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技術 加熱履歴を有する無機材料からなる試料の測定方法および測定装置

出願人 三重県
発明者 新島聖治庄山昌志村上和美
出願日 2016年2月19日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2016-030146
公開日 2017年8月24日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2017-146275
状態 特許登録済
技術分野 マイクロ波、NMR等による材料の調査 光学的手段による材料の調査、分析
主要キーワード 対向線 内部密度 目視状態 カメラ写真 フェムト秒レーザーパルス 半磁器 非破壊測定装置 X線回折法
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

陶磁器ガラスなどの加熱履歴を有する無機材料からなる試料について、その温度履歴などの特性を容易に且つ速やかに測定することのできる、新規測定方法および測定装置を提供する。

解決手段

加熱履歴を有する無機材料からなる試料12に対して0.1〜10THzの電磁波であるテラヘルツ波照射し、試料12を透過したテラヘルツ波を検出する。そして、検出されたテラヘルツ波に基づいて試料12における特性として、例えば陶磁器などにおける焼成温度やガラスなどにおける組成といった未知の情報を、試料を破壊することなく求めることを可能とした。

概要

背景

良く知られているように、陶磁器などの製品では、その製造に際して、成形体焼成工程で焼き締めるようにされる。ここにおいて、目的とする特性を得るためには、焼成の際の焼成温度を正しく管理する必要がある。

ところで、一般に陶磁器などは複数の成形体を一つの焼成窯で処理されることから、焼成窯温度の管理だけでは不十分な場合もある。すなわち、焼成時の窯内における成形体の位置や向きなどによっては、成形体の焼成温度が部分的に異なって焼成体焼きむら等が生じ、製品不良か発生するおそれもある。

そこで、製品の管理上の理由等から、焼成体が正しい温度で焼成されたか否かを非破壊で確認する測定方法測定装置が必要とされる場合がある。

ここにおいて、製品の非破壊測定装置としては、例えば特開2003−262512号公報(特許文献1)に記載のX線CTによる内部密度の測定を適用したり、特開2013−136503号公報(特許文献2)に記載のX線回折法による測定を適用することも考えられる。

しかしながら、前者の特許文献1記載のX線CTによる内部密度の測定方法では、焼成前の測定が必要であることから、焼成後の製品のみを対象にした事後検査への適用が困難であり、実用的ではない。

また、後者の特許文献2に記載のX線回折法による測定方法では、大掛かりなX線装置が必要となることに加えて、演算による処理とその読取りブラッグの条件に基づく回折角と強度のスペクトル分析など)も難しく、簡易に且つ速やかに測定することが困難であるという問題があった。

概要

陶磁器やガラスなどの加熱履歴を有する無機材料からなる試料について、その温度履歴などの特性を容易に且つ速やかに測定することのできる、新規な測定方法および測定装置を提供する。加熱履歴を有する無機材料からなる試料12に対して0.1〜10THzの電磁波であるテラヘルツ波照射し、試料12を透過したテラヘルツ波を検出する。そして、検出されたテラヘルツ波に基づいて試料12における特性として、例えば陶磁器などにおける焼成温度やガラスなどにおける組成といった未知の情報を、試料を破壊することなく求めることを可能とした。

目的

本発明は上述の如き事情背景としてなされたものであって、その解決課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

加熱履歴を有する無機材料からなる試料に対して0.1〜10THzの電磁波であるテラヘルツ波照射するテラヘルツ波照射工程と、該試料を透過または反射した該テラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出工程と、該テラヘルツ波検出工程で検出された該テラヘルツ波に基づいて該試料の特性を求めることを特徴とする加熱履歴を有する無機材料からなる試料の測定方法

請求項2

複数の前記試料についての特性として、前記テラヘルツ波検出工程で検出された前記テラヘルツ波に基づいて該複数の試料の異同を求める請求項1に記載の加熱履歴を有する無機材料からなる試料の測定方法。

請求項3

前記試料についての特性を求めるに際して、参考試料について前記テラヘルツ波検出工程で取得した参考データを用いて、それら参考データと該試料について該テラヘルツ波検出工程で取得した取得データとを比較する請求項1又は2に記載の加熱履歴を有する無機材料からなる試料の測定方法。

請求項4

前記試料が陶器磁器ファインセラミックスの何れかであり、前記テラヘルツ波検出工程で検出された前記テラヘルツ波に基づいて該試料の焼成温度を特性として求める請求項1〜3の何れか一項に記載の加熱履歴を有する無機材料からなる試料の測定方法。

請求項5

前記試料がガラスであり、前記テラヘルツ波検出工程で検出された前記テラヘルツ波に基づいて該試料の組成を特性として求める請求項1〜3の何れか一項に記載の加熱履歴を有する無機材料からなる試料の測定方法。

請求項6

加熱履歴を有する無機材料からなる試料の測定装置であって、0.1〜10THzの電磁波であるテラヘルツ波を前記試料に照射するテラヘルツ波照射手段と、該試料を透過または反射した該テラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出手段と、該テラヘルツ波検出器で検出された該テラヘルツ波に基づいて該試料に応じた測定データを出力する測定データ出力手段とを、有することを特徴とする加熱履歴を有する無機材料からなる試料の測定装置。

技術分野

0001

本発明は、陶器磁器ファインセラミックスガラスなどの無機材料(以下、セラミックスという)からなる加熱履歴を有する試料について焼成温度ガラス組成などの特性を求めることのできる新規測定方法および測定装置に関するものである。

背景技術

0002

良く知られているように、陶磁器などの製品では、その製造に際して、成形体焼成工程で焼き締めるようにされる。ここにおいて、目的とする特性を得るためには、焼成の際の焼成温度を正しく管理する必要がある。

0003

ところで、一般に陶磁器などは複数の成形体を一つの焼成窯で処理されることから、焼成窯温度の管理だけでは不十分な場合もある。すなわち、焼成時の窯内における成形体の位置や向きなどによっては、成形体の焼成温度が部分的に異なって焼成体焼きむら等が生じ、製品不良か発生するおそれもある。

0004

そこで、製品の管理上の理由等から、焼成体が正しい温度で焼成されたか否かを非破壊で確認する測定方法や測定装置が必要とされる場合がある。

0005

ここにおいて、製品の非破壊測定装置としては、例えば特開2003−262512号公報(特許文献1)に記載のX線CTによる内部密度の測定を適用したり、特開2013−136503号公報(特許文献2)に記載のX線回折法による測定を適用することも考えられる。

0006

しかしながら、前者の特許文献1記載のX線CTによる内部密度の測定方法では、焼成前の測定が必要であることから、焼成後の製品のみを対象にした事後検査への適用が困難であり、実用的ではない。

0007

また、後者の特許文献2に記載のX線回折法による測定方法では、大掛かりなX線装置が必要となることに加えて、演算による処理とその読取りブラッグの条件に基づく回折角と強度のスペクトル分析など)も難しく、簡易に且つ速やかに測定することが困難であるという問題があった。

先行技術

0008

特開2003−262512号公報
特開2013−136503号公報

発明が解決しようとする課題

0009

ここにおいて、本発明は上述の如き事情背景としてなされたものであって、その解決課題とするところは、陶磁器やガラスなどの加熱履歴を有する無機材料からなる試料について、その温度履歴などの特性を容易に且つ速やかに測定することのできる、新規な測定方法および測定装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

このような課題を解決するために、本発明者は、先ず、X線を用いて試料の温度履歴などを測定することを試みた。その結果は、図11に示すとおりであり、焼成時の焼成温度が異なる複数種類の試料(陶磁器)についての測定結果を比較しても、殆ど差異見出すことができず、有効な結果は得られなかった。なお、図11は、矩形半磁器素地(厚さ2mm、釉薬なし)の成形体を600〜1200℃で焼成した焼成体を試料として測定結果を比較図示したものであり、図中の上側にX線の透過撮影画像を示すとともに、図中の下側に目視状態として一般の可視光カメラによる撮影写真を示す。

0011

以下に本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。

0012

本発明の第一の態様は、加熱履歴を有する無機材料からなる試料に対して0.1〜10THzの電磁波であるテラヘルツ波照射するテラヘルツ波照射工程と、該試料を透過または反射した該テラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出工程と、該テラヘルツ波検出工程で検出された該テラヘルツ波に基づいて該試料の特性を求めることを特徴とする加熱履歴を有する無機材料からなる試料の測定方法である。

0013

本態様に従う測定方法によれば、試料に対してテラヘルツ波を照射して、試料を透過または反射したテラヘルツ波を検出することで試料の特性が求められることから、例えば上記特許文献2に記載の如き複雑な演算や大掛かりな装置が必要とされることがなく、試料の特性が容易に、且つ速やかに測定され得る。

0014

なお、本発明方法により測定される試料は、加熱履歴を有する無機材料であり、木材や紙などの有機材料からなる試料が対象外となるほか、金属は導電性が高いことから対象となる試料に含まれない。たとえば、焼成に際しての加熱履歴を有する陶器や磁器、ファインセラミックスなどの焼成体のほか、成形に際して加熱履歴を有するガラスなどが、本発明が対象とする無機材料からなる試料に含まれる。

0015

また、本発明方法により、求められる試料の特性としては、例えば陶器や磁器、ファインセラミックスなどの焼成体の焼成温度やガラスの組成などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0016

本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る測定方法において、複数の前記試料についての特性として、前記テラヘルツ波検出工程で検出された前記テラヘルツ波に基づいて該複数の試料の異同を求めるものである。

0017

本態様に従う測定方法によれば、複数の試料における温度履歴の相違を特性として求めたり、得られた情報から複数の試料を判別等することも可能となる。

0018

本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係る測定方法において、前記試料についての特性を求めるに際して、参考試料について前記テラヘルツ波検出工程で取得した参考データを用いて、それら参考データと該試料について該テラヘルツ波検出工程で取得した取得データとを比較するものである。

0019

本態様に従う測定方法によれば、一つ又は複数の参考試料によって得られた参考データを利用することにより、一つ以上の試料で得られた取得データから、特性の異同をもとめることなどができる。また、参考データと取得データの条件によっては、試料についての参考試料に対する特性の相違の程度や傾向などを把握することも可能になる。

0020

本発明の第四の態様は、前記第一〜第三の何れかの態様に係る測定方法において、前記試料が陶器と磁器とファインセラミックスの何れかであり、前記テラヘルツ波検出工程で検出された前記テラヘルツ波に基づいて該試料の焼成温度を特性として求めるものである。

0021

本態様に従う測定方法によれば、焼成工程を経て得られた試料の焼成温度を特性として求めることができることから、焼成後の試料について、焼成時の焼成温度が所定の温度に達しているか否かを判別することも容易に可能となり、製品管理の効率が向上され得る。また、同一試料について、複数箇所で焼成温度を求めることにより、焼きむらの存否等を調べることも可能である。

0022

本発明の第五の態様は、前記第一〜第四の何れかの態様に係る測定方法において、前記試料がガラスであり、前記テラヘルツ波検出工程で検出された前記テラヘルツ波に基づいて該試料の組成を特性として求めるものである。

0023

本態様に従う測定方法によれば、試料がガラスとされる場合には、特性としてのガラスの組成について、複数の試料における異同や、参考試料を用いた特定などをもって求めることができる。また、必要に応じて参考試料の測定結果を参照することにより、例えば試料(ガラス)中に不純物が含まれているかを確認したり、不純物の推定なども可能となる。

0024

本発明の第六の態様は、加熱履歴を有する無機材料からなる試料の測定装置であって、0.1〜10THzの電磁波であるテラヘルツ波を前記試料に照射するテラヘルツ波照射手段と、該試料を透過または反射した該テラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出手段と、該テラヘルツ波検出器で検出された該テラヘルツ波に基づいて該試料に応じた測定データを出力する測定データ出力手段とを、有することを特徴とするものである。

0025

本態様に従う構造とされた測定装置によれば、例えば前記第一〜五の何れかの態様に係る測定方法を実施することができ、その効果を享受することが可能になる。

発明の効果

0026

本発明に従う測定方法および測定装置によれば、陶磁器やガラスなどの加熱履歴を有する無機材料からなる試料における焼成温度や組成などの特性を、非破壊にて容易且つ速やかに求めることが可能になる。

図面の簡単な説明

0027

本発明の一実施形態としての測定装置を示す説明図。
実施例1におけるテラヘルツ波の透過スペクトルを示すグラフ
実施例2におけるテラヘルツ波の透過スペクトルを示すグラフ。
実施例3におけるテラヘルツ波の透過スペクトルを示すグラフ。
実施例4におけるテラヘルツ波の透過スペクトルを示すグラフ。
実施例5におけるテラヘルツ波の透過スペクトルを示すグラフ。
実施例6におけるテラヘルツ波の透過スペクトルを示すグラフ。
実施例7におけるテラヘルツ波の透過スペクトルを示すグラフ。
実施例8におけるテラヘルツ波の透過イメージング像を示す説明図。
実施例9におけるテラヘルツ波の透過スペクトルを示すグラフ。
参考としての測定結果であって、上側がX線の透過撮影画像、下側が可視光カメラによる撮影写真。

実施例

0028

以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。

0029

先ず、図1には、本発明の一実施形態としての、加熱履歴を有する無機材料からなる試料の測定装置(以下、単に測定装置)10が模式的に示されている。この測定装置10では、試料12に照射されて試料12を透過または反射したテラヘルツ波を検出するようになっている。なお、図1では、試料12に照射されて透過するテラヘルツ波を太線で示すとともに、試料12で反射するテラヘルツ波を破線で示している。

0030

より詳細には、測定装置10は、テラヘルツ波を照射および検出する測定ユニット14と、検出したテラヘルツ波の情報を解析する解析ユニット16とから構成されており、これら測定ユニット14と解析ユニット16とが電気的に相互に接続されている。

0031

測定ユニット14は、周波数が0.1〜10THzとされたテラヘルツ波を発生して特定方向へ照射するテラヘルツ波照射手段としてのテラヘルツ波発生器18を備えている。また、測定ユニット14は、テラヘルツ波発生器18により照射されたテラヘルツ波を受けて検出するテラヘルツ波検出器20を備えている。

0032

さらに、測定ユニット14には、ステージ22が設けられており、当該ステージ22上に試料12が載置可能とされている。このステージ22は、テラヘルツ波発生器18からのテラヘルツ波の照射線上であって、テラヘルツ波発生器18とテラヘルツ波検出器20との対向線上に設置されている。なお、ステージ22は、テラヘルツ波に対して十分な透過性を示す部材で形成されており、試料12を透過したテラヘルツ波がステージ22で反射や吸収されないようになっている。

0033

これにより、テラヘルツ波発生器18から照射されたテラヘルツ波が試料12を透過してテラヘルツ波検出器20により検出されるようになっている。

0034

なお、試料12で反射されたテラヘルツ波を検出する場合には、図1に破線で示されているように、テラヘルツ波発生器18から照射されたテラヘルツ波の試料12による反射線上に、テラヘルツ波検出器20が設置されることとなる。

0035

また、テラヘルツ波発生器18によりテラヘルツ波を発生および照射する機構や、テラヘルツ波検出器20によりテラヘルツ波を検出する機構、テラヘルツ波発生器18から試料12を経てテラヘルツ波検出器20に至るテラヘルツ波の経路などは限定されるものでない。例えば特開2008−268164号公報や特開2007−17419号公報などに記載の従来公知の機構などが何れも採用され得る。具体的には、光源としては、フェムト秒レーザーパルスパルス幅:50fs)を光伝導アンテナに照射することによって発生させたTHz波パルスなどが用いられ得る。

0036

更にまた、ステージ22上には、試料12が1つ載置されるだけでもよいが、例えばステージ22上に試料12が、X軸方向やY軸方向に複数並べられてもよい。なお、X−Y平面は、図1を示す紙面に直交する方向である。そして、テラヘルツ波発生器18より発生させられたテラヘルツ波が、ステージ22上に整列された試料12に対して順次照射されて、当該試料12を透過または反射したテラヘルツ波が順次テラヘルツ波検出器20により検出されるようになっていてもよい。その際、例えばテラヘルツ波発生器18および検出器20とステージ22とをX−Y平面と平行に相対移動させてもよいし、テラヘルツ波発生器18からテラヘルツ波検出器20へ至る経路を調節変更するなどしてもよい。或いは、複数のテラヘルツ波検出器18を用いることで、それぞれの試料12を透過したテラヘルツ波を各別に同時に検出することも可能である。

0037

一方、テラヘルツ波検出器20で検出されたテラヘルツ波を解析する解析ユニット16は、コンピュータ24を含んで構成されている。例えば、一般の電子的な演算装置を有するコンピュータ24であれば、テラヘルツ波検出器18で検出された情報としての波強度レベルを電気強度レベルに変換してコンピュータ24に入力し、電気信号の情報を演算処理することで目的とする解析処理を実行することができる。例えばフーリエ変換等を利用して周波数ごとの透過レベルを求めたり、必要に応じて特定周波数域におけるテラヘルツ波の透過エネルギー積分値を求めたりする演算処理によって、試料12におけるテラヘルツ波の透過特性反射特性を反映した測定結果を得ることができる。

0038

また、このようにして得られた試料12に応じた測定結果は、コンピュータ24のRAMや磁気ディスク光ディスクなどの記憶装置へ記憶されると共に、モニター26においてグラフや表などの適宜の態様で外部から認識可能に表示され、必要に応じて印刷されるようになっている。すなわち、本実施形態では、テラヘルツ波検出器20で検出されてコンピュータ24で解析された測定データを出力する測定データ出力手段が、コンピュータ24のモニター26を含んで構成されている。

0039

ここにおいて、試料12は、加熱履歴を有する無機材料から構成されている。すなわち、本発明に係る試料12として、木材や紙などの有機材料からなる試料が対象外となるほか、金属は導電性が高いことから対象となる試料に含まれない。たとえば、焼成に際しての加熱履歴を有する陶器や磁器、ファインセラミックスなどの焼成体のほか、成形に際して加熱履歴を有するガラスなどが、本発明が対象とする無機材料であるセラミックスの試料12とされる。

0040

かかる試料12を透過または反射してテラヘルツ波検出器20で検出されるテラヘルツ波をコンピュータ24で解析することにより、試料12に応じた測定データが当該試料12の特性として得られる。なお、試料12の特性としては、特に限定されるものではないが、例えば試料12が陶器や磁器、ファインセラミックスなどの焼成体とされる場合にはその焼成温度が、また、試料12がガラスの場合にはその組成などが挙げられる。

0041

上記の如き構造とされた測定装置10を用いた試料12の具体的な測定結果を、以下に実施例として示す。

0042

なお、以下の実施例では、測定ユニット14を構成するテラヘルツ波発生器18とテラヘルツ波検出器20とを含む基本装置として、株式会社アドバンテスト製「TAS−7400TS」を採用した。そして、テラヘルツ時間領域分光法(Terahertz Time−Domain Spectroscopy:THz−TDS)を採用して、テラヘルツ波の透過スペクトルおよび透過イメージングなどを測定した。

0043

また、実施例1〜4では、0.1〜2.0THzまでの検出結果を示すとともに、実施例5〜7では、0.1〜1.5THzまでの検出結果を示す。さらに、実施例の結果中、透過率は、(検出されたテラヘルツ波の強度)/(照射されたテラヘルツ波の強度)であり、デシベル(dB)または任意単位(a.u.)で表示した。

0044

[実施例1]
半磁器素地粉末蒸留水混練することにより練土として、石膏型を用いて20×20×3mmの板状に成形した。この成形体を乾燥後、600〜1200℃の範囲内で互いに異なる温度下で焼成することにより、複数の焼成体を得た。得られた焼成体を10×10×2mmの大きさに切り出しすことによって、焼成温度が異なる複数種類の試料とした。そして、各試料について、上述の測定装置を用いた測定を行い、テラヘルツ時間領域分光法(THz−TDS)によりテラヘルツ波の透過スペクトルを測定した。その結果を図2に示す。

0045

図2に示されるように、それぞれの試料の測定結果では、焼成温度に応じてテラヘルツ波の透過スペクトルが変化することを確認し得た。

0046

従って、たとえば、何れか一つの試料についての測定結果として透過スペクトルを得ることで、図2に示されるグラフから、当該試料の焼成温度を知ることができる。また、異なる試料についてそれぞれ測定された透過スペクトルを比較することにより、試料の異同を判別することが可能である。或いは、図2に示される各試料を参考試料として図2の透過スペクトルの情報を準備すれば、別の試料について得られた透過スペクトルを、参考試料の透過スペクトル情報を用いて評価することで、当該別の試料の焼成温度を特定することも可能となる。

0047

それ故、例えば半磁器の製造工程において1200〜1250℃で焼成温度管理する場合には、製品の透過スペクトルを非破壊検査で取得してその焼成温度情報を得ることにより、実際の製品ごとの焼成温度を知ることができ、かかる情報をもとに製品の良否判断品質管理などを行うことも可能になる。

0048

[実施例2]
特許第5083971号公報に記載の低温焼成磁器素地を用い、実施例1と同様な工程で複数種類の試料を得た。それら複数種類の試料について、実施例1と同様にテラヘルツ波の透過スペクトルを測定した結果を、図3に示す。

0049

図3に示されるように、低温焼成磁器でも、焼成温度に応じてテラヘルツ波の透過スペクトルが変化していることから、実施例1と同様に、試料の評価などを非破壊的に行うことが可能であると考えられる。

0050

[実施例3]
耐熱陶器素地を用い、実施例1と同様な工程で複数種類の試料を得た。それら複数種類の試料について、実施例1と同様にテラヘルツ波の透過スペクトルを測定した結果を、図4に示す。

0051

図4に示されているように、耐熱陶器でも、焼成温度に応じてテラヘルツ波の透過スペクトルが変化していることから、実施例1と同様に、試料の評価などを非破壊的に行うことが可能であると考えられる。

0052

[実施例4]
ファインセラミックス(ニューセラミックスともいう)の一種であるイットリア安定化ジルコニアを用い、実施例1と同様な工程で複数種類の試料を得た。なお、本実施例では、成形体の焼成温度を1100〜1500℃の範囲内で互いに異ならせて設定し、得られた焼成体を10×10×1mmの大きさに切り出して試料を得た。それら複数種類の試料について、実施例1と同様にテラヘルツ波の透過スペクトルを測定した結果を、図5に示す。

0053

図5に示されているように、イットリア安定化ジルコニアからなるファインセラミックスでも、焼成温度に応じてテラヘルツ波の透過スペクトルが変化していることから、実施例1と同様に、試料の評価などを非破壊的に行うことが可能であると考えられる。

0054

[実施例5]
上記実施例1と同じ半磁器素地を用い、実施例1と同様な工程を経て、厚さ寸法が2.00〜9.76mmの範囲で互いに異ならされた複数種類の試料を得た。それら複数種類の試料について、実施例1と同様にテラヘルツ波の透過スペクトルを測定した結果を、図6に示す。

0055

図6に示されているように、試料の厚さ寸法が変化する場合には、テラヘルツ波の透過スペクトルが変化することが確認された。試料の厚さ寸法が大きくなるとテラヘルツ波の透過率が減少することによると考えられる。従って、本発明に従う特性測定に際しては、試料の厚さ寸法が大きく異なる場合には、厚さ寸法の相違も考慮して評価することで、より正確な評価が実現され得る。また、製品の厚さ寸法の相違を、本発明に従う測定方法によって判定することも可能であり、それ故、例えば製品の厚さ寸法による良否品質の評価などに利用することもできる。

0056

[実施例6]
上記実施例1と同じ半磁器素地を用い、実施例1と同様に複数の成形体を得た後、一部の成形体の片面だけに釉薬を塗布した。そして、それら複数の成形体を1200℃で焼成することにより、釉薬付きの焼成体と釉薬なしの焼成体とを、同じ条件で焼成処理して複数の試料を得た。なお、釉薬としては石灰透明釉を使用した。また、釉薬を塗布した試料におけるテラヘルツ波の透過スペクトルの測定に際しては、釉薬が塗布されている側と塗布されていない側からそれぞれテラヘルツ波を照射して、それらの結果を比較した。

0057

このようにして得られた試料について、実施例1と同様にテラヘルツ波の透過スペクトルを測定した結果を、図7に示す。なお、釉薬付きの試料では、テラヘルツ波の照射面を釉薬塗布面側とした場合と釉薬が塗布されていない素地面側として場合との、それぞれについて測定した結果を、図7に併せ示す。

0058

図7に示されているように、釉薬の有無による測定結果への影響は殆ど認められなかった。従って、本発明に係る測定方法や測定装置は、釉薬の有無に拘わらずに各種試料の測定に対して同様に適用可能であるといえる。

0059

[実施例7]
上記実施例6と同様に、半磁器素地を用いた成形体の片面に釉薬を塗布して焼成体を得ることで、厚さが3mmの素地の片面に対して釉薬層を0(釉薬塗布なし)〜1.76mmの範囲で複数種類に異ならせて設けてなる複数種類の試料を得た。それら各試料について、実施例6と同様にテラヘルツ波の透過スペクトルを測定した結果を、図8に示す。

0060

図8に示されているように、釉薬の厚さ寸法が異なると、テラヘルツ波の透過スペクトルも相違することが確認された。釉薬の厚さが大きくなるとテラヘルツ波の透過率が減少する傾向にあることから、本発明に従う特性測定に際しては、釉薬層の厚さが大きく異なる場合には、釉薬層の厚さの相違も考慮して評価することで、より正確な評価が実現され得る。また、釉薬層の厚さ寸法の相違を、本発明に従う測定方法によって判定することも可能であり、それ故、例えば製品における釉薬層の厚さ寸法による良否や品質の評価などに利用することもできる。

0061

[実施例8]
半磁器素地、低温焼成磁器素地、耐熱陶器素地を用いて、それぞれ同一寸法の板状体からなる成形体を作製し、600〜1200℃の種々の焼成温度をもって焼成加工することで、厚さが2mmの矩形板状とされた試料を得た。そして、それら各試料について、テラヘルツ波の透過イメージング像を撮影した。なお、撮影に際しては、0.7〜1.0THzのテラヘルツ波を用いた。

0062

このようにして得られた半磁器素地における透過イメージング像を図9(a)中段に示すと共に、低温焼成磁器素地における透過イメージング像を図9(b)中段に示し、更に、耐熱陶器素地における透過イメージング像を図9(c)中段に示す。なお、図9(a)〜(c)の最上段のバーは、テラヘルツ波の透過率を色分けで示す指標であり、特許出願用図面のために白黒で分かり難いが、透過率が高くなる(図の左側の100に近づく)につれて次第に薄色とする一方、透過率が小さくなる(図の右側の0に近づく)につれて次第に濃色として、表示したものである。また、図9(a)〜(c)の最下段には、各試料の目視外観を示すカメラ写真を示す。

0063

図9(a)〜(c)に示されているように、焼成温度が高くなる右側ほど、透過イメージング像の色が濃くなっており、テラヘルツ波の透過率が低くなっていることがわかる。そして、各下段に示された外観目視写真では判別できない各試料における特性としての焼成温度の相違が、テラヘルツ波を利用することにより判別可能とされることが理解できる。特に、図9(a)〜(c)の左側の各試料においても、透過イメージング像において中央部分の色が外周部分の部分に比べて薄くなっていることから、外周部分に比して中央部分の焼成温度が低く、十分に焼成されていないことがわかる。このように、同一試料中において、複数地点におけるテラヘルツ波の透過率を測定することにより、焼きむらなどを判定することも可能になる。

0064

[実施例9]
シリカガラスホウケイ酸塩ガラスソーダ石灰ガラスの各粉末を加熱、溶融して、それぞれ厚さ寸法2mmのガラス板を作製し、材質が互いに異なる複数種類の試料とした。そして、実施例1と同様にテラヘルツ波を照射して各試料を透過したテラヘルツ波を検出して透過率を算出した。その結果を図10に示す。なお、テラヘルツ波は、0〜5.0THzの範囲で変化させたが、図10には、0.1〜1.5THzの結果を示す。

0065

図10に示されているように、ガラスの組成が異なる場合には、テラヘルツ波の透過率のグラフも相違することが確認された。従って、陶磁器を対象とした実施例1と同様に、未知の組成のガラスからなる試料をテラヘルツ波を用いた本発明方法で測定することにより、別のガラスとの組成の異同を判定したり、必要に応じて既知のガラスの測定結果からなる参考データを参照して当該試料のガラスの組成などを推定することもできる。また、例えば純度の高い各種材質のガラスの参考データを用い、テラヘルツ波の透過率とガラスの組成割合とで連立方程式構築してその解を求めることにより、試料とされた未知のガラスの組成を求めることも可能となる。或いは、試料におけるテラヘルツ波の透過率を管理することで、意図しない不純物の混入を非破壊で検知することも可能であり、製品の品質管理にも利用することができる。

0066

以上、本発明の基本的な実施形態と幾つかの実施例について説明してきたが、本発明はこれらの具体的な記載によって限定的に解釈されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良などを加えた態様で実施可能である。

0067

すなわち、本発明に係る測定方法や測定装置は、陶器、磁器、ファインセラミックス、ガラスに限定されず、例えば土器せっ器などを含む陶磁器、更にレンガ砥石などまでも含む広義のセラミックスに対して適用可能である。

0068

10:加熱履歴を有する無機材料からなる試料の測定装置、12:試料、18テラヘルツ波発生器(テラヘルツ波照射手段)、20:テラヘルツ波検出器(テラヘルツ波検出手段)、26:モニター(測定データ出力手段)

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