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技術 スリップフォーム装置及びスリップフォーム方法

出願人 株式会社大林組
発明者 矢島雄一光永有
出願日 2016年2月23日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2016-032223
公開日 2017年8月31日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2017-150194
状態 特許登録済
技術分野 建築現場における取りはずす型枠、補助部材
主要キーワード 作業停止状態 直線力 伸縮リンク 石炭サイロ 固定柱 水平位置調整 上昇処理 床近傍
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

長時間の作業停止後に、安定して再稼働できるスリップフォーム装置及びスリップフォーム方法を提供する。

解決手段

スリップフォーム装置10は、筒体100に対して離間して対向配置される型枠11,12と、型枠11,12を上方向に移動させる油圧ジャッキ15とを備える。各型枠11,12には、各型枠を個別に水平方向に移動させる水平位置調整機構部50が設けられている。そして、スリップフォーム装置10を長時間停止した後に再稼働させる場合には、対向配置させる型枠11,12を片方ずつ剥離する。

概要

背景

塔状コンクリート構造物短期施工するための工法として、スリップフォーム工法が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。非特許文献に記載されているように、スリップフォーム工法は、対向する型枠を、門型フレームであるヨークで支持し、このヨークを油圧ジャッキで連続的に上昇させながら、型枠内格子状の鉄筋を配置しコンクリート打設していく。このため、スリップフォーム工法は、連続施工が原則であるが、作業時間の関係上、夜間は施工を停止することが多い。この停止中に、打設したコンクリートと型枠とが付着することがあり、施工再開時に、スリップフォーム装置の上昇が困難になることがある。

このため、施工停止時からコンクリートが硬化するまでの間、型枠を一定の時間間隔上下動させ、コンクリートと型枠の付着を防止するのが一般的である(縁切りスライド)。しかし、コンクリートの付着力が強い場合、型枠の上下動により、打設したコンクリートの天端付近割れが生じることがある。この割れたコンクリート片は、施工再開前に撤去する必要があった。このため、撤去作業に、多大な労力が必要となっていた。

そこで、長時間の作業停止状態からの上昇動作を考慮したスリップフォーム装置が検討されている(例えば、特許文献1,2参照。)。この特許文献1に記載のスリップフォーム装置においては、型枠のコンクリートと接する内面側には滑性富む樹脂素材からなる滑性シートを一体に配置する。このため、長時間の作業停止を行なった場合においても、滑性シートの滑性により、十分な滑り性で型枠を上昇させることができる。

また、特許文献2に記載のスリップフォーム装置においては、型枠の背面とヨークとを、型枠からヨーク側に向けた斜め上向きの伸縮リンクと、斜め下向きの伸縮しない定長リンクとのそれぞれの両端をヨークと型枠背面に枢支させて連結する。この場合、伸縮リンクの最長状態時に型枠が所定のコンクリート成形位置となるように設置する。そして、長時間の作業停止後に再開する場合には、ヨークをわずかに降下させる。これにより、伸縮リンクに対して圧縮方向の力が作用し、型枠は、コンクリート面から離れる方向に水平移動されて、コンクリート面から剥離される。

概要

長時間の作業停止後に、安定して再稼働できるスリップフォーム装置及びスリップフォーム方法を提供する。スリップフォーム装置10は、筒体100に対して離間して対向配置される型枠11,12と、型枠11,12を上方向に移動させる油圧ジャッキ15とを備える。各型枠11,12には、各型枠を個別に水平方向に移動させる水平位置調整機構部50が設けられている。そして、スリップフォーム装置10を長時間停止した後に再稼働させる場合には、対向配置させる型枠11,12を片方ずつ剥離する。

目的

本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、長時間の作業停止後に、安定して再稼働できるスリップフォーム装置及びスリップフォーム方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

離間して対向配置される型枠と、前記型枠を上方向に移動させる移動機構とを備え、前記型枠内コンクリート打設してコンクリート構造物を形成するスリップフォーム装置において、対向配置される各型枠の少なくとも一方に、前記型枠を個別に水平方向に移動させる剥離装置を設けたことを特徴とするスリップフォーム装置。

請求項2

前記剥離装置は、前記型枠の全面が、前記コンクリート構造物から剥離するまで、前記コンクリート構造物から離間する方向に水平移動可能な水平位置調整機構部と、前記型枠の勾配を調整する勾配調整機構部とを備え、前記剥離装置は、前記水平位置調整機構部及び前記勾配調整機構部によって前記コンクリート構造物の形状及び壁厚の少なくとも1つを調整することを特徴とする請求項1に記載のスリップフォーム装置。

請求項3

前記剥離装置を制御する制御部を更に備え、前記制御部は、前記型枠において基準時間以上の停止を検知した場合、対向配置される前記型枠の一方を、コンクリート構造物から剥離した後、前記コンクリート構造物に再度、当接させ、前記当接させた型枠に対向配置された他方の型枠を前記コンクリート構造物から剥離した後で、再度、当接させる剥離処理と、前記剥離処理を、前記コンクリート構造物の全周囲に当接されているすべての型枠において実行するように繰り返すことを特徴とする請求項1又は2に記載のスリップフォーム装置。

請求項4

前記形成途中のコンクリート構造物は、環状形状を有しており、前記対向配置される型枠は、前記コンクリート構造物を挟んで、前記コンクリート構造物の内周側及び外周側に、複数、配置されており、前記剥離処理を繰り返す場合には、剥離対象ブロック毎に、剥離対象ブロックの内周又は外周に配置された型枠を形成途中の前記コンクリート構造物から剥離した後、前記剥離対象ブロックにおいて剥離された型枠に対向する型枠を前記コンクリート構造物から剥離することを特徴とする請求項3に記載のスリップフォーム装置。

請求項5

対向配置される型枠を打設進行方向に移動させながら、前記型枠内に、コンクリートを打設してコンクリート構造物を形成するスリップフォーム方法において、前記型枠において基準時間以上の停止を検知した場合、対向配置される前記型枠の一方を、コンクリート構造物から剥離した後、前記コンクリート構造物に再度、当接させ、前記当接させた型枠に対向配置された他方の型枠を前記コンクリート構造物から剥離した後で、再度、当接させる剥離処理と、前記剥離処理を、前記コンクリート構造物の全周囲に当接されているすべての型枠において実行するように繰り返すことを特徴とするスリップフォーム方法。

技術分野

0001

本発明は、例えば塔状コンクリート構造物を形成するスリップフォーム装置及びスリップフォーム方法に関する。

背景技術

0002

塔状のコンクリート構造物を短期施工するための工法として、スリップフォーム工法が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。非特許文献に記載されているように、スリップフォーム工法は、対向する型枠を、門型フレームであるヨークで支持し、このヨークを油圧ジャッキで連続的に上昇させながら、型枠内格子状の鉄筋を配置しコンクリート打設していく。このため、スリップフォーム工法は、連続施工が原則であるが、作業時間の関係上、夜間は施工を停止することが多い。この停止中に、打設したコンクリートと型枠とが付着することがあり、施工再開時に、スリップフォーム装置の上昇が困難になることがある。

0003

このため、施工停止時からコンクリートが硬化するまでの間、型枠を一定の時間間隔上下動させ、コンクリートと型枠の付着を防止するのが一般的である(縁切りスライド)。しかし、コンクリートの付着力が強い場合、型枠の上下動により、打設したコンクリートの天端付近割れが生じることがある。この割れたコンクリート片は、施工再開前に撤去する必要があった。このため、撤去作業に、多大な労力が必要となっていた。

0004

そこで、長時間の作業停止状態からの上昇動作を考慮したスリップフォーム装置が検討されている(例えば、特許文献1,2参照。)。この特許文献1に記載のスリップフォーム装置においては、型枠のコンクリートと接する内面側には滑性富む樹脂素材からなる滑性シートを一体に配置する。このため、長時間の作業停止を行なった場合においても、滑性シートの滑性により、十分な滑り性で型枠を上昇させることができる。

0005

また、特許文献2に記載のスリップフォーム装置においては、型枠の背面とヨークとを、型枠からヨーク側に向けた斜め上向きの伸縮リンクと、斜め下向きの伸縮しない定長リンクとのそれぞれの両端をヨークと型枠背面に枢支させて連結する。この場合、伸縮リンクの最長状態時に型枠が所定のコンクリート成形位置となるように設置する。そして、長時間の作業停止後に再開する場合には、ヨークをわずかに降下させる。これにより、伸縮リンクに対して圧縮方向の力が作用し、型枠は、コンクリート面から離れる方向に水平移動されて、コンクリート面から剥離される。

0006

特開平11−210225号公報
特開2001−59338号公報

先行技術

0007

大林組、「サービスと技術スリップフォー工法」、[online]、[平成28年1月12日検索]、インターネット〈URL:http://www.obayashi.co.jp/service_and_technology/related/tech_070〉

発明が解決しようとする課題

0008

特許文献2に記載された技術においては、ヨークを降下させることにより伸縮リンクを
作用させて、すべての型枠を、コンクリート面から一斉に剥離する。この場合、コンクリートは、スリップフォーム装置から完全に切り離され、自立状態になることになる。この状態で地震等の振動が発生すると、横方向の束縛がないため、スリップフォーム装置が不安定になる。

0009

本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、長時間の作業停止後に、安定して再稼働できるスリップフォーム装置及びスリップフォーム方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

上記課題を解決するスリップフォーム装置は、離間して対向配置される型枠と、前記型枠を上方向に移動させる移動機構とを備え、前記型枠内にコンクリートを打設してコンクリート構造物を形成するスリップフォーム装置において、対向配置される各型枠の少なくとも一方に、前記型枠を個別に水平方向に移動させる剥離装置を設ける。これにより、スリップフォーム装置を長時間停止した後に再稼働させる場合には、対向配置させる型枠を個別に剥離することができるので、型枠の剥離中に地震等が発生しても、スリップフォーム装置を安定させることができる。

0011

・上記スリップフォーム装置において、前記剥離装置は、前記型枠の全面が、前記コンクリート構造物から剥離するまで、前記コンクリート構造物から離間する方向に水平移動可能な水平位置調整機構部と、前記型枠の勾配を調整する勾配調整機構部とを備え、前記剥離装置は、前記水平位置調整機構部及び前記勾配調整機構部によって前記コンクリート構造物の形状及び壁厚の少なくとも1つを調整することが好ましい。これにより、剥離装置によって、形成するコンクリート構造物の形状の変更や壁厚の修正等も行なうことができる。

0012

・上記スリップフォーム装置において、前記剥離装置を制御する制御部を更に備え、前記制御部は、前記型枠において基準時間以上の停止を検知した場合、対向配置される前記型枠の一方を、コンクリート構造物から剥離した後、前記コンクリート構造物に再度、当接させ、前記当接させた型枠に対向配置された他方の型枠を前記コンクリート構造物から剥離した後で、再度、当接させる剥離処理と、前記剥離処理を、前記コンクリート構造物の全周囲に当接されているすべての型枠において実行するように繰り返すことが好ましい。これにより、複数の型枠を効率的に安定して剥離することができる。

0013

・上記スリップフォーム装置において、前記形成途中のコンクリート構造物は、環状形状を有しており、前記対向配置される型枠は、前記コンクリート構造物を挟んで、前記コンクリート構造物の内周側及び外周側に、複数、配置されており、前記剥離処理を繰り返す場合には、剥離対象ブロック毎に、剥離対象ブロックの内周又は外周に配置された型枠を形成途中の前記コンクリート構造物から剥離した後、前記剥離対象ブロックにおいて剥離された型枠に対向する型枠を前記コンクリート構造物から剥離することが好ましい。これにより、例えば、想定される地震によってスリップフォーム装置に作用する水平力対抗するために必要な型枠を残せる剥離対象ブロック毎に剥離しながら、すべての型枠を剥離することができるので、いっそう安定して剥離することができる。

発明の効果

0014

本発明によれば、長時間の作業停止後に、安定して再稼働できる。

図面の簡単な説明

0015

本実施形態におけるスリップフォーム装置の断面図であり、(a)は全体、(b)は要部の部分拡大図
本実施形態におけるスリップフォーム装置の型枠調整装置の要部の拡大図。
本実施形態におけるスリップフォーム装置の型枠を剥離する順番を説明する説明図。
本実施形態におけるスリップフォーム装置の作業開始時の制御処理を説明する流れ図。
本実施形態におけるスリップフォーム装置の剥離を説明する説明図であり、(a)は両型枠が付着した状態、(b)は外周側の型枠を剥離した状態、(c)は剥離した型枠を戻した状態、(d)は内周側の型枠を剥離した状態、(e)は両型枠が当接した状態を示す。
変更例におけるスリップフォーム装置の水平位置調整機構部を説明する要部の拡大図。

実施例

0016

以下、図1図5を用いて、スリップフォーム装置及びスリップフォーム方法を具体化した一実施形態を説明する。本実施形態では、スリップフォーム装置を用いて、石炭サイロ筒体円筒形状)を構築する場合を想定する。

0017

図1(a)に示すように、本実施形態のスリップフォーム装置10は、内周側の型枠11と、この型枠に対向する外周側の型枠12と、これらを支持する複数のヨーク20と、複数の油圧ジャッキ15とを備えている。型枠11,12は、構築する筒体100の形状に合わせて、それぞれ円弧形状を有している。複数の型枠11を連接して構成した円周と、複数の型枠12を連接して構成した円周とにより、型枠11,12の間に円筒形状の筒体100を形成する。この型枠11,12の詳細については後述する。ここで、図1に示す筒体100は、形成途中の石炭サイロ(コンクリート構造物)である。この筒体100は、内側と外側に配置された格子状の鉄筋101を内蔵したコンクリートで構成される。更に、この筒体100には、後述するロッド110が、鉛直に建て込まれている。

0018

各ヨーク20は、形成途中の筒体100を跨ぐように配置されており、門型フレームを備えている。門型フレームは、内周側の固定柱材21と、外周側の固定柱材22と、これら固定柱材21,22を連結する連結梁23,25とを備えている。上段の連結梁23の上面には、内周側に内側上段足場31が固定され、外周側に外側上段足場32が固定されている。

0019

また、連結梁23よりも下方に配置された連結梁25の中央には、移動機構としての油圧ジャッキ15が固定されている。油圧ジャッキ15には、筒体100の上端から上方に突出しているロッド110が挿通されている。この油圧ジャッキ15は、ロッド110を締め付けている。そして、油圧ジャッキ15を駆動すると、ロッド110に対して反力が発生し、油圧ジャッキ15が、ロッド110の鉛直方向に上昇し、スリップフォーム装置10を揚重する。なお、ロッド110は、所定長さ(例えば、本実施形態では6m)の鋼管を、順次、継ぎ足して構成されており、筒体100の上端から突出する高さまで延在されている。

0020

また、内周側の固定柱材21には、内側中段足場33が固定されている。更に、外周側の固定柱材21には、外側中段足場34が固定されている。また、内周側の固定柱材21の下端には、吊部材35を介して内側下段足場37が固定されている。更に、外周側の固定柱材22の下端には、吊部材36を介して外側下段足場38が固定されている。

0021

更に、各固定柱材21,22には、型枠調整装置40が取り付けられている。固定柱材21の型枠調整装置40は、内周側の可動柱材41を備え、固定柱材22の型枠調整装置40は、外周側の可動柱材42を備える。固定柱材21に取り付けられた型枠調整装置40と、固定柱材22に取り付けられた型枠調整装置40とは、筒体100を介して向かい
合って対称に設置されている。以下、可動柱材42を有した外周側の型枠調整装置40について説明し、可動柱材41を有した内周側の型枠調整装置40については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。

0022

図1(b)に示すように、型枠調整装置40は、固定柱材22よりも筒体100側に配置されている。型枠調整装置40は、水平位置調整機構部50と勾配調整機構部60とを備えている。水平位置調整機構部50は、可動柱材42を水平移動させる。この水平位置調整機構部50は、スリップフォーム装置10の上昇時に型枠12に作用する摩擦力鉛直荷重)に耐え得るように構成されている。本実施形態では、可動柱材42をヨーク20の連結梁25に摺動可能に取り付けることにより、鉛直荷重を連結梁25に負担させている。この水平位置調整機構部50の構成については後述する。

0023

可動柱材42の中央には、支持材44の上端部が、接合部材43を介して、ピン接合により取り付けられている。支持材44の下部には、支持材44の勾配(傾斜)を調整する勾配調整機構部60が設けられている。この勾配調整機構部60の構成については後述する。

0024

図2に示すように、支持材44の筒体100側には、上下に対向した対となる2つの腹起し取付部材45a,45bが、支持材44の上部と下部に2段で、離散して配置されている。腹起し取付部材45a,45bの間には、腹起し材46,47がそれぞれ遊嵌されている。腹起し材46,47は、筒体100の曲率に対応して湾曲形成されており、例えば、円形断面の鋼管(丸パイプ)を曲げ加工して形成されている。また、型枠12の支持材44側には、挟持部材48a,48bが取り付けられている。挟持部材48a,48bは、腹起し材46,47を遊嵌するように配置されている。

0025

型枠12は、筒体100の壁面の形状に沿うように湾曲形成されており、例えば、いわゆるメタルフォームを用いる。型枠12は、隣の型枠12と隣接する縁部の側に重ね代を設けてある。なお、この重ね代が受けるコンクリート圧はわずかであり、例えば3mm程度の厚みの薄板で形成される。また、この重ね代の大きさは変更可能になっている。そして、円周状に配置された複数の型枠12を径外方向や径内方向に移動させることにより、周長方向の長さを変更する。

0026

次に、図2を用いて、型枠調整装置40の水平位置調整機構部50及び勾配調整機構部60の構成について説明する。ここでは、外側の型枠調整装置40に含まれる水平位置調整機構部50及び勾配調整機構部60について説明する。型枠調整装置40の水平位置調整機構部50及び勾配調整機構部60によって、支持材44が取り付けられた可動柱材42の固定柱材22に対する水平方向の相対位置及び支持材44の勾配を変更することにより、筒体100の形状を変更させたり、筒体100の厚みを変更や修正したりする。

0027

水平位置調整機構部50は、送りねじ51と、送りねじ51に螺合されたナット52及びギア53と、モータ55とを備えている。送りねじ51の両端部は、可動柱材42及び固定柱材22に回転可能に支持されている。ナット52は、固定柱材22の可動柱材42側の表面に固着されている。ギア53は、可動柱材42の固定柱材22側に配置されている。

0028

モータ55は、取付部材56を介して、可動柱材42の固定柱材22側の表面に取り付けられている。モータ55の回転軸の先端には、ギアが設けられている。このモータ55のギアは、送りねじ51のギア53に噛み合っている。本実施形態では、送りねじ51のギア53の歯数がモータ55のギアの歯数よりも多く、モータ55の回転数減速されて送りねじ51に伝達される。モータ55の回転軸が回転されると、ギア53を介して送り
ねじ51が回転する。そして、この送りねじ51の回転力が、固定柱材22に固着されたナット52において直進力に変換されることにより、固定柱材22と可動柱材42との相対距離を変更することができる。本実施形態では、水平位置調整機構部50は、型枠12の全面が、筒体100から剥離可能な位置以上に、可動柱材42が水平移動するように可動範囲が設定されている。

0029

勾配調整機構部60は、送りねじ61と、送りねじ61に螺合されたナット62及びギア63と、モータ65とを備えている。送りねじ61の両端部は、可動柱材42と、支持材44の下部に回転可能に支持されている。ナット62は、固定柱材22の筒体100側の表面に固着されている。ギア63は、可動柱材42の固定柱材22側に配置されている。

0030

モータ65は、モータ55と同様に、取付部材66を介して、可動柱材42の固定柱材22側の表面に取り付けられている。モータ65の回転軸の先端に設けられたギアは、送りねじ61のギア63に噛み合っている。本実施形態では、送りねじ61のギア63の歯数がモータ65のギアの歯数よりも多く、モータ65の回転数は減速して送りねじ61に伝達される。モータ65の回転軸が回転されると、ギア63を介して送りねじ61が回転する。そして、この送りねじ61の回転力が、可動柱材42に固着されたナット62において直進力に変換されることにより、可動柱材42と、支持材44の下部との相対距離を変更することができる。これにより、接合部材43と支持材44とのピン接合部分を支点として、支持材44が回転し、支持材44の勾配(傾斜)を変更することができる。なお、モータ55,65をそれぞれ覆うように、図示しない屋根が可動柱材42に取り付けられている。
更に、各モータ55,65は、図2に示す制御部70からの制御信号に応じて駆動される。

0031

制御部70は、各ヨーク20の油圧ジャッキ15、水平位置調整機構部50及び勾配調整機構部60を制御する。更に、制御部70は、油圧ジャッキ15の停止及び駆動を制御する。

0032

図3に示すように、本実施形態では、筒体100の内周側及び外周側に配置された複数の型枠11,12を、4つのブロックに分ける。本実施形態では、4つのブロックを右回りに順次、剥離する。

0033

次に、図4図5を用いて、上述したスリップフォーム装置10の動作について説明する。
図4に示すように、作業の開始を指示する際に(ステップS1)、経過時間により基準時間以上の停止と判定した場合(ステップS2において「YES」の場合)、剥離対象ブロックを順次、特定し、ブロック毎に以下の処理を繰り返して実行する。

0034

まず、対象ブロックの外側の型枠の剥離処理を実行する(ステップS3)。具体的には、オペレータが制御部70を操作することにより、剥離対象ブロックにおいて、モータ55を駆動して、筒体100から型枠12を引き剥がす。

0035

例えば、図5(a)に示すように、外側の型枠調整装置40の水平位置調整機構部50のモータ55を駆動し、可動柱材42を固定柱材22の方向に移動させる。そして、型枠12の前面が筒体100から剥離するまで、可動柱材42を固定柱材22の方向に移動させる。

0036

次に、対象ブロックの外側の型枠の当接処理を実行する(ステップS4)。具体的には
、オペレータが制御部70を操作することにより、剥離対象ブロックにおいて、モータ55を駆動して、型枠12を筒体100に当接する。

0037

ここでは、図5(b)に示すように、モータ55を逆回転方向に駆動し、可動柱材42を固定柱材22と反対側の方向に移動させる。そして、型枠12を剥離した位置と同じ位置まで戻し、型枠12を筒体100の側面に当接させる。

0038

次に、対象ブロックの内側の型枠の剥離処理を実行する(ステップS5)。具体的には、オペレータが制御部70を操作することにより、剥離対象ブロックにおいて、モータ55を駆動して、筒体100から型枠11を引き剥がす。

0039

例えば、図5(c)に示すように、内側の型枠調整装置40の水平位置調整機構部50のモータ55に駆動信号を供給し、可動柱材41を固定柱材21の方向に移動させる。そして、型枠11の前面が筒体100から剥離するまで、可動柱材41を固定柱材21の方向に移動させる。

0040

次に、対象ブロックの内側の型枠の当接処理を実行する(ステップS6)。具体的には、オペレータが制御部70を操作することにより、剥離対象ブロックにおいて、モータ55を駆動して、型枠11を筒体100に当接する。

0041

例えば、図5(d)に示すように、モータ55を逆回転方向に駆動し、可動柱材41を固定柱材21と反対側の方向に移動させる。そして、型枠11を剥離した位置と同じ位置まで戻し、型枠11を筒体100の側面に当接させる。

0042

以上の処理をブロック毎に繰り返して実行する。なお、基準時間以上停止していなかった場合(ステップS2において「NO」の場合)には、ステップS3〜S6の処理をスキップする。

0043

そして、型枠の上昇処理を実行する(ステップS7)。具体的には、図5(e)に示すように、オペレータが制御部70を操作することにより、油圧ジャッキ15を駆動制御し、ロッド110に対する油圧ジャッキ15の作用によって、スリップフォーム装置10を揚重する。

0044

本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態のスリップフォーム装置10は、筒体100に対して離間して対向配置される型枠11,12と、型枠11,12を支持するヨーク20を上方向に移動させる油圧ジャッキ15とを備える。各型枠11,12には、各型枠11,12を個別に水平方向に移動させる水平位置調整機構部50が設けられている。そして、スリップフォーム装置10を長時間停止した後に再稼働させる場合には、対向配置させる型枠11,12を片方ずつ剥離する。このため、型枠11,12の剥離中に地震等が発生しても、スリップフォーム装置10を安定させることができる。

0045

(2)本実施形態のスリップフォーム装置10の型枠調整装置40は、水平位置調整機構部50及び勾配調整機構部60を備える。これら調整機構部(50,60)によって、支持材44が取り付けられた可動柱材42の固定柱材22に対する水平方向の相対位置及び支持材44の勾配を変更する。従って、筒体100の形状を変更したり、筒体100の厚みを変更や修正したりことができる。

0046

(3)本実施形態のスリップフォーム装置10は、型枠調整装置40の水平位置調整機構部50及び勾配調整機構部60のモータ55,65を制御する制御部70を備えている
。長時間以上停止した場合(ステップS2において「YES」の場合)には、スリップフォーム装置10の制御部70を操作して、対象ブロックの外側の型枠12を水平方向に移動させて剥離した後、元の位置に移動させて当接させる(ステップS3,S4)。そして、対象ブロックの内側の型枠11を剥離した後、元の位置に移動させて当接させる(ステップS5,S6)。そして、筒体100に付着したすべての型枠11,12を剥離した後、油圧ジャッキ15を駆動して型枠11,12を上昇させる。これにより、複数の型枠11,12を効率的によく剥離することができる。

0047

(4)本実施形態のスリップフォーム装置10は、環状の筒体100を挟んで、筒体100の内周側及び外周側に複数、配置されている。スリップフォーム装置10では、剥離対象ブロック毎に、そのブロックの内周側に配置された型枠11を筒体100から剥離して当接させた後、そのブロックの外周側に配置された型枠12を筒体100から剥離して当接させる。これにより、環状の筒体100の内周側及び外周側に複数、配置される型枠を、効率よく安定して剥離することができる。

0048

また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態のスリップフォーム装置10は、剥離対象ブロックの外周側に配置された型枠12を筒体100から剥離して当接させた後、そのブロックの内周側に配置された型枠11を筒体100から剥離して当接させる。型枠11,12を剥離する順番はこれに限定されるものではなく、内周側に配置された型枠11を外周側に配置された型枠12よりも先に剥離させて当接させてもよい。また、所定間隔(例えば、一つ置き)を空けた複数の型枠11,12で剥離・当接を行なうようにしてもよい。

0049

また、上記実施形態では、筒体100の内周側及び外周側に配置された型枠11,12を4つのブロックに分けて、それぞれを剥離対象ブロックとして順次特定した。ここで、剥離対象ブロックは、更に多くのブロックに分けたり、全体を1つのブロックとしたりしてもよい。多くのブロックに分ける場合には、型枠11,12の剥離中に発生した地震等の振動を負担するために十分な数の型枠11,12を付着又は当接させた状態で、同時期に剥離する型枠11,12の数を特定することが好ましい。また、全体を1つのブロックとした場合には、例えば、すべての内周側の型枠11を剥離させて当接させた後、外周側の型枠12を剥離させて当接させる。

0050

また、ブロック毎に、内周側の型枠11及び外周側の型枠12を剥離する代わりに、内周側の型枠11を右回り(又は左回りに)順番に剥離し、これに対向する外周側の型枠12を、内周側の型枠11が当接した後、右回り(又は左回りに)順番に剥離してもよい。この場合にも、スリップフォーム装置10を安定させながら、型枠11,12を筒体100から剥離することができる。

0051

・上記実施形態のスリップフォーム装置10は、オペレータの制御部70の操作に応じて、型枠11,12を剥離させた。これに代えて、制御部70が、油圧ジャッキ15の停止時間に基づいて、自動的に剥離処理等を行なうようにしてもよい。この場合、制御部70は、油圧ジャッキ15を停止したときの停止時刻を記憶するメモリを備えている。更に、制御部70は、油圧ジャッキ15が長時間停止したと判定するための基準時間(例えば6時間)を記憶している。また、制御部70は、同時に複数の型枠(以下、ブロックと呼ぶ)を筒体100から剥離する。このため、制御部70は、各ブロックに属する内周側の型枠11及び外周側の型枠12を識別する識別情報と、剥離するブロックの順番に関する情報を記憶している。

0052

そして、制御部70は、作業の開始を指示する際に(ステップS1)、基準時間以上停止したか否かの判定処理を実行する(ステップS2)。具体的には、制御部70は、シス
テムタイマから現在時刻を取得し、現在時刻と、メモリに記憶した停止時刻との差分に基づいて経過時間を算出する。そして、制御部70は、経過時間と基準時間とを比較する。
ここで、経過時間により基準時間以上の停止と判定した場合(ステップS2において「YES」の場合)、制御部70は、剥離対象ブロックを順次、特定し、ブロック毎に、制御部70が、ステップS3〜S6の処理を繰り返して実行する。なお、基準時間以上停止していなかった場合(ステップS2において「NO」の場合)には、ステップS3〜S6の処理をスキップする。そして、制御部70は、型枠の上昇処理を実行する(ステップS7)。なお、制御部70は、油圧ジャッキを停止した場合、そのときの停止時刻をメモリに記録する。

0053

・上記実施形態のスリップフォーム装置10の型枠調整装置40の水平位置調整機構部50は、可動柱材41,42をヨーク20の連結梁25に摺動可能に取り付けた。水平位置調整機構部50は、可動柱材41,42を水平移動させる構造であって、スリップフォーム装置10の上昇時に型枠12に作用する摩擦力に耐え得る構造であれば、他の構成であってもよい。
例えば、図6に示すように、クランク形状の固定柱材120に摩擦力を負担させてもよい。具体的には、固定柱材120は、水平部121と、水平部121の各端部において下方及び上方にそれぞれ延在する下部122及び上部123とを有する。固定柱材120は、図示しない連結梁に取り付けられ、ヨーク20の門型フレームを構成している。水平部121は、中段足場(34)の床近傍の下方に配置されている。固定柱材120の下部122の上端部近傍には、水平に延在するアーム部130の端部が溶接固定されている。このアーム部130は、水平に延在している。アーム部130の端部には、トロリ131を介して可動柱材142の上端部を取り付ける。そして、水平位置調整機構部50のモータ55によって、可動柱材142をアーム部130において摺動させる。この場合には、型枠12に作用する摩擦力を、連結梁ではなく固定柱材120に負担させる構成になる。更に、中段足場(34)よりも可動柱材142が下に位置しているため、中段足場(34)に可動柱材142が露出させないことができる。

0054

・上記実施形態のスリップフォーム装置10の型枠調整装置40は、可動柱材41,42を備え、この可動柱材41,42を水平移動させることにより、支持材44を介して型枠11,12を剥離する。ここで、可動柱材を備えていない(いわゆる型枠上下調整方式の)型枠調整装置を用いることも可能である。この場合、支持材の固定柱材の上側部と下側部とに、固定柱材との距離を個別に変更可能な水平移動調整機構を設ける。この場合にも、型枠11,12の片方ずつを剥離して当接させることにより、安定して型枠11,12を剥離することができる。

0055

また、上記実施形態では、型枠調整装置40を、内周側の型枠11及び外周側の型枠12に設けた。型枠調整装置40を、型枠11,12の何れか一方のみに設けてもよい。この場合、一方の型枠(11,12)を剥離すると、残りの型枠(11,12)は、付着力が弱まって剥離する。また、型枠11,12の何れか一方を個別に水平方向に剥離させる剥離装置は、型枠の傾斜を調整する機構を有しない装置であってもよい。

0056

・上記実施形態のスリップフォーム装置10の型枠調整装置40は、モータ55,65の回転力を直線力に変更する機構を有した水平位置調整機構部50及び勾配調整機構部60を備える。水平位置調整機構部50及び勾配調整機構部60の駆動は、モータを用いる場合に限られず、油圧ジャッキを用いてもよい。更に、水平位置調整機構部50及び勾配調整機構部60を手動で駆動させてもよい。

0057

・上記実施形態の型枠調整装置40は、モータ55,65の回転速度を減速するギア53,63を嵌合した送りねじ51,61を備えている。これらモータの代わりに、減速機
付モータを用いることにより、送りねじに嵌合させたギアを省略することもできる。更に、モータ55,65を覆うように屋根を取り付ける代わりに、防水型モータを用いてもよい。

0058

・上記実施形態のスリップフォーム装置10は、円筒形状の筒体100を形成するための型枠形状を有する。スリップフォーム装置10の型枠形状は、これに限定されるものではない。例えば、水平断面多角形の環状のコンクリート構造物の躯体を構築する場合には、多角形の各辺を構成する複数の矩形状の型枠を用いる。

0059

・上記実施形態のスリップフォーム装置10は、コンクリート構造物の全周囲に当接されているすべての型枠において、剥離処理を繰り返す。この場合、型枠を一定の時間間隔で上下動させる縁切りスライドと併用してもよい。例えば、停止時間に応じて、剥離処理と縁切りスライドとを使い分けるようにしてもよい。

0060

10…スリップフォーム装置、11,12…型枠、15…油圧ジャッキ、23,25…連結梁、20…ヨーク、21,22,120…固定柱材、31…内側上段足場、32…外側上段足場、33…内側中段足場、34…外側中段足場、35,36…吊部材、37…内側下段足場、38…外側下段足場、39…養生シート、40…型枠調整装置、41,42,142…可動柱材、43…接合部材、44…支持材、45a,45b…腹起し取付部材、46,47…腹起し材、48a,48b…挟持部材、50…水平位置調整機構部、51,61…ねじ、52,62…ナット、53,63…ギア、55,65…モータ、56,66…取付部材、60…勾配調整機構部、70…制御部、100…筒体、101…鉄筋、110…ロッド、121…水平部、122…下部、123…上部、130…アーム部、131…トロリ。

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