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技術 マット材、及び、排気システム

出願人 イビデン株式会社
発明者 岡部隆彦
出願日 2016年2月16日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2016-027391
公開日 2017年8月24日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2017-145524
状態 特許登録済
技術分野 繊維製品への有機化合物の付着処理 触媒 触媒による排ガス処理 排気の後処理 排気消音装置
主要キーワード 大量加工 垂直壁部材 裏面部側 太径繊維 脱脂済み 繊維飛散 ギロチン刃 焼成処理前
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

排気システム内に配置して高温条件下に曝された場合でも、臭気の発生が少ないマット材を提供すること。

解決手段

無機繊維と、上記無機繊維の表面に付着された、植物由来成分を含む繊維飛散抑制剤とからなることを特徴とするマット材。

概要

背景

従来、エンジン等の内燃機関から排出された排ガス中に含まれる有害ガス等の有害物質浄化するため、内燃機関の排気通路には、排ガス浄化装置が設けられている。
排ガス浄化装置内には排ガスを浄化するための排ガス処理体が設けられていて、排ガス浄化装置内の温度を触媒活性化温度以上に維持するためには、排ガス浄化装置に流入する排ガスの温度を高く保つことが有効である。

排ガスは内燃機関から排気管を通って排ガス浄化装置に流入するので、排気管内流通する排ガスの温度を高く保つために排気管の表面に断熱材を巻くことが有効である。また、排気管に限らず、排ガス浄化装置の表面に断熱材を巻くことも有効であり、排気システム全体の温度を保つために排気システムの各所に断熱材を設けることが有効である。

断熱材として、無機繊維製マット材が知られており、特許文献1にはマット材に粉塵発生防止剤を付与することが開示されている。

概要

排気システム内に配置して高温条件下に曝された場合でも、臭気の発生が少ないマット材を提供すること。無機繊維と、上記無機繊維の表面に付着された、植物由来成分を含む繊維飛散抑制剤とからなることを特徴とするマット材。

目的

本発明は、排気システム内に配置して高温条件下に曝された場合でも、臭気の発生が少ないマット材を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

無機繊維と、前記無機繊維の表面に付着された、植物由来成分を含む繊維飛散抑制剤とからなることを特徴とするマット材

請求項2

前記繊維飛散抑制剤の付着量が0.05〜2.0重量%である請求項1に記載のマット材。

請求項3

前記植物由来成分が、植物由来オイルである請求項1又は2に記載のマット材。

請求項4

前記植物由来オイルは、ヒマシ油ナタネ油ゴマ油キャノーラ油コーン油ココナッツオイルパーム油ヒマワリ油ツバキ油大豆油綿実油ピーナッツ油及びオリーブオイルからなる群から選択された少なくとも1種である請求項3に記載のマット材。

請求項5

前記繊維飛散抑制剤が、さらに界面活性剤を含む請求項3又は4に記載のマット材。

請求項6

前記植物由来成分が、植物由来成分を原料とする界面活性剤である請求項1又は2に記載のマット材。

請求項7

前記植物由来成分を原料とする界面活性剤が、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリルヤシ脂肪酸ソルビタンショ糖脂肪酸エステルヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインパーム核油脂肪酸アミドプロピルベタインヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドポリオキシエチレン硬化ヒマシ油ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸アミドヤシ油由来モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ヤシ油由来のモノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ヤシ油由来のモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ヤシ油由来のトリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ヤシ油由来のオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、及び、大豆由来レシチンからなる群から選択された少なくとも1種である請求項6に記載のマット材。

請求項8

厚さ方向に表面部、中間部、裏面部と3等分した際、表面部に比べて裏面部の繊維飛散抑制剤の付着量が少なく、裏面部側排ガス浄化装置排ガス処理体及び排気管からなる群から選択される少なくとも一つの部材の側に配置される請求項1〜7のいずれかに記載のマット材。

請求項9

ニードルパンチ痕を有する請求項1〜8のいずれかに記載のマット材。

請求項10

さらに無機粒子が付着している請求項1〜9のいずれかに記載のマット材。

請求項11

前記繊維飛散抑制剤が植物由来成分のみからなる請求項1〜10のいずれかに記載のマット材。

請求項12

前記繊維飛散抑制剤に含まれる植物由来成分の割合が60〜99.9重量%である請求項1〜10のいずれかに記載のマット材。

請求項13

断熱材として使用される請求項1〜12のいずれかに記載のマット材。

請求項14

排ガス処理体に巻き付けられて、排ガス浄化装置内で排ガス処理体と金属ケーシングとの間に配設され、排ガス処理体を保持する保持シール材として使用される請求項1〜12のいずれかに記載のマット材。

請求項15

自動車排気系における、排ガス浄化装置、排ガス処理体及び排気管からなる群から選択される少なくとも一つの部材の表面に、請求項1〜14のいずれかに記載のマット材が配置されてなることを特徴とする排気システム

請求項16

自動車の排気系におけるエキゾーストマニホールドの外側に配設するヒートインシュレータ内周側に、請求項1〜13のいずれかに記載のマット材が配置されてなることを特徴とする排気システム。

技術分野

0001

本発明は、マット材、及び、排気システムに関する。

背景技術

0002

従来、エンジン等の内燃機関から排出された排ガス中に含まれる有害ガス等の有害物質浄化するため、内燃機関の排気通路には、排ガス浄化装置が設けられている。
排ガス浄化装置内には排ガスを浄化するための排ガス処理体が設けられていて、排ガス浄化装置内の温度を触媒活性化温度以上に維持するためには、排ガス浄化装置に流入する排ガスの温度を高く保つことが有効である。

0003

排ガスは内燃機関から排気管を通って排ガス浄化装置に流入するので、排気管内流通する排ガスの温度を高く保つために排気管の表面に断熱材を巻くことが有効である。また、排気管に限らず、排ガス浄化装置の表面に断熱材を巻くことも有効であり、排気システム全体の温度を保つために排気システムの各所に断熱材を設けることが有効である。

0004

断熱材として、無機繊維製のマット材が知られており、特許文献1にはマット材に粉塵発生防止剤を付与することが開示されている。

先行技術

0005

特開平6−240580号公報

発明が解決しようとする課題

0006

排気システム内における排気管、排ガス処理体や排ガス浄化装置の表面の温度は高温になる。そのため、マット材に含まれる成分のうち耐熱性が低い成分については、熱分解してエンジンルーム内等に飛散して悪臭を発生するという懸念がある。
特に、マット材にアクリル樹脂等の合成樹脂系バインダを粉塵発生防止剤として付与した場合には、エンジンルーム内に悪臭が発生するという問題が顕著であった。

0007

本発明は、排気システム内に配置して高温条件下に曝された場合でも、臭気の発生が少ないマット材を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記目的を達成するための、本発明のマット材は、無機繊維と、上記無機繊維の表面に付着された、植物由来成分を含む繊維飛散抑制剤とからなることを特徴とする。

0009

本発明のマット材は、無機繊維からなり、植物由来成分である繊維飛散抑制剤が付着しているので、繊維飛散率が低くなっている。繊維飛散率が低いと、マット材の製造、特に打ち抜き加工時に繊維飛散が抑制されるので好ましい。また、マット材を排気管の表面、排ガス処理体の表面、排ガス浄化装置の表面に巻きつける等の組み付け作業時の繊維飛散が抑制されるので好ましい。

0010

また、植物由来成分が熱分解したとしても、熱分解により発生するにおいは人にとって不快なにおいではない場合が多い。そのため、合成樹脂が繊維飛散抑制剤として付着した場合に比べて悪臭の発生が抑制されるといえる。
近年、地球環境保護の意識が高まっており、カーボンニュートラルの観点から石油由来材料に比べて、植物由来材料の使用が好ましい。

0011

本発明のマット材においては、上記繊維飛散抑制剤の付着量が0.05〜2.0重量%であることが好ましい。
繊維飛散抑制剤の付着量が上記範囲であると、繊維飛散抑制剤の付着量が繊維飛散率を低くするために充分な量であり、かつ、熱分解が生じたとしても分解ガスの量が少量に抑えられているために好ましい。

0012

本発明のマット材においては、上記植物由来成分が、植物由来オイルであることが好ましい。
また、上記植物由来オイルは、ヒマシ油ナタネ油ゴマ油キャノーラ油コーン油ココナッツオイルパーム油ヒマワリ油ツバキ油大豆油綿実油ピーナッツ油及びオリーブオイルからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。
また、上記繊維飛散抑制剤が、さらに界面活性剤を含むことが好ましい。
これらの植物由来オイルは、熱分解したとしても発生するにおいは人にとって不快なにおいではない場合が多い。そのため、合成樹脂が繊維飛散抑制剤として付着した場合に比べて悪臭の発生が抑制されるといえる。
また、界面活性剤を使用することによって、植物由来オイルを水で希釈して薄めてエマルジョンにしてマット材に付着させることができる。このようにすることで植物由来オイルを薄く均一にマット材に付着させることができる。

0013

本発明のマット材においては、上記植物由来成分が、植物由来成分を原料とする界面活性剤であることが好ましい。
また、上記植物由来成分を原料とする界面活性剤が、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリルヤシ脂肪酸ソルビタンショ糖脂肪酸エステルヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインパーム核油脂肪酸アミドプロピルベタインヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドポリオキシエチレン硬化ヒマシ油ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸アミドヤシ油由来モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ヤシ油由来のモノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ヤシ油由来のモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ヤシ油由来のトリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ヤシ油由来のオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、及び、大豆由来レシチンからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。

0014

植物由来成分を原料とするこれらの界面活性剤は、それ自体が悪臭の発生の少ない繊維飛散抑制剤として機能する。そして、その界面活性能により、水で希釈して薄めてエマルジョンにしてマット材に付着させることができる。このようにすることで植物由来成分を原料とする界面活性剤を薄く均一にマット材に付着させることができる。

0015

本発明のマット材においては、厚さ方向に表面部、中間部、裏面部と3等分した際、表面部に比べて裏面部の繊維飛散抑制剤の付着量が少なく、裏面部側が排ガス浄化装置、排ガス処理体及び排気管からなる群から選択される少なくとも一つの部材の側に配置されることが好ましい。
繊維飛散抑制剤の付着量が少ない裏面部側を、排ガス浄化装置、排ガス処理体及び排気管といった高温になる部材の側に配置することによって、繊維飛散抑制剤の熱分解による悪臭の発生を抑制することができる。

0016

本発明のマット材は、ニードルパンチ痕を有することが好ましい。ニードルパンチ痕を有するマット材は、ニードリング痕により繊維同士が絡み合って固定されているためバインダの付与の必要がなく、においの発生を抑制することができる。

0017

本発明のマット材では、さらに無機粒子が付着していることが好ましい。
マット材に無機粒子が付着していると、無機繊維間摩擦力が向上するためマット材の反り力が向上し、排気管に挟まれて断熱材として配置された場合にマット材の位置ずれが抑制される。
また、マット材が排ガス処理体に巻き付けられて金属ケーシングと排ガス処理体の間に挟まれて保持シール材として配置された場合には排ガス処理体の保持力が向上する。
また、マット材が何かに挟まれて配置されていない場合であっても無機粒子の付着によりマット材の摩擦抵抗が増加するためマット材の位置ずれが抑制される。

0018

本発明のマット材においては、上記繊維飛散抑制剤が植物由来成分のみからなることが好ましい。繊維飛散抑制剤が植物由来成分のみからなると、カーボンニュートラルの観点から特に好ましい。

0019

また、本発明のマット材においては、上記繊維飛散抑制剤に含まれる植物由来成分の割合が60〜99.9重量%であることも好ましい。
繊維飛散抑制剤に植物由来成分以外の成分を混合することで繊維飛散抑制剤の物性を微調整することができる。

0020

本発明のマット材は断熱材として使用されることが好ましい。
断熱材として使用される場合、排気管の表面、排ガス処理体の表面、排ガス浄化装置の表面等の排気システムの各所に使用されることが好ましい。

0021

本発明のマット材は排ガス処理体に巻き付けられて、排ガス浄化装置内で排ガス処理体と金属ケーシングとの間に配設され、排ガス処理体を保持する保持シール材として使用されることが好ましい。
マット材が上記部位に配設されることで排ガス処理体を保持し、排ガス浄化装置内における排ガス処理体の位置ずれを防止するとともに排ガス処理体がその外周を覆う金属ケーシングと接触して破損することを防止することができる。

0022

本発明の排気システムの一の態様は、自動車排気系における、排ガス浄化装置、排ガス処理体及び排気管からなる群から選択される少なくとも一つの部材の表面に、本発明のマット材が配置されてなることを特徴とする。
排ガス浄化装置、排ガス処理体及び排気管はその表面が高温になる部材であり、その表面に本発明のマット材が配置された場合は断熱効果を発揮することができる。そして、高温になる部材からの熱によりマット材に含まれる繊維飛散抑制剤が熱分解したとしても、臭気の発生が少ない。

0023

本発明の排気システムの別の態様は、自動車の排気系におけるエキゾーストマニホールドの外側に配設するヒートインシュレータ内周側に、本発明のマット材が配置されてなることを特徴とする。
エキゾーストマニホールドの外側に配設されるヒートインシュレータは断熱のために用いられる部材であるが、ヒートインシュレータの内周側に本発明のマット材を配置することによってさらなる断熱効果を発揮することができる。また、エキゾーストマニホールドはその表面が高温になる部材であるので、この部位にマット材が配置されるとマット材に含まれる繊維飛散抑制剤が熱分解することがある。しかし、本発明のマット材は繊維飛散抑制剤が熱分解したとしても、臭気の発生が少ない。

図面の簡単な説明

0024

図1は、本発明のマット材の一例を模式的に示した斜視図である。
図2は、本発明の排気システムの一例を模式的に示す断面図である。
図3は、本発明の排気システムの別の一例を模式的に示す斜視図である。
図4は、図3に示す本発明の排気システムの一部を模式的に示す断面図である。
図5(a)は、無機繊維の飛散性を測定するための測定装置の一例を模式的に示す側面図であり、図5(b)は、無機繊維の飛散性を測定するための測定装置を構成するサンプル支持アーム部の一例を模式的に示した平面図である。

0025

(発明の詳細な説明)
以下、本発明のマット材及び排気システムについて具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する本発明の個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。

0026

本発明のマット材は、無機繊維と、上記無機繊維の表面に付着された、植物由来成分を含む繊維飛散抑制剤とからなることを特徴とする。

0027

本発明のマット材における無機繊維は、特に限定されず、アルミナシリカ繊維アルミナ繊維、シリカ繊維等であってもよい。また、ガラス繊維生体溶解性繊維であってもよい。耐熱性や耐風蝕性等、マット材に要求される特性等に応じて変更すればよく、各国の環境規制適合できるような太径繊維繊維長のものを使用するのが好ましい。

0028

この中でも、低結晶性アルミナ質の無機繊維が好ましく、ムライト組成の低結晶性アルミナ質の無機繊維がより好ましい。加えて、スピネル型化合物を含む無機繊維がさらに好ましい。高結晶性アルミナ質であると、硬く脆いため、排気管の表面、排ガス処理体の表面、排ガス浄化装置の表面に巻きつける等の作業に不向きである。

0029

また、アルミナ成分を85〜98重量%及びシリカ成分を2〜15重量%含むアルミナ繊維であることも好ましい。アルミナ繊維がこのようにアルミナリッチであると、アルミナ繊維の耐熱性が向上する。

0030

マット材は、種々の方法により得ることができるが、例えば、ニードリング法により製造することができる。
特に、無機繊維からなる素地マットに対してニードルパンチング処理を施して得られるニードルマットであることが望ましい。ニードルパンチング処理とは、ニードル等の繊維交絡手段を素地マットに対して抜き差しすることをいう。

0031

交絡構造を呈するために、ニードリング法により得られるマット材を構成する無機繊維はある程度の平均繊維長を有しており、例えば、無機繊維の平均繊維長は、1〜150mmであることが好ましく、10〜80mmであることがより好ましい。
無機繊維の平均繊維長が1mm未満であると、無機繊維の繊維長が短すぎるため、無機繊維同士の交絡が不充分となり、巻き付け性が低下し、マット材が割れやすくなる。また、無機繊維の平均繊維長が150mmを超えると、無機繊維の繊維長が長すぎるため、マット材を構成する繊維本数が減少するため、マット材の緻密性が低下する。その結果、マット材のせん断強度が低くなる。

0032

繊維長の測定は、ピンセットを使用して、マットから繊維が破断しないように抜き取り光学顕微鏡を使用して繊維長を測定する。ここでは、繊維300本を抜き取り、繊維長を計測した平均を平均繊維長とした。マットから繊維を破断せずに抜き取れない場合、マットを脱脂処理して、脱脂済みマットを水の中へ投入し、繊維同士の絡みをほぐしながら繊維破断しないように採取すると良い。

0033

また、マット材の目付量(単位面積当たりの重量)は、特に限定されないが、200〜4000g/m2であることが望ましく、900〜3000g/m2であることがより望ましい。
また、マット材の厚みは5〜20mmであることが望ましい。

0034

本発明のマット材における繊維飛散抑制剤は、植物由来成分を含む。
植物由来成分としては、植物由来オイル、植物由来成分を原料とする界面活性剤、その他の植物由来成分が挙げられる。
植物由来オイルとしては、特に限定されるものではないが、ヒマシ油、ナタネ油、ゴマ油、キャノーラ油、コーン油、ココナッツオイル、パーム油、ヒマワリ油、ツバキ油、大豆油、綿実油、ピーナッツ油及びオリーブオイルからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。

0035

植物由来成分を原料とする界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル、ヤシ脂肪酸ソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸アミド、ヤシ油由来のモノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(ポリソルベート20)、ヤシ油由来のモノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン(ポリソルベート40)、ヤシ油由来のモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(ポリソルベート60)、ヤシ油由来のトリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(ポリソルベート65)、ヤシ油由来のオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(ポリソルベート80)、及び、大豆由来のレシチンからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。

0036

繊維飛散抑制剤が、植物由来オイルとともに界面活性剤を含むことも好ましい。水に不溶性の植物由来オイルを界面活性剤を用いることにより水で希釈して薄めてエマルジョンにしてマット材に付着させることができる。

0037

植物由来オイルとともに用いる界面活性剤としては、植物由来成分を原料とする界面活性剤であってもよく、植物由来成分を原料としない界面活性剤であってもよい。
植物由来オイルとともに用いる界面活性剤は、植物由来オイルを水に分散(乳化)させる作用のあるものが好ましく、アニオン性界面活性剤ノニオン性界面活性剤カチオン性界面活性剤両性界面活性剤のいずれを使用することもできる。
植物由来成分を原料とする界面活性剤としては上述の界面活性剤が挙げられる。
また、植物由来ではない界面活性剤としてのソルビタン脂肪酸エステル又はポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80等)を使用することも好ましい。

0038

その他の植物由来成分としては、ポリ乳酸が挙げられる。
ポリ乳酸のような生分解性樹脂を界面活性剤によって水に分散させたものも、繊維飛散抑制剤として使用することができる。ポリ乳酸を水に分散させた繊維飛散抑制剤で入手可能な製品としては、ミヨシ油脂株式会社製ランディPL−1000、ランディPL−3000等が挙げられる。

0039

繊維飛散抑制剤は、植物由来成分のみからなっていてもよく、繊維飛散抑制剤が、植物由来成分以外の成分を含んでいてもよい。繊維飛散抑制剤に含まれていてもよい、植物由来成分以外の成分としては、植物由来オイルでないオイル成分としてのシリコーンオイル、植物由来成分を原料としない界面活性剤、ポリカルボン酸等の水溶性高分子等が挙げられる。
繊維飛散抑制剤中に植物由来成分以外の成分が含まれる場合、繊維飛散抑制剤中における植物由来成分の好ましい割合は、60〜99.9重量%であり、より好ましい割合は、80〜99重量%である。

0040

シリコーンオイルとしては特に限定されるものではないが、その例としては、ストレートシリコーンオイル(ジメチルシリコーンオイルメチルフェニルシリコーンオイルメチルハイドロジェンシリコーンオイル等)、変性シリコーンオイルアミノ変性した反応性シリコーンオイルエポキシ変性した反応性シリコーンオイル、カルボキシ変性した反応性シリコーンオイル、カルビノール変性した反応性シリコーンオイル、メタクリル変性した反応性シリコーンオイル、メルカプト変性した反応性シリコーンオイル、フェノール変性した反応性シリコーンオイル、ポリエーテル変性した非反応性シリコーンオイルメチルスチリル変性した非反応性シリコーンオイル、アルキル変性した非反応性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性した非反応性シリコーンオイル、フッ素変性した非反応性シリコーンオイル等)が挙げられる。

0041

植物由来成分を含む繊維飛散抑制剤は基本的に有機成分からなるので、無機成分に付着した繊維飛散抑制剤の付着量は、マット材を無機繊維の耐熱温度以下、かつ、繊維飛散抑制剤の耐熱温度以上の温度で加熱して加熱減量を求めることにより算出することができる。
マット材を加熱炉を用いて600℃、1時間加熱したのちの重量減少量が繊維飛散抑制剤の付着量とみなせるので、この重量減少量を加熱前のマット材の重量で除すことによって繊維飛散抑制剤の付着量(%)を求めることができる。
繊維飛散抑制剤の付着量は0.05〜2.0重量%であることが好ましく、0.1〜1.5重量%であることがより好ましい。

0042

本発明のマット材は、繊維飛散抑制剤の付着量について、マット材を厚さ方向に表面部、中間部、裏面部と3等分した際、表面部に比べて裏面部の繊維飛散抑制剤の付着量が少なく、裏面部側が排気管、排ガス処理体及び排ガス浄化装置からなる群から選択される少なくとも一つの部材の側に配置されることが好ましい。
表面部、中間部、裏面部の各部位における繊維飛散抑制剤の付着量は、マット材全体の繊維飛散抑制剤の付着量を求める方法と同じ方法で求めることができる。マットを厚さ方向に3等分した後に各部位について加熱して加熱減量を求めることにより算出すればよい。

0043

本発明のマット材には無機粒子が付着していることが好ましい。
無機粒子としては、アルミナ、シリカジルコニア等の粒子が挙げられる。これらの粒子は無機ゾル分散溶液アルミナゾルシリカゾルジルコニアゾル等)に由来することが好ましい。
マット材に無機粒子が付着していると、無機繊維間の摩擦力が向上するためマット材の反り力が向上し、排気管に挟まれて断熱材として配置された場合にマット材の位置ずれが抑制される。
また、マット材が排ガス処理体に巻き付けられて金属ケーシングと排ガス処理体の間に挟まれて保持シール材として配置された場合には排ガス処理体の保持力が向上する。
また、マット材が何かに挟まれて配置されていない場合であっても無機粒子の付着によりマット材の摩擦抵抗が増加するためマット材の位置ずれが抑制される。

0044

本発明のマット材は、断熱材として使用されることが好ましい。
断熱材として使用される場合、排気管の表面、排ガス処理体の表面、排ガス浄化装置の表面等の排気システムの各所に使用されることが好ましい。

0045

本発明のマット材は排ガス処理体に巻き付けられて、排ガス浄化装置内で排ガス処理体と金属ケーシングとの間に配設され、排ガス処理体を保持する保持シール材として使用されることが好ましい。
マット材が上記部位に配設されることで排ガス処理体を保持し、排ガス浄化装置内における排ガス処理体の位置ずれを防止するとともに排ガス処理体がその外周を覆う金属ケーシングと接触して破損することを防止することができる。

0046

また、本発明のマット材は、下記のように定める臭気指数が80以下であることが好ましい。
本明細書における臭気指数は、においセンサーとして半導体式のにおいセンサーであるハンディにおいモニターOMX−SRM(神栄テクノロジー株式会社製)を用いて、マット材を500℃の熱板上に載置して発生する分解ガスを測定した指数である。また、繊維飛散抑制剤としてアクリル樹脂(Nipol Lx854E、日本ゼオン株式会社製)を1.0重量%付着させたマット材の臭気指数を130とした相対値である。
本発明のマット材の臭気指数は、65以下であることが好ましく、55以下であることがより好ましい。

0047

以下、本発明のマット材の形状の一例について説明する。
本発明のマット材は、所定の長手方向の長さ、幅及び厚さを有する平面視略矩形かつ平板形状のマットであることが好ましい。
本発明のマット材の一例では、マットの長さ方向側の端部のうち、一方の端部である第1の端部には凸部が形成されており、他方の端部である第2の端部には凹部が形成されていることが好ましい。マットの凸部及び凹部は、外周が円柱状の排ガス浄化装置、排ガス処理体や排気管にマット材を巻きつける際に、ちょうど互いに嵌合するような形状となっていることが好ましい。
なお、「平面視略矩形」とは、凸部及び凹部を含む概念である。また、平面視略矩形には、角部が90°以外の角度を有する形状も含まれる。
また、本発明のマット材は凸部及び凹部が形成されていない形状であってもよい。

0048

図1は、本発明のマット材の一例を模式的に示した斜視図である。
図1に示すマット材10は、所定の長手方向の長さ(以下、図1中、矢印Lで示す)、幅(図1中、矢印Wで示す)及び厚さ(図1中、矢印Tで示す)を有する平面視略矩形かつ平板形状のマットである。

0049

マット材10では、マットの長さ方向側の端部のうち、一方の端部である第1の端部には凸部11が形成されており、他方の端部である第2の端部には凹部12が形成されている。マットの凸部11及び凹部12は、外周が円柱状の排ガス浄化装置、排ガス処理体や排気管にマット材を巻きつける際に、ちょうど互いに嵌合するような形状となっている。

0050

以下、本発明のマット材を製造する方法の一例について説明する。
まず、無機繊維を含むマットを作製する。マットは、種々の方法により得ることができるが、例えば、ニードリング法により製造することができる。
ニードリング法の場合、例えば、以下の方法により製造することができる。すなわち、まず、例えば、塩基性塩化アルミニウム水溶液とシリカゾル等とを原料とする紡糸用混合物ブローイング法により紡糸して3〜10μmの平均繊維径を有する無機繊維前駆体を作製する。続いて、上記無機繊維前駆体を圧縮して所定の大きさの連続したシート状物を作製し、焼成処理を施すことによりマットの準備が完了する。このとき、焼成処理前にニードルパンチング処理を行っても良い。

0051

上記マットは1枚の大きなシート状の部材として得られるので、これをマット材の形状に裁断する。マットの裁断は、トムソン刃ギロチン刃レーザーウォータジェット等により行うことができる。適宜、状況に応じて上記裁断方法を用いればよいが、大量加工重視するのではあればトムソン刃やギロチン刃が好ましく、裁断精度を重視するのであればレーザーやウォータジェットが好ましい。

0052

さらに、裁断されたマットに対して繊維飛散抑制剤の付与を行うことによって、本発明のマット材を得ることができる。
繊維飛散抑制剤は、水に分散させて薄めた状態で均一に付与させることが好ましい。そのため、繊維飛散抑制剤は、水に分散しやすくなるように植物由来成分と界面活性剤との混合物であることが好ましく、植物由来オイルと界面活性剤との混合物であることがより好ましい。また、植物由来成分を原料とする界面活性剤そのものであることが好ましい。
繊維飛散抑制剤を水に分散させて薄めた分散液中における繊維飛散抑制剤の濃度は0.1〜10.0重量%であることが好ましく、0.3〜3.0重量%であることがより好ましい。

0053

また、繊維飛散抑制剤を水に分散させて薄めた分散液中には、樹脂成分を加えてもよい。繊維飛散抑制剤をマットに付与した際に無機繊維が柔らかくなり過ぎる場合には樹脂成分を加えることで無機繊維の硬さを適切な状態に調整することができる。
樹脂成分としてはポリカルボン酸等の水溶性高分子を使用することが好ましい。また、繊維飛散抑制剤中における樹脂成分の割合は、10〜60重量%であることが好ましい。
樹脂成分が60重量%を超えると臭気指数が高くなりやすい。

0054

繊維飛散抑制剤を水に分散させて薄めた分散液中にマットを浸漬し、引き上げた後に乾燥してマットに対して繊維飛散抑制剤を付与することにより本発明のマット材が得られる。
乾燥温度は100〜180℃、乾燥時間は1〜30分であることが好ましい。
乾燥は乾燥炉内通気乾燥により行ってもよく、加熱した熱板上にマットを載置することにより行ってもよい。

0055

また、マット材の表面部と裏面部で繊維飛散抑制剤の付着量が異なるようにするためには、上記分散液にマットを浸漬させて繊維飛散抑制剤を付与した後、マットの片面側に対してスプレーによりさらに繊維飛散抑制剤を付与する方法や、マットの片面側のみを繊維飛散抑制剤の濃度の高い分散液に接触させる方法等が挙げられる。
また、加熱炉内でマット材の一方の面に風速2m以上/秒で熱風を当てる熱風乾燥を行うことによってもマット材の表面部と裏面部で繊維飛散抑制剤の付着量が異なるようにすることができる。

0056

無機粒子が付着したマット材を製造する場合、無機粒子を含む無機ゾル分散溶液にマットを浸漬することが好ましい。無機ゾル分散溶液としては、シリカゾル、アルミナゾル、ジルコニアゾル等が挙げられる。
無機粒子を付着させるタイミングは特に限定されるものではない。
無機ゾル分散溶液へマットを浸漬、乾燥後、繊維飛散抑制剤の付与及び乾燥を行ってマット材の製造を行ってもよく、また、繊維飛散抑制剤と無機ゾル分散溶液を混合して分散液を作製しその分散液にマットを浸漬させてもよい。

0057

以下、本発明のマット材を用いた本発明の排気システムについて説明する。
本発明の排気システムの一の態様は、自動車の排気系における、排ガス浄化装置、排ガス処理体及び排気管からなる群から選択される少なくとも一つの部材の表面に、本発明のマット材が配置されてなることを特徴とする。

0058

本発明の排気システムは、排ガス浄化装置を備えており、排ガス処理体が筒状の金属ケーシングに収容されている。
金属ケーシングには流入側の排気管及び流出側の排気管がそれぞれ接続されている。

0059

排ガス浄化装置の内部においては、排ガス処理体の周囲には保持シール材が巻きつけられており、保持シール材は排ガス処理体と金属ケーシングの間に配設されている。
保持シール材は無機繊維を含むマットである。保持シール材の形状は、凹部と凸部を有する平面略矩形状であり、排ガス処理体の周囲に保持シール材を巻きつけた際に保持シール材の凹部と凸部がちょうど互いに嵌合するようになっていることが望ましい。
保持シール材として本発明のマット材を使用してもよい。

0060

排ガス処理体は、多孔質セラミック等のセラミック質ハニカム構造体であり、触媒担体として使用される。触媒担体においては、排ガス流入側端面及び排ガス流側端面がともに開口した貫通孔に排ガスが流入し、貫通孔を隔てる隔壁担持させた触媒の作用により排ガスが浄化される。
また、排ガス処理体は貫通孔のいずれかの端部が交互に封止されてなるDPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)であってもよい。
排ガス処理体を構成する素材は特に限定されないが、炭化ケイ素質及び窒化ケイ素質等の非酸化物、並びに、コージェライト及びチタン酸アルミニウム等の酸化物を用いることができる。

0061

本発明のマット材は、排ガス浄化装置、排ガス処理体及び排気管からなる群から選択される少なくとも一つの部材の表面に配置される。排ガス浄化装置の表面はすなわち金属ケーシングの表面である。金属ケーシング、排ガス処理体及び排気管が筒状である場合、マット材は金属ケーシング、排ガス処理体及び排気管に巻き付けられて配置される。
排ガス浄化装置内部の排ガス処理体の表面に巻き付けられた本発明のマット材が保持シール材として働き、排ガス浄化装置の金属ケーシングの表面に巻き付けられた本発明のマット材が断熱材として働くような排気システムであってもよい。
また、本発明のマット材は流入側の排気管及び流出側の排気管の両方に配置されていてもよいし、どちらか一方にのみ配置されていてもよい。

0062

また、本発明のマット材が、厚さ方向に表面部、中間部、裏面部と3等分した際、表面部に比べて裏面部の繊維飛散抑制剤の付着量が少なく、裏面部側が排ガス浄化装置、排ガス処理体及び排気管からなる群から選択される少なくとも一つの部材の表面に配置されることが好ましい。

0063

図2は、本発明の排気システムの一例を模式的に示す断面図である。
図2に示す排気システム1は、排ガス浄化装置100を備えており、排ガス処理体120が筒状の金属ケーシング130に収容されている。
金属ケーシング130には流入側排気管140及び流出側排気管150がそれぞれ接続されている。矢印Gは排ガスの流れる向きを示している。

0064

排ガス浄化装置100の内部においては、排ガス処理体120の周囲には保持シール材110が巻きつけられており、保持シール材110は排ガス処理体120と金属ケーシング130の間に配設されている。
保持シール材110は無機繊維を含むマットである。保持シール材110の形状は、凹部と凸部を有する平面略矩形状であり、排ガス処理体120の周囲に保持シール材110を巻きつけた際に保持シール材110の凹部と凸部がちょうど互いに嵌合するようになっている。この保持シール材110が本発明のマット材であってもよい。

0065

排ガス処理体120は、多孔質セラミック等のセラミック質のハニカム構造体であり、触媒担体として使用される。触媒担体においては、排ガス流入側端面120a及び排ガス流出側端面120bがともに開口した貫通孔125に排ガスが流入し、貫通孔125を隔てる隔壁126に担持させた触媒の作用により排ガスが浄化される。

0066

図2に示す排気システム1においては、マット材10は、排ガス浄化装置100の表面(金属ケーシング130の表面)、流入側排気管140の表面及び流出側排気管150の表面に巻き付けられて配置されている。

0067

本発明の排気システムの別の態様は、自動車の排気系におけるエキゾーストマニホールドの外側に配設するヒートインシュレータの内周側に、本発明のマット材が配置されてなることを特徴とする。

0068

自動車エンジンの側面には、エキゾーストマニホールドが取り付けられている。
エキゾーストマニホールドは、各気筒からの排ガスを集合させ、さらに、排ガス浄化装置に排ガスを送る機能を有する。そして、エキゾーストマニホールドは、その外周面の一部がヒートインシュレータにより覆われている。

0069

自動車の排気系におけるエキゾーストマニホールドには高温の排ガスが流れるが、この排ガスの温度が高いままで下流の排ガス処理体に流れると、排ガス処理体における触媒効率が向上するため好ましい。そのため、エキゾーストマニホールドを断熱することが好ましい。
ヒートインシュレータは金属等からなる板状の部材であり、ボルト等により一部がエキゾーストマニホールドに固定されているが、ヒートインシュレータとエキゾーストマニホールドとの間には空間が存在する。

0070

ヒートインシュレータの内周側、すなわちエキゾーストマニホールド側に、本発明のマット材が配置される。本発明のマット材はヒートインシュレータの内周面接着剤、ボルト及びナットリベットステープル、かしめ、スタッドピンハトメ等の固定手段により固定されていることが好ましい。ヒートインシュレータの内周側に配置される本発明のマット材は、管に巻きつけるわけではないので凹部や凸部が形成されている必要はなく、ヒートインシュレータの内周面の形状に合わせて外形加工を行った形状であってもよい。
また、ヒートインシュレータの内周面は通常は単純な平面ではないので、複数枚のマット材を組み合わせることによってヒートインシュレータの内周面に隙間なくマット材を配置するようにすることも好ましい。

0071

また、本発明のマット材が、厚さ方向に表面部、中間部、裏面部と3等分した際、表面部に比べて裏面部の繊維飛散抑制剤の付着量が少ないマットであって、裏面部側がエキゾーストマニホールド側に配置されることが好ましい。

0072

図3は、本発明の排気システムの別の一例を模式的に示す斜視図であり、図4は、図3に示す本発明の排気システムの一部を模式的に示す断面図である。
図3に示すように、排気システム2において、自動車エンジン200の側面には、エキゾーストマニホールド210が取り付けられている。そして、エキゾーストマニホールド210は、その外周面の一部がヒートインシュレータ220により覆われている。
そして、図4に示すように、ヒートインシュレータ220はボルト230により一部がエキゾーストマニホールド210に固定されているが、ヒートインシュレータ220とエキゾーストマニホールド210との間には空間が存在する。
ヒートインシュレータ220の内周側、すなわちエキゾーストマニホールド210側に、本発明のマット材10が配置される。図4ではマット材10もボルト230により合わせて固定されている。

0073

以下、本発明のマット材及び排気システムの作用効果について説明する。
(1)本発明のマット材は、無機繊維からなり、植物由来成分を含む繊維飛散抑制剤が付着しているので、繊維飛散率が低くなっている。繊維飛散率が低いと、マット材の製造、特に打ち抜き加工時に繊維飛散が抑制されるので好ましい。また、マット材を排気管の表面、排ガス処理体の表面、排ガス浄化装置の表面に巻きつける等の組み付け作業時の繊維飛散が抑制されるので好ましい。また、植物由来成分が熱分解したとしても、熱分解により発生するにおいは人にとって不快なにおいではない場合が多い。そのため、合成樹脂が繊維飛散抑制剤として付着した場合に比べて悪臭の発生が抑制される。

0074

(2)本発明の排気システムの一の態様では、排ガス浄化装置、排ガス処理体及び排気管からなる群から選択される少なくとも一つの部材の表面に本発明のマット材が配置されているので断熱効果を発揮することができる。そして、高温になる部材からの熱によりマット材に含まれる繊維飛散抑制剤が熱分解したとしても、臭気の発生が少ない。

0075

(3)本発明の排気システムの別の態様では、自動車の排気系におけるエキゾーストマニホールドの外側に配設するヒートインシュレータの内周側に、本発明のマット材が配置されているのでさらなる断熱効果を発揮することができる。また、エキゾーストマニホールドはその表面が高温になる部材であるので、この部位にマット材が配置されるとマット材に含まれる繊維飛散抑制剤が熱分解することがある。しかし、本発明のマット材は繊維飛散抑制剤が熱分解したとしても、臭気の発生が少ない。

0076

(実施例)
以下、本発明をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。

0077

(実施例1)
(マットの準備)
無機繊維からなるマットとして、ニードルパンチされたアルミナ繊維製のマット(目付量1050g/m2)を20cm×20cmとしたマットを準備した。

0078

(繊維飛散抑制剤の付与)
繊維飛散抑制剤として、ヒマシ油を界面活性剤[レオドールTW−O120V:花王株式会社製:オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(ポリソルベート80)]と混合して水に分散させたエマルジョンを準備した。
そして、水と混合してヒマシ油と界面活性剤を含む繊維飛散抑制剤の濃度が0.5重量%となる分散液を調製し、この分散液中にマットを浸漬した。
マットの浸漬は、乾燥後の繊維飛散抑制剤の付着量が0.5重量%となるように行った。
さらに150℃に加熱した熱板上にマットを載置して熱板乾燥を行い、マット材を製造した。

0079

(実施例2)
実施例1における熱板乾燥を、150℃に設定した加熱炉内で風速2m以上/秒の熱風乾燥を行う方法に変更した他は実施例1と同様にしてマット材を製造した。
表面部、中間部、裏面部と3等分した際、表面部に比べて裏面部の繊維飛散抑制剤の付着量が少ないマット材を得た。そして臭気測定は、裏面部を500℃に加熱した熱板上に載置して測定した。

0080

(比較例1)
実施例1と同じマットを準備し、繊維飛散抑制剤として、アクリル樹脂エマルジョンラテックス(Nipol Lx854E、日本ゼオン株式会社製)を準備した。
マットの浸漬は、乾燥後の繊維飛散抑制剤の付着量が1.0重量%となるように行った。
さらに150℃に加熱した熱板上にマットを載置して熱板乾燥を行い、マット材を製造した。

0081

(比較例2)
比較例1において、アクリル樹脂エマルジョンラテックスの濃度を調整して、マットの浸漬を、乾燥後の繊維飛散抑制剤の付着量が0.5重量%となるように行った。
さらに150℃に加熱した熱板上にマットを載置して熱板乾燥を行い、マット材を製造した。

0082

(比較例3)
比較例1において、アクリル樹脂エマルジョンラテックスの濃度を調整して、マットの浸漬を、乾燥後の繊維飛散抑制剤の付着量が0.1重量%となるように行った。
さらに150℃に加熱した熱板上にマットを載置して熱板乾燥を行い、マット材を製造した。

0083

(比較例4)
実施例1において、準備したマットに繊維飛散抑制剤を付与せず、これをマット材とした。

0084

(繊維飛散率の評価)
無機繊維の飛散性については、以下の手順によって測定した。
まず、各実施例及び各比較例で製造したマット材を100mm×100mmに切り出し、飛散性試験用サンプル310とする。この飛散試験用サンプルについて、図5(a)及び図5(b)に示す測定装置を用いて、無機繊維の飛散率を測定することができる。
図5(a)は、無機繊維の飛散性を測定するための測定装置の一例を模式的に示す側面図である。図5(a)に示すように、試験装置300は、基台350上に垂直に設けられた2本の支柱360の上端部にサンプル支持アーム370が所定の範囲内で回転可能となるよう接続されている。さらに、2本の支柱360間には、上記サンプル支持アームと衝突可能な位置に、垂直壁部材390が固定されている。
また、図5(b)は、無機繊維の飛散性を測定するための測定装置を構成するサンプル支持アーム部の一例を模式的に示した平面図である。図5(b)に示すように、サンプル支持アーム370のもう一方の端部はサンプル支持アーム370の端部同士を接続するサンプル固定部材380によって固定されている。サンプル支持アーム370の端部に接続されるサンプル固定部材380から支柱360方向に一定距離離れた位置には、もう一本のサンプル固定部材380が存在し、2本のサンプル支持アーム370は、少なくとも2箇所でサンプル固定部材380によって接続されている。

0085

サンプル支持アーム370と支柱360との角度が90°となる位置で、サンプル支持アーム370を所定のロック機構によりロックし、飛散性試験用サンプル310をクリップ320でサンプル固定部材380に固定する。サンプル支持アーム370のロックを解除すると、サンプル支持アーム370と飛散性試験用サンプル310は支柱360を固定している基台350に向かう方向に落下を開始し、サンプル支持アーム370と支柱360との接続部を中心に回転するように向きを変え、サンプル支持アーム370と支柱360とが平行となる時点で、サンプル支持アーム370が垂直壁部材390に衝突する。この衝突により、飛散性試験用サンプル310を構成する無機繊維の一部が破断し、飛散する。そのため、衝突前後の飛散性試験用サンプル310の重量を計測し、以下の式を用いて、繊維飛散率を求めることができる。:
繊維飛散率(重量%)=(試験前の飛散性試験用サンプルの重量−試験後の飛散性試験用サンプルの重量)/(試験前の飛散性試験用サンプルの重量)×100

0086

(臭気の評価)
各実施例及び比較例で製造したマット材を25mm×25mmに切り出し、500℃に加熱した熱板上に載置し、半導体式のにおいセンサーであるハンディにおいモニターOMX−SRM(神栄テクノロジー株式会社製)を用いて、ガス吸引ノズル部をマット上の約10〜20cm程度上部に配置し、分解ガスの臭気指数を測定した。
各実施例及び比較例のマット材の臭気指数を、比較例1の分解ガスの臭気指数を130として、相対値で示した。

0087

上記評価結果をまとめて表1に示した。

0088

各実施例のマット材は、繊維飛散率が低く、かつ、臭気指数も低くなっていた。それに対し、比較例1のマット材は繊維飛散率は低いものの臭気数が高くなっていた。比較例2及び3のマット材は繊維飛散率が高く、臭気指数も高くなっていた。比較例4のマット材は繊維飛散抑制剤が付与されていないため繊維飛散率が高くなっていた。

0089

1,2排気システム
10マット材
100排ガス浄化装置
110保持シール材
120排ガス処理体
130金属ケーシング
200自動車エンジン
210エキゾーストマニホールド
220 ヒートインシュレータ

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