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図面 (18)

課題

本発明は、一般的な治療的使用に好適な改善された脂質−治療用核酸組成物を提供することを目的とする。

解決手段

前記課題は、式(I)のカチオン性脂質中性脂質ステロールおよびPEGまたはPEG修飾脂質を含む組成物によって解決される。

概要

背景

治療用核酸には、例えば、低分子干渉RNA(siRNA)、マイクロRNA(miRNA)、アンチセンスオリゴヌクレオチドリボザイムプラスミド、および免疫刺激性核酸が含まれる。これらの核酸は、種々のメカニズムによって作用する。siRNAまたはmiRNAの場合、これらの核酸は、RNA干渉(RNAi)と呼ばれるプロセスを通じて特定のタンパク質細胞内レベル下方調節することができる。siRNAまたはmiRNAが細胞の細胞質に導入された後、これらの二本鎖RNAコンストラクトは、RISCと呼ばれるタンパク質に結合することができる。siRNAまたはmiRNAのセンス鎖はRISC複合体から離れ、結合したsiRNAまたはmiRNAの配列に対する相補的配列を有するmRNAを認識し、それに結合することができる鋳型をRISC内部に生じさせる。相補的mRNAに結合すると、RISC複合体はmRNAを切断し、切断された鎖を放出させる。RNAiは、タンパク質合成をコードする対応するmRNAの特異的破壊を標的とすることによって、特定のタンパク質の下方調節をもたらすことができる。

siRNAおよびmiRNAコンストラクトは、標的タンパク質に対する任意のヌクレオチド配列に関して合成することができるので、RNAiの治療的用途は極めて幅広い。これまでに、siRNAコンストラクトは、インビトロインビボの両方のモデルで標的タンパク質を特異的に下方調節する能力を示している。さらに、siRNAコンストラクトは、現在、臨床研究で評価されているところである。

しかしながら、siRNAまたはmiRNAコンストラクトが現在直面している2つの問題は、第一に、血漿中でのヌクレアーゼ消化に対して感受性があること、そして第二に、細胞内コンパートメント遊離のsiRNAまたはmiRNAとして全身投与されたときにRISCに結合することができる)に近づく能力が限られていることである。これらの二本鎖コンストラクトは、化学修飾ヌクレオチドリンカー(例えば、ホスホチオアート基)を分子内に取り込ませることによって安定化することができる。しかしながら、これらの化学修飾は、ヌクレアーゼ消化からの限られた保護しかもたらさず、かつコンストラクトの活性を減少させ得る。siRNAまたはmiRNAの細胞内送達は、ポリマーカチオン性リポソームなどの担体系の使用によるか、または例えば、コレステロール分子共有結合によるコンストラクトの化学修飾によって、促進することができる。しかしながら、送達系の改善には、siRNAおよびmiRNA分子効力の増加と、化学修飾の必要性の軽減または除外とが求められる。

アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびリボザイムもまた、mRNAのタンパク質への翻訳阻害することができる。アンチセンスコンストラクトの場合、これらの一本鎖デオキシ核酸は、標的タンパク質mRNAの配列に対する相補的配列を有し、ワトソンクリック塩基対合によってmRNAに結合することができる。この結合は、標的mRNAの翻訳を妨げ、および/またはmRNA転写産物RNアーゼH分解を誘発する。結果として、アンチセンスオリゴヌクレオチドには、作用の特異性(すなわち、特定の疾患に関連するタンパク質の下方調節)の途方もない可能性がある。これまでに、これらの化合物は、炎症性疾患、癌、およびHIVのモデルをはじめとする、いくつかのインビトロおよびインビボモデルで有望ぶりを示している(Agrawal,Trendsin Biotech.14:376−387(1996)に概説されている)。アンチセンスは、染色体DNAと特異的にハイブリダイズすることによって、細胞活性に影響を及ぼすこともできる。いくつかのアンチセンス薬物の先端的なヒト臨床評価が現在進行中である。これらの薬物の標的としては、bcl2およびアポリポタンパク質Bの遺伝子およびmRNA産物が挙げられる。

治療用核酸の使用に関してよく知られている問題の1つは、ホスホジエステルヌクレオチド間結合の安定性と、このリンカーのヌクレアーゼに対する感受性とに関する。血清中エキソヌクレアーゼエンドヌクレアーゼが存在するために、ホスホジエステルリンカーを有する核酸の消化が速やかに起こり、それゆえに、治療用核酸は、血清の存在下または細胞内で非常に短い半減期を有する可能性がある(Zelphati,O.,et al.,Antisense.Res.Dev.3:323−338(1993);およびThierry,A.R.,et al.,ppl47−161 in Gene Regulation:Biology of Antisense RNA and DNA(Erickson,RP and Izant,JG編;Raven Press,NY(1992))。これらのおよび他の既知の問題のために、現在開発されている治療用核酸は、天然の核酸に見られる基本的なホスホジエステル化学を利用していない。

この問題は、血清または細胞内分解を低下させる化学修飾によって一部克服されている。(例えば、ホスホチオアートメチルホスホナートまたはホスホルアミダート結合を用いた)ヌクレオチド間ホスホジエステル架橋において、ヌクレオチド塩基(例えば、5−プロピニルピリミジン)において、または糖(例えば、2’−修飾糖)において、修飾が試験されている(Uhlmann E.,et al.Antisense:Chemical Modifications.Encyclopedia of Cancer,Vol.X.,pp 64−81 Academic Press Inc.(1997))。他の者らは、2’−5’糖結合を用いて安定性を改善することを試みている(例えば、米国特許第5,532,130号を参照されたい)。他の変化も試みられている。しかしながら、これらの解決法はどれも、完全に満足の行くものではないことが分かり、インビボでの遊離の治療用核酸には、依然として限られた効力しかない。
さらに、siRNAおよびmiRNAに関して上で述べたように、治療用核酸が細胞膜横断する能力が限られていることに関する問題(Vlassov,et al.,Biochim.Biophys.Acta 1197:95−1082(1994)を参照されたい)や、補体媒介アナフィラキシー凝固特性の変化、および血球減少症などの全身毒性に関する問題が残る(Galbraith,et al.,Antisense Nucl.Acid Drug Des.4:201−206(1994))。

最近の進展にもかかわらず、一般的な治療的使用に好適な改善された脂質−治療用核酸組成物が当該技術分野において依然として必要とされている。これらの組成物は、高効率に核酸を封入し、高い薬物:脂質比を有し、封入された核酸を血清中での分解やクリアランスから保護し、全身送達に好適であり、かつ封入された核酸の細胞内送達をもたらすことが好ましい。さらに、これらの脂質−核酸粒子は、核酸の有効用量での患者治療患者に対する著しい毒性および/またはリスクを伴わない程度に、十分に忍容性でかつ十分な治療指数を提供すべきである。本発明は、このような組成物、この組成物の作製方法、および疾患治療のためを含む、この組成物を用いた細胞への核酸の導入方法を提供する。

概要

本発明は、一般的な治療的使用に好適な改善された脂質−治療用核酸組成物を提供することを目的とする。前記課題は、式(I)のカチオン性脂質中性脂質ステロールおよびPEGまたはPEG修飾脂質を含む組成物によって解決される。なし

目的

本発明は、核酸のインビボ送達に有利なカチオン性脂質およびこれらの脂質を含む脂質粒子、ならびにインビボでの治療的使用に好適な核酸−脂質粒子組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

ステロール中性脂質、PEGまたはPEG修飾脂質および式(I)の脂質を含み、式(I)中、各々のXaおよびXbは、各存在において、独立にC1−6アルキレンであり、nは、0、1、2、3、4、または5であり、Aは、各存在において、NR2または1〜3個のRで任意に置換された環状部分であり、Bは、NRまたは1〜2個のRで任意に置換された環状部分であり、各々のRは独立に、H、アルキル、であり、但し、少なくとも1つのRはであり、R1は、各存在において、独立に、H、R3、であり、R2は、各存在において、独立に、アルキル、アルケニルアルキニルヘテロアルキルヘテロアルケニル、またはヘテロアルキニルであり、これらは各々、1つ以上の置換基で任意に置換されており、R3は、各存在において、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、またはヘテロアルキニルであり、これらは各々、1つ以上の置換基(例えば、親水性置換基)で任意に置換されており、Yは、各存在において、独立に、O、NR4、またはSであり、R4は、各存在において、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、またはヘテロアルキニルであり、これらは各々、1つ以上の置換基で任意に置換されている、組成物

技術分野

0001

優先権の主張
本出願は、2009年5月5日に出願された米国特許出願第61/175,770号および2010年1月28日に出願された米国特許出願第61/299,291号に対する優先権を主張し、これらの各内容は参照により本明細書に組み込まれる。

0002

本発明は、脂質粒子を用いた治療剤送達の分野に関する。特に、本発明は、核酸インビボ送達に有利なカチオン性脂質およびこれらの脂質を含む脂質粒子、ならびにインビボでの治療的使用に好適な核酸−脂質粒子組成物を提供する。さらに、本発明は、これらの組成物を調製する方法、および例えば、様々な病状の治療のために、これらの組成物を用いて、核酸を細胞に導入する方法を提供する。

背景技術

0003

治療用核酸には、例えば、低分子干渉RNA(siRNA)、マイクロRNA(miRNA)、アンチセンスオリゴヌクレオチドリボザイムプラスミド、および免疫刺激性核酸が含まれる。これらの核酸は、種々のメカニズムによって作用する。siRNAまたはmiRNAの場合、これらの核酸は、RNA干渉(RNAi)と呼ばれるプロセスを通じて特定のタンパク質の細胞内レベル下方調節することができる。siRNAまたはmiRNAが細胞の細胞質に導入された後、これらの二本鎖RNAコンストラクトは、RISCと呼ばれるタンパク質に結合することができる。siRNAまたはmiRNAのセンス鎖はRISC複合体から離れ、結合したsiRNAまたはmiRNAの配列に対する相補的配列を有するmRNAを認識し、それに結合することができる鋳型をRISC内部に生じさせる。相補的mRNAに結合すると、RISC複合体はmRNAを切断し、切断された鎖を放出させる。RNAiは、タンパク質合成をコードする対応するmRNAの特異的破壊を標的とすることによって、特定のタンパク質の下方調節をもたらすことができる。

0004

siRNAおよびmiRNAコンストラクトは、標的タンパク質に対する任意のヌクレオチド配列に関して合成することができるので、RNAiの治療的用途は極めて幅広い。これまでに、siRNAコンストラクトは、インビトロとインビボの両方のモデルで標的タンパク質を特異的に下方調節する能力を示している。さらに、siRNAコンストラクトは、現在、臨床研究で評価されているところである。

0005

しかしながら、siRNAまたはmiRNAコンストラクトが現在直面している2つの問題は、第一に、血漿中でのヌクレアーゼ消化に対して感受性があること、そして第二に、細胞内コンパートメント遊離のsiRNAまたはmiRNAとして全身投与されたときにRISCに結合することができる)に近づく能力が限られていることである。これらの二本鎖コンストラクトは、化学修飾ヌクレオチドリンカー(例えば、ホスホチオアート基)を分子内に取り込ませることによって安定化することができる。しかしながら、これらの化学修飾は、ヌクレアーゼ消化からの限られた保護しかもたらさず、かつコンストラクトの活性を減少させ得る。siRNAまたはmiRNAの細胞内送達は、ポリマーカチオン性リポソームなどの担体系の使用によるか、または例えば、コレステロール分子共有結合によるコンストラクトの化学修飾によって、促進することができる。しかしながら、送達系の改善には、siRNAおよびmiRNA分子効力の増加と、化学修飾の必要性の軽減または除外とが求められる。

0006

アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびリボザイムもまた、mRNAのタンパク質への翻訳阻害することができる。アンチセンスコンストラクトの場合、これらの一本鎖デオキシ核酸は、標的タンパク質mRNAの配列に対する相補的配列を有し、ワトソンクリック塩基対合によってmRNAに結合することができる。この結合は、標的mRNAの翻訳を妨げ、および/またはmRNA転写産物RNアーゼH分解を誘発する。結果として、アンチセンスオリゴヌクレオチドには、作用の特異性(すなわち、特定の疾患に関連するタンパク質の下方調節)の途方もない可能性がある。これまでに、これらの化合物は、炎症性疾患、癌、およびHIVのモデルをはじめとする、いくつかのインビトロおよびインビボモデルで有望ぶりを示している(Agrawal,Trendsin Biotech.14:376−387(1996)に概説されている)。アンチセンスは、染色体DNAと特異的にハイブリダイズすることによって、細胞活性に影響を及ぼすこともできる。いくつかのアンチセンス薬物の先端的なヒト臨床評価が現在進行中である。これらの薬物の標的としては、bcl2およびアポリポタンパク質Bの遺伝子およびmRNA産物が挙げられる。

0007

治療用核酸の使用に関してよく知られている問題の1つは、ホスホジエステルヌクレオチド間結合の安定性と、このリンカーのヌクレアーゼに対する感受性とに関する。血清中エキソヌクレアーゼエンドヌクレアーゼが存在するために、ホスホジエステルリンカーを有する核酸の消化が速やかに起こり、それゆえに、治療用核酸は、血清の存在下または細胞内で非常に短い半減期を有する可能性がある(Zelphati,O.,et al.,Antisense.Res.Dev.3:323−338(1993);およびThierry,A.R.,et al.,ppl47−161 in Gene Regulation:Biology of Antisense RNA and DNA(Erickson,RP and Izant,JG編;Raven Press,NY(1992))。これらのおよび他の既知の問題のために、現在開発されている治療用核酸は、天然の核酸に見られる基本的なホスホジエステル化学を利用していない。

0008

この問題は、血清または細胞内分解を低下させる化学修飾によって一部克服されている。(例えば、ホスホチオアートメチルホスホナートまたはホスホルアミダート結合を用いた)ヌクレオチド間ホスホジエステル架橋において、ヌクレオチド塩基(例えば、5−プロピニルピリミジン)において、または糖(例えば、2’−修飾糖)において、修飾が試験されている(Uhlmann E.,et al.Antisense:Chemical Modifications.Encyclopedia of Cancer,Vol.X.,pp 64−81 Academic Press Inc.(1997))。他の者らは、2’−5’糖結合を用いて安定性を改善することを試みている(例えば、米国特許第5,532,130号を参照されたい)。他の変化も試みられている。しかしながら、これらの解決法はどれも、完全に満足の行くものではないことが分かり、インビボでの遊離の治療用核酸には、依然として限られた効力しかない。
さらに、siRNAおよびmiRNAに関して上で述べたように、治療用核酸が細胞膜横断する能力が限られていることに関する問題(Vlassov,et al.,Biochim.Biophys.Acta 1197:95−1082(1994)を参照されたい)や、補体媒介アナフィラキシー凝固特性の変化、および血球減少症などの全身毒性に関する問題が残る(Galbraith,et al.,Antisense Nucl.Acid Drug Des.4:201−206(1994))。

0009

最近の進展にもかかわらず、一般的な治療的使用に好適な改善された脂質−治療用核酸組成物が当該技術分野において依然として必要とされている。これらの組成物は、高効率に核酸を封入し、高い薬物:脂質比を有し、封入された核酸を血清中での分解やクリアランスから保護し、全身送達に好適であり、かつ封入された核酸の細胞内送達をもたらすことが好ましい。さらに、これらの脂質−核酸粒子は、核酸の有効用量での患者治療患者に対する著しい毒性および/またはリスクを伴わない程度に、十分に忍容性でかつ十分な治療指数を提供すべきである。本発明は、このような組成物、この組成物の作製方法、および疾患治療のためを含む、この組成物を用いた細胞への核酸の導入方法を提供する。

先行技術

0010

Agrawal,Trendsin Biotech.14:376−387(1996)
Zelphati,O.,et al.,Antisense.Res.Dev.3:323−338(1993)
Thierry,A.R.,et al.,ppl47−161 in Gene Regulation:Biology of Antisense RNA and DNA(Erickson,RP and Izant,JG編;Raven Press,NY(1992)
Uhlmann E.,et al.Antisense:Chemical Modifications.Encyclopedia of Cancer,Vol.X.,pp 64−81 Academic Press Inc.(1997)
Vlassov,et al.,Biochim.Biophys.Acta 1197:95−1082(1994)
Galbraith,et al.,Antisense Nucl.Acid Drug Des.4:201−206(1994)

課題を解決するための手段

0011

本発明は、式(I)



のカチオン性脂質、中性脂質ステロールおよびPEGまたはPEG修飾脂質を含む脂質組成物を提供し、
式(I)中、
各々のXaおよびXbは、各存在において、独立に、C1−6アルキレンであり、
nは、0、1、2、3、4、または5であり、
Aは、各存在において、NR2または1〜3個のRで任意に置換された環状部分であり、
Bは、NRまたは1〜2個のRで任意に置換された環状部分であり、
各々のRは独立に、H、アルキル



但し、少なくとも1つのRは、



であり、
R1は、各存在において、独立に、H、R3、



であり、
R2は、各存在において、独立に、アルキル、アルケニルアルキニルヘテロアルキルヘテロアルケニル、またはヘテロアルキニルであり、これらは各々、1つ以上の置換基で任意に置換されており、
R3は、各存在において、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、またはヘテロアルキニルであり、これらは各々、1つ以上の置換基(例えば、親水性置換基)で任意に置換されており、
Yは、各存在において、独立に、O、NR4、またはSであり、
R4は、各存在において、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、またはヘテロアルキニルであり、これらは各々、1つ以上の置換基で任意に置換されており、

0012

本発明は、組成物を製剤化する方法および脂質組成物を用いて疾患を治療する方法をさらに提供する。

0013

別の態様では、式(IV)



式中、
各々のRは独立に、H、アルキル、



であり、但し、少なくとも1つのRは、



であり、ここで、R1は、各存在において、独立に、H、R3、



であり、ここで、R3は、1つ以上の置換基で任意に置換されており、
R2は、各存在において、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、またはヘテロアルキニルであり、これらは各々、1つ以上の置換基で任意に置換されており、
R3は、各存在において、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、またはヘテロアルキニルであり、これらは各々、1つ以上の置換基で任意に置換されており、
Yは、各存在において、独立に、O、NR4、またはSであり、
R4は、各存在において、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、またはヘテロアルキニルであり、これらは各々、1つ以上の置換基で任意に置換されている
の化合物を作製する方法であって、β−ヒドロキシアルキル基が1つ以上の置換基で任意に置換されている、エナンチオマー豊富なβ−ヒドロキシアルキル合成等価物を、式(VIII)



式中、R5は、各存在において、独立に、H、アルキル、またはアミン保護基であり、ここで、アルキルは、1つ以上の置換基で任意に置換されており、かつR6は、各存在において、独立に、H、−(CH2)2N(R5)2、またはアミン保護基である
の化合物と接触させることを含む、方法。

0014

β−ヒドロキシアルキル合成等価物はRの前駆体であることができる。すなわち、β−ヒドロキシアルキル合成等価物により提供される官能基は、式(IV)の化合物中に最終的なR基を提供するためにさらなる反応を受けることができる。

0015

式(VIII)の化合物は、



またはそれらの混合物であることができる。

0016

エナンチオマーが豊富なβ−ヒドロキシアルキル合成等価物は、例えば、(R)−1,2−エポキシドデカンなどの、エナンチオマーが豊富な1,2−エポキシアルカンを含むことができる。エナンチオマーが豊富なβ−ヒドロキシアルキル合成等価物は、例えば、2−(O−Pg)−ドデカナールなどの、保護されたα−ヒドロキシアルデヒドを含むことができ、ここで、O−Pgは保護されたヒドロキシル基を表す。

0017

本方法は、1級アルコール捕捉試薬を、エナンチオマーが豊富なβ−ヒドロキシアルキル合成等価物と式(VIII)の化合物との反応産物と接触させることをさらに含むことができる。

0018

別の態様では、化合物を作製する方法は、1−(2−(フタルイミドエチル)−ピペラジンを1−(2−クロロエチルイミダゾリジン−2−オンと接触させることを含む。

0019

別の態様では、式:



を有する化合物およびその塩。

0020

別の態様では、式:



を有する化合物およびその塩。

0021

別の態様では、化合物を作製する方法は、1−シアノメチル−4−(2−((シアノメチル)アミノ)エチル)ピペラジンを還元剤と接触させることを含む。

0022

還元剤はH2以外のものであることができる。還元剤はNaBH4を含むことができる。本方法は、シアノメチル−4−(2−((シアノメチル)アミノ)エチル)ピペラジンを還元剤およびアミノ基保護試薬と同時に接触させることを含むことができる。アミノ基保護試薬は(BoC)2Oを含むことができる。

図面の簡単な説明

0023

様々な脂質比での相対FVIIタンパク質を示すグラフである。
様々な脂質比での体重変化に対する効果を示すグラフである。
様々な量のカチオン性脂質(I)および低PEG脂質での相対FVIIタンパク質を示すグラフである。
様々な量のカチオン性脂質(I)および低PEG脂質での体重変化に対する効果を示すグラフである。
10種の異なるsiRNAを含む脂質組成物の10種の異なる肝臓mRNAに対する効果を示すグラフである。
様々なAF12を含有するリポソーム組成物におけるFVIIの用量依存性応答を示すグラフである。
ApoEノックアウトマウスにおけるApoE含有およびGalNAc3含有リポソーム組成物の用量応答を示すグラフである。
WT(C57Bl/6)およびLDLRKOマウスにおける様々な量のAF12での相対FVIIタンパク質レベルを示すグラフである。
図9aは、ApoE KOマウスにおけるApoEおよびGalNAc3含有組成物中の様々な量のAF12での相対FVIIタンパク質レベルを示すグラフである。図9bは、野生型マウスにおけるApoEおよびGalNAc3含有組成物中の様々な量のAF12での相対FVIIタンパク質レベルを示す正規化したグラフである。
APDH(図10A)、VEFG受容体2(VEGFR2)(図10B)、およびVe−カドヘリン図10C)発現と比較したときの、心臓におけるTie2発現のノックダウン(KD)を示すグラフである。
AF−011(図11B)とではなく、AF−012(図11A)とともに製剤化したsiRNAによる肝臓におけるTie2発現のKDを示すグラフである。
AF−012とともに製剤化したsiRNAによる肝臓におけるTie2発現のKD(図12A)、およびAF−012とともに製剤化したTie2 siRNAに応答したVEGFR2発現の活性化(図12B)を示すグラフである。
AF−012とともに製剤化したsiRNAによるにおけるTie2発現のKD(図13A)を示すグラフである。Tie2発現をVE−カドヘリン(図13A)およびVEGFR−2(図13B)発現と比較した。
siRNAを、AF−011とともに製剤化したときではなく、AF−012とともに製剤化したときの、腎臓図14A)および骨格筋図14B)におけるTie2発現のKDを示すグラフである。
siRNAをAF−012とともにまたはAF−011とともに製剤化したとき、Tie2 siRNAによって視床下部における遺伝子発現がノックダウンされなかったことを示すグラフである。
図16Aおよび図16Bは、それぞれ、肝臓および骨格筋におけるTie2発現の用量依存的ノックダウンを示す。
図17Aおよび図17Bは、それぞれ、脾臓および心臓における用量依存的Tie2ノックダウンを示す。
図18Aおよび図18Bは、それぞれ、異なる用量での腎臓および脂肪組織のTie2ノックダウンを示す。

0024

本発明は、作用剤、例えば、核酸ベースの作用剤(例えば、RNAべースのコンストラクト)を細胞または対象に送達する上で、その好適性のために本明細書に開示される脂質組成物を提供する。RNAべースのコンストラクトを含む脂質組成物を動物投与し、標的遺伝子の発現を評価する方法。

0025

本発明は、式(I)



式中、
各々のXaおよびXbは、各存在において、独立にC1−6アルキレンであり、
nは、0、1、2、3、4、または5であり、
Aは、各存在において、NR2または1〜3個のRで任意に置換された環状部分であり、
Bは、NRまたは1〜2個のRで任意に置換された環状部分であり、
各々のRは独立に、H、アルキル、



但し、少なくとも1つのRは、であり、



R1は、各存在において、独立に、H、R3、



であり、
R2は、各存在において、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、またはヘテロアルキニルであり、これらは各々、1つ以上の置換基で任意に置換されており、
R3は、各存在において、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、またはヘテロアルキニルであり、これらは各々、1つ以上の置換基(例えば、親水性置換基)で任意に置換されており、
Yは、各存在において、独立に、O、NR4、またはSであり、
R4は、各存在において、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、またはヘテロアルキニルであり、これらは各々、1つ以上の置換基で任意に置換されている、の化合物と、
ステロールと、
PEGまたはPEG修飾脂質と
を含む組成物を提供する。

0026

一実施形態では、式(I)の化合物は少なくとも2個の窒素を含む。一実施形態では、式(I)の化合物は少なくとも3個の窒素を含む。

0027

一実施形態では、nは、1、2、または3である。

0028

一実施形態では、少なくとも1つのAは環状部分である。一実施形態では、少なくとも1つのAは窒素を含有する環状部分である。一実施形態では、少なくとも1つのAはピペリジニル(piperidinyl)またはピペリジニル(piperizinyl)部分である。

0029

一実施形態では、nは2であり、かつ少なくとも1つのAは環状部分である。

0030

一実施形態では、少なくとも1つのBは環状部分である。一実施形態では、少なくとも1つのBは窒素を含有する環状部分である。一実施形態では、少なくとも1つのBはピペリジニル(piperidinyl)またはピペリジニル(piperizinyl)部分である。

0031

一実施形態では、nは2であり、かつ少なくとも1つのBは環状部分である。

0032

一実施形態では、XaはC2またはC3アルキレンである。一実施形態では、XbはC2またはC3アルキレンである。

0033

一実施形態では、XaおよびXbは各々、C2またはC3アルキレンである。一実施形態では、XaおよびXbは各々、C2アルキレンである。

0034

一実施形態では、Rは、少なくとも3つの存在について、



である。一実施形態では、nは2または3であり、かつRは、少なくとも3つの存在について、



である。一実施形態では、nは3であり、かつRは、少なくとも5つの存在について、



である。

0035

一実施形態では、Rは、少なくとも1つの存在(例えば、1つまたは2つの存在)について、Hである。一実施形態では、YはOまたはNR4である。

0036

一実施形態では、YはOである。一実施形態では、各存在において、YはOである。

0037

一実施形態では、R1はHである。一実施形態では、各存在において、R1はHである。

0038

一実施形態では、R1は



であり、ここで、R3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、またはヘテロアルキニルであり、これらは各々、1つ以上の置換基(例えば、親水性置換基)で任意に置換されている。

0039

一実施形態では、R1は



であり、R3は、1つ以上の置換基(例えば、親水性置換基)で任意に置換されたアルキルである。

0040

一実施形態では、R3は−OHで置換されている。

0041

一実施形態では、R1は、R3、



であり、ここで、R3アルキルは、1つ以上の置換基で任意に置換されている。

0042

一実施形態では、R3は親水性置換基で置換されている。一実施形態では、R3は−OHで置換されている。

0043

一実施形態では、R2は、アルキル、アルケニル、またはアルキニルである。一実施形態では、R2は、アルキル(例えば、C6−C18アルキル、例えば、C8−C12アルキル、例えば、C10アルキル)である。

0044

一実施形態では、Rは、少なくとも3つ(例えば、少なくとも4つまたは5つ)の存在については、



である。

0045

一実施形態では、R2は、アルキル(例えば、C6−C18アルキル、例えば、C8−C12アルキル、例えば、C10アルキル)である。

0046

一実施形態では、組成物は、式(II)



式中、
各々のXaおよびXbは、各存在において、独立にC1−6アルキレンであり、nは、0、1、2、3、4、または5であり、
各々のRは独立に、H、アルキル、



であり、但し、少なくとも1つのRは、



であるか、または2つのRは、それらが結合する窒素とともに、環を形成し、
R1は、各存在において、独立に、H、R3、



であり、ここで、R3は、1つ以上の置換基で任意に置換されており、
R2は、各存在において、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、またはヘテロアルキニルであり、これらは各々、1つ以上の置換基で任意に置換されており、
R3は、各存在において、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、またはヘテロアルキニルであり、これらは各々、1つ以上の置換基で任意に置換されており、
Yは、各存在において、独立に、O、NR4、またはSであり、
R4は、各存在において、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、またはヘテロアルキニルであり、これらは各々、1つ以上の置換基で任意に置換されている、の化合物と、
ステロールと、
PEGまたはPEG修飾脂質と、を含む。

0047

一実施形態では、XaはC2またはC3アルキレンである。一実施形態では、XbはC2またはC3アルキレンである。

0048

一実施形態では、XaおよびXbは各々、C2またはC3アルキレンである。一実施形態では、XaおよびXbは各々、C2アルキレンである。

0049

一実施形態では、nは2または3である。

0050

一実施形態では、nは3である。

0051

一実施形態では、Rは、少なくとも3つの存在について、



である。一実施形態では、nは2または3であり、かつRは、少なくとも3つの存在について、



である。一実施形態では、nは3であり、かつRは、少なくとも5つの存在について、



である。

0052

2つのRが、それらが結合する窒素とともに、環を形成する、請求項xの組成物。一実施形態では、それらが結合する窒素とともに、環を形成する2つのRは、隣接する窒素上に位置する。

0053

一実施形態では、YはOまたはNR4である。一実施形態では、YはOである。一実施形態では、各存在において、YはOである。

0054

一実施形態では、R1はHである。一実施形態では、各存在において、R1はHである。

0055

一実施形態では、R1は



であり、ここで、R3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、またはヘテロアルキニルであり、これらは各々、1つ以上の置換基(例えば、親水性置換基)で任意に置換されている。一実施形態では、R1は



であり、R3は、1つ以上の置換基(例えば、親水性置換基)で任意に置換されたアルキルである。

0056

一実施形態では、R3は−OHで置換されている。

0057

一実施形態では、R1はR3、



であり、ここで、R3アルキルは、1つ以上の置換基で任意に置換されている。

0058

一実施形態では、R3は親水性置換基で置換されている。一実施形態では、R3は−OHで置換されている。

0059

一実施形態では、R2は、アルキル、アルケニル、またはアルキニルである。一実施形態では、R2は、アルキル(例えば、C6−C18アルキル、例えば、C8−C12アルキル、例えば、C10アルキル)である。

0060

一実施形態では、Rは、少なくとも3つ(例えば、少なくとも4つまたは5つ)の存在について、



である。

0061

一実施形態では、R2は、アルキル(例えば、C6−C18アルキル、例えば、C8−C12アルキル、例えば、C10アルキル)である。

0062

一実施形態では、Rは、少なくとも1つの存在(例えば、1つまたは2つの存在)について、Hである。

0063

一実施形態では、組成物は、式(III)、(VI)



の化合物またはそれらの混合物を含む。

0064

一実施形態では、Rは、少なくとも3つの存在について、



である。一実施形態では、nは2または3であり、かつRは、少なくとも3つの存在について、



である。一実施形態では、nは3であり、かつRは、少なくとも5つの存在について、



である。

0065

一実施形態では、YはOまたはNR4である。一実施形態では、YはOである。一実施形態では、各存在において、YはOである。

0066

一実施形態では、R1がHである。一実施形態では、各存在において、R1はHである。

0067

一実施形態では、R1は



であり、ここで、R3は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、またはヘテロアルキニルであり、これらは各々、1つ以上の置換基(例えば、親水性置換基)で任意に置換されている。一実施形態では、R1は



であり、R3アルキルは、1つ以上の置換基(例えば、親水性置換基)で任意に置換されている。

0068

一実施形態では、R3は−OHで置換されている。

0069

一実施形態では、R1は、R3、



であり、ここで、R3アルキルは、1つ以上の置換基で任意に置換されている。

0070

一実施形態では、R3は親水性置換基で置換されている。一実施形態では、R3は−OHで置換されている。

0071

一実施形態では、R2は、アルキル、アルケニル、またはアルキニルである。一実施形態では、R2は、アルキル(例えば、C6−C18アルキル、例えば、C8−C12アルキル、例えば、C10アルキル)である。

0072

一実施形態では、Rは、少なくとも3つ(例えば、少なくとも4つまたは5つ)の存在について、



である。

0073

一実施形態では、R2は、アルキル(例えば、C6−C18アルキル、例えば、C8−C12アルキル、例えば、C10アルキル)である。一実施形態では、R2は、アルキル(例えば、C6−C18アルキル、例えば、C8−C12アルキル、例えば、C10アルキル)である。

0074

一実施形態では、Rは、少なくとも1つの存在(例えば、1つまたは2つの存在)について、Hである。

0075

一実施形態では、組成物は、式(V)



の化合物を含む。一実施形態では、組成物は、式(VI)



の化合物を含む。

0076

一実施形態では、組成物は、式(VII):



の化合物を含む。

0077

一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)または(VII)の化合物は、それらの無機塩または有機塩、例えば、それらのヒドロハライド塩、例えば、それらの塩酸塩である。一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)または(VII)の化合物は、有機酸の塩、例えば、酢酸塩またはギ酸塩である。一実施形態では、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)または(VII)の化合物は、水和物の形態である。

0078

一実施形態では、ステロールはコレステロールである。一実施形態では、脂質はPEG修飾脂質である。一実施形態では、PEG修飾脂質はPEG−DMGである。

0079

一実施形態では、組成物は、中性脂質をさらに含む。一実施形態では、中性脂質はDSPCである。

0080

一実施形態では、組成物は、約25〜75%の式(I)の化合物(例えば、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)または(VII)の化合物)、約5〜50%のステロール、および約0.5〜20%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。一実施形態では、組成物は、約0.5〜15%の中性脂質をさらに含む。

0081

一実施形態では、組成物は、約35〜65%の式(I)の化合物(例えば、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)または(VII)の化合物)、約15〜45%のステロール、および約0.5〜10%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。

0082

一実施形態では、組成物は、約3〜12%の中性脂質をさらに含む。

0083

一実施形態では、組成物は、約45〜65%の式(I)の化合物(例えば、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)または(VII)の化合物)、約25〜40%のステロール、および約0.5〜5%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。

0084

一実施形態では、組成物は、約5〜10%の中性脂質をさらに含む。

0085

一実施形態では、組成物は、約60%の式(I)の化合物(例えば、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)または(VII)の化合物)、約31%のステロール、および約1.5%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。一実施形態では、組成物は、約7.5%の中性脂質をさらに含む。

0086

一実施形態では、本発明の組成物は、約57.5%の式(I)のカチオン性脂質(例えば、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)または(VII)の化合物)、約7.5%の中性脂質、約31.5%のステロール、および約3.5%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。好ましい一実施形態では、式(I)のカチオン性脂質は式Vの化合物であり、中性脂質はDSPCであり、ステロールはコレステロールであり、かつPEG脂質はPEG−DMGである。

0087

一実施形態では、本発明の組成物は、約50%の式(I)のカチオン性脂質(例えば、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)または(VII)の脂質)、約10%の中性脂質、約38.5%のステロール、および約1.5%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。好ましい一実施形態では、式(I)のカチオン性脂質は式Vの脂質であり、中性脂質はDSPCであり、ステロールはコレステロールであり、かつPEG脂質はPEG−DMGである。

0088

一実施形態では、本発明の組成物は、約50%の式(I)のカチオン性脂質(例えば、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)または(VII)の脂質)、約10%の中性脂質、約38.5%のステロール、および約1.5%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。好ましい一実施形態では、式(I)のカチオン性脂質は式Vの脂質であり、中性脂質はDSPCであり、ステロールはコレステロールであり、かつPEG脂質はPEG−DSGである。

0089

一実施形態では、本発明の組成物は、約50%の式(I)のカチオン性脂質(例えば、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)または(VII)の脂質)、約10%の中性脂質、約38.5%のステロール、および約1.5%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。好ましい一実施形態では、式(I)のカチオン性脂質は式VIの脂質であり、中性脂質はDSPCであり、ステロールはコレステロールであり、かつPEG脂質はPEG−DMGである。

0090

一実施形態では、本発明の組成物は、約50%の式(I)のカチオン性脂質(例えば、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)または(VII)の脂質)、約10%の中性脂質、約38.5%のステロール、および約1.5%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。好ましい一実施形態では、式(I)のカチオン性脂質は式VIの脂質であり、中性脂質はDSPCであり、ステロールはコレステロールであり、かつPEG脂質はPEG−DSGである。

0091

一実施形態では、組成物は会合錯体である。一実施形態では、組成物はリポソームである。

0092

一実施形態では、組成物は、核酸剤(例えば、1つ以上の核酸剤)をさらに含む。

0093

一実施形態では、組成物は、RNA剤をさらに含む。一実施形態では、組成物は、一本鎖RNA剤(例えば、1つ以上の一本鎖RNA剤)をさらに含む。一実施形態では、組成物は、二本鎖RNA剤(例えば、1つ以上の二本鎖RNA剤)をさらに含む。

0094

一実施形態では、脂質組成物は、2つ以上のsiRNAを含み得る。いくつかの実施形態では、脂質組成物は、2つ以上の異なるsiRNAを含む。いくつかの実施形態では、脂質組成物は、5つ以上の異なるsiRNAを含む。いくつかの実施形態では、脂質組成物は、10以上の異なるsiRNAを含む。いくつかの実施形態では、脂質組成物は、20以上の異なるsiRNAを含む。

0095

式(III)もしくは(VI)



式中、
各々のRは独立に、H、アルキル、



であり、
R1は、各存在において、独立に、H、R3、



であり、
R2は、各存在において、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、またはヘテロアルキニルであり、これらは各々、1つ以上の置換基で任意に置換されており、
R3は、各存在において、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、またはヘテロアルキニルであり、これらは各々、1つ以上の置換基(例えば、親水性置換基)で任意に置換されており、
Yは、各存在において、独立に、O、NR4、またはSであり、
R4は、各存在において、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、またはヘテロアルキニルであり、これらは各々、1つ以上の置換基で任意に置換されている、の化合物またはそれらの混合物と、
ステロールと、
PEGまたはPEG修飾脂質と、を含む組成物。

0096

押出法またはインライン混合法を含む、本明細書に記載の組成物を産生する方法。

0097

一実施形態では、本発明の組成物は、25〜75%の式(I)のカチオン性脂質(例えば、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)または(VII)の脂質)、0.5〜15%の中性脂質、5〜50%のステロール、および0.5〜20%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。

0098

一実施形態では、本発明の組成物は、35〜65%の式(I)のカチオン性脂質(例えば、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)または(VII)の脂質)、3〜12%の中性脂質、15〜45%のステロール、および0.5〜10%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。

0099

一実施形態では、本発明の組成物は、45〜65%の式(I)のカチオン性脂質(例えば、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)または(VII)の脂質)、5〜10%の中性脂質、25〜40%のステロール、および0.5〜5%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。

0100

一実施形態では、本発明の組成物は、約60%の式(I)のカチオン性脂質(例えば、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)または(VII)の脂質)、約7.5%の中性脂質、約31%のステロール、および約1.5%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。好ましい一実施形態では、式(I)のカチオン性脂質は式Vの化合物であり、中性脂質はDSPCであり、ステロールはコレステロールであり、かつPEG脂質はPEG−DMGである。

0101

一実施形態では、本発明の組成物は、約57.5%の式(I)のカチオン性脂質(例えば、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)または(VII)の脂質)、約7.5%の中性脂質、約31.5%のステロール、および約3.5%のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。好ましい一実施形態では、式(I)のカチオン性脂質は式Vの化合物であり、中性脂質はDSPCであり、ステロールはコレステロールであり、かつPEG脂質はPEG−DMGである。

0102

一実施形態では、脂質:siRNAの比は、少なくとも約0.5:1、少なくとも約1:1、少なくとも約2:1、少なくとも約3:1、少なくとも約4:1、少なくとも約5:1、少なくとも約6:1、少なくとも約7:1、少なくとも約8:1、少なくとも約9:1、少なくとも約10:1または少なくとも約11:1である。一実施形態では、脂質:siRNAの比は、約1:1〜約20:1、約3:1〜約15:1、約4:1〜約15:1、約5:1〜約13:1である。一実施形態では、脂質:siRNAの比は、約0.5:1〜約12:1である。

0103

一態様では、脂質組成物はターゲッティング脂質も含む。いくつかの実施形態では、ターゲッティング脂質は、GalNAc部分(すなわち、N−ガラクトサミン部分)を含む。例えば、GalNAc部分を含むターゲッティング脂質としては、2008年4月12日に出願された米国特許出願第12/328,669号に開示されているものを挙げることができ、この文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。ターゲッティング脂質としては、例えば、米国特許出願第12/328,669号または国際公開第2008/042973号に記載されているような当該技術分野で公知の任意の他の脂質(例えば、ターゲッティング脂質)を挙げることもでき、これらの文献の内容は各々、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、ターゲッティング脂質は、複数のGalNAc部分、例えば、2つまたは3つのGalNAc部分を含む。いくつかの実施形態では、ターゲッティング脂質は、複数の、例えば、2つまたは3つのN−アセチルガラクトサミン(GalNAc)部分を含む。いくつかの実施形態では、ターゲッティング脂質中の脂質は、1,2−ジ−O−ヘキサデシル−sn−グリセリド(すなわち、DSG)である。いくつかの実施形態では、ターゲッティング脂質は、PEG部分(例えば、少なくとも約500Da、例えば、約1000Da、1500Da、2000Daまたはそれよりも大きい分子量を有するPEG部分)を含み、例えば、ターゲッティング部分は、PEG部分を介して脂質に接続されている。

0104

いくつかの実施形態では、ターゲッティング脂質は、葉酸部分を含む。例えば、葉酸部分を含むターゲッティング脂質としては、2008年4月12日に出願された米国特許出願第12/328,669号に開示されているものを挙げることができ、この文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。別の実施形態では、葉酸部分を含むターゲッティング脂質としては、式5の化合物を挙げることができる。

0105

例示的なターゲッティング脂質は、下記の式L:
ターゲッティング基)n−L−脂質
式L
式中、
ターゲッティング基は、当業者に公知のおよび/または本明細書に記載の任意のターゲッティング基(例えば、細胞表面受容体)であり、
nは1〜5の整数(例えば、3)であり、
Lは結合基であり、かつ
脂質は、本明細書に記載の脂質(例えば、DSGなどの中性脂質)などの脂質である。

0106

いくつかの実施形態では、結合基はPEG部分を含む。別の実施形態では、PEG部分は、約1,000〜約20,000ダルトン(例えば、約1,500〜約5,000ダルトン、例えば、約1000ダルトン、約2000ダルトン、約3400ダルトン、または約5000ダルトン)の分子量まで大きさが異なる。

0107

いくつかの実施形態では、ターゲッティング脂質は、下記に示すような式2、3、4、5、6または7


















の化合物である。

0108

いくつかの実施形態では、ターゲッティング脂質は、モル基準で約0.001%〜約5%(例えば、約0.005%、0.15%、0.3%、0.5%、1.5%、2%、2.5%、3%、4%、または5%)の量で組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、ターゲッティング脂質は、本明細書に記載の組成物に含まれる。

0109

いくつかの実施形態では、脂質組成物は、抗酸化剤(例えば、ラジカルスカベンジャー)も含む。抗酸化剤は、例えば、約0.01%〜約5%の量で組成物中に存在することができる。抗酸化剤は、疎水性または親水性である(例えば、脂質に溶けるか、または水に溶ける)ことができる。いくつかの実施形態では、抗酸化剤は、フェノール化合物、例えば、ブチルヒドロキシトルエンレスベラトロール補酵素Q10、または他のフラボノイド類、あるいはビタミン、例えば、ビタミンEもしくはビタミンCである。他の例示的な抗酸化剤としては、リポ酸尿酸β−カロテンまたはレチノールビタミンA)などのカロテングルタチオンメラトニンセレン、およびユビキノールが挙げられる。

0110

いくつかの実施形態では、ターゲッティング脂質(例えば、GalNAc含有脂質)の受容体は、アシアロ糖タンパク質受容体(すなわち、ASGPR)である。

0111

一実施形態では、本発明の組成物は、押出法またはインライン混合法によって産生される。

0112

押出法(事前形成法またはバッチプロセスとも表す)は、まず空のリポソーム(すなわち、核酸なし)を調製し、次いで、核酸を空のリポソームに添加する方法である。リポソーム組成物を小孔ポリカーボネート膜または非対称セラミック膜に通して押し出すことにより、比較的明確な径分布が得られる。通常、所望のリポソーム複合体径分布が達成されるまで膜に通して1回以上懸濁を繰り返す。リポソームを連続的に、より小さくなる膜に通して押し出し、リポソーム径の段階的な減少を達成してもよい。場合によっては、形成される脂質−核酸組成物サイジングなしで用いることができる。これらの方法は、米国特許第5,008,050号;米国特許第4,927,637号;米国特許第4,737,323号;Biochim Biophys Acta.1979 Oct 19;557(1):9−23;Biochim Biophys Acta.1980 Oct 2;601(3):559−7;Biochim Biophys Acta.1986 Jun 13;858(1):161−8;およびBiochim.Biophys.Acta 1985 812,55−65に開示されており、これらの文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

0113

インライン混合法は、脂質と核酸の両方を混合チャンバーに同時に添加する方法である。混合チャンバーは、単純なT型コネクターまたは当業者に公知の任意の他の混合チャンバーであることができる。

0114

これらの方法は、米国特許第6,534,018号および米国特許第6,855,277号;米国特許公開第2007/0042031号ならびにPharmaceuticals Research,Vol.22,No.3,Mar.2005,p.362−372に開示されており、これらの文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

0115

本発明の組成物を当業者に公知の任意の方法によって調製することができることがさらに理解される。

0116

さらなる実施形態では、押出法またはインライン混合法によって調製される代表的な組成物が表1に記載されており、ここで、脂質Tは、






またはその組合せである。

0117

一実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも75%、少なくとも80%または少なくとも90%封入されている。

0118

一実施形態では、本発明の組成物は、緩衝剤(例えば、クエン酸塩リン酸塩)をさらに含む。

0119

一実施形態では、本発明の組成物は、アポリポタンパク質をさらに含む。本明細書で使用されるとき、「アポリポタンパク質」または「リポタンパク質」という用語は、当業者に公知のアポリポタンパク質とその変異体および断片、ならびに下記のアポリポタンパク質アゴニスト、その類似体または断片を指す。

0120

好適なアポリポタンパク質としては、ApoA−I、ApoA−II、ApoA−IV、ApoA−VおよびApoEと、活性のある多型形態アイソフォーム、変異体および突然変異体ならびにそれらの断片または切断形態が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、アポリポタンパク質はチオール含有アポリポタンパク質である。「チオール含有アポリポタンパク質」は、少なくとも1つのシステイン残基を含むアポリポタンパク質、変異体、断片またはアイソフォームを指す。最も一般的なチオール含有アポリポタンパク質は、1つのシステイン残基を含むApoA−Iミラノ(ApoA−IM)およびApoA−Iパリ(ApoA−Ip)である(Jia et al.,2002,Biochem.Biophys.Res.Comm.297:206−13;Bielicki and Oda,2002,Biochemistry 41:2089−96)。ApoA−II、ApoE2およびApoE3もチオール含有アポリポタンパク質である。その組換えで産生された形態を含む、単離されたApoEおよび/またはその活性断片およびポリペプチド類似体は、米国特許第5,672,685号;同第5,525,472号;同第5,473,039号;同第5,182,364号;同第5,177,189号;同第5,168,045号;同第5,116,739号に記載されており、これらの文献の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。ApoE3は、Weisgraber,et al.,“Human E apoprotein heterogeneity:cysteine−arginine interchanges in the amino acid sequence of the apo−E isoforms”, J.Biol.Chem.(1981) 256:9077−9083;およびRail,et al.,“Structural basis for receptor binding heterogeneity of apolipoprotein E from type III hyperlipoproteinemic subjects”, Proc.Nat.Acad.Sci.(1982) 79:4696−4700に開示されている。GenBankアクセッション番号K00396も参照されたい。

0121

特定の実施形態では、アポリポタンパク質は、成熟形態プレプロアポリポタンパク質形態またはプロアポリタンパク質形態であることができる。プロApoA−Iおよび成熟ApoA−Iのホモ二量体およびヘテロ二量体(実現可能な場合)(Duverger et al.,1996,Arterioscler.Thromb.Vase.Biol.16(12):1424−29)、ApoA−I Milano(Klon et al.,2000,Biophys.J.79:(3)1679−87;Franceschini et al.,1985,J.Biol.Chem.260:1632−35)、ApoA−I Paris(Daum et al.,1999,J.Mol.Med.77:614−22)、ApoA−II(Shelness et al.,1985,J.Biol.Chem.260(14):8637−46;Shelness et al.,1984,J.Biol.Chem.259(15):9929−35)、ApoA−IV(Duverger et al.,1991,Euro.J.Biochem.201(2):373−83)、およびApoE(McLean et al.,1983,J.Biol.Chem.258(14):8993−9000)を本発明の範囲内で利用することもできる。

0122

特定の実施形態では、アポリポタンパク質は、アポリポタンパク質の断片、変異体またはアイソフォームであることができる。「断片」という用語は、天然のアポリポタンパク質のアミノ酸配列よりも短いアミノ酸配列を有し、かつその断片が、脂質結合特性をはじめとする、天然のアポリポタンパク質の活性を保持する任意のアポリポタンパク質を指す。「変異体」とは、アポリポタンパク質のアミノ酸配列の置換または改変を意味し、アミノ酸残基の置換または改変、例えば、付加および欠失は、脂質結合特性をはじめとする、天然のアポリポタンパク質の活性を消失させない。したがって、変異体は、1つ以上のアミノ酸残基が化合的に類似したアミノ酸と保存的に置換されている本明細書で提供される天然のアポリポタンパク質と実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質またはペプチドを含むことができる。保存的置換の例としては、少なくとも1つの疎水性残基(例えば、イソロイシンバリンロイシンまたはメチオニン)の別の疎水性残基への置換が挙げられる。同様に、本発明は、例えば、少なくとも1つの親水性残基の置換、例えば、アルギニンリジンの間、グルタミンアスパラギンの間、およびグリシンセリンの間の置換を企図する(米国特許第6,004,925号、同第6,037,323号および同第6,046,166号を参照されたい)「アイソフォーム」という用語は、同じか、より大きいかまたは部分的な機能と、同様か、同一かまたは部分的な配列とを有するタンパク質を指し、同じ遺伝子の産物で、かつ通常は組織特異的であってもよいし、そうでなくてもよい(Weisgraber 1990,J.Lipid Res.31(8):1503−11;Hixson and Powers 1991,J.Lipid Res.32(9):1529−35;Lackner et al,1985,J.Biol.Chem.260(2):703−6;Hoeg et al.,1986,J.Biol.Chem.261(9):3911−4;Gordon et al.,1984,J.Biol.Chem.259(l):468−74;Powell et al.,1987,Cell 50(6):831−40;Aviram et al.,1998,Arterioscler.Thromb.Vase.Biol.18(10):1617−24;Aviram et al.,1998,J.Clin.Invest.101(8):1581−90;Billecke et al.,2000,Drug Metab.Dispos.28(11):1335−42;Draganov et al.,2000,J.Biol.Chem.275(43):33435−42;Steinmetz and Utermann 1985,J.Biol.Chem.260(4):2258−64;Widler et al.,1980,J.Biol.Chem.255(21):10464−71;Dyer et al.,1995,J.Lipid Res.36(1):80−8;Sacre et al.,2003,FEBSLett.540(1−3):181−7;Weers,et al.,2003,Biophys.Chem.100(1−3):481−92;Gong et al.,2002,J.Biol.Chem.277(33):29919−26;Ohta et al.,1984,J.Biol.Chem.259(23):14888−93および米国特許第6,372,886号を参照されたい)。

0123

特定の実施形態では、本発明の方法および組成物は、アポリポタンパク質のキメラ構築の使用を含む。例えば、アポリポタンパク質のキメラ構築は、虚血再灌流保護特性を含むアポリポタンパク質ドメインと関連する高い脂質結合能を有するアポリポタンパク質ドメインから構成される可能性がある。アポリポタンパク質のキメラ構築は、アポリポタンパク質(すなわち、相同な構築)内部に別々の領域を含む構築であることができるし、またはキメラ構築は、異なるアポリポタンパク質間の別々の領域を含む構築(すなわち、異種の構築)であることができる。キメラ構築を含む組成物は、アポリポタンパク質変異体である部分または特定の特性(例えば、脂質結合、受容体結合、酵素特性酵素活性化特性、抗酸化特性または還元酸化特性)を有するように設計された部分を含むこともできる(Weisgraber 1990,J.Lipid Res.31(8):1503−11;Hixson and Powers 1991,J.Lipid Res.32(9):1529−35;Lackner et al.,1985,J.Biol.Chem.260(2):703−6;Hoeg et al.,1986,J.Biol.Chem.261(9):3911−4;Gordon et al.,1984,J.Biol.Chem.259(l):468−74;Powell et al.,1987,Cell 50(6):831−40;Aviram et al.,1998,Arterioscler.Thromb.Vase.Biol.18(10):1617−24;Aviram et al.,1998,J.Clin.Invest.101(8):1581−90;Billecke et al.,2000,Drug Metab.Dispos.28(11):1335−42;Draganov et al.,2000,J.Biol.Chem.275(43):33435−42;Steinmetz and Utermann 1985,J.Biol.Chem.260(4):2258−64;Widler et al.,1980,J.Biol.Chem.255(21):10464−71;Dyer et al.,1995,J.Lipid Res.36(l):80−8;Sorenson et al.,1999,Arterioscler.Thromb.Vase.Biol.19(9):2214−25;Palgunachari 1996,Arterioscler.Throb.Vase.Biol.16(2):328−38:Thurberg et al.,J.Biol.Chem.271(11):6062−70;Dyer 1991,J.Biol.Chem.266(23):150009−15;Hill 1998,J.Biol.Chem.273(47):30979−84)。

0124

本発明で利用されるアポリポタンパク質には、組換え、合成、半合成または精製アポリポタンパク質も含まれる。本発明で利用されるアポリポタンパク質またはその等価物を得るための方法は当該技術分野で周知である。例えば、アポリポタンパク質は、例えば、密度勾配遠心分離もしくは免疫親和性クロマトグラフィーによって血漿もしくは天然産物から分離することができるし、または合成、半合成で、もしくは当業者に公知の組換えDNA技術を用いて産生することができる(例えば、Mulugeta et al.,1998,J.Chromatogr.798(1−2):83−90;Chung et al.,1980,J.Lipid Res.21(3):284−91;Cheung et al.,1987,J.Lipid Res.28(8):913−29;Persson,et al.,1998,J.Chromatogr.711:97−109;米国特許第5,059,528号、同第5,834,596号、同第5,876,968号および同第5,721,114;ならびに国際公開第86/04920号および同第87/02062号を参照されたい)。

0125

本発明で利用されるアポリポタンパク質には、ApoA−I、ApoA−Iミラノ(ApoA−IM)、ApoA−Iパリ(ApoA−IP)、ApoA−II、ApoA−IV、およびApoEの活性を模倣するアポリポタンパク質アゴニスト(例えば、ペプチドおよびペプチド類似体)もさらに含まれる。例えば、アポリポタンパク質は、米国特許第6,004,925号、同第6,037,323号、同第6,046,166号、および同第5,840,688号に記載されているもののいずれかであることができ、これらの文献の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる

0126

アポリポタンパク質アゴニストペプチドまたはペプチド類似体は、例えば、米国特許第6,004,925号、同第6,037,323号および同第6,046,166号に記載の技術をはじめとする、当該技術分野で公知のペプチド合成の任意の技術を用いて合成または製造することができる。例えば、ペプチドは、Merrifield(1963,J.Am.Chem.Soc.85:2149−2154)によって最初に記載された固相合成技術を用いて調製し得る。他のペプチド合成技術は、Bodanszky et al.,Peptide Synthesis,John Wiley & Sons,第2版(1976)および当業者に容易に入手可能な他の参考文献に見出し得る。ポリペプチド合成技術の概要は、Stuart and Young,Solid Phase Peptide.Synthesis,Pierce Chemical Company,Rockford,Ill.,(1984)に見出すことができる。ペプチドは、The Proteins,Vol.II,第3版,Neurath et.al.,編,p.105−237,Academic Press,New York,N.Y.(1976)に記載されているような溶液法でも合成し得る。様々なペプチド合成で使用される適切な保護基は、上述のテキストおよびMcOmie,Protective Groups in Organic Chemistry,Plenum Press,New York,N.Y.(1973)に記載されている。本発明のペプチドは、例えば、アポリポタンパク質A〜Iのより大きい部分からの化学的または酵素的切断によっても調製し得る。

0127

特定の実施形態では、アポリポタンパク質は、アポリポタンパク質の混合物であることができる。一実施形態では、アポリポタンパク質は、均質な混合物、すなわち、1種類のアポリポタンパク質であることができる。別の実施形態では、アポリポタンパク質は、アポリポタンパク質の不均質な混合物、すなわち、2種以上の異なるアポリポタンパク質の混合物であることができる。アポリポタンパク質不均質な混合物の実施形態としては、例えば、動物源由来のアポリポタンパク質と半合成源由来のアポリポタンパク質の混合物を挙げることができる。特定の実施形態では、不均質な混合物としては、例えば、ApoA−IとApoA−Iミラノの混合物を挙げることができる。特定の実施形態では、不均質な混合物としては、例えば、ApoA−IミラノとApoA−Iパリの混合物を挙げることができる。本発明の方法および組成物において使用される好適な混合物は当業者に明白であろう。

0128

アポリポタンパク質を自然源から得る場合、それを植物または動物源から得ることができる。アポリポタンパク質は動物源から得られ、アポリポタンパク質は任意の種由来であることができる。特定の実施形態では、アポリポタンパク質を動物源から得ることができる。特定の実施形態では、アポリポタンパク質をヒト源から得ることができる。本発明の好ましい実施形態では、アポリポタンパク質は、アポリポタンパク質が投与される個体と同じ種に由来する。

0129

一実施形態では、標的遺伝子は、肝臓で発現される遺伝子、例えば、第VII因子(FVII)遺伝子である。他の実施形態では、標的遺伝子は、内皮(例えば、心臓、肝臓、肺、腎臓、視床下部または骨格筋)で発現される。標的遺伝子、例えば、FVIIの発現の効果は、血清または組織試料などの、生物学的試料におけるFVIIレベルの測定によって評価される。例えば、例えば、FVII活性のアッセイによって測定されるような血液中のFVIIのレベルを決定することができる。一実施形態では、肝臓または内皮におけるmRNAのレベルを評価することができる。別の好ましい実施形態では、少なくとも2種類の評価、例えば、(例えば、血液中の)タンパク質レベルの評価と(例えば、肝臓中の)mRNAレベルの測定を両方とも行なう。

0130

一実施形態では、作用剤は、二本鎖RNA(dsRNA)などの核酸である。

0131

別の実施形態では、核酸剤は一本鎖DNAもしくはRNA、または二本鎖DNAもしくはRNA、またはDNA−RNAハイブリッドである。例えば、二本鎖DNAは、構造遺伝子、制御および終結領域を含む遺伝子、または自己複製系(例えば、ウイルスもしくはプラスミドDNA)であることができる。二本鎖RNAは、例えば、dsRNAまたは別のRNA干渉試薬であることができる。一本鎖核酸は、例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、マイクロRNA、または三重鎖形成オリゴヌクレオチドであることができる。

0132

さらに別の実施形態では、候補作用剤を投与した後の様々な時点で、流体試料、例えば、血液、血漿、または血清、あるいは組織試料、例えば、肝臓または(例えば、心臓、腎臓、肺、視床下部もしくは骨格筋由来の)内皮試料などの、生物学的試料を試験対象から採取して、標的タンパク質またはmRNAの発現レベルに対する作用剤の効果を試験する。特に好ましい一実施形態では、候補作用剤は、FVIIを標的とするdsRNAであり、生物学的試料を第VII因子タンパク質またはmRNAのレベルに対する効果について試験する。一実施形態では、例えば、免疫組織化学アッセイまたは発色アッセイを用いて、FVIIタンパク質の血漿レベルをアッセイする。別の実施形態では、肝臓または内皮(例えば、心臓、肝臓、肺、腎臓、視床下部もしくは骨格筋)におけるFVII mRNAのレベルを、分岐DNAアッセイ、またはノーザンブロットもしくはRTPCRアッセイなどのアッセイで試験する。

0133

一実施形態では、作用剤、例えば、脂質組成物を含む組成物を毒性について試験する。さらに別の実施形態では、モデル対象を、例えば、体重または臨床的挙動の変化により、身体的影響についてモニタリングすることができる。

0134

一実施形態では、本方法は、作用剤、例えば、脂質組成物を含む組成物をさらなる評価にかけることをさらに含む。さらなる評価としては、例えば、(i)上記の評価の繰返し、(ii)異なる数の動物もしくは異なる用量を用いた上記の評価の繰返し、または(iii)異なる方法、例えば、別の動物モデル(例えば、非ヒト霊長類)における評価によるものを挙げることができる。

0135

別の実施形態では、肝臓タンパク質もしくはmRNAのレベルまたは内皮に対する候補作用剤の観察された効果に応じて、さらなる研究(例えば、臨床試験)において作用剤と脂質組成物を含めるかどうかに関する決定を行なう。例えば、候補dsRNAがタンパク質またはmRNAレベルを少なくとも20%、30%、40%、50%、またはそれより大きく減少させることが観察される場合、この作用剤には臨床試験が考慮される。

0136

さらに別の実施形態では、肝臓タンパク質、mRNAのレベルまたは内皮に対する候補作用剤とアミノ脂質の観察された効果に応じて、薬学的組成物中に作用剤と脂質組成物を含めるかどうかに関する決定を行なう。例えば、候補dsRNAがタンパク質またはmRNAレベルを少なくとも20%、30%、40%、50%、またはそれより大きく減少させることが観察される場合、この作用剤には臨床試験が考慮される。

0137

別の態様では、本発明は、脂質組成物を、RNAべースのコンストラクト、例えば、FVIIを標的とするdsRNAを送達するその好適性について評価する方法を特色とする。本方法は、FVIIを標的とするdsRNAと候補アミノ脂質とを含む組成物を提供すること、この組成物を齧歯類(例えば、マウス)に投与すること、FVIIの発現を血液中のFVIIのレベルまたは肝臓におけるFVIImRNAのレベルのうちの少なくとも1つの関数として評価し、それにより候補アミノ脂質を評価することを含む。

0138

脂質含有成分(例えば、リポソーム)を含む組成物、かつこれらは以下でさらに詳細に記載されている。例示的な核酸ベースの作用剤としては、dsRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、マイクロRNA、免疫刺激性オリゴヌクレオチド、または三重鎖形成オリゴヌクレオチドが挙げられる。これらの作用剤も以下でさらに詳細に記載されている。

0139

「LNP」組成物(例えば、LNP01、LNP02など)と表される組成物は、「AF」組成物(例えば、AF01、AF02など)としても知られている。

0140

「アルキル」は、1〜24個の炭素原子を含む直鎖または分岐、非環状または環状飽和脂肪族炭化水素を意味する。代表的な飽和直鎖アルキルとしては、メチル、エチル、n−プロピルn−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどが挙げられ、一方、飽和分岐アルキルとしては、イソプロピル、sec−ブチルイソブチル、tert−ブチル、イソペンチルなどが挙げられる。代表的な飽和環状アルキルとしては、シクロプロピルシクロブチルシクロペンチルシクロヘキシルなどが挙げられ、一方、不飽和環状アルキルとしては、シクロペンテニルおよびシクロヘキセニルなどが挙げられる。

0141

「アルケニル」は、隣接炭素原子間に少なくとも1つの二重結合を含む、上で定義されたようなアルキルを意味する。アルケニルには、シス異性体トランス異性体の両方が含まれる。代表的な直鎖および分岐アルケニルとしては、エチレニルプロピレニル、1−ブテニル、2−ブテニル、イソブチレニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニルなどが挙げられる。

0142

「アルキニル」は、隣接炭素原子間に少なくとも1つの三重結合をさらに含む、上で定義されたような任意のアルキルまたはアルケニルを意味する。代表的な直鎖および分岐アルキニルとしては、アセチレニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−メチル−1ブチニルなどが挙げられる。

0143

アシル」は、結合点炭素が、以下で定義するようなオキソ基で置換されている任意のアルキル、アルケニル、またはアルキニルを意味する。例えば、−C(=O)アルキル、−C(=O)アルケニル、および−C(=O)アルキニルがアシル基である。

0144

複素環」は、飽和、不飽和、または芳香族のいずれかであり、かつ窒素、酸素および硫黄から独立に選択される1または2個のヘテロ原子を含む5〜7員単環式、または7〜10員二環式複素環式環を意味し、ここで、この窒素および硫黄ヘテロ原子は任意に酸化されていてもよく、かつこの窒素ヘテロ原子は四級化されていてもよく、これには、上記の複素環のいずれかがベンゼン環に融合している二環式環が含まれる。複素環は、任意のヘテロ原子または炭素原子を介して結合し得る。複素環としては、以下で定義するようなヘテロアリールが挙げられる。複素環としては、モルホリニルピロリジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizynyl)、ヒダトイニル、バレロラクタミルオキシラニルオキセタニルテトラヒドロフラニルテトラヒドロピラニルテトラヒドロピリジニル、テトラヒドロプリミジニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニルなどが挙げられる。

0145

「任意に置換されたアルキル」、「任意に置換されたアルケニル」、「任意に置換されたアルキニル」、「任意に置換されたアシル」、および「任意に置換された複素環」 という用語は、置換されるときに、少なくとも1つの水素原子が置換基と置き換えられることを意味する。オキソ置換基(=O)の場合、2個の水素原子が置き換えられる。そういう意味では、置換基は、オキソ、ハロゲン、複素環、−CN、−ORx、−NRxRy、−NRxC(=0)Ry、−NRxSO2Ry、−C(=O)Rx、−C(=O)ORx、−C(=0)NRxRy、−SOnRxおよび−SOnNRxRyを含み、その場合、nは0、1または2であり、RxおよびRyは同じものまたは別のもので、かつ独立に水素、アルキルまたは複素環であり、該アルキルおよび複素環置換基は各々、オキソ、ハロゲン、−OH、−CN、アルキル、−ORx、複素環、−NRxRy、−NRxC(=O)Ry、−NRxSO2Ry、−C(=O)Rx、−C(=O)ORx、−C(=O)NRxRy、−SOnRxおよび−SOnNRxRyのうちの1つまたは複数でさらに置換されていてもよい。

0146

「ハロゲン」は、フルオロクロロ、ブロモおよびヨードを意味する。

0147

いくつかの実施形態では、本発明の方法は、保護基の使用を必要とする場合がある。保護基に関する方法論は当業者に周知である(例えば、PROTECTIVEGROUPSIN ORGANICSYNHESIS,Green,T.W.et.al.,Wiley−Interscience,New YorkCity,1999を参照されたい)。簡潔に述べると、本発明との関連における保護基は、官能基の望ましくない反応性を低下または消失させる任意の基である。保護基を官能基に付加して、特定の反応の間のその反応性をマスクし、その後、除去して、もとの官能基を暴露することができる。いくつかの実施形態では、「アルコール保護基」を使用する。「アルコール保護基」は、アルコール官能基の望ましくない反応性を減少または消失させる任意の基である。保護基は、当該技術分野で周知の技術を用いて付加および除去することができる。

0148

合成
本発明の化合物を既知の有機合成技術により調製し得る。一般に、式(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)の脂質は、アミン化合物を様々なエポキシドと反応させることによって調製することができる。1つの例では、式(V)および(VI)の脂質を以下の反応スキーム1によって作製することができ、その場合、置換基は全て、別途指示しない限り、上で定義されたものである。

0149

化合物1および2を国際公開第9318017号に記載の報告手順に従って合成した。

0150

高温で1とエポキシド3を反応させると、化合物4が得られた。これを標準的なシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。化合物5はアミン2から同様に得られた。

0151

スキーム1によるアミノ脂質の形成に好適な他のエポキシドおよびアミンは、Love,K.T.,et al.,“Lipid−like materials for low−dose,in vivo gene silencing”,PNAS Early Edition,www.pnas.org/cgi/doi/10.1073/pnas.0910603106に記載されており、この文献はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。

0152

使用可能ないくつかの例示的なエポキシドとしては、



を挙げることができる。使用可能ないくつかの例示的なアミンとしては、



を挙げることができる。

0153

式(V)の化合物



を2つの前駆体:



から調製することができる。例えば、式(V)の化合物をラセミ化合物3から調製することができる。この場合、最初の産物は、ジアステレオマーの混合物を含むことがあり、これを任意でさらに精製することができる。

0154

化合物(R)−6は、式(V)による立体的に制御された化合物である。

0155

化合物(R)−6は、スキーム1に従って2つの前駆体:



から調製することができる。対応する(S)−6化合物は、1および(S)−7(すなわち、(R)−7のエナンチオマー)から調製することができる。

0156

1の構造異性体をアミノ脂質の調製において用いることもできる。このような構造異性体としては、



が挙げられる。

0157

式(VI)



の化合物を、2つの前駆体



から調製することができる。

0158

式(VII)



の化合物を、2つの前駆体



から調製することができる。

0159

実質的に立体的に純粋なエポキシドを用いて、立体的に制御されたアミノ脂質を提供することができる。

0160

アミン2および8を反応スキーム2に従って調製することができる。両方とも共通の出発物質である4−(t−ブトキシカルボニル)−1−(2−(フタルイミド)エチル)−ピペラジンから調製し得る。

0161

マルチグラム(multigram)量の2および8をスキーム2に従って調製した。アミン1は、1−(2−アミノエチル)ピペラジンから始めて、スキーム3に従って調製することができる。

0162

あるいは、スキーム4は、1−(2−(フタルイミド)エチル)ピペラジンからの1の調製を図示している。

0163

スキーム4の方法の規模を大きくして、マルチグラム規模で1を生成させた。最終工程は、もう1つの方法として、酸(例えば、HCl)の代わりに塩基(例えば、KOH)を用いて行なうことができる。反応は、塩基性条件下よりも速やかに進行し得る。

0164

別のバリエーションでは、1をスキーム3に示した方法と同様であるが、スキーム5に示すように、異なる還元条件を用いた方法で調製することができる。

0165

有利なことに、スキーム5の方法は、スキーム3またはスキーム4の方法よりも簡単に規模を大きくすることができ、反応条件は非常に穏やかであり、触媒(10mol%)量の塩化ニッケル(II)しか必要とされず、生成物の単離および精製は簡単である。この手順の規模を大きくして、マルチグラム量の1を生成させた。

0166

エポキシド3(n=9)を分割して、高度にエナンチオマー過剰な所望の光学異性体(例えば、(R)−7)を得ることができる。例えば、3(n=9)を、スキーム6に図示するようにJacobsen触媒を用いて分割することができる。

0167

この反応をマルチグラム(例えば、300g)規模で行なった。

0168

アミノ脂質(R)−6を1および(R)−7からマルチグラム(例えば、>16g)規模で調製した。この反応生成物カラムクロマトグラフィーでさらに精製した。TLCでアッセイしたとき、得られた物質は明らかに純粋であった。しかしながら、いくつかの微量生成物も存在していた。これらの微量生成物(スキーム7参照)は、エポキシド環開裂が、より遮蔽された炭素上で起こり、1級アルコールを生じさせる反応から生じた。

0169

微量生成物は、(上述のように固定化された)1級アルコールと選択的に反応する固体支持体トリチルクロリド試薬(スキーム8)で処理したときに、主要生成物から実質的に分離された。

0170

立体的に制御されたアミノ脂質への別のアプローチは、アミン(例えば、1)との反応においてエポキシドの代わりに使用可能な立体的に純粋なα−ヒドロキシアルデヒドを必要とすることがある。α−ヒドロキシアルデヒドを使用する場合、アミン(例えば、1)との反応は還元条件下で起こる。スキーム9は、α−オレフィンから始まる、保護α−ヒドロキシアルデヒド10の立体的に制御された合成を図示している。

0171

スキーム10は、(R)−グリシドールから始まる、保護α−ヒドロキシアルデヒド11への代替経路を表している。

0172

立体的に制御されたアミノ脂質(例えば、(R)−6)を生成させるために、アミン1を還元剤(例えば、AcOH中のNa(OAc)3BH)の存在下で所望の立体化学を有する保護α−ヒドロキシアルデヒドと反応させておく。

0173

本発明のアミノ脂質はカチオン性脂質である。本明細書で使用されるとき、「アミノ脂質」という用語は、1個もしくは2個の脂肪酸または脂肪アルキル鎖とアミノ頭部基アルキルアミノまたはジアルキルアミノ基を含む)とを有し、プロトン化されて、生理的pHでカチオン性脂質を形成し得る脂質を含むことが意図される。

0174

他のアミノ脂質としては、代わりの脂肪酸基や、アルキル置換基が異なるジアルキルアミノ基(例えば、N−エチル−N−メチルアミノ−、N−プロピル−N−エチルアミノ−など)をはじめとする他のジアルキルアミノ基を有するアミノ脂質が挙げられる。R11とR12が両方とも長鎖アルキルまたはアシル基である実施形態の場合、それらは同じものまたは別のものであることができる。一般に、飽和が少ないアシル鎖を有するアミノ脂質は、特に、複合体を、フィルター滅菌するために、約0.3マイクロメートル未満の大きさにしなければならないときに、より簡単に大きさを整えられる。炭素鎖長がC14〜C22の範囲の不飽和脂肪酸を含有するアミノ脂質が好ましい。他のスキャフォールドを用いて、アミノ脂質のアミノ基と脂肪酸または脂肪アルキル部分を隔てることもできる。好適なスキャフォールドは当業者に公知である。

0175

特定の実施形態では、本発明のアミノ脂質またはカチオン性脂質は、脂質が生理的pHまたはそれ未満のpH(例えば、pH7.4)で正の電荷を帯び、かつ第2のpHで、好ましくは生理的pHまたはそれを上回るpHで中性となるように、少なくとも1つのプロトン化可能基または脱プロトン化可能基を有する。当然のことながら、pHの関数としてのプロトンの付加または除去は平衡過程であること、および帯電脂質または中性脂質に対する言及は主な種の性質を指し、脂質の全てが帯電形態または中性形態で存在することを必要とするわけではないことが理解されるであろう。2つ以上のプロトン化可能基もしくは脱プロトン化可能基を有するか、または両性イオン性である脂質は、本発明における使用から除外されない。

0176

特定の実施形態では、本発明によるプロトン化可能な脂質は、約4〜約11の範囲のプロトン化可能基のpKaを有する。これらの脂質は、より低いpH製剤の段階ではカチオン性であるが、これらの粒子はpH7.4付近の生理的pHでは表面が(完全にではないものの)大部分は中和されるので、約4〜約7のpKaが最も好ましい。このpKaの利点の1つは、粒子の外部表面と関連する少なくともいくつかの核酸が、生理的pHでその静電相互作用を失い、単なる透析で除去されること、したがって、粒子のクリアランスに対する感受性を大いに低下させることである。

0177

脂質粒子
本明細書で取り上げられる肝臓または内皮(例えば、心臓、肝臓、肺、腎臓、視床下部もしくは骨格筋)スクリーニングモデルで試験するための作用剤および/またはアミノ脂質を脂質粒子中に製剤化することができる。脂質粒子としては、リポソームが挙げられるが、これに限定されない。本明細書で使用されるとき、リポソームは、水性内部を封入する脂質含有膜を有する構造である。リポソームは1つ以上の脂質膜を有し得る。本発明は、単一膜と呼ばれる単層リポソームと、多重膜と呼ばれる多層リポソームの両方を企図している。核酸と複合体を形成する場合、脂質粒子は、例えば、Feigner,Scientific Americanに記載されているような、DNA層とDNA層の間に挟まれたカチオン性脂質二重層から構成されるリポプレックスでもあり得る。

0178

脂質粒子は、1つ以上の追加の脂質および/または他の成分(例えば、コレステロール)をさらに含み得る。脂質酸化の防止またはリガンドリポソーム表面への付着などの種々の目的のために、他の脂質をリポソーム組成物中に含め得る。両親媒性脂質、中性脂質、カチオン性脂質、およびアニオン性脂質を含む、いくつかの脂質のうちのどれが存在してもよい。このような脂質を単独でまたは組み合わせて使用することができる。存在し得る追加の脂質成分の特定の例を以下に記載する。

0179

脂質粒子中に存在し得る追加の成分としては、ポリアミドオリゴマー(例えば、米国特許第6,320,017号を参照されたい)、ペプチド、タンパク質、洗剤脂質誘導体(例えば、ホスファチジルエタノールアミンと結合したPEGおよびセラミドコンジュゲートしたPEG)(米国特許第5,885,613号を参照されたい)などの二重層安定化成分が挙げられる

0180

脂質粒子は、第2のアミノ脂質またはカチオン性脂質、中性脂質、ステロール、および形成時の脂質粒子の凝集を低下させるために選択される脂質のうちの1つまたは複数を含むことができる。この形成は、形成時の電荷誘導性凝集を防ぐ粒子の立体安定性によって生じ得る。

0181

肝臓または内皮(例えば、心臓、肝臓、肺、腎臓、視床下部もしくは骨格筋)スクリーニングモデルで使用可能な核酸剤との結合に好適な脂質の例としては、ポリエチレングリコール(PEG)修飾脂質モノシアロガングリオシドGm1、および例えば、米国特許第6,320,017号に記載されているようなポリアミドオリゴマー(「PAO」)がある。PEG、Gm1またはATTAのような、製剤化の間の凝集を防ぐ、電荷のない、親水性の、立体障害部分を有する他の化合物を用いて、本発明の方法および組成物に示すように使用される脂質に結合させることができる。ATTA−脂質は、例えば、米国特許第6,320,017号に記載されており、PEG−脂質コンジュゲートは、例えば、米国特許第5,820,873号、同第5,534,499号および同第5,885,613号に記載されている。通常、凝集を低下させるために選択される脂質成分の濃度は、(脂質のモルパーセントで)約1〜15%である。

0182

本発明において有用なPEG修飾脂質(または脂質−ポリオキシエチレンコンジュゲート)の具体例は、PEG部分を脂質小胞の表面に固定するための種々の「アンカリング脂質部分を有することができる。好適なPEG修飾脂質の例としては、PEG修飾ホスファチジルエタノールアミンおよびホスファチジン酸、参照により本明細書に組み込まれる同時係属の米国特許出願第08/486,214号に記載されているPEG−セラミドコンジュゲート(例えば、PEG−CerC14またはPEG−CerC20)、PEG修飾ジアルキルアミンおよびPEG修飾1,2−ジアシルオキシプロパン−3−アミンが挙げられる。特に好ましいのは、PEG修飾ジアシルグリセロールおよびジアルキルグリセロールである。

0183

立体的に大きい部分(例えば、PEGまたはATTA)が脂質アンカーにコンジュゲートしている実施形態では、脂質アンカーの選択は、コンジュゲートが脂質粒子とどのような種類の関連を有することになるかによって決まる。mePEG(分子量:2000)−ジアステアイルホスファチジルエタノールアミン(PEG−DSPE)は、粒子が循環から除去されるまで、おそらくは数日間、リポソームと関連し続けることがよく知られている。PEG−CerC20などの他のコンジュゲートには同様の滞留能がある。しかしながら、PEG−CerC14は、血清に暴露されると、製剤外に速やかに入れ替わり、いくつかのアッセイでは、T1/2は60分未満となる。米国特許出願第08/486,214号に示されているように、少なくとも3つの特徴、すなわち、アシル鎖の長さ、アシル鎖の飽和、および立体障害頭部基のサイズが交換速度に影響を与える。これらの特色の好適なバリエーションを有する化合物は本発明に有用であり得る。いくつかの治療用途のために、PEG修飾脂質がインビボで核酸−脂質粒子から速やかに失われることが好ましい場合があり、それにより、PEG修飾脂質が比較的短い脂質アンカーを保有することになる。他の治療用途では、核酸−脂質粒子がより長い血漿循環寿命を示すことが好ましい場合があり、それにより、PEG修飾脂質は比較的長い脂質アンカーを保有することになる。例示的な脂質アンカーとしては、約C14〜約C22、好ましくは約C14〜約C16の長さを有する脂質アンカーが挙げられる。いくつかの実施形態では、PEG部分(例えば、mPEG−NH2)のサイズは、約1000、2000、5000、10,000、15,000または20,000ダルトンである。

0184

凝集を防ぐ化合物が、適切に機能するために、必ずしも脂質コンジュゲーションを必要とするわけではないことに留意すべきである。凝集を防ぐのに、溶液中の遊離PEGまたは遊離ATTAで十分な場合がある。製剤化した後に粒子が安定である場合、対象に投与する前にPEGまたはATTAを透析して除去することができる。

0185

中性脂質は、脂質粒子中に存在する場合、生理的pHで電荷のないまたは中性の両性イオン形態として存在するいくつかの脂質種のいずれかであることができる。このような脂質としては、例えば、ジアシルホスファチジルコリン、ジアシルホスファチジルエタノールアミン、セラミド、スフィンゴミエリンジヒドロスフィンゴミエリン、セファリン、およびセレブロシドが挙げられる。本明細書に記載の粒子中で使用される中性脂質の選択は、通常、例えば、リポソームサイズ血流中のリポソームの安定性を考慮して判断される。好ましくは、中性脂質成分は、2つのアシル基を有する脂質(すなわち、ジアシルホスファチジルコリンおよびジアシルホスファチジルエタノールアミン)である。様々な鎖長および飽和度の種々のアシル鎖基を有する脂質が利用可能であるかまたは周知の技術により単離もしくは合成可能である。一群の実施形態では、炭素鎖長がC14〜C22の範囲の飽和脂肪酸を含有する脂質が好ましい。別の群の実施形態では、炭素鎖長がC14〜C22の範囲の単不飽和脂肪酸または二不飽和脂肪酸を有する脂質を用いる。さらに、飽和脂肪酸鎖と不飽和脂肪酸鎖の混合物を有する脂質を用いることができる。好ましくは、本発明で使用される中性脂質は、DOPE、DSPC、POPC、または任意の関連ホスファチジルコリンである。本発明において有用な中性脂質はまた、スフィンゴミエリン、ジヒドロスフィンゴミエリン、または他の頭部基(例えば、セリンおよびイノシトール)を有するリン脂質から構成されていてもよい。

0186

脂質混合物ステロール成分は、存在する場合、リポソーム、脂質小胞または脂質粒子調製の分野で従来使用されているステロールのうちのいずれかであることができる。好ましいステロールはコレステロールである。

0187

上で具体的に記載したものに加えて、生理的pH付近で正味正電荷担持する他のカチオン性脂質もまた本発明の脂質粒子に含まれ得る。このようなカチオン性脂質としては、N,N−ジオレイル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド(「DODAC」);N−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル−N,N−N−トリエチルアンモニウムクロリド(「DOTMA」);N,N−ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムブロミド(「DDAB」);N−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(「DOTAP」);1,2−ジオレイルオキシ−3−トリメチルアミノプロパンクロリド塩(「DOTAP.C1」);3β−(N−(N’,N’−ジメチルアミノエタン)−カルバモイル)コレステロール(「DC−Chol」)、N−(1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−N−2−(スペルミンカルボキサミド)エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムトリフルオロアセタート(「DOSPA」)、ジオクタデシルアミドグリシルカルボキシスペルミン(「DOGS」)、1,2−ジレオイル−sn−3−ホスホエタノールアミン(「DOPE」)、1,2−ジオレオイル−3−ジメチルアンモニウムプロパン(「DODAP」)、N,N−ジメチル−2,3−ジオレイルオキシ)プロピルアミン(「DODMA」)、およびN−(1,2−ジミリスチルオキシプロプ−3−イル)−N,N−ジメチル−N−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(「DMRIE」)が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、例えば、リポフェクチンGIBCO/BRLから入手可能なDOTMAおよびDOPEを含む)、ならびにリポフェクトアミン(GIBCO/BRLから入手可能なDOSPAおよびDOPEを含む)などの、カチオン性脂質のいくつかの市販の調製物を用いることができる。特定の実施形態では、カチオン性脂質はアミノ脂質である。

0188

本発明の脂質粒子において使用するのに好適なアニオン性脂質としては、ホスファチジルグリセロールカルジオリピン、ジアシルホスファチジルセリン、ジアシルホスファチジン酸、N−ドデカノイルホスファチジルエタノールアミン、N−スクシニルホスファチジルエタノールアミン、N−グルタリルホスファチジルエタノールアミン、リジルホスファチジルグリセロール、および中性脂質に結合した他のアニオン性修飾基が挙げられるが、これらに限定されない。

0189

多くの実施形態では、両親媒性脂質が本発明の脂質粒子に含まれる。「両親媒性脂質」とは、脂質物質の疎水性部分が疎水性相に向けられている一方で、親水性部分が水性相に向けられている任意の好適な物質を指す。このような化合物としては、リン脂質、アミノ脂質、およびスフィンゴ脂質が挙げられるが、これらに限定されない。代表的なリン脂質としては、スフィンゴミエリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン、リゾホスファチジルコリンリゾホスファチジルエタノールアミンジパルミトイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、またはジリノレイルホスファチジルコリンが挙げられる。スフィンゴ脂質、スフィンゴ糖脂質ファミリー、ジアシルグリセロール、およびβ−アシルオキシ酸などの、他のリン欠く化合物を使用することもできる。さらに、このような両親媒性脂質は、トリグリセリド類ステロール類などの他の脂質と容易に混合することができる。

0190

プログラム可能な融合脂質も本発明の脂質粒子中に含めるのに好適である。このような脂質粒子は、細胞膜と融合する傾向がほとんどなく、所与シグナル事象が起こるまで、その積み荷を送達する。これにより、脂質粒子は、生物または疾患部位に注射された後、より均一に分布し、その後に細胞と融合し始めることが可能になる。このシグナル事象は、例えば、pH、温度、イオン環境の変化、または時間であることができる。最後の場合、ATTA−脂質コンジュゲートまたはPEG−脂質コンジュゲートなどの、融合遅延成分または「クローキング」成分は、時間とともに脂質粒子膜外に単に入れ替わることができる。例示的な脂質アンカーとしては、約C14〜約C22、好ましくは約C14〜約C16の長さを有する脂質アンカーが挙げられる。いくつかの実施形態では、PEG部分(例えば、mPEG−NH2)のサイズは、約1000、2000、5000、10,000、15,000または20,000ダルトンである。

0191

体内に適切に分布するまでに、脂質粒子は、融合するのに十分なクローキング剤を失っている。他のシグナル事象の場合、疾患部位または標的細胞と関連するシグナル(例えば、炎症部位での温度上昇)を選択することが望ましい。

0192

核酸剤にコンジュゲートした脂質粒子は、ターゲッティング部分、例えば、細胞型または組織に特異的なターゲッティング部分を含むこともできる。リガンド、細胞表面受容体、糖タンパク質ビタミン類(例えば、リボフラビン)およびモノクローナル抗体などの、種々のターゲッティング部分を用いた脂質粒子のターゲッティングがこれまでに記載されている(例えば、米国特許第4,957,773号および同第4,603,044号を参照されたい)。ターゲッティング部分は、タンパク質全体またはその断片を含むことができる。ターゲッティング機構は、通常、ターゲッティング部分が標的(例えば、細胞表面受容体)との相互作用に利用可能となるような形で、ターゲッティング剤が脂質粒子の表面に位置付けられることを必要とする。例えば、Sapra,P.and Allen,TM,Prog.Lipid Res.42(5):439−62(2003)およびAbra,RM et al.,J.Liposome Res.12:1−3(2002)に記載されているものをはじめとする、種々の異なるターゲッティング剤およびターゲッティング方法が当該技術分野で知られており、かつ利用可能である。

0193

ターゲッティングのために、親水性ポリマー鎖(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)鎖)の表面コーティングを有する脂質粒子、すなわち、リポソームを使用することが提案されている(Allen,et al.,Biochimica et Biophysica Acta 1237:99−108(1995);DeFrees,et al.,Journal of the American Chemistry Society 118:6101−6104(1996);Blume,et al.,Biochimica et Biophysica Acta 1149:180−184(1993);Klibanov,et al.,Journal of Liposome Research 2:321−334(1992);米国特許第5,013556号;Zalipsky,Bioconjugate Chemistry 4:296−299(1993);Zalipsky,FEBSLetters 353:71−74(1994);Zalipsky、Stealth Liposomes 第9章(Lasic and Martin編)CRCPress,Boca Raton Fl(1995)。1つのアプローチでは、脂質粒子を標的とするリガンド(例えば、抗体)を、脂質粒子を形成する脂質の極性頭部基に結合する。別のアプローチでは、ターゲッティングリガンドを、親水性ポリマーコーティングを形成するPEG鎖遠位末端に結合させる(Klibanov,et al.,Journal of Liposome Research 2:321−334(1992);Kirpotin et al.,FEBS Letters 388:115−118(1996))。

0194

標的薬剤を結合させるための標準的な方法を用いることができる。例えば、標的薬剤の結合のために活性化することができるホスファチジルエタノールアミン、または誘導体化された親油性化合物(例えば、脂質誘導体化ブレオマイシン)を用いることができる。

0195

例えば、プロテインAを組み込んだリポソームを用いて、抗体をターゲッティングするリポソームを構築することができる(Renneisen,et al.,J.Bio.Chem.,265:16337−16342(1990)およびLeonetti,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA),87:2448−2451(1990)を参照されたい)。抗体コンジュゲーションの他の例は、米国特許第6,027,726号に開示されており、この文献の教示は参照により本明細書に組み込まれる。ターゲッティング部分の例としては、新生物または腫瘍と関連する抗原を含む、細胞成分に特異的な他のタンパク質を挙げることもできる。ターゲッティング部分として用いられるタンパク質は、共有結合によってリポソームに結合させることができる(Heath,Covalent Attachment of Proteins to Liposomes,149 Methodsin Enzymology 111−119(Academic Press,Inc.1987)を参照されたい)。他のターゲッティング方法としては、ビオチンアビジンステムが挙げられる。

0196

治療剤−脂質粒子組成物および製剤化
本発明は、本発明の脂質粒子と活性剤とを含む組成物を含み、その場合、この活性剤は、脂質粒子と関連している。特定の実施形態では、活性剤は治療剤である。特定の実施形態では、活性剤は、脂質粒子の水性内部に封入されている。他の実施形態では、活性剤は、脂質粒子の1つ以上の脂質層の内部に存在する。他の実施形態では、活性剤は、脂質粒子の外部または内部脂質表面に結合している。

0197

本明細書で使用される「完全に封入された」とは、粒子中の核酸が、血清への暴露または遊離のDNAを相当に分解するヌクレアーゼアッセイの後にそれほど分解されないことを示す。完全に封入された系では、通常は遊離の核酸の100%を分解する処理において、好ましくは粒子核酸の25%未満が分解され、より好ましくは10%未満、および最も好ましくは粒子核酸の5%未満が分解される。あるいは、完全な封入は、Oligreen(登録商標)アッセイにより決定され得る。Oligreen(登録商標)は、溶液中のオリゴヌクレオチドおよび一本鎖DNAを定量するための超高感度蛍光核酸染色剤である(Invitrogen Corporation,Carlsbad,CAから入手可能)。

0198

完全に封入されたとは、粒子が血清安定である、すなわち、インビボ投与によって、粒子がすぐにはその構成部分に分解されないことも示唆する。

0199

本明細書で使用される活性剤としては、細胞、組織、器官、または対象に所望の効果を及ぼすことが可能な任意の分子または化合物が挙げられる。このような効果は、例えば、生物学的、生理学的、または美容的であり得る。活性剤は、例えば、核酸、ペプチドならびにポリペプチド(例えば、抗体、例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、抗体断片ヒト化抗体組換え抗体組換えヒト抗体、および霊長類化(Primatized)(商標)抗体、サイトカイン増殖因子アポトーシス因子分化誘導因子、細胞表面受容体およびそのリガンド、ホルモンを含む)ならびに小分子(小さい有機分子または化合物を含む)をはじめとする、任意のタイプの分子または化合物であり得る。

0200

一実施形態では、活性剤は、治療剤、またはその塩もしくは誘導体である。治療剤誘導体は、それ自体に治療活性があってもよく、またはさらに修飾されたときに活性を持つようになるプロドラッグであってもよい。したがって、一実施形態では、治療剤誘導体は、未修飾の薬剤と比較したときに、治療活性の一部または全てを保持しているが、別の実施形態では、治療剤誘導体は治療活性を欠いている。

0201

様々な実施形態では、治療剤としては、例えば、抗炎症性化合物、抗鬱薬刺激剤鎮痛薬抗生物質受胎調節剤、解熱薬血管拡張薬抗血管新生薬、細胞血管剤(cytovascular agent)、シグナル伝達阻害剤心臓血管薬(例えば、抗不整脈剤血管収縮薬)、ホルモンおよびステロイドが挙げられる。

0202

特定の実施形態では、治療剤は抗癌薬であり、これは、抗腫瘍剤抗癌剤腫瘍薬抗新生物剤などとも呼ばれる。本発明に従って使用可能な抗癌薬の例としては、アドリアマイシンアルケラン、アロプリノール、アルトレタミンアミホスチンアナストロゾール、araC、三酸化ヒ素アザチオプリンベキサロテン、biCNU、ブレオマイシン、ブスルファン静注、ブスルファン経口、カペシタビン(Xeloda)、カルボプラチンカルムスチン、CCNU、セレコキシブクロラムブシルシスプラチンクラドリビンシクロスポリンAシタラビンシトシンアラビノシドダウノルビシンシトキサン、ダウノルビシン、デキサメタゾンデクスラゾキサンドセタキセルドキソルビシン、ドキソルビシン、DTIC、エピルビシンエストラムスチンリン酸エトポシド、エトポシドおよびVP−16、エキセメスタン、FK506、フルダラビンフルオロウラシル、5−FU、ゲムシタビン(Gemzar)、ゲムツズマブオゾガミシン酢酸ゴセレリンハイドレアヒドロキシ尿素イダルビシンイホスファミドメシル酸イマチニブインターフェロンイリノテカン(Camptostar、CPT−111)、レトロゾールロイコボリン、ロイスタチン、ロイプロリドレバミゾール、リトレチノインメガストロール、メルファラン、L−PAM、メスナメトトレキサートメトキサレンミトラマイシンマイトマイシンミトキサントロンナイトロジェンマスタードパクリタキセルパミドロネート、ペガデマーゼ、ペントスタチンポルフィマーナトリウムプレドニゾンリツキサンストレプトゾシン、STI−571、タモキシフェンタキソテールテモゾロミド、テニポシド、VM−26、トポテカン(Hycamtin)、トレミフェン、トレチノイン、ATRA、バルルビシン、ベルバンビンブラスチンビンクリスチン、VP16、およびビノレルビンが挙げられるが、これらに限定されない。本発明に従って使用可能な抗腫瘍薬の他の例は、エリプチシンおよびエリプチシン類似体または誘導体、エポチロン、細胞内キナーゼ阻害剤ならびにカンプトテシンである。

0203

核酸−脂質粒子
特定の実施形態では、本発明の脂質粒子は核酸と関連して、核酸−脂質粒子を生じさせる。特定の実施形態では、核酸は、脂質粒子中に完全に封入されている。本明細書で使用されるとき、「核酸」という用語は、任意のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを含むことが意図されている。最大50個のヌクレオチドを含む断片を通常オリゴヌクレオチドと呼び、それよりも長い断片をポリヌクレオチドと呼ぶ。特定の実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは20〜50ヌクレオチド長である。

0204

本発明との関連において、「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」という用語は、天然に存在する塩基、糖および糖間(骨格)結合からなるヌクレオチドまたはヌクレオシドモノマーのポリマーまたはオリゴマーを指す。「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」という用語は、同様に機能する天然に存在しないモノマー、またはその部分を含むポリマーまたはオリゴマーも含む。このような修飾または置換されたオリゴヌクレオチドは、例えば、細胞取込み強化やヌクレアーゼの存在下における安定性の増加などの特性のために、天然の形態よりも好ましいことが多い。

0205

オリゴヌクレオチドは、デオキシリボオリゴヌクレオチドまたはリボオリゴヌクレオチドと分類される。デオキシリボオリゴヌクレオチドは、この糖の5’炭素と3’炭素においてリン酸と共有結合して、交互の非分岐状ポリマーを形成するデオキシリボースと呼ばれる5炭糖からなる。リボオリゴヌクレオチドは、5炭糖がリボースである同様の反復構造からなる。

0206

本発明による脂質−核酸粒子中に存在する核酸には、既知の核酸の任意の形態が含まれる。本明細書で使用される核酸は、一本鎖DNAもしくはRNA、または二本鎖DNAもしくはRNA、またはDNA−RNAハイブリッドであることができる。二本鎖DNAの例としては、構造遺伝子、制御領域および終結領域を含む遺伝子、ならびに自己複製系(例えば、ウイルスまたはプラスミドDNA)が挙げられる。二本鎖RNAの例としては、siRNAおよび他のRNA干渉試薬が挙げられる。一本鎖核酸としては、例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、マイクロRNA、および三重鎖形成オリゴヌクレオチドが挙げられる。

0207

本発明の核酸は、通常、核酸の特定の形態に依存して様々な長さであり得る。例えば、特定の実施形態では、プラスミドまたは遺伝子は、約1,000〜100,000ヌクレオチド残基長であり得る。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、約10〜100ヌクレオチド長の範囲であり得る。様々な関連実施形態では、一本鎖、二本鎖、および三本鎖のオリゴヌクレオチドの長さの範囲は、約10〜約50ヌクレオチド長、約20〜約50ヌクレオチド長、約15〜約30ヌクレオチド長、約20〜約30ヌクレオチド長であり得る。

0208

特定の実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチド(またはその鎖)は、標的ポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイスするかまたは標的ポリヌクレオチドに相補的である。「特異的にハイブリダイズ可能」および「相補的」は、DNAまたはRNA標的とオリゴヌクレオチドの間で安定かつ特異的な結合が起こる程度の十分な相補度を示すために用いられる用語である。オリゴヌクレオチドは、特異的にハイブリダイズ可能となるためにその標的核酸配列と100%相補的である必要はないことが理解される。オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドが標的に結合することで、標的分子の正常な機能が妨げられて、それからの有用性または発現が失われ、かつ特異的結合が望ましい条件下で、すなわち、インビボアッセイもしくは治療的処置の場合は、生理的条件下で、またはインビトロアッセイの場合は、アッセイが行なわれる条件下で、オリゴヌクレオチドが非標的配列に結合するのを妨げるほどの十分な相補度があるときに特異的にハイブリダイズ可能である。したがって、他の実施形態では、このオリゴヌクレオチドは、それが標的としているまたはそれが特異的にハイブリダイズする遺伝子またはmRNA配列の領域と比較したとき、1、2、または3つの塩基置換を含む。

0209

RNA干渉核酸
特定の実施形態では、本発明の核酸−脂質粒子は、RNA干渉(RNAi)分子と関連している。RNAi分子を用いたRNA干渉法を用いて、目的の遺伝子またはポリヌクレオチドの発現を妨害し得る。この5年の間に、低分子干渉RNA(siRNA)は、基本的には、開発中の次世代の標的化オリゴヌクレオチド薬物としてアンチセンスODNやリボザイムに取って代わった。siRNAは、RNAi誘導型サイレンシング複合体(RISC)として知られる細胞質の多タンパク質複合体会合することができる通常21〜30ヌクレオチド長のRNA二重鎖である。siRNAを搭載したRISCは、相同なmRNA転写産物の分解を仲介し、それゆえ、高い特異性をもってタンパク質発現をノックダウンするよう、siRNAを設計することができる。他のアンチセンス技術とは異なり、自然な機構によるsiRNA機能は、非コードRNAを介して遺伝子発現を制御するよう進化した。これは、その活性が、アンチセンスODNまたはリボザイムよりもインビトロおよびインビボで強力である理由であると一般に考えられている。臨床的に意義のある標的を標的とするsiRNAをはじめとする種々のRNAi試薬は現在、例えば、de Fougerolles,A.et al.,Nature Reviews 6:443−453(2007)に記載されているように、医薬品として開発されているところである。

0210

最初に記載されたRNAi分子は、RNAセンス鎖とRNAアンチセンス鎖の両方を含むRNA:RNAハイブリッドであったが、現在、DNAセンス:RNAアンチセンスハイブリッド、RNAセンス:DNAアンチセンスハイブリッド、およびDNA:DNAハイブリッドがRNAiを仲介することができることが証明されている(Lamberton,J.S.and Christian,A.T.,(2003) Molecular Biotechnology 24:111−119)。したがって、本発明は、これらの異なるタイプの二本鎖分子のいずれかを含むRNAi分子の使用を含む。さらに、RNAi分子を種々の形態で用いて、細胞に導入し得ることが理解される。したがって、本明細書で使用されるとき、RNAi分子は、限定するものではないが、2つの別々の鎖、すなわち、センス鎖およびアンチセンス鎖を含む二本鎖ポリヌクレオチド、例えば、低分子干渉RNA(siRNA)と、二本鎖領域を形成する相補配列ヘアピンループを含むポリヌクレオチド、例えば、shRNAi分子と、単独でまたは別のポリヌクレオチドと組み合わせて二本鎖ポリヌクレオチドを形成することができる1つ以上のポリヌクレオチドを発現する発現ベクターとを含む、細胞内でRNAi応答を誘導することができる任意のおよび全ての分子を包含する。

0211

RNA干渉(RNAi)を用いて、標的ポリヌクレオチドの発現を特異的に阻害し得る。二本鎖RNAを介する遺伝子および核酸発現の抑制は、dsRNA、siRNAまたはshRNAを細胞または生物に導入することにより、本発明に従って達成し得る。siRNAは、二本鎖RNA、またはRNAとDNAの両方、例えば、1つのRNA鎖と1つのDNA鎖を含むハイブリッド分子であり得る。siRNAを細胞に直接導入することにより、哺乳動物細胞内でRNAiを誘発することができることが証明されている(Elshabir,S.M.,et al.,Nature 411:494−498(2001))。さらに、哺乳動物細胞内での抑制はRNAレベルで起こり、標的とされた遺伝子に特異的で、RNAとタンパク質抑制の間に強い相関があった(Caplen,N.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 98:9746−9747(2001))。さらに、HeLa S3、COS7、293、NIH/3T3、A549、HT−29、CHO−K1およびMCF−7細胞をはじめとする、多種多様細胞株は、ある程度siRNAサイレンシングに感受性があることが示された(Brown,D.et al.,TechNotes 9(1):1−7、www.dot.ambion.dot.com/techlib/tn/91/912.html(9/1/02)のワールドワイドウェブ上で入手可能)。

0212

特定のポリヌクレオチドを標的とするRNAi分子は、当該技術分野で公知の手順に従って容易に調製することができる。効果的なsiRNA分子構造的特徴が同定されている。Elshabir,S.M.et al.(2001) Nature 411:494−498およびElshabir,S.M.et al.(2001),EMBO 20:6877−6888。したがって、当業者であれば、多種多様な異なるsiRNA分子を用いて、特異的な遺伝子または転写産物を標的し得ることを理解するであろう。特定の実施形態では、本発明によるsiRNA分子は二本鎖であり、16〜30または18〜25ヌクレオチド長(その間にある各々の整数を含む)である。一実施形態では、siRNAは、21ヌクレオチド長さである。特定の実施形態では、siRNAは、0〜7ヌクレオチドの3’突出または0〜4ヌクレオチドの5’突出を有する。一実施形態では、siRNA分子は、2ヌクレオチドの3’突出を有する。一実施形態では、siRNAは、21ヌクレオチド長であり、2ヌクレオチドの3’突出を有する(すなわち、siRNAは、センス鎖とアンチセンス鎖の間に19ヌクレオチドの相補領域を含む)。特定の実施形態では、突出はUUまたはdTdTの3’突出である。

0213

塩基対ミスマッチですらサイレンシングを低下させることが示されているので、通常、siRNA分子は、標的DNA分子の一方の鎖に完全に相補的である。他の実施形態では、siRNAは、例えば、2’−デオキシ−または2’−O−メチル修飾などの修飾された骨格組成を有し得る。しかしながら、好ましい実施形態では、siRNAの鎖全体は、2’デオキシまたは2’−O−修飾塩基のいずれかを含んで作製されない。

0214

別の実施形態では、本発明は、細胞内で遺伝子の発現を阻害するためのベクターを含む細胞を提供する。ベクターは、本発明のdsRNAのうちの1つの少なくとも一方の鎖をコードするヌクレオチド配列に機能的に連結された調節配列を含む。

0215

一実施形態では、siRNA標的部位は、標的mRNA転写産物配列をAAジヌクレオチド配列の存在についてスキャンすることによって選択される。3’隣接の約19ヌクレオチドと組み合わされた各々のAAジヌクレオチド配列は、潜在的なsiRNA標的部位である。一実施形態では、調節領域に結合するタンパク質がsiRNPエンドヌクレアーゼ複合体の結合を妨害し得るので、siRNA標的部位は、選択的に、5’および3’非翻訳領域(UTR)内または開始コドン付近の領域内(約75塩基以内)には位置しない(Elshabir,S.et al.,Nature 411:494−498(2001);Elshabir,S.et al.,EMBO J.20:6877−6888(2001))。さらに、潜在的標的部位を、適当なゲノムデータベース(例えば、NCBIサーバー(www.ncbi.nlm)上で入手可能な、BLASTN 2.0.5)、および除外された他のコード配列とかなりの相同性を有する潜在的標的配列と比較し得る。

0216

特定の実施形態では、短いヘアピンRNAは、本発明の核酸−脂質粒子の核酸成分を構成している。短いヘアピンRNA(shRNA)は、配列特異的に標的遺伝子の発現を低下させることができるヘアピンRNAの形態である。短いヘアピンRNAは、通常、細胞環境においてより安定でかつ分解されにくいので、遺伝子発現を抑制するときにsiRNAに優る利点を提供し得る。このような短いヘアピンRNA媒介性の遺伝子サイレンシングは、種々の正常細胞株および癌細胞株において、ならびにマウス細胞およびヒト細胞をはじめとする哺乳動物細胞において機能することが立証されている。Paddison,P.et al.,Genes Dev.16(8):948−58(2002)。さらに、改変されたshRNAをコードする染色体遺伝子を担持するトランスジェニック細胞株が作製されている。これらの細胞は、shRNAを構成的に合成し、それにより、子孫細胞に受け継がれ得る長時間持続型のまたは構成的な遺伝子サイレンシングを促進することができる。Paddison,P.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 99(3):1443−1448(2002)。

0217

shRNAはステムループ構造を含む。特定の実施形態では、shRNAは、変えられるステムの長さ、通常、19〜29ヌクレオチド、またはその間の任意の数の長さを含み得る。特定の実施形態では、ヘアピンは、19〜21ヌクレオチドステムを含むが、他の実施形態では、ヘアピンは、27〜29ヌクレオチドステムを含む。特定の実施形態では、ループサイズは4〜23ヌクレオチドの長さであるが、ループサイズは、サイレンシング活性にそれほど影響を及ぼすことなく、23ヌクレオチドより大きいことがあり得る。shRNA分子は、効力を低下させることなく、ミスマッチ、例えば、shRNAステムの2つの鎖の間のG−Uミスマッチを含み得る。実際、特定の実施形態では、例えば、細菌中で増殖させる間、ヘアピンを安定化するために、ヘアピンステム中に1個または数個のG−U対を含むようにshRNAを設計する。しかしながら、通常、標的mRNAに結合するステムの部分(アンチセンス鎖)とmRNAの相補性が必要とされるので、この領域中の1塩基対ミスマッチでさえもサイレンシングを無効にする可能性がある。5’および3’突出は、shRNA機能に重要であるようには見えないので、必要とはされないが、これらが存在していてもよい(Paddison et al.(2002) Genes & Dev.16(8):948−58)。

0218

マイクロRNA
マイクロRNA(miRNA)は、植物および動物のゲノム中のDNAから転写されるが、タンパク質には翻訳されない高度に保存された小RNA分子群である。プロセッシングされたmiRNAは、RNA誘導型サイレンシング複合体(RISC)に取り込まれるようになる約17〜25ヌクレオチド(nt)の一本鎖RNA分子であり、発生、細胞増殖、アポトーシスおよび分化の重要な調節因子として同定されている。これらは、特定のmRNAの3’−非翻訳領域に結合することによって、遺伝子発現の調節に役割を果たしていると考えられている。RISCは、翻訳阻害、転写産物切断、またはその両方によって、遺伝子発現の下方調節を仲介する。RISCは、広範囲にわたる真核生物の核内での転写サイレンシングにも関与する。

0219

これまでに同定されたmiRNA配列の数は多く、かつ増加しており、その実例は、例えば、“miRBase:microRNA sequences,targets and gene nomenclature” Griffiths−Jones S,Grocock RJ,van Dongen S,Bateman A,Enright AJ.NAR,2006,34,Database Issue,D140−D144;“The microRNA Registry” Griffiths−Jones S.NAR,2004,32,Database Issue,D109−D111に、また、microrna.dot.sanger.dot.ac.dot.uk/sequences/におけるワールドワイドウェブ上でも見られる。

0220

アンチセンスオリゴヌクレオチド
一実施形態では、核酸は、標的ポリヌクレオチドに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドである。「アンチセンスオリゴヌクレオチド」または単に「アンチセンス」という用語は、標的化ポリヌクレオチド配列に相補的なオリゴヌクレオチドを含むことが意図される。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、選ばれた配列に相補的な一本鎖のDNAまたはRNAである。アンチセンスRNAの場合、相補的なRNA鎖に結合することによって、その翻訳を妨げる。アンチセンスDNAは、特異的で、相補的な(コードまたは非コード)RNAを標的するために用いることができる。結合が起こる場合、このDNA/RNAハイブリッドを酵素のRNアーゼHで分解することができる。特定の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、約10〜約50ヌクレオチド、より好ましくは約15〜約30ヌクレオチドを含む。この用語は、所望の標的遺伝子と正確には相補的ではない場合があるアンチセンスオリゴヌクレオチドも包含する。したがって、本発明は、非標的特異的活性がアンチセンスで見られる場合に、または標的配列との1つ以上のミスマッチを含むアンチセンス配列が特定の用途で最も好ましい場合に利用することができる。

0221

アンチセンスオリゴヌクレオチドは、タンパク質合成の効果的でかつ標的を定めた阻害剤であることが示されており、それゆえに、これを用いて、標的とされた遺伝子によるタンパク質合成を特異的に阻害することができる。アンチセンスオリゴヌクレオチドがタンパク質合成を阻害する効力は、よく確立されている。例えば、ポリガラタウロナーゼおよびムスカリンおよびムスカリン2型アセチルコリン受容体の合成は、そのそれぞれのmRNA配列に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドによって阻害される(米国特許第5,739,119号および米国特許第5,759,829号)。さらに、アンチセンス阻害の例が、核タンパク質サイクリン多剤耐性遺伝子(MDG1)、ICAM−1、E−セレクチン、STK−1、線条体GABAA受容体およびヒトEGFについて示されている(Jaskulski et al.,Science.1988 Jun 10;240(4858):1544−6;Vasanthakumar and Ahmed,Cancer Commun.1989;1(4):225−32;Peris et al.,Brain Res Mol Brain Res.1998 Jun 15;57(2):310−20;米国特許第5,801,154号;米国特許第5,789,573号;米国特許第5,718,709号および米国特許第号5,610,288)。さらに、種々の異常な細胞増殖(例えば、癌)を阻害し、かつこれらを治療するために使用可能なアンチセンスコンストラクトもまた、記載されている(米国特許第5,747,470号;米国特許第5,591,317号および米国特許第5,783,683号)。

0222

アンチセンスオリゴヌクレオチドを作製する方法は、当該技術分野で公知であり、任意のポリヌクレオチド配列を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを作製するために容易に適応することができる。所与の標的配列に特異的なアンチセンスオリゴヌクレオチド配列の選択は、選択された標的配列の解析、ならびに二次構造、Tm、結合エネルギーおよび相対的な安定性の決定に基づく。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ダイマー、ヘアピン、または宿主細胞における標的mRNAへの特異的結合を減少させるかもしくは妨げる他の二次構造を相対的に形成することができないことに基づいて選択され得る。mRNAの極めて好ましい標的領域は、AUG翻訳開始コドンにおける領域またはその付近の領域、およびmRNAの5’領域に実質的に相補的な配列を含む。これらの二次構造解析および標的部位の選択の考慮は、例えば、OLIGOプライマー解析ソフトウェアのv.4(Molecular Biology Insights)および/またはBLASTN 2.0.5アルゴリズムソフトウェア(Altschul et al., Nucleic AcidsRes. 1997, 25(17):3389−402)を用いて行なうことができる。

0223

リボザイム
本発明の別の実施形態によれば、核酸−脂質粒子は、リボザイムと会合する。リボザイムは、エンドヌクレアーゼ活性を有する特定の触媒ドメインを有するRNA−タンパク質複合体である(Kim and Cech,Proc Natl Acad Sci USA.1987 Dec;84(24):8788−92;Forster and Symons,Cell.1987 Apr 24;49(2):211−20)。例えば、多数のリボザイムが、しばしばオリゴヌクレオチド基質内のいくつかのリン酸エステルのうちの1つだけを切断する高度の特異性によって、リン酸エステル転移反応加速させる(Cech et al.,Cell.1981 Dec;27(3 Pt 2):487−96;Michel and Westhof,J Mol Biol.1990 Dec 5;216(3):585−610;Reinhold−Hurek and Shub,Nature.1992 May 14;357(6374):173−6)。この特異性は、基質化学反応前に特異的な塩基対形成相互作用を介してリボザイムの内部のガイド配列(「IGS」)に結合する必要があることに起因している。

0224

天然に存在する酵素的RNAの少なくとも6つの基本的な種類が現在知られている。各々は、生理的条件下においてトランスで(in trans)RNAホスホジエステル結合加水分解を触媒することができる(したがって、他のRNA分子を切断することができる)。一般に、酵素的核酸は、まず標的RNAに結合することによって作用する。このような結合は、標的RNAを切断するように作用する分子の酵素的部分に近接して保持されている酵素的核酸の標的結合部分を介して生じる。したがって、酵素的核酸は、まず、標的RNAを認識し、次に、相補的な塩基対形成によってそれに結合し、いったん正確な部位に結合したら、標的RNAを切断するように酵素的に作用する。このような標的RNAの戦略的な切断は、コードされるタンパク質の合成を指示する能力を破壊する。酵素的核酸は、そのRNA標的に結合し、それを切断した後、そのRNAから放出されて、別の標的を捜し、そして、新しい標的への結合とその切断を繰り返すことができる。

0225

酵素的核酸分子は、例えば、ハンマーヘッド型、ヘアピン型、δ肝炎ウイルスグループIイントロンまたはRNaseP RNA(RNAガイド配列と会合した状態)またはアカパンカビVS RNAモチーフとして形成され得る。ハンマーヘッド型モチーフの具体的な例は、Rossi et al.Nucleic AcidsRes.1992 Sep 11;20(17):4559−65に記載されている。ヘアピンモチーフの例は、Hampelet al.(欧州特許第EP0360257号)、Hampel and Tritz,Biochemistry 1989 Jun 13;28(12):4929−33;Hampel et al.,Nucleic Acids Res.1990 Jan 25;18(2):299−304および米国特許第5,631,359号に記載されている。δ肝炎ウイルスモチーフの例は、Perrotta and Been,Biochemistry.1992 Dec 1;31(47):11843−52に記載されており、RNasePモチーフの例は、Guerrier−Takada et al.,Cell.1983 Dec;35(3 Pt 2):849−57に記載されており、アカパンカビVS RNAリボザイムモチーフは、Collins(Saville and Collins,Cell.1990 May 18;61(4):685−96;Saville and Collins,Proc Natl Acad Sci USA.1991 Oct 1;88(19):8826−30;Collins and Olive,Biochemistry.1993 Mar 23;32(11):2795−9)に記載されており、グループIイントロンの例は、米国特許第4,987,071号に記載されている。本発明に従って使用される酵素的核酸分子の重要な特徴は、それらが、標的遺伝子のDNA領域またはRNA領域の1または複数に相補的である特異的な基質結合部位を有すること、およびその分子にRNA切断活性を付与するヌクレオチド配列を基質結合部位内または基質結合部位周辺に有することである。したがって、リボザイムコンストラクトは、本明細書中で述べられる特定のモチーフに限定される必要はない。

0226

任意のポリヌクレオチド配列を標的とするリボザイムを作製する方法は、当該技術分野で公知である。リボザイムは、各々参照により本明細書に明確に組み込まれる、国際公開第93/23569号および同第94/02595号に記載されているように設計され、かつ合成されて、それらに記載されているようにインビトロおよびインビボで試験され得る。

0227

リボザイム活性は、リボザイムの結合アームの長さを変更すること、または血清リボヌクレアーゼによる分解を防ぐ修飾を有するリボザイムを化学的に合成すること(例えば、国際公開第92/07065号;国際公開第93/15187号;国際公開第91/03162号;欧州特許出願公開92110298.4号;米国特許第5,334,711号;および国際公開第94/13688を参照されたい。これらの文献は、酵素的RNA分子の糖部分になされ得る様々な化学修飾を記載している)、細胞内でのそれらの効力を高める修飾、およびRNA合成時間を短縮し、化学的必要性を低下させるステムII塩基の除去によって、最適化することができる。

0228

本発明の組成物および方法において使用するのに好適なオリゴヌクレオチド(ODN)の追加の特定の核酸配列は、米国特許出願第60/379,343号、米国特許出願第09/649,527号、国際公開第02/069369号、国際公開第01/15726号、米国特許第6,406,705号およびRaney et al.,Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics,298:1185−1192(2001)に記載されている。ある特定の実施形態において、本発明の組成物および方法において使用されるODNは、CpGモチーフ内にホスホジエステル(「PO」)骨格もしくはホスホロチオアート(「PS」)骨格および/または少なくとも1つのメチル化されたシトシン残基を有する。

0229

核酸修飾
1990年代、DNAベースアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)およびリボザイム(RNA)が、薬物のデザインおよび開発に対して興奮させる新しいパラダイムをもたらしたが、それらのインビボでの適用は、エンド−およびエキソヌクレアーゼ活性ならびに首尾よい細胞内送達の欠如によって妨げられた。この分解の問題は、オリゴヌクレオチド(オリゴ)薬物がヌクレアーゼ酵素によって認識されるのを妨げるが、それらの作用機構を阻害しない化学修飾に対する大規模な研究の後、効果的に克服された。この研究は非常に成功したので、現在開発過程のアンチセンスODN薬物は、未修飾分子の場合の数分間と比較して、インビボで数日間インタクトな状態である(Kurreck,J.2003.Antisense technologies.Improvement through novel chemical modifications.Eur J Biochem 270:1628−44)。しかしながら、細胞内送達および作用機序の問題は、これまで、アンチセンスODNおよびリボザイムが臨床的な製品になることを制限している。

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