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技術 光学要素の固定構造

出願人 リコーイメージング株式会社
発明者 小暮悠司
出願日 2016年2月25日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-033768
公開日 2017年8月31日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2017-151270
状態 特許登録済
技術分野 レンズ鏡筒
主要キーワード 摩擦低減部材 滑りベアリング 連動バー 先端ネジ 外周回り スラストボールベアリング 円周壁 プラスドライバ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年8月31日)のものです。
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図面 (10)

課題

レンズ鏡筒内装される光学要素の固定位置精度を高めた光学要素の固定構造を提供する。

解決手段

レンズ鏡筒に内装されて第3レンズ筒鏡筒部材)5Cに対して光軸と垂直な方向に偏芯調整可能な第3レンズ群(第3レンズ枠)6Cを、固定ビス締結部材)9により第3レンズ筒に固定する固定構造であり、第3レンズ6Cと固定ビス9の頭部91との間に摩擦力を低減するためのボールベアリング摩擦低減部材)10を備える。固定ビス9を締結する際の回転力がボールベアリング10によって第3レンズ枠6Cに伝達されることが防止でき、第3レンズ筒5Cに対する第3レンズ群L3の固定位置精度が高められる。

概要

背景

カメラボディに一体に設けられたレンズ鏡筒、あるいは交換レンズのようにカメラボディとは独立して設けられたレンズ鏡筒におけるレンズ結像性能を出すために、レンズ又はレンズ群レンズ光軸方向と直交する方向に平行移動させてレンズ光軸位置調整、すなわち偏芯調整を行い、偏芯調整後に当該レンズ又はレンズ群をレンズ鏡筒内に固定する技術が知られている。なお、以降においてレンズ又はレンズ群を含めてレンズ群と称することがある。

特許文献1には、レンズを保持した第1保持部材を第2保持部材に対して光軸方向に固定するために、第1部材に光軸方向の貫通穴を設け、当該貫通穴に内挿した小径ネジを第2部材に螺合させる構造が提案されている。この構造では、貫通穴とネジとの径寸法の差により第1保持部材を第2保持部材に対して偏芯調整でき、その後にネジを締結させることにより第1保持部材を第2保持部材に固定させている。特許文献2は第1と第2のレンズ枠を予め偏芯させておき、両者の相対回動によって偏芯調整を行う技術である。

概要

レンズ鏡筒に内装される光学要素の固定位置精度を高めた光学要素の固定構造を提供する。レンズ鏡筒に内装されて第3レンズ筒鏡筒部材)5Cに対して光軸と垂直な方向に偏芯調整可能な第3レンズ群(第3レンズ枠)6Cを、固定ビス締結部材)9により第3レンズ筒に固定する固定構造であり、第3レンズ6Cと固定ビス9の頭部91との間に摩擦力を低減するためのボールベアリング摩擦低減部材)10を備える。固定ビス9を締結する際の回転力がボールベアリング10によって第3レンズ枠6Cに伝達されることが防止でき、第3レンズ筒5Cに対する第3レンズ群L3の固定位置精度が高められる。 B

目的

本発明の目的は、レンズ鏡筒内におけるレンズ群等の光学要素の固定位置精度を高めた光学要素の固定構造を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

レンズ鏡筒内装され、当該レンズ鏡筒の鏡筒部材に対して相対移動可能な光学要素を当該鏡筒部材に固定する固定構造であって、前記光学要素を前記鏡筒部材に締結させるための締結部材と、前記光学要素と前記締結部材との間に介装され、前記光学要素と前記締結部材との間の摩擦力を低減する摩擦低減部材とを備えることを特徴とする光学要素の固定構造。

請求項2

前記光学要素は前記鏡筒部材に対して前記レンズ鏡筒の筒軸に交差する方向に相対移動でき、前記締結部材は前記レンズ鏡筒の筒軸に沿った方向に締結を行う請求項1に記載の光学要素の固定構造。

請求項3

前記摩擦低減部材は、前記光学要素に対して前記鏡筒部材に向けて締結力を加える前記締結部材の一部と、前記光学要素との間に介装される請求項2に記載の光学要素の固定構造。

請求項4

前記締結部材は前記鏡筒部材に螺合されるネジ部材であり、当該ネジ部材の頭部において前記光学要素が前記鏡筒部材に締結され、当該ネジ部材の頭部と前記光学要素との間に前記摩擦低減部材が介装される請求項3に記載の光学要素の固定構造。

請求項5

前記摩擦低減部材は転がりベアリングである請求項1ないし4のいずれかに記載の光学要素の固定構造。

請求項6

前記摩擦低減部材は、前記ネジ部材の頭部に対向して前記光学要素に形成された環状凹溝と、この環状凹溝に配列状態に内装されたボールとを備え、前記ネジ部材の頭部と前記環状凹溝との間に当該ボールを挟持するボールベアリングとして構成された請求項5に記載の光学要素の固定構造。

請求項7

前記摩擦低減部材は前記筒軸方向に向けられたスラストボールベアリング又はラジアルボールベアリングである請求項5に記載の光学要素の固定構造。

請求項8

前記摩擦低減部材は滑りベアリングである請求項1ないし4のいずれかに記載の光学要素の固定構造。

請求項9

前記摩擦低減部材は表面潤滑性のあるワッシャである請求項8に記載の光学要素の固定構造。

請求項10

レンズ鏡筒に設けられたレンズ筒と、このレンズ筒にレンズ枠を介して固定された光学要素と、前記レンズ枠に開口された挿通穴を通して前記レンズ筒に螺合されて前記レンズ枠を前記レンズ筒に固定する固定ビスを備え、前記固定ビスを緩めたときに前記レンズ枠を前記レンズ筒に対して移動可能とした固定構造であって、前記固定ビスの頭部と前記レンズ枠との間に、当該頭部と当該レンズ枠との接触摩擦力を低減するための摩擦低減手段を備えることを特徴とする光学要素の固定構造。

請求項11

前記挿通穴の内径寸法は前記固定ビスの軸の外径寸法よりも大径で、前記レンズ枠は前記固定ビスの軸部の軸方向と垂直な方向に移動でき、前記固定ビスの頭部は前記挿通穴の内径寸法よりも大径で、当該頭部と前記レンズ枠との間にベアリングが介装されている請求項10に記載の光学要素の固定構造。

技術分野

0001

本発明はレンズ鏡筒内装されるレンズレンズ群等の光学要素レンズ鏡筒内において所定位置に高い精度で固定する技術に関するものである。

背景技術

0002

カメラボディに一体に設けられたレンズ鏡筒、あるいは交換レンズのようにカメラボディとは独立して設けられたレンズ鏡筒におけるレンズの結像性能を出すために、レンズ又はレンズ群をレンズ光軸方向と直交する方向に平行移動させてレンズ光軸位置調整、すなわち偏芯調整を行い、偏芯調整後に当該レンズ又はレンズ群をレンズ鏡筒内に固定する技術が知られている。なお、以降においてレンズ又はレンズ群を含めてレンズ群と称することがある。

0003

特許文献1には、レンズを保持した第1保持部材を第2保持部材に対して光軸方向に固定するために、第1部材に光軸方向の貫通穴を設け、当該貫通穴に内挿した小径ネジを第2部材に螺合させる構造が提案されている。この構造では、貫通穴とネジとの径寸法の差により第1保持部材を第2保持部材に対して偏芯調整でき、その後にネジを締結させることにより第1保持部材を第2保持部材に固定させている。特許文献2は第1と第2のレンズ枠を予め偏芯させておき、両者の相対回動によって偏芯調整を行う技術である。

先行技術

0004

特開2011−112716号公報
特開2003−161868号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1の固定構造では、ネジを締結したときに、ネジ頭部と第1部材との摩擦接触によってネジに加えられる回転モーメント力(回転トルク力)が第1部材に伝達され、第1部材が偏芯調整位置から移動されてしまうことがある。そのため、偏芯調整後における光学要素の固定位置精度、すなわちレンズ鏡筒あるいは光軸に対する光学要素の固定位置の精度が低いという問題がある。特許文献2の構造は、2つのレンズ枠を相対的に偏芯回動する構造のため、両レンズ枠の軸を正確に一致させることが難しい場合もあり、高い精度での偏芯調整を行うことは難しい。

0006

本発明の目的は、レンズ鏡筒内におけるレンズ群等の光学要素の固定位置精度を高めた光学要素の固定構造を提供するものである。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、レンズ鏡筒に内装され、当該レンズ鏡筒の鏡筒部材に対して相対移動可能な光学要素を当該鏡筒部材に固定する固定構造であって、光学要素を鏡筒部材に締結させるための締結部材と、光学要素と締結部材との間に介装され、光学要素と締結部材との間の摩擦力を低減する摩擦低減部材とを備える。本発明は特に、光学要素は鏡筒部材に対してレンズ鏡筒の筒軸に交差する方向に相対移動でき、締結部材はレンズ鏡筒の筒軸に沿った方向に締結を行う固定構造に適用することが好ましい。

0008

本発明において、摩擦低減部材は、光学要素に対して鏡筒部材に向けて締結力を加える締結部材の一部と、光学要素との間に介装される。例えば、締結部材は鏡筒部材に螺合されるネジ部材であり、当該ネジ部材の頭部において光学要素を鏡筒部材に締結させ、当該ネジ部材の頭部と光学要素との間に摩擦低減部材が介装される。

0009

本発明における摩擦低減部材として転がりベアリングが適用できる。例えば、ネジ部材の頭部に対向して光学要素に形成された環状凹溝と、この環状凹溝に配列状態に内装されたボールとを備え、ネジ部材の頭部と環状凹溝との間に当該ボールを挟持するボールベアリングとして構成される。あるいは、摩擦低減部材は筒軸方向を基準にしたスラストボールベアリング又はラジアルボールベアリングで構成される。また、本発明における摩擦低減部材は滑りベアリングであってもよい。例えば、表面潤滑性のあるワッシャで構成される。

発明の効果

0010

本発明の固定構造によれば、光学要素を締結するために締結部材が回転操作されたときに、締結部材と光学要素との間に介装された摩擦低減部材によって締結部材と光学要素との接触による摩擦力が低減され、締結部材に加えられる回転力が光学要素に伝達されなくなる。これにより、光学要素が所定位置から移動されることが防止でき、光学要素の固定位置精度を高くすることができる。

図面の簡単な説明

0011

本発明の固定構造を備えたレンズ鏡筒の断面図。
実施形態1の固定構造の部分分解斜視図
(a)は実施形態1の一部を拡大した部分分解斜視図、(b)は一部の拡大断面図。
実施形態2の固定構造の部分分解斜視図
実施形態2の一部の拡大断面図。
実施形態3の固定構造の部分分解斜視図
実施形態3の一部の拡大断面図。
実施形態4の固定構造の部分分解斜視図
実施形態4の一部の拡大断面図。

実施例

0012

次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の固定構造を備えたズームレンズ鏡筒無限遠焦点位置での光軸Lx(レンズ鏡筒の筒軸と同じ)に沿った縦断面図の上半分を示している。このズームレンズ鏡筒は、第1ないし第3の各レンズ群L1〜L3で構成されており、本発明の固定構造は第3レンズ群に適用されている。なお、各レンズ群L1〜L3はそれぞれ単体レンズであってもよく、図1では簡略化のために単体レンズで図示している。これらのレンズ群L1〜L3は、後述するそれぞれのレンズ筒やレンズ枠を含めて本発明の光学要素を構成している。

0013

図1において、レンズ鏡筒は、一体的に連結された第1固定筒1Aと第2固定筒1Bと第3固定筒1Cを有しており、第3固定筒1Cの背面には図示されないカメラボディに装着されるマウント部1Dを備えている。第2固定筒1Bの外周にはズーミング焦点距離を変更)するためのズーム操作リングZRが配設され、第2固定筒の前端側(レンズ鏡筒の被写体側)にフォーカシング(焦点合わせ)を行うためのフォーカス操作リングFRが配設支持され、それぞれ撮影者手操作で回転操作可能に構成されている。これらの操作リングZR,FRはモータによって回転操作されるようにしてもよい。

0014

前記第1固定筒1Aの外周には第1カム筒2Aが嵌装されており、前記ズーム操作リングZRの内径側一部に連結されたズーム連動バー3に係合されている。このズーム連動バー3は前記第2固定筒1Bに設けられた光軸回り方向の溝を貫通されており、ズーム操作リングZRと一体に光軸回りに回転されたときに、前記第1カム筒2Aをズーム操作リングZRと共に光軸回りに回転させる。

0015

前記第1固定筒1Aには光軸方向に延びるガイド溝1aが形成されている。一方、前記第1カム筒2Aには、それぞれ所要形状をした第1カム溝2aと第2カム溝2bが形成されている。これらのガイド溝1a及び第1と第2のカム溝2a,2bには、後述する第2レンズ筒5Bと第3レンズ筒5Cにそれぞれ設けられたカムピンが係合されるが、この点については後述する。

0016

前記フォーカス操作リングFRの内周にはフォーカス筒4が一体に形成されており、フォーカス操作リングFRと共に光軸回りに回転操作される。このフォーカス筒4の内径位置には第2カム筒2Bが配設されており、前記第1カム筒2Aに連結されている。これにより、第2カム筒2Bは第1カム筒2Aと一体に光軸回りに回転される。

0017

この第2カム筒2Bと前記フォーカス筒4との径方向の間には第1レンズ筒5Aが介装されている。この第1レンズ筒5Aの前端部には前記第1レンズ群L1が第1レンズ枠6Aによって固定されている。この第1レンズ筒5Aの後端部には内径方向に向けてカムピン5aが設けられ、このカムピン5aは前記第2カム筒2Bに形成されているカム溝2cに係合されている。また、前記第1レンズ筒5Aには光軸方向に延びるガイド溝5bが設けられており、このガイド溝5bには前記第1固定筒1Aの前端部に外径方向に向けて突出されたガイドピン1bが係合されている。このカムピン5aとカム溝2cの係合により、第1レンズ筒5A、すなわち第1レンズ群L1は第2カム筒2Bの回転に伴って光軸方向に移動される。このとき、第1レンズ群L1はガイドピン1bとガイド溝5bとによって光軸回りに回転されることはない。

0018

前記第1固定筒1Aの内径位置には、外周面に第3カム筒2Cが嵌合された第2レンズ筒5Bが配設されている。これら第3カム筒2Cと第2レンズ筒5Bは前端部での環状溝係合によって光軸方向には一体であるが、光軸回りには相対回動が可能とされている。前記第3カム筒2Cにはカム溝2dが形成され、前記第2レンズ筒5Bには光軸方向に延びるガイド溝5cが形成されている。また、前記第2レンズ筒5Bの後端部には外径方向にカムピン5dが突出されており、このカムピン5dは前記第1固定筒1Aのガイド溝1aを通して前記第1カム筒2Aに設けられた第1カム溝2aに係合されている。

0019

前記第3カム筒2Cには前記第1カム筒2Aと前記第2カム筒2Bの径方向の間隙を通って後方にまで延在されたフォーカス連動バー7の前端部が連結されている。このフォーカス連動バー7の後端部は前記フォーカス筒4に設けた嵌合穴を光軸方向に挿通されている。このフォーカス連動レバー7により、第3カム筒2Cはフォーカス筒4に対して光軸方向には相対移動可能であるが、フォーカス筒4の光軸回りの回転に伴って、これと一体に回転される。

0020

前記第2レンズ筒5Bの内部には、第2レンズL2を固定した第2レンズ枠6Bが内装されている。この第2レンズ枠6Bには外径方向に向けてガイドピン6aが突出されており、このガイドピン6aは前記第2レンズ筒5Bのガイド溝5cを通して前記第3カム筒2Cのカム溝2dに係合されている。

0021

前記第2レンズ群L2の後方で前記第1固定筒1Aの内部には、第3レンズ筒5Cが内装されている。この第3レンズ筒5Cには外径方向にカムピン5eが突出されており、このカムピン5eは前記第1固定筒1Aのガイド溝1aを通して前記第1カム筒2Aに設けられた第2カム溝2bに係合されている。この第3レンズ筒5Cには、絞り機構8が固定されている。この絞り機構8の構成は本発明との関連が少ないので詳細な説明は省略する。

0022

前記第3レンズ筒5Cの後端面には、第3レンズ群L3の第3レンズ枠6Cが固定されている。この第3レンズ枠6Cは、第3レンズ群L3の光軸位置合せ、すなわち偏芯調整が行われた後に第3レンズ筒5Cに対して固定ビス9により固定されるようになっており、この固定する構造に本発明の固定構造が適用されている。この固定構造の詳細については後述する。

0023

図1に示したレンズ鏡筒によれば、ズーム操作リングZRが回転操作されると、ズーム連動バー3を介して第1カム筒2Aが回転され、これに連結されている第2カム筒2Bが回転される。第1カム筒2Aの回転により、第1カム溝2aと第2カム溝2bにおけるカムピン5d,5eとの係合によって第2レンズ筒5Bと第3レンズ筒5Cがそれぞれ光軸方向に移動される。これにより、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3がそれぞれ光軸方向に移動される。

0024

また、第2カム筒2Bの回転により、そのカム溝2cに係合されているカムピン5aによって第1レンズ筒5Aが光軸方向に移動され、これと一体に第1レンズ群L1が光軸方向に移動される。したがって、これら第1ないし第3レンズ群L1〜L3の光軸移動により焦点距離が変化され、ズーミングが行われる。

0025

一方、フォーカス操作リングFRが回転操作されると、フォーカス連動バー7を介して第3カム筒2Cが第2レンズ筒5Bの外周回りに回転される。この第3カム2Cのカム溝2dと第2レンズ枠6Bのカムピン6aとの係合により、当該第2レンズ枠6B、すなわち第2レンズ群L2が光軸方向に移動される。これにより、レンズ鏡筒におけるフォーカシングが行われる。

0026

以上の構成のレンズ鏡筒を組み立てる際、特に、第3レンズ群L3をレンズ鏡筒内に組み付ける際には、先に組み付けられている第1レンズ群L1と第2レンズ群L2に対し、第3レンズ群L3を光軸方向と直交する方向に平行移動させてレンズ光軸の位置調整、すなわち偏芯調整を行い、この偏芯調整後に当該第3レンズ群L3の第3レンズ枠6Cを第3レンズ筒5Cに固定する手順がとられている。

0027

図2Aは第3レンズ筒5Cに対して第3レンズ枠6Cを固定するための固定構造、換言すれば本発明にかかる固定構造の実施形態1の部分分解斜視図である。前記第3レンズ筒5Cは概ね短円筒容器状に形成されており、その円周壁の外面には円周方向の3箇所にネジ穴51が開口され、各ネジ穴51に前記カムピン5eが径方向に螺合されている。また、第3レンズ筒5Cの後面の光軸を含んで開口された円形レンズ窓52の周囲領域はレンズ固定座53として構成されており、円周方向に複数個、ここでは4個の固定ビス穴54が光軸方向に開口されている。

0028

前記第3レンズ群L3を固定している前記第3レンズ枠6Cは円環状の部材で形成されており、その円周方向の4箇所、すなわち前記固定ビス穴54に対応する箇所にはそれぞれ光軸方向に固定ビス挿通穴61が貫通形成されている。また、前記第3レンズ枠6Cの後面の各固定ビス挿通穴を囲む領域には、当該固定ビス挿通穴61を囲むように同心配置された円形の環状凹溝62が形成されている。

0029

図2Bは1つの固定ビスにおける固定構造の拡大図であり、(a)はその一部の分解斜視図、(b)は断面図である。前記環状凹溝62は、第3レンズ枠6Cの軸方向の断面形状が三角形ここでは直角三角形凹溝として形成されている。前記各環状凹溝62にはそれぞれ複数個のボール63が円周方向に配列した状態で内装されている。これら第3レンズ枠6Cとボール63は、例えば金属で形成されている。その上で、各固定ビス挿通穴61にはそれぞれ第3レンズ枠6Cの後面側から前記固定ビス9が挿通され、当該固定ビス9の軸部92の先端ネジが第3レンズ筒5cの固定ビス穴54に螺合される。これにより、第3レンズ枠6Cは固定ビス9によって第3レンズ筒5Cの固定座53に対して締結される。

0030

ここで、前記第3レンズ枠6Cに設けられた固定ビス挿通穴61の内径寸法は、前記固定ビス9の軸部92の径寸法よりも大きくされている。また、前記固定ビス9の頭部91は前記環状凹溝62の径寸法よりも大きい外径寸法に形成されており、その外面にはプラス溝が形成され、反対の軸部側に向けられた内面平坦面に形成されている。そして、固定ビス9を締結して第3レンズ枠6Cを第3レンズ筒5Cに固定したときには、固定ビス9の頭部91の内面はボール63の球面の一部に当接された状態とされる。

0031

したがって、これら固定ビス9と、第3レンズ枠6Cと、環状凹溝62に内装されたボール63とで転がりベアリング10が構成されることになる。すなわち、固定ビス9の頭部91を前盤とし、第3レンズ枠6Cを後盤とし、保持部材としての環状凹溝62に保持されたボール63とで光軸方向に沿ったスラスト構造の転がりベアリング(玉軸受転がり軸受)10が構成されることになる。この転がりベアリング10は、固定ビス9と第3レンズ枠6Cとの間に挟持されているボール63の転動によって固定ビス9と第3レンズ枠6Cの締結部での接触摩擦力を低減するための摩擦低減部材となる。

0032

この固定構造によれば、固定ビス9の締結が完全ではない状態では、固定ビス挿通穴61の内径寸法と固定ビス9の軸部92の径寸法との寸法差だけ、第3レンズ枠6Cを第3レンズ筒5Cに対して固定座53の表面に沿って、すなわち光軸方向と垂直な方向Rに移動させることが可能である。したがって、この状態で第3レンズ枠6Cを第3レンズ筒5Cに対して偏芯調整することができる。

0033

次いで、偏芯調整した後に固定ビス9で第3レンズ枠6Cを第3レンズ筒5Cに締結する。締結に際しては、プラスドライバ等の工具を固定ビス9の頭部91に設けられたプラス溝に嵌合して軸回りに回転操作すればよい。この回転操作により、固定ビス9による第3レンズ筒5Cに対する第3レンズ枠6Cの締結力が増大されて行く。このとき、固定ビス9の頭部91の内面が第3レンズ枠6Cの後面に接触していると、この接触による摩擦力によって固定ビス9に加えられる回転力が固定ビス9の頭部91から第3レンズ6C枠の後面に伝達され、第3レンズ枠6Cに対して回転モーメントを発生させる状況となる。この回転モーメントによって第3レンズ枠6Cは第3レンズ筒5Cに対する偏芯調整位置から移動されてしまうことになる。

0034

この実施形態1では、固定ビス9の頭部91と第3レンズ枠6Cの後面との間に、環状凹溝62内に円周配設されているボール63が介在されており、したがって固定ビス9と第3レンズ枠6Cとの間に摩擦低減部材としての転がりベアリング10が介在されている。そのため、固定ビス9が回転操作されたときに、転がりベアリング10でのボール63の転動によって固定ビス9の頭部91と第3レンズ枠6Cの後面との接触による摩擦力が低減され、固定ビス9に加えられる回転力が第3レンズ枠6Cに伝達されなくなる。これにより、第3レンズ枠6Cが第3レンズ筒5Cに対して偏芯調整位置から移動されることが防止でき、第3レンズ群6Cの固定位置精度、すなわちレンズ鏡筒あるいは光軸に対する第3レンズ群6Cの固定位置の精度を高くすることができる。

0035

固定ビス9を所定の力以上に締結すると、環状凹溝62内のボール63は固定ビス9の頭部91の内面と、環状凹溝62の内面との間に挟持された状態で各内面に圧接された状態となるので、固定ビス9の頭部91と第3レンズ枠6Cとの間の摩擦力は増大し、この状態ではボール63は環状凹溝62内で転動されなくなる。これにより、固定ビス9により第3レンズ枠6Cを第3レンズ筒5Cに対して安定な位置に固定することができる。なお、固定ビス9の締結を緩めることにより、第3レンズ枠6Cを第3レンズ筒5Cに対して相対移動させ、再度の偏芯調整が可能であることは言うまでもない。

0036

実施形態1では、固定構造を構成している摩擦低減部材としての転がりベアリング10が、第3レンズ枠6Cに設けられた環状凹溝62と、この環状凹溝62に内装された複数のボール63とで構成されているので、構成部品点数が少なくて済む。その一方で、第3レンズ群L3の組み付け時には、環状凹溝62に複数個のボール63を内装し、かつボール63が脱落しないように固定ビス9を締結する必要があり、作業性の点で改善の余地がある。

0037

図3Aは実施形態2の固定構造の分解斜視図であり、スラストボールベアリングとして構成されている。この実施形態2では、第3レンズ枠6Cの後面の、各固定ビス挿通穴61を含む領域に円形凹部64が形成され、この円形凹部64内に摩擦低減部材としてアッセンブリされたボールベアリング10Aが配設されている。固定ビス9はこのボールベアリング10A及び固定ビス挿通穴61を挿通され、第3レンズ筒5Cの固定ビス穴54に螺合されており、当該ボールベアリング10Aを介して第3レンズ枠6Cを第3レンズ筒5Cに締結している。

0038

図3Bは1つの固定ビスを含む部位の拡大断面図である。ボールベアリング10Aは、略同じ円環板状に形成された前盤11及び後盤12と、これら前盤11と後盤12との間に保持部材(図示せず)によって円周方向に配列保持された複数のボール13とで構成されており、前盤11と後盤12との間にこれらボール13を転動可能な状態で光軸方向に挟持したスラスト構造のボールベアリングとして構成されている。前盤11と後盤12は、図には表れない保持機構によって互いに分離されることがない構造とされており、これにより当該ボールベアリング10Aは個別部品として取り扱うことが可能とされている。

0039

この実施形態2では、固定ビス9が緩められているときには、固定ビス9の頭部91に対して第3レンズ枠6Cはボールベアリング10Aと共に第3レンズ筒5Cに対して相対移動でき、偏芯調整が可能である。偏芯調整後に固定ビス9を固定する際には、固定ビス9に加えられる回転力によってボールベアリング10Aの前盤11は回転されるが、ボール13の転動によって後盤12が回転されることはなく、第3レンズ枠6Cでの回転モーメントの発生が防止できる。これにより、偏芯調整後の第3レンズ枠6Cの位置が移動されることが防止される。固定ビス9を締結したときには、固定ビス9の頭部91と前盤11との間の摩擦力及び後盤12と第3レンズ枠6Cとの間の摩擦力によって第3レンズ枠6Cの固定位置が安定に保持される。

0040

実施形態1及び2のベアリングは、いずれも光軸方向に沿ったスラスト構造のボールベアリングとして構成されているので、固定ビス9の締結力がボール63,13に加えられ、ボール63,13の円滑な転動に影響を与えることが考えられる。これに対し、次の実施形態3の固定構造が考えられる。

0041

図4Aは実施形態3の固定構造の分解斜視図であり、ラジアルボールベアリングとして構成されている。この実施形態3では、実施形態2と同様に、第3レンズ枠6Cの後面の、各固定ビス挿通穴61を含む領域に円形凹部64が形成され、この円形凹部64内に摩擦低減部材としてアッセンブリされたボールベアリング10Bが配設されている。固定ビス9はこのボールベアリング10B及び固定ビス挿通穴61を挿通され、第3レンズ筒5Cの固定ビス穴54に螺合されており、当該ボールベアリング10Bを介して第3レンズ枠6Cを第3レンズ筒5Cに締結している。

0042

図4Bは実施形態3の1つの固定ビスを含む部位の拡大断面図である。ボールベアリング10Bは、前記円形凹部64の内径に略等しい外径の短円筒状をした外輪14と、それよりも小径の短円筒状をした内輪15と、これら外輪14と内輪15との径方向の間に保持部材(図示せず)によって円周方向に配列保持された複数のボール16とで構成されたラジアル構造のボールベアリングとして構成されている。外輪14と内輪15は、図には表れない保持機構によって互いに分離されることがない構造とされており、これにより当該ボールベアリング10Bは個別部品として取り扱うことが可能とされている。

0043

この実施形態3では、固定ビス9の頭部91はボールベアリング10Bの外輪14の内径よりも小さい径寸法に形成されている。ここでは内輪15の外径にほぼ等しい径寸法とされている。固定ビス9が緩められているときには、固定ビス9の頭部91に対して第3レンズ枠6Cはボールベアリング10Bと共に第3レンズ筒5Cに対して相対移動でき、偏芯調整が可能である。偏芯調整後に固定ビス9を固定する際には、固定ビス9に加えられる回転力によってボールベアリング10Bの内輪15は回転されるが、ボール16の転動によって外輪14が回転されることはなく、第3レンズ枠6Cでの回転モーメントの発生が防止できる。これにより、偏芯調整後の第3レンズ枠6Cの位置が移動されることが防止される。固定ビス9を締結したときには、固定ビス9の頭部91と内輪15との間の摩擦力及び内輪15と第3レンズ枠6Cとの間の摩擦力によって第3レンズ枠6Cの固定位置が安定に保持される。

0044

実施形態1〜3は摩擦低減部材として転がりベアリングとしてのボールベアリングを適用したが、摩擦低減部材は滑りベアリングで構成してもよい。図5Aは実施形態4の固定構造の分解斜視図である。この実施形態4では、実施形態2,3と同様に第3レンズ枠6Cの後面の、各固定ビス挿通穴61を含む領域に円形凹部64が形成され、この円形凹部64内に滑りベアリング10Cが配設されている。固定ビス9はこの滑りベアリング10C及び固定ビス挿通穴61を挿通され、第3レンズ筒5Cの固定ビス穴54に螺合されており、当該滑りベアリング10Cを介して第3レンズ枠6Cを第3レンズ筒5Cに締結している。

0045

図5Bは実施形態4の1つの固定ビスを含む部位の拡大断面図であり、滑りベアリング(滑りワッシャ)として構成されている。滑りベアリング10Cは表面潤滑性のある樹脂部材によって短円環状をしたワッシャとして形成されている。この滑りベアリング10Cの外径寸法は前記円形凹部64の内径寸法に等しく、内径寸法は前記固定ビス挿通穴61の内径寸法に等しく、あるいはそれよりも大きな内径寸法に形成されている。

0046

この実施形態4では、固定ビス9の締結力が所定の力以下のときには、固定ビス9の頭部91と滑りベアリング10Cの後面との間に滑りが生じ、第3レンズ筒5Cに対して第3レンズ枠6Cは滑りベアリング10Cと共に第3レンズ筒5Cに対して相対移動でき、偏芯調整が可能である。偏芯調整後に固定ビス9を固定する際には、固定ビス9に回転力が加えられても固定ビス9の頭部91は滑りベアリング10Cの後面に対して滑り、当該回転力による第3レンズ枠6Cにおける回転モーメントの発生が防止できる。これにより、偏芯調整後の第3レンズ枠6Cの位置が移動されることが防止される。固定ビス9の締結力が所定の力を越えた状態のときには、固定ビス9の頭部91と滑りベアリングの摩擦力及び滑りベアリング10Cと第3レンズ枠6Cとの摩擦力が増大され、滑りが生じなくなるため、滑りベアリング及び第3レンズ枠の固定位置が安定に保持される。

0047

本発明にかかる摩擦低減部材としてのベアリングは、実施形態1〜4に例示した構造に限られるものではない。例えば、ボールに代えて円柱状あるいは円錐型をしたコロ転動体としたベアリングであってもよい。あるいは、実施形態2のボールに代えて前盤と後盤の間に潤滑性のある円盤部材を介在させた滑りベアリング、あるいは実施形態3のボールに代えて外輪と内輪の間に潤滑性のある環状部材輪部材)を介在させた滑りベアリングとして構成してもよい。

0048

前記実施形態1〜4では、本発明をレンズ鏡筒内に偏芯調整されて固定されるレンズ群の固定構造に適用しているが、レンズ鏡筒の筒軸、すなわち光軸に対して所定の位置決め状態で固定することが要求される絞り機構、シャッター機構等の固定構造に適用してもよい。

0049

L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
ZRズーム操作リング
FRフォーカス操作リング
1A 第1固定筒
1B 第2固定筒
1C 第3固定筒
1Dマウント部
2A 第1カム筒
2B 第2カム筒
2C 第3カム筒
3ズーム連動バー
4フォーカス筒
5A 第1レンズ筒
5B 第2レンズ筒
5C 第3レンズ筒
6A 第1レンズ枠
6B 第2レンズ枠
6C 第3レンズ枠(光学要素)
7フォーカス連動バー
8絞り機構
9固定ビス(締結部材)
10 転がりベアリング(摩擦低減部材)
10A,10Bボールベアリング(摩擦低減部材)
10C滑りベアリング(摩擦低減部材)

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