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技術 便座昇降装置

出願人 ミネベアミツミ株式会社株式会社LIXIL
発明者 根岸央樹赤間有祐岩瀬滋後藤大
出願日 2016年2月29日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2016-037286
公開日 2017年9月7日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2017-153553
状態 特許登録済
技術分野 便座、便蓋等の便器用品及び化粧室室設備
主要キーワード 傾斜寸法 所定上昇位置 補助傾斜面 歯車回転軸 摩擦低減部材 昇降対象 設定速 傾斜支持面
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

便座ユニットの上昇した状態を安定して保持することができること。

解決手段

本発明の一態様である便座昇降装置は、洋式便器の便座ユニットを支持した状態で可動する支持部と、洋式便器の便器本体に固定されるフレームと、フレームに架設されて支持部の可動方向を洋式便器に対する昇降方向規制するガイド軸と、支持部をガイド軸に沿って昇降させる駆動機構と、支持部の昇降方向における上昇状態を保持するロック機構と、を備える。

概要

背景

従来、洋式便器の分野においては、便座および便蓋等を含み便器本体の上面に設けられる便座ユニットを、この便器本体に対して昇降可能にする便座昇降装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。一般に、便座ユニットのうち便座および便蓋よりも後の部分は、通常、便器本体の後部上面に載置された状態にある。このような便器本体の後部上面と便座ユニットの後部との隙間は極めて狭く、この隙間の部分を清掃しようにも手が入らない。便座昇降装置は、ユーザの操作に応じて、便器本体から便座ユニットを上昇させ、これにより、便器本体の上面略全域を清掃し易い状態にすることができる。

概要

便座ユニットの上昇した状態を安定して保持することができること。本発明の一態様である便座昇降装置は、洋式便器の便座ユニットを支持した状態で可動する支持部と、洋式便器の便器本体に固定されるフレームと、フレームに架設されて支持部の可動方向を洋式便器に対する昇降方向規制するガイド軸と、支持部をガイド軸に沿って昇降させる駆動機構と、支持部の昇降方向における上昇状態を保持するロック機構と、を備える。

目的

本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、便座ユニットの上昇した状態を安定して保持することができる便座昇降装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

洋式便器便座ユニットを支持した状態で可動する支持部と、前記洋式便器の便器本体に固定されるフレームと、前記フレームに架設され、前記支持部の可動方向を前記洋式便器に対する昇降方向規制するガイド軸と、前記支持部を前記ガイド軸に沿って昇降させる駆動機構と、前記昇降方向に対して回動可能な回動レバーを有し、前記支持部の前記昇降方向における上昇状態を保持するロック機構と、を備えることを特徴とする便座昇降装置

請求項2

前記回動レバーは、前記支持部に設けられて前記支持部と一体に昇降し、前記ロック機構は、前記回動レバーを支持する傾斜支持面を有して前記回動レバーの昇降方向に延在するカム部材と、前記回動レバーを前記カム部材側に付勢する付勢部材と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の便座昇降装置。

請求項3

前記ロック機構は、前記支持部が前記上昇状態にある際、前記付勢部材の付勢力を受けて回動する前記回動レバーを前記傾斜支持面で支持して、前記支持部の前記上昇状態を解除可能に保持することを特徴とする請求項2に記載の便座昇降装置。

請求項4

前記回動レバーは、前記傾斜支持面に当接する当接部を有し、前記当接部は、前記回動レバーに形成されることを特徴とする請求項3に記載の便座昇降装置。

請求項5

前記カム部材は、前記支持部とともに下降位置に下降した下降状態の前記回動レバーが当接する傾斜面を有し、前記傾斜面は、前記回動レバーの昇降方向に垂直な方向に対し、前記支持部とともに前記回動レバーが上昇するに伴い前記付勢部材の付勢力が減少する方向に傾斜することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の便座昇降装置。

請求項6

前記カム部材は、着脱可能であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一つに記載の便座昇降装置。

請求項7

前記カム部材は、前記フレームのエッジ部を覆う被覆部を有することを特徴とする請求項2〜6のいずれか一つに記載の便座昇降装置。

請求項8

前記支持部および前記回動レバーのうち一方は、前記回動レバーの回動方向に対応する円弧状の凹部を有し、前記支持部および前記回動レバーのうち他方は、前記凹部と係合し前記凹部によって可動範囲が規制される突起部を有する、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の便座昇降装置。

請求項9

前記駆動機構は、前記支持部を昇降させるモータを備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の便座昇降装置。

請求項10

前記駆動機構は、前記モータの駆動力によって前記支持部を前記上昇状態から下降させる際、前記ロック機構が前記支持部の前記上昇状態の保持を解除する期間の前記モータの駆動力を、前記ロック機構が前記支持部の前記上昇状態の保持を解除した後に比して高めることを特徴とする請求項9に記載の便座昇降装置。

技術分野

0001

本発明は、洋式便器便座昇降装置に関する。

背景技術

0002

従来、洋式便器の分野においては、便座および便蓋等を含み便器本体の上面に設けられる便座ユニットを、この便器本体に対して昇降可能にする便座昇降装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。一般に、便座ユニットのうち便座および便蓋よりも後の部分は、通常、便器本体の後部上面に載置された状態にある。このような便器本体の後部上面と便座ユニットの後部との隙間は極めて狭く、この隙間の部分を清掃しようにも手が入らない。便座昇降装置は、ユーザの操作に応じて、便器本体から便座ユニットを上昇させ、これにより、便器本体の上面略全域を清掃し易い状態にすることができる。

先行技術

0003

特開2004−350894号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、便座昇降装置には、特許文献1に例示されるように、便座ユニットを便器本体から上昇させた状態を解除可能に保持するストッパー等のロック機構が設けられている。特許文献1に例示されるロック機構は、可動部材の背面側に配置されてバネ付勢力により水平方向に進退可能な係合部材を、便器本体に固定される固定プレート垂直面に形成された凹部と係合させ、これにより、便座ユニットの上昇した状態を保持している。

0005

しかしながら、上述のように係合部材が水平方向等の所定方向へ直線的に進退して凹部に対し係脱する構成のロック機構(以下、このタイプを「直動型のロック機構」と適宜いう)では、便座ユニットの保持状態を解除して当該便座ユニットを上昇した位置から下降させる際、凹部と係合部材との摩擦力誤差である摩擦誤差が、便座ユニットの保持状態の解除に要する力(解除力)に大きく影響する。すなわち、この解除力に相当するロック機構による便座ユニットの保持力(具体的には便座ユニットの上昇した状態を保持する力)が、凹部と係合部材との摩擦誤差の影響を受けてバラついてしまう。これに起因して、便座ユニットの上昇した状態の保持(ロック)を安定して行うことが困難になる。

0006

本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、便座ユニットの上昇した状態を安定して保持することができる便座昇降装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る便座昇降装置は、洋式便器の便座ユニットを支持した状態で可動する支持部と、前記洋式便器の便器本体に固定されるフレームと、前記フレームに架設され、前記支持部の可動方向を前記洋式便器に対する昇降方向規制するガイド軸と、前記支持部を前記ガイド軸に沿って昇降させる駆動機構と、前記昇降方向に対して回動可能な回動レバーを有し、前記支持部の前記昇降方向における上昇状態を保持するロック機構と、を備える。
なお、「便器本体に固定される」フレームとは、フレームが便器本体に直接的に固定される構成と、フレームが便器本体に間接的に固定される構成(例えば、部材を介して固定される場合)と、その双方を包含する。

0008

また、本発明に係る便座昇降装置は、上記の発明において、前記回動レバーは、前記支持部に設けられて前記支持部と一体に昇降し、前記ロック機構は、前記回動レバーを支持する傾斜支持面を有して前記回動レバーの昇降方向に延在するカム部材と、前記回動レバーを前記カム部材側に付勢する付勢部材と、を備える。

0009

また、本発明に係る便座昇降装置は、上記の発明において、前記ロック機構は、前記支持部が前記上昇状態にある際、前記付勢部材の付勢力を受けて回動する前記回動レバーを前記傾斜支持面で支持して、前記支持部の前記上昇状態を解除可能に保持する。

0010

また、本発明に係る便座昇降装置は、上記の発明において、前記回動レバーは、前記傾斜支持面に当接する当接部を有し、前記当接部は、前記回動レバーに形成される。

0011

また、本発明に係る便座昇降装置は、上記の発明において、前記カム部材は、前記支持部とともに下降位置に下降した下降状態の前記回動レバーが当接する傾斜面を有し、前記傾斜面は、前記回動レバーの昇降方向に垂直な方向に対し、前記支持部とともに前記回動レバーが上昇するに伴い前記付勢部材の付勢力が減少する方向に傾斜する。

0012

また、本発明に係る便座昇降装置は、上記の発明において、前記カム部材は、着脱可能である。

0013

また、本発明に係る便座昇降装置は、上記の発明において、前記カム部材は、前記フレームのエッジ部を覆う被覆部を有する。

0014

また、本発明に係る便座昇降装置は、上記の発明において、前記支持部および前記回動レバーのうち一方は、前記回動レバーの回動方向に対応する円弧状の凹部を有し、前記支持部および前記回動レバーのうち他方は、前記凹部と係合し前記凹部によって可動範囲が規制される突起部を有する。

0015

また、本発明に係る便座昇降装置は、上記の発明において、前記駆動機構は、前記支持部を昇降させるモータを備える。

0016

また、本発明に係る便座昇降装置は、上記の発明において、前記駆動機構は、前記モータの駆動力によって前記支持部を前記上昇状態から下降させる際、前記ロック機構が前記支持部の前記上昇状態の保持を解除する期間の前記モータの駆動力を、前記ロック機構が前記支持部の前記上昇状態の保持を解除した後に比して高める。

図面の簡単な説明

0017

図1は、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置を適用した洋式便器の一構成例を示す図である。
図2は、図1に示す洋式便器の便座ユニットを便座昇降装置によって便器本体から上昇させた状態の一例を示す図である。
図3は、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置の一構成例を示す図である。
図4は、図3に示す便座昇降装置のフレーム構成の一例を示す図である。
図5は、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置のラック部材の一構成例を示す図である。
図6は、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置の駆動機構の一内部構成例を示す図である。
図7は、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置のロック機構の一構成例を示す図である。
図8は、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置のロック機構によってラック部材の所定上昇状態を解除可能に保持する状態を例示する図である。
図9は、ロック機構によってラック部材の所定上昇状態を解除可能に保持する際にロック機構に作用する力を説明する図である。
図10は、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置による便座昇降動作を説明する図である。
図11は、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置のロック機構の動作を説明する図である。

実施例

0018

本発明に係る便座昇降装置の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。以下の各図面においては、各部材の寸法や、各部材の比率を実際とは異ならせて示す場合がある。

0019

(洋式便器の構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置を適用した洋式便器の一構成例を示す図である。図1に例示されるように、洋式便器1は、便器本体2と、便器本体2の後ベース3と、便座ユニット4と、便座昇降装置10とを備える。以降の説明では、便器本体2の上面に平行な面としてX−Y平面を設定し、このX−Y平面における便器本体2の幅方向をX軸方向と表記し、X軸方向に垂直な方向をY軸方向(奥行方向)と表記し、このX−Y平面に垂直な方向をZ軸方向(鉛直方向)と表記する。

0020

なお、図1,2中の互いに直交するX軸、Y軸、およびZ軸の各方向のうち、X軸方向は、洋式便器1の横方向(幅方向)であり、X軸方向正側が右側になり、X軸方向負側が左側になる。Y軸方向は、洋式便器1の前後方向(奥行方向)であり、Y軸方向正側が後側(奥側)になり、Y軸方向負側が前側(手前側)になる。Z軸方向は、洋式便器1の上下方向(鉛直方向)であり、Z軸方向正側が上側になり、Z軸方向負側が下側になる。これらのX軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向は、洋式便器1に適用される便座昇降装置10およびその各構成要素についても同様である。

0021

便器本体2は、便鉢等を有する洋式の水洗大便器であり、陶器等の部材によって構成される。便器本体2のZ軸方向正側の端部には、上面2cが形成される。以降の説明では、上面2cのうち、Y軸方向負側(前側)の面を前部上面2aと表記し、Y軸方向正側(後側)の面を後部上面2bと表記する。前部上面2aは、便座5のうちZ軸方向負側の下面に対向する。後部上面2bは、便鉢のY軸方向正側の縁部から、上面2cのY軸方向正側の端部にわたる部分である。後部上面2bは、便座ユニット4のうちY軸方向正側の部分(便座5および便蓋6よりも後側の部分)に覆われている。

0022

後ベース3は、便座ユニット4を昇降させるための便座昇降装置10が取り付けられるベース部材である。後ベース3のZ軸方向負側の底面は、後部上面2bに固定される。図1では図示を省略しているが、後ベース3には、便座昇降装置10に加えて、便器本体2の便鉢内水洗するための機能部品等(例えばバルブユニット等)が取り付けられている。

0023

便座ユニット4は、便座5と便蓋6と前ベース7とカバー部材8とを含んで構成され、図1に例示されるように、便器本体2の上面2cに配置される。便座5および便蓋6は、各々、便座ユニット4の後部(例えばカバー部材8)に回動自在に支持される。便座5および便蓋6は、各々個別に開閉することも、同時に開閉することも可能である。

0024

なお、便座5には、自身の座面を温めるヒータ装置等の機能部品が内蔵されてもよい。また、便座ユニット4には、便座5および便蓋6が各々自重で閉じる際の回動速度を低速化するダンパー等の機能部品が設けられてもよい。

0025

前ベース7は、洗浄ノズル等の機能部品や便座5に内蔵されたヒータ装置を制御する機能部品等が取り付けられるベース部材である。図1に例示されるように、前ベース7は、後部上面2b上に、後ベース3に対してY軸方向負側に配置され、後ベース3に取り付けられた便座昇降装置10によって昇降可能に支持される。

0026

カバー部材8は、後ベース3と前ベース7と便座昇降装置10とを覆う部材であり、前ベース7に対して固定され、便座5および便蓋6を各々回動自在に支持する。

0027

便座昇降装置10は、便器本体2に対して便座ユニット4を昇降させる装置である。便座昇降装置10は、便器本体2の後ベース3に取り付けられ、便座ユニット4の前ベース7の後部を支持する。図2は、図1に示す洋式便器の便座ユニットを便座昇降装置によって便器本体から上昇させた状態の一例を示す図である。便座昇降装置10は、ユーザからの操作を契機として、便座ユニット4、すなわち、前ベース7と便座5と便蓋6とカバー部材8とを、便器本体2に対してZ軸方向の正側および負側に昇降させる。具体的には、図2に例示される通り、便座昇降装置10は、便座ユニット4を便器本体2に対してZ軸方向正側に上昇させる一方、便座ユニット4を便器本体2に対してZ軸方向負側に下降させる。

0028

便座昇降装置10が、便器本体2に対して便座ユニット4を上昇させた状態にあっては、図2に例示される通り、上面2cと前ベース7(カバー部材8)のZ軸方向負側の底面との間の距離dが大きくなる。これにより、便器本体2と便座ユニット4との間にユーザが手を入れて、前部上面2aから後部上面2bに亘る上面2c略全域を清掃することが容易になる。なお、図2では、便座昇降装置10は、便座5および便蓋6が起立姿勢にある際に便座ユニット4を昇降させている。

0029

他方、便座昇降装置10は、ユーザからの操作を契機として、便座ユニット4が上昇した状態から、便座ユニット4を下降させる。便器本体2に対して便座ユニット4が下降した状態にあっては、図1に例示される通り、上面2cと前ベース7(カバー部材8)のZ軸方向負側の底面との間の距離dは、便座ユニット4が上昇した状態と比較して小さくなる。

0030

(便座昇降装置の構成)
つぎに、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置10の構成について説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置の一構成例を示す図である。図3に例示される通り、便座昇降装置10は、メインフレーム11と、便座ユニット4を昇降させる昇降機構12と、昇降機構12に昇降の駆動力を与える駆動機構20とを含んで構成される。昇降機構12は、便座ユニット4を支持する可動プレート13と、駆動機構20からの駆動力によって可動プレート13とともに可動するラック部材14と、可動プレート13およびラック部材14をZ軸方向の正側および負側に案内する主ガイド軸15および副ガイド軸16とを備える。

0031

可動プレート13は、洋式便器1の便座ユニット4を支持し且つ便座ユニット4を支持した状態で可動する支持部として機能する。図3に例示されるように、可動プレート13は、互いにZ軸方向に対向する下支持部13aおよび上支持部13bと、これら下支持部13aおよび上支持部13bのY軸方向正側の各端部に連続する背板部13cと、副ガイド軸16を挿通する挿通部13dとを備える。可動プレート13は、例えば、これらの下支持部13aと上支持部13bと背板部13cと挿通部13dとを一体に有するように、金属材プレス加工等によって形成される。可動プレート13は、図3に例示されるように、背板部13cから延在する下支持部13aおよび上支持部13bをY軸方向負側に向けるよう配置される。

0032

下支持部13aは、便座ユニット4の前ベース7(図1,2参照)を下方から支持するプレート部分である。上支持部13bは、この前ベース7を上方から支持するプレート部分である。背板部13cは、これら下支持部13aおよび上支持部13bのY軸方向正側の各端部に連続して、Z軸方向に延在するプレート部分である。図3に例示されるように、下支持部13aは、背板部13cのZ軸方向負側の端部全域からY軸方向負側に延在する。この下支持部13aの面積は、便座ユニット4の前ベース7を下支えするに十分な面積に設定される。上支持部13bは、背板部13cのZ軸方向正側の端部における所定領域(例えば過半領域)からY軸方向負側に延在する。この上支持部13bの面積は、図3に例示されるように、下支持部13aに比して極めて狭いが、下支持部13aによる前ベース7の下支えを上方から支援するに十分な面積に設定される。

0033

可動プレート13に便座ユニット4の前ベース7を取り付ける際、背板部13cには前ベース7のY軸方向正側の端面が押し当てられ、この状態において、下支持部13aと前ベース7のZ軸方向負側の端部とが螺子止め等によって固定され、且つ、上支持部13bと前ベース7のZ軸方向正側の端部とが螺子止め等によって固定される。この結果、可動プレート13は、取り付けられた前ベース7のY軸方向正側の端部を把持するように支持し、これにより、前ベース7を介して便座ユニット4を昇降可能に支持する。

0034

また、図3に例示されるように、下支持部13aには、メインフレーム11の底板部11aの固定孔112a,113aとZ軸方向に対向する各部分に、固定孔112aに通じる貫通孔131aと、固定孔113aに通じる貫通孔132aとが形成される。上支持部13bには、下支持部13aの貫通孔131aとZ軸方向に対向する部分に、貫通孔131bが形成される。上支持部13bの貫通孔131bは、下支持部13aの貫通孔131aを介して上述の固定孔112aに通じる。

0035

このような構成を有する可動プレート13は、上支持部13bの貫通孔131bと下支持部13aの貫通孔131aとを介し、底板部11aの固定孔112aの螺子ドライバ等の工具を届かせて、この螺子締めを容易に実現可能にする。且つ、可動プレート13は、下支持部13aの貫通孔132aを介し、底板部11aの固定孔113aの螺子にドライバ等の工具を容易に届かせて、この螺子締めを容易に実現可能にする。これにより、たとえ底板部11aの上方に可動プレート13が存在する状態であっても、可動プレート13の上方から貫通孔131b,131aを介して、固定孔112aの螺子による底板部11aと便器本体2の後ベース3との螺子止めを容易に行うことができる。且つ、可動プレート13の上方から貫通孔132aを介して、固定孔113aの螺子による底板部11aと便器本体2の後ベース3との螺子止めを容易に行うことができる。この結果、可動プレート13の上方からメインフレーム11の底板部11aと便器本体2の後ベース3とを螺子止めによって容易に固定できることから、便座昇降装置10の後ベース3に対する取付手順の自由度および便座昇降装置10の組立手順の自由度を向上することができる。また、可動プレート13が下方に存在するとき、貫通孔131a,132aは、固定孔112a,113aの螺子の頭と下支持部13aとの接触を回避する逃げ孔にもなる。

0036

一方、挿通部13dは、可動プレート13のうち副ガイド軸16を挿通する部分である。図3に例示されるように、挿通部13dは、可動プレート13の背板部13cの右側上端部からY軸方向正側へ延在する形状に形成される。挿通部13dには、副ガイド軸16に比して大きい寸法の挿通孔(貫通孔)が形成される。また、本実施の形態において、挿通部13dは、ブッシュ13eを有する。

0037

ブッシュ13eは、副ガイド軸16に対する摩擦を低減する摩擦低減部材であり、副ガイド軸16を摺動可能に挿通する挿通孔を有する。図3に例示されるように、ブッシュ13eは、副ガイド軸16を挿通した状態で副ガイド軸16に配置される。挿通部13dは、ブッシュ13eを介して副ガイド軸16を挿通した状態で副ガイド軸16に取り付けられる。すなわち、ブッシュ13eは、挿通部13dの挿通孔内周面と副ガイド軸16の外周面との間に介在する。挿通部13dは、スナップ止め等によってブッシュ13eに固定され、これにより、ブッシュ13eと一体化した状態になる。このような挿通部13dは、ブッシュ13eを介して副ガイド軸16の外周面上をZ軸方向の正側および負側に摺動する。すなわち、挿通部13dは、副ガイド軸16に沿ってブッシュ13eと一体に摺動する。

0038

他方、図3に例示されるように、可動プレート13には、背板部13cの左側端部近傍の後面部に、主ガイド軸15に沿ってZ軸方向の正側および負側に可動なラック部材14が固定される。可動プレート13は、ブッシュ13eとともに挿通部13dを副ガイド軸16に沿ってZ軸方向の正側および負側に移動させながら、主ガイド軸15に沿ってラック部材14とともにZ軸方向の正側および負側に昇降する。

0039

メインフレーム11は、便座昇降装置10を構成する各種部品が取り付けられるフレームであり、例えば、金属材のプレス加工等によって一体的に形成される。メインフレーム11は、天板部11bと背板部11cと底板部11aとが相互に連結されたコの字状の部材である。背板部11cは、主ガイド軸15および副ガイド軸16よりもY軸方向正側に配置され、Z軸方向に延在する。天板部11bは、背板部11cのうちZ軸方向正側の周縁からY軸方向負側に延在する。底板部11aは、背板部11cのうちZ軸方向負側の周縁からY軸方向負側に延在する。天板部11bおよび底板部11aは、互いにZ軸方向に対向する。なお、メインフレーム11を形成する部材は、板金部材に限定されない。

0040

図4は、図3に示す便座昇降装置のフレーム構成の一例を示す図である。図4に例示されるように、底板部11aには、開口部111aと、固定孔112a,113aとが形成されている。開口部111aは、図3に示す昇降機構12のラック部材14のラック下端部(後述するラック14aの下端部)を挿入可能な貫通孔であり、Z軸方向にラック部材14のラック下端部と対向する。図4に例示されるように、開口部111aは、底板部11aのX軸方向負側の端部近傍に、ラック部材14のラック形状に対応する形状(本実施の形態では矩形状)をなすよう形成される。この開口部111aには、Z軸方向の正側および負側に昇降可能なラック部材14が最下降位置にある際にラック部材14のラック下端部が入る。

0041

一方、固定孔112a,113aは、便座昇降装置10を洋式便器1の後ベース3に取り付ける際にメインフレーム11の底板部11aと後ベース3とを螺子止めによって固定するための貫通孔である。図4に例示されるように、固定孔112a,113aは、底板部11aのY軸方向負側の端部近傍に、X軸方向に並ぶよう形成される。固定孔112a,113aには、各々、螺子が挿通され、これらの螺子止めにより、底板部11aと後ベース3とが固定される。この結果、メインフレーム11が後ベース3に固定される。

0042

また、本実施の形態において、図4では図示を省略しているが、底板部11aには、上述した開口部111aのX軸方向負側近傍に、主ガイド軸15のZ軸方向負側の端部が螺子止め等によって固定される。底板部11aのX軸方向正側の端部近傍には、この主ガイド軸15と対をなす副ガイド軸16のZ軸方向負側の端部が螺子止め等によって固定される。

0043

天板部11bには、図3,4に例示されるように、開口部111bと、取付フランジ112bと、引き出し孔113bとが形成されている。開口部111bは、図3に示す昇降機構12のラック部材14のラック上部を挿通可能なものである。図3,4に例示されるように、開口部111bは、天板部11bのうち上述した底板部11aの開口部111aとZ軸方向に対向する部分に、ラック部材14のラック形状に対応する形状をなすよう形成される。本実施の形態では、開口部111bは、天板部11bの左前端部に、矩形状をなすよう形成される。この開口部111bには、ラック部材14がZ軸方向の正側および負側に昇降している際にラック部材14の上部(後述する上側ラック141a)が出入りする。

0044

取付フランジ112bは、便座昇降装置10を洋式便器1の後ベース3に取り付ける際にメインフレーム11の天板部11bと後ベース3とを螺子止めによって固定するための部分である。図3,4に例示されるように、取付フランジ112bは、天板部11bのY軸方向正側の端部からY軸方向正側へ延在する形状に形成される。取付フランジ112bは、メインフレーム11が後ベース3に配置された際に後ベース3の所定部分に当接し、螺子止め等により、後ベース3に固定される。これら取付フランジ112bと後ベース3との固定により、天板部11bと後ベース3とが直に固定される。この結果、メインフレーム11と後ベース3との取付強度、すなわち、便座昇降装置10の後ベース3への取付強度が強化される。

0045

引き出し孔113bは、駆動機構20の配線20aを引き出す貫通孔である。本実施の形態において、図3,4では全体の図示を省略しているが、引き出し孔113bは、天板部11bの右側後端部から背板部11cの右側上端部に亘って連続的に形成される。引き出し孔113bからは、メインフレーム11に取り付けられた状態の駆動機構20の配線20aが引き出される。なお、この引き出し孔113bの形成位置は、配線20aの引き出し位置に合わせて設定されればよく、本発明において特に問われない。

0046

背板部11cは、Z軸方向に対向する底板部11aおよび天板部11bのY軸方向正側の各端部に連続して、Z軸方向に延在するフレーム部分である。図3,4に例示されるように、背板部11cの内側表面(すなわち背板部11cのY軸方向負側の表面)には、駆動機構20が螺子止め等によって取り付けられ、固定される。

0047

主ガイド軸15および副ガイド軸16は、便座ユニット4を支持した状態で可動する支持部の可動方向、すなわち、可動プレート13およびこれと一体に可動するラック部材14の可動方向を洋式便器1に対する昇降方向に規制するガイド軸である。図3,4に例示されるように、主ガイド軸15および副ガイド軸16は、各々、メインフレーム11の底板部11aおよび天板部11bの間に架設される。この際、主ガイド軸15および副ガイド軸16は、各々Z軸方向に起立し且つ互いにX軸方向に対向するように設けられる。

0048

本実施の形態において、主ガイド軸15は、駆動機構20からの駆動力によって可動するラック部材14をZ軸方向の正側および負側に案内するとともに、ラック部材14のX軸方向の正負両側への移動と、ラック部材14のY軸方向の正負両側への移動とを抑制する。副ガイド軸16は、ラック部材14と一体に可動する可動プレート13の挿通部13dおよびブッシュ13eをZ軸方向の正側および負側に案内するとともに、可動プレート13の主ガイド軸15回りの回転を抑制する。この可動プレート13の回転抑制を通して、副ガイド軸16は、ラック部材14の主ガイド軸15回りの回転を抑制する。このような主ガイド軸15および副ガイド軸16は、互いに協働して、可動プレート13およびラック部材14の可動方向を、洋式便器1に対する昇降方向、例えば、Z軸方向の正側および負側に規制する。

0049

ラック部材14は、昇降対象の便座ユニット4を支持した状態で可動する支持部に含まれる一構成部である。すなわち、ラック部材14は、上記支持部としての機能を有する可動プレート13と一体に可動する部材である。図5は、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置のラック部材の一構成例を示す図である。図5に例示されるように、ラック部材14は、可動プレート13の可動方向(本実施の形態ではZ軸方向)に延在するラック14aと、主ガイド軸15に沿って摺動する摺動部14bとを有する。

0050

ラック14aは、駆動機構20の最終歯車(後述する出力歯車28のピニオン28b)と噛合する歯部を有する棒状部材である。この歯部は、ラック14aにおける摺動部14bとは反対側の部分に、ラック14aの長手方向(図5ではZ軸方向)に複数の歯が並ぶように形成される。ラック14aは、自身の歯部(複数の歯)と駆動機構20の最終歯車とを噛合させることにより、駆動機構20からの駆動力を受ける。また、本実施の形態において、ラック14aは、図5に例示されるように、上側ラック141aおよび下側ラック141bを有する。上側ラック141aは、ラック14aのうち摺動部14bよりもZ軸方向正側に延在する部分である。下側ラック141bは、ラック14aのうち摺動部14bよりもZ軸方向負側に延在する部分である。

0051

摺動部14bは、上述した主ガイド軸15の外周面上を摺動する部材である。図5に例示されるように、摺動部14bは、ラック14aの歯部とは反対側の部分に一体形成される。摺動部14bには、主ガイド軸15(図3,4参照)を挿通する挿通孔14cが形成される。挿通孔14cは、ラック14aの長手方向に平行な貫通孔である。摺動部14bは、挿通孔14cに挿通した主ガイド軸15に沿って、ラック14aと一体に摺動する。なお、図5等には特に図示しないが、摺動部14bは、主ガイド軸15に対する摩擦を低減するブッシュ等の摩擦低減部材を挿通孔14cに有し、この摩擦低減部材を挿通孔14cの内周面と主ガイド軸15の外周面との間に介在させた状態で主ガイド軸15に沿って摺動してもよい。

0052

上述したラック14aおよび摺動部14bを有するラック部材14は、摺動部14bの挿通孔14cに主ガイド軸15(図3,4参照)を挿通した状態で主ガイド軸15に取り付けられる。この際、ラック部材14は、図5に例示されるように、X軸方向正側にラック14aが配置され且つX軸方向負側に摺動部14bが配置された状態になる。この状態において、ラック部材14は、ラック14aの歯部をX軸方向正側に向け、後述する図6に例示されるようにラック部材14のX軸方向正側に配置される駆動機構20の最終歯車とラック14aの歯部とを噛合させる。

0053

また、ラック部材14は、上述した可動プレート13のY軸方向正側の端面部に固定され、この可動プレート13と一体に可動する。詳細には、ラック部材14は、ラック14aと駆動機構20の最終歯車との噛合によって駆動機構20から付与された駆動力により、摺動部14bを主ガイド軸15に沿って摺動させながら、可動プレート13とともにZ軸方向の正側および負側に昇降する。ラック部材14は、主ガイド軸15に沿って可動プレート13とともに昇降している際、上側ラック141aを、必要に応じてメインフレーム11の天板部11bの開口部111b(図3,4参照)から出し入れする。一方、ラック部材14は、主ガイド軸15に沿って可動プレート13とともに最下降位置まで降下した際、メインフレーム11の底板部11aの開口部111a(図4参照)に下側ラック141bを挿入する。すなわち、下側ラック141bの下端面(Z軸方向負側の端面)は、ラック部材14が最下降位置にある際、底板部11aの開口部111aに入り、この底板部11aの内側表面(Z軸方向正側の底板表面)よりも下方に位置する。

0054

駆動機構20は、昇降対象の便座ユニット4を支持した状態で可動する支持部としての機能を有する可動プレート13と一体に可動するラック部材14に対し、昇降の駆動力を付与する機構である。駆動機構20は、図3に例示した第1カバー21および第2カバー22を備える。第1カバー21は、駆動機構20の歯車回転軸方向の上側(Y軸方向負側)のカバー部材である。第2カバー22は、駆動機構20の歯車回転軸方向の下側(Y軸方向正側)のカバー部材である。第1カバー21および第2カバー22は、互いに組み付け合うことによって、駆動機構20のハウジングを構成する。図6は、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置の駆動機構の一内部構成例を示す図である。駆動機構20は、このハウジング内に、図6に例示されるような内部部品を備える。

0055

具体的には、図6に例示されるように、駆動機構20は、ハウジング内に、モータ23と、モータ23等を取り付けるためのブラケット24と、減速歯車としての第1歯車25、第2歯車26、および第3歯車27と、最終歯車としての出力歯車28とを備える。

0056

モータ23は、ステッピングモータ等の正負双方向に回転可能な電子部品である。図6に例示されるように、モータ23は、正負双方向に回転可能な駆動軸としての出力軸23aと、小径モータ歯車23bとを有する。モータ23は、出力軸23aに取り付けられた状態のモータ歯車23bをY軸方向負側へ向けるように、第2カバー22の所定部位に配置される。モータ23は、配線20aを介して電力を供給され、これにより、モータ歯車23bとともに出力軸23aを回転させて駆動力を発生させる。図6に例示されるように、モータ歯車23bは、第1歯車25と噛合した状態にあり、出力軸23aと一体に回転してモータ23の駆動力を第1歯車25に伝達する。

0057

ブラケット24は、モータ23の取り付け等を行うための部材である。図6に例示されるように、ブラケット24は、モータ歯車23bをY軸方向負側(第2カバー22とは反対側)へ向けた態様のモータ23を第2カバー22に押し付け、この状態で螺子止め等によって第2カバー22に取り付けられる。これにより、ブラケット24は、第2カバー22にモータ23を固定するとともに、第2カバー22におけるモータ23の位置決め、すなわち、出力軸23aおよびモータ歯車23bの位置決めを行う。

0058

第1歯車25、第2歯車26、および第3歯車27は、減速歯車としての機能を有するものであり、本実施の形態において、図6に例示されるように、モータ23および出力歯車28(最終歯車)に比してZ軸方向負側に配置される。

0059

詳細には、図6に例示されるように、第1歯車25は、モータ歯車23bに比して大径の歯車であり、モータ歯車23bの左下側に配置される。本実施の形態において、第1歯車25は、ブラケット24に形成された軸29aによって回転自在に支持される。この結果、第1歯車25の回転中心とモータ歯車23bの回転中心(すなわち出力軸23a)との相対的な位置関係が、ブラケット24によって高精度に決められる。このような第1歯車25は、図6に例示されるように、モータ歯車23bおよび後述の第2歯車26の双方と噛合した状態にある。第1歯車25は、モータ歯車23bから伝達されたモータ23の駆動力を、減速してトルクを高めながら第2歯車26に伝達する。

0060

第2歯車26は、第1歯車25とほぼ同径の大径歯車と当該大径歯車に比して小径に形成される小径歯車とを有する減速歯車である。図6に例示されるように、第2歯車26は、第1歯車25の左下側に配置される。本実施の形態において、第2歯車26は、第2カバー22に形成された軸29bによって回転自在に支持される。この軸29bには、図6に例示されるように、ブラケット24のZ軸方向負側の端部が取り付けられている。この結果、第2歯車26の回転中心と第1歯車25の回転中心とモータ歯車23bの回転中心との相対的な位置関係が、ブラケット24によって高精度に決められる。このような第2歯車26は、図6に例示されるように、第1歯車25および後述の第3歯車27の双方と噛合した状態にある。すなわち、第2歯車26の大径歯車は第1歯車25と噛合した状態にあり、第2歯車26の小径歯車は第3歯車27と噛合した状態にある。第2歯車26は、第1歯車25から伝達されたモータ23の駆動力を、更に減速してトルクを高めながら第3歯車27に伝達する。

0061

図6に例示されるように、第3歯車27は、第2歯車26の小径歯車(図示せず)に比して大径に形成される大径歯車27aと、この大径歯車27aに比して小径に形成される小径歯車27bとを有する減速歯車である。第3歯車27は、第2歯車26と後述の出力歯車28との間、具体的には、第2歯車26の左上側であり且つ出力歯車28の右下側である部位に配置される。本実施の形態において、第3歯車27は、第2カバー22に形成された軸29cによって回転自在に支持される。このような第3歯車27は、図6に例示されるように、第2歯車26および出力歯車28の双方と噛合した状態にある。すなわち、第3歯車27の大径歯車27aは第2歯車26の小径歯車と噛合した状態にあり、第3歯車27の小径歯車27bは出力歯車28と噛合した状態にある。第3歯車27は、第2歯車26から伝達されたモータ23の駆動力を、更に減速してトルクを高めながら出力歯車28に伝達する。

0062

出力歯車28は、上述したラック部材14のラック14aに対し噛合して、モータ23の駆動力をラック14aに伝達する最終歯車である。図6に例示されるように、出力歯車28は、第3歯車27の小径歯車27bに比して大径に形成される大径歯車28aと、この大径歯車28aに比して小径に形成される小径歯車であるピニオン28bとを有する。出力歯車28は、第3歯車27の左上側であり且つラック14aの近傍の部位に配置される。本実施の形態において、出力歯車28は、第1カバー21(図3参照)に形成された軸と第2カバー22に形成された軸とを連結して構成される軸29dによって回転自在に支持される。また、出力歯車28は、モータ23とX軸方向に並んで配置されている。この際、出力歯車28は、モータ23と同じ高さ位置に配置されてもよい。すなわち、出力歯車28の軸29dは、モータ23の出力軸23aと同じ高さ位置に配置されてもよい。このような出力歯車28は、図6に例示されるように、第3歯車27およびラック14aの双方と噛合した状態にある。すなわち、出力歯車28の大径歯車28aは第3歯車27の小径歯車27bと噛合した状態にあり、出力歯車28のピニオン28bはラック14aと噛合した状態にある。出力歯車28は、第3歯車27から大径歯車28aに伝達されたモータ23の駆動力を、更に減速してトルクを高めながら、ピニオン28bからラック14aに伝達する。

0063

上述したような構成を有する駆動機構20は、図6に例示されるように、メインフレーム11の背板部11cの内側表面に取り付けられて主ガイド軸15と副ガイド軸16との間に位置する。この駆動機構20において、出力歯車28のピニオン28bは、主ガイド軸15に摺動可能に取り付けられたラック部材14のラック14aと噛合した状態になる。駆動機構20は、このようなピニオン28bからラック14aに伝達されるモータ23の駆動力により、上述した可動プレート13とともにラック部材14を主ガイド軸15に沿ってZ軸方向の正側および負側に昇降させる。

0064

また、駆動機構20は、上述した各構成部の他に、出力歯車28の回転数および回転角度等を検出するセンサ等の検出機構を備える。駆動機構20のハウジング内には、上述の検出機構のセンサやモータ23等の電子部品と電気的に接続される導通線が複数配設されている。これら複数の導通線を束ねた状態の配線20aは、図6に例示されるように、メインフレーム11の背板部11c等に形成された引き出し孔113bを介して、駆動機構20のハウジング内側(第2カバー22側)からメインフレーム11の外側へ引き出される。

0065

一方、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置10の昇降動作を制御する制御装置(図示せず)は、例えば便座ユニット4の前ベース7(図1,2参照)に搭載される。駆動機構20の配線20aは、この制御装置に対して電気的にコネクタ接続される。便座昇降装置10の昇降動作を操作する操作スイッチ等の操作装置(図示せず)は、例えば便座ユニット4のカバー部材8や別体の無線通信装置等に設けられる。

0066

また、便座昇降装置10は、便座ユニット4を便器本体2から上昇させた状態を解除可能に保持(ロック)するロック機構を備える。図7は、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置のロック機構の一構成例を示す図である。図7に例示されるように、便座昇降装置10のロック機構30は、回動式のロックレバー31と、回動の中心軸としての回動軸32と、ロックレバー31に回動の付勢力を与える付勢部材の一例としてのバネ33と、ロックレバー31を受ける樹脂カム35とを有する。なお、ロック機構30に用いる付勢部材は、バネ以外、例えばゴム等の付勢部材であってもよい。

0067

ロックレバー31は、洋式便器1に対する昇降方向に対して回動可能であり、便座ユニット4の上昇した状態を解除可能に保持すべく回動して樹脂カム35と噛合する回動レバーとして機能する。図7に例示されるように、ロックレバー31は、バネ受け部31aおよび当接部31bを有する。ロックレバー31は、例えば、金属材または樹脂材等の材料を用いて一体形成される。ロックレバー31のうち、バネ受け部31aは、バネ33の付勢力を受ける部分である。当接部31bは、後述する樹脂カム35の傾斜支持面35aに線接触で当接する曲面状の部分である。当接部31bは、ロックレバー31の所定部位、例えばY軸方向正側の端部であってバネ受け部31aのZ軸方向負側に一体形成される。

0068

本実施の形態において、ロックレバー31は、図7に例示されるように、ラック部材14に回動自在に設けられる。詳細には、図7に例示されるように、ラック部材14は、摺動部14bにおける可動プレート13とは反対側の部分(Y軸方向正側の部分)にレバー支持部34を有する。レバー支持部34は、摺動部14bのY軸方向正側の端部からY軸方向正側に延在するようラック部材14に形成(例えば一体形成)される。ロックレバー31は、レバー支持部34に嵌めるように組み付けられ、レバー支持部34によって回動自在に支持される。この際、ロックレバー31およびレバー支持部34には互いに通じる貫通孔(図示せず)が各々形成されており、これらの各貫通孔には、円柱状または円筒状の回動軸32が圧入等によって嵌め入れられる。この回動軸32の圧入により、ロック機構30の組立(特にラック部材14へのロックレバー31の組み付け)が容易になり、さらには、このロックレバー31の組み付けに要するコストを抑制することができる。ロックレバー31は、このような回動軸32を回動の中心軸にして回動自在な状態で、レバー支持部34を介してラック部材14と一体に昇降する。なお、回動軸32は、圧入以外の手法、例えばカシメ止め輪等によって固定されてもよい。

0069

また、ロックレバー31は、図7に例示されるように、抜け止め突起部31cを有する。図7では全体の図示を省略するが、抜け止め突起部31cは、例えば、ロックレバー31におけるX軸方向の正負両側の各側壁内面に、互いに対向する方向に延在(突起)するよう各々設けられる。一方、ラック部材14は、規制凹部34aを有する。図7では全体の図示を省略するが、規制凹部34aは、例えば、レバー支持部34におけるX軸方向の正負両側の各側面に、ロックレバー31の回動方向に対応する円弧状の凹部をなすよう各々設けられる。X軸方向の正負両側において、抜け止め突起部31cは、規制凹部34aと係合し、規制凹部34aの限られた凹空間溝空間)に沿って摺動可能となる。すなわち、抜け止め突起部31cの可動範囲は、規制凹部34aの限られた凹空間によって規制される。ロックレバー31の回動角度は、このような規制凹部34aによる抜け止め突起部31cの可動範囲の規制によって、所定の範囲内に制限される。これにより、便座昇降装置10の組立時、ロックレバー31が開き過ぎることによるバネ33の脱落を防止する。

0070

バネ33は、ロックレバー31を樹脂カム35側に付勢する付勢部材として機能する。図7に例示されるように、バネ33は、ロックレバー31のバネ受け部31aとラック部材14の摺動部14bとの間に設けられる。この際、バネ33のY軸方向正側の端部は、バネ受け部31aの内側表面(Y軸方向負側の端面)に当接し、バネ33のY軸方向負側の端部は、摺動部14bのY軸方向正側の端部に設けられた突起部に取り付けられる。バネ33は、バネ受け部31aと摺動部14bとの間において自然長よりも短い状態にあり、バネ受け部31aに対して伸縮することにより、ロックレバー31を樹脂カム35側に付勢する。このバネ33の付勢力は、回動軸32を中心にしてロックレバー31を樹脂カム35に向け回動させる力に相当する。

0071

樹脂カム35は、便座ユニット4の上昇した状態を解除可能に保持すべくロックレバー31を受けるカム部材であり、例えば、樹脂材を用いて一体に形成される。図7に例示されるように、樹脂カム35は、傾斜支持面35aと摺動面35bと補助傾斜面35cとを有し、ロックレバー31の昇降方向(Z軸方向の正側および負側)に延在する。本実施の形態において、ロックレバー31の昇降方向は、主ガイド軸15に沿った可動プレート13およびラック部材14の昇降方向と同一方向である。

0072

図7に例示されるように、樹脂カム35は、傾斜支持面35aをZ軸方向正側に配置し且つ摺動面35bをY軸方向負側に向け且つ補助傾斜面35cをZ軸方向負側に配置した状態で、メインフレーム11の背板部11cに螺子止め等によって固定される。この際、樹脂カム35は、傾斜支持面35aと異なる傾斜寸法の傾斜支持面を有する別の樹脂カムと交換可能に、メインフレーム11の背板部11cに取り付けられてもよい。具体的には、互いに傾斜寸法が異なる傾斜支持面を各々有する複数の樹脂カムが、ロック機構30のカム部材として予め準備される。これら複数の樹脂カムの中から、便座ユニット4の上昇した状態の保持に好適(すなわちロックレバー31との噛合に好適)な傾斜支持面を有するカム部材として選択された1つ(例えば樹脂カム35)が、背板部11cに交換可能に取り付けられる。

0073

傾斜支持面35aは、便座ユニット4の上昇した状態を解除可能に保持する際、ロックレバー31と噛合する傾斜面である。図7に例示されるように、傾斜支持面35aは、Z軸方向の正側から負側に向かってY軸方向の正側から負側へ下るように傾斜し、Y軸方向に対して傾斜角度θをなす。また、傾斜支持面35aは、ロックレバー31の当接部31bと同等以下の幅寸法(X軸方向の寸法)を有する。傾斜支持面35aの下側縁部(Y軸方向負側の端部)は、摺動面35bの上側縁部(Z軸方向正側の端部)に連続する。傾斜支持面35aは、ロック機構30が便座ユニット4の上昇した状態を解除可能に保持している期間、バネ33の付勢力によって回動するロックレバー31の当接部31bを線接触で受けて、このロックレバー31をZ軸方向負側から支持する。

0074

摺動面35bは、ラック部材14とともに昇降するロックレバー31が摺動する面である。図7に例示されるように、摺動面35bは、樹脂カム35の補助傾斜面35cから傾斜支持面35aに亘ってZ軸方向に延在し、Y軸方向負側に向いている。また、摺動面35bは、ロックレバー31の当接部31bと同等以下の幅寸法(X軸方向の寸法)を有する。摺動面35bは、ラック部材14とともにロックレバー31が昇降する際、このロックレバー31の当接部31bを線接触で受ける。すなわち、ロックレバー31は、当接部31bを摺動面35bに当接させた状態で摺動面35b上を摺動しながら、Z軸方向の正側および負側に昇降する。

0075

補助傾斜面35cは、ロックレバー31の上昇を補助アシスト)する傾斜面である。図7に例示されるように、補助傾斜面35cは、樹脂カム35のZ軸方向負側の端部から摺動面35bのZ軸方向負側の端部に亘って形成される。この補助傾斜面35cには、ラック部材14とともに最下降位置に下降した最下降状態のロックレバー31の当接部31bが当接する。本実施の形態において、図7に例示されるように、ラック部材14の摺動部14bの下端面(Z軸方向負側の端面)がメインフレーム11の底板部11aの内側表面(Z軸方向正側の表面)と接触した状態である際、ロックレバー31は、最下降状態にある。補助傾斜面35cは、このロックレバー31の昇降方向(Z軸方向の正側および負側)に平行な方向に対し、ラック部材14とともにロックレバー31が上昇するに伴いバネ33の付勢力が減少する方向に傾斜する。以下、この傾斜の方向は、補助傾斜面35cの傾斜方向と適宜称される。

0076

本実施の形態において、ロックレバー31の回動軸32の軸方向は、X軸方向に対して平行である。この場合、ロックレバー31の昇降方向に平行な方向は、Z軸方向である。補助傾斜面35cは、Z軸方向に対して傾斜する。このZ軸方向に対する補助傾斜面35cの傾斜方向は、ロックレバー31が上昇しつつ回動軸32を中心に回動するに伴いバネ33が伸長して付勢力を解放する方向である。すなわち、補助傾斜面35cは、Z軸方向の負側から正側に向かってY軸方向の負側から正側の方向に傾斜する。また、補助傾斜面35cは、ロックレバー31の当接部31bと同等以下の幅寸法(X軸方向の寸法)を有し、摺動面35bのZ軸方向負側の端部に連続する。

0077

このような補助傾斜面35cは、最下降状態のロックレバー31がラック部材14とともに上昇開始した際、このロックレバー31の上昇に伴いバネ33の付勢力を一部解放させ、この一部解放させた付勢力をロックレバー31の上昇に必要な力に変換する。この結果、最下降状態のロックレバー31を上昇開始させるに必要な力(駆動機構20による駆動力)が、バネ33の付勢力の一部によって補助され、これにより、最下降状態のロックレバー31の上昇を容易かつ円滑に開始することができる。

0078

一方、樹脂カム35は、図7に例示されるように、メインフレーム11の板金バリ等を覆う被覆部36を有する。被覆部36は、図7に例示されるように、樹脂カム35のX軸方向負側の端部に設けられる。被覆部36は、例えば、樹脂カム35のX軸方向負側の端部からメインフレーム11の背板部11cの側端部(X軸方向負側の端部)に亘って直線状またはL字状に延在するよう、樹脂カム35に一体形成される。被覆部36は、背板部11cの板金エッジ部11dを覆う。一方、背板部11cのうち被覆部36によって覆われる部分は、被覆部36の厚み分、凹んだ凹形状に形成される。これにより、被覆部36が背板部11cのX軸方向負側に出っ張ることを防止することができる。

0079

ここで、板金エッジ部11dは、メインフレーム11をプレス加工等によって形成した際、最終的に切断された部分である。このため、板金エッジ部11dには、切断加工後の板金のバリ等のった部分や凹凸部分が残っている。被覆部36は、このような板金エッジ部11dを覆うことにより、板金エッジ部11dからのメインフレーム11の錆の発生をし難くするとともに、便座昇降装置10の組立作業中等に板金エッジ部11dと他の部品との接触による部品破損を防止したり、便座昇降装置10の見栄えを向上することができる。

0080

上述したような構成を有するロック機構30は、便座ユニット4の上昇した状態を解除可能に保持する際、便座ユニット4を支持した状態の可動プレート13とともに所定上昇位置に上昇したラック部材14の上昇状態(所定上昇状態)を、バネ33の付勢力を用いたロックレバー31と樹脂カム35との噛合によって解除可能に保持する。図8は、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置のロック機構によってラック部材の所定上昇状態を解除可能に保持する状態を例示する図である。なお、図8では、可動プレート13に支持された状態の便座ユニット4の図示は省略している。

0081

図8に例示されるように、ラック部材14は、駆動機構20の駆動力によって、可動プレート13とともに主ガイド軸15に沿って最下降位置から所定上昇位置に上昇する。ラック部材14は、所定上昇位置に上昇した際、摺動部14bの上端面(Z軸方向正側の端面)をメインフレーム11の天板部11bの内側表面(Z軸方向負側の表面)に接触させた状態になる。この際、ロックレバー31は、レバー支持部34に回動自在に支持された状態で、補助傾斜面35cから摺動面35bを経て傾斜支持面35aに至る樹脂カム35の各面上を順次摺動しながら、ラック部材14とともに上昇し、所定上昇状態になる。なお、被覆部36は、摺動面35bよりもY軸方向正側に位置した(下がった)状態でメインフレーム11の背板部11cの板金エッジ部11dを覆っているので、摺動面35bに沿ったロックレバー31の摺動を阻害しない。

0082

ラック部材14が所定上昇位置に上昇した所定上昇状態にある際、図8に例示されるように、ロック機構30は、バネ33の付勢力を受けて回動するロックレバー31を樹脂カム35の傾斜支持面35aで支持して、ラック部材14の所定上昇状態を解除可能に保持する。この際、ロックレバー31は、バネ受け部31aで受けたバネ33の付勢力により、図8中の破線矢印に例示されるように、回動軸32を中心に樹脂カム35側へ回動して、傾斜支持面35aに当接部31bを当接させる。樹脂カム35は、ロックレバー31の当接部31bを傾斜支持面35aによって線接触で受け、これにより、ロックレバー31を下支えする。ロック機構30は、図8に例示されるように、ロックレバー31の当接部31bと樹脂カム35の傾斜支持面35aとを噛合させた状態を維持する限り、ラック部材14の所定上昇状態、すなわち、便座ユニット4の上昇した状態(図2参照)を解除可能に保持する。

0083

図9は、ロック機構によってラック部材の所定上昇状態を解除可能に保持する際にロック機構に作用する力を説明する図である。図9に例示されるように、ロック機構30がラック部材14の所定上昇状態を保持している際、ロックレバー31には印加荷重Faが作用する。印加荷重Faは、樹脂カム35の傾斜支持面35aと噛合した状態のロックレバー31に加えられる鉛直下向き(Z軸方向負側)の荷重である。この荷重として、例えば、可動プレート13、可動プレート13に支持された状態の便座ユニット4、ラック部材14、およびロックレバー31等の昇降する物体の総重量による力(重力)が挙げられる。

0084

また、ロックレバー31には、図9に例示されるように、当接部31bを下支えした状態にある樹脂カム35の傾斜支持面35aから反力Fbが作用する。反力Fbは、印加荷重Faに対応してロックレバー31が樹脂カム35から受ける鉛直上向き(Z軸方向正側)の力であり、印加荷重Faと同じ大きさの力である。図9に例示されるように、垂直抗力Fnは、ロックレバー31が樹脂カム35から受ける抗力である。

0085

ここで、傾斜支持面35aは、ロックレバー31の昇降方向(Z軸方向の正側および負側)に垂直な方向に対し、ラック部材14の所定上昇状態の保持を解除する際のロックレバー31の回動に伴いバネ33の付勢力が増加する方向に傾斜する。以下、この傾斜する方向は、傾斜支持面35aの傾斜方向と適宜称される。

0086

図9に例示されるように、ロックレバー31の回動軸32の軸方向がX軸方向である場合、ロックレバー31の昇降方向に垂直な方向は、Y軸方向である。傾斜支持面35aは、Y軸方向に対して傾斜する。このY軸方向に対する傾斜支持面35aの傾斜方向は、ラック部材14の所定上昇状態の保持を解除すべくロックレバー31が下降しつつ回動軸32を中心に回動するに伴いバネ33が収縮して付勢力を蓄積し増やす方向である。すなわち、傾斜支持面35aは、Z軸方向の正側から負側に向かってY軸方向の正側から負側へ下る方向に傾斜する。図9に例示されるように、ラック部材14の所定上昇状態の保持を解除する際のロックレバー31の回動方向、すなわち、解除時回動方向D1は、バネ33を収縮させる方向(バネ33の付勢力を増やす方向)である。

0087

一方、図9に例示されるように、垂直抗力Fnが回動軸32を中心とするロックレバー31の回動の接線方向の分力F1と法線方向の分力F2とに分けられた場合、傾斜支持面35aの傾斜角度θおよびロックレバー31の回動軸32の配置は、以下のように設定される。すなわち、傾斜角度θおよび回動軸32の配置は、ラック部材14の所定上昇状態の保持を解除する際にロックレバー31が傾斜支持面35aから受ける垂直抗力Fnの分力のうちロックレバー31の回動の接線方向に作用する分力F1の方向と、ラック部材14の所定上昇状態の保持を解除する際のロックレバー31の回動方向(解除時回動方向D1)とが同じ側になるよう設定される。図9に例示されるように、本実施の形態における傾斜角度θおよび回動軸32の配置は、垂直抗力Fnの分力F1の方向とロックレバー31の解除時回動方向D1とが同じ側になるという条件を満足している。なお、傾斜角度θは、Y軸方向と傾斜支持面35aとのなす角度であり、傾斜支持面35aからロックレバー31に作用する反力Fbの方向と垂直抗力Fnの方向とのなす角度に等しい。

0088

他方、バネ33の付勢力は、回動軸32を中心にロックレバー31を樹脂カム35側へ回動させる力である。このバネ33の付勢力は、ロックレバー31の樹脂カム35側への回動力が図9に例示される垂直抗力Fnの分力F1(ロックレバー31の回動の接線方向に作用する分力)による解除時回動方向D1の回動力以上になるよう、設定される(バネ条件C1)。このバネ条件C1を満足することにより、ラック部材14の所定上昇状態の保持は、バネ33の付勢力を受けて回動するロックレバー31と樹脂カム35との噛合によって可能となる。

0089

また、ラック部材14の所定上昇状態の保持を解除する場合、図9に例示される印加荷重Faには、上述した駆動機構20による駆動力が加えられる。この結果、垂直抗力Fnの分力F1は、駆動機構20による駆動力に対応して増加する。以下、この増加した分力F1は、増加分力と適宜称される。バネ33の付勢力は、ロックレバー31の樹脂カム35側への回動力が上述の増加分力未満になるよう、設定される(バネ条件C2)。このバネ条件C2を満足することにより、ラック部材14の所定上昇状態の保持は、ロックレバー31と樹脂カム35との噛合を解いて解除可能となる。

0090

本実施の形態では、バネ33の付勢力が上述のバネ条件C1を満足しない(すなわち付勢力が不十分である)場合、スペーサ(図示せず)を用いてバネ33の付勢力を調整してもよい。図9には図示を省略するが、例えば、ロックレバー31のバネ受け部31aとバネ33との間、またはラック部材14の摺動部14bとバネ33との間に、厚さが異なる複数のスペーサの中から選択した必要数のスペーサを介在させる。これにより、バネ33を適度に収縮させてバネ33の付勢力を増やす。この際、スペーサによって調整した後のバネ33の付勢力が上述したバネ条件C1,C2を双方とも満足するように、スペーサの厚さおよび介在数が決められる。以上の結果、バネ33の付勢力を、ラック部材14の所定上昇状態を解除可能に保持するに好適な強さとなるよう簡易に調整することができる。

0091

(便座昇降動作)
つぎに、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置10が便座ユニット4を昇降させる動作、すなわち、便座昇降装置10による便座昇降動作について説明する。図10は、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置による便座昇降動作を説明する図である。

0092

便座昇降装置10は、初期状態として、例えば図1に示したように便座ユニット4を便器本体2の上面2cに載置している。この際、便座昇降装置10は、図10に例示される最下降状態になっている。便座昇降装置10が最下降状態である際、図10に例示されるように、便座ユニット4の前ベース7の後部を支持した状態の可動プレート13(以下、「便座支持状態の可動プレート13」と適宜いう)およびラック部材14は、双方とも、自身の昇降範囲のうち最も下降した位置、すなわち、最下降位置にある。

0093

ユーザは、便器本体2の上面2cを清掃する等のために便器本体2の後部上面2bから便座ユニット4を上昇(浮上)させる必要がある際、操作装置を用いて、便座ユニット4の上昇を便座昇降装置10に指示する操作(上昇操作)を行う。なお、ユーザは、便座ユニット4の上昇前等の所望のタイミングに、便座5および便蓋6を起立姿勢にする。

0094

便座昇降装置10は、上述したユーザによる上昇操作に応じ、駆動機構20の駆動力によって、便座支持状態の可動プレート13およびラック部材14を一体にZ軸方向上側へ上昇させる。図10に例示されるように、ラック部材14は、駆動機構20の駆動力によって上昇し続け、最下降位置から所定の高さ位置まで上昇して以降、ラック14aのZ軸方向正側の部分(上側ラック141a)を、メインフレーム11の開口部111bからZ軸方向正側へ突出させる。その後、ラック部材14は、上述したロック機構30によって解除可能に保持される高さ位置として予め設定した上昇位置である所定上昇位置まで、上昇する。この所定上昇位置は、ラック部材14の昇降範囲のうち最も上昇した位置(すなわち最上昇位置)であってもよいが、便座昇降装置10の各部材の寸法誤差や歯車の歯部の耐久性モータ制御のし易さ等を考慮すると、ラック部材14の最上昇位置よりも低い位置に設定することが望ましい。ラック部材14が所定上昇位置まで上昇した状態(すなわち所定上昇状態)にある際、上側ラック141aの略全域は、メインフレーム11の開口部111bからZ軸方向正側へ突出した状態になっている。このようなラック部材14とともに、便座支持状態の可動プレート13は、最下降位置から所定上昇位置まで上昇し続ける。なお、駆動機構20は、便座支持状態の可動プレート13およびラック部材14を、所定上昇位置へ上昇させるまでの途中の高さ位置(例えば高さ位置P1と高さ位置P2との間の高さ位置)で停止させることも可能である。

0095

図10に例示されるように、便座支持状態の可動プレート13およびラック部材14は、所定上昇位置まで上昇した結果、双方とも同時に所定上昇状態になる。この結果、便座ユニット4は、例えば図2に示したように、便器本体2の後部上面2bから浮上した状態になり、便器本体2と便座ユニット4との間には、ユーザが手を入れ易くなるに十分な距離dの間隔が生じる。

0096

ここで、上述した可動プレート13およびラック部材14の上昇量は、便座昇降装置10による便座昇降動作の昇降量、すなわち、便器本体2に対する便座ユニット4の昇降量ΔHに相当する。本実施の形態において、便座ユニット4の昇降量ΔHに相当する便座昇降動作の昇降量は、図10に例示されるように、最下降状態のラック部材14の高さ位置P1と所定上昇状態のラック部材14の高さ位置P2との距離として定義される。高さ位置P1は、最下降状態のラック部材14の摺動部14bにおけるZ軸方向の中心位置である。高さ位置P2は、所定上昇状態のラック部材14の摺動部14bにおけるZ軸方向の中心位置である。

0097

一方、ユーザは、洋式便器1の清掃完了等の理由で便器本体2の後部上面2bに便座ユニット4を戻す必要がある際、操作装置を用いて、便座ユニット4の下降を便座昇降装置10に指示する操作(下降操作)を行う。なお、ユーザは、便座ユニット4の下降後等の所望のタイミングに、便座5および便蓋6を倒伏姿勢にする。

0098

便座昇降装置10は、上述したユーザによる下降操作に応じ、駆動機構20の駆動力によって、便座支持状態の可動プレート13およびラック部材14を一体にZ軸方向負側へ下降させる。図10に例示されるように、便座昇降装置10は、これらの可動プレート13およびラック部材14を所定上昇位置から最下降位置まで下降させる。ラック部材14は、駆動機構20の駆動力によって下降し続ける。この際、ラック部材14は、メインフレーム11の開口部111bを通ってZ軸方向正側に突出した状態にある上側ラック141aを、この開口部111bからメインフレーム11内に入れ続ける。ラック部材14は、上側ラック141aを開口部111bからメインフレーム11内に入れ終えた後、自身の昇降範囲のうち最も下降した位置、すなわち、最下降位置まで下降する。このようなラック部材14とともに、便座支持状態の可動プレート13は、所定上昇位置から最下降位置まで下降し続ける。

0099

図10に例示されるように、便座支持状態の可動プレート13およびラック部材14は、最下降位置まで下降した結果、双方とも同時に最下降状態になる。この結果、便座ユニット4は、例えば図1に示したように、便器本体2の上面2cに載置された状態になり、洋式便器1は、ユーザの用便等の通常使用が可能な状態に戻る。これら可動プレート13およびラック部材14の下降量は、便座昇降装置10による便座昇降動作の昇降量、すなわち、便器本体2に対する便座ユニット4の昇降量ΔHに相当する。

0100

上述した便座昇降装置10による便座昇降動作において、可動プレート13に支持された便座ユニット4の昇降量ΔH分の上昇状態、すなわち、ラック部材14の所定上昇状態は、図8に例示したロック機構30によって解除可能に保持される。図11は、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置10のロック機構の動作を説明する図である。なお、図11では、便座ユニット4およびこれを支持する可動プレートの図示を省略している。

0101

ラック部材14が駆動機構20の駆動力により主ガイド軸15に沿って所定上昇位置に上昇した際、図11に例示されるように、ロック機構30は、バネ33の付勢力を用いたロックレバー31と樹脂カム35との噛合によって、このラック部材14の所定上昇状態を解除可能に保持する。

0102

詳細には、図11に例示されるように、ロックレバー31は、ラック部材14の摺動部14b後端(Y軸方向負側の端部)のレバー支持部34に回動自在に支持された状態で、駆動機構20の駆動力により、ラック部材14とともに上昇する。この際、ロックレバー31は、樹脂カム35の摺動面35bに当接部31bを摺動させながら、Z軸方向正側に向かって上昇し続ける。この結果、ロックレバー31は、ラック部材14と同時に所定上昇状態になる。所定上昇状態において、ラック部材14は、図11に例示されるように、摺動部14bの上端面(Z軸方向正側の端面)をメインフレーム11の天板部11bの内側表面(Z軸方向負側の表面)に接触させている。ラック部材14およびロックレバー31が所定上昇状態になった際、駆動機構20は、駆動を停止する。なお、駆動機構20の駆動を停止する位置(例えばラック部材14等の高さ位置)は、任意に設定可能である。

0103

ロックレバー31は、所定上昇状態になる際、樹脂カム35の摺動面35bから傾斜支持面35aへ連続的に当接部31bを摺動させるとともに、バネ33の付勢力を受けて回動軸32を中心にロック時回動方向D2に回動する。ロック時回動方向D2は、回動軸32を中心にラック部材14側から樹脂カム25側へ回動する際のロックレバー31の回動方向である。所定上昇状態にあるロックレバー31は、バネ33の付勢力を用いたロック時回動方向D2への回動により、傾斜支持面35aに当接部31bを線接触で当接させる。これにより、ロックレバー31は、図11に例示されるように、傾斜支持面35aにおいて樹脂カム35と噛合し、この結果、傾斜支持面35aによって下支えされた状態になる(状態A1)。状態A1において、ロックレバー31は、駆動機構20が停止した状態でロックレバー31に加えられるZ軸方向負側の荷重(すなわち図9に例示した印加荷重Fa)に抗して、傾斜支持面35aにおける樹脂カム35との噛合を維持し、これにより、ラック部材14の所定上昇状態を保持する。

0104

一方、ラック部材14が駆動機構20の駆動力により主ガイド軸15に沿って所定上昇位置から下降する際、図11に例示されるように、ロック機構30は、バネ33の付勢力を用いたロックレバー31と樹脂カム35との噛合を解いて、ラック部材14の所定上昇状態の保持を解除する。

0105

詳細には、図11に例示されるように、ロックレバー31は、ラック部材14を下降させるべく駆動開始した駆動機構20の駆動力により、ラック部材14とともに下降する。この際、ロックレバー31は、傾斜支持面35aに沿って当接部31bを摺動下降させるとともに、回動軸32を中心に解除時回動方向D1に回動しながら、傾斜支持面35aの下端縁部(Z軸方向負側の縁部)に到達する(状態A2)。解除時回動方向D1は、上述したロック時回動方向D2とは反対の回動方向であり、図11に例示されるように、バネ33の付勢力を増加させる(バネ33を収縮させる)回動方向である。状態A2において、ロックレバー31は、傾斜支持面35aにおける樹脂カム35との噛合を解除する直前の状態にある。

0106

上述した状態A2の後、図11に例示されるように、ロックレバー31は、駆動機構20の駆動力により、ラック部材14とともに更に下降する。この際、ロックレバー31は、当接部31bを傾斜支持面35aから摺動面35bへ連続的に摺動下降させるとともに、回動軸32を中心に解除時回動方向D1に更に回動して、傾斜支持面35aにおける樹脂カム35との噛合を解除し終える(状態A3)。状態A3において、ロックレバー31は、上述した樹脂カム35の傾斜支持面35aに対する噛合を解除することにより、ラック部材14の所定上昇状態の保持を解除し終える。その後、ロックレバー31は、摺動面35bに沿って当接部31bを摺動下降させながら、駆動機構20の駆動力により、ラック部材14とともに下降し続け、この結果、ラック部材14と同時に最下降状態(図7参照)になる。

0107

ここで、ロック機構30が図11に例示する状態A1から状態A2を経て状態A3になるまでの過程において、駆動機構20は、ラック部材14を主ガイド軸15に沿って下降させる際の駆動力を変化させる。すなわち、駆動機構20は、モータ23(図6参照)の駆動力によってラック部材14を所定上昇位置から下降させる際、例えば、モータ23がステッピングモータであれば、ロック機構30がラック部材14の所定上昇状態の保持を解除する期間のモータ23の駆動速度を、ロック機構30がラック部材14の所定上昇状態の保持を解除した後に比して遅くする。

0108

具体的には、図11中の状態A1から状態A2への変化に例示されるようにロック機構30がラック部材14の所定上昇状態の保持を解除する期間、駆動機構20は、モータ23を、ラック部材14を下降させる際における通常の設定速度に比して低速度で駆動させる。ついで、駆動機構20は、図11中の状態A2から状態A3への変化に例示されるようにロック機構30がラック部材14の所定上昇状態の保持を解除した以後、駆動機構20は、モータ23を上述した通常の設定速度で駆動させる。この結果、駆動機構20は、ロック機構30によるラック部材14の所定上昇状態の保持を解除するとともにラック部材14を下降させるために必要なモータ23の駆動力(トルク)を適度に高めることができる。これに加え、駆動機構20は、ロック機構30によるラック部材14の所定上昇状態の保持を解除する際の動作音を静音化することができる。なお、モータ23としてステッピングモータを用いた場合、上述のトルクを高めるには、モータ23の駆動速度を低速にする以外に、励磁方式を変える等してモータ23の駆動周波数下げてもよい。

0109

また、モータ23として、DCモータDCブラシレスモータ等、ステッピングモータ以外のモータを利用することも可能である。この場合、駆動機構20は、上述したラック部材14の下降の際、ロック機構30がラック部材14の所定上昇状態の保持を解除する期間のモータ23の駆動力を、ロック機構30がラック部材14の所定上昇状態の保持を解除した後に比して高める。このようなモータ23の駆動力の調整は、各モータそれぞれに合った駆動条件を変更して行えばよい。

0110

以上、説明したように、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置では、洋式便器の便座ユニットを支持した状態で可動な支持部と一体に可動するラック部材を、洋式便器の後ベースに固定されるフレームの底板部および天板部の間に架設したガイド軸に沿って、駆動機能の駆動力により昇降させ、ラック部材が所定上昇状態にある際、バネの付勢力を受けて回動する回動レバーをカム部材の傾斜支持面で支持する回動型のロック機構により、ラック部材の所定上昇状態を解除可能に保持している。また、傾斜支持面は、回動レバーの昇降方向に垂直な方向に対し、ラック部材の所定上昇状態の保持を解除する際の回動レバーの回動に伴いバネの付勢力が増加する方向に傾斜するようにし、傾斜支持面の傾斜角度および回動レバーの回動軸の配置は、ラック部材の所定上昇状態の保持を解除する際に回動レバーが傾斜支持面から受ける垂直抗力の分力(回動レバーの回動の接線方向に作用する分力)の方向と、ラック部材の所定上昇状態の保持を解除する際の回動レバーの回動方向とが同じ側になるよう設定している。

0111

このため、傾斜支持面による回動レバーの支持によってラック部材の所定上昇状態を保持する保持力および当該保持を解除する解除力に対し回動レバーと傾斜支持面との摩擦誤差が及ぼす影響を、従来の直動型のロック機構に比して低減することができる。これにより、ロック機構によるラック部材の所定上昇状態の保持力および解除力のバラつきを抑制することができる。この結果、ラック部材の所定上昇状態を安定して保持および解除することができ、このことから、ラック部材と一体に昇降する支持部に支持された便座ユニットの上昇した状態を安定して保持および解除することができる。

0112

また、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置では、ロック機構の回動レバーに、カム部材の傾斜支持面に線接触で当接する曲面状の当接部を一体形成している。このため、回動レバーとカム部材の傾斜支持面との摩擦低減に好適な曲面状の当接部を、回動レバーに簡易に設けることができる。この結果、回動レバーの形成および準備を簡易に行えることから、回動レバーを備えるロック機構の組立コストの低減、延いては、便座昇降装置の組立コストの低減を図ることができる。

0113

さらに、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置では、回動レバーの昇降方向に垂直な方向に対し、ラック部材とともに回動レバーが上昇するに伴いバネの付勢力が減少する方向に傾斜する傾斜面をカム部材の下部(Z軸方向負側の部分)に設け、ラック部材とともに最下降位置に下降した最下降状態の回動レバーが、この傾斜面に当接するようにしている。このため、最下降状態の回動レバーの上昇に伴って一部解放させたバネの付勢力により、最下降状態の回動レバーを上昇開始させるに必要な駆動機構の駆動力を補助することができる。この結果、最下降状態の回動レバーの上昇を、ラック部材とともに容易かつ円滑に開始することができる。

0114

また、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置では、異なる傾斜寸法の傾斜支持面を有する別のカム部材と交換可能にロック機構のカム部材をフレームに取り付けている。このため、互いに傾斜寸法が異なる傾斜支持面を各々有する複数のカム部材を予め準備し、これら複数のカム部材の中から、便座ユニットの上昇した状態の保持に好適な傾斜支持面を有するカム部材を選択し、この選択したカム部材をロック機構のカム部材としてフレームに取り付けることができる。これにより、便座ユニットや便座昇降装置のタイプに対するロック機構のカム部材の汎用性を向上することができる。

0115

さらに、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置では、ロック機構のカム部材に、フレームの板金エッジ部を覆う被覆部を設けている。このため、フレームに残される板金エッジ部のバリや凹凸部分を外部に露出しないように覆うことができる。これにより、板金エッジ部からのフレームの錆の発生を防止できるとともに、板金エッジ部と他の部品との接触による部品破損を防止することができる。

0116

また、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置では、回動レバーの回動方向に対応する円弧状の凹部をラック部材に設け、この凹部と係合する突起部をロック機構の回動レバーに設け、この凹部によって回動レバーの突起部の可動範囲を規制することにより、回動レバーの回動角度を制限している。このため、ラック部材に組み付けた回動レバーの脱落を防止することができる。これにより、回動レバーとラック部材との間に介在させるバネが組み付け作業中に脱落する事態を防止することができる。この結果、ラック部材に対する回動レバーおよびバネの組み付け作業を簡易且つ効率よく行うことができる。

0117

さらに、本発明の実施の形態に係る便座昇降装置では、駆動機構の駆動力(モータの駆動力)によってラック部材を所定上昇位置から下降させる際、ロック機構がラック部材の所定上昇状態の保持を解除する期間のモータの駆動速度を、ロック機構がラック部材の所定上昇状態の保持を解除した後に比して遅くしている。このため、ロック機構がラック部材の所定上昇状態の保持を解除し且つラック部材が下降するために必要なモータの駆動力を適度に強化できるとともに、ラック部材の所定上昇状態の保持を解除する際の駆動機構の動作音を静音化することができる。

0118

なお、上述した実施の形態では、ロックレバー31に当接部31bを一体形成していたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、当接部31bは、円柱状または円筒状等の曲面を有する曲面状部材をロックレバー31とは別体に準備し、この曲面状部材をロックレバー31に組み付けて当接部31bを構成してもよい。

0119

また、上述した実施の形態では、ロック機構30のカム部材として樹脂カム35を用いていたが、本発明は、これに限定されるものではない。ロック機構30のカム部材は、金属製のカム部材等、樹脂製以外のカム部材であってもよい。すなわち、本発明において、ロック機構30のカム部材の材質は、特に問われない。

0120

さらに、上述した実施の形態では、メインフレーム11の背板部11cに樹脂カム35を取り付けていたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、樹脂カム35は、回動するロックレバー31を傾斜支持面35aに受けることが可能であれば、底板部11aと天板部11bとの間に架設してもよいし、駆動機構20のハウジング外壁面等、メインフレーム11以外の部品に取り付けてもよい。

0121

また、上述した実施の形態では、ロックレバー31の回動軸32の軸方向をX軸方向(便座昇降装置10の横方向)に対し平行にしていたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、回動軸32の軸方向は、Y軸方向(便座昇降装置10の前後方向)に対し平行にしてもよい。この場合、上述したロックレバー31の昇降方向に垂直な方向は、X軸方向にすればよい。すなわち、このロックレバー31の昇降方向に垂直な方向は、回動軸32の軸方向に対しても垂直な方向となるよう、X軸方向、Y軸方向、あるいはXY平面内の面方向のいずれかに設定すればよい。また、ロックレバー31の配置方向をZ軸方向に対して反転させ、回動軸32を当接部31bおよびバネ33よりもZ軸方向正側に設ける形態としてもよい。

0122

さらに、上述した実施の形態では、上側ラック141aのZ軸方向の長さ(ラック長さ)が下側ラック141bに比して長くなるよう構成されたラック14aを有するラック部材14が例示されていたが、本発明は、これに限定されるものではない。ラック部材14のラック14aにおいて、上側ラック141aのラック長さは、下側ラック141bに比して短くてもよいし、下側ラック141bと同じであってもよい。

0123

あるいは、ラック14aは、上側ラック141a(摺動部14bよりもZ軸方向正側に延在するラック部分)を有していなくてもよい。この場合、下側ラック141bは、底板部11aよりもZ軸方向負側に突出するように、メインフレーム11の底板部11aの開口部111aに挿通してもよい。天板部11bには、上側ラック141aを挿通する開口部111bが形成されていなくてもよい。

0124

また、上述した実施の形態では、メインフレーム11において、X軸方向負側に主ガイド軸15を立設し、X軸方向正側に副ガイド軸16を立設していたが、本発明は、これに限定されるものではない。主ガイド軸15および副ガイド軸16は、メインフレーム11に対し、上述した実施の形態の場合とはX軸方向の正負逆(左右逆)に立設されてもよい。この場合、ラック部材14は、X軸方向正側の主ガイド軸15に摺動可能に設けられてもよいし、可動プレート13の挿通部13dおよびブッシュ13eは、X軸方向負側の副ガイド軸16に摺動可能に設けられてもよい。また、駆動機構20のモータ23および出力歯車28等の内部部品は、このラック部材14の配置に対応してレイアウト(例えば左右逆に配置)されてもよい。

0125

さらに、上述した実施の形態では、駆動機構20の出力歯車28およびモータ23を互いに同じ高さ位置に配置していたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、出力歯車28は、モータ23と異なる高さ位置に配置されてもよい。この場合、出力歯車28は、例えば、モータ23の左上側、左下側、右上側、右下側、上側、および下側のいずれの位置に配置されてもよい。

0126

また、上述した実施の形態では、ロックレバー31に抜け止め突起部31cを設け、ラック部材14に規制凹部34aを設けていたが、本発明は、これに限定されるものではない。ロックレバー31に規制凹部34aが設けられ、ラック部材14に抜け止め突起部31cが設けられてもよい。すなわち、本発明において、回動レバーの回動方向に対応する円弧状の凹部を回動レバーが有し、当該凹部と係合し当該凹部によって可動範囲が規制される突起部を、支持部の一構成部としてのラック部材が有してもよい。

0127

さらに、上述した実施の形態では、便座昇降装置10のメインフレーム11を洋式便器1の後ベース3に固定していたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、メインフレーム11に例示される便座昇降装置のフレームは、洋式便器1に固定される際、洋式便器1の後ベース3を介して間接的に便器本体2に固定されてもよいし、後ベース3を介さず直接的に便器本体2に固定されてもよい。

0128

また、上述した実施の形態では、便器本体2に対して便座ユニット4を垂直上下方向(Z軸方向の正側および負側)に昇降させる便座昇降装置を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明に係る便座昇降装置は、便器本体2に対して便座ユニット4を斜め上方向および斜め下方向に昇降させるものであってもよい。

0129

さらに、上述した実施の形態では、本発明に係る便座昇降装置が適用される洋式便器として、別体の貯水タンクがないタンクレス型の洋式便器を例示したが、本発明は、これに限定されるものではなく、別体の貯水タンクが設けられるタンク有り型の洋式便器に本発明に係る便座昇降装置が適用されてもよい。すなわち、本発明において、洋式便器のタイプは特に問われない。

0130

また、上述した実施の形態では、ラック部材および駆動機構にモータと減速歯車を用いた電動式の便座昇降装置としていたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明に係る便座昇降装置は、手動式のものであってもよい。手動式の場合、例えば、ラック部材の代わりに、ガイド軸に沿って摺動するスライダを用い、モータと減速歯車の代わりに、上方に付勢する付勢手段(バネなど)を用いてもよい。

0131

また、上述した実施の形態により本発明が限定されるものではなく、上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。その他、上述した実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。

0132

1洋式便器
2便器本体
4便座ユニット
10便座昇降装置
11メインフレーム
11d板金エッジ部
13可動プレート(支持部の一例)
14ラック部材(支持部に含まれる構成部の一例)
15主ガイド軸
16副ガイド軸
20駆動機構
23モータ
30ロック機構
31ロックレバー
31b 当接部
31c 抜け止め突起部
33バネ
34a規制凹部
35樹脂カム
35a傾斜支持面
35c補助傾斜面
36被覆部

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