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技術 車両

出願人 株式会社ブリヂストン
発明者 宇田真
出願日 2016年3月4日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2016-041887
公開日 2017年9月7日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2017-154685
状態 特許登録済
技術分野 自動自転車、自転車一般
主要キーワード 短ロッド Zより 傾斜ロッド 三角プレート 移動リンク フロントギア 伝達プレート 振り子部材
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年9月7日)のものです。
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図面 (6)

課題

低速での旋回走行から直進走行への移行を円滑にするとともに、車両11の幅を容易に狭小化する。

解決手段

揺動手段72により、ステアリング軸36の回転を振り子部材63に伝達して車体24の傾動と同一方向に揺動させる一方、振り子部材63に付与された力に基づく回転モーメントをステアリング軸36に伝達して回転させるようにしたので、車両11の走行速度が遠心力の小さな低速のときでも、運転者の体重に基づく大きな回転モーメントで、ステアリング軸36を中立位置に、車体24を直立状態復帰させ、容易に直進走行に移行させることができる。

概要

背景

従来、前述のような車両としては、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが知られている。

概要

低速での旋回走行から直進走行への移行を円滑にするとともに、車両11の幅を容易に狭小化する。揺動手段72により、ステアリング軸36の回転を振り子部材63に伝達して車体24の傾動と同一方向に揺動させる一方、振り子部材63に付与された力に基づく回転モーメントをステアリング軸36に伝達して回転させるようにしたので、車両11の走行速度が遠心力の小さな低速のときでも、運転者の体重に基づく大きな回転モーメントで、ステアリング軸36を中立位置に、車体24を直立状態復帰させ、容易に直進走行に移行させることができる。

目的

この発明は、低速での旋回走行から直進走行に円滑に移行することができ、また、その幅を容易に狭小化することができる車両を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

幅方向に離れ地面Sに対し直立している複数の前輪を回転可能に支持する狭幅の前フレームと、前記前フレームに前後方向に延びる回転軸Z回りに回転できるよう連結された車体と、該車体の後端部に回転可能に支持され、前記車体が回転軸Z回りに回転したとき、地面Sに対する接地点Mを中心として車体と共に傾動する少なくとも1個の後輪と、上端部にハンドルが取り付けられ、直進走行時には中立位置に位置する回転可能なステアリング軸と、ステアリング軸の回転を前記前輪に伝達して該前輪を操舵する操舵手段と、前記ステアリング軸の回転を車体に伝達し、車体および後輪をステアリング軸の回転に連動して共に傾動させる連動手段と、前記車体から垂下するよう上端部が該車体に支持され、前記回転軸Zに平行で該回転軸Zより上方に位置する軸線Nを中心として揺動可能で、下端部に座席シートが設けられた振り子部材と、前記ステアリング軸の回転を振り子部材に伝達し、該振り子部材を前記軸線Nを中心として垂下状態から車体の傾動方向と同一方向に揺動させる一方、振り子部材に付与された力に基づく回転モーメントをステアリング軸に伝達し、該ステアリング軸を中立位置に向かって回転させる揺動手段とを備えたことを特徴とする車両。

請求項2

前記振り子部材を、前後方向に延び前記座席シートが設けられた延在体と、該延在体に下端部が回転可能に連結される一方、上端部が車体に揺動可能に連結され、上方に向かうに従い互いに接近した2本の傾斜ロッドとから構成し、前記軸線Nを2本の傾斜ロッドの延長線が交差する交点を通過し前記回転軸Zに平行な直線とした請求項1記載の車両。

請求項3

前記ステアリング軸を前記前フレームに回転可能に支持させた請求項1または2記載の車両。

請求項4

前記振り子部材の揺動時における揺動角度Vを車体の傾動角度Uより大とした請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両。

請求項5

前記揺動手段は、一端が前記連動手段の動力伝達経路の途中に連結され、他端が振り子部材の傾斜ロッドに連結された伝達機構を有する請求項2記載の車両。

技術分野

0001

この発明は、前輪が地面に対し直立している一方、後輪および車体は傾動可能である車両に関する。

背景技術

0002

従来、前述のような車両としては、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが知られている。

0003

特開2001−010577号公報

先行技術

0004

このものは、幅方向に離れ地面に対し直立している2個の前輪を回転可能に支持する前フレームと、前記前フレームに前後方向に延びる回転軸回りに回転できるよう連結された車体と、該車体の後端部に回転可能に支持され、前記車体が回転軸回りに回転したとき、地面に対する接地点を中心として車体と共に傾動する1個の後輪と、前記車体に回転可能に支持されるとともに、上端部にハンドルが取り付けられ、直進走行時には中立位置に位置するステアリング軸と、ステアリング軸の回転を前記前輪に伝達して該前輪を操舵する操舵手段と、前記ステアリング軸の回転を車体に伝達し、車体および後輪をステアリング軸の回転に連動して共に傾動させる連動手段と、前記前フレームと車体との間を橋渡しながらハの字形に設置され、車体の傾動に基づく弾性復元力を車体に補助的に付与することにより、該車体を地面に対し直立するよう揺動復帰させる2個のリターンスプリングとを備えたものである。

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、このような従来の車両にあっては、高速あるいは中速旋回走行している状態から直進走行移行させるときには、比較的大きな遠心力が運転者、車両に作用するため、あまり問題なく旋回走行から直進走行に移行することができるが、低速で旋回走行している状態から直進走行に移行させるときには、運転者、車両に作用する遠心力が小さな値であり、しかも、前述の補助的に作用するリターンスプリングの弾性復元力も充分な値ではないため、直進走行への円滑な移行が困難となっていたという課題があった。なお、旋回走行時に運転者が重心位置を車体の回転軸より旋回外側となるまで大きく移動させて直進走行に復帰させることも考えられるが、このようにすると急激に車体が揺動して車体がふらついてしまい安定性が低下してしまうのである。また、前述のように2個のリターンスプリングをハの字形に配置した場合、これらリターンスプリングとタイヤ周辺の部材との干渉を避ける必要があり、この結果、自転車等に適用する場合には車両の幅が広くなり過ぎて実用的ではなくなると課題もあった。

0006

この発明は、低速での旋回走行から直進走行に円滑に移行することができ、また、その幅を容易に狭小化することができる車両を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

このような目的は、幅方向に離れ地面Sに対し直立している複数の前輪を回転可能に支持する狭幅の前フレームと、前記前フレームに前後方向に延びる回転軸Z回りに回転できるよう連結された車体と、該車体の後端部に回転可能に支持され、前記車体が回転軸Z回りに回転したとき、地面Sに対する接地点Mを中心として車体と共に傾動する少なくとも1個の後輪と、上端部にハンドルが取り付けられ、直進走行時には中立位置に位置する回転可能なステアリング軸と、ステアリング軸の回転を前記前輪に伝達して該前輪を操舵する操舵手段と、前記ステアリング軸の回転を車体に伝達し、車体および後輪をステアリング軸の回転に連動して共に傾動させる連動手段と、前記車体から垂下するよう上端部が該車体に支持され、前記回転軸Zに平行で該回転軸Zより上方に位置する軸線Nを中心として揺動可能で、下端部に座席シートが設けられた振り子部材と、前記ステアリング軸の回転を振り子部材に伝達し、該振り子部材を前記軸線Nを中心として垂下状態から車体の傾動方向と同一方向に揺動させる一方、振り子部材に付与された力に基づく回転モーメントをステアリング軸に伝達し、該ステアリング軸を中立位置に向かって回転させる揺動手段とを備えた車両により、達成することができる。

発明の効果

0008

この発明においては、車体から垂下するとともに軸線Nを中心として揺動可能で下端部に座席シートが設けられた振り子部材と、ステアリング軸の回転を振り子部材に伝達し、該振り子部材を垂下状態から車体の傾動方向と同一方向に揺動させる一方、振り子部材に付与された力に基づく回転モーメントをステアリング軸に伝達し、該ステアリング軸を中立位置に向かって回転させる揺動手段とを備えているため、低速での旋回走行から直進走行に移行させるときのように遠心力が小さい場合であっても、運転者の体重に基づいてステアリング軸に伝達される回転モーメントの値を容易に大きくすることができ、これにより、ステアリング軸、車体を容易に中立位置、直立状態にそれぞれ復帰させることができる。また、この発明では、ハの字形に配置した2個のリターンスプリングは不要であるため、自転車等のような幅の狭い車両に問題なく適用することができる。

0009

また、請求項2に記載のように構成すれば、小型、軽量でありながら、ステアリング軸に伝達される回転モーメントの腕の長さを容易に長く、結果として、回転モーメントの値を容易に大きくすることができる。さらに、請求項3に記載のように構成すれば、車体の傾動時にもステアリング軸は傾動することがないので、運転者がハンドルを掴んだ状態で腕に力を入れるだけで、自身の体重(重心)を車両の幅方向に容易かつ正確に移動させることができる。また、請求項4に記載のように構成すれば、振り子部材からステアリング軸に伝達される回転モーメントの値を大きくすることができるため、旋回半径が小さい(前輪の操舵角が大きい)高速走行から容易に直進走行に移行させることができる。さらに、請求項5に記載のように、ステアリング軸から伝達機構の一端までの動力伝達経路を連動手段と揺動手段とで共用とすれば、揺動手段の構造を簡単とすることができる。

図面の簡単な説明

0010

この発明の実施形態1を示す車体が直立状態であるときの平面図である。
車体が直立状態であるときの側面図である。
車体が左側に傾斜しているときの正面図である。
車体が左側に傾斜しているときの背面断面図である。
(a)(b)は作用を説明する説明図である。

実施例

0011

以下、この発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。
図1〜4において、11は前二輪後一輪の車両、ここでは三輪自転車であり、この車両11はその前部に剛体からなる前フレーム12を有している。ここで、この実施例の説明においては、前後、左右、上下の方向とは、車体前方を向いている運転者から見た前後、左右、上下の方向を意味している。13は前記前フレーム12の前端部でその左右端部に、略上下方向に延びるキングピン14を介して旋回可能に支持された一対のナックルであり、これらのナックル13には水平軸回りに回転可能な複数、ここでは一対(2個)の前輪15が車両11の幅方向に離れて支持され、これら前輪15は周上1箇所が地面Sに接地している。この結果、これら一対の前輪15は前記前フレーム12に地面Sに対し直立した状態を維持しながら(車両11の旋回時にも回転軸が水平に対し傾動することなく)支持されるが、キングピン14を中心として直立状態を維持しながら左右に首振りすることができる。そして、これら一対の前輪15間の距離は、三輪バギーにおける一対の後輪間の距離のように広くはなく、比較的狭幅であり、この結果、車両11に大きな遠心力等の横力が作用すると、三輪バギーに比較し、安定した運転が難しくなる。なお、この発明においては、前記前輪は3個あってもよい。

0012

前記前フレーム12の後部には車両11の幅方向に延びる水平な固定リンク18の長手方向中央部が固定され、この固定リンク18の両端部には等長で互いに平行である一対の平行リンク19の後端部が回転可能に連結されている。20は両端部が前記平行リンク19の前端部に回転可能に連結された移動リンクであり、この移動リンク20はコの字形を呈している。そして、前記平行リンク19が固定リンク18との連結点を中心に同期揺動すると、移動リンク20は左右方向に平行移動する。前記移動リンク20の中央部にはほぼ左右方向に延び等長である一対のタイロッド21の内側端がそれぞれボールジョイントにより連結され、これらタイロッド21の外側端は前記ナックル13にそれぞれボールジョイントを介して連結されている。この結果、前述のように移動リンク20が車両11の幅方向に移動すると、ナックル13がキングピン14を中心に旋回し、一対の前輪15が同一方向に同一角度だけ同期して首振りする。

0013

24はほぼ水平に延びる水平部24aと、上方に向かって拡開した略V字形を呈するとともに、その折れ曲がり部が水平部24aの長手方向中央部に一体的に連結された拡開部24bとを備えた車体であり、この車体24の水平部24aの前端部は前フレーム12の後端部に回転可能に挿入されて支持されている。この結果、前記車体24は前述した前フレーム12に前後方向に延びる回転軸Z、即ち水平部24aの中心軸回りに回転できるよう連結されていることになる。前記水平部24aと拡開部24bとが連結された連結部には、一対のクランク25の基端が連結されたクランクシャフト(図示せず)が回転可能に支持され、これらクランク25の先端にはペダル26が回転可能に支持されている。一方、前記車体24(水平部24a)の後端部には左右方向に延びる軸線回りに回転可能な少なくとも1個、ここでは1個の後輪27が支持され、この後輪27は前記前輪15と同様に周上1箇所が地面Sに接地している。なお、この発明においては、後輪は前述した前輪15と同様に2個あってもよく、この場合の後輪間の間隔は前輪15間の間隔と同一とすることが好ましい。

0014

前述のように水平部24aの前端部が直立している前フレーム12に回転可能に支持されているため、車体24は前述した回転軸Z回りに回転することになるが、このように回転したとき、該車体24は後輪27の地面Sに対する接地点Mを中心として車体24と共に傾動する。前記クランクシャフトにはフロントギアクランクスプロケット)30が固定され、また、後輪27にはリアギアリヤスプロケット)31が固定されているが、これらフロントギア30、リアギア31間にはチェーン32が掛け渡されている。この結果、運転者が前記ペダル26を踏み込んでクランクシャフトを回転させると、該クランクシャフトの回転はフロントギア30、チェーン32を介してリアギア31に伝達され、後輪27を回転させて車両11を前進させる。前述したクランクシャフト、クランク25、ペダル26、フロントギア30、リアギア31、チェーン32は全体として、三輪自転車である車両11に推進力を付与して該車両11を走行させる推進手段33を構成する。なお、この発明においては、推進手段をエンジンあるいは電動モータ等の動力源と、ミッション装置等を含むパワーユニットとから構成してもよく、この場合には、車両はオートバイあるいはスクーターとなる。

0015

36は前記前フレーム12に下側部が回転可能に支持されたステアリング軸であり、このステアリング軸36は下端から上端に向かうに従い後方に向かうよう傾斜するとともに、その上端部には水平なハンドル37が取り付けられている。そして、このステアリング軸36は、前記車両11の直進走行時には、ハンドル37が車両11の幅方向に延びているときの位置、即ち、中立位置(図1参照)に位置している。なお、この発明においては、前記ステアリング軸を車体に回転可能に支持させるようにしてもよい。前記ステアリング軸36の前フレーム12から下方に突出した下端部には伝達部材38が固定され(図3、4参照)、この伝達部材38には一端部が左側の平行リンク19にボールジョイントを介して連結された伝達ロッド39の他端部がボールジョイントを介して連結されている。この結果、前記ステアリング軸36が回転し、伝達ロッド39が引っ張られたり押されたりして長手方向に移動すると、前述のように移動リンク20が左右方向に平行移動し前輪15が首振りする。

0016

前述した固定リンク18、平行リンク19、移動リンク20、タイロッド21、伝達部材38、伝達ロッド39は全体として、ステアリング軸36の回転を前記前輪15に伝達して該前輪15を操舵する操舵手段40を構成する。なお、この発明においては、操舵手段として、周知のウォームローラ式あるいはラックピニオン式のものを用いるようにしてもよい。前記前フレーム12の直上のステアリング軸36にはハンドル37に平行に延びる伝達プレート43の長手方向中央部が固定され、この伝達プレート43の両端部にはボールジョイントを介して略前後方向に延びる一対の伝達リンク44の前端部がそれぞれ連結されている。45は車両11の幅方向に離れて設置された一対の三角プレートであり、これらの三角プレート45の第1の頂点部は前フレーム12の上端部に固定された左右方向に延びるピン46に回転可能に支持され、また、第2の頂点部には前記伝達リンク44の後端部がボールジョイントを介して連結されている。47は前フレーム12の直後に位置する車体24(水平部24a)に固定された連結ブロックであり、この連結ブロック47の幅方向両端部にボールジョイントを介して下端部がそれぞれ連結された一対の連結ロッド48の上端部は、ボールジョイントを介して前記三角プレート45の第3の頂点近傍にそれぞれ連結されている。

0017

この結果、前記ステアリング軸36を中立位置から時計回りあるいは反時計回りに回転させると、該ステアリング軸36の回転は伝達プレート43、伝達リンク44を介して三角プレート45に伝達され、いずれか一方の三角プレート45をピン46を中心として上方に、残り他方の三角プレート45をピン46を中心として下方(逆方向)に前記一方の三角プレート45の揺動角度と同一角度だけ揺動させる。このとき、前述した三角プレート45の揺動は連結ロッド48を介して連結ブロック47に伝達されるため、車体24は連結ブロック47と共に回転軸Z回りに所定角度だけ回転し、これにより、車体24、後輪27は共にステアリング軸36に連動しながら接地点Mを中心として旋回内側旋回中心が存在する側)に傾動し、車両11は、図1、2に示す直進走行から、図3、4に示す旋回走行に移行する。前述した伝達プレート43、伝達リンク44、三角プレート45、連結ブロック47、連結ロッド48は全体として、前記ステアリング軸36の回転を車体24に伝達し、車体24および後輪27をステアリング軸36の回転に連動して共に傾動させる連動手段51を構成する。ここで、前述したステアリング軸36の回転角度と車体24の傾動角度との比をどの程度とするかは、どのような運転者が運転を行うか、どのような道を走行するか、どのような速度で走行するか等を案して決定する。なお、この発明においては、連動手段をステアリング軸と車体との間に設置された傘歯車ベルト等から構成してもよい。

0018

ここで、前述のようにステアリング軸36を前フレーム12に回転可能に支持させたが、このように構成すれば、前述のような車体24の傾動時にもステアリング軸36は前フレーム12と共に直立状態を維持し傾動することがないので、運転者がハンドル37を掴んだ状態で腕に力を入れるだけで、自身の体重(身体の重心)を車両11の幅方向に容易かつ正確に移動させることができ、これにより、車体24の直立状態への復帰が容易となる。なお、この発明においては、前記ステアリング軸を傾動可能な車体に回転可能に支持させてよく、この場合には、旋回時における運転者の身体のねじり量が少なくなるため、操作感が良好となる。前記拡開部24bの前側上端部および後側上端部にはそれぞれ前記回転軸Zに平行で左右方向に離れた一対の中心ピン54、55が固定され(図2、4参照)、これら前側および後側の中心ピン54、55は一対の傾斜ロッド56、57の上端部がそれぞれ挿入されており、この結果、これら傾斜ロッド56、57の上端部は中心ピン54、55を介して車体24に揺動可能に連結されていることになる。

0019

そして、前記傾斜ロッド56、57は、該傾斜ロッド56、57に外力が付与されていない無負荷時には中心ピン54、55から垂下して地面Sに対しほぼ垂直に延在しているが、これら傾斜ロッド56、57に左右方向の外力が付与されると、これら傾斜ロッド56、57は中心ピン54、55を中心として左右方向に同期揺動する。60は前記前側の傾斜ロッド56、57と後側の傾斜ロッド56、57との間に設置され前後方向に延びる、ここでは回転軸Zに実質上平行に延びる延在体であり、この延在体60の長手方向後側部にはスプリング61を介して運転者が着座する座席シート62が設けられている。また、前記延在体60の前端部には前記前側の傾斜ロッド56、57の下端部が回転可能に連結され、一方、前記延在体60の後端部には前記後側の傾斜ロッド56、57の下端部が回転可能に連結されている。前述した前側および後側の傾斜ロッド56、57および延在体60は全体として、前記車体24から垂下するよう上端部が該車体24に支持され、下端部に座席シート62が設けられた振り子部材63を構成する。

0020

ここで、前記傾斜ロッド56と延在体60との連結点と、前記傾斜ロッド57と延在体60との連結点との間の距離Qは、前記中心ピン54と中心ピン55との間の距離Pより大であり、この結果、前側の傾斜ロッド56、57同士、および、後側の傾斜ロッド56、57同士はいずれも上方に向かうに従い互いに接近することになる。そして、前述のように傾斜ロッド56、57が上方に向かうに従い接近していると、下端部に延在体60が連結されている前記傾斜ロッド56、57が揺動したとき、前述のようにして車体24から吊り下げられた振り子部材63は該回転軸Zより上方に位置する軸線Nを中心として揺動する。ここで、前記軸線Nは、前記前側および後側の傾斜ロッド56、57の延長線が交差する交点同士を繋ぐとともに、前記回転軸Zに平行な直線であり(図5参照)、直進走行時には車両11の幅方向中央面(車体24が直立状態のときに回転軸Zを含み地面Sに対して垂直な面上に位置している。なお、この実施形態においては、延在60を傾斜ロッド56、57を介して両持ちで車体24に支持させたが、この発明においては、片持ちで車体に支持させるようにしてもよい。

0021

66は前記連結ブロック47とクランクシャフトとの間において水平部24aの外側に回転軸Zを回転中心として回転可能に嵌合された回転部材であり、この回転部材66には回転軸Zの両側において一対の短ロッド67の下端部がボールジョイントを介してそれぞれ連結され、これら短ロッド67の上端部は前記一対の三角プレート45にボールジョイントを介してそれぞれ連結されている。ここで、前記短ロッド67の三角プレート45に対する連結位置は、前記連結ロッド48の三角プレート45に対する連結位置より第3の頂点に近接しており、この結果、短ロッド67の三角プレート45に対する連結位置からピン46(三角プレート45の揺動中心)までの距離は、連結ロッド48の三角プレート45に対する連結位置からピン46までの距離より大となる。これにより、一対の三角プレート45が逆方向に揺動することで連結ブロック47、回転部材66が回転軸Zを中心として同一方向に別個に回転したとき、連結ブロック47の回転角度より回転部材66の回転角度が大となる。

0022

69は回転軸Zの両側において回転部材66にボールジョイントを介してそれぞれ連結された一対の長ロッドであり、これらの長ロッド69は前記短ロッド67より全長が長く、その上端部は前側の傾斜ロッド56、57の上端部に形成され幅方向外側に向かって突出する突起70、71にボールジョイントを介して連結されている。この結果、車両11を直進走行から旋回走行に移行させるために運転者がステアリング軸36を回転させると、該ステアリング軸36の回転は、連動手段51を通じて車体24に伝達され、該車体24を旋回内側に傾動させるとともに、伝達プレート43、伝達リンク44、三角プレート45、短ロッド67、回転部材66、長ロッド69を介して振り子部材63の傾斜ロッド56、57に伝達され、振り子部材63を軸線Nを中心として、垂下状態から車体24の傾動方向と同一方向に傾斜するよう揺動、換言すれば、垂下状態から旋回外側に振り出すよう揺動させる。

0023

一方、車両11を旋回走行から直進走行に移行させるために運転者がステアリング軸36を前述と逆方向に回転させると、該ステアリング軸36の回転は、連動手段51を通じて車体24に伝達され、該車体24を直立状態に復帰させるが、このとき、座席シート62に作用している垂直下方に向かう力(主に運転者の体重で、振り子部材63の自重を含む)により生じた回転モーメントがステアリング軸36に伝達されることで、該ステアリング軸36は中立位置に向かって回転するとともに、車体24も直立状態に向かって起立し、該車体24の直立状態への復帰が補助される。なお、前述した三角プレート45と傾斜ロッド56、57とを2本のロッドのみによって直接連結して振り子部材63を揺動させることも考えられるが、このようにすると、傾斜ロッド56、57の揺動により2本のロッドに捻れが発生するため実用的ではない。

0024

ここで、前述の作用を図5(a)(b)を用いて説明する。図5(a)は車体24が直立状態にあり車両11が直進走行しているときの状態を示しているが、このときには振り子部材63は垂下状態であるため、運転者の体重Wが作用している作用点R、即ち、座席シート62の幅方向中央は、軸線Nを通過し地面Sに垂直な平面上に位置しており、この結果、前記体重Wに基づく回転モーメントは発生しない。一方、図5(b)は車体24が左側に傾動し車両11が旋回走行しているときの状態を示しているが、このときには振り子部材63は前述のように軸線Nを中心として車体24の傾動方向と同一方向に揺動しているため、前記軸線Nから作用点Rまでの距離(モーメントの腕の長さ)に、前記振り子部材63の傾斜方向に対して直交する方向の体重Wの分力を乗じた値の回転モーメントが発生するが、このような回転モーメントは振り子部材63に作用して該振り子部材63を垂下状態に向かうよう揺動させる。このような揺動は振り子部材63から長ロッド69、回転部材66、短ロッド67を通じて車体24、ステアリング軸36に伝達され、車体24の直立状態への復帰が補助されるとともに、ステアリング軸36の中立位置への復帰も補助される。

0025

前述した短ロッド67、回転部材66、長ロッド69は全体として伝達機構73を構成し、また、前述した伝達プレート43、伝達リンク44、三角プレート45、伝達機構73は全体として、前記ステアリング軸36の回転を振り子部材63に伝達し、該振り子部材63を前記軸線Nを中心として垂下状態から車体24の傾動方向と同一方向に揺動させる一方、振り子部材63に付与された力(体重W)に基づく回転モーメントをステアリング軸36に伝達し、該ステアリング軸36を中立位置に向かって回転させる揺動手段72を構成する。ここで、伝達プレート43、伝達リンク44、三角プレート45は連動手段51と揺動手段72とで共用されているので、前記伝達機構73は、一端が前記連動手段51の動力伝達経路の途中、ここでは三角プレート45に連結され、他端が振り子部材63の傾斜ロッド56、57に連結されることになり、この結果、前記伝達機構73はステアリング軸36の回転を連動手段51の一部と協同して振り子部材63の傾斜ロッド56、57に伝達する一方、振り子部材63からの回転モーメントを前記連動手段51の一部と協同してステアリング軸36に伝達し、該ステアリング軸36を中立位置に向かって回転させることができる。このようにステアリング軸36から伝達機構73の一端(短ロッド67)までの動力伝達経路を連動手段51と揺動手段72とで共用とすれば、揺動手段72の構造を簡単とすることができる。なお、この発明においては、前記揺動手段と連動手段とを完全に別構成として動力伝達経路を両者で別々のものとしてもよい。

0026

そして、前述のように車両11を旋回走行から直進走行に移行させる際、運転者によるステアリング軸36の回転に基づく車体24の直立状態への復帰力に、運転者の体重Wによる回転モーメントに基づく車体24の直立状態への復帰力が付加されるが、このようなステアリング軸36に伝達される回転モーメントの値を容易に大きくすることができるため、車両11の走行速度が遠心力の小さな低速走行時であっても、容易に車体24を直立状態に、ステアリング軸36を中立位置にそれぞれ復帰させることができる。しかも、運転者が、例えば身体全体を横方向に移動させたり、体幹を傾斜させて、重心位置を旋回外側に移動するだけで、振り子部材63に付与される力(振り子部材63の傾斜方向に直交する方向の体重Wの分力)を増大させることができ、これにより、ステアリング軸36、車体24に伝達される回転モーメントを大きくすることができる。

0027

この際、前記運転者の重心位置の移動量を、ステアリング軸36の回転、車体24の傾動の程度を感覚で確認しながら徐々に調整することで、円滑にステアリング軸36、車体24を復帰させることができる。また、この実施形態では、従来技術で説明したようなハの字形に配置した2個のリターンスプリングは不要であるため、自転車、オートバイのような幅の狭い車両に問題なく適用することができる。なお、この発明においては、前述の揺動手段を、ステアリング軸における軸線回りの回転を該ステアリング軸の軸線に垂直な軸線回りの回転に変換する傘歯車機構と、該傘歯車機構の出力回転を振り子部材に伝達して該振り子部材を垂下状態から車体の傾動方向と同一方向に揺動させるベルト、チェーン等の無端体とから構成するようにしてもよい。

0028

ここで、前述のように振り子部材63を、前後方向に延び座席シート62が設けられた延在体60と、該延在体60に下端部が回転可能に連結される一方、上端部が車体24に揺動可能に連結され、上方に向かうに従い互いに接近した2本の傾斜ロッド56、57とから構成し、前記軸線Nを2本の傾斜ロッド56、57の延長線が交差する交点を通過する直線としている。なお、前記車体と延在体とを互いに平行なロッドで連結するとともに、該ロッドを前記軸線Nの位置まで上方に延在させるようにしてもよいが、このようにするとロッドが運転者の視界遮り運転に支障が生じるおそれがある。これに対し、この実施形態のように構成すれば、小型、軽量でありながら、ステアリング軸36に伝達される回転モーメントの腕の長さを容易に長く、結果として、回転モーメントの値を容易に大きくすることができる。

0029

また、この実施形態においては、前述のように短ロッド67の三角プレート45に対する連結位置からピン46までの距離を、連結ロッド48の三角プレート45に対する連結位置からピン46までの距離より大とすることで、ステアリング軸36の回転による回転部材66の回転角度を連結ブロック47の回転角度より大としたので、前記振り子部材63の垂下状態からの揺動角度Vは、前記車体24の地面Sに対する傾動角度Uより大となり、この結果、振り子部材63からステアリング軸36に伝達される回転モーメントの値を容易に大きくすることができ、これにより、旋回半径が小さい(前輪15の操舵角が大きな値の)高速走行から容易に直進走行に移行させることができる。なお、この発明においては、振り子部材の揺動時における揺動角度を車体の傾動角度より小としてもよい。

0030

次に、前記実施形態1の作用について説明する。
今、車両11は直進走行をしているとする。このとき、車体24は地面Sに対して直立した直立状態を維持しており、また、ハンドル37は左右方向に延びるとともにステアリング軸36は中立位置に位置し、前輪15、後輪27は前方を向いている。この状態で車両11を旋回走行、例えば左側に向かって旋回走行させる場合には、運転者がハンドル37、ステアリング軸36を上方から見て反時計回りに回転させるが、このステアリング軸36の回転は伝達部材38、伝達ロッド39を通じて平行リンク19に伝達され、これら平行リンク19を固定リンク18との連結点(後端部)を中心に時計回りに揺動させる。この結果、移動リンク20、タイロッド21が右方に移動し、前輪15がキングピン14を中心として左方向に旋回し該前輪15が操舵される。このとき、前記ステアリング軸36の回転は伝達プレート43、伝達リンク44を通じて一対の三角プレート45に伝達され、これら三角プレート45のうち、旋回内側(左側)の三角プレート45がピン46を中心に下方に揺動する一方、旋回外側(右側)の三角プレート45がピン46を中心に上方に揺動する。このような三角プレート45の揺動は連結ロッド48を通じて連結ブロック47、車体24に伝達され、車体24が回転軸Z回りに所定角度だけ反時計回りに回転するが、このとき、車体24、後輪27は共にステアリング軸36に連動しながら接地点Mを中心として旋回内側(旋回中心側)に傾動し、車両11は直進走行から旋回走行に移行する。

0031

このとき、車両11、運転者に旋回外側に向かう遠心力が作用するが、この実施形態では、前フレーム12に一対の直立している前輪15を車両11の幅方向に離して支持させているので、前述したハンドル37の回転速度が自転車の旋回時における回転速度より高速であっても、前フレーム12、前輪15が遠心力に対抗することで、自転車の場合のように大きな遠心力により旋回外側に倒れ転倒するような事態が効果的に抑制され、旋回応答性が自転車より良好となる。また、前述したステアリング軸36の回転は伝達プレート43、伝達リンク44、三角プレート45、短ロッド67、回転部材66、長ロッド69を介して振り子部材63の傾斜ロッド56、57に伝達され、これら傾斜ロッド56、57、延在体60を軸線Nを中心として垂下状態から車体24の傾動方向と同一方向に該車体24の地面Sに対する傾動角度Uより大きな揺動角度Vで揺動させる。このように振り子部材63が垂下状態から揺動すると、延在体60および運転者は持ち上げられるため、運転者および座席シート62の位置エネルギーが増大し、振り子部材63に垂下状態に向かう回転モーメントを付与する。なお、車両11を右側に向かって旋回走行させる場合は前述と方向が逆となるが、その作動はほぼ同様である。

0032

次に、車両11を前述の左側に向かう旋回走行から直進走行に復帰させる場合には、運転者は掴んでいたハンドル37を時計回りに回転させて該ステアリング軸36を中立位置に復帰させるが、このステアリング軸36の回転は操舵手段40を介してナックル13に伝達され、前輪15は前方を向くよう操舵される。このとき、前記ステアリング軸36の回転は連動手段51を介して車体24に伝達され、傾動していた車体24は回転軸Z回りに回転して地面Sに対し直立しようとする。ここで、車両11が高速あるいは中速で旋回走行しているときには、比較的大きな遠心力が車体24、運転者に付与されるため、運転者によるステアリング軸36の前述した回転力と前記遠心力とにより車体24は殆ど問題なく直立状態に復帰することができる。しかしながら、前記車両11が低速で旋回走行している場合には、車体24、運転者に付与される遠心力の値が小さいため、運転者の腕の力だけでは車体24、運転者を傾動状態から直立状態に復帰させることが困難な場合がある。

0033

このような事態に対処するため、この実施形態においては、振り子部材63に付与された力(運転者の体重)に基づく回転モーメントを揺動手段72を介してステアリング軸36に伝達し、該ステアリング軸36を中立位置に向かって回転させるようにしたので、前記車体24にも前記回転モーメントが付与されて該車体24の直立状態への復帰が補助され、これにより、車体24の直立状態への復帰が容易かつ円滑に行われる。また、この際、運転者が重心位置を座席シート62上において旋回外側に移動するだけで振り子部材63に付与される力を増大させることができ、これにより、ステアリング軸36に伝達される回転モーメントが大きくなり、該ステアリング軸36をさらに容易に中立位置に、また、車体24をさらに容易に直立状態に復帰させることができる。

0034

この発明は、前輪が地面に対し直立している一方、後輪および車体は傾動可能である車両の産業分野に適用できる。

0035

11…車両 12…前フレーム
15…前輪24…車体
27…後輪36…ステアリング軸
37…ハンドル40…操舵手段
51…連動手段 56、57…傾斜ロッド
60…延在体 62…座席シート
63…振り子部材72…揺動手段
73…伝達機構

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