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技術 軽油の製造方法

出願人 JXTGエネルギー株式会社一般財団法人石油エネルギー技術センター
発明者 小出隆太郎岩波睦修木村信治齊藤基
出願日 2016年2月29日 (4年0ヶ月経過) 出願番号 2016-037682
公開日 2017年9月7日 (2年6ヶ月経過) 公開番号 2017-155088
状態 特許登録済
技術分野 石油精製,液体炭化水素混合物の製造
主要キーワード 昇温幅 流出分 ビチュメン 本運転 容量換算 固定床反応塔 常圧蒸留塔 タングステン触媒
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重要な関連分野

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課題

重油基材として利用されていた留分を活用し、効率良く軽油を製造することが可能な、軽油の製造方法を提供すること。

解決手段

常圧残油を含む第一の原料油直接脱硫装置脱硫して脱硫残油及び直接脱硫軽油を得る第一の工程と、直留軽油を含む第二の原料油を軽油脱硫装置で脱硫して軽油を得る第二の工程と、を備え、直接脱硫装置における脱硫温度は、運転開始時の脱硫温度C1(℃)から運転終了時の脱硫温度C1+C2(℃)まで経時的に昇温され、脱硫温度がC1+C2/3(℃)からC1+C2(℃)までの間に得られる直接脱硫軽油の少なくとも一部を、第二の原料油の一部として用いる、軽油の製造方法。

概要

背景

近年、石油製品需要軽質化傾向にあり、重油の需要が低迷している。そのため、原油から軽油を製造するに際し、重油の基材として利用されていた留分を軽油に活用することが検討されている。

例えば、特許文献1には、深度脱硫装置に直留軽油及び分解軽油を混合通油して得られる深度脱硫軽油基材に、少量の分解軽油を配合してなるディーゼル軽油組成物が開示されている。

概要

重油基材として利用されていた留分を活用し、効率良く軽油を製造することが可能な、軽油の製造方法を提供すること。常圧残油を含む第一の原料油直接脱硫装置脱硫して脱硫残油及び直接脱硫軽油を得る第一の工程と、直留軽油を含む第二の原料油を軽油脱硫装置で脱硫して軽油を得る第二の工程と、を備え、直接脱硫装置における脱硫温度は、運転開始時の脱硫温度C1(℃)から運転終了時の脱硫温度C1+C2(℃)まで経時的に昇温され、脱硫温度がC1+C2/3(℃)からC1+C2(℃)までの間に得られる直接脱硫軽油の少なくとも一部を、第二の原料油の一部として用いる、軽油の製造方法。なし

目的

本発明は、重油基材として利用されていた留分を活用し、効率良く軽油を製造することが可能な、軽油の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

常圧残油を含む第一の原料油直接脱硫装置脱硫して脱硫残油及び直接脱硫軽油を得る第一の工程と、直留軽油を含む第二の原料油を軽油脱硫装置で脱硫して軽油を得る第二の工程と、を備え、前記直接脱硫装置における脱硫温度は、運転開始時の脱硫温度C1(℃)から運転終了時の脱硫温度C1+C2(℃)まで経時的に昇温され、前記脱硫温度がC1+C2/3(℃)からC1+C2(℃)までの間に得られる直接脱硫軽油の少なくとも一部を、前記第二の原料油の一部として用いる、軽油の製造方法。

請求項2

前記第二の原料油の一部として用いられる前記直接脱硫軽油中の、アニリン類含有量が、150質量ppm以上である、請求項1に記載の製造方法。

請求項3

前記軽油脱硫装置の運転開始時から、前記直接脱硫軽油を前記第二の原料油の一部として用いる、請求項1又は2に記載の製造方法。

請求項4

前記直接脱硫装置における脱硫温度がC1(℃)からC1+C2/3(℃)までの間に得られる直接脱硫軽油の少なくとも一部を、重油基材として用いる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。

請求項5

前記直接脱硫装置における運転条件が、LHSV0.5h−1以下、水素分圧16MPaG以下、水素油比900Nm3/KL以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、軽油の製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、石油製品需要軽質化傾向にあり、重油の需要が低迷している。そのため、原油から軽油を製造するに際し、重油の基材として利用されていた留分を軽油に活用することが検討されている。

0003

例えば、特許文献1には、深度脱硫装置に直留軽油及び分解軽油を混合通油して得られる深度脱硫軽油基材に、少量の分解軽油を配合してなるディーゼル軽油組成物が開示されている。

先行技術

0004

特開平8−259966号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、重油基材として利用されていた留分を活用し、効率良く軽油を製造することが可能な、軽油の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明の一側面は、常圧残油を含む第一の原料油直接脱硫装置脱硫して脱硫残油及び直接脱硫軽油を得る第一の工程と、直留軽油を含む第二の原料油を軽油脱硫装置で脱硫して軽油を得る第二の工程と、を備える、軽油の製造方法に関する。この製造方法において、直接脱硫装置における脱硫温度は、運転開始時の脱硫温度C1(℃)から運転終了時の脱硫温度C1+C2(℃)まで経時的に昇温される。また、この製造方法においては、脱硫温度がC1+C2/3(℃)からC1+C2(℃)までの間に得られる直接脱硫軽油の少なくとも一部を、前記第二の原料油の一部として用いる。

0007

一態様において、第二の原料油の一部として用いられる直接脱硫軽油中の、アニリン類含有量は、150質量ppm以上であってよい。このような直接脱硫軽油を第二の工程の原料油に配合することで、軽油脱硫装置の触媒劣化がより顕著に抑制される。

0008

一態様において、第二の工程では、軽油脱硫装置の運転開始時から上記直接脱硫軽油を第二の原料油の一部として用いてよい。特定の直接脱硫軽油を配合することによる触媒劣化抑制効果は、特に運転初期において顕著に発揮される。このため、本態様によれば、軽油脱硫装置の触媒劣化がより顕著に抑制される。

0009

一態様において、直接脱硫装置における脱硫温度がC1(℃)からC1+C2/3(℃)までの間に得られる直接脱硫軽油の少なくとも一部は、重油基材として用いてよい。脱硫温度がC1(℃)からC1+C2/3(℃)までの間に得られる直接脱硫軽油は、第二の工程の原料油に配合しても触媒劣化抑制効果が十分に得られない。このため、当該直接脱硫軽油は、重油基材として用いることが望ましい。

0010

一態様において、直接脱硫装置における運転条件は、LHSV0.5h−1以下、水素分圧16MPaG以下、水素油比900Nm3/KL以上であってよい。

発明の効果

0011

本発明によれば、重油基材として利用されていた直接脱硫軽油を活用して、効率良く軽油を製造することが可能な、軽油の製造方法が提供される。

0012

以下、本発明の好適な実施形態について説明する。

0013

本実施形態に係る軽油の製造方法は、常圧残油を含む第一の原料油を直接脱硫装置で脱硫して脱硫残油及び直接脱硫軽油を得る第一の工程と、直留軽油を含む第二の原料油を軽油脱硫装置で脱硫して軽油を得る第二の工程と、を備える。

0014

本実施形態において、直接脱硫装置における脱硫温度は、運転開始時の脱硫温度C1(℃)から運転終了時の脱硫温度C1+C2(℃)まで経時的に昇温される。また、本実施形態では、脱硫温度がC1+C2/3(℃)からC1+C2(℃)までの間に得られる直接脱硫軽油の少なくとも一部を、前記第二の原料油の一部として用いる。

0015

本実施形態に係る軽油の製造方法では、第一の工程で脱硫温度が所定の範囲にある間に得られる直接脱硫軽油を、第二の工程の原料油(第二の原料油)に配合することで、第二の工程における軽油脱硫装置の触媒劣化が抑制され、これにより、第二の工程における軽油の製造効率が向上する。

0016

上記製造方法における第一の工程は、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油(常圧蒸留残油)を、ガソリン等へ利用するために直接脱硫装置により脱硫する工程であり、この工程では脱硫残油及び直接脱硫軽油が得られる。脱硫残油は、接触分解を経てガソリン等へ利用される留分である。また、直接脱硫軽油は、脱硫残油の製造時に副生される留分であり、重油基材として利用されている留分である。

0017

直接脱硫装置は、脱硫残油中の硫黄濃度が所定の値に維持されるように、脱硫温度を経時的に昇温して運転される。直接脱硫装置には脱硫触媒充填されており、運転開始時の脱硫温度のまま運転を続けると、脱硫触媒の性能劣化に伴い、得られる脱硫残油中の硫黄濃度が増えてしまう。このため、直接脱硫装置では、硫黄濃度を所定の値に維持するため、運転開始時から運転終了時まで、脱硫温度が経時的に昇温される。

0018

本発明者らは、この運転条件の変化に伴って、得られる直接脱硫軽油の特性が変化することを見出し、さらには特定の脱硫温度下で得られた直接脱硫軽油を、軽油脱硫装置の原料油に配合することで、軽油脱硫装置の触媒劣化を抑制し、軽油の製造効率を高めることができることを見出した。

0019

すなわち、上記製造方法では、直接脱硫装置の運転開始時の脱硫温度をC1(℃)、運転終了時の脱硫温度をC1+C2(℃)としたとき、脱硫温度がC1+C2/3(℃)からC1+C2(℃)までの間に得られる直接脱硫軽油を、第二の工程の原料油(第二の原料油)に配合することにより、第二の工程における軽油脱硫装置の触媒劣化が抑制され、効率良く軽油を製造することができる。

0020

本実施形態に係る軽油の製造方法が有する各工程について、以下に詳述する。

0021

(第一の工程)
第一の工程は、第一の原料油を直接脱硫装置で脱硫して、脱硫残油及び直接脱硫軽油を得る工程である。第一の原料油は、常圧残油を含み、場合より減圧軽油(VGO)及び/又は溶剤脱れき油(DAO)を更に含んでいてもよい。

0022

常圧残油とは、石油系の原油、オイルサンド由来合成原油ビチュメン改質油等を、常圧蒸留塔にて蒸留した際のボトム分である。常圧残油は、例えば、沸点343℃以上の留分を80質量%以上含む重質油であってよい。

0023

常圧残油中の硫黄濃度は、例えば1質量%以上であってよく、2質量%以上であってもよい。また、常圧残油中の硫黄分は、例えば6質量%以下であってよく、5質量%以下であってよい。

0024

減圧軽油(VGO)とは、常圧残油を減圧下で蒸留した際の流出分である。減圧軽油は、例えば、沸点343〜550℃の留分を70質量%以上含む重質油であってよい。

0025

溶剤脱れき油(DAO)とは、常圧残油を減圧下で蒸留した際のボトム分(例えば、沸点550℃以上の留分を70質量%以上含む重質油)から、炭素数3〜6の鎖状飽和炭化水素溶剤として抽出された留分である。鎖状飽和炭化水素としては、例えば、プロパンノルマルブタンイソブタンノルマルペンタンイソペンタンノルマルヘキサンが挙げられ、これらは2種以上組み合せて用いてもよい。

0026

脱硫残油は、接触分解を経てガソリン等へ利用される留分であり、直接脱硫による主目的物ということができる。また、直接脱硫軽油は、脱硫残油の製造時に副生される留分であり、従来は重油基材として利用された留分である。脱硫残油は、例えば、沸点375℃以上の留分であってよく、沸点400℃以上の留分であってもよい。直接脱硫軽油は、例えば沸点375℃以下の留分であってよく沸点360℃以下の留分であってもよい。

0027

第一の工程では、例えば、脱硫残油中の硫黄濃度が所定の値に維持されるように、直接脱硫装置の脱硫温度が設定される。直接脱硫装置には脱硫触媒が充填されており、運転開始時の脱硫温度のまま運転を続けると、脱硫触媒の性能劣化に伴い、得られる脱硫残油中の硫黄濃度が増えてしまう。このため、直接脱硫装置では、硫黄濃度を所定の値に維持するため、運転開始時から運転終了時まで脱硫温度が経時的に昇温される。なお、本明細書では、運転開始時の脱硫温度をC1(℃)、運転終了時の脱硫温度をC1+C2(℃)として説明する。

0028

脱硫残油中の硫黄濃度は、脱硫残油の要求性能、脱硫残油から製造されるガソリン留分の要求性能等に応じて、適宜設定されてよい。脱硫残油中の硫黄濃度は、例えば3質量%以下であってよく、1質量%以下であってもよい。また、脱硫残油中の硫黄濃度は、例えば0.01質量%以上であってよく、0.05質量%以上であってもよい。なお、本明細書中、硫黄濃度は、硫黄分の含有割合を示し、JIS K2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」で測定される値を示す。

0029

直接脱硫装置の運転開始時から運転終了時まで、脱硫残油中の硫黄濃度は完全に一致する必要はなく、所定の範囲で変化してもよい。すなわち、上記所定の値とは、必ずしも一つの数値である必要はなく、脱硫残油に要求される性能を満たす一定の範囲であってよい。例えば、脱硫残油の硫黄濃度は、所定の数値から相対比±30%の範囲で誤差があってよく、相対比±20%の範囲で誤差があってもよい。

0030

直接脱硫装置は、直接脱硫用触媒を有している。直接脱硫用触媒は特に限定されず、公知の直接脱硫用触媒から適宜選択して使用できる。直接脱硫用触媒としては、例えば、コバルトモリブデン触媒(コバルト及びモリブデンを含む触媒)、ニッケル−モリブデン触媒(ニッケル及びモリブデンを含む触媒)、ニッケル−コバルト−モリブデン触媒(ニッケル、コバルト及びモリブデンを含む触媒)、ニッケル−タングステン触媒(ニッケル及びタングステンを含む触媒)等が挙げられる。

0031

本実施形態において、直接脱硫用触媒としてはニッケル−モリブデン触媒を特に好適に用いることができる。このような直接脱硫用触媒を用いた場合、後述の特定の脱硫温度範囲において得られた直接脱硫軽油が、第二の工程における触媒劣化を抑制する効果に特に優れたものとなる傾向がある。

0032

直接脱硫装置における運転条件は、脱硫残油の要求性能、脱硫残油から製造されるガソリン留分の要求性能等に応じて、適宜設定されてよい。なお、直接脱硫装置における脱硫温度は、上記のように脱硫残油中の硫黄濃度が所定の値に維持されるように経時的に昇温されてよい。脱硫温度以外の運転条件は、一定であっても経時的に変化させてもよいが、運転条件の管理が容易となる観点からは一定であることが好ましい。

0033

直接脱硫装置において、運転開始時の脱硫温度C1は、例えば320℃以上であってよく、340℃以上であってもよい。また、運転開始時の脱硫温度C1は、例えば390℃以下であってよく、380℃以下であってもよい。運転開始時から運転終了時までの昇温幅C2は、例えば20℃以上であってよく、30℃以上であってもよい。また、昇温幅C2は、例えば70℃以下であってよく、50℃以下であってもよい。

0034

直接脱硫装置において、LHSVは、例えば0.5h−1以下であってよく、0.4h−1以下であってもよい。また、LHSVは、例えば0.1h−1以上であってよく、0.2h−1以上であってもよい。

0035

直接脱硫装置において、水素分圧は、例えば16MPaG以下であってよく、15MPaG以下であってもよい。また、水素分圧は、例えば10MPaG以上であってよく、12MPaG以上であってもよい。

0036

直接脱硫装置において、水素油比は、例えば900Nm3/KL以上であってよく、1000Nm3/KL以上であってもよい。また、水素油比は、例えば2000Nm3/KL以下であってよく、1500Nm3/KL以下であってもよい。

0037

以下、直接脱硫装置における脱硫温度が、C1以上、C1+C2/3未満の間に得られる直接脱硫軽油、すなわち昇温幅が全体の1/3未満の間に得られる直接脱硫軽油を、「第一の直接脱硫軽油」という。また、直接脱硫装置における脱硫温度が、C1+C2/3以上、C1+C2以下の間に得られる直接脱硫軽油、すなわち昇温幅が全体の1/3以上となった後に得られる直接脱硫軽油を、「第二の直接脱硫軽油」という。

0038

本実施形態では、第二の直接脱硫軽油を、第二の工程の第二の原料油の一部として用いる。第二の直接脱硫軽油は、その一部を第二の工程の第二の原料油の一部として用いてよく、その全部を第二の工程の第二の原料油の一部として用いてもよい。第二の直接脱硫軽油を第二の工程の原料油に配合することで、第二の工程の軽油脱硫装置における触媒劣化が抑制され、第二の工程を効率良く実施することができる。

0039

第二の直接脱硫軽油において、アニリン類の含有量は、150質量ppm以上であることが好ましく、180質量ppm以上であることがより好ましい。このような第二の直接脱硫軽油は、第二の工程の原料油として用いたとき、軽油脱硫装置の触媒劣化をより顕著に抑制できる。また、第二の直接脱硫軽油におけるアニリン類の含有量は、250質量ppm以下であってよく、200質量ppm以下であってもよい。

0040

第二の直接脱硫軽油の密度(15℃における密度)は、例えば0.8400g/cm3以上であってよく、0.8600g/cm3以上であってもよい。なお、本明細書中、第二の直接脱硫軽油の密度は、JISK2249「原油及び石油製品−密度試験方法及び密度・質量・容量換算法」で測定される、15℃における密度を示す。

0041

本実施形態において、第一の直接脱硫軽油の使用方法は特に限定されず、例えば、従来の用途である重油基材として用いることができる。なお、第一の直接脱硫軽油は、第二の工程の原料油として用いても、第二の工程の触媒劣化を抑制する効果は必ずしも十分に得られない。このため、本実施形態において、第一の直接脱硫軽油の用途は、第二の工程の原料油としての用途以外の用途であることが好ましい。

0042

第一の直接脱硫軽油の物性及び組成は特に限定されない。例えば、第一の直接脱硫軽油中の硫黄濃度は、300質量ppm以上であってよく、500質量ppm以上であってもよい。重油の調合に用いられる他の石油留分は相対的に硫黄分が高いため、このような第一の直接脱硫軽油を用いても、製造される重油の硫黄濃度を低下させることができる。また、第一の直接脱硫軽油中の硫黄濃度は、3000質量ppm以下であってよく、1000質量ppm以下であってもよい。

0043

第一の工程で得られた脱硫残油は、接触分解装置において接触分解されて、ガソリン留分等に利用される。本実施形態に係る製造方法は、脱硫残油を接触分解装置で接触分解する工程を更に含んでいてもよい。

0044

接触分解装置は、接触分解用触媒を有している。接触分解用触媒は特に限定されず、公知の接触分解用触媒から適宜選択して使用できる。接触分解用触媒として、例えば、Y型ゼオライト含有触媒、超安定型Y型ゼオライト含有触媒、ZSM5型ゼオライト含有触媒等が挙げられる。

0045

接触分解装置における運転条件は、得られる接触分解油要求特性等に応じて、適宜設定されてよい。例えば、接触分解装置は、分解温度450〜700℃で原料油と接触分解用触媒とを接触させる条件で運転してよい。

0046

接触分解装置では、ガソリン留分等に利用される接触分解油の他に、接触分解軽油が得られる。この接触分解軽油は、従来、重油基材として利用されている。本実施形態に係る製造方法では、この接触分解軽油は、第二の直接脱硫軽油と共に第二の工程の原料油に配合されてもよい。

0047

(第二の工程)
第二の工程は、直留軽油を含む第二の原料油を軽油脱硫装置で脱硫して軽油を得る工程である。第二の工程では、第一の工程で得られた第二の直接脱硫軽油の少なくとも一部が、第二の原料油の一部として用いられる。言い換えると、第二の工程では、第二の原料油に第二の直接脱硫軽油が配合される。

0048

直留軽油は、原油を常圧蒸留して得られる留分である。直留軽油中の硫黄濃度は、0.5質量%以上であってよく、1質量%以上であってもよい。また、直留軽油中の硫黄濃度は、2質量%以下であってよく、1.5質量%以下であってもよい。

0049

第二の工程では、軽油脱硫装置の運転開始から運転終了までの少なくとも一部で、第二の原料油に第二の直接脱硫軽油が配合されていればよい。すなわち、第二の工程は、第二の直接脱硫軽油を含む第二の原料油を脱硫する段階と、第二の直接脱硫軽油を含まない第二の原料油を脱硫する段階と、を含んでいてよい。

0050

第二の工程では、軽油脱硫装置の運転開始時から第二の直接脱硫軽油を第二の原料油に配合しておくことが好ましい。第二の直接脱硫軽油の配合による触媒劣化抑制効果は、特に運転初期において顕著に発揮される。このため、このような態様では、軽油脱硫装置の触媒劣化がより顕著に抑制される。

0051

第二の原料油には、直留軽油及び第二の直接脱硫軽油以外の留分がさらに配合されていてよい。例えば、第二の原料油には、上述した接触分解により得られる接触分解軽油がさらに配合されていてよい。接触分解軽油は、第二の直接脱硫軽油と同時に配合してよく、別々に配合してもよい。例えば、第二の工程は、第二の直接脱硫軽油を含む第二の原料油を脱硫する段階と、接触分解軽油を含む第二の原料油を脱硫する段階と、を含んでいてよい。

0052

第二の原料油に占める直留軽油の割合は、例えば、第二の原料油の全量基準で50容量%以上であってよく、70容量%以上であることが好ましい。

0053

第二の原料油に第二の直接脱硫軽油を配合するとき、その配合量は、例えば、第二の原料油の全量基準で5容量%以上であってよく、10容量%以上であることが好ましい。また、第二の原料油における第二の直接脱硫軽油の配合量は、第二の原料油の全量基準で50容量%以下であってよく、30容量%以下であることが好ましい。

0054

第二の原料油に接触分解軽油を配合するとき、その配合量は、例えば、第二の原料油の全量基準で5容量%以上であってよく、10容量%以上であることが好ましい。また、第二の原料油における接触分解軽油の配合量は、第二の原料油の全量基準で50容量%以下であってよく、30容量%以下であることが好ましい。

0055

第二の直接脱硫軽油が配合された第二の原料油は、アニリン類を含有していてよい。第二の原料油中のアニリン類の含有量は、例えば、第二の原料油の全量基準で10質量ppm以上であってよく、15質量ppm以上であることが好ましい。また、第二の原料油中のアニリン類の含有量は、例えば、第二の原料油の全量基準で50質量ppm以下であってよく、40質量ppm以下であることが好ましい。アニリン類の含有量が上記範囲であると、軽油脱硫装置における触媒劣化がより顕著に抑制される。

0056

軽油脱硫装置は、軽油脱硫用触媒を有している。軽油脱硫用触媒は特に限定されず、公知の軽油脱硫用触媒から適宜選択して使用できる。軽油脱硫用触媒として、例えば、コバルト−モリブデン触媒、ニッケル−モリブデン触媒、ニッケル−コバルト−モリブデン触媒、ニッケル−タングステン触媒等が挙げられる。

0057

本実施形態において、軽油脱硫用触媒としてはコバルト−モリブデン触媒を特に好適に用いることができる。このような軽油脱硫用触媒を用いた場合、第二の直接脱硫軽油の配合による触媒劣化抑制効果がより顕著に奏される。

0058

軽油脱硫装置における運転条件は、得られる脱硫油の要求特性等に応じて、適宜設定されてよい。

0059

軽油脱硫装置における脱硫温度は、例えば、直接脱硫装置と同様に、得られる脱硫油中の硫黄濃度が所定の値に維持されるように経時的に昇温されてよい。軽油脱硫装置において、運転開始時の脱硫温度は、例えば300℃以上であってよく、320℃以上であってもよい。また、運転開始時の脱硫温度は、例えば400℃以下であってよく、380℃以下であってもよい。運転開始時から運転終了時までの昇温幅は、例えば30℃以上であってよく、50℃以上であってもよい。また、昇温幅は、例えば120℃以下であってよく、100℃以下であってもよい。

0060

軽油脱硫装置において、LHSVは、例えば3.0以下であってよく、2.0h−1以下であってもよい。また、LHSVは、例えば0.2h−1以上であってよく、0.5h−1以上であってもよい。

0061

軽油脱硫装置において、水素分圧は、例えば10MPaG以下であってよく、8MPaG以下であってもよい。また、水素分圧は、例えば2MPaG以上であってよく、3MPaG以上であってもよい。

0062

軽油脱硫装置において、水素油比は、例えば50Nm3/KL以上であってよく、100Nm3/KL以上であってもよい。また、水素油比は、例えば1000Nm3/KL以下であってよく、500Nm3/KL以下であってもよい。

0063

第二の工程では、軽油脱硫装置から得られた脱硫油を、そのまま軽油として回収してよい。また、第二の工程では、軽油脱硫装置から得られた脱硫油に、更なる処理を施して、軽油を製造してもよい。脱硫油への処理としては、例えば、スイートニング白土処理等が挙げられる。

0064

以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。

0065

例えば、上記では本発明を軽油の製造方法として説明したが、本発明の他の一側面は、脱硫残油の製造方法ということもできる。また、本発明の他の一側面は、第二の直接脱硫軽油の使用方法ということもできる。

0066

以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。

0067

(実施例1)
<第一の工程(直接脱硫)>
Ni−Mo系脱金属触媒35容量%とNi−Mo系脱硫触媒65容量%とが充填されている固定床反応塔を準備し、触媒を予備硫化した。中東系常圧残油(比重:0.9609、硫黄分:2.56質量%、窒素分:0.18質量%、残留炭素:9.2質量%(いずれも通油期間における平均値))を原料油として、反応圧力水素油比液空間速度(LHSV)をそれぞれ14.4MPa、927Nm3/KL、0.44h−1として、得られる脱硫残油中の硫黄濃度が0.5質量%となるよう反応温度を調整しながら、固定床反応塔の運転を行った。本運転の運転開始時温度C1は365℃、運転終了時温度C1+C2は415℃であり、運転開始から80日後に脱硫温度が382℃(C1+C2/3)まで上昇した。

0068

運転開始から40日後に採取された直接脱硫軽油A−1、及び運転開始から200日後に採取された直接脱硫軽油B−1の性状を表1に示す。

0069

<第二の工程(軽油脱硫)>
Co−Mo系脱硫触媒が充填されている固定床反応塔を準備し、触媒を予備硫化した。中東系直留軽油(比重:0.8468、硫黄分:1.17質量%、窒素分:82質量ppm、90容量%蒸留温度:347.5℃(いずれも通油期間における平均値))を85容量%、上記第一の工程で得られた直接脱硫軽油B−1を15容量%の割合で混合したものを原料油として、反応圧力、水素/油比、液空間速度(LHSV)をそれぞれ5.5MPa、250Nm3/KL、1.0h−1として、得られる脱硫軽油中の硫黄濃度が8質量ppmとなるよう反応温度を調整しながら、固定床反応塔の運転を行った。

0070

運転開始から50日後に、原料油を上記中東系直留軽油を85容量%、接触分解軽油(比重:0.9493、硫黄分:0.41質量%、窒素分:470質量ppm、90容量%蒸留温度:351.5℃(通油期間における平均値))を15容量%の割合で混合したものに変更し、得られる脱硫軽油中の硫黄分が8質量ppmとなるよう反応温度を調整しながら、更に50日間(合計100日間)、固定床反応塔の運転を行った。50日目以降における反応温度の上昇速度は、0.08(℃/日)であった。

0071

(比較例1)
第二の工程の原料油に配合する直接脱硫軽油を、直接脱硫軽油B−1(運転開始から200日後に採取された留分)から直接脱硫軽油A−1(運転開始から200日後に採取された留分)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、軽油脱硫を行った。比較例1では、50日目以降における反応温度の上昇速度は、0.20(℃/日)であった。

0072

上記のとおり、実施例1では、比較例1と比較して軽油脱硫での反応温度の上昇が緩やかであり、軽油脱硫用触媒の劣化が抑制されている。

0073

0074

(実施例2及び比較例2)
<第一の工程(直接脱硫)>
液空間速度(LHSV)を0.3h−1に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、固定床反応塔の運転を行った。運転開始から45日後に採取された直接脱硫軽油A−2、及び運転開始から205日後に採取された直接脱硫軽油B−2の性状を表2に示す。

0075

<第二の工程(軽油脱硫)>
第二の工程の原料油に配合する直接脱硫軽油を、直接脱硫軽油A−2(比較例2)又は直接脱硫軽油B−2(実施例2)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして軽油脱硫を行った。運転開始から50日目以降における反応温度の上昇速度を比較したところ、実施例2は比較例2より緩やかであり、実施例2において軽油脱硫用触媒の劣化が抑制されていることが確認された。

0076

0077

(実施例3及び比較例3)
<第一の工程(直接脱硫)>
水素/油比を1264Nm3/KLに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、固定床反応塔の運転を行った。運転開始から50日後に採取された直接脱硫軽油A−3、及び運転開始から210日後に採取された直接脱硫軽油B−3の性状を表3に示す。

0078

<第二の工程(軽油脱硫)>
第二の工程の原料油に配合する直接脱硫軽油を、直接脱硫軽油A−3(比較例3)又は直接脱硫軽油B−3(実施例3)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして軽油脱硫を行った。運転開始から50日目以降における反応温度の上昇速度を比較したところ、実施例3は比較例3より緩やかであり、実施例3において軽油脱硫用触媒の劣化が抑制されていることが確認された。

実施例

0079

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