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技術 波長変換光学装置及びレーザ装置

出願人 株式会社島津製作所
発明者 久光守門倉一智井上和哉西亮祐
出願日 2016年2月16日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-026622
公開日 2017年8月24日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-146386
状態 特許登録済
技術分野
  • -
主要キーワード 想定温度 温調素子 セルマイヤ 温度調整素子 想定値 分極反転方向 主応力 電圧印加方向
関連する未来課題
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図面 (11)

課題

界面での反射による損失がなく大きなビーム径、長い作用長での効率低下を回避できる波長変換光学装置。

解決手段

第1分極反転周期を持つ平行な分極反転パターンからなる第1の周期的分極反転部を有し基本波を2倍波に変換する2倍波変換部1及び光の進行方向に直列に配置され第1分極反転周期よりも短い第2分極反転周期を持つ平行な分極反転パターンからなる第2の周期的分極反転部を有し基本波と2倍波とに基づき3倍波を生成する3倍波変換部2を備える疑似位相整合素子と、疑似位相整合素子の一方の面に配置され、直列に配置された2倍波変換部及び3倍波変換部の温度を調整する温度調整素子3と、疑似位相整合素子の他方の面に配置され、直列に配置された2倍波変換部及び3倍波変換部に圧力を印加する圧力印加部4を備え、温度調整素子の温度と圧力印加部の圧力とを変化させることにより2倍波変換部及び3倍波変換部を同時に位相整合させる。

概要

背景

QPM素子は、周期分極反転構造を形成した波長変換素子からなる。このQPM素子において、基本波を3倍波(第3高調波)に変換させる方法が知られている。この方法は、第1の非線形結晶からなる2倍波変換部(SHG部)により基本波を2倍波(第2高調波)に波長変換し、2倍波変換部により変換された2倍波と、2倍波変換部で2倍波に変換されなかった基本波とを第2の非線形結晶からなる3倍波変換部(THG部)により、和周波として3倍波を発生させている。

しかし、2倍波変換部と3倍波変換部を1つの素子直列に含み、素子全体が均一に温度調整される場合で、基本波波長バラツキにより2倍波変換部と3倍波変換部とが同時に位相整合しない場合には、対処が必要となる。

このような場合には、素子全体の温度と温度以外のパラメータを用いて屈折率を変化させ、2倍波変換部と3倍波変換部との両方を、与えられた波長で共に位相整合させる手法が考えられる。屈折率を変換させる方法としては、電圧印加が知られている(特許文献1〜特許文献5)。

また、特許文献6は、図7、図8に示すように、表面にプロトン交換光導波路105が形成されたQPM導波路を開示する。図7では、電極110によってコア部に分極反転方向によらずに一様に電圧印加されている。図8では、分極反転部104の分極方向の向きに応じて電圧印加の向きが変わるように電極110が形成されている。いずれの例の場合でも分極反転部104の結晶に電圧が印加されることにより屈折率変化が発生して位相整合条件が調整される。

また、非特許文献1では、図9に示すように、3倍波変換部THGをファンアウト状の分極反転パターンで形成し、素子を上下方向にずらすことにより、分極反転周期を変化させて、いずれかの部分で2倍波変換部SHGと3倍波変換部THGが同時に位相整合できるようにしている。

また、特許文献7には、図10に示すように、接合された2つの非線形光学結晶20A、20Bに例えば一様に作用する圧力及び/又は温度を調整することにより位相整合条件を満たすように調整する圧力調整手段32を有する波長変換装置が記載されている。

概要

界面での反射による損失がなく大きなビーム径、長い作用長での効率低下を回避できる波長変換光学装置。第1分極反転周期を持つ平行な分極反転パターンからなる第1の周期的分極反転部を有し基本波を2倍波に変換する2倍波変換部1及び光の進行方向に直列に配置され第1分極反転周期よりも短い第2分極反転周期を持つ平行な分極反転パターンからなる第2の周期的分極反転部を有し基本波と2倍波とに基づき3倍波を生成する3倍波変換部2を備える疑似位相整合素子と、疑似位相整合素子の一方の面に配置され、直列に配置された2倍波変換部及び3倍波変換部の温度を調整する温度調整素子3と、疑似位相整合素子の他方の面に配置され、直列に配置された2倍波変換部及び3倍波変換部に圧力を印加する圧力印加部4を備え、温度調整素子の温度と圧力印加部の圧力とを変化させることにより2倍波変換部及び3倍波変換部を同時に位相整合させる。

目的

本発明の課題は、界面での反射による損失がなく、大きなビーム径、長い作用長での効率低下を回避することができる波長変換光学装置及びレーザ装置を提供する

効果

実績

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請求項1

第1分極反転周期を持つ平行な分極反転パターンからなる第1の周期的分極反転部を有し基本波を2倍波に変換する2倍波変換部と、前記2倍波変換部及び光の進行方向に直列に配置され前記第1分極反転周期よりも短い第2分極反転周期を持つ平行な分極反転パターンからなる第2の周期的分極反転部を有し前記基本波と前記2倍波とに基づき3倍波を生成する3倍波変換部とを備える疑似位相整合素子と、前記疑似位相整合素子の一方の面に配置され、直列に配置された前記2倍波変換部及び前記3倍波変換部の温度を調整する温度調整素子と、前記疑似位相整合素子の他方の面に配置され、直列に配置された前記2倍波変換部及び前記3倍波変換部に圧力を印加する圧力印加部を備え、前記温度調整素子の温度と前記圧力印加部の圧力とを変化させることにより前記2倍波変換部及び前記3倍波変換部を同時に位相整合させることを特徴とする波長変換光学装置。

請求項2

第1分極反転周期を持つ平行な分極反転パターンからなる第1の周期的分極反転部を有し基本波を2倍波に変換する2倍波変換部と、前記2倍波変換部及び光の進行方向に直列に配置され前記第1分極反転周期よりも短い第3分極反転周期を持つ平行な分極反転パターンからなる第3の周期的分極反転部を有し前記2倍波とに基づき4倍波を生成する4倍波変換部とを備える疑似位相整合素子と、前記疑似位相整合素子の一方の面に配置され、直列に配置された前記2倍波変換部及び前記4倍波変換部の温度を調整する温度調整素子と、前記疑似位相整合素子の他方の面に配置され、直列に配置された前記2倍波変換部及び前記4倍波変換部に圧力を印加する圧力印加部を備え、前記温度調整素子の温度と前記圧力印加部の圧力とを変化させることにより前記2倍波変換部及び前記4倍波変換部を同時に位相整合させることを特徴とする波長変換光学装置。

請求項3

前記疑似位相整合素子は、MgSLT又はMgLNからなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の導波路型の波長変換光学装置。

請求項4

前記基本波を発振する半導体レーザと、前記半導体レーザからの前記基本波を入射する請求項1乃至3のいずれか1項の波長変換光学装置と、を備えることを特徴とするレーザ装置

技術分野

0001

本発明は、単一素子基本波を3倍波又は4倍波に変換する疑似位相整合(Quasi Phase Matching)素子QPM素子)を用いた波長変換光学装置及びレーザ装置に関する。

背景技術

0002

QPM素子は、周期分極反転構造を形成した波長変換素子からなる。このQPM素子において、基本波を3倍波(第3高調波)に変換させる方法が知られている。この方法は、第1の非線形結晶からなる2倍波変換部(SHG部)により基本波を2倍波(第2高調波)に波長変換し、2倍波変換部により変換された2倍波と、2倍波変換部で2倍波に変換されなかった基本波とを第2の非線形結晶からなる3倍波変換部(THG部)により、和周波として3倍波を発生させている。

0003

しかし、2倍波変換部と3倍波変換部を1つの素子に直列に含み、素子全体が均一に温度調整される場合で、基本波波長バラツキにより2倍波変換部と3倍波変換部とが同時に位相整合しない場合には、対処が必要となる。

0004

このような場合には、素子全体の温度と温度以外のパラメータを用いて屈折率を変化させ、2倍波変換部と3倍波変換部との両方を、与えられた波長で共に位相整合させる手法が考えられる。屈折率を変換させる方法としては、電圧印加が知られている(特許文献1〜特許文献5)。

0005

また、特許文献6は、図7図8に示すように、表面にプロトン交換光導波路105が形成されたQPM導波路を開示する。図7では、電極110によってコア部に分極反転方向によらずに一様に電圧印加されている。図8では、分極反転部104の分極方向の向きに応じて電圧印加の向きが変わるように電極110が形成されている。いずれの例の場合でも分極反転部104の結晶に電圧が印加されることにより屈折率変化が発生して位相整合条件が調整される。

0006

また、非特許文献1では、図9に示すように、3倍波変換部THGをファンアウト状の分極反転パターンで形成し、素子を上下方向にずらすことにより、分極反転周期を変化させて、いずれかの部分で2倍波変換部SHGと3倍波変換部THGが同時に位相整合できるようにしている。

0007

また、特許文献7には、図10に示すように、接合された2つの非線形光学結晶20A、20Bに例えば一様に作用する圧力及び/又は温度を調整することにより位相整合条件を満たすように調整する圧力調整手段32を有する波長変換装置が記載されている。

0008

特開平3−283686号公報
特開平5−100266号公報
特開平5−142608号公報
特開平5−289135号公報
特開平6−273816号公報
特開平7−270632号公報
特開2010−271633号公報

先行技術

0009

Junji Hirohashi et al.:PPMgSLTdevice for cascaded 355nm generation

発明が解決しようとする課題

0010

特許文献1〜特許文献6では、結晶に電圧が印加されることにより屈折率が変化し位相整合条件が調整される。しかし、周期的分極反転部に一様に電圧が印加されると、分極方向によって屈折率変化が異なるため、分極が変化する界面で反射が生じ、損失が発生する。この損失をなくすためには、分極毎に電圧印加方向逆転させることが必要であるが、微細な加工が必要であり、電極同士の短絡も発生しやすい。

0011

非特許文献1では、高出力を得るために、しばしばビームの径を広げるとともに作用長を長く取る必要がある。この場合、素子では光軸垂直方向に分極反転周期が連続的に変化するため、ビーム径が大きくなると、位相整合に寄与しない基本波成分の効率が低下する。また、作用長が長いと位相整合温度特性の許容幅は狭くなるが、素子では厳密に位相整合するのは、光軸に垂直な方向の1点であるため、効率が低下する。

0012

本発明の課題は、界面での反射による損失がなく、大きなビーム径、長い作用長での効率低下を回避することができる波長変換光学装置及びレーザ装置を提供する。

課題を解決するための手段

0013

上記課題を解決するために、本発明は、第1分極反転周期を持つ平行な分極反転パターンからなる第1の周期的分極反転部を有し基本波を2倍波に変換する2倍波変換部と、前記2倍波変換部及び光の進行方向に直列に配置され前記第1分極反転周期よりも短い第2分極反転周期を持つ平行な分極反転パターンからなる第2の周期的分極反転部を有し前記基本波と前記2倍波とに基づき3倍波を生成する3倍波変換部とを備える疑似位相整合素子と、前記疑似位相整合素子の一方の面に配置され、直列に配置された前記2倍波変換部及び前記3倍波変換部の温度を調整する温度調整素子と、前記疑似位相整合素子の他方の面に配置され、直列に配置された前記2倍波変換部及び前記3倍波変換部に圧力を印加する圧力印加部を備え、前記温度調整素子の温度と前記圧力印加部の圧力とを変化させることにより前記2倍波変換部及び前記3倍波変換部を同時に位相整合させることを特徴とする。

0014

また、本発明は、第1分極反転周期を持つ平行な分極反転パターンからなる第1の周期的分極反転部を有し基本波を2倍波に変換する2倍波変換部と、前記2倍波変換部及び光の進行方向に直列に配置され前記第1分極反転周期よりも短い第3分極反転周期を持つ平行な分極反転パターンからなる第3の周期的分極反転部を有し前記2倍波とに基づき4倍波を生成する4倍波変換部とを備える疑似位相整合素子と、前記疑似位相整合素子の一方の面に配置され、直列に配置された前記2倍波変換部及び前記4倍波変換部の温度を調整する温度調整素子と、前記疑似位相整合素子の他方の面に配置され、直列に配置された前記2倍波変換部及び前記4倍波変換部に圧力を印加する圧力印加部を備え、前記温度調整素子の温度と前記圧力印加部の圧力とを変化させることにより前記2倍波変換部及び前記4倍波変換部を同時に位相整合させることを特徴とする。

発明の効果

0015

本発明によれば、圧力印加部が第1の周期的分極反転部と第2の周期的分極反転部に圧力を印加して圧力を変化させ、温度調整素子が2倍波変換部と3倍波変換部の温度を変化させることにより、2倍波変換部と3倍波変換部とを同時に位相整合させる。この場合、周期的分極反転部の分極の方向がどちらを向いていても圧力による屈折率変化は等しいため、分極が変化する界面で反射は生ぜず、損失は生じない。

0016

また、分極反転パターンは、2倍波変換部と3倍波変換部の各々の内部では平行な細線パターンであるため、大きなビーム径、長い作用長での効率低下を回避することができる。

図面の簡単な説明

0017

本発明の実施例1の波長変換光学装置の座標軸(X,Y,Z軸)のX軸(光の進行方向)に沿った断面図である。
本発明の実施例1の波長変換光学装置のZ−Z間の断面図である。
本発明の実施例1の波長変換光学装置のX−X間の断面図である。
本発明の実施例1の波長変換光学装置の基本波波長の設計時想定値からのずれが生じたときに2倍波変換部と3倍波変換部を同時に位相整合させるために必要な設計時想定温度との差分と設計時想定値圧力との差分を示す図である。
本発明の実施例3の波長変換光学装置の断面図である。
本発明の実施例4の波長変換光学装置を含むレーザ装置を示す図である。
特許文献6に記載された波長変換素子の一例を示す図である。
特許文献6に記載された波長変換素子の他の一例を示す図である。
非特許文献1に記載された波長変換素子の一例を示す図である。
特許文献7に記載された波長変換素子の一例を示す図である。

0018

以下、本発明の波長変換光学装置及びレーザ装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。

0019

特許文献7では、QPM素子を使用しておらず、2つの非線形光学結晶20A、20Bの接合面が光軸と平行であるのに対して、本発明の波長変換光学装置は、前半部分である2倍波変換部と後半部分である3倍波変換部とが光軸方向に直列に並べていることを特徴とする。

0020

また、本発明は、直列に配置された異なる部分である2倍波変換部と3倍波変換部の位相整合条件が圧力を調整することにより(温度変化も併用して)同時に満たされることを特徴とする。

0021

図1は、本発明の実施例1の波長変換光学装置の座標軸(X,Y,Z軸)のX軸(光の進行方向)に沿った断面図である。図2は、本発明の実施例1の波長変換光学装置のZ−Z間の断面図である。図3は、本発明の実施例1の波長変換光学装置のX−X間の断面図である。

0022

図1に示す波長変換光学装置は、2倍波変換部1、3倍波変換部2、温調素子(本発明の温度調整素子に対応)3、圧力印加部4を備える。2倍波変換部1及び3倍波変換部2は、一体化されたQPM素子からなる。

0023

2倍波変換部1及び3倍波変換部2は、非線形結晶からなり、この結晶としては、MgドープのLiNbO3、即ちMgLNを用いる。あるいは、2倍波変換部1及び3倍波変換部2の結晶として、MgSLTを用いても良い。

0024

光軸は、結晶のX結晶軸及びY結晶軸が作る面内に平行であり、光の基本波波長λは、1550nm付近であり、偏光方向はZ軸結晶と一致している。

0025

2倍波変換部1は、図3に示すように、第1分極反転周期を持つ平行な分極反転パターン1aからなる第1の周期的分極反転部を有し、入射される基本波を2倍波に変換する。

0026

3倍波変換部2は、2倍波変換部1及び光の進行方向に直列に配置され、第1分極反転周期よりも短い第2分極反転周期を持つ平行な分極反転パターン2aからなる第2の周期的分極反転部を有し、2倍波変換部1で波長変換されなかった基本波と2倍波変換部1で波長変換された2倍波とから和周波である3倍波を生成する。

0027

温調素子3は、ペルチェ素子等からなり、直列に配置された2倍波変換部1及び3倍波変換部2の下面(結晶のZ−側)に配置され、2倍波変換部1及び3倍波変換部2の温度を調整する。

0028

圧力印加部4は、油圧機構ピエゾ素子等からなり、直列に配置された2倍波変換部1及び3倍波変換部2の上面(結晶のZ+側)に配置され、2倍波変換部1及び3倍波変換部2に圧力を印加する。

0029

Z軸方向へ引っ張ることができるように、結晶である2倍波変換部1及び3倍波変換部2と温調素子3と圧力印加部4とは、接着剤等により接着されている。

0030

例えば、圧力p0をZ+方向から下方に印加しているとき(下方の向きを圧力の正方向とする)、ある条件、例えば、基本波波長1550nm、素子温度35℃で2倍波変換部1と3倍波変換部2をともに位相整合させるように設計しておく。

0031

例えば、波長λ0=1550nm、温度T0=35℃、2倍波変換部1の分極反転周期ΛS=20.87μm、3倍波変換部2の分極反転周期ΛT=7.09μm、圧力p0=0MPaのときに位相整合する。

0032

図4は、基本波波長の設計時想定値からのずれが生じたときに2倍波変換部1と3倍波変換部2を同時に位相整合させるために必要な設計時想定温度との差分と設計時想定値圧力との差分を示している。

0033

基本波の波長のばらつきΔλ(nm)に対して、図4に示すように位相整合温度をΔT、印加圧力をΔp変化させると、2倍波変換部1と3倍波変換部2とが同時に位相整合する。

0034

基本波光源としてファイバレーザを用いる場合、基本波長のばらつきΔλは、典型的には|Δλ|<0.1nmである。この範囲のばらつきΔλに対しては、|ΔT|<0.01K、|Δp|<100MPaで対応できる。なお、Kはケルビンである。Tは絶対温度である。

0035

このように、基本波の波長のばらつきΔλに対して、温調素子3の温度と圧力印加部4の圧力とを変化させることにより2倍波変換部1及び3倍波変換部2を同時に位相整合させることができる。

0036

次に、ΔTとΔpの求め方について説明する。まず、結晶に圧力が印加されない状態での温度付き分散曲線をn(λ,T)とする。2倍波変換部1の分極反転周期をΛSとし、3倍波変換部2の分極反転周期をΛTとする。設計では、波長λ0、温度T0、圧力p0のときに2倍波変換部1と3倍波変換部2が同時に位相整合しているとする。

0037

関数ni(λ,T)i=1,2,3…を式(1)により定義する。
ni(Δλ,ΔT,Δp)≡n((λ0+Δλ)/i,T0+ΔT,p0+Δp)
…(1)
以上の表記を用いると、ΔT=0,Δp=0のとき、2倍波変換部1と3倍波変換部2では、それぞれ
ΛS=λ0/{2n2(0,0,0)−2n1(0,0,0)}…(2)
ΛT=λ0/{3n3(0,0,0)−n1(0,0,0)−2n2(0,0,0)}
…(3)
となっている。式(2),(3)の状態からT0→T0+ΔT、p0→p0+Δpとして2倍波変換部1と3倍波変換部2ともに、位相整合波長がλ0→λ0+Δλに変化するということは、以下の式(4),(5)が同時に成立することである。
ΛS=(λ0+Δλ)/{2n2(Δλ,ΔT,Δp)−2n1(Δλ,ΔT,Δp)}
…(4)
ΛT=(λ0+Δλ)/{3n3(Δλ,ΔT,Δp)−n1(Δλ,ΔT,Δp)−2n2(Δλ,ΔT,Δp)} …(5)
式(4),(5)において、波長のずれΔλを所与の量とすれば、式(4),(5)の2式を2つの変数ΔT,Δpを調整することにより、成立させることになる。変数が2個で式が2つであるので、一般的には2つの変数ΔT,Δpを求めることができる。

0038

次に、実施例1において計算に用いたn(λ,T,p)について説明する。結晶がMgLNである場合、主応力σ11、σ22、σ33に対して、係数π31、π33を用いて
Δ(1/ne2)=π31・σ11+π31・σ22+π33・σ33…(6)
となる。

0039

屈折率の変化が微小であるので、式(6)は、式(7)に変形できる。
Δne=−ne3(π31・σ11+π31・σ22+π33・σ33)/2…(7)
MgLNのZ板を用いてZ方向に圧力pを印加すると、σ33=−p、σ11=σ22=0と仮定する。すると、
Δne=ne3・π33・p/2…(8)
常光屈折率neのセルマイヤ方程式をne(λ,T)とし、n(λ,T,p)を
n(λ,T,p)≡ne+Δne=ne+(ne3・π33・p)/2=ne(λ,T)3・π33・p/2とした。π33は0.32×10−12〔Pa−1〕とした。

0040

このように実施例1の波長変換光学装置によれば、圧力印加部4が第1の周期的分極反転部と第2の周期的分極反転部に圧力を印加し、温調素子3が2倍波変換部1と3倍波変換部2の温度を調整することにより、2倍波変換部1と3倍波変換部2を同時に位相整合させる。このため、周期的分極反転部の分極の方向がどちらを向いていても圧力による屈折率変化は等しいため、分極が変化する界面で反射は生ぜず、損失は生じない。

0041

また、分極反転パターンは、2倍波変換部1と3倍波変換部2の各々の内部では平行な細線パターンであるため、大きなビーム径、長い作用長での効率低下を回避することができる。

0042

次に、本発明の実施例2の波長変換光学装置を説明する。実施例1の波長変換光学装置では、|Δλ|<0.1nmの波長ばらつきに対処するためには、p≡p0+Δp<0が必要な場合もある。この場合、結晶を圧力印加部4側に引っ張ることになるため、温調素子3と2倍波変換部1及び3倍波変換部2との界面、2倍波変換部1及び3倍波変換部2と圧力印加部4との界面の接着強度に配慮する必要がある。

0043

これに対して、実施例2の波長変換光学装置は、波長λ0=1550nm、温度T0=35℃、圧力p0=100MPa、ΛS=20.87μm、ΛT=7.09μmのときに位相整合するようにしておく。

0044

Δλ−ΔT−Δpの関係は、図4に示すものと同じであるので、実施例1の波長変換光学装置と同様にファイバレーザの典型的波長ばらつき|Δλ|<0.1nmに対して、|ΔT|<0.01K、|Δp|<100MPaで対応可能である。

0045

しかし、この範囲では、2倍波変換部1及び3倍波変換部2に印加される圧力p≡p0+Δpは、正であるため、常に圧力印加部4側から結晶側に圧力が印加される。これにより、温調素子3と2倍波変換部1及び3倍波変換部2との界面、2倍波変換部1及び3倍波変換部2と圧力印加部4との界面の接着強度は問わない。

0046

図5は、本発明の実施例3の波長変換光学装置の断面図である。図5に示す実施例3の波長変換光学装置は、図1に示す実施例1の波長変換光学装置に対して、3倍波変換部2に代えて、3倍波変換部2の位置に、4倍波変換部5を配置したことを特徴とする。

0047

4倍波変換部5は、2倍波変換部1及び光の進行方向に直列に配置され第1分極反転周期よりも短い第3分極反転周期を持つ平行な分極反転パターンからなる第3の周期的分極反転部を有し2倍波変換部1からの2倍波に基づき4倍波を生成する。

0048

このような構成された実施例3の波長変換光学装置によれば、圧力印加部4が第1の周期的分極反転部と第3の周期的分極反転部に圧力を印加し、温調素子3が2倍波変換部1と4倍波変換部5の温度を調整することにより、2倍波変換部1と4倍波変換部5を同時に位相整合させる。

0049

また、基本波の波長のばらつきに対して、温調素子3の温度と圧力印加部4の圧力とを変化させることにより2倍波変換部1及び4倍波変換部5を同時に位相整合させることができる。

0050

図6は、本発明の実施例4の波長変換光学装置を含むレーザ装置を示す図である。図6に示すレーザ装置は、半導体レーザを有するレーザ光源11、レンズ12a,12b、QPM素子10、レンズ13、光ファイバ14を備える。

0051

レーザ光源11に有する半導体レーザは、レーザ光の基本波を発振して出力するもので、電流駆動によって注入された電子およびホールからなるキャリア注入によって励起され、注入された電子およびホールのキャリア対消滅の際に発生する誘導放出によって発生されたレーザ光を出力する。レンズ12a,12bは、レーザ光源11からのレーザ光の基本波をQPM素子10に導く。

0052

QPM素子10は、実施例1乃至実施例3の波長変換光学装置であり、レンズ12bからのレーザ光の基本波を入射して、基本波を高調波に変換してレンズ13に出射する。レンズ13は、QPM素子10で波長変換された高調波のレーザ光を光ファイバ14に導く。

実施例

0053

このように実施例1乃至実施例3の波長変換光学装置であるQPM素子10をレーザ装置に適用することができるので、実施例4のレーザ装置においても、実施例1乃至実施例3の波長変換光学装置の効果を得ることができる。

0054

本発明は、半導体レーザ装置利用可能である。

0055

1 2倍波変換部
1a,2a分極反転パターン
2 3倍波変換部
3温調素子
4圧力印加部
5 4倍波変換部
11レーザ光源
12a,12bレンズ
10QPM素子
13 レンズ
14 光ファイバ

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