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技術 二酸化炭素排出量削減樹脂組成物およびその製造方法

出願人 アクテイブ株式会社
発明者 長浜正光木戸茂佐藤彰
出願日 2017年3月31日 (3年2ヶ月経過) 出願番号 2017-069702
公開日 2017年9月7日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 2017-155239
状態 特許登録済
技術分野 高分子物質の処理方法 高分子組成物
主要キーワード ドア取っ手 材料規格 分間攪拌混合後 自動車構成部品 屋外家具 各処理温度 食品フィルム プラモデル
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

樹脂材料廃棄時の二酸化炭素排出量削減が求められているが、従来の方法で二酸化炭素吸収剤樹脂に分散させても分散性が悪く効果が低いため、分散性を改善することにより、焼却時の二酸化炭素排出量削減効果が高く、軽量で機械的物性の優れた樹脂材料とその製造方法を提供する。

解決手段

二酸化炭素吸収剤と分散助剤を混合して超音波照射処理超臨界流体処理撹拌処理のうち少なくとも1つから選ばれる分散処理を行った後、樹脂に添加することにより二酸化炭素排出量削減効果の高い樹脂材料が得られる。

概要

背景

樹脂材料は、軽量、腐食に強い、成形が容易等の特徴を活かして、フィルムシートボトルを始めとする各種成型品に加工され、日常生活用品から産業用途まで幅広い分野において大量に使用され、我々の生活を支えている。しかし、幅広く大量に普及したため、廃棄時の焼却における有害物質の発生等各種問題を引き起こしている。ここで代表的な有害物質であるダイオキシンの排出問題は、燃焼温度の制御によって解決されてきているが、地球温暖化への影響から排出量削減が強く望まれている二酸化炭素は、燃焼最終生成物の1つであるため、削減が難しいのが現状である。

一方、この焼却への対策として、埋め立てによって自然分解する生分解性樹脂も存在するが、大量に使用される樹脂材料を全て置き換え、埋め立てによって処分することは困難であるため、樹脂廃棄方法は焼却が重要な位置を占めてしまう。

また、廃棄量そのものを削減する方法として、再生利用が行われているが、再生利用はまだ一部であるのと、再利用を重ねるごとに強度等の物性が落ち、最終的に焼却されることとなるため、二酸化炭素排出根本的な解決とはならない。

以上の様な二酸化炭素排出問題を解決するため、二酸化炭素の発生を抑制する化合物を樹脂に配合する方法(例えば特許文献1および2および3参照)が出願されている。
特許文献1では、二酸化炭素の発生を抑制する化合物として炭酸カルシウムアルミノ珪酸塩および水酸化カルシウムを用いている。特許文献2では、ゼオライト、炭酸カルシウム、特定の難燃化剤を用いている。特許文献3では、ココナツ中果皮繊維を用いている。

概要

樹脂材料の廃棄時の二酸化炭素排出量削減が求められているが、従来の方法で二酸化炭素吸収剤を樹脂に分散させても分散性が悪く効果が低いため、分散性を改善することにより、焼却時の二酸化炭素排出量削減効果が高く、軽量で機械的物性の優れた樹脂材料とその製造方法を提供する。二酸化炭素吸収剤と分散助剤を混合して超音波照射処理超臨界流体処理撹拌処理のうち少なくとも1つから選ばれる分散処理を行った後、樹脂に添加することにより二酸化炭素排出量削減効果の高い樹脂材料が得られる。

目的

本発明は、上記の様な従来技術に鑑み、二酸化炭素吸収効果を持った無機化合物または有機化合物の分散性を高めて、焼却時の二酸化炭素排出量の削減効果が高く、軽量で機械的物性に優れた樹脂材料とその製造方法および用途を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

請求項2

前記分散処理は、超臨界流体処理超音波照射処理および撹拌処理のうち少なくとも1つから選ばれる請求項1に記載の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物。

請求項3

二酸化炭素吸収剤と分散助剤との混合物を分散処理後、樹脂に添加してなる二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の製造方法。

請求項4

前記分散処理は、超臨界流体処理、超音波照射処理および撹拌処理のうち少なくとも1つから選ばれる請求項3に記載の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、二酸化炭素排出量削減樹脂組成物およびその製造方法に関するものである。

背景技術

0002

樹脂材料は、軽量、腐食に強い、成形が容易等の特徴を活かして、フィルムシートボトルを始めとする各種成型品に加工され、日常生活用品から産業用途まで幅広い分野において大量に使用され、我々の生活を支えている。しかし、幅広く大量に普及したため、廃棄時の焼却における有害物質の発生等各種問題を引き起こしている。ここで代表的な有害物質であるダイオキシンの排出問題は、燃焼温度の制御によって解決されてきているが、地球温暖化への影響から排出量削減が強く望まれている二酸化炭素は、燃焼最終生成物の1つであるため、削減が難しいのが現状である。

0003

一方、この焼却への対策として、埋め立てによって自然分解する生分解性樹脂も存在するが、大量に使用される樹脂材料を全て置き換え、埋め立てによって処分することは困難であるため、樹脂廃棄方法は焼却が重要な位置を占めてしまう。

0004

また、廃棄量そのものを削減する方法として、再生利用が行われているが、再生利用はまだ一部であるのと、再利用を重ねるごとに強度等の物性が落ち、最終的に焼却されることとなるため、二酸化炭素排出根本的な解決とはならない。

0005

以上の様な二酸化炭素排出問題を解決するため、二酸化炭素の発生を抑制する化合物を樹脂に配合する方法(例えば特許文献1および2および3参照)が出願されている。
特許文献1では、二酸化炭素の発生を抑制する化合物として炭酸カルシウムアルミノ珪酸塩および水酸化カルシウムを用いている。特許文献2では、ゼオライト、炭酸カルシウム、特定の難燃化剤を用いている。特許文献3では、ココナツ中果皮繊維を用いている。

先行技術

0006

特開2008−106171号公報
特開平7−188487号公報
特開2006−77048号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、特許文献1および特許文献2では、有機化合物である樹脂と相溶性の悪い無機化合物を二酸化炭素の発生を抑制する化合物として、通常の方法で押出機によって混練り、配合するため、無機化合物の分散性が悪く、凝集が起こって樹脂の耐衝撃強度の低下を招いてしまう。また、凝集することによって無機化合物の表面積が小さくなるため、アルミノ珪酸塩やゼオライトの空孔に二酸化炭素を吸着させる効果や、水酸化カルシウムと二酸化炭素の化学反応を活かしきれない。そのため、無機化合物による二酸化炭素の吸収量を多くするためには無機化合物の配合量を増やすこととなり、さらに耐衝撃性が落ちて脆い材料となり、樹脂材料の軽いという特長も失われてしまう。
また、特許文献3では、植物由来配合物であるため、耐熱性が低く樹脂成型時の高温で変色や臭いが発生する。従って、成形温度と方法が制限され、樹脂材料の化学的定性と成形が容易であるという特長が失われてしまう。

0008

このように樹脂の特長を活かしたまま焼却時の二酸化炭素排出量を削減することは非常に困難であるが、政府によって二酸化炭素削減量の長期目標発表される等、この問題は、ますます避けて通れないものとなり、今後、樹脂の特長を損なわず、二酸化炭素排出量の削減が可能な樹脂材料の需要が一層増加していくものと考えられる。

0009

本発明は、上記の様な従来技術に鑑み、二酸化炭素吸収効果を持った無機化合物または有機化合物の分散性を高めて、焼却時の二酸化炭素排出量の削減効果が高く、軽量で機械的物性に優れた樹脂材料とその製造方法および用途を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

前記課題を解決するための、本発明の第1の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物は、二酸化炭素吸収剤分散助剤との混合物分散処理後、樹脂に添加してなることを特徴とする。
第2の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物は、前記分散処理を、超臨界流体処理超音波照射処理および攪拌処理のうち少なくとも1つから選ばれることを特徴とする。
第3の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物は、前記二酸化炭素吸収剤、金属水酸化物金属酸化物、アルミノ珪酸塩、チタン酸化合物およびリチウム化合物のうち少なくとも1つから選ばれることを特徴とする。
第4の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物は、前記分散助剤が、脂肪酸金属塩高分子界面活性剤および両新媒性脂質のうち少なくとも1つから選ばれることを特徴とする。
第5の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物は、前記樹脂が、ポリオレフィン係樹脂、ポリエステル系樹脂ポリアミド系樹脂塩化ビリ系樹脂およびポリスチレン系樹脂の少なくとも1つから選ばれることを特徴とする。

0011

前記課題を解決するための、本発明の第1の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の製造方法は、二酸化炭素吸収剤と分散助剤との混合物を分散処理後、樹脂に添加してなることを特徴とする。
第2の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の製造方法は、前記分散処理が、超臨界流体処理、超音波照射処理および攪拌処理の少なくとも1つから選ばれることを特徴とする。
第3の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の製造方法は、前記二酸化炭素吸収剤が、金属水酸化物、金属酸化物、アルミノ珪酸塩、チタン酸化合物およびリチウム化合物のうち少なくとも1つから選ばれることを特徴とする。
第4の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の製造方法は、前記分散助剤が、脂肪酸金属塩、高分子界面活性剤および両親媒性脂質のうち少なくとも1つから選ばれることを特徴とする。
第5の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の製造方法は、前記樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂およびポリスチレン系樹脂のうち少なくとも1つから選ばれることを特徴とする。

0012

また、二酸化炭素吸収剤と分散助剤との混合物を分散処理後、ポリエチレン樹脂に添加してなる二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の用途が、包装容器建築資材農業資材、漁業資材電気部品機械部品雑貨日用品および発泡品であることを特徴とする。
また、二酸化炭素吸収剤と分散助剤との混合物を分散処理後、ポリプロピレンに添加してなる二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の用途が、包装、容器、農業資材、漁業資材、自動車構成部品家電、雑貨・日用品、繊維製品および医療品であることを特徴とする。
また、二酸化炭素吸収剤と分散助剤との混合物を分散処理後、ポリエチレンテレフタレート樹脂に添加してなる二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の用途が、包装、容器、シート、自動車構成部品、雑貨・日用品および繊維製品であることを特徴とする。
また、二酸化炭素吸収剤と分散助剤との混合物を分散処理後、液晶樹脂に添加してなる二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の用途が、容器、漁業資材、電気部品、機械部品、光学部品、自動車構成部品、雑貨・日用品および繊維製品であることを特徴とする。
また、二酸化炭素吸収剤と分散助剤との混合物を分散処理後、ポリアミド樹脂に添加してなる二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の用途が、包装、農業資材、漁業資材、電気部品、機械部品、光学部品、自動車構成部品、雑貨・日用品、繊維製品および医療品であることを特徴とする。
また、二酸化炭素吸収剤と分散助剤との混合物を分散処理後、塩化ビニル樹脂に添加してなる二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の用途が、包装、容器、農業資材、建築資材、自動車構成部品、雑貨・日用品、発泡品、繊維製品および印刷広告であることを特徴とする。
また、二酸化炭素吸収剤と分散助剤との混合物を分散処理後、ポリスチレン樹脂に添加してなる二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の用途が、容器、建築資材、家電、自動車構成部品、雑貨・日用品および発泡品であることを特徴とする。

発明の効果

0013

本発明によれば、二酸化炭素吸収剤と分散助剤との混合物を分散処理後、樹脂に添加することにより、樹脂との相溶性が悪い二酸化炭素吸収剤を凝集させずに樹脂に対して分散させることができ、高い二酸化炭素の吸収効果を有する二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得ることが可能となる。
また、分散性を高くし、樹脂と接触する二酸化炭素吸収剤の表面積を増大できることで、少ない量で高い二酸化炭素の吸収効果が得られるため、樹脂に対する二酸化炭素吸収剤の添加量の削減が可能となり、樹脂本来の軽量、成形の容易性などの特性を損なうことが無く、用途展開を大幅に広げることが可能となる。
さらに、添加する二酸化炭素吸収剤を用途に応じて適宜選択することにより、軽量で耐衝撃性の高い二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の製造が可能となる。

図面の簡単な説明

0014

本発明に係る二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の実施例の評価結果
従来の樹脂組成物の評価結果
二酸化炭素吸収剤の種類における実施例と比較例との二酸化炭素排出量の比較図
分散助剤の種類における実施例と比較例との二酸化炭素排出量の比較
樹脂の種類における実施例と比較例との二酸化炭素排出量の比較
分散処理方法における二酸化炭素排出量の比較
分散処理を行わない場合の分散助剤中の二酸化炭素吸収剤の分散性を示す透過型電子顕微鏡写真
超臨界流体処理を行った場合の分散助剤中の二酸化炭素吸収剤の分散性を示す透過型電子顕微鏡写真
超音波処理を行った場合の分散助剤中の二酸化炭素吸収剤の分散性を示す透過型電子顕微鏡写真
攪拌処理を行った場合の分散助剤中の二酸化炭素吸収剤の分散性を示す透過型電子顕微鏡写真
超臨界流体処理における暴露時間と二酸化炭素吸収剤の平均粒子径との関係
超音波照射処理における照射時間と二酸化炭素吸収剤の平均粒子径との関係
攪拌処理における攪拌時間と二酸化炭素吸収剤の平均粒子径との関係
分散助剤の配合量と二酸化炭素吸収剤の平均粒子径との関係
二酸化炭素吸収剤分散液の配合量と二酸化炭素排出量および衝撃強さとの関係
本発明に係るポリオレフィン系の樹脂を用いた場合の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の用途一覧
本発明に係るポリエステル系の樹脂を用いた場合の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の用途一覧
本発明に係るポリアミド系の樹脂を用いた場合の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の用途一覧
本発明に係る塩化ビニル系の樹脂を用いた場合の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の用途一覧
本発明に係るポリスチレン系の樹脂を用いた場合の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の用途一覧

0015

本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、二酸化炭素吸収剤の分散性を向上させる処理を行い、樹脂に添加することで、燃焼時の二酸化炭素排出量削減効果が高い樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。

0016

すなわち本発明は、二酸化炭素吸収剤と分散助剤を混合して分散処理後、樹脂に添加してなる二酸化炭素排出量削減樹脂組成物およびその製造方法並びにその用途に関するものである。
以下に、その詳細を説明する。

0017

本発明における二酸化炭素吸収剤とは、二酸化炭素を化学的または物理的に吸着する物質であればいかなるものでもよい。例えば、無機化合物では、金属水酸化物、金属酸化物、アルミノ珪酸塩、チタン酸化合物、リチウムシリケートシリカゲルアルミナおよび活性炭が好ましく、有機化合物では、ココナツ中果皮繊維が好ましい。

0018

上記金属水酸化物としては、水酸化リチウム水酸化ナトリウム水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等を挙げることができる。
上記金属酸化物としては、酸化マグネシウム酸化カルシウム酸化亜鉛等を挙げることができる。
上記アルミノ珪酸塩としては、非晶質アルミノシリケート天然ゼオライト合成ゼオライト等を挙げることができる。
上記チタン酸化合物としては、チタン酸バリウムオルソチタン酸バリウム等を挙げることができる。

0019

本発明における分散助剤とは、無機化合物または有機化合物である二酸化炭素吸収剤を樹脂中に効率良く分散できる物質であればいかなるものでもよい。例えば、脂肪酸金属塩、高分子界面活性剤および両親媒性脂質が好ましい。

0020

上記脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸カルシウムステアリン酸亜鉛ステアリン酸マグネシウムステアリン酸アルミニウムステアリン酸バリウムステアリン酸リチウムステアリン酸ナトリウムステアリン酸カリウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム、12−ヒドロキシステアリン酸バリウム、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム、12−ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、12−ヒドロキシステアリン酸カリウム等を挙げることができる。
上記高分子界面活性剤としては、ポリアクリル酸ナトリウムポリカルボン酸ナトリウム、オレフィンマレイン酸共重合体ナトリウム塩ポリオキシエチレン型ジェミニ型界面活性剤(POE30−10−ODEs、POE20−10ODEs、POE10−10−ODEs)、リン酸エステル型ジェミニ型界面活性剤(POH−10−ODEs)、ジカルボン酸型ジェミニ型界面活性剤(DC−10−ODEs)等を挙げることができる。
上記両親媒性脂質としては、ホスファチジルコリンホスファチジルエタノールアミンホスファチジルセリンホスファチジン酸ホスファチジルグリセロールホスファチジルイノシトールカルジオピン卵黄レシチン水添卵黄レシチン、大豆レシチン水添大豆レシチン等のグリセロリン脂質スフィンゴミエリンセラミドホスホリルエタノールアミン、セラミドホスホリルグリセロール等のスフィンゴリン脂質等を挙げることができる。

0021

本発明における分散処理とは、二酸化炭素吸収剤の表面を分散助剤で効率良く覆い、二酸化炭素吸収剤が均一に分散した分散液を調製できる方法であればいかなるものでもよい。
例えば、超臨界流体処理、超音波照射処理および撹拌処理が好ましい。

0022

前記分散液の溶媒としては、水または有機溶媒が好ましい。有機溶媒として具体的には、エタノールジクロロメタンヘキサン等を挙げることができる。

0023

前記超臨界流体処理では、二酸化炭素吸収剤と分散助剤との混合物を超臨界流体暴露することで、二酸化炭素吸収剤の分散性を向上させる。前記超臨界流体としては、超臨界状態の二酸化炭素が好ましい。
本発明における超臨界状態の二酸化炭素とは、臨界温度30.98℃および臨界圧力7.3773MPa以上の超臨界状態にある二酸化炭素を意味する。なお、臨界温度のみ、あるいは臨界圧力のみが臨界条件の二酸化炭素では、超臨界状態とはいわない。
ここで、二酸化炭素吸収剤としての水酸化カルシウムを100重量部、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムを1重量部、分散溶媒としてのイオン交換水20重量部を混合したものに対して、処理圧力20MPa、処理温度25℃、40℃、60℃、120℃および130℃においてそれぞれ15分間の超臨界流体処理を行ったものの透過型電子顕微鏡写真を図8に示す。
なお、写真中の黒い部分は分散助剤に被覆された二酸化炭素吸収剤、白い部分は分散助剤の水溶液である。
各処理温度における超臨界流体処理後の混合物を比較すると、超臨界処理条件を満たしていない処理温度25℃で分散処理を行ったものは、二酸化炭素吸収剤の粒子径が1μm以上であり、分散助剤の水溶液中に二酸化炭素吸収剤が分散せずに凝集している(図8(a)参照)。これに対し、超臨界処理条件を満たしている処理温度40℃で分散処理を行ったものは、二酸化炭素吸収剤の粒子径が100nm程度であり、混合物中の二酸化炭素吸収剤が均一に分散している(図8(b)参照)。このことから、超臨界流体処理では、二酸化炭素が超臨界状態となる圧力および温度の両方が満たされた状態での処理が必要であるといえる。
また、処理温度60℃および処理温度120℃で分散処理を行ったものについては、二酸化炭素吸収剤の粒子径が共に約10nm程であり、高い分散性が得られている(図8(c)および(d)参照)。しかし、処理温度が130℃を超えると、二酸化炭素吸収剤の粒子径が約0.8μmとなり、二酸化炭素吸収剤が凝集していることが分かる。(図8(e)参照)つまり、処理温度は高すぎても悪く、過剰な条件の処理温度では逆に分散効果が抑制されてしまう。

0024

前記超音波照射処理では、二酸化炭素吸収剤と分散助剤との混合物に対して、15KHzから60KHzの周波数、75Wから600W程度の強度の超音波を照射することで、二酸化炭素吸収剤の分散性を向上させる。
ここで、二酸化炭素吸収剤としての水酸化カルシウムを100重量部、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムを1重量部、分散溶媒としてのイオン交換水20重量部を混合したものに対して、60℃の条件下で40KHzの周波数、50W、75W、300W、600Wおよび700Wの強度の超音波においてそれぞれ30分間の超音波照射処理を行ったものの透過型電子顕微鏡写真を図9に示す。
各強度における超音波照射処理後の混合物を比較すると、50Wの強度の超音波照射で分散処理を行ったものは、二酸化炭素吸収剤の粒子径が約1μmであり、処理後の混合物中の二酸化炭素吸収剤が分散せずに凝集している(図9(a)参照)。これに対し、75Wの強度の超音波照射で分散処理を行ったものは、二酸化炭素吸収剤の粒子径が150nm程度であり、混合物中の二酸化炭素吸収剤が均一に分散している(図9(b)参照)。
また、300Wおよび600Wの強度での超音波照射では、二酸化炭素吸収剤の粒子径が共に約80nm程であり、高い分散性が得られている(図9(c)および(d)参照)。しかし、700Wの強度での超音波照射では、二酸化炭素吸収剤の粒子径が約1μmとなり、二酸化炭素吸収剤が凝集していることが分かる(図9(e)参照)。
このことから、超音波照射処理では、75Wから600Wの強度での超音波照射が好ましく、これよりも弱い強度の超音波照射では、十分な分散効果が得られず、反対にこれよりも強い強度の超音波照射では、分散助剤の機能が失われるため好ましくないといえる。

0025

また、前記攪拌処理では、二酸化炭素吸収剤と分散助剤との混合物を1,000rpmないし20,000rpmの回転速度で攪拌することで、二酸化炭素吸収剤の分散性を向上させる。
ここで、二酸化炭素吸収剤としての水酸化カルシウムを100重量部、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムを1重量部、分散溶媒としてのイオン交換水20重量部を混合したものに対して、60℃の条件下で500rpm、1,000rpm、15,000rpm、20,000rpmおよび25,000rpmの回転速度においてそれぞれ30分間の攪拌処理を行ったものの透過型電子顕微鏡写真を図10に示す。
各回転速度における攪拌処理後の混合物を比較すると、500rpmの回転速度で処理を行ったものは、二酸化炭素吸収剤の粒子径にバラツキが見られ、大きいものでは3μm以上となり、混合物中の二酸化炭素吸収剤が分散せずに凝集している(図10(a)参照)。これに対し、1,000rpmの回転速度で処理を行ったものは、二酸化炭素吸収剤に粒子径が100nm程度であり、混合物中の二酸化炭素吸収剤が均一に分散している(図10(b)参照)。
また、15,000rpmおよび20,000rpmの回転速度で処理を行ったものは、二酸化炭素吸収剤の粒子径が共に60nm程であり、高い分散性が得られている(図10(c)および(d)参照)。しかし、25,000rpmの回転速度で処理を行ったものは、二酸化炭素吸収剤の粒子径が約0.8μmとなり、二酸化炭素吸収剤が凝集していることが分かる(図10(e)参照)。
このことから、攪拌処理では、1,000rpmから20,000rpmの回転速度での処理が好ましく、これよりも遅い回転速度での処理では、回転速度が足りずに十分な分散が起こらず、二酸化炭素吸収剤が凝集し、反対にこれよりも早い回転速度では、分散助剤が二酸化炭素吸収剤の表面を被覆するのを妨げて、二酸化炭素吸収剤に凝集がおこるため好ましくない。

0026

本発明における樹脂は、一般に使用される樹脂であればいかなるものでもよい。例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂が好ましい。

0027

上記の成分と分散処理によって二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を製造するには、次のようにすれば良い。

0028

まず、二酸化炭素吸収剤と分散助剤を水または有機溶媒と混合し、超臨界流体処理、超音波照射処理および撹拌処理のいずれかよって二酸化炭素吸収剤分散液を製造する。この時、二酸化炭素吸収剤が均一に分散されると混合物が透明性を有するようになる。
混合比は、二酸化炭素吸収剤100重量部に対して分散助剤は0.1〜10重量部であることが好ましい。さらに、分散助剤が0.1〜5重量部であることが最も好ましい。
なお、二酸化炭素吸収剤に対する分散助剤の添加量がこれよりも少ないと、製造される混合物である二酸化炭素吸収剤分散液中の二酸化炭素吸収剤が十分に分散せず、最終的に混合される樹脂に対する分散性が悪くなり、二酸化炭素の吸収量が低くなるからである。
また、前記添加量がこれよりも多くなると、二酸化炭素吸収剤の十分な濃度の二酸化炭素吸収剤分散液が得られず、樹脂へ添加する二酸化炭素吸収剤分散剤の必要濃度を満たすには、その添加量が多くなり、結局混練りしづらくなるからである。

0029

超臨界流体処理を行う場合、上記混合物に対して、二酸化炭素下で30.98℃以上の温度まで加温し、7.37MPa以上の温度で1分ないし12時間行うことが好ましく、60℃ないし120℃の温度で10分から1時間行うことが最も好ましい。
ここで、処理温度60℃、処理圧力20MPaでの超臨界流体処理の暴露時間における粒度分布測定を行い、その結果から各暴露時間の平均粒子径を算出し、その結果から得られた暴露時間と平均粒子径との関係を図11に示す。
暴露時間が10分よりも短い場合すなわち0.1分、0.5分および1分の場合、分散助剤に対する二酸化炭素吸収剤の分散性が不十分で凝集が起こり、二酸化炭素吸収剤の平均粒子径が約400nmから700nmと大きいことが分かる。また、暴露時間が1時間よりも長い場合すなわち2時間から24時間では、暴露時間1時間の場合とほとんど平均粒子径に違いは認められなかった。

0030

また、超音波照射処理を行う場合、前記混合物に対して、40℃ないし80℃の条件下で、15KHzないし60KHzの周波数、75Wないし600W程度の強度の超音波を5分間から60分間照射することが好ましく、40KHzの周波数、300Wの強度の超音波を30分間照射することが最も好ましい。
ここで、60℃の条件下で40KHzの周波数、300Wの強度の超音波での超音波照射処理の照射時間における粒度分布測定を行い、その結果から各照射時間の平均粒子径を算出し、その結果から得られた照射時間と平均粒子径との関係を図12に示す。
照射時間が5分よりも短い場合すなわち0.1分、0.5分および1分の場合、分散剤に対する二酸化炭素吸収剤の分散性が不十分で凝集が起こり、二酸化炭素吸収剤の平均粒子径が約400nmから約800nmと大きいことが分かる。また、照射時間が60分よりも長い場合すなわち90分、120分および180分では、照射時間60分の場合とほとんど平均粒子径に違いは認められなかった。

0031

また、攪拌処理を行う場合、前記混合物混合物に対して、40℃ないし80℃程度の温度条件下で、1,000rpmないし20,000rpm程度の回転速度で5分間から60分間攪拌することが好ましく、60℃の温度下で、15,000rpmの回転速度で30分間攪拌することが最も好ましい。
ここで、60℃、15000rpmの回転速度での攪拌処理の攪拌時間における粒度分布測定を行い、その結果から各攪拌時間の平均粒子径を算出し、その結果から得られた攪拌時間と平均粒子径との関係を図13に示す。
攪拌時間が5分よりも短い場合すなわち0.1分、0.5分および1分の場合、分散剤に対する二酸化炭素吸収剤の分散性が不十分で凝集が起こり、二酸化炭素吸収剤の平均粒子径が約400nmから約900nmと大きいことが分かる。また、攪拌時間が60分よりも長い場合すなわち90分、120分および180分では、攪拌時間30分の場合とほとんど平均粒子径に違いは認められなかった。

0032

また、二酸化炭素吸収剤としての水酸化カルシウム100重量部、イオン交換水20重量部に対して、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムを50、20、10、5、1、0.5、0.1、0.05および0.01重量部で変化させ、処理温度60℃、処理圧力20MPaで超臨界流体処理を15分間行い、その時の分散助剤の配合量と二酸化炭素吸収剤の平均粒子径との関係を図14に示す。
分散助剤が50重量部では、平均粒子径が1μm以上となり、二酸化炭素吸収剤が凝集している。分散助剤が20重量部以下では、徐々に二酸化炭素吸収剤の平均粒子径が小さくなり、1重量部で最も小さくなっている。
その後、再び平均粒子径が大きくなり、0.01重量部では約500nmと二酸化炭素吸収剤に凝集が起こっている。
このことから、二酸化炭素吸収剤100重量部に対して、分散助剤は、0.1〜5重量部添加されることが好ましいといえる。

0033

また、二酸化炭素吸収剤としての水酸化カルシウム100重量部、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム1重量部、分散媒体としてのイオン交換水20重量部に対して、処理温度60℃、処理圧力20MPaで超臨界流体処理を15分間行って得られた二酸化炭素吸収剤分散液を、樹脂としての低密度ポリエチレン100重量部に対して0.001、0.01、0.1、1、10、20、30、40、50、60および70重量部混合して得られた二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の二酸化炭素吸収剤分散液の配合量と衝撃強さとの関係および二酸化炭素吸収剤分散液の配合量と二酸化炭素排出量との関係を図15に示す。
なお、図15において、二酸化炭素吸収剤分散液の配合量が0.001、0.01、0.1、1、10、20および30重量部のとき、引張衝撃強さ試験において破壊しない強度であることを確認した。
衝撃強さは、二酸化炭素吸収剤分散液の配合量が増加するにしたがって強度が低下し、40重量部では、20kJ/m2、50重量部では、12kJ/m2、60重量部では、6kJ/m2、70重量部では、2kJ/m2で破壊した。
反対に、二酸化炭素排出量は、二酸化炭素吸収剤分散液の配合量が増加するしたがって二酸化炭素排出量が減少し良好な値を示している。
このことから、衝撃強さが良好で二酸化炭素排出量の削減量に優れた二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得るためには、樹脂100重量部に対して、二酸化炭素吸収剤分散液を0.1〜40重量部添加されることが好ましいといえる。

0034

上記の操作で得られた各種二酸化炭素吸収剤分散液を樹脂に対して、毎分100ml程度で噴霧しながら添加するとともにミキサーで15分間程度撹拌して混合物を得る。その後、当該混合物を二軸押出機単軸押出機加熱型三本ロール加熱加圧ニーダーバンバリーミキサー等を用いて通常の方法で混練りすることにより、本発明の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物のペレットを得ることができる。

0035

次に、上記のようにして製造された二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の用途を下記および図16図17図18図19および図20に列挙するが、その用途は、記載項目に限定されるものではない。

0036

本発明の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の用途としては、二酸化炭素吸収剤と分散助剤との混合物を分散処理後、ポリエチレン樹脂に添加してなる二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の場合、包装(フィルム、レジ袋ゴミ袋包装テープロープ、等)、容器(化粧品容器薬品容器食品容器カップ等)、建築資材(水道パイプ断熱材パネルパレットホース養生シート等)、農業資材(ビニールハウス被覆材マルチフィルム米袋肥料袋飼料袋土嚢袋育苗ポットプランター植木鉢等)、漁業資材(漁網釣り糸等)電気部品(コンデンサー電線被覆材等)、機械部品(ローラスクリュー軸受等)、雑貨・日用品(ショッピングバック文房具バケツ造花等)、発泡品(発泡緩衝材クッション材吸音材静電気対策発泡間紙保温材断熱材等)等である。

0037

また、二酸化炭素吸収剤と分散助剤との混合物を分散処理後、ポリプロピレンに添加してなる二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の場合は、包装(テープバンド、フィルム、プラスチック段ボールなど)、容器(化粧品ボトル、薬品容器、トレイなど)、農業資材(プランターなど)、漁業資材(海洋用途のロープ、漁網など)、自動車構成部品(計器パネル内装エアバッグカバーバンパーなど)、家電(冷蔵庫内装、洗濯機外装テレビラジオの外装など)、雑貨・日用品(各種ケースアイスクーラースーツケースなど)、文房具、レジャー用食器玩具スポーツ用品人工芝屋外家具など)、繊維製品(衣類下着アンダーシャツなど))、医療品(医療用衣類注射器シリンジなど)等である。

0038

また、二酸化炭素吸収剤と分散助剤との混合物を分散処理後、ポリエチレンテレフタレート樹脂に添加してなる二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の場合は、包装(テープ、ブリスターパック食品包装フィルムなど)、容器(飲料ボトル、化粧品ボトル、その他汎用ボトルなど)、シート(カード、ラベル磁気テープ基材など)、自動車構成部品(タイヤコードシートベルトなど)、雑貨・日用品(レインコートテントなど)、繊維製品(クッション中綿寝具中綿、衣類、縫い糸など)等である。

0039

また、二酸化炭素吸収剤と分散助剤との混合物を分散処理後、液晶樹脂に添加してなる二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の場合は、容器(溶媒容器、溶媒輸送部品精密機器ケースなど)、漁業資材(漁網など)、電気部品(プリント基板コネクタボビン光ピックアップ部品のケース、マイクロモータ部品、フィルム状電子回路基板など)、機械部品(コンプレッサー部品、ショックアブソーバー構成部品パソコン複写機プリンタ内部構成部品回転機器の軸受、油圧機構シールパッキンコンパウンド燃料電池構成部品)、光学部品(光学フィルム光ファイバー構成材料など)、自動車構成部品(電装部品塗装など)、雑貨・日用品(ストリングコーティングなど)、繊維製品(不織布など)等である。

0040

また、二酸化炭素吸収剤と分散助剤との混合物を分散処理後、ポリアミド樹脂に添加してなる二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の場合は、包装(食品フィルムなど)、農業資材(ネットテグス、ホース、ロープなど)、漁業資材(漁網、釣り糸など)、電気部品(クランプ照明部材など)、機械部品(パイプ搬送用ローラナイロンリベット、ナイロンプラグ冷却用ファンなど)、光学部品(レンズライト美術品装飾品など)、自動車構成部品(エアバッグエンジンカバードアミラーステイドアハンドルカバー、内装(シート、カバーなど)、タイヤコードなど)、雑貨・日用品(ドア取っ手、くし、ナイフフォーク椅子キャスター歯ブラシの毛など)、繊維製品(カーテンカーペットスポーツウェア水着スキーウェアなど)、下、肌着など)、医療品(手洗ブラシ、ほ乳瓶、チューブなど)等である。

0041

また、二酸化炭素吸収剤と分散助剤との混合物を分散処理後、塩化ビニル樹脂に添加してなる二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の場合は、包装(ブリスターパッケージなど)、容器(トレイ、シャンプー容器洗剤容器など)、農業資材(ハウス被覆材保温シートなど)、建築資材(パイプ(硬質軟質水道用パイプ雨どいなど)、壁紙、電線被覆材など)、自動車構成部品(アンダーコートなど)、雑貨・日用品(人工皮革カバン、靴など)、文房具(消しゴムなど)、玩具(フィギアなど)など)、発泡品(クッション材、風力発電ブレード芯材鉄道車両特殊車両・船舶の壁部の芯材など)、繊維製品(衣類など)、印刷・広告(印刷用ラミネートフィルム、ラベルなど)等である。

0042

また、二酸化炭素吸収剤と分散助剤との混合物を分散処理後、ポリスチレン樹脂に添加してなる二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の場合は、容器(食品包装容器、トレイ、レジャー用コップ、レジャー用スプーン・フォークなど)、建築資材(壁断熱材など)、家電(テレビの筐体エアコンの外装、CDケースなど)、自動車構成部品(ランプレンズなど)、雑貨・日用品(歯ブラシの柄、玩具(プラモデルなど)、文房具(ペン定規など)など)、発泡品(緩衝材など)等である。

0043

以下、実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する。なお、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。

0044

(実施例1)
二酸化炭素吸収剤として水酸化カルシウム100重量部、分散助剤として12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム1重量部、イオン交換水20重量部を60℃に保たれた高圧ステンレス容器に入れて密閉し、圧力が20MPaになるように二酸化炭素を注入して超臨界状態とし、温度と圧力を保ちながら15分間攪拌混合後、二酸化炭素を排出して大気圧に戻す超臨界処理を行い、二酸化炭素吸収剤分散液を得た。次に、低密度ポリエチレン樹脂(株式会社プライムポリマー製モアテック0168N)100重量部に対し二酸化炭素吸収剤分散液30重量部を毎分100mlで噴霧しながらミキサーで15分間攪拌処理した。これを真空で乾燥させて水分を取り除き、軸内径30mmの2軸押出機で混練りし、ペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例1における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例1とする。

0045

(実施例2)
実施例1において、二酸化炭素吸収剤としての水酸化カルシウムを酸化カルシウムに変えて超臨界処理を行い、得られた二酸化炭素吸収剤分散液を低密度ポリエチレン樹脂に添加してペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例2における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例2とする。

0046

(実施例3)
実施例1において、二酸化炭素吸収剤としての水酸化カルシウムを非晶質アルミノシリケートに変えて超臨界処理を行い、得られた二酸化炭素吸収剤分散液を低密度ポリエチレン樹脂に添加してペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例3における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例3とする。

0047

(実施例4)
実施例1において、二酸化炭素吸収剤としての水酸化カルシウムをチタン酸バリウムに変えて超臨界処理を行い、得られた二酸化炭素吸収剤分散液を低密度ポリエチレン樹脂に添加してペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例4における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例4する。

0048

(実施例5)
実施例1において、二酸化炭素吸収剤としての水酸化カルシウムをリチウムシリケートに変えて超臨界処理を行い、得られた二酸化炭素吸収剤分散液を低密度ポリエチレン樹脂に添加してペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例5における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例5とする。

0049

(実施例6)
実施例1において、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(脂肪酸金属塩)をホスファチジルコリン(両親媒性脂質)に変えて超臨界処理を行い、得られた二酸化炭素吸収剤分散液を低密度ポリエチレン樹脂に添加してペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例6における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例6とする。

0050

(実施例7)
実施例1において、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(脂肪酸金属塩)をオレフィン・マレイン酸共重合体ナトリウム塩(高分子界面活性剤)に変えて超臨界処理を行い、得られた二酸化炭素吸収剤分散液を低密度ポリエチレン樹脂に添加してペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例7における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例7とする。

0051

(実施例8)
実施例3において、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(脂肪酸金属塩)をホスファチジルコリン(両親媒性脂質)に変えて超臨界処理を行い、得られた二酸化炭素吸収剤分散液を低密度ポリエチレン樹脂に添加してペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例8における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例8とする。

0052

(実施例9)
実施例3において、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(脂肪酸金属塩)をポリアクリル酸ナトリウム(高分子界面活性剤)に変えて超臨界処理を行い、得られた二酸化炭素吸収剤分散液を低密度ポリエチレン樹脂に添加してペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例9における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例9とする。

0053

(実施例10)
実施例1において、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(脂肪酸金属塩)をポリオキシエチレン型ジェミニ型界面活性剤であるPOE30−10−ODEs(高分子界面活性剤)に代えて超臨界処理を行い、得られた二酸化炭素吸収剤分散液を低密度ポリエチレン樹脂に添加してペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例10における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例10とする。

0054

(実施例11)
実施例1において、超臨界処理後に得られた二酸化炭素吸収剤分散液をPET樹脂(帝人化成株式会社製、A−PET FR)に添加してペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例11における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例11とする。

0055

(実施例12)
実施例1において、超臨界処理後に得られた二酸化炭素吸収剤分散液をナイロン6樹脂(東レ株式会社製、アミランCM1017)に添加してペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例12における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例12とする。

0056

(実施例13)
実施例1において、超臨界処理後に得られた二酸化炭素吸収剤分散液をPVC樹脂サンアロー化成株式会社製、SE−1100)に添加してペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例13における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例13とする。

0057

(実施例14)
実施例1において、超臨界処理後に得られた二酸化炭素吸収剤分散液をPS樹脂(PSジャパン株式会社製、HIPS 475D)に添加してペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例14における前記超臨界処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例14とする。

0058

(実施例15)
二酸化炭素吸収剤としての水酸化カルシウム100重量部、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム1重量部、イオン交換水20重量部をガラス製容器に入れ、60℃の条件下において、超音波ホモジナイザーにて40KHzの周波数、出力300Wの超音波を15分間照射する超音波照射処理を行い、二酸化炭素吸収剤分散液を得た。次に、低密度ポリエチレン樹脂100重量部に対し、二酸化炭素吸収剤分散液30重量部を毎分100mlで噴霧しながらミキサーで15分間攪拌処理した。これを真空で乾燥させて水分を取り除き、軸内径30mmの2軸押出機で混練りし、ペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例15における前記超音波照射処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例15とする。なお、比較例15は、比較例1と同一のものである。

0059

(実施例16)
実施例15において、二酸化炭素吸収剤として非晶質アルミノシリケート、分散助剤としてホスファチジルコリン(両親媒性脂質)を混合した混合物に対して超音波照射処理を行い、得られた二酸化炭素吸収剤分散液を用いて、実施例15と同様の製造方法でペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂を得た。
また、実施例16における前記超音波照射処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例16とする。なお、比較例16は、比較例8と同一のものである。

0060

(実施例17)
二酸化炭素吸収剤としての水酸化カルシウム100重量部、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム1重量部、イオン交換水20重量部をステンレス容器に入れ、60℃の条件下において、攪拌機エムテクニック株式会社製、CLEARMIX CLM−0.8S)にセットし回転数10,000rpmで30分間攪拌する攪拌処理を行い、二酸化炭素吸収剤分散液を得た。次に、低密度ポリエチレン樹脂100重量部に対し、二酸化炭素吸収剤分散液30重量部を毎分100mlで噴霧しながらミキサーで15分間攪拌処理した。これを真空で乾燥させて水分を取り除き、軸内径30mmの2軸押出機で混練りし、ペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例17における前記攪拌処理行程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例17とする。なお、比較例17は、比較例1と同一である。

0061

(実施例18)
実施例17において、二酸化炭素吸収剤として非晶質アルミノシリケート、分散助剤としてホスファチジルコリン(両親媒性脂質)を混合した混合物に対して攪拌処理を行い、得られた二酸化炭素吸収剤分散液を用いて、実施例17と同様の製造方法でペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂を得た。
また、実施例18における攪拌処理工程を除く全行程を行って得た樹脂組成物を比較例18とする。なお、比較例18は、比較例8と同一である。

0062

(実施例19)
有機化合物の二酸化炭素吸収剤としてのココナツ中果皮繊維100重量部、分散助剤としての12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム1重量部、イオン交換水20重量部をステンレス容器に入れ、60℃の条件下において、攪拌機(エム・テクニック株式会社製、CLEARMIX CLM−0.8S)にセットし回転数10,000rpmで30分間攪拌する攪拌処理を行い、二酸化炭素吸収剤分散液を得た。次に、低密度ポリエチレン樹脂(株式会社プライムポリマー製、モアテック0168N)100重量部に対し、二酸化炭素吸収剤分散液30重量部を毎分100mlで噴霧しながらミキサーで15分間攪拌処理した。これを真空で乾燥させて水分を取り除き、軸内径30mmの2軸押出機で混練りし、ペレット状の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物を得た。
また、実施例19における前記撹拌処理行程を行わずに全行程を行って得た樹脂組成物を比較例19とする。

0063

上記実施例1ないし実施例19の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物および比較例1ないし比較例19の樹脂組成物に対して、引張衝撃強さ測定(JISK7160に記載の方法)、引張降伏応力測定(JISK7161に記載の方法)、曲げ弾性率測定(JISK7171に記載の方法)および二酸化炭素排出量測定(JISK7217に記載の方法)による評価を行った。以下に詳しい評価方法を説明する。

0064

評価方法
(衝撃強さ測定)
測定には、デジタル衝撃試験機DR−IB試験機(株式会社東洋精機製作所製)を用いて行った。
試験片は、JIS規格材料規格に従って、ペレット状の実施例1ないし実施例19の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物および比較例1ないし比較例19樹脂組成物を射出成形により長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmのノッチ付きの板状に直接型成形もしくは、一旦、圧縮成型または射出成形によって板材を成形後、切削加工により前記寸法の試験片を作製する。測定は、試験片の一端を台座に固定されたつかみ具、他端を移動可能なクロスヘッド支持台にそれぞれ固定し、任意の重さのストライカ衝撃速度3.46m/sで前記クロスヘッド支持台に衝突させて行う。なお、測定は各10回ずつ行った。

0065

(引張降伏応力測定)
測定には、ストログラフHT試験機(株式会社東洋精機製作所製)を用いて行った。
試験片は、JIS規格の材料規格に従って、ペレット状の実施例1ないし実施例19の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物および比較例1ないし比較例19の樹脂組成物を射出成形により20mm×5mmの平行部を有する、長さ100mm、幅25mm、厚さ4mmのダンベル状板状試験片に直接型成形もしくは、一旦、圧縮成型または射出成形によって板材を成型後、切削加工により前記寸法の試験片を作製する。測定は、試験片の両端を固定し、試験片の長さ方向に一定の引張加重を加えて、各瞬間における応力とその応力に対応するひずみを測定し、応力−ひずみ曲線図から降伏点における降伏応力を求める。なお、測定は各5回ずつ行った。

0066

(曲げ弾性率測定)
測定には、ベントグラフ−2試験機(株式会社東洋精機製作所製)を用いて行った。
試験片は、JIS規格の材料規格に従って、ペレット状の実施例1ないし実施例19の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物および比較例1ないし比較例19の樹脂組成物を射出成形により長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmの板状試験片に直接型成形もしくは、一旦、圧縮成型または射出成形によって板材を成形後、切削加工により前記寸法の試験片を作製する。測定は、試験片の両端を64mmの支点間隔で自由支持し、支点間の中央に加圧くさびにより曲げ加重(試験応力)を加えて、破壊応力およびたわみを測定する。なお、測定は各5回ずつ行った。

0067

(二酸化炭素排出量測定)
測定には、プラスチック燃焼試験機(株式会社スギヤマゲン製)を用いて行った。
試料は、重量0.1gの試験片の実施例1ないし実施例19の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物および比較例1ないし比較例19の樹脂組成物を用いた。測定は、0.1gの試料を、ガス供給量0.5L/min、設定温度750℃の条件下で10分間燃焼させ、その際に発生した二酸化炭素の総排出量を測定する。なお、測定は各3回ずつ行った。

0068

図1には、実施例の二酸化炭素排出量、引張降伏応力、曲げ弾性率および引張衝撃強さの評価結果、図2には、比較例の二酸化炭素排出量、引張降伏応力、曲げ弾性率および引張衝撃強さの評価結果をそれぞれ示す。なお、各評価結果は、測定回数に対する平均の値を記載する。

0069

いずれの二酸化炭素吸収剤、分散助剤および樹脂の組み合わせにおいても、二酸化炭素吸収剤と分散助剤からなる混合物に対して分散処理を行った各実施例が、分散処理を行わなかった各比較例と比較して二酸化炭素排出量が大幅に減少していることが分かる。
また、各実施例では、引張降伏応力、曲げ弾性率および引張衝撃強さの機械的性質においても各比較例と比べて良好な値を示した。
さらに、各実施例に用いた樹脂単体機械的強度を100%として各実施例の機械的強度を比較すると、多くは90〜70%であり、十分な機械的強度を備えていることを確認した。中には、機械的強度が劣るものもあるが、当該負荷が作用しない用途に用いるとよい。

0070

本発明の二酸化炭素排出量削減性能をさらに詳しく説明するために、二酸化炭素吸収剤の種類、分散助剤の種類、樹脂の種類および分散処理方法の種類における二酸化炭素排出量の比較を以下に考察する。

0071

(二酸化炭素吸収剤の種類における二酸化炭素排出量の比較)
二酸化炭素吸収剤を水酸化カルシウム(実施例1および比較例1)、酸化カルシウム(実施例2および比較例2)、非晶質アルミノシリケート(実施例3および比較例3)、チタン酸バリウム(実施例4および比較例4)およびリチウムシリケート(実施例5および比較例5)とした場合の二酸化炭素排出量の削減量を比較する。
なお、このとき分散助剤には、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、樹脂には低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)を用いた。
図3に示すように、いずれの二酸化炭素吸収剤においても大幅な二酸化炭素排出量の削減が認められ、水酸化カルシウムの場合51.6%、酸化カルシウムの場合52.5%、非晶質アルミノシリケートの場合56.4%、チタン酸バリウムの場合55.0%およびリチウムシリケートの場合53.4%の排出量削減を実現している。
特に、アルミノケイ酸塩一種である非晶質アルミノシリケートにおいては、56.4%と最も良好な結果を示した。

0072

(分散助剤の種類における二酸化炭素排出量の比較)
また、二酸化炭素吸収剤を水酸化カルシウムとし、分散助剤を12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(実施例1および比較例1)、ホスファチジルコリン(実施例6および比較例6)、オレフィン・マレイン酸共重合体ナトリウム塩(実施例7および比較例7)およびPOE30−10−ODEs(実施例10および比較例10)とした場合の二酸化炭素排出量の削減量を比較する。
図4(a)に示すように、いずれの分散助剤においても大幅な二酸化炭素排出量の削減が認められ、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムの場合51.6%、ホスファチジルコリンの場合52.5%、オレフィン・マレイン酸共重合体ナトリウム塩の場合51.8%およびPOE30−10−ODEsの場合53.8%の排出量削減を実現している。
特に、高分子界面活性剤であるPOE30−10−ODEsにおいては、53.8%と最も良好な結果を示した。

0073

さらに、前記二酸化炭素吸収剤において最も良好な削減量を示した、非晶質アルミノシリケートを二酸化炭素吸収剤として、分散助剤を12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(実施例3および比較例3)、ホスファチジルコリン(実施例8および比較例8)およびポリアクリル酸ナトリウム(実施例9および比較例9)とした場合の二酸化炭素排出量の削減量を比較する。
図4(b)に示すように、二酸化炭素吸収剤を水酸化カルシウムとした場合よりも全体として良好な値を示し、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムの場合56.4%、ホスファチジルコリンの場合51.5%およびポリアクリル酸ナトリウムの場合55.0%の排出量削減を実現している。
特に、脂肪酸金属塩である12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムにおいて56.4%と最も良好な結果を示した。

0074

この評価結果では、わずかながらに二酸化炭素吸収剤と分散助剤とに効果的な組み合わせが認められるものの、いずれの組み合わせにおいても組み合わせによる二酸化炭素排出量の削減量に大きな差がないことを示している。

0075

(樹脂の種類における二酸化炭素排出量の比較)
また、二酸化炭素吸収剤を水酸化カルシウム、分散助剤を12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムとした混合物を低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)(実施例1および比較例1)、PET樹脂(実施例11および比較例11)、ナイロン6樹脂(実施例12および比較例12)、ポリ塩化ビニリデン樹脂PVC)(実施例13および比較例13)およびポリスチレン樹脂(PS)(実施例14および比較例14)とした場合の二酸化炭素排出量の削減量を比較する。
図5に示すように、樹脂による効果の違いはほとんどなく、いずれの樹脂においても大幅な二酸化炭素排出量の削減が認められ、LLDPEの場合51.6%、PETの場合42.0%、ナイロン6の場合52.0%、PVCの場合51.3%およびPSの場合52.5%の排出量削減を実現している。

0076

(分散処理方法の種類における二酸化炭素排出量の比較)
また、二酸化炭素吸収剤を水酸化カルシウム、分散剤を12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムとした混合物に対し、分散処理を行わないもの(比較例1)、超臨界流体処理を行ったもの(実施例1)、超音波照射処理を行ったもの(実施例15)、攪拌処理を行ったもの(実施例17)について二酸化炭素排出量の削減量を比較する。
図6(a)に示すように、いずれの分散処理方法においても、分散処理を行わないものと比較して二酸化炭素排出量が半分程度にまで減少しており、超臨界流体処理の場合51.6%、著音波照射処理で場合51.6%、攪拌処理の場合51.9%の排出量削減を実現している。

0077

さらに、二酸化炭素吸収剤を非晶質アルミノシリケート、分散助剤をホスファチジルコリンとした混合物に対し、分散処理を行わないもの(比較例8)、超臨界流体処理を行ったもの(実施例8)、超音波照射処理を行ったもの(実施例16)、攪拌処理を行ったもの(実施例18)について二酸化炭素排出量の削減量を比較する。
図6(b)に示すように、いずれの分散処理方法においても、二酸化炭素吸収剤を水酸化カルシウム、分散剤を12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムとした場合と同様に、分散処理を行わないものと比較して二酸化炭素排出量が半分程度にまで減少しており、超臨界流体処理の場合51.5%、超音波照射処理の場合53.5%、攪拌処理の場合51.5%の排出量削減を実現している。

0078

このことから、分散処理方法の種類に関係なく、二酸化炭素吸収剤と分散助剤との混合物に対して分散処理を行い、樹脂に対する二酸化炭素吸収剤の分散性を高めることにより、得られた二酸化炭素排出量削減樹脂組成物の二酸化炭素排出量が50%程度削減されるという極めて有用な評価結果が得られた。

0079

このような、本発明の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物によれば、樹脂本来の特長も有していることから、既存の樹脂製品の二酸化炭素排出量削減樹脂組成物への転換が容易であり、地球温暖化抑制に対する早期効果を実現することができる。

実施例

0080

なお、本発明は、前記実施形態のものに限定されるものはなく、必要に応じて種々変更することが可能である。

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