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技術 溶銑の脱珪処理方法

出願人 日本製鉄株式会社
発明者 草田泰明
出願日 2016年2月15日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-026236
公開日 2017年8月24日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-145435
状態 特許登録済
技術分野 銑鉄の精製;鋳鉄の製造;転炉法以外の製鋼
主要キーワード 周辺設備 固体酸素 ガス発生速度 気体酸素 酸素供給速度 焼結ダスト CaO含有 CaO含有物質
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年8月24日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

スラグフォーミングの発生が少ない溶銑脱珪処理方法を提供すること。

解決手段

混銑車等の反応容器内の溶銑に、酸化剤を吹き込み、副原料としてCaO含有物を投入する脱珪処理方法において、酸化剤の送酸速度脱珪処理後スラグ塩基度が下記(1)の式を満たすことを特徴とする溶銑の脱珪処理方法。1.0>塩基度(C/S)≧1.2×送酸速度(Nm3/t/min)+0.55・・・・・・・(1)

概要

背景

鉄鋼精錬工程では品質要求の高度化やトータルコストの削減を目的に、転炉での精錬負荷軽減のため、その前工程で溶銑予備処理を行っている。この溶銑予備処理は各種反応容器トーピードカー溶銑鍋等)内で行い、このうち脱珪処理酸化剤(酸素ガス固体酸化物等)や精錬剤石灰スラグ等)を投入し、精錬している。投入した酸化剤の一部は溶銑中のCと反応してCOガスが発生し、COガス気泡によってスラグがフォーミングして反応容器から流出する場合がある。スラグ流出により周辺設備溶損などの操業トラブルや スラグに含まれる鉄分ロスによる歩留悪化などが発生する。 そこで脱珪処理時のスラグフォーミングを抑制する次のような技術が提案されている。

特許文献1には、トーピードカー等の容器内で溶銑脱珪処理を行う際、CaOを30〜40%、CaF2 を3〜10%、ミルスケール等の酸化剤を50〜65%に配合し処理中のスラグ組成をCaO/SiO2 >1、(T・Fe%)<10%とし、さらに酸素供給速度を低下させ、COガス発生速度最低にさせる操業条件とすることにより処理中の温度低下と共に脱燐反応を同時に進行させてスロッピングの抑制を可能とすることを特徴とする溶銑予備処理方法の記載がある。
特許文献2には、溶銑を固体脱珪剤のみで脱珪処理する方法であって、酸化鉄含有物質と溶銑予備処理で発生する集塵ダストを混合した脱珪剤を溶銑に投入し、脱珪スラグ塩基度[CaO/SiO2]が0.6〜1.2になるように処理することを特徴とする溶銑の処理方法の記載がある。

概要

スラグフォーミングの発生が少ない溶銑の脱珪処理方法を提供すること。混銑車等の反応容器内の溶銑に、酸化剤を吹き込み、副原料としてCaO含有物を投入する脱珪処理方法において、酸化剤の送酸速度脱珪処理後のスラグの塩基度が下記(1)の式を満たすことを特徴とする溶銑の脱珪処理方法。1.0>塩基度(C/S)≧1.2×送酸速度(Nm3/t/min)+0.55・・・・・・・(1)

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

混銑車等の反応容器内の溶銑に、酸化剤を吹き込み、副原料としてCaO含有物を投入する脱珪処理方法において、酸化剤の送酸速度脱珪処理後スラグ塩基度が下記(1)の式を満たすことを特徴とする溶銑の脱珪処理方法。1.0>塩基度(C/S)≧1.2×送酸速度(Nm3/t/min)+0.55・・・・・・・(1)

請求項2

前記酸化剤が、気体酸素又は固体酸化物の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の溶銑の脱珪処理方法。

請求項3

前記脱珪処理後の溶銑温度が、1350℃以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の溶銑の脱珪処理方法。

請求項4

前記酸化剤の送酸速度が、0.10Nm3/t/min以上0.35Nm3/t/min以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の溶銑の脱珪処理方法。

技術分野

0001

本発明は、溶銑脱珪処理方法に関する。

背景技術

0002

鉄鋼精錬工程では品質要求の高度化やトータルコストの削減を目的に、転炉での精錬負荷軽減のため、その前工程で溶銑予備処理を行っている。この溶銑予備処理は各種反応容器トーピードカー溶銑鍋等)内で行い、このうち脱珪処理酸化剤(酸素ガス固体酸化物等)や精錬剤石灰スラグ等)を投入し、精錬している。投入した酸化剤の一部は溶銑中のCと反応してCOガスが発生し、COガス気泡によってスラグがフォーミングして反応容器から流出する場合がある。スラグ流出により周辺設備溶損などの操業トラブルや スラグに含まれる鉄分ロスによる歩留悪化などが発生する。 そこで脱珪処理時のスラグフォーミングを抑制する次のような技術が提案されている。

0003

特許文献1には、トーピードカー等の容器内で溶銑脱珪処理を行う際、CaOを30〜40%、CaF2 を3〜10%、ミルスケール等の酸化剤を50〜65%に配合し処理中のスラグ組成をCaO/SiO2 >1、(T・Fe%)<10%とし、さらに酸素供給速度を低下させ、COガス発生速度最低にさせる操業条件とすることにより処理中の温度低下と共に脱燐反応を同時に進行させてスロッピングの抑制を可能とすることを特徴とする溶銑の予備処理方法の記載がある。
特許文献2には、溶銑を固体脱珪剤のみで脱珪処理する方法であって、酸化鉄含有物質と溶銑予備処理で発生する集塵ダストを混合した脱珪剤を溶銑に投入し、脱珪スラグ塩基度[CaO/SiO2]が0.6〜1.2になるように処理することを特徴とする溶銑の処理方法の記載がある。

0004

特開平5−5115号公報
特開2004−218026号公報

先行技術

0005

ISIJ Internationai Vol 40(2000), No4, P348-355

発明が解決しようとする課題

0006

近年、混銑車で脱珪処理した溶銑を転炉に入れて脱燐脱硫予備処理を行う際に、スクラップ装入する場合がある。その際にはスクラップ溶解に必要な熱源を確保すべく、気体酸素と固体酸化物をともに用いて、脱珪処理での溶銑温度の降下を抑制することが多い。したがって、脱珪剤としては、特定の固体酸素に限定することなく、気体酸素も望ましい。
また、余分なスラグの発生量を抑えるため、副原料としてのCaOの投入量もできるだけ少ないことが求められる。
そして、脱珪処理時のスラグフォーミングは、スラグの特性の他に、脱珪剤による送酸速度が関係すると考えられ、これらの要素を総合的に検討しなければならない。

0007

特許文献1に記載の発明は、高塩基度とするために脱珪剤中のCaO量が多くなり、スラグ発生量が多くなるという問題がある。
特許文献2に記載の発明は、脱珪剤が、酸化鉄含有物質と溶銑予備処理で発生する集塵ダストを混合した物に限定し、脱珪スラグの塩基度[CaO/SiO2]が0.6〜1.2になるように処理することを規定したものである。そして、フォーミングに及ぼす送酸速度の関係については、何ら検討されていない。

0008

送酸速度に応じて脱C反応によるガス発生量が変化するため、それに対応して副原料の投入量を調整して所定のスラグ塩基度とすることで、副原料の投入量を必要最小限として、スラグフォーミングを発生させることなく溶銑の脱珪処理を行うことができると考えられる。

0009

本発明の目的は、スラグフォーミングの発生が少ない溶銑の脱珪処理方法の提供である。

課題を解決するための手段

0010

本発明の要旨は以下の通りである。
<1>混銑車等の反応容器内の溶銑に、酸化剤を吹き込み、副原料としてCaO含有物を投入する脱珪処理方法において、
酸化剤の送酸速度と脱珪処理後のスラグの塩基度が下記式(1)を満たすことを特徴とする溶銑の脱珪処理方法。
1.0>塩基度(C/S)≧1.2×送酸速度(Nm3/t/min)+0.55
・・・・・・・(1)
<2> 前記酸化剤が、気体酸素又は固体酸化物の少なくともいずれかであることを特徴とする<1>に記載の溶銑の脱珪処理方法。
<3> 前記脱珪処理後の溶銑温度が、1350℃以上であることを特徴とする<1> 又は<2>に記載の溶銑の脱珪処理方法。
<4> 前記酸化剤の送酸速度が、0.10Nm3/t/min以上0.35Nm3/t/min以下であることを特徴とする<1>乃至<3>のいずれか一つに記載の溶銑の脱珪処理方法。

発明の効果

0011

本発明によれば、脱珪量と処理時間から決まる送酸速度に応じて副原料の投入量を調整することで、スラグフォーミングの発生が少ない溶銑の脱珪処理を実施することができる。

図面の簡単な説明

0012

スラグ塩基度が1.0以下で、スラグフォーミングが発生する領域を示す図。

0013

(スラグフォーミングが発生する要因
スラグフォーミングが発生する要因について、下記の式(2)、式(3)が報告されている(非特許文献1)。

0014

[数式1]

0015

[数式2]

Hf:フォーミング高さ(m),Qg:ガス発生速度(m3s),A:転炉断面積(m2),
μ:粘度(Pa・s),σ:表面張力(N/m),ρ:密度(kg/m3),
Db:気泡径(m),Σ:泡寿命,foaming index(s)

0016

式(2)は、スラグフォーミング高さ(Hf)をあらわす式である。式(3)のΣは、スラグ中にCOガスなどの気泡が留まる時間すなわち泡寿命(foaming index(s))を示している。
この泡寿命Σは、スラグ粘度と相関があり(式(3))、スラグ粘度が小さくなれば、淡寿命は短くなりフォーミングしにくくなる。スラグ粘度は塩基度などのスラグ組成に依存しており、塩基度が高くなるほどスラグ粘度は小さくなる。そして、式(2)よりスラグフォーミングはCOガス発生速度と相関があり、これは供給される気体酸素および固体酸化物からなる総送酸速度に依存している。
上より、スラグフォーミング(Hf)は、送酸速度(Nm3/t/min)と脱珪後のスラグ塩基度(CaO/SiO2)に依存する。

0017

(脱珪後のスラグ塩基度(CaO/SiO2)の上限について)
式(1)、式(2)より、脱珪後のスラグ塩基度(CaO/SiO2)が高ければ、Hf:フォーミング高さ(m)は小さくなり、フォーミングを抑制することができる。しかし、脱珪後のスラグ塩基度(CaO/SiO2)が1.0以上になれば、脱珪剤中のCaO量が多くなりなり、スラグ発生量が多くなる。また、スラグ塩基度(CaO/SiO2)が大きいと、スラグ粘性が大きく、脱珪後のスラグ排滓が困難となる。
そこで、本発明は、脱珪後のスラグ塩基度(CaO/SiO2)は1.0未満とした。

0018

(送酸速度について)
本発明者は、脱珪により生成されるスラグと送酸速度(Nm3/t/min)を変更して、スラグフォーミングの発生を調査した。
図1は、スラグ塩基度が1.0以下で、スラグフォーミングが発生する領域を示す図である。
送酸速度(Nm3/t/min)とは、気体酸素および固体酸素の少なくともいずれかを溶銑に吹き込んだ場合の、単位時間当たりに吹き込む気体酸素と固体酸化物の酸素分の和として算出したものである。気体酸素とは酸素ガスであり、固体酸素とは、固体酸化物に含まれている酸素である。固体酸化物としては鉄鉱石微粉焼結ダスト転炉ダスト等が挙げられる。

0019

図1において、生成スラグの塩基度が低いと、スラグフォーミングが発生する。しかし、生成スラグの塩基度(CaO/SiO2)が1.0未満でも図1の直線よりも大きい場合には、スラグフォーミングが発生しない。図1の直線は、塩基度(C/S)=1.2×送酸速度(Nm3/t/min)+0.55で表わされる。
以上より、生成スラグの塩基度と送酸速度(Nm3/t/min)が下記の式(1)を満たす場合に、スラグフォーミングが発生しない。
1.0>塩基度(C/S)≧1.2×送酸速度(Nm3/t/min)+0.55
・・・・・・・(1)

0020

送酸速度は、脱珪量と処理時間から決めることができるが、0.10〜0.35Nm3/t/minであることが好ましい。
0.10Nm3/t/min未満では脱珪処理時間が長くなり過ぎるためであり、0.35Nm3/t/min超になると、フォーミング抑制に必要なスラグ塩基度が高くなり過ぎるためである。

0021

(気体酸素の割合)
脱珪剤として、気体酸素は、10質量%以上30質量%以下が好ましい。固体酸化物の割合が増えると、溶銑温度低下やそれに伴うグラファイト析出による環境問題が懸念され、気体酸素は、10質量%以上が好ましい。一方、気体酸素が多すぎると、燃焼反応増加による設備への熱負荷脱珪酸素効率の低下が懸念されるため、30質量%以下が好ましい。

0022

(副原料)
酸化剤とともに副原料としてCaO含有物を投入する。CaO含有物質としては、脱炭滓や生石灰等が挙げられる。CaO含有物の投入量は、送酸速度から決まる塩基度を満足するように調整する。
CaO含有物の投入は、固体酸化物と混合して一緒に吹き込んでもよいし、単独で投入してもよい。

0023

(溶銑温度)
溶銑温度は、脱珪処理後1350℃以上となるようにするのが望ましい。これは、次工程でスクラップを溶解するのに必要な熱量を担保するためである。
処理後の溶銑温度は、処理前の溶銑温度に応じて、酸化剤中の固体酸化物の割合を調整することで制御できる。即ち、処理前の溶銑温度が高ければ固体酸化物の割合を多くすることができ、低い場合には少なくする。

0024

混銑車に装入された溶銑を表1に示す条件で脱珪処理を行った。具体的な処理方法は、以下によった。
混銑車中の溶銑400t〜500tに、内管から気体酸素、外管からN2をキャリアガスとして固体酸素及びCaO含有物をインジェクションした。CaO含有物は、脱珪処理中、常に投入し、フォーミングが発生したときは、フォーミングが治まるまで粉コークスを投入した。溶銑中Siが、設定値に到達したときに、脱珪処理を終了した。
表1に、脱珪処理後のスラグ塩基度、脱珪処理前後の溶銑温度と溶銑Si濃度、スラグフォーミングの発生有無は示す。
No.1〜No.5は発明例であり、処理後の溶銑温度が1350℃以上で、スラグフォーミングは発生しなかった。
No.6〜No.8は処理後のスラグ塩基度が条件を満足しない比較例であり、スラグフォーミングが発生したため、処理を継続するためにフォーミング抑制剤として粉コークスを投入する必要があった。
No.9固体酸化物のみによる処理であり、送酸速度と、塩基度が要件を満たせば、スラグフォーミングは、なかった。

実施例

0025

0026

スラグフォーミングの発生が少ない溶銑の脱珪処理に利用することができる。

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