30の挿入方向の手前側かつ既設主筋41(補強部材30の表面側に配設した既設鉄筋)のコンクリート被り厚内であって、当該既設鉄筋41の近傍に位置するように設置する。補強部材30の表面側に配設した既設鉄筋41の近傍とは、例えば、コンクリート構造物の表面から40mm以上離隔した位置である。すなわち、第2の定着体33は、その先端面(コンクリート構造物の表面側の面)がコンクリート構造物の表面から十分離隔して配設されている。

0032

<第3の定着体>
第3の定着体34は、図1に示すように、第1の定着体32と第2の定着体33との間に、第1の定着体32の直径と同等で、第2の定着体33の最大径よりも小さな最大径を有するとともに、第1の定着体32と第2の定着体33と、それぞれ接続部35、36により接続された定着体である。この第3の定着体34を設けることにより、鉄筋コンクリート構造物10の表面側において、3段の定着体が存在することになる。第3の定着体34は、第2の定着体33と一体となるように形成してもよいし、第2の定着体33と別体として形成してもよい。いずれの場合にも、本体部31側に位置する基端部側には、第1の定着体32に設けた接続雌ネジ部32bに組み付けるための接続雄ネジ部(図示せず)を設けてある。

0033

<接続部>
図1及び図2に示すように、第1の定着体32と第2の定着体33を接続する接続部35と、第3の定着体34と第1の定着体32または第2の定着体33を接続する接続部36の太さ(直径)は、本体部31よりも細くなっている。さらに、各定着体32、33、34を接続する各接続部35、36の太さ(直径)は、本体部31の接続側から第2の定着体33側へ向かって順次細くなっている。

0034

すなわち、定着体が2段の場合(第1の定着体32と第2の定着体33のみを備えた場合)には、接続部35の太さ(直径)は、本体部31の最大外径よりも細くなっている。また、定着体が3段の場合(第1の定着体32、第2の定着体33、第3の定着体34を備えた場合)には、各接続部35、36の太さ(直径)は、本体部31の最大外径よりも細くなっているとともに、第3の定着体34と第2の定着体33とを接続する接続部35の太さ(直径)は、第3の定着体34と第1の定着体32とを接続する接続部36の太さ(直径)よりも細くなっている。

0035

<防錆処理>
コンクリート構造物の表面側から深い位置に存在する(コンクリート被り厚が大きい)第1の定着体32以外の定着体(第2の定着体33及び第3の定着体34)は、その表面に防錆処理を施すことが好ましい。本発明の鉄筋コンクリート構造物10のせん断補強構造では、第2の定着体33の先端面(コンクリート構造物の表面側の面)がコンクリート構造物の表面から十分離隔して配設されており、第3の定着体34は、第2の定着体33よりも深い位置に配設されている。

0036

したがって、第2の定着体33及び第3の定着体34を金属(例えば鉄)により形成した場合であっても、コンクリート構造物の表面から浸入する水分等により錆が発生する可能性は低い。しかし、本実施形態では、万が一、コンクリート構造物の表面から水分等が浸入した場合であっても、第2の定着体33及び第3の定着体34に錆が発生することを未然に防止するために、これらの定着体に防錆処理を施している。なお、この防錆処理は必須ではなく、また、第1の定着体32に対して防錆処理を施してもよい。

0037

<充填材>
図示しないが、充填材は、補強部材30が挿入された補強部材挿入孔20を充填するための部材であり、注入時期は、補強部材挿入孔20内へ補強部材30を挿入する前、あるいは挿入した後のいずれの時点であってもよい。充填材としては、モルタル樹脂系の接着剤を使用することができる。

0038

<実施例1>
実施例1は、鉄筋コンクリート構造物10の表面側において、3段の定着体が存在するものである。すなわち、図1に示すように、鉄筋コンクリート構造物10の表面側から奥側に位置する既設鉄筋42の手前側まで補強部材挿入孔20を削孔する。上述したように、補強部材挿入孔20は、補強部材30の挿入方向の奥側に位置する奥側挿入孔21と、補強部材30の挿入方向の手前側かつ既設主筋41のコンクリート被り厚内に位置するとともに、奥側挿入孔21の内径よりも大きな内径を有する拡径挿入孔22とを備えている。

0039

第2の定着体33と第3の定着体34とが別体に形成されている場合には、本体部31の両端に第1の定着体32を組み付けるとともに、挿入方向の手前側(鉄筋コンクリート構造物10の表面側)に、接続部36を介して第3の定着体34を組み付け、さらに、接続部35を介して第2の定着体33を組み付ける。また、第2の定着体33と第3の定着体34とが一体となっている場合には、本体部31の両端に第1の定着体32を組み付けるとともに、挿入方向の手前側(鉄筋コンクリート構造物10の表面側)に、接続部36を介して第2の定着体33及び第3の定着体34を組み付ける。

0040

実施例1では、第2の定着体33は、補強部材30の挿入方向の手前側かつ既設主筋41(補強部材30の表面側に配設した既設鉄筋)のコンクリート被り厚内であって、当該既設鉄筋41の近傍に位置するように設置する。また、第3の定着体34は、補強部材30の挿入方向の手前側かつ既設主筋41(補強部材30の表面側に配設した既設鉄筋)と、略同一の位置に配設する。そして、補強部材挿入孔20内へ補強部材30を挿入する前、あるいは挿入した後に、補強部材挿入孔20内へ充填材を充填し、補強部材挿入孔20を閉塞する。

0041

<実施例2>
実施例2は、鉄筋コンクリート構造物10の表面側において、2段の定着体が存在するものである。すなわち、図2に示すように、鉄筋コンクリート構造物10の表面側から奥側に位置する既設鉄筋42の手前側まで補強部材挿入孔20を削孔する。上述したように、補強部材挿入孔20は、補強部材30の挿入方向の奥側に位置する奥側挿入孔21と、補強部材30の挿入方向の手前側かつ既設主筋41のコンクリート被り厚内に位置するとともに、奥側挿入孔21の内径よりも大きな内径を有する拡径挿入孔22とを備えている。

0042

実施例2では、第2の定着体33は、補強部材30の挿入方向の手前側かつ既設主筋41(補強部材30の表面側に配設した既設鉄筋)のコンクリート被り厚内であって、当該既設鉄筋41の近傍に位置するように設置する。そして、補強部材挿入孔20内へ補強部材30を挿入する前、あるいは挿入した後に、補強部材挿入孔20内へ充填材を充填し、補強部材挿入孔20を閉塞する。

0043

10鉄筋コンクリート構造物
20補強部材挿入孔
21 奥側挿入孔
22 拡径挿入孔
30補強部材
31 本体部
31a雄ネジ部
32 第1の定着体
32a雌ネジ部
32b 接続雌ネジ部
33 第2の定着体
34 第3の定着体
35、36 接続部
35a 接続雄ネジ部
41、42既設主筋

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    【課題】 従来では切断が難しいスクラップであっても容易に切断可能であり、様々な解体作業現場での解体作業を行うのに好適である新規なマルチ解体機を得る。【解決手段】 自走車両に搭載された油圧作動ブーム... 詳細

  • 大阪瓦斯株式会社の「 被覆材の張替方法及び床構造」が 公開されました。( 2020/09/10)

    【課題】緩衝層を備える被覆材の張替方法を提供することを目的とする。【解決手段】床暖房ユニット30に接着された被覆材の張替方法であって、被覆材は、少なくとも、床暖房ユニット30に面して接着される基材側層... 詳細

  • センクシア株式会社の「 鉄筋結束具」が 公開されました。( 2020/09/10)

    【課題】鉄筋の位置決めを容易に行うことができ、作業者の作業習熟度に依存せず、容易かつ短時間に鉄筋の交差部を固定することができる鉄筋結束具を提供する。【解決手段】細長く伸びる連結部14と、連結部14の側... 詳細

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