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図面 (20)

課題

LIV−1に特異的に結合するヒト化抗体の提供。

解決手段

特定のアミノ酸配列を有する成熟重鎖可変領域と、別の特定のアミノ酸配列を有する成熟軽鎖可変領域とを含む、ヒトLIV−1に特異的に結合するヒト化抗体。前記成熟重鎖可変領域が重鎖定常領域に融合し、前記成熟軽鎖可変領域が軽鎖定常領域に融合しており、前記成熟重鎖可変領域が、天然ヒト定常領域に比較して、低下した、Fcγ受容体への結合を示す、天然ヒト定常領域の突然変異体であり、IgG1タイプである、ヒト化抗体。前記抗体が細胞毒性又は静細胞物質コンジュゲート化されており、細胞毒性又は静細胞物質がモノメチルオーリスタチンE(MMAE)であることが好ましい、ヒト化抗体。

概要

背景

LIV-1は亜鉛輸送体タンパク質のLZT(LIV-1-ZIP亜鉛輸送体サブファミリーメンバーである(Taylorら, Biochim. Biophys. Acta 1611:16-30 (2003))。LIV-1タンパク質コンピュータ解析は、亜鉛メタロプロテアーゼ触媒性亜鉛結合部位モチーフコンセンサス配列適合する潜在的メタロプロテアーゼモチーフを示している。LIV-1mRNAは主として乳房前立腺下垂体および脳組織において発現される。

LIV-1タンパク質はまた、ある癌性状態、例えば乳癌および前立腺癌に関連づけられている。LIV-1の検出はエストロゲン受容体陽性乳癌(McClellandら, Br. J. Cancer 77:1653-1656 (1998))および局所リンパ節へのこれらの癌の転移による広がり(Manningetら, Eur. J. Cancer 30A:675-678 (1994))に関連づけられている。

概要

LIV−1に特異的に結合するヒト化抗体の提供。特定のアミノ酸配列を有する成熟重鎖可変領域と、別の特定のアミノ酸配列を有する成熟軽鎖可変領域とを含む、ヒトLIV−1に特異的に結合するヒト化抗体。前記成熟重鎖可変領域が重鎖定常領域に融合し、前記成熟軽鎖可変領域が軽鎖定常領域に融合しており、前記成熟重鎖可変領域が、天然ヒト定常領域に比較して、低下した、Fcγ受容体への結合を示す、天然ヒト定常領域の突然変異体であり、IgG1タイプである、ヒト化抗体。前記抗体が細胞毒性又は静細胞物質コンジュゲート化されており、細胞毒性又は静細胞物質がモノメチルオーリスタチンE(MMAE)であることが好ましい、ヒト化抗体。

目的

本発明は、H27位がLにより占有されており、H29位がIにより占有されており、H30位がEにより占有されており、H94位がVにより占有されている、配列番号53に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する成熟重鎖可変領域と、L36位がYにより占有されており、L46位がPにより占有されている、配列番号60に対して少なくとも90%同一である成熟軽鎖可変領域とを含むヒト化抗体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

列番号52または53のアミノ酸配列を有する成熟重鎖可変領域と、配列番号59または60のアミノ酸配列を有する成熟軽鎖可変領域とを含む、ヒトLIV-1に特異的に結合するヒト化抗体

請求項2

該成熟重鎖可変領域が重鎖定常領域に融合しており、該成熟軽鎖可変領域が軽鎖定常領域に融合している、請求項1記載のヒト化抗体。

請求項3

該重鎖定常領域が、天然ヒト定常領域と比較して低下した、Fcガンマ受容体への結合を示す、該天然ヒト定常領域の突然変異形態である、請求項2記載のヒト化抗体。

請求項4

該重鎖定常領域がIgG1イソタイプのものである、請求項2記載のヒト化抗体。

請求項5

該重鎖定常領域が、配列番号44を含むアミノ酸配列を有し、該軽鎖定常領域が、配列番号42を含むアミノ酸配列を有する、請求項2記載のヒト化抗体。

請求項6

該重鎖定常領域が、配列番号46を含むアミノ酸配列を有し、該軽鎖定常領域が、配列番号42を含むアミノ酸配列を有する、請求項2記載のヒト化抗体。

請求項7

該成熟重鎖可変領域が、配列番号53で示されるアミノ酸配列を有し、該成熟軽鎖可変領域が、配列番号60で示されるアミノ酸配列を有する、請求項1〜6のいずれか1項記載のヒト化抗体。

請求項8

該抗体が細胞毒性または静細胞物質コンジュゲート化されている、請求項1〜7のいずれか1項記載のヒト化抗体。

請求項9

細胞毒性物質であるオーリスタチンにコンジュゲート化されている、請求項8記載のヒト化抗体。

請求項10

該細胞毒性物質が、モノメチルオーリスタチンF(MMAF)である、請求項8記載のヒト化抗体。

請求項11

該細胞毒性または静細胞物質が、モノメチルオーリスタチンE(MMAE)である、請求項8記載のヒト化抗体。

請求項12

請求項1〜11のいずれか1項記載の成熟重鎖可変領域および/または成熟軽鎖可変領域をコードする核酸

請求項13

LIV-1を発現する癌の治療において使用するための、請求項1〜11のいずれか1項記載のヒト化抗体を含む医薬組成物

請求項14

該癌が三重陰性乳癌である、請求項13記載の医薬組成物。

請求項15

該癌が乳癌、前立腺癌子宮頸癌またはメラノーマである、請求項13記載の医薬組成物。

技術分野

0001

本発明はLIV-1に対するヒト化抗体および癌治療のためのその使用に関する。

0002

関連出願に対する相互参照
本出願は非仮出願であり、2010年12月6日付け出願の61/420,291および2011年2月25日付け出願の61/446,990(あらゆる目的においてそれぞれの全体を参照により本明細書に組み入れることとする)の利益を主張するものである。

背景技術

0003

LIV-1は亜鉛輸送体タンパク質のLZT(LIV-1-ZIP亜鉛輸送体サブファミリーメンバーである(Taylorら, Biochim. Biophys. Acta 1611:16-30 (2003))。LIV-1タンパク質コンピュータ解析は、亜鉛メタロプロテアーゼ触媒性亜鉛結合部位モチーフコンセンサス配列適合する潜在的メタロプロテアーゼモチーフを示している。LIV-1mRNAは主として乳房前立腺下垂体および脳組織において発現される。

0004

LIV-1タンパク質はまた、ある癌性状態、例えば乳癌および前立腺癌に関連づけられている。LIV-1の検出はエストロゲン受容体陽性乳癌(McClellandら, Br. J. Cancer 77:1653-1656 (1998))および局所リンパ節へのこれらの癌の転移による広がり(Manningetら, Eur. J. Cancer 30A:675-678 (1994))に関連づけられている。

先行技術

0005

Taylorら, Biochim. Biophys. Acta 1611:16-30 (2003)
McClellandら, Br. J. Cancer 77:1653-1656 (1998)
Manningetら, Eur. J. Cancer 30A:675-678 (1994)

0006

特許請求されている発明の概要
本発明は、H27位がLにより占有されており、H29位がIにより占有されており、H30位がEにより占有されており、H94位がVにより占有されている、配列番号53に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する成熟重鎖可変領域と、L36位がYにより占有されており、L46位がPにより占有されている、配列番号60に対して少なくとも90%同一である成熟軽鎖可変領域とを含むヒト化抗体を提供する。場合によっては、該ヒト化抗体は配列番号53の3つのCDRと配列番号60の3つのCDRとを含む。それらのCDRは図16に示されている。場合によっては、H76位はNにより占有されている。場合によっては、該ヒト化抗体は、配列番号53に対して少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有する成熟重鎖可変領域と、配列番号60に対して少なくとも95%同一である成熟軽鎖可変領域とを含む。場合によっては、該成熟重鎖可変領域は重鎖定常領域に融合しており、該成熟軽鎖定常領域は軽鎖定常領域に融合している。場合によっては、該重鎖定常領域は、天然ヒト定常領域と比較して低下した、Fcガンマ受容体への結合を示す、該天然ヒト定常領域の突然変異形態である。場合によっては、該重鎖定常領域はIgG1イソタイプのものである。場合によっては、該重鎖定常領域は、配列番号44を含むアミノ酸配列を有し、該軽鎖定常領域は、配列番号42を含むアミノ酸配列を有する。場合によっては、該重鎖定常領域は、配列番号46(S239C)を含むアミノ酸配列を有し、該軽鎖定常領域は、配列番号42を含むアミノ酸配列を有する。幾つかのそのようなヒト化抗体においては、それぞれ配列番号52および60からの、該成熟重鎖可変領域および成熟軽鎖可変領域のCDRにおけるいずれかの相違が、H60〜H65位に存在する。幾つかのそのようなヒト化抗体においては、該成熟重鎖可変領域は、配列番号52または53で示されるアミノ酸配列を有し、該成熟軽鎖可変領域は、配列番号59または60で示されるアミノ酸配列を有する。幾つかのそのようなヒト化抗体においては、該成熟重鎖可変領域は、配列番号53で示されるアミノ酸配列を有し、該成熟軽鎖可変領域は、配列番号60で示されるアミノ酸配列を有する。幾つかのそのようなヒト化抗体は細胞毒性または静細胞物質コンジュゲート化(結合)されうる。幾つかのそのようなヒト化抗体は、0.5〜2×109 M-1の、ヒトまたはカニクイザル(cynomolgus monkey)LIV-1に対する会合定数を有する。

0007

本発明はまた、H27位がLにより占有されており、H29位がIにより占有されており、H30位がEにより占有されており、H76位がNにより占有されており、H94位がVにより占有されている、配列番号52の3つのKabat(カバト)CDRを含む成熟重鎖可変領域と、L36位がYにより占有されており、L46位がPにより占有されている、配列番号60の3つのKabat(カバト)CDRを含む成熟軽鎖可変領域とを含むヒト化抗体を提供する。本発明はまた、前記ヒト化抗体のいずれかの成熟重鎖可変領域および/または成熟軽鎖可変領域をコードする核酸を提供する。

0008

本発明は更に、癌または癌のリスクを有する患者治療方法であって、前記ヒト化抗体のいずれかの有効形態を該患者に投与することを含む治療方法を提供する。該癌は、例えば乳癌、子宮頸癌メラノーマまたは前立腺癌でありうる。

0009

本発明は更に、前記ヒト化抗体を含む医薬組成物を提供する。

0010

本発明は更に、LIV-1タンパク質を発現するメラノーマに罹患した対象の治療方法であって、該メラノーマ癌細胞成長を抑制するのに十分な量のLIV-1特異的抗体またはLIV-1抗体薬物コンジュゲートを該対象に投与することによる治療方法を提供する。

0011

本発明は更に、LIV-1タンパク質を発現する子宮頸癌に罹患した対象の治療方法であって、該子宮頸癌細胞の成長を抑制するのに十分な量のLIV-1特異的抗体またはLIV-1抗体薬物コンジュゲートを該対象に投与することによる治療方法を提供する。

0012

本発明は更に、HB(配列番号10)に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する成熟重鎖可変領域と、LB(配列番号15)に対して少なくとも90%同一である成熟軽鎖可変領域とを含むヒト化抗体を提供する。場合によっては、該抗体は、HBに対して少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有する成熟重鎖可変領域と、LBに対して少なくとも95%同一である成熟軽鎖可変領域とを含む。場合によっては、いずれかのそのような抗体においては、H29、H30およびH76位はI、EおよびNにより占有されており、L36位はYにより占有されている。場合によっては、配列番号10および該成熟重鎖可変領域の可変領域フレームワークにおけるいずれかの相違は、Fにより占有されているH27、Nにより占有されているH28、Iにより占有されているH48、Kにより占有されているH66、Aにより占有されているH67、Aにより占有されているH71、Nにより占有されているH76、Nにより占有されているH93、Vにより占有されているH94、Lにより占有されているL37、Kにより占有されているL39、Kにより占有されているL45、およびLにより占有されているL46からなる群から選択される。場合によっては、該成熟重鎖可変領域の3つのCDRは配列番号10のものであり、該成熟軽鎖可変領域の3つのCDRは配列番号15のものである。該CDRは図1に示されている。場合によっては、該成熟重鎖可変領域は重鎖定常領域に融合しており、該成熟軽鎖定常領域は軽鎖定常領域に融合している。場合によっては、該重鎖定常領域は、天然ヒト定常領域と比較して低下した、Fcガンマ受容体への結合を示す、該天然ヒト定常領域の突然変異形態である。場合によっては、該重鎖定常領域はIgG1イソタイプのものである。場合によっては、該重鎖定常領域は、配列番号6を含むアミノ酸配列を有し、該軽鎖定常領域は、配列番号4を含むアミノ酸配列を有する。場合によっては、該重鎖定常領域は、配列番号8(S239C)を含むアミノ酸配列を有し、該軽鎖定常領域は、配列番号4を含むアミノ酸配列を有する。場合によっては、それぞれ配列番号10および15からの、該成熟重鎖可変領域および成熟軽鎖可変領域のCDRにおけるいずれかの相違が、H60〜H65位に存在する。場合によっては、該成熟重鎖可変領域は、配列番号10を含むアミノ酸配列を有し、該成熟軽鎖可変領域は、配列番号15を含むアミノ酸配列を有する。場合によっては、該抗体は細胞毒性または静細胞物質にコンジュゲート化されている。好ましいヒト化抗体は、抗体BR2-14aより大きな、LIV-1に対するアフィニティを有する。もう1つの実施形態においては、該ヒト化抗体は、0.5〜2×109 M-1の、ヒトまたはカニクイザルLIV-1に対する会合定数を有する。

0013

本発明は更に、H29、H30およびH76位がそれぞれI、EおよびNにより占有されている、配列番号10の3つのCDRを含む成熟重鎖可変領域と、L36位がYにより占有されている、配列番号15の3つのCDRを含む成熟軽鎖可変領域とを含むヒト化抗体を提供する。

0014

本発明は更に、前記ヒト化抗体のいずれかの成熟重鎖可変領域および/または成熟軽鎖可変領域をコードする核酸を提供する。

0015

本発明は更に、癌または癌のリスクを有する患者の治療方法であって、前記ヒト化抗体のいずれかの有効形態を該患者に投与することを含む治療方法を提供する。場合によっては、該癌は乳癌、子宮頸癌、メラノーマまたは前立腺癌でありうる。

0016

本発明は更に、前記ヒト化抗体を含む医薬組成物を提供する。

0017

本発明は更に、三重陰性乳癌またはそのリスクを有する患者の治療方法であって、LIV-1に特異的に結合する抗体の有効形態を該患者に投与することを含む治療方法を提供する。場合によっては、そのような方法においては、該抗体は細胞毒性または静細胞物質にコンジュゲート化されている。

図面の簡単な説明

0018

図1はヒト化LIV-1重鎖可変領域(上の2つのパネル)および軽鎖可変領域(下の2つのパネル)に対する親マウスmAb(BR2-14aと称される)のアミノ酸配列のアライメントを示す。
図2はヒト化LIV-1 mAbおよび親マウス抗体(BR2-14aと称される)に関する結合曲線を示す。
図3はヒト化LIV-1 mAbおよび親マウス抗体(BR2-14aと称される)の競合結合研究の結果を示す。各変異体の後の括弧内の数字復帰突然変異の数を示す。
図4はMCF7細胞上の飽和結合研究の結果を示す。BR2-14a-AFはAF標識親マウス抗体を意味する。hLIV-14は、LIV-1に特異的に結合するヒト化抗体であるAF標識HBLB抗体を意味する。
図5は、組換えLIV-1タンパク質を発現するCHO細胞上の競合結合研究の結果を示す。BR2-14aは親マウス抗体を意味する。hLIV-14 HBLB WTはHBLB抗体を意味する。hLIV-14 HBLB S239Cは、重鎖内の各位置にセリンからシステインへの置換を有するHBLB抗体を意味する。
図6はホルモン処理乳癌患者サンプル上のIHCによるLIV-1タンパク質発現分析を示す。
図7はホルモン治療抵抗性転移性前立腺癌患者サンプル上のIHCによるLIV-1タンパク質発現の分析を示す。
図8は三重陰性乳癌患者サンプル上のIHCによるLIV-1タンパク質発現の分析を示す。
図9はhLIV-14抗体薬物コンジュゲート(すなわち、vcMMAE(1006)またはmcMMAF(1269)にコンジュゲート化されたHBLB mAb)ならびに対照マウス(mIgG)およびヒト(hIgG)抗体のコンジュゲートに関する細胞毒性アッセイの結果を示す。hLIV-14-SEA-1006は、vcMMAE(1006)にコンジュゲート化されたHBLB mAbの非フコシル化形態を意味する。
図10は、ヒトNK細胞ドナー1;V/V)を使用するMCF7細胞上のin vitroADCCアッセイの結果を示す。hLIV-14 WTはHBLB mAbを意味する。hLIV-14 SEAはHBLB mAbの非フコシル化形態を意味する。hLIV-1 mcMMAFは、mcMMAFにコンジュゲート化されたHBLB mAbの抗体薬物コンジュゲートを意味する。hLIV-14 vcMMAEは、vcMMAEにコンジュゲート化されたHBLB mAbの抗体薬物コンジュゲートを意味する。hLIV-14 SEA vcMMAEはHBLB mAb-vcMMAE抗体薬物コンジュゲートの非フコシル化形態を意味する。
図11は、ヒトNK細胞(ドナー2)を使用するMCF7細胞上のin vitro ADCCアッセイの結果を示す。hLIV-14 WTはHBLB mAbを意味する。hLIV-14 SEAはHBLB mAbの非フコシル化形態を意味する。cLIV-14 SEAは該キメラ親マウス抗体の非フコシル化形態を意味する。hLIV-14 mcF(4)は、抗体1個当たり平均4個のmcMMAF薬物リンカー分子を有するHBLB mAbの抗体薬物コンジュゲートを意味する。hLIV-14 vcE(4)は、抗体1個当たり平均4個のvcMMAE薬物リンカー分子を有するHBLB mAbの抗体薬物コンジュゲートを意味する。hLIV-14 vcE(4) SEAは、抗体1個当たり平均4個のvcMMAE薬物リンカー分子を有するHBLB mAb-vcMMAE抗体薬物コンジュゲートの非フコシル化形態を意味する。hIgGは対照ヒトIgGを意味する。H00-mcF(4)は、抗体1個当たり平均4個のmcMMAF薬物リンカー分子を有する非結合抗体の対照抗体薬物コンジュゲートを意味する。H00-vcE(4)は、抗体1個当たり平均4個のvcMMAE薬物リンカー分子を有する非結合抗体の対照抗体薬物コンジュゲートを意味する。
図12はヌードマウスにおけるMCF7乳癌系の異種移植研究の結果を示す。cLIV-14 mcMMAF(4)は、抗体1個当たり平均4個のmcMMAF薬物リンカー分子を有する親マウス抗体のキメラ形態の抗体薬物コンジュゲートを意味する。cLIV-14-vcMMAE(4)は、抗体1個当たり平均4個のvcMMAE薬物リンカー分子を有する親マウス抗体のキメラ形態の抗体薬物コンジュゲートを意味する。H00-mcMMAF(4)は、抗体1個当たり平均4個のmcMMAF薬物リンカー分子を有する非結合対照抗体の抗体薬物コンジュゲートを意味する。H00-vcMMAE(4)は、抗体1個当たり平均4個のvcMMAE薬物リンカー分子を有する非結合対照抗体の抗体薬物コンジュゲートを意味する。投与の用量および時間は該図に示されている。
図13は雄ヌードマウスにおけるPC3前立腺癌系の異種移植研究の結果を示す。cLIV-14-vcMMAE(4)は、抗体1個当たり平均4個のvcMMAE薬物リンカー分子を有する親マウス抗体のキメラ形態の抗体薬物コンジュゲートを意味する。hBU12-vcMMAE(4)は、抗体1個当たり平均4個のvcMMAE薬物リンカー分子を有する抗CD19抗体の抗体薬物コンジュゲートを意味する。投与の用量および時間は該図に示されている。
図14はヌードマウスにおけるMCF7乳癌系の異種移植研究の結果を示す。hLIV-14-vcMMAE(4)は、抗体1個当たり平均4個のvcMMAE薬物リンカー分子を有するHBLB抗体の抗体薬物コンジュゲートを意味する。hLIV-14d-vcMMAE(2)は、抗体1個当たり平均2個のvcMMAE薬物リンカー分子(それぞれは各重鎖のS239C位においてコンジュゲート化されている)を有するHBLB抗体の抗体薬物コンジュゲートを意味する。H00-vcMMAE(4)は、抗体1個当たり平均4個のvcMMAE薬物リンカー分子を有する非結合対照抗体の抗体薬物コンジュゲートを意味する。投与の用量および時間は該図に示されている。
図15は雄ヌードマウスにおけるPC3前立腺癌系の異種移植研究の結果を示す。hLIV-14-vcMMAE(4)は、抗体1個当たり平均4個のvcMMAE薬物リンカー分子を有するHBLB抗体の抗体薬物コンジュゲートを意味する。hLIV-14-mcMMAF(4)は、抗体1個当たり平均4個のmcMMAF薬物リンカー分子を有するHBLB抗体の抗体薬物コンジュゲートを意味する。hLIV-14d-vcMMAE(2)は、抗体1個当たり平均2個のvcMMAE薬物リンカー分子(それぞれは各重鎖のS239C位においてコンジュゲート化されている)を有するHBLB抗体の抗体薬物コンジュゲートを意味する。hLIV-14d-mcMMAF(2)は、抗体1個当たり平均2個のmcMMAF薬物リンカー分子(それぞれは各重鎖のS239C位においてコンジュゲート化されている)を有するHBLB抗体の抗体薬物コンジュゲートを意味する。H00-vcMMAE(4)は、抗体1個当たり平均4個のvcMMAE薬物リンカー分子を有する非結合対照抗体の抗体薬物コンジュゲートを意味する。H00-mcMMAF(4)は、抗体1個当たり平均4個のmcMMAF薬物リンカー分子を有する非結合対照抗体の抗体薬物コンジュゲートを意味する。投与の用量および時間は該図に示されている。
図16Aおよび16Bは、ヒト化重鎖(図16A)および軽鎖(図16B)成熟可変領域の、マウスBR2-22aのものに対するアライメントを示す。
図16Aおよび16Bは、ヒト化重鎖(図16A)および軽鎖(図16B)成熟可変領域の、マウスBR2-22aのものに対するアライメントを示す。
図17は、マウスモノクローナル抗LIV-1抗体BR2-22aに由来するヒト化重鎖HA-HFおよびヒト化軽鎖LA-LFの種々の順列の競合結合アッセイを示す。各軽鎖または重鎖におけるマウス復帰突然変異の合計数が括弧内に示されている。HELFのみが結合の十分な保持を示した。
図18は、抗原結合に対する個々の復帰突然変異の寄与を試験するための、HEおよびLF鎖の系統的変異を示す。潜在的体細胞超突然変異の部位は括弧内に示されている。マウス残基は下線で示されている。残りの残基はヒト生殖系列残基である。
図19は、該図の上部において、LF変異体の競合結合を示す。試験された復帰突然変異は該図の下部に示されている。マウス残基は下線で示されている。残りの残基はヒト生殖系列残基である。
図20は、該図の上部において、HE変異体の競合結合を示す。試験された復帰突然変異は該図の下部に示されている。マウス残基は下線で示されている。残りの残基はヒト生殖系列残基である。
図21はHE、HF、HGならびにLFおよびLGの種々の順列の競合結合を示す。
図22は、CHO細胞から発現されたヒトおよびシノモルグスLIV-1上のヒト化LIV14抗体およびヒト化LIV22抗体の飽和結合を示す。
図23は144時間の処理の後のMCF-7細胞上のヒト化LIV22-vcMMAEの細胞毒性活性を示す。h00-1006は対照薬物コンジュゲート化抗体である。
図24は144時間の処理の後のMCF-7細胞上のhLIV22-mcMMAFの細胞毒性活性を示す。h00-1269は対照薬物コンジュゲート化抗体である。
図25はヌード雌マウスにおけるPC3(DSMZ)前立腺癌モデルにおけるhLIV22抗体の活性を示す。投与日はx軸上の三角形記号で示されている。
図26はヌードマウスにおけるMCF7(NCI)乳癌腫瘍におけるhLIV22抗体の活性を示す。
図27は、図26と同じモデルにおいてhLIV22およびhLIVの活性を比較している。
図28はメラノーマ癌患者サンプル上のIHCによるLIV-1タンパク質発現の分析を示す。

実施例

0019

定義
モノクローナル抗体は、典型的には、単離された形態で提供される。このことは、抗体が、典型的には、阻害タンパク質およびその製造または精製に起因する他の混入物から少なくとも50%(w/w)純粋であることを意味し、該モノクローナル抗体が、その使用を促進するように意図された過剰の製薬上許容される担体または他のビヒクル組合される可能性を除外するものではない。時には、モノクローナル抗体は、阻害タンパク質および製造または精製からの混入物から少なくとも60%、70%、80%、90%、95%または99%(w/w)純粋である。

0020

モノクローナル抗体の、その標的抗原への特異的結合は、少なくとも106、107、108、109または1010 M-1のアフィニティを意味する。特異的結合は、大きさにおいて、より高く検出可能であり、少なくとも1つの無関連標的に対して生じた非特異的結合から区別されうる。特異的結合は特定の官能基の間の結合の形成または特定の空間的嵌合(例えば、鍵-鍵穴型)の結果でありうる。一方、非特異的結合は、通常、ファンデルワールス力の結果である。しかし、特異的結合は、モノクローナル抗体が1つ及び唯一の標的に結合することを、必ずしも示唆するわけではない。

0021

基本的な抗体構造単位はサブユニット四量体である。各四量体は、ポリペプチド鎖の、2つの同一ペアを含み、各ペアは1本の「軽」鎖(約25kDa)および1本の「重」鎖(約50〜70kDa)を有する。各鎖のアミノ末端部分は、主として抗原認識をもたらす約100〜110個またはそれ以上のアミノ酸の可変領域を含む。この可変領域は、まず、切断可能なシグナルペプチドに連結された状態で発現される。該シグナルペプチドを伴わない可変領域は成熟可変領域と称されることもある。したがって、例えば、軽鎖成熟可変領域は、軽鎖シグナルペプチドを伴わない軽鎖可変領域を意味する。各鎖のカルボキシ末端部分は、主としてエフェクター機能をもたらす定常領域である。

0022

軽鎖はカッパまたはラムダのいずれかとして分類される。重鎖はガンマ、ミューアルファデルタまたはイプシロンとして分類され、それぞれIgG、IgMIgAIgDおよびIgEとしての抗体のイソタイプを定める。軽鎖および重鎖においては、可変領域および定常領域は約12個またはそれ以上のアミノ酸の「J」領域により連結され、重鎖は約10個またはそれ以上のアミノ酸の「D」領域をも含む(全般的には、Fundamental Immunology, Paul, W.編, 2nd ed. Raven Press, N.Y., 1989, Ch. 7(その全体を全ての目的で参照により本明細書に組み入れることとする)を参照されたい)。

0023

各軽鎖/重鎖ペアの成熟可変領域は抗体結合部位を形成する。したがって、完全抗体は2つの結合部位を有する。二官能性または二重特異性抗体の場合を除き、それらの2つの結合部位は同一である。それらの鎖は全て、相補性決定領域またはCDRとも称される3つの超可変領域により連結された比較的保存されたフレームワーク領域(FR)の、同じ一般的構造を示す。各ペアの2本の鎖からのCDRはフレームワーク領域により整列されて、特異的エピトープへの結合を可能にする。軽鎖および重鎖は共に、N末端からC末端へと順に、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3およびFR4のドメインを含む。各ドメインへのアミノ酸の割り当ては、Kabat, Sequences of Proteins of Immunological Interest (National Institutes of Health, Bethesda, MD, 1987および1991)またはChothia & Lesk, J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987); Chothiaら, Nature 342:878-883 (1989)に従っている。Kabatはまた、広く用いられている番号づけ規則(Kabat番号づけ)を記載しており、それにおいては、異なる重鎖間または異なる軽鎖間の対応残基は同一番号が割り当てられる。

0024

「抗体」なる語は完全抗体およびその結合性フラグメントを含む。典型的には、抗体フラグメントは、それらが由来する完全抗体と、標的への特異的結合に関して競合し、分離した重鎖、軽鎖、Fab、Fab'、F(ab')2、F(ab)c、ジアボディ、Dab、ナノボディおよびFvを含む。フラグメントは、組換えDNA技術により、または完全免疫グロブリン酵素的もしくは化学的分離により製造されうる。「抗体」なる語はまた、ジアボディ(ホモ二量体Fvフラグメント)またはミニボディ(VL-VH-CH3)、二重特異性抗体などを含む。二重特異性または二官能性抗体は、2つの異なる重鎖/軽鎖ペアおよび2つの異なる結合部位を有する人工ハイブリッド抗体である(例えば、SongsivilaiおよびLachmann, Clin. Exp. Immunol., 79:315-321 (1990); Kostelnyら, J. Immunol., 148:1547-53 (1992)を参照されたい)。「抗体」なる語は、抗体そのもの(抗体)、または細胞毒性もしくは静細胞薬にコンジュゲート化された抗体を含む。

0025

「エピトープ」なる語は、抗体が結合する、抗原上の部位を意味する。エピトープは、連続的アミノ酸、または1以上のタンパク質の三次折り畳みにより並置した非連続的アミノ酸から形成されうる。連続的アミノ酸から形成されるエピトープは、典型的には、変性溶媒にさらされても保持されるが、三次折り畳みにより形成されるエピトープは、典型的には、変性溶媒で処理されると失われる。エピトープは、典型的には、少なくとも3個、より通常は、少なくとも5個または8〜10個のアミノ酸を、特有の空間的コンホメーションで含む。エピトープの空間的コンホメーションを決定する方法は、例えば、X線結晶解析および二次元核磁気共鳴を含む。例えば、Epitope MappingProtocols, Methodsin Molecular Biology, Vol. 66, Glenn E. Morris編, (1996)を参照されたい。

0026

同一または重複エピトープを認識する抗体は、1つの抗体が標的抗原へのもう1つの抗体の結合と競合する能力を示す簡便なイムノアッセイにおいて特定されうる。抗体のエピトープは、対応抗原に結合した該抗体のX線結晶解析により接触残基を特定することにより定められうる。あるいは、2つの抗体は、一方の抗体の結合を低減または排除する、抗原内の全てのアミノ酸突然変異が、他方の結合を低減または排除する場合、同一エピトープを有する。2つの抗体は、一方の抗体の結合を低減または排除する幾つかのアミノ酸突然変異が他方の結合を低減または排除する場合、重複エピトープを有する。

0027

抗体間の競合は、試験中の抗体が共通抗原への参照抗体の特異的結合を抑制するアッセイにより決定される(例えば、Junghansら, Cancer Res. 50:1495, 1990を参照されたい)。過剰な試験抗体(例えば、少なくとも2倍、5倍、10倍、20倍または10倍)が参照抗体の結合を競合結合アッセイでの測定で少なとも50%、好ましくは75%、90%または99%抑制する場合、試験抗体は参照抗体と競合する。競合アッセイにより特定される抗体(競合抗体)には、参照抗体と同じエピトープに結合する抗体、および参照抗体が結合するエピトープに立体障害発生に十分な程度に接近している隣接エピトープに結合する抗体が含まれる。

0028

「患者」なる語は、予防的または治療的治療を受けるヒトおよび他の哺乳動物対象を含む。

0029

アミノ酸置換を保存的または非保存的として分類する目的においては、アミノ酸は以下のとおりに分類される:グループI(疎水性側鎖): met, ala, val, leu, ile; グループII(中性親水性側鎖): cys, ser, thr; グループIII(酸性側鎖): asp, glu; グループIV(塩基性側鎖): asn, gln, his, lys, arg; グループV(鎖配向に影響を及ぼす残基): gly, pro; およびグループVI(芳香族側鎖): trp, tyr, phe。保存的置換は同じクラスのアミノ酸の間の置換を含む。非保存的置換は、これらのクラスの1つのメンバーを別のクラスのメンバーと交換することである。

0030

配列同一性(%)は、Kabat番号づけ規則により最大限度にアライメントされた抗体配列に関して決定される。アライメント後対象抗体領域(例えば、重鎖または軽鎖の全成熟可変領域)が参照抗体の同じ領域と比較されている場合、該対象抗体領域と参照抗体領域との間の配列同一性(%)は、該対象および参照抗体領域の両方において同一アミノ酸により占有されている位置の数を、それらの2つの領域のアライメント位置総数ギャップは計数されない)で割り算し、それに100を掛け百分率に変換したものである。

0031

1以上の列挙要素を「含む」組成物または方法は、具体的に列挙されていない他の要素を含みうる。例えば、抗体を含む組成物は、該抗体のみ、またはそれと組合される他の成分を含有しうる。

0032

ある範囲の値の表示は、該範囲内の又は該範囲を定める全ての整数を含む。

0033

抗体エフェクター機能は、IgFcドメインによりもたらされる機能を意味する。そのような機能は、例えば、抗体依存性細胞性細胞傷害、抗体依存性細胞性食作用または補体依存性細胞傷害を含みうる。そのような機能は、例えば、食作用または細胞溶解活性を有する免疫細胞上のFc受容体へのFcエフェクタードメインの結合により、あるいは補体系の成分へのFcエフェクタードメインの結合によりもたらされうる。典型的には、該Fc結合細胞または補体成分によりもたらされる効果はLIV-1標的化細胞の抑制および/または喪失を引き起こす。抗体のFc領域は受容体(FcR)発現細胞を呼び寄せ、それらを抗体被覆標的細胞と並置させる。FcγRIII(CD16)、FcγRII(CD32)およびFcγRIII(CD64)を含むIgGに対する表面FcRを発現する細胞は、IgG被覆細胞破壊のためのエフェクター細胞として作用しうる。そのようなエフェクター細胞には、単球マクロファージナチュラルキラー(NK)細胞、好中球および好酸球が含まれる。IgGによるFcγRの関与は抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)または抗体依存性細胞性食作用(ADCP)を活性化する。ADCCは、膜孔形成性タンパク質およびプロテアーゼ分泌を介して、CD16+ エフェクター細胞により引き起こされ、一方、食作用はCD32+およびCD64+ エフェクター細胞により引き起こされる(Fundamental Immunology, 4th ed., Paul編, Lippincott-Raven, N.Y., 1997, Chapters 3, 17および30; Uchidaら, 2004, J. Exp. Med. 199:1659-69; Akewanlopら, 2001, Cancer Res. 61:4061-65; Watanabeら, 1999, Breast Cancer Res. Treat. 53:199-207を参照されたい)。ADCCおよびADCPに加えて、細胞結合抗体のFc領域は補体古典的経路をも活性化して、補体依存性細胞傷害(CDC)を惹起しうる。補体系のC1qは、抗体のFc領域に、それらが抗原と複合体を形成すると、結合する。細胞結合抗体へのC1qの結合は、C3コンベルターゼを産生させるC4およびC2のタンパク質分解活性化を含む事象カスケード始動しうる。C3コンベルターゼによるC3からC3bへの切断は、C5b、C6、C7、C8およびC9を含む末端補体成分の活性化を可能にする。総合すると、これらのタンパク質は抗体被覆細胞上に膜攻撃複合体孔を形成する。これらの孔は細胞膜完全性を損なって、標的細胞を殺す(Immunobiology, 6th ed., Janewayら, Garland Science, N. Y., 2005, Chapter 2を参照されたい)。

0034

「抗体依存性細胞性細胞傷害」またはADCCなる語は、細胞溶解活性を有する免疫細胞(エフェクター細胞とも称される)との抗体被覆標的細胞の相互作用に依存する細胞死誘導するためのメカニズムである。そのようなエフェクター細胞には、ナチュラルキラー細胞、単球/マクロファージおよび好中球が含まれる。該エフェクター細胞は、抗原結合部位を介して標的細胞に結合したIgのFcエフェクタードメインに結合する。エフェクター細胞活性の結果として、抗体被覆標的細胞の死が生じる。

0035

「抗体依存性細胞性食作用」またはADCPなる語は、IgのFcエフェクタードメインに結合する食作用免疫細胞(例えば、マクロファージ、好中球および樹状細胞)により抗体被覆細胞が全体的または部分的にインターナリゼーションされる過程を意味する。

0036

「補体依存性細胞傷害」またはCDCなる語は、最終的に標的細胞膜に孔を形成する一連酵素反応標的結合抗体のFcエフェクタードメインが活性化する、細胞死を誘導するためのメカニズムを意味する。典型的には、抗原-抗体複合体(例えば、抗体被覆標的細胞上のもの)が補体成分C1qに結合し、それを活性化し、今度はそれが補体カスケードを活性化して、標的細胞死を招く。補体の活性化は、白血球上の補体受容体(例えば、CR3)への結合によりADCCを促進する、標的細胞表面上の補体成分の沈着をも引き起こしうる。

0037

「細胞毒性(細胞傷害)効果」は標的細胞の減少、排除および/または殺傷を意味する。「細胞毒性物質」は、細胞に細胞毒性効果をもたらす物質を意味する。細胞毒性物質は抗体にコンジュゲート化されることが可能であり、あるいは抗体と共に投与されることが可能である。

0038

「静細胞効果」は細胞増殖の抑制を意味する。「静細胞物質」は、細胞に静細胞効果をもたらして細胞の特異的サブセットの成長および/または増殖を抑制する物質を意味する。静細胞物質は抗体にコンジュゲート化されることが可能であり、あるいは抗体と共に投与されることが可能である。

0039

「製薬上許容される」なる語は、動物、より詳しくはヒトにおける使用に関して、連邦政府または州政府の規制機関により承認されている又は承認されうること、あるいは米国薬局方または他の一般的に認識されている薬局方に収載されていることを意味する。「製薬上許容される成分」なる語は、抗LIV-1抗体と共に使用される製薬上許容される希釈剤アジュバント賦形剤またはビヒクルを意味する。

0040

「製薬上許容される塩」なる語は、抗LIV-1抗体もしくはそのコンジュゲートまたは抗LIV-1抗体と共に投与される物質の製薬上許容される有機または無機塩を意味する。典型的な塩には、硫酸塩、クエン酸塩酢酸塩シュウ酸塩塩化物ヨウ化物硝酸塩重硫酸塩リン酸塩、酸ホスファートイソニコチン酸乳酸サリチル酸塩、酸シトラート酒石酸塩オレイン酸塩タンニン酸塩パントテン酸塩、二酒石酸塩、アスコルビン酸塩コハク酸塩マレイン酸塩ゲンチジン酸塩、フマル酸塩グルコン酸塩グルクロン酸塩、サッカリン酸塩ギ酸塩安息香酸塩グルタミン酸塩メタンスルホン酸塩エタンスルホン酸塩ベンゼンスルホン酸塩、pトルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩(すなわち、1,1’メチレンビス-(2ヒドロキシ3ナフトアート))が含まれる。製薬上許容される塩は、アセタートイオンスクシナートイオンまたは他の対イオンのような別の分子包含を含みうる。該対イオンは、該親化合物上の電荷を安定化するいずれかの有機または無機部分でありうる。更に、製薬上許容される塩はその構造内に2以上の荷電原子を有しうる。複数の荷電原子が、製薬上許容される塩の一部である例は、複数の対イオンを有しうる。したがって、製薬上許容される塩は1以上の荷電原子および/または1以上の対イオンを有しうる。

0041

そうでないことが文脈から明らかでない限り、「約」なる語は、示されている値の標準偏差内の値を含む。

0042

詳細な説明
I.概括
本発明は、LIV-1に特異的に結合するモノクローナル抗体を提供する。該抗体は種々の癌の治療および診断ならびにLIV-1の検出に有用である。

0043

II.標的分子
特に示されていない限り、LIV-1はヒトLIV-1を意味する。典型的なヒト配列にはSwiss Protアクセッション番号Q13433が割り当てられている。Q13433は本明細書中には配列番号83として含まれる。3つの変異体アイソフォームおよび1つの多形が公知である。ヒトLIV-1タンパク質の第2の形態であるアクセッション番号AAA96258.2は本明細書中には配列番号84として含まれる。4つの細胞外ドメインは、Q13433のそれぞれ残基29-325、377-423、679-686および746-755により、境界が定められる。

0044

そうでないことが文脈から明らかでない限り、LIV-1に対する言及は該タンパク質の少なくとも細胞外ドメインを、そして通常は、切断可能なシグナルペプチド(Q13433のアミノ酸1-28)以外の完全なタンパク質を意味する。

0045

III.本発明の抗体
A.結合特異性および機能特性
本発明は、2つのマウス抗体BR2-14aおよびBR2-22aから誘導されたヒト化抗体を提供する。特に示されていない限り、本開示は両方の抗体に関するものである。それらの2つのマウス抗体は、成熟重鎖および軽鎖可変領域において、お互いに対して94%および91%の配列同一性を示す。それらの2つの抗体はヒトLIV-1上の同一または重複エピトープに結合する。しかし、図22に示されているとおり、BR2-22a抗体は、BR2-14aより、ヒトLIV-1に対する約10倍高いアフィニティ、およびカニクイザルLIV-1に対する約3倍高いアフィニティを有する。

0046

マウスBR2-14a抗体のヒト化形態のアフィニティ(すなわち、Ka)は、好ましくは、ヒトLIV-1に対するマウス抗体BR2-14aの場合の5倍(5のファクター)または2倍(2のファクター)以内である。ヒト化BR2-14a抗体は、それが由来するマウス抗体と同様、天然形態のおよび/またはCHO細胞から組換え発現されたヒトLIV-1に特異的に結合する。好ましいヒト化BR2-14a抗体は、ヒトLIV-1に対するBR2-14aの場合と同じ又はそれより大きな(すなわち、測定誤差の範囲を超えて、より大きな)(例えば、BR2-14aのアフィニティの1.1〜5倍、1.1〜3倍、1.5〜3倍、1.7〜2.3倍または1.7〜2.1倍、あるいは約2倍の)アフィニティを有する。好ましいヒト化BR2-14a抗体は同じエピトープに結合し、および/またはヒトLIV-1への結合に関してBR2-14aと競合する。好ましいヒト化BR2-14a抗体はまた、LIV-1のシノ-ホモログに結合して、非ヒト霊長類における前臨床試験を可能にする。

0047

天然で発現された又はCHO細胞から発現されたヒトLIV-1に対するマウスBR2-22a抗体のヒト化形態のアフィニティ(すなわち、Ka)は、好ましくは、マウス抗体BR2-22の場合の5倍(5のファクター)または2倍(2のファクター)以内である。幾つかのヒト化BR2-22a抗体は、BR2-22aの場合と実質的に同じ(すなわち、実験誤差内の)会合定数を有する。幾つかのヒト化BR2-22a抗体はBR2-22a抗体の会合定数の0.5〜1または0.5〜1.5倍の範囲内の会合定数を有する。好ましいヒト化BR2-22a抗体は、5×108 M-1より大きな、または0.5〜2×109 M-1の範囲、または約0.8×109 M-1(+/-測定誤差)の、CHO細胞から発現されたヒトLIV-1に対する会合定数を有する。この場合、本出願のどこかに記載されているとおり、アフィニティは実施例の方法に従い測定されうる。好ましいヒト化BR2-22a抗体は同じエピトープに結合し、および/またはヒトLIV-1への結合に関してBR2-22aと競合する。ヒトBR2-22a抗体は、ヒトLIV-1だけでなくLIV-1のシノ-ホモログにも結合する。好ましいヒト化BR2-22a抗体は、共にCHO細胞から発現されたヒトおよびカニクイザルLIV-1に、(実験誤差内の)実質的に同じ会合定数で結合して、非ヒト霊長類における臨床試験を可能にし、該試験の予測精度を高める。

0048

培養内で増殖する癌性細胞動物モデルまたは臨床治験において示されるとおり、好ましい抗体(ヒト化BR2-14aおよびヒト化BR2-22aの両方)は癌(例えば、細胞の成長、転移および/または生物致死性)を抑制する。動物モデルは、LIV-1発現ヒト腫瘍細胞系を適当な免疫欠損げっ歯類系統(例えば、無胸腺ヌードマウスまたはSCIDマウス)内に移植することにより作製されうる。これらの腫瘍細胞系は、皮下注射により充実性腫瘍として、または静脈内注射により散在性腫瘍として、免疫欠損げっ歯類宿主内で樹立されうる。宿主内で樹立されると、これらの腫瘍モデルは、実施例に記載されているとおり、抗LIV-1抗体またはそのコンジュゲート化形態の治療効力を評価するために適用されうる。

0049

B.ヒト化抗体
ヒト化抗体は、非ヒト「ドナー」抗体からのCDRがヒト「アクセプター」抗体配列内にグラフティングされている、遺伝的に操作された抗体である(例えば、Queen, US 5,530,101および5,585,089; Winter, US 5,225,539; Carter, US 6,407,213; Adair, US 5,859,205; ならびにFoote, US 6,881,557を参照されたい)。該アクセプター抗体配列は、例えば、成熟ヒト抗体配列、そのような配列の複合体、ヒト抗体配列のコンセンサス配列、または生殖系列領域配列でありうる。重鎖の場合には、好ましいアクセプター配列は、生殖系列VHエキソンVH1-2(該文献においてはHV1-2とも称される)(Shinら, 1991,EMBO J. 10:3641-3645)、そしてヒンジ領域(JH)の場合にはエキソンJH-6(Mattilaら, 1995, Eur. J. Immunol. 25:2578-2582)である。軽鎖の場合には、好ましいアクセプター配列はエキソンVK2-30(該文献においてはKV2-30とも称される)、そしてヒンジ領域の場合にはエキソンJκ-4(Hieterら, 1982, J. Biol. Chem. 257:1516-1522)である。したがって、ヒト化抗体は、ドナー抗体に完全または実質的に由来する一部または全部のCDRと、ヒト抗体配列に完全または実質的に由来する可変領域フレームワーク配列および定常領域(存在する場合)とを有する抗体である。同様に、ヒト化重鎖は、ドナー抗体重鎖に完全または実質的に由来する少なくとも1個、2個、および通常は全3個のCDRと、ヒト重鎖可変領域フレームワークおよび定常領域配列に実質的に由来する重鎖可変領域フレームワーク配列および重鎖定常領域(存在する場合)とを有する。同様に、ヒト化軽鎖は、ドナー抗体軽鎖に完全または実質的に由来する少なくとも1個、2個、および通常は全3個のCDRと、ヒト軽鎖可変領域フレームワークおよび定常領域配列に実質的に由来する軽鎖可変領域フレームワーク配列および軽鎖定常領域(存在する場合)とを有する。ナノボディおよびdAbとは異なり、ヒト化抗体はヒト化重鎖およびヒト化軽鎖を含む。ヒト化抗体におけるCDRが非ヒト抗体における対応CDRに実質的に由来すると言えるのは、(Kabatにより定められた場合に)対応残基の少なくとも60%、85%、90%、95%または100%がそれぞれのCDR間で同一である場合である。抗体鎖の可変領域フレームワーク配列または抗体鎖の定常領域がそれぞれヒト可変領域フレームワーク配列またはヒト定常領域に実質的に由来すると言えるのは、Kabatにより定められた場合に対応残基の少なくとも85%、90%、95%または100%が同一である場合である。

0050

ヒト化抗体は、しばしば、マウス抗体に由来する全6個のCDR(好ましくはKabatにより定められた場合)を含むが、それらは、全CDRより少数(例えば、少なくとも3個、4個または5個)がマウス抗体由来であることも可能である(例えば、Pascalisら, J. Immunol. 169:3076, 2002; Vajdosら, Journal of Molecular Biology, 320: 415-428, 2002; Iwahashiら, Mol. Immunol. 36:1079-1091, 1999; Tamuraら, Journal of Immunology, 164:1432-1441, 2000)。

0051

ヒト可変領域フレームワーク残基からの或るアミノ酸は、CDRコンホメーションおよび/または抗原への結合に対するそれらの考えられうる影響に基づいて、置換のために選択されうる。そのような考えられうる影響の考察は、モデル化、特定の位置におけるアミノ酸の特徴の精査、または特定のアミノ酸の置換もしくは突然変異誘発の効果の実験的観察による。

0052

例えば、マウス可変領域フレームワーク残基と、選択されたヒト可変領域フレームワーク残基との間でアミノ酸が異なる場合、該アミノ酸が、
(1)抗原に直接的に非共有結合する、
(2)CDR領域に隣接している、
(3)以下の置換をしなければ、CDR領域と相互作用する(例えば、CDR領域から約6オングストローム以内である)、または
(4)重鎖と軽鎖との間の相互作用を引き起こす、と合理的に予想される場合には、該ヒトフレームワークアミノ酸はマウス抗体からの同等なフレームワークアミノ酸により置換されうる。

0053

本発明は、5個の例示されたヒト化重鎖成熟可変領域(HA〜HE)と6個の例示されたヒト化軽鎖成熟可変領域(LA〜LF)とを含む、マウスBR2-14a抗体のヒト化形態を提供する。最強の結合(最低のEC50)を示すこれらの鎖の順列はHBLB、HBLF、HCLB、HCLF、HDLB、HDLF、HELEおよびHELFである。これらの順列のうち、HBLB(hLIV14としても公知である)が好ましい。なぜなら、それはマウスドナー抗体より約2倍強力な最強の結合を示し、最少の復帰突然変異(4個)を有するからである。

0054

本発明は、ヒト化重鎖成熟可変領域が配列番号10に対して少なくとも90%、95%または99%の同一性を示し、ヒト化軽鎖成熟可変領域が配列番号15に対して少なくとも90%、95%または99%の配列同一性を示す、HBLBヒト化抗体の変異体を提供する。好ましくは、そのような抗体においては、HBLBにおける復帰突然変異の一部または全部が保有される。換言すれば、重鎖のH29、H30およびH76位の少なくとも1個、2個または好ましくは全3個がそれぞれIおよびEおよびNにより占有されている。同様に、L36位は、好ましくは、Yにより占有されている。そのようなヒト化抗体のCDR領域は、好ましくは、マウスドナー抗体のものと同じであるHBLBのCDR領域と実質的に同一である。該CDR領域はいずれかの通常の定義(例えば、Chothia)により定められうるが、好ましくは、Kabatにより定められる。1つの実施形態においては、該ヒト化抗体は、配列番号10の3個のCDRと、配列番号10の可変領域フレームワークに対して少なくとも95%の同一性を有する可変領域フレームワークとを含む重鎖を含む。もう1つの実施形態においては、該ヒト化抗体は、配列番号15の3個のCDRと、配列番号15の可変領域フレームワークに対して少なくとも95%の同一性を有する可変領域フレームワークとを含む含む軽鎖を含む。もう1つの実施形態においては、該ヒト化抗体は、配列番号10の3個のCDRと、配列番号10の可変領域フレームワークに対して少なくとも95%の同一性を有する可変領域フレームワークとを含む重鎖、および配列番号15の3個のCDRと、配列番号15の可変領域フレームワークに対して少なくとも95%の同一性を有する可変領域フレームワークとを含む軽鎖を含む。

0055

ヒト化抗体が、例示されているHBLBヒト化抗体からのいずれかの変異を示す場合、そのような追加的変異の可能性の1つは可変領域フレームワークにおける追加的な復帰突然変異である。他の例示されているヒト化重鎖または軽鎖成熟可変領域における復帰突然変異した位置のいずれか又は全てにおいても生じうる(すなわち、重鎖におけるFにより占有されるH27、Nにより占有されるH28、Iにより占有されるH48、Kにより占有されるH66、Aにより占有されるH67、Aにより占有されるH71、Nにより占有されるH76、Nにより占有されるH93およびVにより占有されるH94の1、2、3、4、5、6、7、8または全9個、ならびに軽鎖におけるLにより占有されるL37、Kにより占有されるL39、Kにより占有されるL45およびLにより占有されるL46の1、2、3、4または全5個)。しかし、そのような追加的な復帰突然変異は好ましくない。なぜなら、それらは、一般に、アフィニティを改善せず、より多数のマウス残基の導入は免疫原性のリスクの増大を招きうるからである。

0056

本発明は、適当な結合により種々の順列で組合されうる(図21を参照されたい)、3個の例示されたヒト化重鎖成熟可変領域(HE、HFおよびHG)と2個の例示されたヒト化軽鎖(LFおよびLG)とを含む、マウスBR2-22a抗体のヒト化形態を提供する。これらの順列のうち、HGLG(hLIV22としても公知である)が好ましい。なぜなら、それは結合特性(実験誤差内でマウスBR2-22a抗体と実質的に同じ)と最少の復帰突然変異(7個)との最良の組合せを有するからである。

0057

本発明は、ヒト化重鎖成熟可変領域が配列番号53に対して少なくとも90%、95%、98%または99%の同一性を示し、ヒト化軽鎖成熟可変領域が配列番号60に対して少なくとも90%、95%、98%または99%の配列同一性を示す、HGLGヒト化抗体の変異体を提供する。好ましくは、そのような抗体においては、HGLGにおける復帰突然変異の一部または全部が保有される。換言すれば、重鎖のH27、H29、H30、H76およびH94位の少なくとも1、2、3、4または好ましくは全5個がL、I、E、NおよびVにより占有されている(この場合、本出願のどこかに記載されているとおり、成熟可変重鎖および軽鎖可変領域における位置を示すためにKabatの番号付けが用いられる)。これらの復帰突然変異のうち、H94が結合アフィニティの保持に最も寄与し、H76が最小の寄与を示す。同様に、L36およびL46位は、好ましくは、それぞれYおよびPにより占有されている。そのようなヒト化抗体のCDR領域は、好ましくは、マウスドナー抗体のものと同じであるHGLGのCDR領域と実質的に同一である。該CDR領域はいずれかの通常の定義(例えば、Chothia)により定められうるが、好ましくは、Kabatにより定められる。1つの実施形態においては、該ヒト化抗体は、配列番号53の3個のCDRと、配列番号53の可変領域フレームワークに対して少なくとも95%の同一性を有する可変領域フレームワークとを含む重鎖を含む。もう1つの実施形態においては、該ヒト化抗体は、配列番号60の3個のCDRと、配列番号60の可変領域フレームワークに対して少なくとも95%の同一性を有する可変領域フレームワークとを含む含む軽鎖を含む。もう1つの実施形態においては、該ヒト化抗体は、配列番号53の3個のCDRと、配列番号53の可変領域フレームワークに対して少なくとも95%の同一性を有する可変領域フレームワークとを含む重鎖、および配列番号60の3個のCDRと、配列番号60の可変領域フレームワークに対して少なくとも95%の同一性を有する可変領域フレームワークとを含む軽鎖を含む。

0058

ヒト化BR2-22a抗体が、例示されているHGLGヒト化抗体からのいずれかの変異を示す場合、そのような追加的変異の可能性の1つは可変領域フレームワークにおける追加的な復帰突然変異である。他の例示されているヒト化重鎖または軽鎖成熟可変領域における復帰突然変異した位置のいずれか又は全てにおいても生じうる(すなわち、重鎖におけるNにより占有されるH28、Iにより占有されるH48、Kにより占有されるH66、Aにより占有されるH67、Aにより占有されるH71、Tにより占有されるH93の1、2、3、4、5または全6個、ならびに軽鎖におけるLにより占有されるL37およびKにより占有されるL45の1または2個)。しかし、そのような追加的な復帰突然変異は好ましくない。なぜなら、それらは、一般に、アフィニティを改善せず、より多数のマウス残基の導入は免疫原性のリスクの増大を招きうるからである。

0059

もう1つの考えられうる変異は、マウス抗体のCDR内の或る残基が、ヒトCDR配列からの、典型的には、例示されているヒト化抗体の設計において使用されているヒトアクセプター配列のCDRからの対応残基で置換されることである。幾つかの抗体においては、CDRの一部だけ、すなわち、結合に要求されるCDR残基のサブセット(SDRと称される)だけが、ヒト化抗体における結合を保持するのに必要とされる。抗原に接触しない及びSDR内に存在しないCDR残基は、従来の研究に基づいて(例えば、CDR H12内の残基H60-H65は要求されないことが多い)、Chothia超可変ループの外部に位置するKabat CDRの領域から(Chothia, J. Mol. Biol. 196:901, 1987)、分子モデリングおよび/または実験的に、あるいはGonzalesら, Mol. Immunol. 41: 863 (2004)に記載されているとおりに特定されうる。そのようなヒト化抗体においては、1以上のドナーCDR残基が存在しない又は全ドナーCDRが省略されている位置において、該位置を占有するアミノ酸は、アクセプター抗体配列における(Kabatの番号づけによる)対応位置を占有するアミノ酸でありうる。含められるべきCDR内のドナーアミノ酸に対するアクセプターのそのような置換の数は、競合する考慮事項バランスを反映している。そのような置換は、ヒト化抗体内のマウスアミノ酸の数を減少させるのに、そして結果的に潜在的な免疫原性を低下させるのに潜在的に有利である。しかし、置換はアフィニティの変化をも引き起すことがあり、アフィテイにおける有意な低下は好ましくは回避される。もう1つの変異においては、ヒト化BR2-22a抗体のCDR内の1以上の残基(これらは、そうでなければ、マウスBR2-22a抗体のCDRと同じであろう)はマウスBR2-14a抗体からのCDRからの対応残基により置換されうる(または逆も成り立つ)。また、CDR内の置換のための位置および置換すべきアミノ酸は実験的に選択されうる。

0060

好ましいわけではないが、例えば、CDRと接触しないフレームワーク残基において、または更にはCDR内の幾つかの潜在的CDR接触残基アミノ酸において、他のアミノ酸置換が施されうる。しばしば、変異体ヒト化配列内に施される置換は、置換されるHBLBアミノ酸(ヒト化BR2-14aの場合)またはHGLGアミノ酸(ヒト化BR2-22の場合)に対して保存的である。好ましくは、HBLBまたはHGLGに対する置換は(それが保存的であるかどうかにかかわらず)、ヒト化mAbの結合アフィニティまたは効力、すなわち、ヒトLIV-1に結合し癌細胞の成長を抑制するその能力に実質的な影響を及ぼさない。

0061

変異体は、典型的には、HBLB(hLIV14)またはHGLG(hLIV22)の重鎖および軽鎖成熟可変領域配列とは少数(例えば、典型的には、軽鎖または重鎖成熟可変領域のいずれか又は両方において1、2、3、5または10個以下)の置換、欠失または挿入において異なる。

0062

C.定常領域の選択
ヒト化抗体の重鎖および軽鎖可変領域はヒト定常領域の少なくとも一部に連結されうる。定常領域の選択は、1つには、抗体依存性細胞性細胞傷害、抗体依存性細胞性食作用および/または補体依存性細胞傷害のいずれが望まれるのかに左右される。例えば、ヒトイソタイプIgG1およびIgG3は強力な補体依存性細胞傷害を示し、ヒトイソタイプIgG2は弱い補体依存性細胞傷害を示し、ヒトIgG4は補体依存性細胞傷害を欠いている。ヒトIgG1およびIgG3はまた、ヒトIgG2およびIgG4より強力な細胞性エフェクター機能を誘導する。軽鎖定常領域はラムダまたはカッパでありうる。抗体は、2本の軽鎖と2本の重鎖とを含有する四量体として、または分離した重鎖、軽鎖として、またはFab、Fab'、F(ab)2およびFvとして、または重鎖および軽鎖可変ドメインスペーサーを介して連結されている一本鎖抗体として発現されうる。

0063

ヒト定常領域は、異なる個体間でアロタイプ変異およびイソアロタイプ変異を示す。すなわち、定常領域は、異なる個体間で、1以上の多形位置において異なりうる。イソアロタイプを認識する血清は1以上の他のイソタイプの非多形領域に結合する点で、イソアロタイプはアロタイプとは異なる。

0064

軽鎖および/または重鎖のアミノまたはカルボキシ末端における1つ又は幾つかのアミノ酸(例えば、重鎖のC末端リシン)は、該分子の一部または全部において、欠失している又は誘導体化されていることが可能である。補体媒介性細胞傷害またはADCCのようなエフェクター機能を低減または増強するために(例えば、Winterら, 米国特許第5,624,821号; Tsoら, 米国特許第5,834,597号; およびLazarら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 103:4005, 2006を参照されたい)、あるいはヒトにおける半減期延長させるために(例えば、Hintonら, J. Biol. Chem. 279:6213, 2004を参照されたい)、定常領域内に置換が施されうる。

0065

典型的な置換には、天然アミノ酸からシステイン残基へのアミノ酸置換が含まれ、これは、アミノ酸位置234、235、237、239、267、298、299、326、330または332位に導入され、好ましくは、ヒトIgG1イソタイプにおけるS239C突然変異(US 20100158909)である。追加的なシステイン残基の存在は鎖間ジスルフィド結合形成を可能にする。そのような鎖間ジスルフィド結合形成は立体障害を引き起こし、それにより、Fc領域-FcγR結合相互作用のアフィニティを低減しうる。IgG定常領域のFc領域またはその近傍に導入されたシステイン残基は、治療用物質へのコンジュゲート化(すなわち、薬物のマレイミド誘導体のようなチオール特異的試薬を使用する細胞毒性薬カップリング)のための部位としても働きうる。治療用物質の存在は立体障害を引き起こし、それにより、Fc領域-FcγR結合相互作用のアフィニティを更に低減しうる。234、235、236および/または237位のいずれかにおける他の置換は、Fcγ受容体、特にFcγRI受容体に対するアフィニティを低減する(例えば、US 6,624,821、US 5,624,821を参照されたい)。

0066

抗体のin vivo半減期もそのエフェクター機能に影響を及ぼしうる。抗体の半減期は、その治療活性を修飾するために、増加または減少されうる。FcRnは、β2-ミクログロブリンに非共有結合するMHCクラスI抗原構造的に類似した受容体である。FcRnはIgGの異化、および組織を横切るそのトランスサイトーシスを調節する(GhetieおよびWard, 2000, Annu. Rev. Immunol. 18:739-766; GhetieおよびWard, 2002, Immunol. Res. 25:97-113)。IgG-FcRn相互作用はpH 6.0(細胞内小胞のpH)では生じるが、pH 7.4(血液のpH)では生じない。この相互作用は、IgGが循環へと戻るのを可能にする(GhetieおよびWard, 2000, Ann. Rev. Immunol. 18:739-766; GhetieおよびWard, 2002, Immunol. Res. 25:97-113)。FcRn結合に関与する、ヒトIgG1上の領域は、マッピングされている(Shieldsら, 2001, J. Biol. Chem. 276:6591-604)。ヒトIgG1のPro238、Thr256、Thr307、Gln311、Asp312、Glu380、Glu382またはAsn434位におけるアラニン置換はFcRn結合を増強する(Shieldsら, 2001, J. Biol. Chem. 276:6591-604)。これらの置換を含有するIgG1分子は、より長い血清半減期を有する。したがって、これらの修飾IgG1分子は、未修飾IgG1と比較して長い時間にわたって、それらのエフェクター機能を果たし、ひいてはそれらの治療効力をもたらすことが可能でありうる。FcRnへの結合を増強するための他の典型的な置換には、250位のGlnおよび/または428位のLeuが含まれる。定常領域内の全ての位置に関して、EU番号付けが用いられる。

0067

保存されたAsn297に共有結合したオリゴ糖は、IgGのFc領域がFcγRに結合する能力に関与している(Lundら, 1996, J. Immunol. 157:4963-69; WrightおよびMorrison, 1997, TrendsBiotechnol. 15:26-31)。IgG上のこの糖形態の操作はIgG媒介性ADCCを有意に改善しうる。この糖形態への分岐N-アセチルグルコサミン修飾の付加(Umanaら, 1999, Nat. Biotechnol. 17:176-180; Daviesら, 2001, Biotech. Bioeng. 74:288-94)またはこの糖形態からのフコースの除去(Shieldsら, 2002, J. Biol. Chem. 277:26733-40; Shinkawaら, 2003, J. Biol. Chem. 278:6591-604; Niwaら, 2004, Cancer Res. 64:2127-33)は、IgG FcとFcγRとの結合を改善してIg媒介性ADCC活性を増強するIgG Fc操作の2つの例である。

0068

ヒトIgG1Fc領域の溶媒露出アミノ酸の系統的置換は、改変されたFcγR結合アフィニティを有するIgG変異体を与えている(Shieldsら, 2001, J. Biol. Chem. 276:6591-604)。親IgG1と比較した場合、Thr256/Ser298、Ser298/Glu333、Ser298/Lys334またはSer298/Glu333/Lys334におけるAlaへの置換を含むこれらの変異体のサブセットはFcγRに対する結合アフィニティおよびADCC活性の両方の増強を示している(Shieldsら, 2001, J. Biol. Chem. 276:6591-604; Okazakiら, 2004, J. Mol. Biol. 336:1239-49)。

0069

抗体の補体結合活性(C1q結合およびCDC活性の両方)はLys326およびGlu333における置換により改善されうる(Idusogieら, 2001, J. Immunol. 166:2571-2575)。ヒトIgG2バックボーン上の同じ置換は、C1qに十分には結合せず補体活性化活性を著しく欠損している抗体イソタイプを、C1qへの結合およびCDCの媒介の両方をもたらしうる抗体イソタイプに変換しうる(Idusogieら, 2001, J. Immunol. 166:2571-75)。抗体の補体結合活性を改善するために、幾つかの他の方法も適用されている。例えば、IgGのカルボキシ末端へのIgMの18アミノ酸のカルボキシ末端尾部断片のグラフティングはそれらのCDC活性を著しく増強する。これは、検出不可能なCDC活性を通常は有するIgG4においても観察される(Smithら, 1995, J. Immunol. 154:2226-36)。また、IgG1重鎖のカルボキシ末端付近に位置するSer444の、Cysでの置換は、単量体IgG1の場合と比較してCDC活性の200倍の増強を伴って、IgG1の尾部-尾部二量体化を誘導した(Shopesら, 1992, J. Immunol. 148:2918-22)。また、C1qに対する特異性を有する二重特異性ジアボディ構築物もCDC活性を付与する(Kontermannら, 1997, Nat. Biotech. 15:629-31)。

0070

補体活性は、重鎖のアミノ酸残基318、320および322の少なくとも1つを、Alaのような異なる側鎖を有する残基へと突然変異させることにより、低下されうる。それらの3つの残基のいずれかの位置におけるGly、Ile、LeuまたはValのような他のアルキル置換非イオン性残基あるいはPhe、Tyr、TrpおよびProのような芳香族無極性残基もC1q結合を低減または排除する。Ser、Thr、CysおよびMetは、C1q結合活性を低減または排除するために、残基320および322においては使用されうるが、残基318においては使用され得ない。極性残基による318(Glu)残基の置換はC1q結合活性を修飾しうるが、排除しない。Alaでの残基297(Asn)の置換は細胞溶解活性の除去をもたらすが、C1qに対するアフィニティをほんの僅かしか低減しない(約3倍弱い)。この改変は、グリコシル化部位、および補体活性化に要求される炭水化物の存在を破壊する。この部位におけるいずれかの他の置換もグリコシル化部位を破壊する。以下の突然変異およびそれらのいずれかの組合せもC1q結合を低減する:D270A、K322A、P329AおよびP311S(WO 06/036291を参照されたい)。

0071

ヒト定常領域に対する言及は、いずれかの天然アロタイプを含有する定常領域、または天然アロタイプにおける多形位置を占有する残基のいずれかの順列を含有する定常領域を含む。また、Fcガンマ受容体結合を低減する又はFcRNへの結合を増強するために前記で示されているもののような天然ヒト定常領域に対する1、2、5または10個までの突然変異が存在しうる。

0072

D.組換え抗体の発現
ヒト化抗体は、典型的には、組換え発現により製造される。組換えポリヌクレオチド構築物は、典型的には、天然で結合している又は異種プロモーター領域を含む、抗体鎖のコード配列に機能的に連結された発現制御配列を含む。好ましくは、該発現制御配列は、真核宿主細胞形質転換またはトランスフェクトしうるベクターにおける真核プロモーター系である。該ベクターが適当な宿主内に組込まれたら、該宿主は、該ヌクレオチド配列高レベル発現ならびに交差反応性抗体の収集および精製に適した条件下に維持される。

0073

哺乳類細胞は、免疫グロブリンまたはそのフラグメントをコードするヌクレオチド断片を発現させるための好ましい宿主である。Winnacker, From Genes to Clones(VCH Publishers, NY, 1987)を参照されたい。無傷異種タンパク質を分泌しうる多数の適当な宿主細胞系が当技術分野で開発されており、CHO細胞系(例えば、DG44)、種々のCOS細胞系、HeLa細胞、HEK293細胞、L細胞および非抗体産生骨髄腫(Sp2/0およびNS0を含む)を包含する。好ましくは、該細胞は非ヒト細胞である。これらの細胞のための発現ベクターは、発現制御配列、例えば複製起点、プロモーター、エンハンサー(Queenら, Immunol. Rev. 89:49 (1986))および必要なプロセシング情報部位、例えばリボソーム結合部位、RNAスプライス部位ポリアデニル化部位および転写終結配列を含みうる。好ましい発現制御配列は、内因性遺伝子サイトメガロウイルスSV40アデノウイルスウシパピローマウイルスなどに由来するプロモーターである。Coら, J. Immunol. 148:1149 (1992)を参照されたい。

0074

抗体は、発現されたら、HPLC精製、カラムクロマトグラフィーゲル電気泳動などを含む当技術分野の標準的な方法により精製されうる(全般的には、Scopes, Protein Purification (Springer-Verlag, NY, 1982)を参照されたい)。

0075

IV.核酸
本発明は更に、前記のヒト化重鎖および軽鎖のいずれかをコードする核酸を提供する。典型的には、該核酸は、成熟重鎖および軽鎖に融合したシグナルペプチドをもコードしている。核酸上のコード配列は、該コード配列の発現を保証するための調節配列、例えばプロモーター、エンハンサー、リボソーム結合部位、転写終結シグナルなどに機能的に連結されうる。重鎖および軽鎖をコードする核酸は、単離された形態で存在することが可能であり、あるいは1以上のベクター内にクローニングされうる。該核酸は、例えば重複オリゴヌクレオチドPCRまたは固相合成により合成されうる。重鎖および軽鎖をコードする核酸は、例えば発現ベクター内で、1つの連続的核酸として連結されることが可能であり、あるいは分離していることが可能である(例えば、それぞれが、それ自身の発現ベクター内にクローニングされうる)。

0076

V.抗体薬物コンジュゲート
抗LIV-1抗体は、抗体薬物コンジュゲート(ADC)を得るために、細胞毒性または静細胞部分(その製薬上許容される塩を含む)にコンジュゲート化されうる。抗体へのコンジュゲート化のための特に適した部分は細胞毒性物質(例えば、化学療法剤)、プロドラッグ変換酵素放射性同位体もしくは化合物または毒素(これらの部分は治療用物質と総称される)である。例えば、抗LIV-1抗体は、細胞毒性物質、例えば化学療法剤、または毒素(例えば、静細胞または殺細胞物質、例えば、アブリン、リシンA、シュードモナス外毒素またはジフテリア毒素)にコンジュゲート化されうる。

0077

抗LIV-1抗体はプロドラッグ変換酵素にコンジュゲート化されうる。該プロドラッグ変換酵素は、公知方法を用いて、該抗体に組換え的に融合されること、またはそれに化学的にコンジュゲート化されることが可能である。典型的なプロドラッグ変換酵素はカルボキシペプチダーゼG2、ベータ-グルクロニダーゼペニシリン-V-アミダーゼ、ペニシリン-G-アミダーゼ、β-ラクタマーゼβ-グルコシダーゼニトロレダクターゼおよびカルボキシペプチダーゼAである。

0078

タンパク質、特に抗体に治療用物質をコンジュゲート化するための技術はよく知られている(例えば、Arnonら, “Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy,” Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy (Reisfeldら編, Alan R. Liss, Inc., 1985); Hellstromら, “Antibodies For Drug Delivery,” Controlled Drug Delivery (Robinsonら編, Marcel Dekker, Inc., 2nd ed. 1987); Thorpe, “Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy: A Review,” Monoclonal Antibodies ‘84: Biological And Clinical Applications (Pincheraら編, 1985); “Analysis, Results, and Future Prospective of the Therapeutic Use of Radiolabeled Antibody In Cancer Therapy,” Monoclonal Antibodies For Cancer Detection And Therapy (Baldwinら編, Academic Press, 1985); およびThorpeら, 1982, Immunol. Rev. 62:119-58を参照されたい。例えば、PCT公開WO 89/12624も参照されたい)。

0079

該治療用物質は、それが(例えば加水分解、抗体分解または切断剤により)該抗体から切断されない限り、その活性を低下させる様態でコンジュゲート化されうる。該コンジュゲートが該LIV-1発現癌細胞によりインターナリゼーションされると該コンジュゲートが該抗体から切断されるように(例えばエンドソーム内、または例えばpH感受性もしくはプロテアーゼ感受性により、またはリソソーム環境中、またはキャベオラ環境中)、LIV-1発現癌細胞の細胞内環境中の切断には感受性であるが細胞外環境には実質的に感受性でない切断可能なリンカーを使用して、そのような治療用物質は該抗体に結合される。

0080

典型的には、該ADCは該治療用物質と該抗LIV-1抗体との間にリンカー領域を含む。前記のとおり、典型的には、該リンカーは細胞内条件下で切断可能であり、該リンカーの切断は該細胞内環境中(例えば、リソソームまたはエンドソームまたはキャベオラ内)で該治療用物質を該抗体から遊離する。該リンカーは、例えば、細胞内ペプチダーゼまたはプロテアーゼ酵素(リソソームまたはエンドソームプロテアーゼを含む)により切断されるペプチジルリンカーでありうる。典型的には、該ペプチジルリンカーは少なくとも2アミノ酸長または少なくとも3アミノ酸長である。切断剤には、カテプシンBおよびDならびにプラスミンが含まれうる(DubowchikおよびWalker, 1999, Pharm. Therapeutics 83:67-123)。最も典型的なのは、LIV-1発現細胞内に存在する酵素により切断可能なペプチジルリンカーである。例えば、癌性組織内で高度に発現されるチオール依存性プロテアーゼであるカテプシン-Bにより切断可能なペプチジルリンカーが使用されうる(例えば、Phe-LeuまたはGly-Phe-Leu-Glyペプチドを含むリンカー)。他のそのようなリンカーは例えば米国特許第6,214,345号に記載されている。特定の実施形態においては、細胞内プロテアーゼにより切断可能なペプチジルリンカーはVal-CitリンカーまたはPhe-Lysジペプチドを含む(例えば、Val-Citリンカーを伴うドキソルビシンの合成を記載している米国特許第6,214,345号を参照されたい)。該治療用物質の細胞内タンパク質分解遊離を利用する1つの利点は、コンジュゲート化されると該物質が典型的には弱化され、該コンジュゲートの血清安定性が典型的には高いことである。

0081

該切断可能リンカーは、pH感受性である、すなわち、あるpH範囲での加水分解に感受性であることが可能である。例えば、リソソーム内で加水分解可能な酸不安定性リンカー(例えば、ヒドラゾンセミカルバゾンチオセミカルバゾン、シスアコニット酸アミドオルトエステルアセタールケタールなど)が使用されうる(例えば、米国特許第5,122,368号、第5,824,805号、第5,622,929号; DubowchikおよびWalker, 1999, Pharm. Therapeutics 83:67-123; Nevilleら, 1989, Biol. Chem. 264:14653-14661を参照されたい)。そのようなリンカーは血液中のような中性pH条件下では比較的安定であるが、pH 5.5または5.0(リソソームのおよそのpH)未満では不安定である。ある実施形態においては、該加水分解可能リンカーはチオエーテルリンカー(例えば、アシルヒドラゾン結合により治療用物質に結合したチオエーテル(例えば、米国特許第5,622,929号を参照されたい))である。

0082

他のリンカーは還元条件下で切断可能である(例えば、ジスルフィドリンカー)。ジスルフィドリンカーには、SATA(N-スクシンイミジル-S-アセチルチオアセタート)、SPDP(N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオナート)、SPDB(N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)ブチラート)およびSMPT(N-スクシンイミジル-オキシカルボニル-アルファ-メチル-アルファ-(2-ピリジル-ジチオ)トルエン)、SPDBおよびSMPTを使用して形成されうるものが含まれる(例えば、Thorpeら, 1987, Cancer Res. 47:5924-5931; Wawrzynczakら, In Immunoconjugates: Antibody Conjugates in Radioimagery and Therapy of Cancer (C. W. Vogel編, Oxford U. Press, 1987を参照されたい。また、米国特許第4,880,935号も参照されたい)。

0083

該リンカーはまた、マロナートリンカー(Johnsonら, 1995, Anticancer Res. 15:1387-93)、マレイミドベンゾイルリンカー(Lauら, 1995, Bioorg-Med-Chem. 3(10):1299-1304)または3'-N-アミド類似体(Lauら, 1995, Bioorg-Med-Chem. 3(10):1305-12)でありうる。

0084

該リンカーはまた、切断不可能なリンカー、例えば、治療用物質(例えば、薬物)に直接結合しているマレイミド-アルキレン-またはマレイミド-アリールリンカーでありうる。活性薬物-リンカーは該抗体の分解により遊離される。

0085

典型的には、該リンカーは細胞外環境に対して実質的に感受性ではない。このことは、該ADCが細胞外環境中(例えば、血漿中)に存在する場合に、該ADCのサンプル中の該リンカーの約20%以下、典型的には約15%以下、より典型的には約10%以下、より一層典型的には約5%以下、3%以下、または約1%以下しか切断されないことを意味する。リンカーが細胞外環境に対して実質的に感受性でないかどうかは、例えば、(a)該ADC(「ADCサンプル」)および(b)等モル量の未コンジュゲート化抗体または治療用物質(「対照サンプル」)の両方を、独立して、血漿と共に所定の時間(例えば2、4、8、16または24時間)インキュベートし、ついで、該ADCサンプル中に存在する未コンジュゲート化抗体または治療用物質の量を、対照サンプル中に存在する量と、例えば高速液体クロマトグラフィーによる測定で比較することにより決定されうる。

0086

該リンカーは細胞インターナリゼーションをも促進しうる。該リンカーは、治療用物質にコンジュゲート化された場合(すなわち、本明細書に記載されているADCまたはADC誘導体のリンカー-治療用物質部分の環境中)、細胞インターナリゼーションを促進しうる。あるいは、該リンカーは、治療用物質および抗LIV-1抗体の両方にコンジュゲート化された場合(すなわち、本明細書に記載されているADCの環境中)、細胞インターナリゼーションを促進しうる。

0087

本組成物で使用されうる種々のリンカーがWO 2004-010957に記載されており、式

0088

(式中、
-A-は伸長単位である;
aは0または1である;
各-W-は、独立して、アミノ酸単位である;
Wは、独立して、0〜12の範囲の整数である;
-Y-はスペーサー単位である;および
yは0、1または2である)を有する。

0089

代表的な伸長単位は式(Ia)および(Ib;後記を参照されたい)の角括弧内に示されており、ここで、A-、-W-、-Y-、-D-、wおよびyは前記のとおりであり、R1は-C1-C10アルキレン-、-C3-C8カルボシクロ-、-O-(C1-C8アルキル)-、-アリーレン-、-C1-C10 アルキレン-アリーレン-、-アリーレン-C1-C10 アルキレン-、-C1-C10 アルキレン-(C3-C8 カルボシクロ)-、-(C3-C8 カルボシクロ)-C1-C10 アルキレン-、-C3-C8ヘテロシクロ-、-C1-C10 アルキレン-(C3-C8 ヘテロシクロ)-、-(C3-C8 ヘテロシクロ)-C1-C10 アルキレン-、-(CH2CH2O)r-および-(CH2CH2O)r-CH2-から選択され、rは1〜10の範囲の整数である。Abは抗体である。

0090

薬物ローディングはpにより表され、これは抗体1個当たりの薬物-リンカー分子の数である。文脈に応じて、pは抗体1個当たりの薬物-リンカー分子の平均数を表すことがあり、これは平均薬物ローディングとも称される。Pは1〜20の範囲であり、好ましくは1〜8である。幾つかの好ましい実施形態においては、pが平均薬物ローディングを表す場合、pは約2〜約5の範囲である。幾つかの実施形態においては、pは約2、約3、約4または約5である。調製物中の抗体1個当たりの薬物の平均数は、通常の手段、例えば質量分析ELISAアッセイおよびHPLCにより特徴づけられうる。アミノ酸単位(-W-)(それが存在する場合)は伸長単位(-A-)をスペーサー単位(-Y-)(それが存在する場合)に連結し、スペーサー単位が存在しない場合には、伸長単位を細胞毒性または静細胞物質(薬物単位;D)に連結する。

0091

-Ww-は、存在する場合には、好ましくは、ジペプチド、トリペプチドテトラペプチドペンタペプチドヘキサペプチドヘプタペプチドオクタペプチドノナペプチドデカペプチドウンデカペプチドまたはドデカペプチド単位である。

0092

スペーサー単位(-Y-)は、存在する場合には、アミノ酸単位を薬物単位に連結する。スペーサー単位は、2つの一般型、すなわち、自己犠牲および非自己犠牲のものである。非自己犠牲スペーサー単位は、抗LIV-1抗体-リンカー-薬物コンジュゲートまたは薬物-リンカー化合物からのアミノ酸単位の酵素的切断の後にスペーサー単位の一部または全部が薬物単位に結合したままのものである。非自己犠牲スペーサー単位の例には、(グリシン-グリシン)スペーサー単位およびグリシンスペーサー単位が含まれる。グリシン-グリシンスペーサー単位またはグリシンスペーサー単位を含有する抗LIV-1抗体-リンカー-薬物コンジュゲートが腫瘍細胞関連プロテアーゼ、癌細胞関連プロテアーゼまたはリンパ球関連プロテアーゼによる酵素的切断を受けると、グリシン-グリシン-薬物部分またはグリシン-薬物部分はAb-Aa-Ww-から切断される。該薬物を遊離するためには、該グリシン-薬物単位結合を切断するために、独立した加水分解反応が標的細胞内で生じるべきである。

0093

あるいは、自己犠牲スペーサー単位を含有する抗LIV-1抗体薬物コンジュゲートは、独立した加水分解工程を要することなく、薬物(D)を遊離しうる。これらの実施形態の幾つかにおいては、-Y-は、PAB基の窒素原子を介して-Ww-に連結されておりカルボナートカルバマートまたはエーテル基を介して-Dに直接的に連結されたp-アミノベンジルアルコール(PAB)単位である。自己犠牲スペーサーの他の例には、PAB基と電気的に等価である芳香族化合物、例えば2-アミノイミダゾール-5-メタノール誘導体(例えば、Hayら, 1999, Bioorg. Med. Chem. Lett. 9:2237を参照されたい)およびオルトまたはパラ-アミノベンジルアセタールが含まれる。アミド結合加水分解に際して容易に環化を受けうるスペーサー、例えば置換および非置換4-アミノ酪酸アミド(Rodriguesら, 1995, Chemistry Biology 2:223)、適当に置換されたビシクロ[2.2.1]およびビシクロ[2.2.2]環系(Stormら, 1972, J. Amer. Chem. Soc. 94:5815)ならびに2-アミノフェニルプロピオン酸アミド(Amsberryら, 1990, J. Org. Chem. 55:5867)が使用されうる。グリシンのα位で置換されているアミン含有薬物の除去(Kingsburyら, 1984, J. Med. Chem. 27:1447)も、該抗LIV-1抗体-リンカー-薬物コンジュゲートに適用されうる自己犠牲スペーサー法の例である。あるいは、該スペーサー単位は分枝ビス(ヒドロキシメチル)スチレン(BHMS)単位であり、これは、追加的な薬物を組込むために使用されうる。

0094

抗LIV-1抗体にコンジュゲート化するための有用なクラスの細胞毒性物質には、例えば、抗チューブリン物質、DNA小溝結合物質DNA複製インヒビター化学療法増感剤などが含まれる。他の典型的なクラスの細胞毒性物質には、アントラサイクリンオーリスタチンカンプトテシンデュオカルマイシン(duocarmycins)、エトポシドメイタンシノイドおよびビンカアルカロイドが含まれる。幾つかの典型的な細胞毒性物質には、オーリスタチン(例えば、オーリスタチンE、AFP、MMAF、MMAE)、DNA小溝結合物質(例えば、エンジインおよびレキトロシン)、デュオカルマイシン、タキサン(例えば、パクリタクセルおよびドセタクセル)、ビンカアルカロイド、ドキソルビシン、モルホリノ-ドキソルビシンおよびシアノモルホリノ-ドキソルビシンが含まれる。

0095

該細胞毒性物質は、化学療法剤、例えばドキソルビシン、パクリタクセル、メルファラン、ビンカアルカロイド、メトトレキセートマイトマイシンCまたはエトポシドでありうる。該物質はまた、CC-1065類似体カリケアマイシン(calicheamicin)、メイタンシンドラスタチン10の類似体、リゾキシンまたはパリトキシンでありうる。

0096

該細胞毒性物質はまた、オーリスタチンでありうる。該オーリスタチンは、オーリスタチンE誘導体、例えば、オーリスタチンEとケト酸との間で形成されるエステルでありうる。例えば、オーリスタチンEはパラアセチル安息香酸またはベンゾイル吉草酸と反応して、それぞれAEBおよびAEVBを生成しうる。他の典型的なオーリスタチンには、AFP、MMAFおよびMMAEが含まれる。種々のオーリスタチンの合成および構造は例えばUS 2005-0238649およびUS2006-0074008に記載されている。

0097

該細胞毒性物質はDNA小溝結合物質でありうる(例えば、米国特許第6,130,237号を参照されたい)。例えば、該小溝結合物質はCBI化合物またはエンジイン(例えば、カリケアマイシン)でありうる。

0098

該細胞毒性または静細胞物質は抗チューブリン物質でありうる。抗チューブリン物質の例には、タキサン(例えば、Taxol(登録商標)(パクリタクセル)、Taxotere(登録商標)(ドセタクセル)、T67(ツラリック(Tularik))、ビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチンビンブラスチンビンデシンおよびビノレルビン)およびオーリスタチン(例えば、オーリスタチンE、AFP、MMAF、MMAE、AEB、AEVB)が含まれる。他の適当な抗チューブリン物質には、例えば、バッカチン(baccatin)誘導体、タキサン類似体(例えば、エポチロンAおよびB)、ノコダゾール、コルヒチンおよびコルシミド、エストラムスチンクリプトフィシン、セマドチン、メイタンシノイド、コンブレタスタチン(combretastatin)、ジスコデルモリド(discodermolide)およびエロテロビン(eleutherobin)が含まれる。

0099

該細胞毒性物質は、もう1つの抗チューブリン物質群であるメイタンシノイドでありうる。例えば、該メイタンシノイドはメイタンシンまたはメイタンシン含有薬物リンカー、例えばDM-1またはDM-4(ImmunoGen, Inc.; Chariら, 1992, Cancer Res. 52:127-131も参照されたい)でありうる。

0100

典型的な抗体薬物コンジュゲートには、以下のとおりのvcMMAEおよびmcMMAF抗体薬物コンジュゲート(ここで、pおよびAbは本明細書に既に記載されているとおりである)が含まれる。

0101

またはその製薬上許容される塩。

0102

VI.LIV-1に対する他の抗体
前記のBR2-14aおよびBR2-22a抗体のヒト化形態だけでなく、LIV-1の細胞外ドメインに結合する他の抗体も、本発明の方法の幾つかにおいて、特に、三重陰性乳癌の治療において使用されうる。LIV-1に対するマウス抗体群がUS20080175839に記載されている。これらの抗体には、1.1F10、1.7A4、BR2-10b、BR2-11a、BR2-13a、BR2-14a、BR2-15a、BR2-16a、BR2-17a、BR2-18a、BR2-19a、BR2-20a、BR2-21a、BR2-22a、BR2-23a、BR2-24aおよびBR2-25aが含まれ、これらのうち、BR2-14aおよびBR2-22aに加えて、ハイブリドーマATCCアクセッション番号PTA-5706により産生されるBR2-19aまたはハイブリドーマATCCアクセッション番号PTA-5707により産生されるBR2-23aが好ましい。これらの抗体のヒト化、キメラまたはベニア化(veneered)形態は、以下に要約する通常の方法により製造されうる。

0103

LIV-1に対する他の抗体は、LIV-1またはその1以上の細胞外ドメインで免疫化することによりde novoで製造されうる。免疫原に対する他の非ヒト(例えば、マウス、モルモット霊長類ウサギまたはラット)モノクローナル抗体の製造は、Harlow & Lane, Antibodies, A Laboratory Manual (CSHP NY, 1988)(これを全ての目的において参照により本明細書に組み入れることとする)に記載されているとおりに行われうる。そのような免疫原は、天然源から、またはペプチド合成により、または組換え発現により得られうる。

0104

非ヒト抗体のヒト化、キメラまたはベニア化(veneered)形態は製造可能である。ヒト化抗体を製造するための一般的方法はQueen, US 5,530,101および5,585,089; Winter, US 5,225,539; Carter, US 6,407,213; Adair, US 5,859,205; ならびにFoote, US 6,881,557に記載されている。キメラ抗体は、非ヒト(例えば、マウス)抗体の軽鎖および重鎖の成熟可変領域がヒト軽鎖および重鎖定常領域と組合されている抗体である。そのような抗体は該マウス抗体の結合特異性を実質的または完全に保有し、約3分の2はヒト配列である。ベニア化抗体は一種のヒト化抗体であり、非ヒト抗体の非ヒト可変領域フレームワークの一部、およびCDRの一部、通常は全部を保有しているが、BまたはT細胞エピトープに寄与しうる他の可変領域フレームワーク残基、例えば露出残基(Padlan, Mol. Immunol. 28:489, 1991)をヒト抗体配列の対応位置からの残基で置換している。その結果として、該CDRが完全または実質的に非ヒト抗体由来であり、該非ヒト抗体の可変領域フレームワークが、該置換により、よりヒト様にされた抗体が得られる。

0105

LIV-1に対するヒト抗体は後記の種々の技術により得られうる。ヒト抗体の製造方法には、Oestbergら, Hybridoma 2:361-367 (1983); Oestberg, 米国特許第4,634,664号; およびEnglemanら, 米国特許第4,634,666号のトリオーマ法;ヒト免疫グロブリン遺伝子を含むトランスジェニックマウスの使用(例えば、Lonbergら, WO93/12227 (1993); US 5,877,397, US 5,874,299, US 5,814,318, US 5,789,650, US 5,770,429, US 5,661,016, US 5,633,425, US 5,625,126, US 5,569,825, US 5,545,806, Nature 148, 1547-1553 (1994), Nature Biotechnology 14, 826 (1996), Kucherlapati, WO 91/10741 (1991)を参照されたい)およびファージディスプレイ法(例えば、Dowerら, WO 91/17271ならびにMcCaffertyら, WO 92/01047, US 5,877,218, US 5,871,907, US 5,858,657, US 5,837,242, US 5,733,743およびUS 5,565,332を参照されたい)が含まれる。

0106

該抗体のいずれかは、競合結合アッセイなどにより、BR2-14a抗体のような典型的な抗体と同じ又は重複したエピトープ特異性を有するように選択されうる。

0107

VII.治療用途
本発明のヒト化抗体は、単独で、またはそのLIV-1抗体薬物コンジュゲートとして、癌を治療するために使用されうる。幾つかのそのような癌は、タンパク質(例えば、例示されている抗体の1つを使用するイムノアッセイにより)またはmRNAレベルで測定される検出可能なレベルのLIV-1を示す。幾つかのそのような癌は、好ましくは同一患者からの、同じ型の非癌性組織と比較して上昇したレベルのLIV-1を示す。治療に適した癌細胞上のLIV-1の典型的レベルは細胞1個当たりLIV-1分子5000〜150000個であるが、より高い又はより低いレベルも治療可能である。場合によっては、癌におけるLIV-1のレベルは、治療を行う前に測定される。

0108

LIV-1発現に関連しており治療に適した癌の例には、乳癌、前立腺癌、卵巣癌子宮内膜癌子宮頸肝臓腎臓および扁平上皮細胞癌(例えば、膀胱、頭部、頚部および)、皮膚癌、例えばメラノーマ、小細胞肺癌または肺カルシノイドが含まれる。該治療は、これらの種類の原発性または転移性腫瘍を有する患者に適用されうる。該治療はまた、通常の治療(例えば、ホルモンタモキシフェンヘルセプチン)に抵抗性である又はそのような治療に対する応答の後で再発した患者に適用されうる。該方法はまた、三重(triple)陰性乳癌に用いられうる。三重陰性乳癌は、検出可能なエストロゲンおよびプロゲステロン受容体を欠きHER2/neuの過剰発現欠く(実施例に記載されているようなこれらの受容体のいずれかに対する抗体で染色された場合)癌を示す専門用語である。染色は、無関係な対照抗体に対して行われることが可能であり、実験誤差内で対照の場合と同じ又は類似した、染色のバックグラウンドレベルから、発現の欠如が示されうる。同様に、過剰発現の欠如は、好ましくは同一患者から得られた、非癌性乳房組織の、実験誤差内で同じ又は類似レベルの染色により示される。代替的または追加的に、三重陰性乳癌は、侵襲性挙動、特徴的な転移パターン、これらの受容体と相互作用するホルモンに対する応答性の欠如により特徴づけられる。LIV-1を発現する癌を治療するために、hLIV14抗体が使用されうる。1つの実施形態においては、LIV-1発現乳癌を有する対象を治療するために、hLIV14抗体が使用される。もう1つの実施形態においては、LIV-1発現前立腺癌を有する対象を治療するために、hLIV14抗体が使用される。もう1つの実施形態においては、LIV-1発現メラノーマを有する対象を治療するために、hLIV14抗体が使用される。もう1つの実施形態においては、LIV-1発現卵巣癌を有する対象を治療するために、hLIV14抗体が使用される。もう1つの実施形態においては、LIV-1発現子宮内膜癌を有する対象を治療するために、hLIV14抗体が使用される。もう1つの実施形態においては、LIV-1発現子宮頸癌を有する対象を治療するために、hLIV14抗体が使用される。もう1つの実施形態においては、LIV-1発現肝臓癌を有する対象を治療するために、hLIV14抗体が使用される。もう1つの実施形態においては、LIV-1発現胃癌を有する対象を治療するために、hLIV14抗体が使用される。もう1つの実施形態においては、LIV-1発現腎臓癌を有する対象を治療するために、hLIV14抗体が使用される。もう1つの実施形態においては、LIV-1発現扁平上皮細胞癌(例えば、膀胱、頭部、頚部および肺癌)を有する対象を治療するために、hLIV14抗体が使用される。もう1つの実施形態においては、LIV-1発現乳癌を有する対象を治療するために、hLIV14抗体が使用される。もう1つの実施形態においては、LIV-1発現皮膚癌を有する対象を治療するために、hLIV14抗体が使用される。もう1つの実施形態においては、LIV-1発現小細胞肺癌または肺カルシノイドを有する対象を治療するために、hLIV14抗体が使用される。LIV-1を発現する癌を治療するために、hLIV22抗体が使用されうる。1つの実施形態においては、LIV-1発現乳癌を有する対象を治療するために、hLIV22抗体が使用される。もう1つの実施形態においては、LIV-1発現前立腺癌を有する対象を治療するために、hLIV22抗体が使用される。もう1つの実施形態においては、LIV-1発現メラノーマを有する対象を治療するために、hLIV22抗体が使用される。もう1つの実施形態においては、LIV-1発現卵巣癌を有する対象を治療するために、hLIV22抗体が使用される。もう1つの実施形態においては、LIV-1発現子宮内膜癌を有する対象を治療するために、hLIV22抗体が使用される。もう1つの実施形態においては、LIV-1発現子宮頸癌を有する対象を治療するために、hLIV22抗体が使用される。もう1つの実施形態においては、LIV-1発現肝臓癌を有する対象を治療するために、hLIV22抗体が使用される。もう1つの実施形態においては、LIV-1発現胃癌を有する対象を治療するために、hLIV22抗体が使用される。もう1つの実施形態においては、LIV-1発現腎臓癌を有する対象を治療するために、hLIV22抗体が使用される。もう1つの実施形態においては、LIV-1発現扁平上皮細胞癌(例えば、膀胱、頭部、頚部および肺癌)を有する対象を治療するために、hLIV22抗体が使用される。もう1つの実施形態においては、LIV-1発現乳癌を有する対象を治療するために、hLIV22抗体が使用される。もう1つの実施形態においては、LIV-1発現皮膚癌を有する対象を治療するために、hLIV22抗体が使用される。もう1つの実施形態においては、LIV-1発現小細胞肺癌または肺カルシノイドを有する対象を治療するために、hLIV22抗体が使用される。本出願は、メラノーマ細胞の表面上でLIV-1タンパク質が発現されるという最初の開示を提供するものである。したがって、LIV-1に結合する抗体は、LIV-1を発現するメラノーマに罹患した患者を治療するために使用されうる。そのような抗体には、本明細書に開示されている抗体、例えばhLIV14およびhLIV22が含まれるが、本明細書に開示されている抗体に限定されるものではない。

0109

ヒト化抗体は、単独で又はそのコンジュゲートとして、癌の発症を遅らせ、重症度を低減し、更なる悪化を抑制し、および/または少なくとも1つの徴候もしくは症状を改善する投与量、投与経路および投与頻度を意味する有効形態で投与される。患者が既に癌に罹患している場合、該形態は治療的有効形態と称されうる。患者が、一般集団と比較して上昇した癌のリスクを有するが、未だ症状を現していない場合、該形態は予防的有効形態と称されうる。幾つかの場合には、同一患者における過去の対照または過去の経験との比較により、個々の患者において治療的または予防的効力が観察されうる。他の場合には、未治療患者の対照集団との比較により、治療患者の集団における前臨床または臨床治験において、治療的または予防的効力が示されうる。

0110

モノクローナル抗体の典型的な投与量は、患者の体重1kg当たり0.1 mg/kg〜50 mg/kg、より好ましくは1 mg/kg〜30 mg/kg、1 mg/kg〜20 mg/kg、1 mg/kg〜15 mg/kg、1 mg/kg〜12 mg/kg、または1 mg/kg〜10 mg/kg、または2 mg/kg〜30 mg/kg、2 mg/kg〜20 mg/kg、2 mg/kg〜15 mg/kg、2 mg/kg〜12 mg/kg、または2 mg/kg〜10 mg/kg、または3 mg/kg〜30 mg/kg、3 mg/kg〜20 mg/kg、3 mg/kg〜15 mg/kg、3 mg/kg〜12 mg/kg、または3 mg/kg〜10 mg/kgである。モノクローナル抗体またはその抗体薬物コンジュゲートの典型的な投与量は、対象の体重1kg当たり、1 mg/kg〜7.5 mg/kg、または2 mg/kg〜7.5 mg/kg、または3 mg/kg〜7.5 mg/kg、あるいは0.1〜20もしくは0.5〜5 mg/kg体重(例えば、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10 mg/kg)または一定投与量として10〜1500もしくは200-1500 mgである。幾つかの方法においては、該患者には、少なくとも1.5 mg/kg、少なくとも2 mg/kgまたは少なくとも3 mg/kgの用量が3週間に1回以上投与される。該投与量は、とりわけ、投与頻度、患者の状態およびこれまでの治療(行われた場合)に対する応答、該治療が予防的であるか治療的であるか、および該障害急性であるか慢性であるかに左右される。

0111

投与は非経口的、静脈内、経口的、皮下、動脈内、頭蓋内、鞘内腹腔内、局所的、鼻腔内または筋肉内投与でありうる。投与はまた、腫瘍内に直接的に局在化されうる。静脈内または皮下投与による全身循環内への投与が好ましい。静脈内投与は、例えば、例えば30〜90分間の時間にわたる注入、または1回のボーラス注射によるものでありうる。

0112

投与頻度は、とりわけ、循環中の該抗体またはコンジュゲートの半減期、患者の状態および投与経路に左右される。該頻度は、患者の状態の変化または治療されている癌の進行に応じて、毎日毎週、毎月、年4回または不規則な間隔でありうる。静脈内投与の典型的な頻度は治療の連続的経過にわたって週2回〜年4回であるが、より多い又はより少ない頻度の投与も可能である。静脈内投与の他の典型的な頻度は治療の連続的経過にわたって毎週〜4週に3回であるが、より多い又はより少ない頻度の投与も可能である。皮下投与の場合、典型的な頻度は毎日〜毎月であるが、より多い又はより少ない頻度の投与も可能である。

0113

投与される用量数は癌の性質(例えば、急性症状を示しているのか慢性症状を示しているのか)および治療に対する症状の応答に左右される。急性障害の場合または慢性障害の急性悪化の場合には、しばしば、1〜10用量で十分である。時には、急性障害の場合または慢性障害の急性悪化の場合には、1回のボーラス用量、場合によっては、分割形態のもので十分である。急性障害または急性悪化の再発の場合、治療が繰り返されうる。慢性障害の場合、抗体は規則的間隔で、例えば毎週、隔週、毎月、年4回、6カ月ごとに、少なくとも1、5または10年間あるいは患者の生涯にわたって投与されうる。

0114

非経口投与のための医薬組成物は、好ましくは、無菌で、実質的に等張性であり、GMP条件下で製造される。医薬組成物は単位投与形(すなわち、1回投与剤形)で提供されうる。医薬組成物は、1以上の生理的に許容される担体、希釈剤、賦形剤または補助剤を使用して製剤化されうる。該製剤化は、選択された投与経路に左右される。注射の場合、抗体は、水溶液、好ましくは生理的に許容されるバッファー、例えばハンクス液リンガー液または生理食塩水もしくは酢酸バッファー(注射部位における不快感を軽減するため)中に製剤化されうる。該溶液は、製剤化剤、例えば懸濁化剤、安定剤および/または分散化剤を含有しうる。あるいは、抗体は、使用前に適当なビヒクル、例えば発熱物質非含有無菌水還元再構成)される凍結乾燥形態でありうる。液体製剤中の抗体の濃度は、例えば1〜100 mg/mg、例えば10 mg/mlでありうる。

0115

本発明の抗体での治療は、化学療法、放射線幹細胞治療、手術、治療されている障害に対して有効なその他の治療と組合されうる。LIV-1に対するヒト化抗体と共に投与されうる有用なクラスの他の物質には、例えば、癌性細胞上で発現される他の受容体に対する抗体、抗チューブリン物質(例えば、オーリスタチン)、DNA小溝結合物質、DNA複製インヒビター、アルキル化剤(例えば、白金錯体、例えば、シスプラチンモノ白金)、ビス(白金)およびトリ-核白金錯体ならびにカルボプラチン)、アントラサイクリン、抗生物質抗葉酸剤代謝拮抗剤、化学療法増感剤、ドュオカルマイシン(duocarmycin)、エトポシド、フッ素化ピリミジンイオノホア、レキシトロプシン、ニトロソウレア、プラチノール、前形成(pre-forming)化合物、プリン代謝拮抗剤ピューロマイシン放射線増感剤ステロイド、タキサン、トポイソメラーゼインヒビター、ビンカアルカロイドなどが含まれる。

0116

単独での又は抗体薬物コンジュゲートとしての、場合によっては前記の他の物質または形態のいずれかと組合された、ヒト化抗LIV-1抗体での治療は、特に再発性または難治性の腫瘍(例えば、乳癌、前立腺癌、メラノーマ)を有する患者の半無進行生存(median progression-free survival)または全生存時間を、抗LIV-1抗体(単独またはコンジュゲートとして)を伴わない同じ治療(例えば、化学療法)と比較して少なくとも30%または40%、好ましくは50%、60%〜70%、更には100%またはそれ以上増加させうる。追加的または代替的に、抗LIV-1抗体(単独またはコンジュゲートとして)を含む治療(例えば、標準的な化学療法)は、腫瘍を有する患者の完全応答率、部分的応答率または客観的応答率(完全+部分的)を、該抗LIV-1抗体を伴わない同じ治療(例えば、化学療法)と比較して少なくとも30%または40%、好ましくは50%、60%〜70%または更には100%増加させうる。

0117

典型的には、臨床治験(例えば、II相、II/III相またはIII相治験)においては、標準的な療法だけ(またはそれに加えてプラセボ)を受けた患者の対照群と比較した場合の、標準的な療法と該ヒト化抗LIV-1抗体とで治療された患者の半無進行生存および/または応答率における前記増加は、例えばp=0.05または0.01または更には0.001の水準で、統計的に有意である。該完全および部分的応答率は、癌に関する臨床治験において一般的に用いられる客観的基準(例えば、National Cancer Instituteおよび/またはFood and Drug Administrationにより掲載または受け入れられているもの)により決定される。

0118

VIII.他の用途
該抗LIV-1ヒト化抗体は、臨床診断または治療または研究の場合にLIV-1を検出するために使用されうる。癌上のLIV-1の発現は、該癌が本発明の抗体での治療に適しているという指標を提供する。該抗体は、LIV-1を含有する細胞および種々の刺激に対するそれらの応答を検出する際の実験室研究用の研究用試薬として販売されうる。そのような用途においては、モノクローナル抗体は蛍光分子スピン標識分子、酵素または放射性同位体で標識されることが可能であり、LIV-1に関するアッセイを行うための必要な試薬の全てを含むキットの形態で提供されうる。本明細書に記載されている抗体BR2-14a、BR2-22a、ならびにそれらのヒト化形態、例えばhLIV14およびhLIV22は、LIV-1タンパク質発現を検出するために、および癌がLIV-1ADCでの治療に適しているかどうかを判定するために使用されうる。一例として、BR2-14a、BR2-22a、ならびにそれらのヒト化形態、例えばhLIV14およびhLIV22は、乳癌細胞、メラノーマ細胞、子宮頸癌細胞または前立腺癌細胞上のLIV-1発現を検出するために使用されうる。該抗体は、LIV-1を例えばアフィニティクロマトグラフィにより精製するためにも使用されうる。

0119

IX.カニクイザルLIV-1
本発明は更に、シグナルペプチド(これは配列番号85の残基約1-28を占有する)を伴う又は伴わない、配列番号85におけるカニクイザル由来のLIV-1(CY LIV-1)のアミノ酸配列、およびそのアミノ酸配列をコードする核酸を提供する。1、2、3、4または5個までの置換、欠失または挿入により異なる変異体も含まれる。ただし、CY変異体は天然ヒトLIV-1配列を含まない。ヒトLIV-1と同様に、CY-LIV-1に対する言及は、該タンパク質の少なくとも細胞外ドメイン、通常は、切断可能なシグナルペプチド(アミノ酸1-28)以外の完全タンパク質を意味する。本発明は更に、ヒトLIV-1への特異的な結合を伴う又は伴わない(すなわち、陰性対照関連抗体のレベルでのヒトLIV-1への結合)、配列番号85に特異的に結合する抗体を提供する。本発明は更に、ヒトLIV-1に対してよりもCY-LIV-1に対して優先的に(またはその逆)結合する抗体を提供する。優先的な結合は、実験誤差より高い、好ましくは少なくとも2、3または4倍高い結合を意味する。本発明は更に、例示されている後記抗体のいずれかと実験誤差内で同じ、ヒトおよびCY LIV-1への結合プロファイルを示す抗体を提供する。本発明は更に、CY LIV-1に対する抗体の結合を分析する方法を提供する。そのような方法は、抗体をCY LIV-1と接触させ、該抗体がCY LIV-1に特異的に結合するかどうかを決定し、場合によっては、結合強度尺度、例えば会合定数を決定することを含む。

0120

前記または後記で引用されている全ての特許出願、ウェブサイト、他の刊行物、アクセッション番号などの全体を、それらのそれぞれのものが参照により本明細書に組み入れられると具体的かつ個別に示されている場合と同様に、全ての目的において本明細書に組み入れることとする。ある1つの配列の種々の形態が、異なる時点で1つのアクセッション番号に関連づけられている場合、本出願の有効出願日において該アクセッション番号に関連づけられている形態が意味を持つ。該有効出願日は、実際の出願日、または適用可能な場合の、該アクセッション番号に言及している優先権主張基礎出願の出願日のうちの早いほうを意味する。同様に、刊行物、ウェブサイトなどの種々の形態が、異なる時点で公開されている場合、特に示されていない限り、本出願の有効出願日において最も最近に公開された形態が意味を持つ。特に示されていない限り、本発明のいずれかの特徴、工程、要素、実施形態または態様は、いずれかの他のものと組合されうる。本発明は、明瞭化および理解を目的として、例示および具体例により相当詳細に記載されているが、添付の特許請求の範囲の範囲内で或る変更および修飾が行われうることが明らかであろう。

0121

(実施例)
I.BR2-14aのヒト化
材料
以下の実施例に記載する細胞系を、American Type Culture Collection (ATCC)、National Cancer Institute (NCI)またはDeutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH, Braunschweig, Germany (DMSZ)により特定されている条件に従い、培養内で維持した。細胞培養試薬は、Invitrogen Corp. (Carlsbad, CA.)または他の供給業者から入手した。

0122

方法:
飽和結合アッセイ
1×105個の抗原発現細胞(ヒトLIV-1を発現するMCF7細胞(ATCC)、ヒトLIV-1を発現するトランスフェクト化CHO細胞系、またはシノLIV-1を発現するトランスフェクト化CHO細胞系)を96ウェルv底プレートのウェルごとにアリコート化した。AlexaFluor-647標識マウスLIV-1 mAb、例えばBR2-14aを0.66pM〜690nMの範囲の濃度で加え、上で30分間インキュベートした。細胞をペレット化し、PBS/BSAで3回洗浄した。ついで該細胞をペレット化し、125μLのPBS/BSAに再懸濁させた。飽和蛍光シグナルに対する百分率を用いて、蛍光フローサイトメトリーにより分析して、結合率を決定し、ついで見掛けKdを計算した。

0123

競合結合アッセイ
組換えヒトLIV-1を発現する、PBS/BSA中のCHO細胞1×105個を氷上の96ウェルV底プレートの各ウェル内にアリコート化した。5 nM AlexaFluor-647 (AF)標識親マウスLIV-1 mAbおよび次第に増加する濃度(0.038 nMから600 nMまで)の未標識ヒト化LIV-1 mAb、ヒト化軽鎖LA-LFとヒト化重鎖HA-HEとの組合せと共に、該細胞を1時間インキュベートした。細胞をペレット化し、PBS/BSAで3回洗浄した。該細胞をペレット化し、125μLのPBS/BSAに再懸濁させた。飽和蛍光シグナルに対する百分率を用いて、蛍光をフローサイトメトリーにより分析して、結合した標識マウスLIV-1 mAbの百分率を決定し、ついで該データを種々の勾配でS字状用量-反応曲線に当てはめることによりEC50を外挿した。

0124

LIV-1を発現する、PBS/BSA中のMCF7細胞1×105個を氷上の96ウェルV底プレートの各ウェル内にアリコート化した。5 nM AlexaFluor-647標識マウスLIV-1 mAbおよび次第に増加する濃度(0.038 nMから600 nMまで)の未標識ヒト化LIV-1 mAb、ヒト化軽鎖LA-LFとヒト化重鎖HA-HEとの組合せと共に、該細胞を1時間インキュベートした。細胞をペレット化し、PBSで3回洗浄した。該細胞をペレット化し、125μLのPBS/BSAに再懸濁させた。飽和蛍光シグナルに対する百分率を用いて、蛍光をフローサイトメトリーにより分析して、結合した標識マウスLIV-1 mAbの百分率を決定し、ついで該データを種々の勾配でS字状用量-反応曲線に当てはめることによりEC50を外挿した。

0125

組換えシノLIV-1を発現する、PBS中のCHO細胞1×105個を氷上の96ウェルV底プレートの各ウェル内にアリコート化した。5 nM AlexaFluor-647標識マウスLIV-1 mAbおよび次第に増加する濃度(0.038 nMから600 nMまで)の未標識ヒト化LIV-1 mAb、ヒト化軽鎖LA-LFとヒト化重鎖HA-HEとの組合せと共に、該細胞を1時間インキュベートした。細胞をペレット化し、PBSで3回洗浄した。該細胞をペレット化し、125μLのPBS/BSAに再懸濁させた。飽和蛍光シグナルに対する百分率を用いて、蛍光をフローサイトメトリーにより分析して、結合した標識マウスLIV-1 mAbの百分率を決定し、ついで該データを種々の勾配でS字状用量-反応曲線に当てはめることによりEC50を外挿した。

0126

定量的フローサイトメトリー分析
一次抗体としてのマウスLIV-1 mAbおよびDAKO QiFiKitフローサイトメトリー間接アッセイを製造業者(DAKO A/S, Glostrup, Denmark)の説明に従い使用して、細胞表面上のLIV-1コピー数の定量を決定し、Becton DickinsonFACS(登録商標)canフローサイトメーターを使用して評価した。

0127

細胞傷害性(細胞毒性)アッセイ
腫瘍細胞をLIV-1抗体薬物コンジュゲートと共に37℃で96〜144時間インキュベートした。陰性対照として非結合性(H00)ADCを使用した。最終濃度50μMのレサズリン(Sigma)細胞により生存度を測定した。細胞を37℃で4〜6時間インキュベートした。FusionHT蛍光プレートリーダー(Perkin Elmer, Waltham, MA)で蛍光シグナルを測定した。結果は、ビヒクル処理細胞(対照=100%)と比較した場合に生存度における50%の減少をもたらすのに必要な化合物の濃度であるIC50で表されている。

0128

抗体薬物コンジュゲートの製造
該LIV-1抗体の抗体薬物コンジュゲートを、US20050238649に記載されているとおりに製造した。薬物リンカーvcMMAE(1006とも称される)およびmcMMAF(1269と称される)は共にUS20050238649に記載されている。IgG1抗体のシステイン突然変異体の製造はUS20100158919に全般的に記載されている。US20050238649およびUS20100158919を全ての目的において参照により本明細書に組み入れることとする。

0129

非フコシル化抗LIV-1 mAb
ヒト化IgG1抗LIV-1モノクローナル抗体HBLB mAb(hLIV-14)を産生するCHO DG44細胞系を、125mL振とうフラスコ内で100RPMで振とうしながら、30mLのCHO培地内で37℃、5% CO2で3.0×105細胞/mLで培養した。培地インスリン様増殖因子(IGF)、ペニシリン、ストレプトマイシンおよび65μM 2-フルオロフコースペルアセタート(SGD-2084)(US20090317869を参照されたい)で補足した。第3日に培養に2%容量のフィード培地を供給した。第4日に、該培養を新鮮培地内に1:4で分割した。第5、7、9および10日に、培養に6%容量の生産フィード培地を供給した。第13日に、該培養を0.2μmフィルターに通過させることにより、馴らし培地を集めた。1×リン酸緩衝食塩水(PBS)(pH 7.4)で前平衡化されたプロテインAカラムに該馴らし培地を適用することにより、抗体精製を行った。

0130

カラムを20カラム容量の1×PBSで洗浄した後、抗体を5カラム容量のImmunopureIgG溶出バッファー(Pierce Biotechnology, Rockford,IL)で溶出した。10%容量の1M Tris(pH 8.0)を溶出画分に加えた。サンプルを1×PBS中に一晩透析した。

0131

抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)
標準的な51Cr遊離アッセイを用いて、ADCC活性を測定した。簡潔に説明すると、該MCF-7標的腫瘍細胞を100μCiのNa51CrO4で標識し、洗浄し、エフェクター(ナチュラルキラー, NK)細胞の添加前に試験抗体と共にプレインキュベートした。免疫磁気ビーズ(EasySep, StemCell Technologies, Vancouver, BC, Canada)を使用して、正常FcγRIIIA 158V/Vドナー(Lifeblood, Memphis, TN)から得られた非接着性末梢血単核細胞(PBMC)からNK(CD16+ CD56+)細胞を調製した。生存可能NK細胞を標的細胞に、10:1のエフェクター対標的細胞比で加えた。このアッセイにおける陰性対照として、ヒトIgG1κ(Ancell, Bayport, MN)を使用した。4時間のインキュベーションの後、上清を集め、Lumaプレート上で一晩乾燥させた。ついで、細胞溶解されたMCF-7細胞から放出されたガンマ線を、TopCount Microplate ScintillationおよびLuminescence Counter(Perkin Elmer, Waltham, Massachusetts)を使用して検出した。ADCC活性は%特異的細胞溶解として示されている。

0132

in vivo活性研究
ヌード(nu/nu)マウス(7〜8匹/群)に、培養内で増殖させた以下の腫瘍細胞を移植した:NCIからのMCF-7(25%マトリゲル中の5×106細胞)、ATCCからのPC3(25%マトリゲル中の2.5×106 細胞)およびDSMZからのPC3(25%マトリゲル中の5×105 細胞)。また、MCF-7細胞のin vivo増殖のために、徐放エストロゲンペレット(90日間放出)を移植することにより、雌マウスにエストロゲン補充を行った。腫瘍が100 mm3に達したら、キメラもしくはヒト化LIV-1ADCまたは非結合性対照ADC(3 mg/kg)の投与を開始した(q4d×4腹腔内注射)。カリパスを使用して腫瘍体積モニターし、腫瘍体積が〜800 mm3に達したら、動物を安楽死させた。1以上の動物を安楽死させるまで、各群に関して腫瘍体積中央値プロットを継続した。全ての動物の取り扱いは、Association for Assessment and Accreditation of Laboratory Animal Careにより認められた施設において、Institutional Animal Care and Use Committeeにより承認されたプロトコールに従い行った。

0133

LIV-1免疫組織化学的(IHC)染色
方法
腫瘍マイクロアレイ(TMA)および個々の腫瘍サンプルを商業的入手源から入手した。正常または腫瘍ホルマリン固定およびパラフィン包埋(FFPE)組織からの組織マイクロアレイはUS Biomax Inc.またはCybrdiから購入した。凍結アレイはBioChainから購入した。単一切片NDRI、Asterand, Tissue SolutionまたはCHTNから購入した。転移性ホルモン治療抵抗性前立腺癌(対応する骨および軟組織転移部位)のパラフィン包埋サンプル25個の一式はR. Vessella博士(University of Washington, Genitourinary Cancer Department)により提供された。全てのサンプルはBond-Max(商標)自動染色装置(Leica)で加工された。

0134

FFPE組織のIHC染色:
FFPEスライドまたはガラススライド上で切片化されたTMAを、72℃でBond(商標)Dewax溶液(Leica, cat # AR9222)を使用して脱パラフィン化し、再水和させた。一次マウスLIV-1 mAb(1〜2μg/ml)とのインキュベーション(25℃で30〜45分間)の前に、95〜100℃で20分間、EDTA系Bond(商標)Epitope Retrieval Solution 2(Leica, cat # AR9640)を使用して、抗原回収を行った。イソタイプ合致マウスIgG1(Sigma; cat # M5284)をバックグラウンド染色に関する陰性対照として使用した。自動IHC染色のために、Refine DABキットまたはアルカリホスファターゼ検出キット:Bond(商標)PolymerAPRed Detectionキット(Leica, cat # DS9305)を使用した。スライドを、予備的な30分間のタンパク質ブロック(DAKO cat #X0909)を伴って、マウスLIV-1 mAbに対するマウスモノクローナル一次抗体(1μg/ml)と共に45分間インキュベートした。色素源の現像の後、切片をヘマトキシリン対比染色し、カバーガラスで覆った。病理学者によりスライドが評価され、スコア化された。Zeiss Axiovert 200M顕微鏡(Carl Zeiss, Inc., Thornwood, NY)を使用して、イメージ撮影した。

0135

凍結組織のIHC:
凍結/OCTサンプルの5μm切片を10分間にわたってアセトン固定し、30分間にわたって空気乾燥させ、室温で20分間にわたって1×Morphosaveで前処理した。該スライドをBond-Max(商標)自動染色装置(Leica)内にローディングし、予備的な30分間のタンパク質ブロック(DAKO cat# X0909)を伴って、一次抗体で45分間染色した。マウスIgG1(BD Pharmingen cat #550878)を陰性対照として使用した。検出のために、DAB系Bond Polymer Refineキット(Leica, cat # DS9800)を使用した。色素源の現像の後、切片をヘマトキシリンで対比染色し、カバーガラスで覆った。病理学者によりスライドが評価され、スコア化された。

0136

結果
1.マウス抗体の結合
マウスLIV-1モノクローナル抗体BR2-14a抗体(US2004141983)のKDを、ヒト乳癌細胞系において内因性タンパク質として又はCHO細胞系において組換えタンパク質として発現されたヒトLIV-1に対して決定した。マウスLIV-1抗体BR2-14aのKDを、CHO細胞系において組換えタンパク質として発現されたシノLIV-1に対しても決定した。MCF7はヒト乳癌細胞系である。293Fはヒト胚腎細胞系である。表1は、該抗体が、ヒト細胞系から発現された非組換えLIV-1に対しては、組換えLIV-1に対する場合より約5倍低い解離定数を、ヒト由来(hLIV-1)の場合にもカニクイザル由来(cyLIV-1)の場合にも有していたことを示している。

0137

2.ヒト化抗体の設計および試験
この実施例におけるヒト化のための出発点、すなわち、ドナー抗体は、ATCCアクセッション番号PTA-5705Aを有するハイブリドーマにより製造されるマウス抗体BR2-14aであり、US2004141983に記載されている。適当なヒトアクセプター配列は、重鎖に関してはVH1-02およびJH5により、そして軽鎖に関してはVK2-30およびJk4により提供されるゲノム配列である。該ヒトアクセプター配列は可変領域フレームワークにおけるドナー配列に対して68および85%の同一性を示す。ヒトアクセプター配列の軽鎖CDRは、ドナー配列のCDRと同じカノニカル型(canonical)のものである。これとは対照的に、ヒトアクセプター配列の重鎖CDRは、それらのカノニカル型において異なっていた(該生殖系列は1〜3であったが、マウスドナーでは1〜2であった)。

0138

ドナー配列のアライメントは、ヒトアクセプター配列がドナー配列と異なる、重鎖における11個の位置(H27,H28, H29, H30, H48, H66, H67, H71, H76, H93およびH94)および軽鎖における5個の位置(L36, L37, L45, L46およびL39)を特定した。これらの位置は、抗原に直接的に接触する結果として抗体結合に影響を及ぼして、CDRのコンホメーションに影響を及ぼし、または重鎖および軽鎖間のパッキング(packing)に影響を及ぼしうる。これらの位置の種々の順列において復帰突然変異を含む5個のヒト化重鎖および6個のヒト化軽鎖を作製した(図1(配列アライメント)および表2)。

0139

ついで、ヒト化重鎖および軽鎖のこれらの鎖の各順列(30の可能性)に相当するヒト化抗体を発現させた。CHO細胞から発現された組換えヒトLIV-1に関する結合曲線を図2に示す。EC50を以下の表3に要約する。

0140

これらのデータは、試験された30個のヒト化抗体におけるEC50の相当なばらつきを示しており、このうち、HBLBおよびHELEが、その次のヒト化抗体HBLFより少なくとも2倍良好な結合およびそれらのヒト化抗体のほとんどより大きな差(マージン)を示している。図2の結合曲線は、HBLBおよびHELEが元のマウス抗体より強力な結合をもたらすことを示している。

0141

該ヒト化抗体の最良体として、HBLB抗体を選択した。なぜなら、それは(HELEと並んで)最強の結合をもたらすが、HELEより少数の復帰突然変異を有する(HBLBには4個の、そしてHELEには12個の復帰突然変異が存在する)からである。

0142

CHO細胞上で発現されたヒトLIV-1に結合したヒトLIV-1 mAbに関するEC50を、MCF7細胞系内で天然タンパク質として発現されたヒトLIV-1に対して決定した(図3)。この場合も、LIV-1 mAb HBLBおよびHELEが最強の結合体であると決定された。
MCF7細胞上のヒトLIV-1に対するHBLBに関するKdは、幾つかの飽和結合曲線の平均から、1.5nMであると決定された。一方、該マウス抗体に関するKdは2.9nMである。換言すれば、HBLB抗体は、該マウス抗体と比較して、天然ヒトLIV-1に対する約2倍のアフィニティを有する。図4に示されている飽和結合曲線は代表例である。

0143

2つの形態のHBLBを、CHO細胞から組換え発現されたヒトLIV-1への結合に関して比較した。一方の形態は、野生型ヒトIgG1およびカッパ定常領域を伴って発現された。他方の形態は、Fcガンマ受容体への該抗体の結合を低減する、IgG1重鎖におけるS239C突然変異(EU番号付け)以外は同じであった(LIV-14dまたはHBLB S239Cと称される)。マウスドナー抗体と比較された、これらの抗体の結合曲線およびEC50を、図5に示す。両方の形態のHBLBのEC50は互いに類似しており(研究の誤差の範囲内)、両方とも、該マウス抗体より強力であった。

0144

また、ヒト化LIV-1 mAb HBLBおよびHBLB S239Cに関するEC50を、CHO細胞系内で組換えタンパク質として発現されたシノLIV-1に対して決定した。どちらの抗体も、等しいアフィニティ(マウスLIV-1 mAbより良好)で結合した。

0145

LIV-1に関する発現データ
ホルマリン固定パラフィン包埋組織を使用する、種々の腫瘍型免疫組織化学的分析のために、マウスLIV-1 mAb(符合のために少なくとも2つ)を使用した。

0146

本発明者らは、組織マイクロアレイを使用して行った研究においては、大きな組織切片の場合より低いLIV-1 IHC陽性を観察した。発現における相違は非常に有意であり、このことは、より大きな組織切片におけるLIV-1発現の分析が好ましいことを示唆している。少なくとも2つの異なる抗LIV-1 mAbを使用した場合に、発現の良好な符合が存在した。図6および7はホルモン(タモキシフェンまたはアロマターゼインヒビター)治療後の乳および前立腺腫瘍における高レベルのLIV-1発現を示しており、LIV-1ADCを使用してこれらの腫瘍を標的化する強力な論理根拠を示している。図8は、三重陰性(ER-、PgR-、Her2-)乳癌組織における、検出可能なLIV-1発現を示している。免疫組織化学染色による三重陰性乳癌におけるLIV-1発現レベルは、本発明者らがLIV-1 ADCの抗腫瘍活性を示したPC3動物モデルにおけるレベルに匹敵していた。したがって、三重陰性乳癌、特に、LIV-1を発現することが判明している三重陰性乳癌は、可能な標的集団である。

0147

ADCおよびエフェクター機能増強mAb(SEA)としてのhLIV-14 mAbのin vitro抗腫瘍活性
in vitroでのLIV-1 ADCの抗腫瘍活性を細胞傷害性アッセイ(図9)および抗体依存性細胞傷害(ADCC)(図10および11)の両方を用いて測定した。まず、定量的FACS分析により、種々の細胞系におけるLIV-1発現の調査を行った。ATCCからの乳癌細胞系MCF-7は、他の起源からのMCF-7細胞系と比較して最高レベルのLIV-1結合部位/細胞を有していた(データ非表示)。in vitroでの両方のアッセイに、この細胞系を使用した。図9に関しては、種々のhLIV-14 ADC(vcMMAE(1006と称される)またはmcMMAF(1269と称される)(共にUS20050238649に記載されている小さな分子および/またはリンカー)にコンジュゲート化されたHBLB抗体)は、非結合性およびマウス対照コンジュゲート(mIgG-1006、mIgG-1269、hIgG-1006およびhIgG-1269)と比較してMCF-7細胞の殺傷に非常に有効であった。また、抗体1個当たり平均2個の薬物リンカーを有するシステイン突然変異体LIV-14d ADCも、細胞傷害性アッセイによる測定で、MCF-7細胞の殺傷において非常に有効であった。図10および11に関しては、ADCCアッセイにおいて、フコシル化/野生型(WT)mAbおよびADCの活性をエフェクター機能増強形態(SEAと称される非フコシル化mAbおよびADC)と比較した。結果は、エフェクター機能増強LIV-1 mAbおよびADCが、非エフェクター機能増強mAbまたはADCと比較して、MCF-7細胞に対する良好なADCC活性を有することを示した(例えば、図10のhLIV SEA vcMMAEをhLIV-1 vcMMAEと比較されたい)。再び図9に関しては、エフェクター機能増強LIV-1 ADC(SEAとして示されている)はまた、野生型(非フコシル化)ADCに類似したレベルの細胞傷害活性を有していた(hLIV-1 SEA 1006 (vcMMAE)をhLIV-1 1006 (vcMMAE)と比較されたい)。このように、細胞傷害性はエフェクター機能およびコンジュゲート作用の両方により影響を受けうる。

0148

hLIV-14ADCのin vivo抗腫瘍活性
乳癌(MCF-7)および前立腺癌(PC-3)モデルを使用して、LIV-1 ADC(抗体1個当たり平均4個の薬物を有するキメラおよびヒト化(HBLB)mAb)のin vivoでの抗腫瘍活性を測定した(図12〜15)。vcMMAEにコンジュゲート化されたLIV1 ADCは、未処理および対照ADCと比較して有意な腫瘍遅延を示した。LIV-1-vcMMAEを3mg/kgで使用した研究の全てにおいて、少なくとも1つの完全退縮(CR)が観察され、幾つかの動物は、対照と比較して静的な又は遅く成長する腫瘍を有していた。図12に関しては、vcMMAEにコンジュゲート化された親マウス抗体のキメラ形態は7匹中3匹のマウスにおいて完全な退縮を引き起こした。図13に関しては、同じキメラADCは8匹中1匹のマウスにおいて完全な退縮を引き起こした。図14に関しては、vcMMAEにコンジュゲート化されたヒト化ADC(HBLB)(hLIV-14-vcMMAE(4))は8匹中1匹のマウスにおいて完全な退縮を引き起こした。また、HBLB抗体のシステイン突然変異形態(hLIV-14d-vcMMAE(2)と称される、抗体1個当たり薬物リンカー2個の平均薬物負荷を有するコンジュゲートを与えるように、239位において各重鎖にコンジュゲート化されたvcMMAE薬物リンカー)は、該4負荷形態に類似した活性を示した。図15に関しては、vcMMAEにコンジュゲート化されたヒト化ADC(HBLB)(hLIV-14-vcMMAE(4))は前立腺癌モデルで8匹中1匹のマウスにおいて完全な退縮を引き起こした。これとは対照的に、該2負荷システイン突然変異体の活性はこのモデルにおいては顕著ではなかった(hLIV-14-vcMMAE(4)をhLIV-14d-vcMMAE(2)と、そしてhLIV-14-mcMMAF(4)をhLIV-14d-mcMMAF(2)と比較されたい)。要約すると、これらの研究は、LIV-1 ADCが、乳癌および前立腺癌を含むLIV-1発現癌の成長を停止または遅延させうることを示している。

0149

II.BR2-22aのヒト化
mAb2と称されることもあるBR2-22aはイソタイプIgG1カッパのマウスモノクローナル抗体である。

0150

方法:
以下に特に示さない限り、BR2-14aのヒト化および試験に関して記載されている方法がBR2-22にも適用可能である。

0151

飽和結合アッセイ
1×105個の抗原発現細胞(ヒトLIV-1を発現するMCF7細胞、ヒトLIV-1を発現する293F細胞、ヒトLIV-1を発現するトランスフェクト化CHO細胞系またはシノLIV-1を発現するトランスフェクト化CHO細胞系)を96ウェルv底プレートのウェルごとにアリコート化した。AlexaFluor-647標識マウスBR2-22aを0.66pM〜690nMの範囲の濃度で加え、氷上で30分間インキュベートした。細胞をペレット化し、PBS/BSAで3回洗浄した。ついで該細胞をペレット化し、125μLのPBS/BSAに再懸濁させた。飽和蛍光シグナルに対する百分率を用いて、蛍光をフローサイトメトリーにより分析して、結合率を決定し、ついで見掛けKdを計算した。

0152

競合結合アッセイ
組換えLIV-1を発現する、PBS中のCHO細胞1×105個を氷上の96ウェルV底プレートの各ウェル内にアリコート化した。5 nM AlexaFluor-647 (AF)標識親マウスBR2-22aおよび次第に増加する濃度(0.038 nMから600 nMまで)の未標識ヒト化BR2-22a抗体(ヒト化軽鎖LA-LGおよびヒト化重鎖HA-HGの全ての組合せのもの)と共に、該細胞を1時間インキュベートした。細胞をペレット化し、PBSで3回洗浄した。ついで該細胞をペレット化し、125μLのPBS/BSAに再懸濁させた。飽和蛍光シグナルに対する百分率を用いて、蛍光をフローサイトメトリーにより分析して、結合した標識ヒト化BR2-22a抗体の百分率を決定し、ついで該データを種々の勾配でS字状用量-反応曲線に当てはめることによりEC50を外挿した。

0153

in vivo活性研究
ヌード(nu/nu)マウス(7〜8匹/群)に、培養内で増殖させた以下の腫瘍細胞を移植した:MCF-7(NCI)(25%マトリゲル中の5×106細胞)、ATCCからのPC3(25%マトリゲル中の2.5×106 細胞)およびDSMZからのPC3(25%マトリゲル中の5×105 細胞)。また、MCF-7細胞のin vivo増殖のために、徐放エストロゲンペレット(90日間放出)を移植することにより、雌マウスにエストロゲン補充を行った。腫瘍が100 mm3に達したら、キメラもしくはヒト化LIV-1ADCまたは非結合性対照ADC(3 mg/kg)の投与を開始した(q4d×4腹腔内注射)。カリパスを使用して腫瘍体積をモニターし、腫瘍体積が〜800 mm3に達したら、動物を安楽死させた。1以上の動物を安楽死させるまで、各群に関して腫瘍体積中央値プロットを継続した。全ての動物の取り扱いは、Association for Assessment and Accreditation of Laboratory Animal Careにより認められた施設において、Institutional Animal Care and Use Committeeにより承認されたプロトコールに従い行った。

0154

結果および考察の要約
飽和結合
BR2-22aは、成熟重鎖可変領域においてはBR2-14aに対して94%の同一性を、そして成熟軽鎖可変領域においては91%の同一性を示す。BR2-22aのマウスLiv1に関するKD(表5)を、ヒト乳癌細胞系、293F細胞において内因性タンパク質として又はCHO細胞系において組換えタンパク質として発現されたヒトLIV-1に対して決定した。BR2-22aに関するKDも、CHO細胞系において組換えタンパク質として発現されたシノLIV-1に対して決定した。

0155

ヒト化法
重鎖にはVH1-02 JH5生殖系列アクセプター配列を、そして軽鎖にはVK2-30 JK4アクセプター配列を使用して、BR2-22a抗体をヒト化した。これらのアクセプター配列は、BR2-22A重鎖および軽鎖の成熟可変領域フレームワークに対する最高の配列同一性をそれらが有することに基づいて選択された。まず、5個の変異重鎖を構築した。それぞれはBR2-22aの重鎖からの3個のKabatCDRを含み、それらの鎖は、0個(VA)から11個(VE)までの復帰突然変異を有する点で異なっていた。まず、6個の変異軽鎖を構築した。それぞれはBR2-22aの軽鎖からの3個のKabat CDRおよび0個(LA)から4個(LF)までの復帰突然変異を含んでいた。これらの復帰突然変異は、抗原と直接的に相互作用しCDRコンホメーションに影響を及ぼし又は重鎖と軽鎖との間の境界に影響を及ぼす可能性を有する位置を特定するためのBR2-22A抗体のモデリングの結果として、およびBR2-14aとBR2-22aとの間の高い配列同一性によるBR2-14aのヒト化におけるこれまでの経験に基づいて選択された。実際、重鎖における同じ11個の位置および軽鎖における同じ4個の位置がBR2-14aおよびBR2-22aの両方における復帰突然変異に考慮された(L39はBR2-22aにおいては考慮されなかった。なぜなら、該マウス残基は該ヒト残基と同じだからである)。ヒト化BR2-22aの各変異体に存在する復帰突然変異を以下の表6および7に示す。

0156

各変異体の成熟可変領域の完全配列を図16Aおよび16Bに示す。

0157

ついで、これらの5個の重鎖および6個の軽鎖の全ての順列を、BR2-22aと比較される競合アッセイにおいて試験した(図17を参照されたい)。マウス抗体と比較して改善された結合が僅か4個の復帰突然変異で得られ、それ以上の復帰突然変異は結合アフィニティを必ずしも改善しなかった、BR2-14a抗体での経験を考慮すると、驚くべきことに、BR2-22aの場合に近い結合アフィニティを示したヒト化鎖の唯一の組合せは、15個の復帰突然変異を有するHELFであった。その他の順列はLIV-1への有意な結合を十分には又は全く示さなかった。これらの種々の順列のEC50を以下の表8に示す。

0158

HELFは満足な結合を示しているが、該抗体は、潜在的な免疫原性に関する理想より大きな数字である合計15個の復帰突然変異を含有する。したがって、個々の復帰突然変異の除去の効果を試験するために、HEおよびLF鎖を系統的に変化させた。図18は、試験した変異体を示す。LF-1〜LF-4は、LFに存在する異なる復帰突然変異をそれぞれが欠いている点で、LFとは異なる。同様に、HE-1〜HE-11は、HEに存在する復帰突然変異の1つを欠く。図19はLF-1〜LF-4(それぞれHEとペアになっている)を比較したものである。LF-2およびLF-3は、LF(グラフにおいてHELF経過対照として示されている)と比較して実質的な結合アフィニティを喪失するが、LF-1およびLF-4は喪失しなかったことを、図19は示している。復帰突然変異L36およびL46は実質的に結合アフィニテイの保持に寄与するが、L37およびL45位の復帰突然変異は、結合に対する有意な効果を伴うことなく生じうる、と結論づけられた。図20は、HE変異体に関する、類似した結合曲線を示す。図20は、HE-11がその結合のほとんどを喪失したことを示しており、このことは、H94位の復帰突然変異が、試験された復帰突然変異のうち、結合アフィニティに最大の効果をもたらすことを示している。また、H27、H29およびH30位の復帰突然変異の喪失はアフィニティの有意な喪失を引き起こした。H30の役割は、体細胞突然変異の結果であるマウス残基により合理的に説明されうる。H76位の復帰突然変異の喪失はアフィニティのかなりの喪失を引き起こした。H28、H48、H66、H67、H71およびH93位におけるその他の復帰突然変異は、結合アフィニティに対する効果をほとんど又は全く伴うことなく生じることが可能であった。

0159

これらの実験を考慮して、軽鎖LGの場合と同様に、重鎖HFおよびHGを構築した。HFはH27、H29、H30およびH94位に復帰突然変異を含み、HGはこれらの突然変異およびH76位の復帰突然変異を含んでいた。LGはL36およびL46位に復帰突然変異を含有する。HF、HG、LEおよびLFの幾つかの順列を、図21に示されているとおり、競合結合に関して試験し、全てはマウスBR2-22aの場合の3倍(3のファクター)以内の結合を示した。

0160

この実験を考慮して、結合アフィニティと最少の復帰突然変異との最良の組合せを表すHGLGを、更なる実験のために選択した。以下、この抗体はhLIV22と称される。CHO細胞から発現されたヒトおよびシノLIV-1に対するhLIV22の飽和結合アフィニティを、hLIV14の場合と比較して図22に示す。図22は、hLIV22が、hLIV14より約4倍高い、ヒトLIV-1に対するアフィニティ(解離定数の逆数)を有することを示している。更に、ヒトLIV-1に対するhLIV22のアフィニティは、シノモルグスLIV-1に対するそのアフィニティと、実験誤差内で同じであるが、hLIV14は、シノモルグスLIV-1に対しては、ヒトLIV-1に対するアフィニティの2倍のアフィニティを示している。ヒトLIV-1に対するhLIV22のアフィニティは親マウス抗体BR2-22aの場合と実験誤差内で同じである。

0161

hLIV22ADCのin vitro抗腫瘍活性
in vitroでのhLIV22 ADCの抗腫瘍活性を細胞傷害性アッセイにより測定した。まず、定量的FACS分析により、種々の細胞系におけるLIV-1発現の調査を行った。ATCCからの乳癌細胞系MCF-7は、他の起源からのMCF-7細胞系と比較して最高レベルのLIV-1結合部位/細胞を有していた(データ非表示)。in vitroアッセイに、この細胞系を使用した。種々のhLIV22 ADC(vcMMAE(1006と称される)またはmcMMAF(1269と称される)(共にUS2005-0238649に記載されている小さな分子)にコンジュゲート化されている)は、該in vitro細胞傷害性アッセイによる測定で、MCF-7細胞の殺傷に非常に有効であることを、本発明者らは観察した。図23および24は、1006または1269にコンジュゲート化されたhLIV22を、1006または1269にコンジュゲート化された非結合性対照抗体と比較している。

0162

LIV-1ADCのin vivo抗腫瘍活性
図25および26に示されているとおり、前立腺癌(PC-3)および乳癌(MCF-7)モデルを使用して、hLIV22 ADC(抗体1個当たり平均4個の薬物を有する)のin vivoでの抗腫瘍活性を測定した。vcMMAEにコンジュゲート化されたhLIV22 ADCは、未処理および対照ADCと比較して有意な腫瘍遅延を示した。hLIV22-vcMMAEを3mg/kgで使用するMCF-7の研究において、複数の完全退縮が観察された。また、全ての研究において、幾つかの動物は、対照と比較して静的な又は遅く成長する腫瘍を有していた。これらの研究は、hLIV22 ADCが、乳癌および前立腺癌を含むLIV-1発現癌の成長を停止または遅延させうることを示している。図27は該MCF-7モデルにおけるhLIV22およびhLIV14 ADCの活性を比較するものである。どちらの抗体も有効であったが、hLIV22のほうが僅かに有効であった。子宮頸癌のモデルにおいても、hLIV22 ADCを試験した。HeLA細胞異種移植片モデルを該アッセイに使用した。腫瘍が適当なサイズに成長した後、vcMMAEにコンジュゲート化されたhLIV22を3mg/kgおよび1mg/kgで動物に投与した。対照抗体コンジュゲートは、3mg/kgで投与した。3mg/kgのhLIV22 vc MMAEコンジュゲートが投与された動物において、完全退縮および部分的退縮が観察された(データ非表示)。このように、LIV-1抗体および抗体薬物コンジュゲートは、LIV-1発現子宮頸癌を治療するために使用されうる。

0163

III.抗LIV-1抗体を使用する皮膚癌の治療
メラノーマ腫瘍サンプル上のLIV-1タンパク質の発現
患者からのメラノーマサンプルを、IHC染色を用いて、LIV-1発現に関して評価した。FFPEスライドを、72℃でBond(商標)Dewax溶液(Leica, cat # AR9222)を使用して脱パラフィン化した。100℃で20分間、EDTA系Bond(商標)Epitope Retrieval Solution 2(Leica, cat # AR9640)を使用して、抗原回収を行った。IHC染色のために、アルカリホスファターゼ系検出キット:Bond(商標)Polymer Refine Red Detection kit(Leica, cat # DS9390)を使用した。スライドを、予備的な30分間のタンパク質ブロック(DAKO cat #X0909)を伴って、LIV-1に対するマウスモノクローナル一次抗体(1μg/ml)(BR2-14a)と共に45分間インキュベートした。マウスIgG(Sigma, cat # M5284)を陰性対照として使用した。色素源の現像の後、切片をヘマトキシリンで対比染色し、カバーガラスで覆った。病理学者によりスライドが評価され、スコア化された。

0164

結果を図28に示す。試験されたメラノーマ患者サンプルのうちの72%(21/29)がLIV-1発現に関して陽性であった。このことは、LIV-1インヒビター、例えば抗LIV-1抗体が、メラノーマ癌を治療するために使用されうることを示している。

0165

LIV-1ADCのin vivo抗メラノーマ活性
ヌード(nu/nu)マウス(7〜8匹/群)に、培養内で増殖させた10×106個のSK-MEL-5細胞(メラノーマ腫瘍由来細胞系)を移植する。腫瘍を、カリパスを使用する測定でそれが100 mm3になるまで、in vivoで成長させる。ヒト化LIV-1 ADC、例えばhLIV14またはhLIV22を3mg/kgで投与する。薬物コンジュゲートは例えばvcMMAEまたはmcMMAFである。また、対照動物に対照ADCを3mg/kgで投与する。ADCは、q4d×4腹腔内注射として投与する。カリパスを使用して腫瘍体積をモニターし、腫瘍体積が〜800 mm3に達したら、動物を安楽死させる。hLIV14 ADCまたはhLIV22 ADCの投与は、対照ADCが投与された動物と比較して、動物における腫瘍成長を著しく低下させる。

0166

配列表
配列番号1軽鎖リーダー;PRT/1;マウス(mus musculus)>

0167

配列番号2重鎖リーダー;PRT/1;マウス(mus musculus)>

0168

配列番号3<置換重鎖リーダー配列;PRT/1;マウス(mus musculus)>

0169

配列番号4<軽鎖定常領域;PRT/1;ヒト(homo sapiens)>

0170

配列番号5RT/1;ヒト(homo sapiens)>

0171

配列番号6末端Kなし);PRT/1;ヒト(homo sapiens)>

0172

配列番号7重鎖CH1 - CH3;PRT/1;ヒト(homo sapiens)>

0173

配列番号8重鎖CH1 - CH3 (c末端Kなし);PRT/1;ヒト(homo sapiens)>

0174

配列番号9HA;PRT/1;artificial>

0175

配列番号10RT/1;artificial>

0176

配列番号11RT/1;artificial>

0177

配列番号12RT/1;artificial>

0178

配列番号13HE;PRT/1;artificial>

0179

配列番号14RT/1;artificial>

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