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技術 疎水性異形シリカ粉末、その製造方法、及びそれを用いたトナー用外添剤

出願人 株式会社トクヤマ
発明者 宗岡孝俊
出願日 2016年2月29日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2016-038016
公開日 2017年9月7日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2017-154914
状態 特許登録済
技術分野 電子写真における現像剤 珪素及び珪素化合物
主要キーワード 合成セル C粒子 イオンクロマトグラフィーシステム 凹凸度 雑音除去フィルタ 解砕性 対数平均 カップ底
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

トナー用外添剤とした場合にトナー表面からの脱離が認められず、トナー耐久性を向上させることができる疎水性異形シリカ粉末を提供する。

解決手段

本発明に係る疎水性異形シリカ粉末は、重量基準粒度分布メジアン径が特定の範囲にあり、重量基準粒度分布の極大が一つであり、かつ幾何標準偏差σgが特定の値以下であり、凹凸度が特定の範囲にある。

概要

背景

シリカ粉末は、トナー用外添剤または研磨剤材料等として広く利用されている。

例えば、従来、トナー用外添剤として用いられるシリカ粉末は、表面処理により、その表面に帯電性及び疎水性を付与し、複写機レーザープリンタ及び普通紙ファクシミリ等を含む電子写真において、トナー流動性付与、あるいは帯電制御の目的で使用されてきた。

斯様な目的で使用されるシリカ粉末として、一次粒子径が特に小さいヒュームドシリカが挙げられる。該ヒュームドシリカは、表面を処理し、帯電性及び疎水性を調整することにより、トナー用外添剤として優れた機能を発揮することから、最も一般的に使用されている。このような技術としては、例えば、特許文献1に記載の技術が挙げられる。

ところで近年、印刷待機時間の短縮及び省エネルギーを目的として、トナー樹脂軟化が進んでいる。このため、上記トナー用外添剤として使用されるシリカ粉末の、軟化したトナー樹脂への埋没が生じ得る。埋没したシリカ粉末は、その機能を発揮しない。そこで、上記トナー流動性付与、あるいは帯電制御の目的で用いられるトナー用外添剤とは別に、耐久性の向上のため、大粒径球状シリカが併用されている。大粒径の球状シリカは、トナー樹脂同士の接触を防ぎ、軟化したトナー樹脂への上記シリカ粉末の埋没を抑制できる。

しかしながら、上記大粒径の球状シリカは、機械的ストレスにより、トナー樹脂より脱離し、トナー性能の劣化を招くだけでなく、該脱離したシリカ粉末による画質欠陥及び該シリカ粉末が感光体表面に傷をつけることによる感光体の短命化等の原因となっている。そのため、外添剤のトナーへの付着性に課題が残されており、付着性改善のため異形のシリカ粉末が提案されている。このような異形のシリカ粉末は、例えば、特許文献2及び3に開示されている。

概要

トナー用外添剤とした場合にトナー表面からの脱離が認められず、トナー耐久性を向上させることができる疎水性異形シリカ粉末を提供する。本発明に係る疎水性異形シリカ粉末は、重量基準粒度分布メジアン径が特定の範囲にあり、重量基準粒度分布の極大が一つであり、かつ幾何標準偏差σgが特定の値以下であり、凹凸度が特定の範囲にある。

目的

本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、トナー用外添剤とした場合にトナー表面からの脱離が抑制され、トナー耐久性を向上させ得る疎水性異形シリカ粉末、その製造方法並びにその利用技術を実現することにある

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

遠心沈降法により測定された重量基準粒度分布メジアン径が50〜1000nmの範囲にあり、画像解析法により得られた面積(S)と画像解析法により得られた包絡面積(S0)との比(S/S0)が、0.70〜0.95の範囲にあり、遠心沈降法により得られる重量基準粒度分布の極大ピーク)が一つであり、かつ幾何標準偏差σgが1.5以下であることを特徴とする疎水性異形シリカ粉末

請求項2

画像解析法により得られる粒子平均円形度が0.40〜0.85の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の疎水性異形シリカ粉末。

請求項3

画像解析法により得られる円形度が0.95以上である粒子の含有量が5個数%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の疎水性異形シリカ粉末。

請求項4

ナトリウムカリウム及び鉄の含有量が、それぞれ1ppm未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の疎水性異形シリカ粉末。

請求項5

請求項1〜4のいずれか1項に記載の疎水性異形シリカ粉末を含むことを特徴とするトナー用外添剤

請求項6

ヒュームドシリカ分散液に、アルコキシシランもしくはその加水分解物及び/又はその部分縮合物を添加し重縮合反応させてシリカ粒子を製造する工程を含むことを特徴とする疎水性異形シリカ粉末の製造方法。

請求項7

さらに、得られたシリカ粒子の表面を疎水化処理する工程を含むことを特徴とする請求項6に記載の疎水性異形シリカ粉末の製造方法。

請求項8

コア部と、当該コア部を被覆するシェル部と、から構成されるコアシェル型の疎水性異形シリカ粉末であって、上記コア部がヒュームドシリカからなり、上記シェル部がゾルゲル法により得られたシリカ層であることを特徴とする疎水性異形シリカ粉末。

技術分野

0001

本発明は、疎水性異形シリカ粉末、その製造方法、及びそれを用いたトナー用外添剤に関する。

背景技術

0002

シリカ粉末は、トナー用外添剤または研磨剤材料等として広く利用されている。

0003

例えば、従来、トナー用外添剤として用いられるシリカ粉末は、表面処理により、その表面に帯電性及び疎水性を付与し、複写機レーザープリンタ及び普通紙ファクシミリ等を含む電子写真において、トナー流動性付与、あるいは帯電制御の目的で使用されてきた。

0004

斯様な目的で使用されるシリカ粉末として、一次粒子径が特に小さいヒュームドシリカが挙げられる。該ヒュームドシリカは、表面を処理し、帯電性及び疎水性を調整することにより、トナー用外添剤として優れた機能を発揮することから、最も一般的に使用されている。このような技術としては、例えば、特許文献1に記載の技術が挙げられる。

0005

ところで近年、印刷待機時間の短縮及び省エネルギーを目的として、トナー樹脂軟化が進んでいる。このため、上記トナー用外添剤として使用されるシリカ粉末の、軟化したトナー樹脂への埋没が生じ得る。埋没したシリカ粉末は、その機能を発揮しない。そこで、上記トナー流動性付与、あるいは帯電制御の目的で用いられるトナー用外添剤とは別に、耐久性の向上のため、大粒径球状シリカが併用されている。大粒径の球状シリカは、トナー樹脂同士の接触を防ぎ、軟化したトナー樹脂への上記シリカ粉末の埋没を抑制できる。

0006

しかしながら、上記大粒径の球状シリカは、機械的ストレスにより、トナー樹脂より脱離し、トナー性能の劣化を招くだけでなく、該脱離したシリカ粉末による画質欠陥及び該シリカ粉末が感光体表面に傷をつけることによる感光体の短命化等の原因となっている。そのため、外添剤のトナーへの付着性に課題が残されており、付着性改善のため異形のシリカ粉末が提案されている。このような異形のシリカ粉末は、例えば、特許文献2及び3に開示されている。

先行技術

0007

特開2004−144854号公報(2004年5月20日公開
特開2012−6796号公報(2012年1月12日公開)
特開2012−101953号公報(2012年5月31日公開)

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、上述のような従来のシリカ粉末をトナー用外添剤として用いた場合、トナーの耐久性の観点から、さらに改善の余地があることを本願発明者らは見出した。

0009

本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、トナー用外添剤とした場合にトナー表面からの脱離が抑制され、トナー耐久性を向上させ得る疎水性異形シリカ粉末、その製造方法並びにその利用技術を実現することにある。

課題を解決するための手段

0010

上記の課題を解決するために、本発明者らは、特定の物性を有するシリカ粉末をトナー用外添剤とした場合、トナー表面からの脱離が抑制され、トナー耐久性に効果があることを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち本発明は、以下の構成からなるものである。

0011

〔1〕遠心沈降法により測定された重量基準粒度分布メジアン径が50〜1000nmの範囲にあり、画像解析法により得られた面積(S)と画像解析法により得られた包絡面積(S0)との比(S/S0)が、0.70〜0.95の範囲にあり、遠心沈降法により得られる重量基準粒度分布の極大ピーク)が一つであり、かつ幾何標準偏差σgが1.5以下であることを特徴とする疎水性異形シリカ粉末。

0012

〔2〕画像解析法により得られる粒子平均円形度が0.40〜0.85の範囲にあることを特徴とする〔1〕に記載の疎水性異形シリカ粉末。

0013

〔3〕画像解析法により得られる円形度が0.95以上である粒子の含有量が5個数%以下であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の疎水性異形シリカ粉末。

0014

〔4〕ナトリウムカリウム及び鉄の含有量が、それぞれ1ppm未満であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれか1つに記載の疎水性異形シリカ粉末。

0015

〔5〕〔1〕〜〔4〕のいずれか1つに記載の疎水性異形シリカ粉末を含むことを特徴とするトナー用外添剤。

0016

〔6〕ヒュームドシリカ分散液に、アルコキシシランもしくはその加水分解物及び/又はその部分縮合物を添加し重縮合反応させてシリカ粒子を製造する工程を含むことを特徴とする疎水性異形シリカ粉末の製造方法。

0017

〔7〕さらに、得られたシリカ粒子の表面を疎水化処理する工程を含むことを特徴とする〔6〕に記載の疎水性異形シリカ粉末の製造方法。

0018

〔8〕コア部と、当該コア部を被覆するシェル部と、から構成されるコアシェル型の疎水性異形シリカ粉末であって、上記コア部がヒュームドシリカからなり、上記シェル部がゾルゲル法により得られたシリカ層であることを特徴とする疎水性異形シリカ粉末。

発明の効果

0019

本発明によれば、トナー用外添剤とした場合にトナー表面からの脱離が抑制され、トナー耐久性を向上させ得る疎水性異形シリカ粉末を提供できるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0020

本発明の一実施形態に係る疎水性異形シリカ粉末を示す図である。
トナーの構造の一例を示す概略図である。
本発明の一実施形態に係る疎水性異形シリカ粉末と従来のシリカ粉末とを比較した概略図である。
重量基準粒度分布を表すグラフの一例を示す図である。
画像解析法により得られた面積(S)及び画像解析法により得られた包絡面積(S0)の取得方法を示す概略図である。
本発明の一実施形態に係る疎水性異形シリカ粉末の製造方法と従来の球状シリカ粉末の製造方法とを比較した概略図である。
本発明の一実施形態に係る疎水性異形シリカ粉末の製造方法と従来の異形シリカ粉末の製造方法とを比較した概略図である。

0021

本発明の実施の形態について、以下に詳細に説明する。なお、説明の便宜上、同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上(Aを含みかつAより大きい)B以下(Bを含みかつBより小さい)」を意味する。

0022

〔1.疎水性異形シリカ粉末〕
まず、本疎水性異形シリカ粉末の概要について以下に説明する。なお、本明細書において、「シリカ粉末」とは、粒度分布を有するシリカ粒子の集合体を意図しており、「シリカ粒子」を含むものである。なお、本明細書中、乾燥後の状態及び粒度分布に関して述べるために「シリカ粉末」との表現を用い、液中に分散した状態又は個数に関して述べるために「シリカ粒子」との表現を用いる場合もある。

0023

図1は、本発明の一実施形態に係る疎水性異形シリカ粉末を示す図である。図1走査型電子顕微鏡(SEM)によって取得した画像を示している。本疎水性異形シリカ粉末は、後述するように、数珠状粒子を核とし、これを粒成長して得られるものである。換言すれば、本疎水性異形シリカ粉末は、球状の一次粒子融着した二次粒子を核とし、これを粒成長して得られるものであるともいえる。それゆえ、本疎水性異形シリカ粉末は、図1に示すように異形のシリカ粉末となり、球状のシリカ粒子を実質的に含まない態様となる。

0024

本明細書において、「異形」とは球形ではないこと(非球形)を意味する。本疎水性異形シリカ粉末は、後述の実施形態に記載の構成を備えるがゆえに、トナー用外添剤とした場合にトナー表面からの脱離が抑制され、トナー耐久性を向上させることができる。この点について、以下に説明する。

0025

まず、一般的なトナーの構造を説明する。図2は、トナーの構造の一例を示す概略図である。

0026

図2に示すように、トナー2には、一般的に、約90〜120nmの大粒径シリカ3と一次粒子径が約10nmであるヒュームドシリカ4とが添加されている。トナー2の一次粒子径は、例えば、約6〜10μmである。大粒径シリカ3は主に耐久性向上と転写性向上とを目的として添加されている。ヒュームドシリカ4は主に流動性付与と帯電制御とを目的として添加されている。

0027

図3は、本発明の一実施形態に係る疎水性異形シリカ粉末と従来のシリカ粉末とを比較した概略図である。図3の(a)は、従来の大粒径シリカとトナーとを示す図である。図3の(b)は、本疎水性異形シリカ粉末とトナーとを示す図である。

0028

従来の大粒径シリカ15は、球状のシリカ粉末である。しかしながら、球状の大粒径シリカ15は、耐久性が悪い。即ち、球状の大粒径シリカ15は、その粒子形状ゆえに、マシン(例えば複写機)内での力学的及び機械的ストレス、並びに摩擦等によってトナー2の表面から脱離しやすい。一方、上述のように本疎水性異形シリカ粉末は球状ではなく、異形である。そのため、疎水性異形シリカ粉末1は、トナー2の表面から脱離しにくい。よって、本疎水性異形シリカ粉末によれば、トナーの耐久性を向上させることができる。以下、本疎水性異形シリカ粉末の各構成につき、具体的に詳説する。

0029

[実施形態1]
本疎水性異形シリカ粉末は、遠心沈降法により測定された重量基準粒度分布のメジアン径が50〜1000nmの範囲にあり、画像解析法により得られた面積(S)と画像解析法により得られた包絡面積(S0)との比(S/S0)が、0.70〜0.95の範囲にあり、遠心沈降法により得られる重量基準粒度分布の極大(ピーク)が一つであり、かつ幾何標準偏差σgが1.5以下である。上記S/S0は、本疎水性異形シリカ粉末の表面の凹凸の程度を示している。本疎水性異形シリカ粉末は、上記物性を有するがゆえに、トナーの耐久性を向上させることができる。本疎水性異形シリカ粉末の物性について、以下に詳細に説明する。

0030

<1−1.重量基準粒度分布のメジアン径>
本疎水性異形シリカ粉末は、遠心沈降法により測定された重量基準粒度分布のメジアン径が50〜1000nmの範囲にある。上記メジアン径は、100nm以上であることが好ましく、120nm以上であることがより好ましく、150nm以上であることがさらに好ましい。また、上記メジアン径は、500nm以下であることが好ましく、400nm以下であることがより好ましく、300nm以下であることがさらに好ましく、250nm以下であることが特に好ましい。上記の数値範囲内であれば、トナーの外添剤として使用した場合に、トナーの耐久性の向上に寄与し得る。

0031

本明細書において、遠心沈降法による重量基準粒度分布のメジアン径は、疎水性異形シリカ粉末を1.5質量%濃度で出力20W、分散時間45分の条件で2−プロパノールに分散させて得られる分散粒子の重量基準粒度分布のメジアン径を意味する。

0032

遠心沈降法において使用される粒度分布測定機の例としては、CPSディスク遠心沈降式粒度分布測定装置DC−24000が挙げられる。

0033

<1−2.凹凸度
本疎水性異形シリカ粉末は、画像解析法により得られた面積(S)と画像解析法により得られた包絡面積(S0)との比(S/S0)が、0.70〜0.95の範囲にある。なお、本明細書において、画像解析法により得られた面積(S)と画像解析法により得られた包絡面積(S0)との比(S/S0)を、凹凸度とも称する。凹凸度が1に近いほど、凹凸の程度が小さいこと(即ち、凹凸がない状態に近いこと)を表す。

0034

上記凹凸度が0.95以下であれば、疎水性異形シリカ粉末が十分な凹凸を有しているため、トナーから脱離しにくい。従って、本疎水性異形シリカ粉末をトナー用外添剤として用いた場合、トナーに優れた耐久性を付与することができるとともに、脱離したシリカ粒子によるマシンへの悪影響を低減できる。凹凸度は、値が小さいほど粒子の凹凸が増し、トナー樹脂表面から脱離しにくくなるので下限は特に限定されないが、通常は0.70以上である。

0035

上記凹凸度は、0.93以下であることが好ましく、0.90以下であることがより好ましく、0.90未満であることがさらに好ましい。また、上記凹凸度は、0.75以上であることが好ましく、0.80以上であることがより好ましい。

0036

また、本疎水性異形シリカ粉末は、凹凸度が0.97以上である粒子の含有量が、10個数%以下であることが好ましく、5個数%以下であることがより好ましく、4個数%以下であることがさらに好ましい。凹凸度が0.97以上である粒子の含有量が、10個数%以下であれば、凹凸がない粒子の含有量が極めて少ないため、好ましい。

0037

本明細書において、画像解析法により得られた凹凸度は、500個以上のシリカ粒子について、画像を撮影し、その画像を解析して、個々の粒子の面積(S)と個々の粒子の凸部を結んだ包絡線で囲まれた包絡面積(S0)とを求め、当該各粒子の面積と包絡面積との比(S/S0)を算出し、平均したものである。

0038

具体的には、面積(S)及び包絡面積(S0)は、FE−SEMを用いて、シリカ粒子の明視野走査透過像(BF−STEM)を撮影し、撮影した写真を画像解析ソフト「A像くん」(旭化成エンジニアリング(株)製)に取り込み、粒子解析をすることにより、求めることができる。

0039

図5は、画像解析法により得られた面積(S)及び画像解析法により得られた包絡面積(S0)の取得方法を示す概略図である。図5において、画像解析法により得られる粒子16の面積がSであり、粒子16の凸部を結んだ包絡線17で囲まれた中の面積がS0である。

0040

なお、本明細書において、画像解析法により得られる凹凸度が0.97以上である粒子の含有量は、凹凸度が0.97以上である粒子の個数割合を意味する。

0041

<1−3.重量基準粒度分布の極大(ピーク)及び幾何標準偏差σg>
本疎水性異形シリカ粉末は、遠心沈降法により得られる重量基準粒度分布の極大(ピーク)が一つであり、かつ幾何標準偏差σgが1.50以下である。幾何標準偏差σgは、粒度分布の幅を表す。幾何標準偏差σgの値が1に近いほど、粒度分布の幅が狭く、極大がシャープであることを意味する。上記構成は、本疎水性異形シリカ粉末において、メジアン径及び凹凸度が上記範囲であることと併せて、トナーの耐久性に寄与する粒子の数が極めて多いことを示している。

0042

図4は、重量基準粒度分布を表すグラフの一例を示す図である。本疎水性異形シリカ粉末は、図4に例示するように、重量基準粒度分布の極大(ピーク)が一つである。一方、従来のシリカ粉末は、一般的に球状の微小なシリカ粒子を凝集させた後、粒成長して得られるため、凝集しなかったシリカ粒子に由来する、大粒径の球状シリカ粒子が一定量含まれることになる。つまり、球状のシリカ粒子と非球状のシリカ粒子とを含有するため、粒度分布がブロードとなる。このため、従来のシリカ粉末の重量基準粒度分布は図4に比べて広範になる(即ち、幾何標準偏差σgが大きくなる)、及び/又は重量基準粒度分布の極大(ピーク)が複数になる。従って、この重量基準粒度分布を指標とすることにより、本疎水性異形シリカ粉末が、従来の異形シリカ粉末とは異なるものであることがわかる。

0043

また、幾何標準偏差σgは、1.45以下であることがより好ましく、1.42以下であることがさらに好ましく、1.40以下であることがさらに好ましく、1.38以下であることが特に好ましい。かかる範囲内であれば、トナーの耐久性に寄与する粒子数が多いことから、トナー表面からの脱離を効果的に抑制し得る。

0044

本明細書において、遠心沈降法による重量基準粒度分布の極大は、上述の重量基準粒度分布のメジアン径と同様に、疎水性異形シリカ粉末を1.5質量%濃度で出力20W、分散時間45分の条件で2−プロパノールに分散させて得られる分散粒子の重量基準粒度分布の極大を意味する。また、本明細書において、粒度分布の幾何標準偏差σgは、上述のように得られた重量基準粒度分布を累積頻度10質量%〜90質量%の範囲で対数平均分布フィッティング(最小2乗法)し、そのフィッティングから算出した値を意味する。

0045

<1−4.円形度及び平均円形度>
本疎水性異形シリカ粉末は、画像解析法により得られる粒子の平均円形度が0.40〜0.85の範囲にあることが好ましい。なお、本明細書において、「円形度」とは各粒子について算出したものであり、「平均円形度」とは粉末(粒子の集合体)に関して円形度の平均を算出した値を意図する。円形度が1に近いほど、球形に近いことを表す。即ち、円形度から、本疎水性異形シリカ粉末の異形度(即ち、球状でない度合い)がわかる。

0046

また、平均円形度が1に近いほど、粉末に含まれる球形に近い粒子の割合が多いことを示す。上記平均円形度が0.85以下であれば、疎水性異形シリカ粉末が十分に異形であるため、トナーから脱離しにくい。従って、本疎水性異形シリカ粉末をトナー用外添剤として用いた場合、トナーに優れた耐久性を付与することができる。平均円形度は、値が小さいほど粒子が球形ではなくなり、トナー樹脂表面から脱離しにくくなるので下限は特に限定されないが、通常は0.40以上である。

0047

上記平均円形度は、0.80以下であることがより好ましく、0.75以下であることがさらに好ましく、0.70以下であることが特に好ましく、0.65以下であることが最も好ましい。また、上記平均円形度は、0.50以上であることがより好ましく、0.55以上であることがさらに好ましく、0.60以上であることが特に好ましい。

0048

本疎水性異形シリカ粉末は、画像解析法により得られる円形度が0.95以上である粒子の含有量が5個数%以下であることが好ましく、3個数%以下であることがより好ましく、1個数%以下であることがさらに好ましい。上記円形度が0.95以上である粒子の含有量が5個数%以下であれば、球状に近い粒子の含有量が少ないため、好ましい。

0049

本明細書において、画像解析法により得られる粒子の平均円形度は、500個以上のシリカ粒子について、画像を撮影し、その画像を解析して、個々の粒子の面積(S)と個々のシリカ粒子の周囲長とを求め、各粒子の円形度を下記式(1)より円形度を算出し、平均したものである。

0050

円形度=4π×面積/(周囲長)2 (1)
具体的には、円形度は、上記凹凸度と同様に、個々のシリカ粒子についてFE−SEMを用いて、明視野−走査透過像(BF−STEM)を撮影し、撮影した写真を画像解析ソフト「A像くん」(旭化成エンジニアリング(株)製)に取り込み、粒子解析をすることにより、円形度2として求めることができる。

0051

なお、本明細書において、画像解析法により得られる円形度が0.95以上である粒子の含有量は、円形度が0.95以上である粒子の個数割合を意味する。

0052

<1−5.アスペクト比
本疎水性異形シリカ粉末は、画像解析法により得られたアスペクト比が4.0以下であることが好ましく、3.0以下であることがより好ましく、2.0以下であることがさらに好ましい。また、上記アスペクト比は、1.2を超えることが好ましい。

0053

アスペクト比が4.0以下であれば、合成時に粘度が上昇せず、取り扱いやすいため、好ましい。また、アスペクト比が1.2を超えていれば、疎水性異形シリカ粉末がトナーから脱離しにくい。

0054

本明細書において、画像解析法により得られたアスペクト比は、500個以上のシリカ粒子について、画像を撮影し、その画像を解析して、個々の粒子の任意の2点間のうち最大の長さである最大長と、該最大長と垂直な方向の幅である最小幅とを求め、最大長と最小幅の比(最大長/最小幅)として算出し、平均したものである。

0055

具体的には、最大長と最小幅との比は、個々のシリカ粒子についてFE−SEMを用いて、明視野−走査透過像(BF−STEM)を撮影し、撮影した写真を画像解析ソフト「A像くん」(旭化成エンジニアリング(株)製)に取り込み、粒子解析をすることにより、最大/最小として求めることができる。

0056

<1−6.金属不純物の含有量>
本疎水性異形シリカ粉末は、金属不純物の含有量が少ないことが好ましい。金属不純物の含有量が少なければ、高温高湿下においても帯電量の低下が少ないため、好ましい。具体的には、本疎水性異形シリカ粉末は、ナトリウム、カリウム及び鉄の含有量が、それぞれ1ppm未満であることが好ましい。

0057

また、従来の異形シリカでは、球状の一次粒子を凝集させて異形の二次粒子を得るため、金属塩等を凝集剤として使用する場合がある。この場合、金属不純物の量が比較的大きくなる。一方、本疎水性異形シリカ粉末は、後述のとおり、異形のシリカを核とした粒成長によって得られるものであるため、凝集剤は不要である。従って、本疎水性異形シリカ粉末は、上述のように金属不純物の含有量が極めて少ない。

0058

本明細書において、ナトリウム及びカリウムの含有量はイオンクロマトグラフィーシステムを使用して測定した値を意味する。また、鉄の含有量は、ICP発光分析装置を使用して測定した値を意味する。

0059

<1−7.疎水化度(M値)>
本疎水性異形シリカ粉末における「疎水性」の程度について、疎水化度を用いて表すこともできる。なお、本明細書において、疎水化度をM値と称する場合もある。

0060

疎水化度は、65体積%以上であることが好ましく、68〜76体積%であることがより好ましい。疎水化度が当該範囲であれば、本疎水性異形シリカ粉末の表面が十分に疎水化されていることを意味する。本疎水性異形シリカ粉末を疎水的樹脂に添加した場合、本疎水性異形シリカ粉末の表面が完全に濡れて、相分離といった不均一性を示すことなく樹脂に分散されることを保証する。一方、トナー用外添剤として本疎水性異形シリカ粉末を用いた場合、良好な帯電特性をトナー樹脂に付与する。

0061

本明細書において、疎水化度は、以下の方法で得られた値を意味する。容量200mLのビーカーに水50mLを取後、シリカ粉末試料0.2gを投入した。これをマグネティックスターラー攪拌しながら、ビュレットにてメタノール滴下し、投入したシリカ粉末の全量がビーカー内の溶媒に濡れて懸濁した点を終点とする滴定を実施した。この際、投入したシリカ粉末試料に直接メタノールが接触しない様に、チューブを用いて溶媒内へ導入した。そして、滴定終点におけるメタノール−水混合溶媒中のメタノールの体積%の値を疎水化度(M値)とした。

0062

<1−8.真比重
本疎水性異形シリカ粉末は、真比重が1.80〜2.17の範囲であることが好ましい。真比重が当該範囲であることは、一般的な乾式シリカよりも比重が小さいことを示している。一般にゾルゲル法により得られるシリカは、乾式シリカよりも真比重が小さい。真比重は、乾式自動密度計により測定した値である。

0063

[実施形態2]
また、他の態様において、本疎水性異形シリカ粉末は、コア部と、当該コア部を被覆するシェル部と、から構成されるコアシェル型の疎水性異形シリカ粉末であって、上記コア部がヒュームドシリカからなり、上記シェル部がゾルゲル法により得られたシリカ層であってもよい。本疎水性異形シリカ粉末は、異形であるヒュームドシリカをコア部とし、これを粒成長して得られた構成である。それゆえ、本疎水性異形シリカ粉末は異形であり、実質的に球状のシリカ粒子は含まない態様である。従って、本疎水性異形シリカ粉末は、トナー用外添剤とした場合にトナー表面からの脱離が抑制され、トナー耐久性を向上させることができる。

0064

ヒュームドシリカは乾式シリカの一種であり、一般に、一次粒子が数珠状に融着して形成された複雑な形状を有する。本発明において、コア部となるヒュームドシリカは特に限定されず、公知のものを使用することができる。

0065

例えば、当該ヒュームドシリカにおけるBET比表面積は、70〜330m2/gであることが好ましく、180〜330m2/gであることがより好ましく、270〜330m2/gであることがさらに好ましい。また、当該ヒュームドシリカにおける平均一次粒子径は、7〜22nmであることが好ましく、7〜12nmであることがより好ましい。BET比表面積及び/又は平均一次粒子径が上記範囲であれば、得られる疎水性異形シリカ粉末をトナー用外添剤として用いた場合、トナーに優れた耐久性を付与することができる。

0066

上記シェル部は、上述のようにゾルゲル法によって得られたシリカ層である。本明細書において「ゾルゲル法」とは、例えば、後述の〔2.疎水性異形シリカ粉末の製造方法〕の<2−1.シリカ粉末を製造する工程>に記載の方法を意味する。

0067

また、本疎水性異形シリカ粉末には、実施形態1に示すように、遠心沈降法により測定された重量基準粒度分布のメジアン径が50〜1000nmの範囲にあり、画像解析法により得られた面積(S)と画像解析法により得られた包絡面積(S0)との比(S/S0)が、0.70〜0.95の範囲にあり、遠心沈降法により得られる重量基準粒度分布の極大(ピーク)が一つであり、かつ幾何標準偏差σgが1.5以下である疎水性異形シリカ粉末も含まれ得る。即ち、本疎水性異形シリカ粉末には、実施形態1に示す各物性を有する疎水性異形シリカ粉末も含まれ得る。

0068

〔2.疎水性異形シリカ粉末の製造方法〕
本疎水性異形シリカ粉末の製造方法(以下、単に「本製造方法」とも称する。)は、ヒュームドシリカ分散液に、アルコキシシランもしくはその加水分解物及び/又はその部分縮合物を添加し重縮合反応させてシリカ粒子を製造する工程を含む。即ち、本製造方法は、異形であるヒュームドシリカを核として粒成長させる工程を含むものであればよい。本製造方法により得られる疎水性シリカ粉末は異形である。さらに、得られた疎水性異形シリカ粉末における球状のシリカ粒子の含有量は極めて少なくなる。それゆえ、本製造方法によれば、トナーから脱離しにくい疎水性異形シリカ粉末を得ることができる。

0069

即ち、本製造方法によれば、上述の〔1.疎水性異形シリカ粉末〕にて説明した疎水性異形シリカ粉末を得ることができる。なお、〔1.疎水性異形シリカ粉末〕にて既に説明した事項について、以下では説明を省略し、適宜、上述の記載を援用する。

0070

図6は、本発明の一実施形態に係る疎水性異形シリカ粉末の製造方法と従来の球状シリカ粉末の製造方法とを比較した概略図である。図6の(a)は、従来の球状シリカ粉末の製造方法を示している。図6の(b)は、本発明の一実施形態に係る疎水性異形シリカ粉末の製造方法を示している。

0071

シリカ粉末は、例えば、Si(OCH3)4から加水分解によってSiOH4を得て、重縮合によってSiO2を得る反応によって得られる。従来の球状シリカ粉末の製造方法では、まず、図6の(a)の(i)に示すように、塩基性触媒及び溶媒等を含む反応液18を仕込む。そして、図6の(a)の(ii)に示すように、塩基性触媒及びアルコキシシラン等を添加し、核生成反応によって核粒子19を生成する。その後、図6の(a)の(iii)に示すように、核成長反応により、粒子径が増大した球状シリカ粒子15を得る。一方、本製造方法の場合、図6の(b)の(i)に示すように、異形のヒュームドシリカを核粒子(出発物質)として用いる。本製造方法では、図6の(b)の(ii)に示すように、最初に、異形の核粒子20を反応液18とともに仕込む。その後、図6の(b)の(iii)に示すように、核成長反応により、粒子径が増大した疎水性異形シリカ粉末(疎水性異形シリカ粒子)1を得る。

0072

図7は、本発明の一実施形態に係る疎水性異形シリカ粉末の製造方法と従来の異形シリカ粉末の製造方法とを比較した概略図である。図7の(a)は、従来の異形シリカ粉末の製造方法を示している。図7の(b)は、本発明の一実施形態に係る疎水性異形シリカ粉末の製造方法を示している。

0073

従来の異形シリカ粉末の製造方法では、まず、図7の(a)の(i)に示すように、球状の核粒子を生成する。そして、図7の(a)の(ii)に示すように、当該球状の核粒子を凝集させる。その後、図7の(a)の(iii)に示すように、粒成長によって大粒径の異形シリカ粒子を得る。しかしながら、この場合、凝集しなかった球状の核粒子に由来する、大粒径の球状のシリカ粒子が一定量残存することになる。そのため、従来の異形シリカ粉末の製造方法では、上述のように粒度分布が広範になってしまう。上述の特許文献2及び3に記載の技術は、図7の(a)に示す製造方法に相当する。一方、本製造方法の場合、図7の(b)の(i)に示すように、異形のヒュームドシリカを核粒子として用いる。そして、図7の(b)の(ii)に示すように、この核粒子を粒成長させることによって粒子径が増大した異形のシリカ粒子を得る。そのため、本製造方法の場合、球状のシリカ粒子の含有量は極めて少なくなる。

0074

<2−1.シリカ粒子を製造する工程>
本工程では、ヒュームドシリカ分散液に、アルコキシシランもしくはその加水分解物及び/又はその部分縮合物を添加し重縮合反応させてシリカ粒子を製造する。即ち、本工程では、ゾルゲル法によって、ヒュームドシリカを粒成長させる。本工程では、ヒュームドシリカを核粒子とするために、異形のシリカ粒子を得ることができる。また、球状のシリカ粒子を核粒子としないため、得られた疎水性異形シリカ粉末において、球状のシリカ粒子の含有量は極めて少ない。

0075

分散液の分散性指数は、2.5以上であることが好ましく、2.6以上であることがより好ましく、2.7以上であることがさらに好ましく、2.8以上であることが特に好ましい。分散性指数が2.5以上であれば、ヒュームドシリカが分散液中に凝集することなく十分に分散しているため、好ましい。なお、本明細書において、分散性指数とは、後述の実施例に記載の方法によって測定された値を意味する。

0076

(ヒュームドシリカ)
上記ヒュームドシリカ分散液に含有されるヒュームドシリカは、上述の〔1.疎水性異形シリカ粉末〕で説明したヒュームドシリカであれば特に限定されない。

0077

(溶媒)
上記ヒュームドシリカ分散液における溶媒としては、極性溶媒が挙げられる。本明細書において、極性溶媒とは、水、又は常温及び常圧下で100g当たり10g以上の水を溶解する有機溶媒を意味する。溶媒として水以外の有機溶媒を複数種混合して使用してもよく、この場合には、当該有機溶媒の混合物が、上記の要件を満たせばよい。

0079

アルコールはゾルゲル法の反応時に副生するものであるから、上記のうちメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール又はブタノール等のアルコールを使用することが、反応後の分散液中への不必要な不純物混入を抑制する点及び加熱によって容易に除去可能である点等から特に好ましい。

0080

上記溶媒は、単独で用いることも、2種以上の溶媒の混合物として用いることも可能である。

0081

溶媒の使用割合は、目的とするシリカ粒子の粒径及び濃度の所望値に応じて適宜決定すればよい。例えば、有機溶媒としてアルコールを使用する場合、ゾルゲル法の反応により得られるシリカ粒子の分散液の質量(100質量%)におけるアルコールの割合が好ましくは10〜90質量%、より好ましくは15〜80質量%の範囲となるように使用される。

0082

水は、溶媒の一部又は全部として使用してもよく、水以外の反応原料等を全部準備した後に反応液に加えてもよい。しかしながら、ゾルゲル法の反応を速やか且つ安定的に進行させるためには、水を溶媒の一部として使用すること、即ち溶媒として水と有機溶媒との混合物を用いることが好ましい。ここでいう、溶媒としての水は、塩基性触媒添加等に伴って添加される場合も含む概念である。

0083

水の使用割合は、製造するシリカ粒子の粒径に応じて適宜調整して選択される。水の使用割合が少なすぎると反応速度が遅くなり、逆に多すぎると乾燥(溶媒除去)の際に長時間を要するため、水の使用割合はこれらの両要件を案して選択される。水の使用割合としては、ゾルゲル法の反応により得られるシリカ粒子の分散液の全質量に対して、2〜50質量%の範囲とすることが好ましく、5〜40質量%の範囲とすることがより好ましい。

0084

(塩基性触媒)
上記ヒュームドシリカ分散液には、塩基性触媒を添加してもよい。塩基性触媒を用いることによって、アルコキシシランの加水分解反応及び/又は縮合反応を促進させることができる。塩基性触媒としては、ゾルゲル法の反応による無機酸化物粒子の製造に用いられる公知の塩基性触媒であれば、これを好適に使用することができる。このような塩基性触媒としては、アミン化合物及び水酸化アルカリ金属等が挙げられる。特に、不純物量が少なく、高純度のシリカ粒子を得られるという観点から、アミン化合物を用いることが好適である。このようなアミン化合物としては、例えばアンモニアメチルアミンジメチルアミントリメチルアミンエチルアミン、ジメチルアミン及びトリメチルアミン等が挙げられる。これらのうち、揮発性が高く除去しやすいこと及びゾルゲル法の反応速度が速いこと等から、アンモニアを使用することが特に好ましい。上記塩基性触媒は、単独で使用することも、2種類以上を使用することも可能である。

0085

上記塩基性触媒は、工業的に入手可能なものを、そのまま(市販されている形態のまま)使用することも可能であるし、例えばアンモニア水等のように、水又は有機溶媒に希釈して使用することも可能である。特に、反応の進行速度を制御しやすい点で、塩基性触媒を水に希釈し、必要に応じて濃度を調整した水溶液として使用することが好ましい。塩基性触媒の水溶液を使用する場合、工業的に入手が容易であること及び濃度調整が容易であること等から、1〜30質量%の範囲の濃度の水溶液とすることが好ましい。

0086

塩基性触媒の添加量は、アルコキシシランの加水分解及び重縮合反応の反応速度等を勘案して適宜決定すればよい。塩基性触媒の添加量としては、反応液中における塩基性触媒の存在量が、使用するアルコキシシランの質量に対して、0.1〜60質量%とすることが好ましく、0.5〜40質量%の範囲で使用することがより好ましい。

0087

(アルコキシシラン)
上記アルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシランメチルトリエトキシシランテトラメトキシシランテトラエトキシシランテトライソプロポキシシラン及びテトラブトキシシランが挙げられる。工業的に入手が容易に可能であるという観点及び取扱いが容易であるという観点から、上記アルコキシシランは、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランであることが好ましく、テトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランであることがより好ましい。なお、上記アルコキシシランとしては、1種類のみを使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。また、本工程においては、アルコキシシランの加水分解物を添加してもよく、アルコキシシラン又はその加水分解物の部分縮合物を添加してもよい。

0088

反応条件
本工程は、例えば以下のように行うことができる。反応容器にヒュームドシリカ、溶媒及び塩基性触媒を仕込み、ここにアルコキシシラン(又はアルコキシシランの有機溶媒溶液)と塩基性触媒の水溶液とを同時に添加する方法を挙げることができる。この方法によれば、反応効率が良好で、粒度分布の幅が小さいシリカ粒子を、効率よく、且つ再現性よく製造することができ、好ましい。2種類以上のアルコキシシランを併用する場合、各々を混合して同時に添加してもよく、各々を順次に添加してもよい。

0089

アルコキシシラン及び塩基性触媒の添加は、反応液に液中滴下することが好ましい。ここで液中滴下とは、アルコキシシラン及び塩基性触媒を反応液中に滴下する際、滴下口の先端が反応液中に浸されていることをいう。滴下口先端の位置は、液中にあれば特に限定されないが、攪拌羽根の近傍等の、攪拌が十分に行われ、滴下物が反応液中に速やかに拡散することのできる位置とすることが望ましい。

0090

アルコキシシラン及び塩基性触媒の添加時間(添加開始から添加終了までの時間)は、例えば、48時間以内とすることが好ましい。例えば、上記添加時間が0.2時間以上であれば、粒度分布の幅を小さくすることができる。また、上記添加時間が48時間以下であれば、安定した粒成長を行うことができる。

0091

反応温度は、ゾルゲル法の反応が速やかに進行する温度であれば、特に制限されず、目的とするシリカ粒子の粒径に応じて適宜に選択すればよい。一般的に、反応温度が低いほど得られるシリカ粒子の粒径が大きくなる傾向にある。例えば、反応温度としては、−10〜60℃の範囲で適宜選択すればよい。

0092

ゾルゲル法の反応を確実に進行させるために、アルコキシシラン及び塩基性触媒の滴下が終了した後、熟成(次の疎水化処理剤の添加を行うまで暫く時間をおくこと)を行ってもよい。この場合、熟成温度としては反応温度と同程度の温度、即ち−10〜60℃とすることが好ましい。また、熟成時間としては0.25〜5時間とすることが好ましい。

0093

<2−2.疎水化処理>
本製造方法は、さらに、得られたシリカ粒子の表面を疎水化処理する工程を含んでいることが好ましい。

0094

上記疎水化処理を行う方法としては、例えば、疎水化処理剤を用いる方法が挙げられる。当該疎水化処理剤としては、シリコーンオイルシランカップリング剤及びシラザン等が挙げられる。

0095

上記シリコーンオイルとしては、疎水化処理に通常用いられる公知のシリコーンオイルを、特に制限なく使用することが可能であり、必要とするシリカ粒子の性能等に応じて適宜選択して、使用すればよい。

0096

上記シリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイルメチルフェニルシリコーンオイルメチルハイドロジェンシリコーンオイルアルキル変性シリコーンオイルアミノ変性シリコーンオイルエポキシ変性シリコーンオイルカルボキシル変性シリコーンオイルカルビノール変性シリコーンオイルメタクリル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル及びフッ素変性シリコーンオイル等が挙げられる。疎水化処理を効率的に行うことができる観点からは、上記シリコーンオイルは、ジメチルシリコーンオイルであることが好ましい。

0097

シリコーンオイルの添加量は特に制限はされないが、使用するシリカ粒子100質量部に対して、0.05〜400質量部とすることが好ましく、0.1〜300質量部とすることがより好ましい。上記添加量が、0.05質量部以上であれば、十分に疎水化することができる。また、上記添加量が、400質量部以下であれば、後処理が容易である。

0098

上記シランカップリング剤としては、疎水化処理に通常用いられる公知のシランカップリング剤を、特に制限なく使用することが可能であり、必要とするシリカ粒子の性能等に応じて適宜選択して、使用すればよい。

0099

上記シランカップリング剤としては、例えばメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシランデシルトリメトキシシランフェニルトリエトキシシランビニルトリメトキシシランビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジメチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン及び4−スチリルトリメトキシシラン等が挙げられる。

0100

疎水化処理を効率的に行うことができる観点からは、上記シランカップリング剤は、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン又はデシルトリメトキシシランであることが、好ましい。

0101

シランカップリング剤の添加量は特に制限はされないが、使用するシリカ粒子100質量部に対して、0.05〜500質量部とすることが好ましく、0.1〜250質量部とすることがより好ましい。上記添加量が、0.05質量部以上であれば、十分に疎水化することができる。また、上記添加量が、250質量部以下であれば、後処理が容易である。

0102

上記シラザンとしては、疎水化処理に通常用いられる公知のシラザンを、特に制限なく使用することが可能である。反応性の良さ及び取り扱いの良さ等の観点からは、上記シラザンは、ヘキサメチルシラザンであることが好ましい。

0103

シラザンの添加量は特に制限はされないが、使用するシリカ粒子100質量部に対して、0.1〜1000質量部とすることが好ましく、1〜500質量部とすることがより好ましい。上記添加量が、0.1質量部以上であれば、十分に疎水化することができる。また、上記添加量が、1000質量部以下であれば、後処理が容易である。

0104

上記疎水化処理剤は、単独で1種類のみ使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。

0105

得られる疎水性異形シリカ粉末の流動性がよいという観点からは、上記疎水化処理剤は、シランカップリング剤及びシラザンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、シラザンであることがより好ましい。

0106

疎水化処理剤の添加方法は特に制限されない。疎水化処理剤が常温及び常圧で低粘度の液体である場合は、これをシリカ粒子の分散液中に滴下してもよいし、当該分散液に噴霧してもよい。操作が簡便であることから、滴下が好ましい。疎水化処理剤が高粘度液体又は固体である場合には、これを適当な有機溶媒で希釈して添加したうえで、低粘度液体の場合と同様にして添加することができる。ここで使用される有機溶媒としては、上述の極性溶媒と同様のものを挙げることができる。更に、疎水化処理剤が気体状である場合は、液中に微細な泡状となるように吹き込むことにより添加することができる。

0107

疎水化処理を行う場合の処理温度は、使用する疎水化処理剤の反応性等を勘案して決定すればよい。上記処理温度は、例えば、10〜100℃であることが好ましく、20〜80℃であることがより好ましい。上記処理温度が10℃以上であれば、反応の進行が速いため、好ましい。上記処理温度が100℃以下であれば、操作が容易であるため、好ましい。

0108

疎水化処理を行う場合の処理時間は特に制限はされず、使用する疎水化処理剤の反応性等を勘案して決定すればよい。疎水化処理反応を十分に進行させること及び工程時間を短くすることの双方を考慮して、処理時間を0.1〜48時間とすることが好ましく、0.5〜24時間とすることがより好ましい。

0109

<2−3.シリカ粒子の凝析
本製造方法は、<2−1.シリカ粒子を製造する工程>又は<2−2.疎水化処理>に説明した工程によって得られたシリカ粒子の分散液に、凝析剤を添加する工程を含んでいてもよい。本工程によれば、分散液中でシリカ粒子の弱い凝集体ケーク)が形成される。この凝集体は、分散液中に存在する凝析剤又はその誘導体の存在により、分散液中で安定に存在することが可能である。また、凝集体とすることにより、シリカ粒子を、ろ過によって容易に回収することができる。

0110

上記凝析剤としては、二酸化炭素炭酸アンモニウム炭酸水素アンモニウム及びカルバミン酸アンモニウム等が挙げられる。これらの凝析剤の場合、凝析剤として金属塩を用いる場合に比べると、金属不純物が混入する可能性がないため、好ましい。また、上記凝析剤は、わずかの加熱により容易に分解及び除去されるため、高純度の疎水性異形シリカ粉末を容易に製造することができる。

0111

上記凝析剤としては、炭酸水素アンモニウム及びカルバミン酸アンモニウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種を使用することが好ましく、炭酸水素アンモニウムを使用することがより好ましく、炭酸水素アンモニウムを水溶液として添加することがさらに好ましい。上記の凝析剤は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。

0112

凝析剤の添加量及び添加方法は、使用する凝析剤の種類に応じて下記のように設定することができる。凝析剤の添加量は、分散液中でのシリカ粒子の弱い凝集体の形成の程度と、不当に多量の原料を使用することの無駄とのバランスを勘案することによって設定される。以下における凝析剤の添加量の基準としてのシリカ粒子の質量は、用いたアルコキシシランが全て加水分解及び重縮合したと仮定した場合の換算値である。

0113

上記凝析剤として二酸化炭素を使用する場合、その添加量は、分散液中に含有されるシリカ粒子100質量部に対して、15質量部以上であることが好ましく、15〜300質量部であることがより好ましく、17〜200質量部であることがさらに好ましい。

0114

二酸化炭素の添加方法としては、気体の状態で分散液中に吹き込む方法及び固体の状態(ドライアイス)で添加する方法等を挙げることができる。操作が簡単であるという観点からは、二酸化炭素を固体の状態で添加することが好ましい。

0115

上記凝析剤として炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム又はカルバミン酸アンモニウムを使用する場合、その添加量は、分散液中に含有されるシリカ粒子100質量部に対して、15質量部以上であることが好ましく、15〜80質量部であることがより好ましく、17〜60質量部であることがさらに好ましく、20〜50質量部であることが特に好ましい。

0116

炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム又はカルバミン酸アンモニウムは、固体の状態で添加してもよく、適当な溶媒に溶解した溶液状態で添加してもよい。これらを溶液状態で添加する場合に使用される溶媒としては、これらを溶解するものであれば特に制限されないが、溶解能力が高く、またろ過後の除去が容易であるとの観点から、水を使用することが好ましい。炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム又はカルバミン酸アンモニウム溶液の濃度は、これらが溶解する範囲ならば特に制限されないが、2〜15質量%であることが好ましく、5〜12質量%であることがより好ましい。上記濃度であれば、溶液の使用量が多すぎず、経済的である。

0117

特に、いわゆる「炭酸アンモニウム」として市販されている、炭酸水素アンモニウムとカルバミン酸アンモニウムとの混合物は、これをそのまま、或いは適当な溶媒に溶解した溶液として使用することができる。この場合における、炭酸水素アンモニウムとカルバミン酸アンモニウムとの合計の添加量、並びにこれを溶液として添加する場合に使用される溶媒の種類及び溶液の濃度は、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム又はカルバミン酸アンモニウムの場合として上記したところと同様である。

0118

本工程において、シリカ粒子の分散液中へ凝析剤を添加する場合の温度は特に制限はされないが、疎水化処理を行う際の好ましい温度と同じ温度範囲で実施することができる。

0119

凝析剤の添加後、熟成を行うこと(即ち次工程のろ過までに暫く間隔をおくこと)、が好ましい。凝析剤の添加後に熟成を行うことにより、上述のシリカ粒子の弱い凝集体の形成が促進されるため、好ましい。熟成時間は、0.5〜72時間であることが好ましく、1〜48時間であることがより好ましい。熟成時間が0.5時間以上であれば、凝集体の形成を十分に促成することができる。また、熟成時間が72時間以下であれば、経済的である。熟成の際の分散液の温度は特に制限されず、凝析剤の添加の際の好ましい温度と同じ温度範囲で実施することができる。

0120

<2−4.シリカ粒子の回収>
本製造方法は、<2−1.シリカ粒子を製造する工程>〜<2−3.シリカ粒子の凝析>にて説明した工程によって得られたシリカ粒子を含有する分散液から、シリカ粒子を回収する工程を含んでいてもよい。

0121

シリカ粒子は、ろ過によって容易に回収することができる。ろ過の方法は特に制限はされず、例えば減圧濾過加圧ろ過及び遠心ろ過等の公知の方法を適用することができる。

0122

ろ過で使用する、ろ紙フィルター及びろ布等(以下、これらを包括して「ろ紙等」という)は、工業的に入手可能なものであれば、特に制限なく使用することができ、分離装置ろ過器)のスケールに応じて適宜選択すればよい。本製造方法において回収対象であるシリカ粒子は二次粒子であるため、ろ紙等の孔径は一次粒子径よりもはるかに大きくてよい。そのため、迅速にろ過することが可能である。

0123

ろ過により、シリカ粒子がケークとして回収される。得られたケークを、適当な溶媒(例えば水又はアルコール等)を用いてリンスすることにより、ゾルゲル法による反応で使用した溶媒、塩基性触媒及び未反応の表面処理剤の分解及び除去を行うことができる。

0124

<2−5.シリカ粒子の乾燥>
本製造方法は、<2−1.シリカ粒子を製造する工程>〜<2−4.シリカ粒子の回収>にて説明した工程よって得られたシリカ粒子を乾燥させる工程を含んでいてもよい。本工程によれば、シリカ粒子の解砕性が更に向上する。また、上記ろ過又はリンス等によっても除去されずにケーク中に残存している凝析剤を、熱分解により容易に除去することができる。

0125

乾燥の方法は特に制限はされず、送風乾燥又は減圧乾燥等の公知の方法を採用することが可能である。より解砕され易くなる傾向にあるという観点からは、減圧乾燥を採用することが好ましい。

0126

乾燥の温度は35〜200℃であることが好ましく、50〜200℃であることがより好ましく、80〜200℃であることがさらに好ましく、120〜200℃であることが特に好ましい。乾燥の温度が35℃以上であれば、より解砕され易い疎水性異形シリカ粉末を得ることができる。また、乾燥の温度が200℃以下であれば、疎水化処理によって疎水性異形シリカ粉末の表面に導入された置換基の分解を防ぐことができる。

0127

乾燥時間は、特に制限はされないが、十分に乾燥した疎水性異形シリカ粉末を得るという観点からは、2〜48時間であることが好ましい。

0128

〔3.トナー用外添剤〕
本トナー用外添剤は、上記疎水性異形シリカ粉末を含む。それゆえ、本トナー用外添剤は、トナー表面からの脱離が認められず、トナー耐久性を向上させることができる。

0129

本トナー用外添剤は、上記疎水性異形シリカ粉末からなるものであってもよく、上記疎水性異形シリカ粉末以外の成分をさらに含むものであってもよい。上記疎水性異形シリカ粉末以外の成分としては、例えば、上記疎水性異形シリカ粉末以外のシリカ粉末、シリカ以外の酸化物微粒子チタニア及びアルミナ等)、滑剤テフロン登録商標)、ステアリン酸亜鉛及びポリフッ化ビニリデン等)、並びに定着助剤ポリエチレン及びポリプロピレン等)等が挙げられる。

0130

本トナー用外添剤が適用可能なトナーとしては、黒トナー及びカラートナー等が挙げられる。また、本トナー用外添剤は、磁性一成分、非磁性一成分及び二成分等のいずれの電子写真システムにも使用可能である。トナーのバインダー樹脂も、一般的に使用されるスチレンアクリル共重合体樹脂ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂等、特に制限なく適用可能である。また、トナーの製造方法も、主流の粉砕及び混練法はもとより、懸濁重合もしくは乳化重合等の重合法又は溶解懸濁法で得られた、いわゆるケミカルトナーであっても問題なく適用できる。

0131

本トナー用外添剤は、その他のトナーの構成材料を任意に配合したトナーに対しても適用することができる。その他のトナーの構成材料としては、黒の着色剤シアンマゼンタ及びイエロー等のカラー着色剤、正帯電及び負帯電の帯電制御剤、並びにワックス等の離型剤等、当該分野で通常使用される材料を何ら制限なく使用できる。

0132

本トナー用外添剤の、トナーに対する添加量は、得られるトナーが所望する特性となるような量であれば、特に制限はされない。上記添加量は、トナー用外添剤を含むトナーを100重量%として、通常0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜4重量%である。トナー用外添剤は、公知の方法によってトナーに添加できる。

0133

本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。

0134

以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例における各種の物性測定等は以下の方法による。

0135

〔物性の測定方法
(1)重量基準粒度分布のメジアン径及び極大(ピーク)、並びに幾何標準偏差σg
測定試料調製)
測定試料であるシリカの濃度が1.5質量%である2−プロパノール懸濁液を、以下のように調製した。シリカ0.3gと2−プロパノール20gとをガラス製のサンプル管瓶(アズワン(株)製、内容量30mL、外径約28mm)に入れた。試料入りの当該サンプル管瓶を、超音波細胞破砕器(BRANSON製、型番Sonifier II Model 250D、プローブ:1/4インチ)のプローブチップ面が水面下15mmになるように設置した。当該超音波細胞破砕器を用いて、出力20W、分散時間45分の条件でシリカ粒子を2−プロパノールに分散し、測定試料であるシリカの濃度が1.5質量%である2−プロパノール懸濁液を調製した。

0136

(測定方法)
ディスク遠心沈降式粒度分布測定装置(CPS製、型番DC−24000)を用いて、メジアン径及び粒度分布を測定した。測定条件は、回転数18000rpm、シリカ真密度2.1g/cm3として、0.476μmのPVC粒子で測定毎に校正した。粒度分布の幾何標準偏差σgは、得られた重量基準粒度分布を累積頻度10質量%〜90質量%の範囲で対数平均分布フィッティング(最小2乗法)し、そのフィッティングから算出した。

0137

(2)画像解析法により得られた面積(S)と画像解析法により得られた包絡面積(S0)との比(S/S0)、粒子の平均円形度、円形度が0.95以上である粒子の含有量
(測定方法)
500個以上のシリカ粒子についてFE−SEM((株)日立ハイテクノロジーズ製、型番S−5500)を用いて、加速電圧30kV、倍率20000倍で明視野−走査透過像(BF−STEM)を撮影した。撮影した写真を画像解析ソフト「A像くん」(旭化成エンジニアリング(株)製)に取り込み、粒子解析パラメータを以下の通りとし、粒子解析した。
粒子の明度:暗
2値化の方法:手動
収縮分離回数:20回
小図形:0
雑音除去フィルター:有
シェーディング:有
結果表示単位:nm
粒子解析により、各粒子の面積(S)、包絡面積(S0)(粒子の凸部を結んだ包絡線で囲まれた中の面積)及びアスペクト比を求めた。さらに、各粒子の面積と包絡面積との比(S/S0)を求めた。また、各粒子の円形度を、各粒子の面積及び周囲長を用いて下記式(1)より算出した。

0138

円形度=4π×面積/(周囲長)2 (1)
面積と包絡面積との比(S/S0)、平均円形度及びアスペクト比は、上記画像解析により得られた各粒子の面積と包絡面積との比(S/S0)、円形度及びアスペクト比の平均をとり、求めた。また、面積と包絡面積との比(S/S0)が0.97以上である粒子の個数割合及び円形度が0.95以上である粒子の個数割合を求めた。

0139

(3)疎水化度(M値)
容量200mLのビーカーに水50mLを秤取後、シリカ粉末試料0.2gを投入した。これをマグネティックスターラーで攪拌しながら、ビュレットにてメタノールを滴下、投入したシリカ粉末の全量がビーカー内の溶媒に濡れて懸濁した点を終点とする滴定を実施した。この際、投入したシリカ粉末試料に直接メタノールが接触しない様に、チューブで溶媒内へ導入した。そして、滴定終点におけるメタノール−水混合溶媒中のメタノールの体積%の値を疎水化度(M値)とした。

0140

(4)真比重
乾式自動密度計((株)島津製作所製、型番アキュピックII 1340シリーズ)を使用し、10ccのセルを用いて測定した。

0141

(5)ナトリウム、カリウム及び鉄の含有量
<ナトリウム及びカリウムの含有量>
(測定試料調製)
超純水50gにシリカ粉末5gを添加し、テフロン(登録商標)分解容器を用いて120℃で24時間加熱した。超純水及びシリカ粉末は0.1mg単位まで秤量した。その後、遠心分離器を用いてシリカ固形分を分離し、イオンクロマト測定試料を得た。なお、超純水のみで上記操作を行い、ブランク試料を得た。

0142

(測定)
イオンクロマトグラフィーシステム(日本ダイオネクス(株)製、型番ICS−2100)を用いて、測定試料中のナトリウム及びカリウムの濃度を測定した。シリカ粉末のナトリウム及びカリウムの含有量は下記式(2)を用いて算出した。

0143

CSilica=(CSample−CBlank)×MPW/MSilica (2)
CSilica:シリカ中イオン濃度(ppm)
CSample:測定試料中のイオン濃度(ppm)
CBlank:ブランク試料中のイオン濃度(ppm)
MPW:超純水水量(g)
MSilica:シリカ重量(g)
なお、各イオンのCBlankはすべて0ppmであった。

0144

<鉄の含有量>
乾燥後のシリカ粉末2gを精秤して白金皿に移し、濃硝酸10mL及びフッ酸10mLをこの順で加えた。これを200℃に設定したホットプレート上に乗せて加熱して内容物を乾固した。室温まで冷却後、さらに濃硝酸2mLを加え、200℃に設定したホットプレート上に乗せて加熱して溶解した。室温まで冷却後、白金皿の内容物である溶液を容量50mLのメスフラスコに移し、超純水で希釈して標線に合わせた。これを試料として、ICP発光分析装置((株)島津製作所製、型番ICPS−1000IV)により、鉄の含有量を測定した。

0145

(6)トナー耐久性評価
スチレン−アクリル樹脂ガラス転移温度61℃)をジェットミルで粉砕し、平均粒径8μmの樹脂粉を得た。この樹脂粉200gと得られたシリカ粉末2g及び表面処理ヒュームドシリカ((株)トクヤマ製、商品名HM−30S)1gとを混合し疑似トナーを得た。得られた疑似トナー101.5gと粒径1mmのガラスビーズ600gとを混合し、振とう器(ヤマト科学(株)製、型番SA−31)を用いて振とうさせることで機械的ストレスを与え、劣化後の試料とした。なお、振とう幅は40mm、振とう数は280回/分とし、振とう時間は120分とした。また、機械的ストレスを与えていない試料を劣化前試料とした。劣化前後の試料をSEM観察し、樹脂粉の表面におけるシリカ粉末の残存程度を評価した。樹脂粉の表面に、シリカ粉末がほとんど残存しているものを◎、7割程度残存しているものを○、半分程度残存しているものを△、ほとんど残存していないものを×とした。

0146

(7)ヒュームドシリカ分散液の分散性指数
ヒュームドシリカとメタノールとからなる分散液を測定試料セル(東京硝子器(株)製、合成セル、5面透明、10×10×45H)に入れ、分光光度計(日本分光(株)製、型番V−630)を使用して、分散液の吸光度τ700及びτ460を求めた。分散液の分散性指数nは下記式(3)を用いて算出した。

0147

n=2.382×ln(τ460/τ700) (3)
なお、τ700は波長700nmの光に対する分散液の吸光度を表し、τ460は波長460nmの光に対する分散液の吸光度を表す。

0148

得られた分散性指数の値が2.5以上であれば、ヒュームドシリカが分散液中に凝集することなく十分に分散していると判断した。

0149

〔実施例1〕
ヒュームドシリカ((株)トクヤマ製、商品名QS−30、BET比表面積302m2/g、平均一次粒子径7nm)5.25g及びメタノール520gを容量2Lのディスポカップ((株)アズワン製)に投入した。試料入りの当該ディスポカップを、超音波細胞破砕器(BRANSON製Sonifier II Model 250D、プローブ:1/4インチ)のプローブチップ面がディスポカップ底から10mmになるように設置した。当該超音波細胞破砕器を用いて、出力60W、分散時間30分の条件でヒュームドシリカをメタノールに分散し、分散液を調製した。本操作を2回実施して調製した分散液を混合し、ヒュームドシリカ10.5g及びメタノール1040gからなる分散液を得た。なお、分散液の分散性指数は2.82であり、ヒュームドシリカが十分に分散されていることを確認した。

0150

つづいて、5Lの4つ口フラスコに、調製した分散液1050.5gと、仕込みアンモニア水としての15質量%アンモニア水152gとを投入し、35℃で撹拌した。アルコキシシランとしてのテトラメトキシシラン705.5gと、添加アンモニア水としての5質量%アンモニア水232.2gとを、それぞれ独立に液中滴下した。滴下は120分で終了するように速度を調整して実施した。滴下開始後10分の段階で反応液が白濁しており、反応が進行している様子が確認された。

0151

滴下終了後、30分熟成を行い、ヘキサメチルジシラザン500gを投入後、60分撹拌した。つづいて10%炭酸水素アンモニウム水溶液1000gを投入し、120分撹拌した。120分経過後、定量ろ紙(保留粒径7μm)を使用し、減圧濾過を行い、ケークを得た。ろ液は透明であり、ろ液漏れは確認されなかった。さらに、100℃で16時間減圧乾燥を行い、272gのシリカ粉末を得た。

0152

〔実施例2〕
テトラメトキシシランの添加量を680gに変更したこと以外は、実施例1と同様にしてシリカ粉末を得た。なお、分散液を2回調製し、これらの分散液を混合した際の分散性指数が2.5以上であることを確認した。

0153

〔実施例3〕
テトラメトキシシランの添加量を352.8gに変更したこと、添加アンモニア水としての5質量%アンモニア水の添加量を116.1gに変更したこと及びこれらの滴下時間(供給時間)を60分に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてシリカ粉末を得た。なお、分散液を2回調製し、これらの分散液を混合した際の分散性指数が2.5以上であることを確認した。

0154

〔実施例4〕
調製した分散液と仕込みアンモニア水とを4つ口フラスコ中で撹拌する際の温度を40℃に変更したこと以外は、実施例3と同様にしてシリカ粉末を得た。なお、分散液を2回調製し、これらの分散液を混合した際の分散性指数が2.5以上であることを確認した。

0155

〔実施例5〕
テトラメトキシシランの添加量を493.9gに変更したこと、添加アンモニア水としての5質量%アンモニア水の添加量を162.5gに変更したこと及びこれらの滴下時間(供給時間)を84分に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてシリカ粉末を得た。なお、分散液を2回調製し、これらの分散液を混合した際の分散性指数が2.5以上であることを確認した。

0156

〔実施例6〕
アルコキシシラン及び添加アンモニア水の滴下時間(供給時間)を240分に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてシリカ粉末を得た。なお、分散液を2回調製し、これらの分散液を混合した際の分散性指数が2.5以上であることを確認した。

0157

〔実施例7〕
アルコキシシランとしてテトラメトキシシランの代わりにテトラエトキシシランを添加したこと、並びにアルコキシシラン及び添加アンモニア水の滴下時間(供給時間)を180分に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてシリカ粉末を得た。なお、分散液を2回調製し、これらの分散液を混合した際の分散性指数が2.5以上であることを確認した。

0158

〔実施例8〕
ヒュームドシリカの投入量を26.7gに変更したこと、テトラメトキシシランの添加量を1763.6gに変更したこと、添加アンモニア水としての5質量%アンモニア水の添加量を580.5gに変更したこと及びこれらの滴下時間(供給時間)を300分に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてシリカ粉末を得た。なお、分散液を2回調製し、これらの分散液を混合した際の分散性指数が2.5以上であることを確認した。

0159

〔実施例9〕
ヒュームドシリカとして(株)トクヤマ製の商品名QS−30の代わりに(株)トクヤマ製の商品名QS−102(BET比表面積205m2/g、平均一次粒子径12nm)を用いたこと、並びにアルコキシシラン及び添加アンモニア水の滴下時間(供給時間)を180分に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてシリカ粉末を得た。なお、分散液を2回調製し、これらの分散液を混合した際の分散性指数が2.5以上であることを確認した。

0160

〔実施例10〕
ヒュームドシリカとして(株)トクヤマ製の商品名QS−30の代わりに(株)トクヤマ製の商品名QS−09(BET比表面積85m2/g、平均一次粒子径22nm)を用いたこと、並びにアルコキシシラン及び添加アンモニア水の滴下時間(供給時間)を240分に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてシリカ粉末を得た。なお、分散液を2回調製し、これらの分散液を混合した際の分散性指数が2.5以上であることを確認した。

0161

〔実施例11〕
添加アンモニア水の濃度を2.6質量%に変更したこと及び当該添加アンモニア水の添加量を226.4gに変更したこと以外は、実施例1と同様にしてシリカ粉末を得た。なお、分散液を2回調製し、これらの分散液を混合した際の分散性指数が2.5以上であることを確認した。

0162

〔実施例12〕
添加アンモニア水の濃度を9.5質量%に変更したこと及び当該添加アンモニア水の添加量を121.9gに変更したこと以外は、実施例1と同様にしてシリカ粉末を得た。なお、分散液を2回調製し、これらの分散液を混合した際の分散性指数が2.5以上であることを確認した。

0163

〔比較例1〕
ヒュームドシリカを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にしてシリカ粉末を得た。即ち、図6(a)のように、核生成反応により核粒子を生成させた後、当該核を粒成長させて、大粒径のシリカ粒子を得た。

0164

〔結果〕
実施例1〜12及び比較例1の反応条件を表1に示す。また、実施例1〜12及び比較例1における各種物性の測定結果を表2に示す。

0165

0166

0167

表2から、疎水性異形シリカ粉末を用いた実施例1〜12は、球形のシリカ粉末を用いた比較例1に比べてトナー耐久性に優れることがわかる。

実施例

0168

なお、BET比表面積が小さく、平均一次粒子径が大きいQS−09を用いた実施例10に比べて、BET比表面積が大きく、平均一次粒子径が小さいQS−102又はQS−30を用いた実施例1〜9、11及び12において、トナー耐久性について、より好ましい結果が得られた。また、アルコキシシラン及び添加アンモニア水の添加量及び供給時間を低減した実施例3〜5では、トナー耐久性について、さらに好ましい結果が得られた。

0169

本発明は、例えば、電子写真用トナー粒子の外添剤等の分野において、好適に利用することができる。

0170

1疎水性異形シリカ粉末
2 トナー

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