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技術 群遅延時間差測定方法及び群遅延時間差測定装置

出願人 株式会社フジクラ国立大学法人島根大学
発明者 丸山遼伊藤文彦
出願日 2016年2月26日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2016-036232
公開日 2017年8月31日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2017-151058
状態 特許登録済
技術分野 光学装置、光ファイバーの試験
主要キーワード 参照光ファイバ 変調範囲 周波数揺らぎ 群遅延時間τ 複数モード 周波数変調幅 位相揺らぎ バランス型
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年8月31日)のものです。
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図面 (3)

課題

参照光ファイバを用いなくても高い時間分解能群遅延時間差を測定できる方法及び装置を提供する。

解決手段

周波数線形変調されたプローブ光の一部をマルチモードファイバ入射してマルチモードファイバを通過したプローブ光と光パルスとの干渉信号を測定し、マルチモードファイバに入射されないプローブ光の他の一部と光パルスとの干渉信号を測定し、これらの干渉信号の積のスペクトルを求めることによってマルチモードファイバの伝搬モード群遅延時間解析する。

概要

背景

近年、光ファイバを用いた光通信において、LP01モード(基本モード)の光に情報を重畳させると共に、LP11モード等の基本モードよりも高次LPモードの光にも情報を重畳させて情報通信を行う多モード通信の研究が進められている。このような多モード通信に用いられるマルチモードファイバでは、コア伝搬する各モードの光の伝達時間に差が生じることがある。この時間差、すなわち群遅延時間差が大きくなると伝送される信号の品質が低下する。そのため、群遅延時間差は、光伝送システムの設計上、重要なパラメータとなる。従って、群遅延時間差を精密に測定する方法が求められている。

群遅延時間差を測定する簡単な方法としては、光パルスによって複数モードの光を励起し、所定の地点までの各モードの光の到達時間の差を測定することが考えられる。しかし、このような方法では、多くの場合、時間分解能受光素子の速度によって制約される。

そこで、受光素子の速度の制約を受けない群遅延時間差の測定方法として、下記非特許文献1に記載の方法がある。非特許文献1に記載の方法では、線形周波数変調されたプローブ光を利用する。まず、測定対象であるマルチモードファイバにプローブ光を入力し、それと同時に当該マルチモードファイバとほぼ同じ長さを有する参照光ファイバにも同様の光を入力し、双方に光を伝搬させる。そして、マルチモードファイバを通過したプローブ光と参照光ファイバを通過した参照光とを干渉させて干渉信号を検出する。このような方法によって、ps(ピコ秒)レベル分解能と80dB以上のダイナミックレンジとで複数のモード間の群遅延時間差を測定することができる。

概要

参照光ファイバを用いなくても高い時間分解能で群遅延時間差を測定できる方法及び装置を提供する。周波数が線形に変調されたプローブ光の一部をマルチモードファイバに入射してマルチモードファイバを通過したプローブ光と光パルスとの干渉信号を測定し、マルチモードファイバに入射されないプローブ光の他の一部と光パルスとの干渉信号を測定し、これらの干渉信号の積のスペクトルを求めることによってマルチモードファイバの伝搬モード群遅延時間解析する。

目的

本発明は、参照光ファイバを用いなくても高い時間分解能で群遅延時間差を測定できる群遅延時間差測定方法及び群遅延時間差測定装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

周波数線形変調されたプローブ光の一部をマルチモードファイバ入射させ、前記マルチモードファイバを通過した前記プローブ光と光パルスとの干渉信号を測定する第1測定工程と、前記マルチモードファイバに入射されない前記プローブ光の他の一部と光パルスとの干渉信号を測定する第2測定工程と、前記第1測定工程で測定される前記干渉信号と前記第2測定工程で測定される前記干渉信号との積のスペクトルを求めることによって前記マルチモードファイバの伝搬モード群遅延時間差解析する解析工程と、を備えることを特徴とする群遅延時間差測定方法

請求項2

周波数が線形に変調されたプローブ光を発振する波長可変レーザと、光パルスを発振する第1パルスレーザと、前記プローブ光のうちマルチモードファイバを透過した光と前記第1パルスレーザから発振された前記光パルスとの干渉信号を測定する第1測定手段と、光パルスを発振する第2パルスレーザと、前記プローブ光のうち前記マルチモードファイバに入射されない光と前記第2パルスレーザから発振された前記光パルスとの干渉信号を測定する第2測定手段と、前記第1測定手段で測定される前記干渉信号と前記第2測定手段で測定される前記干渉信号との積のスペクトルから前記マルチモードファイバの伝搬モードの群遅延時間差を解析する解析手段と、を備えることを特徴とする群遅延時間差測定装置

技術分野

0001

本発明は、複数の伝搬モードを有するマルチモードファイバ群遅延時間差を測定する方法及び装置に関する。

背景技術

0002

近年、光ファイバを用いた光通信において、LP01モード(基本モード)の光に情報を重畳させると共に、LP11モード等の基本モードよりも高次LPモードの光にも情報を重畳させて情報通信を行う多モード通信の研究が進められている。このような多モード通信に用いられるマルチモードファイバでは、コア伝搬する各モードの光の伝達時間に差が生じることがある。この時間差、すなわち群遅延時間差が大きくなると伝送される信号の品質が低下する。そのため、群遅延時間差は、光伝送システムの設計上、重要なパラメータとなる。従って、群遅延時間差を精密に測定する方法が求められている。

0003

群遅延時間差を測定する簡単な方法としては、光パルスによって複数モードの光を励起し、所定の地点までの各モードの光の到達時間の差を測定することが考えられる。しかし、このような方法では、多くの場合、時間分解能受光素子の速度によって制約される。

0004

そこで、受光素子の速度の制約を受けない群遅延時間差の測定方法として、下記非特許文献1に記載の方法がある。非特許文献1に記載の方法では、線形周波数変調されたプローブ光を利用する。まず、測定対象であるマルチモードファイバにプローブ光を入力し、それと同時に当該マルチモードファイバとほぼ同じ長さを有する参照光ファイバにも同様の光を入力し、双方に光を伝搬させる。そして、マルチモードファイバを通過したプローブ光と参照光ファイバを通過した参照光とを干渉させて干渉信号を検出する。このような方法によって、ps(ピコ秒)レベル分解能と80dB以上のダイナミックレンジとで複数のモード間の群遅延時間差を測定することができる。

先行技術

0005

N.K.Fontain, et al., Conference on Optical Fiber Communication and the National Fiber Optic Engineers Conference(OFC2013), paper OW1K.2

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、上記非特許文献1に記載の方法では、測定対象であるマルチモードファイバと同じ長さの参照光ファイバを必要とする。従って、例えば、既設のマルチモードファイバの群遅延時間差を測定する場合、上記非特許文献1に記載の方法を利用しにくいことがある。

0007

そこで、本発明は、参照光ファイバを用いなくても高い時間分解能で群遅延時間差を測定できる群遅延時間差測定方法及び群遅延時間差測定装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

かかる課題を解決するため本発明の群遅延時間差測定方法は、周波数が線形に変調されたプローブ光の一部をマルチモードファイバに入射させ、前記マルチモードファイバを通過した前記プローブ光と光パルスとの干渉信号を測定する第1測定工程と、前記マルチモードファイバに入射されない前記プローブ光の他の一部と光パルスとの干渉信号を測定する第2測定工程と、前記第1測定工程で測定される前記干渉信号と前記第2測定工程で測定される前記干渉信号との積のスペクトルを求めることによって前記マルチモードファイバの伝搬モードの群遅延時間差を解析する解析工程と、を備えることを特徴とする。

0009

また、本発明の群遅延時間差測定装置は、周波数が線形に変調されたプローブ光を発振する波長可変レーザと、光パルスを発振する第1パルスレーザと、前記プローブ光のうちマルチモードファイバを透過した光と前記第1パルスレーザから発振された前記光パルスとの干渉信号を測定する第1測定手段と、光パルスを発振する第2パルスレーザと、前記プローブ光のうち前記マルチモードファイバに入射されない光と前記第2パルスレーザから発振された前記光パルスとの干渉信号を測定する第2測定手段と、前記第1測定手段で測定される前記干渉信号と前記第2測定手段で測定される前記干渉信号との積のスペクトルから前記マルチモードファイバの伝搬モードの群遅延時間差を解析する解析手段と、を備えることを特徴とする。

0010

上記群遅延時間差測定方法及び群遅延時間差測定装置によれば、参照光ファイバを必要とせずに測定対象であるマルチモードファイバの群遅延時間差を高い時間分解能で測定することができる。また、マルチモードファイバに入射されるプローブ光として連続光を用いるので、短パルス光をプローブ光とする場合と比較して、測定対象であるマルチモードファイバへの入力を大きくすることができる。これにより、測定結果のダイナミックレンジを大きくすることができる。また、プローブ光として連続光を用いることによって、連続的に存在する光信号エネルギーを測定に利用できるため、高い受信感度を達成することができる。この観点からも、測定結果のダイナミックレンジを大きくすることができる。このように、上記群遅延時間差測定方法及び群遅延時間差測定装置によれば、参照光ファイバを用いなくても、高い時間分解能と優れたダイナミックレンジで群遅延時間差を測定することができる。

発明の効果

0011

以上のように本発明によれば、参照光ファイバを用いなくても高い時間分解能で群遅延時間差を測定できる方法及び装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0012

実施形態にかかる群遅延時間差測定装置の構成を概略的に示す図である。
図1に示す群遅延時間差測定装置を用いた群遅延時間差測定方法の工程を示すフローチャートである。

実施例

0013

以下、本発明にかかる群遅延時間差測定装置の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。

0014

<群遅延時間差測定装置>
図1は実施形態にかかる群遅延時間差測定装置の構成を概略的に示す図である。図1に示す群遅延時間差測定装置1は、マルチモードファイバ10の群遅延時間差を測定する装置である。群遅延時間差測定装置1は、波長可変レーザ11、ハーフミラー12、第1パルスレーザ13、第1光90度ハイブリッド14、フォトディテクタ(PD)15、フォトディテクタ(PD)16、第1デジタイザ17、第2パルスレーザ23、第2光90度ハイブリッド24、フォトディテクタ(PD)25、フォトディテクタ(PD)26、第2デジタイザ27、及び解析手段30を主な構成要素として備える。

0015

測定対象であるマルチモードファイバ10は、それぞれのコアが複数の伝搬モードを有する光ファイバである。マルチモードファイバ10は、コアに複数モードの光が伝搬可能に構成されていればよく、伝搬される光のモードの数は特に限定されない。

0016

波長可変レーザ11は、プローブ光を発振する。当該プローブ光は、周波数が線形に変調された連続光である。ここで、「周波数が線形に変調」とは、時間に応じて周波数が徐々に高くされる又は低くされることを意味する。このような波長可変レーザ11としては、例えば、市販の外部共振器付きの半導体レーザ等を用いることができる。

0017

ハーフミラー12は、波長可変レーザ11から発振されるプローブ光の一部をマルチモードファイバ10側に透過させると共に他の一部を第2光90度ハイブリッド24側に反射させる。波長可変レーザ11から発振されてハーフミラー12を透過するプローブ光は、マルチモードファイバ10の一端に入射する。また、ハーフミラー12に反射されるプローブ光は、マルチモードファイバ10には入射せずに第2光90度ハイブリッド24に入射する。

0018

第1パルスレーザ13は、周期的に光パルスを発振する。このような第1パルスレーザ13としては、例えば、希土類を添加した光ファイバ増幅媒体を利用したモードロックファイバレーザ等を用いることができる。

0019

第1光90度ハイブリッド14、フォトディテクタ15、フォトディテクタ16及び第1デジタイザ17は、マルチモードファイバ10を透過したプローブ光と第1パルスレーザ13から発振された光パルスとの干渉信号を測定する第1測定手段を構成する。波長可変レーザ11から発振されたプローブ光のうちマルチモードファイバ10を透過した光と第1パルスレーザ13から発振された光パルスとの干渉信号が第1光90度ハイブリッド14によって観察される。第1光90度ハイブリッド14からの2つの出力光は、フォトディテクタ15及びフォトディテクタ16によって電気信号に変換され、これらの干渉信号は第1デジタイザ17によってデジタル化されて解析手段30へと送られる。フォトディテクタ15及びフォトディテクタ16としては、バランス型フォトディテクタが用いられる。

0020

第2パルスレーザ23は、第1パルスレーザ13と同様であるため、説明を省略する。

0021

第2光90度ハイブリッド24、フォトディテクタ25、フォトディテクタ26及び第2デジタイザ27は、波長可変レーザ11から発振されたプローブ光のうちマルチモードファイバ10に入射されない光と第2パルスレーザ23から発振された光パルスとの干渉信号を測定する第2測定手段を構成する。波長可変レーザ11から発振されたプローブ光のうちマルチモードファイバ10に入射されない光と第2パルスレーザ23から発振された光パルスとの干渉信号が第2光90度ハイブリッド24によって観察される。第2光90度ハイブリッド24からの2つの出力光は、フォトディテクタ25及びフォトディテクタ26によって電気信号に変換され、これらの干渉信号は第2デジタイザ27によってデジタル化されて解析手段30へと送られる。第2光90度ハイブリッド24は上記第1光90度ハイブリッド14と、フォトディテクタ25及びフォトディテクタ26は上記フォトディテクタ15及びフォトディテクタ16と、第2デジタイザ27は上記第1デジタイザ17と、それぞれ同様の構成である。

0022

解析手段30は、第1測定手段で測定された干渉信号と第2測定手段で測定された干渉信号との積のスペクトルからマルチモードファイバ10の伝搬モードの群遅延時間を解析する。このような解析手段30としては、後述する計算を行うことができるコンピュータが用いられる。

0023

<群遅延時間差測定方法>
次に、群遅延時間差測定装置1を用いた群遅延時間差測定方法について説明する。

0024

図2は、当該群遅延時間差測定方法の工程を示すフローチャートである。図2に示す群遅延時間差測定方法は、第1測定工程P1、第2測定工程P2、及び解析工程P3を備える。

0025

第1測定工程P1は、周波数が線形に変調されたプローブ光の一部をマルチモードファイバ10に入射し、マルチモードファイバ10を通過したプローブ光と光パルスとの干渉信号を測定する工程である。すなわち、波長可変レーザ11から発振されたプローブ光の一部をマルチモードファイバ10に入射し、マルチモードファイバ10を通過したプローブ光と第1パルスレーザ13から発振された光パルスとの干渉信号を上記第1測定手段によって測定する工程である。

0026

第2測定工程P2は、マルチモードファイバ10に入射されないプローブ光の他の一部と光パルスとの干渉信号を測定する工程である。すなわち、波長可変レーザ11から発振されたプローブ光のうちマルチモードファイバ10に入射されない光と第2パルスレーザ23から発振された光パルスとの干渉信号を測定する工程である。

0027

解析工程P3は、第1測定工程P1で測定される干渉信号と第2測定工程P2で測定される干渉信号との積のスペクトルを求めることによってマルチモードファイバ10の伝搬モードの群遅延時間差を解析する工程である。この解析方法について以下に詳細に説明する。

0028

波長可変レーザ11から発振されるプローブ光は、一定の周波数の揺らぎを含み、下記式(1)で表すことができる。
a(t)=expj{2π(ν0+gt/2)t+θ(t)} ・・・(1)
ただし、上記式(1)において、ν0は初期周波数、gは周波数変調速度[Hz/s]、θ(t)は周波数揺らぎを表すランダム変数である。この光周波数変調範囲は、F0からF1までのΔFであるとし、その時間長はTであるとする。

0029

第1パルスレーザ13及び第2パルスレーザ23は、繰り返し周波数fで光パルスを発振する。プローブ光の全領域における干渉信号を測定するため、これらの光パルスのスペクトルは、波長可変レーザ11の変調周波数範囲F0からF1までをカバーしている必要がある。第2パルスレーザ23が発振するパルス波形は下記式(2)のように表すことができ、第1パルスレーザ13が発振するパルス波形は下記式(3)のように表すことができる。






ただし、δ(t)はパルス波形を表す関数であるが、以下の説明では簡単のためδ関数で近似する。ν1は第2パルスレーザ23の光周波数であり、ν2は第1パルスレーザ13の光周波数である。また、θ1(t)は第2パルスレーザ23の位相揺らぎを表すランダムな変数であり、θ2(t)は第1パルスレーザ13の位相揺らぎを表すランダムな変数である。ΔTは第1パルスレーザ13及び第2パルスレーザ23から発振される光パルスの周期であり、ΔT=1/fである。

0030

上述のように、第1光90度ハイブリッド14及び第2光90度ハイブリッド24によって、プローブ光と光パルスとの干渉信号が測定される。すなわち、光90度ハイブリッドからの2つの出力光がフォトディテクタにより電気信号に変換され、第2測定手段においてI1、Q1を、第1測定手段においてはI2、Q2を得る。これらの干渉信号はデジタイザによってデジタル化され、解析手段30へ送られる。

0031

第2測定手段において測定される第n番目の光パルスとプローブ光との干渉信号は、下記式(4)で表すことができる。
x(n)=I1(n)+jQ1(n) ・・・(4)
ただし、jは虚数単位である。従って、干渉信号x(n)は下記式(5)で表すことができる。



ただし、*は位相共役を表す。

0032

上記式(5)に上記式(1)を代入して整理すると、下記式(6)を得ることができる。

0033

第1測定手段において測定される第n番目の光パルスとプローブ光との干渉信号は、次のように考えられる。

0034

マルチモードファイバ10が2つの伝搬モードA,Bを有すると仮定し、伝搬モードAの群遅延時間をτAとし、伝搬モードBの群遅延時間をτBとする。この場合、伝搬モードAを経由して第1光90度ハイブリッド14に到達したプローブ光はτAだけ遅延し、伝搬モードBを経由して第1光90度ハイブリッド14に到達したプローブ光はτBだけ遅延している。しかし、波形は波長可変レーザ11から発振された時点のプローブ光と同じであるから、伝搬モードAの光の波形はa(t−τA)と表され、伝搬モードBの光の波形はa(t−τB)と表される。これらのプローブ光と第1パルスレーザ13から発振される光パルスとの干渉信号を第1測定手段において測定する。

0035

第1測定手段において測定される第n番目の光パルスとマルチモードファイバ10の伝搬モードAを経由して第1光90度ハイブリッド14に到達したプローブ光との干渉信号yA(n)=I2(n)+jQ2(n)は、下記式(7)で表すことができる。

0036

この干渉信号は第1デジタイザ17によってデジタル信号に変換され、第2測定手段で得られた干渉信号と同様に解析手段30へと送られる。解析手段30は、第1測定手段で測定される干渉信号と第2測定手段で測定される干渉信号との積を計算する。すなわち、下記式(8)を計算する。

0037

また同様に、第1測定手段において測定される第n番目の光パルスとマルチモードファイバ10の伝搬モードBを経由して第1光90度ハイブリッド14に到達したプローブ光との干渉信号より、下記式(9)を得ることができる。

0038

上記式(8)及び式(9)において、θ(nΔT)、θ(nΔT−τA)及びθ(nΔT−τB)は、プローブ光の位相揺らぎの時間τAまたはτBの範囲内の値であり、各モード間の群遅延時間差τA−τBに対してプローブ光のコヒーレンス時間が充分に大きければ、これらの値は互いにほぼ等しい。したがって上記式(8)より、下記式(10)を得ることができる。

0039

また、パルスレーザとして使用可能なモードロックファイバレーザの位相揺らぎθ1(nΔT)及びθ2(nΔT)は、非常に小さいことが知られている。これらのレーザスペクトル線幅は1kHz以下であり、これはθ1(nΔT)及びθ2(nΔT)が約1msの間でほぼ一定であることを意味する。従って、プローブ光の時間長Tを1ms以下とすれば、測定の間、θ1(nΔT)及びθ2(nΔT)はほぼ一定である。従って上記式(10)から下記式(11)を得ることができる。

0040

上記式(11)をフーリエ変換してそのスペクトルS(ν)を求めると、下記式(12)のようになることがわかる。
S(ν)=δ{ν−(ν2−ν1+gτA)} ・・・(12)
ただし、δはδ関数である。

0041

上記式(12)より、このスペクトルのピーク位置ν2−ν1+gτAは、伝搬モードAの群遅延時間τAと、2つの光パルスの周波数差ν2−ν1により与えられることがわかる。同様に、伝搬モードBに対しては下記式(13)を得ることができる。
S(ν)=δ{ν−(ν2−ν1+gτB)} ・・・(13)

0042

スペクトルのピーク位置ν2−ν1+gτBは、伝搬モードBの群遅延時間τBと2つの光パルスの周波数差ν2−ν1により与えられる。そして、2つの光パルスの周波数差ν2−ν1は不明であるが、これは式(12)及び式(13)に共通に含まれるので、2つのピーク位置の差より、モード間群遅延時間差のg倍であるgτB−gτAを知ることができる。

0043

本実施形態の群遅延時間差測定装置1で達成可能なモード間群遅延時間差の時間分解能は以下のように決まる。式(12)及び式(13)で与えられるスペクトルは長さTの信号のフーリエ変換であるから、幅1/Tの広がりを持っている。一方、群遅延時間がΔδτだけ異なる場合、スペクトルのピーク位置はgΔδτだけ異なる。従って時間分解能は、1/gT=1/ΔFで与えられ、プローブ光の周波数変調幅逆数となる。

0044

なお、本実施形態の群遅延時間差測定方法を実施する場合、上述したパラメータの設定には次の制約が生じる。すなわち、干渉信号の位相確定的に測定するためには、考慮する2つの群遅延時間τA及びτBに対して、第n番目の光パルスと第n+1番目の光パルスとの干渉信号の位相差は2πを超えてはならない。すなわち、下記式(14)が必要条件となる。
2π(gτB−gτA)ΔT<2π ・・・(14)

0045

これより、下記式(15)を得ることができる。
gΔτmaxΔT<1 ・・・(15)

0046

ただし、Δτmaxは測定する群遅延時間差の最大値である。数値例として、波長可変レーザ11として利用可能な外部共振器付き半導体レーザでは、g=100THz/s程度の設定が可能である。また、測定したい群遅延時間差の最大値を100nsと仮定すると、上記式(15)によりΔT<100nsが必要であることがわかる。すなわち、f>10MHzが必要であるが、これは市販のモードロックファイバレーザによって充分実現可能である。またこの時のプローブ光時間長Tを1msとすれば、ΔF=100GHzとなり、時間分解能は10ps程度を実現することができる。

0047

以上に述べたように、上記実施形態にかかる群遅延時間差測定方法及び群遅延時間差測定装置によれば、参照光ファイバを必要とせずに測定対象であるマルチモードファイバの群遅延時間差を高い時間分解能で測定することができる。また、マルチモードファイバに入射されるプローブ光として連続光を用いるので、短パルス光をプローブ光とする場合と比較して、測定対象であるマルチモードファイバへの入力を大きくすることができる。これにより、測定結果のダイナミックレンジを大きくすることができる。また、プローブ光として連続光を用いることによって、連続的に存在する光信号のエネルギーを測定に利用できるため、高い受信感度を達成することができる。この観点からも、測定結果のダイナミックレンジを大きくすることができる。このように、上記群遅延時間差測定方法及び群遅延時間差測定装置によれば、参照光ファイバを用いなくても、高い時間分解能と優れたダイナミックレンジで群遅延時間差を測定することができる。

0048

本発明に係る群遅延時間差測定方法及び群遅延時間差測定装置は、複数の伝搬モードを有する光ファイバのモード間群遅延時間差を高い時間分解能で測定することができるものであり、光通信の産業において利用することができる。

0049

1・・・群遅延時間差測定装置
10・・・マルチモードファイバ
11・・・波長可変レーザ
12・・・ハーフミラー
13・・・第1パルスレーザ
14・・・第1光90度ハイブリッド
15・・・フォトディテクタ(PD)
16・・・フォトディテクタ(PD)
17・・・第1デジタイザ
23・・・第2パルスレーザ
24・・・第2光90度ハイブリッド
25・・・フォトディテクタ(PD)
26・・・フォトディテクタ(PD)
27・・・第2デジタイザ
30・・・解析手段

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