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技術 熱間鍛造用非調質鋼および自動車用部品

出願人 大同特殊鋼株式会社
発明者 大橋亮介山崎歩見
出願日 2016年3月1日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-039365
公開日 2017年9月7日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2017-155283
状態 特許登録済
技術分野 鋼の加工熱処理
主要キーワード 棒状片 Zr含有率 空冷処理 ストレートシャンクドリル 切削加工前 疲労強度特性 視野撮影 Mo成分
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年9月7日)のものです。
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課題

熱間加工後調質処理焼入れ焼戻し)を省略することができる非調質鋼であり、熱間鍛造および機械加工により部品形状成形した後、高周波焼入れ軟窒化などの表面硬化処理を省略しても、強度(特に疲労強度および耐摩耗性)、製造性(特に被削性)に優れる熱間鍛造用非調質鋼の提供。

解決手段

C、Si、Mn、Cu、Ni、S、Cr、Mo、V、Ce+Zr、Al、Nの含有量特定範囲であり、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、各成分の含有量は特定の式を満たし、熱間鍛造した場合に鋼断面組織パーライトまたはフェライト+パーライトであり、初析フェライト面積率が10%未満である、熱間鍛造用非調質鋼。

概要

背景

一般的にクランクシャフト等の自動車用部品鋳造または鍛造にて製造されるが、強度や剛性重視される場合は、炭素鋼または低合金鋼熱間鍛造にて製造したものが使用されている。そして、さらに高強度化が必要な場合は、高周波焼入れ処理ガス軟窒化処理が行われる。

例えば特許文献1には高周波焼入れ処理について記載されている。高周波焼入れ処理は、鋼材表面層オーステナイト組織に加熱した後、急冷してマルテンサイト化し、硬化する方法であるが、熱処理後に変形する可能性があり、その結果、加工費の増加および歩留まりが低下する可能性がある。

また、例えば特許文献2にはガス軟窒化処理について記載されている。ガス軟窒化処理は、アンモニアを含んだ雰囲気中でAl変態点以下の温度(550℃〜650℃程度)に加熱することにより、鋼材表面窒素炭素侵入させ、微細炭窒化物析出させることにより表層硬化する方法である。高周波焼き入れ調質処理焼入、焼戻)に比べて、熱処理歪が小さいという特徴があるが、非常に硬質化合物層が表層にあるために、曲がり矯正加工性の低下ならびに耐焼付性が低下し得る。

このように高周波焼入後軟窒化処理後には曲がり矯正加工を行う必要があり、製造上の大きな制約をなっている。

これに対して特許文献3には、高周波焼入れ軟窒化処理の高強度化処理を施さずにクランクシャフトを製造する方法が記載されている。そして、特許文献3には、鋼材の成分を最適化することで疲労強度耐摩耗性を有することができたと記載されているが、前述の高周波焼入れや軟窒化処理の高強度化処理を施す製造方法によって製造した場合に比べ被削性が不良となる。そのため大幅に切削費が増加してしまい、競争力が低くなる。

概要

熱間加工後に調質処理(焼入れ焼戻し)を省略することができる非調質鋼であり、熱間鍛造および機械加工により部品形状成形した後、高周波焼入れや軟窒化などの表面硬化処理を省略しても、強度(特に疲労強度および耐摩耗性)、製造性(特に被削性)に優れる熱間鍛造用非調質鋼の提供。C、Si、Mn、Cu、Ni、S、Cr、Mo、V、Ce+Zr、Al、Nの含有量特定範囲であり、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、各成分の含有量は特定の式を満たし、熱間鍛造した場合に鋼断面組織パーライトまたはフェライト+パーライトであり、初析フェライト面積率が10%未満である、熱間鍛造用非調質鋼。なし

目的

本発明の目的は、熱間加工後に調質処理(焼入れ・焼戻し)を省略することができる非調質鋼であり、熱間鍛造および機械加工により部品形状に成形した後、高周波焼入れや軟窒化などの表面硬化処理を省略しても、強度(特に疲労強度および耐摩耗性)と製造性(特に被削性)とが共に優れる熱間鍛造用非調質鋼およびその熱間鍛造用非調質鋼からなるクランクシャフト等の自動車用部品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

質量%で、C:0.45〜0.75%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.1〜2.0%、Cu:0.5%以下、Ni:0.5%以下、S:0.01〜0.15%、Cr:0.01〜1.5%、Mo:0.01〜0.5%、V:0.01〜0.5%、Ce+Zr:0.01〜0.05%、Al:0.001〜0.1%、N:0.005〜0.025%であり、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、式(1):90≦100C+27Si+16Mn+20Cr+40Mo+100V≦120式(2):30≧125−144C+10Si−28Mn−49Cr式(3):10≦(Ce+Zr)/O≦30を満たし、熱間鍛造した場合に鋼断面組織パーライトまたはフェライト+パーライトであり、初析フェライト面積率が10%未満である、熱間鍛造用非調質鋼

請求項2

請求項1に記載の熱間鍛造用非調質鋼からなる自動車用部品

請求項3

請求項1に記載の熱間鍛造用非調質鋼からなるクランクシャフト

技術分野

0001

本発明は熱間鍛造用非調質鋼およびその熱間鍛造用非調質鋼からなるクランクシャフト等の自動車用部品に関する。

背景技術

0002

一般的にクランクシャフト等の自動車用部品は鋳造または鍛造にて製造されるが、強度や剛性重視される場合は、炭素鋼または低合金鋼熱間鍛造にて製造したものが使用されている。そして、さらに高強度化が必要な場合は、高周波焼入れ処理ガス軟窒化処理が行われる。

0003

例えば特許文献1には高周波焼入れ処理について記載されている。高周波焼入れ処理は、鋼材表面層オーステナイト組織に加熱した後、急冷してマルテンサイト化し、硬化する方法であるが、熱処理後に変形する可能性があり、その結果、加工費の増加および歩留まりが低下する可能性がある。

0004

また、例えば特許文献2にはガス軟窒化処理について記載されている。ガス軟窒化処理は、アンモニアを含んだ雰囲気中でAl変態点以下の温度(550℃〜650℃程度)に加熱することにより、鋼材表面窒素炭素侵入させ、微細炭窒化物析出させることにより表層硬化する方法である。高周波焼き入れ調質処理焼入、焼戻)に比べて、熱処理歪が小さいという特徴があるが、非常に硬質化合物層が表層にあるために、曲がり矯正加工性の低下ならびに耐焼付性が低下し得る。

0005

このように高周波焼入後軟窒化処理後には曲がり矯正加工を行う必要があり、製造上の大きな制約をなっている。

0006

これに対して特許文献3には、高周波焼入れ軟窒化処理の高強度化処理を施さずにクランクシャフトを製造する方法が記載されている。そして、特許文献3には、鋼材の成分を最適化することで疲労強度耐摩耗性を有することができたと記載されているが、前述の高周波焼入れや軟窒化処理の高強度化処理を施す製造方法によって製造した場合に比べ被削性が不良となる。そのため大幅に切削費が増加してしまい、競争力が低くなる。

先行技術

0007

特開平05−033101号公報
特開2012−026005号公報
特開2004−084061号公報

発明が解決しようとする課題

0008

上記のように、従来、高周波焼入れ処理やガス軟窒化処理のような高強度化処理を施さずに、強度(疲労強度、耐焼付き性)が高位に保たれ、優れた製造性(被削性)をも備える鋼材は提案されていなかった。

0009

本発明は上記のような課題を解決することを目的とする。
すなわち、本発明の目的は、熱間加工後に調質処理(焼入れ焼戻し)を省略することができる非調質鋼であり、熱間鍛造および機械加工により部品形状成形した後、高周波焼入れや軟窒化などの表面硬化処理を省略しても、強度(特に疲労強度および耐摩耗性)と製造性(特に被削性)とが共に優れる熱間鍛造用非調質鋼およびその熱間鍛造用非調質鋼からなるクランクシャフト等の自動車用部品を提供することである。

課題を解決するための手段

0010

本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討し、本発明を完成させた。
本発明は以下の[1]〜[3]である。
[1]質量%で、
C:0.45〜0.75%、
Si:0.01〜1.0%、
Mn:0.1〜2.0%、
Cu:0.5%以下、
Ni:0.5%以下、
S:0.01〜0.15%、
Cr:0.01〜1.5%、
Mo:0.01〜0.5%、
V:0.01〜0.5%、
Ce+Zr:0.01〜0.05%、
Al:0.001〜0.1%、
N:0.005〜0.025%であり、
残部はFeおよび不可避的不純物からなり、
式(1):90≦100C+27Si+16Mn+20Cr+40Mo+100V≦120
式(2):30≧125−144C+10Si−28Mn−49Cr
式(3):10≦(Ce+Zr)/O≦30
を満たし、
熱間鍛造した場合に鋼断面組織パーライトまたはフェライト+パーライトであり、初析フェライト面積率が10%未満である、熱間鍛造用非調質鋼。
[2]上記(1)に記載の熱間鍛造用非調質鋼からなる自動車用部品。
[3]上記(1)に記載の熱間鍛造用非調質鋼からなるクランクシャフト。

発明の効果

0011

本発明によれば、熱間加工後に調質処理(焼入れ・焼戻し)を省略することができる非調質鋼であり、熱間鍛造および機械加工により部品形状に成形した後、高周波焼入れや軟窒化などの表面硬化処理を省略しても、強度(特に疲労強度および耐摩耗性)と製造性(特に被削性)とが共に優れる熱間鍛造用非調質鋼およびその熱間鍛造用非調質鋼からなるクランクシャフト等の自動車用部品を提供することができる。

0012

本発明について説明する。
本発明は、質量%で、C:0.45〜0.75%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.1〜2.0%、Cu:0.5%以下、Ni:0.5%以下、S:0.01〜0.15%、Cr:0.01〜1.5%、Mo:0.01〜0.5%、V:0.01〜0.5%、Ce+Zr:0.01〜0.05%、Al:0.001〜0.1%、N:0.005〜0.025%であり、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、式(1):90≦100C+27Si+16Mn+20Cr+40Mo+100V≦120、式(2):30≧125−144C+10Si−28Mn−49Cr、式(3):10≦(Ce+Zr)/O≦30を満たし、熱間鍛造した場合に鋼断面組織がパーライトまたはフェライト+パーライトであり、初析フェライト面積率が10%未満である、熱間鍛造用非調質鋼である。
このような熱間鍛造用非調質鋼を、以下では「本発明の非調質鋼」ともいう。

0013

本発明の非調質鋼の組成について説明する。

0014

C成分の含有率は0.45〜0.75質量%である。
この含有率が低すぎると本発明の非調質鋼およびこれからなる自動車用部品(クランクシャフトを含む。以下、同様)の強度が低くなる傾向がある。逆に、この含有率が高すぎると、被削性(切削加工性)が低下する傾向がある。

0015

Si成分の含有率は0.01〜1.0質量%である。
Siは鋼溶製時に脱酸剤として利用されるが、この含有率が上記範囲内であると、本発明の非調質鋼およびこれからなる自動車用部品の疲労強度を高めるように作用する。また、この含有率が高すぎると、熱間鍛造性を損ね製造性が低下する傾向がある。また、切削加工前素材熱間鍛造後)の硬さが過剰となり、切削加工性を劣化させる可能性がある。

0016

Mn成分の含有率は0.1〜2.0質量%である。
Mnは脱酸剤として機能し、本発明の非調質鋼の焼入れ性を高めて強度を向上させる。
また、この含有率が高すぎるとマルテンサイト組織現出させやすくし、熱間鍛造後の硬さを高め、被削性の低下を招き、合わせて熱間鍛造性も損ねる可能性がある。
なお、Mnは被削性向上に寄与するMn系硫化物を形成させるために必須の元素である。

0017

Cu成分およびNi成分の含有率は0.5質量%以下である。
これらの成分の含有率は、各々、0.001質量%以上であることが好ましい。
これらの成分の含有率が上記の範囲であると焼入性が高まり、本発明の非調質鋼およびこれからなる自動車用部品の疲労強度が高まる。これらの成分の含有率が高すぎると、熱間鍛造後の硬さが高くなり、被削性が低下し、合わせて熱間鍛造性も損ねる可能性がある。この場合、コストUPに繋がる。また、Cuの多量添加はCuが鋼の粒界偏析することに起因して、熱間割れ誘起される。

0018

S成分の含有率は0.01〜0.15質量%である。
S成分はMnと共に被削性向上に寄与するMn系硫化物の必須形成元素である。S成分の含有率が低すぎると、硫化物の生成量不足して被削性が不十分となる。逆に、S成分の含有率が高すぎると、本発明の非調質鋼の靭性延性が損なわれ、介在物疲労破壊の起点となり、疲労強度特性を劣化させる傾向がある。

0019

Cr成分の含有率は0.01〜1.5質量%である。
Cr成分は焼入性を高めて強度を高め、加えて鋼の疲労強度を高める。Cr成分の含有率が高すぎると、この成分の含有率が高すぎると熱間鍛造性を損ねる可能性があり、また、熱間鍛造後の硬さが高くなり、被削性が低下する可能性がある。この場合、コストUPに繋がる。

0020

Mo成分の含有率は0.01〜0.5質量%である。
Mo成分は焼入性を高めて強度を高め、加えて鋼の疲労強度および靭性を高める。この成分の含有率が高すぎると熱間鍛造性を損ねる可能性があり、また、熱間鍛造後の硬さが高くなり、被削性が低下する可能性がある。この場合、コストUPに繋がる。

0021

V成分の含有率は0.01〜0.5質量%である。
V成分はフェライトを強化し、鋼の疲労強度および靭性を高める。この成分の含有率が高すぎると熱間鍛造性を損ねる可能性があり、また、炭窒化物熱間鍛造後の硬さを高め、被削性を低下させる可能性がある。この場合、コストUPに繋がる。

0022

Ce成分とZr成分の合計含有率(Ce+Zr含有率)は0.01〜0.05質量%である。
この合計含有率が上記の範囲であるとMnSが適切に分散するため好ましい。また、この合計含有率が高すぎると粗大な酸化物が発生する可能性があり、この場合、粗大な酸化物が起点となって亀裂等が生じる可能性があり、その結果、疲労強度が低下する傾向がある。

0023

Al成分の含有率は0.001〜0.1質量である。
Alは鋼溶製時に脱酸剤として利用される。この含有率が高すぎると粗大な酸化物や炭窒化物が発生する可能性があり、この場合、粗大な酸化物が起点となって亀裂等が生じる可能性があり、その結果、疲労強度が低下する傾向がある。

0024

N成分の含有率は0.005〜0.025質量である。
この含有率がこのような範囲であると、N成分はAl成分と結合して窒化物を形成し、この窒化物が微細に析出して熱間鍛造時の結晶粒成長を抑制して強度向上に寄与する。この成分の含有率が高すぎると、その効果は飽和し、却って粗大な炭窒化物が起点となって亀裂が生じる可能性があり、その結果、疲労強度が低下する傾向がある。さらには鋳造時にブローホールなどが発生して、鋼塊健全性が損なわれる可能性がある。

0025

本発明の非調質鋼は、上記のような成分を含み、残部はFeおよび不可避的不純物からなる。
Fe中に含まれ得る不可避的不純物として、例えば、P、Oが挙げられる。
Pは鋼の靭性を低下させる可能性があるので、その含有率は0.04質量%以下とすることが好ましい。
Oは0.01質量%以下とすることが好ましい。粗大な酸化物が起点となって亀裂が生じる可能性があり、その結果、疲労強度が低下する傾向があるからである。

0026

本発明の非調質鋼における各成分は、以下に示す式(1)を満たす。
式(1):90≦100C+27Si+16Mn+20Cr+40Mo+100V≦120
100C+27Si+16Mn+20Cr+40Mo+100Vから算出される値が90未満であると、得られる非調質鋼の疲労強度が低下する傾向があり、逆に、120を超えると、得られる非調質鋼の被削性が低下する傾向があることを、本発明者は見出した。

0027

なお、ここで、100C+27Si+16Mn+20Cr+40Mo+100Vは、100×C含有率+27×Si含有率+16×Mn含有率+20×Cr含有率+40×Mo含有率+100×V含有率を意味する。
後述する式(2)および式(3)においても同様である。

0028

本発明の非調質鋼における各成分は、以下に示す式(2)を満たす。
式(2):30≧125−144C+10Si−28Mn−49Cr
125−144C+10Si−28Mn−49Crから算出される値が30を超えると、得られる非調質鋼の耐摩耗性が低下する傾向があることを、本発明者は見出した。
125−144C+10Si−28Mn−49Crから算出される値は−20以上であることが好ましく、−10以上であることがより好ましい。

0029

本発明の非調質鋼における各成分は、以下に示す式(3)を満たす。
式(3):10≦(Ce+Zr)/O≦30
(Ce+Zr)/Oから算出される値が10未満または30を超えると、得られる非調質鋼の被削性が低下する傾向があることを、本発明者は見出した。
式(3)における下限値は15であることが好ましく、上限値は25であることが好ましい。

0030

本発明の非調質鋼は上記のような組成を備え、さらに熱間鍛造した場合(熱間鍛造直後であって、調質処理を施してないもの)、鋼断面組織がパーライトまたはフェライト+パーライト(フェライトとパーライトとが混在した組成)となるものである。

0031

本発明の非調質鋼は上記のような組成を備え、さらに熱間鍛造した場合(熱間鍛造直後であって、調質処理を施してないもの)における初析フェライト面積率が10%未満であるものである。
初析フェライト面積率は、熱間鍛造後の鋼片樹脂に埋めて固めた後、ピクラール液で腐食したものを、光学顕微鏡を用いて倍率100倍で5視野撮影し、写真画像解析ソフト(WinROOF)を用いて解析して、求めた値を意味するものとする。

0032

このような本発明の非調質鋼は熱間鍛造後の調質処理を省略することができる非調質鋼であり、熱間鍛造および機械加工により部品形状に成形した後の高周波焼入れや軟窒化などの表面硬化処理を省略しても強度(特に疲労強度および耐摩耗性)と製造性(特に被削性)とに優れる。

0033

また、本発明は、上記のような本発明の非調質鋼からなる自動車用部品である。
また、この自動車部品としてクランクシャフトを好適例として挙げられる。
このようなクランクシャフトに代表される自動車用部品は、その製造過程において高周波焼入れや軟窒化などの表面硬化処理を省略することができるので、曲がりが極めて少なくなる。

0034

試験片の製造>
第1表に示す組成となるように150kgの原料を混合し、真空溶解炉で溶製し、1250℃で断面直径が70mmの丸棒鍛伸した。次に、1250℃で加熱し、1050℃の仕上げ温度で、断面が45mm角棒状片に熱間鍛造し、その後、室温まで空冷処理を行った。
このような操作を行って、第1表に示す発明鋼1〜5および比較鋼6〜9の各々に係る試験片を得た。
なお、試験片は、鋼断面組織がパーライトまたはフェライト+パーライトであり、初析フェライト面積率が10%未満であることを確認した。

0035

曲げ強度試験
45mm角片の1/2部から断面直径18mmの丸棒(長さ210mm)を切り出し、平行部径がφ18mmであり、中央に2か所の試験部を設けた試験片を得た。ここで試験部には曲率半径がR2の応力集中部を設けた。また、試験部における平行部径はφ10mmであり、この平行部の長さは約20mmである。そして、試験片を用いて、常温大気中にて、疲労試験装置(装置名:小野式回転曲げ疲労試験機)を用い、2500rpmの条件で疲労試験を行い、各試験片の曲げ強度を測定した。
結果を第1表に示す。

0036

耐摩耗試験
45mm角片から、外径φ25.6mm、内径φ20mm、長さ15mmの筒状試験片を切り出した。そして、45mm角、長さ10mmのAl材相手材とし、ピンリングオンディスク摩擦摩耗試験機を用いて焼付き試験を実施した。ここで、筒状試験片(リング)と相手材(ディスク)は100℃の油に完全に浸した状態で試験した。また、筒状試験片(リング)の摺動速度(回転速度)は2m/sとした。また、試験では滑り速度を固定し、荷重を5kgf/minずつ増加させていき、動摩擦係数(μ)に大きな変化が現われた時点の荷重を焼付き荷重とした。ここで荷重の上限値は350kgfとした。荷重を350kgfまで増加させても動摩擦係数(μ)に変化が無い場合は焼き付きがないと判断できるためである。
結果を第1表に示す。

0037

<被削性試験>
40mm×40mm×199mmの試験片をφ5mmのストレートシャンクドリルで加工し、切屑一個当たりの重量(mg/個)を測定した。そして、30mg/個以上の切屑が発生し、切屑が長いため被削性が悪いものを×、20〜25mg/個の短い切屑が発生し、被削性が良いものを○とした。また、20mg/個未満の短い切屑が発生するものを特に優れるものとして◎とした。
結果を第1表に示す。

0038

0039

第1表に示すように、発明鋼1〜5は、いずれも曲げ強度が高く、耐摩耗性および被削性に優れることがわかる。
発明鋼1〜5のような鋼材は熱間鍛造後の調質処理を省略することができる非調質鋼であり、熱間鍛造および機械加工により部品形状に成形した後の高周波焼入れや軟窒化などの表面硬化処理を省略しても強度(特に疲労強度および耐摩耗性)と製造性(特に被削性)とに優れる。また、高周波焼入れや軟窒化などの表面硬化処理を省略することができるので、発明鋼1〜5の鋼材からなるクランクシャフトのような自動車部材は、曲がりが極めて少なくなる。

実施例

0040

これに対して、比較鋼6は曲げ強度が低い。これは比較鋼6が式(1)を満たさないためと考えられる。曲げ強度は45kgf/mm2以上であれば良く、55kgf/mm2以上であると極めて良いと判断される。
また、比較鋼7は被削性に劣る。これは比較鋼7が式(3)を満たさないためと考えられる。
また、比較鋼8は被削性に劣る。これは比較鋼8が式(1)を満たさないためと考えられる。
さらに、比較鋼9は耐摩耗性に劣る。これは比較鋼9が式(2)を満たさないためと考えられる。

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