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技術 繊維積層体およびその製造方法

出願人 パナソニックIPマネジメント株式会社
発明者 本村耕治西崎展弘池田浩二村田崇彦光嶋隆敏
出願日 2016年3月2日 (4年0ヶ月経過) 出願番号 2016-040480
公開日 2017年9月7日 (2年6ヶ月経過) 公開番号 2017-154407
状態 特許登録済
技術分野 積層体(2) 濾過材
主要キーワード 防塵布 原料液タンク 各繊維シート 防塵服 ポリエステル系ホットメルト樹脂 接着剤タンク 押圧リング 波線状
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年9月7日)のものです。
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図面 (6)

課題

圧力損失を抑制しながら、集塵効率を高めることができる繊維積層体およびその製造方法を提供する。

解決手段

繊維積層体は、第1繊維を含む第1繊維シートと、前記第1繊維シートに積層され、第2繊維を含む第2繊維シートと、前記第1繊維シートおよび前記第2繊維シートの間に介在する接着剤と、を備える。前記接着剤は、前記繊維積層体の法線方向から見たときに、前記繊維積層体にライン状の第1領域を形成するように配置され、前記第1繊維シートと前記第2繊維シートとは、前記第1領域を介して接着されており、前記第1領域以外の第2領域において、前記第1繊維シートと前記第2繊維シートとの間に隙間が形成されている。

概要

背景

複数の繊維シート(不織布など)が積層された繊維積層体は、強度が高いため、様々な用途に用いられている。例えば、特許文献1は、基材である不織布と、保護層としての他の不織布と、これらの間に介在する極細繊維層と、を備える積層体を、空気清浄機濾材として使用することを提案している。このような積層体は、例えば、基材である不織布に、電界紡糸法により極細繊維堆積させた後、接着剤を塗布し、保護層として他の不織布を積層させることにより得られる。

概要

圧力損失を抑制しながら、集塵効率を高めることができる繊維積層体およびその製造方法を提供する。繊維積層体は、第1繊維を含む第1繊維シートと、前記第1繊維シートに積層され、第2繊維を含む第2繊維シートと、前記第1繊維シートおよび前記第2繊維シートの間に介在する接着剤と、を備える。前記接着剤は、前記繊維積層体の法線方向から見たときに、前記繊維積層体にライン状の第1領域を形成するように配置され、前記第1繊維シートと前記第2繊維シートとは、前記第1領域を介して接着されており、前記第1領域以外の第2領域において、前記第1繊維シートと前記第2繊維シートとの間に隙間が形成されている。

目的

本発明の目的は、圧力損失を抑制しながら、集塵効率を高めることができる繊維積層体およびその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

第1繊維を含む第1繊維シートと、前記第1繊維シートに積層され、第2繊維を含む第2繊維シートと、前記第1繊維シートおよび前記第2繊維シートの間に介在する接着剤と、を備える繊維積層体であって、前記接着剤が、前記繊維積層体の法線方向から見たときに、前記繊維積層体にライン状の第1領域を形成するように配置され、前記第1繊維シートと前記第2繊維シートとが、前記第1領域を介して接着されており、前記第1領域以外の第2領域において、前記第1繊維シートと前記第2繊維シートとの間に隙間が形成されている、繊維積層体。

請求項2

前記第2繊維シートの厚みは、前記第1繊維シートの厚みより小さく、前記繊維積層体の厚み方向に沿う前記隙間の最大高さは、前記第2繊維シートの厚みよりも大きい、請求項1に記載の繊維積層体。

請求項3

前記第2繊維シートの厚みは、前記第1繊維シートの厚みより小さく、前記繊維積層体の厚み方向に沿う前記隙間の最大高さは、前記第1繊維シートの厚みよりも小さい、請求項1または2に記載の繊維積層体。

請求項4

前記繊維積層体の厚み方向に沿う前記隙間の最大高さは、1〜300μmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維積層体。

請求項5

前記繊維積層体は、帯状であり、前記第1領域は、前記繊維積層体の長さ方向に沿って形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維積層体。

請求項6

前記接着剤が、複数の前記第1領域を形成するように配置されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の繊維積層体。

請求項7

隣接する前記第1領域間の平均のピッチPが、1mm以上である、請求項6に記載の繊維積層体。

請求項8

前記第1領域の平均の幅Wが、0.1〜10mmである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の繊維積層体。

請求項9

前記接着剤が、前記第1領域に間欠的に配置されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の繊維積層体。

請求項10

さらに、前記第1繊維シートと前記第2繊維シートとの間に介在する第3繊維シートを備え、前記第3繊維シートが、前記第1繊維の平均繊維径および前記第2繊維の平均繊維径よりも小さい平均繊維径を有する第3繊維を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の繊維積層体。

請求項11

前記繊維積層体の厚み方向に沿う前記隙間の最大高さは、前記第3繊維シートの厚みよりも大きい、請求項10に記載の繊維積層体。

請求項12

第1繊維を含む帯状の第1繊維シートと、第2繊維を含む帯状の第2繊維シートと、を準備する準備工程と、接着剤を、前記第1繊維シートの主面上にライン状に付与する接着剤付与工程と、前記第1繊維シートの主面上に、前記第2繊維シートを重ねて、前記第2繊維シートおよび前記第1繊維シートの少なくともいずれか一方が波打つように前記第1繊維シートと前記第2繊維シートとを前記接着剤を介して接着させ、前記第1繊維シートと前記第2繊維シートとの間に隙間を形成する積層工程と、を備える、繊維積層体の製造方法。

請求項13

前記積層工程において、前記第1繊維シートと、前記第1繊維シートに重ねた前記第2繊維シートとを、間にスペーサを介在させた一対のローラ間に供給して圧着させることにより、前記第1繊維シートと前記第2繊維シートとを接着させる、請求項12に記載の繊維積層体の製造方法。

請求項14

前記第2繊維シートの幅は、前記第1繊維シートの幅よりも大きい、請求項12または13に記載の繊維積層体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、複数の繊維シート接着剤を用いて積層された繊維積層体およびその製造方法に関する。

背景技術

0002

複数の繊維シート(不織布など)が積層された繊維積層体は、強度が高いため、様々な用途に用いられている。例えば、特許文献1は、基材である不織布と、保護層としての他の不織布と、これらの間に介在する極細繊維層と、を備える積層体を、空気清浄機濾材として使用することを提案している。このような積層体は、例えば、基材である不織布に、電界紡糸法により極細繊維堆積させた後、接着剤を塗布し、保護層として他の不織布を積層させることにより得られる。

先行技術

0003

特開2014−121699号公報

発明が解決しようとする課題

0004

接着剤を介して複数の繊維シートを積層する場合、接着剤の量が十分でないと、繊維シート間で剥離が生じる。繊維シート間の剥離を防止するために接着剤の量を増やすと、接着剤によって通気性阻害され、圧力損失が増大したり、十分な集塵効率が得られなかったりする。

0005

本発明の目的は、圧力損失を抑制しながら、集塵効率を高めることができる繊維積層体およびその製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

本発明の局面は、第1繊維を含む第1繊維シートと、
前記第1繊維シートに積層され、第2繊維を含む第2繊維シートと、
前記第1繊維シートおよび前記第2繊維シートの間に介在する接着剤と、を備える繊維積層体であって、
前記接着剤が、前記繊維積層体の法線方向から見たときに、前記繊維積層体にライン状の第1領域を形成するように配置され、前記第1繊維シートと前記第2繊維シートとが、前記第1領域を介して接着されており、
前記第1領域以外の第2領域において、前記第1繊維シートと前記第2繊維シートとの間に隙間が形成されている、繊維積層体に関する。

0007

本発明の他の局面は、
第1繊維を含む帯状の第1繊維シートと、第2繊維を含む帯状の第2繊維シートと、を準備する準備工程と、
接着剤を、前記第1繊維シートの主面上にライン状に付与する接着剤付与工程と、
前記第1繊維シートの主面上に、前記第2繊維シートを重ねて、前記第2繊維シートおよび前記第1繊維シートの少なくともいずれか一方が波打つように前記第1繊維シートと前記第2繊維シートとを前記接着剤を介して接着させ、前記第1繊維シートと前記第2繊維シートとの間に隙間を形成する積層工程と、を備える、繊維積層体の製造方法に関する。

発明の効果

0008

本発明に係る繊維積層体によれば、圧力損失を抑制できるとともに、高い集塵効率を得ることができる。

図面の簡単な説明

0009

本発明の実施形態に係る繊維積層体を模式的に示す上面図である。
図1の繊維積層体において、第2繊維シートおよび第3繊維シートを省略し、第1繊維シートおよび接着剤を繊維積層体の上面側から見た概略図である。
図2の領域Aを模式的に示す拡大図である。
図1のIV−IV線による矢示断面図である。
本発明の実施形態に係る繊維積層体の製造装置の一例の構成を概略的に示す図である。

0010

本発明に係る繊維積層体は、第1繊維を含む第1繊維シートと、第1繊維シートに積層され、第2繊維を含む第2繊維シートと、第1繊維シートおよび第2繊維シートの間に介在する接着剤と、を備える。接着剤は、繊維積層体の法線方向から見たときに、繊維積層体にライン状の領域(第1領域)を形成するように配置され、第1繊維シートと第2繊維シートとが、第1領域を介して接着されている。そして、第1領域以外の領域(第2領域)において、第1繊維シートと第2繊維シートとの間に隙間が形成されている。

0011

従来、不織布などの繊維シート間の剥離を抑制する観点から、繊維シート間の界面全体にできるだけ均一に接着剤を付与していた。しかし、この場合、繊維積層体の圧力損失が大きくなる。一方、本発明に係る繊維積層体を、その法線方向から見たときには、接着剤はライン状に配置されている。これにより、圧力損失を抑制することができるとともに、従来に比べて少量の接着剤で、繊維シート間の剥離を抑制することができる。さらに、接着剤が配置されたライン状の第1領域以外の第2領域で、第1繊維シートと第2繊維シートとの間に隙間が形成された状態とすることで集塵効率を高めることができる。集塵効率が高まる理由は定かではないが、第2領域において隙間が形成されることで、第1繊維シートおよび/または第2繊維シートが波打ち表面積が増加することによるものと考えられる。

0012

上記のような繊維積層体は、例えば、帯状の第1繊維シートと、帯状の第2繊維シートと、を準備する準備工程と、接着剤を、第1繊維シートの主面上にライン上に付与する接着剤付与工程と、第1繊維シートの主面上に、第2繊維シートを重ねて、第2繊維シートおよび第1繊維シートの少なくともいずれか一方が波打つように第1繊維シートと第2繊維シートとを接着剤を介して接着させ、第1繊維シートと第2繊維シートとの間に隙間を形成する積層工程と、を備える、製造方法により製造される。
なお、ライン状の第1領域とは、繊維積層体のうち、ライン状に付与された接着剤を介して接着され、ライン状の接着剤を内包する帯状の領域である。

0013

まず、各繊維シートおよび接着剤について、以下に、空気清浄機の濾材に適する形態をより具体的に説明する。なお、繊維積層体の用途は、濾材に限定されるものではない。

0014

(第1繊維シート)
第1繊維シートは、例えば、繊維積層体において第2繊維シート(および後述の第3繊維シート)を支持する支持体(基材)である。第1繊維シートの形態および材質は特に限定されず、用途に応じて適宜選択すればよい。第1繊維シートとして、具体的には、織布、編物、不織布等の繊維構造体が例示できる。なかでも、繊維積層体を濾材として使用する場合、圧力損失を抑制する観点から、第1繊維シートは不織布であることが好ましい。不織布は、例えば、スパンボンド法乾式法(例えば、エアレイド法)、湿式法メルトブロー法ニードルパンチ法等により製造される。なかでも、基材として適する不織布が形成され易い点で、第1繊維シートは、湿式法により製造された不織布であることが好ましい。

0015

第1繊維シートが不織布である場合、第1繊維シートを構成する第1繊維の材質は特に限定されず、例えば、ガラス繊維セルロースアクリル樹脂ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアミド(PA)、あるいはこれらの混合物等が挙げられる。第1繊維の材質としては、なかでも、基材として適する点でPETまたはセルロースが好ましい。第1繊維の平均繊維径D1は特に限定されず、例えば、1μm以上、40μm以下であっても良く、5μm以上、20μm以下であってもよい。

0016

平均繊維径D1とは、第1繊維の直径の平均値である。第1繊維の直径とは、第1繊維の長さ方向に対して垂直な断面の直径である。そのような断面が円形でない場合には、最大径を直径と見なしてよい。また、第1繊維シートを一方の主面の法線方向から見たときの、第1繊維の長さ方向に対して垂直な方向の幅を、第1繊維の直径と見なしてもよい。平均繊維径D1は、例えば、第1繊維シートに含まれる任意の10本の第1繊維の任意の箇所の直径の平均値である。後述する平均繊維径D2およびD3についても同じである。

0017

第1繊維シートの厚みT1は、特に限定されず、例えば、50μm以上、500μm以下であっても良く、150μm以上、400μm以下であってもよい。
繊維シートの厚みT1とは、例えば、繊維シートの任意の10箇所の厚みの平均値である。後述する厚みT2およびT3についても同じである。ここで、繊維シートの厚みとは、繊維シートの2つの主面の間の距離である。繊維シートが不織布である場合、その厚みは、繊維積層体の断面の写真撮影し、繊維シートの一方の主面上にある任意の1地点から他方の主面まで、一方の表面に対して垂直な線を引いたとき、この線上にある繊維のうち、最も離れた位置にある2本の繊維の外縁間の距離として求められる。他の任意の複数地点(例えば、9地点)についても同様にして繊維シートの厚みを算出し、これらを平均化した数値を、繊維シートの厚みとする。上記厚みの算出に際しては、二値化処理された画像を用いてもよい。

0018

第1繊維シートの単位面積当たりの質量も特に限定されず、例えば、10g/m2以上、80g/m2以下であっても良く、35g/m2以上、60g/m2以下であってもよい。

0019

第1繊維シートの圧力損失は特に限定されない。なかでも、第1繊維シートの初期の圧力損失は、JISB9908形式1の規格準拠した測定機を用いて測定した場合、1Pa以上、10Pa以下程度であることが好ましい。第1繊維シートの初期の圧力損失がこの範囲であれば、繊維積層体全体の圧力損失も抑制し易い。

0020

(第2繊維シート)
第2繊維シートは、集塵機能を発揮するとともに、後述するように第3繊維シートが第1繊維シートに積層される場合には、第3繊維シートを外的負荷から保護する保護層として機能する。

0021

第2繊維シートは、例えば、上記方法により製造された不織布であってもよい。なかでも、繊維積層体を濾材として使用する場合、繊維径が小さい不織布が形成され易い点で、第2繊維シートは、メルトブロー法により製造された不織布であることが好ましい。さらに、集塵効果が期待できる点で、第2繊維シートは、帯電処理等によって帯電永久帯電)されていることが好ましい。永久帯電とは、外部電界が存在しない状態において半永久的に電気分極を保持し、周囲に対して電界を形成している状態である。

0022

第2繊維シートを構成する第2繊維の材質は特に限定されず、例えば、ガラス繊維、セルロース、アクリル樹脂、PP、PE、PET等のポリエステル、PA、あるいはこれらの混合物等が挙げられる。なかでも、帯電され易い点で、PPが好ましい。第2繊維の平均繊維径D2も特に限定されない。平均繊維径D2は、例えば、0.5μm以上、20μm以下であっても良く、3μm以上、20μm以下であってもよい。

0023

第2繊維シートの厚みT2は、第1繊維シートの厚みT1より小さいことが好ましい。これにより、第2繊維シートが波打った状態となり易く、高さが大きな隙間を形成し易い。そのため、集塵効果をさらに高めることができる。第2繊維シートの厚みT2は特に限定されず、100μm以上、500μm以下であっても良く、150μm以上、400μm以下であってもよい。
第2繊維シートの単位面積当たりの質量も特に限定されず、10g/m2以上、50g/m2以下であっても良く、10g/m2以上、30g/m2以下であってもよい。

0024

第2繊維シートの圧力損失は、特に限定されない。なかでも、第2繊維シートの初期の圧力損失は、上記と同様の条件で測定する場合、10Pa以上、50Pa以下程度であることが好ましい。第2繊維シートの初期の圧力損失がこの範囲であれば、積層体全体の圧力損失も抑制し易い。

0025

(接着剤)
接着剤の種類は特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂を主成分とするホットメルト接着剤等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリウレタン(PU)、PET等のポリエステル、ウレタン変性共重合ポリエステル等の共重合ポリエステル、PA、ポリオレフィン(例えば、PP、PE)等が例示できる。ホットメルト接着剤は、例えば、加熱により溶融されながら、第1繊維シートまたは第2繊維シート上にライン状に付与される。あるいは、粒子状のホットメルト接着剤を、第1繊維シートまたは第2繊維シート上にライン状に散布した後、加熱して、溶融される。

0026

繊維積層体が保持する接着剤の質量も特に限定されないが、接合強度および圧力損失の観点から、0.5g/m2以上、15g/m2以下であることが好ましく、1g/m2以上、10g/m2以下であることがより好ましく、2g/m2以上、6g/m2以下であることが特に好ましい。なお、上記接着剤の質量は、繊維積層体が保持する接着剤の平均の質量である。

0027

(第3繊維シート)
第3繊維シートを、第1繊維シートと第2繊維シートとの間に介在させてもよい。この場合、繊維積層体の集塵性能を高める観点から、第3繊維シートは、第1繊維の平均繊維径D1および第2繊維の平均繊維径D2よりも小さい平均繊維径D3を有する第3繊維を含むことが好ましい。第3繊維シートの形態は特に限定されないが、後述するように、電界紡糸法により第3繊維を生成させる場合、第3繊維シートは不織布である。

0028

第3繊維シートは、ライン状の第1領域に配置された接着剤により第1繊維シートおよび第2繊維シートのそれぞれと接着している。第2領域において、第3繊維シートと第1繊維シートとの間、および/または第3繊維シートと第2繊維シートとの間に、隙間が形成されている。第2繊維シートの厚みは、第1繊維シートの厚みよりも小さいことが多いため、繊維積層体では、第2繊維シートが波打った状態となっていることが多い。この場合には、第2領域において、少なくとも第3繊維シートと第2繊維シートとの間に隙間が形成されている。

0029

平均繊維径D3は、例えば10nm〜3μmであり、10〜900nmであることが好ましく、10〜300nmであることがより好ましい。平均繊維径D3がこの範囲であれば、圧力損失を抑制し易く、集塵効率を高め易い。

0030

第3繊維の材質は特に限定されず、例えば、PA、ポリイミドポリアミドイミドポリエーテルイミドポリアセタールポリカーボネートポリエーテルエーテルケトンポリサルフォンポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンサルファイドポリテトラフルオロエチレンポリアリレートポリアクリロニトリルポリフッ化ビニリデンPVDF)、ポリビニルアルコールポリ酢酸ビニル、PP、PET、PU等のポリマーが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、第3繊維を電界紡糸法により形成する場合、PESが好ましく用いられる。また、平均繊維径D3を細くし易い点で、PVDFが好ましく用いられる。

0031

第3繊維シートの厚みT3は、圧力損失の観点から、0.5μm以上、10μm以下であることが好ましく、1μm以上、5μm以下であることがより好ましい。第3繊維シートの初期の圧力損失は、上記と同様の条件で測定する場合、5Pa以上、40Pa以下程度であることが好ましい。

0032

第3繊維シートの単位面積当たりの質量は、圧力損失と集塵効率とのバランスの観点から、0.01g/m2以上、1.5g/m2以下であることが好ましく、0.05g/m2以上、1.2g/m2以下であることがより好ましく、0.1g/m2以上、1.0g/m2以下であることが特に好ましい。

0033

(繊維積層体)
以下、繊維積層体の実施形態を、適宜図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本実施形態に係る繊維積層体10を模式的に示す上面図である。なお、繊維積層体10の外形は、辺(端辺)の数が観念できる限り(すなわち、円および楕円形以外である限り)特に限定されず、図1のように長尺体帯状体)であってもよいし、矩形であってもよいし、その他の多角形であってもよい。以下、繊維積層体10が長尺体である場合を例に挙げて説明する。

0034

図2は、図1の繊維積層体10において、第2繊維シートさらには第3繊維シートを省略し、第1繊維シート1と、第1繊維シート1上に配置された接着剤とを、繊維積層体10の上面側(上面側の法線方向)から見た概略図である。図3は、図2の領域Aを模式的に示す拡大図である。図2および図3では、接着剤が配置されたライン状の第1領域R1にハッチングを入れて示す。図4は、図1のIV−IV線による矢示断面図である。

0035

本実施形態に係る繊維積層体10では、繊維積層体10の法線方向から見たときに、接着剤4は、繊維積層体10が幅Wを有するライン状の第1領域R1を形成するように配置されており、第1繊維シート1と第2繊維シート2とは、ライン状の接着剤4を介して接着されている。図示例では、第1繊維シート1と第2繊維シート2との間に介在する第3繊維シート3も、ライン状の接着剤4を介して、第1繊維シート1および第2繊維シート2のそれぞれと接着されている。

0036

接着剤4は、複数のライン状の第1領域R1をストライプ状に形成するように所定の間隔(ピッチ)Pで配置されている。帯状の繊維積層体10においては、複数の第1領域R1はそれぞれ繊維積層体10の長さ方向に沿って形成されている。繊維積層体10において、ライン状の第1領域R1以外の第2領域R2では、図4に示されるように、第1繊維シート1と第2繊維シート2との間に隙間sが形成されている。このように、接着剤4を第1領域に配置することで、圧力損失を抑制することができるとともに、第2領域R2において隙間sを形成することで、高い集塵効率が得られる。
なお、ライン状の第1領域R1は、図3に示すように、接着剤4を囲む最小の幅を有する矩形の領域として定義される。

0037

隙間sは、第2領域R2において第1繊維シート1と第2繊維シート2との間に形成される空間である。繊維積層体が第3繊維シート3を含む場合、隙間sは、第1繊維シート1と第2繊維シート2との間に形成される隙間であればよく、第1繊維シート1と第3繊維シート3との間の隙間も、第3繊維シート3と第2繊維シート2の間の隙間も、隙間sに包含される。

0038

繊維積層体10の厚み方向に沿う隙間sの最大高さは、例えば、1〜300μmであり、10〜300μmまたは50〜200μmであることが好ましい。隙間の最大高さがこのような範囲である場合、高い集塵効率を確保し易い。

0039

なお、隙間の高さとは、繊維積層体の厚み方向(繊維積層体の法線方向)に沿う高さである。また、繊維積層体が、第3繊維シートを含まない場合には、隙間の高さは、第1繊維シートと第2繊維シートとの間に形成される隙間の繊維積層体の厚み方向に沿う高さである。繊維積層体が、第3繊維シートを含む場合には、隙間の高さは、第1繊維シート1と第3繊維シート3との間に形成される隙間および第2繊維シート2と第3繊維シート3との間に形成される隙間のそれぞれの、繊維積層体の厚み方向に沿う高さである。第1繊維シートと第3繊維シートとの間および第3繊維シートと第2繊維シートとの間の双方に隙間が形成される場合には、これらの繊維積層体の厚み方向に沿う高さの合計とする。

0040

隙間の最大高さとは、隣接する第1領域間に挟まれた1つの隙間における高さの最大値を各隙間(例えば、5つの隙間)について求め、平均化した平均値である。例えば、図4に示されるような、ライン状の第1領域と垂直な方向における繊維積層体の断面について、電子顕微鏡写真を撮影し、観察される隙間のうち任意の複数(例えば、5つ)の隙間の最大高さを求め、平均化することにより隙間sの最大高さを求めることができる。

0041

隙間sの最大高さは、第2繊維シート2の厚みT2以下であってもよいが、厚みT2よりも大きくしてもよい。隙間sの最大高さを厚みT2よりも大きくする場合、第2繊維シートが波打つようになり易く、表面積を高め易いため、集塵効率をさらに高めることができる。

0042

隙間sの最大高さは、第1繊維シート1の厚みT1以上であってもよいが、厚みT1よりも小さくしてもよい。隙間sの最大高さを厚みT1よりも小さくする場合、繊維積層体の面方向における性能(集塵性能など)のばらつきを小さくすることができる。

0043

隙間sの最大高さは、第3繊維シートの厚みT3以下であってもよい。ただし、高い集塵効率と低い圧力損失とを確保し易い観点からは、隙間sの最大高さを厚みT3よりも大きくすることが好ましい。

0044

接着剤4は、第1領域R1において全体としてライン状になるように配置されていればよく、図3に示されるように波線状に配置されていてもよく、直線状に配置されていてもよい。また、図3では、接着剤4を第1領域に連続的に配置した場合を示したが、この場合に限らず、接着剤4は、第1領域において間欠的に配置されていてもよい。接着剤4を間欠的に配置する場合としては、例えば、波線状や点線状に配置する場合が挙げられる。間欠的に配置された接着剤4は、全体として直線状であってもよく、波線状であってもよい。

0045

なお、図示例では、繊維積層体10の全面に渡って第1領域を形成する場合を示したが、このような場合に限らず、第1領域を偏在させてもよい。例えば、第1領域を、繊維積層体の幅方向における端部に密に形成してもよく、幅方向における中央部に密に形成してもよい。

0046

第1領域R1の平均の幅Wは、0.1〜10mmであることが好ましく、1〜5mmであることがさらに好ましい。平均の幅Wがこのような範囲である場合、繊維シート間の高い剥離強度を確保しながらも、圧力損失を抑制し易い。
なお、第1領域の平均の幅Wとは、任意の複数箇所(例えば、5箇所)における第1領域の幅Wの平均値である。

0047

接着剤4が複数のライン状の第1領域R1を形成するように配置される場合、隣接する第1領域間の平均のピッチPは、特に制限されないが、圧力損失を抑制する観点からは、例えば、1mm以上であることが好ましい。平均のピッチPは、1〜10mmまたは2〜20mmであることがさらに好ましい。平均のピッチPがこのような範囲である場合、圧力損失を抑制しながらも、少量の接着剤で、繊維シート間の剥離を効果的に抑制することができる。また、隣接する第1領域間に隙間を形成し易い。

0048

なお、第1領域間のピッチPとは、図3に示されるように、隣接する第1領域の中心線(第1領域の幅方向における中心線)Lc間の距離である。平均のピッチPとは、任意の複数箇所(例えば、5箇所)について、隣接する第1領域の中心線Lc間を測定した値の平均値である。なお、第1領域の中心線Lcとは、ライン状の第1領域の短手方向を2等分する直線である。

0049

圧力損失を抑制しながら、繊維シート間の剥離を抑制し易い観点から、繊維積層体をその主面の法線方向から見たとき、第1領域の合計の面積は、繊維積層体の主面の面積の50%未満であることが好ましく、5〜45%または10〜40%であることが好ましい。

0050

図示例では、ライン状の第1領域を帯状の繊維積層体の長さ方向に沿って形成した場合を示したが、この場合に限らず、第1領域を、繊維積層体の長さ方向に対して斜めになるように形成してもよく、繊維積層体の幅方向に沿って形成してもよい。また、これらを適宜組み合わせてもよい。帯状の繊維積層体を形成する場合には、接着剤を連続的に付与できる観点から、繊維積層体の長さ方向に沿って、または長さ方向に対して斜めになるように、形成することが好ましい。第1領域の幅方向における中心線Lcと、繊維積層体の長さ方向とが成す角度は、例えば、0°〜15°であることが好ましい。

0051

繊維積層体において、接着剤の単位面積当たりの質量Mは、0.5〜15g/m2であることが好ましく、1〜10g/m2であることがより好ましい。接着剤の単位面積当たりの質量Mは、例えば、所定面積(例えば、10cm×10cm)を有する任意の複数の領域のそれぞれにおいて、接着剤の質量を求めて単位面積(1m2)当たりに換算し、平均化することにより求めることができる。

0052

本発明に係る繊維積層体を、空気清浄機などの濾材に利用する場合には、第2繊維シート側から第1繊維シート側へ吸気されるように配置することが好ましい。

0053

繊維積層体10は、例えば、第1繊維を含む第1繊維シート1および第2繊維を含む第2繊維シート2を準備する準備工程と、第1繊維シート1に接着剤4を付与する接着剤付与工程と、第1繊維シート1に接着剤4を介して第2繊維シート2を積層する積層工程と、を具備する方法により製造することができる。

0054

(1)準備工程
準備工程では、第1繊維シート1および第2繊維シート2を準備する。

0055

(2)第3繊維シート形成工程
後述する接着剤付与工程の前に、第1繊維シート1の接着剤4が付与される主面に、電界紡糸法により繊維(第3繊維)3Fを堆積させて、第3繊維シートを積層させてもよい。繊維積層体10を濾材として使用する場合、集塵性能の向上が期待できる。本工程において、第1繊維シート1は、噴射される原料液ターゲットであり、生成する第3繊維3Fを収集するコレクタとして機能する。この場合、第1繊維シート1と第2繊維シート2とは、第3繊維シートを介して積層される。

0056

電界紡糸法では、繊維の原料となる原料樹脂と原料樹脂を溶解させる溶媒を含む原料液が用いられる。原料液は、原料樹脂および溶媒を含む。原料樹脂は第3繊維の原料であり、第3繊維の材質として例示したポリマーである。溶媒は、原料樹脂を溶解させる(以下、第1溶媒と称する)。原料液から、原料樹脂および第1溶媒を含む繊維が形成される。原料液における原料樹脂と第1溶媒との混合比率は、選定される原料樹脂の種類および第1溶媒の種類により異なる。原料液における第1溶媒の割合は、例えば、60質量%から95質量%である。原料液には、原料樹脂を溶解させる第1溶媒以外の溶媒や各種添加剤等が含まれていてもよい。

0057

第1溶媒としては、繊維の原料樹脂を溶解し、揮発などにより除去可能なものであれば特に制限されず、原料樹脂の種類や製造条件に応じて、水および有機溶媒から適宜選択して使用できる。溶媒としては、非プロトン性極性有機溶媒が好ましい。このような溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミドDMF)、N,N−ジメチルアセトアミドDMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などのアミド鎖状または環状アミドなど);ジメチルスルホキシドなどのスルホキシドなどが挙げられる。これらの溶媒は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。PSやPUなどの原料樹脂を溶解し易く、電界紡糸し易い観点からは、DMAc、DMFなどのアミドが好ましい。

0058

(3)接着剤付与工程
接着剤4は、第1繊維シート1の第3繊維シートが形成された主面に付与される。好ましくは、ホットメルト接着剤を、溶融しながらライン状に第1繊維シート1の上記主面に塗布する。

0059

(4)積層工程
最後に、接着剤4(および必要に応じて第3繊維シート)を介して、第1繊維シート1に第2繊維シート2を積層させることにより、繊維積層体10が得られる。このとき、第1繊維シート1の主面上に、必要に応じて第3繊維シートを介して第2繊維シート2を重ねて、第1繊維シート1および/または第2繊維シート2が波打つように、第1繊維シート1と第2繊維シート2とを接着剤4を介して接着させる。これにより、ライン状の第1領域以外の第2領域において、第1繊維シート1と第2繊維シート2との間に隙間が形成される。

0060

第1繊維シート1および/または第2繊維シート2が波立ち易いように、一方の繊維シートの幅を他方の繊維シートの幅よりも大きくしてもよい。第1繊維シート1は基材として機能し、第2繊維シートに比べて厚みが大きいことが多いため、第2繊維シート2の幅を第1繊維シート1の幅よりも大きくすることが好ましい。

0061

積層工程では、第1繊維シート1と、接着剤4(および必要に応じて第3繊維シート)を介して第1繊維シート1に重ねた第2繊維シート2とを、一対のローラ間に供給して圧着させることにより、第1繊維シート1と第2繊維シートとを接着させる。ローラとしては、公知の加圧ローラなどが利用できる。接着剤4をライン状の第1領域に配置するため、間にスペーサを介在させた一対のローラを用いて圧着を行ってもよい。スペーサが第1領域に対応するようにローラに繊維シートの積層体を供給すると、第1領域において第1繊維シートと第2繊維シートとを接着させることができるとともに、第2領域には、第1繊維シートと第2繊維シートとの間に最大高さが大きい隙間を確保し易い。

0062

スペーサとしては、ローラの周面に取り付けたリング状の凸部(押圧リング)などが挙げられる。リング状の凸部は、ローラの周面において第1領域に対応する位置に設けることが好ましい。例えば、少なくとも第1領域の中心線Lcおよびその近傍を、リング状の凸部で押圧できるように、凸部の位置や第1領域の形成位置を調節することが好ましい。リング状の凸部は、一対のローラのいずれか一方に設けてもよく、双方に設けてもよい。
スペーサの幅や高さは、繊維積層体の厚み、接着剤の付与量、および/または第1領域の幅などを考慮して適宜調節される。

0063

上記のような繊維積層体10の製造方法は、例えば、製造ライン上流から下流に第1繊維シート1を搬送し、搬送される第1繊維シート1の主面に第3繊維シートを形成した後、第2繊維シート2を積層する製造装置により実施することが可能である。このような製造装置は、例えば、(1)第1繊維シート1を搬送コンベア21の搬送ベルトに供給する第1繊維シート供給部と、(2)原料液から静電気力により第3繊維を生成させて、第3繊維シートを形成する第3繊維シート形成部と、(3)第3繊維シート形成部から送り出される第1繊維シート1に、上方から接着剤4を付与する接着剤付与部と、(4)第1繊維シート1の上方から、接着剤4および第3繊維シートを介して、第2繊維シート2を積層する第2繊維シート積層部と、を具備する。

0064

以下、図5を参照しながら、上記製造装置について説明するが、以下の製造装置は、本発明を限定するものではない。図5は、繊維積層体10の製造装置200の一例の構成を概略的に示す図である。製造装置200は、繊維積層体10を製造するための製造ラインを構成している。製造装置200では、第1繊維シート1は、製造ラインの上流から下流に搬送される。

0065

(第1繊維シート供給部)
製造装置200の最上流には、ローラ状に巻回された第1繊維シート1を内部に収容した第1繊維シート供給部201が設けられている。第1繊維シート供給部201は、モータ13により第1供給リール12を回転させて、第1供給リール12に巻回された第1繊維シート1を搬送ローラ11に供給する。

0066

(第3繊維シート形成部)
第1繊維シート1は、搬送ローラ11により、電界紡糸ユニット(図示せず)を備える第3繊維シート形成部202に搬送される。電界紡糸ユニットが具備する電界紡糸機構は、その上方に設置された第3繊維3Fの原料液22を放出するための放出体23と、放出された原料液22をプラスに帯電させる帯電手段(後述参照)と、放出体23と対向するように配置された第1繊維シート1を上流側から下流側に搬送する搬送コンベア21と、を備えている。搬送コンベア21は、第1繊維シート1とともに第3繊維3Fを収集するコレクタ部として機能する。なお、電界紡糸ユニットの台数は、特に限定されるものではなく、1台でも2台以上でもよい。

0067

放出体23の第1繊維シート1の主面と対向する側には、原料液22の放出口(図示せず)が複数箇所設けられている。放出体23は、電界紡糸ユニットの上方に設置された、第1繊維シート1の搬送方向と平行な第1支持体24から下方に延びる第2支持体25により、自身の長手方向が第1繊維シート1の主面と平行になるように支持されている。

0068

帯電手段は、放出体23に電圧印加する電圧印加装置26と、搬送コンベア21と平行に設置された対電極27とで構成されている。対電極27は接地グランド)されている。これにより、放出体23と対電極27との間には、電圧印加装置26により印加される電圧に応じた電位差(例えば20〜200kV)を設けることができる。なお、帯電手段の構成は、特に限定されない。例えば、対電極27はマイナスに帯電されていてもよい。また、対電極27を設ける代わりに、搬送コンベア21のベルト部分導体から構成してもよい。

0069

放出体23は、長尺の形状であり、導体で構成されている。その内部は中空になっており、中空部は原料液22を収容する収容部となる。原料液22は、放出体23の中空部と連通するポンプ28の圧力により、原料液タンク29から放出体23の中空に供給される。そして、原料液22は、ポンプ28の圧力により、放出口から第1繊維シート1の主面に向かって放出される。放出された原料液22は、帯電した状態で放出体23と第1繊維シート1との間の空間(生成空間)を移動中に静電爆発起し繊維状物(第3繊維3F)を生成する。生成した第3繊維3Fは、第1繊維シート1に堆積し、第3繊維シート(図示せず)を形成する。

0070

第3繊維3Fを形成する電界紡糸機構は、上記の構成に限定されない。所定の第3繊維3Fの生成空間において、原料液22から静電気力により第3繊維3Fを生成させ、生成した第3繊維3Fを第1繊維シート1の主面に堆積させることができる機構であれば、特に限定なく用いることができる。

0071

(接着剤付与部)
第3繊維シートが形成された後、第1繊維シート1は、接着剤付与部203に搬送される。接着剤付与部203では、第1繊維シート1の上方から、第3繊維シートを介して、第1繊維シート1に接着剤4が付与される。

0072

接着剤付与部203は、例えば、接着剤付与部203の上方に設置された接着剤4を収容する接着剤タンク32、および、接着剤4を第1繊維シート1にライン状に塗工するためのノズル33を備えるアプリケータ34と、第1繊維シート1を下流に搬送するための搬送ローラ31と、を備える。接着剤タンク32あるいはノズル33は図示しない加熱装置を備えており、例えばホットメルト樹脂である接着剤4は、溶融されながら放出される。

0073

(第2繊維シート積層部)
次いで、積層体は、搬送ローラ41を備える第2繊維シート積層部204に搬送される。第2繊維シート積層部204では、第1繊維シート1の上方から第2繊維シート2が供給され、接着剤4および第3繊維シートを介して第1繊維シート1に積層される。第2繊維シート2が長尺である場合、第1繊維シート1と同様に、第2繊維シート2は第2供給リール42に巻き取られていてもよい。この場合、第2繊維シート2は、モータ43によって回転する第2供給リール42から巻き出されながら、第1繊維シート1に積層される。

0074

(圧着部)
第2繊維シート2を積層した後、繊維積層体10は圧着部205に搬送される。圧着部205は、例えば、繊維積層体10を挟んで上方に配置された上部加圧ローラ51と下方に配置された下部加圧ローラ52とを備える。繊維積層体10は、上部加圧ローラ51と下部加圧ローラ52により圧力を加えられ、第1繊維シート1と第2繊維シート2とがさらに密着する。加圧ローラとしては、上述のようにスペーサを設けたローラなどを用いてもよい。

0075

回収部
最後に、圧着部205から繊維積層体10を搬出し、ローラ61を経由して、より下流側に配置されている回収部206に搬送する。回収部206は、例えば、搬送されてくる繊維積層体10を巻き取る回収リール62を内蔵している。回収リール62はモータ63により回転駆動される。

0076

以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

0077

(実施例1)
下記の手順で、繊維積層体を作製した。
まず、セルロース繊維ポリエステル繊維およびアクリル繊維で形成した第1繊維シート(厚み:300μm、幅:500mm、D1:15μm、単位面積当たりの質量:42g/m2)を準備した。
図5に示すような製造装置を用いて、搬送される第1繊維シートに第3繊維を堆積させて第3繊維シートを積層した。第3繊維の原料液は、PESを20質量%濃度で含むDMAc溶液を用いた。得られた第3繊維の平均繊維径D3は273nmであり、単位面積当たりの平均の質量は0.93g/m2であった。

0078

次いで、第3繊維シートの主面に、接着剤(ポリエステル系ホットメルト樹脂融点:約100℃)を溶融させて図3に示すような波線状に付与した。このとき、接着剤が配置されるライン状の第1領域の平均の幅Wが1mm、隣接する第1領域間の平均のピッチPが9mmとなるように接着剤を付与した。接着剤の量は、繊維積層体が保持する単位面積当たりの接着剤の量が3.6g/m2となるように調節した。

0079

第3繊維シート側から第2繊維シートとしてPP繊維主体とするメルトブロー不織布(厚み:165μm、幅:550mm、D2:5μm、単位面積当たりの質量:18g/m2)を積層した。得られた積層物を、一対の加圧ローラの間に供給して、厚み方向に押圧することにより圧着させ、繊維積層体を得た。一対の加圧ローラのうち一方として、周面に60列の押圧リングが等間隔で取り付けられたローラ(押圧リングの幅:5mm、押圧リング間のピッチ:9mm)を用いた。圧着の圧力は10kPaとした。

0080

繊維積層体を、第1領域を横切るように幅方向に裁断し、断面写真を、走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影した。SEM写真から、隣接する第1領域間の第2領域には、第2繊維シートと第3繊維シートとの間に隙間が形成されていることが分かった。5つの隙間について、隙間の最大高さを計測して平均値を求めたところ、179μmであった。

0081

繊維積層体を12cm×12cmに裁断し、得られたサンプルに、大気中の粉塵を、第2繊維シート側から面風速5.3cm/secで吸引させた(吸引試験)。サンプルの上流側の空気圧P0および下流側の空気圧P1を測定し、圧力損失(=P0−P1)を算出したところ、48Paであった。なお、空気圧の測定には、JISB9908の規格に準拠した測定機(マノメータ)を使用した。

0082

上記の圧力損失測定を行う際に、サンプルの上流側の大気中の粉塵濃度個数)C0と、下流側の粉塵濃度(個数)C1を測定し、集塵効率(=1−C1/C0)×100(%))を算出したところ、99.993%であった。なお、個数濃度は、光散乱式自動粒子計数器リオン株式会社製:パーティクルカウンターKC−01E)を用いて求めた。

実施例

0083

(比較例1)
溶融させた接着剤に代えて、パウダー状の接着剤(ポリエステル系ホットメルト樹脂、融点:約100℃)を、第3繊維シートの主面全体に満遍なく散布した。また、加圧ローラとして、周面が平滑であり、かつヒータを内蔵する一対の加圧ローラを用いて、積層物を加熱しながら圧着させた。これら以外は、実施例1と同様にして繊維積層体を得、評価を行った。比較例1の繊維積層体の断面写真において、第2繊維シートと第3繊維シートとの間には、実施例1で見られたような隙間は観察されなかった。また、繊維積層体の圧力損失は66Paであり、集塵効率は99.971%であった。

0084

本発明の繊維積層体は、圧力損失が抑制され、高い集塵効率が得られるため、空気清浄機、あるいは空調機の濾材用途に好適に利用できる。また、繊維積層体は、電池用分離シート燃料電池用メンブレン妊娠検査シート等の体外検査シート細胞培養用等の医療用シート防塵マスク等の防塵布防塵服化粧用シート、塵を拭き取る拭取シート等としても利用することができる。

0085

1:第1繊維シート、2:第2繊維シート、3:第3繊維シート、3F:第3繊維、4:接着剤、10:繊維積層体、R1:第1領域、R2:第2領域、P:隣接する第1領域間のピッチ、W:第1領域の幅、A:領域、Lc:第1領域の幅方向における中心線、s:隙間、h:隙間の最大高さ、11、31、41:搬送ローラ、12:第1供給リール、13:モータ、21:搬送コンベア、22:原料液、23:放出体、24:第1支持体、25:第2支持体、26:電圧印加装置、27:対電極、28:ポンプ、29:原料液タンク、32:接着剤タンク、33:ノズル、34:アプリケータ、42:第2供給リール、43:モータ、51:上部加圧ローラ、52:下部加圧ローラ、61:ローラ、62:回収リール、63:モータ、200:製造装置、201:第1繊維シート供給部、202:第3繊維シート形成部、203:接着剤付与部、204:第2繊維シート積層部、205:圧着部、206:回収部

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