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課題

HER3−媒介性細胞シグナル伝達を効果的に阻外する免疫療法薬、特に抗体又は抗原結合断片の提供。

解決手段

HER3の細胞外ドメイン内のエピトープへ特異的に結合する単離された結合分子又はそれらの抗原-結合断片であって、該結合分子が、特定のアミノ酸配列を有す親クローンCL16又は親和性最適化されたクローン2C2の重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含む抗体又はそれらの抗原-結合断片と同じHER3エピトープへ特異的に結合する、単離された結合分子又はそれらの抗原-結合断片。

概要

背景

背景技術
ヒト上皮細胞成長因子受容体3(HER3、Erbb3としても公知)は、受容体タンパク質チロ
シンであり、且つEGFR(HER1/Erbb1)、HER2/Erbb2、HER3/Erbb3及びHER4/Erbb4からなる受
容体タンパク質チロシンキナーゼ(RTK)の上皮細胞成長因子受容体(EGFR)EGFR/HERサブ
ファミリーに属する。EGFR及びHER2は、乳癌結腸直腸癌、及び肺癌などの大範疇を含む
複数の固形腫瘍型の腫瘍発生を駆動するRTKの中で最もよく確立された発癌性RTKである。
EGFR及びHER2のチロシンキナーゼ活性は、それらの発癌活性に必須であることが示されて
いる。

プロトタイプのEGFRのように、膜貫通型受容体HER3は、細胞外リガンド-結合ドメイン(
ECD)、ECD内の二量体化ドメイン膜貫通ドメイン、並びに細胞内タンパク質チロシン
ナーゼドメイン(TKD)及びC-末端リン酸化ドメインからなる(例えば、Kimらの文献、Bioch
em. J. 334, 189-195 (1998);Roepstorffらの文献、Histochem. Cell Biol. 129, 563-5
78 (2008)を参照されたい)。

リガンドヘレグリン(HRG)は、HER3の細胞外ドメインに結合し、且つ他のEGFRファミリ
メンバー(例えば、他のHER受容体)との二量体化及びその細胞内ドメインのリン酸転移
反応を促進することにより、受容体-媒介性シグナル伝達経路を活性化する。HER3は、恐
らくチロシンキナーゼドメイン内のある重要な残基の非保存的置換のために、検出可能な
チロシンキナーゼ活性を欠いていることが示されている。従って、このキナーゼ-欠損
結果、HER3は、リン酸化を受け且つ機能的に活性であるためには、他のRTK、特にEGFR及
びHER2とヘテロ-二量体を形成することが必要となる。

腫瘍形成におけるHER3の中心的役割は、PI3K/AKT経路の最大誘導を可能にするためのス
キャフォールドタンパク質として働くことである。HER3は、リン酸化されるとコンセンサ
スPI3K/p85結合部位に似ている、6つのC-末端チロシン-含有モチーフクラスターを含む
ことが示されている。その結果、HER3とのヘテロ二量体の形成により、上流腫瘍駆動体
(onco-driver)であるEGFR、HER2、cMET及びFGFR2は、PI3K/AKT経路に最も効率的に連関
ることができる。従ってHER3活性の喪失は、多岐にわたるRTKにより駆動された多様なシ
ステムにおいて癌の進行を阻止することができることを予想することは理にかなっている
。研究は、HER2-増幅された乳癌細胞におけるHER3 siRNAのノックダウンは、HER2 siRNA
のノックダウンに類似した抗-増殖作用につながることを示し、これはHER3を癌が決定的
に必要としていることを更に明らかにしている。

HER3は、ストレス無負荷条件における腫瘍成長の促進に加え、EGFRチロシンキナーゼ阻
害薬、トラスツズマブなどのHER2モノクローナル抗体、更にはPI3K又はAKT又はMEKの小型
分子阻害剤を含む、多くの標的薬物に対する治療抵抗性をもたらすことに高度に関与する
ことがわかっている。このことは、HER3に、原発性腫瘍の減量に加え、初期臨床反応
もかかわらず決まって出現する癌抵抗性の問題の根絶の両方に関する確実な癌標的として
別の魅力的積み重ね(anotherlayer of attraction)を付け加えている。

HER3は、そのパートナーRTKと二量体化する2つの異なる方法:リガンド-依存性(HRGの
存在下)又はリガンド-非依存性の方法を有する。HER2-HER3二量体に関して、低から中等
度のHER2発現を伴う細胞において、HER3は、リガンド-結合後のみHER2と複合体化するこ
とができ;対照的に、増幅されたHER2を伴う細胞(HER2 IHC 3+)において、これらは、HRG
なしに自発的に二量体を形成することが知られている(Junttilaらの文献、Cancer Cell.
15(5): 429-40 (2009))。トラスツズマブ/ハーセプチン(登録商標)(HER2 3+乳癌につい
承認されたGenentech/Roche社のHER2モノクローナル抗体)は、リガンド-非依存性二量
体のみを破壊することができ、リガンド-依存性二量体はできないのに対し、ペルツズマ
ブ/オムニターグ(登録商標)(rhuMAb 2C4、臨床試験3相にあるGenentech/Roche社のHER
2モノクローナル抗体)は、リガンド-依存性二量体のみを破壊することができることは、
初期の研究により明らかにされているので、リガンドの存在又は非存在下で形成された二
量体は、構造的に異なる。

HERファミリメンバー間二量体形成は、HER3のシグナル伝達能を拡大し、且つシグ
ナル多様化のみではなく、シグナル増幅のための手段でもある。HER3は、様々な細胞状
況においてリン酸化されることが示されている。例えば、HER3は、HER3を過剰発現してい
ヒト乳癌細胞サブセットにおいて、チロシン残基上で構成的にリン酸化される(例え
ば、Krausらの文献、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90, 2900-2904 (1993);Kimらの文献
、Biochem. J. 334, 189-195 (1998);Schaeferらの文献、Cancer Res. 64, 3395-3405 (
2004);Schaeferらの文献、Neoplasia, 8, 612-622 (2006)を参照されたい)。従って、HE
R3リン酸化を効果的に妨害する療法が望まれている。

加えて、HER3は、乳癌、卵巣癌前立腺癌肝臓癌腎臓及び膀胱癌膵臓癌脳腫瘍
造血系新生物網膜芽細胞腫メラノーマ、結腸直腸癌、胃癌頭頸部癌、肺癌などの
いくつかの癌型において、過剰発現され及び/又は過剰活性化されることがわかっている
(例えば、Sithanandam及びAndersonの文献、Cancer Gene Ther. 15, 413-448 (2008)を参
照されたい)。概して、HER3は、EGFR、HER2、C-Met、及びFGFRIIを発現している癌におい
て活性化されることが多い。

HER2/HER3の発現と、非侵襲期から侵襲期への進行の間の相関関係が示されている(Alim
andiらの文献、 Oncogene, 10, 1813-1821;DeFazioらの文献、Cancer, 87, 487-498;Na
iduらの文献、Br. J. Cancer, 78, 1385-1390)。従ってHER3は、増大した腫瘍の攻撃性
生存不良に関する診断マーカーとして使用することができる。PI3K/AKTの持続されたHE
R3活性化は、EGFR/HER2阻害剤に対する腫瘍抵抗性を説明することが繰り返し示されてい
る。

癌の発達及び進行におけるHER3の役割が研究されている(例えば、Horstらの文献、Int.
J. Cancer, 115, 519-527 (2005);Xueらの文献、Cancer Res. 66, 1418-1426 (2006)を
参照されたい)にもかかわらず、HER3は依然臨床介入の標的として大部分は正しく評価さ
れていない。ほとんどの現在の免疫療法は、HER2の作用を、特にHER2/HER3複合体のヘテ
ロ二量体化を阻害することに主として焦点を当てている(例えば、Sliwkowskiらの文献、J
. Biol. Chem. 269, 14661-14665 (1994)を参照されたい)。従って、様々な癌の診断、予
予測、及び治療に使用することができるHER3-媒介性細胞シグナル伝達を効果的に阻害
する改善された免疫療法薬を提供することが、本発明の目的である。

概要

HER3−媒介性細胞シグナル伝達を効果的に阻外する免疫療法薬、特に抗体又は抗原結合断片の提供。HER3の細胞外ドメイン内のエピトープへ特異的に結合する単離された結合分子又はそれらの抗原-結合断片であって、該結合分子が、特定のアミノ酸配列を有す親クローンCL16又は親和性最適化されたクローン2C2の重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含む抗体又はそれらの抗原-結合断片と同じHER3エピトープへ特異的に結合する、単離された結合分子又はそれらの抗原-結合断片。B

目的

本発明は、HER3に特異的に結合する組成物、及び癌治療のためのそのような組成物の使
用方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

HER3の細胞外ドメイン内のエピトープへ特異的に結合する単離された結合分子又はそれらの抗原-結合断片であって、ここで該結合分子が、CL16又は2C2の重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含む抗体又はそれらの抗原-結合断片と同じHER3エピトープへ特異的に結合する、単離された結合分子又はそれらの抗原-結合断片。

請求項2

HER3へ特異的に結合し、且つCL16又は2C2のVH及びVLを含む抗体又はそれらの抗原-結合断片によるHER3結合を競合的に阻害する、単離された結合分子又はそれらの抗原-結合断片。

請求項3

前記CL16のVH及びVLが、各々、配列番号:2及び1を含み、且つ2C2のVH及びVLが、各々、配列番号:2及び3を含む、請求項1又は2記載の結合分子又はそれらの断片。

請求項4

抗体又はそれらの抗原-結合断片を含む、請求項1〜3のいずれか一項記載の結合分子又はそれらの断片。

請求項5

前記結合分子が、親和性成熟されている、請求項1〜4のいずれか一項記載の結合分子又はそれらの断片。

請求項6

抗体VLを含むHER3へ特異的に結合する単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片であって、ここで該VLが、下記アミノ酸配列を含む:(式中、[FW1]、[FW2]、[FW3]及び[FW4]は、VLフレームワーク領域を表し、且つここで(a)X1は、アミノ酸残基アルギニン(R)又はセリン(S)を表し、(b)X2は、アミノ酸残基セリン(S)又はロイシン(L)を表し、(c)X3は、アミノ酸残基セリン(S)又はグリシン(G)を表し、(d)X4は、アミノ酸残基ロイシン(L)又はプロリン(P)を表し、(e)X5は、アミノ酸残基アルギニン(R)、イソロイシン(I)、プロリン(P)又はセリン(S)を表し、並びに(f)X6は、アミノ酸残基バリン(V)又はアラニン(A)を表す。)、前記単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片。

請求項7

FW1が配列番号:40又は44を含み、FW2が配列番号:41を含み、FW3が配列番号:42を含み、及びFW4が配列番号:43を含む、請求項6記載の結合分子又はそれらの断片。

請求項8

抗体VHを含むHER3へ特異的に結合する単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片であって、ここで該VHが、下記アミノ酸配列を含む:(式中、[FW5]、[FW6]、[FW7]及び[FW8]は、VHフレームワーク領域を表し、且つここでX7は、アミノ酸残基チロシン(Y)、イソロイシン(I)又はバリン(V)を表す。)、前記単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片。

請求項9

FW5が配列番号:36を含み、FW6が配列番号:37を含み、FW7が配列番号:38を含み、及びFW8が配列番号:39を含む、請求項8記載の結合分子又はそれらの断片。

請求項10

抗体VL及び抗体VHを含むHER3へ特異的に結合する単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片であって、ここで該VLが、下記アミノ酸配列を含み:(式中、[FW1]、[FW2]、[FW3]及び[FW4]は、VLフレームワーク領域を表し、且つここで:(a)X1は、アミノ酸残基アルギニン(R)又はセリン(S)を表し、(b)X2は、アミノ酸残基セリン(S)又はロイシン(L)を表し、(c)X3は、アミノ酸残基セリン(S)又はグリシン(G)を表し、(d)X4は、アミノ酸残基ロイシン(L)又はプロリン(P)を表し、(e)X5は、アミノ酸残基アルギニン(R)、イソロイシン(I)、プロリン(P)又はセリン(S)を表し、及び(f)X6は、アミノ酸残基バリン(V)又はアラニン(A)を表す。)、並びに、該VHが、下記アミノ酸配列を含む:(式中、[FW5]、[FW6]、[FW7]及び[FW8]は、VHフレームワーク領域を表し、且つここで、X7は、アミノ酸残基チロシン(Y)、イソロイシン(I)又はバリン(V)を表す。)、前記単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片。

請求項11

前記FW1が配列番号:40又は44を含み、FW2が配列番号:41を含み、FW3が配列番号:42を含み、FW4が配列番号:43を含み、FW5が配列番号:36を含み、FW6が配列番号:37を含み、FW7が配列番号:38を含み、及びFW8が配列番号:39を含む、請求項10記載の結合分子又はそれらの断片。

請求項12

抗体又はそれらの抗原-結合断片を含む、請求項6〜11のいずれか一項記載の結合分子又はそれらの断片。

請求項13

抗体VLを含むHER3へ特異的に結合する単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片であって、ここで該VLが、配列番号:18、配列番号:19、又は配列番号:20と同一であるか、又は4、3、2若しくは1つのアミノ酸置換以外は同一であるVL相補性決定領域-1(VL-CDR1)アミノ酸配列を含んでなる、前記単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片。

請求項14

抗体VLを含むHER3へ特異的に結合する単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片であって、ここで該VLが、配列番号:21と同一であるか、又は4、3、2若しくは1つのアミノ酸置換以外は同一であるVL相補性決定領域-2(VL-CDR2)アミノ酸配列を含んでなる、前記単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片。

請求項15

抗体VLを含むHER3へ特異的に結合する単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片であって、ここで該VLが、配列番号:22、配列番号:23、配列番号:24、配列番号:25、配列番号:26、配列番号:27、配列番号:28、配列番号:29、又は配列番号:30と同一であるか、又は4、3、2若しくは1つのアミノ酸置換以外は同一である相補性決定領域-3(VL-CDR3)アミノ酸配列を含んでなる、前記単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片。

請求項16

抗体VHを含むHER3へ特異的に結合する単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片であって、ここで該VHが、配列番号:31と同一であるか、又は4、3、2若しくは1つのアミノ酸置換以外は同一である相補性決定領域-1(VH-CDR1)アミノ酸配列を含んでなる、前記単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片。

請求項17

抗体VHを含むHER3へ特異的に結合する単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片であって、ここで該VHが、配列番号:32、配列番号:33、又は配列番号:34と同一であるか、又は4、3、2若しくは1つのアミノ酸置換以外は同一である相補性決定領域-2(VH-CDR2)アミノ酸配列を含んでなる、前記単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片。

請求項18

抗体VHを含むHER3へ特異的に結合する単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片であって、ここで該VHが、配列番号:35と同一であるか、又は4、3、2若しくは1つのアミノ酸置換以外は同一である相補性決定領域-3(VH-CDR3)アミノ酸配列を含んでなる、前記単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片。

請求項19

抗体VLを含むHER3へ特異的に結合する単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片であって、ここで該VLが、各々、配列番号:18、21及び22、配列番号:18、21、及び26、配列番号:18、21、及び27、配列番号:20、21、及び22、配列番号:19、21、及び22、配列番号:18、21、及び25、配列番号:18、21、及び28、配列番号:18、21、及び29、配列番号:18、21、及び30、配列番号:18、21、及び23、配列番号:19、21、及び23、配列番号:20、21、及び23、配列番号:18、21、及び24、又は配列番号:18、21、及び25と同一であるか、又は1つ以上のVL-CDRにおいて、4、3、2若しくは1つのアミノ酸置換以外は同一であるVL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3アミノ酸配列を含んでなる、前記単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片。

請求項20

抗体VHを含むHER3へ特異的に結合する単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片であって、ここで該VHが、各々、配列番号:31、32及び35、配列番号:31、33、及び35、又は配列番号:31、34、及び35と同一であるか、又は1つ以上のVH-CDRにおいて、4、3、2若しくは1つのアミノ酸置換以外は同一であるVH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3アミノ酸配列を含んでなる、前記単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片。

請求項21

前記結合分子又はそれらの断片が、抗体又はそれらの抗原-結合断片を含む、請求項13〜20のいずれか一項記載の結合分子。

請求項22

各々、配列番号:18、21、22、31、32、及び35、配列番号:18、21、26、31、32及び35、配列番号:18、21、27、31、32及び35、配列番号:20、21、22、31、32及び35、配列番号:19、21、22、31、32及び35、配列番号:18、21、25、31、32及び35、配列番号:18、21、28、31、32及び35、配列番号:18、21、29、31、32及び35、配列番号:18、21、30、31、32及び35、配列番号:18、21、23、31、32及び35、配列番号:19、21、23、31、32及び35、配列番号:20、21、23、31、32及び35、配列番号:18、21、24、31、32及び35、又は配列番号:18、21、25、31、32及び35と同一であるか、又は1つ以上のCDRにおいて、4、3、2若しくは1つのアミノ酸置換以外は同一であるVL-CDR1、VL-CRD2、VL-CDR3、VH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3アミノ酸配列を含んでなる、VL及びVHを含むHER3へ特異的に結合する、単離された抗体又はそれらの抗原-結合断片。

請求項23

抗体VL及び抗体VHを含むHER3へ特異的に結合する単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片であって、ここで該VLが、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:10、配列番号:11、配列番号:14、配列番号:15、配列番号:16、及び配列番号:17からなる群から選択される参照アミノ酸配列と少なくとも約90%〜約100%同一であるアミノ酸配列を含んでなる、前記単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片。

請求項24

抗体VL及び抗体VHを含むHER3へ特異的に結合する単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片であって、ここで該VHが、配列番号:2、配列番号:12及び配列番号:13からなる群から選択される参照アミノ酸配列と少なくとも約90%〜約100%同一であるアミノ酸配列を含んでなる、前記単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片。

請求項25

抗体又はそれらの抗原-結合断片を含む、請求項23又は24記載の結合分子又はそれらの断片。

請求項26

HER3へ特異的に結合する単離された抗体又はそれらの抗原結合断片であって、ここで該抗体又は抗原結合断片が、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:10、配列番号:11、配列番号:14、配列番号:15、配列番号:16、及び配列番号:17からなる群から選択される参照アミノ酸配列と少なくとも約90%〜約100%同一である配列を含んでなるVLを含み、且つ該抗体又は抗原結合断片が、配列番号:2、配列番号:12及び配列番号:13からなる群から選択される参照アミノ酸配列と少なくとも約90%〜約100%同一である配列を含んでなるVHを含む、前記単離された抗体又はそれらの抗原結合断片。

請求項27

表4に提供されたVLコンセンサス配列を含んでなるVL、及び表4に提供されたVHコンセンサス配列を含んでなるVHを含む、単離された抗体又はそれらの抗原結合断片。

請求項28

配列番号:3を含むVL及び配列番号:2を含むVHを含む、単離された抗体又はそれらの抗原結合断片。

請求項29

重鎖定常領域又はそれらの断片を含む、請求項4、12、21、22、又は25〜28のいずれか一項記載の抗体又はそれらの抗原-結合断片。

請求項30

前記重鎖定常領域又はそれらの断片が、IgG定常領域である、請求項29記載の抗体又はそれらの抗原-結合断片。

請求項31

前記IgG定常領域が、IgG1定常領域、IgG2定常領域、IgG3定常領域及びIgG4定常領域から選択される、請求項30記載の抗体又はそれらの抗原-結合断片。

請求項32

前記IgG定常領域が、IgG1定常領域である、請求項30記載の抗体又はそれらの抗原-結合断片。

請求項33

ヒトカッパ定常領域及びヒトラムダ定常領域からなる群から選択される軽鎖定常領域を含む、請求項4、12、21、22、又は25〜32のいずれか一項記載の抗体又はそれらの抗原-結合断片。

請求項34

前記IgG定常ドメインが、野生型IgG定常ドメインに対する1つ以上のアミノ酸置換を含み、ここで修飾されたIgGが、野生型IgG定常ドメインを有するIgGの半減期と比べ増大した半減期を有する、請求項30〜32のいずれか一項記載の抗体又は抗原結合断片。

請求項35

前記IgG定常ドメインが、位置251-257、285-290、308-314、385-389、及び428-436のアミノ酸残基の1つ以上のアミノ酸置換を含み、ここで番号付けはKabatに定めるEUインデックスに従う、請求項31記載の単離された抗体又は抗原結合断片。

請求項36

少なくとも1つのIgG定常ドメインアミノ酸置換が:(a)位置252のアミノ酸の、チロシン(Y)、フェニルアラニン(F)、トリプトファン(W)、又はトレオニン(T)による置換、(b)位置254のアミノ酸の、トレオニン(T)による置換、(c)位置256のアミノ酸の、セリン(S)、アルギニン(R)、グルタミン(Q)、グルタミン酸(E)、アスパラギン酸(D)、又はトレオニン(T)による置換、(d)位置257のアミノ酸の、ロイシン(L)による置換、(e)位置309のアミノ酸の、プロリン(P)による置換、(f)位置311のアミノ酸の、セリン(S)による置換、(g)位置428のアミノ酸の、トレオニン(T)、ロイシン(L)、フェニルアラニン(F)、又はセリン(S)による置換、(h)位置433のアミノ酸の、アルギニン(R)、セリン(S)、イソロイシン(I)、プロリン(P)、又はグルタミン(Q)による置換、(i)位置434のアミノ酸の、トリプトファン(W)、メチオニン(M)、セリン(S)、ヒスチジン(H)、フェニルアラニン(F)、又はチロシンによる置換、並びに(j)前記置換の2つ以上の組合せ:からなる群から選択され、ここで番号付けはKabatに定めるEUインデックスに従う、請求項35記載の単離された抗体又は抗原結合断片。

請求項37

前記ヒトIgG定常ドメインが、位置252、254、及び256に、野生型ヒトIgG定常ドメインに対するアミノ酸置換を含み、ここで:(a)位置252のアミノ酸は、チロシン(Y)により置換され、(b)位置254のアミノ酸は、トレオニン(T)により置換され、並びに(c)位置256のアミノ酸は、グルタミン酸(E)により置換され、ここで番号付けはKabatに定めるEUインデックスに従う、請求項36記載の単離された抗体又は抗原結合断片。

請求項38

前記位置434のアミノ酸が、トリプトファン(W)、メチオニン(M)、チロシン(Y)、及びセリン(S)からなる群から選択されるアミノ酸により置換され、ここで番号付けはKabatに定めるEUインデックスに従う、請求項37記載の単離された抗体又は抗原結合断片。

請求項39

前記位置428のアミノ酸が、トレオニン(T)、ロイシン(L)、フェニルアラニン(F)、及びセリン(S)からなる群から選択されるアミノ酸により置換され、ここで番号付けはKabatに定めるEUインデックスに従う、請求項38記載の単離された抗体又は抗原結合断片。

請求項40

前記位置257のアミノ酸が、ロイシン(L)により置換され、且つKabat位置434のアミノ酸が、チロシン(Y)により置換され、ここで番号付けはKabatに定めるEUインデックスに従う、請求項38記載の単離された抗体又は抗原結合断片。

請求項41

前記Kabat位置428のアミノ酸が、ロイシン(L)により置換され、且つKabat位置434のアミノ酸が、セリン(S)により置換される、請求項39記載の単離された抗体又は抗原結合断片。

請求項42

配列番号:3の抗体VL、配列番号:2の抗体VH、及び配列番号:46のIgG1定常領域を含む、HER3の細胞外ドメイン内のエピトープへ特異的に結合する、単離された結合分子又はそれらの抗原-結合断片。

請求項43

配列番号:3の抗体VL、配列番号:2の抗体VH、及び配列番号:46のIgG1定常領域からなる、HER3の細胞外ドメイン内のエピトープに特異的に結合する、単離された結合分子又はそれらの抗原-結合断片。

請求項44

前記ヒトIgG定常領域が、位置252、254、及び256に、野生型ヒトIgG定常ドメインに対するアミノ酸置換を含み、ここで番号付けはKabatに定めるEUインデックスに従い、且つここで:(a)位置252のアミノ酸は、チロシン(Y)により置換され、(b)位置254のアミノ酸は、トレオニン(T)により置換され、並びに(c)位置256のアミノ酸は、グルタミン酸(E)により置換される、請求項29又は30記載の単離された抗体又は抗原結合断片。

請求項45

前記抗体が、完全ヒト抗体ヒト化抗体キメラ抗体モノクローナル抗体ポリクローナル抗体組換え抗体多重特異性抗体、又はそれらの抗原-結合断片である、請求項4、12、21、22、又は25〜44のいずれか一項記載の抗体又は抗原-結合断片。

請求項46

Fv、Fab、F(ab')2、Fab'、dsFv、scFv、及びsc(Fv)2である、請求項4、12、21、22、又は25〜45のいずれか一項記載の抗原-結合断片。

請求項47

少なくとも1種の異種物質コンジュゲートされている、請求項4、12、21、22、又は25〜46のいずれか一項記載の抗体又はそれらの断片。

請求項48

請求項4、12、21、22、又は25〜47のいずれか一項記載の抗体又はそれらの断片、及び担体を含有する、組成物

請求項49

請求項4、12、21、22、又は25〜48のいずれか一項記載の抗体をコードしている配列を含む核酸

請求項50

請求項49記載の核酸を含有する、組成物。

請求項51

請求項49記載の核酸を含む、ベクター

請求項52

請求項49記載の核酸配列、請求項50記載の組成物、又は請求項51記載のベクターを含む、宿主細胞

請求項53

(a)請求項46記載の細胞を培養すること;及び、(b)抗体又はそれらの抗原-結合断片を単離すること:を含む、請求項4、12、21、22、又は25〜46のいずれか一項記載の抗体又は抗原-結合断片の製造方法。

請求項54

更に抗癌剤を含有する、請求項48記載の組成物。

請求項55

標識されている、請求項4、12、21、22、又は25〜47のいずれか一項記載の抗体又は抗原結合断片を含有する診断薬

請求項56

請求項4、12、21、22、若しくは25〜47のいずれか一項記載の抗体、又は請求項48若しくは54のいずれか一項記載の組成物を備える、キット

請求項57

抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)を誘導しない、請求項4、12、21、22、又は25〜47のいずれか一項記載の抗体又は抗原結合断片。

請求項58

BT-474細胞、SkBR3細胞、又はそれらの組合せにおいて、抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)を誘導しない、請求項57記載の抗体又は抗原結合断片。

請求項59

HER3のアンタゴニストである、請求項4、12、21、22、25〜47、57又は52のいずれか一項記載の抗体又は抗原結合断片。

請求項60

BT-474細胞、SkBR3細胞、MDA-MB-175細胞、MDA-MB-361細胞、A549細胞、HARA-B細胞、HMCB細胞、HCC827細胞、MCF-7細胞、MKN45細胞、Kato III細胞ゲフィチニブ-抵抗性HCC827細胞、又は列挙された細胞の2種以上の組合せからなる群から選択される細胞における、HER3のアンタゴニストである、請求項59記載の抗体又は抗原結合断片。

請求項61

前記HER3が、ヒトHER3である、請求項59又は60のいずれか一項記載の抗体又は抗原結合断片。

請求項62

前記抗体又は抗原結合断片のHER3への結合が、細胞増殖を減少することができる、請求項4、12、21、22、25〜47又は57〜61のいずれか一項記載の抗体又は抗原結合断片。

請求項63

前記抗体又は抗原結合断片のHER3への結合が、BT-474細胞、MDA-MB-175細胞、MDA-MB-361細胞、HMCB細胞、又は列挙された細胞の2種以上の組合せにおける細胞増殖を減少することができる、請求項62記載の抗体又は抗原結合断片。

請求項64

前記抗体又は抗原結合断片のHER3への結合が、HER3-媒介性シグナル伝達を減少することができる、請求項4、12、21、22、25〜47又は57〜63のいずれか一項記載の抗体又は抗原結合断片。

請求項65

前記抗体又は抗原結合断片のHER3への結合が、BT-474細胞、SkBR3細胞、MDA-MB-175細胞、MDA-MB-361細胞、A549細胞、HARA-B細胞、HMCB細胞、HCC827細胞、MCF-7細胞、MKN45細胞、Kato III細胞、ゲフィチニブ-抵抗性HCC827細胞、又は列挙された細胞の2種以上の組合せからなる群から選択される細胞におけるHER3-媒介性シグナル伝達を減少することができる、請求項64記載の抗体又は抗原結合断片。

請求項66

前記抗体又は抗原結合断片のHER3への結合が、リガンド-依存性HER3リン酸化を減少することができる、請求項4、12、21、22、25〜47又は57〜65のいずれか一項記載の抗体又は抗原結合断片。

請求項67

前記抗体又は抗原結合断片のHER3への結合が、MCF-7細胞、HMCB細胞、HCC827細胞、MKN45細胞、Kato III細胞、又は列挙された細胞の2種以上の組合せにおけるリガンド-依存性HER3リン酸化を減少することができる、請求項66記載の抗体又は抗原結合断片。

請求項68

前記リガンド-依存性HER3リン酸化が、HRG-駆動された、EGFR-駆動された、cMET-駆動された、又はFGFR2-駆動されたか、又はそれらの組合せである、請求項66又は67のいずれか一項記載の抗体又は抗原結合断片。

請求項69

前記抗体又は抗原結合断片のHER3への結合が、Aktプロテインキナーゼのリガンド-依存性リン酸化を減少することができる、請求項4、12、21、22、25〜47又は57〜68のいずれか一項記載の抗体又は抗原結合断片。

請求項70

前記抗体又は抗原結合断片のHER3への結合が、A549細胞、HMCB細胞、MKN45細胞、Kato III細胞、又は列挙された細胞の2種以上の組合せにおけるAktプロテインキナーゼのリガンド-依存性リン酸化を減少することができる、請求項69記載の抗体又は抗原結合断片。

請求項71

前記リガンド-依存性Aktリン酸化が、cMET-駆動された、FGFR2-駆動されたか、又は両方である、請求項69又は70のいずれか一項記載の抗体又は抗原結合断片。

請求項72

前記抗体又は抗原結合断片のHER3への結合が、リガンド-非依存性AKT又はHER3リン酸化を減少することができる、請求項4、12、21、22、25〜47又は57〜71のいずれか一項記載の抗体又は抗原結合断片。

請求項73

前記抗体又は抗原結合断片のHER3への結合が、BT-474細胞における、リガンド-非依存性AKTリン酸化、HER3リン酸化、又は両方を減少することができる、請求項72記載の抗体又は抗原結合断片。

請求項74

前記抗体又は抗原結合断片のHER3への結合が、EGFRを標的化するチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)に対し抵抗性のある細胞におけるHER3リン酸化を減少することができる、請求項4、12、21、22、25〜47又は57〜73のいずれか一項記載の抗体又は抗原結合断片。

請求項75

前記抗体又は抗原結合断片のHER3への結合が、ゲフィチニブ-抵抗性HCC827細胞におけるEGFRを標的化するチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)に対し抵抗性のある細胞におけるHER3リン酸化を減少することができる、請求項74記載の抗体又は抗原結合断片。

請求項76

前記抗体又は抗原結合断片が、ヒトHER3、カニクイザルHER3、及びマウスHER3に結合することができる、請求項4、12、21、22、25〜47又は57〜75のいずれか一項記載の抗体又は抗原結合断片。

請求項77

前記細胞を、請求項4、12、21、22、25〜47、又は57〜76のいずれか一項記載の抗体又は抗原結合断片と接触させることを含む、HER3を発現している細胞の成長を阻害する方法。

請求項78

請求項4、12、21、22、25〜47、又は57〜76のいずれか一項記載の抗体又はそれらの抗原結合断片の治療有効量を対象へ投与することを含む、対象における癌の治療方法

請求項79

前記癌が、結腸癌肺癌胃癌乳癌、及び頭頸部癌からなる群から選択される、請求項78記載の方法。

請求項80

前記癌が、KRAS変異を含む細胞を含んでなる、請求項79記載の方法。

請求項81

前記KRAS変異が、ヒトKRAS遺伝子コドン12の変異を含む、請求項80記載の方法。

請求項82

前記対象がヒトである、請求項78〜81のいずれか一項記載の方法。

請求項83

請求項4、12、21、22、25〜47、又は57〜76記載の抗体又はそれらの抗原結合断片である第一の薬剤の治療有効量を、第一の薬剤以外の抗癌剤である第二の薬剤の治療有効量と組合せて、対象へ投与することを含む、対象における癌の治療方法。

請求項84

前記第一の薬剤及び第二の薬剤の組合せが、相乗的に作用する、請求項83記載の方法。

請求項85

前記第二の薬剤が、EGFR阻害剤、HER2阻害剤、HER3阻害剤又はMEK阻害剤である、請求項83又は84のいずれか一項記載の方法。

請求項86

前記第二の薬剤が、抗体又はそれらの抗原結合断片を含有する、請求項83〜85のいずれか一項記載の方法。

請求項87

前記第二の薬剤が、上皮細胞成長因子受容体(EGFR)へ特異的に結合する、請求項86記載の方法。

請求項88

前記第二の薬剤が、セツキシマブパニツムマブマツズマブ又はニモツズマブである、請求項83〜87のいずれか一項記載の方法。

請求項89

前記第二の薬剤が、HER2に特異的に結合する、請求項86記載の方法。

請求項90

前記第二の薬剤が、トラスツズマブ、トラスツズマブエムタンシン、ペルツズマブ、MM-111又はペルツズマブである、請求項83〜87及び89のいずれか一項記載の方法。

請求項91

ゲフィチニブ、カネルニブラパチニブエルロチニブ、アファチニブ、ネラチニブセルメチニブ、WX-554、セルメチニブ、トラメチニブ、レファメチニブ、E-6201及びMEK-162からなる群から選択される、請求項85記載の方法。

請求項92

請求項4、12、21、22、25〜47又は57〜75のいずれか一項記載の抗体又は抗原結合断片の治療有効量と、細胞を接触させることを含む、チロシンキナーゼ阻害薬に抵抗性である細胞の成長を阻害する方法。

請求項93

請求項4、12、21、22、25〜47又は57〜75のいずれか一項記載の抗体又は抗原結合断片の治療有効量を対象へ投与することを含む、対象におけるチロシンキナーゼ阻害薬への抵抗性を治療する方法。

請求項94

前記チロシンキナーゼ阻害薬が、EGFR又はHER2を標的化する、請求項92又は93のいずれか一項記載の方法。

請求項95

請求項4、12、21、22、25〜47又は57〜75のいずれか一項記載の抗体又は抗原結合断片の治療有効量と、細胞を接触させることを含む、トレオニンキナーゼ阻害剤に抵抗性である細胞の成長を阻害する方法。

請求項96

請求項4、12、21、22、25〜47又は57〜75のいずれか一項記載の抗体又は抗原結合断片の治療有効量を対象へ投与することを含む、対象におけるトレオニン阻害剤への抵抗性を治療する方法。

請求項97

前記トレオニンキナーゼ阻害剤が、MEKを標的化する、請求項95又は96記載の方法。

請求項98

前記抗体又はそれらの抗原結合断片がBiacore(商標)チップに結合されているBiacore(商標)表面プラズモン共鳴アッセイにより測定された、約0.45nM(±0.05nM)又はそれよりも優れた解離定数(KD)により特徴づけられる親和性で、HER3ポリペプチド又はそれらの断片へ、特異的に結合することができる、請求項4、12、21、22、25〜47、又は57〜76のいずれか一項記載の抗体又はそれらの抗原結合断片。

請求項99

HER3ポリペプチド又はそれらの断片がBiacore(商標)チップに結合されているBiacore(商標)表面プラズモン共鳴アッセイにより測定された、約0.1nM又はそれよりも優れた解離定数(KD)により特徴づけられる親和性で、HER3ポリペプチド又はそれらの断片へ、特異的に結合することができる、請求項4、12、21、22、25〜47、又は57〜76のいずれか一項記載の抗体又はそれらの抗原結合断片。

請求項100

抗体若しくはそれらの抗原結合断片がBiacore(商標)チップに結合されているBiacore(商標)表面プラズモン共鳴アッセイにより測定された、Kon 1×105 M−1 s−1 〜6×105 M−1 s−1 及び/又はKoff 0.5×10−4 s−1 〜2.0×10−4 s−1により特徴づけられる親和性で、HER3ポリペプチド又はそれらの断片へ、特異的に結合することができる、請求項4、12、21、22、25〜47、又は57〜76のいずれか一項記載の抗体又はそれらの抗原結合断片。

請求項101

ELISAにより測定された、約30ng/mL又はそれよりも優れたIC50で、HRG-駆動されたMCF-7細胞におけるHER3リン酸化を特異的に抑制することができる、請求項4、12、21、22、25〜47、又は57〜76のいずれか一項記載の抗体又はそれらの抗原結合断片。

請求項102

ELISAにより測定された、約10ng/mL又はそれよりも優れたIC50で、HRG-駆動されたMCF-7細胞におけるHER3リン酸化を特異的に抑制することができる、請求項4、12、21、22、25〜47、又は57〜76のいずれか一項記載の抗体又はそれらの抗原結合断片。

請求項103

約0.90μg/mL又はそれよりも優れたIC50で、MDAMB-175細胞における細胞成長を特異的に抑制することができる、請求項4、12、21、22、25〜47、又は57〜76のいずれか一項記載の抗体又はそれらの抗原結合断片。

請求項104

約0.15μg/mL又はそれよりも優れたIC50で、MDAMB-175細胞における細胞成長を特異的に抑制することができる、請求項4、12、21、22、25〜47、又は57〜76のいずれか一項記載の抗体又はそれらの抗原結合断片。

請求項105

約0.2μg/mL又はそれよりも優れたIC50で、HMCB細胞における細胞成長を特異的に抑制することができる、請求項4、12、21、22、25〜47、又は57〜76のいずれか一項記載の抗体又はそれらの抗原結合断片。

請求項106

約0.03μg/mL又はそれよりも優れたIC50で、HMCB細胞における細胞成長を特異的に抑制することができる、請求項4、12、21、22、25〜47、又は57〜76のいずれか一項記載の抗体又はそれらの抗原結合断片。

請求項107

約20ng/mL又はそれよりも優れたIC50で、HCC827細胞におけるHER3リン酸化を特異的に抑制することができる、請求項4、12、21、22、25〜47、又は57〜76のいずれか一項記載の抗体又はそれらの抗原結合断片。

請求項108

約2ng/mL又はそれよりも優れたIC50で、HCC827細胞におけるHER3リン酸化を特異的に抑制することができる、請求項4、12、21、22、25〜47、又は57〜76のいずれか一項記載の抗体又はそれらの抗原結合断片。

請求項109

約25ng/mL又はそれよりも優れたIC50で、チロシンキナーゼ阻害薬に対し抵抗性のHCC827細胞におけるHER3リン酸化を特異的に抑制することができる、請求項4、12、21、22、25〜47、又は57〜76のいずれか一項記載の抗体又はそれらの抗原結合断片。

請求項110

約5ng/mL又はそれよりも優れたIC50で、チロシンキナーゼ阻害薬に対し抵抗性のHCC827細胞におけるHER3リン酸化を特異的に抑制することができる、請求項4、12、21、22、25〜47、又は57〜76のいずれか一項記載の抗体又はそれらの抗原結合断片。

請求項111

約10ng/mL又はそれよりも優れたIC50で、MKN45細胞におけるHER3リン酸化を特異的に抑制することができる、請求項4、12、21、22、25〜47、又は57〜76のいずれか一項記載の抗体又はそれらの抗原結合断片。

請求項112

約5ng/mL又はそれよりも優れたIC50で、MKN45細胞におけるHER3リン酸化を特異的に抑制することができる、請求項4、12、21、22、25〜47、又は57〜76のいずれか一項記載の抗体又はそれらの抗原結合断片。

請求項113

約10ng/mL又はそれよりも優れたIC50で、MKN45細胞におけるpAKTを特異的に抑制することができる、請求項4、12、21、22、25〜47、又は57〜76のいずれか一項記載の抗体又はそれらの抗原結合断片。

請求項114

約5ng/mL又はそれよりも優れたIC50で、MKN45細胞におけるpAKTを特異的に抑制することができる、請求項4、12、21、22、25〜47、又は57〜76のいずれか一項記載の抗体又はそれらの抗原結合断片。

請求項115

約8ng/mL又はそれよりも優れたIC50で、Kato III細胞におけるpHERを特異的に抑制することができる、請求項4、12、21、22、25〜47、又は57〜76のいずれか一項記載の抗体又はそれらの抗原結合断片。

請求項116

約1ng/mL又はそれよりも優れたIC50で、Kato III細胞におけるpHERを特異的に抑制することができる、請求項4、12、21、22、25〜47、又は57〜76のいずれか一項記載の抗体又はそれらの抗原結合断片。

請求項117

約5ng/mL又はそれよりも優れたIC50で、Kato III細胞におけるpAKTを特異的に抑制することができる、請求項4、12、21、22、25〜47、又は57〜76のいずれか一項記載の抗体又はそれらの抗原結合断片。

請求項118

約1ng/mL又はそれよりも優れたIC50で、Kato III細胞におけるpAKTを特異的に抑制することができる、請求項4、12、21、22、25〜47、又は57〜76のいずれか一項記載の抗体又はそれらの抗原結合断片。

請求項119

対象由来皮膚生検標本中のリン酸化されたHER3のレベルを検出することを含む、HER3の活性レベルを検出するエクスビボ方法であって、ここで該皮膚が生検前又は後にHRGにより処理される、方法。

技術分野

0001

電子媒体提出された配列表に関する言及)
本出願は、2012年11月12日に作製され、サイズ31.3キロバイトを有する、「Her3-100WO
1_SL」と題するテキストファイルとして、本出願と共に提出された配列表を、引用により
組み込んでいる。

0002

(発明の分野)
本発明は、HER3に特異的に結合する組成物、及び癌治療のためのそのような組成物の使
用方法を提供する。

背景技術

0003

背景技術
ヒト上皮細胞成長因子受容体3(HER3、Erbb3としても公知)は、受容体タンパク質チロ
シンであり、且つEGFR(HER1/Erbb1)、HER2/Erbb2、HER3/Erbb3及びHER4/Erbb4からなる受
容体タンパク質チロシンキナーゼ(RTK)の上皮細胞成長因子受容体(EGFR)EGFR/HERサブ
ファミリーに属する。EGFR及びHER2は、乳癌結腸直腸癌、及び肺癌などの大範疇を含む
複数の固形腫瘍型の腫瘍発生を駆動するRTKの中で最もよく確立された発癌性RTKである。
EGFR及びHER2のチロシンキナーゼ活性は、それらの発癌活性に必須であることが示されて
いる。

0004

プロトタイプのEGFRのように、膜貫通型受容体HER3は、細胞外リガンド-結合ドメイン(
ECD)、ECD内の二量体化ドメイン膜貫通ドメイン、並びに細胞内タンパク質チロシン
ナーゼドメイン(TKD)及びC-末端リン酸化ドメインからなる(例えば、Kimらの文献、Bioch
em. J. 334, 189-195 (1998);Roepstorffらの文献、Histochem. Cell Biol. 129, 563-5
78 (2008)を参照されたい)。

0005

リガンドヘレグリン(HRG)は、HER3の細胞外ドメインに結合し、且つ他のEGFRファミリ
メンバー(例えば、他のHER受容体)との二量体化及びその細胞内ドメインのリン酸転移
反応を促進することにより、受容体-媒介性シグナル伝達経路を活性化する。HER3は、恐
らくチロシンキナーゼドメイン内のある重要な残基の非保存的置換のために、検出可能な
チロシンキナーゼ活性を欠いていることが示されている。従って、このキナーゼ-欠損
結果、HER3は、リン酸化を受け且つ機能的に活性であるためには、他のRTK、特にEGFR及
びHER2とヘテロ-二量体を形成することが必要となる。

0006

腫瘍形成におけるHER3の中心的役割は、PI3K/AKT経路の最大誘導を可能にするためのス
キャフォールドタンパク質として働くことである。HER3は、リン酸化されるとコンセンサ
スPI3K/p85結合部位に似ている、6つのC-末端チロシン-含有モチーフクラスターを含む
ことが示されている。その結果、HER3とのヘテロ二量体の形成により、上流腫瘍駆動体
(onco-driver)であるEGFR、HER2、cMET及びFGFR2は、PI3K/AKT経路に最も効率的に連関
ることができる。従ってHER3活性の喪失は、多岐にわたるRTKにより駆動された多様なシ
ステムにおいて癌の進行を阻止することができることを予想することは理にかなっている
。研究は、HER2-増幅された乳癌細胞におけるHER3 siRNAのノックダウンは、HER2 siRNA
のノックダウンに類似した抗-増殖作用につながることを示し、これはHER3を癌が決定的
に必要としていることを更に明らかにしている。

0007

HER3は、ストレス無負荷条件における腫瘍成長の促進に加え、EGFRチロシンキナーゼ阻
害薬、トラスツズマブなどのHER2モノクローナル抗体、更にはPI3K又はAKT又はMEKの小型
分子阻害剤を含む、多くの標的薬物に対する治療抵抗性をもたらすことに高度に関与する
ことがわかっている。このことは、HER3に、原発性腫瘍の減量に加え、初期臨床反応
もかかわらず決まって出現する癌抵抗性の問題の根絶の両方に関する確実な癌標的として
別の魅力的積み重ね(anotherlayer of attraction)を付け加えている。

0008

HER3は、そのパートナーRTKと二量体化する2つの異なる方法:リガンド-依存性(HRGの
存在下)又はリガンド-非依存性の方法を有する。HER2-HER3二量体に関して、低から中等
度のHER2発現を伴う細胞において、HER3は、リガンド-結合後のみHER2と複合体化するこ
とができ;対照的に、増幅されたHER2を伴う細胞(HER2 IHC 3+)において、これらは、HRG
なしに自発的に二量体を形成することが知られている(Junttilaらの文献、Cancer Cell.
15(5): 429-40 (2009))。トラスツズマブ/ハーセプチン(登録商標)(HER2 3+乳癌につい
承認されたGenentech/Roche社のHER2モノクローナル抗体)は、リガンド-非依存性二量
体のみを破壊することができ、リガンド-依存性二量体はできないのに対し、ペルツズマ
ブ/オムニターグ(登録商標)(rhuMAb 2C4、臨床試験3相にあるGenentech/Roche社のHER
2モノクローナル抗体)は、リガンド-依存性二量体のみを破壊することができることは、
初期の研究により明らかにされているので、リガンドの存在又は非存在下で形成された二
量体は、構造的に異なる。

0009

HERファミリメンバー間二量体形成は、HER3のシグナル伝達能を拡大し、且つシグ
ナル多様化のみではなく、シグナル増幅のための手段でもある。HER3は、様々な細胞状
況においてリン酸化されることが示されている。例えば、HER3は、HER3を過剰発現してい
ヒト乳癌細胞サブセットにおいて、チロシン残基上で構成的にリン酸化される(例え
ば、Krausらの文献、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90, 2900-2904 (1993);Kimらの文献
、Biochem. J. 334, 189-195 (1998);Schaeferらの文献、Cancer Res. 64, 3395-3405 (
2004);Schaeferらの文献、Neoplasia, 8, 612-622 (2006)を参照されたい)。従って、HE
R3リン酸化を効果的に妨害する療法が望まれている。

0010

加えて、HER3は、乳癌、卵巣癌前立腺癌肝臓癌腎臓及び膀胱癌膵臓癌脳腫瘍
造血系新生物網膜芽細胞腫メラノーマ、結腸直腸癌、胃癌頭頸部癌、肺癌などの
いくつかの癌型において、過剰発現され及び/又は過剰活性化されることがわかっている
(例えば、Sithanandam及びAndersonの文献、Cancer Gene Ther. 15, 413-448 (2008)を参
照されたい)。概して、HER3は、EGFR、HER2、C-Met、及びFGFRIIを発現している癌におい
て活性化されることが多い。

0011

HER2/HER3の発現と、非侵襲期から侵襲期への進行の間の相関関係が示されている(Alim
andiらの文献、 Oncogene, 10, 1813-1821;DeFazioらの文献、Cancer, 87, 487-498;Na
iduらの文献、Br. J. Cancer, 78, 1385-1390)。従ってHER3は、増大した腫瘍の攻撃性
生存不良に関する診断マーカーとして使用することができる。PI3K/AKTの持続されたHE
R3活性化は、EGFR/HER2阻害剤に対する腫瘍抵抗性を説明することが繰り返し示されてい
る。

0012

癌の発達及び進行におけるHER3の役割が研究されている(例えば、Horstらの文献、Int.
J. Cancer, 115, 519-527 (2005);Xueらの文献、Cancer Res. 66, 1418-1426 (2006)を
参照されたい)にもかかわらず、HER3は依然臨床介入の標的として大部分は正しく評価さ
れていない。ほとんどの現在の免疫療法は、HER2の作用を、特にHER2/HER3複合体のヘテ
ロ二量体化を阻害することに主として焦点を当てている(例えば、Sliwkowskiらの文献、J
. Biol. Chem. 269, 14661-14665 (1994)を参照されたい)。従って、様々な癌の診断、予
予測、及び治療に使用することができるHER3-媒介性細胞シグナル伝達を効果的に阻害
する改善された免疫療法薬を提供することが、本発明の目的である。

0013

(簡単な発明の概要
本開示は、抗-HER3結合分子、例えば、抗体又はそれらの抗原-結合断片、例えば、リガ
ンド-依存性及び非依存性の両状況でHER3活性を抑制することが可能であるモノクローナ
ル抗体を提供する。対照的に、当該技術分野における他の抗-HER3モノクローナル抗体(例
えば、Ab #6(国際公開公報WO 2008/100624)及びU1-59(国際公開公報WO 2007077028;本明
細書ではAMGとも称される)は、リガンド-依存性HER3活性のみを抑制することができる。
同じく、増大した効力及び延長された半減期を伴い、その結果投与頻度が減り、投薬間隔
が長くなり、且つ投与容積がより小さい、親和性成熟された抗-HER3-結合分子も開示され
ている。本開示はまた、抗-HER3結合分子を投与することを含む、ヒト対象において、癌
などの疾患を治療する方法も提供する。一部の具体的態様において、2C2-誘導されたYTE
変異体ヒト抗体が使用される。

0014

本開示は、HER3の細胞外ドメイン内のエピトープへ特異的に結合する単離された結合分
子又はそれらの抗原-結合断片であって、ここで該結合分子が、CL16又は2C2の重鎖可変
域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含む抗体又はそれらの抗原-結合断片と同じHER3エピトー
プへ特異的に結合する、単離された結合分子又はそれらの抗原-結合断片を提供する。同
じく、HER3へ特異的に結合し、且つCL16又は2C2のVH及びVLを含む抗体又はそれらの抗原-
結合断片により、HER3結合を競合的に阻害する、単離された結合分子又はそれらの抗原-
結合断片も提供する。

0015

また本開示は、抗体VLを含むHER3へ特異的に結合する単離された結合分子又はそれらの
抗原結合断片であって、ここで該VLが、下記アミノ酸配列を含む:



(式中、[FW1]、[FW2]、[FW3]及び[FW4]は、VLフレームワーク領域を表し、且つここで
(a)X1は、アミノ酸残基アルギニン(R)又はセリン(S)を表し、
(b)X2は、アミノ酸残基セリン(S)又はロイシン(L)を表し、
(c)X3は、アミノ酸残基セリン(S)又はグリシン(G)を表し、
(d)X4は、アミノ酸残基ロイシン(L)又はプロリン(P)を表し、
(e)X5は、アミノ酸残基アルギニン(R)、イソロイシン(I)、プロリン(P)又はセリン(S)
を表し、且つ
(f)X6は、アミノ酸残基バリン(V)又はアラニン(A)を表す。)、単離された結合分子又
はそれらの抗原結合断片を提供する。

0016

更に、本開示は、抗体VHを含むHER3へ特異的に結合する単離された結合分子又はそれら
の抗原結合断片であって、ここで該VHが、下記アミノ酸配列を含む:



(式中、[FW5]、[FW6]、[FW7]及び[FW8]は、VHフレームワーク領域を表し、且つここでX7
は、アミノ酸残基チロシン(Y)、イソロイシン(I)又はバリン(V)を表す。)、単離された
結合分子又はそれらの抗原結合断片を提供する。

0017

本開示は、抗体VL及び抗体VHを含むHER3へ特異的に結合し、ここで該VLが、下記アミノ
酸配列を含み:



(式中、[FW1]、[FW2]、[FW3]及び[FW4]は、VLフレームワーク領域を表し、且つここで:
(a)X1は、アミノ酸残基アルギニン(R)又はセリン(S)を表し、
(b)X2は、アミノ酸残基セリン(S)又はロイシン(L)を表し、
(c)X3は、アミノ酸残基セリン(S)又はグリシン(G)を表し、
(d)X4は、アミノ酸残基ロイシン(L)又はプロリン(P)を表し、
(e)X5は、アミノ酸残基アルギニン(R)、イソロイシン(I)、プロリン(P)又はセリン(S)
を表し、且つ
(f)X6は、アミノ酸残基バリン(V)又はアラニン(A)を表す。)、
並びに、該VHが、下記アミノ酸配列を含む:



(式中、[FW5]、[FW6]、[FW7]及び[FW8]は、VHフレームワーク領域を表し、且つここで、
X7は、アミノ酸残基チロシン(Y)、イソロイシン(I)又はバリン(V)を表す。)、単離され
た結合分子又はそれらの抗原結合断片を提供する。

0018

本開示はまた、抗体VLを含むHER3へ特異的に結合する単離された結合分子又はそれらの
抗原結合断片であって、ここで該VLが、配列番号:18、配列番号:19、又は配列番号:20と
同一であるか、又は4、3、2若しくは1つのアミノ酸置換以外は同一であるVL相補性決定領
域-1(VL-CDR1)アミノ酸配列を含む、単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片を提
供する。また本開示は、抗体VLを含むHER3へ特異的に結合する単離された結合分子又はそ
れらの抗原結合断片であって、ここで該VLが、配列番号:21と同一であるか、又は4、3、2
若しくは1つのアミノ酸置換以外は同一であるVL相補性決定領域-2(VL-CDR2)アミノ酸配列
を含む、単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片を提供する。

0019

加えて本開示は、抗体VLを含むHER3へ特異的に結合する単離された結合分子又はそれら
の抗原結合断片であって、ここで該VLが、配列番号:22、配列番号:23、配列番号:24、配
列番号:25、配列番号:26、配列番号:27、配列番号:28、配列番号:29、又は配列番号:30と
同一であるか、又は4、3、2若しくは1つのアミノ酸置換以外は同一である相補性決定領域
-3(VL-CDR3)アミノ酸配列を含む、単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片を提供
する。また本開示は、抗体VHを含むHER3へ特異的に結合する単離された結合分子又はそれ
らの抗原結合断片であって、ここで該VHが、配列番号:31と同一であるか、又は4、3、2若
しくは1つのアミノ酸置換以外は同一である相補性決定領域-1(VH-CDR1)アミノ酸配列を含
む、単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片を提供する。

0020

更に本開示は、抗体VHを含むHER3へ特異的に結合する単離された結合分子又はそれらの
抗原結合断片であって、ここで該VHが、配列番号:32、配列番号:33、又は配列番号:34と
同一であるか、又は4、3、2若しくは1つのアミノ酸置換以外は同一である相補性決定領域
-2(VH-CDR2)アミノ酸配列を含む、単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片を提供
する。同じく、抗体VHを含むHER3へ特異的に結合する単離された結合分子又はそれらの抗
原結合断片であって、ここで該VHが、配列番号:35と同一であるか、又は4、3、2若しくは
1つのアミノ酸置換以外は同一である相補性決定領域-3(VH-CDR3)アミノ酸配列を含む、単
離された結合分子又はそれらの抗原結合断片も提供する。

0021

本開示は、抗体VLを含むHER3へ特異的に結合する単離された結合分子又はそれらの抗原
結合断片であって、ここで該VLが、各々、配列番号:18、21及び22、配列番号:18、21、及
び26、配列番号:18、21、及び27、配列番号:20、21、及び22、配列番号:19、21、及び22
、配列番号:18、21、及び25、配列番号:18、21、及び28、配列番号:18、21、及び29、配
列番号:18、21、及び30、配列番号:18、21、及び23、配列番号:19、21、及び23、配列番
号:20、21、及び23、配列番号:18、21、及び24、又は配列番号:18、21、及び25と同一で
あるか、又は1以上のVL-CDRにおいて、4、3、2若しくは1つのアミノ酸置換以外は同一で
あるVL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3アミノ酸配列を含む、単離された結合分子又はそれ
らの抗原結合断片を提供する。また本開示は、抗体VHを含むHER3へ特異的に結合する単離
された結合分子又はそれらの抗原結合断片であって、ここで該VHが、各々、配列番号:31
、32及び35、配列番号:31、33、及び35、又は配列番号:31、34、及び35と同一であるか、
又は1以上のVH-CDRにおいて、4、3、2若しくは1つのアミノ酸置換以外は同一であるVH-CD
R1、VH-CDR2、及びVH-CDR3アミノ酸配列を含む、単離された結合分子又はそれらの抗原結
合断片も提供する。

0022

加えて本開示は、各々、配列番号:18、21、22、31、32、及び35、配列番号:18、21、26
、31、32及び35、配列番号:18、21、27、31、32及び35、配列番号:20、21、22、31、32及
び35、配列番号:19、21、22、31、32及び35、配列番号:18、21、25、31、32及び35、配列
番号:18、21、28、31、32及び35、配列番号:18、21、29、31、32及び35、配列番号:18、2
1、30、31、32及び35、配列番号:18、21、23、31、32及び35、配列番号:19、21、23、31
、32及び35、配列番号:20、21、23、31、32及び35、配列番号:18、21、24、31、32及び35
、又は配列番号:18、21、25、31、32及び35と同一であるか、又は1以上のCDRにおいて、4
、3、2若しくは1つのアミノ酸置換以外は同一であるVL-CDR1、VL-CRD2、VL-CDR3、VH-CDR
1、VH-CDR2、及びVH-CDR3アミノ酸配列を含んでなるVL及びVHを含む、HER3へ特異的に結
合する、単離された抗体又はそれらの抗原-結合断片を提供する。同じく、抗体VL及び抗
体VHを含むHER3へ特異的に結合する単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片であっ
て、ここで該VLが、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6、配
列番号:7、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:10、配列番号:11、配列番号:14、配列番
号:15、配列番号:16、及び配列番号:17からなる群から選択される参照アミノ酸配列と少
なくとも約90%〜約100%同一であるアミノ酸配列を含む、単離された結合分子又はそれ
らの抗原結合断片も提供する。本開示はまた、抗体VL及び抗体VHを含むHER3へ特異的に結
合する単離された結合分子又はそれらの抗原結合断片であって、ここで該VHが、配列番号
:2、配列番号:12及び配列番号:13からなる群から選択される参照アミノ酸配列と少なくと
も約90%〜約100%同一であるアミノ酸配列を含む、単離された結合分子又はそれらの抗
原結合断片も提供する。更に本開示は、HER3へ特異的に結合する単離された抗体又はそれ
らの抗原結合断片であって、ここで該抗体又は抗原結合断片が、配列番号:1、配列番号:3
、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9、配列番
号:10、配列番号:11、配列番号:14、配列番号:15、配列番号:16、及び配列番号:17からな
る群から選択される参照アミノ酸配列と少なくとも約90%〜約100%同一である配列を含
むVLを含み、ここで該抗体又は抗原結合断片が、配列番号:2、配列番号:12及び配列番号:
13からなる群から選択される参照アミノ酸配列と少なくとも約90%〜約100%同一である
配列を含むVHを含む、単離された抗体又はそれらの抗原結合断片を提供する。

0023

本開示はまた、配列番号:49を含むVL及び配列番号:50を含むVHを含む、単離された抗体
又はそれらの抗原結合断片を提供する。加えて本開示は、配列番号:3を含むVL及び配列番
号:2を含むVHを含む、単離された抗体又はそれらの抗原結合断片を提供する。更に本開示
は、配列番号:3の抗体VL、配列番号:2の抗体VH、及び配列番号:46のIgG1定常領域を含む
、HER3の細胞外ドメイン内のエピトープに特異的に結合する、単離された結合分子又はそ
れらの抗原-結合断片を提供する。同じく、配列番号:3の抗体VL、配列番号:2の抗体VH、
及び配列番号:46のIgG1定常領域からなる、HER3の細胞外ドメイン内のエピトープに特異
的に結合する、単離された結合分子又はそれらの抗原-結合断片も提供する。

図面の簡単な説明

0024

(図面/図の簡単な説明)
図1は、表面蛍光染色枯渇として示された、KPL4細胞内のクローン16抗-HER3モノクローナル抗体のインターナリゼーションを示す。上側パネルは、時間=0でのインターナリゼーションを示す。下側パネルは、2.5時間後のインターナリゼーションを示す。

0025

図2Aは、抗-HER3モノクローナル抗体クローン16(CL16;オリジナル、親クローン)、クローン16(GL;生殖系列化クローン)、5H6、8A3、4H6、6E.3、2B11、2D1、3A6及び4C4のVL配列に対応する複数の配列アラインメントを示す。CDR1、CDR2、及びCDR3の位置が指示されている。CL16(GL)抗体に対して異なるアミノ酸残基は、ハイライトしている。

0026

図2Bは、抗-HER3モノクローナル抗体クローン16(CL16;親クローン)、並びにクローン15D12.1(15D12.Iとも称される)及び15D12.2(15D12.Vとも称される)のVH配列に対応する複数の配列アラインメントを示す。CDR1、CDR2、及びCDR3の位置が指示されている。CL16親抗体に対して異なるアミノ酸残基は、ハイライトしている。

0027

図2Cは、抗-HER3モノクローナル抗体クローンCL16(オリジナル、親クローン)、CL16(GL;生殖系列化クローン)、1A4、2C2、3E.1、2F10、及び2B11のVL配列に対応する複数の配列アラインメントを示す。CDR1、CDR2、及びCDR3の位置が指示されている。CL16(GL)抗体に対して異なるアミノ酸残基は、ハイライトしている。

0028

図3は、リガンド-駆動されたMCF-7細胞におけるHER3リン酸化(pHER3)の抑制を示し、ここでHER3は、外因性HRG(リガンド)によってのみ活性化される。2C2抗-HER3モノクローナル公表された抗-HER3モノクローナル抗体AMG及びMM、並びにR347対照抗体を、アッセイした。pHER3阻害の最大割合及びIC50を表示している。

0029

図4は、内因性HRGがHER3活性及び細胞成長を駆動する、樹立されたHRG-オートクリンループ駆動されたモデルであるMDA-MB-175細胞における成長抑制を示している。2C2抗-HER3モノクローナル抗体、公表された抗-HER3モノクローナル抗体AMG及びMM、並びにR347対照抗体をアッセイした。成長阻害の最大割合及びIC50を表示している。

0030

図5は、内因性HRGがHER3活性及び細胞成長を駆動する、樹立されたHRG-オートクリンループ駆動されたモデルであるHMCB細胞における成長抑制を示している。2C2抗-HER3モノクローナル抗体、公表された抗-HER3モノクローナル抗体AMG及びMM、並びにR347対照抗体をアッセイした。IC50を表示している。

0031

図6は、2C2は、HMCB細胞成長を阻害するのみではなく、このリガンド依存性メラノーマにおいて、HER3リン酸化(pHER3)及びAKTリン酸化(pAKT)も抑制することを示している。

0032

図7は、2C2は、リガンド依存性A549 NSCLCにおいて、HER3リン酸化(pHER3)及びAKTリン酸化(pAKT)を抑制することを示している。

0033

図8は、肺癌、胃癌及び乳癌の細胞モデルにおける、HER3リン酸化(pHER3)の抑制を示す。パネルAは、EGFR/HER3クロストークにより変異体EGFR-駆動されたNSCLCモデルであるHCC827細胞株における、pHER3の抑制を示す。パネルBは、EGFR TKIによる長期処理を通じて得られたEGFR-TKI-抵抗性HCC827 NSCLCモデルにおける、pHER3の抑制を示す。パネルCは、cMET-HER3クロストークによりcMET-増幅された胃癌モデルであるMKN45細胞株における、pHER3の抑制を示す。パネルDは、FGFR2-HER3クロストークによりFGFR2-増幅された胃癌モデルであるKato III細胞株における、pHER3の抑制を示す。パネルEは、HER2-増幅された乳癌リガンド-非依存性モデルであるBT-474細胞株(すなわち、HRG発現を欠く細胞)における、pHER3の抑制を示す。2C2抗-HER3モノクローナル抗体、公表された抗-HER3モノクローナル抗体AMG及びMM、並びにR347対照抗体を、アッセイした。pHER3阻害の最大割合及びIC50を表示している。

0034

図9は、胃癌及び乳癌の細胞モデルにおける、AKTリン酸化(pAKT)の抑制を示す。パネルAは、MKN45細胞株におけるpAKTの抑制を示す。パネルBは、Kato III細胞株におけるpAKTの抑制を示す。パネルCは、HER2-増幅された乳癌リガンド-非依存性モデルであるBT-474細胞株(すなわち、HRG発現を欠く細胞)におけるpAKTの抑制を示す。2C2抗-HER3モノクローナル抗体、公表された抗-HER3モノクローナル抗体AMG及びMM、並びにR347対照抗体を、アッセイした。pAKT阻害の最大割合及びIC50を表示している。

0035

図10は、2C2は、MDA-MB-361細胞において細胞シグナル伝達及び増殖を抑制することを示している。パネルAは、2C2は、HER2-増幅されたMDA-MB-361細胞において、HER3リン酸化(pHER3)を抑制したことを示す。パネルBは、2C2は、投与量依存様式で細胞成長を抑制したことを示す。阻害率は、6日間及び14日間処理について示した(各々、上側パネル及び下側パネル)。

0036

図11は、2C2は、HRGを高レベルで発現するHARA-B細胞において、HER3リン酸化(pHER3)を抑制したことを示している。

0037

図12は、2C2及びrhuMab 2C4は、HRGリガンド-依存性シグナル伝達を阻害するが、EGFRアンタゴニストであるセツキシマブ又はゲフィチニブは阻害しないことを示している(パネルA及びBの下側)。パネルA及びBの上側部分は、基底細胞SW620(パネルA、左)、SW480(パネルA、中央)、Colo205(パネルA、右)、LOVO(パネルB、左)、HCT15(パネルB、中央)及びCaco-2(パネルB、右)である。

0038

図13は、クローン16、公表されたAMG及びMM抗-HER3モノクローナル抗体、陽性対照リガンドブロックする抗-HER3モノクローナル抗体、及びR347対照抗体による、HER3へのHRG結合の直接ブロックを測定する、HRG-HER3ELISA結合アッセイを示している。

0039

図14は、2C2は、HER2-HER3二量体化をブロックすることを示している。パネルAは、2C2、CL16、AMG及びMM抗-HER3モノクローナル抗体で予備処理した、明確なHRG-誘導したHER2-HER3会合を示すリガンド-依存性モデルである、T-47D細胞におけるHER2-HER3複合体形成の程度を評価する、HRG-誘導性HER2-HER3二量体化アッセイを示している。全ての抗-HER3抗体は、このリガンド-誘導したHER2-HER3二量体化をブロックした。パネルBは、2C2又はCL16で予備処理した、BT-474細胞におけるHER2-HER3複合体形成の程度を評価する、リガンド-非依存性HER2-HER3二量体化アッセイは、このリガンド-非依存性HER2-HER3二量体化をブロックしたことを示している。

0040

図15は、2C2により誘導されたHER3のインターナリゼーション及び分解を示している。パネルAは、2つの異なる2C2モノクローナル抗体濃度に反応した標的インターナリゼーションの時間経過及び度合を定量しているFACS-ベースのインターナリゼーションアッセイを示している。パネルBは、抗-HER3 2C2モノクローナル抗体、又はR347対照抗体により予備処理されたモデル結腸直腸癌細胞Lovo、HCT15、及びSW620における、HER3分解を示している。

0041

図16は、BT-474に類似したHER2-増幅された乳癌細胞株であるSkBR3細胞において、ハーセプチン(登録商標)(トラスツズマブ)及びCL16モノクローナル抗体(2C2モノクローナル抗体に繋がる親)の両方は、G1期において細胞周期の停止を引き起こしたことを明らかにしている、FACS-ベースの細胞周期分析を示している。R347対照抗体及びrhuMAb 2C4抗-HER2モノクローナル抗体(ペルツズマブ/オムニターグ(登録商標))により処理された細胞に対応する結果も示している。

0042

図17は、抗-HER3抗体による、HRG誘導したVEGF分泌の阻害を示している。パネルAは、抗-HER3モノクローナル抗体CL16及びMerrimack社MM、抗-HER2モノクローナル抗体ハーセプチン(登録商標)(トラスツズマブ)、又はR347対照抗体により予備処理された、BT-474乳癌細胞におけるVEGF分泌の変化を示す。パネルBは、抗-HER3モノクローナル抗体CL16及びMerrimack社MM、抗-HER2モノクローナル抗体ハーセプチン(登録商標)(トラスツズマブ)、又はR347対照抗体により予備処理された、MCF-7モデル乳癌細胞におけるVEGF分泌の変化を示す。

0043

図18は、抗-HER3モノクローナル抗体2C2は、Ad293細胞において異所性に発現された、細胞-表面ベースのcyno HER3へ結合し、且つその活性を調節することを示している。パネルAは、対照ベクター(左側)又はcyno HER3を発現しているベクター(右側)によりトランスフェクトされたAd293細胞のウェスタンブロット分析を示している。これらの細胞は、HRGによる同時刺激を行うか又は行わずに2C2又は対照抗体(R347)により処理し、且つ抗-HER3抗体(中央ブロット)、抗-pHER3抗体(上側ブロット)、及び抗-GAPDH抗体(下側ブロット)によりプロービングした。パネルBは、パネルAの上側4レーンにおけるpHER3のデンシトメトリーベースの定量を表している。

0044

図19は、ヒトFADU頭頸部異種移植片モデルを使用する、2C2モノクローナル抗体の投与後の、腫瘍容積の投与量-依存性減少を示している。パネルAは、このモデルにおいて、1週間に2回投与される2C2の7mg/kgは、99% dTGI(腫瘍成長阻害)で、最大に有効であったことを示している。パネルBは、ヒトFADU頭頸部異種移植片モデルを使用する、2C2モノクローナル抗体の抗-EGFRモノクローナル抗体セツキシマブとの組合せ投与後の、腫瘍容積の強力な減少を示している。この組合せ治療は、10例中7例に部分的退縮を、及び10例中2例の完全退縮をもたらした。

0045

図20は、腫瘍-保有するマウスへの、5mg/kg又は30mg/kgの単回投与量及び反復投与量の投与後の、2C2に関する非線形薬物動態を示している。データは、マウスHER3は、マウスへ投与された2C2へ結合するためのシンク(sink)として働くこと、及び単回投与量としての30mg/kgは、このシンクを飽和させるのに十分であることを示唆している。

0046

図21は、ヒトFADU頭頸部異種移植片モデルを使用する、モノクローナル抗体2C2の負荷投与量10mg/kgの抗-腫瘍利益を示している。マウスHER3シンクを飽和させるための2C2負荷投与量の投与は、3mg/kgの2C2が強力な抗-腫瘍活性を明らかにすることを可能にしたのに対し、負荷投与量を伴わない2C2の3mg/kgは、軽度な活性のみを有した。

0047

図22は、2C2-YTEによる処置は、FADU異種移植片腫瘍抽出物におけるpHER3及びpAKTのレベルを低下することを示す。この実験において、pHER3及びpAKTのレベルは、各々、59.5%及び51.7%低下された。この実験において、総HER3レベルにおいては、変化は認められなかった。

0048

図23は、ヒトDetroit562頭頸部異種移植片モデルを使用する、2C2モノクローナル抗体の投与後の腫瘍容積の投与量-依存性減少を示す。パネルAは、1週間に2回投与される2C2の10mg/kgは、72% dTGIで、最大に有効であったことを示している。パネルBは、ヒトDetroit562頭頸部異種移植片モデルを使用する、2C2モノクローナル抗体の抗-EGFRモノクローナル抗体セツキシマブとの組合せ投与後の、腫瘍容積の減少を示している。この組合せ治療は、10例中9例に部分的退縮を生じたのに対し、セツキシマブ単独は、10例中5例の部分退縮を生じた。Detroit562異種移植片モデルは、PIK3CA変異を含む。

0049

図24は、ヒトCAL27頭頸部異種移植片モデルを使用する、2C2-YTEモノクローナル抗体の投与後の腫瘍容積の投与量-依存性減少を示す。

0050

図25は、ヒトA549 NSCLC異種移植片モデルを使用する、2C2モノクローナル抗体の投与後の腫瘍容積の投与量-依存性減少を示す。パネルAは、1週間に2回投与される2C2の30mg/kgは、治療相の最終日(33日目;その後再成長)まで、91% dTGIで、最大に有効であったことを示している。2C2-YTE及び2C2の両方は10mg/kgで、同等の活性を有する。パネルBは、ヒトA549 NSCLC異種移植片モデルを使用する、2C2モノクローナル抗体の抗-EGFRモノクローナル抗体セツキシマブとの組合せ投与後の、腫瘍容積の減少を示している。セツキシマブの2C2への追加は、治療相時の2C2の活性を増大し、腫瘍再成長相時の腫瘍の再成長を遅延した。A549異種移植片モデルは、KRAS変異及びLKB-1欠失を含む。

0051

図26は、ヒトHARA-B扁平上皮癌異種移植片モデルを使用する、2C2-YTEモノクローナル抗体の投与後の腫瘍容積の減少を示す。1週間に2回投与される2C2-YTEの30mg/kgは、64.6% dTGIで、最大に有効であった。10mg/kgの2C2-YTEは同等の活性を有したが、3mg/kgの2C2-YTEは、活性がなかった。

0052

図27は、ヒトHT-29結腸直腸異種移植片モデルを使用する、2C2モノクローナル抗体の投与後の腫瘍容積の投与量-依存性減少を示す。1週間に2回投与される2C2の30mg/kgは、治療相の最終日(26日目;その後再成長)まで、56% dTGIで、最大に有効であった。2C2-YTE及び2C2の両方は30mg/kgで、同等の活性を有した。HT-29異種移植片モデルは、BRAF変異を含む。

0053

図28は、ヒトHCT-116結腸直腸異種移植片モデルを使用する、2C2モノクローナル抗体の投与後の腫瘍容積の減少を示す。1週間に2回投与される2C2の30mg/kgは、43% dTGIで、最大に有効であった。2C2-YTE及び2C2の両方は10mg/kgで、同等の活性を有する。HCT-116異種移植片モデルは、KRAS変異を含む。

0054

図29は、ヒトLOVO結腸直腸異種移植片モデルを使用する、2C2モノクローナル抗体の投与後の腫瘍容積の減少を示す。1週間に2回投与される2C2の30mg/kgは、48% dTGIで、最大に有効であった。2C2-YTE及び2C2の両方は10mg/kgで、同等の活性を有する。LOVO異種移植片モデルは、KRAS変異を含む。

0055

図30は、ヒトDU145前立腺異種移植片モデルを使用する、2C2モノクローナル抗体の投与後の腫瘍容積の減少を示す。1週間に2回投与される2C2の30mg/kgは、77% dTGIで、最大に有効であった。DU145異種移植片モデルは、LKB-1欠失を含む。

0056

図31は、ヒトBT-474乳癌同所性異種移植片モデルを使用する、2C2モノクローナル抗体の投与後の腫瘍容積の減少を示す。パネルAは、1週間に2回投与される2C2の30mg/kgは、55% dTGIで、最大に有効であったことを示している。パネルBは、ヒトBT-474乳癌同所性異種移植片モデルを使用する、2C2モノクローナル抗体の小型分子ラパチニブとの組合せ投与後の、腫瘍容積の減少を示している。2C2のラパチニブへの追加は、治療相時のラパチニブの活性を増大し、腫瘍再成長相時の腫瘍の再成長をわずかに遅延した。2C2-YTE及び2C2は両方共30mg/kgで、治療相時に単有効性(monoefficacy)治療として同等の活性を有する。パネルCは、ヒトBT-474乳癌同所性異種移植片モデルを使用する、2C2モノクローナル抗体の投与後の、腫瘍容積の減少を示している。トラスツズマブ単独は、このモデルにおいて非常に活性があり、2C2の追加は、このモデルにおいてほとんど増強が認められなかった。BT-474異種移植片モデルは、増幅されたHER2(HercepTestにより3+)を含む。

0057

図32は、クローン16(2C2前駆体)による治療は、BT-474異種移植片腫瘍抽出物におけるpHER3及びpAKTのレベルを低下することを示している。この実験において、pHER3及びpAKTのレベルは、各々、50%及び46.1%まで低下された。この実験において、総HER3レベルには、変化が認められなかった。

0058

図33は、ヒトMCF-7乳癌同所性異種移植片モデルを使用する、2C2モノクローナル抗体の投与後の腫瘍容積の減少を示す。パネルAは、1週間に2回投与される2C2の10mg/kgは、34% dTGIで、最大に有効であったことを示している。2C2-YTE及び2C2は両方共10mg/kgで、同等の活性を有する。パネルBは、ヒトMCF-7乳癌同所性異種移植片モデルを使用する、2C2モノクローナル抗体の小型分子薬パクリタキセルとの組合せ投与後の、腫瘍容積の減少を示している。2C2のパクリタキセルへの追加は、治療相時のパクリタキセルの活性を増大した。MCF-7異種移植片モデルは、低レベルのHER2(HercepTestにより1+)を含む。

0059

図34は、ヒトMDA-MB-361乳癌同所性異種移植片モデルを使用する、2C2-YTEの投与後の腫瘍容積の減少を示す(パネルA-C)。2C2-YTEのモノクローナル抗体トラスツズマブへの追加は、治療相時のトラスツズマブの活性を増大し、腫瘍再成長相時の腫瘍の再成長を遅延した(パネルA)。2C2-YTEのモノクローナル抗体rhuMAb 2C4への追加は、rhuMAb 2C4の活性をわずかに増大したが、腫瘍の再成長は遅延しなかった(パネルB)。2C2-YTEの小型分子薬ラパチニブへの追加は、ラパチニブの活性を増大したが、腫瘍の再成長は遅延しなかった(パネルC)。

0060

図35は、2C2及びクローン16-GLと比較した、無感作のヒトFcRn SCIDトランスジェニックマウス血清中のモノクローナル抗体2C2-YTEの、これらの抗体60mg/kgの単回投与後の長期間曝露されたレベルを示す。

0061

図36は、HER3タンパク質レベルは、MEK阻害剤(MEKi)セルメチニブによる処置に反応して増加する(星印で指摘した)ことを示している。HT-29細胞(左)、LOVO(中央)及びColo205(右)の癌モデルにおいて、2C2と組合せたMEKiによる処置は、HER3レベルを正常まで戻すよう減少した。pHER3のレベルをまた、HT-29モデル及びLOVOモデルにおいても試験し、同様の反応が示された。

0062

図37は、2C2-YTEとセルメチニブの組合せは、皮下癌異種移植片モデル及びA549(パネルA、上側)、HT-29(パネルB、上側)、LOVO(パネルC、上側)におけるいずれかの薬剤単独抗腫瘍効率(anti-tumor efficacy)を増大することを示している。この組合せで治療したマウスの腫瘍溶解液(A549、HT-29及びLOVO異種移植片モデル)からのウェスタンブロット分析は、ホスホ-HER3及びホスホ-ERKは完全に阻害されたことを示した(パネルA-C、下側)。

0063

(発明の詳細な説明)
本発明は、HER3に結合する分子及びそれらの抗原-結合断片を提供する。一部の態様に
おいて、そのような分子は、HER3に特異的に結合する抗体及びそれらの抗原-結合断片で
ある。関連したポリヌクレオチド、抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片を含有する組
成物、並びに抗-HER3抗体及び抗原-結合断片を作製する方法も提供される。対象における
癌の治療及び診断使用の方法のような、新規の抗-HER3抗体を使用する方法が、更に提供
される。

0064

本発明をより容易に理解することができるように、最初にいくつかの用語を定義する。
追加の定義は、本詳細な説明を通じて明記されている。

0065

(I. 定義)
本発明を詳細に説明する前に、本発明は、具体的な組成物又は処理工程に限定されず、
それ自体は変動することができることは理解されなければならない。本明細書及び添付さ
れた請求項において使用される単数形「ひとつの(a、an、及びthe)」は、その文脈が別
に明確に指摘しない限りは、複数の指示対象を含む。用語「ひとつの(a又はan)」に加え
用語「1以上の」及び「少なくとも1つの」は、本文において互換的に使用することができ
る。

0066

更に、本文において使用される「及び/又は」は、他方を伴う又は伴わない、その2つ
の特定された特徴又は成分の各々の具体的開示とみなされるべきである。従って本文にお
いて「A及び/又はB」などの語句において使用される用語「及び/又は」は、「A及びB」
、「A又はB」、「A(単独)」、及び「B(単独)」を含むことが意図されている。同様に、「
A、B、及び/又はC」などの語句において使用される用語「及び/又は」は、以下の態様
の各々を包含することが意図されている:A、B、及びC;A、B、又はC;A又はC;A又はB;
B又はC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独);B(単独);並びに、C(単独)。

0067

別に定義しない限りは、本文において使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開
示が関連した技術分野の業者に通常理解されるものと同じ意味を有する。例えば、「生体
臨床医学分子生物学簡明辞典(Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Bio
logy)」、Juo, Pei-Show、第2版、2002年、CRCPress社;「細胞・分子生物学辞典(The D
ictionary of Cell and Molecular Biology)」、第3版、1999年、Academic Press社;及
び、「オックスフォード生化学・分子生物学辞典(Oxford Dictionary Of Biochemistry A
nd Molecular Biology)」、改訂版、2000年、Oxford University Press社は、本発明にお
いて使用される多くの用語の一般的辞典を当業者に提供する。

0068

単位、接頭語、及び記号は、それらの「国際単位系(SI)」の認める形で示される。数値
範囲は、その範囲の規定する数字を含む。別に指示しない限りは、アミノ酸配列は、左か
ら右へ、アミノからカルボキシ配向で記載される。本文に提供される表題は、様々な態様
を限定するものではなく、これらの態様は、全体として本明細書を参照することによりも
たらされ得る。従って、直後に定義された用語は、その全体において本明細書を参照する
ことにより、より完全に定義される。

0069

態様が語句「含んでなる(comprising)」を伴い本文で説明される場合は、「からなる(c
onsisting of)」及び/又は「から本質的になる(consisting essentially of)」に関して
説明される別の類似の態様も提供されることは理解されなければならない。

0070

アミノ酸は、それらの一般に公知の3文字表記によるか又はIUPAC-IUB生化学命名委員会
により推奨される1文字表記によるかのいずれかにより、本文において言及される。同様
に、ヌクレオチドは、それらの一般に認められた1文字コードで言及される。

0071

用語「HER3」及び「HER3受容体」は、本文において互換的に使用され、且つ米国特許第
5,480,968号及びPlowmanらの文献、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87, 4905-4909 (1990)
において説明されたように、ErbB3タンパク質をいう(同じく、文献においてHER3、ErbB3
受容体と称され);同じく、Kaniらの文献、Biochemistry, 44, 15842-15857 (2005)、並
びに、Cho及びLeahyの文献、Science, 297, 1330-1333 (2002)を参照されたい。完全長
成熟したHER3タンパク質配列(リーダー配列を除く)は、図4に示された配列、並びに米国
特許第5,480,968号の配列番号:4から成熟タンパク質から切断される19個のアミノ酸のリ
ーダー配列を差し引いたものに対応している。

0072

用語「阻害」及び「抑制」は、本文において互換的に使用され、且つ生物活性の完全な
ブロックを含む、生物活性の何らかの統計学的に有意な減少をいう。例えば、「阻害」は
、生物活性の約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%の減
少をいうことができる。従って、用語「阻害」又は「抑制」が例えばリガンド-媒介性HER
3リン酸化に対する作用を説明するために適用される場合は、この用語は、EGF-様リガン
ドにより誘導されたHER3のリン酸化を、未処置の(対照)細胞におけるリン酸化と比べ、統
計学的に有意に減少する、抗体又はそれらの抗原結合断片の能力をいう。HER3を発現して
いる細胞は、天然の細胞又は細胞株(例えば、癌細胞)であることができるか、あるいはHE
R3をコードしている核酸宿主細胞へ導入することにより組換えにより作製することがで
きる。一態様において、抗-HER3結合分子、例えば抗体又はそれらの抗原結合断片は、HER
3のリガンド媒介されたリン酸化を、下記「実施例」において説明されるように、例えば
ウェスタンブロット、それに続く抗-ホスホチロシン抗体によるプロービングによるか、
又はELISAにより決定されるように、少なくとも10%、又は少なくとも20%、又は少なく
とも30%、又は少なくとも40%、又は少なくとも50%、又は少なくとも60%、又は少なく
とも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも905、又は約100%阻害する。

0073

本文において使用される用語HER3を発現している細胞の「成長抑制」とは、HER3を発現
している細胞の増殖を、抗-HER3結合分子、例えば抗体又はそれらの抗原-結合断片の非存
在下での増殖と比べ、統計学的に有意に減少する抗-HER3結合分子、例えば抗体又はそれ
らの抗原-結合断片の能力をいう。一態様において、HER3を発現している細胞(例えば癌細
胞)の増殖は、細胞を、抗-HER3結合分子、例えば本発明の抗体又はそれらの抗原-結合断
片と接触させた場合に、抗-HER3結合分子、例えば、抗体又はそれらの抗原-結合断片の非
存在下(対照条件)で測定された増殖と比べ、少なくとも10%、又は少なくとも20%、又は
少なくとも30%、又は少なくとも40%、又は少なくとも50%、又は少なくとも60%、又は
少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は約100%減少すること
ができる。細胞の増殖は、細胞分裂の速度、細胞分裂を受けている細胞集団内の細胞の画
分、及び/又は終末分化若しくは細胞死に起因した細胞集団からの細胞喪失の割合(例え
ば、チミジン取込み)の測定を伴う当該技術分野において認められた技術を用いて、アッ
セイすることができる。

0074

本文において互換的に使用される用語「抗体」又は「免疫グロブリン」は、抗体全体
び任意の抗原結合断片又はそれらの一本鎖を含む。

0075

典型的抗体は、ジスルフィド結合により相互連結された、少なくとも2本の重(H)鎖及び
2本の軽(L)鎖を含む。各重鎖は、重鎖可変領域(本文においてVHと略記)及び重鎖定常領域
で構成される。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2、及びCH3で構成される。各軽
鎖は、軽鎖可変領域(本文においてVLと略記)及び軽鎖定常領域で構成される。軽鎖定常領
域は、1つのドメインCLで構成される。VH及びVL領域は更に、フレームワーク領域(FW)と
称されるより保存された領域が散在された、相補性決定領域(CDR)と称される超可変領域
に小分割される。VH及びVLの各々は、3つのCDR及び4つのFWにより構成され、アミノ-末端
からカルボキシ-末端へ以下の順番で配置される:FW1、CDR1、FW2、CDR2、FW3、CDR3、FW
4。重鎖及び軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗体の定常領
域は、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)及び古典的補体系の第一成分(C1q
)を含む、宿主組織又は因子への免疫グロブリンの結合を媒介することができる。本開示
例証的抗体は、クローン16(CL16)抗-HER3抗体(オリジナル及び生殖系列化)、例えば抗-
HER3 2C2抗体を含む親和性最適化されたクローン、及び例えば抗-HER3 2C2-YTE抗体を含
血清半減期が最適化された抗-HER3抗体を含む。

0076

用語「生殖系列化」とは、抗体における特定の位置のアミノ酸が、生殖系列におけるも
のに復帰変異されていることを意味する。例えば、CL16「生殖系列化」抗体は、オリジナ
ルのCL16抗体から、VL領域のFW1へ、3つの点変異Y2S、E3V及びM20Iを導入することにより
作製される。

0077

用語「抗体」は、免疫グロブリン分子の可変領域内の少なくとも1つの抗原認識部位
介して、タンパク質、ポリペプチドペプチド、糖、ポリヌクレオチド、脂質、又は前述
のものの組合せなどの標的を認識し且つこれに特異的に結合する、免疫グロブリン分子を
意味する。本文において使用される用語「抗体」は、無傷ポリクローナル抗体、無傷の
モノクローナル抗体、抗体断片(Fab、Fab'、F(ab')2、及びFv断片など)、一本鎖Fv(scFv)
変異体、少なくとも2つの無傷の抗体から作製された二重特異性抗体などの多重特異性
体、キメラ抗体ヒト化抗体、ヒト抗体、抗体の抗原決定部分を含む融合タンパク質、並
びに抗体が所望の生物活性を示す限りは抗原認識部位を含む任意の他の修飾された免疫グ
ロブリン分子を包含している。抗体は、5つの免疫グロブリンの主要クラス:IgAIgD、I
gE、IgG、及びIgM、又は各々、α、δ、ε、γ、及びμと称されるそれらの重鎖定常ドメ
インアイデンティティを基にしたそれらのサブクラス(アイソタイプ)(例えば、IgG1、I
gG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2)のいずれかであることができる。異なる免疫グロブリン
のクラスは、異なり且つ周知のサブユニット構造及び三次元立体配置を有する。抗体は、
むき出し(naked)であるか、又は毒素放射性同位元素などの他の分子にコンジュゲート
されることができる。

0078

遮断」抗体又は「拮抗」抗体は、HER3などの、それが結合する抗原の生物活性を阻害
又は減少するものである。いくつかの態様において、遮断抗体又は拮抗抗体は、抗原の生
物活性を実質的に又は完全に阻害する。望ましくは、この生物活性は、10%、20%、30%
、50%、70%、80%、90%、95%、又は100%さえも減少される。

0079

用語「HER3抗体」又は「HER3に結合する抗体」又は「抗-HER3」とは、該抗体が、HER3
を標的化する治療薬又は診断試薬として有用であるように、十分な親和性でのHER3への結
合が可能である抗体をいう。抗-HER3抗体の無関係の非-HER3タンパク質への結合の程度は
、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)、BIACORE(商標)(被検体として組換えHER3を、及
びリガンドとして抗体を使用するか、又はその逆も可)、又は当該技術分野において公知
の他の結合アッセイで測定された、該抗体のHER3への結合の約10%未満である。いくつか
の態様において、HER3に結合する抗体は、解離定数(KD) ≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1n
M、≦0.1nM、≦10pM、≦1pM、又は≦0.1pMを有する。

0080

用語「抗原結合断片」とは、無傷の抗体の一部分をいい、且つ無傷の抗体の抗原決定可
変領域をいう。抗体の抗原結合機能は、完全長抗体の断片により遂行され得ることは、当
該技術分野において公知である。抗体断片の例は、Fab、Fab'、F(ab')2、及びFv断片、線
状抗体、一本鎖抗体、及び抗体断片から形成された多重特異性抗体を含むが、これらに限
定されるものではない。

0081

「モノクローナル抗体」とは、高い特異性認識、及び単独の抗原決定基又はエピトープ
の結合に関与した、均一な抗体集団をいう。これは、典型的には異なる抗原決定基に対し
向けられた異なる抗体を含むポリクローナル抗体とは対照的である。用語「モノクローナ
ル抗体」は、無傷及び完全長の両方のモノクローナル抗体に加え、抗体断片(Fab、Fab'、
F(ab')2、Fvなど)、一本鎖(scFv)変異体、抗体部分を含む融合タンパク質、及び抗原認識
部位を含む任意の他の修飾された免疫グロブリン分子を包含している。更に「モノクロー
ナル抗体」とは、ハイブリドーマファージ選択、組換え発現、及びトランスジェニック
動物を含むが、これらに限定されるものではない、多くの様式で作製されたそのような抗
体をいう。

0082

用語「ヒト化抗体」とは、最小の非ヒト(例えばマウス)配列を含むように操作されてい
る、非ヒト(例えばマウス)免疫グロブリンから誘導された抗体をいう。典型的には、ヒト
化抗体は、その中の相補性決定領域(CDR)由来の残基が、所望の特異性、親和性、及び能
力を有する非ヒト種(例えば、マウス、ラットウサギ、又はハムスター)のCDR由来の残
基により置き換えられている、ヒト免疫グロブリンである(Jonesらの文献、Nature, 321:
522-525, 1986;Riechmannらの文献、Nature, 332: 323-327, 1988;Verhoeyenらの文献
、Science, 239: 1534-1536, 1988)。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのFvフレーム
ワーク領域(FW)の残基が、所望の特異性、親和性、及び能力を有する非ヒト種由来の抗体
内の対応する残基により置き換えられる。

0083

ヒト化抗体は更に、抗体特異性、親和性、及び/又は能力を精緻化し且つ最適化するた
めに、Fvフレームワーク領域中及び/又は置き換えられた非ヒト残基内のいずれかの追加
の残基の置換により修飾することができる。概して、ヒト化抗体は、非ヒト免疫グロブリ
ンに相当するCDR領域の全て又は実質的に全てを含むのに対し、FR領域の全て又は実質的
に全ては、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである、少なくとも1つの、典型
的には2又は3の可変ドメインを実質的に全て含むであろう。またヒト化抗体は、免疫グロ
ブリン定常領域又はドメイン(Fc)の少なくとも一部、典型的にはヒト免疫グロブリンのそ
れを含むことができる。ヒト化抗体の作製に使用される方法の例は、米国特許第5,225,53
9号又は第5,639,641号に説明されている。

0084

抗体の「可変領域」とは、抗体軽鎖の可変領域又は抗体重鎖の可変領域の、いずれか単
独又は組合せをいう。重鎖及び軽鎖の可変領域の各々は、超可変領域としても公知の3つ
の相補性決定領域(CDR)により結合された、4つのフレームワーク領域(FW)からなる。各鎖
内のCDRは、FW領域により密に近接してまとめて保持され、且つ他方の鎖のCDRと共に、抗
体の抗原-結合部位の形成に貢献する。CDRの決定には、少なくとも2つの技術が存在する
:(1)異種間の配列可変性をベースにしたアプローチ(すなわち、Kabatらの文献、「免疫
学的関心のあるタンパク質の配列(Sequences of Proteins of Immunological Interest)
」、(第5版、1991年、米国立衛生研究所(NIH)、ベセスダ、Md.));及び、(2)抗原-抗体複
合体結晶学的研究をベースにしたアプローチ(Al-lazikaniらの文献、J. Molec. Biol.
273:927-948 (1997)))。加えて、CDRを決定するために、これら2つのアプローチの組合せ
が当該技術分野において使用されることが多い。

0085

Kabat番号付けシステムは一般に、可変ドメイン中の残基に言及する場合に使用される(
おおよそ軽鎖の残基1-107及び重鎖の残基1-113)(例えば、Kabatらの文献、「免疫学的
心のある配列(Sequences of Immunological Interest)」、第5版、米国立衛生研究所(NIH
)、公衆衛生局(PHS)、ベセスダ、Md. (1991))。

0086

Kabatにおけるようなアミノ酸位置番号付けとは、Kabatらの文献、「免疫学的関心のあ
るタンパク質の配列」第5版、米国立衛生研究所(NIH)、公衆衛生局(PHS)、ベセスダ、Md.
(1991)において、抗体の編集重鎖可変ドメイン又は軽鎖可変ドメインについて使用さ
れる番号付けシステムをいう。この番号付けシステムを使用し、実際の線状アミノ酸配列
は、可変ドメインのFW又はCDRの短縮化又はそれへの挿入に対応するより少ない又は追加
のアミノ酸を含むことができる。例えば、重鎖可変ドメインは、H2の残基52の後に単独の
アミノ酸挿入(Kabatに従い残基52a)、及び重鎖FW残基82の後に挿入された残基(例えば、K
abatに従い残基82a、82b、及び82cなど)を含むことができる。
表1

0087

残基のKabat番号付けは、所与の抗体について「標準」Kabat番号付け配列による、該抗
体の配列の相同な領域のアラインメントにより決定される。Chothiaは代わりに、構造の
ループの位置に言及している(Chothia及びLeskの文献、J. Mol. Biol. 196: 901-917 (19
87))。ChothiaCDR-H1ループの末端は、Kabat番号付け慣習を用いて番号付けた場合、そ
のループの長さに応じてH32とH34の間で変動する(これは、Kabat 番号付けスキームは、H
35A及びH35Bに挿入を配置するからであり;35Aも35Bも存在しない場合は、このループは3
2が末端であり;35Aのみが存在する場合は、このループは33が末端であり;35A及び35Bの
両方が存在する場合は、このループは34が末端である)。AbM超可変領域は、Kabat CDRとC
hothia構造ループの間の妥協点を表し、且つOxford Molecular's AbM抗体モデリングソフ
トウェアにより使用される。

0088

IMGT(ImMunoGeneTicsデータベース)も、CDRを含む免疫グロブリン可変領域に関する番
付けシステムを提供する。例えば、引用により本明細書中に組み込まれている、Lefran
c, M.P.らの文献、Dev. Comp. Immunol. 27: 55-77 (2003)を参照されたい。IMGT番号付
けシステムは、5,000を超える配列のアラインメント、構造データ、及び超可変ループ
特徴を基にし、且つ全ての種に関する可変領域とCDR領域の容易な比較を可能にする。IMG
T番号付けスキームに従い、VH-CDR1は、26から35位置にあり、VH-CDR2は、51から57位置
にあり、VH-CDR3は、93から102位置にあり、VL-CDR1は、27から32位置にあり、VL-CDR2は
、50から52位置にあり、及びVL-CDR3は、89から97位置にある。

0089

本明細書を通じて使用される、説明されたVHCDR配列は、古典的Kabat番号付け位置に
対応し、すなわちKabat VH-CDR1は、31-35位置にあり、VH-CDR2は、50-65位置にあり、及
びVH-CDR3は、95-102位置にある。VL-CDR2及びVL-CDR3も、古典的Kabat番号付け位置に対
応し、すなわち各々、位置50-56及び89-97に対応する。本文において使用される用語「VL
-CDR1」又は「軽鎖CDR1」は、VL内のKabat位置23-34に位置した配列に対応する(対照的に
、Kabat番号付けスキームに従う古典的VL-CDR1位置は、位置24-34に対応する)。

0090

本文において使用する、Fc領域は、第一の定常領域免疫グロブリンドメインを除く、抗
体の定常領域を含むポリペプチドを含む。従ってFcとは、IgA、IgD、及びIgGの最後の2つ
の定常領域免疫グロブリンドメイン、並びにIgE及びIgMの最後の3つの定常領域免疫グロ
ブリンドメイン、並びにこれらのドメインへの可動性ヒンジN-末端をいう。IgA及びIgMに
関して、Fcは、J鎖を含んでよい。IgGに関して、Fcは、免疫グロブリンドメインCガンマ2
及びCガンマ3(Cγ2及びCγ3)、並びにCガンマ1(Cγ1)とCガンマ2(Cγ2)の間のヒンジを含
む。Fc領域の境界は変動することができるが、ヒトIgG重鎖Fc領域は通常、そのカルボ
シル-末端に残基C226又はP230を含むように規定されており、ここでこの番号付けは、Kab
atに示されたEUインデックスに従う(Kabatらの文献、「免疫学的関心のあるタンパク質の
配列」、第5版、米国立衛生研究所(NIH)、公衆衛生局(PHS)、ベセスダ、Md. (1991))。Fc
は、単離されたこの領域、又は抗体、抗体断片、若しくはFc融合タンパク質の状況におけ
るこの領域を指すことができる。多型が、非限定的に、EUインデックスにより番号付けら
れた位置270、272、312、315、356、及び358を含む、多くの異なるFc位置で認められてお
り、従って提示された配列と、先行する技術における配列の間には、わずかな差が存在す
ることがある。

0091

用語「ヒト抗体」は、ヒトにより産生された抗体、又は当該技術分野において公知の任
意の技術を用いて作製されたヒトにより産生された抗体に対応するアミノ酸配列を有する
抗体を意味する。このヒト抗体の定義は、無傷の又は完全長の抗体、それらの断片、並び
に/又は少なくとも1つのヒト重鎖及び/若しくは軽鎖ポリペプチドを含む抗体、例えば
マウス軽鎖とヒト重鎖ポリペプチドを含む抗体を含む。

0092

用語「キメラ抗体」とは、免疫グロブリン分子のアミノ酸配列が、2種以上の種に由来
する抗体をいう。典型的には、軽鎖及び重鎖の両方の可変領域は、所望の特異性、親和性
、及び能力を伴う哺乳動物の1つの種(例えば、マウス、ラット、ウサギなど)に由来した
抗体の可変領域に対応する一方で、その定常領域は、その種における免疫応答の誘発を避
けるために、別の種(通常ヒト)に由来した抗体における配列と相同である。

0093

用語「YTE」又は「YTE変異体」とは、ヒトFcRnへの結合の増大を生じ、且つその変異を
有する抗体の血清半減期を改善する、IgG1 Fcにおける変異をいう。YTE変異体は、IgG1の
重鎖へ導入された、3つの変異の組合せ、M252Y/S254T/T256E (EU番号付け、Kabatらの
文献、(1991)「免疫学的関心のあるタンパク質の配列」、米国立衛生研究所(NIH)、公衆
衛生局(PHS)、ワシトンD.C.)を含む。引用により本明細書中に組み込まれている、米国
特許第7,658,921号を参照されたい。YTE変異体は、抗体の血清半減期を、同じ抗体の野生
型と比べ、ほぼ4倍増大することが示されている(Dall'Acquaらの文献、J. Biol. Chem. 2
81: 23514-24 (2006))。同じく、引用により本明細書中に組み込まれている、米国特許第
7,083,784号を参照されたい。

0094

結合親和性」とは一般に、分子(例えば抗体)の単独の結合部位と、その結合のパート
ナー(例えば抗原)の間の、非共有的相互作用の総量の強度をいう。別に指摘しない限りは
、本文において使用される「結合親和性」とは、結合対のメンバー(例えば、抗体と抗原)
の間の1:1の相互作用を反映する、固有の結合親和性をいう。分子XのそのパートナーYに
関する親和性は、一般に解離定数(KD)により表すことができる。親和性は、本文に説明さ
れた方法を含む、当該技術分野において公知の一般的方法により測定することができる。
低-親和性抗体は一般に、抗原にゆっくり結合し、且つ迅速に解離する傾向があるのに対
し、高-親和性抗体は一般に、抗原により速く結合し、より長く結合し続ける傾向がある
。結合親和性を測定する多種多様な方法が、当該技術分野において公知であり、そのいく
つかは、本発明の目的のために使用することができる。

0095

「効力」は、特に指定しない限りは、通常nMでIC50値として表現される。IC50は、抗体
分子の阻害濃度中央値である。機能アッセイにおいて、IC50は、生物学的反応を、その
最大の50%だけ減少する濃度である。リガンド-結合試験において、IC50は、受容体結合
を、最大特異的結合レベルの50%だけ減少する濃度である。IC50は、当該技術分野におい
て公知のいくつかの手段により、計算することができる。効力の改善は、例えば、親CL16
(クローン16)モノクローナル抗体に対して測定することにより、決定することができる。

0096

クローン16抗体と比べた本発明の抗体又はポリペプチドに関する効力の数倍の改善は、
少なくとも約2倍、少なくとも約4倍、少なくとも約6倍、少なくとも約8倍、少なくとも約
10倍、少なくとも約20倍、少なくとも約30倍、少なくとも約40倍、少なくとも約50倍、少
なくとも約60倍、少なくとも約70倍、少なくとも約80倍、少なくとも約90倍、少なくとも
約100倍、少なくとも約110倍、少なくとも約120倍、少なくとも約130倍、少なくとも約14
0倍、少なくとも約150倍、少なくとも約160倍、少なくとも約170倍、又は少なくとも約18
0倍又はそれよりも大きいことができる。

0097

抗体依存性細胞性細胞傷害」又は「ADCC」とは、ある種の細胞傷害性細胞(例えば、
ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球、及びマクロファージ)上に存在するFc受容体(FcR)に
結合された分泌されたIgが、これらの細胞傷害性エフェクター細胞を、抗原-保有する標
的細胞へ特異的に結合させ、引き続き細胞毒により標的細胞を殺傷することができる細胞
傷害の形をいう。標的細胞の表面に対し向けられた特異的高-親和性IgG抗体は、その細胞
傷害性細胞を「作動可能にし(arm)」、且つそのような殺傷に絶対必要である。標的細胞
の溶解は、細胞外であり、直接の細胞と細胞の接触を必要とし、且つ補体は関与しない。
抗体に加え、抗原-保有する標的細胞に特異的に結合する能力を有するFc領域を含む他の
タンパク質、具体的にはFc融合タンパク質は、細胞性細胞傷害に作用することができるこ
とが、企図されている。簡単にするために、Fc融合タンパク質の活性から生じる細胞性細
胞傷害は、本文においてADCC活性とも称される。

0098

「単離されている」ポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞、又は組
成物は、自然界には認められない形である、ポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、ベ
クター、細胞、又は組成物である。単離されたポリペプチド、抗体、ポリヌクレオチド、
ベクター、細胞、又は組成物は、自然界に認められる形においては最早存在しない程度ま
で精製されているものを含む。一部の態様において、単離されている抗体、ポリヌクレオ
チド、ベクター、細胞、又は組成物は、実質的に純粋である。

0099

用語「対象」とは、特定の治療のレシピエントである、ヒト、非ヒト霊長類齧歯類
どを含むが、これらに限定されるものではない、任意の動物(例えば哺乳動物)をいう。典
型的には、用語「対象」と「患者」は、ヒト対象に関して、本文において互換的に使用さ
れる。

0100

用語「医薬組成物」とは、活性成分の生物活性を有効にすることができる形であり、且
つ該組成物が投与される対象に対し許容し難い毒性がある追加成分を含有しない、調製品
をいう。そのような組成物は、無菌であることができる。

0101

本文において明らかにされる抗体の「有効量」は、具体的に言及された目的を実行する
のに十分な量である。「有効量」は、言及された目的に関して、経験的に、及び慣習的様
式で決定することができる。

0102

用語「治療有効量」とは、対象又は哺乳動物の疾患又は障害を「治療する」のに有効な
抗体又は他の薬物の量をいう。

0103

本文において使用される場合単語「標識」とは、「標識された」抗体を作製するために
、抗体に直接又は間接に複合される検出可能な化合物又は組成物をいう。標識は、それ自
身検出可能であるか(例えば、放射性同位元素標識又は蛍光標識)、又は酵素標識の場合、
検出可能である基質化合物又は組成物の化学的変化触媒することができる。

0104

「治療している」又は「治療」又は「治療する」あるいは「軽減している」又は「軽減
する」などの用語は、(1)診断された病理学的状態又は障害を治癒緩徐化、症状の軽減
、及び/又は進行の停止する治療的手段、並びに(2)目標とされた病理的状態又は障害の
発症を防止及び/又は遅延する予防的又は防御的手段:の両方をいう。従って、治療が必
要なものは、既に障害を伴うもの;障害を有する傾向があるもの;及び、障害が防御され
るべきであるもの:を含む。いくつかの態様において、患者が、例えば、ある癌型の全体
的、部分的、又は一過性寛解を示す場合、対象は、本発明の方法に従い癌を巧く「治療
」されている。

0105

用語「癌」、「腫瘍」、「癌性の」、及び「悪性の」とは、典型的には調節できない細
胞成長を特徴とする、哺乳動物における生理的状態をいうか又は説明する。癌の例として
は、腺癌を含む癌腫リンパ腫芽細胞腫、メラノーマ、肉腫、及び白血病が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。そのような癌のより特定される例としては、扁平
上皮癌小細胞肺癌非小細胞肺癌消化管癌ホジキン及び非ホジキンリンパ腫膵臓
癌、膠芽細胞腫神経膠腫子宮頸癌、卵巣癌、肝臓の癌腫及び肝細胞癌などの肝臓癌、
膀胱癌、乳癌(ホルモン媒介性乳癌を含む、例えばInnesらの文献、Br. J. Cancer, 94:10
57-1065 (2006)参照)、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌骨髄腫(多発性骨髄腫など)、
唾液腺癌、腎細胞癌及びウィルムス腫瘍などの腎臓癌基底細胞癌、メラノーマ、前立腺
癌、外陰癌、甲状腺癌睾丸癌、食道癌、様々な型の頭頸部癌、並びに粘液性卵巣癌、胆
管癌(肝臓)及び乳頭状腎癌などの粘液起源の癌が挙げられる。

0106

本文において使用される用語「癌腫」とは、体の表面を覆い、ホルモンを産生し、且つ
を形成する細胞である上皮細胞の癌をいう。癌腫の例は、皮膚、結腸乳房
前立腺及び甲状腺の腺の癌である。

0107

本文において使用される用語「KRAS変異」とは、v-Ki-ras2 Kirstenラット肉腫ウイル
癌遺伝子ヒトホモログ内の、特定の癌において認められる変異をいう。ヒトKRAS遺伝
子のmRNA配列非限定的例は、Genbank寄託番号NM004985及びNM033360を含む。KRAS変異
は、膵臓腫瘍の73%において、結腸直腸腫瘍の35%において、卵巣腫瘍の16%において、
及び肺腫瘍の17%において認められることが報告されている。KRAS変異は一般に、ヒトKR
AS遺伝子のコドン12又は143において生じる。

0108

本文において互換的に使用される「ポリヌクレオチド」又は「核酸」とは、任意の長さ
のヌクレオチドのポリマーをいい、DNA及びRNAを含む。ヌクレオチドは、デオキシリボ
クレオチド、リボヌクレオチド、修飾されたヌクレオチド若しくは塩基、及び/若しくは
それらのアナログ、又はDNAポリメラーゼ若しくはRNAポリメラーゼによりポリマーに組み
込まれ得る任意の基質であることができる。ポリヌクレオチドは、メチル化されたヌクレ
オチド及びそれらのアナログなどの、修飾されたヌクレオチドを含むことができる。前記
説明は、RNA及びDNAを含む、本文において言及される全てのポリヌクレオチドに適用され
る。

0109

用語「ベクター」は、宿主細胞において1以上の関心対象の遺伝子又は配列を、送達
ることが、一部の態様においては発現することが可能である、構築体を意味する。ベクタ
ーの例は、ウイルスベクターのDNA又はRNA発現ベクタープラスミドコスミド又は
ファージベクター陽イオン縮合剤に会合されたDNA又はRNA発現ベクター、リポソーム内
被包されたDNA又はRNA発現ベクター、及びプロデューサー細胞などの特定の真核細胞
含むが、これらに限定されるものではない。

0110

用語「ポリペプチド」、「ペプチド」、「タンパク質」は、任意の長さのアミノ酸のポ
リマーを指すよう、本文において互換的に使用される。このポリマーは、線状又は分岐
ることができ、これは修飾されたアミノ酸を含むことができ、且つこれはアミノ酸以外に
より中断されることができる。これらの用語は、例えば、ジスルフィド結合形成グリコ
シル化、脂質付加アセチル化、リン酸化、又は標識成分との複合などの任意の他の操作
若しくは修飾など、天然に又は介入により修飾されたアミノ酸ポリマーも包含している。
この定義には、例えば、1以上のアミノ酸のアナログ(例えば、天然でないアミノ酸などを
含む)に加え、当該技術分野において公知の他の修飾を含むポリペプチドも含まれる。本
発明のポリペプチドは抗体を基にしているので、いくつかの態様において、本ポリペプチ
ドは、一本鎖又は会合された鎖として生じることができることは、理解されるべきである

0111

2種以上の核酸又はポリペプチドの文脈において、用語「同一」又はパーセント「同一
性」とは、配列同一性の一部として保存的アミノ酸置換を考慮せずに、最大の対応に関し
て比較し且つ整列した(必要ならばギャップを導入する)場合に、同じであるか、又は同じ
であるヌクレオチド若しくはアミノ酸残基を特定の割合有する、2つ以上の配列又は部分
配列をいう。パーセント同一性は、配列比較ソフトウェア又はアルゴリズム用いて、ある
いは目視検査により、測定することができる。アミノ酸配列又はヌクレオチド配列アラ
インメントを得るために使用することができる様々なアルゴリズム及びソフトウェアが、
当該技術分野において公知である。

0112

配列アラインメントアルゴリズムのそのような非限定的例の一つは、Karlinらの文献、
Proc. Natl. Acad. Sci., 87: 2264-2268, 1990に説明され、Karlinらの文献、Proc. Nat
l. Acad. Sci., 90: 5873-5877, 1993において改訂され、且つNBLAST及びXBLASTプログ
ムに組み込まれた、アルゴリズムである(Altschulらの文献、Nucleic AcidsRes., 25: 3
389-3402, 1991)。いくつかの態様において、Gapped BLASTを、Altschulらの文献、Nucle
ic Acids Res. 25: 3389-3402, 1997に説明されたように、使用することができる。BLAST
-2、WU-BLAST-2(Altschulらの文献、Methods in Enzymology, 266: 460-480, 1996)、ALI
GN、ALIGN-2(Genentech社、サウスサンフランシスコカリフォルニア州)又はMegalign(D
NASTAR)は、配列を整列するために使用することができる追加の公表された利用可能なソ
フトウェアプログラムである。いくつかの態様において、2つのヌクレオチド配列間のパ
セント同一性は、GCGソフトウェアパッケージ内のGAPプログラムを用いて決定すること
ができる(例えば、NWSgapdna.CMPマトリクス、及びギャップウェイト40、50、60、70、若
しくは90、及びレングスウェイト1、2、3、4、5、若しくは6を使用して)。いくつかの別
の態様において、Needleman及びWunschのアルゴリズム(J. Mol. Biol. (48): 444-453 (1
970))を組み込んでいるGCGソフトウェアパッケージ内のGAPプログラムを使用し、2つのア
ミノ酸配列間のパーセント同一性を決定することができる(例えば、BLOSUM 62マトリクス
又はPAM250マトリクスのいずれか、ギャップウェイト16、14、12、10、8、6、若しくは4
、及びレングスウェイト1、2、3、4、5を使用して)。あるいは、いくつかの態様において
、ヌクレオチド配列又はアミノ酸配列間のパーセント同一性は、Myers及びMillerのアル
リズムを用いて決定される(CABIOS, 4:11-17 (1989))。例えば、このパーセント同一性
は、ALIGNプログラム(バージョン2.0)を用い、且つ残基テーブル、ギャップレングスペナ
ルティ12及びギャップペナルティ4を伴うPAM120を用いて、決定することができる。特定
のアラインメントソフトウェアによる最大アラインメントのための好適なパラメータは、
当業者により決定することができる。いくつかの態様において、アラインメントソフトウ
ェアのデフォルトのパラメータが使用される。

0113

いくつかの態様において、第一のアミノ酸配列の第二の配列アミノ酸に対するパーセン
ト同一性「X」は、100×(Y/Z)として計算され、ここでYは、第一及び第二の配列のアラ
インメント(目視検査によるか又は特定の配列整列化プログラムにより整列させたもの)に
おいて同一のマッチとしてスコア化されたアミノ酸残基の数であり、並びにZは、第二の
配列中の残基の総数である。第一の配列の長さが、第二の配列よりも長い場合は、第一の
配列の第二の配列に対するパーセント同一性は、第二の配列の第一の配列に対するパーセ
ント同一性よりも高くなるであろう。

0114

「保存的アミノ酸置換」は、1つのアミノ酸残基が、類似の側鎖を有する別のアミノ酸
残基により置き換えられるものである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは
、当該技術分野において定義されており、これは塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニ
ン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸グルタミン酸)、非帯電極性側
鎖(例えば、アスパラギングルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、
無極性側鎖(例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン
フェニルアラニンメチオニントリプトファン)、β-分岐した側鎖(例えば、トレオ
ニン、バリン、イソロイシン)、及び芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、
トリプトファン、ヒスチジン)を含む。例えば、フェニルアラニンのチロシンとの置換は
、保存的置換である。いくつかの態様において、本発明のポリペプチド及び抗体の配列内
の保存的置換は、該アミノ酸配列を含むポリペプチド又は抗体の抗原への結合、すなわち
本ポリペプチド又は抗体が結合するHER3への結合を無効にしない。抗原結合を排除しない
ヌクレオチド及びアミノ酸の保存的置換を同定する方法は、当該技術分野において周知で
ある(例えば、Brummellらの文献、Biochem. 32: 1180-1187 (1993);Kobayashiらの文献
、Protein Eng. 12(10): 879-884 (1999);及び、Burksらの文献、Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA 94: 412-417 (1997)を参照されたい)。

0115

軽鎖(VL)及び重鎖(VH)可変領域に関して本文において使用される用語「コンセンサス
列」とは、VL又はVH鎖内のアミノ酸残基は、抗原結合に害を与えることなく修飾され易い
という情報を基に定められた、複合の又は一般名化された(genericized)VL又はVH配列を
いう。従って、VL又はVH鎖の「コンセンサス配列」において、いくつかのアミノ酸位置は
、その位置で可能性のある複数のアミノ酸残基の一つにより占拠される。例えば、アルギ
ニン(R)又はセリン(S)が特定の位置に生じる場合は、コンセンサス配列内のその特定の位
置は、アルギニン又はセリン(R又はS)のいずれかであることができる。VH及びVL鎖のコン
センサス配列は、例えば、インビトロ親和性成熟により(例えば、縮重コーディングプラ
イマーを使用する特定のCDR内のアミノ酸位置毎の無作為化)、抗体CDR内のアミノ酸残基
変異誘発走査により(例えば、アラニン走査変異誘発)、又は当該技術分野において公
知のいずれか他の方法により、規定することができ、引き続き変異体の抗原への結合を評
価し、成熟したアミノ酸位置は抗原結合に影響を及ぼすかどうかが決定される。一部の態
様において、変異は、CDR領域に導入される。他の態様において、変異は、フレームワー
ク領域に導入される。一部の他の態様において、変異は、CDR領域及びフレームワーク領
域に導入される。

0116

(II. 抗-HER3-結合分子)
本発明は、HER3結合分子、例えば、HER3に特異的に結合する抗体及びそれらの抗原-結
合断片を提供する。HER3に関する完全長アミノ酸(aa)配列及びヌクレオチド(nt)配列は、
当該技術分野において公知である(例えば、ヒトHER3についてはUniProt寄託番号P2186、
又はマウスHER3についてはUniProt寄託番号O88458を参照されたい)。一部の態様において
、抗-HER3結合分子は、ヒト抗体である。いくつかの態様において、HER3結合分子は、抗
体又はそれらの抗原-結合断片である。一部の態様において、HER3結合分子、例えば抗体
又はそれらの抗原-結合断片は、Fab、Fab'、F(ab')2、Fd、一本鎖Fv若しくはscFv、ジス
フィド結合されたFv、V-NARドメイン、IgNar、イントラボディ、IgGΔCH2、ミニボディ
、F(ab')3、テトラディトリアボディ、ダイアボディ、単-ドメイン抗体、DVD-Ig、Fc
ab、mAb2、(scFv)2、又はscFv-Fcを含む。一部の態様において、この抗体は、前掲の「定
義」のセクションで明らかにされたように、IgG1亜型であり、且つ三重変異体YTEを含む

0117

いくつかの態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、親クロ
ーン16(CL16)抗体と比べ修飾されている。この修飾は、CL16と比べ、CDR領域における及
び/又はFW領域における変異を含むことができる。いくつかの態様において、本発明の抗
-HER3抗体は、CL16の軽鎖のCDR1及び/又はCDR3への修飾を含み、これは以下を含むが、
これらに限定されるものではない:

0118

1)コンセンサス配列



を含む、軽鎖CDR1であって、式中、X1は、R又はSから選択され、及びX2は、S又はLから選
択されるもの;並びに

0119

2)コンセンサス配列



を含む、軽鎖CDR3であって、式中、X3は、S又はGから選択され、X4は、L又はPから選択さ
れ、X5は、R、I、P又はSから選択され、及びX6は、V又はAから選択されるもの。

0120

いくつかの態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、CL16の
重鎖のCDR2への修飾を含み、これはコンセンサス配列



を含む重鎖CDR1であって、式中、X7は、Y、I又はVから選択されるものを含むが、これら
に限定されるものではない。

0121

一つの態様において、抗-HER3抗体又はそれらの抗原結合断片は、下記のコンセンサス
アミノ酸配列を含んでなるVL領域を含む:



(式中、[FW1]、[FW2]、[FW3]及び[FW4]は、VLフレームワーク領域1(配列番号:40又は44)
、VLフレームワーク領域2(配列番号:41)、VLフレームワーク領域3(配列番号:42)及びVLフ
レームワーク領域4(配列番号:43)のアミノ酸残基を表し、且つここで、X1は、アミノ酸残
基アルギニン(R)又はセリン(S)を表し、X2は、アミノ酸残基セリン(S)又はロイシン(L)を
表し、X3は、アミノ酸残基セリン(S)又はグルタミン酸(E)を表し、X4は、アミノ酸残基ロ
イシン(L)又はプロリン(P)を表し、X5は、アミノ酸残基アルギニン(R)、イソロイシン(I)
、プロリン(P)又はセリン(S)を表し、且つX6は、アミノ酸残基バリン(V)又はアルギニン(
R)を表す。)。

0122

一つの態様において、抗-HER3抗体又はそれらの抗原結合断片は、下記のコンセンサス
アミノ酸配列を含んでなるVH領域を含む:



(式中、[FW5]、[FW6]、[FW7]及び[FW8]は、VHフレームワーク領域1(配列番号:36)、VHフ
レームワーク領域2(配列番号:37)、VHフレームワーク領域3(配列番号:38)及びVHフレーム
ワーク領域4(配列番号:39)のアミノ酸残基を表し、且つここでX7は、アミノ酸残基チロシ
ン(Y)、イソロイシン(I)又はバリン(V)を表す。)。

0123

一つの態様において、抗-HER3抗体又はそれらの抗原結合断片は、下記のコンセンサス
アミノ酸配列を含んでなるVL領域を含み:



(式中、[FW1]、[FW2]、[FW3]及び[FW4]は、VLフレームワーク領域1(配列番号:40又は44)
、VLフレームワーク領域2(配列番号:41)、VLフレームワーク領域3(配列番号:42)及びVLフ
レームワーク領域4(配列番号:43)のアミノ酸残基を表し、且つここで、X1は、アミノ酸残
基アルギニン(R)又はセリン(S)を表し、X2は、アミノ酸残基セリン(S)又はロイシン(L)を
表し、X3は、アミノ酸残基セリン(S)又はグルタミン酸(E)を表し、X4は、アミノ酸残基ロ
イシン(L)又はプロリン(P)を表し、X5は、アミノ酸残基アルギニン(R)、イソロイシン(I)
、プロリン(P)又はセリン(S)を表し、且つX6は、アミノ酸残基バリン(V)又はアルギニン(
R)を表す。)、並びにここで:
該抗-HER3抗体又はそれらの抗原結合断片は更に、下記のコンセンサスアミノ酸配列を
含んでなるVH領域を含む:



(式中、[FW5]、[FW6]、[FW7]及び[FW8]は、VHフレームワーク領域1(配列番号:36)、VHフ
レームワーク領域2(配列番号:37)、VHフレームワーク領域3(配列番号:38)及びVHフレーム
ワーク領域4(配列番号:39)のアミノ酸残基を表し、且つここで、X7は、アミノ酸残基チロ
シン(Y)、イソロイシン(I)又はバリン(V)を表す。)。

0124

一部の態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、配列番号:1
8、19及び20からなる群から選択される配列からなるVL-CDR1を含む。一部の態様において
、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、配列番号:18、19及び20からなる
群から選択される配列を含んでなるVL-CDR1を含む。一部の態様において、本発明の抗-HE
R3抗体又は抗原-結合断片は、配列番号:21からなるVL-CDR2を含む。一部の態様において
、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、配列番号:21を含んでなるVL-CDR2
を含む。一部の態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、配列
番号:22、23、24、25、26、27、28、29、及び30からなる群から選択される配列からなるV
L-CDR3を含む。一部の態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は
、配列番号:22、23、24、25、26、27、28、29、及び30からなる群から選択される配列を
含んでなるVL-CDR3を含む。

0125

一部の態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、配列番号:3
1からなるVH-CDR1を含む。一部の態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-
結合断片は、配列番号:31を含んでなるVH-CDR1を含む。一部の態様において、本発明の抗
-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、配列番号:32、33及び34からなる群から選択さ
れる配列からなるVH-CDR2を含む。一部の態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれら
の抗原-結合断片は、配列番号:32、33及び34からなる群から選択される配列を含んでなる
VH-CDR2を含む。一部の態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片
は、配列番号:35からなるVH-CDR3を含む。一部の態様において、本発明の抗-HER3抗体又
はそれらの抗原-結合断片は、配列番号:35を含んでなるVH-CDR3を含む。

0126

一部の態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、1、2、3又
は4つのアミノ酸置換以外は、配列番号:18、19及び20からなる群から選択される配列から
なるVL-CDR1を含む。一部の態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合
断片は、1、2、3又は4つのアミノ酸置換以外は、配列番号:18、19及び20からなる群から
選択される配列を含んでなるVL-CDR1を含む。一部の態様において、本発明の抗-HER3抗体
又はそれらの抗原-結合断片は、1、2、3又は4つのアミノ酸置換以外は、配列番号:21から
なるVL-CDR2を含む。一部の態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合
断片は、1、2、3又は4つのアミノ酸置換以外は、配列番号:21を含んでなるVL-CDR2を含む
。一部の態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、1、2、3又
は4つのアミノ酸置換以外は、配列番号:22、23、24、25、26、27、28、29、及び30からな
る群から選択される配列からなるVL-CDR3を含む。一部の態様において、本発明の抗-HER3
抗体又はそれらの抗原-結合断片は、1、2、3又は4つのアミノ酸置換以外は、配列番号:22
、23、24、25、26、27、28、29、及び30からなる群から選択される配列を含んでなるVL-C
DR3を含む。

0127

一部の態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、1、2、3又
は4つのアミノ酸置換以外は、配列番号:31からなるVH-CDR1を含む。一部の態様において
、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、1、2、3又は4つのアミノ酸置換以
外は、配列番号:31を含んでなるVH-CDR1を含む。一部の態様において、本発明の抗-HER3
抗体又はそれらの抗原-結合断片は、1、2、3又は4つのアミノ酸置換以外は、配列番号:32
、33及び34からなる群から選択される配列からなるVH-CDR2を含む。一部の態様において
、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、1、2、3又は4つのアミノ酸置換以
外は、配列番号:32、33及び34からなる群から選択される配列を含んでなるVH-CDR2を含む
。一部の態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、1、2、3又
は4つのアミノ酸置換以外は、配列番号:35からなるVH-CDR3を含む。一部の態様において
、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、1、2、3又は4つのアミノ酸置換以
外は、配列番号:35を含んでなるVH-CDR3を含む。

0128

一部の態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、配列番号:1
8、19及び20からなる群から選択される配列からなるVL-CDR1;配列番号:21からなるVL-CD
R2;並びに、配列番号:22、23、24、25、26、27、28、29、及び30からなる群から選択さ
れる配列からなるVL-CDR3を含む。一部の態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれら
の抗原-結合断片は、配列番号:18、19及び20からなる群から選択される配列を含んでなる
VL-CDR1;配列番号:21を含んでなるVL-CDR2;並びに、配列番号:22、23、24、25、26、27
、28、29、及び30からなる群から選択される配列を含んでなるVL-CDR3を含む。

0129

一部の態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、配列番号:3
1からなるVH-CDR1;配列番号:32、33及び34からなる群から選択される配列からなるVH-CD
R2;並びに、配列番号:35からなるVH-CDR3を含む。一部の態様において、本発明の抗-HER
3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、配列番号:31を含んでなるVH-CDR1;配列番号:32、3
3及び34からなる群から選択される配列を含んでなるVH-CDR2;配列番号:35を含んでなるV
H-CDR3を含む。

0130

一部の態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、1、2、3又
は4つのアミノ酸置換以外は、配列番号:18、19、及び20からなる群から選択される配列か
らなるVL-CDR1;1、2、3又は4つのアミノ酸置換以外は、配列番号:21からなるVL-CDR2;
並びに、1、2、3又は4つのアミノ酸置換以外は、配列番号:22、23、24、25、26、27、28
、29、及び30からなる群から選択される配列からなるVL-CDR3を含む。一部の態様におい
て、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、1、2、3又は4つのアミノ酸置換
以外は、配列番号:18、19及び20からなる群から選択される配列を含んでなるVL-CDR1;1
、2、3又は4つのアミノ酸置換以外は、配列番号:21を含んでなるVL-CDR2;並びに、1、2
、3又は4つのアミノ酸置換以外は、配列番号:22、23、24、25、26、27、28、29、及び30
からなる群から選択される配列を含んでなるVL-CDR3を含む。

0131

一部の態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、1、2、3又
は4つのアミノ酸置換以外は、配列番号:31からなるVH-CDR1;1、2、3又は4つのアミノ酸
置換以外は、配列番号:32、33及び34からなる群から選択される配列からなるVH-CDR2;並
びに、1、2、3又は4つのアミノ酸置換以外は、配列番号:35からなるVH-CDR3を含む。一部
の態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、1、2、3又は4つの
アミノ酸置換以外は、配列番号:31を含んでなるVH-CDR1;1、2、3又は4つのアミノ酸置換
以外は、配列番号:32、33及び34からなる群から選択される配列を含んでなるVH-CDR2;並
びに、1、2、3又は4つのアミノ酸置換以外は、配列番号:35を含んでなるVH-CDR3を含む。

0132

いくつかの態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、重鎖及
び/又は軽鎖のCDR1、CDR2、及び/又はCDR3への修飾を含み、並びに重鎖及び/又は軽鎖
のFW1、FW2、FW3、及び/又はFW4への修飾を更に含む。一部の態様において、FW1は、配
列番号:40又は44を含み、FW2は、配列番号:41を含み、FW3は、配列番号:42を含み、FW4は
、配列番号:43を含み、FW5は、配列番号:36を含み、FW6は、配列番号:37を含み、FW7は、
配列番号:38を含み、並びにFW8は、配列番号:39を含む。

0133

一部の態様において、FW1は、1、2、3又は4つのアミノ酸置換以外は、配列番号:40又は
44を含み;FW2は、1、2、3又は4つのアミノ酸置換以外は、配列番号:41を含み;FW3は、1
、2、3又は4つのアミノ酸置換以外は、配列番号:42を含み;FW4は、1、2、3又は4つのア
ミノ酸置換以外は、配列番号:43を含み;FW5は、1、2、3又は4つのアミノ酸置換以外は、
配列番号:36を含み;FW6は、1、2、3又は4つのアミノ酸置換以外は、配列番号:37を含み
;FW7は、1、2、3又は4つのアミノ酸置換以外は、配列番号:38を含み;並びに、FW8は、1
、2、3又は4つのアミノ酸置換以外は、配列番号:39を含む。

0134

いくつかの態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、各々、
配列番号:18、21、22、31、32、及び35、配列番号:18、21、26、31、32及び35、配列番号
:18、21、27、31、32及び35、配列番号:20、21、22、31、32及び35、配列番号:19、21、2
2、31、32及び35、配列番号:18、21、25、31、32及び35、配列番号:18、21、28、31、32
及び35、配列番号:18、21、29、31、32及び35、配列番号:18、21、30、31、32及び35、配
列番号:18、21、23、31、32及び35、配列番号:19、21、23、31、32及び35、配列番号:20
、21、23、31、32及び35、配列番号:18、21、24、31、32及び35、又は配列番号:18、21、
25、31、32及び35と同一であるか、又は1つ以上のCDRにおいて、4、3、2若しくは1つのア
ミノ酸置換以外は同一である、VL-CDR1、VL-CRD2、VL-CDR3、VH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-
CDR3アミノ酸配列を含んでなるVL及びVHを含む。

0135

本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片の重鎖及び軽鎖可変ドメインは、表2
列記された配列を含む。
表2

0136

いくつかの態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、抗体VL
及び抗体VHを含み、ここで該VLは、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、
配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:10、配列番号:11、配列番
号:14、配列番号:15、配列番号:16、及び配列番号:17からなる群から選択される参照アミ
ノ酸配列と、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約
99%、又は約100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0137

別の態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、抗体VL及び抗
体VHを含み、ここで該VHは、配列番号:2、配列番号:12及び配列番号:13からなる群から選
択される参照アミノ酸配列と、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約
97%、約98%、約99%、又は約100%同一であるアミノ酸配列を含む。

0138

別の態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、配列番号:1、
配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号
:9、配列番号:10、配列番号:11、配列番号:14、配列番号:15、配列番号:16、及び配列番
号:17からなる群から選択される参照アミノ酸配列と少なくとも約80%、約85%、約90%
、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%同一である配列を含んでなるV
Lを含み、且つ配列番号:2、配列番号:12及び配列番号:13からなる群から選択される参照
アミノ酸配列と少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、
約99%、又は約100%同一である配列を含んでなるVHを更に含む。

0139

一部の態様において、抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、表2のVH及び表2のVL
を含む。抗体は、それらのVL鎖に従い本明細書を通じて指定される。本明細書に開示され
特異的抗体の重鎖は、CL16オリジナル重鎖(配列番号:2)に対応している。従って「CL16
抗体」は、2つのオリジナルCL16軽鎖(配列番号:17)及び2つのCL16オリジナル重鎖(配列番
号:2)を含むIgG1であるのに対して、「2C2抗体」は、2つの2C2軽鎖(2C2 VL(配列番号:3)
及び2つのCL16オリジナル重鎖(配列番号:2)を含むIgG1である。

0140

一部の態様において、抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、重鎖定常領域又はそ
れらの断片を含む。一部の具体的態様において、重鎖定常領域は、IgG定常領域である。
このIgG定常領域は、カッパ定常領域及びラムダ定常領域からなる群から選択される軽鎖
定常領域を含むことができる。

0141

いくつかの態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、CL16オ
リジナル重鎖(配列番号:2)及びオリジナルCL16軽鎖(配列番号:17)を含む、CL16抗体と実
質的に同じ又はそれよりも大きい親和性で、HER3に結合する。いくつかの態様において、
本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、2C2軽鎖(2C2 VL(配列番号:3))及びC
L16オリジナル重鎖(配列番号:2)を含む、2C2抗体と実質的に同じ又はそれよりも大きい親
和性で、HER3に結合する。

0142

本発明の一態様において、抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、HER3及びそれら
抗原性断片へ、解離定数kd (koff/kon)が10−6M未満、又は10−7M未満、又は10−8M未
満、又は10−9M未満、又は10−10M未満、又は10−11M未満、又は10−12M未満、又は10−1
3M未満で、特異的に結合する。本発明の特定の態様において、抗-HER3抗体又はそれらの
抗原-結合断片は、HER3及びそれらの抗原性断片へ、解離定数2×10−10M〜6×10−10Mで
、特異的に結合する。

0143

別の態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、HER3及び/又
はそれらの抗原性断片へ、Koffが1×10−3 s−1未満、又は2×10−3 s−1未満で結合する
。別の態様において、抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、HER3及びそれらの抗原
性断片へ、Koffが10−3 s−1未満、5×10−3 s−1未満、10−4 s−1未満、5×10−4 s−1
未満、10−5 s−1未満、5×10−5 s−1未満、10−6 s−1未満、5×10−6 s−1未満、5×1
0−7 s−1未満、10−8 s−1未満、5×10−8 s−1未満、10−9 s−1未満、5×10−9 s−1
未満、又は10−10 s−1未満で結合する。特定の態様において、本発明の抗-HER3抗体又は
それらの抗原-結合断片は、HER3及び/又はそれらの抗原性断片へ、Koff が0.5×10−4 s
−1〜2.0×10−4 s−1で結合する。

0144

別の態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、HER3及び/又
はそれらの抗原性断片へ、結合速度定数又はkon速度が少なくとも105 M−1 s−1、少なく
とも5×105 M−1 s−1、少なくとも106 M−1 s−1、少なくとも5×106 M−1 s−1、少な
くとも107 M−1 s−1、少なくとも5×107 M−1 s−1、又は少なくとも108 M−1 s−1、又
は少なくとも109 M−1 s−1で結合する。別の態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそ
れらの抗原-結合断片は、HER3及び/又はそれらの抗原性断片へ、結合速度定数又はkon速
度が1×105 M−1 s−1〜6×105 M−1 s−1で結合する。

0145

表1に明らかにされたVH配列及びVL配列は、本発明の他の抗-HER3結合分子を作製するた
めに、「混合及び対合」させることができる。いくつかの態様において、15D12.I及び15D
12.VのVH配列を、混合及び対合させる。加えて又は代わりに、5H6、8A3、4H6、6E.3、2B1
1、2D1、3A6、4C4、1A4、2C2、3E.1のVL配列を、混合及び対合させることができる。

0146

いくつかの態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、ヒトFc
Rnへの結合を改善し、且つ抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片の半減期を改善する変
異を含む。一部の態様において、そのような変異は、IgG1の定常ドメインへ導入された、
KabatのEUインデックスに従う番号付け(Kabatらの文献、(1991)、「免疫学的関心のある
タンパク質の配列」、米国立衛生研究所(NIH)、公衆衛生局(PHS)、ワシントンD.C.)で、
位置252でのメチオニン(M)のチロシン(Y)への変異、位置254でのセリン(S)のトレオニン(
T)への変異、及び位置256でのトレオニン(T)のグルタミン酸(E)への変異である。引用に
より本明細書中に組み込まれている、米国特許第7,658,921号を参照されたい。「YTE変異
体」と称されるこの種の変異体IgGは、同じ抗体の野生型と比べ、およそ4倍の増大された
半減期を発揮することが示されている(Dall'Acquaらの文献、J. Biol. Chem. 281: 23514
-24 (2006))。一部の態様において、IgG定常ドメインを含む抗-HER3抗体又はそれらの抗
原-結合断片は、KabatのEUインデックスに従う番号付けでアミノ酸残基の位置251-257、2
85-290、308-314、385-389、及び428-436に1つ以上のアミノ酸置換を含み、ここでそのよ
うな変異は、抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片の血清半減期を増大する。

0147

一部の態様において、YTE変異体は、KabatのEUインデックスに従う番号付けでIgG定常
ドメインの位置434に、トリプトファン(W)、メチオニン(M)、チロシン(Y)、及びセリン(S
)からなる群から選択されるアミノ酸による置換を更に含む。他の態様において、YTE変異
体は、KabatのEUインデックスに従う番号付けでIgG定常ドメインの位置434に、トリプト
ファン(W)、メチオニン(M)、チロシン(Y)、及びセリン(S)からなる群から選択されるアミ
ノ酸による置換、並びにKabatのEUインデックスに従う番号付けでIgG定常ドメインの位置
428に、トレオニン(T)、ロイシン(L)、フェニルアラニン(F)、及びセリン(S)からなる群
から選択されるアミノ酸による置換を更に含む。

0148

更に他の態様において、YTE変異体は、KabatのEUインデックスに従う番号付けでIgG定
常ドメインの位置434に、チロシン(Y)による置換、並びにKabatのEUインデックスに従う
番号付けでIgG定常ドメインの位置257に、ロイシン(L)による置換を更に含む。一部の態
様において、YTE変異体は、KabatのEUインデックスに従う番号付けでIgG定常ドメインの
位置434に、セリン(S)による置換、並びにKabatのEUインデックスに従う番号付けでIgG定
常ドメインの位置428に、ロイシン(L)による置換を更に含む。

0149

具体的な態様において、抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、2C2軽鎖可変領域(
2C2 VL;配列番号:3)、オリジナルのCL16重鎖可変領域(配列番号:2)、並びにKabatのEUイ
デックスに従う番号付けでIgG1定常ドメインの位置252でのメチオニン(M)のチロシン(Y
)への変異、位置254でのセリン(S)のトレオニン(T)への変異、及び位置256でのトレオニ
ン(T)のグルタミン酸(E)への変異を含むIgG1定常ドメインを含む。

0150

いくつかの態様において、本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、下記か
らなる群から選択される少なくとも1つのIgG定常ドメインアミノ酸置換を含み:
(a)位置252のアミノ酸の、チロシン(Y)、フェニルアラニン(F)、トリプトファン(W)、
又はトレオニン(T)による置換、
(b)位置254のアミノ酸の、トレオニン(T)による置換、
(c)位置256のアミノ酸の、セリン(S)、アルギニン(R)、グルタミン(Q)、グルタミン酸(
E)、アスパラギン酸(D)、又はトレオニン(T)による置換、
(d)位置257のアミノ酸の、ロイシン(L)による置換、
(e)位置309のアミノ酸の、プロリン(P)による置換、
(f)位置311のアミノ酸の、セリン(S)による置換、
(g)位置428のアミノ酸の、トレオニン(T)、ロイシン(L)、フェニルアラニン(F)、又は
セリン(S)による置換、
(h)位置433のアミノ酸の、アルギニン(R)、セリン(S)、イソロイシン(I)、プロリン(P)
、又はグルタミン(Q)による置換、
(i)位置434のアミノ酸の、トリプトファン(W)、メチオニン(M)、セリン(S)、ヒスチジ
ン(H)、フェニルアラニン(F)、又はチロシンによる置換、並びに
(j)前記置換の2以上の組合せ:
ここでこれらの位置は、KabatのEUインデックスに従い番号付けられ、且つここで修飾
されたIgGは、野生型のIgG定常ドメインを有するIgGの血清半減期と比べ、増大された血
清半減期を有する。

0151

他の態様において、このVH及び/又はVLアミノ酸配列は、前述の配列に対し、85%、90
%、95%、96%、97%、98%又は99%の類似性があり、且つ1、2、3、4、5又はそれ以上
の保存的置換を含むことができる。各々、配列番号:2、12若しくは13のVH領域及び/又は
配列番号:1、3、4、5、6、7、8、9、10、11、14、15、16、若しくは17のVL領域に対し高
い(すなわち、80%以上の)類似性を有するVH及びVL領域を有するHER3抗体は、配列番号:1
−17をコードしている核酸分子の変異誘発(例えば、位置指定変異誘発又はPCR-媒介性変
異誘発)、それに続く本文において説明された機能アッセイを使用するコードされ変更さ
れた抗体の維持された機能に関する試験により得ることができる。

0152

抗原のための抗体の親和性又は結合力は、例えば、フローサイトメトリー酵素-結合
免疫吸着アッセイ(ELISA)、又はラジオイムノアッセイ(RIA)、又は動態分析(例えば、BIA
CORE(商標)分析)などの、当該技術分野において周知の任意の好適な方法を用い、実験に
より決定することができる。直接結合アッセイに加え、競合的結合アッセイのフォーマ
トを、容易に利用することができる。(例えば、Berzofskyらの文献、「抗体-抗原相互作
用(Antibody-Antigen Interactions)」、Fundamental Immunology、Paul, W. E.編集、Ra
ven Press社:ニューヨーク、N.Y. (1984);Kubyの文献、「免疫学(Immunology)」、W. H
. Freeman and Company:ニューヨーク、N.Y. (1992);及び、本文記載の方法を参照され
たい)。特定の抗体-抗原相互作用の測定された親和性は、異なる条件(例えば、塩濃度、p
H、温度)下で測定した場合に、変動することができる。従って、親和性及び他の抗原-結
合パラメータ(例えば、KD又はKd、Kon、Koff)の測定値は、抗体及び抗原の標準化された
溶液、及び当該技術分野において公知の標準化された緩衝液並びに本文に記載の緩衝液な
どにより作製される。

0153

同じくBIACORE(商標)分析を用いて測定された親和性は、どの反応物一種チップ
結合されているかによって変動し得ることは、当該技術分野において公知である。これに
関して、親和性は、標的化する抗体(例えば、2C2モノクローナル抗体)が、チップ上に固
定化されているフォーマット(「IgGダウン」フォーマットと称される)を用いて、又は標
的タンパク質(例えば、HER3)が、チップ上に固定化されているフォーマット(例えば「HER
3ダウン」フォーマットと称される)を用いて、測定することができる。

0154

(III. 本発明の抗-HER3抗体及びそれらの抗原-結合断片と同じエピトープへ結合する結
合分子)
別の態様において、本発明は、本文に記載の様々な抗-HER3抗体が結合するのと同じエ
ピトープへ結合するHER3-結合分子を含む。本文において使用される用語「エピトープ」
とは、本発明の抗体へ結合することが可能であるタンパク質決定基をいう。エピトープは
通常、アミノ酸又は糖鎖などの分子の化学的に活性のある表面基からなり、且つ特異的三
次元構造特徴に加え、特異的帯電特徴を通常有する。立体構造エピトープと直線状(non-c
onformational)エピトープは、後者ではなく前者に対する結合が、変性溶媒の存在下で失
われることで、識別される。そのような抗体は、標準のHER3結合アッセイにおいて、CL16
抗体、2C2抗体、又は2C2-YTE変異体などの抗体と交差-競合する(例えば、統計学的に有意
な様式で、結合を競合的に阻害する)それらの能力を基に同定することができる。従って
一つの態様において、本発明は、抗-HER3抗体及びそれらの抗原-結合断片、例えばCL16抗
体又は2C2抗体などの別の本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片とのHER3の結
合について競合するヒトモノクローナル抗体を提供する。被験抗体の例えばCL16抗体又は
2C2抗体などの結合を阻害する能力は、被験抗体は、HER3への結合に関してその抗体と競
合することができること;そのような抗体は、非限定的理論に従い、それが競合する抗-H
ER3抗体又はそれらの抗原-結合断片と、HER3上の同じ又は関連のある(例えば、構造的に
類似の又は空間的に近位の)エピトープに結合することができることを明らかにしている
。一態様において、HER3上の同じエピトープに結合する抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結
合断片、例えば、CL16抗体又は2C2抗体は、ヒトモノクローナル抗体である。

0155

(IV.作用機序
一部の態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片
は、HER3リン酸化を抑制することができる。他の態様において、HER3-結合分子、例えば
抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、AKTリン酸化を抑制することができる。更に
他の態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、H
ER2-HER3二量体形成を抑制することができる。一部の態様において、HER3-結合分子、例
えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、細胞成長を抑制することができる。一部
の態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、ADC
C作用を欠いている。具体的態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれ
らの抗原-結合断片は、リガンド-非依存性の作用機序を介して、HER3リン酸化、AKTリン
酸化、及び/又は腫瘍コロニー形成を抑制することができる。

0156

一部の態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片
は、ELISAにより測定されるHRG-駆動された乳癌MCF-7細胞におけるHER3リン酸化を、約30
ng/mLより低い、約25ng/mLより低い、約20ng/mLより低い、約15ng/mLより低い、又は約10
ng/mLより低いIC50で、抑制することができる。具体的態様において、HER3-結合分子、例
えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、ELISAにより測定されるHRG-駆動された
乳癌MCF-7細胞におけるHER3リン酸化を、約20ng/mLより低いIC50で、抑制することができ
る。具体的態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断
片は、ELISAにより測定されるHRG-駆動された乳癌MCF-7細胞におけるHER3リン酸化を、約
15ng/mLより低いIC50で、抑制することができる。別の具体的態様において、HER3-結合分
子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、ELISAにより測定されるHRG-駆動
された乳癌MCF-7細胞におけるHER3リン酸化を、約10ng/mLより低いIC50で、抑制すること
ができる。

0157

一部の態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片
は、MDA-MB-175乳癌細胞における細胞成長を、約0.90μg/mLより低い、約0.80μg/mLより
低い、約0.70μg/mLより低い、約0.60μg/mLより低い、約0.50μg/mLより低い、約0.40μ
g/mLより低い、約0.30μg/mLより低い、又は約0.20μg/mLより低いIC50で、抑制すること
ができる。具体的態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-
結合断片は、MDA-MB-175乳癌細胞における細胞成長を、約0.50μg/mLより低いIC50で、抑
制することができる。具体的態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれ
らの抗原-結合断片は、MDA-MB-175乳癌細胞における細胞成長を、約0.40μg/mLより低いI
C50で、抑制することができる。別の具体的態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER
3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、MDA-MB-175乳癌細胞における細胞成長を、約0.30μ
g/mLより低いIC50で、抑制することができる。別の具体的態様において、HER3-結合分子
、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、MDA-MB-175乳癌細胞における細胞成
長を、約0.20μg/mLより低いIC50で、抑制することができる。

0158

一部の態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片
は、HMCBメラノーマ細胞における細胞成長を、約0.20μg/mLより低い、約0.15μg/mLより
低い、約0.10μg/mLより低い、約0.05μg/mLより低い、約0.04μg/mLより低い、又は約0.
03μg/mLより低いIC50で、抑制することができる。具体的態様において、HER3-結合分子
、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、HMCBメラノーマ細胞における細胞成
長を、約0.10μg/mLより低いIC50で、抑制することができる。具体的態様において、HER3
-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、HMCBメラノーマ細胞にお
ける細胞成長を、約0.05μg/mLより低いIC50で、抑制することができる。具体的態様にお
いて、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、HMCBメラノー
マ細胞における細胞成長を、約0.04μg/mLより低いIC50で、抑制することができる。具体
的態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、HMC
Bメラノーマ細胞における細胞成長を、約0.03μg/mLより低いIC50で、抑制することがで
きる。

0159

一部の態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片
は、EGFR-駆動されたHCC827肺癌細胞におけるHER3リン酸化を、約20ng/mLより低い、約15
ng/mLより低い、約10ng/mLより低い、約8ng/mLより低い、約6ng/mLより低い、約4ng/mLよ
り低い、又は約2ng/mLより低いIC50で、抑制することができる。具体的態様において、HE
R3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、EGFR-駆動されたHCC827
肺癌細胞におけるHER3リン酸化を、約10ng/mLより低いIC50で、抑制することができる。
具体的態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は
、EGFR-駆動されたHCC827肺癌細胞におけるHER3リン酸化を、約8ng/mLより低いIC50で、
抑制することができる。具体的態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそ
れらの抗原-結合断片は、EGFR-駆動されたHCC827肺癌細胞におけるHER3リン酸化を、約6n
g/mLより低いIC50で、抑制することができる。具体的態様において、HER3-結合分子、例
えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、EGFR-駆動されたHCC827肺癌細胞におけ
るHER3リン酸化を、約4ng/mLより低いIC50で、抑制することができる。具体的態様におい
て、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、EGFR-駆動された
HCC827肺癌細胞におけるHER3リン酸化を、約2ng/mLより低いIC50で、抑制することができ
る。

0160

一部の態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片
は、TKIに対し抵抗性であるEGFR-駆動されたHCC827肺癌細胞におけるHER3リン酸化を、約
30ng/mLより低い、約25ng/mLより低い、約20ng/mLより低い、約15ng/mLより低い、約10ng
/mLより低い、又は約5ng/mLより低いIC50で、抑制することができる。具体的態様におい
て、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、TKIに対し抵抗性
であるEGFR-駆動されたHCC827肺癌細胞におけるHER3リン酸化を、約20ng/mLより低いIC50
で、抑制することができる。具体的態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又
はそれらの抗原-結合断片は、TKIに対し抵抗性であるEGFR-駆動されたHCC827肺癌細胞に
おけるHER3リン酸化を、約15ng/mLより低いIC50で、抑制することができる。具体的態様
において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、TKIに対し
抵抗性であるEGFR-駆動されたHCC827肺癌細胞におけるHER3リン酸化を、約10ng/mLより低
いIC50で、抑制することができる。具体的態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3
抗体又はそれらの抗原-結合断片は、TKIに対し抵抗性であるEGFR-駆動されたHCC827肺癌
細胞におけるHER3リン酸化を、約5ng/mLより低いIC50で、抑制することができる。

0161

一部の具体的態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結
合断片は、TKI抵抗性癌の治療に使用することができる。

0162

一部の態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片
は、cMET-駆動されたMKN45ヒト胃腺癌細胞におけるHER3リン酸化を、約15ng/mLより低い
、約10ng/mLより低い、約9ng/mLより低い、約8ng/mLより低い、約7ng/mLより低い、約6ng
/mLより低い、約5ng/mLより低い、又は約4ng/mLより低いIC50で、抑制することができる
。具体的態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片
は、cMET-駆動されたMKN45ヒト胃腺癌細胞におけるHER3リン酸化を、約10ng/mLより低いI
C50で、抑制することができる。具体的態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗
体又はそれらの抗原-結合断片は、cMET-駆動されたMKN45ヒト胃腺癌細胞におけるHER3リ
ン酸化を、約8ng/mLより低いIC50で、抑制することができる。具体的態様において、HER3
-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、cMET-駆動されたMKN45ヒ
ト胃腺癌細胞におけるHER3リン酸化を、約6ng/mLより低いIC50で、抑制することができる
。具体的態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片
は、cMET-駆動されたMKN45ヒト胃腺癌細胞におけるHER3リン酸化を、約4ng/mLより低いIC
50で、抑制することができる。

0163

一部の態様において、HER3-結合分子、例えば本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-
結合断片は、cMET-駆動されたMKN45細胞におけるpAKTを、約15ng/mLより低い、約10ng/mL
より低い、約9ng/mLより低い、約8ng/mLより低い、約7ng/mLより低い、6ng/mLより低い、
約5ng/mLより低い、約4ng/mLより低い、約3ng/mLより低いIC50で、抑制することができる
。具体的態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片
は、cMET-駆動されたMKN45細胞におけるpAKTを、約8ng/mLより低いIC50で、抑制すること
ができる。具体的態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-
結合断片は、cMET-駆動されたMKN45細胞におけるpAKTを、約6ng/mLより低いIC50で、抑制
することができる。具体的態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれら
の抗原-結合断片は、cMET-駆動されたMKN45細胞におけるpAKTを、約4ng/mLより低いIC50
で、抑制することができる。具体的態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又
はそれらの抗原-結合断片は、cMET-駆動されたMKN45細胞におけるpAKTを、約3ng/mLより
低いIC50で、抑制することができる。

0164

一部の態様において、HER3-結合分子、例えば本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-
結合断片は、FGFR2-駆動されたKato IIIヒト胃の印環細胞癌におけるpHERを、約9ng/mLよ
り低い、約8ng/mLより低い、約7ng/mLより低い、約6ng/mLより低い、約5ng/mLより低い、
約4ng/mLより低い、約3ng/mLより低い、約2ng/mLより低い、又は約1ng/mLより低いIC50で
、抑制することができる。具体的態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又は
それらの抗原-結合断片は、FGFR2-駆動されたKato IIIヒト胃の印環細胞癌におけるpHER
を、約5ng/mLより低いIC50で、抑制することができる。具体的態様において、HER3-結合
分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、FGFR2-駆動されたKato IIIヒト
胃の印環細胞癌におけるpHERを、約4ng/mLより低いIC50で、抑制することができる。具体
的態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、FGF
R2-駆動されたKato IIIヒト胃の印環細胞癌におけるpHERを、約3ng/mLより低いIC50で、
抑制することができる。具体的態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそ
れらの抗原-結合断片は、FGFR2-駆動されたKato IIIヒト胃の印環細胞癌におけるpHERを
、約2ng/mLより低いIC50で、抑制することができる。具体的態様において、HER3-結合分
子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、FGFR2-駆動されたKato IIIヒト胃
の印環細胞癌におけるpHERを、約1ng/mLより低いIC50で、抑制することができる。

0165

一部の態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片
は、FGFR-2駆動されたKato III細胞におけるpAKTを、約6ng/mLより低い、約5ng/mLより低
い、約4ng/mLより低い、約3ng/mLより低い、約2ng/mLより低い、又は約1ng/mLより低いIC
50で、抑制することができる。具体的態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体
又はそれらの抗原-結合断片は、FGFR-2駆動されたKato III細胞におけるpAKTを、約4ng/m
Lより低いIC50で、抑制することができる。具体的態様において、HER3-結合分子、例えば
抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、FGFR-2駆動されたKato III細胞におけるpAKT
を、約3ng/mLより低いIC50で、抑制することができる。具体的態様において、HER3-結合
分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、FGFR-2駆動されたKato III細胞
におけるpAKTを、約2ng/mLより低いIC50で、抑制することができる。具体的態様において
、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、FGFR-2駆動されたK
ato III細胞におけるpAKTを、約1ng/mLより低いIC50で、抑制することができる。

0166

一部の態様において、HER3-結合分子、例えば本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-
結合断片は、リガンド非依存性BT-474乳癌細胞におけるpHERを、約10ng/mLより低い、約9
ng/mLより低い、約8ng/mLより低い、約7ng/mLより低い、約6ng/mLより低い、約5ng/mLよ
り低い、約4ng/mLより低いIC50で、抑制することができる。具体的態様において、HER3-
結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、リガンド非依存性BT-474乳
癌細胞におけるpHERを、約8ng/mLより低いIC50で、抑制することができる。具体的態様に
おいて、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、リガンド非
依存性BT-474乳癌細胞におけるpHERを、約6ng/mLより低いIC50で、抑制することができる
。具体的態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片
は、リガンド非依存性BT-474乳癌細胞におけるpHERを、約4ng/mLより低いIC50で、抑制す
ることができる。

0167

一部の態様において、HER3-結合分子、例えば本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-
結合断片は、リガンド非依存性BT-474乳癌細胞におけるpAKTを、約10ng/mLより低い、約9
ng/mLより低い、約8ng/mLより低い、約7ng/mLより低い、約6ng/mLより低い、約5ng/mLよ
り低い、約4ng/mLより低いIC50で、抑制することができる。具体的態様において、HER3-
結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、リガンド非依存性BT-474乳
癌細胞におけるpAKTを、約8ng/mLより低いIC50で、抑制することができる。具体的態様に
おいて、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、リガンド非
依存性BT-474乳癌細胞におけるpAKTを、約6ng/mLより低いIC50で、抑制することができる
。具体的態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片
は、リガンド非依存性BT-474乳癌細胞におけるpAKTを、約4ng/mLより低いIC50で、抑制す
ることができる。一部の態様において、HER3-結合分子、例えば抗-HER3抗体又はそれらの
抗原-結合断片は、リガンド非依存性乳癌モデルであるBT-474細胞における、pHER3、pAKT
、及び腫瘍コロニー形成を抑制することができる。

0168

一部の態様において、HER3-結合分子、例えば本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-
結合断片は、HRG誘導したVEGF分泌を抑制することができる。具体的態様において、HER3-
結合分子、例えば本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、リガンド非依存性
BT-474乳癌細胞及び/又はHRG-駆動された乳癌MCF-7細胞において、HRG誘導したVEGF分泌
を抑制することができる。

0169

一部の態様において、HER3-結合分子、例えば本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-
結合断片は、細胞周期停止を引き起こすことができる。具体的態様において、HER3-結合
分子、例えば本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、SKBR3細胞又はBT474細
胞を含むが、これらに限定されるものではない、乳癌細胞における、細胞周期停止を引き
起こすことができる。

0170

(V. 抗-HER3抗体及び抗原-結合断片の調製)
モノクローナル抗-HER3抗体は、Kohler及びMilsteinの文献、Nature, 256: 495 (1975)
に記載された方法などの、ハイブリドーマ法を用いて調製することができる。このハイブ
ドーマ法を用い、マウス、ハムスター、又は他の好適な宿主動物を、先に説明されたよ
うに免疫化し、免疫化する抗原に特異的に結合する抗体のリンパ球による産生を誘発する
。リンパ球はまた、インビトロにおいても免疫化することができる。免疫化後、リンパ球
は、単離され、且つ例えばポリエチレングリコールを用い、好適な骨髄腫細胞株と融合さ
れ、ハイブリドーマ細胞を形成し、これらは次に融合されないリンパ球と骨髄腫細胞から
選別することができる。免疫沈降免疫ブロット法、又はインビトロ結合アッセイ(例え
ばラジオイムノアッセイ(RIA);酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA))により決定されるよ
うに、選択された抗原に対し特異的に向けられたモノクローナル抗体を産生するハイブリ
ドーマは、次に、標準方法(Godingの文献、「モノクローナル抗体:原理実践(Monoclon
al Antibodies : Principles and Practice)」、Academic Press社、1986年)を使用する
インビトロ培養において、又は動物内の腹水腫瘍としてインビボにおいてのいずれかで増
殖することができる。このモノクローナル抗体は次に、先のポリクローナル抗体について
説明されたように、培養培地又は腹水液から精製することができる。

0171

あるいは、抗-HER3モノクローナル抗体はまた、米国特許第4,816,567号に開示されたよ
うな、組換えDNA法を用いて作製することができる。モノクローナル抗体をコードしてい
るポリヌクレオチドは、該抗体の重鎖及び軽鎖をコードしている遺伝子を特異的に増幅す
オリゴヌクレオチドプライマーを使用するRT-PCRなどにより、成熟B-細胞又はハイブリ
ドーマ細胞から単離され、且つそれらの配列は、通常の手順を用いて決定される。その後
重鎖及び軽鎖をコードしている単離されたポリヌクレオチドは、好適な発現ベクターへク
ローニングされ、これは大腸菌細胞シミアンCOS細胞チャイニーズハムスター卵巣(CH
O)細胞、又は免疫グロブリンタンパク質を本来産生しない骨髄腫細胞などの宿主細胞へト
ランスフェクトされる際に、これらの宿主細胞により、モノクローナル抗体が産生される
。同じく、所望の種の組換え抗-HER3モノクローナル抗体又はそれらの抗原-結合断片は、
説明されたような所望の種のCDRを発現しているファージディスプレイライブラリーから
単離することができる(McCaffertyらの文献、Nature, 348: 552-554, 1990;Clarksonら
の文献、Nature, 352: 624-628, 1991;及び、Marksらの文献、J. Mol. Biol., 222: 581
-597, 1991)。

0172

抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片をコードしているポリヌクレオチドは更に、代
替抗体を産生する組換えDNA技術を用い、多くの異なる方法で修飾することができる。一
部の態様において、例えばマウスモノクローナル抗体の軽鎖及び重鎖の定常ドメインは、
(1)キメラ抗体を作出するために、例えばヒト抗体のそれらの領域の、又は(2)融合抗体
作出するために、非免疫グロブリンポリペプチドの、代わりとなることができる。一部の
態様において、これらの定常領域は、切断されるか、又は除去され、モノクローナル抗体
の所望の抗体断片を作出する。この可変領域の位置指定又は高密度変異誘発は、モノクロ
ーナル抗体の特異性、親和性などを最適化するために使用することができる。

0173

いくつかの態様において、抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、ヒト抗体又はそ
れらの抗原-結合断片である。ヒト抗体は、当該技術分野において公知の様々な技術を用
い、直接調製することができる。インビトロにおいて免疫化されるか、又は標的抗原に対
し向けられた抗体を産生する免疫化された個体から単離された、不死化されたヒトBリン
パ球を作出することができる(例えば、Coleらの文献、「モノクローナル抗体及び癌療法(
Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy)」、Alan R. Liss, 77頁、(1985);Boemer
らの文献、J. Immunol., 147(1): 86-95 1991;及び、米国特許第5,750,373号を参照され
たい)。

0174

同じく、抗-HER3ヒト抗体又はそれらの抗原-結合断片は、ファージライブラリーから選
択されることができ、ここでこのファージライブラリーは、例えば、Vaughanらの文献、N
at. Biotech., 14: 309-314, 1996、Sheetsらの文献、Proc. Natl. Acad. Sci., 95: 615
7-6162, 1998、Hoogenboom及びWinterの文献、J. Mol. Biol., 227: 381, 1991、並びにM
arksらの文献、J. Mol. Biol., 222: 581, 1991に記載されたように、ヒト抗体を発現す
る。抗体ファージライブラリーの作製及び使用に関する技術はまた、米国特許第5,969,10
8号、第6,172,197号、第5,885,793号、第6,521,404号;第6,544,731号;第6,555,313号;
第6,582,915号;第6,593,081号;第6,300,064号;第6,653,068号;第6,706,484号;及び
、第7,264,963号;並びに、Rotheらの文献、2007, J. Mol. Bio., doi:10.1016/ j.jmb.2
007.12.018に記載されている(各々はそれらの全体が引用により本明細書中に組み込まれ
ている)。

0175

親和性成熟戦略及び鎖シャッフリング戦略(その全体が引用により組み込まれている、M
arksらの文献、Bio/Technology, 10: 779-783, 1992)は、当該技術分野において公知であ
り、且つ高親和性ヒト抗体又はそれらの抗原-結合断片を作製するために利用することが
できる。

0176

一部の態様において、抗-HER3モノクローナル抗体は、ヒト化抗体であることができる
非ヒト抗体又はヒト抗体を操作する、ヒト化する又は表面再処理する(resurfacing)方
法も、使用することができ、且つ当該技術分野において周知である。ヒト化されたか、表
再処理されたか又は同様に操作された抗体は、例えば、非限定的に、マウス、ラット、
ウサギ、非ヒト霊長類又は他の哺乳動物などの、非ヒトである給源由来のアミノ酸残基を
1つ以上有することができる。これらの非ヒトアミノ酸残基は、典型的には公知のヒト配
列の「インポート(import)」可変ドメイン、定常ドメイン又は他のドメインからもたらさ
れる、「インポート」残基と称されることが多い残基により置き換えられる。そのような
インポートされた配列を使用し、免疫原性を低下するか、又は当該技術分野において公知
のように、結合、親和性、結合速度解離速度、結合力、特異性、半減期、若しくは任意
の他の好適な特徴を低下するか、増強するか若しくは修飾することができる。概してCDR
残基は、HER3結合への影響に直接に及びほとんど実質的に関与される。従って、非ヒト又
はヒトCDR配列の一部又は全てを維持する一方で、可変領域及び定常領域の非ヒト配列を
、ヒトの又は他のアミノ酸により置き換えることができる。

0177

抗体はまた、抗原HER3に関する高親和性及び他の好ましい生物学的特性を保持しながら
、任意にヒト化されるか、表面再処理されるか、操作されるか、又はヒト抗体操作される
こともできる。この目標を実現するために、ヒト化(若しくはヒト)されるか又は操作され
た抗-HER3抗体及び表面再処理された抗体は、親配列、操作された配列、及びヒト化配列
三次元モデルを使用する、親の配列並びに様々な概念的ヒト化及び操作された生成物
分析プロセスにより、任意に調製することができる。三次元免疫グロブリンモデルが通常
、利用可能であり、且つ当業者には良く知られている。選択された候補免疫グロブリン配
列の可能性のある三次元高次構造を例示し且つ表示するコンピュータプログラムが、利用
可能である。これらの表示の検証は、候補免疫グロブリン配列の機能における残基のもっ
ともらしい役割の分析、すなわち候補免疫グロブリンのHER3などのその抗原に結合する能
力に影響を及ぼす残基の分析を可能にする。この様式において、フレームワーク(FW)残基
は、コンセンサス配列及びインポート配列から選択され且つ組合せられ、その結果標的抗
原に関する増大した親和性などの、所望の抗体特徴が達成される。

0178

本発明の抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片のヒト化、表面再処理又は操作は、非
限定的に、以下に記載されたものなど、公知の方法のいずれかを用いて実行することがで
きる:Jonesらの文献、Nature, 321: 522 (1986);Riechmannらの文献、Nature, 332: 32
3 (1988);Verhoeyenらの文献、Science, 239: 1534 (1988))、Simsらの文献、J. Immuno
l. 151: 2296 (1993);Chothia及びLeskの文献、J. Mol. Biol. 196: 901 (1987)、Carte
rらの文献、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 89: 4285 (1992);Prestaらの文献、J. Imm
unol. 151: 2623 (1993)、米国特許第5,639,641号、第5,723,323号;第5,976,862号;第5
,824,514号;第5,817,483号;第5,814,476号;第5,763,192号;第5,723,323号;第5,766,
886号;第5,714,352号;第6,204,023号;第6,180,370号;第5,693,762号;第5,530,101号
;第5,585,089号;第5,225,539号;第4,816,567号、第7,557,189号;第7,538,195号;及
び、第7,342,110号;国際出願番号PCT/US98/16280;PCT/US96/18978;PCT/US91/09630;P
CT/US91/05939;PCT/US94/01234;PCT/GB89/01334;PCT/GB91/01134;PCT/GB92/01755;
国際特許出願公開番号WO90/14443;WO90/14424;WO90/14430;及び、欧州特許公開番号EP
229246;これらの各々は、それらに引用された参照を含み、全体が引用により本明細書
中に組み込まれている。

0179

抗-HER3ヒト化抗体及びそれらの抗原-結合断片はまた、免疫化時に内因性免疫グロブリ
ン産生の非存在下でヒト抗体の完全レパトアを作製することが可能である、ヒト免疫グロ
ブリン遺伝子座を含むトランスジェニックマウスにおいて作製することができる。このア
ローチは、米国特許第5,545,807号;第5,545,806号;第5,569,825号;第5,625,126号;
第5,633,425号;及び、第5,661,016号に説明されている。

0180

いくつかの態様において、抗-HER3抗体断片が提供される。抗体断片の作製に関する様
々な技術が、公知である。従来これらの断片は、無傷の抗体のタンパク質分解消化によ
り誘導される(例えば、Morimotoらの文献、Journal of Biochemical and Biophysical Me
thods, 24: 107-117, 1993;Brennanらの文献、Science, 229: 81, 1985)。いくつかの態
様において、抗-HER3抗体断片は、組換えにより作製される。Fab、Fv、及びscFv抗体断片
は全て、大腸菌又は他の宿主細胞において発現及び分泌され、その結果大量のこれらの断
片の生成が可能である。そのような抗-HER3抗体断片はまた、先に考察したように抗体フ
ァージライブラリーから単離することができる。抗-HER3抗体断片はまた、米国特許第5,6
41,870号に説明されたような、線状抗体であることができる。抗体断片の作製に関する他
の技術は、当業者には明らかであろう。

0181

本発明に従い、HER3に特異的な一本鎖抗体を作製する技術を、適応させることができる
(例えば米国特許第4,946,778号を参照されたい)。加えて、Fab発現ライブラリー構築
る方法(例えばHuseらの文献、Science, 246: 1275-1281 (1989))を、HER3、又はそれらの
誘導体、断片、アナログ若しくはホモログに関する所望の特異性を伴うモノクローナルFa
b断片の迅速且つ効果的な同定が可能であるように、適応させることができる。非限定的
に、(a)抗体分子ペプシン消化により生成されたF(ab')2断片;(b)F(ab')2断片のジスル
フィド橋の還元により作出された,Fab断片;(c)抗体分子のパパイン及び還元剤による処
理により作出されたFab断片、並びに(d)Fv断片:を含む、抗体断片を、当該技術分野の技
術により作製することができる。

0182

特に抗体断片の場合、その血清半減期を増大するために抗-HER3抗体又はそれらの抗原-
結合断片を修飾することは、更に望ましいことがあり得る。これは、例えば、抗体又は抗
体断片中の好適な領域の変異による抗体又は抗体断片へのサルベージ受容体結合エピトー
プの取込みによるか、又はペプチドタグへのエピトープの取込みとその後末端又は中央部
のいずれかで該抗体又は抗体断片への融合によるか(例えば、DNA又はペプチド合成により
)、又はYTE変異により、達成することができる。抗体又はそれらの抗原-結合断片の血清
半減期を増大する他の方法、例えば、PEGなどの異種分子へのコンジュゲーションが、当
該技術分野において公知である。

0183

ヘテロコンジュゲート抗-HER3抗体及びそれらの抗原-結合断片も、本発明の範囲内であ
る。ヘテロコンジュゲート抗体は、2つの共有結合された抗体で構成される。そのような
抗体は、例えば、免疫細胞を望ましくない細胞へ標的化することが提唱されている(例え
ば、米国特許第4,676,980号を参照されたい)。ヘテロコンジュゲート抗-HER3抗体及びそ
れらの抗原-結合断片は、架橋剤が関与する方法を含む、合成タンパク質化学において公
知の方法を用い、インビトロにおいて調製することができることが、企図されている。例
えば、免疫毒素は、ジスルフィド交換反応を用いるか、又はチオエーテル結合の形成によ
り、構築することができる。この目的に適した試薬の例は、イミノチオラート及びメチル
-4-メルカプトブチルイミデートを含む。

0184

いくつかの態様において、本発明のHER3-結合分子、例えば抗体又はそれらの抗原-結合
断片は、他の治療薬と組合せるか、又は他の治療薬若しくは毒素にコンジュゲートされ、
免疫コンジュゲート及び/又は融合タンパク質を形成することができる。そのような治療
薬及び毒素の例としては、セツキシマブ(エルタックス(登録商標))、パニツムマブ(ベ
クチビックス(登録商標))、ラパチニブ(タイカーブ(登録商標)/タイバーブ(登録商標))
、及びパクリタキセル(タキソール(登録商標)、アブラキサン(登録商標))並びに誘導体(
例えば、ドセタキセル)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0185

一部の態様において、本発明のHER3-結合分子、例えば抗体又はそれらの抗原-結合断片
は、上皮細胞成長因子受容体(EGFR)を標的化する抗体又は抗体断片にコンジュゲートする
ことができる。他の態様において、本発明のHER3-結合分子は、チロシンキナーゼ阻害薬
にコンジュゲートすることができる。一部の具体的態様において、本発明のHER3-結合分
子は、EGFR及び/又はHER2/neuに会合されたチロシンキナーゼ活性の阻害剤にコンジュゲ
ートすることができる。一部の態様において、本発明のHER3-結合分子は、有糸分裂阻害
薬にコンジュゲートすることができる。一部の具体的態様において、本発明のHER3-結合
分子は、紡錘体微小管集成体を安定化する物質にコンジュゲートすることができる。

0186

本発明の目的に関して、修飾された抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、抗体又
はポリペプチドのHER3との会合を提供する任意の型の可変領域を含むことができることは
理解されなければならない。これに関して、該可変領域は、体液性応答を開始し(mount)
且つ所望の腫瘍関連抗原に対する免疫グロブリンを産生するように誘導することができる
任意の型の哺乳動物からなるか、又は動物から誘導されることができる。従って修飾され
た抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片の可変領域は、例えば、ヒト、マウス、非ヒト
霊長類(例えば、カニクイザルマカクザルなど)又はオオカミ起源のものであることがで
きる。一部の態様において、修飾された抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片の可変領
域と定常領域の両方が、ヒトである。他の態様において、適合性のある抗体の可変領域(
通常、非ヒト給源から誘導される)は、その結合特性を改善するか又は該分子の免疫原性
を低下するために、操作されるか又は特別にあつらえる(tailor)ことができる。これに関
して、本発明において有用な可変領域は、ヒト化されるか、又はそうでなければインポー
トされたアミノ酸配列の包含を介して変更されることができる。

0187

いくつかの態様において、抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片の重鎖及び軽鎖の両
方の可変ドメインは、1つ以上のCDRの少なくとも部分的置き換えにより、並びに必要なら
部分的フレームワーク領域置き換え及び配列変化により、変更される。これらのCDRは
、それよりフレームワーク領域が誘導された抗体と同じクラスの抗体から又はサブクラス
の抗体さえからも誘導することができるが、これらのCDRは、異なるクラスの抗体から、
及びいくつかの態様においては異なる種の抗体から誘導されることが想起される。ひとつ
の可変ドメインの抗原結合能を別のものに移すために、そのCDRの全てを、ドナー可変領
域由来の完全なCDRにより置き換えることは、不要である。むしろ、その抗原結合部位
活性を維持するために必要であるそれらの残基を移すことのみが必要である。米国特許第
5,585,089号、第5,693,761号及び第5,693,762号に明記された説明を考慮し、低下した免
疫原性を持つ機能的抗体を得ることは、慣習的実験を実行するか又は試行錯誤で試験する
かのいずれかにより、当業者の能力の範囲内であろう。

0188

可変領域の変更にもかかわらず、当業者は、本発明の修飾された抗-HER3抗体又はそれ
らの抗原-結合断片は、未変性の又は変更されない定常領域を含むほぼ同じ免疫原性の抗
体と比較した場合に、増大された腫瘍局在化又は減少された血清半減期などの所望の生化
的特徴を提供するために、少なくとも定常領域ドメインの1つ以上の画分が欠失されて
いるか、又はそうでなければ変更されている抗体(例えば、完全長抗体又はそれらの免疫
反応性断片)を含むことを理解するであろう。一部の態様において、修飾された抗体の定
常領域は、ヒト定常領域を含むであろう。本発明と適合性のある定常領域への修飾は、1
つ以上のドメイン内の1個以上のアミノ酸の付加、欠失又は置換を含む。すなわち、本文
において明らかにされた修飾された抗体は、3つの重鎖定常ドメイン(CH1、CH2又はCH3)の
1つ以上及び/又は軽鎖定常ドメイン(CL)に変更又は修飾を含むことができる。一部の態
様において、1つ以上のドメインが部分的に又は全体的に欠失されている修飾された定常
領域が、企図されている。一部の態様において、修飾された抗体は、CH2ドメイン全体が
取り除かれているドメイン欠失された構築体又は変種(ΔCH2構築体)を含むであろう。一
部の態様において、省略された定常領域ドメインは、典型的には存在しない定常領域によ
り付与される分子の可動性の一部を提供する、短いアミノ酸スペーサー(例えば10残基)に
より置き換えられるであろう。

0189

定常領域は、それらの立体配置に加え、いくつかのエフェクター機能を媒介することが
、当該技術分野においてわかっている。例えば、抗体への補体C1成分の結合は、補体系を
活性化する。補体の活性化はまた、細胞病原体オプソニン化及び溶解に重要である。補
体の活性化はまた、炎症反応刺激し、且つまた自己免疫過敏症に関与し得る。更に、抗
体は、細胞上のFc受容体(FcR)と結合する、抗体Fc領域上のFc受容体部位により、Fc領域
を介して細胞へ結合する。IgG(ガンマ受容体)、IgE(イータ受容体)、IgA(アルファ受容体
)及びIgM(ミュー受容体)を含む、抗体の異なるクラスに特異的である数多くのFc受容体が
存在する。抗体の細胞表面上のFc受容体への結合は、抗体-被覆された粒子貪食(engulf
ment)及び破壊、免疫複合体クリアランスキラー細胞による抗体-被覆された標的細胞
の溶解(抗体依存性細胞性細胞傷害、又はADCCと称される)、炎症メディエーターの放出、
胎盤移行及び免疫グロブリン産生の制御を含む、数多くの重要且つ多様な生物学的反応を
誘発する。

0190

いくつかの態様において、抗-HER3抗体又はそれらの抗原-結合断片は、変更されたエフ
ェクター機能を提供し、これは次に、投与された抗体又はそれらの抗原-結合断片の生物
学的プロファイルに影響を及ぼす。例えば、定常領域ドメインの欠失又は失活(点変異又
は他の手段を介して)は、循環修飾された抗体のFc受容体結合を減少し、これにより腫瘍
局在化を増大することができる。他の場合において、本発明と一致している定常領域修飾
は、補体結合を穏やかにし、その結果血清半減期及びコンジュゲートされた細胞毒の非特
異的会合を減少することができる。更に他の定常領域の修飾は、増大した抗原特異性又は
抗体可動性のために増強された局在化を可能にするジスルフィド結合又はオリゴ糖部分を
排除するために使用することができる。同様に、本発明に従う定常領域への修飾は、当業
者の視野に良く収まる周知の生化学技術又は分子工学技術を用い、容易に行うことができ
る。

0191

いくつかの態様において、抗体又はそれらの抗原-結合断片であるHER3-結合分子は、1
つ以上のエフェクター機能を有さない。例えば一部の態様において、抗体又はそれらの抗
原-結合断片は、抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)活性及び/又は補体依存性細胞傷害(CD
C)活性を有さない。いくつかの態様において、抗-HER3抗体又はそれらの抗原結合断片は
、Fc受容体及び/又は補体因子に結合しない。いくつかの態様において、抗体又はそれら
の抗原-結合断片は、エフェクター機能を有さない。

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