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技術 検知方法および検知システム

出願人 富士フイルム株式会社
発明者 馬島渉沖和宏市橋光芳
出願日 2016年4月8日 (3年5ヶ月経過) 出願番号 2016-077841
公開日 2017年8月24日 (2年0ヶ月経過) 公開番号 2017-146289
状態 特許登録済
技術分野 光学的手段による材料の調査、分析 偏光要素 光学的手段による材料の調査の特殊な応用
主要キーワード 直線部位 軸面内 近赤外光波長域 位相差角度 波長域幅 エスカー 円偏光度 消費割合
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年8月24日)のものです。
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図面 (4)

課題

透明物品を対象物とした際に、感度が高く、誤検知が少ない、円偏光を利用した検知方法および検知システムを提供する。

解決手段

照射光由来の光が対象物を透過した光の感知により対象物が検知され、照射光が円偏光であり、感知される光が円偏光であり、照射光由来の光は、対象物の法線と、20°より大きく70°以下である角度をなして対象物に入射する、検知方法、ならびに、照射部、対象物移動部、検出部をこの順で含み、照射部が照射する円偏光のセンスと検出部が感知する円偏光のセンスとが逆であり、照射部からの照射光由来の光が検出部に入射する光の光路と対象物移動部とが交差する交差部で光路と対象物移動部の法線とがなす角度が、20°より大きく70°以下である透過型の検知システムおよびさらに鏡面反射部材を含み、照射部が照射する円偏光のセンスと検出部が感知する円偏光のセンスとが同一である反射型の検知システム。

概要

背景

検知方法として偏光を利用した方法が従来から知られている。例えば、特許文献1では、シリコン基板に第一の直線偏光フィルタを介した偏光赤外光照射し、シリコン基板からの反射光もしくは透過光を第二の直線偏光フィルタを介して受光するシステムで、シリコン基板のクラックを検知している。この技術は、クラックが存在しない箇所の反射光もしくは透過光は直線偏光であり第二の直線偏光フィルタを介すると特定の条件を満たすとき以外は感知できる光量が減少するが、クラックでの反射光もしくは透過光においては乱反射によって第二の直線偏光フィルタを介しても感知できる光が生じることを利用したものである。さらに、特許文献2では、特許文献1の技術において円偏光を利用した技術が開示されている。

特許文献3には、近赤外円偏光分離層可視光遮断層とを含むフィルムを利用して、鏡面反射体上の異物のほか、透明フィルム、ヒトなどを対象物として検知するシステムが開示されている。

概要

透明物品を対象物とした際に、感度が高く、誤検知が少ない、円偏光を利用した検知方法および検知システムを提供する。照射光由来の光が対象物を透過した光の感知により対象物が検知され、照射光が円偏光であり、感知される光が円偏光であり、照射光由来の光は、対象物の法線と、20°より大きく70°以下である角度をなして対象物に入射する、検知方法、ならびに、照射部、対象物移動部、検出部をこの順で含み、照射部が照射する円偏光のセンスと検出部が感知する円偏光のセンスとが逆であり、照射部からの照射光由来の光が検出部に入射する光の光路と対象物移動部とが交差する交差部で光路と対象物移動部の法線とがなす角度が、20°より大きく70°以下である透過型の検知システムおよびさらに鏡面反射部材を含み、照射部が照射する円偏光のセンスと検出部が感知する円偏光のセンスとが同一である反射型の検知システム。

目的

本発明は、特に透明物品を対象物とした際に、さらに感度が高く、誤検知が少ない、円偏光を利用した検知方法および検知システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

対象物を検知する方法であって、照射光由来の光が前記対象物を透過した光の感知により前記対象物が検知され、前記照射光が円偏光であり、前記感知される光が円偏光であり、前記対象物は透明物品であり、前記照射光由来の光は、前記対象物の法線と、20°より大きく70°以下である角度をなして前記対象物に入射する方法。

請求項2

前記感知が、前記照射光が前記対象物を透過した光の直接感知であり、前記照射光の円偏光のセンスと前記感知される光の円偏光のセンスとが逆である請求項1に記載の方法。

請求項3

前記感知が、前記照射光由来の光の反射光の感知であり、前記照射光の円偏光のセンスと前記感知される光の円偏光のセンスとが同一である請求項1に記載の方法。

請求項4

前記感知が、前記照射光が前記対象物を透過した光の反射光が前記対象物をもう一度透過した光の感知である、請求項3に記載の方法。

請求項5

前記照射光として異なる入射面を有する2つ以上の照射光が用いられる請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

前記の異なる入射面が、互いに10°〜90°の角度をなしている請求項5に記載の方法。

請求項7

前記照射光として異なる入射面を有する3つの照射光が用いられる請求項5または6に記載の方法。

請求項8

対象物を検知するシステムであって、円偏光を選択的に照射する照射部、対象物移動部、円偏光を選択的に感知する検出部をこの順で含み、前記照射部が選択的に照射する円偏光のセンスと前記検出部が選択的に感知する円偏光のセンスとが逆であり、前記照射部からの照射光由来の光が前記検出部に入射する光の光路と前記対象物移動部とが交差しており、前記交差部で前記光路と前記対象物移動部の法線とがなす角度が、20°より大きく70°以下であるシステム。

請求項9

前記照射部が光源および円偏光分離フィルム1を含み、前記検出部が円偏光分離フィルム2および受光素子を含み、前記光源、円偏光分離フィルム1、前記対象物移動部、円偏光分離フィルム2、および前記受光素子がこの順で配置されており、円偏光分離フィルム1および円偏光分離フィルム2が互いに逆のセンスの円偏光を選択的に透過させる請求項8に記載のシステム。

請求項10

円偏光分離フィルム1および円偏光分離フィルム2がいずれもコレステリック液晶相を固定した円偏光分離層を含むフィルムである請求項9に記載のシステム。

請求項11

対象物を検知するシステムであって、円偏光を選択的に照射する照射部、円偏光を選択的に感知する検出部、対象物移動部および鏡面反射部材を含み、前記対象物移動部は、前記照射部と前記鏡面反射部材との間に含まれ、ならびに/または、前記鏡面反射部材と前記検出部との間に含まれ、前記照射部および前記検出部は、前記照射部からの照射光由来の光が前記鏡面反射部材で鏡面反射して前記検出部に入射する位置にあり、前記照射部が選択的に照射する円偏光のセンスと前記検出部が選択的に感知する円偏光のセンスとが同一であり、前記照射部からの照射光由来の光が前記鏡面反射部材に入射する光の光路1が前記対象物移動部と交差部1で交差しており、交差部1で光路1と前記対象物移動部の法線がなす角度が、20°より大きく70°以下であり、ならびに/または前記照射部からの照射光由来の光が前記鏡面反射部材で反射し前記検出部に感知される光の光路2は前記対象物移動部と交差部2で交差しており、交差部2で光路2と前記対象物移動部の法線方向がなす角度が、20°より大きく70°以下である、システム。

請求項12

前記照射部が光源および円偏光分離フィルム11を含み、前記検出部が円偏光分離フィルム12および受光素子を含み、光源、円偏光分離フィルム11、および前記鏡面反射部材をこの順で含み、前記鏡面反射部材、円偏光分離フィルム12、および受光素子をこの順で含み、ならびに、円偏光分離フィルム11および円偏光分離フィルム12が互いの同一のセンスの円偏光を選択的に透過させる請求項11に記載のシステム。

請求項13

円偏光分離フィルム11および円偏光分離フィルム12がいずれもコレステリック液晶相を固定した円偏光分離層を含むフィルムである請求項11または12に記載のシステム。

請求項14

前記照射部として入射面の異なる照射光となる2つ以上の照射部を含み、かつ前記入射面内にそれぞれ前記検出部を含む請求項8〜13のいずれか一項に記載のシステム。

請求項15

前記対象物が透明物品である請求項8〜14のいずれか一項に記載のシステム。

技術分野

0001

本発明は、検知方法および検知システムに関する。より詳しくは、本発明は円偏光を利用した検知方法および検知システムに関する。

背景技術

0002

検知方法として偏光を利用した方法が従来から知られている。例えば、特許文献1では、シリコン基板に第一の直線偏光フィルタを介した偏光赤外光照射し、シリコン基板からの反射光もしくは透過光を第二の直線偏光フィルタを介して受光するシステムで、シリコン基板のクラックを検知している。この技術は、クラックが存在しない箇所の反射光もしくは透過光は直線偏光であり第二の直線偏光フィルタを介すると特定の条件を満たすとき以外は感知できる光量が減少するが、クラックでの反射光もしくは透過光においては乱反射によって第二の直線偏光フィルタを介しても感知できる光が生じることを利用したものである。さらに、特許文献2では、特許文献1の技術において円偏光を利用した技術が開示されている。

0003

特許文献3には、近赤外円偏光分離層可視光遮断層とを含むフィルムを利用して、鏡面反射体上の異物のほか、透明フィルム、ヒトなどを対象物として検知するシステムが開示されている。

先行技術

0004

特開2008−58270号公報
特開2013−36888号公報
WO2014/181799

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1に記載のシステムでは、第一の直線偏光フィルタと第二の直線偏光フィルタとで偏光方向の調整が必要であるが、特許文献2または3に記載の検知システムでは、円偏光の利用により上記の調整は不要である。ここで、特許文献3においては、透明フィルムの検知に関する記載があるが、透明物品をさらに感度良く検知することに関する記載はない。
本発明は、特に透明物品を対象物とした際に、さらに感度が高く、誤検知が少ない、円偏光を利用した検知方法および検知システムを提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは、上記課題の解決のため、鋭意検討を重ね、新たなシステムを見出した。すなわち、本発明は下記の[1]〜[15]を提供するものである。
[1]対象物を検知する方法であって、
照射光由来の光が上記対象物を透過した光の感知により上記対象物が検知され、
上記照射光が円偏光であり、
上記感知される光が円偏光であり、
上記対象物は透明物品であり、
上記照射光由来の光は、上記対象物の法線と、20°より大きく70°以下である角度をなして上記対象物に入射する方法。
[2]上記感知が、上記照射光が上記対象物を透過した光の直接感知であり、
上記照射光の円偏光のセンスと上記感知される光の円偏光のセンスとが逆である[1]に記載の方法。
[3]上記感知が、上記照射光由来の光の反射光の感知であり、
上記照射光の円偏光のセンスと上記感知される光の円偏光のセンスとが同一である[1]に記載の方法。
[4]上記感知が、上記照射光が上記対象物を透過した光の反射光が、上記対象物をもう一度透過した光の感知である、[3]に記載の方法。
[5]前記照射光として異なる入射面を有する2つ以上の照射光が用いられる[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6]前記の異なる入射面が、互いに10°〜90°の角度をなしている[5]に記載の方法。
[7]前記照射光として異なる入射面を有する3つの照射光が用いられる[5]または[6]に記載の方法。

0007

[8]対象物を検知するシステムであって、
円偏光を選択的に照射する照射部、対象物移動部、円偏光を選択的に感知する検出部をこの順で含み、
上記照射部が選択的に照射する円偏光のセンスと上記検出部が選択的に感知する円偏光のセンスとが逆であり、
上記照射部からの照射光由来の光が上記検出部に入射する光の光路と上記対象物移動部とが交差しており、
上記交差部で上記光路と上記対象物移動部の法線とがなす角度が、20°より大きく70°以下であるシステム。
[9]上記照射部が光源および円偏光分離フィルム1を含み、
上記検出部が円偏光分離フィルム2および受光素子を含み、
上記光源、円偏光分離フィルム1、上記対象物移動部、円偏光分離フィルム2、および上記受光素子がこの順で配置されており、
円偏光分離フィルム1および円偏光分離フィルム2が互いに逆のセンスの円偏光を選択的に透過させる[8]に記載のシステム。

0008

[10]円偏光分離フィルム1および円偏光分離フィルム2がいずれもコレステリック液晶相を固定した円偏光分離層を含むフィルムである[9]に記載のシステム。
[11]対象物を検知するシステムであって、
円偏光を選択的に照射する照射部、円偏光を選択的に感知する検出部、対象物移動部および鏡面反射部材を含み、
上記対象物移動部は、上記照射部と上記鏡面反射部材との間に含まれ、ならびに/または、上記鏡面反射部材と上記検出部との間に含まれ、
上記照射部および上記検出部は、上記照射部からの照射光由来の光が上記鏡面反射部材で鏡面反射して上記検出部に入射する位置にあり、
上記照射部が選択的に照射する円偏光のセンスと上記検出部が選択的に感知する円偏光のセンスとが同一であり、
上記照射部からの照射光由来の光が上記鏡面反射部材に入射する光の光路1が上記対象物移動部と交差部1で交差しており、交差部1で光路1と上記対象物移動部の法線がなす角度が、20°より大きく70°以下であり、ならびに/または
上記照射部からの照射光由来の光が上記鏡面反射部材で反射し上記検出部に感知される光の光路2は上記対象物移動部と交差部2で交差しており、交差部2で光路2と上記対象物移動部の法線方向がなす角度が、20°より大きく70°以下である、
システム。

0009

[12]上記照射部が光源および円偏光分離フィルム11を含み、
上記検出部が円偏光分離フィルム12および受光素子を含み、
光源、円偏光分離フィルム11、および上記鏡面反射部材をこの順で含み、
上記鏡面反射部材、円偏光分離フィルム12、および受光素子をこの順で含み、ならびに、
円偏光分離フィルム11および円偏光分離フィルム12が互いの同一のセンスの円偏光を選択的に透過させる[8]に記載のシステム。
[13]円偏光分離フィルム11および円偏光分離フィルム12がいずれもコレステリック液晶相を固定した円偏光分離層を含むフィルムである[11]または[12]に記載のシステム。
[14]前記照射部として入射面の異なる照射光となる2つ以上の照射部を含み、かつ前記入射面内にそれぞれ前記検出部を含む[8]〜[13]のいずれかに記載のシステム。
[15]上記対象物が透明物品である[8]〜[14]のいずれかに記載のシステム。

発明の効果

0010

本発明により、円偏光を用いた検知方法として新規の方法が提供される。本発明の方法を用いて、感度が高く誤検知の少ない透明物品の検知が可能である。

図面の簡単な説明

0011

本発明の方法およびシステムを用いた対象物の検知のための、光源、受光素子、円偏光分離フィルムの配置例を光の入射面を断面として示す模式図である。
実施例で用いた光源の発光スペクトルを示す図である。
実施例7〜9におけるセンサー面内角度と遅相軸面内角度を説明する図であって、試料の法線方向から観察したシステムの模式図である。

0012

以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、「(メタアクリレート」は、「アクリレートおよびメタクリレートのいずれか一方または双方」の意味で使用される。
本明細書において、角度(例えば「90°」等の角度)、及びその関係(例えば「平行」、「水平」等)については、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、厳密な角度±10°未満の範囲内であることなどを意味し、厳密な角度との誤差は、5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましい。

0013

本明細書において、円偏光につき「センス」というときは、右円偏光であるか、または左円偏光であるかを意味する。円偏光のセンスは、光が手前に向かって進んでくるように眺めた場合に電場ベクトルの先端が時間の増加に従って時計回りに回る場合が右円偏光であり、反時計回りに回る場合が左円偏光であるとして定義される。

0014

本明細書において、円偏光につき「選択的」というときは、いずれかのセンスの円偏光の光量が、他方のセンスの円偏光の光量よりも多いことを意味する。具体的には「選択的」というとき、光の円偏光度は、0.3以上であることが好ましく、0.6以上がより好ましく、0.8以上がさらに好ましい。実質的に1.0であることが特に好ましい。ここで、円偏光度とは、光の右円偏光成分の強度をIR、左円偏光成分の強度をILとしたとき、|IR−IL|/(IR+IL)で表される値である。

0015

本明細書においては、コレステリック液晶螺旋捩れ方向について「センス」との用語を用いることもある。コレステリック液晶の選択反射は、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向(センス)が右の場合は右円偏光を選択的に反射し、かつ左円偏光を選択的に透過し、センスが左の場合は左円偏光を選択的に反射し、かつ右円偏光を選択的に透過する。

0016

本明細書において、「入射面」とは光(照射光)が平面状の対象物に入射するときの、対象物平面(反射面)に垂直で入射光線を含む面を意味する。「入射面」はさらに照射光の鏡面反射光光線および直透過光光線を含んでいればよい。

0017

本明細書において、複屈折とは、照射光の波長発光ピーク)における対象物のレターデーションを意味する。対象物がフィルムであるときは、波長λにおける面内レターデーション(Re)及び厚さ方向のレターデーション(Rth)を含む意味である。単位はいずれもnmである。特定波長λnmにおけるReはKOBRA 21ADH、又はWR(王子計測機器(株)製)において、波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルタマニュアル交換するか、または測定値プログラム等で変換して測定することができる。測定されるフィルムが、1軸又は2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRthが算出される。

0018

特定波長λnmにおけるRthは、特定波長λnmにおけるReを、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH、又はWRにより判断される)を傾斜軸回転軸)として(遅相軸がない場合には、フィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50°まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値平均屈折率仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH、又はWRが算出する。なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合には、フィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値、及び入力された膜厚値を基に、以下の式(A)、及び式(B)よりRthを算出することもできる。

0019

0020

なお、上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値を表す。また、式(A)におけるnxは、面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは、面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzは、nx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。dは膜厚である。
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d・・・・・・・・・・・式(B)

0021

本明細書において、光というとき、赤外線であっても、可視光線であっても、紫外線であってもよく、赤外線および可視光線の波長域、可視光線および紫外線の波長域、または赤外線、可視光線および紫外線の波長域にまたがる波長域の光であってもよい。1nm、10nm、50nm、100nm、150nm、または200nmなどの特定の波長幅の光であってもよい。幅は、50nm幅程度以上あることが好ましい。

0022

可視光線は電磁波のうち、ヒトの目で見える波長の光であり、380nm〜780nmの波長域の光を示す。赤外線(赤外光)は可視光線より長く電波より短い波長域電磁波である。近赤外光とは一般的に780nm〜2500nmの波長域の電磁波である。紫外線は可視光線より短くX線より長い波長域電磁波である。紫外線は可視光線およびX線と区別される波長領域の光であればよく、例えば波長10〜380nmの範囲の光である。

0023

本発明の方法において照射光としては、近赤外光を用いることが好ましい。照射光として近赤外光を用いる場合は、780nm〜1500nm、または800nm〜1500nmの波長域が好ましい。典型的には、赤外線カメラ赤外線光電センサー、または赤外線通信などで用いられている近赤外光の波長域に対応する波長域の光を用いればよい。照射光としては、2種類の光、すなわち、波長域の異なる2つの光が用いられていてもよい。

0024

本明細書において、「反射光」は、鏡面反射光(直反射光)および拡散反射光散乱光)を含む意味である。「透過光」は散乱透過光、直透過光、および回折光を含む意味である。
本明細書において「光路」は、照射部から検出部までの光の経路、またはその一部を意味する。システムの説明において、「照射部からの照射光由来の光が検出部に入射する光の光路」というときは、具体的には、照射部(より厳密には光源の中心)と検出部(より厳密には受光素子の中心)とを結ぶ直線を意味する。「照射部からの照射光由来の光が鏡面反射部材に入射する光の光路1」は、照射部(より厳密には光源の中心)と照射部からの照射光由来の光が鏡面反射部材に入射する位置とを結ぶ直線を意味する。「照射部からの照射光由来の光が鏡面反射部材で反射し検出部に感知される光の光路2」は照射部からの照射光由来の光が鏡面反射部材に入射する位置と検出部(より厳密には受光素子の中心)とを結ぶ直線を意味する。図などにおいて、光路は直線で示されているが、このことは、照射光および感知される光がいずれも指向性の高い光に限定されることを意味するものではない。

0025

本明細書において、「照射光由来の光」は、本発明の方法やシステムにおける環境光を除く照射光由来の光を意味し、照射光、照射光が対象物を透過して得られる光、照射光が反射して得られる光、照射光が対象物を透過して得られる光が反射して得られる光、または照射光が対象物を透過して得られる光が反射して得られる光がさらに対象物を透過して得られる光などを意味する。

0026

本発明の検知方法においては、光として偏光が用いられる。偏光を用いることにより、周囲の光に対して照射部からの照射光由来の光を優勢に感知することが可能であり、S/N比を上げることができる。また、透明の対象物の検知が可能になる。さらに、本発明においては、偏光として円偏光が用いられる。円偏光を利用して対象物を透過した光を感知すると、偏光として直線偏光を用いる場合と比較して偏光感知のためのフィルムの方位の調整が容易または不要になる。

0027

光の偏光状態は、円偏光板を装着した分光放射輝度計またはスペクトルメータを用いて測定することができる。この場合、右円偏光板を通して測定した光の強度がIR、左円偏光板を通して測定した光の強度がILに相当する。また、照度計光スペクトルメータに、円偏光板を取り付けても測定することができる。右円偏光透過板をつけ、右円偏光量を測定、左円偏光透過板をつけ、左円偏光量を測定することにより、比率を測定できる。

0028

<対象物>
本発明の方法で検知される対象物は透明物品である。本明細書において、透明とは、用いている光の波長域の自然光が透過する状態を意味する。用いている光の波長域としては、照射光の波長域であればよい。光は50%以上、60%以上、80%以上、90%以上、または95%以上の光線透過率であればよい。透明の尺度として用いられる光線透過率は、JIS−K7105に記載された方法、すなわち積分球式光線透過率測定装置を用いて全光線透過率および散乱光量を測定し、全光線透過率から拡散透過率を引いて算出することができる。本明細書において、透明物品という場合は、用いている光の波長域の自然光が透過すると同時に可視光領域の自然光が透過する物品であることも好ましい。例えば、可視光領域における光線透過率が、80%以上、または85%以上などであればよい。

0029

透明物品は、全ての方向それぞれの全面において透明なものであってもよく、一部に非透明部分を含むものであってもよい。例えばフィルム状の透明物品の表面積に対し、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、5%以下の非透明部分を含んでいてもよい。

0030

本発明の方法で検知される対象物は平面状であるか、または平面に近似することができる形状である。検知の際、対象物が集合して平面状となるものであってもよく、対象物が平面に平行に移動することにより、検知の際に平面状に近似できるものであってもよい。対象物の例としては、フィルム、シート、板などが挙げられる。具体例としては、カード、紙、プラスチックフィルム光学フィルム包装用透明フィルムなど)などが挙げられる。

0031

本発明の方法で検知される対象物はいずれかの方向において複屈折を有していればよい。本明細書において、複屈折を有するとは、例えば、フィルムや板状製品の場合、ReまたはRthが20nm以上であることを意味し、50nm以上であることが好ましく、100nm以上であることがより好ましく、200nm以上であることがさらに好ましい。対象物の複屈折により、照射される円偏光の偏光状態が変化し、検出部で感知される光量が増加することにより、対象物を検知することができる。本発明の方法で検知される対象物は、本発明の方法において照射光が入射して進行する方向で複屈折を有していることが好ましい。

0032

本発明の方法においては、高複屈折性のフィルムを対象物とした場合に感度の高い検知が可能であるのはもちろんのこと、低複屈折性のフィルムを対象物とした場合にも、感度の高い検知が可能である。
低複屈折性のフィルムの例としては、アクリルフィルム(例えば、エスカーボシート株式会社製テクノロイフィルムS000等)、アクリル板(例えば、エスカーボシート株式会社製テクノロイシート、日東樹脂工業株式会社製CLAREX精密板等)、ポリカーボネートフィルム(例えば、エスカーボシート株式会社製テクノロイフィルムC000等)、ガラス(例えば、旭硝子合成石英ガラス等)、TAC(トリアセチルセルロース)フィルム(例えば、富士フイルム株式会社製フジタック)などが挙げられる。

0033

<検知方法>
本発明の検知方法においては、上記のように、円偏光が利用される。そして、対象物の検知は、対象物への照射光由来の光が対象物を透過した光の感知により行われる。本発明の検知方法においては、対象物の無い状態では、照射部からの照射光に由来する光は、検出部において感知されないかまたは光量が少ない状態とする。これは、照射光の円偏光のセンスと感知する円偏光のセンスを後述のように調整することにより達成することができる。さらに、本発明の方法では、上記の状態で照射光由来の光が対象物を透過することにより感知される光量が増加して対象物が検知される。すなわち、対象物を透過した光は、対象物の複屈折により偏光状態が変化して透過前の円偏光とは逆センスの円偏光を含むため、これを利用して照射部で感知される光量を増加させる。
このときの光量の増加は対象物が無い状態の光量に対し、例えば、200%以上、300%以上、500%以上の光量になっていればよい。

0034

光量の変化量で、対象物の種類が判定されていてもよい。例えば、透明物品および非透明物品、または透明度複屈折性の異なる複数の物品が区別されていてもよい。この場合において、判定される対象物には非透明物品が含まれていてもよい。非透明物品が光路に入ると照射部からの光のみでなく、環境光も感知されなくなるため、検出部で感知される光量は減少することになる。そのため、透明物品と区別されて検知される非透明物品は、対象物によって感知される光量が減少することにより検知されていてもよい。

0035

本発明の検知方法においては、照射光は、対象物の法線と、20°より大きく70°以下である角度をなすように対象物に入射させる。物質の複屈折(レターデーション)はその厚みが増加すると増加するが、上記角度をなすように対象物に光を入射させることにより、光が対象物を透過する距離を長くし、実質的に厚みを増加させ、複屈折を大きくすることができる。また、Reが例えば0〜100nm程度で小さいがRthがそれより大きいフィルムなどが対象物である場合は入射光を対象物の法線と角度をなすようにすることにより、感知される円偏光の光量を増加させることができる。
そのため、本発明のシステムにおいては、例えば複屈折性が低いとされているフィルム材料についても感度良く検知することが可能である。
上記角度は、25°以上65°以下であることが好ましく、30°以上62°以下であることがより好ましい。

0036

なお、本明細書において、対象物の法線というとき、対象物に対する照射光入射側に対象物の照射光入射位置からのびる法線を意味する。対象物が平面状に近似することができる形状であるときは、近似した平面を基準とする法線を意味する。

0037

本発明の検知方法においては、2つ以上の照射光が用いられていてもよく、3つ以上の照射光が用いられることがさらに好ましい。2つ以上の照射光は、波長域が異なる照射光であってもよく、対象物の法線となす角度が異なる照射光であってもよく、または、異なる入射面を有する照射光であってもよい。これらの2つ以上が異なる照射光であってもよい。
2つ以上の照射光を用いて感知される円偏光の光量は加算して検知に用いてもよく、より感度の高い(S/Nが大きい)照射光に基づき感知される円偏光の光量を検知に用いてもよい。感度の高い(S/Nが大きい)照射光に基づいて検知が行われることが好ましい。

0038

異なる入射面で対象物に入射する照射光を用いることにより、遅相軸方向が不明の複屈折性の対象物の検知の感度を上げることができる。対象物において複屈折が小さい方向からの照射光であるために感度が低下することを防止することができるからである。
異なる入射面で対象物に入射する2つ以上の照射光が用いられる場合、それらの照射光のうちの任意の2つの照射光の2つの入射面は10°〜90°の角度をなしていることが好ましく、30°〜90°の角度をなしていることがより好ましく、45°〜90°の角度をなしていることがさらに好ましい。また、それらの照射光のうちの任意の2つの照射光の入射方向がなす角度(対象物の法線方向から見たときの法線を中心とした角度)は、10°〜170°が好ましく、30°〜150°がより好ましく、45°〜135°がさらに好ましい。互いに異なる入射面で対象物に入射する照射光である場合、3つ以上の照射光が用いられることが好ましく、3つの照射光が用いられることが特に好ましい。

0039

2つ以上の照射光が用いられる検知方法は、例えば、後述する照射部を2つ以上含む検知システムを用いて行うことができる。

0040

前述の、照射光の円偏光のセンスと感知する円偏光のセンスとの調整は、例えば、以下のように行うことができる。
第1の態様(透過型)では、照射光が対象物を透過した光の直接感知を行い、照射光が選択的に含む円偏光のセンスと感知される光が選択的に含む円偏光のセンスとを逆にする。光の直接感知とは、対象物の透過光、特に直透過光の感知を意味する。光の直接感知では、感知までに照射光由来の光が反射されていなければよく、対象物を透過した光はそのまま感知されればよい。
第2の態様(反射型)では、照射光由来の光の反射光の感知を行い、照射光が選択的に含む円偏光のセンスと感知される光が選択的に含む円偏光のセンスとを同一とする。このとき、反射光は鏡面反射光であることが好ましい。第2の態様において、照射光由来の光は反射前に対象物を透過していても、反射後に対象物を透過していても、いずれにおいても透過していてもよい。このうち特に、いずれにおいても透過していることが好ましい。すなわち、感知は、照射光が対象物を透過した光の反射光が、対象物をもう一度透過した光の感知であることが好ましい。対象物を2回透過することになるため、検知の感度を上げることができるからである。

0041

<検知システム>
本発明の方法を実現するために、例えば本発明のシステムを用いることができる。本発明のシステムは、少なくとも、照射部、対象物移動部、検出部を含む装置であってもよく、または、対象物移動部と、照射部と、検出部とを含む組み合わせであってもよい。
一つの態様(透過型)では、システムは円偏光を選択的に照射する照射部、対象物移動部、円偏光を選択的に感知する検出部をこの順で含む。このとき、検出部は、照射部から照射された光が入射する位置にあり、照射部から照射された光が検出部に入射する光の光路は対象物移動部と交差しており、照射部が選択的に照射する円偏光のセンスと検出部が選択的に感知する円偏光のセンスとは逆であるようにする。

0042

別の態様(反射型)では、システムは、円偏光を選択的に照射する照射部、円偏光を選択的に感知する検出部、対象物移動部および鏡面反射部材を含む。このとき対象物移動部は、照射部と鏡面反射部材との間にあるか、もしくは、鏡面反射部材と検出部との間にあり、または、対象物移動部は、照射部と鏡面反射部材との間かつ鏡面反射部材と検出部との間にある。照射部および検出部は、互いに照射部から照射された光が鏡面反射部材で鏡面反射して検出部に入射する位置にある。そして、照射部からの照射光由来の光が鏡面反射部材に入射する光の光路1が対象物移動部と交差部1で交差しているか、もしくは照射部からの照射光由来の光が鏡面反射部材で反射し検出部に感知される光の光路2が対象物移動部と交差部2で交差しており、または、照射部からの照射光由来の光が鏡面反射部材に入射する光の光路1が対象物移動部と交差部1で交差し、かつ照射部からの照射光由来の光が鏡面反射部材で反射し検出部に感知される光の光路2が対象物移動部と交差部2で交差している。さらに、照射部が選択的に照射する円偏光のセンスと検出部が選択的に感知する円偏光のセンスとが同一になるようにする。
上記いずれの態様においても、検出部は照射部から照射された光の入射面内にあることが好ましい。

0043

後述するように、照射部は光源および円偏光分離フィルムを含むことが好ましく、検出部は受光素子および円偏光分離フィルムを含むことが好ましい。対象物の検知のための、光源、受光素子、円偏光分離フィルムの配置例を図1に示す。
透過型の態様である配置A、B、Dにおいては、光源22、光源側の円偏光分離フィルム(本明細書において円偏光分離フィルム1ということがある。)、対象物移動部24、受光素子側の円偏光分離フィルム(本明細書において円偏光分離フィルム2ということがある。)、および受光素子23がこの順で配置されている。円偏光分離フィルム1と円偏光分離フィルム2とは逆のセンスの円偏光を選択的に透過し、対象物が存在しないときは、光源からの光の大部分は、直接受光素子に感知されない。対象物が光路と対象物移動部との交差部に配置されると、受光素子で感知される光の光量が増加し、その増加により対象物が検知される。

0044

反射型の態様である配置Cは、鏡面反射部材16を用いて反射光を感知する構成であり、円偏光分離フィルム11が円偏光分離フィルム12とは同じセンスの円偏光を選択的に透過し、対象物が存在しないときは、光源からの光の大部分は、受光素子に感知されない。対象物が交差部1および/または交差部2に配置されると、受光素子で感知される光の光量が増加し、その増加により対象物が検知される。
配置Cにおいては、対象物から見て円偏光分離フィルムの同じ側面側に光源と受光素子とが配置されている。この構成において、受光素子が光源からの直接の光の影響を受けないよう受光素子と光源との間には光(特に照射光領域の波長の光)を遮断する層などが設けられていてもよい。

0045

透過型の態様の本発明のシステムにおいては、照射部からの照射光由来の光が検出部に入射する光の光路と対象物移動部とが交差する交差部で、この光路と対象物移動部の法線とがなす角度(図1A,B、Dに示す、傾斜角度26)は、20°より大きく70°以下である。上記角度は、25°以上65°以下であることが好ましく、30°以上62°以下であることがより好ましい。

0046

反射型の態様の本発明のシステムにおいては、交差部1で光路1と対象物移動部の法線がなす角度(図1Cに示す、傾斜角度26−1)および交差部2で光路2と対象物移動部の法線方向がなす角度(図1Cに示す、傾斜角度26−2)の少なくともいずれか一方が20°より大きく70°以下であり、交差部1で光路1と対象物移動部の法線がなす角度(図1Cに示す、傾斜角度26−1)および交差部2で光路2と対象物移動部の法線方向がなす角度(図1Cに示す、傾斜角度26−2)の双方が20°より大きく70°以下であることが好ましい。上記角度はいずれも、25°以上65°以下であることが好ましく、30°以上62°以下であることがより好ましい。

0047

本発明のシステムは、対象物移動部を遮光するように、筐体が設けられていてもよい。例えば配置B、Dに示すように筐体を設けることができる。その際、配置Bに示すように筐体の窓部分に円偏光分離フィルムが設けられていてもよい。このとき、筐体の2つ窓部分のそれぞれの中心の間をつなぐ直線と対象物移動部の法線が20°より大きく70°以下の角度で交差していればよい。また、配置Dに示すように、窓部分と照射部との間および窓部分と検出部との間から選択されるいずれか一方または双方に光(特に照射光領域の波長の光)を遮断するアタッチメントを設けて、環境光の影響をより受けにくくしてもよい。
また、反射型の態様の本発明のシステムにおいては、検出部は照射部からの直接の光の影響を受けないよう、照射部と検出部との間に、光(特に照射光領域の波長の光)を遮断する層などが設けられていればよい。

0048

[対象物移動部]
対象物移動部は、検知すべき対象物を配置できる部位を意味し、対象物を平面的に保持できる部分を含む。本発明のシステムにおいては、この部分において、対象物が検知されるようになっていればよい。例えば、図1の配置A、B、Dにおいて、対象物は、図に示す直線のように左右の方向で連続的に移動していてもよく、紙面の手前と奥の方向で連続的に移動していてもよく、単に図に示す直線部位に配置されてもよい。配置Cにおいて対象物は、図に示す直線のように紙面の上下の方向で移動していてもよく、紙面の手前と奥の方向で移動していてもよく、単に図に示す直線部位に配置されてもよい。
なお、本明細書において、対象物の「移動」は一方方向のものであってもよく、行き来するものであってもよく、配置と除去とからなる非連続的な移動であってもよい。

0049

本明細書において、対象物移動部の法線というときは、対象物移動部の、対象物を平面的に保持できる部分に対する照射光入射側に、対象物移動部の照射光入射位置からのびる法線を意味し、対象物移動部において、保持することができる対象物の平面に対する法線を意味する。対象物移動部の例としては、フィルム搬送部などが挙げられる。
検知システムの具体例としては、工場製造ラインなどで製品の通過を確認するシステムなどが挙げられる。製品の例としては、光学フィルム、包装フィルム、アクリルフィルムまたはアクリル板などが挙げられる。

0050

[照射部]
照射部は特定の光の波長域で円偏光を選択的に照射する。照射光の波長域は対象物に応じて選択すればよい。照射部は、光源を含む。また、照射部は光源と円偏光分離フィルムを含むことが好ましい。光源が直線偏光を照射する光源である場合においては、照射部は光源とλ/4位相差層などの位相差フィルムとを含んでいてもよい。
光源としては、ハロゲンランプタングステンランプLED、LD、キセノンランプ、メタハラランプなど受光素子の感光波長の光を発光するものであればいずれも使用できるが、小型、発光指向性単色光パルス変調適性の点でLEDまたはLDが好ましい。

0051

照射部は、例えば光源を筐体内部に有し、照射光を出射する部分に円偏光分離フィルムを配して、円偏光分離フィルムを経由した光以外の光が光源から出射していない構成となっていることが好ましい。また、円偏光分離層が直線偏光分離層とλ/4位相差層とを含むものである場合は、λ/4位相差層が外側であって直線偏光分離層が光源側となるように配置することが好ましい。

0052

本発明のシステムは照射部を2つ以上含んでいてもよい。例えば、入射面の異なる照射光となるように2つ以上の照射部を有していてもよく、同一の入射面で対象物の法線となす角度が異なる照射光となるように2つ以上の照射部を有していてもよく、入射面および対象物の法線となす角度のいずれも異なる照射光となるように2つ以上の照射部を有していてもよい。これらのうち、入射面の異なる照射光となるように2つ以上の照射部を有していることが好ましい。
また、本発明のシステムは照射光の波長域の異なる2種以上の照射部を含んでいてもよい。

0053

[検出部]
検出部は照射部からの照射光の波長域で円偏光を選択的に感知していればよい。
検出部は、例えば受光素子と、円偏光分離フィルムからなっていればよい。
受光素子の例としては、Si、Ge、HgCdTe、PtSi、InSb、PbSなどの半導体を使用したフォトダイオードセンサー光検出素子を線状に配列した検出器や画像を取り込めるCCD(電荷結合素子(Charge Coupled Device))やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)が挙げられる。
検出部は光量を測定できる光量感知部となっていることが好ましい。
円偏光分離フィルムは、検出部の部品として、円偏光分離フィルムが右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させる波長の光を感知できる受光素子と組み合わせて用いられていればよい。受光素子の受光面に円偏光分離フィルムを配置すればよい。

0054

センサーは受光素子を筐体内部に有し、光取り込み部分に円偏光分離フィルムを配して、円偏光分離フィルムを経由した光以外の光が受光素子に到達しない構成となっていることが好ましい。円偏光分離フィルムが後述の直線偏光分離層とλ/4位相差層とを含むものである場合は、λ/4位相差層が外側であって直線偏光分離層が受光素子側となるように配置することが好ましい。

0055

本発明のシステムは検出部を2つ以上含んでいてもよい。特にシステムが2つ以上の照射部を含む場合において、各照射部由来の光を検出する検出部を2つ以上含むことが好ましい。各照射部由来の光を検出する検出部は各照射部の照射光の入射面内にそれぞれ配置されていることが好ましい。
また、本発明のシステムが照射光の波長域の異なる2種以上の照射部を含む場合、それぞれの波長域の光を検出可能な受光素子を含む検出部を含むことが好ましい。

0056

[円偏光分離フィルム]
円偏光分離フィルムは、特定の波長域において右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させるフィルムである。円偏光分離フィルムは、片側面から入射した特定の光(自然光、非偏光)を右円偏光および左円偏光に分離し、いずれか一方を選択的に他側面側に透過させることができることが好ましい。このとき他方の円偏光は反射していても吸収していてもよい。

0057

円偏光分離フィルムは、いずれの面から入射した光に対しても右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させるものであってもよく、いずれか一方の面から入射した光に対してのみ右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させ、他側面から入射した光に対してはそのような同様の選択的透過を示さないものであってもよい。後者の場合は使用の際に、所望の円偏光選択性が得られる配置とすればよい。また、円偏光分離フィルムは、いずれの面から入射した光であっても右円偏光および左円偏光に分離していずれか一方を選択的に他側面側に透過していてもよく、いずれか一方の面から入射した光についてのみ右円偏光および左円偏光に分離し、いずれか一方を選択的に他側面側に透過させ、他側面から入射した光に対してはそのような円偏光分離を示さないものであってもよい。後者の場合は使用の際に、所望の円偏光選択性が得られる配置とすればよい。

0058

円偏光分離フィルムは、特定の50nm幅以上の波長領域において右または左円偏光のいずれか一方を入射させたときの入射光と同一センスの円偏光の光線透過率{(透過した円偏光の光強度)/(入射円偏光の光強度)×100}が、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、99%以上、好ましくは実質的に100%であればよい。同時に上記と同一の波長域において、他方のセンスの円偏光を入射させたときの入射光と同一センスの円偏光の光線透過率{(透過した円偏光の光強度)/(入射させた円偏光の光強度)×100}が30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、1%以下、好ましくは実質的に0%であればよい。

0059

(円偏光分離層)
円偏光分離フィルムは、特定の波長域において右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させる円偏光分離層を含む。なお、本明細書において、光源側で用いられる円偏光分離層を円偏光分離層1ということがあり、また、受光素子側で用いられる円偏光分離層を円偏光分離層2ということがある。

0060

円偏光分離層が右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させる波長域の波長域幅は、5nm以上、10nm以上、20nm以上、30nm以上、40nm以上、または50nm以上であればよい。円偏光分離層が右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させる特定の波長域は、円偏光分離フィルムの使用形態と合わせて、対象物の検知のために適した必要な光の波長を含んでいればよく、800nm〜1500nmの波長域の50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上であってもよく、実質的に100%であってもよい。

0061

円偏光分離層は、右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させる波長域以外の光については、透過させていても、反射していても、吸収していてもよい。また、円偏光分離層は右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させるとともに、他方の円偏光を反射していてもよく、吸収していてもよい。
円偏光分離層としては、例えば、コレステリック液晶相を固定した層、または直線偏光分離層とλ/4位相差層とを含む積層体からなる層を用いることができる。

0062

(反射光散乱性円偏光分離層、反射光非散乱性円偏光分離層)
円偏光分離フィルムは、反射光散乱性円偏光分離層を含んでいてもよい。反射光散乱性円偏光分離層は特定の波長において選択的に透過するセンスの円偏光の散乱透過率/直透過率より、他方のセンスの円偏光の拡散反射率/正反射率が大きい。本明細書において、反射光散乱性円偏光分離層を含む円偏光分離フィルムを散乱型円偏光分離フィルム、反射光散乱性円偏光分離層を含まない円偏光分離フィルムを鏡面型円偏光分離フィルムということがある。

0063

散乱透過率/直透過率、拡散反射率/正反射率はそれぞれ、分光光度計積分球ユニットを用いて測定した値に基づいて計算される値である。直透過率、正反射率は分光光度計で、透過率、反射率全角度測定値は分光光度計に積分球ユニットを組み合わせることで測定できる。直透過率は入射角0°での測定値であり、正反射率は測定の都合上、例えば入射角5°での測定値であればよい。散乱透過率は透過率の全角度測定値から直透過率を、拡散反射率は反射率の全角度測定値から正反射率を差し引いて算出することができる。いずれか一方の円偏光の直透過率、正反射率、透過率、反射率の全角度測定値を測定するために、光源側に測定波長円偏光フィルタとして機能するフィルタを設置すればよい。

0064

反射光散乱性円偏光分離層はコレステリック液晶相を固定した層からなっていればよく、上記の特定の波長は、後述するコレステリック液晶相を固定した層の円偏光反射(選択反射)の中心波長である。反射光散乱性円偏光分離層は、一方のセンスの特定の波長(選択反射波長)の円偏光に対しての反射光および透過光の散乱性が大きい。一方、その逆の円偏光に対しては散乱性が低い。すなわち、例えば反射光散乱性円偏光分離層が、右螺旋のコレステリック液晶から形成されている場合は、その選択反射波長の右円偏光に対しての反射円偏光、透過円偏光の散乱性が大きく、一方、左円偏光に対しては散乱性が低ければよい。反射光散乱性円偏光分離層が左螺旋のコレステリック液晶から形成されている場合は、その選択反射波長の左円偏光に対しての反射円偏光、透過円偏光の散乱性は大きく、右円偏光に対しては散乱性が低ければよい。

0065

反射光散乱性円偏光分離層は、上記の特定の波長の上記のセンスの円偏光の散乱透過率/直透過率が0.00以上0. 10以下、好ましくは0.00以上0.05以下であればよい。このような値により、特定の光路での高い光量と円偏光度を確保することができる。また、円偏光分離層は上記特定の波長において選択的に透過するセンスと逆のセンスの円偏光の拡散反射率/正反射率が2.0以上7.5以下、好ましくは3.0以上5.0以下であればよい。拡散反射率/正反射率が7.5以下とすることにより、円偏光分離層の透明度の低下を防止することができる。
また、反射光散乱性円偏光分離層は上記の特定の波長の自然光で測定したヘイズ値が10より大きく55以下、好ましくは、20より大きく50以下であればよい。なお、ここで、ヘイズ値は、{(自然光の散乱透過率)/(自然光の散乱透過率+自然光の直透過率)×100(%)}である。ヘイズ値は、円偏光の散乱透過率/直透過率等の測定について上述したように分光光度計と積分球ユニットを用いて測定した値に基づいて計算することができ、測定の際は光源側で上記の円偏光フィルタとして機能するフィルタを用いずに測定すればよい。

0066

円偏光分離層は上記の反射光散乱性を有していない反射光非散乱性円偏光分離層のみからなっていても、反射光散乱性円偏光分離層のみからなっていても、反射光散乱性円偏光分離層と反射光非散乱性円偏光分離層とからなっていてもよい。反射光散乱性円偏光分離層と反射光非散乱性円偏光分離層とからなる円偏光分離層の場合、最外面に反射光散乱性円偏光分離層が含まれていることが好ましい。
反射光非散乱性円偏光分離層は、一方のセンスの特定の波長(選択反射波長)の円偏光に対しての反射光および透過光の散乱性は、その逆のセンスの円偏光に対しての散乱性と実質的に同一であり、上記特定の波長の上記センスの円偏光の散乱透過率/直透過率が0.00以上0.05以下、好ましくは0.00以上0.03以下であり、他方のセンスの円偏光の拡散反射率/正反射率が0.0以上0.05以下、好ましくは0.0以上0.03以下であればよい。上記特定の波長の自然光で測定したヘイズ値が3.0以下、好ましくは1.0以下であればよい。
反射光散乱性円偏光分離層としては、コレステリック液晶相を固定した層を用いればよい。反射光非散乱性円偏光分離層としては、コレステリック液晶相を固定した層、または直線偏光分離層とλ/4位相差層とを含む積層体を用いればよい。

0067

(コレステリック液晶相を固定した層)
コレステリック液晶相は、右円偏光または左円偏光のいずれか一方のセンスの円偏光を選択的に反射させるとともに他方のセンスの円偏光を透過する円偏光選択反射を示すことが知られている。円偏光選択反射性を示すコレステリック液晶化合物やコレステリック液晶化合物から形成されたフィルムは従来から数多く知られており、円偏光分離フィルムにおいてコレステリック液晶相を固定した層を用いる場合には、それらの従来技術を参照することができる。

0068

コレステリック液晶相を固定した層とは、コレステリック液晶相となっている液晶化合物配向が保持されている層であればよく、典型的には、重合性液晶化合物をコレステリック液晶相の配向状態としたうえで、紫外線照射、加熱等によって重合硬化し、流動性が無い層を形成して、同時に、また外場外力によって配向形態に変化を生じさせることない状態に変化した層であればよい。なお、コレステリック液晶相を固定した層においては、コレステリック液晶相の光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、層中の液晶化合物はもはや液晶性を示していなくてもよい。例えば、重合性液晶化合物は、硬化反応により高分子化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
本明細書においてコレステリック液晶相を固定した層をコレステリック液晶層または液晶層ということがある。

0069

コレステリック液晶層は、コレステリック液晶の螺旋構造に由来した円偏光反射を示す。その反射の中心波長λは、コレステリック相における螺旋構造のピッチ長P(=螺旋の周期)に依存し、コレステリック液晶層の平均屈折率nとλ=n×Pの関係に従う。そのため、この螺旋構造のピッチ長を調節することによって、円偏光反射を示す波長を調整できる。すなわち、例えば、可視光波長域の少なくとも一部において光を選択的に透過(反射)するように、n値P値を調節して中心波長λが380nm〜780nmの波長域となるようにすればよく、また、近赤外光波長域の少なくとも一部において右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過(反射)するように、上述の、n値とP値を調節して中心波長λが780nm〜1500nm、好ましくは800nm〜1500nmの波長域となるようにすればよい。

0070

なお、図1の配置Bに示す円偏光分離フィルム1または円偏光分離フィルム2にコレステリック液晶層を用いる場合などのように、コレステリック液晶層に対して斜めに光が入射する場合は、選択反射の中心波長は短波長側にシフトする。そのため、光源または受光素子に合わせて必要とされる選択反射の波長に対して、上記のλ=n×Pの式に従って計算されるλは長波長となるようにn×Pを調整することが好ましい。屈折率n2のコレステリック液晶層中でコレステリック液晶層の法線方向(コレステリック液晶層の螺旋軸方向)に対して光線がθ2の角度で通過するときの選択反射の中心波長をλdとするとき、λdは以下の式で表される。
λd=n2×P×cosθ2
屈折率1.0の空気層から屈折率n2のコレステリック液晶層に光がコレステリック液晶層の法線方向に対してθ1の角度で入射するときのθ2は以下の式で表される。
θ2=arcsin(sinθ1/n2)
コレステリック液晶層に対して斜めに光が入射する形態で用いる場合は、上記式に従ってn値とP値を調節して所望の中心波長とすればよい。

0071

コレステリック液晶相のピッチ長は重合性液晶化合物とともに用いるキラル剤の種類、またはその添加濃度に依存するため、これらを調整することによって所望のピッチ長を得ることができる。なお、螺旋のセンスやピッチ測定法については「液晶化学実験入門」日本液晶学会編シグマ出版2007年出版、46p、および「液晶便覧」液晶便覧編集委員会丸善 196pに記載の方法を用いることができる。

0072

また、選択反射(円偏光反射)帯の半値幅は、Δλが液晶化合物の複屈折Δnと上記ピッチ長Pに依存し、Δλ=Δn×Pの関係に従う。そのため、選択反射帯の幅の制御は、Δnを調整して行うことができる。Δnの調整は重合性液晶化合物の種類やその混合比率を調整したり、配向固定時の温度を制御したりすることで行うことができる。

0073

円偏光反射波長域の幅は可視光領域においては、通常の材料では50nm〜150nmであるため、周期Pを変えた反射光の中心波長が異なるコレステリック液晶層を幾種類か積層することで反射の帯域幅を広げることができる。また、1つのコレステリック液晶層内において、周期Pを膜厚方向に対して緩やかに変化させることで反射の帯域を広げることもできる。

0074

また、コレステリック液晶層の反射円偏光のセンスは螺旋のセンスに一致する。
円偏光分離層としては、螺旋のセンスが右または左のいずれかであるコレステリック液晶層を用いればよく、特定の波長で円偏光選択性を高くするためなどの目的のために積層する際には、周期Pが同じで、同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層を複数積層すればよい。この際は、後述の方法などにより別途作製されたコレステリック液晶層を接着層などにより接着してもよく、後述の方法などにより先に形成されたコレステリック液晶層の表面に直接、重合性液晶化合物等を含む液晶組成物を塗布し、配向および固定の工程を繰り返すことにより積層してもよい。後者の方法により、先に形成したコレステリック液晶層の空気界面側液晶分子配向方位と、その上に形成するコレステリック液晶層の下側の液晶分子の配向方位が一致し、円偏光分離層の偏光特性が良好となる。

0075

また、選択反射(透過)帯域幅を広げるため複数層を積層してもよく、その際は同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層を積層すればよい。
コレステリック液晶層は、いずれの面から入射した光に対しても右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に透過させ、かついずれの面から入射した光であっても右円偏光および左円偏光に分離していずれか一方を選択的に他側面側に透過させることができる。

0076

以下、可視光反射層または円偏光分離層に用いることができるコレステリック液晶層の作製材料および作製方法について説明する。
上記コレステリック液晶層の形成に用いる材料としては、重合性液晶化合物とキラル剤(光学活性化合物)とを含む液晶組成物などが挙げられる。必要に応じてさらに界面活性剤重合開始剤などと混合して溶剤などに溶解した上記液晶組成物を、基材支持体配向層透明層下層となるコレステリック液晶層など)に塗布し、コレステリック配向熟成後、固定化してコレステリック液晶層を形成することができる。

0077

重合性液晶化合物
重合性液晶化合物は、棒状液晶化合物であっても、円盤状液晶化合物であってもよいが、棒状液晶化合物であることが好ましい。
コレステリック液晶層を形成する棒状の重合性液晶化合物の例としては、棒状ネマチック液晶化合物が挙げられる。棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類安息香酸エステル類シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類フェニルジオキサン類トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。

0078

重合性コレステリック液晶化合物は、重合性基をコレステリック液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基エポキシ基、およびアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、コレステリック液晶化合物の分子中に導入できる。重合性コレステリック液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。重合性コレステリック液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、および特開2001−328973号公報などに記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性コレステリック液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性コレステリック液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。

0079

また、液晶組成物中の重合性液晶化合物の添加量は、液晶組成物の固形分質量溶媒を除いた質量)に対して、80〜99.9質量%であることが好ましく、85〜99.5質量%であることがより好ましく、90〜99質量%であることが特に好ましい。

0080

キラル剤(光学活性化合物)
キラル剤はコレステリック液晶相の螺旋構造を誘起する機能を有する。キラル化合物は、化合物によって誘起する螺旋のセンスまたは螺旋ピッチが異なるため、目的に応じて選択すればよい。
キラル剤としては、特に制限はなく、公知の化合物(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)、イソソルビドイソマンニド誘導体を用いることができる。
キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチルヘリセンパラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤と硬化性コレステリック液晶化合物が重合性基を有する場合は、重合性キラル剤と重合性コレステリック液晶化合物との重合反応により、コレステリック液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル剤が有する重合性基は、重合性コレステリック液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、キラル剤の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。
また、キラル剤は、液晶化合物であってもよい。

0081

キラル剤が光異性化基を有する場合には、塗布、配向後に活性光線などのフォトマスク照射によって、発光波長に対応した所望の反射波長パターンを形成することができるので好ましい。光異性化基としては、フォトクロミック性を示す化合物の異性化部位、アゾ、アゾキシ、シンナモイル基が好ましい。具体的な化合物として、特開2002−80478号公報、特開2002−80851号公報、特開2002−179668号公報、特開2002−179669号公報、特開2002−179670号公報、特開2002−179681号公報、特開2002−179682号公報、特開2002−338575号公報、特開2002−338668号公報、特開2003−313189号公報、特開2003−313292号公報に記載の化合物を用いることができる。
液晶組成物における、キラル剤の含有量は、重合性液晶化合物量の0.01モル%〜200モル%が好ましく、1モル%〜30モル%がより好ましい。

0082

重合開始剤
液晶組成物は、重合開始剤を含有していることが好ましい。紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
液晶組成物中の光重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物の含有量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜5質量%であることがさらに好ましい。

0083

架橋
液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、紫外線、熱、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。
架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニルプロピオネート]、4,4−ビスエチレンイミノカルボニルアミノジフェニルメタン等のアジリジン化合物ヘキサメチレンジイソシアネートビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物などが挙げられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度および耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤の含有量は、3質量%〜20質量%が好ましく、5質量%〜15質量%がより好ましい。架橋剤の含有量が、3質量%未満であると、架橋密度向上の効果が得られないことがあり、20質量%を超えると、コレステリック層の安定性を低下させてしまうことがある。

0084

配向制御剤
液晶組成物中には、安定的にまたは迅速にプレーナー配向のコレステリック液晶層とするために寄与する配向制御剤を添加してもよい。配向制御剤の例としては特開2007−272185号公報の段落〔0018〕〜〔0043〕等に記載のフッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、特開2012−203237号公報の段落〔0031〕〜〔0034〕等に記載の式(I)〜(IV)で表される化合物などが挙げられる。
なお、配向制御剤としては1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0085

液晶組成物中における、配向制御剤の添加量は、コレステリック液晶化合物の全質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜5質量%がより好ましく、0.02質量%〜1質量%が特に好ましい。

0086

その他の添加剤
その他、液晶組成物は、塗膜表面張力を調整し膜厚を均一にするための界面活性剤、および重合性モノマー等の種々の添加剤から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。また、液晶組成物中には、必要に応じて、さらに重合禁止剤酸化防止剤紫外線吸収剤光安定化剤、色材金属酸化物微粒子等を、光学的性能を低下させない範囲で添加することができる。

0087

コレステリック液晶層は、重合性液晶化合物および重合開始剤、更に必要に応じて添加されるキラル剤、界面活性剤等を溶媒に溶解させた液晶組成物を、基材上に塗布し、乾燥させて塗膜を得、この塗膜に活性光線を照射してコレステリック液晶性組成物を重合し、コレステリック規則性が固定化されたコレステリック液晶層を形成することができる。なお、複数のコレステリック層からなる積層膜は、コレステリック層の製造工程を繰り返し行うことにより形成することができる。

0088

液晶組成物の調製に使用する溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒が好ましく用いられる。
有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばケトン類アルキルハライド類アミド類スルホキシド類ヘテロ環化合物炭化水素類、エステル類、エーテル類、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が特に好ましい。

0089

基材上への液晶組成物の塗布方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ワイヤーバーコーティング法カーテンコーティング法押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、スピンコーティング法ディップコーティング法、スプレーコーティング法スライドコーティング法などが挙げられる。また、別途支持体上に塗設した液晶組成物を基材上へ転写することによっても実施できる。塗布した液晶組成物を加熱することにより、液晶分子を配向させる。加熱温度は、200℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。この配向処理により、重合性液晶化合物が、フィルム面に対して実質的に垂直な方向に螺旋軸を有するようにねじれ配向している光学薄膜が得られる。

0090

配向させた液晶化合物は、更に重合させればよい。重合は、熱重合光照射を用いた光重合のいずれでもよいが、光重合が好ましい。光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2が好ましく、100mJ/cm2〜1,500mJ/cm2がより好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下または窒素雰囲気下で光照射を実施してもよい。照射紫外線波長は350nm〜430nmが好ましい。重合反応率は安定性の観点から、高いほうが好ましく70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
重合反応率は、重合性の官能基消費割合を、IR吸収スペクトルを用いて測定することにより、決定することができる。

0091

なお、円偏光分離層であるコレステリック液晶層の厚み(複数層積層されている場合は複数層の合計)は、1μm〜150μmが好ましく、1μm〜100μmがより好ましく、1.5μm〜30μmがさらに好ましく、2μm〜15μmが特に好ましい。

0092

(コレステリック液晶層の拡散反射率/正反射率の調整)
本発明者らの検討の結果、特定の波長において拡散反射率が高い液晶層は、層の少なくとも一方の表面、好ましくは層の両表面で液晶分子のチルト角が小さく、且つ液晶分子の面内配向方位をランダムとすることにより得られることが判明した。すなわち、上記のチルト角および面内配向方位を調整することにより、選択反射波長における拡散反射率を調整することができる。コレステリック液晶層表面近傍液晶配向方向、チルト角はコレステリック液晶層断面の膜表面近傍透過電子顕微鏡TEM)像などで確認すればよい。
コレステリック液晶層表面の液晶分子のチルト角と面内配向方位とを上記のように調整することにより、最表面でコレステリック液晶相の螺旋軸の傾きを有する構成を実現することができる。螺旋軸の傾きを有するとは、後述の螺旋軸の傾きが2°以上である面内の位置があることを意味する。最表面でコレステリック液晶相の螺旋軸の傾きを有する構成によりコレステリック液晶相の螺旋軸は面内で僅かなうねりを持って分布させることができると考えられる。すなわち、層の法線方向から螺旋軸のずれを、生じさせることができる。この螺旋軸のずれにより、拡散反射率/正反射率が高い散乱性の層となる。この層の内部には、複数の配向欠陥が存在しうる。

0093

コレステリック液晶層の最表面の螺旋軸の傾きは以下のように得ることができる。
コレステリック液晶層断面をTEM観察すると、明部と暗部との縞模様が観察できる。縞模様は、層面に略平行な方向に明部と暗部とが繰り返されるように観察される。この明部と暗部の繰り返し2回分(明部2つおよび暗部2つ)が螺旋1ピッチ分に相当する。縞模様の法線方向が螺旋軸となる。コレステリック液晶層の最表面の螺旋軸の傾きは、最表面から1本目の暗部がなす線と同じ側の最表面との角度として得ることができる。
コレステリック液晶層を、最表面の螺旋軸の傾きが面内で変化しているように構成することにより、拡散反射率/正反射率が高い反射光散乱性円偏光分離層を得ることができる。なお、「螺旋軸の傾きが変化している」とは、例えば、表面の任意の直線上で一定間隔で螺旋軸の傾きを測定すると、直線進行方向で増加および減少が確認される状態を示す。増加および減少は、好ましくは繰り返されており、変化は好ましくは連続的である。
最表面はコレステリック液晶層の少なくともいずれか一方(最上面または最下面)であってもよく、両方(最上面および最下面)であってもよいが、両方であることが好ましい。
さらに螺旋軸の傾きの最大値を20°以下程度とすればよい。螺旋軸の傾きの最大値は2°以上20°以下であればよく、5°以上20°以下であることが好ましい。

0094

本明細書において、「チルト角」とは、傾斜した液晶分子が層平面となす角度を意味し、液晶化合物の屈折率楕円体において最大の屈折率の方向が層平面となす角度のうち、最大の角度を意味する。従って、正の光学的異方性を持つ棒状液晶化合物では、チルト角は棒状液晶化合物の長軸方向すなわちダイレクター方向と層平面とのなす角度を意味する。
液晶分子の面内配向方位とは、液晶分子の上記の最大の屈折率の方向最大の屈折率の方向の、層と平行な面内での方位を意味する。面内配向方位がランダムであるとは、面内の液晶化合物分子の面内配向方位の平均方位と4°以上異なる面内配向方位を有する液晶分子がTEMにて10%以上20%以下で確認できる状態を意味する。
なお、本明細書において、液晶分子というとき、液晶組成物においては重合性液晶化合物の分子を意味し、重合性液晶化合物が液晶組成物の硬化反応により高分子化している場合は、上記重合性液晶化合物分子に該当する部分構造を意味する。

0095

コレステリック液晶層の形成の際の重合性液晶化合物の配向の際の、下層側表面にある液晶分子のチルト角は0°〜20°の範囲が好ましく、0°〜10°がより好ましい。上記の値にチルト角を制御することにより、配向欠陥の密度と、螺旋軸の傾斜角度分布を好ましい範囲とすることができる。

0096

反射光散乱性円偏光分離層形成のためにコレステリック液晶層を形成するときの重合性液晶化合物の配向の際は、下層側表面の液晶分子のチルト角(プレチルト角)を上記のように低く、好ましくは水平(支持体表面と平行)にし、且つ液晶分子の配向均一性を低下させるために、液晶組成物を塗布する後述の透明層や基材、または他のコレステリック液晶層の表面にラビングなどの配向処理をしないことが好ましい。コレステリック液晶層の空気界面側の液晶分子を水平にするために、前述の配向制御剤を使用することが好ましい。

0097

(直線偏光分離層とλ/4位相差層とを含む積層体)
直線偏光分離層とλ/4位相差層とを含む積層体からなる円偏光分離層では、直線偏光分離層の面から入射する光は、反射もしくは吸収によって直線偏光に変換され、その後λ/4位相差層を通過することによって右または左の円偏光に変換される。一方、λ/4位相差層からの光入射の場合、いずれの偏光状態の光でも最後に通過する直線偏光分離層によって直線偏光となるが、特に入射光が円偏光の場合はλ/4位相差層によって直線偏光層透過軸に平行または直交する直線偏光に変換されるので、入射円偏光センスの識別に利用するためにはλ/4位相差層側から光を入射することが好ましく、出射円偏光を利用する場合には、直線偏光分離層側から光を入射することが好ましい。
直線偏光分離層としては、直線偏光子を用いることができ、使用する光の波長域に対応した偏光子であればよい。

0098

直線偏光子
好適に用いることができる赤外線直線偏光子としては、屈折性を有し屈折率の異なる樹脂を多層積層し、延伸により厚みと位相差値を制御した多層誘電体反射偏光子、多数の平行導体線配列グリット)により構成されたグリット偏光子、形状異方性のある金属ナノ粒子を配列固定した偏光子、二色性色素を配列固定した偏光子などが挙げられる。これらはいずれも薄層状、フィルム状、 あるいは板状に形成することが容易であり、円偏光分離層を形成する工程において、後述のシート状の位相差層を単に貼り合せて形成できる。または、赤外線直線偏光子上に直接、位相差層形成のための組成物を塗布することにより位相差層を形成してすることができ、より薄膜の円偏光分離層の作製が可能である。

0099

多層誘電体反射偏光子は、面内透過軸に平行な振動方向の光のみを透過し、それ以外の光を反射可能な偏光フィルムである。この様なフィルムとして、特表平9−507308号公報等に開示された多層フィルムを挙げることができる。これは、フィルム面内に複屈折性のない透明誘電体層1からなる層と面内に複屈折性を有する透明誘電体層2からなる層を交互に多層積層したものであり、透明誘電体層1の屈折率を透明誘電体層2の常光屈折率または異常光屈折率のいずれかに一致するように形成したものである。さらにこれらの透明誘電体層の少なくともいずれか一方は、厚み(d)と透明誘電体層の屈折率(n)との積(n×d)が、反射させるべき光の波長の4分の1になる様にして構成される。上記透明誘電体層の形成のための材料は、使用する赤外線波長において光透過性の材料であればよく、例としてはポリカーボネートアクリル樹脂ポリエステルエポキシ樹脂ポリウレタンポリアミドポリオレフィンセルロース誘導体シリコーン(シリコーンポリウレア等の変性シリコーンを含む)等が挙げられる。

0100

グリット偏光子は、使用する赤外線波長において光透過性の高分子フィルムガラス基板ケイ素(Si)基板の片面にアルミや銀、または金などの良導体薄膜からなるサブミクロンピッチ(入射光の波長より短いピッチ)の多数の平行導体線配列構造(グリット)を設けたものであり、特開2002−328234号公報等に開示された偏光子を挙げることができる。この偏光子は入射光のうちグリットに対して平行な偏光成分は反射し、垂直な偏光成分は透過することによって、偏光子として機能する。必要に応じてこれをガラスで挟んだり反射防止層を設けたりすることができる。

0101

形状異方性のある金属ナノ粒子を配列固定した偏光子は、アスペクト比が大きなハロゲン化銀粒子や、銀粒子を配向しそれを固定したものである。この偏光板粒子配列方向電界振動面を有する赤外光を吸収し、それに直交する方向の赤外光を透過する吸収型直線偏光板である。これに属するものとして特開昭59−83951号公報、特開平2−248341号公報、特開2003−139951号公報にあるものを用いることができる。

0102

二色性色素を配列固定した偏光子としては、PVA(ポリビニルアルコール)にヨウ素を吸着もしくは2色性染料ドーピングさせ延伸しポリビニレンとした赤外偏光フィルムなどを挙げることができる。この偏光板は延伸方法に電界振動面を有する赤外光を吸収し、それに直交する方向の赤外光を透過する。
これは、PVAのフィルムをヨウ素/ヨウ化物などの染色性組成物槽中に通してPVA層の染色を行ったのち4〜6倍の倍率で延伸することによって二色性色素の配向を得ることができる。PVAのポリビニレンへの変換は米国特許第2.445,555号に記載されているような塩酸蒸気法で行うことができる。またこの偏光用材料の安定性を改善するために、ホウ酸ボラクスを含有する水性ボレート化浴を使用してボレート化することも行われる。市販のエドモンド・オプティクスジャパン株式会社製の直線偏光フィルムを、これに相当するものとして挙げることができる。
直線偏光分離層の厚さは、0.05μm〜300μmが好ましく、0.2μm〜150μmがより好ましく、0.5μm〜100μmが更に好ましい。

0103

λ/4位相差層
位相差板の面内遅相軸は、上記偏光板の吸収軸もしくは透過軸から45°回転させた方位に設置する。光源としてLEDやレーザーなどの単色光光源を用いる場合には、位相差板の正面位相差は、光源の発光波長の中心波長の1/4の長さ、または「中心波長*n±中心波長の1/4(nは整数)」であることが望ましく、例えば、光源の発光中心波長が1000nmであれば、250nm、750nm、1250nm、1750nmなどの位相差であることが好ましい。また位相差の光入射角度依存性は小さいほど好ましく、中心波長の1/4の長さの位相差を持つ位相差板がこの点において最も好ましい。

0104

本発明の検知システムまたは検知方法において、赤外線光源として発光波長が異なる多種の光源を組み合わせて用いたり、発光強度ピークが二波長以上の光源や発光が広い波長範囲に及ぶ光源を用いたりする場合などにおいて、円偏光選択性を示す波長域を広くしたい場合が考えられる。そのような場合にも、上述の位相差板を用いることができるが、広帯域の位相差板を用いることがより好ましい。広帯域の位相差板とは広い波長範囲にわたって位相差角度が一定となる位相差板で、この例としては、複屈折率波長分散が互いに異なる位相差層をその遅相軸を直交させることで広帯域とした積層位相差板、この原理分子レベルで用い複屈折率の波長分散が互いに異なる置換基をその配列軸を直交させて配向形成した高分子フィルム、使用波長域の波長(λ)に対して位相差がλ/2の層とλ/4の層を互いの遅相軸を60°に交差して積層した位相差板などを挙げることができる。

0105

上記位相差板の材料の例としては、結晶性のガラスや無機物結晶や、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、セルロース誘導体、シリコーン(シリコーンポリウレア等の変性シリコーンを含む)等のポリマーや重合性液晶化合物、高分子液晶化合物を配列させて固定したものを挙げることができる。
λ/4層の厚さは、0.2μm〜300μmが好ましく、0.5μm〜150μmがより好ましく、1μm〜80μmが更に好ましい。

0106

(その他の層)
円偏光分離フィルムは、支持体、上記の液晶化合物の配向のための配向層、円偏光分離層と可視光遮断層の貼合のための接着層、検知に用いる特定の波長域以外の光を透過させないための光遮断層などの他の層を含んでいてもよい。
(支持体)
支持体は特に限定されず、例としては、プラスチックフィルムガラス等が挙げられる。可視光遮断層や円偏光分離層の光学的性質を相殺す性質を有していないことが好ましく、一般的には透明であり、低複屈折性であることが好ましい。プラスチックフィルムの例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、セルロース誘導体、シリコーンなどが挙げられる。上記のコレステリック液晶層の作製のために用いられる支持体は、円偏光分離フィルムにおいては剥離されていてもよい。
支持体と円偏光分離層とを含む円偏光分離フィルムを照射部に用いる場合、円偏光分離層に対し支持体側が光源側になっていることが好ましい。また、支持体と円偏光分離層とを含む円偏光分離フィルムを検出部に用いる場合、円偏光分離層に対し支持体側が受光素子側になっていることが好ましい。

0107

(配向層)
配向層は、有機化合物、ポリマー(ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレートポリアミドイミドポリエーテルイミド、ポリアミド、変性ポリアミドなどの樹脂)のラビング処理無機化合物斜方蒸着マイクログルーブを有する層の形成、またはラングミュアブロジェット法LB膜)を用いた有機化合物(例えば、ω−トリコサン酸、ジオタデシルメチルアンモニウムクロライドステアリルメチル)の累積のような手段で、設けることができる。更に、電場の付与、磁場の付与または光照射により、配向機能が生じる配向層も知られている。これらの中でも、ポリマーのラビング処理により形成する配向層が特に好ましい。ラビング処理は、ポリマー層の表面を、紙、布で一定方向に、数回擦ることにより実施することができる。
配向層を設けずに支持体表面、または支持体をラビング処理した表面に、液晶組成物を塗布してもよい。

0108

(透明層)
反射光散乱性円偏光分離層の作製の際などにおいて、コレステリック液晶層の形成の際に液晶組成物が塗布される下層として、透明層を含んでいてもよい。透明層としては、その表面に設けられる液晶組成物中の重合性液晶化合物分子に対して低いプレチルト角を与える材料からなる層を好ましく用いることができる。
透明層としては、例えば、(メタ)アクリレートモノマーゼラチンウレタンモノマーなどを含む非液晶性の重合性組成物を塗布硬化したものを用いることができる。例えば、(メタ)アクリレートモノマーを含む層を塗布硬化して得られるアクリル層は面内において等方的であるため、アクリル層表面にラビング処理を施さずに液晶層を形成すると、アクリル層に接している液晶の面内配向方位はランダムとなる。
そのためアクリル層表面に液晶組成物を塗布して形成されるコレステリック液晶層を配向欠陥を有する層とすることができる。
そして、配向欠陥を有する液晶層上に液晶層を形成すると、同様に配向欠陥を有する液晶層を形成することができる。

0109

透明層としてはそのほか、ポリイミド(日産化学社製ポリイミドワニスサンエバー130など)、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、変性ポリアミドなどの樹脂などを用いてもよい。拡散反射率の高いコレステリック液晶層の形成のため、液晶組成物を塗布する透明層の表面はラビング処理(例えば、ポリマー層の表面を、紙または布等で一定方向に擦るラビング処理)を行わないことが好ましい。
透明層の厚さは0.01〜50μmであることが好ましく、0.05〜20μmであることがさらに好ましい。

0110

(接着層)
接着剤としては硬化方式の観点からホットメルトタイプ熱硬化タイプ、光硬化タイプ反応硬化タイプ、硬化の不要な感圧接着タイプがあり、それぞれ素材としてアクリレート系、ウレタン系、ウレタンアクリレート系エポキシ系、エポキシアクリレート系、ポリオレフィン系、変性オレフィン系ポリプロピレン系、エチレンビニルアルコール系、塩化ビニル系、クロロプレンゴム系、シアノアクリレート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリスチレン系ポリビニルブチラール系などの化合物を使用することができる。作業性、生産性の観点から、硬化方式として光硬化タイプが好ましく、光学的な透明性、耐熱性の観点から、素材はアクリレート系、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系などを使用することが好ましい。

0111

(光遮断層)
円偏光分離フィルムは、上記の特定の波長域以外での光に対して低い光線透過率を有していることが好ましい。光遮断層は、上記の特定の波長域以外での光を遮断するために設けられる。
光遮断層としては、光反射層または光吸収層が挙げられる。
光反射層の例としては、誘電体多層膜およびコレステリック液晶層などを挙げることができる。

0112

誘電体多層膜は、無機酸化物有機高分子材料の屈折率の異なる透明誘電性の層を相互に多層積層したものである。無機酸化物の層は、例えば、ガラス、耐熱性高分子フィルムの表面にスパッタ法などで形成することができる。一方、有機高分子材料の例としては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、シリコーン(シリコーンポリウレア等の変性シリコーンを含む)等が挙げられ、特表平9−507308号公報等に開示された方法に準じて製造することができる。

0113

コレステリック液晶層の反射波長での反射率は、コレステリック液晶層が厚いほど高くなるが、通常の液晶材料では可視光の波長域では2〜8μmの厚みで飽和し、また片側の円偏光のみに対しての反射であるため反射率は最大で50%である。円偏光のセンスに関わらず光反射し、自然光の反射率を50%以上とするために、光反射層としては、周期Pが同じで、螺旋のセンスが右のコレステリック液晶層と左のコレステリック液晶層とが積層されたもの、または、周期Pが同じで、同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層と、その間に配されるコレステリック液晶層の円偏光反射の中心波長に対して半波長の位相差を有する位相差膜とからなる積層体を用いることができる。
光吸収層としては顔料や染料などの着色剤分散剤バインダーやモノマーを含む溶媒に分散した分散液を、基材(受光素子が光を感知する赤外線波長域で十分な光透過性を有するものが好ましい)の上に塗工して形成された層、染料を用いて直接高分子基材表面を染色した層、染料を含む高分子材料から形成された層を用いることができる。

0114

以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。

0115

反射フィルムMR−1(鏡面型)の作製>
東洋紡株式会社製コスシャインA−4100(厚み100μm)の易接着処理していないPET面上にラビング処理を施し、表1に示す塗布液A−1を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布した。塗布層を室温にて30秒乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し、液晶層を得た。この液晶層上に表1に示す塗布液A−2を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布した。塗布層を室温にて30秒乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し、液晶層を得た。さらにこの液晶層上に表1に示す塗布液A−3を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布した。塗布層を室温にて30秒乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し、反射フィルムMR−1を得た。

0116

<反射フィルムMR−2〜MR−6(鏡面型)の作製>
塗布液A−1〜A−3の代わりに以下に示す3つの塗布液をそれぞれ用いた以外は、反射フィルムMR−1の作製と同様にして反射フィルムMR−2〜MR−6を作製した。
MR−2:B−1〜B−3
MR−3:A−4〜A−6
MR−4:B−4〜B−6
MR−5:A−3、A−7、A−8
MR−6:B−3、B−7、B−8

0117

<反射フィルムSC−1(散乱型)の作製>
東洋紡株式会社製コスモシャインA−4100(厚み100μm)の易接着処理していないPET面上にラビング処理を施し、表1に示す塗布液Cを乾燥後の乾膜の厚みが8μmになるように室温にて塗布した。塗布層を室温にて30秒乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し、アクリル層を得た。このアクリル層上に表1に示す塗布液A−1を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布した。塗布層を室温にて30秒乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し、液晶層を得た。この液晶層上に表1に示す塗布液A−2を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布した。塗布層を室温にて30秒乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し、液晶層を得た。さらにこの液晶層上に表1に示す塗布液A−3を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布した。塗布層を室温にて30秒乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し、反射フィルムSC−1を得た。

0118

<反射フィルムSC−2〜SC−6(散乱型)の作製>
塗布液A−1〜A−3の代わりに以下に示す3つの塗布液をそれぞれ用いた以外は、反射フィルムSC−1の作製と同様にして反射フィルムSC−2〜SC−6を作製した。
SC−2:B−1〜B−3
SC−3:A−4〜A−6
SC−4:B−4〜B−6
SC−5:A−3、A−7、A−8
SC−6:B−3、B−7、B−8

0119

0120

0121

<円偏光分離フィルムa1〜a10の作製>
作製した反射フィルムMR−1〜MR−6および反射フィルムSC−1〜SC−6を、以下表2に示すように、そのまま、または貼り合わせて円偏光分離フィルムa1〜a10を作製した。上記で作製したMRフィルムとSCフィルムとを貼り合わせる際は以下の手順で行った。
表2に示す下層の反射フィルムの、液晶層側の表面に、DIC株式会社製UV硬化型接着剤Exp.U12034−6を、乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にてワイヤーバーを用いて塗布する。塗布面と、表2に示す上層の反射フィルムの液晶層側とを気泡が入らないように貼り合わせ、30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射する。その後上層の支持体となっていたPETフィルムを剥離する。

0122

<円偏光分離フィルムa11、a12の作製>
a11はλ/4板と直線偏光板の光軸の角度を45°ずらして貼り合わせ、a12はλ/4板と直線偏光板の光軸の角度を−45°ずらして貼り合わせて作製した。λ/4板は、Edmund optics Japan製アクロマティック波長板(位相差板)の700−1000nmの1/4λを用いた。直線偏光板は、Edmund optics Japan製NIR用高コントラスト偏光フィルタを用いた。
λ/4板と直線偏光板との接着は、DIC株式会社製UV硬化型接着剤Exp.U12034−6を用いて、上記のMRフィルムとSCフィルムとの貼り合わせと同様に行った。

0123

直線偏光分離フィルムb1、b2の作製>
直線偏光分離フィルムb1としては、上記で使用した直線偏光板Edmund optics Japan製NIR用高コントラスト偏光フィルタを用いた。
直線偏光分離フィルムb2としては、直線偏光板Edmund optics Japan製近赤外用偏光フィルムを用いた。

0124

0125

<実施例1〜6、比較例1〜10>
作製した円偏光分離フィルムa1〜a12、直線偏光分離フィルムb1、b2を、表3に示すように、照射部および検出部で組み合わせて用いて、試料検知を行った。光源としては図2に示した発光スペクトル450nmまたは940nmに発光強度の中心波長を有するLED、受光素子(光検出器)としてはアンリツ社製光パワーメーターML9001A、試料としては、Reが約0nmかつRthが約100nmのTACフィルムを用いた。

0126

光源、光検出器、円偏光分離フィルムは、表3に示すように、図1のAまたはBの配置とした。試料は図1に示す対象物移動部の図の面内に試料平面の短辺方向が、図の奥行き方向に試料平面の長辺方向があるように配置し、検知の際は光路と対象物移動部との交差点にあるようにした。
円偏光分離フィルムa1〜a12、直線偏光分離フィルムb1、b2は、光源に設置するときは表2に示す下層側が光源側になるように、光検出器に設置するときは表2に示す下層側が光検出器側になるようにした。傾斜角度および光源の波長を表3に示すように選択した。

0127

試料を設置した場合および試料がない場合の光検出器での出力を表3に示す。表3においては、光源および検出器のいずれにも円偏光分離フィルムまたは直線偏光分離フィルムを設置しない状態での検出器の出力を100としたときの値を示す。試料が無い時の測定値に対する試料があるときの測定値の比を「試料あり/試料なし」として、パーセント表示で合わせて示す。この比が100%より大きいほど誤検知が生じにくいと考えることができる。

0128

また、各実施例、比較例で作製した系について、湿熱耐久性を以下の基準で評価した。結果を表3に示す。
A:85℃湿度85%で100時間放置後の、試料が無いときの光検出器の出力の変化量が0.5未満
B:上記変化量が0.5以上1.0未満
C:上記変化量が1.0以上

0129

0130

実施例1〜6ではいずれも試料があるときの測定値が、試料が無いときの測定値の200%以上となり、誤検知が生じにくい光量の差が得られた。一方、傾斜角度を0°とした比較例1〜7においては、試料があるときの測定値が試料が無いときの測定値の200%未満となった。さらに直線偏光分離フィルムb1を用いた例においては、試料傾斜角度を60°とした例で高い出力が得られたが、試料なしの条件において、光検出器の出力が見られなかった。このことは、非透明物品の検知ができないことを意味する。直線偏光分離フィルムb2を用いた例においては、試料があるときの測定値と試料が無いときの測定値との差異が小さいため、検知方法に用いた場合には誤検知が生じると考えられる。なお、直線偏光分離フィルムb2を用いた例において、試料があるときの測定値が、試料が無いときの測定値より小さくなっているが、これは、直線偏光板の偏光度が低いためと考えられる。

0131

湿熱耐久性においては、直線偏光板のみでは大きく性能低下が見られた(C)が、直線偏光板にλ/4層を貼合した状態(実施例6)では湿熱耐久性が向上した。λ/4層、接着層が、湿度等に対するバリアとして機能したと考えられる。

0132

<実施例7〜9>
Reが約25nmかつRthが約100nmのTACフィルムを試料として、実施例1と同じ光源および受光素子を用いて測定を行った。測定は図1のAの配置で行い、傾斜角度は60°、測定波長は940nmとした。作製した円偏光分離フィルムa2を光源側に、a4を受光側に用いた。円偏光分離フィルムa2は、表2に示す下層側が光源側になるように、円偏光分離フィルムa4は、表2に示す下層側が光検出器側になるようにした。
試料の法線方向から見たときの一方向を基準として0°としたとき、光源の照射光の入射面の角度(センサー面内角度:図3参照)が0°、60°、90°、120°となるように光源および受光素子を配置した。このとき、試料の遅相軸の、試料の法線方向から見たときの方向(遅相軸面内角度:図3参照)を、同様に上記の方向を基準として、0°、45°または、90°になるように試料を設置したときの光検出器での出力を測定し、試料がないときの光検出器での出力との比として、上記と同様の「試料あり/なし」の値を求めた。結果を表4に示す。

0133

表5に示すように、センサー面内角度が0°のみの検出において、0°、45°、および90°に試料の遅相軸を設置したところ、上記値が最低330.1%である感度が得られた。それに対し、センサー面内角度0°および90°の2種の検出を行い、信号の大きい検出を採用したところ、上記値が最低6784.5%である感度が得られ、さらにセンサー面内角度が0°、60°、および120°の3種の検出を行い、信号の大きい検出を採用したところ、上記値が最低10097.5%である感度が得られ、検知感度が格段に向上した。

0134

実施例

0135

0136

1円偏光分離フィルム1
2 円偏光分離フィルム2
11 円偏光分離フィルム11
12 円偏光分離フィルム12
16鏡面反射部材
17アタッチメント
22光源
23受光素子
24対象物移動部
25光路
26傾斜角度
27センサー面内角度
28 遅相軸面内角度
29試料の遅相軸
30 試料(法線方向から観察)
31照射光の入射面

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