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技術 マスタ装置、スレーブ装置、情報処理装置、イベントログ収集システム、マスタ装置の制御方法、スレーブ装置の制御方法、および制御プログラム

出願人 オムロン株式会社
発明者 澤田成憲川口泰史山脇康史馬場康二郎
出願日 2016年2月26日 (5年6ヶ月経過) 出願番号 2016-036447
公開日 2017年8月31日 (4年0ヶ月経過) 公開番号 2017-151936
状態 特許登録済
技術分野 デバッグ/監視
主要キーワード 産業用ネットワーク 周期決定 改善案 調節ステップ 実行イベント 伝送指示 計時ステップ 収集指示
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

スレーブ装置から、より有用なログデータを取得することが可能なマスタ装置を提供する。

解決手段

マスタ装置4は、時刻を取得する計時部45と、計時部が取得した時刻に応じた時刻情報を含む時刻合わせ指示をスレーブ装置1〜3送信する指示送信部421と、スレーブログ131を受信するスレーブログ受信部423と、を備える。スレーブ装置は、スレーブ計時部14が計る時刻と、計時部が取得した時刻との時刻合わせを行うとともに、スレーブログをマスタ装置に送信する。

概要

背景

工場内に設置される生産設備データ収集および制御を行うスレーブ装置と、複数のスレーブ装置を集中管理するマスタ装置とを含む産業用ネットワークステムは、従来から多数考案されている。マスタ装置とスレーブ装置のトポロジは、スレーブ装置がデータ収集および制御する生産設備やスレーブ装置間の連携配線の関係などにより様々である。マスタ装置とスレーブ装置とは、EtherCAT(Ethernet for Control Automation Technology:登録商標)のようなコネクションレス型通信を行う。

概要

スレーブ装置から、より有用なログデータを取得することが可能なマスタ装置を提供する。マスタ装置4は、時刻を取得する計時部45と、計時部が取得した時刻に応じた時刻情報を含む時刻合わせ指示をスレーブ装置1〜3送信する指示送信部421と、スレーブログ131を受信するスレーブログ受信部423と、を備える。スレーブ装置は、スレーブ計時部14が計る時刻と、計時部が取得した時刻との時刻合わせを行うとともに、スレーブログをマスタ装置に送信する。

目的

本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、より有用なログデータを取得することが可能なマスタ装置等を実現することにある

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

所定の事象の発生を記録する1台以上のスレーブ装置通信するマスタ装置であって、時刻を取得する時刻取得部と、前記時刻取得部が取得した時刻に応じた時刻情報を送信することで、前記スレーブ装置にて当該スレーブ装置が計時する時刻と、前記時刻取得部が取得した時刻との時刻合わせを行わせる時刻調節指示部と、前記事象の発生時刻と当該事象を特定する情報とを対応付けた情報である第1イベントログを、前記スレーブ装置から受信するログ受信部と、を備えることを特徴とするマスタ装置。

請求項2

前記時刻調節指示部は、前記スレーブ装置と通信可能な状態になったタイミングで前記時刻情報を送信し、以降は所定の周期で前記スレーブ装置に対し前記時刻情報を送信することを特徴とする、請求項1に記載のマスタ装置。

請求項3

前記時刻調節指示部は、自装置と前記スレーブ装置との接続関係に応じて前記時刻情報が示す時刻を補正することを特徴とする、請求項1または2に記載のマスタ装置。

請求項4

前記時刻調節指示部は、自装置と前記スレーブ装置との接続関係に応じて前記時刻情報の送信周期を決定することを特徴とする、請求項2または3に記載のマスタ装置。

請求項5

前記所定の事象と一致または対応する事象の発生時刻と、前記一致または対応する事象を特定する情報とを対応付けた情報である、第2イベントログを作成するログ作成部を備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のマスタ装置。

請求項6

時刻を取得するマスタ装置と通信するとともに、所定の事象の発生を記録するスレーブ装置であって、現在時刻を計時する計時部と、前記マスタ装置が取得した時刻に応じた時刻情報を前記マスタ装置から受信する時刻情報受信部と、前記時刻情報受信部が受信した時刻情報に基づき、前記計時部の計時する時刻の時刻合わせを行う時刻調節部と、前記事象の発生時刻と当該事象を特定する情報とを対応付けた情報である第1イベントログを、前記マスタ装置に送信するログ送信部と、を備えることを特徴とするスレーブ装置。

請求項7

請求項5に記載のマスタ装置から前記第1イベントログおよび前記第2イベントログを取得するログ取得部と、前記ログ取得部が取得した前記第1イベントログと前記第2イベントログとを時系列で結合させた第3イベントログを作成する結合部と、を備えることを特徴とする情報処理装置

請求項8

前記請求項1〜5のいずれか1項に記載のマスタ装置と、前記請求項6に記載のスレーブ装置と、前記請求項7に記載の情報処理装置と、を備えるイベントログ収集ステム

請求項9

所定の事象の発生を記録する1台以上のスレーブ装置と通信するマスタ装置の制御方法であって、時刻を取得する時刻取得ステップと、前記時刻取得ステップにて取得した時刻に応じた時刻情報を送信することで、前記スレーブ装置にて当該スレーブ装置が計時する時刻と、前記時刻取得ステップにて取得した時刻との時刻合わせを行わせる時刻調節指示ステップと、前記事象の発生時刻と当該事象を特定する情報とを対応付けた情報である第1イベントログを、前記スレーブ装置から受信するログ受信ステップと、を含むことを特徴とするマスタ装置の制御方法。

請求項10

時刻を取得するマスタ装置と通信するとともに、所定の事象の発生を記録するスレーブ装置の制御方法であって、現在時刻を計時する計時ステップと、前記マスタ装置が取得した時刻に応じた時刻情報を前記マスタ装置から受信する時刻情報受信ステップと、前記時刻情報受信ステップにて受信した時刻情報に基づき、前記計時ステップにて計時する時刻の時刻合わせを行う時刻調節ステップと、前記事象の発生時刻と当該事象を特定する情報とを対応付けた情報である第1イベントログを、前記マスタ装置に送信するログ送信ステップと、を含むことを特徴とするスレーブ装置の制御方法。

請求項11

請求項1に記載のマスタ装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、前記時刻取得部、前記時刻調節指示部および前記ログ受信部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。

請求項12

請求項6に記載のスレーブ装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、前記計時部、前記時刻情報受信部、前記時刻調節部および前記ログ送信部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。

技術分野

0001

本発明は、スレーブ装置と、当該スレーブ装置を制御するマスタ装置と、当該マスタ装置とデータの送受信を行う情報処理装置等に関する。

背景技術

0002

工場内に設置される生産設備データ収集および制御を行うスレーブ装置と、複数のスレーブ装置を集中管理するマスタ装置とを含む産業用ネットワークステムは、従来から多数考案されている。マスタ装置とスレーブ装置のトポロジは、スレーブ装置がデータ収集および制御する生産設備やスレーブ装置間の連携配線の関係などにより様々である。マスタ装置とスレーブ装置とは、EtherCAT(Ethernet for Control Automation Technology:登録商標)のようなコネクションレス型通信を行う。

先行技術

0003

特開2011−216085号公報(2011年10月27日公開

発明が解決しようとする課題

0004

一般的にスレーブ装置は内部カウンタを備えており、電源投入時からの経過時間を、当該カウンタカウントで計時しているのみであり、スレーブ装置は、内部カウンタのカウント値としての時刻しか認識していなかった。つまりスレーブ装置では通常の時計が計る時刻と異なる基準で時間経過をカウントしているので、スレーブ装置で何らかのデータを記録させても、当該データの取得時刻は上記内部カウンタで計時するカウントであるため、いつ取得したデータなのか客観的にわかりづらかった。

0005

このようなスレーブ装置の計時方法の改善案として、特許文献1に記載のように、スレーブ装置に内部時計を備えさせ、マスタ装置とスレーブ装置との時刻合わせを行わせる技術が開発されている。しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、時刻合わせした後の時刻の利用方法、特にスレーブ装置において何らかのログデータを記録する場合におけるデータの正確性については認識されていなかった。

0006

本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、より有用なログデータを取得することが可能なマスタ装置等を実現することにある。

課題を解決するための手段

0007

前記の課題を解決するために、本発明に係るマスタ装置は、所定の事象の発生を記録する1台以上のスレーブ装置と通信するマスタ装置であって、時刻を取得する時刻取得部と、前記時刻取得部が取得した時刻に応じた時刻情報を送信することで、前記スレーブ装置にて当該スレーブ装置が計時する時刻と、前記時刻取得部が取得した時刻との時刻合わせを行わせる時刻調節指示部と、前記事象の発生時刻と当該事象を特定する情報とを対応付けた情報である第1イベントログを、前記スレーブ装置から受信するログ受信部と、を備える構成である。

0008

前記の課題を解決するために、本発明に係るマスタ装置の制御方法は、所定の事象の発生を記録する1台以上のスレーブ装置と通信するマスタ装置の制御方法であって、時刻を取得する時刻取得ステップと、前記時刻取得ステップにて取得した時刻に応じた時刻情報を送信することで、前記スレーブ装置にて当該スレーブ装置が計時する時刻と、前記時刻取得ステップにて取得した時刻との時刻合わせを行わせる時刻調節指示ステップと、前記事象の発生時刻と当該事象を特定する情報とを対応付けた情報である第1イベントログを、前記スレーブ装置から受信するログ受信ステップと、を含む方法である。

0009

前記構成または方法によると、マスタ装置は、時刻取得部が取得した時刻を基準としてスレーブ装置の時刻の計時を調節することができる。そして、ログ受信部は、上記基準に時刻合わせがなされた状態で特定された事象の発生時刻を含んだ、第1イベントログを受信することができる。つまり、マスタ装置は、イベント発生タイミングを特定するのにより有用なログデータを取得することができる。さらに、スレーブ装置が複数台である場合は、スレーブ装置間の時刻も上記基準に基づき同期されるため、各スレーブ装置から受信する第1イベントログを時系列比較対照することができる。

0010

前記マスタ装置において、前記時刻調節指示部は、前記スレーブ装置と通信可能な状態になったタイミングで前記時刻情報を送信し、以降は所定の周期で前記スレーブ装置に対し前記時刻情報を送信してもよい。

0011

前記構成によると、スレーブ装置で計時される時刻と、マスタ装置の時刻取得部の取得する時刻とのずれが生じ得る期間を、最小限に留めることができる。

0012

前記マスタ装置において、前記時刻調節指示部は、自装置と前記スレーブ装置との接続関係に応じて前記時刻情報が示す時刻を補正してもよい。

0013

前記構成によると、マスタ装置とスレーブ装置との間でより正確な時刻合わせを行うことができる。

0014

前記マスタ装置において、前記時刻調節指示部は、自装置と前記スレーブ装置との接続関係に応じて前記時刻情報の送信周期を決定してもよい。

0015

前記構成によると、マスタ装置とスレーブ装置との接続関係に関わらず、マスタ装置とスレーブ装置との時刻のずれを防ぐことができる。

0016

前記マスタ装置は、前記所定の事象と一致または対応する事象の発生時刻と、前記一致または対応する事象を特定する情報とを対応付けた情報である、第2イベントログを作成するログ作成部を備えていてもよい。

0017

前記構成によると、時刻合わせされたスレーブ装置とマスタ装置とでそれぞれ、第1イベントログと第2イベントログとを作成する。したがって、同じ基準で事象の発生時刻を記録した第1イベントログおよび第2イベントログという、比較対照することができるより有用なログデータを作成することができる。

0018

前記の課題を解決するために、本発明に係るスレーブ装置は、時刻を取得するマスタ装置と通信するとともに、所定の事象の発生を記録するスレーブ装置であって、現在時刻を計時する計時部と、前記マスタ装置が取得した時刻に応じた時刻情報を前記マスタ装置から受信する時刻情報受信部と、前記時刻情報受信部が受信した時刻情報に基づき、前記計時部の計時する時刻の時刻合わせを行う時刻調節部と、前記事象の発生時刻と当該事象を特定する情報とを対応付けた情報である第1イベントログを、前記マスタ装置に送信するログ送信部と、を備える構成である。

0019

前記の課題を解決するために、本発明に係るスレーブ装置の制御方法は、時刻を取得するマスタ装置と通信するとともに、所定の事象の発生を記録するスレーブ装置の制御方法であって、現在時刻を計時する計時ステップと、前記マスタ装置が取得した時刻に応じた時刻情報を前記マスタ装置から受信する時刻情報受信ステップと、前記時刻情報受信ステップにて受信した時刻情報に基づき、前記計時ステップにて計時する時刻の時刻合わせを行う時刻調節ステップと、前記事象の発生時刻と当該事象を特定する情報とを対応付けた情報である第1イベントログを、前記マスタ装置に送信するログ送信ステップと、を含む方法である。

0020

前記構成または方法によると、スレーブ装置は、マスタ装置からの時刻情報に基づき時刻合わせを行う。そして、ログ送信部は、上記基準に時刻合わせがなされた状態で特定された事象の発生時刻を含んだ、第1イベントログをマスタ装置に送信する。つまり、スレーブ装置は、イベントの発生タイミングを特定するのにより有用なログデータを送信することができる。

0021

前記の課題を解決するために、本発明に係る情報処理装置は、前記マスタ装置から前記第1イベントログおよび前記第2イベントログを取得するログ取得部と、前記ログ取得部が取得した前記第1イベントログと前記第2イベントログとを時系列で結合させた第3イベントログを作成する結合部と、を備える構成である。

0022

前記構成によると、第1イベントログと第2イベントログとにおいて、イベントの発生時刻を比較対照することができる。したがって、マスタ装置およびスレーブ装置におけるイベント発生対応関係因果関係を推測することがより容易になる。

0023

前記の課題を解決するために、本発明に係るイベントログ収集システムは、前記マスタ装置と、前記スレーブ装置と、前記情報処理装置と、を備える構成である。

0024

前記構成によると、イベントログ収集システムは、前記マスタ装置と、前記スレーブ装置と、前記情報処理装置と同様の効果を奏する。

0025

前記マスタ装置および前記スレーブ装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記マスタ装置およびスレーブ装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記マスタ装置およびスレーブ装置をコンピュータにて実現させるマスタ装置およびスレーブ装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。

発明の効果

0026

本発明によれば、より有用なログデータを取得することができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0027

本発明の実施形態1に係るイベントログ収集システムに含まれる各装置の要部構成を示すブロック図である。
上記イベントログ収集システムの概要を示す図である。
上記イベントログ収集システムに含まれるスレーブ装置にて記録されるスレーブログのデータ構造の一例を示す図である。
上記イベントログ収集システムに含まれるマスタ装置にて記録されるマスタログのデータ構造の一例を示す図である。
上記イベントログ収集システムに含まれるパーソナルコンピュータ(PC)において作成される結合ログのデータ構造の一例を示す図である。
上記マスタ装置および上記スレーブ装置による時刻合わせ処理の流れを示すフローチャートである。
上記PC、上記マスタ装置、および上記スレーブ装置によるイベントログ収集処理の流れを示すフローチャートである。

実施例

0028

≪システム概要≫
始めに、本実施形態に係るイベントログ収集システムのシステム構成およびその概要について説明する。図2は、イベントログ収集システム100の概要を示す図である。イベントログ収集システム100は、ネットワーク上の各装置間の時刻合わせを行った上で、それぞれの装置において記録される、特定の事象(イベント)の発生を記録したイベントログを収集するシステムである。

0029

イベントログ収集システム100は、各種装置の集中管理および各種装置からのデータ収集を目的とするネットワーク上で実現される。例えばイベントログ収集システム100は、工場内に設置される生産設備を集中して管理および制御するとともに、当該生産設備からデータを収集する産業用ネットワーク上で実現される。以下の説明では、イベントログ収集システム100を産業用ネットワーク上で実現した例について述べる。

0030

イベントログ収集システム100は、生産設備のデータ収集および制御を行う1台以上のスレーブ装置(スレーブ装置1〜3)と、スレーブ装置を集中管理するマスタ装置4と、マスタ装置4を介してスレーブ装置およびマスタ装置にて得られたデータを収集するパーソナルコンピュータ(PC、情報処理装置)5と、を含んでいる。なお、各スレーブ装置は、1台以上の生産設備と接続されていてもよく、各生産設備入力装置センサ、押しボタンリミットスイッチなど)、および出力装置(生産設備に備えられたランプなど)のいずれかまたは両方と接続されていてもよい。

0031

PC5とマスタ装置4とは有線または無線通信接続されている。一方、マスタ装置4とスレーブ装置1とは、EtherCAT(Ethernet for Control Automation Technology:登録商標)通信に適合するケーブルで接続され、EtherCATの通信規格を用いて通信を行う。スレーブ装置1とスレーブ装置2、スレーブ装置2とスレーブ装置3も同様のケーブルで接続され、EtherCATの通信規格を用いて通信する。マスタ装置4とスレーブ装置1〜3との通信においては、マスタ装置4は上流側、すなわちEtherCATマスタとしてはたらき、スレーブ装置1〜3はEtherCATスレーブとしてはたらく。以降、EtherCATの通信規格を用いた通信を単に「EtherCAT通信」と称する。スレーブ装置(図2ではスレーブ装置1)と入力装置または出力装置とは、有線または無線で適宜接続される。

0032

なお、本実施形態では、図2に示したようにマスタ装置4に3台のスレーブ装置1〜3が直列に接続されているものとして説明を行うが、マスタ装置4に直接または間接に接続するスレーブ装置の台数およびトポロジは、特に限定されない。イベントログ収集システム100はスレーブ装置間の連携や配線の都合に応じて、直列状、リング状、ツリー状またはスター状など、どのようなトポロジをとってもよい。

0033

ここで、各装置について簡単に説明する。マスタ装置4は、シーケンス制御を行うプログラマブルロジックコントローラPLC)である。マスタ装置4は、EtherCAT通信によりスレーブ装置1〜3に制御命令伝送することでスレーブ装置1〜3を制御するとともに、スレーブ装置1〜3から各種データを受け取ることで、スレーブ装置1〜3の状態監視を行う。また、マスタ装置4は自装置で発生したイベントのログ(マスタログ、第2イベントログ)を記録している。

0034

スレーブ装置1〜3は、自装置に接続されたセンサ、押しボタン、リミットスイッチなど、各種検出機器または測定機器などの入力装置からデータを収集する装置であるとともに、モータやランプなどの出力装置を制御する装置である。また、スレーブ装置1〜3は各自時計を備え時刻を測定している。スレーブ装置1〜3はまた、自装置、または自装置に接続された入力装置および出力装置の少なくともいずれかにおいて発生したイベントのログ(スレーブログ、第1イベントログ)を記録している。

0035

PC5は、マスタ装置4に対しイベントログの収集指示を送信することで、マスタ装置4およびマスタ装置4に接続された各スレーブ装置(図2ではスレーブ装置1〜3)においてそれぞれ記録されているイベントログ(マスタログおよびスレーブログ)を収集および管理する装置である。PC5は、収集したマスタログおよびスレーブログを解析または整理した結果をユーザに提示する。具体的には、PC5はマスタログとスレーブログとを時系列で結合させた結合ログをユーザに提示する。結合ログについては後で詳述する。また、PC5はマスタ装置4に実行させるプログラムを、ユーザの入力操作に応じて作成する装置でもある。

0036

以下、イベントログ収集システム100の処理の流れの概要を説明する。マスタ装置4は、スレーブ装置1〜3とネットワークで接続された状態で稼働を開始する(電源ON状態になる)と、まず始めに自装置に接続されているスレーブ装置の台数を特定する。次にマスタ装置4は、EtherCAT通信の周期と、スレーブ装置の台数(図2では3台)とから、スレーブ装置1〜3に対し時刻合わせを行わせる指示(時刻合わせ指示)を送信する周期を決定する。以後、マスタ装置4は決定した周期でスレーブ装置1〜3に時刻合わせ指示の送信を繰り返す。具体的には、マスタ装置4は時刻合わせ指示を含んだ、EtherCATの通信規格に合致するフレーム(EtherCATフレーム、以下単にフレームと称する)を作成し、スレーブ装置1〜3に伝送する。

0037

マスタ装置4からスレーブ装置1に伝送されたフレームは、スレーブ装置1〜3を順に通過する。このとき、各スレーブにてフレームに含まれている指示が読み取られ、当該指示に応じた処理が各スレーブにて行われる。そしてフレームは、往路逆順に、すなわちスレーブ装置3、スレーブ装置2、スレーブ装置1、およびマスタ装置4の順に送られる。マスタ装置4は、戻ってきたフレームを受け取る。これにより、フレームの伝送処理が完了する。スレーブ装置1〜3はマスタ装置4から時刻合わせ指示を受けた場合、自装置に備えた時計の時刻合わせを行う。なお、時刻合わせに係る処理については後で詳述する。

0038

さらに、PC5はユーザの入力操作等に応じて、マスタ装置4にログの収集を指示する。マスタ装置4は当該指示を受けると、スレーブ装置1〜3にスレーブログを伝送する旨の指示(ログ伝送指示)を伝送する。なお、ログ伝送指示の伝送方法は、時刻合わせ指示の場合と同様である。スレーブ装置1〜3は、ログ伝送指示を受信すると、スレーブログをフレームに載せて伝送する。これにより、EtherCAT通信の上流に位置するマスタ装置4が、フレームに含まれるスレーブログを受け取る。

0039

マスタ装置4は受信したスレーブログと、自装置で記録しているマスタログとをPC5に送信する。PC5は受信したスレーブログおよびマスタログを結合させ、時系列で並び替えた結合ログ(第3イベントログ)を作成し、ユーザに向けて表示する。

0040

このように、イベントログ収集システム100は、マスタ装置4とスレーブ装置1〜3との時刻を同期させることができるので、マスタログに記録される時刻とスレーブログに記録される時刻とを比較対照することができる。したがって、各装置におけるイベント発生の対応関係や因果関係を推測することがより容易になるという効果を奏する。つまり、イベントログ収集システム100によれば、マスタ装置4およびスレーブ装置1〜3においてイベントの発生をより有用なログデータとして記録することができる。
≪各装置の要部構成≫
次に、イベントログ収集システム100に含まれるマスタ装置4、スレーブ装置1〜3、およびPC5の要部構成について説明する。図1は、本実施形態に係るイベントログ収集システム100に含まれる各装置の要部構成を示すブロック図である。なお、スレーブ装置2およびスレーブ装置3については、スレーブ装置1と同様の構成であるため、機能ブロックの図示および説明を省略する。
(マスタ装置4の要部構成)
マスタ装置4は、通信部41、制御部(ログ作成部)42、記憶部43、マスタ通信部44、および計時部45を含んでいる。通信部41は、PC5と通信するための通信ユニットである。マスタ通信部44は、スレーブ装置1とEtherCAT通信を行うための通信ユニットである。計時部45は、時刻を取得するものであり、マスタ装置4のリアルタイムクロックRTC)である。計時部45は計時した時刻を示す情報(時刻情報)を制御部42に送信する。なお、マスタ装置4は計時部45を備える代わりに、時刻情報が必要なときにPC5から時刻情報を取得してもよい。

0041

制御部42は、マスタ装置4を統括的に制御するものである。制御部42は、PC5から自装置が実行すべきプログラムを受信する。また、制御部42はPC5において登録された、マスタ装置4とスレーブ装置1〜3との間のEtherCAT通信のネットワークの構成情報登録構成情報430)を受信し記憶部43に記憶させておく。なお、ここでいう「ネットワークの構成情報」とは、マスタ装置4に接続されるスレーブ装置の台数を示す情報を少なくとも含んでいる。さらに言えば、ネットワークの構成情報は、各スレーブ装置の種類を示す情報を含んでいてもよい。制御部42はまた、PC5から予めEtherCAT通信の通信周期の設定を受信する。

0042

制御部42は、さらに詳しくは、指示送信部(時刻調節指示部)421、マスタログ作成部422、スレーブログ受信部(ログ受信部)423、および周期決定部424を含む。

0043

周期決定部424は、マスタ装置とスレーブ装置とのネットワーク構成に応じて時刻合わせの周期を決定するものである。周期決定部424は、マスタ装置4が稼働開始するとき(マスタ装置4の電源がONされたとき)に、記憶部43に記憶された、時刻合わせを行うか否かを示すフラグを確認する。周期決定部424は、当該フラグが時刻合わせを行うことを示している場合、マスタ装置4とスレーブ装置1〜3との間のネットワークの構成情報を特定し、実際のネットワークの構成情報(実構成情報431)として記憶部43に記憶させる。

0044

さらに周期決定部424は、登録構成情報430と、実構成情報431とに基づき、時刻合わせを行う(時刻合わせ指示の送信対象となる)スレーブ装置1〜3を特定する。また、周期決定部424は、制御部42がPC5から受信した、EtherCAT通信の通信周期の設定と、時刻合わせを行うスレーブ装置の台数とから、時刻合わせ指示の送信周期(時間間隔)を決定する。

0045

時刻合わせ指示がマスタ装置4から特定のスレーブ装置に対して(1対1の通信で)送信される場合における、イベントログ収集システム100上のスレーブ装置の台数をn台、各スレーブ装置にて時刻合わせを行う周期(時刻合わせ指示を受信する周期)をt1とする。この場合、マスタ装置4は時刻合わせ指示をt1/nの時間間隔でそれぞれ異なるスレーブ装置に送信することとなる。例えば3台のスレーブ装置1〜3にそれぞれ60分に1回時刻合わせを行わせるとする。この場合、マスタ装置4は20分毎にスレーブ装置1〜3いずれかに対し時刻合わせ指示を送信することとなる。
なお、周期決定部424の決定する送信周期の望ましい例については後で詳述する。

0046

なお、上記フラグが時刻合わせを行わないことを示している場合は、周期決定部424は実構成情報431の特定、および送信周期の決定を行わなくてよい。また、周期決定部424はマスタ装置4の電源がONされたときだけでなく、所定の時間間隔で記憶部43のフラグを確認し、当該フラグの状態に応じて時刻合わせを行うか否かを決定してもよい。さらに言えば、周期決定部424はマスタ装置4の電源がONになった時に毎回送信周期を決定してもよいが、登録構成情報430および実構成情報431に変更が無い場合は、前回決定した送信周期(記憶部43に記憶しておいてもよい)をそのまま採用してもよい。

0047

指示送信部421は、周期決定部424が決定した送信周期で、時刻合わせ指示を含むフレームを作成し、当該フレームをスレーブ装置1〜3に送信する。また指示送信部421は、制御部42がPC5からログを収集する旨の指示(ログ収集指示)を受信した場合、ログ伝送指示を含むフレームを作成し、当該フレームをスレーブ装置1〜3に送信する。

0048

ここで、時刻合わせ指示について詳細に説明する。時刻合わせ指示は、スレーブ装置に時刻合わせを指示する制御命令と、計時部45(またはPC5)から取得した時刻情報とから成る。指示送信部421は、時刻合わせを指示する制御命令を1つのイベントとしてフレームに含めるとともに、上記時刻情報を当該イベントのタイムスタンプとして付す。

0049

マスタログ作成部422は、マスタ装置4にてイベントが発生すると、マスタログ(第2イベントログ)432を作成して記憶部43に格納する。マスタログ432は、マスタ装置4において発生したイベントを特定する情報に、当該イベントの発生時刻が対応付けられた情報である。以下、図5を用いてマスタログ432の具体例を説明する。図5は、マスタログ432のデータ構造の一例を示す図である。マスタログ432は図示の通り、発生したイベントの名称(イベント名)に、当該イベントの発生時刻(マスタ装置4の時刻)を対応付けたログである。なお、ここで言うマスタ装置4の時刻とは、計時部45が計時した時刻(あるいはPC5から受信した時刻)である。

0050

なお、マスタログ432のデータ形式は、発生したイベントを特定可能な情報と、当該イベントの発生時刻とを少なくとも含んでいれば図4形式に限定されない。例えば、マスタログ432にはイベント名と共に(またはイベント名の代わりに)イベントを一意に特定可能なコード(イベントコード)が記録されていても良いし、イベントの重要度、イベントの種類(グループ)、イベントの発生源等を示す情報が含まれていてもよい。

0051

スレーブログ受信部423は、マスタ通信部44を介し、スレーブ装置1〜3から伝送されるフレームに含まれるスレーブログ131を受信する。スレーブログ受信部423はスレーブログ131を受信すると、記憶部43からマスタログ432を読み出し、マスタログ432とスレーブログ131とを通信部41を介しPC5に送信する。

0052

記憶部43は、時刻合わせを行うか否かを示すフラグと、制御部42がPC5から受信した登録構成情報430と、周期決定部424が特定した実構成情報431と、マスタログ作成部422が作成したマスタログとを格納するものである。なお、記憶部43はスレーブ装置1〜3から受信するスレーブログ131を格納してもよい。また、周期決定部424が決定した、時刻合わせ指示の送信周期は記憶部43に設定値として記憶されていてもよいし、制御部42が内部変数として保持していてもよい。
(スレーブ装置1の要部構成)
スレーブ装置1は、スレーブ通信部11と、スレーブ制御部(時刻情報受信部)12と、スレーブ記憶部13と、スレーブ計時部(計時部)14とを備えている。スレーブ通信部11は、マスタ装置4および他のスレーブ装置(図1〜2ではスレーブ装置2)とEtherCAT通信を行うための通信ユニットである。スレーブ記憶部13は、スレーブログを格納する記憶装置である。スレーブ計時部14は、時刻を計る時計である。スレーブ計時部14は時刻情報をスレーブ制御部12に送信する。

0053

スレーブ制御部12は、スレーブ装置1を統括的に制御するものである。スレーブ制御部12は、スレーブ通信部11を介しマスタ装置4から制御命令を受信する。スレーブ制御部12はより詳しくは、指示実行部(時刻取得部、時刻調節部)121、スレーブログ作成部122、およびスレーブログ送信部(ログ送信部)123を含む。

0054

指示実行部121は、スレーブ制御部12が受信した制御命令を実行するものである。具体的には、指示実行部121は、スレーブ制御部12が時刻合わせ指示を受信した場合、スレーブ計時部14の時計を、当該指示に含まれる時刻情報が示す時刻に時刻合わせする。すなわち、指示実行部121は、スレーブ計時部14の時刻を、時刻合わせ指示のタイムスタンプとして付されている時刻情報が示す時刻と一致させる。また、指示実行部121は、スレーブ制御部12がログ伝送指示を受信した場合、スレーブログ送信部123にスレーブログの送信を指示する。

0055

スレーブログ作成部122は、スレーブ装置1、スレーブ装置1に接続された入力装置、および出力装置の少なくともいずれかにおいて所定のイベントが発生した場合、当該イベントの発生を検知し、スレーブログ(第1イベントログ)131を作成し、スレーブ記憶部13に格納する。

0056

スレーブログ131は、スレーブ装置1、スレーブ装置1に接続された入力装置、および出力装置の少なくともいずれかにおいて発生したイベントを特定する情報に、当該イベントの発生時刻が対応付けられた情報である。以下、図4を用いてスレーブログ131の具体例を説明する。図4は、スレーブログ131のデータ構造の一例を示す図である。スレーブログ131は図示の通り、イベント名に、当該イベントの発生時刻(スレーブ装置1〜3の時刻)を対応付けたログである。なお、ここで言うスレーブ装置1〜3の時刻とは、スレーブ装置1〜3の内部クロックのカウントではなく、スレーブ計時部14の計る時刻である。

0057

なお、スレーブログ131のデータ形式は、発生したイベントを特定可能な情報と、当該イベントの発生時刻とを少なくとも含んでいれば図3の形式に限定されない。例えば、スレーブログ131にはイベント名と共に(またはイベント名の代わりに)イベントコードが記録されていても良いし、イベントの重要度、イベントのグループ、イベントの発生源等を示す情報が含まれていてもよい。

0058

スレーブログ送信部123は、指示実行部121の指示に応じて、スレーブ記憶部13からスレーブログ131を読み出し、スレーブ通信部11を介してマスタ装置4に伝送する。
(PC5の要部構成)
PC5は、入力部51、PC通信部52、CPU(Central Processing Unit、ログ取得部、結合部)53、PC記憶部54、および表示部55を含む。入力部51はキーボードマウス等、ユーザの入力操作を受付けるデバイスである。表示部55はディスプレイ等、CPU53の処理の結果を表示するデバイスである。PC通信部52はマスタ装置4と通信するデバイスである。なお、PC5はこの他にもパーソナルコンピュータが一般的に備えている構成を備えていてもよい。

0059

CPU53は、PC5を統括的に制御するものである。CPU53は入力部51に対し行われたユーザの入力操作に応じてマスタ装置4に実行させるプログラムを作成し、PC通信部52を介してマスタ装置4に送信する。また、CPU53はPC通信部52を介し、マスタ装置4にログ収集指示を送信する。そして、当該指示に応じたマスタ装置4からマスタログ432とスレーブログ131とを取得する。CPU53は取得したマスタログ432とスレーブログ131とを結合した結合ログ541を作成し、結合ログ541をPC記憶部54に格納する。

0060

結合ログ541は、マスタログ432とスレーブログ131とを結合(マージ)したログであり、発生したイベントを特定する情報と、当該イベントの発生源を特定する情報と、当該イベントの発生時刻とが対応付けられた情報である。以下、図5を用いて結合ログ541の具体例を説明する。

0061

図5は、結合ログ541のデータ構造の一例を示す図である。結合ログ541は図示の通り、イベント名に、当該イベントの発生源(当該イベントが発生した機器の名称、すなわちスレーブ装置1〜3、およびマスタ装置4のいずれか)と、当該イベントの発生時刻とを対応付けたログである。なお、ここで言う「発生時刻」は、発生源がスレーブ装置1〜3である場合はスレーブ装置1〜3で計時された時刻(図3の「スレーブ装置1〜3の時刻」)を示し、発生源がマスタ装置4である場合はマスタ装置4で計時された時刻(図4の「マスタ装置4の時刻」)を示す。CPU53は、ユーザが入力部51を介して結合ログ541の表示を指示した場合、PC記憶部54から結合ログ541を読み出し、表示部55に表示させる。

0062

PC記憶部54は、PC5における各種データを格納するものである。PC記憶部54は少なくとも結合ログ541を格納している。また、PC記憶部54は、マスタ装置4から受信したマスタログ432およびスレーブログ131を格納していてもよい。
≪処理の流れ≫
最後に、マスタ装置4およびスレーブ装置1〜3が行う時刻合わせ処理の流れと、PC5、マスタ装置4、およびスレーブ装置1〜3が行うイベントログ収集処理の流れとを図6〜7を用いて説明する。なお、スレーブ装置1の下流のスレーブ装置2およびスレーブ装置3についても処理の流れは同様であるため、図6および7ではスレーブ装置1のみについて処理の流れを記載している。
(時刻合わせ処理)
図6は、時刻合わせ処理の流れを示す図である。マスタ装置4は、生産設備等を稼働させるための産業用ネットワークに接続した状態で電源がONされると、各スレーブ装置のシーケンス制御を開始する。このとき、マスタ装置4の周期決定部424は記憶部43のフラグを確認し、当該フラグが時刻合わせを行うことを示している場合は実構成情報431を特定する(S4)。また、周期決定部424は、予めPC5より受信し記憶部43に記憶されている登録構成情報430と、実構成情報431とに基づき、時刻合わせ指示の送信周期を決定する(S6)。指示送信部421は周期決定部424が決定した送信周期で時刻合わせ指示を送信する。具体的には、指示送信部421は送信周期が規定する時間が経過するまで待機し(S8でNO)、当該時間が経過すると(S8でYES)、計時部45の供給する時刻を取得し(S10、時刻取得ステップ)時刻情報と時刻合わせ指示とをフレームに含んで、スレーブ装置1〜3に伝送する(S12、時刻調節指示ステップ)。

0063

一方、スレーブ装置1〜3のスレーブ計時部14は、現在時刻を常時計時している(計時ステップ)。ここで、スレーブ装置1〜3のスレーブ制御部12はスレーブ通信部11を通過するフレームから時刻合わせ指示と時刻情報とを読みとると(S30、時刻情報受信ステップ)、指示実行部121は時刻合わせ指示と時刻情報とを受信すると、スレーブ計時部14の時刻を、時刻情報と一致するように時刻合わせを行う(S32、時刻調節ステップ)。マスタ装置4の指示送信部421は以降、周期決定部424が決定した送信周期(時間間隔)で、時刻合わせ指示を繰り返しスレーブ装置1〜3に送信する(S8〜12)。これにより、スレーブ装置1〜3のスレーブ計時部14が供給する時刻は、マスタ装置4の計時部45の供給する時刻と一致するように、周期的に時刻合わせが行われることとなる。

0064

ところで、マスタ装置4のPLCとしてのデータ通信(例えば生産設備の協調制御のための指示や、入力装置等からの入力データなどのやりとり)は、上述した時刻合わせ指示の送受信の周期よりもごく短い周期で大量に行われる。換言すると、大量かつ高速なデータ通信のために、EtherCAT通信が用いられているともいえる。このようにごく短周期で大量のデータ交換を実行するような産業用ネットワークにおいて、上述したように、送信周期を適宜決定して時刻合わせ処理を行うことで、PLC(マスタ装置4)とスレーブ装置1〜3とのデータ交換に影響しないような周期およびタイミングで時刻合わせを行うことができる。
(イベントログ収集処理)
図7は、イベントログ収集処理の流れを示す図である。上述のように時刻合わせ処理を行っている(産業ネットワーク上で稼働中の)マスタ装置4に対しPC5のCPU53は、ログの収集を示す指示(ログ収集指示)を送信する(S50)。制御部42は通信部41を介し当該指示を受信する(S70)。制御部42がログ収集指示を受信すると、指示送信部421は、ログ伝送指示を含むフレームをスレーブ装置1〜3に送信する(S72)。スレーブ装置1〜3のスレーブ制御部12は、スレーブ通信部11を通過するフレームからログ伝送指示を読みとり(S90)、指示実行部121はログ伝送指示を受信すると、スレーブログ送信部123にスレーブログの送信を指示する。スレーブログ送信部123は指示実行部121の指示に応じて、スレーブ記憶部13からスレーブログ131を読み出し、マスタ装置4に伝送する(S92、ログ送信ステップ)。

0065

マスタ装置4のスレーブログ受信部423はスレーブ装置1〜3からスレーブログ131をそれぞれ受け取ると(S74、ログ受信ステップ)、記憶部43からマスタログ432を読み出し、マスタログ432とスレーブログ131とをPC5に送信する(S76)。

0066

PC5のCPU53はマスタログ432とスレーブログ131とを受信すると(S52)、CPU53は取得したマスタログ432とスレーブログ131とを結合した結合ログ541を作成し、結合ログ541をPC記憶部54に格納する(S54)。

0067

例えば図3に示すマスタログ432と図4に示すスレーブログ131とを結合した場合、結合ログ541は図5に示すデータとなる。図5に示す結合ログ541の「発生時刻」列には、マスタ装置4とスレーブ装置1〜3とで別々に測定された時刻が格納されることとなる。しかしながら、図6に示す時刻合わせ処理をマスタ装置4とスレーブ装置1〜3とは周期的に行っているため、「発生時刻」列に格納される時刻は、時刻のずれを最小限に抑えた、同基準で計時された(時刻合わせがなされた)時刻であるといえる。そのため、例えばマスタ装置4とスレーブ装置(1および2)とで対応するイベントが正常に発生しているか否かを確認することができる。

0068

具体的には、例えばある指示の送信イベントである「AAAAAA」をマスタ装置4が送信し、スレーブ装置1〜3が当該指示に応じた制御処理実行イベントである「aaaaaa」を実行するとする。この場合、図5の結合ログ541の太枠で示した1〜3行目に示すように、各装置におけるイベント発生時刻を参照することにより、正常に指示が実行されたか否かを確認することができる。逆に、いずれかのスレーブ装置におけるイベント「aaaaaa」の発生を示す記録が無い場合、またはイベント「aaaaaa」の発生にタイムラグが生じている場合などは、指示の送受信や指示実行において、何らかの障害が発生したことを推測することができる。

0069

また、結合ログ541におけるイベントの発生時刻から、イベント同士の対応関係または因果関係を推定することもできる。図5の例で言えば、例えばイベント名「AAAAAA」と「aaaaaa」とに特に関連が無い場合でも、マスタ装置4におけるイベント「AAAAAA」の発生直後にスレーブ装置1〜3のいずれかにおいてイベント「aaaaaa」が発生している場合、マスタ装置4におけるイベント「AAAAAA」の発生(例えば、マスタ装置4側の送信エラー)に起因してスレーブ装置1〜3いずれかにおいてイベント「aaaaaa」(例えば、スレーブ装置1〜3側の受信エラーや実行エラー)が起こっていることを推定することができる。

0070

このように、本実施形態に係るイベントログ収集システム100は、時刻合わせ処理およびイベントログ収集処理を行うことにより、マスタ装置4およびスレーブ装置1〜3の時刻を同基準に合わせた状態でロギングされたイベントログを収集することができる。つまり、イベントログ収集システム100は、より有用なログデータを取得することができるという効果を奏する。
≪時刻合わせ指示およびログ伝送指示の周期≫
なお、本実施形態に係るイベントログ収集システム100において、上記時刻合わせ指示の送信周期は、マスタ装置4とスレーブ装置1〜3との時刻の誤差所定範囲内に収まるように規定されることが望ましい。以下、時刻合わせの許容可能な誤差範囲と、時刻合わせ指示の送信周期の望ましい規定とについて説明する。

0071

マスタ装置4と、運転中のスレーブ装置1〜3との時刻の誤差は、各種イベントログ(スレーブログ131、マスタログ432、および結合ログ541)に記録される時刻の最小単位図3〜5の場合は1秒)より小さいことが望ましい。マスタ装置4とスレーブ装置1〜3との時刻合わせの誤差が各種イベントログに記録される時刻の最小単位より小さい場合、マスタ装置4における上記制御命令の送信イベントの発生時刻と、スレーブ装置1〜3における上記制御命令の実行イベントの発生時刻とが一致することとなる。これにより、結合ログ541において、各イベントの発生の対応関係や因果関係を推測することがより容易になる。

0072

また、マスタ装置4の周期決定部424が決定する時刻合わせ指示の送信周期は、上述した時刻の誤差が常に各種イベントログに記録される時刻の最小単位(図3〜5の場合は1秒)より小さくなるように規定されることが望ましい。具体的には、指示送信部421が各スレーブにおける時刻合わせ処理の実行が1時間に1回より短い周期で行われるように時刻合わせ指示を送信することで、時刻の誤差を概ね1秒以内に収めることができる。

0073

また、指示送信部421は、各スレーブ装置について、通信可能な状態になったタイミングで前記時刻合わせ指示を一度送信し、以降は周期決定部424が決定する送信周期で時刻合わせ指示を送信することが望ましい。これは通信可能な状態になった、すなわちイベントログ収集システム100に新たにスレーブ装置が追加され当該スレーブ装置の運転が開始された場合、早急に時刻合わせを行わないと、スレーブ計時部14の時刻が計時部45の時刻とずれていた場合にマスタログとスレーブログとの対応関係や因果関係が把握しづらくなるからである。各スレーブ装置について、通信可能な状態になったタイミングで前記時刻合わせ指示を一度送信することにより、マスタ装置4と、スレーブ装置との間で時刻がずれている期間を最小限に留めることができる。

0074

さらに、上記時刻合わせ指示の送信周期は、マスタ装置4とスレーブ装置とのトポロジ(接続関係)に応じて決定されてもよい。特に、時刻合わせ指示の送信周期は、スレーブ装置の台数が増加する、またはスレーブ装置の接続構成が複雑になるほど短い周期に設定されることが望ましい。これは、例えばスレーブ装置を何百台も直列に接続した場合や複雑な接続構成とした場合、マスタ装置4が時刻合わせ指示を伝送しても、末端のスレーブ装置に当該指示が到達するまでにフレームが破損するなどのエラーが生じて、正常に時刻合わせが行えない可能性があるからである。

0075

また、上記時刻合わせ指示のタイムスタンプとして付される時刻情報、すなわち、スレーブ装置1〜3において時刻合わせの基準となる時刻は、マスタ装置4とスレーブ装置とのトポロジに応じて補正されてもよい。特に、上記時刻情報は、スレーブ装置の台数が増加する、またはスレーブ装置の接続構成が複雑になるほど、計時部45の計った時刻より遅い時刻に補正されることが望ましい。これは、例えばスレーブ装置を何百台も直列に接続した場合や複雑な接続構成とした場合、マスタ装置4が時刻合わせ指示を伝送しても、末端のスレーブ装置に当該指示が到達するまでにタイムラグが生じる可能性があるからである。計時部45の計った時刻に上記タイムラグに応じた補正を予め加え、補正後の時刻情報をタイムスタンプとして付すことにより、マスタ装置4と、通信の下流(特に末端付近)に位置するスレーブ装置との間での時刻のずれを防止し、より正確な時刻合わせを行うことができる。
〔変形例〕
なお、マスタ装置4はPC5からの指示を受けずにログ伝送指示を所定の周期でスレーブ装置1〜3に送信し、スレーブログを収集しておいても良い。この場合、マスタ装置4のスレーブログ受信部423は取得したスレーブログ131を記憶部43に格納しておき、PC5からログの収集を指示された時に、マスタログ432とともにスレーブログ131をPC5に送信すればよい。さらにこの場合、ログ伝送指示の送信周期は、周期決定部424が、例えば登録構成情報430および実構成情報431から決定してもよい。

0076

ソフトウェアによる実現例〕
スレーブ装置1〜3、マスタ装置4、およびPC5の制御ブロック(特にスレーブ制御部12、制御部42、およびCPU53)は、集積回路ICチップ)等に形成された論理回路ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。

0077

後者の場合、スレーブ装置1〜3、マスタ装置4、およびPC5は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形媒体」、例えば、テープディスクカード半導体メモリプログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体通信ネットワーク放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。

0078

本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。

0079

1、2、3スレーブ装置
4マスタ装置
5 PC(情報処理装置)
11スレーブ通信部
12 スレーブ制御部(時刻情報受信部)
13 スレーブ記憶部
14 スレーブ計時部(計時部)
41 通信部
42 制御部(ログ作成部)
43 記憶部
44マスタ通信部
45 計時部
51 入力部
52 PC通信部
53 CPU(ログ取得部、結合部)
54 PC記憶部
55 表示部
100イベントログ収集システム
121 指示実行部(時刻取得部、時刻調節部)
122 スレーブログ作成部
123 スレーブログ送信部(ログ送信部)
131 スレーブログ(第1イベントログ)
421 指示送信部(時刻調節指示部)
422マスタログ作成部
423 スレーブログ受信部(ログ受信部)
424周期決定部
430登録構成情報
431実構成情報
432 マスタログ(第2イベントログ)
541結合ログ(第3イベントログ)

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