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技術 測位装置および測位方法

出願人 三菱電機株式会社
発明者 大島正資網嶋武若山俊夫鈴木信弘
出願日 2016年2月26日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-035567
公開日 2017年8月31日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-151022
状態 特許登録済
技術分野 無線による位置決定
主要キーワード 遅延位相差 基準発信 テイラー級数展開 電波送受信機 観測間隔 ミリメートルオーダー 観測点間 電波発信機
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

高精度な測位を実現することのできる測位装置および測位方法を得る。

解決手段

互いに時刻が同期するように構成されている複数の受信機群各受信機群(G1,G2)の位相算出部(15,25)から出力された各電波発信機(10)の電波位相と、各受信機群(G1,G2)の各受信アンテナ(11,21)の位置座標既知数とし、各電波発信機(10)の位置座標と、各電波発信機(10)の初期位相と、各受信機群(G1,G2)の各受信アンテナ(11,21)の受信系遅延位相とを未知数とした連立測位方程式解くことで、各電波発信機(10)の位置座標を演算するように構成されている。

概要

背景

従来、地滑りの恐れのある斜面の変位計測する方法(以下、変位計測法と称す)として、GPS測位装置を利用する方法がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の方法では、基準点観測点の双方に高精度GPS受信機を設置し、基準点と観測点の測位結果の差分を取ることにより観測点の変位を計測するように構成されている。

しかしながら、従来のGPSを利用した変位計測法では、電離層シンチレーション等の影響により観測値ばらつくので、ミリメートルオーダーの精度を得るためには、一定の観測時間、例えば1日程度のデータを平均する必要がある。そのため、例えば数分程度といった短い時間内で急激な変位が発生した場合に、そのような過渡応答発見することができず、その結果、急激な地滑りの変化の兆候の発見には供することができないという問題点がある。

また、変位計測法として、電波伝搬時間を利用する方法がある(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載の方法では、斜面の複数観測点に電波送受信機を設置し、複数観測点間パルス状の電波を送受信して観測点間の距離を求めることにより変位を計測するように構成されている。

しかしながら、従来の電波の伝搬時間を利用した変位計測法では、ミリメートルオーダーの精度を得るためには、ナノセカンドオーダーパルス幅の信号を送受信する必要があり、それに伴いギガヘルツ級の広帯域信号を扱うことから高価なシステムになってしまうという問題点がある。また、このようなギガヘルツ級の帯域幅の電波で遠距離の送受信を行うためには比較的大きな送信電力を必要とし、電波法上の問題で現実的には困難であるという問題点もある。

さらに、変位計測法として、電波の位相差を用いて変位を計測する方法がある(例えば、特許文献3参照)。特許文献3に記載の方法では、変位計測点電波発信機を設置し、固定点に設置した受信機間で電波の位相を比較することにより発信機位置の変位を計測するように構成されている。また、長期間における計測の安定性保証し得る方法として、位置が既知の点に基準発信機を設けて、その発信機からの電波の位相により受信系の位相量補正する方法がある。

しかしながら、従来の電波の位相差を用いる変位計測法では、全ての受信アンテナ同軸ケーブル等で接続して同期させる必要がある。ここで、電波発信機の測位精度は、受信アンテナとの相対位置関係が支配的であり、測位精度改善のためには電波発信機の周りを取り囲むように受信アンテナを設置することが望ましい。例えば、このような変位計測法を地滑り監視に適用する場合には、地滑りの可能性のある斜面に電波発信機を設置し、その電波発信機の周りに受信アンテナを設置することになり、その結果、受信アンテナ間ケーブルで接続することが困難となる場合が多い。

概要

高精度な測位を実現することのできる測位装置および測位方法を得る。互いに時刻が同期するように構成されている複数の受信機群各受信機群(G1,G2)の位相算出部(15,25)から出力された各電波発信機(10)の電波位相と、各受信機群(G1,G2)の各受信アンテナ(11,21)の位置座標既知数とし、各電波発信機(10)の位置座標と、各電波発信機(10)の初期位相と、各受信機群(G1,G2)の各受信アンテナ(11,21)の受信系遅延位相とを未知数とした連立測位方程式解くことで、各電波発信機(10)の位置座標を演算するように構成されている。

目的

本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、高精度な測位を実現することのできる測位装置および測位方法を得ることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

複数の電波発信機と、それぞれの間で互いに時刻が同期するように構成されている複数の受信機群と、各電波発信機の位置座標演算する測位演算部と、を備え、各受信機群は、位置が既知固定点に設置されており、各電波発信機からの電波を受信する複数の受信アンテナと、各受信アンテナ受信信号から各受信アンテナに対応した各電波発信機の電波位相を算出する位相算出部と、を有し、前記測位演算部は、各受信機群の前記位相算出部から出力された各電波発信機の前記電波位相と、各受信機群の各受信アンテナの位置座標を既知数とし、各電波発信機の前記位置座標と、各電波発信機の初期位相と、各受信機群の各受信アンテナの受信系遅延位相とを未知数とした連立測位方程式解くことで、各電波発信機の前記位置座標を演算する測位装置

請求項2

前記測位演算部は、各受信機群の前記位相算出部から出力された各電波発信機の前記電波位相と、各受信機群の各受信アンテナの位置座標を既知数とし、各電波発信機の前記位置座標と、各電波発信機の前記初期位相と、各受信機群の各受信アンテナの前記受信系遅延位相とに加え、受信機群間の位相同期誤差をさらに未知数とした連立測位方程式を解くことで、各電波発信機の前記位置座標を演算する請求項1に記載の測位装置。

請求項3

各受信機群は、前記位相算出部から出力された各電波発信機の前記電波位相と、各受信アンテナの位置座標を既知数とし、各電波発信機の前記位置座標と、各電波発信機の前記初期位相と、各受信アンテナの前記受信系遅延位相とを未知数とした連立測位方程式を解くことで、各受信アンテナの前記受信系遅延位相の暫定値を演算して出力する副測位演算部をさらに有し、各受信機群の前記副測位演算部から出力された各受信アンテナの前記受信系遅延位相の前記暫定値から、受信機群間の位相同期誤差を推定して出力する位相同期誤差推定部をさらに備え、前記測位演算部は、各受信機群の前記位相算出部から出力された各電波発信機の前記電波位相と、各受信機群の各受信アンテナの位置座標と、前記位相同期誤差推定部から出力された前記位相同期誤差とを既知数とし、各電波発信機の前記位置座標と、各電波発信機の前記初期位相と、各受信機群の各受信アンテナの前記受信系遅延位相とを未知数とした連立測位方程式を解くことで、各電波発信機の前記位置座標を演算する請求項1に記載の測位装置。

請求項4

各受信機群は、前記位相算出部から出力された各電波発信機の前記電波位相と、各受信アンテナの位置座標を既知数とし、各電波発信機の前記位置座標と、各電波発信機の前記初期位相と、各受信アンテナの前記受信系遅延位相とを未知数とした連立測位方程式を解くことで、各受信アンテナの前記受信系遅延位相の暫定値を演算して出力する副測位演算部をさらに有し、各受信機群の前記副測位演算部から出力された各受信アンテナの前記受信系遅延位相の前記暫定値から、受信機群間の位相同期誤差を推定して出力する位相同期誤差推定部をさらに備え、前記測位演算部は、各受信機群の前記位相算出部から出力された各電波発信機の前記電波位相と、各受信機群の各受信アンテナの位置座標と、前記位相同期誤差推定部から出力された前記位相同期誤差と、各受信機群の前記副測位演算部から出力された各受信アンテナの前記受信系遅延位相の前記暫定値とを既知数とし、各電波発信機の前記位置座標と、各電波発信機の前記初期位相とを未知数とした連立測位方程式を解くことで、各電波発信機の前記位置座標を演算する請求項1に記載の測位装置。

請求項5

前記位相同期誤差推定部は、各受信機群の前記副測位演算部から出力された各受信アンテナの前記受信系遅延位相の前記暫定値の平均値を受信機群ごとに演算し、各受信機群の前記平均値の差分値を、前記位相同期誤差として推定する請求項3または4に記載の測位装置。

請求項6

各受信機群は、基準信号を生成して出力する基準信号生成部と、前記基準信号生成部から出力された前記基準信号と、各受信アンテナの前記受信信号とから、各受信アンテナの前記受信信号の周波数を変換し、周波数変換後の信号を出力する周波数変換部と、前記周波数変換部から出力された前記周波数変換後の信号をA/D変換し、A/D変換後のディジタル信号を出力するA/D変換部と、をさらに有し、前記位相算出部は、前記A/D変換部から出力された前記ディジタル信号から各電波発信機の前記電波位相を算出する請求項1から5のいずれか1項に記載の測位装置。

請求項7

各受信機群は、各受信アンテナの前記受信信号をA/D変換し、A/D変換後のディジタル信号を出力するA/D変換部をさらに有し、前記位相算出部は、前記A/D変換部から出力された前記ディジタル信号から各電波発信機の前記電波位相を算出する請求項1から5のいずれか1項に記載の測位装置。

請求項8

複数の電波発信機と、それぞれの間で互いに時刻が同期するように構成されている複数の受信機群と、を用いて各電波発信機の位置座標を演算する測位方法であって、各受信機群は、位置が既知の固定点に設置されており、各電波発信機からの電波を受信する複数の受信アンテナを有し、各受信アンテナの受信信号から各受信アンテナに対応した各電波発信機の電波位相を各受信機群で算出するステップと、各受信機群で算出された各電波発信機の前記電波位相と、各受信機群の各受信アンテナの位置座標を既知数とし、各電波発信機の前記位置座標と、各電波発信機の初期位相と、各受信機群の各受信アンテナの受信系遅延位相とを未知数とした連立測位方程式を解くことで、各電波発信機の前記位置座標を演算するステップと、を備えた測位方法。

技術分野

0001

本発明は、複数の電波発信機の各位置を計測する測位装置および測位方法に関するものである。

背景技術

0002

従来、地滑りの恐れのある斜面の変位を計測する方法(以下、変位計測法と称す)として、GPS測位装置を利用する方法がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の方法では、基準点観測点の双方に高精度GPS受信機を設置し、基準点と観測点の測位結果の差分を取ることにより観測点の変位を計測するように構成されている。

0003

しかしながら、従来のGPSを利用した変位計測法では、電離層シンチレーション等の影響により観測値ばらつくので、ミリメートルオーダーの精度を得るためには、一定の観測時間、例えば1日程度のデータを平均する必要がある。そのため、例えば数分程度といった短い時間内で急激な変位が発生した場合に、そのような過渡応答発見することができず、その結果、急激な地滑りの変化の兆候の発見には供することができないという問題点がある。

0004

また、変位計測法として、電波伝搬時間を利用する方法がある(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載の方法では、斜面の複数観測点に電波送受信機を設置し、複数観測点間パルス状の電波を送受信して観測点間の距離を求めることにより変位を計測するように構成されている。

0005

しかしながら、従来の電波の伝搬時間を利用した変位計測法では、ミリメートルオーダーの精度を得るためには、ナノセカンドオーダーパルス幅の信号を送受信する必要があり、それに伴いギガヘルツ級の広帯域信号を扱うことから高価なシステムになってしまうという問題点がある。また、このようなギガヘルツ級の帯域幅の電波で遠距離の送受信を行うためには比較的大きな送信電力を必要とし、電波法上の問題で現実的には困難であるという問題点もある。

0006

さらに、変位計測法として、電波の位相差を用いて変位を計測する方法がある(例えば、特許文献3参照)。特許文献3に記載の方法では、変位計測点に電波発信機を設置し、固定点に設置した受信機間で電波の位相を比較することにより発信機位置の変位を計測するように構成されている。また、長期間における計測の安定性保証し得る方法として、位置が既知の点に基準発信機を設けて、その発信機からの電波の位相により受信系の位相量補正する方法がある。

0007

しかしながら、従来の電波の位相差を用いる変位計測法では、全ての受信アンテナ同軸ケーブル等で接続して同期させる必要がある。ここで、電波発信機の測位精度は、受信アンテナとの相対位置関係が支配的であり、測位精度改善のためには電波発信機の周りを取り囲むように受信アンテナを設置することが望ましい。例えば、このような変位計測法を地滑り監視に適用する場合には、地滑りの可能性のある斜面に電波発信機を設置し、その電波発信機の周りに受信アンテナを設置することになり、その結果、受信アンテナ間ケーブルで接続することが困難となる場合が多い。

0008

特開2003−185732号公報
特開2003−329492号公報
特開2001−272448号公報
特表2003−501633号公報

先行技術

0009

WADE H.FOY,”Position−Location Solutions by Taylor−Series Estimation,”IEEE Trans. Vol.AES−12, No.2, March、1976.

発明が解決しようとする課題

0010

ここで、位相または時刻同期誤差を持つ複数の基地局からの信号を複数のハンドセットで受信し、連立方程式解くことで各ハンドセットの位置および同期誤差を計測する方法がある(例えば、特許文献4参照)。

0011

特許文献4に記載の方法では、複数の基地局が互いに同期していなくても各ハンドセットの位置を推定することができる。しかしながら、特許文献4に記載の方法を、従来の電波の位相差を用いる変位計測法に応用する場合、受信機ごとの位相誤差未知数となるとともに、これらの位相誤差がランダムに動くことが予想されるので、測位方程式発散して正しく解が求まらず、その結果、高精度な測位を実現することができないという問題がある。

0012

本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、高精度な測位を実現することのできる測位装置および測位方法を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

本発明における測位装置は、複数の電波発信機と、それぞれの間で互いに時刻が同期するように構成されている複数の受信機群と、各電波発信機の位置座標演算する測位演算部と、を備え、各受信機群は、位置が既知の固定点に設置されており、各電波発信機からの電波を受信する複数の受信アンテナと、各受信アンテナ受信信号から各受信アンテナに対応した各電波発信機の電波位相を算出する位相算出部と、を有し、測位演算部は、各受信機群の位相算出部から出力された各電波発信機の電波位相と、各受信機群の各受信アンテナの位置座標を既知数とし、各電波発信機の位置座標と、各電波発信機の初期位相と、各受信機群の各受信アンテナの受信系遅延位相とを未知数とした連立測位方程式を解くことで、各電波発信機の位置座標を演算するものである。

0014

また、本発明における測位方法は、複数の電波発信機と、それぞれの間で互いに時刻が同期するように構成されている複数の受信機群と、を用いて各電波発信機の位置座標を演算する測位方法であって、各受信機群は、位置が既知の固定点に設置されており、各電波発信機からの電波を受信する複数の受信アンテナを有し、各受信アンテナの受信信号から各受信アンテナに対応した各電波発信機の電波位相を各受信機群で算出するステップと、各受信機群で算出された各電波発信機の電波位相と、各受信機群の各受信アンテナの位置座標を既知数とし、各電波発信機の位置座標と、各電波発信機の初期位相と、各受信機群の各受信アンテナの受信系遅延位相とを未知数とした連立測位方程式を解くことで、各電波発信機の位置座標を演算するステップと、を備えたものである。

発明の効果

0015

本発明によれば、互いに時刻が同期するように構成されている複数の受信機群の各受信機群の位相算出部から出力された各電波発信機の電波位相と、各受信機群の各受信アンテナの位置座標を既知数とし、各電波発信機の位置座標と、各電波発信機の初期位相と、各受信機群の各受信アンテナの受信系遅延位相とを未知数とした連立測位方程式を解くことで、各電波発信機の位置座標を演算するように構成されている。これにより、高精度な測位を実現することのできる測位装置および測位方法を得ることができる。

図面の簡単な説明

0016

本発明の実施の形態1における測位装置を示す構成図である。
本発明の実施の形態1における測位装置の信号処理回路のH/W構成図である。
本発明の実施の形態1における測位装置の一連の動作を示すフローチャートである。
本発明の実施の形態2における測位装置を示す構成図である。
本発明の実施の形態2における測位装置の一連の動作を示すフローチャートである。
本発明の実施の形態3における測位装置を示す構成図である。

実施例

0017

以下、本発明による測位装置および測位方法を、好適な実施の形態にしたがって図面を用いて説明する。なお、図面の説明においては、同一部分または相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、本願発明は、例えば、地滑りの恐れのある斜面の変位計測等への適用が可能である。

0018

実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における測位装置を示す構成図である。図1において、本実施の形態1における測位装置は、複数の電波発信機10と、それぞれの間で互いに時刻が同期するように構成されている受信機群G1および受信機群G2と、測位演算部50とを備える。

0019

受信機群G1は、複数の受信アンテナ11と、周波数変換部12と、基準信号生成部13と、A/D変換部14と、位相算出部15とを有する。また、信号処理回路30は、位相算出部15および測位演算部50によって構成される。受信機群G2は、複数の受信アンテナ21と、周波数変換部22と、基準信号生成部23と、A/D変換部24と、位相算出部25とを有する。また、信号処理回路40は、位相算出部25によって構成される。なお、図1では、受信機群が2つある場合を例示しているが、受信機群が3つ以上あっても構わない。

0020

各電波発信機10は、ある周波数の電波を測位用の電波として放射するものである。各電波発信機10の具体例としては、携帯端末無線LAN端末およびWi−SUN対応の端末等が挙げられる。各電波発信機10は、ある一定の間隔、例えば数分毎にビーコン電波を放射するように構成されていてもよいし、別途制御用の端末を設けて、任意のタイミングで電波を放射するように構成されていてもよい。なお、ここでは、920MHz帯のWi−SUN対応の端末を各電波発信機10として用いて、各電波発信機10は、一定間隔でビーコン電波を送信するように構成される場合について説明する。

0021

続いて、受信機群G1の各構成要素について説明する。なお、受信機群G2の各構成要素は、受信機群G1の各構成要素と同様であることから、受信機群G2の各構成要素の説明を省略する。

0022

各受信アンテナ11は、位置が既知の固定点に設置されており、各電波発信機10から送信された電波を受信する。必要に応じて、増幅器または帯域制限フィルタが設置され、各受信アンテナ11の受信信号の増幅および雑音除去が行われるように構成される。各受信アンテナ11の受信信号は、同軸ケーブル等を通して周波数変換部12に入力される。

0023

周波数変換部12は、A/D変換部14でのサンプリングレートを低く抑えるために、各受信アンテナ11から入力された受信信号の周波数を低い周波数に変換する。例えば、各受信アンテナ11から920MHz帯の受信信号が周波数変換部12に入力された場合、各受信信号は、中心周波数が数M〜数十MHzの信号に変換される。

0024

基準信号生成部13は、基準信号を生成し、その基準信号を周波数変換部12に出力する。周波数変換部12は、基準信号生成部13から入力された基準信号と、各受信アンテナ11から入力された受信信号とを乗算することで、周波数変換を実現する。各受信信号を周波数変換した後の信号は、A/D変換部14に入力される。このように、周波数変換部12は、基準信号生成部13から出力された基準信号と、各受信アンテナ11の受信信号とから、各受信アンテナ11の受信信号の周波数を変換し、周波数変換後の信号を出力する。

0025

A/D変換部14は、周波数変換部12から入力された各信号をディジタル信号に変換する。A/D変換部14は、中間周波数信号帯域の2倍程度でサンプリングを行う。このように、A/D変換部14は、周波数変換部12から出力された周波数変換後の信号をA/D変換し、A/D変換後のディジタル信号を出力する。

0026

位相算出部15は、位相算出処理を実行することで、A/D変換部14から入力された各ディジタル信号から、各ディジタル信号の位相、すなわち、各受信アンテナ11に対応した各電波発信機10の電波位相を算出する。このように、位相算出部15は、各受信アンテナ11の受信信号から、各受信アンテナ11に対応した各電波発信機10の電波位相を算出する。より具体的には、位相算出部15は、A/D変換部14から出力されたディジタル信号から各電波発信機10の電波位相を算出する。

0027

ここで、各電波発信機10の電波位相を算出する方法としては、以下のような方法が挙げられる。

0028

すなわち、各電波発信機10から送信される電波信号変調信号であり、変調データ系列事前に分かっている場合には、各受信アンテナ11の受信信号と変調データ系列との相互相関を計算し、相互相関がピークとなる遅延時間の位相を計算する方法が一般的である。このような方法は、GPS等において用いられている方法である。一方、変調データ系列が未知の場合には、同時刻における複数の受信信号を平均することで変調データ系列を推定し、変調データ系列の影響を取り除いた位相を算出することも可能である。

0029

測位演算部50は、位相算出部15から入力された各受信アンテナ11に対応した各電波発信機10の電波位相と、位相算出部25から入力された各受信アンテナ21に対応した各電波発信機10の電波位相とを用いて、後述する測位演算処理を実行することで、各電波発信機10の位置座標を演算する。

0030

次に、信号処理回路30および信号処理回路40のH/W構成について、図2を参照しながら説明する。図2は、本発明の実施の形態1における測位装置の信号処理回路30,40のH/W構成図である。

0031

図2において、信号処理回路30は、メモリ31、プロセッサ32、クロック33、A/D変換制御インターフェース34、データ送受信インターフェース35および表示器36を有する。信号処理回路40は、メモリ41、プロセッサ42、クロック43、A/D変換制御インターフェース44およびデータ送受信インターフェース45を有する。

0032

位相算出部15および測位演算部50のそれぞれのアルゴリズムは、信号処理回路30にS/Wとして実装され、メモリ31に保存される。プロセッサ32は、メモリ31に保存したS/Wを読み出し、A/D変換制御インターフェース34を通して入力されたディジタルデータに対して、位相算出処理および測位演算処理を実行する。

0033

クロック33は、プロセッサ32の時刻を管理する時計である。クロック33の具体例としては、リアルタイムクロック等が挙げられる。A/D変換制御インターフェース34は、A/D変換部14に対して信号取得タイミングおよび信号取得時間等に係る制御信号を送信することで、A/D変換部14を制御する機能を有する。

0034

データ送受信インターフェース35は、信号処理回路40に対してA/D変換の信号取得タイミングおよび信号取得時間等に係る制御信号を送信し、さらに、信号処理回路40から送信されたデータを受信する機能を有する。表示器36は、測位演算部50の測位結果を表示するものである。

0035

位相算出部25のアルゴリズムは、信号処理回路40にS/Wとして実装され、メモリ41に保存される。プロセッサ42は、メモリ41に保存したS/Wを読み出し、A/D変換制御インターフェース44を通して入力されたディジタルデータに対して、位相算出処理を実行する。

0036

クロック43は、プロセッサ42の時刻を管理する時計である。クロック43の具体例としては、リアルタイムクロック等が挙げられる。A/D変換制御インターフェース44は、A/D変換部24に対して信号取得タイミングおよび信号取得時間等に係る制御信号を送信することで、A/D変換部24を制御する機能を有する。

0037

データ送受信インターフェース45は、信号処理回路30から送信されたA/D変換の信号取得タイミングおよび信号取得時間等に係る制御信号を受信し、さらに、位相算出部25から出力されたデータを信号処理回路30に送信する機能を有する。

0038

次に、本実施の形態1における測位装置の全体の動作について、図3を参照しながら説明する。図3は、本発明の実施の形態1における測位装置の一連の動作を示すフローチャートである。

0039

各電波発信機10は、前述したとおり、一定間隔で測位用の電波を放射する。各電波発信機10は、920MHz帯の電波を放射するように構成される場合を想定しているが、各電波発信機10から放射される電波の周波数帯は、2.4GHz帯であってもよく、MHz〜GHzの他の周波数帯であっても構わない。また、電波発信機制御用のH/Wを設けて、これによって電波送信タイミングを任意に制御できる構成としてもよい。

0040

信号処理回路30および信号処理回路40は、無線でデータを送受信できる機能を有する。このようなデータ送受信の機能は、主に2.4GHz帯の電波および920MHz帯の電波によって実現することを想定しているが、可視光通信等によって実現しても構わない。

0041

図3に示すように、信号処理回路30は、同期信号およびA/Dタイミング信号を信号処理回路40に送信する(ステップS101)。タイミング信号は、各電波発信機10の送信タイミングに合わせて発生し、信号処理回路30は、そのタイミングに基づいて一定間隔で受信した各電波発信機10の信号のA/D変換をA/D変換部14が行うように制御する(ステップS102)。

0042

ステップS101およびステップS102の処理は、すべての電波発信機10からの電波をすべての受信アンテナ11が受信完了となるまで繰り返される(ステップS103)。ステップS103で受信完了となれば、信号処理回路30は、各受信アンテナ11に対応した各電波発信機10の電波位相を計算する(ステップS104)。

0043

信号処理回路40は、信号処理回路30から送信された同期信号およびA/Dタイミング信号を受信する(ステップS201)。信号処理回路40は、ステップS201で受信した同期信号に基づいて、クロック43を補正し、信号処理回路30のクロック33と同期させる(ステップS202)。つまり、ステップS202では、受信機群G1と受信機群G2との間で互いに時刻が同期した状態となるように調整される。

0044

しかしながら、クロック33およびクロック43を完全には同期させることはできず、ある程度の誤差を持つ。つまり、受信機群G1と受信機群G2との間で時刻同期誤差が存在する。例えば、クロックの精度が10ppmであれば、10μsの時間誤差に相当し、距離で約3kmの誤差になる。したがって、このような誤差を補償して、測位演算処理を実行する必要がある。

0045

信号処理回路40は、ステップS201で受信したA/Dタイミング信号に基づいて、各電波発信機10の信号のA/D変換をA/D変換部24が行うように制御する(ステップS203)。

0046

ステップS201〜ステップS203の処理は、すべての電波発信機10からの電波をすべての受信アンテナ21が受信完了となるまで繰り返される(ステップS204)。ステップS204で受信完了となれば、信号処理回路40は、各受信アンテナ21に対応した各電波発信機10の電波位相を計算する(ステップS205)。

0047

信号処理回路40は、ステップS205で計算した各受信アンテナ21に対応した各電波発信機10の電波位相を位相データとして信号処理回路30に送信する(ステップS206)。

0048

信号処理回路30内の測位演算部50は、信号処理回路40から送信された位相データを受信する(ステップS105)。測位演算部50は、ステップS104で計算した位相データと、ステップS106で受信した位相データとを用いて、クロック誤差を精密に補償して、測位演算処理を実行する(ステップS106)。信号処理回路30は、ステップS106で実行された測位演算処理の結果を測位結果として表示する(ステップS107)。

0049

次に、測位演算部50による測位演算処理について説明する。なお、以下では、複数の電波発信機10の数がLであり、各電波発信機10は、l(l=1,2,・・L)によって番号付けされているものとする。また、複数の受信アンテナ11の数がMであり、各受信アンテナ11は、m(m=1,2,・・・M)によって番号付けされ、複数の受信アンテナ21の数がM’であり、各受信アンテナ21は、m’(m’=1,2,・・・M’)によって番号付けされているものとする。

0050

位相算出部15によって算出される各受信アンテナ11に対応した各電波発信機10の電波位相を式で表すと、以下の式(1)のようになる。

0051

0052

ただし、φ1,l,mは、l番目の電波発信機およびm番目の受信アンテナに対応した電波位相を示す。xl、yl、zlは、l番目の電波発信機の位置座標、すなわち、x、y、z座標を示し、X1,m、Y1,m、Z1,mは、m番目の受信アンテナの位置座標、すなわち、x、y、z座標を示す。λは、電波の波長、ψlは、l番目の電波発信機の初期位相を示す。ξ1,mは、m番目の受信アンテナの受信系遅延位相を示す。

0053

なお、通常、式(1)には、位相整数値バイアスが含まれるが、観測間隔毎に各電波発信機10の変位が波長程度以下であることを前提とし、前回観測時に求めておいた整数値バイアスをそのまま用いることを想定する。

0054

また、位相算出部25によって算出される各受信アンテナ21に対応した各電波発信機10の電波位相を式で表すと、以下の式(2)のようになる。

0055

0056

ただし、φ2,l,m’は、l番目の電波発信機およびm’番目の受信アンテナに対応した電波位相を示す。X2,m’、Y2,m’、Z2,m’は、m’番目の受信アンテナのx、y、z座標を示す。ξ2,m’は、m’番目の受信アンテナの受信系遅延位相を示す。

0057

ここで、式(1)のξ1,mについて、例えばm=1の受信アンテナを基準とした位相差として問題ないので、ξ1,1=0とおくことができる。この場合、受信機群G1と受信機群G2との間の時刻同期誤差に伴う位相同期誤差をΔξとし、位相同期誤差Δξを受信機群G1と受信機群G2の基準アンテナ間の遅延位相差みなすことで、以下の式(3)のような連立測位方程式を立てることができる。測位演算部50は、式(3)で示す連立測位方程式を解くことで、各電波発信機10の位置座標を演算する。

0058

0059

式(3)における未知数は、各電波発信機10の位置座標および初期位相と、基準となる1番目を除く各受信アンテナ11の受信系遅延位相と、基準となる1番目を除く各受信アンテナ21の受信系遅延位相と、受信機群G1,G2間の位相同期誤差である。なお、各電波発信機10の位置座標および初期位相の数がL×4であり、1番目を除く各受信アンテナ11の受信系遅延位相の数がM−1であり、1番目を除く各受信アンテナ21の受信系遅延位相の数がM’−1であり、受信機群G1,G2間の位相同期誤差の数が1であり、これらの数の総和が式(3)における未知数の数となる。

0060

また、連立測位方程式の方程式数は、各受信アンテナ11,21に対応した各電波発信機10の電波位相の数と同数、すなわち、L×(M+M’)であり、連立測位方程式において、以下の式(4)の関係が成立する。つまり、電波発信機10の数L、受信アンテナ11の数Mおよび受信アンテナ21の数M’は、式(4)を満たすように設定される。

0061

0062

したがって、式(3)に示すように、受信機群G1,G2間の時刻同期誤差に伴う位相同期誤差をモデル化することによって、受信機群G1,G2間が互いに同期している場合と同等の未知数で構成される連立測位方程式を解法することができる。また、式(3)では、位相同期誤差Δξを受信機群G1と受信機群G2の基準アンテナ間の遅延位相差とみなし、ξ2,1=Δξとして連立測位方程式を立てたが、ξ2,1=ξ2,1+Δξとして解法することもできる。この場合、未知数が1つ増えて、連立測位方程式において、以下の式(5)の関係が成立する。

0063

0064

なお、式(3)で示す連立測位方程式の解法については、様々な方法が知られており、例えば非特許文献1に示すように近似解近傍でのテイラー展開によって線形方程式に変換して解く方法等があるが、ここでは、詳細な説明を省略する。

0065

このように、測位演算部50は、各受信機群G1,G2の位相算出部15,25から出力された各電波発信機10の電波位相と、各受信機群G1,G2の各受信アンテナ11,21の位置座標とを既知数とし、各電波発信機10の位置座標と、各電波発信機10の初期位相と、各受信機群G1,G2の各受信アンテナ11,21の受信系遅延位相と、受信機群G1,G2間の位相同期誤差とを未知数とした連立測位方程式を解くことで、各電波発信機10の位置座標を演算する。

0066

なお、本実施の形態1では、受信機群G1,G2間の位相同期誤差を考慮して式(3)で示す連立測位方程式を解くことで各電波発信機10の位置座標を演算するように構成する場合を例示したが、その位相同期誤差を考慮しない形の連立測位方程式を解くことで各電波発信機10の位置座標を演算するように構成してもよい。

0067

この場合、測位演算部50は、各受信機群G1,G2の位相算出部15,25から出力された各電波発信機10の電波位相と、各受信機群G1,G2の各受信アンテナ11,21の位置座標を既知数とし、各電波発信機10の位置座標と、各電波発信機10の初期位相と、各受信機群G1,G2の各受信アンテナ11,21の受信系遅延位相とを未知数とした連立測位方程式を解くことで、各電波発信機10の位置座標を演算するように構成される。

0068

ただし、前述したとおり、受信機群G1,G2間の時刻同期誤差が実際には存在するので、このことを考慮すると、受信機群G1,G2間の位相同期誤差を考慮して式(3)で示す連立測位方程式を解くことで各電波発信機10の位置座標を演算するように構成する方が好ましい。

0069

以上、本実施の形態1によれば、互いに時刻が同期するように構成されている複数の受信機群の各受信機群の位相算出部から出力された各電波発信機の電波位相と、各受信機群の各受信アンテナの位置座標を既知数とし、各電波発信機の位置座標と、各電波発信機の初期位相と、各受信機群の各受信アンテナの受信系遅延位相とを未知数とした連立測位方程式を解くことで、各電波発信機の位置座標を演算するように構成されている。

0070

このように構成することで、互いに同期させたすべての受信機群の測位方程式を連立させた方程式を解いて測位することとなるので、1つの受信機群によって測位する場合と比較して高精度な測位を実現することができる。また、受信機群間を無線によって同期させることで同軸ケーブルの敷設を低減させ、その結果、システム全体の規模の低減およびシステム全体の設置工事費の低減が可能となる。

0071

また、上記の構成に対して、各受信機群の位相算出部から出力された各電波発信機の電波位相と、各受信機群の各受信アンテナの位置座標を既知数とし、各電波発信機の位置座標と、各電波発信機の初期位相と、各受信機群の各受信アンテナの受信系遅延位相と、受信機群間の位相同期誤差とを未知数とした連立測位方程式を解くことで、各電波発信機の位置座標を演算するようにさらに構成されている。

0072

このように構成することで、上記の構成と比べてさらに高精度な測位を実現することができる。また、受信機群間の時刻同期誤差に伴う位相同期誤差を、各受信機群の基準アンテナにおける受信系遅延位相の差としてモデル化しているので、未知数を増やすことなく高精度な測位を実現することが可能となる。

0073

実施の形態2.
先の実施の形態1では、受信機群G1,G2間の位相同期誤差を各受信機群G1,G2の基準アンテナ間の位相差としてモデル化することによって、未知数を増加させることなく解法可能な連立測位方程式について説明した。

0074

ここで、連立測位方程式の解法として、非特許文献1に記載の方法を採用し、テイラー級数展開に基づき非線形方程式線形化して行列演算を解く手法がある。非線形方程式を線形化する際には未知数、すなわち、各電波発信機10の位置座標、各電波発信機10の初期位相および各受信アンテナ11,21の受信系遅延位相について、何らかの暫定値が必要となる。

0075

上記のような暫定値の計算法としては、例えば以下のような方法が考えられる。すなわち、各電波発信機10の位置座標は、時間経過に伴い連続的に変位するはずであるので、追尾フィルタ等の処理により、前回観測時の計測値を基に予測値が計算可能である。この場合、例えば、式(1)における残りの未知数は、各電波発信機10の初期位相および各受信アンテナ11の受信系遅延位相となる。各電波発信機10の初期位相に関しては、各受信アンテナ11で同一であるので、1つの受信アンテナを基準した位相の差分を計算することにより、この初期位相をキャンセルすることができる。したがって、受信アンテナ11の受信系遅延位相、すなわち、式(1)におけるξl,mが推定可能である。また、ξl,mの推定値には誤差が含まれるので、基準となる受信アンテナを除く受信アンテナ数(M−1)個分の受信系遅延位相の平均を計算することで誤差を抑圧する。

0076

上記のような方法によって、各電波発信機10の位置座標、各電波発信機10の初期位相および各受信アンテナ11,21の受信系遅延位相について、暫定値をそれぞれ計算することができる。

0077

しかしながら、1つの受信アンテナを基準とした位相の差分を計算する際の前提として、受信アンテナ毎に波長の整数倍不確定性(以下、整数値バイアスと呼ぶ)は存在しないということがある。なぜなら、整数値バイアスが存在すると位相の差分を計算した際に正しく位相差が計算されないためである。

0078

ケーブルまたは各受信機群G1,G2内のRF部で発生する遅延位相は、数秒から数時間内の観測間隔では比較的に安定しており、波長オーダーの誤差が生じる可能性が小さい。例えば、920MHzの電波の場合、33cm程度の誤差が生じる。また、受信機群G1,G2間で時刻同期していない場合、各受信機群G1,G2で個別に、例えばRTC(リアルタイムクロック)等のクロックを持っておき、これらのクロックを無線で同期させる方法が考えられる。

0079

しかしながら、一般的なRTCの精度は、10−6オーダー程度であり、920MHzの電波の場合、1秒間に位相が920回転することになる。すなわち、受信機群G1,G2間で観測毎に位相回転が生じないようにするためには、1/920秒毎に同期をする必要があるが、各電波発信機10の消費電力、および1観測時に必要な処理時間等の観点からも現実には困難である。

0080

そこで実施の形態2では、各受信機群G1,G2において後述する副測位演算処理を実行し、その処理によって得られた各受信アンテナ11,21の受信系遅延位相を用いて、受信機群G1,G2間の位相同期誤差を推定し、その推定された位相同期誤差を用いて立てた連立測位方程式を解くように構成されている。

0081

次に、本実施の形態2における測位装置について、図4を参照しながら説明する。図4は、本発明の実施の形態2における測位装置を示す構成図である。なお、本実施の形態2では、先の実施の形態1と同様である点の説明を省略し、先の実施の形態1と異なる点を中心に説明する。

0082

受信機群G1は、先の実施の形態1の構成に対して、副測位演算部16をさらに有し、副測位演算部16は、信号処理回路30に含まれる。受信機群G2は、先の実施の形態1の構成に対して、副測位演算部26をさらに有し、副測位演算部26は、信号処理回路40に含まれる。

0083

信号処理回路30は、先の実施の形態1の構成に対して、副測位演算部16および位相同期誤差推定部60をさらに有する。信号処理回路40は、先の実施の形態1の構成に対して、副測位演算部26をさらに有する。

0084

副測位演算部16は、以下の式(6)で示す連立測位方程式を解くことで、各受信アンテナ11の受信系遅延位相の暫定値を演算する。なお、式(6)では、受信機群G1の位相算出部15から出力された各電波発信機10の電波位相と、受信機群G1の各受信アンテナ11の位置座標とを既知数とし、各電波発信機10の位置座標と、各電波発信機10の初期位相と、受信機群G1の各受信アンテナ11の受信系遅延位相を未知数としている。

0085

0086

なお、通常では、各受信アンテナ11の受信系遅延位相は、各受信アンテナ11間の相対値でよいので、ξ1,1=0とできるが、本実施の形態2では、受信機群G1,G2間の位相同期誤差を推定するために、ξ1,1についても未知数として、連立測位方程式を解くように構成されている。

0087

副測位演算部26は、以下の式(7)で示す連立測位方程式を解くことで、各受信アンテナ21の受信系遅延位相の暫定値を演算する。なお、式(7)では、受信機群G2の位相算出部25から出力された各電波発信機10の電波位相と、受信機群G2の各受信アンテナ21の位置座標とを既知数とし、各電波発信機10の位置座標と、各電波発信機10の初期位相と、受信機群G2の各受信アンテナ21の受信系遅延位相を未知数としている。

0088

0089

位相同期誤差推定部60は、副測位演算部16によって演算された各受信アンテナ11の受信系遅延位相の暫定値と、副測位演算部26によって演算された各受信アンテナ21の受信系遅延位相の暫定値とから、受信機群G1,G2間の位相同期誤差を推定する。具体的には、位相同期誤差推定部60は、以下の式(8)に従って、位相同期誤差を推定する。

0090

0091

このように、位相同期誤差推定部60は、各受信機群G1,G2の副測位演算部16,26から出力された各受信アンテナ11,21の受信系遅延位相の暫定値の平均値を受信機群G1,G2ごとに演算し、各受信機群G1,G2の平均値の差分値を、位相同期誤差として推定する。

0092

測位演算部50は、式(3)に示す連立測位方程式を解くことで、各電波発信機10の位置座標を演算する。なお、本実施の形態2における測位演算部50が解く、式(3)に示す連立測位方程式では、各受信機群G1,G2の位相算出部15,25から出力された各電波発信機10の電波位相と、各受信機群G1,G2の各受信アンテナ11,21の位置座標と、位相同期誤差推定部60から出力された位相同期誤差とを既知数とし、各電波発信機10の位置座標と、各電波発信機10の初期位相と、各受信機群G1,G2の各受信アンテナ11,21の受信系遅延位相を未知数としている。

0093

次に、本実施の形態2における測位装置の全体の動作について、図5を参照しながら説明する。図5は、本発明の実施の形態2における測位装置の一連の動作を示すフローチャートである。

0094

図5に示すように、ステップS301〜ステップS304は、先の図3のステップS101〜ステップS104と同様の処理である。また、ステップS401〜ステップS405は、先の図3のステップS201〜ステップS205と同様の処理である。

0095

ステップS304の処理が実行された後、信号処理回路30は、副測位演算処理を実行することで、各受信アンテナ11の受信系遅延位相の暫定値を演算する(ステップS305)。

0096

ステップS405の処理が実行された後、信号処理回路40は、副測位演算処理を実行することで、各受信アンテナ21の受信系遅延位相の暫定値を演算する(ステップS406)。

0097

続いて、信号処理回路40は、ステップS405で計算した各受信アンテナ21に対応した各電波発信機10の電波位相と、ステップS406で計算した各受信アンテナ21の受信系遅延位相の暫定値とを、副測位データとして信号処理回路30に送信する(ステップS407)。

0098

信号処理回路30は、信号処理回路40から送信された副測位データを受信する(ステップS306)。位相同期誤差推定部60は、ステップS305で計算した各受信アンテナ11の受信系遅延位相の暫定値と、ステップS306で受信した各受信アンテナ21の受信系遅延位相の暫定値とから、位相同期誤差を推定する(ステップS307)。

0099

測位演算部50は、ステップS304で計算した各受信アンテナ11に対応した各電波発信機10の電波位相と、ステップS306で受信した各受信アンテナ21に対応した各電波発信機10の電波位相と、ステップS307で推定した位相同期誤差とを用いて、測位演算処理を実行する(ステップS308)。信号処理回路30は、ステップS308で実行された測位演算処理の結果を測位結果として表示する(ステップS309)。

0100

以上、本実施の形態2によれば、先の実施の形態1の構成に対して、各受信機群の位相算出部から出力された各電波発信機の電波位相と、各受信機群の各受信アンテナの位置座標と、位相同期誤差推定部から出力された位相同期誤差とを既知数とし、各電波発信機の位置座標と、各電波発信機の初期位相と、各受信機群の各受信アンテナの受信系遅延位相とを未知数とした連立測位方程式を解くことで、各電波発信機の位置座標を演算するように構成されている。

0101

このように構成することで、各受信機群で副測位演算処理が実行された後に受信機群間の位相同期誤差を推定し、その推定した位相同期誤差を用いて測位演算処理が実行されるので、整数値バイアスを取り除き、安定した測位演算が可能となる。

0102

なお、上記の構成に対して、各受信機群の位相算出部から出力された各電波発信機の電波位相と、各受信機群の各受信アンテナの位置座標と、位相同期誤差推定部から出力された位相同期誤差と、各受信機群の副測位演算部から出力された各受信アンテナの受信系遅延位相の暫定値とを既知数とし、各電波発信機の位置座標と、各電波発信機の初期位相とを未知数とした連立測位方程式を解くことで、各電波発信機の位置座標を演算するように構成してもよい。このように構成した場合であっても、上記と同様の効果が得られる。

0103

実施の形態3.
先の実施の形態1、2では、周波数変換部12,22および基準信号生成部13,23を設け、各受信アンテナ11,21から入力された受信信号の周波数を低い周波数に変換した後、その変換後の信号をA/D変換部14,24によってA/D変換するように構成する場合について説明した。これに対して、本発明の実施の形態3では、先の実施の形態1、2の構成に対して、周波数変換部12,22および基準信号生成部13,23を設けない場合について説明する。なお、本実施の形態3では、先の実施の形態1、2と同様である点の説明を省略し、先の実施の形態1、2と異なる点を中心に説明する。

0104

図6は、本発明の実施の形態3における測位装置を示す構成図である。なお、図6では、先の実施の形態1の構成、すなわち、図1の構成に対して、周波数変換部12,22および基準信号生成部13,23を設けない場合を例示している。

0105

このように、各受信アンテナ11,21から入力された受信信号の周波数を低い周波数に変換せずに、その受信信号をA/D変換部14,24によってA/D変換するように構成した場合であっても、位相算出部15,25は、A/D変換部14,24から出力されたディジタル信号から各電波発信機10の電波位相を算出することができる。したがって、先の実施の形態1、2の構成に対して、周波数変換部12,22および基準信号生成部13,23を設けない場合であっても、先の実施の形態1、2と同様の効果が得られる。

0106

以上、本実施の形態3によれば、先の実施の形態1、2の構成に対して、各受信アンテナの受信信号を周波数変換することなくA/D変換し、A/D変換後のディジタル信号を出力し、A/D変換後のディジタル信号から各電波発信機の電波位相を算出するように構成されている。これにより、先の実施の形態1、2と同様の効果が得られる。

0107

なお、本願発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。

0108

10電波発信機、11受信アンテナ、12周波数変換部、13基準信号生成部、14 A/D変換部、15位相算出部、16 副測位演算部、21 受信アンテナ、22 周波数変換部、23 基準信号生成部、24 A/D変換部、25 位相算出部、26 副測位演算部、30信号処理回路、31メモリ、32プロセッサ、33クロック、34 A/D変換制御インターフェース、35データ送受信インターフェース、36表示器、40 信号処理回路、41 メモリ、42 プロセッサ、43 クロック、44 A/D変換制御インターフェース、45 データ送受信インターフェース、50 測位演算部、60位相同期誤差推定部、G1受信機群、G2 受信機群。

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