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技術 ポリアミド酸、ポリイミド、樹脂フィルム及び金属張積層板

出願人 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社
発明者 安達康弘
出願日 2016年2月18日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2016-029113
公開日 2017年8月24日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 2017-145343
状態 特許登録済
技術分野 含窒素連結基の形式による高分子化合物一般 積層体(2) プリント板の材料
主要キーワード 要求基準 屈曲構造 極性基濃度 イミド基濃度 ベースフィルム層 ベクトルネットワークアナライザ 低熱膨張性ポリイミド 有効断面積
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この項目の情報は公開日時点(2017年8月24日)のものです。
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課題

電子機器の小型化・高性能化に伴う高周波化への対応が可能であり、熱膨張係数も低いポリイミド樹脂フィルム及び金属張積層板を提供する。

解決手段

ジアミン成分と、テトラカルボン酸無水物を含む酸無水物成分と、を反応させて得られるポリアミド酸であって、ジアミン成分が、式(i)で表されるジアミン化合物を、全ジアミン成分に対し、5〜100モル%の範囲内で含むポリアミド酸、及びこれををイミド化して得られるポリイミド。[R1〜R8は夫々独立にH、アルキル基又はアルコキシ基

概要

背景

近年、電子機器の小型化、軽量化、省スペース化進展に伴い、薄く軽量で、可撓性を有し、屈曲を繰り返しても優れた耐久性を持つフレキシブルプリント配線板FPC;Flexible PrintedCircuits)の需要が増大している。FPCは、限られたスペースでも立体的かつ高密度実装が可能であるため、例えば、HDD、DVD、携帯電話等の電子機器の可動部分の配線や、ケーブルコネクター等の部品にその用途が拡大しつつある。

上述した高密度化に加えて、機器高性能化が進んだことから、伝送信号高周波化への対応も必要とされている。高周波信号伝送する際に、信号の伝送経路伝送損失が大きい場合、電気信号のロスや信号の遅延時間が長くなるなどの不都合が生じる。そのため、FPCの伝送損失の低減が重要となる。高周波化に対応するために、低誘電率低誘電正接を特徴とした液晶ポリマー誘電体層としたFPCが用いられている。しかしながら、液晶ポリマーは、誘電特性に優れているものの、耐熱性金属箔との接着性に改善の余地がある。

耐熱性や接着性を改善するため、ポリイミド絶縁層にした金属張積層板が提案されている(特許文献1)。特許文献1によると、一般的に高分子材料モノマー脂肪族系のものを用いることにより誘電率が低下することが知られており、脂肪族(鎖状テトラカルボン酸二無水物を用いて得られたポリイミドの耐熱性は著しく低いために、はんだ付けなどの加工に供する事が不可能となり実用上問題があるが、脂環族テトラカルボン酸二無水物を用いると鎖状のものに比べて耐熱性が向上したポリイミドが得られるとしている。しかしながら、このようなポリイミドから形成されるポリイミドフィルムは、10GHzにおける誘電率が3.2以下であるものの、誘電正接は0.01を超えるものであり、誘電特性は未だ十分ではなかった。また、上述の脂肪族モノマーを使用したポリイミドは熱膨張係数が大きいものが多く、これらを絶縁層にした金属張積層板では反りが発生するため、回路基板の絶縁層とすることは困難であった。

概要

電子機器の小型化・高性能化に伴う高周波化への対応が可能であり、熱膨張係数も低いポリイミド、樹脂フィルム及び金属張積層板を提供する。ジアミン成分と、テトラカルボン酸無水物を含む酸無水物成分と、を反応させて得られるポリアミド酸であって、ジアミン成分が、式(i)で表されるジアミン化合物を、全ジアミン成分に対し、5〜100モル%の範囲内で含むポリアミド酸、及びこれををイミド化して得られるポリイミド。[R1〜R8は夫々独立にH、アルキル基又はアルコキシ基]なし

目的

本発明の目的は、電子機器の小型化・高性能化に伴う高周波化への対応が可能であり、熱膨張係数(CTE)も低いポリイミド、樹脂フィルム及び金属張積層板を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ジアミン成分と、テトラカルボン酸無水物を含む酸無水物成分と、を反応させて得られるポリアミド酸であって、前記ジアミン成分が、下記の一般式(i)で表されるジアミン化合物を、全ジアミン成分に対し、5〜100モル%の範囲内で含むことを特徴とするポリアミド酸。[式中、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基若しくはアルコキシ基を示すが、R1〜R8の炭素数の合計は12〜40である。]

請求項2

前記一般式(i)で表されるジアミン化合物を、全ジアミン成分に対し、5〜70モル%の範囲内で含み、前記酸無水物成分に対し、無水ピロメリット酸(PMDA)を30〜100モル%の範囲内で含むことを特徴とする請求項1に記載のポリアミド酸。

請求項3

前記ジアミン成分に、下記の一般式(ii)で表されるジアミン化合物を、全ジアミン成分に対し、30〜95モル%の範囲内で含むことを特徴とする請求項2に記載のポリアミド酸。[式中、R9及びR10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜3のハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基、アルコキシ基若しくはアルケニル基を示すが、R9及びR10の炭素数の合計は0〜11であり、m及びnは独立に1〜4である。]

請求項4

請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアミド酸をイミド化して得られるポリイミド

請求項5

請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアミド酸をイミド化して得られるポリイミドを含む樹脂フィルム

請求項6

請求項2に記載のポリアミド酸をイミド化して得られる樹脂フィルムであって、熱膨張係数が、10×10−6〜30×10−6(1/K)の範囲内にあることを特徴とする樹脂フィルム。

請求項7

絶縁樹脂層金属層とを備えた金属張積層板であって、前記樹脂絶縁層が、単層又は複数層ポリイミド層を有し、前記ポリイミド層の少なくとも1層が、熱膨張係数が10×10−6〜30×10−6(1/K)の範囲内にあるポリイミド層であって、該ポリイミド層が請求項2に記載のポリアミド酸をイミド化して形成されたものであることを特徴とする金属張積層板。

技術分野

0001

本発明は、ポリアミド酸ポリイミド、並びにこのポリイミドを利用した樹脂フィルム及び金属張積層板に関する。

背景技術

0002

近年、電子機器の小型化、軽量化、省スペース化進展に伴い、薄く軽量で、可撓性を有し、屈曲を繰り返しても優れた耐久性を持つフレキシブルプリント配線板FPC;Flexible PrintedCircuits)の需要が増大している。FPCは、限られたスペースでも立体的かつ高密度実装が可能であるため、例えば、HDD、DVD、携帯電話等の電子機器の可動部分の配線や、ケーブルコネクター等の部品にその用途が拡大しつつある。

0003

上述した高密度化に加えて、機器高性能化が進んだことから、伝送信号高周波化への対応も必要とされている。高周波信号伝送する際に、信号の伝送経路伝送損失が大きい場合、電気信号のロスや信号の遅延時間が長くなるなどの不都合が生じる。そのため、FPCの伝送損失の低減が重要となる。高周波化に対応するために、低誘電率低誘電正接を特徴とした液晶ポリマー誘電体層としたFPCが用いられている。しかしながら、液晶ポリマーは、誘電特性に優れているものの、耐熱性金属箔との接着性に改善の余地がある。

0004

耐熱性や接着性を改善するため、ポリイミドを絶縁層にした金属張積層板が提案されている(特許文献1)。特許文献1によると、一般的に高分子材料モノマー脂肪族系のものを用いることにより誘電率が低下することが知られており、脂肪族(鎖状テトラカルボン酸二無水物を用いて得られたポリイミドの耐熱性は著しく低いために、はんだ付けなどの加工に供する事が不可能となり実用上問題があるが、脂環族テトラカルボン酸二無水物を用いると鎖状のものに比べて耐熱性が向上したポリイミドが得られるとしている。しかしながら、このようなポリイミドから形成されるポリイミドフィルムは、10GHzにおける誘電率が3.2以下であるものの、誘電正接は0.01を超えるものであり、誘電特性は未だ十分ではなかった。また、上述の脂肪族モノマーを使用したポリイミドは熱膨張係数が大きいものが多く、これらを絶縁層にした金属張積層板では反りが発生するため、回路基板の絶縁層とすることは困難であった。

先行技術

0005

特開2004−358961号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の目的は、電子機器の小型化・高性能化に伴う高周波化への対応が可能であり、熱膨張係数(CTE)も低いポリイミド、樹脂フィルム及び金属張積層板を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

上述した課題を解決するため、本発明者らは、特定のジアミン構造を有するポリアミド酸から得られるポリイミドは、低誘電特性でありながら、樹脂フィルムを形成した場合に熱膨張係数(CTE)を低く抑えることが可能であり、反りの発生を抑制しながら、伝送特性も良好なFPC等の回路基板が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。

0008

すなわち、本発明のポリアミド酸は、ジアミン成分と、テトラカルボン酸無水物を含む酸無水物成分と、を反応させて得られるポリアミド酸であって、
前記ジアミン成分が、下記の一般式(i)で表されるジアミン化合物を、全ジアミン成分に対し、5〜100モル%の範囲内で含むことを特徴とする。

0009

0010

式(i)中、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基若しくはアルコキシ基を示すが、R1〜R8の炭素数の合計は12〜40である。

0011

本発明のポリアミド酸は、前記一般式(i)で表されるジアミン化合物を、全ジアミン成分に対し、5〜70モル%の範囲内で含んでいてもよく、
前記酸無水物成分に対し、無水ピロメリット酸(PMDA)を30〜100モル%の範囲内で含んでいてもよい。

0012

本発明のポリアミド酸は、前記ジアミン成分に、下記の一般式(ii)で表されるジアミン化合物を、全ジアミン成分に対し、30〜95モル%の範囲内で含んでいてもよい。

0013

0014

式(ii)中、R9及びR10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜3のハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基、アルコキシ基若しくはアルケニル基を示すが、R9及びR10の炭素数の合計は0〜11であり、m及びnは独立に1〜4である。

0015

本発明のポリイミドは、上記いずれかのポリアミド酸をイミド化して得られる。

0016

本発明の樹脂フィルムは、上記いずれかのポリアミド酸をイミド化して得られるポリイミドを含んでいてもよい。この場合、樹脂フィルムの熱膨張係数が、10×10−6〜30×10−6(1/K)の範囲内にあってもよい。

0017

本発明の金属張積層板は、絶縁樹脂層金属層とを備えた金属張積層板であって、前記樹脂絶縁層が、単層又は複数層ポリイミド層を有し、前記ポリイミド層の少なくとも1層が、熱膨張係数が10×10−6〜30×10−6(1/K)の範囲内にあるポリイミド層であって、該ポリイミド層が上記いずれかのポリアミド酸をイミド化して形成されたものである。

発明の効果

0018

本発明のポリアミド酸及びポリイミドは、側鎖に特定の炭素数のアルキル基又はアルコキシ基を導入した一般式(i)のジアミン化合物を用いることで、低誘電特性でありながら、樹脂フィルムを形成した場合でも、ガラス転移温度(Tg)の低下が抑制でき、熱膨張係数(CTE)の増加も低く抑えることが可能となる。従って、本発明のポリアミド酸及びポリイミドを使用した樹脂フィルムは、例えば、金属張積層板の絶縁樹脂層として好適に用いることができる。また、本発明のポリアミド酸及びポリイミドを絶縁層材料として用いることによって、反りの発生を抑制しながら、伝送特性が良好なFPC等の回路基板を提供できる。

0019

以下、本発明の実施の形態について説明する。

0020

[ポリアミド酸及びポリイミド]
<ポリアミド酸>
本実施の形態のポリアミド酸は、本実施の形態のポリイミドの前駆体であり、ジアミン成分と、テトラカルボン酸無水物を含む酸無水物成分と、を反応させて得られる。ここで、ジアミン成分は、一般式(i)で表されるジアミン化合物(以下、「ジアミン化合物(i)」と記すことがある)を、全ジアミン成分に対し、5〜100モル%の範囲内で含んでいる。

0021

0022

式(i)中、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基若しくはアルコキシ基を示すが、R1〜R8の炭素数の合計は12〜40である。

0023

ジアミン化合物(i)において、置換基R1〜R8を構成するアルキル基若しくはアルコキシ基としては、炭素数1〜20の直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基、又は、炭素数1〜20の直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル鎖を有するアルコキシ基であってもよく、好ましくは、炭素数8〜18の直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基、炭素数8〜18の直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル鎖を有するアルコキシ基である。また、ジアミン化合物(i)としては、一般式(i)中の2つの芳香環のそれぞれに、置換基として上記アルキル基若しくはアルコキシ基を1つ以上有するものが好ましい。

0024

好ましいジアミン化合物の例としては、例えば、3,3’‐ジ‐n‐オクタデシルオキシ‐4,4’‐ジアミノビフェニル、3,3’‐ジ‐n‐オクチルオキシ‐4,4’‐ジアミノビフェニル、3,3’‐ビス(2‐エチルヘキシルオキシ)‐4,4’‐ジアミノビフェニル、3,3’‐ビス(メチルシクロヘキシルオキシ)‐4,4’‐ジアミノビフェニル、2,2’‐ジ‐n‐オクチルオキシ‐4,4’‐ジアミノビフェニル、2,2’‐ビス(2‐エチルヘキシルオキシ)‐4,4’‐ジアミノビフェニル、2,2’‐ビス(メチルシクロヘキシルオキシ)‐4,4’‐ジアミノビフェニル、2,2’‐ジ‐n‐ドデシルオキシ‐4,4’‐ジアミノビフェニル等を挙げることができる。この中でも特に、2,2’‐ジ‐n‐オクチルオキシ‐4,4’‐ジアミノビフェニル、2,2’‐ビス(2‐エチルヘキシルオキシ)‐4,4’‐ジアミノビフェニル、2,2’‐ビス(メチルシクロヘキシルオキシ)‐4,4’‐ジアミノビフェニル、2,2’‐ジ‐n‐ドデシルオキシ‐4,4’‐ジアミノビフェニル等が好ましい。

0025

ジアミン化合物(i)の特徴として、側鎖に低極性であるアルキル基又はアルコキシ基を導入することで、ポリイミドとしての極性基濃度を低下させるとともに、イミド基濃度を低下させるので、低誘電特性とすることができる。また、剛直なベンジジン骨格主鎖骨格であるので、Tgの低下を抑制することができ、大幅なCTE増加を抑制することができる。

0026

本実施の形態のポリアミド酸において、ジアミン成分は、全ジアミン成分に対し、ジアミン化合物(i)を5〜100モル%の範囲内で含有する。本実施の形態のポリアミド酸を用いて形成した樹脂フィルムの低誘電化と低CTE化を両立させる場合、ジアミン化合物(i)を好ましくは5〜70モル%の範囲内、より好ましくは10〜60モル%の範囲内で使用することがよい。

0027

ジアミン化合物(i)の製造方法としては、例えば、3,3’‐ジヒドロキシ‐4,4’‐ジアミノビフェニルのアミノ基を保護し、Williamson反応または光延反応により側鎖を導入した後、脱保護する方法が挙げられる。

0028

本実施の形態のポリアミド酸を用いて形成した樹脂フィルムの低誘電化と低CTE化を両立させる場合、他のジアミン成分として、下記の一般式(ii)で表されるジアミン化合物を、全ジアミン成分に対し、好ましくは30〜95モル%の範囲内、より好ましくは40〜90モル%の範囲内がよい。

0029

0030

式(ii)中、R9及びR10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜3のハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基、アルコキシ基若しくはアルケニル基を示すが、R9及びR10の炭素数の合計は0〜11であり、m及びnは独立に1〜4である。

0031

ジアミン化合物(ii)の具体例としては、例えば2,2’‐ジメチル‐4,4’‐ジアミノビフェニル(m−TB)、2,2’‐ビス(トリフルオロメチル)‐4,4’‐ジアミノビフェニル(TFMB)、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル(m−EB)、2,2’−n−プロピル−4,4’−ジアミノビフェニル(m−NPB)、2,2’−ジビニル−4,4’−ジアミノビフェニル(VAB)等が挙げられる。この中でも、本実施の形態のポリアミド酸を用いて形成される樹脂フィルムの低CTE化に寄与するジアミン成分として、2,2’‐ビス(トリフルオロメチル)‐4,4’‐ジアミノビフェニル(TFMB)、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(m−TB)、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル(m−EB)、2,2’−n−プロピル−4,4’−ジアミノビフェニル(m−NPB)等が特に好ましい。

0032

ジアミン化合物(i)、(ii)以外のその他のジアミンとしては、例えば、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、2’-メトキシ-4,4’-ジアミノベンズアニリド、1,4-ビス(4-アミノフェノキシベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,3’-ジヒドロキシ-4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノベンズアニリド、2,2-ビス-[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[1-(4-アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[1-(3-アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、ビス[4,4'-(4-アミノフェノキシ)]ベンズアニリド、ビス[4,4'-(3-アミノフェノキシ)]ベンズアニリド、9,9-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、9,9-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、2,2−ビス-[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス-[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’-メチレンジ-o-トルイジン、4,4’-メチレンジ-2,6-キシリジン、4,4’-メチレン-2,6-ジエチルアニリン、4,4’-ジアミノジフェニルプロパン、3,3’-ジアミノジフェニルプロパン、4,4’-ジアミノジフェニルエタン、3,3’-ジアミノジフェニルエタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、ベンジジン、3,3’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメトキシベンジジン、4,4''-ジアミノ-p-テルフェニル、3,3''-ジアミノ-p-テルフェニル、m-フェニレンジアミンp-フェニレンジアミン、2,6-ジアミノピリジン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'-[1,4-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスアニリン、4,4'-[1,3-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスアニリン、ビス(p-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(p-β-アミノ-tert-ブチルフェニル)エーテル、ビス(p-β-メチル-δ-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(2-メチル-4-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(1,1-ジメチル-5-アミノペンチル)ベンゼン、1,5-ジアミノナフタレン、2,6-ジアミノナフタレン、2,4-ビス(β-アミノ-tert-ブチル)トルエン、2,4-ジアミノトルエンm-キシレン-2,5-ジアミン、p-キシレン-2,5-ジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、2,6-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノ-1,3,4-オキサジアゾールピペラジン等が挙げられる。

0033

ポリイミドの誘電特性を踏まえ、本実施の形態のポリアミド酸の調製に用いられる芳香族テトラカルボン酸無水物としては、酸無水物成分に対し、ピロメリット酸二無水物(PMDA)を30モル%以上、より具体的には30〜100モル%の範囲内で使用することが好ましい。PMDAを30モル%以上使用することによって、本実施の形態のポリアミド酸から形成される樹脂フィルムの低CTE化が可能となる。

0034

その他の酸無水物としては、例えば、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4’-オキシジフタル酸無水物が好ましく例示される。また、酸無水物として、2,2',3,3'-、2,3,3',4'-又は3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3',3,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3',3,4'-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、3,3'',4,4''-、2,3,3'',4''-又は2,2'',3,3''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)-プロパン二無水物、ビス(2,3-又は3.4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1-ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2,7,8-、1,2,6,7-又は1,2,9,10-フェナンスレン-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-アントラセンテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)テトラフルオロプロパン二無水物、2,3,5,6-シクロヘキサン二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、2,6-又は2,7-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-(又は1,4,5,8-)テトラクロロナフタレン-1,4,5,8-(又は2,3,6,7-)テトラカルボン酸二無水物、2,3,8,9-、3,4,9,10-、4,5,10,11-又は5,6,11,12-ペリレン-テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、チオフェン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、4,4’-ビス(2,3-ジカルボキシフェノキシジフェニルメタン二無水物等が挙げられる。

0035

<ポリイミド>
本実施の形態のポリイミドは、上記ポリアミド酸をイミド化してなるものであり、一般に、酸無水物とジアミンとを反応させて製造されるので、酸無水物とジアミンを説明することにより、本実施の形態のポリイミドの具体例が理解される。

0036

本実施の形態のポリイミドは、ジアミン成分として、ジアミン化合物(i)をジアミン成分として必須に用いることによって、イミド基濃度を低下させ、低誘電特性とすると共に、樹脂フィルムの大幅なCTE増加を抑制することができる。

0037

本実施の形態のポリイミドにおいて、上記酸無水物及びジアミンの種類や、2種以上の酸無水物又はジアミンを使用する場合のそれぞれのモル比選定することにより、熱膨張性、接着性、ガラス転移温度(Tg)等を制御することができる。

0038

本発明に係るポリイミドは、ジアミン化合物(i)を含むジアミン成分と、テトラカルボン酸無水物を含む酸無水物成分とを溶媒中で反応させ、ポリアミド酸を生成したのち加熱閉環させることにより製造できる。例えば、酸無水物成分とジアミン成分をほぼ等モル有機溶媒中に溶解させて、0〜100℃の範囲内の温度で30分〜24時間撹拌重合反応させることでポリイミドの前駆体であるポリアミド酸が得られる。反応にあたっては、生成する前駆体が有機溶媒中に5〜30重量%の範囲内、好ましくは10〜20重量%の範囲内となるように反応成分を溶解する。重合反応に用いる有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミドDMF)、N,N−ジメチルアセトアミドDMAc)、N,N−ジエチルアセトアミドN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、2−ブタノン、ジメチルスホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチルカプロラクタム硫酸ジメチルシクロヘキサノンジオキサンテトラヒドロフランジグライムトリグライムクレゾール等が挙げられる。これらの溶媒を2種以上併用して使用することもでき、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の併用も可能である。また、このような有機溶剤の使用量としては特に制限されるものではないが、重合反応によって得られるポリアミド酸溶液の濃度が5〜30重量%程度になるような使用量に調整して用いることが好ましい。

0039

合成されたポリアミド酸は、通常、反応溶媒溶液として使用することが有利であるが、必要により濃縮希釈又は他の有機溶媒に置換することができる。また、ポリアミド酸は一般に溶媒可溶性に優れるので、有利に使用される。ポリアミド酸の溶液の粘度は、500cP〜100,000cPの範囲内であることが好ましい。この範囲を外れると、コーター等による塗工作業の際にフィルム厚みムラスジ等の不良が発生し易くなる。ポリアミド酸をイミド化させる方法は、特に制限されず、例えば前記溶媒中で、80〜400℃の範囲内の温度条件で1〜24時間かけて加熱するといった熱処理が好適に採用される。

0040

[樹脂フィルム]
本実施の形態の樹脂フィルムは、本実施の形態のポリイミドから形成されるポリイミド層を含む絶縁樹脂のフィルムであれば特に限定されるものではなく、絶縁樹脂からなるフィルム(シート)であってもよく、銅箔ガラス板ポリイミド系フィルムポリアミド系フィルムポリエステル系フィルムなどの樹脂シート等の基材に積層された状態の絶縁樹脂のフィルムであってもよい。また、本実施の形態の樹脂フィルムの厚みは、好ましくは3〜100μmの範囲内、より好ましくは3〜75μmの範囲にある。

0041

本実施の形態のポリイミドは、ベースフィルム層(絶縁樹脂層の主層)としての適用が好適である。具体的には、熱膨張係数(CTE)が10×10−6〜30×10−6(1/K)の範囲内、好ましくは10×10−6〜25×10−6(1/K)の範囲内、より好ましくは15×10−6〜25×10−6(1/K)の範囲内にある低熱膨張性のポリイミド層をベースフィルム層に適用すると大きな効果が得られる。低熱膨張性ポリイミドの中で、好適に利用できるポリイミドは、非熱可塑性のポリイミドである。本実施の形態のポリイミドを使用して低熱膨張性のベースフィルム層を形成する場合の厚みは、好ましくは5〜50μmの範囲内、より好ましくは10〜35μmの範囲である。

0042

一方、上記熱膨張係数(CTE)を超える高膨張性のポリイミド層も、例えば金属層や他の樹脂層などの基材との接着層としての適用が好適である。このような接着性ポリイミド層として好適に用いることができるポリイミドとして、そのガラス転移温度(Tg)が、例えば360℃以下であるものが好ましく、200〜320℃の範囲内にあるものがより好ましい。

0043

高膨張性のポリイミド層とするには、例えば、原料の酸無水物成分としてピロメリット酸二無水物、3,3',4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を、ジアミン成分としては、2,2’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼンを用いることがよく、特に好ましくはピロメリット酸二無水物及び2,2’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパンを原料各成分の主成分とするものがよい。

0044

本実施の形態の樹脂フィルムとしてのポリイミドフィルムの形成方法については特に限定されないが、例えば、[1]支持基材に、ポリアミド酸の溶液を塗布・乾燥した後、イミド化してポリイミドフィルムを製造する方法(以下、キャスト法)、[2]支持基材に、ポリアミド酸の溶液を塗布・乾燥した後、ポリアミド酸のゲルフィルムを支持基材から剥がし、イミド化してポリイミドフィルムを製造する方法などが挙げられる。また、本発明で製造されるポリイミドフィルムが、複数層のポリイミド樹脂層からなる場合、その製造方法の態様としては、例えば、[3]支持基材に、ポリアミド酸の溶液を塗布・乾燥することを複数回繰り返した後、イミド化を行う方法(以下、逐次塗工法)、[4]支持基材に、多層押出により、同時にポリアミド酸の積層構造体を塗布・乾燥した後、イミド化を行う方法(以下、多層押出法)などが挙げられる。ポリイミド溶液(又はポリアミド酸溶液)を基材上に塗布する方法としては特に制限されず、例えばコンマ、ダイ、ナイフリップ等のコーターにて塗布することが可能である。多層のポリイミド層の形成に際しては、ポリイミド溶液(又はポリアミド酸溶液)を基材に塗布、乾燥する操作を繰り返す方法が好ましい。

0045

本実施の形態の樹脂フィルムは、単層又は複数層のポリイミド層を含むことができる。この場合、ポリイミド層の少なくとも1層(好ましくはベースフィルム層)が、本実施の形態の非熱可塑性ポリイミドを用いて形成されていればよい。例えば、非熱可塑性ポリイミド層をP1、熱可塑性ポリイミド層をP2とすると、樹脂フィルムを2層とする場合にはP2/P1の組み合わせで積層することが好ましく、樹脂フィルムを3層とする場合にはP2/P1/P2の順、又は、P2/P1/P1の順に積層することが好ましい。ここで、P1が本実施の形態の非熱可塑性ポリイミドを用いて形成されたベースフィルム層となる。なお、P2は、本実施の形態のポリイミド以外のポリイミドによって構成されていてもよい。

0046

本実施の形態の樹脂フィルムは、必要に応じて、ポリイミド層中に無機フィラーを含有してもよい。具体的には、例えば二酸化ケイ素酸化アルミニウム酸化マグネシウム酸化ベリリウム窒化ホウ素窒化アルミニウム窒化ケイ素フッ化アルミニウムフッ化カルシウム等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。

0047

本実施の形態の樹脂フィルムを低熱膨張性のポリイミドフィルムとして適用したものは、例えばカバーレイフィルムにおけるカバーレイ用フィルム材として適用することができる。本実施の形態の樹脂フィルムに、任意の接着剤層を積層してカバーレイフィルムを形成することができる。カバーレイ用フィルム材層の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば5μm以上100μm以下が好ましい。また、接着剤層の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば25μm以上50μm以下が好ましい。

0048

本実施の形態の樹脂フィルムを接着性のポリイミドフィルムとして適用したものは、例えば多層FPCのボンディングシートとしても利用することができる。ボンディングシートとして用いる場合、任意の基材フィルム上に、本実施の形態の樹脂フィルムをそのままボンディングシートとして使用してもよいし、この樹脂フィルムを任意の基材フィルムと積層した状態で使用してもよい。

0049

[金属張積層板]
本実施の形態の金属張積層板は、絶縁樹脂層と、この絶縁樹脂層の少なくとも片側の面に積層された金属層と、を有する。金属張積層板の好ましい具体例としては、例えば銅張積層板(CCL)などを挙げることができる。

0050

<絶縁樹脂層>
本実施の形態の金属張積層板において、絶縁樹脂層は、単層又は複数層のポリイミド層を有する。この場合、金属張積層板に優れた高周波特性を付与するためには、ポリイミド層の少なくとも1層(好ましくはベースフィルム層)が、本実施の形態の非熱可塑性ポリイミドを用いて形成されていればよい。また、絶縁樹脂層と金属層との接着性を高めるため、絶縁樹脂層における金属層に接する層は、熱可塑性ポリイミド層であることが好ましい。例えば、絶縁樹脂層を2層とする場合において、非熱可塑性ポリイミド層をP1、熱可塑性ポリイミド層をP2、金属層をM1とすると、P1/P2/M1の順に積層することが好ましい。ここで、P1が本実施の形態の非熱可塑性ポリイミドを用いて形成されたベースフィルム層となる。なお、P2は、本実施の形態のポリイミド以外のポリイミドによって構成されていてもよい。

0051

<金属層>
本実施の形態の金属張積層板における金属層の材質としては、特に制限はないが、例えば、銅、ステンレス、鉄、ニッケルベリリウムアルミニウム亜鉛インジウム、銀、金、スズ、ジルコニウムタンタルチタン、鉛、マグネシウムマンガン及びこれらの合金等が挙げられる。この中でも、特に銅又は銅合金が好ましい。なお、後述する本実施の形態の回路基板における配線層の材質も金属層と同様である。

0052

信号配線に高周波信号が供給されている状態では、その信号配線の表面にしか電流が流れず、電流が流れる有効断面積が少なくなって直流抵抗が大きくなり信号が減衰する問題(表皮効果)がある。金属層の絶縁樹脂層に接する面の表面粗度下げることで、この表皮効果による信号配線の抵抗増大を抑制できる。しかし、電気性能要求基準満足させるために表面粗度を下げると、銅箔と誘電体基板との接着力剥離強度)が弱くなる。そこで、電気性能要求を満足可能であり、絶縁樹脂層との接着性を確保しつつ金属張積層板の視認性を向上させるという観点から、金属層の絶縁樹脂層に接する面の表面粗度は、十点平均粗さRzが1.5μm以下であることが好ましく、かつ、算術平均粗さRaが0.2μm以下であることが好ましい。

0053

金属張積層板は、例えば本実施の形態のポリイミドを含んで構成される樹脂フィルムを用意し、これに金属をスパッタリングしてシード層を形成した後、例えばメッキによって金属層を形成することによって調製してもよい。

0054

また、金属張積層板は、本実施の形態のポリイミドを含んで構成される樹脂フィルムを用意し、これに金属箔を熱圧着などの方法でラミネートすることによって調製してもよい。

0055

さらに、金属張積層板は、金属箔の上に本実施の形態のポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を含有する塗布液キャストし、乾燥して塗布膜とした後、熱処理してイミド化し、ポリイミド層を形成することによって調製してもよい。

0056

[回路基板]
本実施の形態の回路基板は、絶縁樹脂層と、絶縁樹脂層上に形成された配線層と、を有する。本実施の形態の回路基板において、絶縁樹脂層は、単層又は複数層のポリイミド層を有することができる。この場合、回路基板に優れた高周波特性を付与するためには、ポリイミド層の少なくとも1層(好ましくはベースフィルム層)が、本実施の形態の非熱可塑性ポリイミドを用いて形成されていればよい。また、絶縁樹脂層と配線層との接着性を高めるため、絶縁樹脂層における配線層に接する層が、本実施の形態のポリイミドを用いて形成された熱可塑性ポリイミド層であることが好ましい。例えば、絶縁樹脂層を2層とする場合において、非熱可塑性ポリイミド層をP1、熱可塑性ポリイミド層をP2、配線層をM2とすると、P1/P2/M2の順に積層することが好ましい。ここで、P1が本実施の形態の非熱可塑性ポリイミドを用いて形成されたベースフィルム層となる。なお、P2は、本実施の形態のポリイミド以外のポリイミドによって構成されていてもよい。

0057

本実施の形態のポリイミドを使用する以外、回路基板を作製する方法は問われない。例えば、本実施の形態のポリイミドを含む絶縁樹脂層と金属層で構成される金属張積層板を用意し、金属層をエッチングして配線を形成するサブトラクティブ法でもよい。また、本実施の形態のポリイミド層上にシード層を形成した後、レジストパターン形成し、さらに金属をパターンメッキすることにより配線形成を行うセミアディティブ法でもよい。

0058

以上のように、本実施の形態のポリイミドを使用することによって、伝送損失を小さく抑えた金属張積層板を形成することができる。

0059

以下に実施例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。なお、以下の実施例において、特にことわりのない限り各種測定、評価は下記によるものである。

0060

[ガラス転移温度(Tg)の測定]
ガラス転移温度は、5mm×20mmのサイズのポリイミドフィルムを、動的粘弾性測定装置(DMA:ユー・ビー・エム社製、商品名;E4000F)を用いて、30℃から400℃まで昇温速度4℃/分、周波数11Hzで測定を行い、主分散に基づくtanδの極大値温度より求めた。

0061

[熱膨張係数(CTE)の測定]
熱膨張係数は、3mm×20mmのサイズのポリイミドフィルムを、サーモメカニカルアナライザー(Bruker社製、商品名;4000SA)を用い、5.0gの荷重を加えながら一定の昇温速度で30℃から265℃まで昇温させ、更にその温度で10分保持した後、5℃/分の速度で冷却し、250℃から100℃までの平均熱膨張係数線熱膨張係数)を求めた。

0062

[誘電率の測定]
誘電率及は、空洞共振器摂動法誘電率評価装置(Agilent社製、商品名;ベクトルネットワークアナライザE8363B)を用い、3GHzの周波数における樹脂シート(硬化後の樹脂シート)の誘電率および誘電正接を測定した。なお、測定に使用した樹脂シートは、温度;24〜26℃、湿度;45〜55%の条件下で、24時間放置したものである。なお、誘電率は3.3以下であるものを基準にし、誘電率が3.2以下である場合は、優れていると評価した。

0063

実施例及び比較例に用いた略号は、以下の化合物を示す。
o‐HAB:3,3’‐ジヒドロキシ‐4,4’‐ジアミノビフェニル
m‐TB:2,2’‐ジメチル‐4,4’‐ジアミノビフェニル
TFMB:2,2’‐ビス(トリフルオロメチル)‐4,4’‐ジアミノビフェニル
PDA:p‐フェニレンジアミン
PMDA:ピロメリット酸二無水物
BPDA:3,3’,4,4’‐ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
NMP:N‐メチル‐2‐ピロリドン
DMF:N,N‐ジメチルホルムアミド
DMAc:N,N‐ジメチルアセトアミド
THF:テトラヒドロフラン
ジアミンA:3,3’‐ジ‐n‐オクタデシルオキシ‐4,4’‐ジアミノビフェニル
ジアミンB:3,3’‐ジ‐n‐オクチルオキシ‐4,4’‐ジアミノビフェニル
ジアミンC:3,3’‐ビス(2‐エチルヘキシルオキシ)‐4,4’‐ジアミノビフェニル
ジアミンD:3,3’‐ビス(メチルシクロヘキシルオキシ)‐4,4’‐ジアミノビフェニル
ジアミンE:2,2’‐ジ‐n‐オクチルオキシ‐4,4’‐ジアミノビフェニル

0064

(ジアミンAの合成)
窒素雰囲気下、攪拌子入り四口フラスコに、17.30gのo‐HAB(80mmol)を加えて200mlのNMPに溶解し、23.94gの無水フタル酸(162mmol)を加え170℃で6時間撹拌を行った。その後、室温まで冷却し、濾過にて固形部を回収した。

0065

得られた固形部を撹拌子入り三口フラスコに加え、400mlのDMFに溶解させた後、33.17gの炭酸カリウム(240mmol)を加え撹拌し、64.78gの1−ブロモオクタデカン(192mmol)を加えて80℃で5時間撹拌した。その後室温まで冷却し、濾過にて固形部を回収した。得られた固形部を水で洗浄し、減圧乾燥して44.06gの化合物A(47mmol)を得た。

0066

撹拌子入りの三口フラスコに37.66gの化合物A(40mmol)と400mlのDMAcを加えて攪拌し、18.02gのヒドラジン一水和物(360mmol)を加え、40℃で4時間撹拌した。室温まで冷却し、濾過にて固形部を回収した。得られた固形部を800mlのTHFに溶解し、800mlのアセトンを加えて充分に撹拌した後、冷凍庫に一晩静置した。析出した固形部を濾過にて回収し、減圧乾燥して23.66gのジアミンA(33mmol)を得た。

0067

(ジアミンBの合成)
窒素雰囲気下、攪拌子入り四口フラスコに、17.30gのo‐HAB(80mmol)を加えて200mlのNMPに溶解し、23.94gの無水フタル酸(162mmol)を加え170℃で6時間撹拌を行った。その後、室温まで冷却し、濾過にて固形部を回収した。

0068

得られた固形部を撹拌子入り三口フラスコに加え、400mlのDMFに溶解させた後、33.17gの炭酸カリウム(240mmol)を加え撹拌し、37.08gの1−ブロモオクタン(192mmol)を加えて80℃で5時間撹拌した。その後室温まで冷却し、濾過して濾液を回収した。濾液を濃縮した後、カラムクロマトグラフィーによる精製を行い、32.0gの化合物B(45.6mmol)を得た。

0069

撹拌子入りの三口フラスコに28.04gの化合物B(40mmol)と400mlのDMAcを加えて攪拌し、18.02gのヒドラジン一水和物(360mmol)を加え、40℃で4時間撹拌した。室温まで冷却し、濾過にて固形部を回収した。得られた固形部を800mlのTHFに溶解し、800mlのアセトンを加えて充分に撹拌した後、冷凍庫に一晩静置した。析出した固形部を濾過にて回収し、減圧乾燥して13.40gのジアミンB(30.4mmol)を得た。

0070

(ジアミンCの合成)
1−ブロモオクタンの代わりに、1−ブロモ−2−エチルヘキサンを用いた以外、ジアミンBの合成と同様にして、化合物C及びジアミンCを得た。

0071

(ジアミンDの合成)
1−ブロモオクタンの代わりに、(ブロモメチル)シクロヘキサンを用いた以外、ジアミンBの合成と同様にして、化合物D及びジアミンDを得た。

0072

(ジアミンEの合成)
o−HABの代わりに、2,2’‐ジヒドロキシ‐4,4’‐ジアミノビフェニルを用いた以外、ジアミンBの合成と同様にして、化合物E及びジアミンEを得た。

0073

[実施例1]
(1)ポリアミド酸の調製
窒素雰囲気下、セパラブルフラスコに、2.2682gのジアミンA(3.15mmol)、6.0090gのm‐TB(28.31mmol)及び85gのDMAc/キシレン混合溶媒投入し、室温で撹拌した。次に、6.7228gのPMDA(30.82mmol)を添加した後、室温で4時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液aを得た。

0074

(2)ポリイミドフィルムの調製
厚さ12μmの電解銅箔の片面(表面粗さRz;1.06μm)に、ポリアミド酸溶液aを硬化後の厚みが約25μmとなるように均一に塗布した後、120℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。更に、120℃から320℃まで段階的に熱処理を行い、イミド化を完結した。得られた金属張積層板について、塩化第二鉄水溶液を用いて銅箔をエッチング除去して、ポリイミドフィルムAを得た。得られたポリイミドフィルムAのTgは400℃以上であり、CTE及び誘電率を表1に示す。

0075

[実施例2〜13]
表1に示す原料組成とした以外は実施例1と同様にして、ポリアミド酸溶液b〜m及びポリイミドフィルムB〜Mを調製した。得られたポリイミドフィルムB〜MのTgはいずれも400℃以上であり、CTE及び誘電率を表1に示す。

0076

0077

実施例1〜8の結果から、ジアミン化合物(i)の側鎖の炭素数が多ければ、少量で低誘電率化が可能であり、炭素数が少ないものでも組成比の調整により、低誘電率化が可能である。

0078

また、実施例12の結果から、側鎖の炭素数が多いジアミン化合物(i)を用いることで極めて低い誘電率とすることが出来、このように低誘電率としてもTgは低くならない。これは主鎖骨格が剛直で、主鎖内に屈曲構造を含まないためと考えられる。

0079

[実施例14、15]
表2に示す原料組成とした以外は実施例1と同様にして、ポリアミド酸溶液n、o及びポリイミドフィルムN、Oを調製した。得られたポリイミドフィルムN、OのCTE及び誘電率を表2に示す。

0080

0081

実施例14と実施例9から、PMDA以外の酸無水物(ここではBPDA)との共重合比率を変えることにより、低誘電率を保ったままCTEを調整することが可能である。

0082

実施例15から、ジアミン化合物(i)を適切な比率で含んでいれば、ジアミン化合物(ii)以外でもCTEと低誘電率の両立が可能である。

0083

[比較例1]
表3に示す原料組成とした以外は実施例1と同様にして、ポリアミド酸溶液p及びポリイミドフィルムPを調製した。得られたポリイミドフィルムPのCTE及び誘電率を表3に示す。

0084

0085

比較例1(と実施例15)から、側鎖のアルキル基が少ないジアミン化合物では、低CTEとすることは可能でも、同時に誘電率を低くすることが困難であることがわかる。

実施例

0086

以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。

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