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技術 メタン発酵方法および装置

出願人 大阪瓦斯株式会社
発明者 宮崎準平濱田結衣
出願日 2016年2月26日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-035819
公開日 2017年8月31日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-148777
状態 未査定
技術分野 汚泥処理 固体廃棄物の処理
主要キーワード 耐熱性プロテアーゼ 耐熱性微生物 放流路 飲料工場 希釈流 エネルギー回収量 供給液量 難溶性成分
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年8月31日)のものです。
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図面 (3)

課題

有機廃棄物を、より一層エネルギー回収効率高くバイオガス化すること。

解決手段

有機廃棄物をメタン発酵するメタン発酵方法であって、有機廃棄物を、耐熱性プロテアーゼの存在下に、70℃以上80℃未満の温度域可溶化する高温可溶化処理工程を行うとともに、有機廃棄物から発生したアンモニア成分を除去する高温可溶化処理工程を行った後、可溶化した有機廃棄物を、50℃以上80℃未満の温度域で高温メタン発酵する高温メタン発酵工程を行うメタン発酵方法。

概要

背景

飲料工場等から大量の茶滓等のバイオマス廃棄物有機廃棄物)が発生している。従来このような廃棄物の大部分はコンポスト処理あるいは焼却処理されている。

コンポスト処理においては、毎日大量に発生するバイオマス廃棄物をコンポスト処理するための広大敷地と安定的な受け入れ先の確保が難しい。焼却処理においては、バイオマス廃棄物が水分を含有するため多量の焼却エネルギーが必要であり、経済的ではなく好ましくない。このためバイオマス廃棄物の処理には改善が求められている。

そこで、これらバイオマス工場から安定した量が排出されること、他の一般廃棄物別個に排出されることから異物混入がなく品質が安定していること、さらに臭気が少ないといった特徴が着目され、近年のゼロエミッション等の廃棄物の複合有効処理思想の高まりをも受けて、より効率のよい処理方法が模索されてはじめている。たとえば、廃棄物を生ゴミと混合して堆肥化する処理方法や、炭化処理して活性炭として利用する再利用処理方法などの再利用化が研究されている(たとえば特許文献1)。

また、このような廃棄物をメタン発酵してメタンガスを得る試みもなされている(たとえば特許文献2)。しかし、リグニンヘミセルロース等の高次構造を含む難分解性木質系バイオマスをそのまま通常のメタン発酵処理に供しても、バイオガス化効率は低い。

そこで、本願出願人は、有機廃棄物として、たとえば茶滓のような木質バイオマスから効率よくバイオガス生産する技術を提供する目的で特許文献2に示すように、木質バイオマス含有排水受け入れる受け入れ部を設けるとともに、木質バイオマス含有排水を可溶化する可溶化槽を備え、可溶化された木質バイオマス含有排水をメタン発酵するメタン発酵槽を備えたメタン発酵装置を提案している。

また、このような可溶化を行うにあたって、茶滓を可溶化するには、特定の酵素処理液
が有効に用いられることも見出している(たとえば特許文献3)。

また、生ごみ可溶化処理するにあたり、80℃程度の温度下でアンモニアストリッピング処理を行うと、アンモニア除去効果が期待でき、好適なメタン発酵に有効であることも知られている(たとえば特許文献4)。この際、耐熱性プロテアーゼ生成菌が有効に用いられることも近年明らかになっている(たとえば特許文献5)。

概要

有機廃棄物を、より一層エネルギー回収効率高くバイオガス化すること。有機廃棄物をメタン発酵するメタン発酵方法であって、有機廃棄物を、耐熱性プロテアーゼの存在下に、70℃以上80℃未満の温度域で可溶化する高温可溶化処理工程を行うとともに、有機廃棄物から発生したアンモニア成分を除去する高温可溶化処理工程を行った後、可溶化した有機廃棄物を、50℃以上80℃未満の温度域で高温メタン発酵する高温メタン発酵工程を行うメタン発酵方法。

目的

そこで、本願出願人は、有機廃棄物として、たとえば茶滓のような木質バイオマスから効率よくバイオガスを生産する技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

有機廃棄物メタン発酵するメタン発酵方法であって、前記有機廃棄物を、耐熱性プロテアーゼの存在下に、70℃以上80℃未満の温度域可溶化する高温可溶化処理工程を行うとともに、メタン発酵槽にて発生したアンモニアを含む処理水返送し、可溶化槽にてアンモニア除去工程を行った後、可溶化した前記有機廃棄物を、50℃以上80℃未満の温度域で高温メタン発酵する高温メタン発酵工程を行うメタン発酵方法。

請求項2

前記有機廃棄物が茶滓を主成分として含有する茶滓廃棄物である請求項1に記載のメタン発酵方法。

請求項3

前記高温可溶化処理工程を嫌気性条件下で行う請求項1または2に記載のメタン発酵方法。

請求項4

前記高温メタン発酵工程を経た処理済みの排水を、前記高温可溶化処理工程に供される有機廃棄物の希釈液として返送する返送工程を行う請求項1〜3のいずれか一項に記載のメタン発酵方法。

請求項5

有機廃棄物をメタン発酵するメタン発酵装置であって、前記有機廃棄物を、耐熱性プロテアーゼの存在下に、70℃以上80℃未満の温度域で可溶化する高温可溶化槽を設け、前記高温可溶化槽は散気部を有するとともに、散気されたガス中回収されるアンモニアを回収除去するアンモニア回収部を有し、前記高温可溶化槽にて可溶化された前記有機廃棄物を、50℃以上80℃未満の温度域で高温メタン発酵する高温メタン発酵槽を設けたメタン発酵装置。

請求項6

前記散気部にバイオガスを供給するバイオガス供給部を設けてある請求項5に記載のメタン発酵装置。

請求項7

前記高温メタン発酵槽を経た処理済みの排水を前記高温可溶化槽に返送する処理水返送部を有する請求項5または6に記載のメタン発酵装置。

技術分野

0001

本発明は、有機廃棄物メタン発酵する方法および装置に関する。

背景技術

0002

飲料工場等から大量の茶滓等のバイオマス廃棄物(有機廃棄物)が発生している。従来このような廃棄物の大部分はコンポスト処理あるいは焼却処理されている。

0003

コンポスト処理においては、毎日大量に発生するバイオマス廃棄物をコンポスト処理するための広大敷地と安定的な受け入れ先の確保が難しい。焼却処理においては、バイオマス廃棄物が水分を含有するため多量の焼却エネルギーが必要であり、経済的ではなく好ましくない。このためバイオマス廃棄物の処理には改善が求められている。

0004

そこで、これらバイオマス工場から安定した量が排出されること、他の一般廃棄物別個に排出されることから異物混入がなく品質が安定していること、さらに臭気が少ないといった特徴が着目され、近年のゼロエミッション等の廃棄物の複合有効処理思想の高まりをも受けて、より効率のよい処理方法が模索されてはじめている。たとえば、廃棄物を生ゴミと混合して堆肥化する処理方法や、炭化処理して活性炭として利用する再利用処理方法などの再利用化が研究されている(たとえば特許文献1)。

0005

また、このような廃棄物をメタン発酵してメタンガスを得る試みもなされている(たとえば特許文献2)。しかし、リグニンヘミセルロース等の高次構造を含む難分解性木質系バイオマスをそのまま通常のメタン発酵処理に供しても、バイオガス化効率は低い。

0006

そこで、本願出願人は、有機廃棄物として、たとえば茶滓のような木質バイオマスから効率よくバイオガス生産する技術を提供する目的で特許文献2に示すように、木質バイオマス含有排水受け入れる受け入れ部を設けるとともに、木質バイオマス含有排水を可溶化する可溶化槽を備え、可溶化された木質バイオマス含有排水をメタン発酵するメタン発酵槽を備えたメタン発酵装置を提案している。

0007

また、このような可溶化を行うにあたって、茶滓を可溶化するには、特定の酵素処理液
が有効に用いられることも見出している(たとえば特許文献3)。

0008

また、生ごみ可溶化処理するにあたり、80℃程度の温度下でアンモニアストリッピング処理を行うと、アンモニア除去効果が期待でき、好適なメタン発酵に有効であることも知られている(たとえば特許文献4)。この際、耐熱性プロテアーゼ生成菌が有効に用いられることも近年明らかになっている(たとえば特許文献5)。

先行技術

0009

特開2003−325044号公報
特開2007−326070号公報
特開2013−184107号公報
特開2003−326237号公報
特開2011−083761号公報

発明が解決しようとする課題

0010

上述のメタン発酵装置にて効率よくバイオガスを発生させるには、有機廃棄物含有排水の可溶化効率を上げること、メタン発酵環境を適切に維持管理することが肝要であると考えられる。
特に茶滓は、一般的な食品生ごみのC/N比が13〜16程度に対して、C/N比が9〜11程度と低く、投入CODに対するN割合が高くなることから、高濃度処理ではメタン発酵槽内アンモニア阻害が起こりやすい。

0011

しかし、特許文献3に記載の技術によると、高濃度の窒素成分が、メタン発酵槽にて高濃度アンモニアになり発酵阻害要因となる虞がある。そのために、可溶化槽とメタン発酵槽との間に、アンモニア除去槽別途設けて、アンモニア除去を行うことも考えられる。しかし、このような構成では、アンモニア除去槽を別途有するために、装置が全体として大型化する。さらに、酵素触媒としての機能があるが、随時添加していると酵素の使用量が大幅に増え、運転費用が嵩むという問題が予想される。

0012

一方、特許文献4、5に記載の技術によると、高温可溶化と同時にアンモニア除去を行うので、装置全体として大型化する問題は解消され得るように考えられる。しかし、80℃以上の高温可溶化では温度維持に必要な運転コストがかかり、エネルギー回収量が低下するとともに、後段のメタン発酵槽との温度差が高くなると、大型な冷却塔および熱交換器などが必要となるものと予想される。

0013

したがって、本発明は上記実情に鑑み、有機廃棄物含有排水を処理する場合であっても、より一層バイオガス化を効率化し、エネルギー回収効率を高くすることができるメタン発酵方法およびメタン発酵装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0014

〔構成1〕
上記目的を達成するための本発明にかかるメタン発酵方法の特徴構成は、
有機廃棄物をメタン発酵するメタン発酵方法であって、
前記有機廃棄物を、耐熱性プロテアーゼの存在下に、70℃以上80℃未満の温度域で可溶化する高温可溶化処理工程を行うとともに、メタン発酵槽にて発生したアンモニアを含む処理水返送し、可溶化槽にてアンモニア除去工程を行った後、可溶化した前記有機廃棄物を、50℃以上80℃未満の温度域で高温メタン発酵する高温メタン発酵工程を行う点にある。

0015

作用効果1〕
上記構成によると、有機廃棄物を、耐熱性プロテアーゼの存在下に、70℃以上80℃未満の温度域で高温可溶化処理工程を行って可溶化するから、耐熱性微生物を利用することなく、高温可溶化処理工程において有機廃棄物を可溶化することができる。ここで、耐熱性プロテアーゼは、酵素としてそのまま用いるから、微生物に直接生産させるのに比べて管理が容易である。また、微生物の好適な育成条件を厳密に維持しなくても、可溶化処理時の温度条件を管理することで活性高く可溶化が行えるという観点からも管理容易である。

0016

なお、有機廃棄物を可溶化する際には、ペクチナーゼプロテアーゼ常温〜60℃程度の温度域で特に有効に作用することが知られており、これら両成分が主成分として含まれる酵素処理液が、きわめて高い可溶化率を達成するうえで有効であると考えられている。しかし、本発明者らによると、プロテアーゼを用いて高温可溶化処理を行うと、十分に効率的に有機廃棄物の可溶化をおこなうとともにメタン発酵を実行できるようになることが明らかになっている。すなわち、耐熱性プロテアーゼの存在下に、70℃以上80℃未満の温度域で高温可溶化処理工程を行って可溶化することにより、高温可溶化処理工程において、最小限度で耐熱性プロテアーゼを添加物として利用するだけで可溶化処理の効率化を図れることが明らかになり、少ない資源で可溶化処理を効率化することができた。

0017

また、耐熱性プロテアーゼとしては、有機廃棄物の可溶化に適した温度域として、高温可溶化処理工程の温度域として、70℃以上80℃未満の温度域で利用する。この温度域は耐熱性微生物を利用するのに比べて比較的緩やかな温度管理にて維持可能な環境であり、継続運転を行う上で管理容易な温度域でありながら、高効率にタンパク質成分を分解し、可溶化を促進することができる。

0018

ここで、高温可溶化処理工程の温度域が70℃以上80℃未満とすることにより、酵素処理液により有機廃棄物を可溶化するにあたって、通常常温〜60℃程度で行われる可溶化処理に比べ、反応速度が高い高温域での酵素可溶化を可能とする。またこの温度域では、可溶化とメタン発酵槽からの返送液中に含まれるアンモニア成分を除去することができる。これにより、後続の高温メタン発酵工程でのアンモニア阻害を抑制できるようになり、効率の良いメタン発酵が可能になる。また、可溶化とアンモニア除去とを別々の槽で行うことなく一つの槽内で行えるようになるから、メタン発酵装置全体としての装置の小型化を図ることができる。

0019

後続の高温メタン発酵工程では、可溶化した有機廃棄物を、50℃以上80℃未満の温度域で高温メタン発酵する。これにより、可溶化された有機廃棄物含有排水を固液混合状態で、高温で優れた活性を有する微生物を用いてメタン発酵することができ、高温可溶化処理工程にて可溶化された可溶化液と残渣とを、高温メタン発酵槽に固液混合状態で供給することにより、そのままの高温状態を維持しつつ、可溶化液と残渣とをともに高温メタン発酵することができる。したがって、供給された有機廃棄物の一部からも有効にメタン発酵してバイオガス化することができるため、エネルギー回収効率を高くできる。

0020

すなわち、従来、有機廃棄物の処理をおこなう場合に、大規模な可溶化槽およびメタン発酵槽を用いる必要があったところ、コンパクトにかつ省エネルギーで有機廃棄物を可溶化するとともに、メタン発酵が可能になるので、有機廃棄物の効率的な処理の観点できわめて有用であるといえる。

0021

〔構成2〕
前記有機廃棄物が茶滓を主成分として含有する茶滓廃棄物である請求項1に記載のメタン発酵方法。

0022

〔作用効果2〕
有機廃棄物としては、茶滓廃棄物が特に可溶化困難な処理対象として知られており、このような有機廃棄物は、特にアンモニア阻害の起きやすく、エネルギー回収効率を高くすることが困難であるものであるので、このような有機廃棄物がエネルギー回収に用いられることは非常に顕著な効果といえ、有意義である。

0023

〔構成3〕
また、前記高温可溶化処理工程を嫌気性条件下で行ってもよい。

0024

〔作用効果3〕
高温可溶化処理工程を嫌気性条件下で行うと、嫌気性条件下で行われる高温メタン発酵工程に対して、嫌気性条件下で生成した可溶化液を供給することができるので、高温メタン発酵工程におけるメタン発酵条件を、好適な状況に維持しやすくできる。

0025

〔構成4〕
また、前記高温メタン発酵工程を経た処理済みの排水を、前記高温可溶化処理工程に供される有機廃棄物の希釈液として返送する返送工程を行ってもよい。

0026

〔作用効果4〕
返送される処理済液は、高温可溶化処理工程に供給される有機廃棄物を希釈して流動化する効果を発揮するから、高温可溶化処理工程における可溶化反応を効率化し、可溶化液を減容化した残渣とともに固液混合状態として高温メタン発酵工程に供給するのに寄与する。また、高温可溶化処理工程において有機廃棄物含有排水を流動化させるのに別途必要となる希釈水の量を大幅に削減することができ、メタン発酵装置全体として運転コストを低減することができ、エネルギー回収効率の向上に寄与する。

0027

なお、高温可溶化処理工程では、酸発酵が同時に進行し、高温可溶化処理工程を行う槽内のpHが低下する場合がある。高温メタン発酵工程を経て返送される処理済液は、pH7〜8程度であることから、その処理済液を高温可溶化処理工程に返送すると、高温可溶化処理工程における可溶化液を希釈するとともに、処理液中に含まれるアルカリを再利用する効果を発揮することにもなる。そのため、高温可溶化処理工程を行うpHを好適に維持する目的で苛性ソーダなどのpH調整剤を用いるとしても、そのpH調整剤の使用量を削減できる。

0028

〔構成5〕
上記目的を達成するための本発明にかかる有機廃棄物のメタン発酵装置の特徴構成は、
有機廃棄物をメタン発酵するメタン発酵装置であって、
前記有機廃棄物を、耐熱性プロテアーゼの存在下に、70℃以上80℃未満の温度域で可溶化する高温可溶化槽を設け、前記高温可溶化槽は散気部を有するとともに、散気されたガス中回収されるアンモニアを回収除去するアンモニア回収部を有し、前記可溶化槽にて可溶化された前記有機廃棄物を、50℃以上80℃未満の温度域で高温メタン発酵する高温メタン発酵槽を設けた点にある。

0029

〔作用効果5〕
上記構成によると、有機廃棄物を、耐熱性プロテアーゼの存在下に、70℃以上80℃未満の温度域で可溶化するとともに、メタン発酵槽にて発生したアンモニア成分を除去する高温可溶化処理工程を高温可溶化槽にて行った後、可溶化した有機廃棄物を、50℃以上80℃未満の温度域で高温メタン発酵する高温メタン発酵工程を高温メタン発酵槽にて行うことができる。つまり、上記メタン発酵方法を効率よく行うことができる構成となっている。

0030

上記構成において、アンモニア成分の除去は、高温可溶化槽に設けられた散気部より可溶化液に散気することにより、可溶化液中に含まれるアンモニア成分を気相中に移動させて除去することができる。ここで除去されたアンモニアは、アンモニア回収部で回収されるから、アンモニアが外部に放出されて悪影響を生じることが抑制される。

0031

〔構成6〕
また、前記散気部にバイオガスを供給するバイオガス供給部を設けてあってもよい。

0032

〔作用効果6〕
散気部にバイオガスを供給するバイオガス供給部を設けてあれば、散気部からの散気をバイオガスで行うことにより、高温可溶化槽内を嫌気状態に維持したままアンモニア成分の除去が行えるので、高温可溶化槽で可溶化した可溶化液を、メタン発酵に適した嫌気状態に維持したまま高温メタン発酵槽において後続の高温メタン発酵工程を行える。そのため、高温メタン発酵工程におけるメタン発酵条件を、好適な状況に維持しやすくできる。なお、高温可溶化槽を嫌気性条件に維持して散気操作を行うには、窒素ガスなどの不活性ガスを利用することも考えられるが、バイオガスは高温メタン発酵槽で生成したもの等をそのままあるいは貯留して利用することができるので、入手容易である。また、加えて、高温メタン発酵槽で得られたバイオガスであれば、バイオガス供給部に供給するための配管構造等を簡略化した構成にすることができるので、一層有利となる。
高温可溶化槽からアンモニアを除去した後のバイオガスは、アンモニア回収部でアンモニアを回収した後、再度バイオガスとして有効利用することができる。

0033

〔構成7〕
前記高温メタン発酵槽を経由した有機廃棄物含有排水を前記高温可溶化槽に返送する処理水返送部を有してもよい。

0034

〔作用効果7〕
このような構成によると、上述のメタン発酵方法における返送工程を行える。
つまり、返送される処理済液は、高温可溶化槽に供給される有機廃棄物を希釈して流動化する効果を発揮するから、高温可溶化槽における可溶化反応を効率化し、可溶化液を減容化した残渣とともに固液混合状態として高温メタン発酵槽に供給するのに寄与する。また、高温可溶化槽において有機廃棄物含有排水を流動化させるのに別途必要となる希釈水の量を大幅に削減することができ、メタン発酵装置全体として運転コストを低減することができ、エネルギー回収効率の向上に寄与する。

発明の効果

0035

したがって、有機廃棄物含有排水を処理する場合であっても、より一層バイオガス化を効率化し、エネルギー回収効率を高くできるようになった。

図面の簡単な説明

0036

メタン発酵装置のフロー
プロテアーゼによる茶滓可溶化実験結果を示すグラフ

実施例

0037

以下に、本発明の実施形態にかかるメタン発酵方法および装置を説明する。なお、以下に好適な実施形態を記すが、これら実施形態はそれぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。

0038

本発明の実施形態にかかるメタン発酵方法は、有機廃棄物として、茶滓を主成分として含有する茶滓廃棄物を、耐熱性プロテアーゼの存在下に、70℃以上80℃未満の温度域で可溶化する高温可溶化処理工程を行うとともに、メタン発酵槽にて発生したアンモニア成分を除去する高温可溶化処理工程を行った後、可溶化した有機廃棄物を、50℃以上80℃未満の温度域で高温メタン発酵する高温メタン発酵工程を行うものである。
また、本発明の実施形態にかかるメタン発酵装置は、有機廃棄物として茶滓を主成分として含有する茶滓廃棄物を、耐熱性プロテアーゼの存在下に、70℃以上80℃未満の温度域で可溶化する高温可溶化槽1を設け、高温可溶化槽1は散気部13を有する。また、散気されたガス中に回収されるアンモニアを回収除去するアンモニア回収部14を有し、可溶化した有機廃棄物を、50℃以上80℃未満の温度域で高温メタン発酵する高温メタン発酵槽2を設けたものである。

0039

〔高温可溶化槽〕
高温可溶化槽1は気密断熱構造の高温可溶化槽本体10に、有機廃棄物として茶滓を固形成分として含有する茶滓含有排水の原水を希釈水により希釈して受け入れる受入部11に排水供給路L1を接続して設けてある。これにより、排水供給路L1から供給された原水を高温可溶化槽本体10の内部での滞留時間内に酵素処理液により可溶化する。また、高温可溶化槽本体10には、可溶化された茶滓含有排水のほぼ全量が、可溶化液と固体成分との固液混合状態として後述の高温メタン発酵槽2に移流する移送路L2を接続して設けてある。また、高温可溶化槽本体10の上部には、排水を酵素分解処理するための酵素処理液を高温可溶化槽本体10の内部に添加する酵素添加部L3を設けてある。さらに、高温可溶化槽本体10の下部には、酵素処理によっても可溶化せず固液混合状態を形成しない、おもにメタン化しない無機成分からなる残渣を必要に応じて引き抜くための引抜路L4を設けて構成してある。また、高温可溶化槽本体10の周壁には、ヒータ12を設けて、高温可溶化槽本体10内部の温度を酵素処理液の活性が高く維持される75℃程度(たとえば70℃〜80℃)に維持可能に構成してある。また、高温可溶化槽は散気部13を有するとともに、散気されたガス中に回収されるアンモニアを回収除去するアンモニア回収路Lbおよびアンモニア回収部14を有する。高温可溶化槽1からアンモニアを除去した後のバイオガスは、アンモニア回収部14でアンモニアを回収した後、バイオガス返送路Ldよりバイオガスタンク4に返送され、再度バイオガスとして有効利用することができる。

0040

酵素処理液としては、耐熱性プロテアーゼを用いる。耐熱性プロテアーゼは、タカラバイオ株式会社製のプロテアーゼ(Bacillusの生産するプロテアーゼ)が好適に用いられる。耐熱性プロテアーゼは、有機廃棄物としての茶滓廃棄物に対して使用量3mL/kg(乾燥重量)程度となるように酵素添加部L3より高温可溶化槽内に添加される。

0041

有機廃棄物としては、たとえば茶滓含有排水として、茶飲料抽出後の茶滓を希釈し、COD10000〜300000mg/L、好ましくはCOD10000〜200000mg/L、もっとも好ましくはCOD50000〜150000mg/L程度の原水として高温可溶化槽1に供給する。このほか、有機廃棄物として茶滓含有排水以外にも種々の有機物を含有する排水に対して可溶化処理を行うことができる。

0042

供給される原水は、高温可溶化槽1にて、可溶化される。高温可溶化槽1では酵素添加部L3より、高温可溶化槽1に投入バイオマスの乾燥重量の0.1〜5%程度となるように酵素が添加される。原水は、高温可溶化槽1内で1〜72時間、好ましくは24〜48時間滞留して、溶解性COD5000〜100000mg/L程度の可溶化排水にSSが0.5〜10%のリグニン等の難溶性成分を主成分とする固体成分が混合された固液混合状態で移送路L2に排出される。

0043

なお、高温可溶化槽1において、有機廃棄物としての茶滓の可溶化反応は酸素存在下で行えることが知られているが、嫌気状態であっても可溶化を行えることが確認されている。

0044

散気部13には、バイオガスタンク4からバイオガスを供給するバイオガス供給路Lcおよびバイオガス供給部15を設けてあり、後述の高温メタン発酵槽2から回収されたバイオガスを散気部13より散気可能に構成してある。

0045

〔高温メタン発酵槽〕
高温メタン発酵槽2は、高温可溶化槽1から移送路L2を介して供給される可溶化された茶滓含有排水をメタン発酵するメタン発酵容器20を備える。そのメタン発酵容器20には、可溶化された茶滓含有排水を加熱して55℃に維持するための熱交換器21を内部に設けてある。メタン発酵容器20は、気密断熱構造に形成されるとともに、上部にはメタン発酵により発生したバイオガスを回収するバイオガス回収路Laを接続して設けられ、回収されたバイオガスは、バイオガスタンク4に貯留され、必要に応じてメタン消費設備に供給される構成としてある。

0046

また、高温メタン発酵槽2には、ポンプと接続される排水路L5が設けられている。この排水路L5により、高温メタン発酵槽2で処理された茶滓含有排水の主に液相は、固液分離槽3に移送される。

0047

高温可溶化槽1からの可溶化排水および固体成分は、高温メタン発酵槽2にてCOD2000〜60000mg/L程度の処理済排水となる。ここでの処理済排水中の一部の酵素は活性が低下しておらず、供給排水を返送排水で希釈することにより、酵素添加部L3より、添加する酵素量を節約することができる。

0048

〔固液分離槽〕
固液分離槽3は、排水路L5から供給される処理済排水を受け入れて貯留する固液分離槽本体30を設け、受け入れた処理済排水を静置して固液分離する構成としてある。そして固液分離され、未溶の茶滓を含まない処理済排水(液相)は、放流路L6よりメタン発酵装置の外部に放流可能に構成してある。固液分離槽本体30には、処理済排水を、排水供給路L1を介して高温可溶化槽1の上流側に設けられる希釈路L8に返送する返送路L7を処理水返送部31から分岐して設けてある。これにより、排水供給路L1に供給される高濃度の茶滓含有排水を、より効率よく処理可能な濃度に希釈するとともに、活性を保ったまま排出される酵素や微生物を高温可溶化槽1、高温メタン発酵槽2にて再利用することができるように構成してある。また、固液分離により生じた未溶の茶滓を主成分とする固相は、高温可溶化槽1、高温メタン発酵槽2に返送処理したり、引き抜いたりして別途処理される。

0049

排水供給路L1から供給される茶滓40kgに対して返送路L7より返送される処理済排水20Lおよび希釈路L8より供給される水道水80Lを返送混合することにより、茶滓含有排水は、COD10000〜100000mg/Lに希釈される。これにより、溶解性COD5000〜30000mg/L程度の可溶化排水にSSが3%程度のリグニン等の難溶性成分を主成分とする固体成分が混合された固液混合状態を維持することができ、高温可溶化を効率よく行える濃度となる。

0050

つまり、返送される処理済排水を希釈に利用することにより、茶滓を希釈流動化させるのに必要な希釈水に占める水道水の割合を、20%程度削減できるとともに、高温メタン発酵槽2内のアンモニウムイオン濃度を2000mg/L以下にしつつ、高温可溶化槽1から高温メタン発酵槽2に供給される茶滓含有排水の濃度をきわめて高く維持できるようになる。そのため、高温メタン発酵槽2におけるメタン発酵効率を高く維持して安定したバイオガス供給が行えるようになった。すなわち、液体のみの供給を想定しているUASB等の高負荷メタン発酵を行う場合に比べても、高効率に茶滓からバイオガスを生産できるようになった。

0051

また、返送される処理済排水には高温メタン発酵槽2で発生した嫌気汚泥(微生物)が一部含まれているが、この嫌気汚泥は、高温可溶化槽1を経由して高温メタン発酵槽2に循環されることになる。そのため、高温可溶化槽1において、茶滓の可溶化を嫌気状態にて行う形態としてあれば、返送された嫌気汚泥が好気条件下に晒されて活性を失うことを抑制できるので、嫌気汚泥を高い活性が維持された状態で高温メタン発酵槽2に循環できることになり、高温メタン発酵槽2のバイオガス化効率を高く維持するのに寄与する。

0052

〔プロテアーゼによる茶滓可溶化実験〕
上述の実施の形態で用いた茶滓を、75℃においてpH7.0に維持した条件下上述の耐熱性プロテアーゼで可溶化する可溶化処理を行ったところ図2のようになった。なお、図において、高温可溶化槽に対する茶滓の供給量は、30g(乾燥重量)/L(供給液量)/d(1日)とし、耐熱性プロテアーゼは、90μL(酵素量)/L(供給液量)/d(1日)とした状態で、高温可溶化槽内での処理液の水理学的滞留時間(HRT)は3日として試験した。
図より、耐熱性プロテアーゼを用いた場合、耐熱性プロテアーゼを用いない場合(75℃、pHコントロールなし)に比べて極めて高い可溶化効率を発揮することが読み取れ、複数種の酵素を用いることなく単一の酵素のみでも十分な可溶化効率を実現できることが明らかになった。

0053

なお、本発明においては、耐熱性プロテアーゼの存在下に、70℃以上80℃未満の温度域で可溶化するとともに、茶滓から発生したアンモニア成分を除去する高温可溶化処理工程を行えばよく、耐熱性プロテアーゼの存在下という場合、少なくとも耐熱性プロテアーゼが酵素として有効に機能する状態で存在していれば、他にさらに別の添加物(酵素、薬品等)が添加されていても構わない。

0054

本発明のメタン発酵装置は、茶滓含有排水を、より一層エネルギー回収効率高くバイオガス化するメタン発酵方法および装置として利用することができる。

0055

1 :高温可溶化槽
10 :高温可溶化槽本体
11 :受入部
12 :ヒータ
13 :散気部
14 :アンモニア回収部
15 :バイオガス供給部
2 :高温メタン発酵槽
20 :メタン発酵容器
21 :熱交換器
3 :固液分離槽
30 :固液分離槽本体
31 :処理水返送部
4 :バイオガスタンク
L1 :排水供給路
L2 :移送路
L3 :酵素添加部
L4 :引抜路
L5 :排水路
L6 :放流路
L7 :返送路
L8 :希釈路
La :バイオガス回収路
Lb :アンモニア回収路
Lc :バイオガス供給路

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