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技術 音信号調整装置、音信号調整プログラム及び音響装置

出願人 沖電気工業株式会社
発明者 田代厚史
出願日 2016年2月18日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2016-028803
公開日 2017年8月24日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2017-147636
状態 特許登録済
技術分野 音声の分析・合成 可聴帯域変換器の回路等
主要キーワード 入力周波数信号 周囲環境音 環境音信号 出力音源 FFT法 基準ゲイン 音声調整装置 周波数特性変換
関連する未来課題
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図面 (7)

課題

周囲の受聴者不快感を与えることなく、聴取を抑制した音信号に調整するようにする。

解決手段

本発明に係る音信号調整装置は、入力された環境音信号聴感特性推定する聴感特性情報推定手段と、環境音の聴感特性に基づいて、入力された音信号の周波数特性を調整する音信号特性調整手段と、環境音信号の聴覚特性に基づく利得を、音信号特性調整手段により調整された音信号の周波数特性成分の全体に対して与える環境特性調整手段とを備えること特徴とする。

概要

背景

従来、音声出力拡散させない方法として、特許文献1に記載のマスキング音を出力して周囲の受聴者への聴取を抑制させる方法がある。特許文献1の記載技術は、マスキングすべき出力音源の周囲にマスキング音を出力し、周囲の受聴者による出力音源の受聴を妨げるようにしている。

概要

周囲の受聴者に不快感を与えることなく、聴取を抑制した音信号に調整するようにする。本発明に係る音信号調整装置は、入力された環境音信号聴感特性推定する聴感特性情報推定手段と、環境音の聴感特性に基づいて、入力された音信号の周波数特性を調整する音信号特性調整手段と、環境音信号の聴覚特性に基づく利得を、音信号特性調整手段により調整された音信号の周波数特性成分の全体に対して与える環境特性調整手段とを備えること特徴とする。

目的

効果

実績

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請求項1

入力された環境音信号聴感特性推定する聴感特性情報推定手段と、上記環境音の聴感特性に基づいて、入力された音信号周波数特性を調整する音信号特性調整手段と、上記環境音信号の聴覚特性に基づく利得を、上記音信号特性調整手段により調整された上記音信号の周波数特性成分の全体に対して与える環境特性調整手段とを備えること特徴とする音信号調整装置

請求項2

上記聴感特性情報推定手段が、上記入力された環境音信号の音圧値に基づいて、上記環境音信号の聴感特性を推定することを特徴とする請求項1に記載の音信号調整装置。

請求項3

上記聴感特性情報推定手段が、所定の複数の等ラウドネス曲線のそれぞれの音圧値の周波数特性を有する等ラウドネス曲線テーブルを有し、上記等ラウドネス曲線テーブルから選択した、所定の基準周波数の音圧値を含む上記等ラウドネス曲線の各周波数の音圧値と、上記基準周波数の音圧値との差分値を、上記環境音の聴覚特性として推定することを特徴とする請求項1又は2に記載の音信号調整装置。

請求項4

上記音信号特性調整手段が、上記環境音の聴覚特性に、入力された音信号の所定の基準周波数における音圧値を付与して得た環境音の補正聴覚特性の各周波数の音圧値と、上記音信号の各周波数の音圧値との比較結果に基づいて、上記音信号の周波数特性を調整することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の音信号調整装置。

請求項5

上記環境特性調整手段が、所定の基準周波数における、上記環境音信号の聴覚特性の音圧値と、上記音信号特性調整手段により調整された上記音信号の音圧値との差分値を含む利得を、上記音信号の周波数特性成分の全体に対して与えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の音信号調整装置。

請求項6

コンピュータを、入力された環境音信号の聴感特性を推定する聴感特性情報推定手段と、上記環境音の聴感特性に基づいて、入力された音信号の周波数特性を調整する音信号特性調整手段と、上記環境音信号の聴覚特性に基づく利得を、上記音信号特性調整手段により調整された上記音信号の周波数特性成分の全体に対して与える環境特性調整手段として機能させること特徴とする音信号調整プログラム

請求項7

環境音信号を取得するマイクロフォンと、上記マイクロフォンから上記環境音信号を取得して、入力された音信号を調整する請求項1〜5のいずれかに記載の音信号調整装置である音信号調整手段と、上記音信号調整手段により調整された音信号を出力するスピーカとを備えることを特徴とする音響装置

技術分野

0001

本発明は、音信号調整装置音信号調整プログラム及び音響装置に関し、例えば、聴収を抑制した音信号に調整する音信号調整装置、音信号調整プログラム及び音響装置に適用し得るものである。

背景技術

0002

従来、音声出力拡散させない方法として、特許文献1に記載のマスキング音を出力して周囲の受聴者への聴取を抑制させる方法がある。特許文献1の記載技術は、マスキングすべき出力音源の周囲にマスキング音を出力し、周囲の受聴者による出力音源の受聴を妨げるようにしている。

先行技術

0003

特開平6−175666号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、従来技術では、周囲の受聴者への聴取を抑制する方法として、マスキング音を発生させている。この場合、周囲の受聴者に不要な音声を聴取させることになり、周囲受聴者にとっては不快感が生じ得る。

0005

そこで、周囲の受聴者に不快感を与えることなく、聴取を抑制した音信号に調整する音信号調整装置、音信号調整プログラム及び音響装置が求められている。

課題を解決するための手段

0006

第1の本発明に係る音信号調整装置は、(1)入力された環境音信号聴感特性推定する聴感特性情報推定手段と、(2)環境音の聴感特性に基づいて、入力された音信号の周波数特性を調整する音信号特性調整手段と、(3)環境音信号の聴覚特性に基づく利得を、音信号特性調整手段により調整された音信号の周波数特性成分の全体に対して与える環境特性調整手段とを備えること特徴とする。

0007

第2の本発明に係る音信号調整プログラムは、コンピュータを、(1)入力された環境音信号の聴感特性を推定する聴感特性情報推定手段と、(2)環境音の聴感特性に基づいて、入力された音信号の周波数特性を調整する音信号特性調整手段と、(3)環境音信号の聴覚特性に基づく利得を、音信号特性調整手段により調整された音信号の周波数特性成分の全体に対して与える環境特性調整手段として機能させること特徴とする。

0008

第3本発明に係る音響装置は、(1)環境音信号を取得するマイクロフォンと、(2)マイクロフォンから環境音信号を取得して、入力された音信号を調整する第1の本発明に記載の音信号調整装置である音信号調整手段と、(3)音信号調整手段により調整された音信号を出力するスピーカとを備えることを特徴とする。

発明の効果

0009

本発明によれば、周囲の受聴者に不快感を与えることなく、聴取を抑制できる。

図面の簡単な説明

0010

実施形態に係る音声拡散抑制装置の構成を示す構成図である。
実施形態に係る音声調整装置の内部構成を示すブロック図である。
実施形態に係る等ラウドネス曲線からラウドネス補正値を算出する方法を説明する説明図である。
実施形態に係るラウドネス推定部におけるラウドネス補正値の推定処理を示すフローチャートである。
実施形態に係る特徴量調整部で入出力される信号の周波数特性を説明する説明図である。
実施形態に係る環境特性調整部で入出力される信号の周波数特性を説明する説明図である。

実施例

0011

(A)主たる実施形態
本発明に係る音信号調整装置、音信号調整プログラム及び音響装置の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。

0012

ここで、「音信号」は、音声信号音響信号等を含む概念である。この実施形態では、音信号が音声信号である場合を例示して説明する。

0013

また、この実施形態では、本発明を利用して、音声拡散抑制装置の音声調整装置に適用する場合を例示して説明する。

0014

(A−1)実施形態の構成
図1は、実施形態に係る音声拡散抑制装置10の構成を示す構成図である。

0015

図1において、音声拡散装置10は、音声調整装置100、スピーカ装置200、マイク装置201を有する。

0016

一般的な環境ではある程度の騒音が発生している。本発明は、このような騒音が発生している環境下で、出力音源が周囲環境音と似た特徴をもつ信号の場合、その出力音源は聞き取りづらくなる特性を用いている。

0017

音声拡散抑制装置10は、入力された入力信号SIを出力信号として出力する際、マイク装置201近傍の環境音の特性を示す周囲環境信号NIを取得し、その周囲環境信号NIに近似する特性に調整した出力信号SOを出力する。

0018

スピーカ装置200は、音声調整装置100により環境音に近似する特性に調整された出力信号SOに基づいて、音声を放出する。例えば、受聴者20がスピーカ装置200の近傍にいる場合には、受聴者20はスピーカ装置200から出力された音声を聴収できる。

0019

マイク装置201は、当該マイク装置201の周囲の環境音を取得(捕捉)し、取得した環境音を周囲環境信号NI(電気信号)に変換して音声調整装置100に出力する。この実施形態では、マイク装置201は、出力音声の聴取を希望しない受聴者30が存在する近傍に配置する場合を例示する。

0020

音声調整装置100は、入力信号SIと、周囲環境信号NIとを入力し、後述する処理により、受聴者30の周囲環境音によりマスキングされるような出力信号SOをスピーカ装置200に出力する。

0021

ここで、音声調整装置100に入力される入力信号SIは、受聴者20に聴取させたいが、受聴者30には受聴させたくない音声である。入力信号SIは、音声調整装置100で処理され、出力信号SOとして生成された後、スピーカ装置200から放出される。当該放出された音声は、受聴者30にも伝搬する可能性があるが、伝搬した音声が、受聴者30の周囲環境音によりマスキングされるように音声調整装置100で処理を施されるため、受聴者30が当該音声を聴取することが困難となるようにしている。

0022

図2は、実施形態に係る音声調整装置100の内部構成を示すブロック図である。

0023

図2において、音声調整装置100は、周波数変換部101、聴覚特性情報推定手段としてのラウドネス推定部102、音信号特性調整手段としての特徴量調整部103、環境特性変換部104、環境特性調整手段としての環境特性調整部105、周波数逆変換部106を有する。

0024

音声調整装置100のハードウェア構成は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM入出力インタフェース部等を有する装置や音信号を制御する専用チップなどとすることができる。例えば、CPUが、ROMに格納される音信号調整プログラムを実行することにより、実施形態に係る音信号調整処理が実現される。なお、音信号調整プログラムが、音声調整装置100等のハードウェアインストールされることによりシステム構築できるものであってもよい。その場合でも、音信号調整プログラムは図2に示すブロックとして機能するものとして表すことができる。

0025

周波数変換部101は、入力信号SIを入力し、当該入力信号SIを周波数変換して得た入力周波数信号SFxを特徴量調整部103に出力する。

0026

ラウドネス推定部102は、マイク装置201からの周囲環境信号NIに基づいて、環境音の聴覚特性としてのラウドネス補正値を推定し、推定したラウドネス補正値を含む特徴調整情報LFxを特徴量調整部103に出力する。

0027

特徴量調整部103は、ラウドネス推定部102からの特徴調整情報LFxに基づいて、入力周波数信号SFxの周波数成分を調整し、ラウドネス調整信号LSxを環境特性調整部105に出力する。

0028

環境特性変換部104は、マイク装置201からの周囲環境信号NIを入力し、当該周囲環境信号NIを周波数変換して得た環境特性信号NFxを環境特性調整部105に出力する。

0029

環境特性調整部105は、環境特性変換部104からの環境特性信号NFxに基づいて、ラウドネス調整信号LSxの周波数成分を調整し、環境特性調整信号NSxを周波数逆変換部106に出力する。

0030

周波数逆変換部106は、環境特性調整部105からの環境特性調整信号NSxを逆周波数変換により時間領域の信号に変換し、出力信号SOをスピーカ200に出力する。

0031

(A−2)実施形態の動作
次に、実施形態に係る音声調整装置100における音信号調整処理の動作を、図面を参照しながら詳細に説明する。

0032

入力信号SIは、周波数変換部101で周波数領域に変換され、周波数領域に変換された入力周波数信号SFxは、特徴量調整部103に出力される。なお、当該周波数領域への変換方法は、既存技術を広く適用でき、公知のFFT法を用いてよい。

0033

また、周囲環境信号NIは、マイク装置201により、音声拡散を抑制する環境の環境雑音が取得される。当該周囲環境信号NIは、ラウドネス推定部102に出力され、ラウドネス推定部102はラウドネス補正値を推定する。ラウドネスは、音の聴覚的な強さを示すものである。

0034

次に、ラウドネス補正値の推定処理を図3及び図4を参照しながら説明する。

0035

図3は、実施形態に係る等ラウドネス曲線からラウドネス補正値を算出する方法を説明する説明図である。図4は、実施形態に係るラウドネス推定部102におけるラウドネス補正値の推定処理を示すフローチャートである。

0036

ラウドネス補正値は、マイク装置201周囲の周囲環境音と同じ大きさに聞こえる周波数特性であり、基準周波数を0dBとした相対的な値である。

0037

図4において、ラウドネス推定部102では、マイク装置201で入力される周囲環境信号NIの音圧レベルPnを推定する(ステップS1)。ここで、周囲環境信号NIの音圧レベルPnの推定は、マイク装置201の特性に基づいて予め設計しておく。

0038

次に、ラウドネス推定部102は、周囲環境信号NIの音圧レベルPnと、基準周波数Ffにおける等ラウドネス曲線の音圧レベルとが一致する等ラウドネス曲線を選択する(ステップS2)。ラウドネス推定部103は、選択した等ラウドネス曲線において、各周波数成分における音圧レベルPnと、基準周波数Ffにおける音圧レベルとの差分を計算する(ステップS3)。ラウドネス推定部103は、各周波数成分における音圧レベルPnと、基準周波数Ffにおける音圧レベルとの差分値を特徴量調整部103に出力する(ステップS4)。

0039

ここで、この実施形態では、例えば基準周波数Ffを1kHzとする場合を例示して説明する。しかし、基準周波数Ffは、1kHzに限らず、他の周波数であってもよいし、動的な周波数値であってもかまわない。例えば、周囲環境信号NIを公知の自己相関関数を用いて一定間隔で計算し、当該自己相関関数の最大遅延量から計算された周波数を基準周波数Ffとしてもよい。

0040

上記周波数成分毎の音圧レベルの差分値の算出方法を、図3を用いて例示する。

0041

ここで、等ラウドネス曲線は、ラウドネスのレベルごとに、周波数の変化に基づいて、ヒトが感覚的に同じラウドネスレベルで聴収することを物理的に計測して得られる音圧レベルの変化を示す曲線である。

0042

等ラウドネス曲線は、図3(A)のように複数の周波数特性を列挙した表に置き換えられる。図3(A)は、行方向に周波数成分(F1、F2、…、Ff、…Fn、…)として等ラウドネス曲線(a1、a2、a3、…an、…)の各周波数成分の音圧レベルを列挙したものである。

0043

ラウドネス推定部102は、例えば図3(A)に例示するような、基準周波数Ffにおける各等ラウドネス曲線の音圧レベル(例えば、等ラウドネス曲線a1の場合、a1(f1)、a1(f2)、…、a1(ff)、…等)から、周囲環境信号NIの音圧レベルPnに一致する等ラウドネス曲線を選択する(図3(B)参照)。図3(B)では、等ラウドネス曲線anが選択されたものとしている。

0044

ラウドネス推定部102は、当該等ラウドネス曲線anの各周波数成分における音圧レベル(an(f1)、an(f2)、…、an(ff)、…)のそれぞれと、基準周波数Ffにおける音圧レベルan(Ff)との差分を計算し、音圧レベルの差分値Dnは図3(C)のようになる。したがって、基準周波数Ffでの音圧レベル差は0dBとなる。

0045

上記のようにして計算して得られた当該音圧レベルの差分値Dnをラウドネス補正値する。なお、当該差分値Dnは、後述する図5(B)に例示する周波数特性に相当する。

0046

ここで、この実施形態では、図3(A)に例示する等ラウドネス曲線は、国際標準規格ISO226:2003に示される等ラウドネス曲線を用いる場合を例示している。しかし、当該等ラウドネス曲線は、マイク装置201、スピーカ装置200の周波数特性を考慮して、変更してもかまわない。また、取得した周囲環境信号NIの音圧レベルPnよりも等ラウドネス曲線の音圧レベルが大きい場合、音圧レベル差の値は正数となり、取得した周囲環境信号NIの音圧レベルPnよりも等ラウドネス曲線の音圧レベルが小さい場合、音圧レベル差の値は負数となる。これによりスピーカ装置200から出力される音声を周囲の環境音と同等の聞こえ方(ラウドネス)とすることにより、マイク装置201で、当該出力された音声をマスキングすることができる。ラウドネス推定部102は、上記のようにして推定したラウドネス補正値を特徴調整情報LFxとして特徴量調整部103に出力する。

0047

次に、特徴量調整部103での周波数成分の調整方法を、図5を用いて説明する。

0048

図5は、実施形態に係る特徴量調整部103で入出力される信号の周波数特性を説明する説明図である。

0049

特徴量調整部103には、入力周波数信号SFxと特徴調整情報LFxとが入力される。特徴量調整部103では、入力周波数信号SFxの周波数成分をSFn={SF1、SF2、…}、基準周波数Ffにおける周波数成分を基準ゲインSF(Ff)、特徴調整情報LFxの周波数成分LFn={LF1、LF2、…}として、周波数ごとに次のように調整する。

0050

特徴量調整部103は、特徴調整情報LFxの周波数成分LFnの値に基準周波数Ffにおける基準ゲインSF(Ff)の値を加算した値(SF(Ff)+LFn)と、入力周波数信号SFxの周波数成分SFnの値とを比較して、その比較結果に応じて、入力周波数信号SFxの周波数成分SFnの値を調整する。

0051

SFn≦(SF(Ff)+LFn)を満たす場合、特徴量調整部103は、入力周波数信号SFxの周波数成分SFnの値の調整を実施しない。つまり、特徴量調整部103は、入力周波数信号SFxの周波数成分SFnの値を、ラウドネス調整信号LSxの周波数成分LSnの値(すなわち、LSn=SFn)として出力する。

0052

SFn>(SF(Ff)+LFn)を満たす場合、特徴量調整部103は、入力周波数信号SFxの周波数成分SFnの値を調整する。つまり、特徴量調整部103は、特徴調整情報LFxの周波数成分LFnの値に基準周波数Ffにおける基準ゲインSF(Ff)の値を加算した値(SF(Ff)+LFn)を、ラウドネス調整信号LSxの周波数成分LSnの値(すなわち、LSn=(SF(Ff)+LFn))となるように調整して出力する。

0053

図5(A)は、入力周波数信号SFxの周波数特性を示す説明図であり、図5(B)は、特徴調整情報LFxの周波数特性を示す説明図である。

0054

図5(C)において、実線図5(A)の入力周波数信号SFxの周波数成分の特性を示しており、点線は、特徴調整情報LFxの周波数成分の値に、基準周波数Ffにおける基準ゲインSF(Ff)の値を加算したときの特性(すなわち、SF(Ff)+LFn)を示している。

0055

特徴量調整部103は、図5(C)に示すように、入力周波数信号SFxの周波数成分の特性(実線)と、特徴調整情報LFxの周波数成分の値に、基準周波数Ffにおける基準ゲインSF(Ff)の値を加算したときの特性(点線)との比較により、図5(D)に示すようなラウドネス調整信号LSxの周波数特性を環境特性調整部105に出力する。

0056

なお、図5(A)の周波数成分が、当該調整により、図5(D)の実線の特性となる。ただし、当該抑制量は、出力信号SOがスピーカ装置200から出力される音声の周波数特性に合わせて、変更してかまわない。

0057

環境特性変換部104では、周囲環境信号NIの基準周波数Ffの周波数成分を取得し、環境特性信号NFxとして出力する。この実施形態では、周囲環境信号NIを公知のFFT法により周波数変換したのち、基準周波数Ffの成分NS(Ff)を環境特性信号NFxとしている。すなわち、図6(B)の基準周波数Ffにおける周波数成分が環境特性信号NFxとなる。ただし、当該環境特性信号NFxの取得方法は、上記方法に限定しない。例えば、上記方法で取得した周波数成分NS(Ff)に、スピーカ装置200から出力される音声の周波数特性を考慮した係数を加算するようにしてもよい。すなわち、周囲環境信号NIをスピーカ装置200から出力した場合にマイク装置201の周囲の音と同じ周波数特性となるように周波数特性変換係数を加算し、この結果を環境特性信号NFxとしてもよい。また、基準周波数Ffは、ラウドネス推定部102で使用する基準周波数Ffと同じで、この実施形態では1kHzとしている。

0058

図6は、実施形態に係る環境特性調整部105で入出力される信号の周波数特性を説明する説明図である。

0059

環境特性調整部105には、ラウドネス調整信号LSxと、環境特性信号NFxとが入力される。

0060

環境特性調整部105では、基準周波数Ffにおける、ラウドネス調整信号LSxの周波数成分の値と入力される環境特性信号NFxの周波数成分の値とが、同程度の大きさとなるように、ラウドネス調整信号LSx全体を増幅し、これを環境特性調整信号NSxとして周波数逆変換部106に出力する。

0061

図6(A)は、ラウドネス調整信号LSxの周波数特性を示す説明図であり実線がラウドネス調整信号LSxの周波数特性を示している。なお図6(A)に示されるラウドネス調整信号LSxは、上述した図5(D)に示されるものと同一である。

0062

図6(B)は、環境特性信号NFxの周波数特性を示す図面である。

0063

環境特性調整部105は、図6(C)に示すように、基準周波数Ffにおけるラウドネス調整信号LSxの周波数成分LS(Ff)の値と、基準周波数Ffにおける環境特性信号NFxの周波数成分NF(Ff)の値との差分値を増幅量Aとする。

0064

すなわち、環境特性調整部105は、増幅量A=NF(Ff)−LS(Ff)の値を計算し、ラウドネス調整信号LSxの全体(すなわち、ラウドネス調整信号LSxの各周波数成分の値)に増幅量Aを加算(増幅)する。

0065

環境特性調整部105による上記調整により、図6(A)の実線で示すラウドネス調整信号LSxの周波数特性は、図6(D)の実線で示す環境特性調整信号NSxの周波数特性に調整されて出力される。

0066

ただし、当該増幅量Aの決定方法は、出力信号SOがスピーカ装置200から出力される特性に合わせて、変更してかまわない。また、ラウドネス調整信号LSxの基準周波数Ffの成分と入力される環境特性信号NFxとが、一致する判定においても、この限りでなく、例えば、LS(Ff)±3dB以内である場合を一致すると判定してもよい。さらに、一致ではなく、ラウドネス調整信号LSxの基準周波数Ffにおける周波数成分LS(Ff)が環境特性信号NFxを超えないとしてもよい。

0067

さらに、この実施形態の環境特性調整部105では、ラウドネス調整信号LSxの全体に増幅量Aを加える場合を例示した。しかし、例えば、基準周波数Ff以上の周波数成分のみ増幅量Aを加えるようにしてもよく、結果として、出力信号SOがスピーカ装置200から出力される特性が適切となるように調整できればよい。

0068

環境特性調整部105は、上記調整を実施した信号を環境特性調整信号NSxとし、周波数逆変換部106に出力する。周波数逆変換部106では、環境特性調整信号NSxが周波数領域から時間領域へ変換され、出力信号SOとしてスピーカ装置200に出力する。

0069

出力音声の拡散を抑制するために、マスキング音を使用せず、出力音声を抑制する周囲の環境音に近い成分にすることで、聴感的に音声聴取をしづらくし、出力音声を抑制する周囲に別の音声を出力させることなく、出力音声の拡散を抑制することが可能となる。また、この実施形態では、入力周波数信号SFxに対し、特徴量調整部103、環境特性調整部105の順に適用したが、当該適用順序を逆としても、効果に影響はない。

0070

(A−3)実施形態の効果
以上のように、この実施形態によれば、出力音声の拡散を抑制するために、マスキング音を使用せず、出力音声を抑制する周囲の環境音に近い成分にすることで、聴感的に音声聴取をしづらくし、出力音声を抑制する周囲に別の音声を出力させることなく、出力音声の拡散を抑制することが可能となる。

0071

(B)他の実施形態
上述した実施形態においても種々の変形実施形態を言及したが、本発明は、以下の実施形態にも適用できる。

0072

上述した実施形態では、本発明が音声調整装置である場合を例示した。しかし、本発明は、例えば、システム、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、1つの機器からなる装置及び当該装置に搭載されるプログラムに適用しても良い。

0073

上述した実施形態では、マイク装置が1個である場合を例示した。しかし、複数個のマイク装置を備えておき、複数のマイク装置からの環境音信号の音圧レベルを考慮して環境音特性を算出するようにしてもよい。

0074

上述した実施形態において、音声拡散抑圧装置に入力する入力信号は、例えば、録音された音信号であってもよいし、接続されている通信回線を通じて受信した音信号であってもよい。また、別個に設けられたマイク装置が取得した音信号であってもよい。

0075

10…音声拡散抑制装置、200…スピーカ装置、201…マイク装置、
100…音声調整装置、101…周波数変換部、102…ラウドネス推定部、103…特徴量調整部、104…環境特性変換部、105…環境特性調整部、106…周波数逆変換部。

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